説明

二重床用フロアパネル及び二重床設備

【課題】充分な耐衝撃性等の強度を得ることができると共に、薄型化や軽量化を図ることができる二重床用フロアパネルを提供する。
【解決手段】基礎床面60上に配線路空間70を形成するように、基礎床面60と所定間隔開けて配設され、支持脚50で支持される二重床用フロアパネル10であって、単板を複数枚重ね合わせた合板で構成されるコア材20と、コア材20の上面側に固着して設けられる上側鋼板材40と、コア材20の下面側に固着して設けられる下側鋼板材30と、を備え、好適にはコア材20の単板をユーカリ材とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎床面上に配線路空間を形成するように基礎床面と所定間隔開けて配設され、支持部で支持される二重床用フロアパネル及び二重床設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基礎床面上に配線路空間を形成するように基礎床面と所定間隔開けて配設され、支持部で支持される二重床用フロアパネルが知られている。二重床用フロアパネルは、例えば特許文献1、2に開示されている様に、上側板材と下側板材との間に略平板状のコア材を設け、上側板材をコア材の上面側に接着し、下側板材をコア材の下面側に接着して構成される。このコア材としては、パーチクルボードやMDF等が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−115077号公報
【特許文献2】特開2009−203616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2のように二重床用フロアパネルのコア材にパーチクルボードやMDFを用いる場合、二重床用フロアパネルを軽量化し、施工性の向上や建物への荷重負担を軽減することができるというメリットがある。しかしながら、耐衝撃性等の強度が十分でないため、二重床用フロアパネルとしての必要な強度を確保するために、コア材の板厚を厚くする、又は上側板材や下側板材を厚くする必要が生じ、結果として重量が増大すると共に、高コストになるという不具合が生じていた。
【0005】
本発明は上記不具合を解消するために提案するものであって、充分な耐衝撃性等の強度を得ることができると共に、薄型化や軽量化を図ることができる二重床用フロアパネル及び二重床設備を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、簡易な構造で、低コストである二重床用フロアパネル及び二重床設備を提供することにある。また、本発明の他の目的は、二重床用フロアパネルの周面近傍の強度を強化することができる二重床用フロアパネル及び二重床設備を提供することにある。また、本発明の他の目的は、建物が浸水した場合にも、最低限、物品の搬出作業が可能な状態を維持することができる二重床用フロアパネル及び二重床設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の二重床用フロアパネルは、基礎床面上に配線路空間を形成するように、前記基礎床面と所定間隔開けて配設され、支持部で支持される二重床用フロアパネルであって、単板を複数枚重ね合わせた合板で構成されるコア材と、前記コア材の上面側に固着して設けられる上側板材と、前記コア材の下面側に固着して設けられる下側板材とを備えることを特徴とする。上側板材と下側板材は鋼製等の高強度のものとすると好適であり、又、上側板材と下側板材は、コア材の上面側と下面側にそれぞれ接着して固着すると好適である。
前記構成では、コア材を単板を複数枚重ね合わせた合板で構成することにより、充分な耐衝撃性等の強度を得ることができると共に、薄型化や軽量化を図ることができ、施工性の向上、コスト低減、建物への荷重負担の軽減を図ることができる。また、簡易な構造で、低コストである二重床用フロアパネルを得ることができる。
【0007】
本発明の二重床用フロアパネルは、前記単板をユーカリ材とすることを特徴とする。
前記構成では、充分な耐衝撃性等の強度をより確実に得ることができると共に、薄型化や軽量化をより確実に図ることができる。
【0008】
本発明の二重床用フロアパネルは、前記コア材を構成する前記単板の比重を0.70以上0.85以下とすることを特徴とする。
前記構成では、充分な耐衝撃性等の強度をより確実に得ることができると共に、薄型化や軽量化をより確実に図ることができる。
【0009】
本発明の二重床用フロアパネルは、前記上側板材の周縁に、下方に屈曲延設される垂下片を設け、前記下側板材の周縁に、上方に屈曲延設される立上片を設け、前記垂下片と前記立上片とを少なくとも一部に重なり部を有するように配置して、前記垂下片と前記立上片とで前記コア材の周面の少なくとも一部を覆い、前記重なり部により、外側に位置する前記垂下片で内側に位置する前記立上片及び前記コア材の周面を押圧する、又は外側に位置する前記立上片で内側に位置する前記垂下片及び前記コア材の周面を押圧することを特徴とする。尚、前記構成は、コア材を単板を複数枚重ね合わせた合板で構成しない場合にも適用可能である。
前記構成では、垂下片や立上片に押圧する成形等を為すことにより、二重床用フロアパネルの強度が一番弱い部分である周面近傍において、鋼製等の上側板材や鋼製等の下側板材の折り曲り部分等を設けて強度を増すことができる。また、コア材の大部分を上側板材と下側板材で隠すことが可能であり、浸水時に二重床用フロアパネルが分解することを防止することができることから、建物が浸水した場合にも、最低限、物品の搬出作業が可能な状態を維持することができる。
【0010】
本発明の二重床用フロアパネルは、前記立上片の内面を前記コア材の周面に略当接し、前記垂下片の内面を前記立上片の外面に略当接することを特徴とする。尚、前記構成は、コア材を単板を複数枚重ね合わせた合板で構成しない場合にも適用可能である。
前記構成では、より安定した高強度の構造で、二重床用フロアパネルの周面近傍を覆うことができ、耐燃焼性に優れている。
【0011】
本発明の二重床用フロアパネルは、前記コア材の周面を、上面の端縁から略垂直に下がる上側垂下面と、前記上側垂下面の端縁から内方へ向かうテーパ面と、前記テーパ面の端縁から略垂直に下がる下側垂下面とから構成し、前記下側板材の前記立上片を、底面の端縁から立ち上がり、前記コア材の前記下側垂下面に沿うように形成される下側立上面と、前記下側立上面の上端縁を外方に拡開させ、前記コア材の前記テーパ面に沿うように形成される拡開テーパ面と、前記拡開テーパ面の上端縁から立ち上がり、前記コア材の上側垂下面に沿うように形成される上側立上面とから構成することを特徴とする。前記下側板材の角部には、それぞれの面を有しない切欠部等の切欠部を形成すると好適である。尚、前記構成は、コア材を単板を複数枚重ね合わせた合板で構成しない場合にも適用可能である。
前記構成では、二重床用のフロアパネルの強度が一番弱い部分である周面近傍において、曲げ部分を多くし、且つ、曲げ部分をコア材に略当接することにより、強度をより一層増すことができる。
【0012】
本発明の二重床用フロアパネルは、前記コア材の周面の第1の面に設けられる第1の凹部と、前記コア材の周面の第2の面に設けられる第2の凹部と、前記第1の凹部に取り付けられる取付部と、前記第2の凹部に係合可能な係合突出部とを有する突起体とを備え、前記取付部の取付方向の面に先端に拡大部を有するアンカー凹部を形成し、前記第1の凹部に前記突起体の前記取付部を取り付けると共に、前記第1の凹部と前記取付部とを接着する接着剤が前記アンカー凹部に入り込んでいることを特徴とする。尚、前記構成は、コア材を単板を複数枚重ね合わせた合板で構成しない場合にも適用可能である。
前記構成では、コア材に簡単に突出部分を設けることができると共に、接着剤が拡大部に入り込ませ、アンカー効果により、突起体をコア材に強固に接着して安定して固定できる。また、係合突出部を隣接配置される別の二重床用フロアパネルの第2の凹部に係合することにより、隣接する一と別の二重床用フロアパネルを簡単に位置決めし、回転防止を図ること等が可能となる。
【0013】
また、本発明の二重床設備は、本発明の二重床用フロアパネルを、基礎床面に配置される支持部上に敷設する二重床設備であって、前記支持部を、前記基礎床面に設置されるベース部と、前記ベース部から立設する立設部と、前記立設部に高さ調整可能に取り付けられる調整部と、前記調整部上に配置されるスペーサ部と、前記スペーサ部上に配置される緩衝材とから構成し、前記フロアパネルの底面を前記緩衝材上に載置することを特徴とする。前記調整部と前記スペーサ部は、それぞれ平面視略方形とすると好適である。尚、前記構成は、本発明以外の通常の二重床用フロアパネルの場合にも適用可能である。
前記構成では、調整部とスペーサとの回り止めなどを別途付加する必要がなくなるため、製造コストを低減することが可能となる。また、緩衝材上にフロアパネルの底面が位置することから、歩行感が良く、音なりを防止することができる。また、支持部等の構造が簡易で、低コストである二重床設備を得ることができる。
【0014】
本発明の二重床設備は、前記スペーサ部を樹脂で形成し、前記スペーサ部の上部に、前記二重床用フロアパネルの周面の一部に略当接して前記二重床用フロアパネルを位置決めする突出部を設けることを特徴とする。
前記構成では、スペーサ部を単純な構成で製造することが可能となり、製造コストを低減することができる。また、スペーサ部上部の突出部で位置決めすることが可能となり、二重床用フロアパネルの位置決めして敷設を容易化することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、コア材を単板を複数枚重ね合わせた合板で構成することにより、二重床用フロアパネルについて充分且つ安定した強度を得ることができると共に、薄型化や軽量化を図ることができ、施工性の向上、コスト低減、建物への荷重負担の軽減を図ることができる。特に、他のコア材では発揮できない耐衝撃性能を得ることができる。また、簡易な構造で、低コストである二重床用フロアパネルや二重床設備を得ることができる。また、二重床用フロアパネルの周面近傍の強度を強化することができる。また、建物が浸水した場合にも、最低限、物品の搬出作業が可能な状態を維持することができる。また、上側板材又は下側板材又はその双方を薄くすることができるため、ボーダー部材において、二重床用フロアパネルのカットが容易に行えることにより、施工性が向上し、コストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は実施形態の二重床設備を示す平面説明図、(b)はその正面説明図。
【図2】(a)は実施形態の二重床用フロアパネルの平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)は同図(a)のA1領域の拡大平面図、(e)は同図(a)のB1領域の拡大平面図、(f)は同図(a)のC1領域の拡大平面図、(g)は同図(c)のD1領域の拡大側面図。
【図3】(a)は実施形態の二重床用フロアパネルにおけるコア材の平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)は同図(a)のA2領域の拡大平面図、(e)は同図(a)のB2領域の拡大平面図、(f)は同図(a)のC2領域の拡大平面図、(g)は同図(b)のD2領域の拡大正面図。
【図4】(a)は実施形態の二重床用フロアパネルにおける下側鋼板材の平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)は同図(a)のA3領域の拡大平面図、(e)は同図(a)のB3領域の拡大平面図、(f)は同図(a)のC3領域の拡大平面図、(g)は同図(b)のD3領域の拡大正面図。
【図5】(a)は実施形態の二重床用フロアパネルにおける上側鋼板材の平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)は同図(a)のA4領域の拡大平面図、(e)は同図(a)のB4領域の拡大平面図、(f)は同図(a)のC4領域の拡大平面図、(g)は同図(b)のD4領域の拡大正面図。
【図6】実施形態の二重床用フロアパネルにおける上側鋼板材とコア材と下側鋼板材の固着前の状態を示す正面説明図。
【図7】(a)は実施形態における突起体をコア材に取り付ける前の状態を示す平面説明図、(b)は同図(a)のA−A断面図。
【図8】(a)は一方の二重床用フロアパネルに取付けた突起体の他方の二重床用フロアパネルへの係合前の状態を示す平面説明図、(b)はその係合後の状態を示す平面説明図。
【図9】(a)は実施形態の二重床設備における支持部の平面図、(b)はその正面図。
【図10】(a)は図9の支持部のベース部及び立設部を示す正面図、(b)はその底面図。
【図11】(a)は図9の支持部の調整部を示す平面図、(b)はその正面図。
【図12】(a)は図9の支持部のスペーサ部を示す平面図、(b)はその正面図、(c)は同図(a)のB−B断面図。
【図13】(a)は変形例の二重床用フロアパネルを示す平面図、(b)はその正面図、(c)はその底面図。
【図14】(a)は変形例の二重床用フロアパネルの要部拡大平面図、(b)は同図(a)のC−C断面図。
【図15】(a)は変形例の突起体を実施形態の二重床用フロアパネルに取付けた状態の部分平面図、(b)はその部分側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態の二重床用フロアパネル及び二重床設備〕
本発明による実施形態の二重床用フロアパネル及び二重床設備について説明する。
【0018】
本実施形態の二重床設備は、図1に示すように、支持脚分離型の二重床設備であり、支持部に相当する支持脚50を所定間隔を開けて基礎床面60に配置し、支持脚50上に二重床用フロアパネル10を敷設し、基礎床面60から所定高さに二重床用フロアパネル10を支持脚50で支持するものである。二重床用フロアパネル10の下面と基礎床面60との間の所定間隔の空間は配線路空間70を構成し、配線等が敷設可能である。
【0019】
二重床用フロアパネル10は、図2に示すように、基体となる平面視略方形の板状体であるコア材20と、コア材20の下面側に重ねて配置され、接着剤等の接着でコア材20の下面側に固着して設けられる下側板材に相当する下側鋼板材30と、コア材20の上面側に重ねて配置され、接着剤等の接着でコア材20の上面側に固着して設けられる上側板材に相当する上側鋼板材40とから構成される。二重床用フロアパネル10の四隅近傍には、支持脚50に固定する固定用ボルトを挿通可能な挿通穴11が穿設されており、その平面視で隣り合う2辺には配線引出用凹部12が形成されている。各辺の配線引出用凹部12は、中央から両側にずれた位置に2個ずつ、合計4個形成されている。配線引出用凹部12が形成されている1辺の略中央で若干一方側にずれた位置には、二重床フロアパネル10の回転防止や位置決め機能を有する突起体13が設けられており、突起体13を有する辺と対向する辺の略中央で若干一方側にずれた位置には、別の二重床用フロアパネル10に設けられる突起体13の係合突出部132を収納して係合可能とする収納凹部14が形成されている。尚、突起体13と収納凹部14を前記若干一方側にずれた位置に配置することにより、二重床用フロアパネル10・10の収納凹部14・14が同じ側に配置された場合に、2つの収納凹部14・14の突合で大きな穴が形成されることを防止し、ハイヒールの踵の落ち込み等を防止することができる。
【0020】
二重床用フロアパネル10の平面視略方形は、長方形或いは正方形など適宜であり、例えば縦横の長さをそれぞれ600mm、厚さを18mm以上25mm未満、好適にはその高さを18mm以上21mm以下とする構成、又、例えば縦横の長さをそれぞれ500mm、厚さを10mm以上18mm未満等ことにより、十分な強度を得ることができる。また、斯様な高強度の二重床用フロアパネル10により、二重床用フロアパネル10を支持する支持脚50の数を減らし、施工性の向上やコストダウンを図ることも可能となる。
【0021】
コア材20は、図3に示すように、単板を複数枚重ね合わせた合板で構成され、本実施形態ではユーカリの単板が複数枚重ねられ、それぞれを接着剤の接着等で相互に固着されている。コア材20は、平面視略方形であり、上面22と、上面22よりも平面視面積が小さい下面23と、周面24とを有し、その周面24は、上面22の端縁から略垂直に下がる上側垂下面241と、上側垂下面241の端縁から内方へ向かうテーパ面242と、テーパ面242の端縁から略垂直に下がる下側垂下面243とから構成される。コア材20の四隅近傍には、前記固定用ボルトを挿通可能で挿通穴11を構成する挿通穴25が穿設されており、配線引出用凹部12及び収納凹部14に対応する箇所には、対応する凹部26、27がそれぞれ形成されている。また、突起体13を設ける箇所には、凹部26、27よりも大きな略蒲鉾形の凹状部28が形成されており、凹状部28に突起体13が配設され、接着されるようになっている。コア材20の周面24の第1の面に形成された凹状部28は、コア材20の周面24の第1の面に設けられる第1の凹部に相当し、コア材20の周面24の第1の面と対向する第2の面に形成された収納凹部14に対応する凹部27は、コア材20の周面24の第2の面に設けられる第2の凹部に相当する。
【0022】
コア材20に用いるユーカリ材としては、多数種存在する中の適宜のものを用いることが可能であるが、オーストラリアの寒い地方のタスマニア島に生育したものとすると、強度、特に耐衝撃性に一層優れた二重床用フロアパネル10とすることができて好適である。また、単板の重ね合わせ構造では、各単板の繊維の目が互い違いになるように積層すると、より強度が増すことができると共に強度の均一化を図ることができて好適である。また、単板の枚数は、例えば3枚以上19枚以下など適宜である。各単板を薄くし、枚数を増やすと、強度をより一層増すことができて好ましいが、二重床用フロアパネル10の厚さと強度のバランスから7枚から9枚程度とするとよい。また、コア材20を構成する単板の比重としては0.70以上0.85以下とすると強度向上の点から好適であり、タスマニア産のユーカリはこの比重の範囲内に含まれている。
【0023】
下側鋼板材30は、図4に示すように、平面視略方形であり、コア材20の下面23に沿って底面を構成する基板31と、基板31の周縁から上方に屈曲延設される立上片32とを有する。立上片32は、底面を構成する基板31の端縁から立ち上がり、コア材20の下側垂下面243に沿うように形成される下側立上面321と、下側立上面321の上端縁を外方に拡開させ、コア材20のテーパ面242に沿うように形成される拡開テーパ面322と、拡開テーパ面322の上端縁から立ち上がり、コア材20の上側垂下面241に沿うように形成される上側立上面323とから構成される。下側鋼板材30の四隅の角部においては基板31や立上片32が切り欠かれた切欠部33が形成され、その四隅近傍には前記固定用ボルトを挿通可能で挿通穴11を構成する挿通穴34が穿設されており、又、配線引出用凹部12及び収納凹部14に対応する箇所には、対応する凹部35、36がそれぞれ形成されている。また、突起体13を設ける位置と対応する箇所には、下側立上面321、拡開テーパ面322、上側立上面323が無い状態の切除部37が形成されている。
【0024】
上側鋼板材40は、図5に示すように、平面視略方形であり、コア材20の上面22に沿って上面を構成する基板41と、基板41の周縁から下方に屈曲延設される垂下片42とを有する。垂下片42は、基板41から四辺において垂下し、下側鋼板材30の上側立上面323の外面に当接する垂下面になっている。上側鋼板材40の四隅近傍には前記固定用ボルトを挿通可能で挿通穴11を構成する挿通穴43が穿設されており、又、配線引出用凹部12及び収納凹部14に対応する箇所には、対応する凹部44、45がそれぞれ形成されている。また、突起体13を設ける位置と対応する箇所には、垂下片42が無い状態の切除部46が形成されている。
【0025】
突起体13は、樹脂製であり、図7に示すように、平面視略蒲鉾形の取付部131と、取付部131のコア材20と逆側に設けられ、先端が略半楕円弧状に形成されている係合突出部132とから構成される。取付部131はコア材20の周面24の第1の面に設けられる第1の凹部に相当する凹状部28に嵌合され、コア材20と接着される。取付部131の接着面側(取付部131の嵌合方向の面側)には、平面視Ω字形のアンカー凹部133が形成されており、コア材20の凹状部28と取付部131とを接着する接着剤がアンカー凹部133の先端拡大部にまで入り込み、アンカー効果により、突起体13のコア材20に対する接着強度が高められている。この接着剤には適宜のものを用いることが可能であるが、ホットメルト接着剤等とするとより確実にアンカー効果を発揮することができて好適である。更に、突起体13は、上下面を上側鋼板材40の端部と下側鋼板材30の端部とで挟持され、二重床用フロアパネル10に対する取付強度が一層高められている。尚、アンカー凹部133の形状、個数は上記Ω字形で6個の構成に限定されず、適宜であるが、先端に拡大部を有する形状で複数設けると固着強度をより高められて好適である。
【0026】
係合突出部132は、図8に示すように、突起体13を一の二重床用フロアパネル10のコア材20或いは一の二重床用フロアパネル10に固定した状態で、別の二重床用フロアパネル10におけるコア材20の周面24の第2の面に設けられる第2の凹部に相当する凹部27或いは別の二重床用フロアパネル10の収納凹部14に係合可能であり、係合突出部132は一の二重床用フロアパネル10と別の二重床用フロアパネル10を隣接配置する際に別の二重床用フロアパネル10の凹部27或いは収納凹部14に係合される。尚、突起体13の取付部131の一部を二重床用フロアパネル10或いは上側鋼板材40の平面視の周縁から外側に突出させ、収納凹部14或いは凹部27の形状や大きさをそれに応じた構成としてもよく、前記構成により、突起体13を確実に目視することが可能となる。
【0027】
これらのコア材20、下側鋼板材30、上側鋼板材40、突起体13から二重床用フロアパネル10を構成する際には、コア材20の凹状部28に突起体13の取付部131を嵌合等で取り付けると共に凹状部28に取付部131を接着剤で固定し、コア材20に突起体13を取り付ける。そして、コア材20の下面及び上面に接着剤を塗布し、図6に示すように、下側鋼板材30と上側鋼板材40とをコア材20を挟み込むように配置し、コア材20の下面に下側鋼板材30、コア材20の上面に上側鋼板材40を接着して、二重床用フロアパネル10を構成する。尚、この接着に使用する接着剤やその種類数は適宜であり、1液若しくは2液性を問わず、溶剤形、水性形、ホットメルト形、反応形若しくは感圧形等とする構成、或いはこれらの組み合わせとする構成等とすることが可能であり、具体例としてはアクリル系、フェノール系、メラミン樹脂系、酢酸ビニル系、塩化ビニル樹脂系、ユリア樹脂系、ポリスチレン樹脂系、ポリビニルアルコール系、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系、天然ゴム系の接着剤など適宜使用することが可能である。
【0028】
コア材20と下側鋼板材30と上側鋼板材40の配置では、下側鋼板材30の立上片32と上側鋼板材40の垂下片42とを少なくとも一部に重なり部を有するように配置して、立上片32と垂下片42とでコア材20の周面24の少なくとも一部を覆い、この重なり部により、外側に位置する垂下片42で内側に位置する立上片32及びコア材20の周面24を押圧する、又は外側に位置する立上片32で内側に位置する垂下片42とコア材20の周面24を押圧するようにする。本例では、下側鋼板材30の立上片32の一部である上側立上面323の外方に略接する状態で上側鋼板材40の垂下片42を構成する垂下面を配置し、立上片32の内面をコア材20の周面24に略当接すると共に、垂下片42の内面を立上片32の外面に略当接し、外側に位置する垂下片42で内側に位置する立上片32及びコア材20の周面24を押圧するようになっており、前記構成により、より安定した高強度の構造で、二重床用フロアパネル10の周面近傍を覆うことが可能になっている。
【0029】
また、二重床用フロアパネル10を支持する支持脚50は、図9に示すように、基礎床面60に設置されるベース部51と、ベース部51から立設し、外周に螺子部521を有するボルトからなる立設部52と、立設部52の螺子部521に螺合される高さ調整ナット531が底部にかしめて設けられ、高さ調整ナット531の回転により高さ調整可能に取り付けられる調整部53と、調整部53上に設置される樹脂製のスペーサ部54と、スペーサ部54上に貼着して配置される緩衝材55とから構成される。支持脚50は、調整部53の回転による高さ調整により、ベース部51からスペーサ部54上の緩衝材55の上面までの高さを調整して、緩衝材55上に底面が載置される二重床用フロアパネル10の高さ調整及びそのガタツキに対する微調整が可能になっている。
【0030】
ベース部51は、図10に示すように、平面視及び底面視で略正方形等の略方形の板状であり、四辺の略中央部には墨だし時の位置決めの目安となる切欠511がそれぞれ形成されている。ベース部51の底面側には底面視円形の凹部512と、中央から四隅に向かって直線状に延び、凹部512と交差する凹部513とが形成されており、ベース部51を基礎床面60に固定する際に、その固定で用いる接着剤が凹部512、513にたまるようになっている。凹部512、513はベース部51の上面側ではそれぞれ凸部となっている。更に、ベース部51の直線状の凹部513・513相互間で一方側にずれた位置には貫通する円形の穴514が複数形成されており、穴514から接着剤がベース部51の上面まで溢れることにより、ベース部51の基礎床面60への固定をアンカー効果で強化可能になっている。また、ボルトからなる立設部52は、その下端をベース部51の略中央部にかしめ且つ溶接して固定され立設しており、図中の522はかしめ部、523は溶接部である。
【0031】
立設部52に高さ調整可能に取り付けられている調整部53は、図11に示すように、平面視略方形で四隅が面取りされている基部532と、基部532の略中央部に下方に凹んで形成され、弛み止めナットを配設可能なナット収納部533と、ナット収納部533の底部にかしめ結合された高さ調整ナット531と、基部532の四辺のそれぞれの略中央部近傍に穿設され、二重床用フロアパネル10の固定用ボルトを螺合して固定可能な穴534と、ナット収納部533の基部532の四隅方向で外方に膨らんで形成されている補強用リブ535とから構成される。高さ調整ナット531を回転して立設部52に対する調整部53の高さを調整した後に、上方から立設部53に弛み止めナットを螺合し或いは締め付けてナット収納部533に収納する構成により、ダブルナット効果で振動や踏圧に対する弛み止めが可能になっている。
【0032】
調整部53の基部532上に取り付けられるスペーサ部54は、図12に示すように、平面視略方形で四隅が面取りされている基部541と、基部541の周縁から下方に延設された垂下面542と、基部541の上面の四隅近傍で上方に突出して形成された突出部543と、基部541の略中央に穿設され、弛み止めナットを取り付け可能な開口部544と、調整部53の穴534に対応する位置に穿設され、固定用ボルトを挿通可能な穴545と、基部541の四辺略中央の垂下面542の下端に形成され、調整部53の基部532の四辺に係止可能な係止部546とから構成され、スペーサ部54は、係止部546を調整部53の基部532に係止して調整部53と一体化されるようになっている。更に、突出部543は、正面視で上方に延びる垂直部547と、垂直部547の頂部で山状に突出する山状部548とから構成され、中空で正面視前後面が閉塞されると共に、その前後方向の略中央位置に補強片549が形成されている。突出部543は、二重床用フロアパネル10の周面の一部に略当接して二重床用フロアパネル10を位置決めすることが可能になっている。尚、調整部53の基部532とスペーサ部54の基部541は平面視略方形であるため、相互の回り止めを設ける必要がない。
【0033】
緩衝材55は、スペーサ部54の基部541上の開口部544、突出部543、穴545を除く箇所に貼着され、歩行時の音の発生等を防止可能になっている。緩衝材55の素材は、不織布、ゴム、スポンジ、紙状物、布状物など適宜であり、又、その構成も適宜であり、例えば平板状のゴムに複数の突起を設ける構成等とすることも可能である。
【0034】
そして、上記二重床用フロアパネル10と支持脚50で二重床設備を構成する場合、図1に示すように、支持部に相当する支持脚50を所定間隔を開けて基礎床面60に配置し、各支持脚50を基礎床面60に接着剤で固定する。その後、或いは支持脚50の配置と並行して、支持脚50上に二重床用フロアパネル10を載置する。二重床用フロアパネル10を載置する際には、支持脚50の緩衝材55上に四方に配置される二重床用フロアパネル10の四隅を載置し、二重床用フロアパネル10の固定用ボルトの挿通穴11と、支持脚50の穴534、545が平面視略同一位置になるように配置する。この状態では、スペーサ部54の突出部543における垂直部547の外面が、二重床用フロアパネル10の周面の一部である下側鋼板材30の下側立上面321に略当接し、山状部548の傾斜面が、二重床用フロアパネル10の周面の一部である下側鋼板材30の拡開テーパ面322に略当接し、各二重床用フロアパネル10を確実な位置で載置固定することが可能な構成である。
【0035】
また、複数の二重床用フロアパネル10を支持脚50上に敷設する際には、図8に示すように、隣接する一方の二重床用フロアパネル10の突起体13の係合突出部132が、隣接する他方の二重床用フロアパネル10の収納凹部14に入り込んで係合され、二重床の床面が形成される。
【0036】
本実施形態の二重床用フロアパネル10或いは二重床設備は、コア材20を単板を複数枚重ね合わせた合板で構成することにより、充分な耐衝撃性等の強度を得ることができると共に、薄型化や軽量化を図ることができ、施工性の向上、コスト低減、建物への荷重負担の軽減を図ることができる。また、簡易な構造で、コスト低減を図ることもできる。また、垂下片42や立上片32及びその押圧により、二重床用フロアパネル10の強度が一番弱い部分である周面近傍において、強度を増すことができる。また、コア材20の大部分を上側鋼板材40と下側鋼板材30で隠すことが可能であり、且つ四隅を固定用ボルトで固定しているため、浸水時に二重床用フロアパネル10が分解することを防止することができ、建物が浸水した場合にも、最低限、物品の搬出作業が可能な状態を維持することができる。また、上記コア材10や下側鋼板材30等の構成により、二重床用フロアパネル10の強度が一番弱い部分である周面近傍において、曲げ部分を多くし、且つ、曲げ部分をコア材20に略当接することにより、強度をより一層増すことができる。また、上記突起体13やアンカー凹部133の構成により、コア材20に簡単に突出部分を設けることができると共に、接着剤を拡大部に入り込ませ、アンカー効果により、突起体13をコア材20に強固に接着して安定して固定できる。また、係合突出部132を隣接配置される別の二重床用フロアパネルの収納凹部14に係合することにより、隣接する一と別の二重床用フロアパネルを簡単に位置決めし、回転防止を図ること等が可能となる。
【0037】
また、二重床設備では、調整部53とスペーサ54との回り止めなどを別途付加する必要がなくなるため、製造コストを低減することが可能となる。また、緩衝材55上に二重床用フロアパネル10の底面が位置することから、歩行感が良く、音なりを防止することができる。また、支持脚50の構造が簡易で、低コストである二重床設備を得ることができる。また、スペーサ部54を単純な構成で製造することが可能となり、製造コストを低減することができる。また、スペーサ部54の上部の突出部543で位置決めすることが可能となり、二重床用フロアパネル10の位置決めして敷設を容易化することができる。また、二重床用フロアパネル10をある程度の位置に配置すると、山状部548と拡開テーパ面322との協同により正確な位置に滑り落ちて載置することが可能であり、優れた施工性を有する。また、配線敷設作業等を行って二重床用フロアパネル10を支持脚50から取り外した場合でも、突起体13等により、正確な方向、位置で二重床用フロアパネル10を戻すことができ、ガタツキを未然に防止することができる。また、固定用ボルトにて二重床用フロアパネル10と支持脚50を一体化することにより、より一層強度を確保した状態で、二重床用フロアパネル10が分解することを防止できる。
【0038】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明は、上記実施形態に限定されず、上記実施形態や変形例の部分的な構成を組み合わせたもの、或いは上記実施形態や変形例の構成を部分的に取出したもの、或いは上記実施形態や変形例の部分的な構成を変形例の構成に付加したもの、上記実施形態や変形例の不要箇所を削除したもの等も包含し、例えば下記のような変形例も包含する。
【0039】
例えば本発明の二重床用フロアパネル或いは二重床設備は、支持脚50等の支持部分離型である必要はなく、支持部と二重床用フロアパネルが予め一体化されている構成としてもよい。更に、高さ調整可能な構成としない場合も包含し、様々な二重床に適用可能である。また、回転防止等の機能を有する突起体13を設けない構成とすることも可能であり、更には本例以外の突起体13を設けることも可能である。また、下側鋼板材30と上側鋼板材40の少なくとも一方に補強用のリブを設けると、より一層の高強度が実現できて好適である。また、配線引出用凹部12を無くすことも可能であり、更にはその数も8個に限定されず、7個以下、或いは9個以上など適宜である。
【0040】
図13に、支持部一体型の二重床用フロアパネル10aの例を示す。この二重床用フロアパネル10aは、上記実施形態の二重床用フロアパネル10と同様に、単板を複数枚重ね合わせた合板で構成されるコア材20aと、コア材20aの上面側に固着して設けられる上側鋼板材40aと、コア材20aの下面側に固着して設けられる下側鋼板材30aとから構成される。二重床用フロアパネル10aには、突起体13や収納凹部14は設けられておらず、配線引出用凹部12aは隣り合う2辺に各2個ずつで合計4個設けられている。下側鋼板材30aの四隅近傍には下方に突出して支持部に相当する支持脚50aが一体形成され、更に、下側鋼板材30aの底面側には補強用リブ33aが形成されている。補強用リブ33aは、下側鋼板材30aの上方に突出して形成する構成、或いは下方に突出して形成する構成の何れとすることも可能である。
【0041】
また、支持脚50のスペーサ部54の突出部543を設けない構成とすることも可能であり、又、突出部543の形状は上記実施形態の形状以外にも適宜であり、例えば垂直部547に相当する部位のみの構成、或いは山状部548に相当する部位のみの構成とすることが可能である。また、突出部543の補強片549を設けない構成、或いは突出部543を中実とする構成とすることも可能である。
【0042】
また、コア材20の周面、更には下側鋼板材30の周面には、テーパ面等を設けずに、垂直な周面とする構成も可能である。また、上側鋼板材40、40a及び下側鋼板材30、30aの板厚は、例えば0.1mm以上1.0mm以下とすると好適であり、より好適には0.3mmとするとよく、充分な強度と薄型化を実現することができる。また、上側鋼板材40、40aと下側鋼板材30、30aの板厚は相互に異なる板厚とすることも可能であり、例えば上側鋼板材40、40aを0.1mm、下側鋼板材30、30aを0.4mmにするなど適宜である。また、本発明の上側板材、下側板材は所要強度を有するものであれば、鋼製以外のものとすることも可能である。また、本明細書に開示の発明には、コア材20、20a等のコア材を合板でないコア材とし、他の特徴的な構成と組み合わせたものも包含する。
【0043】
また、本発明の二重床用フロアパネルは、図14のような二重床用フロアパネル10bに適用してもよい。二重床用フロアパネル10bは、単板を複数枚重ね合わせた合板或いは一枚板等の板材で構成されるコア材20bと、コア材20bの上面側に固着して設けられる上側鋼板材40bと、コア材20bの下面側に固着して設けられる下側鋼板材30bとから構成され、その一辺の略中央に大型の凹部15bが形成されている。凹部15bは、多量の配線の引き出し或いはコンセント等を設置可能とするものであり、断面コ字形のカバー16bで被覆され、凹部15bを使用する際にはカバー16bを取り外し、使用しない場合にはカバー部材16bを取り付けるようになっている。尚、配線引出用凹部12、12a、二重床用フロアパネル10、10a、10bの四隅部、或いは二重床用フロアパネル10bの凹部15b等でコア材20、20a、20bが側面から見える状態となる場合は、この目視される部分に下側鋼板材30、30a、30bや上側鋼板材40、40a、40bと同一色の塗装を施すと良好であり、この塗装は例えばアクリル塗装、ウレタン塗装、シリコン塗装、フッ素塗装等の適宜の塗装で行うことが可能である。
【0044】
また、本発明の二重床用フロアパネルにおける突起体について、平面視で上側鋼板材40の周縁から係合突出部132だけが突出する構成に限定されず、例えば図15に示すように、上側鋼板材40cに切欠47cを形成し、係合突出部132cを突出すると共に、切欠47cから突起体13cの拡大部である取付部131cの一部を平面視で目視可能にする構成としてもよい。10cは二重床用フロアパネル、20cはコア材、30cは下側鋼板材である。また、例えば突起体13等を赤、青、黄など目立つ色にし、突起体13等を平面視で広範囲に目視可能とすることにより、施工者が容易に二重床用フロアパネル10等の方向を確認でき、施工性を高めることができる。また、二重床用フロアパネルの突起を突起体13等に代えて、上側鋼板材、下側鋼板材或いはコア材に一体的に設けられる突起とする構成等とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、二重床用フロアパネルや二重床設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10、10a、10b、10c…二重床用フロアパネル 11…挿通穴 12、12a…配線引出用凹部 13、13c…突起体 131、131c…取付部 132、132c…係合突出部 133…アンカー凹部 14…収納凹部 15b…凹部 16b…カバー 20、20a、20b、20c…コア材 22…上面 23…下面 24…周面 241…上側垂下面 242…テーパ面 243…下側垂下面 25…挿通穴 26、27…凹部 28…凹状部 30、30a、30b、30c…下側鋼板材 31…基板 32…立上片 321…下側立上面 322…拡開テーパ面 323…上側立上面 33…切欠部 33a…補強用リブ 34…挿通穴 35、36…凹部 37…切除部 40、40a、40b、40c…上側鋼板材 41…基板 42…垂下片 43…挿通穴 44、45…凹部 46…切除部 47c…切欠 50、50a…支持脚 51…ベース部 511…切欠 512、513…凹部 514…穴 52…立設部 521…螺子部 522…かしめ部 523…溶接部 53…調整部 531…高さ調整ナット 532…基部 533…ナット収納部 534…穴 535…補強用リブ 54…スペーサ部 541…基部 542…垂下面 543…突出部 544…開口部 545…穴 546…係止部 547…垂直部 548…山状部 549…補強片 55…緩衝材 60…基礎床面 70…配線路空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎床面上に配線路空間を形成するように、前記基礎床面と所定間隔開けて配設され、支持部で支持される二重床用フロアパネルであって、
単板を複数枚重ね合わせた合板で構成されるコア材と、
前記コア材の上面側に固着して設けられる上側板材と、
前記コア材の下面側に固着して設けられる下側板材と、
を備えることを特徴とする二重床用フロアパネル。
【請求項2】
前記単板をユーカリ材とすることを特徴とする請求項1記載の二重床用フロアパネル。
【請求項3】
前記コア材を構成する前記単板の比重を0.70以上0.85以下とすることを特徴とする請求項1又は2記載の二重床用フロアパネル。
【請求項4】
前記上側板材の周縁に、下方に屈曲延設される垂下片を設け、
前記下側板材の周縁に、上方に屈曲延設される立上片を設け、
前記垂下片と前記立上片とを少なくとも一部に重なり部を有するように配置して、前記垂下片と前記立上片とで前記コア材の周面の少なくとも一部を覆い、
前記重なり部により、外側に位置する前記垂下片で内側に位置する前記立上片及び前記コア材の周面を押圧する、又は外側に位置する前記立上片で内側に位置する前記垂下片及び前記コア材の周面を押圧することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の二重床用フロアパネル。
【請求項5】
前記立上片の内面を前記コア材の周面に略当接し、前記垂下片の内面を前記立上片の外面に略当接することを特徴とする請求項4記載の二重床用フロアパネル。
【請求項6】
前記コア材の周面を、上面の端縁から略垂直に下がる上側垂下面と、前記上側垂下面の端縁から内方へ向かうテーパ面と、前記テーパ面の端縁から略垂直に下がる下側垂下面とから構成し、
前記下側板材の前記立上片を、底面の端縁から立ち上がり、前記コア材の前記下側垂下面に沿うように形成される下側立上面と、前記下側立上面の上端縁を外方に拡開させ、前記コア材の前記テーパ面に沿うように形成される拡開テーパ面と、前記拡開テーパ面の上端縁から立ち上がり、前記コア材の上側垂下面に沿うように形成される上側立上面とから構成し、
前記下側板材の角部に切欠部を形成することを特徴とする請求項4又は5記載の二重床用フロアパネル。
【請求項7】
前記コア材の周面の第1の面に設けられる第1の凹部と、
前記コア材の周面の第2の面に設けられる第2の凹部と、
前記第1の凹部に取り付けられる取付部と、前記第2の凹部に係合可能な係合突出部とを有する突起体とを備え、
前記取付部の取付方向の面に先端に拡大部を有するアンカー凹部を形成し、前記第1の凹部に前記突起体の前記取付部を取り付けると共に、前記第1の凹部と前記取付部とを接着する接着剤が前記アンカー凹部に入り込んでいることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の二重床用フロアパネル。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の二重床用フロアパネルを、基礎床面に配置される支持部上に敷設する二重床設備であって、
前記支持部を、
前記基礎床面に設置されるベース部と、
前記ベース部から立設する立設部と、
前記立設部に高さ調整可能に取り付けられる調整部と、
前記調整部上に配置されるスペーサ部と、
前記スペーサ部上に配置される緩衝材とから構成し、
前記フロアパネルの底面を前記緩衝材上に載置することを特徴とする二重床設備。
【請求項9】
前記スペーサ部を樹脂で形成し、
前記スペーサ部の上部に、前記二重床用フロアパネルの周面の一部に略当接して前記二重床用フロアパネルを位置決めする突出部を設けることを特徴とする請求項8記載の二重床設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−140856(P2011−140856A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15699(P2010−15699)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000162135)共同カイテック株式会社 (66)
【Fターム(参考)】