説明

二次電池および二次電池の製造方法

【課題】集電箔に複数の孔を設けることで軽量化を図った二次電池であって、活物質合剤層の脱落が防止された状態で形成された捲回電極群を有するエネルギー密度の高い二次電池を提供する。
【解決手段】長尺状の集電箔9(10)上に活物質合剤を塗布した正極シートおよび負極シートをセパレータを介して捲回してなる捲回電極群を備えた二次電池において、集電箔9(10)は、集電箔9(10)の一方の長辺側縁部が帯状に露出したまま残るように活物質合剤が塗工される帯状の塗工領域3を有し、帯状の塗工領域3の両長辺上を除く塗工領域3内に複数の孔2が設けられる孔加工領域60を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)等の車両に搭載する二次電池および二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)等の動力源として高いエネルギー密度を有した二次電池が注目されている。
【0003】
リチウムイオン電池などの二次電池においては、通常、長尺状の金属箔からなる集電箔にスラリー状の活物質合剤が塗工され、乾燥、プレス、切断されることで正極シートおよび負極シートが形成される。両極シート間に微多孔質のセパレータを介して正極シートおよび負極シートを捲回することで、捲回電極群が形成される。二次電池は、捲回電極群を収容した電池容器に電解液を注入した後、密閉することで形成される。
【0004】
正極シートおよび負極シートは、活物質合剤の重量に対して正極集電箔および負極集電箔の占める重量が大きい。エネルギー密度を向上させるためには、正極集電箔および負極集電箔の軽量化が重要な課題となっている。そこで、正極集電箔および負極集電箔に複数の孔を設けることで軽量化を実現させたリチウムイオン電池用集電箔が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−67222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の集電箔では、長尺状の集電箔における長辺側の周辺部を除く部分に複数の孔を設けることで、集電箔の軽量化を図ることができる。しかしながら、集電箔に孔を設ける孔加工領域と活物質合剤が塗工される塗工領域との関係については何ら示されていない。
【0007】
通常、活物質合剤の塗工、乾燥、プレス、切断は、正極および負極シートに所定の張力が掛けられた状態で行われる。複数の孔が設けられた集電箔に活物質合剤が塗工されると、帯状の活物質合剤層が形成される。活物質合剤層の厚みは集電箔に比べて厚いため、活物質合剤層にローラが当接することで正極および負極シートに張力が付与される。
【0008】
孔上に活物質合剤層の縁が位置してしまうと、孔内の活物質合剤層の強度が集電箔上に形成される活物質合剤層の強度に比べて弱いために、捲回電極群の製造過程において張力バランスの確保が困難となり、縁部分の活物質合剤層が脱落してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明による二次電池は、長尺状の集電箔上に活物質合剤を塗布した正極シートおよび負極シートをセパレータを介して捲回してなる捲回電極群を備えた二次電池において、集電箔は、集電箔の一方の長辺側縁部が帯状に露出したまま残るように活物質合剤が塗工される帯状の塗工領域を有し、帯状の塗工領域の両長辺上を除く塗工領域内に複数の孔が設けられる孔加工領域を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明による二次電池は、長尺状の集電箔上に活物質合剤を塗布した正極シートおよび負極シートをセパレータを介して捲回してなる捲回電極群を備えた二次電池において、集電箔は、集電箔の一方の長辺側縁部が帯状に露出したまま残るように活物質合剤が塗工された帯状の塗工領域と、帯状の塗工領域の両長辺に沿って設定された無孔領域と、無孔領域以外の塗工領域に複数の孔が設けられた孔加工領域とを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明による二次電池の製造方法は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池を製造する方法において、活物質合剤が塗工された塗工領域にローラを接触させて張力を付与しながら、正極シートと負極シートとセパレータとを重ね合わせつつ捲回する工程を少なくとも含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、集電箔に複数の孔を設けることで軽量化を図った二次電池であって、活物質合剤層の脱落が防止された状態で形成された捲回電極群を有するエネルギー密度の高い二次電池および二次電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る二次電池の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る二次電池の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る二次電池の捲回電極群を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る二次電池の捲回電極群を作成する手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る正極集電箔(または負極集電箔)を示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るパンチング加工が施された正極集電箔(または負極集電箔)示す平面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る切断前の正極シート(または負極シート)を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る切断後の正極シートおよび負極シートの斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る二次電池の捲回電極群を作成するための捲回工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による二次電池を角形リチウムイオン電池に適用した実施形態を図面を参照して説明する。
[二次電池の構成]
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る二次電池40の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る二次電池40の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る二次電池40の分解斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る二次電池40の捲回電極群20を示す斜視図である。
【0015】
二次電池40は、図1に示すように、缶38と蓋32とからなる電池容器を備える。缶38は、図2に示すように、絶縁シート37で覆われた捲回電極群20を収容するものであり、一端が開口とされた矩形箱状に形成されている。蓋32は、矩形平板状であって、缶38の開口を塞ぐように溶接されている。缶38および蓋32は、いずれもアルミニウム合金により形成されている。
【0016】
図1および図2に示すように、蓋32には、正極外部端子31aと、負極外部端子31bと、が設けられている。正極外部端子31aおよび負極外部端子31bは、それぞれ缶38内に配設される正極接続板35aおよび負極接続板35bに接続されている。正極外部端子31aおよび正極接続板35aは、いずれもアルミニウム合金により形成され、負極外部端子31bおよび負極接続板35bは、いずれも銅合金により形成されている。
【0017】
正極接続板35aおよび負極接続板35bは、それぞれ捲回電極群20の接合部36に超音波溶接により接続されている。超音波溶接に先立って、接合部36は、捲回電極群20の軸方向両端部における活物質合剤が塗工されていない未塗工領域の積層体を押しつぶして形成される。すなわち、接合部36は、正極集電箔9および負極集電箔10の露出された領域を重ね合わせた状態で押しつぶして形成される。
【0018】
正極および負極外部端子31a,31bが正極および負極接続板35a,35bを介して捲回電極群20に電気的に接続されているため、正極および負極外部端子31a,31bを介して外部負荷に電力が供給され、あるいは、正極および負極外部端子31a,31bを介して外部発電電力が捲回電極群20に供給されて充電される。なお、正極外部端子31a、正極接続板35a、負極外部端子31bおよび負極接続板35bは、それぞれ図示しない絶縁材によって蓋32と電気的に絶縁されている。
【0019】
蓋32には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔33が穿設されている。注液孔33は、電解液注入後に注液栓30によって封止される。蓋32には、ガス排出弁34も設けられている。ガス排出弁34は、二次電池40が過充電等の異常により発熱してガスが発生し、電池容器内の圧力が上昇して所定圧力に達したときに開裂して、内部からのガスを排出して電池容器内の圧力を低減させる。
【0020】
捲回電極群20は、図3に示すように、正極シート12および負極シート13をセパレータ14,15を介して扁平状に捲回して構成されている。正極シート12および負極シート13は、長尺状の金属箔である正極集電箔9および負極集電箔10のそれぞれの両面に活物質合剤が塗工されてなる。正極集電箔9は、厚さ20μm程度のアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔であり、負極集電箔10は、厚さ15μm程度の銅箔もしくは銅合金箔である。セパレータ14,15は多孔質のポリエチレン樹脂である。
【0021】
正極集電箔9には、図7に示す孔2が規則的に多数穿設されている。これらの孔2を覆うように帯状の正極活物質合剤層23が塗工されて、図8(a)に示す正極シート12が作成される。正極活物質合剤層23は、長尺状の正極集電箔9の一方の長辺側縁部が帯状に露出したまま残るように、正極活物質合剤が塗工されることで形成されている。正極活物質合剤層23は、リチウム含有複酸化物粉末と、導電材として鱗片状黒鉛と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを重量比85:10:5で混合し、これに分散溶媒のN−メチルピロリドン(NMP)を添加、混練したスラリを、正極集電箔9の両面に塗布し、乾燥プレスして形成されている。
【0022】
負極集電箔10には、図7に示す孔2が規則的に多数穿設されている。これらの孔2を覆うように帯状の負極活物質合剤層24が塗工されて、図8(b)に示す負極シート13が作成される。負極活物質合剤層24は、長尺状の負極集電箔10の一方の長辺側縁部が帯状に露出したまま残るように、負極活物質合剤が塗工されることで形成されている。負極活物質合剤層24は、非晶質炭素粉末と、結着剤としてPVDFとを重量比90:10で混合し、これに分散溶媒のNMPを添加、混練したスラリを、負極集電箔10の両面に塗布し、乾燥プレスして形成されている。形成された正極および負極活物質合剤層23,24は、それぞれ片面で40μm程度の厚みとされている。
【0023】
正極および負極集電箔9,10の幅方向(捲回方向に直交する方向)の一方の端部は、図3に示すように、活物質合剤が塗布されていない正極未塗工領域9aおよび負極未塗工領域10aとされている。正極未塗工領域9aおよび負極未塗工領域10aは、金属箔が露出する部分であって、上記したように、正極および負極接続板35a,35bと電気的に接続される接合部36とされる(図2参照)。正極および負極接続板35a,35bは、上記したように、正極および負極外部端子31a,31bに接続されている。
【0024】
捲回電極群20を作製する各種工程を図4を参照して説明する。図4は、捲回電極群20を構成する正極シート12および負極シート13を作製する手順S50,S100〜500と、正負極シート12,13を捲回して捲回電極群20を作製する手順S600とを示すフローチャートである。正極シート12および負極シート13は同一手順で作製されるので図4のフローチャートは正負極シート12,13の作成手順として説明する。
【0025】
[製造工程]
正負極シート12,13は、図4に示すように、電極箔素材準備工程S50、パンチング加工工程S100、正負極活物質合剤塗工工程S200、乾燥工程S300、プレス工程S400、およびスリット工程S500を経て作製される。
【0026】
電極箔素材準備工程S50では、図5に示すように、正負極シート12,13の2倍の幅を有する長尺の電極箔素材である正負極集電箔9,10を準備する。図5の符号70が2枚の正負極集電箔9,10の分割線である。分割線70は、一条の集電箔9,10を二分するための仮想線であり、この線上で切断されると、この線が正負極シート12,13の一方の長辺となる。
【0027】
分割線70を挟む上下領域には幅2×WKの帯状の活物質塗工領域3が設定され、活物質塗工領域3には後述するように活物質合剤が塗工される。長尺の正負極集電箔9,10の上下の両長辺側縁部には活物質が塗工されない活物質未塗工領域1がそれぞれ設定される。未塗工領域1は、上記した接合部36に対応する領域であり、正極接続板35aまたは負極接続板35bとの接続のために必要な幅が確保される。
【0028】
分割線70の上下のそれぞれの領域にはそれぞれ、幅WPの孔加工領域60が設定され、各孔加工領域60には後述するように多数の小孔2が形成される。孔加工領域60は、分割線70上と、塗工領域3の両長辺上を含まないように塗工領域3内において帯状に確保されている。つまり、孔加工を施さない無孔領域61が、塗工領域3の両長辺および分割線70に沿って設定されている。無孔領域61の幅は、それぞれ2〜10mmとした。なお、上記したように、分割線70は、切断後に正負極シート12,13の長辺となるため、切断後の正負極シート12,13の塗工領域3における孔加工領域60でない両長辺側縁部が無孔領域61とされる。
【0029】
パンチング加工工程S100では、図6に示すように正極および負極集電箔9,10の孔加工領域60にパンチング加工が施される。孔加工領域60にパンチング加工が施されると、集電箔9,10に多数の円状の孔2がマトリクス状に形成される。
【0030】
活物質合剤塗工工程S200では、図7に示すように、正負極集電箔9,10の孔加工領域60を含む塗工領域3に活物質合剤が塗工されて正負極シート12,13が形成される。正負極活物質合剤層23,24は孔2を覆うように形成される。つまり、活物質合剤は、集電箔9,10の表面だけでなく孔2の中にも充填される。
【0031】
乾燥工程S300では、塗工された活物質合剤が乾燥されて、プレス工程S400において活物質合剤層23,24が加圧成形される。
【0032】
スリット工程S500では、正負極シート12,13の素材が分割線70に沿って、すなわち、素材が幅方向の中央で長手方向に切断されて、図8(a)に示す正極シート12または図8(b)に示す負極シート13のそれぞれが同時に二条作成される。
【0033】
捲回工程S600では、図9に示すように、活物質合剤が塗工された塗工領域3をローラ(不図示)に接触させて張力を付与しながら、正極シート12と負極シート13とセパレータ14,15とを重ね合わせつつ捲回することで捲回電極群20が作成される。
【0034】
捲回に際しては、先ず、水平軸を中心に回転する捲回軸16にセパレータ14,15を複数回捲回して軸芯を形成する。次に、捲回軸16の片側からセパレータ15の上側に正極シート12を巻き込み、セパレータ14の下側に負極シート13を巻き込む。捲回軸16を回転させることで、セパレータ15と正極シート12およびセパレータ14と負極シート13は、それぞれ水平に設置されるガイドローラ17によって案内されつつ軸芯の周りに捲回される。
【0035】
捲回時は、正極シート12、負極シート13、セパレータ14,15ともに、長手方向に10Nの荷重を掛けて伸展しつつ、正極および負極シート12,13、セパレータ14,15のそれぞれの長手方向の側面端部が一定位置になるように蛇行制御される。
【0036】
正負極活物質合剤塗工工程S200〜捲回工程S600における各処理は、正極および負極集電箔9,10に正極および負極活物質合剤層23,24が塗工されてなる正極および負極シート12,13の長手方向に所定の張力が掛けられた状態で行われる。張力は、ローラによって付与される(図示せず)。
【0037】
正極および負極シート12,13において、正極および負極活物質合剤層23,24が形成された領域の厚みは、正極および負極集電箔9,10に比べて厚いため、正極および負極活物質合剤層23,24がローラと当接して正極および負極シート12,13に張力が付与される。
【0038】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)塗工領域3の両長辺に沿って無孔領域61を設けて、孔加工領域60を含むように塗工領域3を確保した。これにより、活物質合剤塗工工程S200〜捲回工程S600において正極および負極活物質合剤層23,24に加わる張力バランスを適正に保つことができるため、正極および負極活物質合剤層23,24の剥離、脱落が防止できる。
つまり、本実施の形態によれば、集電箔9,10に複数の孔2を設けることで軽量化を図った二次電池40であって、活物質合剤層23,24の脱落が防止された状態で形成された捲回電極群20を有するエネルギー密度の高い二次電池40および二次電池40の製造方法を提供することができる。
【0039】
(2)正極または負極集電箔9,10の幅方向中央における分割線70上に孔2が形成されないように孔加工領域60を確保した。これにより、スリット工程S500において、切断部における正極および負極活物質合剤層23,24の剥離、脱落が防止できる。
【0040】
(3)捲回工程S600において正極および負極シート12,13に加わる張力バランスを適正に保つことができるため、巻ずれを防止することができる。
【0041】
(4)孔加工領域60は、塗工領域3内にあるため、未塗工領域1に孔2は形成されない。これにより、未塗工領域1である集電箔露出面を重ねてなる接合部36を超音波溶接により容易に正極および負極接続部35a,35bと接続させることができる。
【0042】
(5)塗工領域3の両長辺側縁部に設けた無孔領域61の幅は、それぞれ2〜10mmとした。これにより、捲回電極群20の作成の際に張力バランスを確実に確保して、正極および負極活物質合剤層23,24の剥離、脱落を防止することができる。
【0043】
(6)正極および負極活物質合剤層23,24が、正極および負極集電箔9,10の両面に形成されているため、エネルギー密度の高い二次電池40を提供することができる。
【0044】
なお、上記した実施形態は、以下のように変形することもできる。
[変形例]
(1)本発明は、二条取りにより正極シート12および負極シート13を形成する場合に限定されない。一条取りにより正極シート12および負極シート13を形成する場合であっても、孔2の上に活物質合剤層23,24の長辺が位置しないように、塗工領域3の内側に孔加工領域60を確保するように、塗工領域3の両長辺に沿って無孔領域61を設定することで、塗工時および捲回時に張力バランスを適正に確保して、活物質合剤層23,24の剥離、脱落を防止することができる。捲回時には、巻ずれも防止することができる。なお、一条取りの場合は、スリット工程S500は省略される。
【0045】
(2)上記実施形態では、角形二次電池を例に説明したが、これに限定されない。円筒型リチウムイオン二次電池の捲回電極群を作成する際にも、張力バランスを適正に確保して、活物質合剤層の剥離、脱落を防止することもできる。
【0046】
(3)孔2の形状は、円状に限定されない。楕円状、矩形状など種々の形状を採用できる。
(4)孔2は、等ピッチとされるマトリクス状に設けることなく、不等ピッチで設けてもよい。
(5)捲回電極群20を構成する正極集電箔9および負極集電箔10の両方にパンチング加工を施す場合に限定されない。正極集電箔9または負極集電箔10のいずれか一方にパンチング加工を施して捲回電極群20を形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 未塗工領域、2 孔、3 塗工領域、9 正極集電箔、9a 正極未塗工領域、10 負極集電箔、10a 負極未塗工領域、12 正極シート、13 負極シート、14 セパレータ、15 セパレータ、20 捲回電極群、23 正極活物質合剤層、24 負極活物質合剤層、40 二次電池、60 孔加工領域、70 分割線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の集電箔上に活物質合剤を塗布した正極シートおよび負極シートをセパレータを介して捲回してなる捲回電極群を備えた二次電池において、
前記集電箔は、前記集電箔の一方の長辺側縁部が帯状に露出したまま残るように活物質合剤が塗工される帯状の塗工領域を有し、前記帯状の塗工領域の両長辺上を除く塗工領域内に複数の孔が設けられる孔加工領域を備えていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の二次電池において、
前記塗工領域において前記孔が形成されていない両長辺側縁部の幅は、それぞれ2〜10mmであることを特徴とする二次電池。
【請求項3】
長尺状の集電箔上に活物質合剤を塗布した正極シートおよび負極シートをセパレータを介して捲回してなる捲回電極群を備えた二次電池において、
前記集電箔は、前記集電箔の一方の長辺側縁部が帯状に露出したまま残るように活物質合剤が塗工された帯状の塗工領域と、前記帯状の塗工領域の両長辺に沿って設定された無孔領域と、前記無孔領域以外の前記塗工領域に複数の孔が設けられた孔加工領域とを備えていることを特徴とする二次電池。
【請求項4】
請求項3に記載の二次電池において、
前記無孔領域の幅はそれぞれ2〜10mmであることを特徴とする二次電池。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の二次電池において、
前記活物質合剤は、正極集電箔および負極集電箔の両面に塗工されていることを特徴とする二次電池。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池を製造する方法において、
前記活物質合剤が塗工された塗工領域にローラを接触させて張力を付与しながら、前記正極シートと負極シートとセパレータとを重ね合わせつつ捲回する工程を少なくとも含むことを特徴とする二次電池の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−119080(P2012−119080A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265139(P2010−265139)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】