説明

二重カップ

【課題】包装容器として使用された場合に、易開封部を押し込んで開封する等のいたずらを防止できる二重カップを提供する。
【解決手段】本発明の二重カップ1Aは、外カップ2と、外カップ2の内側に配置された内カップ3とが、外カップ2と内カップ3との間に閉空間S1が形成されるようにして、互いに組み合わされている。内カップ3の底部7には、閉空間S1を開放するための易開封部10が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外カップとその内側に配置された内カップとが組み合わされた二重カップに関する。
【背景技術】
【0002】
紙又はプラスチックを素材とした内カップと外カップとを、その内カップの底部の下方に閉空間が形成されるように組み合わせた二重カップが広く知られている。そのような閉空間に収納された物品を二重カップを分解せずに容易に取り出し得るようするため、外カップの底部に摘み用の切り込みとこれに続いて一巡するミシン目を設けた二重カップが知られている。また、外カップの胴部に対しその周方向に延びて一巡するジッパーを設けた二重カップも知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】実開昭59−42363号公報
【特許文献2】特開2004−314987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの文献に開示された二重カップは、ミシン目やジッパー等の易開封部が外カップに設けられている。そのため、このような二重カップを商品包装容器として使用して店舗等に陳列した場合には易開封部が表面に露出する。これにより、易開封部を押し込んで開封する等のいたずらを誘発するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、包装容器として使用された場合に、易開封部を押し込んで開封する等のいたずらを防止できる二重カップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明の二重カップについて説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明の二重カップは、外カップ(2)と、前記外カップの内側に配置された内カップ(3、33)とが、筒状の胴部(4、6、36)及び前記胴部の一端を塞ぐ底部(5、7、37)をそれぞれ有し、かつ前記外カップと前記内カップとの間に閉空間(S1)が形成されるようにして、互いに組み合わされた二重カップ(1A、1B)において、前記内カップの前記底部には、前記閉空間を開放するための開封手段(10、20)が設けられていることにより、上述した課題を解決する。
【0008】
この二重カップによれば、閉空間を開放するための開封手段が内カップの底部に設けられているので、二重カップが所定の物品が収容された包装容器として使用された場合には開封手段が外部に露出しない。そのため、外部から開封手段へのアクセスが阻止されるので、開封手段によって閉空間を開放するいたずらを防止できる。
【0009】
本発明の二重カップの一態様において、前記開封手段として、前記内カップの前記底部を破れ易くする易開封部(10、20)が設けられていてもよい。この態様によれば、易開封部にて底部を破ることが容易になるので、易開封部を利用して閉空間を開放することができる。この場合、前記易開封部は、前記内カップの前記底部の周方向に延びて一巡する易開封線(11)を備えていてもよい。易開封線としては、底部を破れ易くできるものであれば如何なる形態でもよく、例えば、易開封線を、いわゆるミシン目、ハーフカットで実現することができる。
【0010】
内カップの底部の周方向に一巡する易開封線を設けた場合には、前記易開封線に囲まれた範囲内に、前記内カップの前記底部を前記閉空間から離れる方向に引き上げるための引き上げ部(12)が設けられていてもよい。この場合には、引き上げ部を引き上げることにより閉空間の開放が容易になる。しかも、閉空間の開放に伴って易開封線に囲まれた部分が内カップから分離しても、その部分は閉空間から離れる方向に引き上げられるから、その部分が閉空間内に落ち込むことを防止できる。
【0011】
また、前記易開封部は、前記内カップの前記底部を横断する方向に延びて互いに交差する複数の易開封線(21)を備えていてもよい。複数の易開封線は、底部を破れ易くできるものであれば如何なる形態でもよく、例えば、複数の易開封線のそれぞれを、いわゆるミシン目、ハーフカットで、又はこれらの組み合わせで実現することができる。この場合、前記内カップの前記底部には、前記複数の易開封線の各端部を互いに結ぶように延びて、前記内カップの前記底部を前記閉空間の側へ折り曲げ易くする易折り曲げ線(23)が設けられていてもよい。この場合、易開封線を境にして破れた部分が易折り曲げ線によって閉空間の側に折り曲がり易くなるので、閉空間の開放が一層容易になる。
【0012】
本発明の二重カップの一態様において、前記内カップの前記底部には、前記内カップの前記底部を前記閉空間から離れる方向に引き上げるための引き上げ部(39)が設けられており、前記開封手段は、前記引き上げ部にて前記内カップの前記底部が引き上げられたときに前記内カップの前記底部が前記内カップの前記胴部から分離できる状態で、前記内カップの前記底部が前記内カップの前記胴部に仮固定されることにより、構成されていてもよい。この態様によれば、引き上げ部にて底部が引き上げられたときに底部が胴部から分離して内カップの底が抜けた状態になって閉空間が開放される。この態様は、閉空間が開放されたときに内カップの底部が除去されるので、底部の一部を破る場合よりも開口面積が広くなる。これにより、閉空間へのアクセスが容易になる利点がある。
【0013】
内カップの底部と胴部との仮固定は種々の形態で実現できる。例えば、前記内カップの前記胴部及び前記底部のそれぞれは紙を素材として構成されており、前記内カップの前記底部の外周に筒状の折り返し部(37a)が設けられ、かつ前記折り返し部が包み込まれるように前記胴部の下端部(36a)を内方に折り曲げた状態で当該下端部が全周に亘って半径方向に締め付けられることにより、前記内カップの前記底部が前記内カップの前記胴部に仮固定されてもよい。一般に、紙を素材とした紙カップは、その底部の外周に筒状の折り返し部を設け、その折り返し部が包み込まれるように胴部の下端部を内方に折り曲げた状態で当該下端部を全周に亘って半径方向に締め付けながら、熱圧着等の接着方法を実施することにより、底部と胴部とが接合される。この態様によれば、紙カップの一般的な製造方法から胴部と底部との接着方法を省くだけで、紙カップを製造する既存設備を利用して底部と胴部との仮固定を実現できる。このため、底部と胴部との仮固定を低コストかつ容易に実現することができる。
【0014】
この態様において、前記引き上げ部は、前記折り返し部に一対の切り込み(37b)が折り返し位置(P)に向かって延びるように設けられ、かつ前記一対の切り込みにて挟まれた部分が前記折り返し部の折り返し方向の反対側に折り曲げられることにより構成されていてもよい。この場合、折り返し部の一部を引き上げ部として利用するため、部品点数の増加を抑えることができる。更に、一対の切り込みに挟まれた部分が引き上げ部になるので、底部に貫通孔を形成して引き上げ部にする場合のように貫通孔を開けた後に抜き屑が発生することがない。これにより材料の無駄を発生させずに引き上げ部を簡便に実現できる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、閉空間を開放するための開封手段が内カップの底部に設けられているので、二重カップが所定の物品が収容された包装容器として使用された場合には、開封手段が外部に露出しない。そのため、外部から開封手段へのアクセスが阻止されるので、開封手段によって閉空間を開放するいたずらを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の形態)
図1及び図2は本発明の二重カップの一形態を示し、図1は二重カップの外観を示した正面図、図2は図1のII−II線に沿った断面図である。これらの図に示すように、二重カップ1Aは、外カップ2と、この外カップ2の内側に配置された内カップ3とを有し、これらのカップ2、3が互いに組み合わされている。外カップ2及び内カップ3のそれぞれは、少なくとも内面側がポリエチレン等の被覆層で覆われた紙を素材として逆円錐台形状に成形された紙カップとして構成されている。外カップ2は内カップ3よりも高さが高く外カップ2は筒状の胴部4と、その胴部4の一端を塞ぐ底部5とを有している。内カップ3は外カップ2と同様に筒状の胴部6と、その胴部6の一端を塞ぐ底部7とを有している。内カップ3はその胴部6の上端部が外側に丸められたカール部8が形成されている。これらのカップ2、3はいずれも周知の紙カップの製造方法にて製造されている。即ち、外カップ2の胴部4と底部5とは熱圧着にて相互に接着され、内カップ3の胴部6と底部7とは熱圧着にて相互に接着されている。
【0017】
外カップ2と内カップ3とは、外カップ2の上端部が内カップ2のカール部8に差し込まれた状態で接着剤にて相互に接着されることによって組み合わされている。それにより、外カップ2と内カップ3との間には、外カップ2の胴部4と外カップ2の底部5と内カップ3の底部7とによって囲まれた閉空間S1が形成される。
【0018】
二重カップ1Aは、閉空間S1と内カップ3の内部空間S2とに所定の物品がそれぞれ収容され、かつ内カップ3の開口部が蓋部材9にて塞がれた状態で、包装容器として使用される。これらの空間S1、S2に収容可能な物品に特段の制限はないが、互いに相違する物品をこれらの空間S1、S2に収容してよい。例えば、閉空間S1に模型等の非食品である景品を、内部空間S2に菓子等の食品をそれぞれ収容できる。
【0019】
図2に示すように、二重カップ1Aは、閉空間S1に収容された物品を取り出すことができるように、閉空間S1を開放するための開封手段としての易開封部10が内カップ3の底部7に設けられている。易開封部10は底部7の周方向に一巡する易開封線11を備えている。易開封線11はいわゆるミシン目にて構成されており、それにより底部7が破れ易くなっている。即ち、易開封線11は、複数の切断部11aと複数の残部11bとが交互に並んで周方向に延びている。なお、この易開封線11を、底部7の厚さ方向に切り込みを入れたいわゆるハーフカットにて構成してもよい。易開封線11にて囲まれた範囲内には、引き上げ部としての切り欠き部12が設けられていて、その切り欠き部12は底部7を貫いている。切り欠き部12の大きさは、平均的なユーザが切り欠き部12に指を差し込んで、その指先で底部7を引っ掛けることができる程度に設定されている。
【0020】
二重カップ1Aによれば、内カップ3の開口部が蓋部材9にて塞がれた包装容器として使用された状態において、内カップ3の底部7に設けられた易開封部10が外部に露出することがない。これにより、包装容器として使用された状態で、外部から易開封部10へのアクセスが阻止されるので、易開封部10によって閉空間S1を開放するいたずらを防止できる。
【0021】
また、内カップ3の底部7には、易開封線11で囲まれた範囲内に切り欠き部12が設けられているので、閉空間S1の開放が容易になる。しかも、閉空間S1の開放に伴って易開封線11に囲まれた部分が内カップ3から分離しても、その部分は閉空間S1から離れる方向に引き上げられるから、その部分が閉空間S1内に落ち込むことを防止できる。
【0022】
なお、図1及び図2に示した易開封部10は一例にすぎず、これを種々の形態で実施することも可能である。図3は本発明に係る易開封部を他の形態に置き換えた二重カップを示した断面図である。図3は図2の同一位置の二重カップの断面を示している。図3に示すように、二重カップ1Aには、内カップ3の底部7に設けられた開封手段としての易開封部20が設けられている。易開封部20は底部7を横断する方向に延びて互いに交差する2本の易開封線21を備えている。図示の形態では、各易開封線21は底部7の半径方向に延びており、かつ底部7の略中心に位置する交差点22にて互いに交差している。各易開封線21は切断部21aと残部21bとを有したいわゆるミシン目にて構成されている。また、底部7には、各易開封線21の各端部21cを結ぶように延びる易折り曲げ線23が設けられている。易折り曲げ線23は、いわゆる罫線であり、図3の紙面の裏側から型押しされることにより構成されている。それにより、易折り曲げ線23を境にして底部7が閉空間S1の側へ折り曲げ易くなる。図3の形態によれば、ユーザが底部7の中央を押すことにより、交差点22を中心として各易開封線21に沿って底部7が破れ、その破れた部分が閉空間S1の側へ折り曲げられる。これにより、閉空間S1が開放される。図3の形態も図1及び図2に示した形態と同様に、包装容器として使用された場合に易開封部20が外部に露出せず、外部から閉空間S1へのアクセスが阻止されるため、上述のいたずらを防止できる。また、易開封線21に沿って底部7が破れても、その破れた部分が分離しないから、ゴミが発生しない。
【0023】
なお、図3の形態においては、易折り曲げ線23を省略して実施することもできる。また、各易開封線21はミシン目の代わりにハーフカットにて構成することも可能である。
【0024】
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態を図4及び図5を参照しながら説明する。なお、第1の形態と共通の構成に関してはこれらの図に同一符号を付すことにより説明を省略する。図4は第2の形態に係る二重カップの外観を示した正面図であり、図5は図4の二重カップの製造方法を説明する説明図である。
【0025】
図4に示すように、二重カップ1Bは外カップ2と内カップ33とが互いに組み合わされることにより構成されている。内カップ33は第1の形態と同様に紙を素材としているが、その構成及び製造方法が相違している。内カップ33は筒状の胴部36と、その胴部36の一端を塞ぐ底部37とを有しており、その胴部36の上端部には外側に丸められたカール部38が形成されている。胴部36及び底部37はいずれも紙を素材としている。底部37には、その底部37を閉空間S1から離れる方向に引き上げるための引き上げ部としてのタブ39が形成されている。内カップ33の胴部36と底部37とはタブ39を引き上げたときに底部37が胴部36から分離できるように仮固定され、その仮固定により本発明に係る開封手段が構成されている。
【0026】
二重カップ1Bは次の手順で製造される。図4に示すように、まず、内カップ33の底部37の外周に筒状の折り返し部37aを設ける。折り返し部37aは底部37に対してその折り曲げ位置Pから略垂直に立ち上がっている。そして、折り返し部37aに、折り曲げ位置Pまで延びる一対の切り込み37bを設け、それら一対の切り込み37bにて挟まれた部分を折り曲げ方向と反対側に折り曲げてタブ39を構成する。
【0027】
次に、筒状に形成された胴部36の内側の所定位置に、上記の加工を施した底部37を配置する。そして、折り返し部37aが包み込まれるように胴部36の下端部36aを内方に折り曲げる。
【0028】
次に、胴部36と底部37とをその状態に保持しつつ、チャック式締付け装置40にセットする。チャック式締め付け装置40は胴部36の下端部36aの外周側を全周に亘って保持する保持具40aと、下端部36aの内周側に配置されて下端部36aの全周に亘って対向するチャック40bとを有している。チャック式締付け装置40の保持具40aとチャック40bとによって下端部36aを挟み込んだ状態で、チャック40bを矢印方向に拡径することにより、下端部36aをその全周に亘って半径方向に締め付ける。これにより、胴部36と底部37とは仮固定される。
【0029】
こうして胴部36と底部37とが仮固定された内カップ33を、別途準備した外カップ2の内側に配置して内カップ33と外カップ2とを相互に組み合わせることにより、本形態に係る二重カップ1Bが製造される。
【0030】
なお、チャック式締付け装置40は、一般的な紙カップの製造に使用される既存の装置である。一般的な紙カップの製造時には保持具40aとチャック40bとを紙の被覆層を溶融可能な温度に加熱した状態で胴部の下端部を半径方向に締付けることにより胴部と底部とを熱圧着させる。上述した内カップ33の製造の際には、保持具40aとチャック40bとを常温に又は十分に熱圧着されない温度に設定して胴部36と底部37とを仮固定している。その温度は、タブ39を引き上げたときに仮固定された胴部36と底部37から、底部37が無理なく分離できるように適宜設定される。
【0031】
第2の形態の二重カップ1Bによれば、第1の形態と同様に、包装容器として使用された場合、上記のいたずらを防止できる。更に、二重カップ1Bは、タブ39にて底部37が引き上げられたときに底部37が胴部36から分離して内カップ33の底が抜けた状態になって閉空間S1が開放される。閉空間S1が開放されたときに内カップ33の底部37が除去されるので、底部37の一部を破る場合よりも開口面積が広くなる。これにより、閉空間S1へのアクセスが容易になる利点がある。
【0032】
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は以上の各形態に限定されず、種々の形態で実現してよい。例えば、外カップ及び内カップの材質、形状等は、本発明の要旨の範囲内において特に制限はない。従って、これらのカップの材質は紙以外のもの、例えばプラスチック等の樹脂材料で構成してもよい。また、これらのカップが上述した紙を素材とした場合、その紙には、純粋な紙のみならず、紙の表面にプラスチックフィルム、金属フィルム等の異種材料を貼り付けたものもその範疇に含まれる。また、外カップと内カップとを同一の材料で構成せずに、互いに材料を相違させてもよい。これらのカップは、その横断面が円形状のものに限らず、矩形状のものでもよい。
【0033】
また、図2及び図3に示した易開封部10、20は例示にすぎない。例えば、易開封部の一例としての易開封線を波形状又は鋸刃状(ギザギザ状)のミシン目又はハーフカットにて実施してもよい。このようにした場合には、内カップの底部が破れた後の縁部にてユーザーが手を切り難くなるという利点がある。また、易開封線を設ける内カップの底部の厚みを薄くして、易開封線に沿って底部が切れ易くすることもできる。
【0034】
また、図2に示した引き上げ部としての切り欠き部12は一例にすぎず、例えば、易開封線11にて囲まれた範囲内に切り欠き部12と同等の大きさの貫通孔を設け、その貫通孔を引き上げ部として機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の形態に係る二重カップの外観を示した正面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】本発明に係る易開封部を他の形態に置き換えた二重カップを示した断面図。
【図4】第2の形態に係る二重カップの外観を示した正面図。
【図5】図4の二重カップの製造方法を説明する説明図。
【符号の説明】
【0036】
1A、1B 二重カップ
2 外カップ
3 内カップ
4、6 胴部
5、7 底部
10 易開封部(開封手段)
11 易開封線
12 切り欠き部(引き上げ部)
21 易開封線
33 内カップ
36 胴部
36a 下端部
37 底部
37a 折り返し部
37b 切り込み
39 タブ(引き上げ部)
S1 閉空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外カップと、前記外カップの内側に配置された内カップとが、筒状の胴部及び前記胴部の一端を塞ぐ底部をそれぞれ有し、かつ前記外カップと前記内カップとの間に閉空間が形成されるようにして、互いに組み合わされた二重カップにおいて、
前記内カップの前記底部には、前記閉空間を開放するための開封手段が設けられていることを特徴とする二重カップ。
【請求項2】
前記開封手段として、前記内カップの前記底部を破れ易くする易開封部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の二重カップ。
【請求項3】
前記易開封部は、前記内カップの前記底部の周方向に延びて一巡する易開封線を備えていることを特徴とする請求項2に記載の二重カップ。
【請求項4】
前記易開封線に囲まれた範囲内に、前記内カップの前記底部を前記閉空間から離れる方向に引き上げるための引き上げ部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の二重カップ。
【請求項5】
前記易開封部は、前記内カップの前記底部を横断する方向に延びて互いに交差する複数の易開封線を備えていることを特徴とする請求項2に記載の二重カップ。
【請求項6】
前記内カップの前記底部には、前記複数の易開封線の各端部を互いに結ぶように延びて、前記内カップの前記底部を前記閉空間の側へ折り曲げ易くする易折り曲げ線が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の二重カップ。
【請求項7】
前記内カップの前記底部には、前記内カップの前記底部を前記閉空間から離れる方向に引き上げるための引き上げ部が設けられており、
前記開封手段は、前記引き上げ部にて前記内カップの前記底部が引き上げられたときに前記内カップの前記底部が前記内カップの前記胴部から分離できる状態で、前記内カップの前記底部が前記内カップの前記胴部に仮固定されることにより、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の二重カップ。
【請求項8】
前記内カップの前記胴部及び前記底部のそれぞれは紙を素材として構成されており、
前記内カップの前記底部の外周に筒状の折り返し部が設けられ、かつ前記折り返し部が包み込まれるように前記胴部の下端部を内方に折り曲げた状態で当該下端部が全周に亘って半径方向に締め付けられることにより、前記内カップの前記底部が前記内カップの前記胴部に仮固定されていることを特徴とする請求項7に記載の二重カップ。
【請求項9】
前記引き上げ部は、前記折り返し部に一対の切り込みが折り返し位置に向かって延びるように設けられ、かつ前記一対の切り込みにて挟まれた部分が前記折り返し部の折り返し方向の反対側に折り曲げられることにより構成されていることを特徴とする請求項8に記載の二重カップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−62054(P2009−62054A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228941(P2007−228941)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】