説明

二重構造スクイズ容器

【課題】 、簡単な構造で製造が容易であり、確実な注出動作が可能な二重構造スクイズ容器を提供する。
【解決手段】 柔軟な袋体12に筒状の注出口14が設けられた内容器16と、内容器16を覆い復元可能にスクイズ性を有する外容器34とから成る。内容器16の注出用ノズル部26には、注出口14の端部で円錐状側面を有して外方に突出する注出用弁突起20と、内容器12の内側と外側を連通する注出用透孔22と、弾力性を有し注出用弁突起20の側面に嵌合孔30が密着する逆止弁部材28を有する。外容器34は、内容器16の注出口14が挿通される挿通部45と、外容器内に外気を入れる吸気部51を有する。吸気部51には、円錐状側面を有して外容器34の内側に突出する吸気用弁突起54と、外容器34の内側と外側を連通する吸気用透孔52と、吸気用弁突起54の側面に嵌合孔30が密着する逆止弁部材28を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体の食品や化粧品その他の流動性材料を収容し、収容物を注出可能な二重構造スクイズ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体の食品や化粧品その他の流動性材料を収容する袋状容器がある。袋状容器は、柔軟な合成樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属蒸着が施されたラミネート材で作られた袋体に、合成樹脂製の筒状の注出口が取り付けられ、注出口にはキャップが螺合されて着脱自在に設けられている。このような袋状容器は、内容物が外気に触れることがないという特性を持ち、かつ柔軟変形性を有することから、液体やゼリー状の商品に最適な容器として広く使用されている。さらに、以下の特許文献に開示されているように、これらの袋状容器を内容器として用いて、その外側に復元可能にスクイズ性を有する外容器を設け、この外容器内に内容器を気密に取り付けた二重構造スクイズ容器がある。
【0003】
この二重構造スクイズ容器には、外容器の側面などに外側から空気が流入可能で逆流を防止する逆止弁が付いた吸気部が設けられ、さらに袋状容器の注出口も、内容物が注出可能で逆流を防止する逆流防止構造となっている。この二重構造スクイズ容器の使用方法は、外容器の押圧操作により外容器内のエアーが圧縮されて正圧が生じ、外容器内の正圧を介して袋状の内容器を押圧し、内容物を注出する。外容器への押圧を解除すると、外容器は元の容積形状に復元しはじめて、外容器には負圧が生じ、逆止弁から外気が流入して負圧は解除され、外容器は元の形状に復元される。
【特許文献1】特開2003−321038号公報
【特許文献2】特開2003−12050号公報
【特許文献3】特開平9−1240510号公報
【特許文献4】特開平5−16950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の各特許文献に開示されている技術の場合、外容器に取り付けられ空気が流入する逆止弁や注出口の逆流防止構造、及びその付近の容器構造が複雑で、コストがかかるものである。また、比較的簡単な構造の逆止弁や逆流防止部材は、逆流防止機能が十分ではなかった。
【0005】
この発明は、前記従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構造で製造が容易であり、確実な注出動作が可能な二重構造スクイズ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、柔軟な袋体に筒状の注出口が設けられた内容器と、前記内容器を覆い復元可能にスクイズ性を有する外容器とから成り、前記内容器の注出口に注出用ノズル部が設けられ、前記注出用ノズル部には、前記注出口端部で円錐状側面を有して外方に突出する注出用弁突起と、前記注出用弁突起近傍に形成され前記内容器の内側と外側を連通する注出用透孔と、弾力性を有し前記注出用透孔を塞ぐとともに前記注出用弁突起の側面に嵌合孔が密着する逆止弁部材を設け、前記外容器は、前記内容器の前記注出口が気密状態で嵌合し外側へ挿通される挿通部と、前記外容器内に外気を入れる吸気部を有し、前記吸気部には、円錐状側面を有して前記外容器の内側に突出する吸気用弁突起と、前記吸気用弁突起近傍に形成され前記外容器の内側と外側を連通する吸気用透孔と、弾力性を有し前記吸気用透孔を塞ぐとともに前記吸気用弁突起の側面に嵌合孔が密着する逆止弁部材を設け、前記注出用ノズル部は、前記外容器に力が加えられて前記内容器の内容物がスクイズされるときに前記逆止弁部材が開き、前記吸気部は、前記外容器内が負圧となるときに前記逆止弁部材が開く二重構造スクイズ容器である。
【0007】
さらに、前記内容器の前記注出口と前記注出用弁突起、及び前記外容器の蓋部材と前記吸気用弁突起は、各々合成樹脂により一体成型されていても良い。
【0008】
またこの発明は、柔軟な袋体に筒状の注出口が設けられた内容器と、前記内容器を覆い復元可能にスクイズ性を有する外容器とから成り、前記外容器には中栓部材を備え、この中栓部材に前記内容器の注出口が嵌合し、前記中栓部材には、前記注出口内に注出用ノズル部が設けられ、前記注出用ノズル部には、前記注出口端部で円錐状側面を有して外方に突出する注出用弁突起と、前記注出用弁突起近傍に形成され前記内容器の内側と外側を連通する注出用透孔と、弾力性を有し前記注出用透孔を塞ぐとともに前記注出用弁突起の側面に嵌合孔が密着する逆止弁部材を設け、前記外容器は内側に外気を入れる吸気部を有し、前記吸気部には、円錐状側面を有して前記外容器の内側に突出する吸気用弁突起と、前記吸気用弁突起近傍に形成され前記外容器の内側と外側を連通する吸気用透孔と、弾力性を有し前記吸気用透孔を塞ぐとともに前記吸気用弁突起の側面に嵌合孔が密着する密着する逆止弁部材を設け、前記各逆止弁部材の嵌合孔の内周面に、前記注出用弁突起と前記吸気用弁突起の側面が各々密着し、前記注出用ノズル部は、前記外容器に力が加えられて前記内容器の内容物がスクイズされるときに前記逆止弁部材が開き、前記吸気部は、前記外容器内が負圧となるときに前記逆止弁部材が開く二重構造スクイズ容器である。
【0009】
さらに、前記外容器の前記中栓部材と前記注出用弁突起、及び前記外容器の蓋部材と前記吸気用弁突起は、各々合成樹脂により一体成型されていても良い。
【0010】
また、前記注出用弁突起と前記吸気用弁突起は同じ形状であり、共通部品の前記逆止弁部材が各々取り付けられるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の二重構造スクイズ容器は、簡単な構造により、外容器をスクイズするだけの簡単な操作で内容器の中身を、最後まできれいに注出することができる。しかも、製造が容易でありコストも安価であり、使いやすく、逆流防止効果も高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の二重構造スクイズ容器10は、柔軟な合成樹脂フィルムや金属蒸着が施された樹脂フィルムのラミネート材等で作られた袋体12に、やや固い合成樹脂製の筒状の注出口14が取り付けられた内容器16が設けられている。注出口14の外周面には、後述するキャップ60が螺合される雄ねじ18が形成されている。
【0013】
注出口14の内周面には、注出口14の上端面14aよりもわずかに袋体12側の内側に、注出口14の内外を隔てる仕切部15が注出口14と一体に形成されている。仕切部15の中心には、袋体12の外側へ突出する円錐状側面の注出用弁突起20が、注出口14と一体成型されて設けられている。注出用弁突起20の先端は、注出口14の上端面14aよりも袋体12側に位置している。仕切部15には、注出用弁突起20の外周に沿って、互いに等間隔に4個の注出用透孔22が形成され、注出口14の内側と外側を連通している。注出口14の上端面14aには、後述する逆止弁部材28を係止する係止溝24が、注出用弁突起20と注出用透孔22の周囲を一周して形成されている。
【0014】
注出口14の上端面14aには、柔軟な合成樹脂やゴム等の弾性材料で作られた逆止弁部材28が設けられ、注出用弁突起20とともに注出用ノズル部26を形成している。この注出用ノズル部26は、断面が略M字状の逆止弁部材28が係止溝24に嵌合し、逆止弁部材28の中央部の嵌合孔30の円錐状内面に、円錐状側面に形成された注出用弁突起20が液密状態で嵌合する。逆止弁部材28の周縁部は、注出用弁突起20から離れるに従い注出口14の上端面14a側に近づくすり鉢状に形成されて注出用透孔22を覆い、さらに周縁部には、袋体12方向へ延出する円筒状の差込部32が設けられている。嵌合孔30の周縁から差込部32までの部分は薄肉に形成され、弾性変形が容易な形状に設けられている。差込部32は、注出口14の係止溝24に差し込まれて係止されるものであり、差込部32の先端付近には、係止溝24の内側凹部に係止する凸部が一周して形成されている。
【0015】
内容器16の外側には、内容器16の袋体12とほぼ同じ長さの外容器34が設けられている。外容器34は、有底筒状の外容器本体36を備え、外容器本体36は、適度な柔軟性を持ち、復元可能にスクイズ性を有している。外容器本体36の上端部には径が少し小さい円筒状の連結部38が一体に形成され連結部38の外周面には、雄ねじ40が一体に形成されている。
【0016】
外容器本体36の雄ねじ40には、蓋部材42が螺合して取り付けられている。蓋部材42には、連結部38を閉鎖する天面部44が設けられ、天面部44の中央には、外容器本体36の上方に突出する円筒状の挿通部45が一体に形成されている。天面部44の周縁部は、外容器本体36の連結部38に嵌合可能に外側に位置し、連結部38を覆う円筒状の側面部46が設けられている。側面部46の内周面には、連結部38の雄ねじ40に螺合される雌ねじ48が形成されている。天面部44の、外容器本体36側の面には、連結部38の内周面に密着する短い円筒状の取付部50が一体に設けられている。
【0017】
天面部44の、注出口14と側面部46の間には、吸気部51が設けられている。吸気部51は、天面部44から外容器本体36内に連通するように形成されている。吸気部51に囲まれた天面部44の裏面側には、外容器本体36側に円錐状に突出する吸気用弁突起54が、蓋部材42と一体成型により設けられている。吸気用弁突起54は、内容器16の注出口14に形成された注出用弁突起20と同形であり、上下逆向きに位置している。吸気用弁突起54の先端は、吸気部51の下端面51aよりも天面部44側に位置している。吸気部51の天面部44には、吸気用弁突起54の外周に沿って、互いに等間隔に4個の吸気用透孔52が設けられている。吸気用透孔52は注出用透孔22と同じ形で同じ数が設けられている。吸気部51の下端面51aには、上述の逆止弁部材28を係止する係止溝56が、吸気用弁突起54と吸気用透孔52の周囲を一周して形成されている。逆止弁部材28の嵌合孔30は、吸気用弁突起54の側面に密着し、吸気用透孔52を覆い、吸気用ノズル部材の係止溝56に差し込まれて係止されている。
【0018】
蓋部材42には、内容器16の注出口14が、挿通部45に密着して挿通され、外容器34の外側に引き出されている。引き出され注出口14には、キャップ60が螺合して取り付けられる。キャップ60は、注出口14を閉鎖する天面62と、円筒形の側面部64が設けられ、側面部64の内周面には注出口14の雄ねじ18に螺合する雌ねじ66が形成されている。
【0019】
次に、この実施形態の二重構造スクイズ容器10の使用方法について説明する。内容器16の袋体12の中に液体状またはゼリー状の飲料やケチャップ、油等を入れて外容器34の外容器本体36に入れる。外容器本体36に、蓋部材42を螺合して閉め、このとき内容器16の注出口14を、蓋部材12の挿通部45に気密に挿通して蓋部材42の外側に引き出す。引き出された注出口14に、キャップ60を螺合して閉鎖する。
【0020】
そして、内容物を取り出すときは、キャップ60を外し、外容器本体36の側面を把持して押圧する。外容器本体36の押圧操作により外容器本体36内のエアーは圧縮されて正圧が生じ、外容器本体36内の正圧を介して内容器16の袋体12が押圧される。袋体12内の内容物の圧力が高められると、注出口14の注出用透孔22から内容物が出ようとする。そして内容物の圧力により注出用ノズル部26の逆止弁部材28が外方に弾性変形し、逆止弁部材28の嵌合孔30と注出用弁突起20の間に隙間が生じ、この隙間から内容物が流れ出して嵌合孔30から内容物が押し出される。このとき、吸気部51は閉じている。
【0021】
二重構造スクイズ容器10から任意の量の内容物を取り出した後、外容器本体36の押圧を解除すると、外容器本体36は押されて生じた変形が元の容積形状に復元しはじめて、外容器本体36内には負圧が生じる。すると、内容器16の袋体12内も負圧になり、注出用ノズル部26の逆止弁部材28の変形が復元して、逆止弁部材28の嵌合孔30が注出用弁突起20に再び密着し、空気の流れや一度外気に触れた内容物の逆流を防ぐ。
【0022】
また、外容器本体36内が負圧になるため、蓋部材42の吸気部51の吸気用透孔52から外気が流入する。このとき空気の圧力により吸気用弁突起54に密着している逆止弁部材28が内側に弾性変形して逆止弁部材28の嵌合孔30と吸気用弁突起54の間に隙間が生じ、この隙間から空気が流入して、外容器本体36内の負圧は解除され、外気圧と平衡となり、元の形状に戻る。負圧がなくなると、空気の流入が止まり、逆止弁部材28の弾性変形も元に戻り、再び気密に吸気用弁突起54と密着する。吸気用透孔52は、内容物を押出すときは、逆止弁部材28には内側から圧力を加えられて吸気用弁突起54等に密着し、確実に密閉される。
【0023】
この実施形態の二重構造スクイズ容器10によれば、構造が簡単で生産性に優れている上、内容物を取り出すとき、外容器本体36を把持して押圧するだけで簡単に取り出すことができる。内容物が残り少なくなって袋体12が変形しても、最後まで簡単で綺麗に取り出すことができる。さらに、注出用ノズル部26と吸気部51は、逆止弁部材28以外を、各々注出口14および蓋部材42と一体成形により形成され、これに逆止弁部材28を取り付けるだけであり、部品点数が少なく製造が容易であり、逆流防止機能も高い。しかも、外容器本体36と蓋部材42だけの簡単な構造であり、逆流防止機構のための複雑な形状や部品を必要とせず、構成が簡単であり、この点からも製造が容易である。
【0024】
また外容器本体36は、円筒形で持ちやすく、押圧したときは、内容物の圧力で容易に弾性変形をし、弱い力で楽に袋体12の内容物を押し出すことができる。外容器34の中は、スクイズ後に吸気用透孔52から空気が流入するため、常に元の形状に復元し、次のスクイズが可能である。
【0025】
さらに、逆止弁部材28は柔軟な弾性体で作られているため、高い気密性を保持することができ、内容物の逆流や空気漏れを確実に止めることができ、また迅速かつ確実に注出動作が可能である。また、逆止弁部材28は、弾性的に被着するだけで取付が可能なため製造工程が簡単であり、また共通部品であることから生産効率の向上とイニシャルコストの低減が可能である。さらに、注出用ノズル部26は、注出口14の上端面14aに取り付けられているため、内容物が抽出用ノズル部26の外部に出て、空気に触れている滞留部分を最小限に抑えることができ、衛生的であり、品質劣化も抑えることができる。
【0026】
また、内容器16をレフィルタイプにすれば、容易に交換が可能であり、容器代やゴミの低減に効果がある。
【0027】
なお、この実施形態の二重構造スクイズ容器10は、図3に示すように、注出用ノズル部26が蓋部材42に設けられていても良い。この構造の場合、内容器16の注出口67は筒状に形成され、注出口67の上端面67aは開口されて開口部68となっており、図示しないキャップが取り付けられ、蓋部材42に取り付ける際にキャップを外す。
【0028】
蓋部材42の天面部44に形成された挿通部45には、やや固い合成樹脂製の中栓部材70が一体に取り付けられ、または一体成型により設けられている。中栓部材70には、挿通部45の内側に嵌合される円筒状の取付部72が設けられ、取付部72の上端部には取付部72よりも径が小さい円筒状の注出口74が連続して上方に突出して形成されている。注出口74の上端面74aには、図2の二重構造スクイズ容器10の注出口部分と同様に、仕切部15と、注出用弁突起20、透孔22、係止溝24が形成されている。そして、係止溝24には逆止弁部材28が取り付けられ、注出用ノズル部26が形成されている。
【0029】
図3に示す二重構造スクイズ容器10の使用方法は、取付部72の内周面に、内容器16の注出口67の上端面67a側を、蓋部材42の内側から差し込み、嵌合させて取り付けるものである。
【0030】
中栓70が設けられた二重構造スクイズ容器10の使用方法は、前記実施形態と同様であり、内容物を取り出すときは、外容器本体36を押圧し、これにより内容器16の袋体12の内容物の圧力が高められ、内容器16の注出口67の開口部68から内容物が出る。内容物は中栓70の注出口74内に充満し、内容物の圧力により注出口74の逆止弁部材28が弾性変形し、抽出用ノズル部26の逆止弁部材28の嵌合孔30から押し出される。
【0031】
そして、任意の量の内容物を取り出した後、外容器本体36の押圧を解除すると、蓋部材42の吸気用透孔52から空気が流入し、外容器本体36内の圧力が外気圧と平衡となり、外容器本体36の変形が元に戻る。なた、逆止弁部材28の弾性変形も元に戻り、再び外容器本体36内が気密となる。
【0032】
この、中栓部材70が設けられた二重構造スクイズ容器10によれば、前記実施形態と同様の効果を有し、また袋体12と注出口14からなる容器の商品で、注出用弁突起が設けられていない内容器16でも、注出口67を中栓部材70に取り付けることで二重構造スクイズ容器として使用することができる。なお、中栓部材70は蓋部材44の挿通部45と一体成型されても良い。
【0033】
なお、この発明の二重構造スクイズ容器は、前記実施の形態に限定されるものではなく、各弁突起やノズル部材の形状は、内容物や空気の圧力によって適度な隙間が生じるものであれば自由に変更可能である。外容器の吸気口は、蓋部材以外に、外容器本体の側面や底部等に設けても良く、取り扱いの邪魔にならない位置であれば自由に設定可能である。また、各部材の連結方法は、螺合や嵌合、また気密パッキンなどを介したもの等、確実に気密になるものであれば良い。蓋部材は、例えば外容器の底面に設けることも可能である。注出用弁突起は、内容器の注出口や外容器の中栓部材以外に、外容器の蓋部材の嵌合部に一体に設けられ、嵌合部の内側に内容器の注出口を連結しても良い。注出用ノズル部は、前記実施形態のように内容器に設けられた場合は内容器交換の際に一緒に交換され衛生的に使用可能であり、前記実施形態の変形例のように着脱可能に取り付けられた場合は交換不要となり繰り返し使用されて経済的である。
【0034】
また、注出用ノズル部や吸気部を嵌合可能な別部品としても良く、この場合、逆止弁部材を予め装着しておくことにより、より製造工程が簡単なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の一実施形態の二重構造スクイズ容器の部分破断斜視図である。
【図2】この実施形態の二重構造スクイズ容器の部分拡大縦断面図である。
【図3】この実施形態の変形例の二重構造スクイズ容器の部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 二重構造スクイズ容器
12 袋体
14 注出口
16 内容器
20 注出用弁突起
22 注出用透孔
26 注出用ノズル部
28 逆止弁部材
30 嵌合孔
34 外容器
36 外容器本体
42 蓋部材
45 挿通部
51 吸気部
54 吸気用弁突起
52 吸気用透孔
60 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な袋体に筒状の注出口が設けられた内容器と、前記内容器を覆い復元可能にスクイズ性を有する外容器とから成り、前記内容器の注出口に注出用ノズル部が設けられ、前記注出用ノズル部には、前記注出口端部で円錐状側面を有して外方に突出する注出用弁突起と、前記注出用弁突起近傍に形成され前記内容器の内側と外側を連通する注出用透孔と、弾力性を有し前記注出用透孔を塞ぐとともに前記注出用弁突起の側面に嵌合孔が密着する逆止弁部材を設け、前記外容器は、前記内容器の前記注出口が気密状態で嵌合し外側へ挿通される挿通部と、前記外容器内に外気を入れる吸気部を有し、前記吸気部には、円錐状側面を有して前記外容器の内側に突出する吸気用弁突起と、前記吸気用弁突起近傍に形成され前記外容器の内側と外側を連通する吸気用透孔と、弾力性を有し前記吸気用透孔を塞ぐとともに前記吸気用弁突起の側面に嵌合孔が密着する逆止弁部材を設け、前記注出用ノズル部は、前記外容器に力が加えられて前記内容器の内容物がスクイズされるときに前記逆止弁部材が開き、前記吸気部は、前記外容器内が負圧となるときに前記逆止弁部材が開くことを特徴とする二重構造スクイズ容器。
【請求項2】
前記内容器の前記注出口と前記注出用弁突起、及び前記外容器の蓋部材と前記吸気用弁突起は、各々合成樹脂により一体成型されていることを特徴とする請求項1記載の二重構造スクイズ容器。
【請求項3】
柔軟な袋体に筒状の注出口が設けられた内容器と、前記内容器を覆い復元可能にスクイズ性を有する外容器とから成り、前記外容器には中栓部材を備え、この中栓部材に前記内容器の注出口が嵌合し、前記中栓部材には、前記注出口内に注出用ノズル部が設けられ、前記注出用ノズル部には、前記注出口端部で円錐状側面を有して外方に突出する注出用弁突起と、前記注出用弁突起近傍に形成され前記内容器の内側と外側を連通する注出用透孔と、弾力性を有し前記注出用透孔を塞ぐとともに前記注出用弁突起の側面に嵌合孔が密着する逆止弁部材を設け、前記外容器は内側に外気を入れる吸気部を有し、前記吸気部には、円錐状側面を有して前記外容器の内側に突出する吸気用弁突起と、前記吸気用弁突起近傍に形成され前記外容器の内側と外側を連通する吸気用透孔と、弾力性を有し前記吸気用透孔を塞ぐとともに前記吸気用弁突起の側面に嵌合孔が密着する密着する逆止弁部材を設け、前記各逆止弁部材の嵌合孔の内周面に、前記注出用弁突起と前記吸気用弁突起の側面が各々密着し、前記注出用ノズル部は、前記外容器に力が加えられて前記内容器の内容物がスクイズされるときに前記逆止弁部材が開き、前記吸気部は、前記外容器内が負圧となるときに前記逆止弁部材が開くことを特徴とする二重構造スクイズ容器。
【請求項4】
前記外容器の前記中栓部材と前記注出用弁突起、及び前記外容器の蓋部材と前記吸気用弁突起は、各々合成樹脂により一体成型されていることを特徴とする請求項3記載の二重構造スクイズ容器。
【請求項5】
前記注出用弁突起と前記吸気用弁突起は同じ形状であり、共通部品の前記逆止弁部材が各々取り付けられることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の二重構造スクイズ容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−111335(P2006−111335A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303098(P2004−303098)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000104526)キタノ製作株式会社 (20)
【Fターム(参考)】