説明

二次電池の充電制御装置および二次電池の充電制御方法

【課題】保存充電レベルと保管劣化との関連特性が配慮され、保管劣化の速度を低減する二次電池の充電制御装置を提供する。
【解決手段】二次電池1は、保存充電レベルが70%を超える第1の領域では、保存前に対する保存後の電力量比率が、ほぼ直線A上に重なり、保存充電レベルが70%以下の第2の領域では、同じ電力量比率が、ほぼ直線B上に重なるような特性を示す。直線Bの傾斜は直線Aの傾斜の1/7程度であり、保存充電レベルを70%以下とすれば、保管状態における劣化の速度を大幅に低減可能である。そこで、保存充電レベルが70%を超える充電レベルと70%以下の充電レベルとを選択的に充電することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二次電池の充電制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池等の二次電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車の電源として近年、急速に普及しつつある。
自動車用の電源として用いられる二次電池は、通常、複数個の二次電池をバスバーで直列に接続された電池モジュールにされて車両に搭載される。
二次電池は、充放電を繰り返し行うことにより劣化するが、保管状態においても、保管劣化が生じる。
充放電の繰り返しや長期間の保管により二次電池が劣化すると、二次電池を100%充電する、いわゆる満充電容量が低減する。
満充電容量が低減し、必要とされる放電容量が所定値より小さくなると二次電池の寿命となる。
【0003】
二次電池を長寿命化する方法の一例として、下記の方法が知られている。
二次電池を、常に、満充電すると二次電池の充電可能な容量は、経年劣化により所定の割合で低減する。そこで、初期状態での二次電池の充電深度を80%にとどめる。この二次電池の放電量を監視し、充電時期となると、二次電池が劣化して低減した状態の満充電容量を新たな満充電容量として登録更新する。そして、この新たな満充電容量に対応する充電深度を予め定めておき、二次電池をこの充電深度まで充電する。この充放電サイクルを繰り返し行う。この方法によれば、初期状態での充電深度を満充電の80%とすることで二次電池の経年劣化が抑制され、電池寿命が長くなるとされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−15590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法では、初期状態での充電深度を、満充電の80%とすると共に、以降の充電時においては、放電後の新たな満充電容量に対し、予め決定された深度まで充電にする。この方法では、保管状態における二次電池の経年劣化が、充電深度により変化することが配慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の二次電池の充電制御装置は、充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が大きい第1の充電レベル領域と、充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が第1の充電レベル領域よりも小さい第2の充電レベル領域を有する二次電池を充電する充電制御装置であって、第1の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電である第1の充電レベルと、第2の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電より小さい第2の充電レベルとの一方を選択する充電レベル選択手段と、二次電池の充電レベルを検出する充電レベル検出手段と、充電レベル選択手段により選択された各充電レベルの上限値まで充電する充電制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の二次電池の充電制御方法は、充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が大きい第1の充電レベル領域と、充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が第1の充電レベル領域よりも小さい第2の充電レベル領域を有する二次電池を充電する充電制御方法であって、第1の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電である第1の充電レベルと、第2の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電より小さい第2の充電レベルとの一方を選択する第1のステップと、二次電池の充電レベルを検出する第2のステップと、充電レベル選択手段により選択された各充電レベルの上限値まで充電する第3のステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、充電レベルの上限値が満充電である第1の充電レベルと、充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が第1の充電レベルよりも小さい第2の充電レベルとのいずれかを選択することができるので、二次電池の保管劣化を抑制して、長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る二次電池の充電制御装置に使用される二次電池の一実施の形態としての断面図。
【図2】図1に示された二次電池の分解斜視図。
【図3】保存前後に取り出せる電力量比率と各保存充電レベルとの関係を示す特性図。
【図4】100%充電した場合における保存前後に取り出せる電力量比率と各保存充電レベルとの関係を示す特性図。
【図5】所定の充電レベルに保存した二次電池を搭載した車両の走行距離と各保存充電レベルとの関係を示す特性図。
【図6】所定の充電レベルに保存した後、100%充電した状態の二次電池を搭載した車両の走行距離と各保存充電レベルとの関係を示す特性図。
【図7】本発明の二次電池の充電制御装置の一実施の形態としてのブロック回路図。
【図8】本発明の二次電池の充電制御方法の一実施の形態としての処理フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の一実施の形態を図面と共に説明する。
図1は、この発明の二次電池の充電制御装置に適用可能な円筒形の二次電池の一実施の形態を示す拡大断面図である。
円筒形の二次電池1は、例えば、リチウムイオン二次電池である。この二次電池1は、円筒形の電池缶2および電池缶2の上部を封口するハット型の電池蓋3で構成される電池容器内に、以下に説明する発電用の各構成部材が収容され、非水電解液5が注入されて構成されている。
【0010】
円筒形の電池缶2は、例えば、鉄(SPCC)製であり、内外両面にはニッケルめっきが施されている。電池缶2には、上端側に設けられた開口部2b側に電池缶2の内側に突き出した溝2aが形成されている。
電池缶2の内部には、電極群10が配置されている。電極群10は、軸方向に沿う中空部を有する円筒形の軸芯15と、軸芯15の周囲にセパレータを介して捲回された正極電極および負極電極とを備える。
【0011】
図2は、図1に示された二次電池1の分解斜視図である。
図2に図示されるように、電極群10は、軸芯15の周囲に、正極電極11、負極電極12、およびセパレータ13が捲回された構造を有する。電極群10の最外周が、負極電極12およびその外周のセパレータ13となるように捲回されている。最外周のセパレータ13の側縁は接着テープ19により、内周側のセパレータ13に止められる。
【0012】
正極電極11は、アルミニウム箔により形成され長尺な形状を有する正極金属箔と、この正極金属箔の両面に正極合剤が塗布された正極合剤処理部11aを有する。正極金属箔の長手方向に延在する上方側の側縁は、正極合剤が塗布されずアルミニウム箔が露出した正極合剤未処理部となっている。この正極合剤未処理部には、軸芯15の軸方向と平行に突き出す多数の正極タブ16が等間隔に一体的に形成されている。
【0013】
正極合剤は正極活物質と、正極導電材と、正極バインダとからなる。正極活物質はリチウム酸化物が好ましい。例として、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リチウム複合酸化物(コバルト、ニッケル、マンガンから選ばれる2種類以上を含むリチウム酸化物)等が挙げられる。正極導電材は、正極合剤中におけるリチウムの吸蔵放出反応で生じた電子の正極電極への伝達を補助できるものであれば制限は無い。しかし中でも上述の材料である、コバルト酸リチウムとマンガン酸リチウムとニッケル酸リチウムとからなるリチウム複合酸化物を使用することにより良好な特性が得られる。
【0014】
正極バインダは、正極活物質と正極導電材を結着させ、また正極合剤と正極集電体を結着させることが可能であり、非水電解液5との接触により、大幅に劣化しなければ特に制限はない。正極バインダの例としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)やフッ素ゴムなどが挙げられる。正極合剤よる正極合剤処理部11aの形成方法は、正極金属箔上に正極合剤が形成される方法であれば制限はない。正極合剤による正極合剤処理部11aの形成方法の例として、正極合剤の構成物質の分散溶液を正極金属箔上に塗布する方法が挙げられる。このような方法で製造することにより特性の優れた正極合剤が得られる。
正極合剤の塗布厚さの一例としては片側約40μmである。
【0015】
負極電極12は、銅箔により形成され長尺な形状を有する負極金属箔と、この負極金属箔の両面に負極合剤が塗布された負極合剤処理部12aを有する。負極金属箔の長手方向に延在する下方側の側縁は、負極合剤が塗布されず銅箔が露出した負極合剤未処理部となっている。この負極合剤未処理部には、軸芯15の軸方向と平行に、かつ、正極タブ16とは反対方向に延出された、多数の負極タブ17が等間隔に一体的に形成されている。
【0016】
負極合剤は、負極活物質と、負極バインダと、増粘剤とからなる。負極合剤は、アセチレンブラックなどの負極導電材を有しても良い。負極活物質としては、黒鉛炭素を用いること、特に人造黒鉛を使用することが好ましい。黒鉛炭素を用いることにより、大容量が要求されるプラグインハイブリッド自動車や電気自動車向けのリチウムイオン二次電池が作製できる。負極合剤による負極合剤処理部12aの形成方法は、負極金属箔上に負極合剤が形成される方法であれば制限はない。しかしその中でも次に記載する方法により優れた特性の負極合剤が得られる。負極合剤を負極金属箔に塗布する方法の例として、負極合剤の構成物質の分散溶液を負極金属箔上に塗布する方法が挙げられる。
負極合剤の塗布厚さの一例としては片側約40μmである。
【0017】
セパレータ13は、例えば、厚さ40μmのポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の複合材料からなる多孔膜で形成されている。
【0018】
中空な円筒形状の軸芯15の上端部の内周側に、ほぼリング状の正極集電部材25が圧入されている。正極集電部材25は、例えば、アルミニウムにより形成されている。
正極電極11の正極タブ16は、すべて、正極集電部材25のリング状の周側面に超音波溶接等により接合されている。
【0019】
軸芯15の下端部には、ほぼリング形状の負極集電部材20が圧入されて取り付けられている。負極集電部材20は、例えば、銅により形成されている。
負極電極12の負極タブ17は、すべて、負極集電部材20のリング状の周側面に超音波溶接等により接合されている。
【0020】
負極集電部材20の下面には、ニッケルからなる負極導電リード21が固着されている。
負極集電リード21は、例えば、スポット溶接(抵抗溶接)等により、その周縁部を負極集電部材20に接合される。
また、負極導電リード21は、その中央部、すなわち、軸芯15の中空部に対応する部分が、電池缶2の缶底2cに抵抗溶接等により接合されている。負極導電リード21と電池缶2との接合は、軸芯15の中空軸に、電極棒(図示せず)を挿通し、電極棒の先端により負極導電リード21を電池缶2の缶底2cに押し付けて行う。
【0021】
正極集電部材25の上面には、複数のアルミニウム箔が積層されて構成されたフレキシブルな正極接続リード26が、その一端部を超音波溶接等により接合されている。正極接続リード26は、複数枚のアルミニウム箔を積層して一体化することにより、大電流を流すことが可能とされ、且つ、フレキシブル性を付与されている。
【0022】
正極集電部材25の上部には、導電接続板27が配置されている。導電接続板27の周縁部には電池蓋3が、かしめにより固定されている。
導電接続板27は、アルミニウム合金で形成され、ほぼ円盤形状を有している。図示はしないが、導電接続板27のほぼ中央部には、過充電の際、二次電池1内部に発生するガスを放出するほぼ円形形状の安全弁が形成されている。安全弁は、プレスによりほぼV字形状の溝ができるように押し潰して薄肉部とされた部分で形成される。導電接続板27の下面には、一端部が正極集電部材25に接合された正極接続リード26の他端部がレーザ溶接等により接合されている。
【0023】
導電接続板27の周縁部を覆ってガスケット28が設けられている。ガスケット28は、例えば、プルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等により形成されている。
導電接続板27の周縁部にかしめられた電池蓋3は、ガスケット28と共に電池缶2にかしめにより固定されている。
ガスケット28の開口部内に、電池蓋3がかしめられた導電接続板27を収容し、プレスにより、電池缶2の開口部2bの周縁部と共にガスケット28を圧着すると、図1に図示されたような、電池蓋3、導電接続板27、ガスケット28、電池蓋3がかしめにより一体化された電池容器が作製される。
【0024】
電池缶2の内部には、非水電解液5が所定量注入されている。非水電解液5の一例としては、リチウム塩がカーボネート系溶媒に溶解した溶液を用いることが好ましい。リチウム塩の例として、フッ化リン酸リチウム(LiPF)、フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)等が挙げられる。また、カーボネート系溶媒の例として、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、或いは上記溶媒の1種類以上から選ばれる溶媒を混合したものが挙げられる。
【0025】
軸芯15の下部側に負極導電リード21が接合された負極集電部材20が圧入され、軸芯15の上部側に正極集電部材25が圧入された電極群10を電池缶2内に収容し、負極集電リード21を電池缶2の缶底2cに接合し、非水電解液5を電池缶2内に注入する。
次に、正極接続リード26により正極集電部材25と電池蓋3がかしめられた導電接続板27を接続する。そして、ガスケット28を介して導電接続板27と電池蓋3とを電池缶2の上部側の開口部2bの周縁部にかしめることにより、図1に図示される二次電池1が作製される。
【0026】
二次電池1は、充電装置により、所定の充電レベルに充電した後、使用される。
充電レベルとは、二次電池が完全充電された状態から放電した電気量の割合を除いた割合を示す。満充電とは、100%充電レベル、あるいは外部電源から充電する際の安全率を見込んで設定した充電容量の上限値を示す。
ここで、所定の充電レベルに充電された二次電池を長期間、その充電レベルを保持した状態で保管した場合、二次電池における保管劣化は、充電レベルにより異なることが確認された。
以下、このことについて測定資料を参照して説明する。
【0027】
図3および図4に保存する際の充電レベル(以下、「保存充電レベル」という)をパラメータとして二次電池から取り出せる電力量を測定した実験結果を示す。
実験では二次電池1を、25℃環境下において1年間、各保存充電レベルが維持されるよう定期的に充電しながら保存し、保存前後の電力量変化を計測した。保存充電レベルは、100%、90%、80%、70%、60%、50%、20%、0%に設定した。
図4に示す試験は次のような手順で行った。保存前に、保存充電レベルおよび100%充電レベルに充電した後、使用電圧範囲の下限電圧まで定格容量を1時間率で除した電流値の5倍(以下、「5CA」という)で放電した際の電力量を測定した。その後、各保存充電レベルで1年間保存した。1年間保存後、保存前と同じく保存充電レベルおよび100%充電レベルに再度充電してから使用電圧範囲の下限電圧まで5CAで放電し電力量を測定した。
また、使用電圧範囲の下限電圧は2.7Vとした。因みに、この二次電池1を初期状態において満充電した場合の充電終止電圧は、4.1Vである。
【0028】
図3は、保存前後に取り出せる電力量の比率と各保存充電レベルとの関係を示す特性図である。図3において、白丸は、保存前を、黒菱形は保存後を示す。
図3における保存充電レベル90%の場合を一例として、実験データを採る手順を具体的に説明する。
二次電池1を90%充電する。この二次電池1を2.7Vまで5CAで放電した場合の電力量を測定する。この時の電力量を、同様に行った100%充電レベルの場合の電力量と比較し、その割合を、保存充電レベル90%における保存前の電力量比率とした。
【0029】
上記の二次電池1を、90%充電レベルが維持されるように定期的に充電しながら1年間保管する。そして、90%充電レベルに充電し、2.7Vまで5CAで放電した場合の電力量を測定する。この時の電力量を、保存前に行った100%充電レベルの場合の電力量と比較し、その割合を、保存充電レベル90%における保存後の電力量比率とした。
【0030】
図3を参照すると、保存充電レベルが高い程、保存前充電量と保存後充電量の差が大きいことが判る。保存充電レベルが20%以下では、保存前充電量と保存後充電量とは殆ど差異がみられない。しかし、保存充電レベルが50%〜70%程度では、保存前充電量と保存後充電量の差は、所定の割合で増大する傾向が伺える。また、保存充電レベルが70%を超えると、保存前充電量と保存後充電量の差は、所定の割合よりも大きい割合で増大する傾向が伺える。
【0031】
図4は、100%充電した場合における保存前後に取り出せる電力量の比率と各保存充電レベルとの関係を示す特性図である。図4において、白丸は、保存前を、黒菱形は保存後を示す。
図4において、電力量は保存前の100%充電レベルから放電した電力量を100%として率で表記した。
図4における保存充電レベル90%の場合を一例として、実験データを採る手順を具体的に説明する。
二次電池1を100%充電する。この状態で2.7Vまで5CAで放電した場合の電力量を測定する。この時の電力量比率を保存前充電レベル90%における保存前の電力量比率100%として表示する。なお、保存前充電レベルの電力量比率は、すべての保存前充電レベルに対し100%と同一の値である。
【0032】
上記の二次電池1を、90%充電レベルが維持されるように定期的に充電しながら1年間保管する。そして、100%充電レベルに充電し、2.7Vまで5CAで放電した場合の電力量を測定する。この時の電力量を、同様に行った保存前の電力量と比較し、その割合を、保存充電レベル90%における保存後の電力量比率とした。
【0033】
図4を参照して、保存後における70%を超えた充電レベルから100%充電レベルまでの電力量比率は、ほぼ直線A上近傍に存在し、保存後における70%以下の充電レベルの電力量比率は、ほぼ直線B上近傍に存在することが判った。
直線AおよびBの傾きを算出すると直線A=−0.380、直線B=−0.054であった。また、直線Aの傾き/直線Bの傾き=0.380/0.054≒7.0であった。
【0034】
つまり、実験結果は下記のことを示す。
保存前に対する保存後の電力量比率は、保存充電レベルが70%を超え100%までの領域(第1の充電レベル領域)は、大略、直線Aで示されるように急激な傾斜で低減するが、保存充電レベルが70%以下の領域(第2の充電レベル領域)では、大略、直線Bで示されるように、第1の充電レベル領域に比し、例えば、1/7程度と、遥かに小さい傾斜で低減する。
【0035】
次に二次電池1を電気自動車に搭載した場合をシュミレーションした。
図5は、所定の充電レベルに保存した二次電池を搭載した車両の走行距離と各保存充電レベルとの関係を示す特性図であり、図6は、所定の充電レベルに保存した後、100%充電した状態の二次電池を搭載した車両の走行距離と各保存充電レベルとの関係を示す特性図である。
車両の場合、充電レベル等の電池の状態のほかに車両機種や電池の構成、走行環境等により1充電当たりの走行距離は異なる。二次電池1を搭載した車両において、図3、図4で示した電力量と走行距離が比例関係にあり、かつ初期の状態で100%充電レベルから1充電当たり200km走行できると仮定した場合、車両が保存充電レベルから走行できる距離は図5となる。0%保存充電レベルで保管した車両は保管後そのまま走行することができず走行するためには充電が必要であることが分かる。逆に、100%保存充電レベルで保管した車両は、保管後そのまま走行できる距離がいちばん長い。
【0036】
一見、100%保存充電レベルで保管した車両が保管後そのまま走行できる距離がいちばん長いのでユーザにとって便利であるように見えるが、実際は次に充電するまでの間に走行したい距離が確保できていれば、それ以上の充電は利便性の向上にはあまり寄与していない。例えば、毎日家に帰ったら充電する場合、1日分の走行距離を確保できればそれ以上の距離が走行できるかどうかは問題とはならない。
実際に日本で走行されている乗用車の1日当たりの走行距離分布をみると、日本では過半数のドライバーが1日当たりの走行距離20km以下である。また、80kmの走行が可能であれば実に75%強のドライバーをカバーしていることとなる。図5を参照すれば、走行距離20kmは、20%保存充電レベルで走行できる距離であり、走行距離80kmであっても、50%保存充電レベルで走行できる。また、70%保存充電レベルならば、120km程度の走行が可能である。
【0037】
つまり、日本の過半数のユーザにとっては普通に使う限り、毎日充電して使用すれば、20%充電レベル以上であれば走行距離を満足することとなる。20%充電レベルの場合は帰り道に少し寄り道したり、少し渋滞に巻き込まれたり、温度が低くなり効率が低下した場合に目的地に到達できなくなる可能性がある。しかし、あえて放置劣化が大きい保存条件である70%を超える保存充電レベルを選択しなくても、70%以下の保存充電レベルでも十分目的が達成できることとなる。
【0038】
一方、どのユーザでも旅行等の目的で遠方に車で出かける可能性はある。その場合には遠方に出かける前に100%充電レベルまで充電しておくことで走行距離を確保する。
その際、放置劣化を抑えることによる効果が、保存後の走行距離に現れる。
1年間各充電レベルで保管した後、100%充電レベルまで充電した状態で走行できる距離を図6に示す。図6より、50%充電レベルで1年間保管した後の電池は194km、70%充電レベルで1年間保管した後の電池は189kmの走行が可能であることがわかる。一方、100%充電レベルで1年間保存した電池では高い充電レベルで保存していたことによる劣化により走行距離が167kmに留まる。もし、180kmの距離を走行しようとした場合、100%保存充電レベルで1年間保管した後では途中で充電が必要となり、ユーザに途中充電の手間が発生することとなる。もしユーザが初期に180kmを途中で充電せず走行できたことを覚えていれば、性能の低下をユーザが強く認識することとなる。
なお、図5および図6は、それぞれ、図3および図4に示す実験結果に基づいて、縦軸における電力量比率から走行距離を算出したものである。
【0039】
上記の実験結果に基づいて構成した二次電池の充電制御装置30の好ましい一実施の形態のブロック回路図を図7に示す。図7に図示された充電制御装置30は、二次電池モジュール31を除き外部の電源装置に設けてもよく、あるいは外部電源以外は二次電池モジュールを制御する制御装置と共に車両内に電源システムとして組込まれていてもよい。
二次電池モジュール31は、図1に図示されるような二次電池1を複数個有している。また、二次電池モジュール31は、各二次電池1の電池電圧を検出する電圧検出部32、を有している。
【0040】
充電制御装置41は、二次電池モジュール31の電圧検出部32から送信される電池電圧等のデータを充電レベルに変換するために必要な二次電池情報を有している。また、充電制御装置41は、通常充電レベルに関する情報と、二次電池モジュール31の各二次電池1を、所定の充電レベルの上限値まで充電する充電手段とを有している。この充電手段は、100%充電レベルまたは通常充電レベルを含む、少なくとも、2つの異なる充電レベルの上限値まで充電する制御が可能なものである。通常充電レベルは、充電レベルを選択あるいは指定しない限り、充電制御装置41により自動的に設定される充電レベルであり、以下においては、通常充電レベルは、図4に示す70%充電レベルとする。
【0041】
充電制御装置41は、選択スイッチ43から送信される選択信号により、100%充電レベルと通常充電レベルとの切換を行う。充電制御装置41にさらに別の充電レベルが設定されていれば、選択スイッチ43によって、その充電レベルを選択することも可能である。
また、充電制御装置41は、充電期間計測部42を有している。充電期間計測部42は、充電レベルが事前に設定した閾値を超えた場合、その閾値を超えている期間を計測する。
そして、充電期間計測部42による計測値が、所定値を超えた場合、充電制御装置41は、放電回路51を駆動して、二次電池モジュール31内の各二次電池1を、通常充電レベルまで放電させる。これにより、二次電池モジュール31の各二次電池1が通常充電レベルを超えて充電され、長期間使用されない状態であっても、各二次電池1の充電は、通常充電レベルまで下がるので、保管劣化を低減することができる。閾値は、通常充電レベルとして設定された70%充電レベルである。
【0042】
選択スイッチにより選択された充電レベルが通常充電レベルよりも高い場合、充電制御装置41は、アラーム装置52を駆動して警告する。警告は、この充電状態で長期間保管を継続すると電池の劣化の進行が早いこと、あるいは、それに加えて車両の走行距離が低減すること等を内容とする。警告は、表示または報音あるいはその両方により行うことができる。
【0043】
AC/DC変換器62は、二次電池モジュール31の各二次電池1を充電する際、充電装置等の外部電源61から供給される交流電力を直流電力に変換する。また、二次電池モジュール31の各二次電池1を放電する際には、各二次電池1から放電される直流電力を交流電力に変換して負荷(図示せず)に供給するインバータとして機能する。
【0044】
次に、本発明の二次電池の充電制御方法の一実施の形態を、図8に示す処理フロー図を参照して説明する。
ステップS1では、外部電源61と二次電池1とを接続する。上述した如く、車両には、二次電池モジュール31の状態で搭載され、充電制御装置41は、個々の二次電池1の電池電圧および二次電池モジュール31全体の総電圧を管理して充電制御を行うが、ここでは、簡素かつ明瞭にするため、個々の二次電池1の充電制御として説明する。
ステップS2では、外部電源61と二次電池1との接続が正しくなされたか否かが判断される。図示はされていないが、正しく接続されない場合には、その旨を報知するようにしてもよい。
【0045】
外部電源61と二次電池1の接続が正しくなされると、ステップS3において、選択スイッチ43により保存充電レベル(以下、単に「充電レベル」とする)を選択する。図示はされていないが、ステップS2とステップS3の間に、ユーザに充電レベルを選択するよう報知する処理を行ってもよい。あるいは、複数の充電レベルを表示し、キー入力により所定の充電レベルを選択する表示画面にするようにしてもよい。
【0046】
充電レベルは、任意の数を設定することができるが、図4に図示された直線Aの領域、すなわち、充電レベルが70%を超えた領域と、直線Bの領域、すなわち、充電レベルが70%以下の領域から、それぞれ、少なくとも、1つを設定することが重要である。
ここでは、予め、充電制御装置41に100%充電レベル、70%充電レベルおよび50%充電レベルの3つの充電レベルが設定され、選択スイッチ43により選択することが可能となっているものとする。また、上述した如く、70%充電レベルを通常充電レベルとする。
【0047】
ステップS4では、ステップS3における充電レベル選択の開始からの時間を計測して、所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過しても充電レベルの選択がなされなければ(ステップS4のYes)、ステップS5で、通常充電レベルに設定してステップS11に進む。
【0048】
ステップS3で充電レベルが選択される(Yes)と、ステップS6で選択された充電レベルは通常充電レベルより高いか否かが判断される。ステップS6で肯定されるとステップS21に進み、否定されるとステップS11に進む。
この実施形態では、通常充電レベルは70%充電レベルであるので、選択された充電レベルが100%充電レベルであればステップS21に進み、選択された充電レベルが70%充電レベルまたは50%充電レベルであればステップS11に進む。
【0049】
ステップS11では、充電開始時における二次電池1の充電深度が選択された充電レベルの上限値よりも低いか否かが判断される。ステップS11で肯定されればステップS12に進み、否定されればステップS14に進む。ステップS12では、二次電池1への充電が開始される。二次電池1の充電状態は、常時、充電制御装置において監視されており、ステップS13で、選択された充電レベルの上限値に達したか否かが判断される。ステップS13が肯定されれば、すなわち、選択された充電レベルの上限値に達すれば終了する。ステップS11で否定され、ステップS14に進んだ場合は、ステップS14において、選択された充電レベルの上限値に強制放電した後、終了する。
【0050】
すなわち、70%および50%充電レベルの場合は、ステップS6からステップS11に進む。ステップS11で、充電開始時における二次電池1の充電深度と選択された充電レベルの上限値とが比較される。70%充電レベルが選択されているときには、二次電池1の充電深度が70%以下の場合、50%充電レベルが選択されているときには、二次電池1の充電深度が50%以下の場合には、ステップS12、S13で、各充電レベルの上限値まで充電される。
また、70%充電レベルが選択されているときには、二次電池1の充電深度が70%を超えている場合、50%充電レベルが選択されているときには、二次電池1の充電深度が50%を超えている場合には、ステップS14で、各充電レベルの上限値、すなわち、70%または50%に強制放電される。
【0051】
ステップS6で肯定され、ステップS21に進んだ場合には、ステップS21で警告がなされる。この警告は、上述した如く、選択された充電レベルは、二次電池1の保管劣化を促進するレベルであり、この充電状態で長期間保管を継続すると二次電池の劣化の進行が早く、車両の走行距離が低減する旨を趣旨とする内容である。
警告が終了すると、ステップS22において、二次電池1への充電が開始される。また、これと共に充電期間の計測が開始される。
【0052】
ステップS23では、満充電に達したか否かが判断される。すなわち、ステップS6で肯定される充電レベルは100%充電レベルであるので、最終充電レベルは満充電であり、ステップS22およびステップS23で満充電に達するまで充電される。
そして、ステップS24において、充電期間が所定の閾値の期間を超えたか否かが判断される。充電期間の計測は外部電源61と二次電池1が接続されている限り継続して行われ、外部電源61と二次電池1との接続が切断されるとリセットされる。つまり、計測された充電期間中、車両は使用されることなく放置されている状態である。このような車両の不使用状態で、二次電池1を、70%充電深度を超えた状態あるいは満充電の状態に保管しておくと、上述した如く、保管劣化が促進される。そこで、ステップS24が肯定されると、ステップS25において、二次電池1の強制放電が行われる。強制放電は、通常充電レベルの上限値である70%充電深度になるまで行われる。
【0053】
なお、充電期間の閾値は、例えば、3日〜10日程度とすることが推奨される。
また、上記処理フローでは、充電期間の測定の開始を充電開始の時期と同時としたが、二次電池が70%充電深度または満充電に達したときに充電期間の計測を開始するようにしてもよい。
また、上記処理フローには示されていないが、いずれの充電レベルを選択した場合でも、充電が完了したら、その旨を報知するようにすることが望ましい。
【0054】
以上説明した如く、本発明の一実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)保存状態における二次電池1の保管劣化が大きい第1の充電レベル領域(図4における直線A領域)に属し、充電深度の上限値が満充電である第1の充電レベルと、第1の充電レベル領域よりも保管劣化が小さい第2の充電レベル領域(図4の直線B領域)に属し、充電深度の上限値が満充電より小さい第2の充電レベルとのいずれかを選択して充電可能とした。
このため、二次電池1の保管劣化の速度を低減することができる。
【0055】
(2)二次電池1の充電状態が選択された充電レベルの上限値を超えている場合には、選択された充電レベルの上限値まで強制放電するので、保存充電レベルの管理がし易い。
(3)満充電状態が長期間継続され、所定の閾値を超えたときには、通常充電レベルに強制放電するので、車両を使用できない事情があったり、うっかりと長期間放置してしまったりした場合でも、二次電池1の保管劣化を低減することができる。
【0056】
(4)充電時に充電レベルを選択しなかった場合、充電制御装置41により通常充電レベルに設定されるので、充電作業が簡単かつ安全である。
(5)通常受電レベルより高い充電レベルを選択した場合に、二次電池1の保管劣化が促進される旨の警告がなされるので、不必要に満充電してしまうことを避けることができる。
【0057】
なお、上記一実施の形態では、通常充電レベルにおける上限値を70%として説明した。しかし、図3および図4の実験データは、保存充電レベルの間隔を10%にして作成されたものであることや、保管後における劣化の程度の差等を考慮すると、通常充電レベルにおける上限値を70%としなければならないものでもない。通常充電レベルにおける上限値は65〜75%程度としても、同様な効果を奏する。
【0058】
図4においては、保存充電レベルが70%を超える領域と70%以下の2つの領域において、充電レベルと保管劣化との関連性が大きく相違するとした。しかし、測定データをさらに細分化し、3つ以上の領域に区分してもよい。その場合、通常充電レベルをいずれの区分領域から選択するかは、車両の性能に合わせて任意に決定するようにすればよい。
【0059】
上記一実施の形態においては、リチウムイオン二次電池の場合で例示した。しかし、本発明は、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池等他の二次電池にも適用が可能である。すなわち、リチウムイオン二次電池以外の二次電池に適用する場合にも、保存充電レベルを、保管時における劣化速度の割合に基づいて複数の領域に区分し、上限値が満充電となる第1の充電レベルと、他の領域に属し、上限値が満充電より小さい第2の充電レベルとの一方を選択して充電できるようにすればよい。
【0060】
上記一実施の形態では、充電制御装置30は、放電回路51、アラーム装置52を備えた充電制御回路30として例示した。しかし、充電制御装置30は、放電回路51および/またはアラーム装置52を備えていなくてもよい。
その他、本発明は、本発明の趣旨の範囲内において、種々、変形して適用することが可能であり、要は、充電レベルの増大方向への変化に対し保管状態における劣化速度の増大方向の変化が大きい第1の充電レベル領域と、小さい第2の充電レベル領域とを有する二次電池に対して、第1、第2の充電レベル領域に属する、少なくとも1つずつの充電レベルを設定し、いずれかの充電レベルを選択して充電可能としたものであればよい。
【符号の説明】
【0061】
1 二次電池
2 電池缶
3 電池蓋
10 電極群
30 充電制御装置
31 二次電池モジュール
32 電圧検出部
41 充電制御装置
51 放電回路
52 アラーム装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が大きい第1の充電レベル領域と、充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が前記第1の充電レベル領域よりも小さい第2の充電レベル領域を有する二次電池を充電する充電制御装置であって、
前記第1の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電である第1の充電レベルと、前記第2の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電より小さい第2の充電レベルとの一方を選択する充電レベル選択手段と、
前記二次電池の前記充電レベルを検出する充電レベル検出手段と、
前記充電レベル選択手段により選択された前記各充電レベルの上限値まで充電する充電制御手段とを備えることを特徴とする二次電池の充電制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の二次電池の充電制御装置において、前記二次電池は、リチウムイオン二次電池であり、前記第2の充電レベルは、充電レベルの上限値が満充電の65〜75%充電であることを特徴とする二次電池の充電制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の二次電池の充電制御装置において、前記第2の充電レベルを通常充電レベルとし、前記選択手段による前記第1の充電レベルおよび前記第2の充電レベルの選択がなされない場合、前記充電制御手段より前記通常充電レベルが設定されることを特徴とする二次電池の充電制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二次電池の充電制御装置において、さらに、前記第2の充電レベルの上限値を超えて充電する際に、保管状態における劣化速度が大きくなる旨を報知する警告手段を有することを特徴とする二次電池の充電制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の二次電池の充電制御装置において、さらに、前記第2の充電レベルが選択された状態で、前記二次電池の充電レベルが前記第2の充電レベルの上限値を超えている場合、前記二次電池を前記充電レベルの上限値まで放電する放電手段を有することを特徴とする二次電池の充電制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の二次電池の充電制御装置において、さらに、前記第2の充電レベルの上限値を超えて充電された状態が所定期間、継続されたときに、前記二次電池を放電する放電手段を有することを特徴とする二次電池の充電制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の二次電池の充電制御装置が搭載された車両。
【請求項8】
充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が大きい第1の充電レベル領域と、充電レベルの増大方向への変化に対する保管状態における劣化速度の増大方向への変化が前記第1の充電レベル領域よりも小さい第2の充電レベル領域を有する二次電池を充電する充電制御方法であって、
前記第1の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電である第1の充電レベルと、前記第2の充電レベル領域に属し、充電レベルの上限値が満充電より小さい第2の充電レベルとの一方を選択する第1のステップと、
前記二次電池の前記充電レベルを検出する第2のステップと、
前記充電レベル選択手段により選択された前記各充電レベルの上限値まで充電する第3のステップとを備えることを特徴とする二次電池の充電制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の二次電池の充電制御方法において、前記第2のステップと前記第3のステップとの間に、前記第2の充電レベルの上限値を超えて充電する際に、保管状態における劣化速度が大きくなる旨を報知する警告ステップを有することを特徴とする二次電池の充電制御方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の二次電池の充電制御方法において、前記第2のステップと前記第3のステップとの間に、前記第2の充電レベルが選択された状態で、前記二次電池の充電レベルが前記第2の充電レベルの上限値を超えている場合、前記二次電池を前記充電レベルの上限値まで放電する放電ステップを有することを特徴とする二次電池の充電制御方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか1項に記載の二次電池の充電制御方法において、さらに、前記第3のステップの後、前記第2の充電レベルの上限値を超えて充電された状態が所定期間、継続されたときに、前記二次電池を放電する放電ステップを有することを特徴とする二次電池の充電制御方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−40880(P2013−40880A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179027(P2011−179027)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】