説明

二相ステンレス鋼及び二相ステンレス鋼製鋳造品

【課題】Moを添加することなく、安価で実用に耐え得る強度と耐食性をバランスよく確保した二相ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】Cが0.08%以下、Siが0.5〜1.5%、Mnが1.0%以下、Niが4.0〜8.0%、Crが23〜27%、Cuが2.0〜6.0%、Nが0.05〜0.3%含有されると共に、残部がFe及び不可避不純物からなり、フェライト相及びオーステナイト相を有してフェライト相面積率が20〜60%となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フェライト相とオーステナイト相とを有する二相ステンレス鋼と、その二相ステンレス鋼を用いた鋳造品とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼として、フェライト相とオーステナイト相とを有する二相ステンレス鋼が各種の部材の材料として利用されている。二相ステンレス鋼は、オーステナイト相による優れた耐食性が得られることが知られている。
【0003】
このような二相ステンレス鋼として、下記特許文献1では、Cを0.02質量%以下、Siを2.0質量%以下、Mnを2.0質量%以下、Pを0.04質量%以下、Sを0.04%以下、Niを3〜7質量%、Crを17〜27質量%、Moを0.5〜6.0質量%、Cuを1〜5質量%、Wを3質量%以下、Nを0.05〜0.3質量%、Bを0.0005〜0.0015質量%含有し、残部がFeからなる大型ステンレス鋼製品用材料が提案されている。
【0004】
ここでは、海水用大型プロペラ等の肉厚鋳造品において、二相ステンレスを用いた場合、冷却速度が遅いために生じるシグマ相や炭窒化物が耐食性や靱性に悪影響を及ぼすため、各成分元素の含有量を調整することによりそのような悪影響を防止している。
【0005】
また、下記特許文献2では、Cを0.06質量%以下、Siを1.5〜3.5質量%、Mnを0.1〜3.0質量%、Niを2〜8質量%、Crを18〜28質量%、Moを0.1〜0.9質量%、Nを0.03〜0.2質量%含有して、残部がFeからなり、海水に対する耐食性を備えると共に高強度を備えた二相ステンレス鋼が提案されている。
【特許文献1】特許第3270498号公報
【特許文献2】特開平9−302446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の二相ステンレス鋼では、Crの他に多数の成分元素を含有させることにより、オーステナイト相とフェライト相とを形成しており、多数の成分元素の全てが所定範囲で存在しなければオーステナイト相とフェライト相とを所望の範囲で存在させることができず、必須とされる成分元素が多かった。
【0007】
このような成分元素中、Moは、耐食性、特に還元性環境における耐食性を向上するために必須の成分であり、ステンレス鋼ではCrと同様に不可欠であった。ところが、このMoは、添加量が多くなると靱性などの強度に対する悪影響が指摘されており、しかも、高価である。そのため、上記特許文献2等では、このMoの含有量を低下させることが試みられているものの、少量のMoを添加することは必要であった。
【0008】
また、従来より、小型船舶の推進装置に使用されるスクリュー等のように、肉厚の薄い薄肉部を有する鋳造品がステンレス鋼を用いて鋳造されている。このような肉厚の薄い鋳造品を鋳造する場合、鋳込み時に、薄肉部では鋳型により冷却され易いため、溶湯の湯流れ性が低下し易い。そのため、鋳込み温度からステンレス鋼の融点までの温度差が小さい場合、薄肉部に溶湯を十分に注入できずに欠損部が生じ易かった。
【0009】
ところが、鋳込み温度を高くすることにより、鋳込み温度とステンレス鋼の融点との間の温度差を広げて、欠損部の発生を防止するとすれば、その分、鋳型に導入される溶湯の温度が高くなる結果、熱的な負荷が大きくなり、また、ガス発生が発生し易くなるなど、鋳型に与える悪影響が大きくなり、好ましくない。
【0010】
そこで、この発明では、Moを添加することなく、成分元素の種類を少なく抑えて実用に耐え得る強度と耐食性をバランスよく確保した二相ステンレス鋼を提供することを課題とする。
【0011】
また、鋳込み温度を高くすることなく、流動可能な温度幅を広く確保できて、薄肉部を形成し易い二相ステンレス鋼を提供することを他の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する請求項1に記載の二相ステンレス鋼は、主成分がFeからなり、C、Si、Mn、Ni、Cr、Cu、N、及び不可避不純物が含有され、フェライト相及びオーステナイト相を有すると共にフェライト相面積率が20%以上60%以下であることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の二相ステンレス鋼は、Cが0.08質量%以下、Siが0.5質量%以上1.5質量%以下、Mnが1.0質量%以下、Niが4.0質量%以上8.0質量%以下、Crが23質量%以上27質量%以下、Cuが2.0質量%以上6.0質量%以下、Nが0.05質量%以上0.3質量%以下の含有量で含有されると共に、残部がFe及び不可避不純物からなり、フェライト相及びオーステナイト相を有すると共にフェライト相面積率が20%以上60%以下であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の二相ステンレス鋼は、請求項1又は2に記載の構成に加え、3mm以下の薄肉部を備えた鋳造品の鋳造用に使用され、1450℃以下の融点を有することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の二相ステンレス鋼製鋳造品は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の二相ステンレス鋼からなることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の二相ステンレス鋼製鋳造品は、請求項3に記載の二相ステンレス鋼からなる小型船舶の推進器用のスクリューであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1又は2に記載の二相ステンレス鋼によれば、主成分のFeにC、Si、Mn、Ni、Cr、Cu、N、及び不可避不純物が含有されており、各成分元素の量を調整することにより、フェライト相及びオーステナイト相を有すると共にフェライト相面積率が20%以上60%以下としているので、Moを添加することなく、強度と耐食性をバランスよく確保することができる。そのため、成分元素の種類を少なく抑えて、水や海水と接触するスクリュー等の各種部材の材料として実用に耐え得る安価な二相ステンレス鋼を提供することが可能である。
【0018】
また請求項3に記載の二相ステンレス鋼によれば、1450℃以下の融点を有する請求項1の二相ステンレス鋼を、3mm以下の薄肉部を備えた鋳造品の鋳造に用いるので、鋳造時の鋳込み温度を高くすることなく、流動可能な温度幅を広く確保し易い。そのため、鋳型に与える熱的な負荷を増加せずに、溶湯の鋳型内での湯流れ性を向上することができ、3mm以下の肉厚の薄肉部を成形しても、薄肉部に欠損部が形成され難い。
【0019】
請求項4に記載の二相ステンレス鋼製鋳造品によれば、請求項1又は2に記載の二相ステンレス鋼からなるので、Moを添加しない材料を用いて、水や海水と接触させて十分に使用可能な耐食性と強度を備えた鋳造品を提供することが可能である。
【0020】
請求項5に記載の二相ステンレス鋼製鋳造品によれば、小型船舶の推進器用のスクリューであるため、広い範囲に薄肉の羽根部を備えるが、請求項2に記載の二相ステンレス鋼からなるので、鋳造時には、湯流れ性がよくて羽根部に欠損部が形成され難くて製造し易い。また、使用時には、常温水或いは海水中において、発生する推進力に対応した応力を受けて使用される環境下で、十分な耐食性及び強度を確保することができる。そのため、製造し易いと同時に、十分に実用可能な耐食性及び強度を備えたスクリューを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、この実施の形態の鋳造品である小型船舶の推進器用のスクリューを示している。
【0023】
このスクリュー10は、特定の二相ステンレス鋼からなり、回転の中心となる中心部11と、この中心部11に一体に設けられて回転される薄肉部としての羽根部12とを有している。羽根部12は、広い面積において薄肉に形成されており、最薄肉部の厚さは3mm以下で、2mm以下の厚さとなるものが好適である。
【0024】
このようなスクリュー10は、中心部11を成形する中空部と羽根部12を成形する中空部とが一体的に連通した鋳型を用いて鋳造される。鋳造時に鋳型に注入する溶湯は、スクリュー10が形成された状態で特定の二相ステンレス鋼を形成できるように成分元素が調整されたものであり、例えば1550〜1650℃の鋳込み温度で鋳型に注入して、放熱することにより製造されたものである。
【0025】
このようなスクリュー10を構成する材料である二相ステンレス鋼は、C、Si、Mn、Ni、Cr、Cu、Nを含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、高価なMoが添加されていないステンレス鋼である。この発明では、各成分元素の含有量を調整することで、Moを添加することなく、フェライト相及びオーステナイト相を有する二相ステンレス鋼を成立させると同時に、鋼の融点を低下させている。
【0026】
各成分元素の含有量を調整した理由は次の通りである。
【0027】
Cは、二相ステンレス鋼の強度を確保するもので、強力なオーステナイト安定化元素である。含有量が過剰に増加すると、Cr炭化物を析出させて耐食性を低下させたり、二相ステンレス鋼が脆くなり易い。Cの含有量を増加させれば、融点を低下し易いものの、強度に対する影響が大きいため、ここでは少なく抑えることが好ましく、Cは0.08質量%以下としている。
【0028】
Siは、二相ステンレス鋼の脱酸剤となるもので、やや強いフェライト安定化元素である。含有量が過剰に増加すると、脆くなり易い。Siの含有量を増加させれば、融点を低下することが可能である。ここでは、フェライト安定化元素であるMoが添加されないため、フェライト相の安定化と融点の低下の両作用が得られるSiの含有量は多くすることが好ましく、Siは0.5質量%以上1.5質量%以下としている。
【0029】
Mnは、二相ステンレス鋼の脱酸剤となり、Niと類似し、Nの固溶量の増加などにも寄与するもので、やや弱いオーステナイト安定化元素である。Mnの含有量を増加させれば、融点を低下することが可能であるが、含有量が多くなると、製造上の問題を生じ易く、耐孔食性等の耐食性を低下させ易い。そのため、Mnは1.0質量%以下の範囲としている。
【0030】
Niは、機械的性質、成形性などを向上させると共に、耐食性の維持に寄与するもので、オーステナイト安定化元素である。Niは、含有量の範囲により融点に与える影響が異なものの、その影響は小さい。ここでは、フェライト安定化元素であるMoが添加されないため、融点に与える影響が小さくてオーステナイト安定化元素であるNiの含有量は少なく抑えるのが好ましく、4.0質量%以上8.0質量%以下の範囲としている。
【0031】
Crは、二相ステンレス鋼の耐食性に寄与する主要成分であり、フェライト安定化元素である。Crの含有量を増加する程、不動体被膜の安定性が増すなどにより耐食性を向上できる。Crは含有量の範囲により融点に与える影響が異なものの、その影響は十分に小さい。フェライト安定化元素で耐食性に寄与するMoが添加されないため、フェライト相の安定化と耐食性に寄与するCrは多く添加されることが好ましいが、過剰量では機械的性質、成形性などを損なう。そのため、Crは23質量%以上27質量%以下の範囲としている。
【0032】
Cuは、二相ステンレス鋼の耐食性を付与する成分である。Cuの含有量を増加させれば融点を低下することが可能である。耐食性に寄与するMoが添加されないため、この発明ではCuは多く添加されることが好ましいが、過剰量では脆くなり易い。そのため、Cuは2.0質量%以上6.0質量%以下の範囲としている。
【0033】
Nは、僅かな量で二相ステンレス鋼の強度を高めることができるもので、強いオーステナイト安定化元素である。Nの含有量の融点に与える影響は小さい。過剰に添加されると窒化物を析出するため、Nは0.05質量%以上0.3質量%以下の範囲としている。
【0034】
更に、これらの成分元素の他、この二相ステンレス鋼では、残部がFe及び不可避の不純物からなっている。不可避の不純物としては、P、S等が含有され、また、使用材料と共にMoが、例えば0.3質量%以下含有される場合もある。この発明では、不可避の不純物として含有されるMoは更に除去してもよいが、含有量が少量であるという理由で、除去することなく、そのまま使用することも可能である。
【0035】
この発明の二相ステンレス鋼では、以上のような成分元素の含有量を、上述の範囲内で調整することで、まず、フェライト相とオーステナイト相との比率を調整し、フェライト相面積率を20%以上60%以下としている。これにより、鋼の耐食性及び強度とをバランス良く確保している。ここでは、耐食性として、特に孔食性を向上させている。
【0036】
このフェライト面積率は、冷却速度等、各種の条件に応じて変動するものの、フェライト安定化元素とオーステナイト安定化元素とに分類し、例えば次の式(1)、(2)等を用いて、クロム当量、ニッケル当量を算出し、指標として利用してもよい。
[数1]
【0037】
Cr当量=%Cr+%Mo+1.5×%Si+0.5×%Nb・・・(1)
【0038】
Ni当量=%Ni+30×%C+0.5×%Mn+30×%N・・・(2)
(各式中、%成分元素は、質量パーセントにより示される当該成分元素の含有率である。なお、式(1)中、%Nbの項は含有されている場合に加入される項である。)
【0039】
このようなクロム当量及びニッケル当量を用いた場合の概略の相構成を、図2の状態図に示す。この発明では、クロム当量とニッケル当量とが、フェライト相面積率が20%以上60%以下となる領域Sに調整している。このフェライト面積率が小さ過ぎると、強度が不足し易く、一方、大き過ぎると、耐食性が不足し易くなるからである。
【0040】
更に、この実施の形態の二相ステンレス鋼では、このようにフェライト相とオーステナイト相との比率を調整すると同時に、上述のような成分元素の含有量を調整することで、融点が1450℃以下、特に好ましくは1430℃以下となるように調整している。この融点は出来るだけ低いことが好ましく、高すぎる場合には、鋳造の際に溶湯の温度を高くしなければ、溶湯の流動性が不足し易くなり、薄肉部分の成形が困難になり易いからである。
【0041】
以上のような二相ステンレス鋼によれば、C、Si、Mn、Ni、Cr、Cu、Nがそれぞれ特定の含有量で含有されると共に、残部がFe及び不可避不純物からなり、フェライト相及びオーステナイト相を有すると共に、フェライト相面積率が20%以上60%以下となっているので、Moを添加することなく、強度と耐食性をバランスよく確保することができる。そのため、成分元素の種類を少なく抑えて、水や海水と接触するスクリュー10として、安価で、実用に耐え得る二相ステンレス鋼を提供することが可能である。
【0042】
また、この二相ステンレス鋼が、1450℃以下の融点を有しているので、鋳造時の鋳込み温度を高くすることなく、流動可能な温度幅を広く確保し易い。そのため、鋳型に与える熱的な負荷を増加せずに、鋳型内での湯流れ性を向上することができ、その結果、スクリュー10の羽根部12に3mm以下の肉厚部分を有していても、羽根部12に欠損部が形成され難い。
【0043】
更に、このような二相ステンレス鋼からなるスクリュー10によれば、製造時には、成分元素の種類が少なくて安価に製造することができると共に、材料の湯流れ性がよく羽根部12に欠損部が形成され難く、製造し易い。また、使用時には、常温水或いは海水中において、発生する推進力に対応した応力を受けて使用される環境下で、十分な耐食性及び強度を確保することができる。
【実施例】
【0044】
以下、この発明の実施例について説明する。
【0045】
表1に示されるような成分を含有し、残部がFe及び不可避の不純物からなるステンレス鋼を形成し、その融点としての液相線温度と、フェライト相(α相)及びオーステナイト相(γ相)の面積率とを、測定又はシュミレーションにより求めた。
【0046】
結果を表1に示す。
【表1】

[強度試験]
【0047】
上記比較例1及び実施例6により得られた試験片を用い、引張試験及び衝撃試験を実施した。
【0048】
引張試験は、同一形状に形成した試験片を用い、JIS Z 2371金属材料引張試験方法に準拠する同一条件下で行った。
【0049】
また、衝撃試験は、同一形状に形成した試験片を用い、JIS Z 2371金属材料衝撃試験方法に準拠する同一条件下で行った。
【0050】
結果を表2に示す。
【表2】

【0051】
表2の結果から明らかなように、実施例6の二相ステンレス鋼は、Moを含有する比較例1の二相ステンレス鋼に比べ、引張試験及び衝撃試験の結果が同等またはそれ以上であることが確認できた。
[鋳造試験]
【0052】
上記比較例1及び実施例6の成分比の材料により、図1に示すような小型船舶用スクリュウを鋳型を用いて製造した。
【0053】
このスクリュー10は、羽根部12の最薄肉部の厚さが1.6mmであった。
【0054】
その結果、実施例6では、良好に鋳造できるのに対し、比較例1では、融点が高いため、実施例1と同一温度の溶湯を用いると、温度範囲が狭く、羽根部12に鋳造欠損が生じ易かった。従って、実施例6の材料は比較例1の材料に比べて、薄肉品を鋳造し易いことが確認できた。
[耐食性試験]
【0055】
次に、鋳造試験で比較例1及び実施例6の材料から製造された各スクリュー10に対して耐食性試験を行った。
【0056】
耐食性試験は、JIS Z 2371塩水噴霧試験方法に準拠する同一条件下で、35℃、5重量%の食塩水を吹き付けて4日間放置することにより、錆の発生の有無を目視により確認した。
【0057】
その結果、実施例6のスクリュー10と比較例1のスクリュー10とも、表面には錆色は発生しなかった。その結果、実施例6の材料は比較例1の材料と同等の耐食性を有することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の実施の形態のスクリューの概略平面図である。
【図2】成分元素のクロム当量及びニッケル当量を用いて、概略の相構成を示す状態図である。
【符号の説明】
【0059】
10 スクリュー
11 中心部
12 羽根部(薄肉部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分がFeからなり、C、Si、Mn、Ni、Cr、Cu、N、及び不可避不純物が含有され、フェライト相及びオーステナイト相を有すると共にフェライト相面積率が20%以上60%以下であることを特徴とする二相ステンレス鋼。
【請求項2】
Cが0.08質量%以下、Siが0.5質量%以上1.5質量%以下、Mnが1.0質量%以下、Niが4.0質量%以上8.0質量%以下、Crが23質量%以上27質量%以下、Cuが2.0質量%以上6.0質量%以下、Nが0.05質量%以上0.3質量%以下の含有量で含有されると共に、残部がFe及び不可避不純物からなり、フェライト相及びオーステナイト相を有すると共にフェライト相面積率が20%以上60%以下であることを特徴とする二相ステンレス鋼。
【請求項3】
3mm以下の薄肉部を備えた鋳造品の鋳造用に使用され、1450℃以下の融点を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の二相ステンレス鋼。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一つに記載の二相ステンレス鋼からなることを特徴とする二相ステンレス鋼製鋳造品。
【請求項5】
請求項3に記載の二相ステンレス鋼からなる小型船舶の推進器用のスクリューであることを特徴とする二相ステンレス鋼製鋳造品。

【図1】
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【図2】
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