説明

互いに対向する複数の電極を有する面光源装置及びその製造方法

【課題】別途大量生産される隔壁部材に放電電極を取り付けることによって、単位放電セル内に一対の放電電極が互いに対向するフラットパネルディスプレイ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの単位放電セルで構成されるフラットパネルディスプレイ装置は、上部基板及び下部基板と、上部基板と下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための1若しくは複数の第1の隔壁部材と、単位放電セルの放電スペース内に電界を発生させるために、第1の隔壁部材上に形成される一対の電極であって、第1の隔壁部材の側面のうち放電スペースと接する側面上に形成され、互いに直角に対向する、該一対の電極とを含み、第1の隔壁部材の内部にスペースが形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマの放電現象を用いたフラットパネルディスプレイ装置及びその製造方法に関し、詳細には、上部基板と下部基板の間に挿入される隔壁部材上に放電電極を配置することによって放電スペース内に放電ガスを充填させる構造を有するフラットパネルディスプレイ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ(FPD)装置とは、ディスプレイ装置の対角長の1/4に等しいかまたはそれ以下の厚さ、例えば数ミリメートル(mm)ないし数センチメートル(cm)の厚さのフラットパネル(平面パネル)を有するディスプレイ装置を意味する。比較的軽量かつ薄型の低消費電力装置として、FPD装置は次第に、ディスプレイ装置の歴史において最も長く用いられてきた陰極線管(CRT)に取って代わりつつある。
【0003】
このようなフラットパネルディスプレイは、独自に発光可能な発光型と別途に光源を必要とする受光型とに区分される。発光型には、PDP(プラズマディスプレイパネル)、OLED(有機発光ディスプレイ)、FED(電界放出ディスプレイ)などが挙げられ、受光型には、LCD(液晶ディスプレイ)などが挙げられる。受光型に属するLCDは、外部光源がなければ画像を表示することが不可能なので、別途の光源であるバックライトユニット(BLU)が必ず必要となる。このようなBLUには、高電圧電界により放出された電子により励起された水銀ガスから発散された紫外線が、蛍光体と衝突して可視光線を発生させるCCFL(冷陰極蛍光ランプ)、半導体に電圧を加える際に生じるエレクトロルミネッセンス現象を用いるLED(発光デバイス)、ガス放電から発生する紫外線により蛍光体を発光させて光を拡散させるFFL(平板蛍光ランプ)などの光源が広く使われている。
【0004】
FFL方式は、線光源を用いるCCFL方式と異なりランプが1つだけの面光源(フラット光源)を用いるので、部品数が大きく削減され、BLU及びLCDパネルの製造工程に対する自動化が可能であるという長所があり、特に大型LCDに採用することが有利である点で注目されている。
【0005】
図1から図4は、従来技術によるフラットパネルディスプレイ装置100の一例を示す図面である。
【0006】
まず、図1は、フラットパネルディスプレイ装置100の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1のA−A’に沿って切った断面図である。図1及び図2に示すように、フラットパネルディスプレイ装置100は、上部基板101と、下部基板102と、上部基板101及び下部基板102を支持しながら複数の単位放電セルのためのスペースを形成するための隔壁部材103と、上部基板101及び下部基板102を封止するための封止材104と、該放電セルのスペース内の放電ガスを放電させるための電界を発生する放電電極105と、ガス放電により可視光線を放出する蛍光体106と、放電ガスを放電セルに注入するためのガス注入口107とを含む。
【0007】
フラットパネルディスプレイ装置100即ちFFLの基本的な発光原理は、一般的な蛍光灯の発生原理と類似している。放電電極105により発生した電界により加速された電子が、放電ガスが充填されている放電スペースで流動しながら、該放電ガスと衝突するようになる。このとき、253.7nmの紫外線が放出するようになって、放出された紫外線が蛍光体106を励起させ可視光線を放出するようになる。
【0008】
図2に示すように、従来のフラットパネルディスプレイ装置100の放電電極105の特徴は、放電電極105が下部基板102上に位置するということである。即ち、図2に示すように、4つの放電電極105が2つの放電セルに設けられている構造が例として示されている(ここでは、図2は2つの放電セルを含む断面で観察した図面であるので、図2は2つの放電セルのみを示すが、図1を参照すると、6つの放電セルがフラットパネルディスプレイ装置100に含まれている)。放電電極105は、隔壁部材103の両側に隣接する下部基板102の第1の領域と、封止材104に隣接する下部基板102の第2の領域との上に位置することが分かる。
【0009】
ガス注入口107を通じて注入される放電ガスの種類は、無水銀放電ガスと水銀放電ガスとに大別される。無水銀放電ガスを用いる場合には、励起種が真空紫外線を放出するキセノン(Xe)が含まれたガスを用いて、必要によってヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)などの不活性ガスをさらに含む混合ガスを用いる。水銀(Hg)放電ガスを用いる場合には、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)などの不活性ガスをさらに含む混合ガスを用いる。
【0010】
図3は、図1の隔壁部材103の構造をより詳細に示した図面である。図3の左図は、X軸方向から見た長手方向(Y軸方向)の隔壁部材の形状を示したものであり、右図は、Y軸方向から見た長手方向の隔壁部材の形状を示したものである。フラットパネルディスプレイ装置100は、装置内部の入力と外部大気圧との間の圧力差を克服しながら放電スペースを維持しなければならないため、複数の隔壁部材の設置が不可避である。要するに、フラットパネルディスプレイ装置100の隔壁部材103は、放電スペースを維持しながら同時に上部基板101及び下部基板102を支持する役割を果たし得る。図のように、隔壁部材103は、長方形形状かつ主としてガラス製であり得る。
【0011】
図4は、図2の放電電極105の構造をより詳細に示した図面である。
【0012】
図4に示すように、放電電極105の全体構成は、実際の電極としての金属層105aと、AlまたはTiOなどの誘電体層105bと、MgOなどの保護層105cとから構成され得る。ここで、誘電体層105bは、金属層105aを保護するために用いられ、保護層105cは、誘電体層105bの減衰を防止するために用いられる。
【0013】
図5から図9は、フラットパネルディスプレイ装置100の製造工程を示す(主に下部基板102の製造工程に対して説明する)。
【0014】
図5のステップは、図5から図9の工程によって下部基板102上に形成されることになる放電電極105の3層構造のうち電極の役割を果たす金属層105aを形成する工程である。図5は、下部基板102上に4つの金属層105aを形成することによって2つの放電セル(全体として6つの放電セル)の構造を構成する工程を示す。
【0015】
図6のステップは、金属層105a上に誘電体層105bを形成する工程であり、図7のステップは、誘電体層105b上に保護層105cを形成する工程であり、図8のステップは、一対の放電電極105の間で下部基板102上に蛍光体106を形成する工程である。
【0016】
その一方で、蛍光体106のみが形成される上部基板101(図示せず)が準備され得る。
【0017】
図9のステップは、封止材104を用いて上部基板101及び下部基板102を封止する工程である。上部基板101と下部基板102との間に隔壁部材103が設けられる。ここで、隔壁部材103は、別途の工程(図示せず)にて準備される。封止工程後に、放電ガスがガス注入口107から注入されかつガス注入口をがチップ−オフ(tip off)されると、フラットパネルディスプレイ装置100の製造工程が完了する。放電電極及び蛍光体の形成工程、封止工程、ガス注入工程などと関連した詳細な内容は公知であるため、これに対する説明は本明細書では省略する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、従来の装置には次のような問題があった。
【0019】
第1に、金属層105a、誘電体層105b、保護層105c及び蛍光体106が全て下部基板102上に形成されるため、このような3層構造の形成の際に繰り返される高温焼成過程によって下部基板102が熱的衝撃を受け得る。そのため、ガラス材質の下部基板102に亀裂などが発生し、フラットパネルディスプレイ装置100の寿命を短縮させ得る。
【0020】
第2に、1つの放電セルグループ(例えば、6つの放電セル)を作るためには、1つの基板(例えば、下部基板102)を対象として、3つのサブステップ、即ち、金属層105aの焼成、誘電体層105bの焼成、保護層105cの蒸着から構成される放電電極105の製造工程を遂行することになるので、このような放電セルグループを多量に生成するためには、1つの基板ごとに前記の複雑な3つの工程を反復して行って電極構造を生成しなければならなく、工程数が必要以上に多くなり、装置の生産性が低下し、単価が高くなろ得るという短所があった。
【0021】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、本発明の1つの目的は、別途大量生産される隔壁部材に放電電極を取り付けることによって、単位放電セル内に一対の放電電極が互いに対向するフラットパネルディスプレイ装置を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、下部基板上に、金属層、誘電体層及び保護層を直接形成する工程を必要としないフラットパネルディスプレイ装置の製造工程を提供し、それによって下部基板への熱的衝撃の影響を低下させ、装置の寿命及び性能を向上させることにある。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、電極を含む多数の隔壁部材を別途大量生産することによって、工程のステップ数が減少し、ロボット組立工程の適用による工程を自動化できるおかげで、生産性の向上を達成できるフラットパネルディスプレイ装置の大量生産方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の一態様では、少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、上部基板及び下部基板と、前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための1若しくは複数の第1の隔壁部材と、前記単位放電セルの放電スペース内に電界を発生させるために、前記第1の隔壁部材上に形成される一対の電極であって、前記第1の隔壁部材の側面のうち前記放電スペースと接する側面上に形成され、互いに直角に対向する、該一対の電極とを含み、前記第1の隔壁部材の内部に、スペースが形成されていることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置が提供される。
【0025】
本発明の別の態様では、少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、上部基板及び下部基板と、前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための1若しくは複数の第1の隔壁部材と、前記単位放電セルの放電スペース内に電界を発生させるために、前記第1の隔壁部材上に形成される一対の電極であって、前記第1の隔壁部材の側面のうち前記放電スペースと接する側面上に形成され、互いに対向する、該一対の電極とを含み、前記第1の隔壁部材に、溝が形成されていることを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置が提供される。
【0026】
本発明のさらに別の態様では、少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、上部基板及び下部基板と、前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための1若しくは複数の第1の隔壁部材と、前記第1の隔壁部材の内部に含まれた状態で、前記単位放電セルの放電スペース内に電界を発生させる電極とを含み、前記複数の第1の隔壁部材のうち両側面が前記単位放電セルに接している特定の第1の隔壁部材の内部に含まれる電極は、前記特定の第1の隔壁部材に隣り合わせる単位放電セルに共通する電極であるような装置が提供される。
【0027】
本発明のさらに別の態様では、少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、前記単位放電セルの放電スペースを形成する上部基板及び下部基板と、該放電スペース内に電界を発生させつつ前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための第1の隔壁部材とを含み、前記第1の隔壁部材には前記放電スペース内に放電ガスを円滑に供給するための溝が形成されていることを特徴とする装置が提供される。
【0028】
本発明のさらに別の態様では、少なくとも1つの単位放電セルで構成され、該単位放電セルの放電スペースは上部基板と下部基板との間に位置するような、フラットパネルディスプレイ装置を製造する方法であって、(a)標準基板(reference substrate)上に複数の電極を形成するステップと、(b)前記電極を含むように前記基板をカットするステップと、(c)前記カットされた電極を前記下部基板と前記上部基板の間に挿入するステップとを含むフラットパネルディスプレイ装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、フラットパネルディスプレイ装置は、(i)放電電極が上部基板及び下部基板とは別途に隔壁部材の製造工程の中に形成されることによって、製造工程数の減少、作業の容易性に伴う生産性向上及びロボット組立などの自動化プロセスが可能なこと、(ii)上部基板及び下部基板は、放電電極の形成の際に必須に伴う高温焼成過程を経てないので、フラットパネルディスプレイ装置の原価の節減しかつ熱的衝撃の影響を小さくすることが可能である(例えば、安価なソーダライムを基板として用いることができる)という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来技術に係るフラットパネルディスプレイ装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A’に沿って切った断面図である。
【図3】図1の隔壁部材を示す図である。
【図4】図2の放電電極を示す図である。
【図5】従来のフラットパネルディスプレイ装置の製造工程を示す図である。
【図6】従来のフラットパネルディスプレイ装置の製造工程を示す図である。
【図7】従来のフラットパネルディスプレイ装置の製造工程を示す図である。
【図8】従来のフラットパネルディスプレイ装置の製造工程を示す図である。
【図9】従来のフラットパネルディスプレイ装置の製造工程を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るフラットパネルディスプレイ装置の全体構成を示す平面図である。
【図11】図10のA−A’に沿って切った断面図である。
【図12】図10の隔壁部材を示す図である。
【図13】図11の放電電極を示す図である。
【図14】他の形状の隔壁部材を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るフラットパネルディスプレイ装置の全体構成を示す平面図である。
【図16】図15の隔壁部材を示す図である。
【図17】本発明に係る隔壁部材の製造工程を示す図である。
【図18】本発明に係る隔壁部材の製造工程を示す図である。
【図19】本発明に係る隔壁部材の製造工程を示す図である。
【図20】本発明に係る隔壁部材の製造工程を示す図である。
【図21】本発明の第3の実施形態に係るフラットパネルディスプレイ装置の全体構成を示す平面図である。
【図22】図21のA−A’に沿って切った断面図である。
【図23】図21の隔壁部材を示す図である。
【図24】図22の電極を示す図である。
【図25】他の形状の隔壁部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
後述する詳細な説明においては、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が容易に実施できるのに充分に詳細に説明する。本発明の多様な実施形態は、相異なるが、必ずしも相互に排他的ではないと理解されたい。例えば、1つの実施形態と関連して説明する特定の機能、構造及び特性は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく他の実施形態で実現され得る。また、以下に開示するそれぞれの実施形態のうち、個別の構成要素の位置または配置は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく変更可能であると理解されたい。以下の詳細な説明は、限定的な意味で扱うものでなく、本発明の技術的範囲は、適切に説明されるならば、その特許請求の範囲に記載された各請求項が主張するものと均等な全ての技術的範囲を含む。図面において、同様の符号は、幾つかの図面を通して同じかまたは類似の機能部分を指す。
【0032】
本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図10から図14は、本発明の第1の実施形態によるフラットパネルディスプレイ装置300を示す図面である。
【0034】
まず、図10は、フラットパネルディスプレイ装置300の全体構成を示す平面図であり、図11は、図10のフラットパネルディスプレイ装置300をA−A’に沿って切った断面図である。図10及び図11に示すように、フラットパネルディスプレイ装置300は、上部基板301、下部基板302、隔壁部材304、305、306、封止材307、放電電極308、蛍光体309、ガス注入口310などを含むことができる。フラットパネルディスプレイ装置300は、複数の単位放電セル303で構成され、本明細書では単位放電セルを基準にフラットパネルディスプレイ装置を説明することにする。
【0035】
また、本発明では6つの単位放電セルで構成されるフラットパネルディスプレイ装置を例に挙げて説明するが、フラットパネルディスプレイ装置の面積が大きくなるにつれて単位放電セルの個数は追加に増加することもできる。
【0036】
本発明の第1の実施形態に従って、フラットパネルディスプレイ装置300は、放電スペース内に電界を形成するための一対の放電電極308を有し、放電電極308は、上部基板301と下部基板302とを支持しかつ互いに離間させておく機能を有するY軸方向に並んだ隔壁部材304、305の側面上に形成される。このように、単位放電セル303内の一対の放電電極308は、互いに対向し得る。
【0037】
一方、図11に示すように、蛍光体309は、上部基板301及び下部基板302上に位置することができるが、これに限定されるのではない。例えば、上部基板301及び下部基板302のうちいずれか1つにのみ位置してもよく、隔壁部材304、305、306上に位置してもよい。また、上記の様々な例は、特別な言及がなくても本明細書の他の実施形態に適用され得ることに留意されたい。
【0038】
互いに対向する複数の電極を有するフラットパネルディスプレイ装置の動作過程は、次の通りである。(a)隔壁部材304、305上の放電電極308に適切な電圧が印加されると、部分的な放電現象が始まち、(b)電圧が十分な時間の間印加されれば、互いに対向する一対の放電電極308の間に細い帯形状の初期放電経路が形成され、(c)初期放電経路が形成された後に印加電圧が増加すると、初期放電経路が電極間のスペースにおいて垂直方向へ拡張され、(d)各拡張された放電経路は、隣接した放電経路と結合され、放電スペースを満たすので、均一かつ完全な放電が提供される。
【0039】
図12は、図10に示された隔壁部材の構造をより詳細に示した図面である。図12において、一番上の図は、隔壁部材304、次の図は、隔壁部材305、一番下の図は、隔壁部材306を示し、各々の隔壁部材304、305、306は、左図と右図とに分かれて示されている。左図は、X軸方向から隔壁部材304、305を観察し、Y軸方向から隔壁部材306を観察した図面であり、右図は、Y軸方向から隔壁部材304、305を観察し、X軸方向から隔壁部材306を観察した図面である。
【0040】
便宜上、本明細書においては、Y軸方向に配置される隔壁部材304、305と、X軸方向に配置される平行な隔壁部材306とを考慮することによって、隔壁部材について説明する。Y軸方向に沿った隔壁部材304、305とX軸方向に沿った隔壁部材306とは実質的に直角で交差する。1つの単位放電セルが基本的に、Y軸方向の一対の隔壁部材304、305及びX軸方向の一対の隔壁部材306によって形成される放電スペースを占める。ここで、単位放電セルが最も外側のものに対応する場合、最も外側の隔壁部材306は省略され得る。
【0041】
Y軸方向に沿った隔壁部材304、305の構造は、放電セルが、隔壁部材の両側に接しているか、隔壁部材の片側に接しているかによって区分される。詳細には、Y軸方向の隔壁部材304は、放電セルに片側で接し、Y軸方向の隔壁部材305は、放電セルに両側で接している。
【0042】
その一方で、X軸隔壁部材306上には放電電極が形成されていない。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、補助電極として働く放電電極は、隔壁部材306上にも形成されることができる。また、補助電極は、特別な言及がなくても本明細書の他の実施形態に適用され得ることに留意されたい。
【0043】
隔壁部材は、断面が四角形、円形または環状の連続した棒形状か、あるいは球形、多角面体などの点形状で具現可能で、その材質としてガラス、セラミックなどが挙げられる。これに追加して、隔壁部材の断面は、円形、楕円形、多角形などをカットした一部の形態でもよい。また、隔壁部材の様々な例は、特別な言及がなくても本明細書の他の実施形態に適用され得ることに留意されたい。
【0044】
図13は、図11の放電電極308の構造をより詳細に示した図面である。本発明の第1の実施形態によれば、放電電極308の構成は、従来の放電電極105の構成と類似している(それゆえ、放電電極308は、金属層308a、誘電体層308b及び保護層308cから構成され得る)。しかし、保護層105cと保護層308cとの違いは、図4の保護層105cは上向きに形成されているが、図13の保護層308cは右向きであることである。これは、保護電極308が隔壁部材304、305の側面上に形成され、保護層308cが保護電極308上に形成されるためである。それゆえ、保護層308cは、左または右向きであり得、即ち図11に示すように隔壁部材304、305の左側または右側に配置され得る。
【0045】
ここで、金属層308aは、スクリーン印刷法によって印刷された後、焼成され、誘電体層308bは、該焼成された金属層308a上にスクリーン印刷法やDFR(ドライフィルムレジスト)を用いる積層法によって形成され、保護層308cは、誘電体層308b上にスパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いて形成されることができる。
【0046】
ところで、金属層308aは、純金属だけでなく、合金、金属化合物、炭素などの導電性材質からなることができる。これに対しては、特別な言及がなくても本明細書の他の実施形態に適用され得ることに留意されたい。
【0047】
Y軸方向の隔壁部材305とX軸方向の隔壁部材306とは互いに、例えば直角に、交差することができる。図12に示すように、隔壁部材305、306が互いに、例えば直角に、交差るように配置するために、溝311、312が、Y軸方向に隔壁部材305に、X軸方向に隔壁部材306にそれぞれ形成される。溝311、312の深さは、隔壁部材305、306の高さの半分になるように決定され得ることが望ましいが、これに限定されるものではない。ここで、フラットパネルディスプレイ装置の設計の様々な例を考慮して、隔壁部材305と隔壁部材306が交差するか否かを選択することができる。その一方で、隔壁部材304と隔壁部材306は、必ずしも互いに交差しない。
【0048】
図14は、図11及び図12に示された隔壁部材305に対する変形構造の例を示す。即ち、放電電極308が両側に形成されているY軸方向の隔壁部材305の構造は構造、放電電極308が片側に形成されているY軸方向の2つの隔壁部材304と置き換えられる。隔壁部材305の場合、各層即ち金属層、誘電体層及び保護層は、一般に隔壁部材の両側において塗布工程及びその後の焼結工程を経なければならないが、隔壁部材304の場合は、塗布工程及びその後の焼結工程は隔壁部材の片側にのみ適用されればよいため、隔壁部材305よりも隔壁部材304を製造する方が容易である。従って、隔壁部材305を2つの隔壁部材304と置き換えることによって、フラットパネルディスプレイ装置300の製造工程は非常に簡単になり得る。このような変形例によれば、2つの隔壁部材304同士が一定距離離れたままになるようにすることによって2つの隔壁部材304間にスペースが形成され、該スペースを電力伝達ラインなどが通過するようにすることができる。
【0049】
図15から図16は、本発明の第2の実施形態に係るフラットパネルディスプレイ装置400を示す図面で、隔壁部材が交差しないフラットパネルディスプレイ装置400の一例を示している。
【0050】
ここでは、図10から図16に含まれる3桁の符号のうち少なくとも2桁が同一ならば、同じ部分を指していることを意味する。
【0051】
まず、図15は、フラットパネルディスプレイ装置400の全体構成を示す平面図である。隔壁部材404、405、406の構造及び隔壁部材405、406が交差しないことを除いては、フラットパネルディスプレイ装置400の基本的な構成は、フラットパネルディスプレイ装置300のそれと同一なので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0052】
図16は、図15の隔壁部材の構造をより詳細に示した図面である。図16に示すように、一番上の図は、隔壁部材404を、次の図は、隔壁部材405を、一番下の図は、隔壁部材406を示す。各々の隔壁部材404、405、406に関する図面は、左図と右図とに分かれて示している。ここで、左図は、隔壁部材404、405をX軸方向で示して、隔壁部材406をY軸方向で示したもので、右図は、隔壁部材404、405をY軸方向で示し、隔壁部材406をx軸方向で示したものである。前述のように、本実施形態は、Y軸方向の隔壁部材404、405とX軸方向の隔壁部材406とが重なり合っていない構造を有している。
【0053】
隔壁部材同士が重なり合っている第1の実施形態と、隔壁部材同士が重なり合っていない第2の実施形態との差異は、次の通りである。
【0054】
第1の実施形態は、X軸方向の隔壁部材同士が一体化されているので、フラットパネルディスプレイ装置の製造工程に含まれるステップの数が第2の実施形態より少ない。しかしながら、第1の実施形態は、隔壁部材305、306に互いに重なり合うための溝を形成しなければならないため、隔壁部材305、306の製造が容易でなく、製造単価が増加し得る。さらに、第1の実施形態に従って隔壁部材305に形成された深溝311は、隔壁部材305の構造を脆弱にすることがあり、深溝311部分のせいで隔壁部材305の高さは急減するので、溝311近辺の導体の面積が狭くなり得る。これによって、電極間の電場を均一でないようにし得るので、プラズマの形成に悪影響を及ぼすことがある。
【0055】
これとは逆に、第2の実施形態によれば、X軸方向の隔壁部材は一体化されていない(即ち隔壁部材406同士が分離されている)。これにより、組立工程において組立ステップが増えるので、生産性が落ちる。しかしながら、隔壁部材の非交差構成のおかげで、必ずしも隔壁部材406に溝を形成する必要がなく、加工をさらに容易にし得る。また、第1の実施形態の深溝構造311とは逆に、第2の実施形態の隔壁部材405は深溝を有しないので、隔壁部材の高さは均一であり得る。隔壁部材405の均一な高さのおかげで、構造面で脆弱でなく、電極間の電場を均一に形成しかつプラズマの分布を均一にし得る。従って、不均一な電場による発熱可能性は、第2の実施形態によれば最小化され得る。ここで、隔壁部材405の下面に形成された狭小溝416は、放電スペース全体のガス排気役割と、ガス注入口410を通じて注入されたガスを隣の放電セルに伝達させる役割を果たす。
【0056】
図17から図20は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るフラットパネルディスプレイ装置の隔壁部材に対する製造過程を示す図面である。本製造過程の特徴は、従来技術とは異なり、放電電極が下部基板の製造過程とは別途に製造されるという点にある。即ち、図17から図20によれば、複数の隔壁部材及びその側面上に形成された放電電極は、フラットパネルディスプレイ装置の上部基板及び下部基板の製造工程に関係なく大量生産されることができる。
【0057】
図17は、隔壁部材製造用ガラス基板501上に多数の放電電極502を形成するステップを示す。前述のように、放電電極502は金属層、誘電体層及び保護層を含む。このとき、放電電極をガラス基板501の両側に各々形成してもよく、片側にのみ形成してもよい。
【0058】
図18は、放電電極502が形成されたガラス基板501をカットして複数の隔壁部材を製造するステップを示す。図18に示すように、放電電極502が両側に形成された隔壁部材503と放電電極502が片側にのみ形成された隔壁部材504とが存在し、この中隔壁部材503はY軸方向の隔壁部材305、405に該当し、隔壁部材504は他のY軸方向の隔壁部材304、404に該当する。図18に示すカットのステップは、望ましくはダイヤモンドまたはタングステン合金でできた鋸刃、高圧ウォータージェットカッティング法またはレーザカッティング法によって行われることができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
一方、図17のステップと図18のステップとの順序は変更できることに留意されたい。言い換えれば、ガラス基板501をまずカットすることによって準備された複数のストリップ形状のガラス基板上に、金属層、誘電体層、保護層を含む放電電極502を形成することができる。
【0060】
図19及び図20に示すように、上記したように提供される大量生産された隔壁部材503、504が上部基板と下部基板の間に挿入され、放電スペース内に放電ガスをが注入されるとき、ようやくフラットパネルディスプレイ装置が完成する。具体的には、図20に示すように、両側に放電電極が形成される隔壁部材503は、中央に位置して放電セルを区切ることができるが、片側にのみ放電電極が形成されている隔壁部材504は、基板の縁部に配置される。
【0061】
このように、本発明は、隔壁部材を製造する別の工程中に放電電極を形成することによって、次のような長所がある。
【0062】
第1に、側面に放電電極が形成された多数の隔壁部材を別途に大量生産され、フラットパネルディスプレイ装置の製造工程に効率的に適用されるので、生産性の向上、全体工程に含まれるステップ数の減少及び工程の自動化を実現することができる。
【0063】
第2に、隔壁部材を組み立てた後に低温で焼成が行われる下部基板に、放電電極が直接形成されないため、下部基板上に安価なソーダライムガラスを用いることができるという長所がある。従来の技法に従って、上部基板及び下部基板に高歪点ガラスを用いてきたが、その理由は、放電電極は高温焼成過程によって基板上に直接形成されたからである。しかし、高歪点ガラスは、ソーダライムガラスより高価であるので望ましくなかった。本発明は、この問題を克服する点で非常に意味がある。
【0064】
第3に、下部基板は、製造工程中に高温焼成過程を経ないため、熱的衝撃がより小さい。
【0065】
図21から図25は、本発明の第3の実施形態によるフラットパネルディスプレイ装置600を示す図面である。
【0066】
まず、図21はフラットパネルディスプレイ装置600の全体構成を示し、図22は図21のA−A’から見たフラットパネルディスプレイ装置600の断面図である。第3の実施形態に従うフラットパネルディスプレイ装置600の基本的な構成は、第1の実施形態によるフラットパネルディスプレイ装置300の構成とほぼ同一である。フラットパネルディスプレイ装置600は上部基板601、下部基板602、隔壁部材604、605、606、封止材607、放電電極608、蛍光体609、ガス注入口610を含む。
【0067】
本発明の第3の実施形態に従って、放電スペース内に電界を形成する一対の放電電極608が、図22に示すようにY軸方向に隔壁部材604、605の内部に形成される。従って、単位放電セル603内の一対の放電電極608は互いに対向し得る。
【0068】
図23は、図21の隔壁部材の構造をより詳細に示す。具体的には、一番上の図は隔壁部材604を示し、次の図は隔壁部材605を示し、一番下の図は隔壁部材606を示す。ここで、隔壁部材604、605、606は各々、左右の図に分けられている。左側の図は、X軸方向から見た隔壁部材604、605及びY軸方向から見た隔壁部材606を指し、右側の図は、Y軸方向から見た隔壁部材604、605及びX軸方向から見た隔壁部材606を指す。
【0069】
本発明の第3の実施形態によれば、隔壁部材の構造及び配列は、第1の実施形態と基本的には同一であるが、次のような差異がある。まず、Y軸方向の隔壁部材604、605の断面は、円形、または全体として中空パイプ形状である。さらに、放電電極の役割をする金属棒608が隔壁部材604、605内にY軸方向に挿入され得る。従って、Y軸方向の隔壁部材604とY軸方向の隔壁部材605とに放電電極の構造の点で差異はない。しかし、第1の実施形態で述べたような2つの隣り合うセルに隣接する隔壁部材605の底部にガス通路613を形成することが望ましい。
【0070】
図23に示すようなX軸方向の隔壁部材606の断面は長方形の棒状であるが、これに限定されるものではない。例えば、隔壁部材606は、隔壁部材604、605と同様に中心部分が中空の円形パイプ形状であってもよい。別の例では、隔壁部材606は、中心部分が特定の誘電率を有する材料で満たされた中空のパイプ形状であってもよい。
【0071】
図24は、図22の隔壁部材の構造をより詳細に示した図面である。前述のように、本発明の第3の実施形態によれば、放電電極として働く金属棒608は、Y軸方向の隔壁部材604、605内に挿入される。従って、本発明の第1及び第2の実施形態とは異なり、電極形成に必要な印刷法やディッピング法などの工程を省略することができ、電極形成工程を単純化し得る。言い換えると、本発明の第3の実施形態に従って、比較的簡単な工程、即ち誘電体が形成される指定の仕様の外径を有する各ガラス管に金属体(例えば、金属棒)を挿入する工程が必要とされ得る。その一方で、隔壁部材604、605と金属棒608の間に空気層611が存在し得る。隣接するセルが1つである隔壁部材604の場合には、片側に誘電体層612が形成されているガラス管を用いることができ、隣接するセルが2つである隔壁部材605の場合には、両側に誘電体層612が形成されるガラス管を用いることができる。必要に応じて、誘電体層612上に保護層が形成され得る。
【0072】
図25は、隔壁部材604、605の様々な例である。図25によれば、放電スペース内に電界を形成する一対の放電電極が、上部基板と下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくY軸方向の隔壁部材としても働き得る。即ち、金属パイプ(図中の黒い部分)は、隔壁部材と放電電極との役割を同時にするものである。また、図25の例においてさえも、電極形成において既存の形成方法である印刷法やディッピング法を省略することができるため、電極の製造工程が簡単になる。要するに、本発明の第3の実施形態によれば、電極として用いられる金属体(例えば、金属パイプ)の外面の周りに誘電体層を巻き付ける簡単な工程が必要とされ得る。保護層は、必要に応じて誘電体層上に形成されることができる。
【0073】
具体的には、図25には隔壁部材604、605の3つの異なる例が示されており、左の図は断面が円形である隔壁部材の構造を示し、真ん中の図は断面が楕円形である隔壁部材の構造を示し、右の図は断面が四角形である隔壁部材の構造を示す。しかしながら、隔壁部材の形状及び厚さは、これに限定されるものではなく、隔壁部材の役割を果たし得る範囲においてを多様に定めることができる。
【0074】
なお、本発明を好適な実施形態に則して説明したが、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で当該技術分野の技術に照らし合わせて多様に変形することが可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0075】
100、300、400、600 フラットパネルディスプレイ装置
101、301、601 上部基板
102、302、602 下部基板
103、304、305、306、404、405、406、503、504、604、605、606 隔壁部材
104、607 封止材
105、502、608 放電電極
106、609 蛍光体
107、610 ガス注入口
303 単位放電セル
308 一対の放電電極
501 隔壁部材製造用ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、
上部基板及び下部基板と、
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための1若しくは複数の第1の隔壁部材と、
前記単位放電セルの放電スペース内に電界を発生させるために、前記第1の隔壁部材上に形成された一対の電極とを含み、
前記一対の電極は、前記第1の隔壁部材の全ての側面のうち前記放電スペースと接する1若しくは複数の側面上に形成され、前記一対の電極は、互いに対向し、
前記第1の隔壁部材の内部に内部スペースが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記スペースを電力伝達ラインが通過するようにすることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、
上部基板及び下部基板と、
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための1若しくは複数の第1の隔壁部材と、
前記単位放電セルの放電スペース内に電界を発生させるために、前記第1の隔壁部材上に形成された一対の電極とを含み、
前記一対の電極は、前記第1の隔壁部材の全ての側面のうち前記放電スペースと接する1若しくは複数の側面上に形成され、前記一対の電極は、互いに対向し、
前記第1の隔壁部材に、1若しくは複数の溝が形成されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
前記溝は、前記放電スペース内に放電ガスを円滑に供給するためのガス通路であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための、前記第1の隔壁部材に垂直に配列された1若しくは複数の第2の隔壁部材をさらに含むことを特徴とする請求項1または3に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の隔壁部材は、連続した棒または点の形状であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記連続した棒の断面形状は、四角形、円形または環状のうちの少なくとも1つを含み、前記連続した点の形状は、球形、多角面体のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の隔壁部材には、電極が形成されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記電界により形成されたプラズマによって励起されて可視光線を放出する蛍光体をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記蛍光体は、前記上部基板及び下部基板のうちの少なくとも1つの上に形成されることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記蛍光体は、前記第1の隔壁部材及び前記第2の隔壁部材のうちの少なくとも1つに形成されることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の隔壁部材の材質は、絶縁性物質からなることを特徴とする請求項5に記載の装置
【請求項13】
前記絶縁性物質は、ガラスまたはセラミックを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の隔壁部と前記第2の隔壁部材とは、互いに交差することを特徴とする請求項5に記載の装置
【請求項15】
前記電極は、前記第1の隔壁部材上に形成された導電性材質の被膜層であることを特徴とする請求項1または3に記載の装置。
【請求項16】
前記電極上には、誘電体層が形成されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記誘電体層上には、保護層が形成されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記導電性材質は、金属、合金、金属化合物、炭素の中の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、
上部基板及び下部基板と、
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための1若しくは複数の第1の隔壁部材と、
前記第1の隔壁部材の内部に設けられた状態で、前記単位放電セルの放電スペース内に電界を発生させる電極とを含み、
隣り合う単位放電セルに両側面が接している特定の第1の隔壁部材が、前記隣り合う単位放電セルに共通する電極であることを特徴とする装置。
【請求項20】
前記特定の第1の隔壁部材の断面は、円形、楕円形、多角形の中の少なくとも1つ、または円形、楕円形、多角形を任意にカットした一部で構成される図形の中の少なくとも1つであることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための、前記第1の隔壁部材に垂直に配列された1若しくは複数の第2の隔壁部材をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記第2の隔壁部材は、連続した棒または点の形状であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記連続した棒の断面形状は、四角形、円形または環状のうちの少なくとも1つを含み、前記連続した点の形状は、球形、多角面体のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第2の隔壁部材には、電極が形成されることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記電界により形成されたプラズマによって励起されて可視光線を放出する蛍光体を、さらに含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の隔壁部材に対して垂直方向に配列された第2の隔壁部材をさらに含み、
前記蛍光体は、前記第1の隔壁部材及び前記第2の隔壁部材のうちの少なくとも1つに形成されることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1及び第2の隔壁部材は、絶縁性物質からなることを特徴とする請求項21に記載の装置
【請求項28】
前記絶縁性物質は、ガラスまたはセラミックを含むことを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記蛍光体は、前記上部基板及び下部基板のうちの少なくとも1つの上に形成されることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の隔壁部材に、溝が形成されていることを特徴とする請求項19に記載の装置
【請求項31】
前記第1の隔壁部材と該第1の隔壁部材に含まれた電極との間のスペースは、空気または誘電体で満たされることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の隔壁部材上には、誘電体層が形成されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項33】
前記電極は、前記第1の隔壁部材の内部に挿入される金属棒であることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項34】
少なくとも1つの単位放電セルを含むフラットパネルディスプレイ装置であって、
前記単位放電セルの放電スペースを形成する上部基板及び下部基板と、
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させつつ前記放電スペース内に電界を発生させる第1の隔壁部材とを含み、
前記第1の隔壁部材には、前記放電スペース内に放電ガスを円滑に供給するための溝が形成されていることを特徴とする装置。
【請求項35】
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための、前記第1の隔壁部材に垂直に配列された1若しくは複数の第2の隔壁部材をさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
第2の隔壁部材は、連続した棒または点の形状であることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記連続した棒の断面形状は、四角形、円形または環状のうちの少なくとも1つを含み、前記連続した点の形状は、球形、多角面体のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第2の隔壁部材には、電極が形成されることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項39】
前記第1の隔壁部材の材質は導電性材質の被膜層を含み、前記第2の隔壁部材の材質は絶縁性材質を含むことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項40】
前記導電性材質は、金属、合金、金属化合物、炭素のうちの少なくとも1つを含み、前記絶縁性材質は、ガラス、セラミックのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記電界により形成されたプラズマによって励起されて可視光線を放出する蛍光体を、さらに含むことを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項42】
前記蛍光体は、前記上部基板及び下部基板のうちの少なくとも1つ上に形成されることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記上部基板と前記下部基板とを支持しかつ互いに離間させておくための、前記第1の隔壁部材に垂直に配列された1若しくは複数の第2の隔壁部材をさらに含み、
前記蛍光体は、前記第1の隔壁部材及び前記第2の隔壁部材のうちの少なくとも1つに形成されることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記第1の隔壁部材上には、誘電体層が形成されることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項45】
少なくとも1つの単位放電セルを含み、該単位放電セルの放電スペースは上部基板と下部基板との間に位置するような、フラットパネルディスプレイ装置を製造する方法であって、
(a)標準基板上に複数の電極を形成するステップと、
(b)前記電極を含むように前記標準基板をカットするステップと、
(c)前記カットされた電極を前記下部基板と前記上部基板の間に挿入するステップとを含むことを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項46】
前記ステップ(a)において、前記電極は、前記標準基板の両側または片側に形成されることを特徴とする請求項45に記載の装置の製造方法。
【請求項47】
前記ステップ(a)において、前記標準基板の両側または片側に形成された電極上に、誘電体層が形成されることを特徴とする請求項46に記載の装置の製造方法。
【請求項48】
前記ステップ(a)において、前記標準基板の両側または片側上の前記誘電体層上に、保護膜層が形成されることを特徴とする請求項47に記載の装置の製造方法。
【請求項49】
前記ステップ(b)において、
前記電極をカットすることによって前記標準基板の片側に形成された電極が得られる場合には、前記電極がカットされた電極は、垂直方向に前記標準基板層、前記電極層の順に積層された第1の積層構造を有し、
前記電極をカットすることによって前記標準基板の両側に形成された電極が得られる場合には、前記電極がカットされた電極は、垂直方向に前記電極層、前記標準基板層、前記電極層の順に積層された第2の積層構造を有することを特徴とする請求項45に記載の装置の製造方法。
【請求項50】
前記第1の積層構造は、垂直方向に前記標準基板層、前記電極層、誘電体層の順に積層された構造であり、
前記第2の積層構造は、垂直方向に誘電体層、前記電極層、前記標準基板層、前記電極層、誘電体層の順に積層された構造であることを特徴とする請求項49に記載の装置の製造方法。
【請求項51】
前記第1の積層構造は、垂直方向に前記標準基板層、前記電極層、前記誘電体層、保護膜層の順に積層された構造であり、
前記第2の積層構造は、垂直方向に保護膜層、前記誘電体層、前記電極層、前記標準基板層、前記電極層、前記誘電体層、保護膜層の順に積層された構造であることを特徴とする請求項50に記載の装置の製造方法。
【請求項52】
前記ステップ(b)は、ダイヤモンドまたはタングステン合金でできた鋸刃、高圧ウォータージェットカッティング法、またはレ一ザカッティング法によって行われることを特徴とする請求項51に記載の製造方法。
【請求項53】
前記ステップ(c)において、前記第1及び第2の積層構造内に含まれる前記標準基板層が、前記下部基板と前記上部基板との間で支持体として機能することを特徴とする請求項51に記載の装置の製造方法。
【請求項54】
前記ステップ(c)において、前記第1及び第2の積層構造が、前記下部基板と上部基板の間に挿入されることを特徴とする請求項51に記載の装置の製造方法。
【請求項55】
前記ステップ(c)において、前記第1及び第2の積層構造を、水平方向に倒して前記下部基板と上部基板の間に挿入することを特徴とする請求項54に記載の装置の製造方法。
【請求項56】
前記ステップ(c)において、前記第1の積層構造構造は、前記第1の積層構造の片側のみが前記単位放電セルに接している第1の位置で、前記単位放電セルの第1の支持体として機能し、前記第2の積層構造は、前記第2の積層構造の両側が前記単位放電セルに接している第2の位置で、前記単位放電セルの第2の支持体として機能することを特徴とする請求項55に記載の装置の製造方法。
【請求項57】
前記ステップ(c)において、前記各カットされた電極は棒形状であることを特徴とする請求項45に記載の装置の製造方法。
【請求項58】
前記カットされた電極に垂直になるように、隔壁部材を前記下部基板と前記上部基板の間に挿入するステップをさらに含むことを特徴とする請求項57に記載の装置の製造方法。
【請求項59】
前記下部基板と前記上部基板とを封止材で封止するステップをさらに含むことを特徴とする請求項58に記載の装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2010−526411(P2010−526411A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506079(P2010−506079)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002475
【国際公開番号】WO2008/136594
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509302560)エスエスシーピーカンパニーリミテッド (1)
【Fターム(参考)】