説明

二重弁栓装置

【課題】定置洗浄液をシールするシール部材及びベアリング等の消耗部品を交換作業が容易であり、メンテナンスコストを低減することが可能な二重弁栓装置を提供する。
【解決手段】 液体製品が流通する複数の管路と、上記複数の管路の間に設けられた弁座部と、上記弁座部を開閉可能に閉止しうる上部弁体部及び下部弁体部と、上記上部弁体部及び下部弁体部を開閉駆動しうる駆動装置とを備え、上記上部弁体部は上部弁体を有する上部ステムにより構成されると共に上記下部弁体部は下部弁体を有する下部ステムにより構成され、複数の管路の流路切替制御を行う二重弁栓装置であって、定置洗浄を行う際に使用される洗浄液漏出防止のためのシール部材とベアリングが、上記下部ステムに配設された構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体製品が流通する複数の管路の流路切替制御を行う二重弁栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の二重弁栓装置70は、図3に示すとおり、液体製品が流通する複数の上方管路71と、下方管路72と、上記複数の管路の間に設けられた上方弁座部73と下方弁座部74と、上記上下弁座部73,74を夫々開閉可能に閉止しうる上部弁体部75及び下部弁体部76と、円柱状に形成され、上記上部弁体部75及び下部弁体部76を開閉駆動しうる駆動装置77と、中空円筒状に形成され、上記駆動装置77下端部に接合された接続軸部材78と、上記接続軸部材78よりも大径の円筒状に形成され、上下端部にフランジ79、80を有し、上端部のフランジ79によって上記駆動装置77の下端周縁部に固定されると共に、下端部のフランジ80によって管路開口部81に固定された管路接続部材82とを備えている。
上記上部弁体部75は上部弁体83を有する上部ステム84により構成され
ると共に、上記下部弁体部76は下部弁体85を有する下部ステム86により構成されている。
上記上部ステム84は、円筒状の外筒84aと、上記外筒84aの内方に重なって配設され、上記外筒84aよりも大きな長さ寸法を有し、上端部が上記外筒84aから上方に突出して配設された内筒84bとから形成され、上部内筒84bの上端側内周面部と上記接続軸部材78の下端側外周面部とが螺合されて固定されていると共に、上記内筒84bの下端部には上方側中空ボルト87aとリング部材87bを介して固定され、上部弁体83を形成する上部ステムパッキン88とを有している。
上記下部ステム86は、上記上方側中空ボルト87aと上部ステム84内を貫通して上記接続軸部材78内に挿通して固定され、駆動機構を構成する駆動軸部89に着脱可能に接合固定される上部ステム挿通部90と、上記上部ステム挿通部90の下端部に形成され、下部弁体85を形成するフランジ部91と、上記フランジ部91の下方において幅方向に膨出して延設された下部ステム本体部92と、上記フランジ部91に下方側中空ボルト93を介して固定され、下部弁体85を形成する下部ステムパッキン94とを有している。
上記接続軸部材78の長さ方向において、上記上部ステム84が上記接続軸
部材78に固定された状態における上記外筒84aの上端部と同位置には、定置洗浄液供給用孔部95が設けられ、下端部には漏出洗浄液検知孔96が設けられている。
上記定置洗浄液供給用孔部95を挟み、上記管路接続部材82の内周面部と、上記内筒84bの外周面部、及び上記外筒84a外周面部との間において定置洗浄液の漏出をシールするOリングとしてのOリング97,98が配設されている。
また、上記上方側中空ボルト87aの外周面部には、上記内筒84bの内周面部との間において定置洗浄液の漏出をシールするOリング99が設けられている。
また、上記上方側中空ボルト87aの内周面部の下方端部には、上部ステム挿通部90の外周面部との間において定置洗浄液の漏出をシールするOリング100が設けられ、上記Oリング100の上方には、上部ステム挿通部90を摺動させうるベアリング101が設けられている。
さらに、上記内筒84bの外周面部には、上記リング部材87bの外周面部との間において、定置洗浄液の漏出をシールするOリング102が設けられている。
【0003】
上部弁体83と下部弁体85間の定置洗浄(CIP)を行う場合は、定置洗浄液供給用孔部95から洗浄液が注入される。
注入された洗浄液は、上部ステム84の内筒84bと外筒84aとの間隙部103を経由し、上記内筒84bの下端部に設けられた孔部104を経由して上部弁体83,及び下部弁体85の間隙を洗浄し、上記下部ステム本体部92内の排出路106を経由して排出口105より排出される。
Oリング98のシールが不良となった場合は、漏出した洗浄液が漏出洗浄液検知孔96から排出されることで、漏出が検知できる。
【0004】
定置洗浄が繰り返されると、上記Oリング97,98,99,100,102は摩耗又は熱等によって次第に劣化し、また上部ステム挿通部90が摺動することによって上記ベアリング101も同様に劣化することから、夫々定期的な交換が必要となる。
【0005】
上記Oリング97,98,99,100,102及び、ベアリング101の交換作業は、以下の手順で行われる。
図3に示すとおり、まず、クランプ107,108を外し、上方管路71,下方管路72を取り外す。
次に上部ステム挿通部90を駆動軸部89から外すことで、下部ステム86を取り外し、続いて上部ステム84を接続軸部材78から取り外す。
上記の段階で、Oリング97の交換が可能となる。
続いて、図3に示すとおり、フランジ79で固定されている駆動装置77を取り外すことで接続軸部材78が駆動装置77と共に外れ、Oリング97の交換が可能となる。
更に、上部ステム84を、上方側中空ボルト87aとリング部材87b、上部ステムパッキン88を取り外すことで分解することで、Oリング99,100,102及びベアリング101の交換が可能となる。
【0006】
上記のように、定置洗浄液のOリング97,98,99,100,102及び、ベアリング101の交換作業は、下部ステム86を取り外した後、更に上部ステム84を分解して行う必要がある。
また、上部ステム84の取り外し及び、上方側中空ボルト87aの取り外し作業には専用工具等が必要であることから、非常に時間と手間を要し、メンテナンスコストの増大要因となりうるという不具合を有していた。
また、交換対象のOリングの点数が多いことも、メンテナンスコストの増大要因の一つとなっていた。
更に、Oリング97,98,99,100,102が異なる部品に配設されているため、各Oリングの規格が夫々異なり、複数種類のOリングを在庫として管理する必要が生じ、在庫管理コストの要因となっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、定置洗浄液をシールするシール部材、及びベアリング等の消耗部品の交換作業が容易であり、メンテナンスコストを低減することが可能な二重弁栓装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係る二重弁栓装置は、液体製品が流通する複数の管路と、上記複数の管路の間に設けられた弁座部と、上記弁座部を開閉可能に閉止しうる上部弁体部及び下部弁体部と、上記上部弁体部及び下部弁体部を開閉駆動しうる駆動装置とを備え、上記上部弁体部は上部弁体を有する上部ステムにより構成されると共に上記下部弁体部は下部弁体を有する下部ステムにより構成され、複数の管路の流路切替制御を行う二重弁栓装置であって、定置洗浄を行う際に使用される洗浄液漏出防止のためのシール部材とベアリングが、上記下部ステムに配設されていることを特徴とする
【0009】
また、請求項2記載の発明に係る二重弁栓装置は、上記駆動装置に接続され、中空に形成された接続軸部材と、上端部は上記接続軸部材の下端部に接合されると共に、下端部には上方側中空ボルトを介して固定され、上部弁体を形成する上部ステムパッキンを有する上部ステムと、上記上部ステム内を貫通して上記接続軸部材内に挿通され、駆動機構を構成する駆動軸部に接合されると共に、下方側中空ボルトを介して固定され、下部弁体を形成する下部ステムパッキンを有する下部ステムとを備えていることを特徴とする。
【0010】
従って、下部ステムを取り外すだけで、洗浄液漏出防止のためのシール部材とベアリングを交換することができる。
【0011】
また、請求項3記載の発明に係る二重弁栓装置は、上記上部ステムは円筒状に形成されると共に上記接続軸部材は中空細長円筒状に形成され、上記接続軸部材は上記上部ステムの上端部側において上部ステムに固定され、上記下部ステムは、上記上方側中空ボルト及び上部ステム内を貫通して上記接続軸部材内に配置される上部ステム挿通部と、上記上部ステム挿通部の下端部に形成され、下部弁体を形成するフランジ部と、上記フランジ部の下方において幅方向に膨出して延設された下部ステム本体部とを有し、上記接続軸部材内に配置される部位には接続軸部材内面部との間をシールしうるシール部材が配設され、上記上方側中空ボルト内に配置される部位には上記上方側中空ボルトの内面部との間をシールしうるシール部材が配設されると共に、上記ステムボルト内面部との間で摺動しうるベアリングが配設されていることを特徴とする。
【0012】
従って、定置洗浄液のシール部材の配設場所が上記下部ステムにおいて上記接続軸部材内に配置される上部ステム挿通部に限定されるため、共通の径寸法のシール部材を使用することが可能となる。
【0013】
また、請求項4記載の発明に係る二重弁栓装置は、上記下部ステムの上部ステム挿通部の先端部には、幅方向に、上記下部ステム内部の洗浄液供給路に連通する定置洗浄液供給用の孔部が設け、上記接続軸部材には、上記定置洗浄液供給用孔部と連通する定置洗浄液注入口と、上記定置洗浄液注入口の下部に設けられた漏出洗浄液検知孔が設けられ、上記シール部材は上記定置洗浄液供給用孔部を挟んで複数設けられていると共に、上記下部ステムの下端部に設けられたベアリングの下方に上記シール部材が設けられていることを特徴とする。
【0014】
従って、定置洗浄液のシール部材の配設箇所が限定され、シール部材の部品点数を減少させることが可能となる。
【0015】
また、請求項5記載の発明に係る二重弁栓装置は、上記シール部材は弾性体で形成されたOリングであると共に、上記ベアリングは合成樹脂で形成されたリング部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明にあっては、定置洗浄を行う際に使用される洗浄液漏出防止のためのシール部材とベアリングが、上記下部ステムに配設されており、また請求項2の発明にあっては、上記駆動装置に接続され、中空に形成された接続軸部材と、上端部は上記接続軸部材の下端部に接合されると共に、下端部には上方側中空ボルトを介して固定され、上部弁体を形成する上部ステムパッキンを有する上部ステムと、上記上部ステム内を貫通して上記接続軸部材内に挿通され、駆動機構を構成する駆動軸部に接合されると共に、下方側中空ボルトを介して固定され、下部弁体を形成する下部ステムパッキンを有する下部ステムとを備えていることから、下部ステムの取り外しのみで定置洗浄液のシール部材の交換が可能となり、交換作業が容易となると共に、メンテナンス時間を削減することで、メンテナンスコスト低減することが可能となる。
【0017】
また装置組立て時にも、シール部材の取付け位置が下部ステムに集中することから、シール部材の取付け作業も容易となる。
【0018】
また、請求項3の発明にあっては、上記上部ステムは円筒状に形成されると共に上記接続軸部材は中空細長円筒状に形成され、上記接続軸部材は上記上部ステムの上端部側において上部ステムに固定され、上記下部ステムは、上記上方側中空ボルト及び上部ステム内を貫通して上記接続軸部材内に配置される上部ステム挿通部と、上記上部ステム挿通部の下端部に形成され、下部弁体を形成するフランジ部と、上記フランジ部の下方において幅方向に膨出して延設された下部ステム本体部とを有し、上記接続軸部材内に配置される部位には接続軸部材内面部との間をシールしうるシール部材が配設され、上記上方側中空ボルト内に配置される部位には上記上方側中空ボルトの内面部との間をシールしうるシール部材が配設されると共に、上記ステムボルト内面部との間で摺動しうるベアリングが配設されていることから、請求項1,2の発明の効果に加え、共通の径寸法を有するシール部材を多数使用することが可能となり、消耗品のコストを低減できると共に、メンテナンス費用、及び在庫管理コストをより低減することが可能となる。
【0019】
また、請求項4、及び5の発明にあっては、上記下部ステムの上部ステム挿通部の先端部には、幅方向に、上記下部ステム内部の洗浄液供給路に連通する定置洗浄液供給用の孔部が設けられると共に、下端部には、定置洗浄液出口用の孔部が設けられ、上記接続軸部材には、上記定置洗浄液供給用孔部と連通する定置洗浄液注入口と、上記定置洗浄液注入口の下部に設けられた漏出洗浄液検知孔が設けられ、上記シール部材は上記定置洗浄液供給用孔部を挟んで複数設けられていると共に、上記下部ステムの下端部に設けられたベアリングの下方に上記シール部材が設けられていることから、請求項1〜3の効果に加え、従来品よりもシール部材の点数を削減することが可能であり、消耗品の製造コスト及びメンテナンスコストをより低減することが可能となる。
【0020】
また、請求項6の発明にあっては、上記シール部材は弾性体で形成されたOリングであると共に、上記ベアリングは合成樹脂で形成されたリング部材であることから、消耗品の製造コストを、より低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1に示すとおり、本発明に係る二重弁栓装置10は、液体製品が流通する上方管路11と下方管路12と、上記管路11,12の間に設けられた弁座部13a、13bと、上記弁座部13a,13bを開閉可能に閉止しうる上部弁体部14及び下部弁体部15と、上記上部弁体部14及び下部弁体部15を開閉駆動しうる駆動装置16とを備え、上記上部弁体部14は上部弁体17を有する上部ステム18により構成されると共に上記下部弁体部14は下部弁体19を有する下部ステム20により構成されている。
上記上部ステム18の上端部は、上記駆動装置16に連設され、中空に形成された接続軸部材21の下端部に接合されると共に、下端部には上方側中空ボルト22を介して固定され、上部弁体17を形成する上部ステムパッキン23を有している。
また上記下部ステム20は、上記上部ステム18内を貫通して上記接続軸部材21内に挿通され、駆動機構を構成する駆動軸部24に螺合して固定されると共に、下方側中空ボルト25を介して固定され、下部弁体19を形成する下部ステムパッキン26を有している。
また、上記上部ステム18は円筒状に形成されると共に上記接続軸部材21は中空細長円筒状に形成され、上記接続軸部材21は上記上部ステム18の上端部側において上部ステム18内に挿入された状態で固定されている。
上記下部ステム20は、上記上方側中空ボルト22及び上部ステム18内を貫通して上記接続軸部材21内に配置される上部ステム挿通部27と、上記上部ステム挿通部27の下端部に形成され、下部弁体19を形成するフランジ部28と、上記フランジ部28の下方において幅方向に膨出して延設された下部ステム本体部29とを有している。
上記下部ステム20の上部ステム挿通部27の先端部には、幅方向に、上記下部ステム20の洗浄液供給路30に連通する定置洗浄液供給用の孔部31aが、上記接続軸部材21には、上記定置洗浄液供給用孔部31aと連通する定置洗浄液注入口32と、上記定置洗浄液注入口32の下部に設けられた漏出洗浄液検知孔33が設けられている。
上記上部ステム挿通部27には、上記接続軸部材21内に配置される部位において、上記定置洗浄液供給用孔部31aと上記漏出洗浄液検知孔33を挟んだ箇所に、上記接続軸部材21の内面部との間をシールしうる弾性体で形成されたOリングのシール部材34,35,36が配設されると共に、上記下部ステム20の上記上部ステム挿通部27の下端部に設けられた合成樹脂性のベアリング38の下方に、上記上方側中空ボルト22の内面部との間をシールしうる弾性体で形成されたOリングのシール部材37が設けられている。
【実施例】
【0022】
上記構成による実施例の構成について説明する。
図1に示すとおり、本実施例における二重弁栓装置10は、駆動装置16に連接した管路接続部39の下端フランジ40と、上方管路11の開口部41のフランジ42とがクランプ43によって圧着固定される共に、下方管路12の開口部44の下方に配設され、下部ステム本体部29が挿入された円筒状のカバー部材45の上端フランジ46と上記下方管路12の開口部44のフランジ47とがクランプ48によって圧着固定されることで組み立てられている。
上部ステム挿通部27外周面部上のOリング34,35は、上記定置洗浄液供給用孔部31aの上部及び下部に配置され、Oリング36は上記Oリング35のシール不良時に、漏出液を上記漏出洗浄液検知孔33に誘導するため、上記漏出洗浄液検知孔33の下部に配置されている。
上記上部ステム挿通部27の内部には、上記定置洗浄液注入口32、及び上記定置洗浄液供給用の孔部31aを経由して注入された洗浄液を下部に供給する洗浄液供給路30が軸方向に沿って設けられ、上記上部ステム挿通部27の下端部には、上記洗浄液供給路30を経由して供給された洗浄液を上部弁体17と下部弁体19間に流出させる定置洗浄液出口用の孔部31bが設けられている。
また、上部弁体17と下部弁体19の間を洗浄した洗浄液が上記上部ステム18内部に浸潤することを防止するOリング37が、上部ステム挿通部27下方端に配置され、下部ステム本体部29内には、軸方向に沿って洗浄液の排出路49が設けられ、洗浄液排出路49の下端部には、洗浄液出口50が設けられている。
【0023】
上記構成において、上部弁体17と下部弁体19の間隙部の定置洗浄を行う場合は、上記接続軸部材21の定置洗浄液注入口32から洗浄液が注入される。
注入された洗浄液は、定置洗浄液供給用孔部31a、及び上記上部ステム挿通部27の洗浄液供給路30を介して、定置洗浄液出口用孔部31bから流出し、上部弁体17と下部弁体19の間を洗浄し、下部ステム本体部29内の排出路49を経由して排出口50より排出される。
この間、上記Oリング34,35によって、上記接続部材21と上記上部ステム挿通部27との間隙において洗浄液の流出がある場合であっても、洗浄液の外部漏出が防止される。
また、上記Oリング37によって、上記上方側中空ボルト22と、上記上部ステム挿通部27との間の間隙において、定置洗浄液の漏出がある場合であっても、上部ステム17内部への洗浄液漏出が防止される。
更に、上記Oリング36によって、上記Oリング35が破損した場合であっても、漏出した洗浄液が上部ステム18内部に漏出することが防止され、速やかに漏出洗浄液検知孔33より排出されることで、Oリング35の破損が迅速に検知できる。
【0024】
また、上記構成において、Oリング34〜37及び、ベアリング38の交換を行う手順について以下説明する。
図1、及び図2に示すとおり、上記Oリング34〜37及び、ベアリング38を交換する場合は、クランプ43を緩め、駆動装置16を把持して上方に引き抜くことで、駆動装置16、上部弁体部14及び下部弁体部15から、管路11、12を取り外すことができる。
次に、駆動装置16の先端部を工具等によって固定させた後、下部ステム20を回転させて駆動軸部24との螺合を解除しする。
上記の後、下部ステム20を把持して、上部ステム挿通部27を引き抜ことで、下部ステム20を取り外すことができる。
上記の段階において、上記上部ステム挿通部27の外周面部に配置された、Oリング34〜37及び、ベアリング38の取り外し、及び交換作業が可能となり、従来製品では必要であった、上部ステム18の取り外し、及び分解作業は不要となる。
【0025】
従って、従来製品と比較して、消耗部品の交換作業が格段に短縮され、メンテナンスに要するコストを大幅に削減することができる。
また、Oリングが全て同一の部品に装着されているため、形状や寸法等の規格を統一することが可能となる、
従って、複数の在庫部品を用意する必要が無くなり、在庫管理コストを削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は液体製品が流通する複数の管路の流路切替制御を行う二重弁栓装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る二重弁栓装置の一実施の形態を示し、実施例1の形態における長さ方向側方断面図である。
【図2】本発明に係る二重弁栓装置の一実施の形態を示し、実施例1の形態において、構成部品毎に分解し、装着順に長さ方向に並べた状態の、長さ方向側方断面図である。
【図3】従来の二重弁栓装置の長さ方向側方断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 二重弁栓装置
11 上方管路
12 下方管路
13a上方弁座部
13b下方弁座部
14 上部弁体部
15 下部弁体部
16 駆動装置
17 上部弁体
18 上部ステム
19 下部弁体
20 下部ステム
21 接続軸部材
22 上方側中空ボルト
23 上部ステムパッキン
24 駆動軸部
25 下方側中空ボルト
26 下部ステムパッキン
27 上部ステム挿通部
28 フランジ部
29 下部ステム本体部
30 洗浄液供給路
31a定置洗浄液供給用孔部
31b定置洗浄液出口用孔部
32 定置洗浄液注入口
33 漏出洗浄液検出孔
34 シール部材(Oリング)
35 シール部材(Oリング)
36 シール部材(Oリング)
37 シール部材(Oリング)
38 ベアリング
39 管路接続部
40 管路接続部下端フランジ
41 上方管路の開口部
42 上方管路の開口部フランジ
43 クランプ
44 下方管路の開口部
45 カバー部材
46 カバー部材の上端フランジ
47 下方管路の開口部フランジ
48 クランプ
49 洗浄液排出路
50 洗浄液排出口
70 従来の二重弁栓装置
71 上方管路
72 下方管路
73 上方弁座部
74 下方弁座部
75 上部弁体部
76 下部弁体部
77 駆動装置
78 接続軸部材
79 フランジ
80 フランジ
81 管路開口部
82 管路接続部材
83 上部弁体
84 上部ステム
84a上部ステム外筒
84b上部ステム内筒
85 下部弁体
86 下部ステム
87a上方側中空ボルト
87bリング部材
88 上部ステムパッキン
89 駆動軸部
90 上部ステム挿通部
91 下部ステムフランジ部
92 下部ステム本体部
93 下方側中空ボルト
94 下部ステムパッキン
95 定置洗浄液供給用孔部
96 漏出洗浄液検出孔
97 Oリング
98 Oリング
99 Oリング
100 Oリング
101 ベアリング
102 Oリング
103 上部ステム84の内筒84bと外筒84a間の間隙部
104 孔部
105 洗浄液排出口
106 洗浄液排出路
107 クランプ
108 クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体製品が流通する複数の管路と、上記複数の管路の間に設けられた弁座部と、上記弁座部を開閉可能に閉止しうる上部弁体部及び下部弁体部と、上記上部弁体部及び下部弁体部を開閉駆動しうる駆動装置とを備え、上記上部弁体部は上部弁体を有する上部ステムにより構成されると共に上記下部弁体部は下部弁体を有する下部ステムにより構成され、複数の管路の流路切替制御を行う二重弁栓装置であって、定置洗浄を行う際に使用される洗浄液漏出防止のためのシール部材とベアリングが、上記下部ステムに配設されていることを特徴とする二重弁栓装置。
【請求項2】
上記駆動装置に接続され、中空に形成された接続軸部材と、
上端部は上記接続軸部材の下端部に接合されると共に、下端部には上方側中空ボルトを介して固定され、上部弁体を形成する上部ステムパッキンを有する上部ステムと、上記上部ステム内を貫通して上記接続軸部材内に挿通され、駆動機構を構成する駆動軸部に接合されると共に、下方側中空ボルトを介して固定され、下部弁体を形成する下部ステムパッキンを有する下部ステムとを備えていることを特徴とする請求項1記載の二重弁栓装置。
【請求項3】
上記上部ステムは円筒状に形成されると共に上記接続軸部材は中空細長円筒状に形成され、上記接続軸部材は上記上部ステムの上端部側において上部ステムに固定され、
上記下部ステムは、上記上方側中空ボルト及び上部ステム内を貫通して上記接続軸部材内に配置される上部ステム挿通部と、上記上部ステム挿通部の下端部に形成され、下部弁体を形成するフランジ部と、上記フランジ部の下方において幅方向に膨出して延設された下部ステム本体部とを有し、上記接続軸部材内に配置される部位には接続軸部材内面部との間をシールしうるシール部材が配設され、上記上方側中空ボルト内に配置される部位には上記上方側中空ボルトの内面部との間をシールしうるシール部材が配設されると共に、上記ステムボルト内面部との間で摺動しうるベアリングが配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重弁栓装置。
【請求項4】
上記下部ステムの上部ステム挿通部の先端部には、幅方向に、上記下部ステム内部の洗浄液供給路に連通する定置洗浄液供給用の孔部が設けられ、上記接続軸部材には、上記定置洗浄液供給用孔部と連通する定置洗浄液注入口と、上記定置洗浄液注入口の下部に設けられた漏出洗浄液検知孔が設けられ、上記シール部材は上記定置洗浄液供給用孔部を挟んで複数設けられていると共に、上記下部ステムの上部ステム挿通部の下端部に設けられたベアリングの下方に上記シール部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載の二重弁栓装置。
【請求項5】
上記下部ステム内には、長さ方向に沿って、注入された定置洗浄液を弁体部へ供給する洗浄液供給路が設けられていることを特徴とする請求項4記載の二重弁栓装置。
【請求項6】
上記シール部材は弾性体で形成されたOリングであると共に、上記ベアリングは合成樹脂で形成されたリング部材であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項記載の二重弁栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−108975(P2009−108975A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284027(P2007−284027)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000157946)岩井機械工業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】