説明

二輪車用足掛け台

【課題】二輪車の運転者が、安定した姿勢で、停車又は発車することが可能な二輪車用足掛け台を提供すること。
【解決手段】道路沿いに設けられ、二輪車の運転者が停車状態を保持する際に片足を掛けて用いる二輪車用足掛け台1であって、前記二輪車用足掛け台1は、その足掛け用上面11の高さが、二輪車の運転者が前記二輪車用足掛け台1の足掛け用上面11に片足を掛けて、停車姿勢を保持できる高さがあり、前記足掛け用上面11は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面10とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車道又は自転車道等の側部に沿って設置されて、自転車等の二輪車の運転者が信号待ちをする場合等において、安定した姿勢で、停車又は発車することが可能な二輪車用足掛け台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路側部に沿って設置される二輪車用足掛け台は知られていない。
分野が異なるが、事務用等に用いられる足乗せ台としては、例えば、傾斜調整可能な足乗せ部を備えた足乗せ台が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、自動車等の座席の背面側に足掛け部を設ける形態も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3012853号公報
【特許文献2】特開2002−225614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自転車等の二輪車の運転者は、交差点等の手前において停車して待機する場合に、片足を道路に着足させて停止するようになるため、運転者の重心が片側に変位した状態になり、この状態から発車するようになり、運転者の重心と二輪車の重心とが互いに反対に変位した不安定な状態での停車又は発車するようになっているため、二輪車の利用者がより安全に運転できるようになることが望まれる。
本発明は、自転車等の二輪車の運転者が信号待ちをする場合等において、安定した姿勢で足を休ませることができると共に、安定した姿勢で停車又は発車することができ、二輪車の利用者がより安全に運転できるようになる二輪車用足掛け台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明の二輪車用足掛け台では、道路沿いに設けられ、二輪車の運転者が停車状態を保持する際に片足を掛けて用いる二輪車用足掛け台であって、前記二輪車用足掛け台は、その足掛け用上面の高さが、二輪車の運転者が前記二輪車用足掛け台の足掛け用上面に片足を掛けて、停車姿勢を保持できる高さがあり、前記足掛け用上面は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする。
第2発明では、第1発明の二輪車用足掛け台において、前記傾斜面の水平面に対する傾斜角が、35°以下とされていることを特徴とする。
第3発明では、第1発明又は第2発明の二輪車用足掛け台において、足掛け用上面の高さは、自転車からなる二輪車におけるペダル最高地点よりも低くされていることを特徴とする。
第4発明では、第1発明〜第3発明のいずれかに記載の二輪車用足掛け台において、前記傾斜面に足掛け表示部を設けていることを特徴する。
第5発明では、第1〜3発明のいずれかの二輪車用足掛け台において、足掛け用上面の表面は、粗面とされていることを特徴とする。
第6発明では、第1発明〜第5発明のいずれかに記載の二輪車用足掛け台において、二輪車用足掛け台は、コンクリート基礎又は地盤に下部が固定された位置調整支持金物を介して設けられていることを特徴とする。
第7発明では、第1発明〜第5発明のいずれかに記載の二輪車用足掛け台において、二輪車用足掛け台は、コンクリート基礎又は地盤に下部が埋め込み固定されるパイプ製フレームを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
第1発明によると、道路沿いに設けられ、二輪車の運転者が停車状態を保持する際に片足を掛けて用いる二輪車用足掛け台であって、前記二輪車用足掛け台は、その足掛け用上面の高さが、二輪車の運転者が前記二輪車用足掛け台の足掛け用上面に片足を掛けて、停車姿勢を保持できる高さがあり、前記足掛け用上面は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面とされているので、自転車等の二輪車を運転する運転者は、交差点などの信号待ちで、二輪車を停車させて待機する際に、本発明の二輪車用足掛け台に片足を掛ける(乗せる)ことで、自転車を運転する運転者は、運転者自身及び二輪車を安定した姿勢で停車させて、足を休ませることができると共に、安定した姿勢で停車又は発車することができ、二輪車の利用者がより安全に運転できる等の効果が得られる。
また、足掛け用上面は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面とされているので、二輪車の運転者が片足を道路幅方向に傾斜させて二輪車用足掛け台の上面に掛ける場合に、足掛け用上面を水平面とする場合に比べて、確実に運動靴等の裏面を面タッチした状態で着足させることができる等の効果が得られる。
第2発明では、第1発明の二輪車用足掛け台において、前記傾斜面の水平面に対する傾斜角が、35°以下とされているので、自転車等の二輪車を運転する運転者は、交差点などの信号待ちで、二輪車を停車させて待機する際に、自転車を運転する運転者は、二輪車用足掛け台の傾斜した上面に片足を掛ける(乗せる)ことで、確実に運動靴等の裏面を面タッチした状態で着足させて、運転者自身及び二輪車を安定した姿勢で、待機することができる。
第3発明によると、足掛け用上面の高さは、自転車からなる二輪車におけるペダル最高地点よりも低くされているので、二輪車の運転者が前記二輪車用足掛け台の足掛け用上面に片足を乗せる場合に、ペダル最高地点時における片足位置から下降させるように片足を着足させることができるため、片足を足掛け用上面に着足させる場合の片足動作が無理なく容易にでき、また、安定した停車姿勢を保持できる等の効果が得られる。
第4発明では、前記傾斜面に足掛け表示部を設けているので、二輪車の運転者が、足掛け部分であることを確実に視認できる等の効果が得られる。
第5発明によると、足掛け用上面の表面は、粗面とされているので、足掛け用上面を平坦面とする場合に比べて、確実に運動靴等の裏面を着足させて停車させることができる等の効果が得られる。
第6発明によると、二輪車用足掛け台は、コンクリート基礎又は地盤に下部が固定された位置調整支持金物を介して設けられているので、二輪車用足掛け台の位置調整をして設置することができ、また、二輪車用足掛け台の本体部分が、直接、コンクリート基礎又は地盤15に接触しないため、本体部分の腐食を防止でき、防錆上有利になる等の効果が得られる。
第7発明によると、二輪車用足掛け台は、コンクリート基礎又は地盤に下部が埋め込み固定されるパイプ製フレームを備えているので、市販の鋼製パイプ等の安価な金属製パイプを利用してフレームを製作できるため、安価な二輪車用足掛け台とすることができる。等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)は本発明の二輪車用足掛け台の一実施形態を示す正面斜視図、(b)は背面斜視図である。
【図2】(a)は図1に示す本発明の二輪車用足掛け台の正面図、(b)は平面図である。
【図3】(a)は図1に示す本発明の二輪車用足掛け台の左側面図、(b)は右側面図である。
【図4】(a)は図1に示す本発明の二輪車用足掛け台の背面図、(b)は底面図である。
【図5】(a)(b)(c)(d)(e)は、それぞれ、図2のa−a線断面図,b−b線断面図,c−c線断面図,d−d線断面図、e−e線断面図である。
【図6】二輪車用足掛け台における上面の傾斜角についての説明図である。
【図7】二輪車用足掛け台の上面の高さについての説明図である。
【図8】本発明の二輪車用足掛け台の上面に、二輪車の運転者が片足を掛けて停車している状態を示す概略側面図である。
【図9】本発明の二輪車用足掛け台の設置形態を示す概略平面図である。
【図10】(a)は本発明の二輪車用足掛け台の他の実施形態を示す正面斜視図、(b)は背面斜視図である。
【図11】(a)は図10に示す本発明の二輪車用足掛け台の正面図、(b)は平面図である。
【図12】(a)(b)(c)(d)(e)は、それぞれ、図10のa−a線断面図,b−b線断面図,c−c線断面図,d−d線断面図,e−e線断面図である。
【図13】図12(a)を拡大して示す図である。
【図14】二輪車用足掛け台を設置する場合に、位置調整金物を介してコンクリート基礎又は地盤に設置する場合の形態の一端側を示す正面図である。
【図15】図14の断面図である。
【図16】図14を分解して示す斜視図である。
【図17】本発明の二輪車用足掛け台の他の実施形態を示す正面斜視図である。
【図18】図17に示す本発明の二輪車用足掛け台の他の実施形態を示す背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1〜図8には本発明の一実施形態の二輪車用足掛け台1が示され、図9には二輪車用足掛け台1を設置した概略平面図が示されている。
図1(a)(b)は、それぞれ二輪車用足掛け台1の正面斜視図と背面斜視図、図2(a)(b)は、それぞれ図1に示す二輪車用足掛け台1の正面図と平面図、図3(a)(b)は、それぞれ、左側面図及び右側面図である。図4(a)は図1に示す本発明の二輪車用足掛け台1の背面図、(b)は底面図である。図5(a)(b)(c)(d)(e)はそれぞれ、図2のa−a,b−b−,c−c,d−d,e−e線断面図である。
【0010】
本発明の二輪車用足掛け台1は、例えば、図9に示すように、交差点Xにおける横断歩道Y手前の路側,自転車道路等の道路2の側部(例えば、歩道側)に沿って設置され、図8に示すように、二輪車3のサドル等の座席3aに運転者4が着座したままで停車状態を保持する際に、片足5を掛けて使用される二輪車用足掛け台である。
【0011】
図1〜図5に示す実施形態の二輪車用足掛け台1では、道路長手方向に伸びる下部枠材6を備えていると共に、前記下部枠材6に一体に連接されその長手方向の両端部から上方に立ち上がる前部縦枠材7と、後部縦枠材8とを備えていると共に、前記前部縦枠材7と後部縦枠材8との上端部に渡って一体に設けられた上部枠材9とを備えた枠形フレームを有している。
図4に2点鎖線で示すように、二輪車用足掛け台1は、例えば、コンクリート基礎又は地盤15に、下部枠材6が適宜の固定手段16により固定され、例えば、アンカーボルト・ナット及び座金を用いた固定手段16により固定される。
前記の上部枠材9の長さ寸法L(図2a参照)としては、例えば、二輪車の外形長さ寸法程度あるいは二輪車の外形長さ寸法の2倍以下の長さ寸法(1m〜3m)とされ、1車輌又は2車輌の1人又は二人程度の運転者4の足掛けが可能にされている。
【0012】
前記の上部枠材9の上面の巾方向の形態は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面10が上部枠材9の長手方向の全長に亘るように設けられ、上部枠材9の上面を、直接、足掛け用上面11としてもよく、前記上部枠材9の上面に、図1及び図2に二点鎖線で示すように、屈曲性のある帯状ゴム板等の滑り防止板12を接着剤等により固着するように設けて、その滑り防止板12の上面を足掛け用上面11としてもよい。足掛け用上面11に靴等の履物を掛ける部分を表示する履物裏面の輪郭を表示した外形の足掛け表示部14を設けて、二輪車の運転者が、足掛け部分であることを確実に視認できるようにするとよい。前記の足掛け表示部14を含む足掛け用上面11を粗面としておくと、履物裏面との摩擦抵抗が大きくなるから、片足5の着足が容易になると共に発車時の片足の蹴りが確実になる。前記の足掛け表示部14を含む足掛け用上面11を、凹凸を形成した形態でもよい。
【0013】
次に、図6及び図3を参照して前記の二輪車用足掛け台1の上面側の傾斜角θについて説明する。
前記の二輪車用足掛け台1の足掛け用上面11の傾斜角θ、すなわち、水平面Sとのなす角度θは、停車時と発車時における好ましい角度が異なる。足掛け用上面11に片足5を掛けて停車した時における角度θの好ましい角度としては、運転者の心地よい角度を実験して調査したところ、10°〜30°、例えば、20°前後であることがよく、また、発車時において片足により力を掛けやすい角度としては、15°〜35°、例えば、30°前後であることが望ましい。したがって、足掛け用上面11の傾斜角θとしては、例えば、35°以下程度であれば、二輪車の運転者4は、片足5を足掛けすることが可能である。足掛け用上面11の傾斜角θが60°と大きくなると、片足5下面と足掛け用上面11との摩擦抵抗が小さくなり滑る恐れがあるので好ましくない。
前記のように、足掛け用上面11は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面10とされているので、自転車等の二輪車を運転する運転者4は、交差点などの信号待ちで、二輪車を停車させて待機する際に、二輪車用足掛け台1に片足5を掛ける(乗せる)ことで、運転者自身及び二輪車3を安定した姿勢で、待機することができる。
また、足掛け用上面11は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面10とされているので、二輪車の運転者4が片足5(左足)を開いて道路幅方向に傾斜させて片足5を足掛け用上面11に掛ける場合に、足掛け用上面11を水平面とする場合に比べて、確実に運動靴等の裏面を着足させることができる。
【0014】
二輪車用足掛け台1を道路の側部に沿って、配置して固定するために、例えば、図4に示すように、下部枠材6に、ボルト又はアンカーボルト等により固定するための、ボルト又はアンカーボルト挿通孔を設けるようにし、下部枠材6に回動工具挿入孔17を設けておくと、下部枠材6の底板側を固定して、固定手段16を下部枠材6の内部に収容できて、二輪車用足掛け台1の外観が簡素になる。回転工具挿入孔17を設ける場合には、固定手段16の固定後に雨水が入り込まないように、カバー部材による蓋をすることが望ましい。二輪車用足掛け台1を道路側部に固定する手段としては、他の適宜の固定手段とすることができる。
前記実施形態では、下部枠材6の上方が空間となっているから、二輪車用足掛け台1を枠形のスマートな形態としている。
道路側部(路側或は路肩)に立設するように保持フレーム等を予め設置する場合には、前記実施形態における上部枠材9と、後部縦枠材8とを、前記保持フレームに固定するようにすればよいから、本発明においては、前部縦枠材7或は下部枠材6を、備えていない形態の二輪車用足掛け台1としてもよい。
【0015】
次に、図7及び図3並びに図6を参照して前記の二輪車用足掛け台1の足掛け用上面11の高さhについて説明する。
図示の形態の二輪車用足掛け台1は、その足掛け用上面11の高さ寸法h(二輪車の走行面からの高さ寸法)が、二輪車3の運転者4が前記二輪車用足掛け台1の足掛け用上面11に片足を掛けて、停車姿勢を保持できる程度の高さとされている。
前記の足掛け用上面11の高さ寸法h(二輪車の走行路面からの高さ寸法)は、図7に示すように、自転車からなる二輪車3におけるペダル最高地点P(クランクが回動されて最上部となった場合でペダルが水平となった場合の上面位置)よりも低くされている。このようにすることで、二輪車3の運転者4が前記二輪車用足掛け台1の足掛け用上面11に片足5を掛ける(又は乗せる)場合に、ペダル最高地点P時における片足位置から下降させるように前記片足5を着足させることができるため、片足5を足掛け用上面11に着足させる場合の片足動作が無理なく容易に着足させることができ、また、安定した姿勢で、停車姿勢を保持できる。
自転車からなる二輪車3におけるペダル最高地点Pの高さ寸法Hが、凡そ、400mm〜450mmであるため、前記の足掛け用上面11の高さ寸法hとしては、二輪車の走行面からの高さ寸法hで、例えば、350mm〜360mmの範囲とするとよいことがわかった。身長155cm〜180cmの範囲の身長の運転者で、5cmきざみで身長の異なる運転者を対象にして、着足の荷重分布を表せる感圧センサを用い、停車時に足掛け用上面11に片足5を掛けた場合の安定感及び発車時の足掛け用上面11上の片足5を後方に蹴り出し発車する場合の容易確実性について実験した。その結果、前記の二輪車の走行面(路面)からの好ましい高さ寸法hとしては、ペダル18の最高地点Pから、二輪車の運転者4がストレスを感じることなく片足を掛けることができることが、前記の高さ寸法hを決める要因であり、運転者4の身長や足の長さによって前記高さ寸法hが決まるのではないことがわかった。
また、足掛け用上面11の低レベル側の高さ寸法h1(図3b参照)が、前記のペダルの最高地点Pより高く設定されていると、二輪車の運転者4は、左右の足の荷重バランスが崩れやすくなり、安定感(安定性)を失う恐れが高くなり、反対側の足により路面に着足するようになるため、好ましくない。
【0016】
前記の足掛け用上面11の面を、凹凸等の粗い粗面として、靴等の履物との摩擦係数を高める形態として、鋼板に凹凸を設けた形態、ゴム製シート又は樹脂製シートの表面に凹凸を設ける形態としてもよい。
足掛け用上面11は、鋼板等を加工した上部枠材9の上面を防錆塗装した形態でもよく、さらに上面を凹凸加工し防錆塗装した形態でもよく、傾斜面10の上に屈曲性のあるゴム製シートを接着材等により固着して形成した傾斜面としてもよい。
或は、図示を省略するが、上部枠材9の上面を平坦面として、上面に傾斜面を有し、下面が平坦面とされているゴム製板を上部枠材9の上面に接着材等により固定するようにしてもよい。
なお、図1(a),図3(a)及び図5(c)において、符号22は太陽電池パネル、符号23はスリット、符号21はランプ、符号20はランプ21を備えた視認用の発光器で、前記太陽電池パネル22に接続された蓄電池(図示を省略した)に接続されて、制御装置により点灯又は点滅され、これらの設備は夜間時に、発光させる形態としたり、後記の実施形態のように、テープスイッチを設けて作動させるようにしてもよいが、これらの設備を省略してもよい。
【0017】
次に、本発明の二輪車用足掛け台1の他の形態について図10〜図12を参照して説明する。
基本的な構造については、前記実施形態と同様であるので、同様な部分については、同様な符号を付して、相違する部分を主に説明する。
図10〜図13に示すように、前記の上部枠材9と屈曲性のある帯状ゴム板等の滑り防止板12との間に、テープスイッチ19を二輪車用足掛け台1の傾斜上面の長手方向に渡って(好ましくはほぼ全長に渡って)介在させ、片足を足掛け用上面11に掛けることで前記テープスイッチ19の一方及び他方の帯状電極板24,25(図13参照)が接触して通電されてオンにされた場合に、二輪車用足掛け台1の後面側の発光器20におけるランプ21を点灯又は点滅させることで、自動車或は二輪車等の後続車両の運転者に対して、注意を喚起して、停車中の二輪車に対する後続二輪車の衝突、或は後続自動車又は大型車等の後続車両が交差点を曲がる場合に、停車待機している二輪車及び運転者を巻き込むのを防止するようにするとよい。
図10及び図12cに示すように、後部縦枠材8の後面板13に上下方向のスリット23を設けて、発光器20を後部縦枠材8内に収納するように設置すると共に、前記発光器20におけるランプ21を、後部縦枠材8の後面板13から突出しないように配置している。
前記の発光器20におけるランプ21としては、LED(発光ダイオード)を複数備えた形態、例えば、多数の青色高輝度LED(発光ダイオード)を並列配置した形態とし、上部枠材9の一端側に開口部を設けると共に上部枠材9の傾斜面10と同面状となるように、かつ上部枠材9内に収容するように太陽電池パネル22を設置して、昼間に太陽電池パネル22により発電した電気を蓄電池(図示を省略)により蓄電し、テープスイッチ19がオンにされた場合に、通電すると共に必要に応じ制御部等を介して、発光器20の発光ダイオードを備えた各ランプ21を点灯又は点滅させるようにすると、ランニングコストが低減でき経済的でよい。前記の蓄電池は、上部枠材9内又は下部枠材6内あるいは各縦枠材7,8内に収納配置される。
前記のように、足掛け表示部14の下側にテープスイッチ19を設置するようにすると、二輪車の運転者に確実に足掛け表示部14を視認させて、確実に二輪車の運転者4の片足5を掛けさせて、テープスイッチ19を確実に作動させることができる。なお、夜間において、前記の足掛け表示部14を明るくさせると、夜間においても、二輪の運転者に確実に二輪車用足掛け台1の存在及び足掛け表示部14の位置を視認させることができる。
前記の足掛け表示部14を明るくさせる手段として、例えば、二輪車用足掛け台1の上面側に、足掛け表示部の輪郭に添って発行ダイオードを点在させて、その上面側を被覆するように半透明合成樹脂製の柔軟な可撓製板からなる滑り防止部材12を設置することで、夜間にも適用可能になる。前記の足掛け表示部14を明るくさせるために、別個に太陽電池パネルを設置し、昼間に太陽電池パネルにより発電した電気を蓄電池(図示を省略)により蓄電し、二輪車用足掛け台1に適宜装備した明暗感知器(図示を省略)からの信号によりオン・オフ操作して、発光器を発光させることで、前記の足掛け表示部14を明るくさせることでもよい。
【0018】
また、前記実施形態では、ランプ21を発光させるための電力として、太陽電池パネル22により発電し、蓄電池で蓄電して用いるとしているが、外部から電力を供給するようにしてもよい。
また、前記のテープスイッチ19に代えて、足掛け用上面11に歪センサーを設けることで、着足時の荷重を検知して、歪センサーからの検知信号により、制御部を介して発光器20のランプ21を点灯させるようにしてもよい。
【0019】
前記実施形態の場合は、上部枠材9の上面に傾斜面10を形成するようにしているが、上部枠材9として、複数のパイプ材を巾方向に高さレベルを変えて、前後の縦枠材7,8に固定して、複数のパイプ材の上端面により、全体として傾斜面を形成するようにしても、前記の傾斜面にテープスイッチ或は歪センサーを設けるようにしてもよい。
【0020】
前記実施形態では、二輪車用足掛け台1は、断面角形中空の、上部枠材9と下部枠材6と、前部枠材7及び後部枠材8とされているが、断面中実の形態としたり、断面溝形の形態としたり、場合によっては、板状の形態、断面波型の形態としてもよい。
【0021】
図14〜図16に示すように、二輪車用足掛け台1を設置する場合に、コンクリート基礎又は地盤15に固定された一つ又は間隔をおいて固定された複数の位置調整支持金物27を介して二輪車用足掛け台1を、路面から浮かせた状態で設置するようにしてもよい。
図示の形態では、コンクリート基礎又は地盤15に、ベースとなる断面溝形等の下部金物28を、コンクリート基礎又は地盤15に埋め込み固定されるアンカーボルトに座金及びナット等による固定手段16により固定し、下部金物28の両側の上部縦側板29に、断面溝形等の台座金物30の両側の下部縦側板31をボルト32(又はボルト・ナット)により固定し、その台座金物30の上面板32に二輪車用足掛け台1の下部枠材6をボルト・ナット33により固定するようにしてもよい。
さらに説明すると、下部金物28の上部縦側板29に、複数のボルト挿通用の長孔を設け、台座金物30の下部縦側板31に雌ねじ孔(又はボルト挿通孔)を設けてボルト32(又はボルト・ナット)により固定している。また、台座金物30の上面板34に間隔をおいて複数の長孔を設けていると共に、中央部に挿入孔を設けて、下部枠材6側の底板側に設けた挿入孔17に合致させている。前記のように挿入孔17を設けることで、アンカーボルト頭部との干渉を防止するようにしている。
前記の位置調整支持金物27は、下部金物28と台座金物30とボルト等により構成されている。
位置調整支持金物27における下部金物28を、コンクリート基礎又は地盤15にアンカーボルト等の固定手段15で固定し、台座金物30を二輪車用足掛け台1の下部枠材6にボルト・ナット33で固定した後、台座金物30を下部金物28に固定する手順で設置される。台座金物30を下部金物28に固定する場合のボルト32にせん断力が作用しないようにするために、、上面板34の下面に各縦側面板29の上端をタッチさせて(図示の場合)、または各下部縦側板31の下端をコンクリート基礎又は地盤にタッチさせて(図示を省略)、ボルト32(又はボルト・ナット)により、各縦側面板29と各下部縦側板31を固定する。
なお、図示を省略するが、前記実施形態と同様に下部枠材6を断面溝形として回動工具挿入孔17を、下部枠材6の下面板側に設けるようにしてもよい。
前記のように、コンクリート基礎又は地盤15に固定された位置調整支持金物27を介して、二輪車用足掛け台1を設置すると、二輪車用足掛け台1の位置調整をして設置することができ、また、二輪車用足掛け台1の本体部分が、直接、コンクリート基礎又は地盤15に接触しないため、本体部分の腐食を防止でき、防錆上有利になる。
【0022】
本発明の二輪車用足掛け台1は、図17及び図18に示すように、フレームをパイプ材により構成するようにしてもよい。
前記実施形態において、二輪車用足掛け台1の一部にパイプ材を用いる形態については前記で簡単に説明したが、前記以外にも、例えば、図17及び図18に示すように、二輪車用足掛け台1における下部枠材6を省略して、パイプ材を折り曲げ加工と溶接により形成したパイプ製の本体を備えた二輪車用足掛け台1としてもよい。
図17及び図18に示す形態では、2本の鋼製パイプが折り曲げ加工されると共に一体化されて、二輪車用足掛け台1の本体フレームの主要部が形成されている。具体的には、歩道側に位置する第1フレーム35と、道路側寄りに位置し前記第1フレーム35に下端部が溶接により固定された第2フレーム36とを備えている。
前記の第1フレーム35は、前後の垂直な下部縦部分37と、これに接続し前記各下部縦部分37に対して道路側に傾斜するように折り曲げ形成された上部傾斜縦部分38と、各上部傾斜縦部分38に接続された上部横部分39と、上部横部分39に平行に、上部傾斜縦部分38の下部に渡って同面状に配置されて端部が溶接により固定された下部横部分40と、上下の横部分39,40に渡って配置されて溶接により固定された鋼製の背面板41とを備えている。
また、前記の第2フレーム36は、第1フレーム35の前記上部傾斜縦部分38に平行な、前後の下部傾斜縦部分42と、各下部傾斜縦部分42に接続された上部横部分43とを備えている。
道路側寄りに配置された第2フレーム36の各下部傾斜縦部分42の下端部が、第1フレーム35の下部縦部分37の中間部に溶接により固定され、また、第1フレーム35の上部横部分39よりも第2フレーム36の上部横部分43が低レベルとされ、各上部横部分39,43に渡って、道路側に傾斜する帯状の傾斜上面板44が配置されて固定されて、傾斜面10を有する二輪車用足掛け台1の本体フレームが形成されている。
前記の背面板41には、適宜開口部が形成されて、太陽電池パネル22が嵌め込まれて適宜ボルト等(図示を省略)により固定されている。また、前記の背面板41の裏面側(道路より側)には、蓄電池等の収納ボックス45がボルト等(図示を省略)により固定されている。
前記の傾斜上面板44には、帯状のすべり防止部材12及び足掛け表示部14が適宜設けられ、すべり防止部材12の上面も傾斜面10とされ、また、図示を省略するが、前記実施形態と同様にテープスイッチあるいは歪センサーが設けられる。歪センサーとしては着足された時の荷重により抵抗(Ω)が変化する抵抗変化型の歪センサーを用い、これを間隔をおいて、又は連続して、例えば、すべり防止板12の下側又は足掛け用上面11上に設けるようにする。
なお、前記の傾斜上面板44の高さ及び前記の傾斜面10の傾斜角度等は、前記実施形態と同様である。すべり防止部材12の板厚寸法は薄い場合、又は傾斜上面板4に溝を設けてすべり防止部材12と傾斜上面板4上面を同レベルとする場合には、前記の傾斜上面板44の高さ位置で設定してもよい。すべり防止部材12の板厚寸法を考慮して、高さレベルを設定するのが望ましい。
また、第2フレーム36の後部の下部傾斜縦部分42に、ランプ21を有する発光器20が、第1フレーム35に向かって張り出すように、図示省略のボルト等により固定されている。
後部側の前記の下部縦部分37と上部傾斜縦部分38と下部傾斜縦部分42等により後部縦枠材8が形成され、前部側の前記の下部縦部分37と上部傾斜縦部分38と下部傾斜縦部分42等により前部縦枠材7が形成され、上部横部分38,43と下部横部分40と背面板41と傾斜上面板44等により上部枠材9が形成されている。
前記の第1フレームの下端部がコンクリート基礎又は地盤15に埋め込み固定されている。
第1フレーム35及び第2フレーム36としては、円形断面、楕円状断面、矩形状断面形態のパイプ材を用いるようにしてもよい。
前記のように、二輪車用足掛け台1のフレームを、パイプ製のフレームとすると、市販の鋼製パイプ等の安価な金属製パイプを利用して、曲げ加工及び溶接加工等によりフレームを製作できるため、前記実施形態の場合より安価な二輪車用足掛け台1とすることができる。
なお、この実施形態における一部(足掛け用の上面を粗面とする点等)には、前記した実施形態を適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
1 二輪車用足掛け台
2 道路
3 二輪車
3a 座席
4 運転者
5 片足
6 下部枠材
7 前部縦枠材
8 後部縦枠材
9 上部枠材
10 傾斜面
11 足掛け用上面
12 滑り防止板
13 後面板
14 足掛け表示部
15 コンクリート基礎又は地盤
16 固定手段
17 回動工具挿入孔又は挿入孔
18 ペダル
19 テープスイッチ
20 発光器
21 ランプ
22 太陽電池パネル
23 スリット
24 帯状電極板
25 帯状電極板
27 位置調整支持金物
28 下部金物28
29 上部縦側板
30 台座金物
31 下部縦側板
32 ボルト
33 ボルト・ナット
34 上面板
35 第1フレーム
36 第2フレーム
37 下部縦部分
38 上部傾斜縦部分
39 上部横部分
40 下部横部分
41 背面板
42 下部傾斜縦部分
43 上部横部分
44 傾斜上面板
45 収納ボックス
X 交差点
Y 横断歩道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路沿いに設けられ、二輪車の運転者が停車状態を保持する際に片足を掛けて用いる二輪車用足掛け台であって、
前記二輪車用足掛け台は、その足掛け用上面の高さが、二輪車の運転者が前記二輪車用足掛け台の足掛け用上面に片足を掛けて、停車姿勢を保持できる高さがあり、前記足掛け用上面は、道路中央に向けて下降するように傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする二輪車用足掛け台。
【請求項2】
前記傾斜面の水平面に対する傾斜角が、35°以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用足掛け台。
【請求項3】
足掛け用上面の高さは、自転車からなる二輪車におけるペダル最高地点よりも低くされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二輪車用足掛け台。
【請求項4】
前記傾斜面に足掛け表示部を設けていることを特徴する請求項1〜3のいずれか1項に記載の二輪車用足掛け台。
【請求項5】
足掛け用上面の表面は、粗面とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二輪車用足掛け台。
【請求項6】
二輪車用足掛け台は、コンクリート基礎又は地盤に下部が固定された位置調整支持金物を介して設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二輪車用足掛け台。
【請求項7】
二輪車用足掛け台は、コンクリート基礎又は地盤に下部が埋め込み固定されるパイプ製フレームを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二輪車用足掛け台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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