説明

二重被覆ケーブル皮むき器

【課題】二重被覆ケーブルの皮むき作業を行う場合でも、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる二重被覆ケーブル皮むき器を提供する。
【解決手段】二重被覆ケーブル皮むき器100であって、回転装置200と取外し可能に接続される接続部115を有する筒体110を備え、筒体110には、第一被覆体21の外径に対応した内径を有する第一挿入孔111と、第二被覆体22の外径に対応した内径を有する第二挿入孔112と、導体23の外径に対応した内径を有する第三挿入孔113とが形成され、さらに、第一挿入孔111に挿入される第一被覆体21の一部を除去するために、少なくとも一部が第一挿入孔111内方に回転軸に対して傾斜して配置される第一刃体121と、第二挿入孔112に挿入される第二被覆体22の一部を除去するために、少なくとも一部が第二挿入孔112内方に回転軸に対して傾斜して配置される第二刃体131とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体を2つの被覆体で被覆した二重被覆ケーブルから、当該2つの被覆体の一部を除去する二重被覆ケーブル皮むき器に関する。
【背景技術】
【0002】
導体が絶縁体などの被覆体で被覆された被覆ケーブル同士を接続する際には、被覆ケーブルから被覆体の一部を剥離除去する必要がある。そして、この被覆ケーブルから被覆体を除去する方法としては、手作業により、ナイフなどを用いて被覆体の皮むきを行う方法がある。しかし、手作業による被覆体の皮むきでは、被覆ケーブルの内層に傷を付ける恐れがあるため、当該皮むき作業に関して習熟した技能を要する。
【0003】
そこで、従来、ナイフなどを使用せずに被覆体を剥離除去することができる被覆ケーブルの皮むき器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この被覆ケーブルの皮むき器を用いることで、ナイフなどを使用する必要がなく、習熟した技能を要することがないため、効率的に被覆ケーブルの皮むき作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−163740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば電力用に使用されるCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)などの被覆ケーブルは、導体が2つの被覆体で被覆された二重被覆ケーブルである。このため、当該二重被覆ケーブル同士を接続する際には、二重被覆ケーブルから当該2つの被覆体を除去する必要がある。
【0006】
また、商用電力系統のうちの低圧幹線分岐系統においては、場所によっては、狭隘箇所(長さ3m×幅1m×高さ1m程度)で、二重被覆ケーブルの接続作業を行わなければならない場合がある。また、当該接続作業には、多いときは、30〜40本の二重被覆ケーブルの皮むき作業が必要である。
【0007】
そして、上記従来の被覆ケーブルの皮むき器では、1本の二重被覆ケーブルに対して、2回の皮むき作業を行わなければならない。このため、上記従来の被覆ケーブルの皮むき器を用いても、この狭隘箇所では、作業姿勢が悪い状態で、多数の二重被覆ケーブルの皮むき作業を行わなければならないため、効率的に当該皮むき作業を行うことができず、非常に時間を要する。
【0008】
このように、従来の被覆ケーブルの皮むき器では、二重被覆ケーブルの皮むき作業を行うのに、時間を要する場合があるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、二重被覆ケーブルの皮むき作業を行う場合でも、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる二重被覆ケーブル皮むき器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る二重被覆ケーブル皮むき器は、導体を外側の第一被覆体と内側の第二被覆体とで被覆した二重被覆ケーブルから、前記第一被覆体及び前記第二被覆体の一部を除去する二重被覆ケーブル皮むき器であって、前記二重被覆ケーブルが挿入される筒体であって、前記筒体を前記二重被覆ケーブルの挿入方向に平行な回転軸まわりに回転させる回転装置と取外し可能に接続される接続部を有する筒体を備え、前記筒体には、中心軸が前記回転軸と同一の軸であるとともに、前記第一被覆体の外径に対応した内径を有する円筒状の第一挿入孔と、中心軸が前記回転軸と同一の軸であるとともに、前記第二被覆体の外径に対応した内径を有する円筒状の第二挿入孔と、中心軸が前記回転軸と同一の軸であるとともに、前記導体の外径に対応した内径を有する円筒状の第三挿入孔とが形成され、前記二重被覆ケーブル皮むき器は、さらに、前記第一挿入孔に挿入される前記二重被覆ケーブルの前記第一被覆体の一部を除去するために、少なくとも一部が前記第一挿入孔内方に前記回転軸に対して傾斜して配置される第一刃体と、前記第二挿入孔に挿入される前記第一被覆体が除去された前記二重被覆ケーブルの前記第二被覆体の一部を除去するために、少なくとも一部が前記第二挿入孔内方に前記回転軸に対して傾斜して配置される第二刃体とを備える。
【0011】
これによれば、二重被覆ケーブルを筒体に挿入して、回転装置で筒体を回転させることで、第一刃体が二重被覆ケーブルの外側の第一被覆体の一部を除去するとともに、第二刃体が二重被覆ケーブルの内側の第二被覆体の一部を除去する。これにより、同時に2つの被覆体の皮むき作業を行うことができるため、皮むき作業の作業時間を短縮することができる。また、手作業ではなく回転装置を用いて筒体を回転させて皮むき作業を行うため、当該皮むき作業の作業時間をさらに短縮することができる。このように、二重被覆ケーブルの皮むき作業を行う場合でも、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0012】
また、好ましくは、前記筒体には、さらに、前記第一挿入孔の内方と前記筒体の外方とが挿通する孔であって、前記第一刃体で除去された前記第一被覆体を前記筒体の外方に排出するための孔である第一排出孔と、前記第二挿入孔の内方と前記筒体の外方とが挿通する孔であって、前記第二刃体で除去された前記第二被覆体を前記筒体の外方に排出するための孔である第二排出孔とが形成される。
【0013】
これによれば、第一排出孔から、除去された第一被覆体を筒体の外方に排出し、第二排出孔から、除去された第二被覆体を筒体の外方に排出する。このため、第一刃体及び第二刃体によって除去された第一被覆体及び第二被覆体が、第一挿入孔や第二挿入孔から排出されずに、二重被覆ケーブルが損傷したり、皮むき作業が効率的に行われなかったりすることを防止することができる。したがって、二重被覆ケーブルの損傷を防止しつつ、皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0014】
また、好ましくは、前記筒体には、さらに、前記第一排出孔を形成するように前記筒体を前記第一挿入孔まで切り欠いた形状の第一切り欠き部と、前記第二排出孔を形成するように前記筒体を前記第二挿入孔まで切り欠いた形状の第二切り欠き部とが形成され、前記第一切り欠き部には、前記第一刃体が嵌合して配置される第一溝部が形成され、前記第二切り欠き部には、前記第二刃体が嵌合して配置される第二溝部が形成される。
【0015】
これによれば、筒体を切り欠いた形状にすることで、第一排出孔及び第二排出孔を形成し、第一刃体及び第二刃体が、切り欠き部に設けられた第一溝部及び第二溝部に嵌合して配置される。これにより、筒体を切り欠いた形状にすることで、第一排出孔及び第二排出孔を容易に形成することができる。また、第一刃体及び第二刃体が第一溝部及び第二溝部に嵌合されることで、第一刃体及び第二刃体が第一被覆体及び第二被覆体を除去する際に、第一刃体及び第二刃体が動くのを防止することができる。したがって、第一刃体及び第二刃体を固定させることで皮むき作業を円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0016】
また、好ましくは、前記第一刃体と前記第二刃体とは、前記回転軸に対して、同じ角度に傾斜して配置される。
【0017】
これによれば、第一刃体と第二刃体との回転軸に対する角度は同じである。ここで、刃体の被覆体に対する角度が異なると、被覆体が切断される際の力が異なる。このため、第一刃体と第二刃体との回転軸に対する角度が同じであると、第一刃体と第二刃体が、同じ力で第一被覆体及び第二被覆体を除去することができるため、円滑に第一被覆体及び第二被覆体を除去することができる。したがって、皮むき作業を円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0018】
また、好ましくは、前記第一刃体と前記第二刃体とは、前記回転軸を中心に対向した位置に配置される。
【0019】
これによれば、第一刃体と第二刃体とは、回転軸を中心として対称の位置に配置される。このため、第一刃体が第一被覆体を切断する際の力と、第二刃体が第二被覆体を切断する際の力が、反対方向に働く。これにより、当該2つの力が相殺されるので、第一刃体と第二刃体が円滑に第一被覆体及び第二被覆体を除去することができる。したがって、皮むき作業を円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0020】
また、好ましくは、前記第一刃体と前記第二刃体とは、前記第一刃体の刃先と前記第二刃体の刃先とが平行になるような位置に配置される。
【0021】
これによれば、第一刃体の刃先と第二刃体の刃先とが平行になるように配置される。このため、第一刃体が第一被覆体を切断する際の力と、第二刃体が第二被覆体を切断する際の力が、同じ力かつ反対方向に働く。これにより、第一刃体と第二刃体が、さらに円滑に第一被覆体及び第二被覆体を除去することができる。したがって、皮むき作業をさらに円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0022】
また、好ましくは、さらに、前記二重被覆ケーブルの前記筒体への挿入を停止することで、前記第一被覆体及び前記第二被覆体の除去を停止させるストッパを備える。
【0023】
これによれば、第一被覆体及び第二被覆体の除去を停止させるストッパを備える。このため、第一被覆体及び第二被覆体が除去され過ぎることがなく、予め定められた長さ除去される。したがって、第一被覆体及び第二被覆体を除去し過ぎることなく、皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0024】
また、好ましくは、前記二重被覆ケーブルは、電力用に使用されるCVケーブルであり、前記筒体には前記CVケーブルが挿入され、前記第一挿入孔は、前記CVケーブルの第一被覆体の外径に対応した内径を有し、前記第二挿入孔は、前記CVケーブルの第二被覆体の外径に対応した内径を有し、前記第三挿入孔は、前記CVケーブルの導体の外径に対応した内径を有し、前記第一刃体は、前記CVケーブルの第一被覆体の一部を除去し、前記第二刃体は、前記CVケーブルの第二被覆体の一部を除去する。
【0025】
これによれば、CVケーブルの2つの被覆体の除去を行うことができるため、CVケーブルの皮むき作業の作業時間を短縮することができる二重被覆ケーブル皮むき器として、活用することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る二重被覆ケーブル皮むき器によれば、二重被覆ケーブルの皮むき作業を行う場合でも、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器を備える二重被覆ケーブル皮むき装置の概略構成図である。
【図2】二重被覆ケーブルの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における第一刃体及び第二刃体の配置を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき装置が、二重被覆ケーブルから2つの被覆体の除去を開始する動作を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器が、二重被覆ケーブルから第一被覆体の除去を開始する動作を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器が、二重被覆ケーブルから第二被覆体の除去を開始する動作を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器が、二重被覆ケーブルから第一被覆体及び第二被覆体の除去を終了した状態を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき装置が、2つの被覆体の一部を除去した後の二重被覆ケーブルを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における導体の切断寸法が計測できる二重被覆ケーブル皮むき器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器100を備える二重被覆ケーブル皮むき装置10の概略構成図である。
【0029】
図2は、二重被覆ケーブル20の構成を示す図である。具体的には、同図の(a)は、二重被覆ケーブル20の外観を示す図であり、同図の(b)は、二重被覆ケーブル20の断面を示す図である。
【0030】
図1に示す二重被覆ケーブル皮むき装置10は、二重被覆ケーブル20から、二重被覆ケーブル20の導体を覆う2つの被覆体の一部を除去する装置である。同図に示すように、二重被覆ケーブル皮むき装置10は、二重被覆ケーブル皮むき器100と回転装置200とを備えている。
【0031】
回転装置200は、二重被覆ケーブル皮むき器100と接続することで、二重被覆ケーブル皮むき器100を回転させる装置である。具体的には、回転装置200は、電力によって駆動する汎用の電動ドリル(先端工具を取り除いたもの)である。また、回転装置200は、二重被覆ケーブル20が挿入された二重被覆ケーブル皮むき器100を、二重被覆ケーブル20の導体の撚り方向と同じ方向に回転させる。
【0032】
なお、回転装置200は、二重被覆ケーブル皮むき器100を回転させることができるのであれば、手動で回転する装置など、どのような装置であってもよく、回転装置200の回転方向は二重被覆ケーブル20の導体の撚り方向と逆の方向であってもよい。
【0033】
二重被覆ケーブル皮むき器100は、二重被覆ケーブル20の導体を覆う2つの被覆体の一部を除去するための器具である。
【0034】
ここで、図2に示すように、二重被覆ケーブル20は、導体23を外側の第一被覆体21と内側の第二被覆体22とで被覆した二重被覆ケーブルである。具体的には、二重被覆ケーブル20は、電力用に使用されるCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)である。つまり、二重被覆ケーブル20は、導体23を第二被覆体22である架橋ポリエチレンで被覆し、その外周を第一被覆体21であるビニルシースで被覆した二重被覆ケーブルである。なお、二重被覆ケーブル20は、CVケーブルには限定されず、導体23が2つの被覆体で被覆された二重被覆ケーブルであればよい。
【0035】
そして、図1に示すように、二重被覆ケーブル皮むき器100は、二重被覆ケーブル20が挿入される筒体110を備えている。つまり、筒体110は、二重被覆ケーブル20が挿入される挿入孔が形成された樹脂製の円筒状の部材である。この挿入孔についての詳細な説明は、後述する。なお、ここでは筒体110の外形は円柱形状であるが、角柱形状などであってもよく、筒体110の外形はどのような形状であってもよい。また、筒体110の材質は樹脂に限定されず、金属などであってもよい。
【0036】
また、筒体110は、端部に、回転装置200と取外し可能に接続される接続部115を有している。この接続部115は、回転装置200の端部に形成されている凹部と嵌合する金属製の六角柱形状の棒状部材である。具体的には、接続部115は、回転装置200である電動ドリルの先端工具の挿入部分である当該凹部に挿入されて、回転装置200に接続される。つまり、回転装置200は、この接続部115と接続され、二重被覆ケーブル20の挿入方向に平行な回転軸まわりに接続部115を回転させることで、筒体110を二重被覆ケーブル20に対して当該回転軸まわりに回転させる。
【0037】
なお、接続部115の形状は、六角柱形状に限定されず、回転装置200の端部に形成されている凹部の形状に応じて、当該凹部と嵌合する形状であればよい。また、接続部115の材質は、金属に限定されず、樹脂など、どのような材質であってもよい。
【0038】
また、筒体110には、筒体110を切り欠いた形状の第一切り欠き部120と第二切り欠き部130とが形成されている。
【0039】
第一切り欠き部120は、二重被覆ケーブル20の第一被覆体21を除去するための部位である。また、第二切り欠き部130は、二重被覆ケーブル20の第二被覆体22を除去するための部位である。この第一切り欠き部120及び第二切り欠き部130の詳細な説明は、後述する。
【0040】
次に、二重被覆ケーブル皮むき器100の詳細な構成について、説明する。
図3は、本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器100の構成を示す図である。具体的には、同図の(a)は、二重被覆ケーブル皮むき器100を側面から見た図であり、同図の(b)は、二重被覆ケーブル皮むき器100を上方(同図の(a)の上方)から見た図である。
【0041】
これらの図に示すように、二重被覆ケーブル皮むき器100が備える筒体110には、二重被覆ケーブル20が挿入される挿入孔である第一挿入孔111、第二挿入孔112及び第三挿入孔113が形成されている。
【0042】
第一挿入孔111は、中心軸が筒体110の回転軸Pと同一の軸であるとともに、第一被覆体21の外径に対応した内径を有する円筒状の孔である。つまり、第一挿入孔111は、導体23に第一被覆体21及び第二被覆体22が被覆された二重被覆ケーブル20が挿入できるように、筒体110に形成された孔である。
【0043】
なお、第一挿入孔111の内径は、当該二重被覆ケーブル20の第一被覆体21が挿入できる径のうち最小の径であればよく、例えば、第一被覆体21の外径よりも0.1mm〜0.5mm程度大きい径である。また、第一挿入孔111の孔の長さは、ここでは30mm程度であるが、この孔の長さは、限定されない。
【0044】
第二挿入孔112は、中心軸が筒体110の回転軸Pと同一の軸であるとともに、第二被覆体22の外径に対応した内径を有する円筒状の孔である。つまり、第二挿入孔112は、第一被覆体21が除去されて導体23に第二被覆体22のみが被覆された状態の二重被覆ケーブル20が挿入できるように、筒体110に形成された孔である。
【0045】
なお、第二挿入孔112の内径は、当該二重被覆ケーブル20の第二被覆体22が挿入できる径のうち最小の径であればよく、例えば、第二被覆体22の外径よりも0.1mm〜0.5mm程度大きい径である。また、第二挿入孔112の孔の長さは、第一被覆体21を除去したい長さであり、ここでは20mmであるが、この孔の長さは、限定されない。
【0046】
第三挿入孔113は、中心軸が筒体110の回転軸Pと同一の軸であるとともに、導体23の外径に対応した内径を有する円筒状の孔である。つまり、第三挿入孔113は、第一被覆体21及び第二被覆体22が除去されて導体23のみの状態の二重被覆ケーブル20が挿入できるように、筒体110に形成された孔である。
【0047】
なお、第三挿入孔113の内径は、当該二重被覆ケーブル20の導体23が挿入できる径のうち最小の径であればよく、例えば、導体23の外径よりも0.1mm〜0.5mm程度大きい径である。また、第三挿入孔113の孔の長さは、第二被覆体22を除去したい長さであり、ここでは100mmであるが、この孔の長さは、限定されない。
【0048】
また、二重被覆ケーブル皮むき器100は、筒体110以外に、筒体110の内方に配置されているストッパ140、第一切り欠き部120に配置されている第一刃体121、及び第二切り欠き部130に配置されている第二刃体131を備えている。
【0049】
ストッパ140は、二重被覆ケーブル20の筒体110への挿入を停止することで、第一被覆体21及び第二被覆体22の除去を停止させるストッパである。ここでは、ストッパ140は、接続部115の一端に接続された金属製の円柱形状の部材である。
【0050】
つまり、第一被覆体21及び第二被覆体22が除去された二重被覆ケーブル20である導体23の先端が、ストッパ140に当接することで、二重被覆ケーブル20の筒体110への挿入が停止する。なお、ストッパ140の材質及び形状は、金属製の円柱形状に限定されず、樹脂製であってもよく、角柱形状であってもよい。
【0051】
次に、第一切り欠き部120及び第二切り欠き部130の構成と、第一刃体121及び第二刃体131について、詳細に説明する。
【0052】
第一切り欠き部120は、筒体110を第一挿入孔111までV字形状に切り欠いた形状の部位であり、傾斜面122と傾斜面123とによって構成されている。そして、同図の(b)に示すように、傾斜面122には、このように筒体110を第一挿入孔111まで切り欠くことで、第一排出孔122aが形成されており、また、第一刃体121が嵌合して配置される第一溝部122bが形成されている。
【0053】
つまり、第一刃体121は、第一溝部122b内に嵌合して配置されることで、傾斜面122に固定されている。ここで、第一刃体121は、第一挿入孔111に挿入される二重被覆ケーブル20の第一被覆体21の一部を切断して剥離除去するための刃体である。
【0054】
具体的には、第一刃体121は、第一挿入孔111に挿入される二重被覆ケーブル20の第一被覆体21の一部を除去するために、少なくとも一部が第一挿入孔111内方に回転軸Pに対して傾斜して配置されている。つまり、同図の(a)に示すように、第一刃体121は、回転軸Pと傾斜面122のなす角度(同図に示されるPとQのなす角度)、回転軸Pに対して傾斜して配置されている。
【0055】
また、第一排出孔122aは、第一挿入孔111の内方と筒体110の外方とが挿通する孔であって、第一刃体121で除去された第一被覆体21を筒体110の外方に排出するための孔である。つまり、第一刃体121によって切断され剥離された第一被覆体21は、第一排出孔122aから排出される。
【0056】
また、第二切り欠き部130は、筒体110を第二挿入孔112までV字形状に切り欠いた形状の部位であり、傾斜面132と傾斜面133とによって構成されている。そして、傾斜面132には、このように筒体110を第二挿入孔112まで切り欠くことで、第二排出孔132aが形成されており、また、第二刃体131が嵌合して配置される第二溝部132bが形成されている。
【0057】
つまり、第二刃体131は、第二溝部132b内に嵌合して配置されることで、傾斜面132に固定されている。ここで、第二刃体131は、第二挿入孔112に挿入される第一被覆体21が除去された二重被覆ケーブル20の第二被覆体22の一部を切断して剥離除去するための刃体である。
【0058】
具体的には、第二刃体131は、第二挿入孔112に挿入される第一被覆体21が除去された二重被覆ケーブル20の第二被覆体22の一部を除去するために、少なくとも一部が第二挿入孔112内方に回転軸Pに対して傾斜して配置されている。つまり、同図の(a)に示すように、第二刃体131は、回転軸Pと傾斜面132のなす角度(同図に示されるPとRのなす角度)、回転軸Pに対して傾斜して配置されている。
【0059】
ここで、第一刃体121と第二刃体131とは、回転軸Pに対して、同じ角度に傾斜して配置されている。つまり、第一刃体121と回転軸Pとのなす角度(同図に示されるPとQのなす角度)と、第二刃体131と回転軸Pとのなす角度(同図に示されるPとRのなす角度)とは、同じ角度である。
【0060】
なお、第一刃体121と回転軸Pとのなす角度、及び第二刃体131と回転軸Pとのなす角度は、どのような角度であってもよいが、好ましくは30度から60度であり、さらに好ましくは45度である。なお、第一刃体121と回転軸Pとのなす角度と、第二刃体131と回転軸Pとのなす角度とは、異なる角度であってもよい。
【0061】
また、第二排出孔132aは、第二挿入孔112の内方と筒体110の外方とが挿通する孔であって、第二刃体131で除去された第二被覆体22を筒体110の外方に排出するための孔である。つまり、第二刃体131によって切断され剥離された第二被覆体22は、第二排出孔132aから排出される。
【0062】
次に、第一刃体121及び第二刃体131の配置について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態における第一刃体121及び第二刃体131の配置を示す図である。具体的には、同図の(a)は、二重被覆ケーブル皮むき器100を正面(図3の左側)から見た場合の、第一刃体121及び第二刃体131の配置を示す図である。また、同図の(b)は、同図の(a)に示された第一刃体121及び第二刃体131の刃先部分を拡大して示す図である。
【0063】
同図の(a)に示すように、第一刃体121は、第一挿入孔111に挿入される二重被覆ケーブル20の第一被覆体21の一部を除去するために、少なくとも一部が第一挿入孔111内方に配置されている。具体的には、同図の(b)に示すように、第一刃体121の刃先である第一刃先121aが、第一挿入孔111内方に配置されている。
【0064】
ここで、第一刃先121aは、第一挿入孔111と第二挿入孔112との間の隙間の8割を占めるように配置されている。具体的には、第一挿入孔111と第二挿入孔112との半径の差A1に対して、第一刃先121aが占める部分A2の割合が8割である。
【0065】
これにより、第一刃体121が第一被覆体21を除去する際に、第二被覆体22を損傷させることを防ぐことができる。なお、このA1に対するA2の割合は、8割に限定されず、7割〜9割の間の割合、又はそれ以外の割合であってもよい。
【0066】
また、同図の(a)に示すように、第二刃体131は、第二挿入孔112に挿入される第一被覆体21が除去された二重被覆ケーブル20の第二被覆体22の一部を除去するために、少なくとも一部が第二挿入孔112内方に配置されている。具体的には、同図の(b)に示すように、第二刃体131の刃先である第二刃先131aが、第二挿入孔112内方に配置されている。
【0067】
ここで、第二刃先131aは、第一刃先121aと同様に、第二挿入孔112と第三挿入孔113との間の隙間の8割を占めるように配置されている。具体的には、第二挿入孔112と第三挿入孔113との半径の差B1に対して、第二刃先131aが占める部分B2の割合が8割である。
【0068】
これにより、第二刃体131が第二被覆体22を除去する際に、導体23を損傷させることを防ぐことができる。なお、このB1に対するB2の割合は、8割に限定されず、7割〜9割の間の割合、又はそれ以外の割合であってもよい。
【0069】
また、第一刃体121と第二刃体131とは、回転軸Pを中心に対向した位置に配置されている。そして、第一刃体121と第二刃体131とは、第一刃先121aと第二刃先131aとが平行になるような位置に配置されている。
【0070】
なお、第一刃体121と第二刃体131との位置関係は、限定されず、例えば、第一刃体121と第二刃体131とは、第一刃先121aと第二刃先131aとが垂直になるような位置に配置されていてもよい。
【0071】
次に、以上の本実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき装置10が、二重被覆ケーブル20から、二重被覆ケーブル20の導体を覆う2つの被覆体の一部を除去する動作について、説明する。
【0072】
図5〜図8は、本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき装置10が、二重被覆ケーブル20から2つの被覆体の一部を除去する動作を説明する図である。
【0073】
まず、図5に示すように、二重被覆ケーブル皮むき装置10が、二重被覆ケーブル20からの被覆体の除去を開始する。ここで、同図は、二重被覆ケーブル皮むき装置10が、二重被覆ケーブル20から2つの被覆体の除去を開始する動作を示す図である。
【0074】
具体的には、同図の(a)に示すように、接続部115を介して、二重被覆ケーブル皮むき器100が回転装置200に接続される。そして、二重被覆ケーブル皮むき器100の筒体110に二重被覆ケーブル20が挿入される。
【0075】
そして、同図の(b)に示すように、筒体110に二重被覆ケーブル20が挿入された状態で、回転装置200によって二重被覆ケーブル皮むき器100が回転する。つまり、二重被覆ケーブル20に対して、二重被覆ケーブル皮むき器100が回転する。これにより、二重被覆ケーブル皮むき装置10が、二重被覆ケーブル20から2つの被覆体の除去を開始する。
【0076】
次に、図6に示すように、二重被覆ケーブル皮むき器100が、二重被覆ケーブル20から第一被覆体21の除去を開始する。ここで、同図は、二重被覆ケーブル皮むき器100が、二重被覆ケーブル20から第一被覆体21の除去を開始する動作を示す図である。なお、図6〜図8では、二重被覆ケーブル皮むき装置10の回転装置200を省略して、二重被覆ケーブル皮むき器100の内部を示す図である。
【0077】
具体的には、図6に示すように、二重被覆ケーブル20は、筒体110の第一挿入孔111に挿入されて、先端部が第一刃体121に当接すると、第一被覆体21の除去が開始される。ここで、筒体110は、回転装置200によって回転し続けている。
【0078】
そして、図7に示すように、二重被覆ケーブル皮むき器100が、二重被覆ケーブル20から第一被覆体21の除去を行いながら、第二被覆体22の除去を開始する。ここで、同図は、二重被覆ケーブル皮むき器100が、二重被覆ケーブル20から第二被覆体22の除去を開始する動作を示す図である。
【0079】
具体的には、同図に示すように、二重被覆ケーブル皮むき器100は、回転装置200によって回転しながら第一刃体121によって第一被覆体21を切断して剥離除去する。そして、二重被覆ケーブル皮むき器100は、第一排出孔122aから、第一刃体121で除去された第一被覆体21である除去第一被覆体21aを筒体110の外方に排出する。
【0080】
これにより、二重被覆ケーブル20は、先端部が、第一被覆体21が除去されて導体23に第二被覆体22のみが被覆された状態になる。このため、第二被覆体22が第二挿入孔112に挿入されて、先端部が第二刃体131に当接すると、第二被覆体22の除去が開始される。
【0081】
そして、図8に示すように、二重被覆ケーブル皮むき器100が、二重被覆ケーブル20から第一被覆体21及び第二被覆体22を除去し、ストッパ140によって当該除去を終了する。ここで、同図は、二重被覆ケーブル皮むき器100が、二重被覆ケーブル20から第一被覆体21及び第二被覆体22の除去を終了した状態を示す図である。
【0082】
具体的には、同図に示すように、二重被覆ケーブル皮むき器100は、回転装置200によって回転しながら、第一刃体121によって第一被覆体21を切断して剥離除去するとともに、第二刃体131によって第二被覆体22を切断して剥離除去する。
【0083】
そして、二重被覆ケーブル皮むき器100は、第一排出孔122aから、第一刃体121で除去された第一被覆体21である除去第一被覆体21aを筒体110の外方に排出するとともに、第二排出孔132aから、第二刃体131で除去された第二被覆体22である除去第二被覆体22aを筒体110の外方に排出する。
【0084】
これにより、二重被覆ケーブル20は、先端部が、第一被覆体21及び第二被覆体22が除去されて導体23のみの状態になる。このため、導体23が第三挿入孔113に挿入されて、先端部がストッパ140に当接すると、二重被覆ケーブル20の筒体110への挿入が停止する。
【0085】
これにより、二重被覆ケーブル皮むき器100は、二重被覆ケーブル20からの第一被覆体21及び第二被覆体22の除去を終了する。
【0086】
以上のようにして、二重被覆ケーブル皮むき装置10が、二重被覆ケーブル20から、二重被覆ケーブル20の導体を覆う2つの被覆体の一部を除去する。
【0087】
図9は、本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき装置10が、2つの被覆体の一部を除去した後の二重被覆ケーブル20を示す図である。
【0088】
同図に示すように、二重被覆ケーブル20は、二重被覆ケーブル皮むき装置10によって、第一被覆体21及び第二被覆体22を除去される。ここで、第一被覆体21のみが除去される長さ(同図に示す寸法X)は、第二挿入孔112の長さに対応しており、第一被覆体21及び第二被覆体22が除去される長さ(同図に示す寸法Y)は、第三挿入孔113の長さに対応している。
【0089】
なお、二重被覆ケーブル20同士の接続方法などによって、導体23の剥き出し寸法(同図に示す寸法Y)が異なる。このため、二重被覆ケーブル20から第一被覆体21及び第二被覆体22を除去した後に、導体23を剥き出し寸法に合うように切断する必要がある。
【0090】
図10は、本発明の実施の形態における導体23の切断寸法が計測できる二重被覆ケーブル皮むき器100を示す図である。
【0091】
同図に示すように、筒体110に、導体23の切断寸法に合った寸法L1やL2を測定できるマーキング150を施すことで、導体23を正確な寸法に切断することができる。このように、本発明の実施の形態における二重被覆ケーブル皮むき器100は、当該マーキング150が施されていてもよい。
【0092】
以上のように、本発明に係る二重被覆ケーブル皮むき器100を備えた二重被覆ケーブル皮むき装置10によれば、二重被覆ケーブル20を筒体110に挿入して、回転装置200で筒体110を回転させることで、第一刃体121が二重被覆ケーブル20の外側の第一被覆体21の一部を除去するとともに、第二刃体131が二重被覆ケーブル20の内側の第二被覆体22の一部を除去する。これにより、同時に2つの被覆体の皮むき作業を行うことができるため、皮むき作業の作業時間を短縮することができる。また、手作業ではなく回転装置200を用いて筒体110を回転させて皮むき作業を行うため、当該皮むき作業の作業時間をさらに短縮することができる。このように、二重被覆ケーブル20の皮むき作業を行う場合でも、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0093】
また、CVケーブルなどの二重被覆ケーブル20は、導体23や被覆体の外径が規格で定められており、当該二重被覆ケーブル皮むき器100は、第一挿入孔111、第二挿入孔112及び第三挿入孔113の内径が当該二重被覆ケーブル20に対応した大きさに設定されている。このため、同じ規格の二重被覆ケーブル20に対しては同じように被覆体の除去を行うことができるため、特別な技能を習熟する必要がなく、皮むき作業の品質を均一化し、また手作業に比べて品質を向上させることができる。また、皮むき作業の時間短縮により、作業員の工数を低減することができるため、作業コストを低減することができる。
【0094】
また、第一排出孔122aから、除去された第一被覆体21を筒体110の外方に排出し、第二排出孔132aから、除去された第二被覆体22を筒体110の外方に排出する。このため、第一刃体121及び第二刃体131によって除去された第一被覆体21及び第二被覆体22が、第一挿入孔111や第二挿入孔112から排出されずに、二重被覆ケーブル20が損傷したり、皮むき作業が効率的に行われなかったりすることを防止することができる。したがって、二重被覆ケーブル20の損傷を防止しつつ、皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0095】
また、筒体110を切り欠いた形状にすることで、第一排出孔122a及び第二排出孔132aを形成し、第一刃体121及び第二刃体131が、第一切り欠き部120及び第二切り欠き部130に設けられた第一溝部122b及び第二溝部132bに嵌合して配置される。これにより、筒体110を切り欠いた形状にすることで、第一排出孔122a及び第二排出孔132aを容易に形成することができる。また、第一刃体121及び第二刃体131が第一溝部122b及び第二溝部132bに嵌合されることで、第一刃体121及び第二刃体131が第一被覆体21及び第二被覆体22を除去する際に、第一刃体121及び第二刃体131が動くのを防止することができる。したがって、第一刃体121及び第二刃体131を固定させることで皮むき作業を円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0096】
また、第一刃体121と第二刃体131との回転軸Pに対する角度は同じである。ここで、刃体の被覆体に対する角度が異なると、被覆体が切断される際の力が異なる。このため、第一刃体121と第二刃体131との回転軸Pに対する角度が同じであると、第一刃体121と第二刃体131が、同じ力で第一被覆体21及び第二被覆体22を除去することができるため、円滑に第一被覆体21及び第二被覆体22を除去することができる。したがって、皮むき作業を円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0097】
また、第一刃体121と第二刃体131とは、回転軸Pを中心として対称の位置に配置される。このため、第一刃体121が第一被覆体21を切断する際の力と、第二刃体131が第二被覆体22を切断する際の力が、反対方向に働く。これにより、当該2つの力が相殺されるので、第一刃体121と第二刃体131が円滑に第一被覆体21及び第二被覆体22を除去することができる。したがって、皮むき作業を円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0098】
また、第一刃体121の第一刃先121aと第二刃体131の第二刃先131aとが平行になるように配置される。このため、第一刃体121が第一被覆体21を切断する際の力と、第二刃体131が第二被覆体22を切断する際の力が、同じ力かつ反対方向に働く。これにより、第一刃体121と第二刃体131が、さらに円滑に第一被覆体21及び第二被覆体22を除去することができる。したがって、皮むき作業をさらに円滑に行い、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0099】
また、第一被覆体21及び第二被覆体22の除去を停止させるストッパ140を備える。このため、第一被覆体21及び第二被覆体22が除去され過ぎることがなく、予め定められた長さ除去される。したがって、第一被覆体21及び第二被覆体22を除去し過ぎることなく、皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0100】
また、電力用のCVケーブルの2つの被覆体の除去を行うことができるため、CVケーブルの皮むき作業の作業時間を短縮することができる二重被覆ケーブル皮むき器100として、活用することができる。
【0101】
以上のように、本発明に係る二重被覆ケーブル皮むき器100によれば、二重被覆ケーブル20の皮むき作業を行う場合でも、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる。
【0102】
以上、本発明に係る二重被覆ケーブル皮むき器について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0103】
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明にかかる二重被覆ケーブル皮むき器は、二重被覆ケーブルの皮むき作業を行う場合でも、当該皮むき作業の作業時間を短縮することができる二重被覆ケーブル皮むき器等として有用である。
【符号の説明】
【0105】
10 二重被覆ケーブル皮むき装置
20 二重被覆ケーブル
21 第一被覆体
21a 除去第一被覆体
22 第二被覆体
22a 除去第二被覆体
23 導体
100 二重被覆ケーブル皮むき器
110 筒体
111 第一挿入孔
112 第二挿入孔
113 第三挿入孔
115 接続部
120 第一切り欠き部
121 第一刃体
121a 第一刃先
122、123 傾斜面
122a 第一排出孔
122b 第一溝部
130 第二切り欠き部
131 第二刃体
131a 第二刃先
132、133 傾斜面
132a 第二排出孔
132b 第二溝部
140 ストッパ
150 マーキング
200 回転装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を外側の第一被覆体と内側の第二被覆体とで被覆した二重被覆ケーブルから、前記第一被覆体及び前記第二被覆体の一部を除去する二重被覆ケーブル皮むき器であって、
前記二重被覆ケーブルが挿入される筒体であって、前記筒体を前記二重被覆ケーブルの挿入方向に平行な回転軸まわりに回転させる回転装置と取外し可能に接続される接続部を有する筒体を備え、
前記筒体には、
中心軸が前記回転軸と同一の軸であるとともに、前記第一被覆体の外径に対応した内径を有する円筒状の第一挿入孔と、
中心軸が前記回転軸と同一の軸であるとともに、前記第二被覆体の外径に対応した内径を有する円筒状の第二挿入孔と、
中心軸が前記回転軸と同一の軸であるとともに、前記導体の外径に対応した内径を有する円筒状の第三挿入孔とが形成され、
前記二重被覆ケーブル皮むき器は、さらに、
前記第一挿入孔に挿入される前記二重被覆ケーブルの前記第一被覆体の一部を除去するために、少なくとも一部が前記第一挿入孔内方に前記回転軸に対して傾斜して配置される第一刃体と、
前記第二挿入孔に挿入される前記第一被覆体が除去された前記二重被覆ケーブルの前記第二被覆体の一部を除去するために、少なくとも一部が前記第二挿入孔内方に前記回転軸に対して傾斜して配置される第二刃体とを備える
二重被覆ケーブル皮むき器。
【請求項2】
前記筒体には、さらに、
前記第一挿入孔の内方と前記筒体の外方とが挿通する孔であって、前記第一刃体で除去された前記第一被覆体を前記筒体の外方に排出するための孔である第一排出孔と、
前記第二挿入孔の内方と前記筒体の外方とが挿通する孔であって、前記第二刃体で除去された前記第二被覆体を前記筒体の外方に排出するための孔である第二排出孔とが形成される
請求項1に記載の二重被覆ケーブル皮むき器。
【請求項3】
前記筒体には、さらに、
前記第一排出孔を形成するように前記筒体を前記第一挿入孔まで切り欠いた形状の第一切り欠き部と、
前記第二排出孔を形成するように前記筒体を前記第二挿入孔まで切り欠いた形状の第二切り欠き部とが形成され、
前記第一切り欠き部には、前記第一刃体が嵌合して配置される第一溝部が形成され、
前記第二切り欠き部には、前記第二刃体が嵌合して配置される第二溝部が形成される
請求項2に記載の二重被覆ケーブル皮むき器。
【請求項4】
前記第一刃体と前記第二刃体とは、前記回転軸に対して、同じ角度に傾斜して配置される
請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重被覆ケーブル皮むき器。
【請求項5】
前記第一刃体と前記第二刃体とは、前記回転軸を中心に対向した位置に配置される
請求項1〜4のいずれか1項に記載の二重被覆ケーブル皮むき器。
【請求項6】
前記第一刃体と前記第二刃体とは、前記第一刃体の刃先と前記第二刃体の刃先とが平行になるような位置に配置される
請求項5に記載の二重被覆ケーブル皮むき器。
【請求項7】
さらに、
前記二重被覆ケーブルの前記筒体への挿入を停止することで、前記第一被覆体及び前記第二被覆体の除去を停止させるストッパを備える
請求項1〜6のいずれか1項に記載の二重被覆ケーブル皮むき器。
【請求項8】
前記二重被覆ケーブルは、電力用に使用されるCVケーブルであり、
前記筒体には前記CVケーブルが挿入され、
前記第一挿入孔は、前記CVケーブルの第一被覆体の外径に対応した内径を有し、
前記第二挿入孔は、前記CVケーブルの第二被覆体の外径に対応した内径を有し、
前記第三挿入孔は、前記CVケーブルの導体の外径に対応した内径を有し、
前記第一刃体は、前記CVケーブルの第一被覆体の一部を除去し、
前記第二刃体は、前記CVケーブルの第二被覆体の一部を除去する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の二重被覆ケーブル皮むき器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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