二段階横シール装置、充填包装装置および無菌充填包装装置
【課題】大容量の内容物が充填される包装体において、シワの発生を抑制しうる第二横シール装置を提供する。
【解決手段】第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、ボックスモーション型で上下および開閉する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからる。第二横シーラによる横シールに先立ち、支持部材により筒状フィルムの底部が支持されるため、大量の内容物が充填される場合でも、充填包装体の底部にシワなどの発生を防止することができる。
【解決手段】第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、ボックスモーション型で上下および開閉する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからる。第二横シーラによる横シールに先立ち、支持部材により筒状フィルムの底部が支持されるため、大量の内容物が充填される場合でも、充填包装体の底部にシワなどの発生を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量の内容物が充填される包装体に、ピンホールやシワを発生することなく二段階の横シールを行うことができる二段階横シール装置、前記二段階横シール装置に好適な第二横シール装置、前記二段階横シール装置を装着した充填包装装置および無菌充填包装装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原反ロールからフィルムを引き出しつつ製袋しつつ、その包装体内に液状体、粉粒体などの内容物を充填包装する充填包装装置が、弁当などの付属品として提供される醤油やソースなどの調味料を充填した小袋の製造に多用されている。
【0003】
例えば、連続して供給されるフィルムを縦シール機構により縦シールし、ついで横シール機構により横シールし、前記縦シール及び前記横シールによって形成される包装体内に内容物を充填する縦型充填包装装置であって、一対の横シールロールを回転させるための回転機構と、前記ヒートシールロールを上下方向に移動させるための上下機構とを備えた縦型充填包装装置がある(特許文献1)。一対の横シールロールに回転機構と上下機構とを装着することで、横シール部のシール不良の発生を抑制でき、また生産性に優れた大容量の包装体を得ることができる、という。
【0004】
また、充填物が投入された筒状フィルムを幅方向に熱シールする際に、内容物を充填した筒状フィルムの下端をローラでしごきながらその下方を平坦な加圧面で加圧し熱シールし、ついでこの熱シールされた前記筒状フィルムの部位をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びるストライプ状の凹凸が形成された加圧面で加圧し熱シールする方法もある(特許文献2)。熱シール部の剥離あるいは溶断を回避するために横シール部に横ストライプの凹凸を形成すると、この凹凸に充填物が残存することに鑑み、予め平坦な加熱面で熱シールし、その後に再度凹凸が形成された加圧面で熱シールするというものである。特許文献2では、2度の熱シールをそれぞれボックスモーションで行っている。
【0005】
また、2枚のプラスチックフィルムの四方をヒートシールしてなる包装体の横シールに関し、縦シールとの角部に円弧状のシール部または斜め状のシール部が形成された包装体が開示されている(特許文献3)。横シールが直線で形成されていると、この横シールに沿って袋体両端部が折れ曲がるため見栄えが悪くなり、また、折れ曲がりの端部が他の密封された包装体に当たってその包装体に穴を開けたり、ピンホールを形成することに鑑み、横シールと縦シールとからなる角部に円弧状のシール部または斜め状のシール部を形成することで、上記問題を解決したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−96849号公報
【特許文献2】特開2002−46712号公報
【特許文献3】実用新案登録公報第2574458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来からある充填包装装置として、図21に示すように縦シール装置(40)、横シール装置(10)、充填機構(30)、切断装置(70)とを有する縦型充填包装装置がある。2枚のフィルム(60)の左右両縁部を繰り出しながら一対の縦シールロール(43)で縦シールし、得られた筒状フィルム(60)の下端を一対の第一横シールロール(7)を回転させながら横シールし、充填機構(30)の内容物供給管(36)を介して前記筒状フィルムの開放端から内容物を充填し、内容物を充填された筒状フィルム(60)の開放端を再度前記横シール装置(10)で横シールして封止し、得られた連包状態の包装体を切断装置(70)によって横シール部で切断し、個別の充填包装体(80)を製造することができる。
【0008】
しかしながら、大量の内容物を充填する場合、特許文献1に示すように、横シールロールによって横シールする方法ではピンホールが発生しやすく、また、シール強度が十分でないため、大容量の充填包装体を製造することが困難な場合がある。
【0009】
大量の内容物を充填する包装体を製造する場合、内容物の重みや、内容物が下に溜まることによる底部のふくらみによってまだ温度が高い横シール部が変形しやすい。このような場合、図22(a)の充填包装体(80)の断面を用いた製造工程の説明図に示すように、前記底部の横シールに一対の横シールロール(90')を用いて低温で2度目の横シールを行い、横シール部を安定させることができる。しかしながら、大量の内容物を充填する包装体の底部は両端で撓みが生じ、図22(b)の充填包装体(80)の断面を用いた製造工程の説明図に示すように底部の横シールにシワが発生する場合がある。したがって、大量の内容物を充填する包装体の底部に横シールを二段階で行う場合に、シワの発生がなくかつ生産性に優れ、二段目の横シールを行いうる第二横シール装置の開発が望まれる。
【0010】
一方、内容物を大量に充填する包装体の製造は、ボックスモーション型で横シールされることが多い。ボックスモーション型は、一対の横シーラを上下させる上下機構と、前記一対の横シーラを開閉させる開閉機構とにより、前記開閉機構が「閉」の場合に、一対の横シーラによって筒状フィルムを挟持するとともに前記上下機構を下降させて前記筒状フィルムを横シールし、前記開閉機構が「開」の場合に、前記上下機構を上昇させて前記上下機構を作動原点に復帰させるものである。横シーラがボックスの周りを回るように動くので、横シーラによって押さえられている時間が長く、完全密封する用途に適している。また、均一な圧力でシールするため、シールロールを使用する場合よりピンホールが発生しにくい利点もある。しかしながら、特許文献2に示すように、二段階の横シールをそれぞれボックスモーション型で行うと生産設備が複雑になる場合がある。すなわち、縦型充填包装装置において、ボックスモーションは、上記「閉」→「下降」→「開」→「上昇」の動作を繰り返して横シールするものであり、動きが複雑である。したがって、例えば無菌充填包装体を製造する際に二段階の横シールをそれぞれボックスモーション型で行うと、無菌ゾーン内に2基のボックスモーション型横シール装置を設置する必要が生じ、設備が複雑となる。一方、横シール装置を無菌充填ゾーン外に配設すると、第一横シールの際に発生したピンホールによって、内容物、充填ノズル、無菌充填機構の全てが汚染される恐れがある。したがって、充填包装体の横シールを第一横シールと第二横シールとの二段階で行う場合に、無菌充填ゾーン内で横シールロールの回転によって効率的に第一横シールを行い、ついで無菌充填ゾーン外でボックスモーション型の横シーラで第二横シールを行うことで、シワの発生がなく、かつ生産性に優れる二段階横シール装置の開発が望まれる。
【0011】
また、前記充填包装体のシールの形状として、縦シールと横シールとを直角に形成すると、両端の角部が内側に折れ曲がり、搬送時に折れ曲がった個所でピンホールが発生しやすい。
【0012】
この問題を避けるため、上記装置で製造される充填包装体(80)の底部横シールとして、前記特許文献3に示すように、横シールと縦シールとからなる角部に円弧状のシール部または斜め状のシール部を形成する方法がある。例えば、横ヒートシールバーに帯状のシール面と、その両端に円弧状や斜め状のシール面とを形成し、このようなシール面を有する横シールロールを回転させれば、角部に円弧状のシール部を形成することができる。図21に示す縦型充填包装装置によって充填包装体(80)を製造する際の各工程のフィルムの説明を図23に示す。図23の(a)は、2枚のフィルムが重ねられた状態を示し、(b)は、縦シール装置によって前記2枚のフィルムの両端に縦シール(45)が形成された筒状フィルムの平面図を、(c)は前記筒状フィルムを第一横シールロール(7)で熱シールする態様を、(d)は底部が横シール(9)された筒状フィルムの一部の平面図であって、横シール(9)と縦シール(45)とからなる角部に円弧状の角シール部(CS:corner seal)が形成される態様を、(e)は筒状フィルムの開放端が封止され、横シール部で個別に製造された充填包装体(80)の平面図を示す。得られた充填包装体(80)は、四方がヒートシールされてなり、横シール(9)と縦シール(45)とからなる4箇所の角部にそれぞれ円弧状の角シール部(CS)が形成されている。
【0013】
しかしながら、充填包装体の横シール幅が広く、かつ大量の内容物を充填し、横シールロールを回転させながら横シールする際に、角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)を形成しても、角シール部(CS)近傍でピンホールが発生しやすい。というのは、対向する2本の横シールロールでフィルムを挟んで横シールする場合、横シールロールは、角シール部(CS)を形成する端部の鋭角に所定の圧力をもって接触するため、面積の狭いこの鋭角部に最初の圧力が集中しやすく、その結果、角シール部(CS)の近傍でシワやピンホールが発生しやすくなるからである。このようなピンホールが存在すると、搬送時、保存時、その他、包装体に過度の圧力が掛かかる際に包装体が破断する場合がある。したがって、第一横シールの際に、大量の内容物を充填した包装体でも角部のピンホールを抑制して横シールすることができ、二段目の第二横シールではシワの発生を回避し、かつボックスモーション型で均一な圧力で完全密封された第二横シールすることができる、二段階横シール装置の開発が望まれる。
【0014】
更に、横シールの際に、角部に円弧状の角シール部や斜め状のシール部を形成する場合には、図23の(c)に示されるように、筒状フィルム(60)の横幅に合致した第一横シールロール(7)を使用する必要がある。異なる内容量の製品を製造するために異なる横幅の筒状フィルムを使用すると、筒状フィルム幅の変更の度に横シールロールを変更する必要が生じるため、多様の横シールロールを配備する必要が生ずる。したがって、筒状フィルムの横幅が変更された場合でも、簡便に対応できる横シール装置の開発が望まれる。
【0015】
また、食品や医薬品などは、無菌状態に維持されるべき領域内で無菌フィルムを連続的に導入し、縦シール、充填、横シールを繰り返して連続的に製造される場合に、製造された充填包装体にピンホールが発生すれば、内容物が汚染される一因となる。したがって、ピンホールなどの発生を回避し、製品や無機充填装置の汚染のない充填包装体の製造方法や製造装置が望まれる。
【0016】
加えて、充填包装体の底部を一対の横シールロールを回転させて横シールする場合に、内容物が大量の場合は、充填包装体の左右が膨らむため、横シールロールの間を通過する際に、充填包装体が横シールロールに当たり、また一対の横シールロールの間隔が狭い場合には、内容物が通過しにくいため、規定量の充填が困難となる場合がある。一方、間隔を広くすると内容物が落下する速度が速くなるため充填量が過度になる場合がある。また、内容物の落下速度が速くなることで空気を巻き込むなどの問題が生じるなど、安定した充填が困難となる場合がある。また、内容物の充填によって中央側が膨らんだ筒状フィルムを一対の横シールロールで挟み付けながら横シールすると、筒状フィルムの中央側が押し潰され、筒状フィルムに弛みが生じ、横シールの際にシワが発生したり、横シール箇所にシール不良が発生してしまう場合がある。したがって、大量の内容物を充填した包装体でも、横シールロールの回転によって第一横シールを行いうる二段階横シール装置の開発が望まれる。
【0017】
本発明は、上記現状に鑑み、大量の内容物を充填した包装体の製造において、第一横シールの後にシワを発生させることなく充填包装体の底部にボックスモーション型で第二横シールすることができる、第二横シール装置を提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、横シールロールの回転によって第一横シールを行い、次いでボックスモーション型でシワを発生することなく充填包装体の底部に第二横シールすることができる、二段階横シール装置を提供することを目的とする。
【0019】
また本発明は、上記二段階横シール装置を装着した充填包装装置を提供することを目的とする。
更に本発明は、上記二段階横シール装置を使用した無菌充填包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、充填包装体の底部に横シールを二段階で行って大量の内容物を充填する包装体を製造する際に、二段目の横シール(第二横シール)を支持部材を装着したボックスモーション型横シーラで行うことで、シワを発生することなく第二横シールを行いうること、無菌充填ゾーン内で第一横シールを一対の横シールロールの回転で行い、第二横シールを無菌充填ゾーン外でボックスモーション型で行うことで、大量の内容物を充填した包装体を無菌充填包装装置の汚染を回避して効率的に製造できること、第一横シールとして、対向して回転する一対の横シールロールの各々に、帯状シール部と前記帯状シール部の両端に円弧状または斜め状の角シール部とを形成し、かつ前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面を前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成したヒートシールバーを装着することで、角シール部での圧力を低減してピンホールの発生やシワの発生を防止できること、ヒートシールバーにおける前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面を前記帯状シール部のシール面と独立して脱着自在に横シールロールに装着しうるように構成することで、各種の横幅の筒状フィルムの横シールを行うことができること、従来の充填包装装置や無菌充填包装装置に上記二段階横シール装置を装着することで、大量の内容物を充填した包装体をピンホールの発生を回避し、シール強度の高い横シールを有する充填包装体を製造しうることを見出し、本発明を完成させた。
【0021】
すなわち、本発明は、第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする、第二横シール装置を提供するものである。
【0022】
また本発明は、前記一対の支持部材が、前記筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材で構成されることを特徴とする、上記第二横シール装置を提供するものである。
【0023】
また本発明は、前記第一横シール手段が、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面に対して移動および/または脱着可能に構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である、上記二段階横シール装置を提供するものである。
【0024】
また本発明は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置を提供するものである。
【0025】
また本発明は、前記第二横シール手段が、上記第二横シール装置である、二段階横シール装置を提供するものである。
また本発明は、前記第一横シール手段が、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である上記二段階横シール装置を提供するものである。
【0026】
また本発明は、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構と、を備えた充填包装装置において、前記横シール機構は、上記二段階横シール装置で構成されることを特徴とする、充填包装装置を提供するものである。
【0027】
また本発明は、無菌状態に維持されるべき領域内に、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする第一横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構とが備えられた充填包装体を製造する無菌充填包装装置であって、前記無菌状態に維持されるべき領域に連設して、前記充填包装体の底部を形成する第一横シールに二段目の横シールを行う第二横シール機構が配設され、前記第二横シール機構が、上記第二横シール装置である、無菌充填包装装置を提供するものである。
【0028】
また本発明は、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成し、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って温度130〜240℃で第一横シールし、前記筒状フィルムに内容物を充填し、ついで、前記筒状フィルムの底部を一対の支持部材で支持し、前記支持部材の下部に配置される一対の平坦な加圧面からなり、ボックスモーション型で横シールする第二横シーラによって温度30〜120℃で第二横シールして充填包装体を製造することを特徴とする、充填包装体の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明の第二横シール装置によれば、大量の内容物を充填した包装体の底部を二段階に横シールして充填包装体を製造する場合、底部のシワの発生を防止して第二横シールをすることができる。
【0030】
本発明の二段階横シール装置によれば、横シール角部におけるピンホールやシワの発生が抑制された充填包装体を生産性高く製造することができる。
本発明によれば、第一横シールロールに帯状シール部のシール面と前記シール面の両端に円弧状または斜め状の角シール部のシール面とを形成したので、充填包装体の両端部の角部が内側に折れ曲がることを防止でき、搬送時に折れ曲がった個所で発生しやすいピンホールの発生を効果的に抑制することができる。
【0031】
また、本発明によれば、第一横シールロールにおいて、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されているため、横シール時に角シール部(CS)近傍の圧力の集中を抑制し、これによりピンホールの発生を回避することができ、輸送時などの充填包装体の破断を防止することができる。
【0032】
本発明によれば、第一横シールロール間の間隙を調整し、内容物の流量と前記間隙とを制御することで、内容物の多少に係わらず安定して所定量を充填することができる。
本発明の第二横シール装置は、横シールロールを構成する円弧状または斜め状の角シール部のシール面が、脱着自在に前記横シールロールに装着されるため、横幅の異なる包装体の製造が容易である。
【0033】
本発明の充填包装装置は、ピンホールの発生が抑制されるため、内容物の保存性に優れる。
本発明の無菌充填包装装置は、ピンホールの発生が抑制されるため、無菌充填された内容物の保存性を充填後も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の第二横シール装置の構成を説明する図であり、縦シールされた筒状フィルムの底部が横シールされ、ついで内容物が充填された包装体(80)において、前記底部の横シールを支持する一対の平板な挟持面を有する支持部材(91)と、その下部に配設された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)とを示す図である。
【図2】図2は、本発明の第二横シール装置の構成を説明する図であり、縦シールされた筒状フィルムの底部が横シールされ、ついで内容物が充填された包装体(80)において、前記底部の横シールを支持する一対の絞りローラなどの支持部材(91)と、その下部に配設された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)とからなり、前記支持部材(91)と前記第二横シーラ(93)とが一体に構成される態様を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第二横シール装置の構成を説明する図であり、縦シールされた筒状フィルムの底部が横シールされ、ついで内容物が充填された包装体(80)において、前記底部の横シールを支持する一対の絞りローラなどの支持部材(91)と、その下部に配設された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、前記第二シーラは、更に切断機構(95)が一体に併設される第二シーラ(93)である態様を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の二段階横シール装置の構成を説明する図であり、第一横シール装置(10)が、一対の第一横シールロール(7)の回転によって第一横シールする装置であり、第二横シール装置(90)がボックスモーション型横シール装置で構成される態様を示す。
【図5】図5(a)は、本発明の二段階横シール装置の第一横シールロールを使用して底部に第一横シールを行った、角シール部(CS)を有する充填包装体の平面図であり、図5(b)は、充填包装体の横シール部と、前記第一横シールロールに形成する帯状シール部のシール面(1a)および前記シール面(1a)の両端に形成される円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)との関係を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロールの正面図、側面図、並びにA−A線で切断した断面側面図である。ヒートシールバーには、横シールを構成する帯状シール部のシール面(1a)と、円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)とが形成されている。
【図7】図7(b)は、図6に示す横シールロールを90度回転させた本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロールの平面図、図7(a)の左半部は、前記第一横シールロールの側面図、右半分は、前記図7(b)におけるA−A線で切断した断面側面図である。
【図8】図8(b)は、間隙調整材(15)を装着した第一横シールロールの正面図であり、図8(a)は、図8(b)に示すA−A線で切断した断面図を示す。
【図9】図9(b)は、本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロール(7)の正面、図9(a)の左半部は前記第一横シールロールの側面図、右半部は、図9(b)のA−A線で切断した断面側面図である。ヒートシールバー(1)は、横シールを構成する帯状シール部のシール面(1a)と、このシール面の両端に円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)とが独立して形成され、前記角シール部のシール面(1b)は、前記帯状シール部のシール面(1a)に対して移動可能に構成されている態様を示す。
【図10】図10は、図9に示す横シールロールを90度回転させた状態を説明する図である。図10(b)は、本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロールの正面図、図10(a)の左半分は、前記第一横シールロールの側面図、右半部は、図10(b)のA−A線で切断した断面側面図である。
【図11】図11は、底部に、第一横シール(9)がなされ、この第一横シール部の両端に円弧状または斜め状の角シール部(CS)とが形成され、開口部側に横シールの一部に注出口(82)が形成された充填包装体の正面図である。便宜のため、第二横シールの記載は省略した。
【図12】図12(b)は、図11に示す充填包装体を製造しうる第一横シールロールの正面図であり、図12(a)の左半部は、前記第一横シールロールの側面図、右半部は、図12(b)のA−A線で切断した断面側面図である。
【図13】図13は(b)は、図12の第一横シールロールを90°回転させた場合の正面図であり、図13(a)の左半分は、前記第一横シールロールの側面図、右半分は、図13(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図14】図14は、底部に、第一横シール(9)がなされ、この第一横シール部の両端に円弧状または斜め状の角シール部(CS)とが形成され、開口部側横シールの一部に未シールで形成された注出口(82)が形成された充填包装体の平面図である。便宜のため、第二横シールの記載は省略した。
【図15】図15(b)は、図14に示す充填包装体を製造する際の第一横シールロールの正面図、図15(a)の左半部は、前記第一横シールロールの側面図、右半分は、図15(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図16】図16(b)は、図12に示す第一横シールロール2本を対抗して配設してなる第一横シール装置の正面図であり、図16(a)の上半分は、前記第一横シールロールの側面図、下半部は、図16(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図17】図17(b)は、図13に示す第一横シールロール2本を対抗して配設してなる第一横シール装置の正面図、図17(a)の上半分は、前記第一横シールロールの側面図、下半分は、図17(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図18】図18は、本発明の充填包装装置を説明する図である。
【図19】図19は、本発明の充填包装装置による工程を説明する図である。
【図20】図20は、本発明の無菌充填包装装置を説明する図である。
【図21】図21は、従来の充填包装装置を説明する図である。
【図22】図22は、横シール部に二段目の横シールを低温で行う際に、横シールにシワが発生する状態を説明する図である。
【図23】図23は、従来の充填包装装置による工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の第一は、第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする、第二横シール装置である。
【0036】
また、本発明の第二は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置である。
【0037】
前記第一横シール手段が、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成横されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする、第一横シール装置であってもよい。以下、本発明を図面を参照して説明する。
【0038】
(1)第二横シール装置
本発明の第二横シール装置は、充填包装体の底部の横シールを二段階で行う際に、二段目の横シール(以下、第二横シールとも称する。)を形成する装置である。具体的には、
第一横シーラで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなる。前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする。本発明の第二横シール装置において、一段目の横シール(以下、第一横シールとも称する。)のシール方法は問わない。
【0039】
縦型充填包装装置によって筒状フィルム(60)の両端が縦シールされ、底部が横シールされ、ついで大量の内容物が充填された充填包装体(80)の底部は、底部の両端部で撓みが生じやすい。このため、撓みの上から第二横シールを行うと第一横シール部にシワが発生しやすい。しかしながら、本発明の第二横シール装置は、一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)の上部に一対の支持部材(91)が配置され、この支持部材(91)によって内容物が充填された包装体(80)の底部を水平に支持し、第一横シール部を全長に亘って平滑かつ水平に維持できるため、シワを発生することなく第二横シールを行うことができる。また、第二横シーラ(93)は、一対の平坦な加圧面からなり、筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構を有し、いわゆるボックスモーション型で第二横シールが行なわれる。このため、前記充填包装体(80)の第一横シールを一対の第二横シーラ(93)で挟持し、上下機構によって下降しつつ筒状フィルム(60)を横シールできるため、横シールロールによる方法よりも長時間に亘り第二横シーラ(93)で加圧でき、十分な加圧および加熱または冷却を行うことができる。
【0040】
本発明の第二横シール装置(90)は、従来公知の筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムを加圧および開放する開閉機構とによって一対の平坦な加圧面からなる横シーラが動作する、いわゆるボックスモーション型横シール装置において、前記横シーラの上部に一対の支持部材を配置することで調製できる。前記支持部材(91)としては、図1に示すように、筒状フィルムの底部の全長に亘る平板な挟持面を有する一対の部材で構成することができる。
【0041】
本発明で使用する支持部材(91)は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されている。対向配置されたシリンダ(不図示)によって対向移動可能に設けられた一対の支持部材(91)は、前記開閉機構が「閉」の場合に、筒状フィルムを挟持するとともに前記上下機構によって筒状フィルムの流れ方向に降下し、前記開閉機構が「開」の場合に、前記上下機構によって上昇し作動原点に復帰する。同様に、対向配置されたシリンダ(不図示)によって対向移動可能に設けられた一対の第二横シーラ(93)も、前記開閉機構が「閉」の場合に、筒状フィルムを加圧するとともに前記上下機構によって筒状フィルムの流れ方向に降下して熱シールし、前記開閉機構が「開」の場合に、前記上下機構によって上昇し作動原点に復帰する。本発明では、第二横シーラ(93)によって第二横シールするのに先立ち、前記支持部材(91)によって筒状フィルムの底部を挟持するため、第一横シール部を直線状に維持することができ、シワなどの発生を回避して第二横シールを行うことができる。なお、第二横シーラ(93)による横シールは、第一横シールの温度を冷却する目的で行うため、加圧面は、温度30〜120℃に調整される。
【0042】
前記第二横シーラ(93)の下方には、熱シールされた部位を筒状フィルムの幅方向に切断する切断装置(70)が配設されている。切断装置(70)は、一対のバーと筒状フィルムを切断するための切断刃とからなり、前記切断刃が一方のバーに対して進退可能に設けられている。
【0043】
前記支持部材(91)としては、前記筒状フィルム(60)の底部の全長を挟持しうるものであればその形状に限定はない。したがって、筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材や、図1とは異なるが、一対の絞りローラなどを例示することができる。さらに、筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材の場合には、図1に示すように、前記支持部材(91)の上部が、筒状フィルムの底部の形状に湾曲して形成される態様であってもよい。筒状フィルムに大量の内容物を充填した場合には底部が丸く変形しやすい。本発明はこのような大容量の充填包装体において、第一横シールに加えて第二横シールを行いシール強度を向上させるものであるが、支持部材の上部を筒状フィルムの底部の形状に湾曲して形成することで、大容量の充填包装体の底部を安定して支持することができる。なお、符号50は一対の絞りロール(50)、符号10は第一横シール装置、符号70は切断装置、符号80は充填包装体を示す。
【0044】
本発明の第二横シール装置(90)は、前記支持部材(91)によって前記筒状フィルムの底部を挟持し、前記第二横シーラによって前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧するよう制御される。その際、前記支持部材(91)と第二横シーラ(93)とを一体に形成し、第二横シーラ(93)の上下機構および開閉機構によって支持部材(91)を上下および開閉動作を行わせるものであってもよい。例えば、前記一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)と一対の支持部材(91)とを一体に成形したものを使用することができる。この態様を図2に示す。図1と同様に、支持部材(91)の上部の形状を、内容物が充填され丸く変形した充填包装体(80)の底部の形状に近似した凹部で構成すれば、充填包装体(80)の底部の丸みを維持したまま水平に支持することができるため、第二横シーラ(93)による加圧の際にシワの発生を容易に回避することができる。
【0045】
本発明では、第二横シーラ(93)による横シールは、第一横シールの温度を冷却する目的で行うため、加圧面は温度30〜120℃に調整にされるが、支持部材(91)は、直接充填包装体(80)に接触するものであり、室温であることが好ましい。したがって、第二横シーラ(93)と支持部材(91)とが一体で構成される場合には、第二横シーラ(93)の温度が支持部材(91)に伝達されないよう断熱機構を備えたり、または充填包装体(80)と接触する面の温度を25〜60℃に制御しうる冷却機構を備えている必要がある。
【0046】
また、本発明の第二横シール装置(90)は、前記一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)に切断機構(95)が併設されるものであってもよい。例えば、図3に示すように、第二横シーラ(93)を二段に構成し、その下部に切断刃(95')が移動できるように切断機構(95)を併設したものであってもよい。前記したように、第二横シーラ(93)による横シールは、第一横シールの温度を冷却する目的で行うため、加圧面が温度30〜120℃で熱シールされる。第一横シールよりも低温であるため、前記第二横シーラにより第二横シールと同時に、前記第二横シールを切断して個別の充填包装体を製造することをできる。なお、図3では、図1と同様に、第二横シーラ(93)の上部に、内容物が充填され丸く変形した充填包装体(80)の底部の形状に近似した湾曲部が形成された支持部材(91)が別個に装着される態様を示す。
【0047】
(2)二段階横シール装置
本発明の二段階横シール装置は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置である。
【0048】
本発明の二段階横シール装置は、第一横シール方法を、一対の第一横シールロールの回転によって行うことを特徴とする。内容物を大量に充填する包装体の製造は、ボックスモーション型で横シールすることが一般的であるが、筒状フィルムが間欠的に送られるため生産性が低下する場合がある。しかしながら、第一横シールを一対の第一横シールロールの回転によって行うことで、回転シール方式でシール圧着時間を瞬間的に行い、生産性を向上させることができる。一方、大量の内容物を充填した筒状フィルムの下部を横シールロールの回転により第二横シールを行うと、内容物の重さによってまだ温度が高い第一横シール部が変形しやすい。このため、ボックスモーション型の第二横シール装置によって、温度30〜120℃で二段目の第二横シールを行うことで充填包装体の底部の横シールを安定させることができる。第二横シールをボックスモーション型で行う際に、筒状フィルムの底部を一対の支持部材(91)で挟持すれば、シワの発生を回避でき、かつ、その下部にある第一横シール部を一対の第二横シーラ(93)で加圧し、上下機構によって下降させつつ筒状フィルム(60)を横シールすると、横シールロールによる方法よりも長時間に亘り第二横シーラ(93)で加圧されるため、均一かつ十分な熱シールを行うことができる。
【0049】
このような二段階横シール装置による充填包装体の製造を図4に示す。連続移送される1枚のフィルム(60)を、折り返しローラ(25)などの折り返し機構によって二つ折し、その両端を縦シール装置(40)を構成する対をなす縦シールロール(43)によって縦シールし、得られた筒状フィルム(60)の下端を一対の絞りロール(50)で挟み、その下部に配置された第一横シール装置(10)を構成する一対の第一横シールロール(7)の回転によって第一横シールし、得られた筒状フィルム(60)の開放端から充填機構(30)の供給管(36)によって内容物を充填し、ついで充填包装体(80)の底部の第一横シール部を第二横シール装置を構成する支持部材(91)で挟持および支持しつつ第二横シーラ(93)で第二横シールする。
【0050】
本発明によれば、温度130〜240℃で第一横シールされた充填包装体の底部を、第二横シール装置の支持部材(91)によって挟持し、第二横シーラ(93)の加圧によって第二横シールするため、底部を過度に熱溶着せず、第一横シール部にシワを発生することなく、かつ安定して第二横シールを行うことができる。なお、第二横シーラ(93)による横シール温度は、筒状フィルムの厚さ、筒状フィルムの搬送速度、充填内容物の物性、充填内容物の温度、充填内容物の充填速度などに応じて適宜選択することができる。好ましくは前記第一横シール温度よりも低温であり、温度30〜120℃で好適に第二横シールを行うことができる。
【0051】
なお、本発明の二段階横シール装置は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であり、上記第一横シール手段と第二横シール手段とからなるが、筒状フィルムの底部を上記第一横シール手段と第二横シール手段とによって連続的に横シールできればよく、これらの手段が一体に形成されている必要はない。したがって、例えば、前記第一横シール手段が無菌充填ゾーン内に配置され、前記第二横シール手段が無菌充填ゾーン外に配置されるものであってもよい。なお、本発明では、前記第二横シール手段として、上記第二横シール装置を好適に使用することができる。
【0052】
(3)第一横シール装置
本発明において、前記二段階横シール装置における第一横シール装置は、一対の横シールロールの回転によって横シール(第一横シール)しうるものであれば、特に制限はない。しかしながら、対向して回転する一対の第一横シールロールからなり、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする第一横シール装置を使用することが好ましい。または、対向して回転する一対の第一横シールロールからなり、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面に対して移動および/または脱着可能に構成されていることを特徴とする、第一横シール装置を使用することが好ましい。なお、本発明では、充填包装体に形成される第一横シール部を符号(9)、前記角シール部を符号(CS:Corner seal)で示し、第一横シールロールにおいて、このような第一横シールを形成するシール面を、帯状シール部のシール面(1a)および角シール部のシール面(1b)と称する。
【0053】
図5に、第一横シールロールを使用して底部に第一横シールを行った充填包装体(80)の平面図を示す。
図5(a)に示すように、充填包装体(80)は、縦シールされてなる筒状フィルムの上下が横シールされてなり、前記横シール(9)と縦シール(45)とからなる角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)が形成されている。
【0054】
充填包装体に第一横シールを行う際に前記角シール部(CS)を形成するためには、図5(b)に示すように、帯状シール部のシール面(1a)と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状の角シール部(CS)を含む角シール部のシール面(1b)とを含む第一横シールロールで第一横シールする。本来、帯状シール部のシール面(1a)と角シール部のシール面(1b)とは、第一横シールロールにおける所定のシール面を意味するが、便宜のため、図5(b)では、これらを充填包装体の横シール部(9)および縦シール(45)と重複して示した。
【0055】
本発明では、このような第一横シールを行う第一横シール装置を対象としており、帯状シール部のシール面(1a)とは、充填包装体(80)の底部または開口部を封止する横シール(9)における帯状シール部のシール面(1a)を意味し、前記角シール部のシール面(1b)とは、横シールと縦シールとからなる角部に形成される、円弧状または斜め状に形成される角シール部(CS)を含むシール面(1b)を意味する。なお、第一横シールは、少なくとも充填包装体(80)の底部を形成する横シールであればよく、更に充填包装体の開口部の横シールとして前記第一横シールロールによる横シールが行われてもよい。
【0056】
図6(b)に本発明で使用しうる二段階横シール装置に使用する第一横シールロール(7)の正面図を、図6(a)の左半部に前記横シールロールの側面図、並びに右半分に図6(b)に示すA−A線で切断した断面側面図を示す。図中、1は加熱用のヒータ(図示省略)を内蔵したヒートシールバー、3は前記ヒートシールバー(1)の両端に配設された軸間基準フランジ、5は前記軸間基準フランジを回転させる回転軸を示し、図6(b)においてシール面を斜線部で示す。便宜のため、図6では、ヒートシールバー(1)のシール面の上半分に、帯状シール部のシール面(1a)と前記角シール部のシール面(1b)とを異なる斜線で表示する。前記ヒートシールバー(1)には、少なくとも1つの帯状シール部のシール面(1a)と、その両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)とが形成されている。なお、図6(b)に示すヒートシールバー(1)は、充填包装体の上部開口部側横シール面と底部側横シール面とが一体として形成されたものであり、開口部側の帯状シール部のシール面(1a')の上部に連続して底部側の帯状シール部のシール面(1a")が形成され、これら帯状シール部のシール面(1a)の両端にそれぞれ円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b"、1b')が形成される態様を示す。なお、本明細書および図面において、シール面(1a'および/または1a")をシール面(1a)で表示し、前記角シール部のシール面(1b"および/または1b')をシール面(1b)で表示する場合がある。
【0057】
本発明で使用しうる第一横シール装置は、充填包装体を製造する際に、横シールと縦シールとの交差角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)を形成し、充填包装体の両端のシール部が内側に折れ曲がることを防止し、折れ曲がった個所で発生しやすいピンホールを効果的に抑制することを目的とする。また、第一横シールロール(7)によって充填包装体に角シール部(CS)を形成する際に、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)を、前記帯状シール部のシール面(1a)よりもシール圧が低くなるように構成することで、充填包装体における角シール部(CS)近傍の圧力の集中を抑制し、これによりピンホールの発生を回避することを目的とする。したがって、このような横シールが好適な個所としては、充填包装体の底部を形成する横シールでも上部開口部を形成する横シールでもよい。しかしながら、充填包装体の底部を形成する第一横シールで応用すれば、特に大きな効果を得ることができる。大量の内容物を充填した包装体は、底部の横シールに内容物の重量がかかるため、底部で特にピンホールが発生しやすいからである。
【0058】
なお、図6(b)に示すように、開口部側横シールと底部側横シールとのシール面が一体に構成されたヒートシールバー(1)を使用することで、第一横シールロール(7)を回転して、底部および開口部の横シールを同時に行うことができる。
【0059】
本発明では、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)は、前記帯状シール部のシール面(1a)よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする。角シール部(CS)近傍でのピンホールやシワの発生について詳細に検討したところ、このような前記円弧状または斜め状のシール面(1b)を有する横シールロールを回転して筒状フィルムを挟み込みヒートシールすると、第一横シールロール(7)は、角シール部(CS)を形成する端部の鋭角に最初に接触するため、面積の狭いこの鋭角部に圧力が集中しやすくシール圧が極めて大となり、過度に熱溶着され、これによって角シール部(CS)の近傍にピンホールやシワが発生しやすくなることが判明したからである。本発明では、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を前記帯状シール部のシール面(1a)よりも低くすることでシール圧の集中、過度の熱溶着を回避し、上記問題を解決することができる。
【0060】
前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)のシール圧を前記帯状シール部のシール面(1a)よりも低くするには、例えば前記角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを異なる素材で構成すればよい。弾性率の異なる素材で構成することで前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を低減することができる。より具体的には、前記帯状シール部のシール面(1a)をアルミニウム、鉄、SUSなどの金属で構成し、前記角シール部のシール面(1b)をゴム、シリコンラバー、耐熱性プラスチックなどで構成する。
【0061】
また、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを、前記回転軸(5)の中心からの距離が異なるように装着してシール圧を低減するものであってもよい。図7(b)に、図6に示す横シールロールを90°回転させた場合の正面図、図7(a)の左半部に図7(b)の側面図、並びに右半分に図7(b)に示すA−A線で切断した断面側面図を示す。図7(b)において斜線部は、帯状シール部のシール面(1a)と角シール部のシール面(1b)である。図7(b)に示すように、ヒートシールバー(1)の帯状シール部のシール面(1a)を、軸間基準フランジ(3)よりも若干低く配設し、前記角シール部のシール面(1b)を帯状シール部のシール面(1a)よりさらにフィルム一枚分の0.05〜0.5倍の段差で低く配設することで、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を低減することができる。
【0062】
図7(a)に示すように、前記回転軸(5)の中心部(c)からの帯状シール部のシール面(1a)の距離(d1)と角シール部のシール面(1b)との距離(d2)とを異ならせ、d1>d2とすることで、ヒートシールバー(1)が同一部材で調製されている場合でも、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を、前記帯状シール部のシール面(1a)のシール圧よりも低く制御することができる。
【0063】
前記したように、角部に円弧状などのシール面を有する第一横シールについて詳細に検討したところ、最初に角シール部のシール面(1b)に接触する部分は面積が狭いために端部にシール圧力が集中しやすく、このような端部は充填包装体の角シール部(CS)の構成する一部であり、上記シール圧力の集中によりシール圧が極めて大となり、過度に熱溶着され、これによって角シール部(CS)の近傍にピンホールやシワが発生しやすくなることが判明した。このことは、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を前記帯状シール部のシール面(1a)よりも低くすることで上記問題を解決することができることを意味する。このような角シール部のシール面(1b)のシール圧を帯状シール部のシール面(1a)よりも低くシールする方法として、上記第一横シール装置を使用することができる。前記第一横シール装置は、一対の横シールロール(7)を、互いの軸間基準フランジ(3)を接触させた状態に平行に併設し、両ロール間に筒状フィルムを導入し、その外側から加圧および加熱して前記筒状フィルムの幅方向に第一横シールする際に、シール面の素材を異ならせるなどの方法により、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面のシール圧を前記帯状シール部のシール面のシール圧より低く第一横シールすることができるため、ピンホールの発生を抑制することができる。
【0064】
本発明で使用する第一横シールロール(7)は、ヒートシールバー(1)に少なくとも1つの帯状シール部のシール面(1a)とその両端に形成した角シール部のシール面(1b)とを有すればよいが、図7(a)に示すように、第一横シールロール(7)の中央部を横断する直線の両端にシール面(2箇所)が形成されるヒートシールバーや、3箇所以上の複数個所にシール面が形成されるものであってもよい。
【0065】
また、図7(a)に示すように、ヒートシールバー(1)の直径の両端にシール面(1a、1a)が形成される場合には、2つのシール面の間に、前記軸間基準フランジ(3)の外周面よりも窪んだ凹部(6)が形成されることが好ましい。この凹部(6)の深さは、軸間基準フランジ(3)の直径の0.03〜0.1倍であることが好ましい。例えば、軸間基準フランジ(3)の直径を1000mmとした場合、凹部の深さは30〜100mmであることが好ましい。
【0066】
本発明では、ヒートシールバー(1)の前記凹部(6)を被覆するように、間隙調整材が配設されてもよい。本発明で使用しうる第一横シール装置は、対向して回転する一対の第一横シールロールの間に筒状フィルムを導入し、その外側から加圧および加熱して前記筒状フィルムの幅方向に熱シールを行う横シール装置であり、各第一横シールロールの互いの軸間基準フランジを接触させた状態で平行に配設し、横シール後に筒状フィルムに内容物が充填され、両横シールロール間を内容物が充填された筒状フィルムが移送される。この際、内容物が大量であると、充填包装体の左右が膨らむため、一対の第一横シールロールの間を通過する際に、充填包装体が第一横シールロールに当たり、また一対の第一横シールロールの間隔が狭い場合には、内容物が通過しにくいため、規定量の充填が困難となる場合がある。一方、間隔を広くすると内容物が落下する速度が速くなるため空気を巻き込むなどの問題が生じる。本発明では、内容物の流量と第一横シールロールの間隙とを調整することで、内容量の多少に応じて安定した充填を可能とすることができる。すなわち、本発明で使用しうる第一横シール装置は、上記したように、ヒートシールバー(1)の2つのシール面の間に凹部(6)が形成されるため、大量の内容物を充填した充填包装体を製造することができる。また、前記凹部(6)に所定厚さの間隙調整材を配設することで第一横シールロール間の間隙を内容物の流量に適合するよう調整することができる。図8(b)に、このような間隙調整材(15)を装着した第一横シールロールの正面図を示し、図8(a)に図8(b)に示すA−A線で切断した断面図を示す。
【0067】
間隙調整材(15)はビス(8)などにより取り外し可能とし、内容物の粘度や充填量に応じて好適なものを選択できるように構成する。本発明では、間隙調整材(15)を配設することで、一対の第一横シールロールを、軸間基準フランジ(3)を接触して回転させた場合でも、内容物を充填した充填包装体が移動しうる間隙を確保することができる。間隙調整材(15)としては、例えば、商品名「ポリペンコPEEK」などのポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂や商品名MCナイロンなどのポリアミドなど、耐熱性プラスチックのうち断熱性のあるものを好適に使用することができる。このような樹脂板であれば、ヒートシールバー(1)に筒状フィルムが接触して筒状フィルムが傷むのを防止することができ、ヒートシールバー(1)の熱が充填包装体によって奪われるのを防止することもできる。間隙調整材(15)によって内容物の流量と横シールロール間の間隙とを調整することができ、これにより、内容物の多少にかかわらず、規定量の内容物を安定して充填して筒状フィルムの連続移送を円滑に行うことができる。なお、前記間隙調整材(15)の厚さは、内容物の粘度や流量を考慮し、かつヒートシールバー(1)に前記間隙調整材(15)を装着した場合の直径が、前記軸間基準フランジ(3)の直径よりも短くなるように選択する。
【0068】
また、本発明で使用する第一横シール装置では、前記ヒートシールバー(1)は、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と、前記帯状シール部のシール面(1a)とが別個に調製され、相互に移動可能、脱着可能に構成されているものであってもよい。この態様を図9に示す。なお、上記したように、本発明では間隙調整材を配設することが好ましいが、便宜のため、以下、間隙調整材を取り外した状態で、横シールロールを示す。図9(b)にそのような横シールロールの正面図を、図9(a)の左半分に第一横シールロールの側面図、並びに右半分に図9(b)に示すA−A線で切断した断面側面図を示す。なお、図9(b)において斜線部はシール面を示す。ヒートシールバー(1)の底部側および開口部側の帯状シール部のシール面(1a"、1a')とは別個に、その上下にそれぞれ角シール部のシール面(1b"、1b')が構成されている。
【0069】
すなわち、充填包装体の底部や開口部を封止する際に、充填包装体の横シールの角部に円弧状の角シール部(CS)を形成する場合、筒状フィルムの横幅が変更されると角シール部のシール面(1b)の位置も変更する必要が生じる。しかしながら、前記角シール部のシール面(1b)を帯状シール部のシール面(1a)と独立して形成することで、簡便に筒状フィルムの横幅に適応させることができる。図9(b)に、帯状シール部のシール面(1a"、1a')と独立して形成された前記角シール部のシール面(1b"、1b')が、それぞれ移動可能に装着される態様を示す。図9では、合計4箇所の角シール部のシール面(1b"、1b')が別個独立に横シールロールに装着される態様を示すが、例えば、左右いずれかの角シール部(1b"、1b')を帯状シール部のシール面(1a"、1a')に固定してもよい。他端のみを移動可能に構成しても、筒状フィルムの横幅の変動に対応できるからである。特に、図9(b)に示すように左側の角シール部のシール面(1b"、1b')を常に固定させ、右側の角シール部のシール面(1b"、1b')を移動できるように構成することが好ましい。縦シールとの関係で、一方の位置は変動しない場合があるからである。また、このように角シール部のシール面(1b"、1b')を脱着可能に構成することで、これを装着しない場合には直角シールを行うことができる。なお、図9(b)では、各角シール部のシール面(1b"、1b')は、ビス(8)でヒートシールバー(5)に装着しうる態様を示すが、装着方法としては、これに限定されるものではない。
【0070】
図10(a)、(b)に図9の横シールロールを90°回転させた場合の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示す。なお、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と、前記帯状シール部のシール面(1a)とが別個に調製され、相互に移動可能に構成されている場合であっても、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)は、前記帯状シール部のシール面(1a)よりもシール圧が低くなるように構成されていることが好ましい。例えば、前記角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを異なる素材で構成したり、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを、前記回転軸(5)の中心からの距離が異なるように装着する。
【0071】
一方、図6、図9では、底部側横シールのシール面と上部開口部側横シールのシール面とが対象形状のヒートシールバー(1)を示したが、本発明で使用しうる第一横シール装置は、このようなヒートシールバー(1)に限定されるものではない。例えば、角シール部(CS)を有する充填包装体の形状が、図11に示すように、開口部側横シールの一部に未シールで形成された注出口(82)を有する場合には、前記帯状シール部のシール面(1a')に連続して注出口形成用突出部のシール面(1c)を形成すればよい。図12(a)、(b)に、このような開口部側横シールを形成しうる第一横シールロール(7)の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示し、図12(b)においてシール面を斜線部で示す。
【0072】
また、前記注出口形成用突出部のシール面(1c)が形成される場合のシール圧に関する限定はない。しかしながら、前記注出口形成用突出部のシール部(1c)は、前記帯状シール部のシール面(1a)から円弧状の曲線を介して形成される点で前記角シール部のシール面(1b)と共通する。したがって、前記注出口形成用突出部のシール面(1c)も前記角シール部のシール面(1b)と同様に、前記帯状シール部(1a)よりもシール圧が低くなるように構成されていることが好ましい。これにより、注出口の近傍で発生するピンホールの発生を効率的に抑制することができる。また、図13(a)、(b)に、図12の第一横シールロールを90°回転させた場合の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示す。
【0073】
なお、前記注出口形成用突出部のシール面(1c)は、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とが別個に調製され、相互に移動可能、脱着可能に構成される態様と同様に、前記帯状シール部のシール面(1a)や前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と別個に調製され、相互に移動可能、脱着可能に構成されるものであってもよい。
【0074】
図11と同様に、開口部側横シールの一部に未シールで形成された注出口(82)の他の態様を図14に示す。また、図15(a)、(b)に、このような開口部側横シールを形成しうる第一横シールロール(7)の正面図、側面図、A−A線の断面図を示す。図15(b)において斜線部はシール面を示す。この態様においても、前記帯状シール部のシール面(1a)や前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と別個に前記注出口形成用突出部のシール面(1c)を調製し、相互に移動可能、脱着可能に構成されるものであってもよい。
【0075】
図16(a)、(b)に、前記図12に示す第一横シールロール(7)を2本を対抗して配設してなる第一横シール装置の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示し、図16(b)においてシール面を斜線部で示す。対抗するシール面(1a)とシール面(1a)との間に筒状フィルムを導入し、第一横シールする。
【0076】
また、図17に前記図13に示す第一横シールロール(7)を2本を対抗して配設してなる横シール装置の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示し、図17(b)においてシール面を斜線部で示す。
【0077】
前記したように、大量の内容物が充填されると、筒状フィルムの底部や中央部が膨らみ、第一横シールロール(7)を回転させても筒状フィルムが第一横シールロール間を通過することが困難で充填量が規定量より少なくなり、または第一横シールロールによる筒状フィルムの押圧によって横シールの際にシワが発生する場合がある。しかしながら、本発明で使用する第一横シールロール(7)にはヒートシールバー(1)に前記凹部(6)が形成され、ここに前記図8で示すように樹脂板などの間隙調整材(15)が配設され、この間隙調整材(15)の厚さを適宜選択することで第一横シールロール間の間隙を内容物の充填量に適した間隔に調整することができる。これにより、大量の内容物を充填した包装体であってもこの間隙を移動することができ、包装体の移動を円滑に行い、これにより横シール部の際のシワの発生を効率的に抑制することができる。なお、図17では、便宜のため、前記凹部(6)に間隙調整材を装着しない状態を示す。
【0078】
(4)充填包装装置
本発明の第三は、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構と、を備えた充填包装装置において、前記横シール機構は、上記二段階横シール装置で構成されることを特徴とする、充填包装装置である。
【0079】
本発明の充填包装装置の好適な一例を図18に示す。好ましくは、本発明の充填包装装置によれば、連続移送される1枚のフィルム(60)が、折り返しローラ(25)などの折り返し機構によって二つ折りされ、その両端が縦シール装置(40)を構成する対をなす縦シールロール(43)によって縦シールされる。得られた筒状フィルム(60)は、その下端を一対の絞りロール(50)で挟まれ、その下部に配置された第一横シール装置(10)を構成する一対の第一横シールロール(7)の回転によって横シールされる。また、第一横シール部の上方に形成されている筒状フィルム(60)の内部には、充填機構(30)の供給管(36)から内容物が所定量だけ充填される。ついで、前記縦シールロール(43)および第一横シールロール(7)の回転により、内容物を充填された筒状フィルムは更に下方に移送され、前記内容物が充填された領域より上部で、筒状フィルム(60)の開口部が前記第一横シールロール(7)によって横シールされる。ついで、筒状フィルム(60)の底部が、第二横シール装置(90)の支持部材(91)で挟持され、第二横シーラ(93)によって温度30〜120℃で第二横シールされ、内容物が充填された包装体(80)が形成される。充填包装装置では、上記工程が筒状フィルム(60)の走行に連動して繰り返されることにより、充填包装体(80)を連包して製造することができる。なお、得られた連包状態の充填包装体(80)は、切断装置(70)によって横シール部の中間で切断され、個別の充填包装体(80)を製造することができる。
【0080】
図18に示す縦型充填包装装置によって充填包装体(80)を製造する際の各工程のフィルムの説明を図19に示す。図19の(a)は、2枚のフィルムが重ねられた状態を示し、(b)は、縦シール装置によって前記2枚のフィルムの両端に縦シール(45)が形成された筒状フィルムの平面図を、(c)は前記筒状フィルムを第一横シールロール(7)で第一横シールする態様を、(d)は底部が第一横シール(9)された筒状フィルムの一部の平面図であって、横シール(9)と縦シール(45)とからなる角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)が形成される態様を、(e)は第一横シールが第二横シーラ(93)で第二横シールされる態様を、(f)は、第一横シールの上に第二横シールがなされた充填包装体が2つ連接された平面図を、(g)は、充填包装体の横シール部で個別に製造された充填包装体(80)の平面図を示す。
【0081】
本発明では、前記第一横シール装置によって、少なくとも充填包装体の底部が横シールされるものであるが、図19に示すように、前記第一横シール装置によって充填包装体の底部と開口部とが連続的に第一横シールされる場合がある。この場合、前記第一横シールに、本発明の第二横シール装置によって第二横シールを行うと、充填包装体の底部のみならず開放部にも第二横シールが形成される場合がある。本発明では、少なくとも充填包装体の底部に第二横シールが形成されていればよく、開口部における第二横シールの有無は問わない。
【0082】
(5)無菌充填包装装置
本発明の第四は、無菌状態に維持されるべき領域内に、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする第一横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構とが備えられた充填包装体を製造する無菌充填包装装置であって、前記無菌状態に維持されるべき領域に連設して、前記充填包装体の底部を形成する第一横シールに二段目の横シールを行う第二横シール機構が配設され、前記第二横シール機構が上記第二横シール装置である、無菌充填包装装置である。第三の発明との相違は、充填包装装置を構成する縦シール機構と充填機構と第一横シール装置とが、無菌状態に維持されるべき領域内に配置され、それに連設し、無菌領域外に第二横シール装置が配備される点にある。
【0083】
前記したように、縦型充填包装装置によって大量の内容物を包装体に充填する場合、横シールロールによって横シールを行うと、シール圧着時間が瞬間的であるため完全密封が困難で、シール強度が不足する場合がある。このため、不活性ガス充填装置や脱酸素剤封入包装では、均一な圧力で横シールできシール強度の高いボックスモーション型が必要になる。しかしながら、ボックスモーション型は、横シーラが上下機構と開閉機構とによってボックス状に複雑に動くため、無菌充填ゾーン内に配置することが困難である。このため、ボックスモーション型の横シールは、無菌充填ゾーンを出てから行われることが一般的であり、第一横シールの際にピンホールが発生すると、内容物や充填ノズルを含む充填包装装置が汚染される恐れがあった。本発明では、無菌充填ゾーンで横シールロールを使用して第一横シールを行うため、迅速かつピンホールを防止した第一横シールを行うことができ、仮にピンホールなどが発生した場合でも内容物や充填包装装置の汚染を回避することができる。また、第一横シールについで、無菌充填ゾーンを出てからボックスモーション型の第二横シール装置(90)によって第二横シールを行うことで、高いシール強度を確保することができる。しかも、本発明で使用する第二横シール装置は、第二横シールの上部に筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材が配置されているため、大量の内容物が充填され包装体の底部が膨らんだ場合でも、シワなどの発生を回避して第二横シールを行うことができる。
【0084】
図20に、本発明の無菌充填包装装置(100)に、原反供給領域(120)と、フィルム殺菌領域(130)と、製品排出領域(150)とが連設された装置で、充填包装体を製造する工程を説明する。図20では、無菌領域(無菌状態に維持されるべき領域)(140)に充填包装装置を構成する縦シール機構(40)と充填機構(30)と第一横シール装置(10)とが配設され、製品排出領域(150)に第二横シール装置(90)が配設される態様を示す。
【0085】
まず、原反供給領域(120)には、フィルム(60)をロール状に巻回したフィルムロール(121)が装備され、フィルムロール(121)から引き出されたフィルム(60)がローラ(123)を介してフィルム殺菌領域(130)に引き込まれる。原反供給領域(120)とフィルム殺菌領域(130)とは、フィルム(60)を通すための開口(125)と、その開口(125)を開閉するシャッタ(127)とが設けられた壁によって区分されている。
【0086】
フィルム殺菌領域(130)では、例えば過酸化水素水などの殺菌液槽(133)にフィルム(60)を導入する。次いで、フィルム(60)は、フィルム殺菌領域(130)から無菌領域(140)へ導入される。無菌領域(140)では、フィルム(60)を挟むように配置された一対の温風ノズル(141)によって、フィルム(60)に付着している滅菌剤が気化される。次いで、前記温風ノズル(141)よりもフィルム(60)の走行方向下流側に配設された冷風ノズル(143)から常温のエアが噴出され、フィルム(60)の乾燥が補完されるとともに、温風ノズル(141)からの温風によって加熱されたフィルム(60)が冷却されて、そのすべり性やカール性等の物性の低下が防止される。
【0087】
ついで、無菌処理および乾燥処理されたフィルム(60)は、無菌領域(140)内に配設された折り返しローラ(145)などの折り返し機構により二つ折りされ、無菌領域(140)内の充填機構(30)に導かれる。充填機構(30)では、前記フィルム(60)が上方から下方に移動するように構成され、まず、フィルム(60)はその走行方向に沿った両側縁を互いに重ね合わせるように重ねられ、一対の縦シールロール(43)によってフィルム(60)の両側縁の重複部分が加熱溶着され、筒状に成形される。その後、筒状フィルム(60)は、その下端を一対の絞りロール(50)で挟まれ、その下部に配置された横シール装置(10)の一対の第一横シールロール(7)の回転によって横シールされる。横シール部の上方に形成されている筒状フィルム(60)の内部には、供給管(36)から内容物が所定量だけ充填される。前記縦シールロール(43)および第一横シールロール(7)の回転により、内容物を充填された筒状フィルム(60)は更に下方に移送され、前記内容物が充填された領域よりもさらに上側で筒状フィルム(60)の開口部が前記第一横シールロール(7)によって横シールされ、上記工程が筒状フィルム(60)の走行に連動して繰り返されることにより、充填包装体(80)を連包して製造することができる。
【0088】
一方、連続する充填包装体(80)は、無菌領域(140)に連設される製品排出領域(150)などの無菌領域外に配設される第二横シール装置(90)に移送される。ここで、前記筒状フィルム(60)の底部が、第二横シール装置(90)のボックスモーション型で作動する支持部材(91)で挟持され、かつ第二横シーラ(93)によって第一横シールの上に温度30〜120℃で第二横シールされる。充填包装体(80)は、前記無菌領域(140)で底部と上部開放端とが第一横シールにより封止されているため、第二横シール装置(90)は、無菌領域(140)に限定される必要はなく、無菌充填ゾーン外に複雑な機構の第二横シール装置(90)を配設することで、均一かつ強度の高い横シールを、安定して行うことができる。なお、得られた連包状態の充填包装体(80)は、切断装置(70)によって横シール部の中間で切断され、個別の充填包装体(80)を製造することができる。その際、第二横シール装置(90)が、第二横シールのみを行うものであり切断機構を有しない場合には、その下流に切断装置を連設させ、各充填包装体を横方向シールでカットする。一方、例えば、図3に示すように、第二横シーラが切断刃などの切断機構(95)を併設する場合には、第二横シールと同時に第二横シールで横方向にカットし、包装体を個別に分離することができる。こうして製造された袋詰め製品は製品排出領域(150)に排出される。
【産業上の利用可能性】
【0089】
充填包装体の底部を二段階に横シールを行う二段階横シール装置が提供されることによって、ピンホールやシワの発生を抑制した包装材を製造することができ、充填包装体の保存性が向上するため、食料品用、医療用その他の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0090】
1・・・ヒートシールバー、
1a・・・帯状シール部のシール面、
1b・・・円弧状または斜め状の角シール部のシール面、
3・・・軸間基準フランジ、
5・・・軸間基準フランジの回転軸、
6・・・凹部、
7・・・横シールロール、
8・・・ビス、
9・・・横シール、
10・・・第一横シール装置、
15・・・間隙調整材、
25・・・折り返しローラ、
30・・・充填機構、
36・・・供給管、
40・・・縦シール装置
43・・・縦シールロール、
45・・・縦シール、
50・・・絞りロール、
60・・・フィルム、
70・・・冷却切断装置、
80・・・充填包装体、
90・・・第二横シール装置、
93・・・横シーラ、
95・・・切断機構、
100・・・無菌充填包装装置、
120・・・原反供給領域、
121・・・フィルムロール、
130・・・フィルム殺菌領域、
133・・・殺菌液槽、
140・・・無菌領域(無菌状態に維持されるべき領域)、
141・・・温風ノズル、
143・・・冷風ノズル、
145・・・折り返しローラ、
150・・・製品排出領域
CS・・・充填包装体に形成される円弧状の角シール部
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量の内容物が充填される包装体に、ピンホールやシワを発生することなく二段階の横シールを行うことができる二段階横シール装置、前記二段階横シール装置に好適な第二横シール装置、前記二段階横シール装置を装着した充填包装装置および無菌充填包装装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原反ロールからフィルムを引き出しつつ製袋しつつ、その包装体内に液状体、粉粒体などの内容物を充填包装する充填包装装置が、弁当などの付属品として提供される醤油やソースなどの調味料を充填した小袋の製造に多用されている。
【0003】
例えば、連続して供給されるフィルムを縦シール機構により縦シールし、ついで横シール機構により横シールし、前記縦シール及び前記横シールによって形成される包装体内に内容物を充填する縦型充填包装装置であって、一対の横シールロールを回転させるための回転機構と、前記ヒートシールロールを上下方向に移動させるための上下機構とを備えた縦型充填包装装置がある(特許文献1)。一対の横シールロールに回転機構と上下機構とを装着することで、横シール部のシール不良の発生を抑制でき、また生産性に優れた大容量の包装体を得ることができる、という。
【0004】
また、充填物が投入された筒状フィルムを幅方向に熱シールする際に、内容物を充填した筒状フィルムの下端をローラでしごきながらその下方を平坦な加圧面で加圧し熱シールし、ついでこの熱シールされた前記筒状フィルムの部位をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びるストライプ状の凹凸が形成された加圧面で加圧し熱シールする方法もある(特許文献2)。熱シール部の剥離あるいは溶断を回避するために横シール部に横ストライプの凹凸を形成すると、この凹凸に充填物が残存することに鑑み、予め平坦な加熱面で熱シールし、その後に再度凹凸が形成された加圧面で熱シールするというものである。特許文献2では、2度の熱シールをそれぞれボックスモーションで行っている。
【0005】
また、2枚のプラスチックフィルムの四方をヒートシールしてなる包装体の横シールに関し、縦シールとの角部に円弧状のシール部または斜め状のシール部が形成された包装体が開示されている(特許文献3)。横シールが直線で形成されていると、この横シールに沿って袋体両端部が折れ曲がるため見栄えが悪くなり、また、折れ曲がりの端部が他の密封された包装体に当たってその包装体に穴を開けたり、ピンホールを形成することに鑑み、横シールと縦シールとからなる角部に円弧状のシール部または斜め状のシール部を形成することで、上記問題を解決したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−96849号公報
【特許文献2】特開2002−46712号公報
【特許文献3】実用新案登録公報第2574458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来からある充填包装装置として、図21に示すように縦シール装置(40)、横シール装置(10)、充填機構(30)、切断装置(70)とを有する縦型充填包装装置がある。2枚のフィルム(60)の左右両縁部を繰り出しながら一対の縦シールロール(43)で縦シールし、得られた筒状フィルム(60)の下端を一対の第一横シールロール(7)を回転させながら横シールし、充填機構(30)の内容物供給管(36)を介して前記筒状フィルムの開放端から内容物を充填し、内容物を充填された筒状フィルム(60)の開放端を再度前記横シール装置(10)で横シールして封止し、得られた連包状態の包装体を切断装置(70)によって横シール部で切断し、個別の充填包装体(80)を製造することができる。
【0008】
しかしながら、大量の内容物を充填する場合、特許文献1に示すように、横シールロールによって横シールする方法ではピンホールが発生しやすく、また、シール強度が十分でないため、大容量の充填包装体を製造することが困難な場合がある。
【0009】
大量の内容物を充填する包装体を製造する場合、内容物の重みや、内容物が下に溜まることによる底部のふくらみによってまだ温度が高い横シール部が変形しやすい。このような場合、図22(a)の充填包装体(80)の断面を用いた製造工程の説明図に示すように、前記底部の横シールに一対の横シールロール(90')を用いて低温で2度目の横シールを行い、横シール部を安定させることができる。しかしながら、大量の内容物を充填する包装体の底部は両端で撓みが生じ、図22(b)の充填包装体(80)の断面を用いた製造工程の説明図に示すように底部の横シールにシワが発生する場合がある。したがって、大量の内容物を充填する包装体の底部に横シールを二段階で行う場合に、シワの発生がなくかつ生産性に優れ、二段目の横シールを行いうる第二横シール装置の開発が望まれる。
【0010】
一方、内容物を大量に充填する包装体の製造は、ボックスモーション型で横シールされることが多い。ボックスモーション型は、一対の横シーラを上下させる上下機構と、前記一対の横シーラを開閉させる開閉機構とにより、前記開閉機構が「閉」の場合に、一対の横シーラによって筒状フィルムを挟持するとともに前記上下機構を下降させて前記筒状フィルムを横シールし、前記開閉機構が「開」の場合に、前記上下機構を上昇させて前記上下機構を作動原点に復帰させるものである。横シーラがボックスの周りを回るように動くので、横シーラによって押さえられている時間が長く、完全密封する用途に適している。また、均一な圧力でシールするため、シールロールを使用する場合よりピンホールが発生しにくい利点もある。しかしながら、特許文献2に示すように、二段階の横シールをそれぞれボックスモーション型で行うと生産設備が複雑になる場合がある。すなわち、縦型充填包装装置において、ボックスモーションは、上記「閉」→「下降」→「開」→「上昇」の動作を繰り返して横シールするものであり、動きが複雑である。したがって、例えば無菌充填包装体を製造する際に二段階の横シールをそれぞれボックスモーション型で行うと、無菌ゾーン内に2基のボックスモーション型横シール装置を設置する必要が生じ、設備が複雑となる。一方、横シール装置を無菌充填ゾーン外に配設すると、第一横シールの際に発生したピンホールによって、内容物、充填ノズル、無菌充填機構の全てが汚染される恐れがある。したがって、充填包装体の横シールを第一横シールと第二横シールとの二段階で行う場合に、無菌充填ゾーン内で横シールロールの回転によって効率的に第一横シールを行い、ついで無菌充填ゾーン外でボックスモーション型の横シーラで第二横シールを行うことで、シワの発生がなく、かつ生産性に優れる二段階横シール装置の開発が望まれる。
【0011】
また、前記充填包装体のシールの形状として、縦シールと横シールとを直角に形成すると、両端の角部が内側に折れ曲がり、搬送時に折れ曲がった個所でピンホールが発生しやすい。
【0012】
この問題を避けるため、上記装置で製造される充填包装体(80)の底部横シールとして、前記特許文献3に示すように、横シールと縦シールとからなる角部に円弧状のシール部または斜め状のシール部を形成する方法がある。例えば、横ヒートシールバーに帯状のシール面と、その両端に円弧状や斜め状のシール面とを形成し、このようなシール面を有する横シールロールを回転させれば、角部に円弧状のシール部を形成することができる。図21に示す縦型充填包装装置によって充填包装体(80)を製造する際の各工程のフィルムの説明を図23に示す。図23の(a)は、2枚のフィルムが重ねられた状態を示し、(b)は、縦シール装置によって前記2枚のフィルムの両端に縦シール(45)が形成された筒状フィルムの平面図を、(c)は前記筒状フィルムを第一横シールロール(7)で熱シールする態様を、(d)は底部が横シール(9)された筒状フィルムの一部の平面図であって、横シール(9)と縦シール(45)とからなる角部に円弧状の角シール部(CS:corner seal)が形成される態様を、(e)は筒状フィルムの開放端が封止され、横シール部で個別に製造された充填包装体(80)の平面図を示す。得られた充填包装体(80)は、四方がヒートシールされてなり、横シール(9)と縦シール(45)とからなる4箇所の角部にそれぞれ円弧状の角シール部(CS)が形成されている。
【0013】
しかしながら、充填包装体の横シール幅が広く、かつ大量の内容物を充填し、横シールロールを回転させながら横シールする際に、角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)を形成しても、角シール部(CS)近傍でピンホールが発生しやすい。というのは、対向する2本の横シールロールでフィルムを挟んで横シールする場合、横シールロールは、角シール部(CS)を形成する端部の鋭角に所定の圧力をもって接触するため、面積の狭いこの鋭角部に最初の圧力が集中しやすく、その結果、角シール部(CS)の近傍でシワやピンホールが発生しやすくなるからである。このようなピンホールが存在すると、搬送時、保存時、その他、包装体に過度の圧力が掛かかる際に包装体が破断する場合がある。したがって、第一横シールの際に、大量の内容物を充填した包装体でも角部のピンホールを抑制して横シールすることができ、二段目の第二横シールではシワの発生を回避し、かつボックスモーション型で均一な圧力で完全密封された第二横シールすることができる、二段階横シール装置の開発が望まれる。
【0014】
更に、横シールの際に、角部に円弧状の角シール部や斜め状のシール部を形成する場合には、図23の(c)に示されるように、筒状フィルム(60)の横幅に合致した第一横シールロール(7)を使用する必要がある。異なる内容量の製品を製造するために異なる横幅の筒状フィルムを使用すると、筒状フィルム幅の変更の度に横シールロールを変更する必要が生じるため、多様の横シールロールを配備する必要が生ずる。したがって、筒状フィルムの横幅が変更された場合でも、簡便に対応できる横シール装置の開発が望まれる。
【0015】
また、食品や医薬品などは、無菌状態に維持されるべき領域内で無菌フィルムを連続的に導入し、縦シール、充填、横シールを繰り返して連続的に製造される場合に、製造された充填包装体にピンホールが発生すれば、内容物が汚染される一因となる。したがって、ピンホールなどの発生を回避し、製品や無機充填装置の汚染のない充填包装体の製造方法や製造装置が望まれる。
【0016】
加えて、充填包装体の底部を一対の横シールロールを回転させて横シールする場合に、内容物が大量の場合は、充填包装体の左右が膨らむため、横シールロールの間を通過する際に、充填包装体が横シールロールに当たり、また一対の横シールロールの間隔が狭い場合には、内容物が通過しにくいため、規定量の充填が困難となる場合がある。一方、間隔を広くすると内容物が落下する速度が速くなるため充填量が過度になる場合がある。また、内容物の落下速度が速くなることで空気を巻き込むなどの問題が生じるなど、安定した充填が困難となる場合がある。また、内容物の充填によって中央側が膨らんだ筒状フィルムを一対の横シールロールで挟み付けながら横シールすると、筒状フィルムの中央側が押し潰され、筒状フィルムに弛みが生じ、横シールの際にシワが発生したり、横シール箇所にシール不良が発生してしまう場合がある。したがって、大量の内容物を充填した包装体でも、横シールロールの回転によって第一横シールを行いうる二段階横シール装置の開発が望まれる。
【0017】
本発明は、上記現状に鑑み、大量の内容物を充填した包装体の製造において、第一横シールの後にシワを発生させることなく充填包装体の底部にボックスモーション型で第二横シールすることができる、第二横シール装置を提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、横シールロールの回転によって第一横シールを行い、次いでボックスモーション型でシワを発生することなく充填包装体の底部に第二横シールすることができる、二段階横シール装置を提供することを目的とする。
【0019】
また本発明は、上記二段階横シール装置を装着した充填包装装置を提供することを目的とする。
更に本発明は、上記二段階横シール装置を使用した無菌充填包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、充填包装体の底部に横シールを二段階で行って大量の内容物を充填する包装体を製造する際に、二段目の横シール(第二横シール)を支持部材を装着したボックスモーション型横シーラで行うことで、シワを発生することなく第二横シールを行いうること、無菌充填ゾーン内で第一横シールを一対の横シールロールの回転で行い、第二横シールを無菌充填ゾーン外でボックスモーション型で行うことで、大量の内容物を充填した包装体を無菌充填包装装置の汚染を回避して効率的に製造できること、第一横シールとして、対向して回転する一対の横シールロールの各々に、帯状シール部と前記帯状シール部の両端に円弧状または斜め状の角シール部とを形成し、かつ前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面を前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成したヒートシールバーを装着することで、角シール部での圧力を低減してピンホールの発生やシワの発生を防止できること、ヒートシールバーにおける前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面を前記帯状シール部のシール面と独立して脱着自在に横シールロールに装着しうるように構成することで、各種の横幅の筒状フィルムの横シールを行うことができること、従来の充填包装装置や無菌充填包装装置に上記二段階横シール装置を装着することで、大量の内容物を充填した包装体をピンホールの発生を回避し、シール強度の高い横シールを有する充填包装体を製造しうることを見出し、本発明を完成させた。
【0021】
すなわち、本発明は、第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする、第二横シール装置を提供するものである。
【0022】
また本発明は、前記一対の支持部材が、前記筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材で構成されることを特徴とする、上記第二横シール装置を提供するものである。
【0023】
また本発明は、前記第一横シール手段が、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面に対して移動および/または脱着可能に構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である、上記二段階横シール装置を提供するものである。
【0024】
また本発明は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置を提供するものである。
【0025】
また本発明は、前記第二横シール手段が、上記第二横シール装置である、二段階横シール装置を提供するものである。
また本発明は、前記第一横シール手段が、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である上記二段階横シール装置を提供するものである。
【0026】
また本発明は、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構と、を備えた充填包装装置において、前記横シール機構は、上記二段階横シール装置で構成されることを特徴とする、充填包装装置を提供するものである。
【0027】
また本発明は、無菌状態に維持されるべき領域内に、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする第一横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構とが備えられた充填包装体を製造する無菌充填包装装置であって、前記無菌状態に維持されるべき領域に連設して、前記充填包装体の底部を形成する第一横シールに二段目の横シールを行う第二横シール機構が配設され、前記第二横シール機構が、上記第二横シール装置である、無菌充填包装装置を提供するものである。
【0028】
また本発明は、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成し、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って温度130〜240℃で第一横シールし、前記筒状フィルムに内容物を充填し、ついで、前記筒状フィルムの底部を一対の支持部材で支持し、前記支持部材の下部に配置される一対の平坦な加圧面からなり、ボックスモーション型で横シールする第二横シーラによって温度30〜120℃で第二横シールして充填包装体を製造することを特徴とする、充填包装体の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明の第二横シール装置によれば、大量の内容物を充填した包装体の底部を二段階に横シールして充填包装体を製造する場合、底部のシワの発生を防止して第二横シールをすることができる。
【0030】
本発明の二段階横シール装置によれば、横シール角部におけるピンホールやシワの発生が抑制された充填包装体を生産性高く製造することができる。
本発明によれば、第一横シールロールに帯状シール部のシール面と前記シール面の両端に円弧状または斜め状の角シール部のシール面とを形成したので、充填包装体の両端部の角部が内側に折れ曲がることを防止でき、搬送時に折れ曲がった個所で発生しやすいピンホールの発生を効果的に抑制することができる。
【0031】
また、本発明によれば、第一横シールロールにおいて、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されているため、横シール時に角シール部(CS)近傍の圧力の集中を抑制し、これによりピンホールの発生を回避することができ、輸送時などの充填包装体の破断を防止することができる。
【0032】
本発明によれば、第一横シールロール間の間隙を調整し、内容物の流量と前記間隙とを制御することで、内容物の多少に係わらず安定して所定量を充填することができる。
本発明の第二横シール装置は、横シールロールを構成する円弧状または斜め状の角シール部のシール面が、脱着自在に前記横シールロールに装着されるため、横幅の異なる包装体の製造が容易である。
【0033】
本発明の充填包装装置は、ピンホールの発生が抑制されるため、内容物の保存性に優れる。
本発明の無菌充填包装装置は、ピンホールの発生が抑制されるため、無菌充填された内容物の保存性を充填後も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の第二横シール装置の構成を説明する図であり、縦シールされた筒状フィルムの底部が横シールされ、ついで内容物が充填された包装体(80)において、前記底部の横シールを支持する一対の平板な挟持面を有する支持部材(91)と、その下部に配設された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)とを示す図である。
【図2】図2は、本発明の第二横シール装置の構成を説明する図であり、縦シールされた筒状フィルムの底部が横シールされ、ついで内容物が充填された包装体(80)において、前記底部の横シールを支持する一対の絞りローラなどの支持部材(91)と、その下部に配設された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)とからなり、前記支持部材(91)と前記第二横シーラ(93)とが一体に構成される態様を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第二横シール装置の構成を説明する図であり、縦シールされた筒状フィルムの底部が横シールされ、ついで内容物が充填された包装体(80)において、前記底部の横シールを支持する一対の絞りローラなどの支持部材(91)と、その下部に配設された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、前記第二シーラは、更に切断機構(95)が一体に併設される第二シーラ(93)である態様を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の二段階横シール装置の構成を説明する図であり、第一横シール装置(10)が、一対の第一横シールロール(7)の回転によって第一横シールする装置であり、第二横シール装置(90)がボックスモーション型横シール装置で構成される態様を示す。
【図5】図5(a)は、本発明の二段階横シール装置の第一横シールロールを使用して底部に第一横シールを行った、角シール部(CS)を有する充填包装体の平面図であり、図5(b)は、充填包装体の横シール部と、前記第一横シールロールに形成する帯状シール部のシール面(1a)および前記シール面(1a)の両端に形成される円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)との関係を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロールの正面図、側面図、並びにA−A線で切断した断面側面図である。ヒートシールバーには、横シールを構成する帯状シール部のシール面(1a)と、円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)とが形成されている。
【図7】図7(b)は、図6に示す横シールロールを90度回転させた本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロールの平面図、図7(a)の左半部は、前記第一横シールロールの側面図、右半分は、前記図7(b)におけるA−A線で切断した断面側面図である。
【図8】図8(b)は、間隙調整材(15)を装着した第一横シールロールの正面図であり、図8(a)は、図8(b)に示すA−A線で切断した断面図を示す。
【図9】図9(b)は、本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロール(7)の正面、図9(a)の左半部は前記第一横シールロールの側面図、右半部は、図9(b)のA−A線で切断した断面側面図である。ヒートシールバー(1)は、横シールを構成する帯状シール部のシール面(1a)と、このシール面の両端に円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)とが独立して形成され、前記角シール部のシール面(1b)は、前記帯状シール部のシール面(1a)に対して移動可能に構成されている態様を示す。
【図10】図10は、図9に示す横シールロールを90度回転させた状態を説明する図である。図10(b)は、本発明の二段階横シール装置に装着する第一横シールロールの正面図、図10(a)の左半分は、前記第一横シールロールの側面図、右半部は、図10(b)のA−A線で切断した断面側面図である。
【図11】図11は、底部に、第一横シール(9)がなされ、この第一横シール部の両端に円弧状または斜め状の角シール部(CS)とが形成され、開口部側に横シールの一部に注出口(82)が形成された充填包装体の正面図である。便宜のため、第二横シールの記載は省略した。
【図12】図12(b)は、図11に示す充填包装体を製造しうる第一横シールロールの正面図であり、図12(a)の左半部は、前記第一横シールロールの側面図、右半部は、図12(b)のA−A線で切断した断面側面図である。
【図13】図13は(b)は、図12の第一横シールロールを90°回転させた場合の正面図であり、図13(a)の左半分は、前記第一横シールロールの側面図、右半分は、図13(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図14】図14は、底部に、第一横シール(9)がなされ、この第一横シール部の両端に円弧状または斜め状の角シール部(CS)とが形成され、開口部側横シールの一部に未シールで形成された注出口(82)が形成された充填包装体の平面図である。便宜のため、第二横シールの記載は省略した。
【図15】図15(b)は、図14に示す充填包装体を製造する際の第一横シールロールの正面図、図15(a)の左半部は、前記第一横シールロールの側面図、右半分は、図15(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図16】図16(b)は、図12に示す第一横シールロール2本を対抗して配設してなる第一横シール装置の正面図であり、図16(a)の上半分は、前記第一横シールロールの側面図、下半部は、図16(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図17】図17(b)は、図13に示す第一横シールロール2本を対抗して配設してなる第一横シール装置の正面図、図17(a)の上半分は、前記第一横シールロールの側面図、下半分は、図17(b)のA−A線で切断した断面側面図を示す。
【図18】図18は、本発明の充填包装装置を説明する図である。
【図19】図19は、本発明の充填包装装置による工程を説明する図である。
【図20】図20は、本発明の無菌充填包装装置を説明する図である。
【図21】図21は、従来の充填包装装置を説明する図である。
【図22】図22は、横シール部に二段目の横シールを低温で行う際に、横シールにシワが発生する状態を説明する図である。
【図23】図23は、従来の充填包装装置による工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の第一は、第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする、第二横シール装置である。
【0036】
また、本発明の第二は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置である。
【0037】
前記第一横シール手段が、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成横されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする、第一横シール装置であってもよい。以下、本発明を図面を参照して説明する。
【0038】
(1)第二横シール装置
本発明の第二横シール装置は、充填包装体の底部の横シールを二段階で行う際に、二段目の横シール(以下、第二横シールとも称する。)を形成する装置である。具体的には、
第一横シーラで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなる。前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする。本発明の第二横シール装置において、一段目の横シール(以下、第一横シールとも称する。)のシール方法は問わない。
【0039】
縦型充填包装装置によって筒状フィルム(60)の両端が縦シールされ、底部が横シールされ、ついで大量の内容物が充填された充填包装体(80)の底部は、底部の両端部で撓みが生じやすい。このため、撓みの上から第二横シールを行うと第一横シール部にシワが発生しやすい。しかしながら、本発明の第二横シール装置は、一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)の上部に一対の支持部材(91)が配置され、この支持部材(91)によって内容物が充填された包装体(80)の底部を水平に支持し、第一横シール部を全長に亘って平滑かつ水平に維持できるため、シワを発生することなく第二横シールを行うことができる。また、第二横シーラ(93)は、一対の平坦な加圧面からなり、筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構を有し、いわゆるボックスモーション型で第二横シールが行なわれる。このため、前記充填包装体(80)の第一横シールを一対の第二横シーラ(93)で挟持し、上下機構によって下降しつつ筒状フィルム(60)を横シールできるため、横シールロールによる方法よりも長時間に亘り第二横シーラ(93)で加圧でき、十分な加圧および加熱または冷却を行うことができる。
【0040】
本発明の第二横シール装置(90)は、従来公知の筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムを加圧および開放する開閉機構とによって一対の平坦な加圧面からなる横シーラが動作する、いわゆるボックスモーション型横シール装置において、前記横シーラの上部に一対の支持部材を配置することで調製できる。前記支持部材(91)としては、図1に示すように、筒状フィルムの底部の全長に亘る平板な挟持面を有する一対の部材で構成することができる。
【0041】
本発明で使用する支持部材(91)は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されている。対向配置されたシリンダ(不図示)によって対向移動可能に設けられた一対の支持部材(91)は、前記開閉機構が「閉」の場合に、筒状フィルムを挟持するとともに前記上下機構によって筒状フィルムの流れ方向に降下し、前記開閉機構が「開」の場合に、前記上下機構によって上昇し作動原点に復帰する。同様に、対向配置されたシリンダ(不図示)によって対向移動可能に設けられた一対の第二横シーラ(93)も、前記開閉機構が「閉」の場合に、筒状フィルムを加圧するとともに前記上下機構によって筒状フィルムの流れ方向に降下して熱シールし、前記開閉機構が「開」の場合に、前記上下機構によって上昇し作動原点に復帰する。本発明では、第二横シーラ(93)によって第二横シールするのに先立ち、前記支持部材(91)によって筒状フィルムの底部を挟持するため、第一横シール部を直線状に維持することができ、シワなどの発生を回避して第二横シールを行うことができる。なお、第二横シーラ(93)による横シールは、第一横シールの温度を冷却する目的で行うため、加圧面は、温度30〜120℃に調整される。
【0042】
前記第二横シーラ(93)の下方には、熱シールされた部位を筒状フィルムの幅方向に切断する切断装置(70)が配設されている。切断装置(70)は、一対のバーと筒状フィルムを切断するための切断刃とからなり、前記切断刃が一方のバーに対して進退可能に設けられている。
【0043】
前記支持部材(91)としては、前記筒状フィルム(60)の底部の全長を挟持しうるものであればその形状に限定はない。したがって、筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材や、図1とは異なるが、一対の絞りローラなどを例示することができる。さらに、筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材の場合には、図1に示すように、前記支持部材(91)の上部が、筒状フィルムの底部の形状に湾曲して形成される態様であってもよい。筒状フィルムに大量の内容物を充填した場合には底部が丸く変形しやすい。本発明はこのような大容量の充填包装体において、第一横シールに加えて第二横シールを行いシール強度を向上させるものであるが、支持部材の上部を筒状フィルムの底部の形状に湾曲して形成することで、大容量の充填包装体の底部を安定して支持することができる。なお、符号50は一対の絞りロール(50)、符号10は第一横シール装置、符号70は切断装置、符号80は充填包装体を示す。
【0044】
本発明の第二横シール装置(90)は、前記支持部材(91)によって前記筒状フィルムの底部を挟持し、前記第二横シーラによって前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧するよう制御される。その際、前記支持部材(91)と第二横シーラ(93)とを一体に形成し、第二横シーラ(93)の上下機構および開閉機構によって支持部材(91)を上下および開閉動作を行わせるものであってもよい。例えば、前記一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)と一対の支持部材(91)とを一体に成形したものを使用することができる。この態様を図2に示す。図1と同様に、支持部材(91)の上部の形状を、内容物が充填され丸く変形した充填包装体(80)の底部の形状に近似した凹部で構成すれば、充填包装体(80)の底部の丸みを維持したまま水平に支持することができるため、第二横シーラ(93)による加圧の際にシワの発生を容易に回避することができる。
【0045】
本発明では、第二横シーラ(93)による横シールは、第一横シールの温度を冷却する目的で行うため、加圧面は温度30〜120℃に調整にされるが、支持部材(91)は、直接充填包装体(80)に接触するものであり、室温であることが好ましい。したがって、第二横シーラ(93)と支持部材(91)とが一体で構成される場合には、第二横シーラ(93)の温度が支持部材(91)に伝達されないよう断熱機構を備えたり、または充填包装体(80)と接触する面の温度を25〜60℃に制御しうる冷却機構を備えている必要がある。
【0046】
また、本発明の第二横シール装置(90)は、前記一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラ(93)に切断機構(95)が併設されるものであってもよい。例えば、図3に示すように、第二横シーラ(93)を二段に構成し、その下部に切断刃(95')が移動できるように切断機構(95)を併設したものであってもよい。前記したように、第二横シーラ(93)による横シールは、第一横シールの温度を冷却する目的で行うため、加圧面が温度30〜120℃で熱シールされる。第一横シールよりも低温であるため、前記第二横シーラにより第二横シールと同時に、前記第二横シールを切断して個別の充填包装体を製造することをできる。なお、図3では、図1と同様に、第二横シーラ(93)の上部に、内容物が充填され丸く変形した充填包装体(80)の底部の形状に近似した湾曲部が形成された支持部材(91)が別個に装着される態様を示す。
【0047】
(2)二段階横シール装置
本発明の二段階横シール装置は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置である。
【0048】
本発明の二段階横シール装置は、第一横シール方法を、一対の第一横シールロールの回転によって行うことを特徴とする。内容物を大量に充填する包装体の製造は、ボックスモーション型で横シールすることが一般的であるが、筒状フィルムが間欠的に送られるため生産性が低下する場合がある。しかしながら、第一横シールを一対の第一横シールロールの回転によって行うことで、回転シール方式でシール圧着時間を瞬間的に行い、生産性を向上させることができる。一方、大量の内容物を充填した筒状フィルムの下部を横シールロールの回転により第二横シールを行うと、内容物の重さによってまだ温度が高い第一横シール部が変形しやすい。このため、ボックスモーション型の第二横シール装置によって、温度30〜120℃で二段目の第二横シールを行うことで充填包装体の底部の横シールを安定させることができる。第二横シールをボックスモーション型で行う際に、筒状フィルムの底部を一対の支持部材(91)で挟持すれば、シワの発生を回避でき、かつ、その下部にある第一横シール部を一対の第二横シーラ(93)で加圧し、上下機構によって下降させつつ筒状フィルム(60)を横シールすると、横シールロールによる方法よりも長時間に亘り第二横シーラ(93)で加圧されるため、均一かつ十分な熱シールを行うことができる。
【0049】
このような二段階横シール装置による充填包装体の製造を図4に示す。連続移送される1枚のフィルム(60)を、折り返しローラ(25)などの折り返し機構によって二つ折し、その両端を縦シール装置(40)を構成する対をなす縦シールロール(43)によって縦シールし、得られた筒状フィルム(60)の下端を一対の絞りロール(50)で挟み、その下部に配置された第一横シール装置(10)を構成する一対の第一横シールロール(7)の回転によって第一横シールし、得られた筒状フィルム(60)の開放端から充填機構(30)の供給管(36)によって内容物を充填し、ついで充填包装体(80)の底部の第一横シール部を第二横シール装置を構成する支持部材(91)で挟持および支持しつつ第二横シーラ(93)で第二横シールする。
【0050】
本発明によれば、温度130〜240℃で第一横シールされた充填包装体の底部を、第二横シール装置の支持部材(91)によって挟持し、第二横シーラ(93)の加圧によって第二横シールするため、底部を過度に熱溶着せず、第一横シール部にシワを発生することなく、かつ安定して第二横シールを行うことができる。なお、第二横シーラ(93)による横シール温度は、筒状フィルムの厚さ、筒状フィルムの搬送速度、充填内容物の物性、充填内容物の温度、充填内容物の充填速度などに応じて適宜選択することができる。好ましくは前記第一横シール温度よりも低温であり、温度30〜120℃で好適に第二横シールを行うことができる。
【0051】
なお、本発明の二段階横シール装置は、筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であり、上記第一横シール手段と第二横シール手段とからなるが、筒状フィルムの底部を上記第一横シール手段と第二横シール手段とによって連続的に横シールできればよく、これらの手段が一体に形成されている必要はない。したがって、例えば、前記第一横シール手段が無菌充填ゾーン内に配置され、前記第二横シール手段が無菌充填ゾーン外に配置されるものであってもよい。なお、本発明では、前記第二横シール手段として、上記第二横シール装置を好適に使用することができる。
【0052】
(3)第一横シール装置
本発明において、前記二段階横シール装置における第一横シール装置は、一対の横シールロールの回転によって横シール(第一横シール)しうるものであれば、特に制限はない。しかしながら、対向して回転する一対の第一横シールロールからなり、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする第一横シール装置を使用することが好ましい。または、対向して回転する一対の第一横シールロールからなり、前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、前記角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面に対して移動および/または脱着可能に構成されていることを特徴とする、第一横シール装置を使用することが好ましい。なお、本発明では、充填包装体に形成される第一横シール部を符号(9)、前記角シール部を符号(CS:Corner seal)で示し、第一横シールロールにおいて、このような第一横シールを形成するシール面を、帯状シール部のシール面(1a)および角シール部のシール面(1b)と称する。
【0053】
図5に、第一横シールロールを使用して底部に第一横シールを行った充填包装体(80)の平面図を示す。
図5(a)に示すように、充填包装体(80)は、縦シールされてなる筒状フィルムの上下が横シールされてなり、前記横シール(9)と縦シール(45)とからなる角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)が形成されている。
【0054】
充填包装体に第一横シールを行う際に前記角シール部(CS)を形成するためには、図5(b)に示すように、帯状シール部のシール面(1a)と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状の角シール部(CS)を含む角シール部のシール面(1b)とを含む第一横シールロールで第一横シールする。本来、帯状シール部のシール面(1a)と角シール部のシール面(1b)とは、第一横シールロールにおける所定のシール面を意味するが、便宜のため、図5(b)では、これらを充填包装体の横シール部(9)および縦シール(45)と重複して示した。
【0055】
本発明では、このような第一横シールを行う第一横シール装置を対象としており、帯状シール部のシール面(1a)とは、充填包装体(80)の底部または開口部を封止する横シール(9)における帯状シール部のシール面(1a)を意味し、前記角シール部のシール面(1b)とは、横シールと縦シールとからなる角部に形成される、円弧状または斜め状に形成される角シール部(CS)を含むシール面(1b)を意味する。なお、第一横シールは、少なくとも充填包装体(80)の底部を形成する横シールであればよく、更に充填包装体の開口部の横シールとして前記第一横シールロールによる横シールが行われてもよい。
【0056】
図6(b)に本発明で使用しうる二段階横シール装置に使用する第一横シールロール(7)の正面図を、図6(a)の左半部に前記横シールロールの側面図、並びに右半分に図6(b)に示すA−A線で切断した断面側面図を示す。図中、1は加熱用のヒータ(図示省略)を内蔵したヒートシールバー、3は前記ヒートシールバー(1)の両端に配設された軸間基準フランジ、5は前記軸間基準フランジを回転させる回転軸を示し、図6(b)においてシール面を斜線部で示す。便宜のため、図6では、ヒートシールバー(1)のシール面の上半分に、帯状シール部のシール面(1a)と前記角シール部のシール面(1b)とを異なる斜線で表示する。前記ヒートシールバー(1)には、少なくとも1つの帯状シール部のシール面(1a)と、その両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)とが形成されている。なお、図6(b)に示すヒートシールバー(1)は、充填包装体の上部開口部側横シール面と底部側横シール面とが一体として形成されたものであり、開口部側の帯状シール部のシール面(1a')の上部に連続して底部側の帯状シール部のシール面(1a")が形成され、これら帯状シール部のシール面(1a)の両端にそれぞれ円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b"、1b')が形成される態様を示す。なお、本明細書および図面において、シール面(1a'および/または1a")をシール面(1a)で表示し、前記角シール部のシール面(1b"および/または1b')をシール面(1b)で表示する場合がある。
【0057】
本発明で使用しうる第一横シール装置は、充填包装体を製造する際に、横シールと縦シールとの交差角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)を形成し、充填包装体の両端のシール部が内側に折れ曲がることを防止し、折れ曲がった個所で発生しやすいピンホールを効果的に抑制することを目的とする。また、第一横シールロール(7)によって充填包装体に角シール部(CS)を形成する際に、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)を、前記帯状シール部のシール面(1a)よりもシール圧が低くなるように構成することで、充填包装体における角シール部(CS)近傍の圧力の集中を抑制し、これによりピンホールの発生を回避することを目的とする。したがって、このような横シールが好適な個所としては、充填包装体の底部を形成する横シールでも上部開口部を形成する横シールでもよい。しかしながら、充填包装体の底部を形成する第一横シールで応用すれば、特に大きな効果を得ることができる。大量の内容物を充填した包装体は、底部の横シールに内容物の重量がかかるため、底部で特にピンホールが発生しやすいからである。
【0058】
なお、図6(b)に示すように、開口部側横シールと底部側横シールとのシール面が一体に構成されたヒートシールバー(1)を使用することで、第一横シールロール(7)を回転して、底部および開口部の横シールを同時に行うことができる。
【0059】
本発明では、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)は、前記帯状シール部のシール面(1a)よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする。角シール部(CS)近傍でのピンホールやシワの発生について詳細に検討したところ、このような前記円弧状または斜め状のシール面(1b)を有する横シールロールを回転して筒状フィルムを挟み込みヒートシールすると、第一横シールロール(7)は、角シール部(CS)を形成する端部の鋭角に最初に接触するため、面積の狭いこの鋭角部に圧力が集中しやすくシール圧が極めて大となり、過度に熱溶着され、これによって角シール部(CS)の近傍にピンホールやシワが発生しやすくなることが判明したからである。本発明では、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を前記帯状シール部のシール面(1a)よりも低くすることでシール圧の集中、過度の熱溶着を回避し、上記問題を解決することができる。
【0060】
前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)のシール圧を前記帯状シール部のシール面(1a)よりも低くするには、例えば前記角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを異なる素材で構成すればよい。弾性率の異なる素材で構成することで前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を低減することができる。より具体的には、前記帯状シール部のシール面(1a)をアルミニウム、鉄、SUSなどの金属で構成し、前記角シール部のシール面(1b)をゴム、シリコンラバー、耐熱性プラスチックなどで構成する。
【0061】
また、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを、前記回転軸(5)の中心からの距離が異なるように装着してシール圧を低減するものであってもよい。図7(b)に、図6に示す横シールロールを90°回転させた場合の正面図、図7(a)の左半部に図7(b)の側面図、並びに右半分に図7(b)に示すA−A線で切断した断面側面図を示す。図7(b)において斜線部は、帯状シール部のシール面(1a)と角シール部のシール面(1b)である。図7(b)に示すように、ヒートシールバー(1)の帯状シール部のシール面(1a)を、軸間基準フランジ(3)よりも若干低く配設し、前記角シール部のシール面(1b)を帯状シール部のシール面(1a)よりさらにフィルム一枚分の0.05〜0.5倍の段差で低く配設することで、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を低減することができる。
【0062】
図7(a)に示すように、前記回転軸(5)の中心部(c)からの帯状シール部のシール面(1a)の距離(d1)と角シール部のシール面(1b)との距離(d2)とを異ならせ、d1>d2とすることで、ヒートシールバー(1)が同一部材で調製されている場合でも、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を、前記帯状シール部のシール面(1a)のシール圧よりも低く制御することができる。
【0063】
前記したように、角部に円弧状などのシール面を有する第一横シールについて詳細に検討したところ、最初に角シール部のシール面(1b)に接触する部分は面積が狭いために端部にシール圧力が集中しやすく、このような端部は充填包装体の角シール部(CS)の構成する一部であり、上記シール圧力の集中によりシール圧が極めて大となり、過度に熱溶着され、これによって角シール部(CS)の近傍にピンホールやシワが発生しやすくなることが判明した。このことは、前記角シール部のシール面(1b)のシール圧を前記帯状シール部のシール面(1a)よりも低くすることで上記問題を解決することができることを意味する。このような角シール部のシール面(1b)のシール圧を帯状シール部のシール面(1a)よりも低くシールする方法として、上記第一横シール装置を使用することができる。前記第一横シール装置は、一対の横シールロール(7)を、互いの軸間基準フランジ(3)を接触させた状態に平行に併設し、両ロール間に筒状フィルムを導入し、その外側から加圧および加熱して前記筒状フィルムの幅方向に第一横シールする際に、シール面の素材を異ならせるなどの方法により、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面のシール圧を前記帯状シール部のシール面のシール圧より低く第一横シールすることができるため、ピンホールの発生を抑制することができる。
【0064】
本発明で使用する第一横シールロール(7)は、ヒートシールバー(1)に少なくとも1つの帯状シール部のシール面(1a)とその両端に形成した角シール部のシール面(1b)とを有すればよいが、図7(a)に示すように、第一横シールロール(7)の中央部を横断する直線の両端にシール面(2箇所)が形成されるヒートシールバーや、3箇所以上の複数個所にシール面が形成されるものであってもよい。
【0065】
また、図7(a)に示すように、ヒートシールバー(1)の直径の両端にシール面(1a、1a)が形成される場合には、2つのシール面の間に、前記軸間基準フランジ(3)の外周面よりも窪んだ凹部(6)が形成されることが好ましい。この凹部(6)の深さは、軸間基準フランジ(3)の直径の0.03〜0.1倍であることが好ましい。例えば、軸間基準フランジ(3)の直径を1000mmとした場合、凹部の深さは30〜100mmであることが好ましい。
【0066】
本発明では、ヒートシールバー(1)の前記凹部(6)を被覆するように、間隙調整材が配設されてもよい。本発明で使用しうる第一横シール装置は、対向して回転する一対の第一横シールロールの間に筒状フィルムを導入し、その外側から加圧および加熱して前記筒状フィルムの幅方向に熱シールを行う横シール装置であり、各第一横シールロールの互いの軸間基準フランジを接触させた状態で平行に配設し、横シール後に筒状フィルムに内容物が充填され、両横シールロール間を内容物が充填された筒状フィルムが移送される。この際、内容物が大量であると、充填包装体の左右が膨らむため、一対の第一横シールロールの間を通過する際に、充填包装体が第一横シールロールに当たり、また一対の第一横シールロールの間隔が狭い場合には、内容物が通過しにくいため、規定量の充填が困難となる場合がある。一方、間隔を広くすると内容物が落下する速度が速くなるため空気を巻き込むなどの問題が生じる。本発明では、内容物の流量と第一横シールロールの間隙とを調整することで、内容量の多少に応じて安定した充填を可能とすることができる。すなわち、本発明で使用しうる第一横シール装置は、上記したように、ヒートシールバー(1)の2つのシール面の間に凹部(6)が形成されるため、大量の内容物を充填した充填包装体を製造することができる。また、前記凹部(6)に所定厚さの間隙調整材を配設することで第一横シールロール間の間隙を内容物の流量に適合するよう調整することができる。図8(b)に、このような間隙調整材(15)を装着した第一横シールロールの正面図を示し、図8(a)に図8(b)に示すA−A線で切断した断面図を示す。
【0067】
間隙調整材(15)はビス(8)などにより取り外し可能とし、内容物の粘度や充填量に応じて好適なものを選択できるように構成する。本発明では、間隙調整材(15)を配設することで、一対の第一横シールロールを、軸間基準フランジ(3)を接触して回転させた場合でも、内容物を充填した充填包装体が移動しうる間隙を確保することができる。間隙調整材(15)としては、例えば、商品名「ポリペンコPEEK」などのポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂や商品名MCナイロンなどのポリアミドなど、耐熱性プラスチックのうち断熱性のあるものを好適に使用することができる。このような樹脂板であれば、ヒートシールバー(1)に筒状フィルムが接触して筒状フィルムが傷むのを防止することができ、ヒートシールバー(1)の熱が充填包装体によって奪われるのを防止することもできる。間隙調整材(15)によって内容物の流量と横シールロール間の間隙とを調整することができ、これにより、内容物の多少にかかわらず、規定量の内容物を安定して充填して筒状フィルムの連続移送を円滑に行うことができる。なお、前記間隙調整材(15)の厚さは、内容物の粘度や流量を考慮し、かつヒートシールバー(1)に前記間隙調整材(15)を装着した場合の直径が、前記軸間基準フランジ(3)の直径よりも短くなるように選択する。
【0068】
また、本発明で使用する第一横シール装置では、前記ヒートシールバー(1)は、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と、前記帯状シール部のシール面(1a)とが別個に調製され、相互に移動可能、脱着可能に構成されているものであってもよい。この態様を図9に示す。なお、上記したように、本発明では間隙調整材を配設することが好ましいが、便宜のため、以下、間隙調整材を取り外した状態で、横シールロールを示す。図9(b)にそのような横シールロールの正面図を、図9(a)の左半分に第一横シールロールの側面図、並びに右半分に図9(b)に示すA−A線で切断した断面側面図を示す。なお、図9(b)において斜線部はシール面を示す。ヒートシールバー(1)の底部側および開口部側の帯状シール部のシール面(1a"、1a')とは別個に、その上下にそれぞれ角シール部のシール面(1b"、1b')が構成されている。
【0069】
すなわち、充填包装体の底部や開口部を封止する際に、充填包装体の横シールの角部に円弧状の角シール部(CS)を形成する場合、筒状フィルムの横幅が変更されると角シール部のシール面(1b)の位置も変更する必要が生じる。しかしながら、前記角シール部のシール面(1b)を帯状シール部のシール面(1a)と独立して形成することで、簡便に筒状フィルムの横幅に適応させることができる。図9(b)に、帯状シール部のシール面(1a"、1a')と独立して形成された前記角シール部のシール面(1b"、1b')が、それぞれ移動可能に装着される態様を示す。図9では、合計4箇所の角シール部のシール面(1b"、1b')が別個独立に横シールロールに装着される態様を示すが、例えば、左右いずれかの角シール部(1b"、1b')を帯状シール部のシール面(1a"、1a')に固定してもよい。他端のみを移動可能に構成しても、筒状フィルムの横幅の変動に対応できるからである。特に、図9(b)に示すように左側の角シール部のシール面(1b"、1b')を常に固定させ、右側の角シール部のシール面(1b"、1b')を移動できるように構成することが好ましい。縦シールとの関係で、一方の位置は変動しない場合があるからである。また、このように角シール部のシール面(1b"、1b')を脱着可能に構成することで、これを装着しない場合には直角シールを行うことができる。なお、図9(b)では、各角シール部のシール面(1b"、1b')は、ビス(8)でヒートシールバー(5)に装着しうる態様を示すが、装着方法としては、これに限定されるものではない。
【0070】
図10(a)、(b)に図9の横シールロールを90°回転させた場合の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示す。なお、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と、前記帯状シール部のシール面(1a)とが別個に調製され、相互に移動可能に構成されている場合であっても、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)は、前記帯状シール部のシール面(1a)よりもシール圧が低くなるように構成されていることが好ましい。例えば、前記角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを異なる素材で構成したり、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とを、前記回転軸(5)の中心からの距離が異なるように装着する。
【0071】
一方、図6、図9では、底部側横シールのシール面と上部開口部側横シールのシール面とが対象形状のヒートシールバー(1)を示したが、本発明で使用しうる第一横シール装置は、このようなヒートシールバー(1)に限定されるものではない。例えば、角シール部(CS)を有する充填包装体の形状が、図11に示すように、開口部側横シールの一部に未シールで形成された注出口(82)を有する場合には、前記帯状シール部のシール面(1a')に連続して注出口形成用突出部のシール面(1c)を形成すればよい。図12(a)、(b)に、このような開口部側横シールを形成しうる第一横シールロール(7)の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示し、図12(b)においてシール面を斜線部で示す。
【0072】
また、前記注出口形成用突出部のシール面(1c)が形成される場合のシール圧に関する限定はない。しかしながら、前記注出口形成用突出部のシール部(1c)は、前記帯状シール部のシール面(1a)から円弧状の曲線を介して形成される点で前記角シール部のシール面(1b)と共通する。したがって、前記注出口形成用突出部のシール面(1c)も前記角シール部のシール面(1b)と同様に、前記帯状シール部(1a)よりもシール圧が低くなるように構成されていることが好ましい。これにより、注出口の近傍で発生するピンホールの発生を効率的に抑制することができる。また、図13(a)、(b)に、図12の第一横シールロールを90°回転させた場合の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示す。
【0073】
なお、前記注出口形成用突出部のシール面(1c)は、前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と前記帯状シール部のシール面(1a)とが別個に調製され、相互に移動可能、脱着可能に構成される態様と同様に、前記帯状シール部のシール面(1a)や前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と別個に調製され、相互に移動可能、脱着可能に構成されるものであってもよい。
【0074】
図11と同様に、開口部側横シールの一部に未シールで形成された注出口(82)の他の態様を図14に示す。また、図15(a)、(b)に、このような開口部側横シールを形成しうる第一横シールロール(7)の正面図、側面図、A−A線の断面図を示す。図15(b)において斜線部はシール面を示す。この態様においても、前記帯状シール部のシール面(1a)や前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面(1b)と別個に前記注出口形成用突出部のシール面(1c)を調製し、相互に移動可能、脱着可能に構成されるものであってもよい。
【0075】
図16(a)、(b)に、前記図12に示す第一横シールロール(7)を2本を対抗して配設してなる第一横シール装置の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示し、図16(b)においてシール面を斜線部で示す。対抗するシール面(1a)とシール面(1a)との間に筒状フィルムを導入し、第一横シールする。
【0076】
また、図17に前記図13に示す第一横シールロール(7)を2本を対抗して配設してなる横シール装置の正面図、側面図、A−A線の断面側面図を示し、図17(b)においてシール面を斜線部で示す。
【0077】
前記したように、大量の内容物が充填されると、筒状フィルムの底部や中央部が膨らみ、第一横シールロール(7)を回転させても筒状フィルムが第一横シールロール間を通過することが困難で充填量が規定量より少なくなり、または第一横シールロールによる筒状フィルムの押圧によって横シールの際にシワが発生する場合がある。しかしながら、本発明で使用する第一横シールロール(7)にはヒートシールバー(1)に前記凹部(6)が形成され、ここに前記図8で示すように樹脂板などの間隙調整材(15)が配設され、この間隙調整材(15)の厚さを適宜選択することで第一横シールロール間の間隙を内容物の充填量に適した間隔に調整することができる。これにより、大量の内容物を充填した包装体であってもこの間隙を移動することができ、包装体の移動を円滑に行い、これにより横シール部の際のシワの発生を効率的に抑制することができる。なお、図17では、便宜のため、前記凹部(6)に間隙調整材を装着しない状態を示す。
【0078】
(4)充填包装装置
本発明の第三は、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構と、を備えた充填包装装置において、前記横シール機構は、上記二段階横シール装置で構成されることを特徴とする、充填包装装置である。
【0079】
本発明の充填包装装置の好適な一例を図18に示す。好ましくは、本発明の充填包装装置によれば、連続移送される1枚のフィルム(60)が、折り返しローラ(25)などの折り返し機構によって二つ折りされ、その両端が縦シール装置(40)を構成する対をなす縦シールロール(43)によって縦シールされる。得られた筒状フィルム(60)は、その下端を一対の絞りロール(50)で挟まれ、その下部に配置された第一横シール装置(10)を構成する一対の第一横シールロール(7)の回転によって横シールされる。また、第一横シール部の上方に形成されている筒状フィルム(60)の内部には、充填機構(30)の供給管(36)から内容物が所定量だけ充填される。ついで、前記縦シールロール(43)および第一横シールロール(7)の回転により、内容物を充填された筒状フィルムは更に下方に移送され、前記内容物が充填された領域より上部で、筒状フィルム(60)の開口部が前記第一横シールロール(7)によって横シールされる。ついで、筒状フィルム(60)の底部が、第二横シール装置(90)の支持部材(91)で挟持され、第二横シーラ(93)によって温度30〜120℃で第二横シールされ、内容物が充填された包装体(80)が形成される。充填包装装置では、上記工程が筒状フィルム(60)の走行に連動して繰り返されることにより、充填包装体(80)を連包して製造することができる。なお、得られた連包状態の充填包装体(80)は、切断装置(70)によって横シール部の中間で切断され、個別の充填包装体(80)を製造することができる。
【0080】
図18に示す縦型充填包装装置によって充填包装体(80)を製造する際の各工程のフィルムの説明を図19に示す。図19の(a)は、2枚のフィルムが重ねられた状態を示し、(b)は、縦シール装置によって前記2枚のフィルムの両端に縦シール(45)が形成された筒状フィルムの平面図を、(c)は前記筒状フィルムを第一横シールロール(7)で第一横シールする態様を、(d)は底部が第一横シール(9)された筒状フィルムの一部の平面図であって、横シール(9)と縦シール(45)とからなる角部に円弧状または斜め状の角シール部(CS)が形成される態様を、(e)は第一横シールが第二横シーラ(93)で第二横シールされる態様を、(f)は、第一横シールの上に第二横シールがなされた充填包装体が2つ連接された平面図を、(g)は、充填包装体の横シール部で個別に製造された充填包装体(80)の平面図を示す。
【0081】
本発明では、前記第一横シール装置によって、少なくとも充填包装体の底部が横シールされるものであるが、図19に示すように、前記第一横シール装置によって充填包装体の底部と開口部とが連続的に第一横シールされる場合がある。この場合、前記第一横シールに、本発明の第二横シール装置によって第二横シールを行うと、充填包装体の底部のみならず開放部にも第二横シールが形成される場合がある。本発明では、少なくとも充填包装体の底部に第二横シールが形成されていればよく、開口部における第二横シールの有無は問わない。
【0082】
(5)無菌充填包装装置
本発明の第四は、無菌状態に維持されるべき領域内に、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする第一横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構とが備えられた充填包装体を製造する無菌充填包装装置であって、前記無菌状態に維持されるべき領域に連設して、前記充填包装体の底部を形成する第一横シールに二段目の横シールを行う第二横シール機構が配設され、前記第二横シール機構が上記第二横シール装置である、無菌充填包装装置である。第三の発明との相違は、充填包装装置を構成する縦シール機構と充填機構と第一横シール装置とが、無菌状態に維持されるべき領域内に配置され、それに連設し、無菌領域外に第二横シール装置が配備される点にある。
【0083】
前記したように、縦型充填包装装置によって大量の内容物を包装体に充填する場合、横シールロールによって横シールを行うと、シール圧着時間が瞬間的であるため完全密封が困難で、シール強度が不足する場合がある。このため、不活性ガス充填装置や脱酸素剤封入包装では、均一な圧力で横シールできシール強度の高いボックスモーション型が必要になる。しかしながら、ボックスモーション型は、横シーラが上下機構と開閉機構とによってボックス状に複雑に動くため、無菌充填ゾーン内に配置することが困難である。このため、ボックスモーション型の横シールは、無菌充填ゾーンを出てから行われることが一般的であり、第一横シールの際にピンホールが発生すると、内容物や充填ノズルを含む充填包装装置が汚染される恐れがあった。本発明では、無菌充填ゾーンで横シールロールを使用して第一横シールを行うため、迅速かつピンホールを防止した第一横シールを行うことができ、仮にピンホールなどが発生した場合でも内容物や充填包装装置の汚染を回避することができる。また、第一横シールについで、無菌充填ゾーンを出てからボックスモーション型の第二横シール装置(90)によって第二横シールを行うことで、高いシール強度を確保することができる。しかも、本発明で使用する第二横シール装置は、第二横シールの上部に筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材が配置されているため、大量の内容物が充填され包装体の底部が膨らんだ場合でも、シワなどの発生を回避して第二横シールを行うことができる。
【0084】
図20に、本発明の無菌充填包装装置(100)に、原反供給領域(120)と、フィルム殺菌領域(130)と、製品排出領域(150)とが連設された装置で、充填包装体を製造する工程を説明する。図20では、無菌領域(無菌状態に維持されるべき領域)(140)に充填包装装置を構成する縦シール機構(40)と充填機構(30)と第一横シール装置(10)とが配設され、製品排出領域(150)に第二横シール装置(90)が配設される態様を示す。
【0085】
まず、原反供給領域(120)には、フィルム(60)をロール状に巻回したフィルムロール(121)が装備され、フィルムロール(121)から引き出されたフィルム(60)がローラ(123)を介してフィルム殺菌領域(130)に引き込まれる。原反供給領域(120)とフィルム殺菌領域(130)とは、フィルム(60)を通すための開口(125)と、その開口(125)を開閉するシャッタ(127)とが設けられた壁によって区分されている。
【0086】
フィルム殺菌領域(130)では、例えば過酸化水素水などの殺菌液槽(133)にフィルム(60)を導入する。次いで、フィルム(60)は、フィルム殺菌領域(130)から無菌領域(140)へ導入される。無菌領域(140)では、フィルム(60)を挟むように配置された一対の温風ノズル(141)によって、フィルム(60)に付着している滅菌剤が気化される。次いで、前記温風ノズル(141)よりもフィルム(60)の走行方向下流側に配設された冷風ノズル(143)から常温のエアが噴出され、フィルム(60)の乾燥が補完されるとともに、温風ノズル(141)からの温風によって加熱されたフィルム(60)が冷却されて、そのすべり性やカール性等の物性の低下が防止される。
【0087】
ついで、無菌処理および乾燥処理されたフィルム(60)は、無菌領域(140)内に配設された折り返しローラ(145)などの折り返し機構により二つ折りされ、無菌領域(140)内の充填機構(30)に導かれる。充填機構(30)では、前記フィルム(60)が上方から下方に移動するように構成され、まず、フィルム(60)はその走行方向に沿った両側縁を互いに重ね合わせるように重ねられ、一対の縦シールロール(43)によってフィルム(60)の両側縁の重複部分が加熱溶着され、筒状に成形される。その後、筒状フィルム(60)は、その下端を一対の絞りロール(50)で挟まれ、その下部に配置された横シール装置(10)の一対の第一横シールロール(7)の回転によって横シールされる。横シール部の上方に形成されている筒状フィルム(60)の内部には、供給管(36)から内容物が所定量だけ充填される。前記縦シールロール(43)および第一横シールロール(7)の回転により、内容物を充填された筒状フィルム(60)は更に下方に移送され、前記内容物が充填された領域よりもさらに上側で筒状フィルム(60)の開口部が前記第一横シールロール(7)によって横シールされ、上記工程が筒状フィルム(60)の走行に連動して繰り返されることにより、充填包装体(80)を連包して製造することができる。
【0088】
一方、連続する充填包装体(80)は、無菌領域(140)に連設される製品排出領域(150)などの無菌領域外に配設される第二横シール装置(90)に移送される。ここで、前記筒状フィルム(60)の底部が、第二横シール装置(90)のボックスモーション型で作動する支持部材(91)で挟持され、かつ第二横シーラ(93)によって第一横シールの上に温度30〜120℃で第二横シールされる。充填包装体(80)は、前記無菌領域(140)で底部と上部開放端とが第一横シールにより封止されているため、第二横シール装置(90)は、無菌領域(140)に限定される必要はなく、無菌充填ゾーン外に複雑な機構の第二横シール装置(90)を配設することで、均一かつ強度の高い横シールを、安定して行うことができる。なお、得られた連包状態の充填包装体(80)は、切断装置(70)によって横シール部の中間で切断され、個別の充填包装体(80)を製造することができる。その際、第二横シール装置(90)が、第二横シールのみを行うものであり切断機構を有しない場合には、その下流に切断装置を連設させ、各充填包装体を横方向シールでカットする。一方、例えば、図3に示すように、第二横シーラが切断刃などの切断機構(95)を併設する場合には、第二横シールと同時に第二横シールで横方向にカットし、包装体を個別に分離することができる。こうして製造された袋詰め製品は製品排出領域(150)に排出される。
【産業上の利用可能性】
【0089】
充填包装体の底部を二段階に横シールを行う二段階横シール装置が提供されることによって、ピンホールやシワの発生を抑制した包装材を製造することができ、充填包装体の保存性が向上するため、食料品用、医療用その他の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0090】
1・・・ヒートシールバー、
1a・・・帯状シール部のシール面、
1b・・・円弧状または斜め状の角シール部のシール面、
3・・・軸間基準フランジ、
5・・・軸間基準フランジの回転軸、
6・・・凹部、
7・・・横シールロール、
8・・・ビス、
9・・・横シール、
10・・・第一横シール装置、
15・・・間隙調整材、
25・・・折り返しローラ、
30・・・充填機構、
36・・・供給管、
40・・・縦シール装置
43・・・縦シールロール、
45・・・縦シール、
50・・・絞りロール、
60・・・フィルム、
70・・・冷却切断装置、
80・・・充填包装体、
90・・・第二横シール装置、
93・・・横シーラ、
95・・・切断機構、
100・・・無菌充填包装装置、
120・・・原反供給領域、
121・・・フィルムロール、
130・・・フィルム殺菌領域、
133・・・殺菌液槽、
140・・・無菌領域(無菌状態に維持されるべき領域)、
141・・・温風ノズル、
143・・・冷風ノズル、
145・・・折り返しローラ、
150・・・製品排出領域
CS・・・充填包装体に形成される円弧状の角シール部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、
前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、
前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、
前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、
前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする、第二横シール装置。
【請求項2】
前記一対の支持部材は、前記筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材で構成されることを特徴とする、請求項1記載の第二横シール装置。
【請求項3】
前記一対の第二横シーラには、横シール切断機構が併設されている、請求項1または2記載の第二横シール装置。
【請求項4】
筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、
対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、
充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置。
【請求項5】
前記第二横シール手段が、請求項1〜3のいずれかに記載の第二横シール装置である、請求項4記載の二段階横シール装置。
【請求項6】
前記第一横シール手段が、
前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、
前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、
前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である、請求項5記載の二段階横シール装置。
【請求項7】
前記第一横シール手段が、
前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、
前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、
前記角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面に対して移動および/または脱着可能に構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である、請求項5記載の二段階横シール装置。
【請求項8】
連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構と、を備えた充填包装装置において、
前記横シール機構は、請求項4〜7のいずれかに記載の二段階横シール装置で構成されることを特徴とする、充填包装装置。
【請求項9】
無菌状態に維持されるべき領域内に、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする第一横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構とが備えられた充填包装体を製造する無菌充填包装装置であって、
前記無菌状態に維持されるべき領域に連設して、前記充填包装体の底部を形成する第一横シールに二段目の横シールを行う第二横シール機構が配設され、
前記第二横シール機構が、請求項1〜3のいずれかに記載の第二横シール装置である、無菌充填包装装置。
【請求項10】
連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成し、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って温度130〜240℃で第一横シールし、前記筒状フィルムに内容物を充填し、
ついで、前記筒状フィルムの底部を一対の支持部材で支持し、前記支持部材の下部に配置される一対の平坦な加圧面からなり、ボックスモーション型で横シールする第二横シーラによって温度30〜120℃で第二横シールして充填包装体を製造することを特徴とする、充填包装体の製造方法。
【請求項11】
前記第二横シールと同時に、前記第二横シールを切断して個別の充填包装体を製造することを特徴とする、請求項10記載の充填包装体の製造方法。
【請求項1】
第一横シールロールで筒状フィルムの底部が第一横シールされ、次いで前記筒状フィルムに内容物が充填されてなる筒状フィルムの前記第一横シールを第二横シーラで加圧し熱シールする第二横シール装置であって、
前記筒状フィルムの底部を支持する一対の支持部材と、前記支持部材の下部に配置された一対の平坦な加圧面からなる第二横シーラとからなり、
前記支持部材は、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記筒状フィルムの底部を挟持および開放する開閉機構とを有し、
前記第二横シーラは、前記筒状フィルムの流れ方向に上下動する上下機構と、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの前記第一横シールを加圧および開放する開閉機構とを有し、
前記支持部材は、筒状フィルムの底部を挟持して筒状フィルムの流れ方向下流側に降下し、前記第二横シーラは、前記支持部材によって挟持された筒状フィルムの底部にある第一横シールを加圧して筒状フィルムの流れ下流側に降下するよう制御されることを特徴とする、第二横シール装置。
【請求項2】
前記一対の支持部材は、前記筒状フィルムの底部の全長を挟持しうる平板な挟持面を有する一対の部材で構成されることを特徴とする、請求項1記載の第二横シール装置。
【請求項3】
前記一対の第二横シーラには、横シール切断機構が併設されている、請求項1または2記載の第二横シール装置。
【請求項4】
筒状フィルムの横シールを二段階に熱シールする二段階横シール装置であって、
対向して回転する一対の第一横シールロールで前記筒状フィルムを加圧し熱シールして底部に第一横シールを形成する第一横シール手段と、
充填物が投入された前記筒状フィルムの底部の前記第一横シール部をさらに、前記筒状フィルムの幅方向に延びる平坦な加圧面からなる一対の第二横シーラで熱シールする第二横シール手段とを備えた、二段階横シール装置。
【請求項5】
前記第二横シール手段が、請求項1〜3のいずれかに記載の第二横シール装置である、請求項4記載の二段階横シール装置。
【請求項6】
前記第一横シール手段が、
前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、
前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、
前記円弧状または斜め状の角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面よりもシール圧が低くなるように構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である、請求項5記載の二段階横シール装置。
【請求項7】
前記第一横シール手段が、
前記第一横シールロールの夫々に、前記筒状フィルムに横シールしうるシール面が形成されたヒートシールバーが取付けられ、
前記ヒートシールバーのシール面は、帯状シール部と、前記帯状シール部の両端に形成された円弧状または斜め状の角シール部とを有し、
前記角シール部のシール面は、前記帯状シール部のシール面に対して移動および/または脱着可能に構成されていることを特徴とする、第一横シール装置である、請求項5記載の二段階横シール装置。
【請求項8】
連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構と、を備えた充填包装装置において、
前記横シール機構は、請求項4〜7のいずれかに記載の二段階横シール装置で構成されることを特徴とする、充填包装装置。
【請求項9】
無菌状態に維持されるべき領域内に、連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って横シールする第一横シール機構と、前記筒状フィルムに内容物を充填する充填機構とが備えられた充填包装体を製造する無菌充填包装装置であって、
前記無菌状態に維持されるべき領域に連設して、前記充填包装体の底部を形成する第一横シールに二段目の横シールを行う第二横シール機構が配設され、
前記第二横シール機構が、請求項1〜3のいずれかに記載の第二横シール装置である、無菌充填包装装置。
【請求項10】
連続移送されるフィルムを、対をなす縦シールロール部材によって縦シールして筒状フィルムを形成し、前記筒状フィルムを送りつつフィルムの底部側および袋口側となる箇所をフィルムの幅方向に沿って温度130〜240℃で第一横シールし、前記筒状フィルムに内容物を充填し、
ついで、前記筒状フィルムの底部を一対の支持部材で支持し、前記支持部材の下部に配置される一対の平坦な加圧面からなり、ボックスモーション型で横シールする第二横シーラによって温度30〜120℃で第二横シールして充填包装体を製造することを特徴とする、充填包装体の製造方法。
【請求項11】
前記第二横シールと同時に、前記第二横シールを切断して個別の充填包装体を製造することを特徴とする、請求項10記載の充填包装体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−111182(P2011−111182A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268082(P2009−268082)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(393027121)株式会社ファブリカトヤマ (27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(393027121)株式会社ファブリカトヤマ (27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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