説明

井戸の目詰まり防止システム

【課題】流水に磁場を印加することによりスケールの原因物質を析出不能な状態にして井戸の目詰まりを防止するシステムを提供する。
【解決手段】流水を磁気処理することで井戸の目詰まりを防止するシステムであって、地中への埋設用の周壁下部の全周に亘って細かい透水孔を穿設してなるスクリーンと、このスクリーンの表面に沿って井戸の長手方向に対して螺旋状に延び、かつスクリーンと一体化されたコイル状導電部と、このコイル状導電部に対する給電部とを備え、井戸の長手方向へのコイル状導電部のピッチを、同方向へのコイル状導電部の巾よりも大として、隣り合うコイル部分間に空隙を生ずるようにするとともに、この空隙が透水孔を経てスクリーン内部と連通するように設け、さらに上記コイル状導電部の表面は絶縁されており、このコイル状導電部に通電することで井戸の内側又は外側に電磁場を形成することで水中の目詰まり原因物質がスクリーンに付着しないように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸の目詰まり防止システム、特にリチャージ式の井戸の目詰まり防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
井戸として、地中に埋設する単一の周壁(又は2重周壁)の下部を、例えば複数のサポートロッドとその周囲に巻き付けた螺旋状の剛性ワイヤーとからなるスクリーンとし、このスクリーンを通じて地下水を揚水し、またリチャージ井戸にあっては井戸の周囲の土壌に注水するようになっている(引用文献1又は特許文献2の段落0002)。スクリーンの構造としては、螺旋タイプの他に有孔パイプ型や網・フィルター型のものなどもある(特許文献3)。
【0003】
いずれのタイプのスクリーンであっても、地中水や注入水に含まれる水酸化鉄や鉄バクテリアなどが原因となって、表面に析出物(スケール)が付着する可能性がある。スケールが付着するとスクリーンの目詰まりを生ずるから、井戸のメンテナンス上で大きな問題となる。
【0004】
ところが従来こうした目詰まり予防対策は殆ど行われていないのが現実である。単に定期的に若しくは井戸の能力が低下した場合に井戸内部の状況をカメラなどで確認し、スケールによる目詰まりが確認されるとブラッシングや高圧洗浄などの方法を行ってスクリーンに付着している物質を除去する。
【0005】
ここでブラッシングとは、ブラシなどでスクリーンに付着した物質を掻き取ることである(特許文献4)。また高圧洗浄とは、清水を高圧でスクリーンなどに噴射し、付着物を破壊しながら除去するものである(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−169867
【特許文献2】特開2000−080681
【特許文献3】特開2005−336822
【特許文献4】特開2005−307575
【特許文献5】特開2005−58975
【特許文献6】特開2003−80108
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブラッシングや高圧洗浄を用いる方法では、井戸内部に設置してある水中ポンプなどの装置を一度撤去し、井戸の使用を停止して行う必要がある。また、専用の道具を必要とし、かつ重量物を揚重するための装置を準備するなど大掛かりな作業となる。従って手間や費用にかかる負担が大きくなる。
【0008】
また、より簡単な方法として、注水井戸への注水を止め、揚水ポンプで目詰まりの原因となる物質を排除することが考えられる。しかしながら目詰まりの原因物質が析出又は付着する量が多い場合、揚水ポンプによる洗浄ではそれら原因物質を除去することができなくなる。
【0009】
本出願人は、この問題を鋭意検討して、磁気処理により流水中のスケール原因物質を析出不能な状態とする技術を適用することに想い至った。目詰まり原因物質(イオンなど)を含む水に磁場を印加すると、当該物質が析出しなくなることは経験的に知られている。
【0010】
こうした技術を流水管に適用することも既に知られており、例えば流路の上流側及び下流側をそれぞれ横切る一対のフィルターを含む流水管のフィルター設置箇所に対して、管壁の外側に設置した磁石(バルク磁石)で電磁場を生じさせることが行われている(特許文献6)。
【0011】
しかしながら、この文献では井戸、特にスクリーン付きの井戸に磁気処理技術をどのように適用するのかということについては特に開示していない。例えば特許文献6のフィルター設置箇所が井戸のスクリーンに相当すると考えると、スクリーンの外側箇所に磁石を設置することになる。ところが特許文献6が教える通りに井戸の筒体に磁石を設置すると、スクリーンを水が通過するときの邪魔になる。何故なら井戸の場合には、スクリーン外方の場所は水の通り道になるからである。
【0012】
スクリーンよりも上方の井戸部分に磁石を設置すれば、磁石が水の通り道を妨げるという問題は起らない。しかしながら、この構成では、水が井戸内部からスクリーンへ向かう注水行程にしか適用できない。リチャージを主とする井戸でも井戸から拡散した目詰まり原因物質を回収するために一日のうちある程度の時間は揚水を行うことが必要であり、それができない井戸は周囲の環境にとって好ましくない。
【0013】
出願人は、この問題を鋭意検討して、井戸の螺旋状のスクリーンに沿って透水用の空隙を存してコイル状の導電部を形成する構成に想到した(図19〜図21参照)。この構成によれば注水行程中図20に黒丸で示すスケール原因物質がコイルの磁場により同図に白丸で示す析出しにくい粒子に変化し、スクリーンを通過する。しかしながらこの構成でも未だ次のような問題が残っている。第1に、透水用の空隙を存してコイル状導電部を構成したので、コイルの巻き数が少なくなってしまうことである。第2に、コイルの周囲の磁束密度はコイルの内部に比べてコイルの外側では非常に弱いので、井戸の外側のエリアAoutから地下水を吸い上げる場合に磁気処理の実効性が期待できないことである。スクリーンを通過してから強い磁場が発生する場所(コイル内部)に到達することになるからである。この点に関しては図19〜図21の参考例に関連して説明する。
【0014】
本発明の第1の目的は、通水用の空隙を含むコイル状導電部をスクリーンに組み込むことでスケールの原因物質が物の表面に析出しないようにした井戸の目詰まりを防止するシステムを提供することである。
【0015】
本発明の第2の目的は、コイル状導電部付きのスクリーンを内外2重にすることで、注水及び揚水の双方に対応できる井戸の目詰まり防止システムを提供することである。
【0016】
本発明の第3の目的は、透水孔を横切らないようにコイル形成用導線を組み込み、開孔率を低下させないようにした井戸の目詰まり防止システムを提供することである。
【0017】
本発明の第4の目的は、スクリーンを構成する剛性ワイヤーに沿って電磁石形成用導線を形成することで、開孔率に優れるとともに十分な強度を有する井戸の目詰まり防止システムと、このシステムに適した剛性ワイヤーとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1の手段は、
地中への埋設用の周壁の下部を通水可能なスクリーンとする井戸の目詰まりを防止するシステムであって、
上記周壁の下部を2重周壁として、これら各周壁を内側スクリーン及び外側スクリーンとするとともに、
各スクリーンの周面に沿って、井戸の長手方向に隣り合うコイル部分の間に通水用の空隙を存して延び、かつ表面を絶縁被覆したコイル状導電部をそれぞれ設け、
さらにこれら各コイル導電部に対してそれぞれ給電できる給電部を備えている。
【0019】
本手段の第1の特徴は、井戸のスクリーンの周面に通水用の空隙を存してコイル状導電部を巻きつけたことである。この構成によりコイル状導電部をスクリーンにコンパクトに組み込むことができる。なお、コイル状導電部はスクリーンに対して一体的に取り付けてもよく(図7参照)と、螺旋状のスクリーンそのものがコイル状導電部を兼ねるようにしてもよい(図15参照)。本手段の第2の特徴は、コイル状導電部を含むスクリーンを内外2重とし、かつ、それらコイル状導電部に個別に通電することができるように設けたことである。これによりコイルの注水行程に対しては内側のコイル状導電部に通電することにより、また揚水行程では少なくとも外側のコイル状導電部内に通電することによりスケールの析出を防止することができる。
【0020】
「スクリーン」は、透水孔を有し、周囲の土壌から地下水を分離して揚水することを可能とする機能を有する。このスクリーン機能を発揮できる程度に透水孔を細かく形成する。また透水孔はスクリーン全体にほぼ均等に分布させて、目詰まりの原因物質が分散するようにすることが望ましい。スクリーンは、有孔パイプや網で形成してもよいが、柱状に配列した複数のサポートロッド(縦材)に対して小さな間隙を存して多数のリング(横材)を取り付けたり、螺旋状の剛性ワイヤーを巻き付けると、頑丈で開孔率の高い構造となる。
【0021】
「コイル状導電部」は、スクリーン全体の周りに磁場を発生させるための磁気コイルとしての機能を有する。もっとも本発明のコイル状導電部は、例えば図7に示す如く隣接するコイル部分との間に水の通り道である空隙(V)を形成するようにしている。そのためにはコイル状導電部の1ピッチ分の長さ(P)をコイル状導電部の同方向の巾(W)よりも大きくすればよい。上記空隙(V)は透水孔(22)を経由してスクリーンの内方へ連通している。コイル状導電部の表面は絶縁されている。スクリーンとは別体としてコイル状導電部を取り付けるときには、コイル状導電部が透水孔を横切らないようにすることが望ましい。これに関しては後述する。また、この場合には、各各透水孔からコイル状導電部までの間隔をほぼ一定とすることが好適である。コイル状導電部は、図示例のようにスクリーンの外側から巻き付けると製造し易い。
【0022】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記給電部は、内側のコイル状導電部及び外側のコイル状導電部の双方に通電するとともに、2つのコイル状導電部のうち少なくとも一方に流す電流の向きを正逆反転することが可能に設計している。
【0023】
本手段では、二つのコイル状導電部に同時に通電し、内側のコイル状導電部の内部と、内側のコイル状導電部及び外側のコイル状導電部の間の間隙内部との何れか一方において強い磁場を発生するようにしている。
【0024】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
スクリーンの側外方から見てコイル状導電部が透水孔を横切ることがないように透水孔の形状及び配置を設計したことを特徴としている。
【0025】
先に述べた如くコイル状導電部の空隙を水が通るようにする構造には、図17のように透水孔の配置と関係なくスクリーンの上からコイル状導電部を巻回した態様も含まれる。ところがそれでは透水孔を横切るコイル状導電部分が土の圧力をまともに受けて破損し易くなる。そうした不都合を避けるために、本手段では、スクリーンの側外方(円筒形のスクリーンであれば半径方向外側)から見てコイル状導電部が透水孔を横切らないように透水孔を配置することを提案する。
【0026】
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ
スクリーンを、井戸の長手方向に延びる複数本のサポートロッドと、これらサポートロッドの外側又は内側に巻回したコイル状の剛性ワイヤーとで構成し、
剛性ワイヤーの上下両縁とサポートロッドとの左右両縁で各透水孔を形成するとともに、
上記剛性ワイヤーの内外両端部のうちサポートロッドと反対側の端部に、表面を絶縁した導電線をコイル状導電部として付設したことを特徴としている。
【0027】
先に述べた如く、通水用の空隙を有するコイル状導電部を、透水孔を横切らないようにスクリーンに導入した構造には、例えば図18のようにコイル状導電部の通り道を避けて透水管を管壁に穿設した態様も含まれる。ところが、これではスクリーンの開口率が小さい。そこで本手段では、柱状に縦方向に並行する複数本のサポートロッドに巻き付けた剛性ワイヤーにコイル状導電部を付設することを提案している。好適な実施例として、サポートロッドの回りに剛性ワイヤーを溶接により接続し、溶接による熱が冷めた後に剛性ワイヤーの端部に、表面を絶縁した導線を接着すればよい。
【0028】
本手段では、剛性ワイヤーへのコイル状導電部への取り付け箇所にも工夫がある。仮に図8の剛性ワイヤーの上面S又は下面Sにコイル状導電部を付設したとすると、透水孔をある程度の巾を確保するために隣り合う導線部分の間隙を大きくしなければならない。そうなるとコイル状導電部の巻き数が小さくなってしまう。そこで本手段では、コイル状導電部は、剛性ワイヤーの内端及び外端のうちの一端(サポートロッドと反対側の端部)に付設することにしている。これにより、土圧への対抗力が高まり、開孔率を高く保つことができ、さらにコイル状導電部の巻き数を多くすることができる。
【0029】
第5の手段は、第4の手段に記載の流水の磁気処理による井戸の目詰まり防止システムに適した剛性ワイヤーであって、
一方向に長い断面形状を有し、その長手方向の一端部を巾広としてこの端部の巾方向中間部に剛性ワイヤー全長に亘って導線嵌挿用の嵌合溝を穿設している。
【0030】
本手段では、上記目詰まり防止システムに用いるのに適した剛性ワイヤーを提案している。すなわち、剛性ワイヤーの全長に亘って導線嵌挿用の嵌合溝内に導線を嵌め込んでいるので、導線が剛性ワイヤーから脱落することが生じにくい。
【発明の効果】
【0031】
第1の手段に係る発明によれば、内外2重のスクリーンに通水用の空隙を含むコイル状導電部を導入したから、注水水又は地下水を効果的に磁気処理することができる。
【0032】
第2の手段に係る発明によれば、コイル状導電部への電流の向きを制御して、注水時に適した磁場の状態と揚水時に適した磁場の状態とを選択することができ、また注水時に2つのコイル状導電部の磁場が強め合うようにして磁場処理の効果を高めることもできる。
【0033】
第3の手段に係る発明によれば、透水孔を横切らないようにコイル状導電部を形成したから、土圧に対する強度を高め、かつ開孔率が低減することを防止できる。
【0034】
第4の手段に係る発明によれば、スクリーンを複数本のサポートロッドとコイル状の剛性ワイヤーとで形成し、かつサポートロッドとは反対側の剛性ワイヤーの端部に導線を付設したから、高開口率の既存のスクリーンの構造を大きく変えずに簡単に製造できる。
【0035】
第5の手段に係る発明によれば、長手方向の一端部を巾広としてこの端部の巾方向中間部に剛性ワイヤー全長に亘って導線嵌挿用の嵌合溝を穿設したから、第4の手段の井戸の目詰まり防止システムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態の井戸の目詰まり防止システムの全体図である。
【図2】図1のシステムを、内側スクリーンを強調して描いた切欠き斜視図である。
【図3】図2のスクリーンの一部拡大図である。
【図4】図2のスクリーンの要部断面図である。
【図5】図1のシステムの注水時の作用説明図である。
【図6】図1のシステムの揚水時の作用説明図である。
【図7】図2のスクリーンの要部縦断面図である。
【図8】図7の剛性ワイヤーの断面図である。
【図9】図4のシステムの注水時用の作用の解析結果を示す図である。
【図10】図4のシステムの揚水時用の作用の解析結果を示す図である。
【図11】図2のスクリーンの製造過程を示す図である。
【図12】図11の製造過程の説明図である。
【図13】本発明の第2実施形態のシステムの要部の拡大断面図である。
【図14】図13のシステムの変形例の剛性ワイヤーの断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態のシステムのスクリーンの拡大断面図である。
【図16】図15のシステムの変形例を示す断面図である。
【図17】本発明のシステムのスクリーンの変形例を示す正面図である。
【図18】本発明のシステムのスクリーンの他の変形例を示す正面図である。
【図19】本発明の参考例の全体図である。
【図20】同例の注水時における作用の説明図である。
【図21】同例の揚水時のおける作用の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1から図12は、本発明の第1の実施形態に係る井戸の目詰まり防止システムないしこのシステムに適用するための剛性ワイヤーを示している。
【0038】
説明の都合上、本発明が適用される井戸の構成のうち公知の事項を先に解説する。図1には、井戸の構成が概略的に描かれている。この井戸2は底壁4と周壁6とからなり、地中に穿設された縦穴B内に挿入されている。縦穴Bは地盤の難透水層Lを貫いて帯水層Lに達している。また縦穴Bは、図5のように井戸の周壁6より大径であり、周壁外面と縦穴との間隙のうち帯水層に対応する部分にフィルター材(砂利)Fを、また難透水層L2に対応する部分には土Sをそれぞれ埋め戻す。但し、作図上はフィルター材の描画を省略している。図1に示す如く上記周壁6の上部は水を通さないケーシング8であり、他方、周壁6の下部は透水性のスクリーン10である。スクリーン10は、上から見てループ状の複数本のサポートロッド12と、これらサポートロッドの周囲に螺旋状に巻き付けた剛性ワイヤー14とを一体的に合体させてなる。図7に示すようにサポートロッド12の上端部12bは、ケーシング8の内面下部に、またサポートロッド12の下端部12aは、上記底部4にそれぞれ固着されている。図示例の底部4は、底壁4aの外周から筒部4bを起立しており、この筒部4b内面にサポートロッドの下端部を取り付けている。
【0039】
剛性ワイヤー14は、少なくとも土圧に対抗できる程度の剛性を有する。従来公知の如くこの剛性ワイヤーは図7及び図8に示すようにサポートロッド12と直角な方向(井戸の半径方向)に長いウエッジ(楔)形のワイヤーとすることができる。断面ウェッジ形の剛性ワイヤー14は、先鋭な第1端部16と巾広の第2端部18とを有し、その第1端部16を各サポートロッド12に溶接している。
【0040】
図示例の井戸は、揚水管24A及び注水管24Bを配置しており、揚水行程及び注水(リチャージ)行程の何れも可能とするようにしている。本発明に係る目詰まり防止システムを作動させていない場合には、流水中の目詰まり原因物質Mがスクリーンの透水孔22の孔縁に付着してスケールを生ずる。また、コイル状のワイヤーのうち隣り同士の2本のワイヤー部分と、互いに隣り合う2本サポートロッド12とは、透水孔22を形成している。透水孔22の縦巾Dは、スクリーン10の周囲に埋め戻した土壌若しくはフィルター材が井戸内に入ってこないように定める。一般に使用されるフィルター材は1mmから13mmと幅広く、施工する地盤や用途、地域によってばらつきがある。粒径加積曲線における通過質量百分率の85%の粒径をD85とし、コイル間隔(透水孔の上下巾)をDとすると、井戸の内側にフィルター材が入ってこないようにするためにはD85/D>2とすればよい。
【0041】
本発明では、図5に示すように井戸の周壁6の下部を2重周壁として、これらを内側スクリーン10A及び外側スクリーン10Bとしている。内側スクリーン10Aと外側スクリーン10Bとの間隙はフィルター材Fで充填されている。本発明の井戸の目詰まり防止システム30は、これら内側スクリーン10A及び外側スクリーン10Bを含み、さらにコイル状導電部32と、給電線38A、38B、39A、及び39Bと、給電部40とを有する。まず内側のスクリーン10Aの構成について説明をする。
【0042】
コイル状導電部32は、剛性ワイヤー14が有する巾広の第2端部18に剛性ワイヤーの全長に亘って付設する。螺旋状の剛性ワイヤー14に沿って導電部を設けることでコイル状導電部となる。コイル状導電部は、図8に示すように導線34と導線の周囲を被覆する絶縁36とで形成している。絶縁の形状は任意であるが、図示例の絶縁は第2端部18の巾方向に扁平になっている。絶縁36は第2端部18の巾からはみ出さないようにすることが望ましい。コイル状導電部32に通電させることで磁場を生じ、この磁場により流水中のスケール原因物質が物の表面に析出することを抑制する。この現象を生ずる理由は、十分に解明に解明されているとはいえないが、一般的には次のように解釈されている。第1に、磁場の作用で流水を帯電させることで、イオンなどの粒子が物の表面に析出しない状態(この状態の粒子を不活性粒子という)となることである。第2に、こうして生じた不活性粒子が、既に物の上に生じているスケール物質に衝突して物の表面から脱落させることである。
【0043】
次に、外側スクリーン10Bは、内側スクリーン10Aを囲うように適当な連結手段で底部4及びケーシング8に対して連結されている。好適な一例として、図4に示すように、底部4は、底壁4aの外周から外向きフランジ46を介して第1連結筒48を起立している。またケーシング8は、その外周面下部から、基端部を固着したフランジ状の連結板50を突出し、これら連結板の先端から第2連結筒52を垂下している。第1連結筒48と第2連結筒52とは、同内径に形成し、これら両筒内面に外側スクリーン10Bのサポートロッド12の両端部12a及び12bを固着させればよい。図示の例では、内側スクリーン10Aと外側スクリーン10Bとは、同じ向きに巻いてある。しかしながら電流を流すむきをどちらにでもできるので、巻き方向は必ずしも同じである必要はない。また作図上は、ピッチ長さを同じものとして描いているが、フィルター材の粒径と土粒子の粒径とが異なるために、ピッチ長さも必ずしも同じである必要はない。好適な一実施例として、内側スクリーン10Aのピッチ長はフィルター材が井戸内に入らない程度に細かく、外側スクリーン10Bのピッチ長は両スクリーンの間へのフィルター材の進入を許容する程度に大きく設定することができる。
【0044】
内側スクリーン10Aのコイル状導電部の両端は給電線38A、39Aにより、また、外側スクリーン10Bのコイル状導電部の両端は給電線38B、39Bにより、それぞれ給電部40に接続している。各給電線は被覆電線である。
【0045】
給電部40は、2つのコイル状導電部32に対して並列に接続されており、それぞれ電流を供給することができる。もっとも注水時及び(又は)揚水時に適当な磁場を加えることができればどのような接続しても構わない。上記の構成により、2つのコイル状導電部の一方又は双方に電流を供給することができ、また、各コイル状導電部への電流の向きも正逆反転することができる。好適な実施例として井戸の中心軸において2つのコイル状導電部の磁場の向きが同じになる場合及び反対になる場合を図面にあげるが、どちらか一方のコイル状導電部にのみ電流を流すこともできるようにしてもよい。
【0046】
上記構成において、まず磁場を印加しない場合にどのようにスケールが析出するかを説明する。注水行程において、注水管24Bから注水された水は、一旦井戸2の内部に充填される。井戸中の注入水の水圧が井戸のスクリーン設置個所における地中水の圧力より大きくなると、井戸中の注入水は徐々に内側スクリーン10Aを通過し、さらに外側スクリーンを経由して井戸の周囲へ流出する。また揚水行程においては、揚水ポンプ26を作動させると、地下水が外側スクリーン10B及び内側スクリーン10Aを経て井戸内へ吸引される。スケールは、スケール原因物質が集まり易い場所であって、流れが淀んでいる場所で発生し易い。図示例の透水孔12は外側に比べて内側が上下方向に巾広であるから、透水孔直後の下流部分が淀み箇所となり易い。特に内側スクリーンは、周方向の単位長当りを単位時間内に通過するスケール原因物質の量が外側スクリーンに比べて大きいので、スケールを生じ易い状態に置かれている。
【0047】
次に磁場を印加した場合の作用を解説するが、説明を簡単にするために、まず一つのコイル状導電部32に電流を流した場合の作用を説明する。内側のコイル状導電部32に電流を流した場合には、井戸2の内部に強い磁場が発生する。この状態で注水をすると、注水管から磁場印加領域に入った注入水中のスケール原因粒子は磁場の作用により不活性な状態となって、スクリーンを付着することなく通過する。或いは一部の粒子は、スクリーン表面のスケール粒子と衝突してスケールを除去する作用を有すると推察される。揚水行程では、外側のコイル状導電部32に電流を流す。そうすると外側のコイル状導電部の内部に磁場が印加される。そして周囲から磁場印加領域に流入した地下水中のスケール原因粒子は不活性な状態となり、内側のスクリーンを、付着せずに通過する。
【0048】
次に2つのコイル状導電部に同時に電流を流す場合の作用を解説する。
【0049】
まず内側スクリーン10A及び外側スクリーン10Bに対して同じ向きに電流を流すと、図5に示す如く内側スクリーン10Aの内側のエリアAinでは、内側のコイル状導電部の磁束線と外側のコイル状導電部の磁束線との和による磁場が発生する。本発明では、水の通り道としての空隙Vを含むようにコイル状導電部を設計しているから、導線の捲き数を大きくすることが難しい。その代わりにコイル状導電部を2重にすることで、注水行程における、磁場発生によるスケール防止効果を高めている。すなわち、この作用は注水時の流水の磁気処理する上で有利である。なお、この状態において内側スクリーン10Aと外側スクリーン10Bとの中間のエリアAでは、内部領域Ainに比較して弱い磁場だけしか働かない。
【0050】
次に内側スクリーン10A及び外側スクリーン10Bに対して異なる向きに電流を流すと、図6に示す如く内側スクリーン10Aと外側スクリーン10Bとの中間領域Aでは、この領域において内側のコイル状導電部の磁束線を、外側のコイル状導電部の磁束線に加えた磁場が発生する。本願の図19〜図21の構成に比べれば、中間領域に磁場が印加するこの作用は、揚水時の流水を磁気処理する上で有利である。
【0051】
図9及び図10は、出願人が行った2重スクリーン内の磁場の解析の結果を示すものである。図9は、2つのコイル状電導部32が発生する磁場の向きを同じにした場合の磁力線の大きさ及び向きを、また図10は、2つのコイル状電導部32が発生する磁場の向きが反対である場合の磁力線の大きさ及び向きを、それぞれ矢印で示している。解析モデルとした2重スクリーンは、内側スクリーンの直径が400mm、外側スクリーンの直径が600mm、各スクリーンの垂直長さが6000mmである。
【0052】
両スクリーンに対して同じ向きに電流を供給したときの、内側スクリーン内の磁場は0.34〜0.49mT程度であり、内側スクリーンと外側スクリーンとの間隙内の磁場は内側スクリーン内の磁場の半分程度である。また、両スクリーンに対して異なる向きに電流を供給したときの内側スクリーンと外側スクリーンとの間隙内の磁場は、0.18〜0.25mT程度である。この間隙内の磁場に比べて内側スクリーン内の磁場は弱くなっている。
【0053】
図11及び図12は、本実施形態のスクリーン10を製造する行程を示している。この行程では剛性ワイヤー14を、筒状に配列したサポートロッド12に対してシーム溶接により溶接している。シーム溶接とは、溶接箇所に大電流を流して抵抗熱と圧力とを加えながら溶接する方法(抵抗溶接)の一つで、図12の如く一対のローラ電極Rの間に溶接箇所(サポートロッドと被覆電線との交差箇所)を挟んで連続的に溶接を行うものである。図11は、スクリーン製造装置を示している。この装置は、複数本のサポートロッドを筒状に束ねる支持手段と、剛性ワイヤー14を供給する手段と、この剛性ワイヤーを溶接箇所に導くローラと、溶接箇所に設置した一対のローラ電極R(但し一方の電極は死角にある)とを有する。そして筒状に束ねたサポートロッドを回転させながら前進させ、剛性ワイヤー14を溶着している。図示例の剛性ワイヤー14は後述の図14に示すように予めコイル状導電部を組み付けたものとする。
【0054】
以下本発明の他の実施形態に係るシステムを説明する。これらの実施形態の説明において第1の実施形態と同じ構成については説明を省略する。
【0055】
図13及び図14は、本発明の第2の実施形態を示している。この形態では、横長ウェッジ状の剛性ワイヤー14の水平方向の端部に、剛性ワイヤーの全長に亘って嵌合溝20を穿設し、この嵌合溝内にコイル状導電部形成用の被覆電線を嵌めこむ。嵌め込むときに接着剤を用いて嵌合溝内に被覆電線を固定すると好適である。剛性ワイヤーを溶接によりサポートロッドに取り付けるときには、図14に示す構成のうち被覆電線を省略したものを溶接し、溶接後に被覆電線を嵌合することが望ましい。そうしないと溶接の熱で被覆が溶けてしまうからである。図示例では、第2端部18を巾広としてその端面の縦巾方向中間部に嵌合溝20を穿設している。嵌合溝20の巾w及び深さhは、図13の断面図に示すように剛性ワイヤーの全長に亘って一定に形成する。そうしないと、被覆電線を嵌合溝に嵌め込む作業を効率的に行うことができないからである。図示例では、嵌合溝20を、その巾wと同程度以上の深さhを有するやや深い溝(以下深溝という)に形成している。さらに図示例の嵌合溝20の断面形状は矩形としている。しかしながらコイル状導電部32を確実に嵌めこむことができればどの様な形状(例えばV字形)でもよい。
【0056】
上記嵌合溝20の設置箇所として、横長のウェッジ形の剛性ワイヤー14の水平方向の端部を選んだ理由の一つは、剛性ワイヤーの強度を損なうことなく、比較的深く嵌合溝を穿設することができるからである。例えば図14の剛性ワイヤー14の上面Sの横巾方向中間部に図示の嵌合溝と同程度の深さの溝を穿つと、剛性ワイヤーの上面側の強度が下面側に比べて弱くなる。後述のようにサポートロッドの外周に剛性ワイヤーを圧接して溶接する場合には、剛性ワイヤーが歪んでしまう可能性がある。また水平方向の2つの端部のうちサポートロッドと反対側の端部に嵌合溝を形成した理由は、サポートロッド側の端部はサポートロッドに溶接するために、嵌合溝を設ける余裕がないからである。
【0057】
嵌合溝20の第1の機能は、剛性ワイヤー14からのコイル状導電部32の脱落を防止することである。そのためにサポートロッド12の外周に巻きつけた剛性ワイヤーの外側端部(第2端部)に嵌合溝20を穿設している。仮にこの状態から、コイル状導電部32を嵌合溝20の外へ脱落させようとすれば、コイル状導電部32の径を嵌合溝の深さhの2倍ほど大きくしなければならない。しかしながら、仮にコイル状導電部32の一部が何らかの外力により嵌合溝20から脱落しようとしても、コイル状導電部の導線34は金属製なので嵌合溝から外れる程度に伸びることは起こりにくい。またコイル状導電部は、少なくともスクリーンの数ピッチ分に亘って嵌合溝20内に嵌合しており、この長さ方向全体の嵌合力によりコイルの一部への外力に対抗し、作用点でコイル状導電部32が緩み、脱落することに抵抗する。
【0058】
嵌合溝20の第2の機能は、コイル状導電部32が他物(竪穴の内壁など)に衝突することを防止することである。そのために図14に縦断面として表れるコイル状導電部のほぼ全部を嵌合溝20内に嵌め込んでいる。
【0059】
嵌合溝20の第3の機能は、コイル状導電部32の絶縁36の厚さを好適な状態に保つことである。例えば図8の例のように剛性ワイヤー6の第2端部18の端面にコイル状導電部32を付設する場合、この導電部形成用の被覆導線を圧接・溶接したとすると、導線が扁平形状に圧縮される。そうなると絶縁36は圧縮された方向(スクリーンへの組み込み時の水平方向)に薄くなる。これに対して、嵌合溝内にコイル状導電部形成用の導線を嵌め込むときには、溶接時に導線に力が殆ど作用しない。従って絶縁36が薄くなることはない。
【0060】
図15及び図16は、本発明の第3の実施形態を示している。なお、作図の都合上、外側のスクリーンを省略して、内側のスクリーンだけを描いている。
【0061】
本実施形態は、コイル状導電部32をスクリーンの剛性ワイヤー14と兼用させたものである。即ち、図15に示す如く剛性ワイヤーが導線としての性質を有し、その周囲を絶縁36で被覆している。図面では、内側スクリーンの剛性ワイヤー兼コイル状導電部のみを描いており、外側スクリーンの剛性ワイヤー兼コイル導電部を省略している。図15に示す通り、剛性ワイヤー14は複数本のサポートロッド12に対して溶接している。しかしながら、図16に示す通り、一連のサポートロッド12の外側に穿設した嵌合凹部13に、コイル状導電部32を嵌め留めすることができる。
【0062】
図17及び図18は、本発明の第4の実施形態を示している。本実施形態は、螺旋形のスクリーン以外の態様を示している。図17に示すスクリーンは、上から見てループ状の複数本のサポートロッドの周囲に複数段の補強リング42を装着し、この補強リングの外からコイル状導電部32を巻き付けたものである。図18は、多数の透水孔22を穿設した周壁の回りにコイル状導電部32を巻きつけたものである。何れの図示例でも、内側スクリーンに係る構成のみを表示しており、外側のスクリーンについては省略している。
【0063】
図19から図21は、本発明の参考例の説明図である。この例は、本発明の井戸の目詰まり防止システムの構成のうち外側スクリーンを省略したものである。この例の作用は本発明の第1実施形態のシステムの内側スクリーンと同じである。すなわち同井戸内を注水管24Bからスクリーン10へ向かう水流中の目詰まり原因粒子Mが、単一のコイル状導電部の磁場の作用により、不活性粒子M’に変化する。そして不活性粒子は、スクリーンを通過して井戸の外に流出する。
【0064】
ところがリチャージ用の井戸であっても、所定時間の注水行程の間に一定の割合(例えば24:1)で短時間の揚水行程をいれておく必要がある。長時間一定方向にのみ水を流すと水路を異物が塞いでしまう可能性があるからである。そして揚水行程により井戸の周囲にあった目詰まり原因粒子を井戸のスクリーンに引き寄せ、スクリーンにスケールが生ずるおそれがある。これを防止するために、本発明ではスクリーンを2重に構成しているのである。
【0065】
本明細書に掲げた各実施形態は好適な一例であり、発明の性質に反しない限りこれに限定されるものではない。例えばコイル状導電部を含むスクリーンを2重にした構成だけが実施形態として示されているが、スクリーンを同心状に重ねて磁場強度を向上するというアイディアからは、多重のスクリーンであっても構わない。また剛性ワイヤー及びコイル状導電部の形状や位置関係なども、水の通り道である空隙を含むコイルという発想を損なわない限り自由に選択することができるものである。
【符号の説明】
【0066】
2…井戸 4…底部 6…周壁 8…ケーシング 10…スクリーン
10A…内側スクリーン 10B…外側スクリーン
12…サポートロッド 13…係合凹部
14…剛性ワイヤー 16…第1端部 18…第2端部 20…嵌合溝
22…透水孔 24A…揚水管 24B…注水管 26…揚水ポンプ
30…井戸の目詰まり防止システム 32…コイル状導電部 34…導線
36…絶縁 38、39…給電線 40…給電部
42…水平リング 44…支持筒 46…外向きフランジ
48…第1連結筒 50…連結板 52…第2連結筒
B…縦穴 S…埋め土 V…空隙 P…剛性ワイヤーのピッチ長さ
W…第2端部の縦巾 w…嵌合溝の縦巾 h…嵌合溝の深さ
…剛性ワイヤーの上面 S…剛性ワイヤーの下面
in…内部エリア A…中間エリア Aout…外部エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中への埋設用の周壁の下部を通水可能なスクリーンとする井戸の目詰まりを防止するシステムであって、
上記周壁の下部を2重周壁として、これら各周壁を内側スクリーン及び外側スクリーンとするとともに、
各スクリーンの周面に沿って、井戸の長手方向に隣り合うコイル部分の間に通水用の空隙を存して延び、かつ表面を絶縁被覆したコイル状導電部をそれぞれ設け、
さらにこれら各コイル導電部に対してそれぞれ給電できる給電部を備える、
ことを特徴とする、流水の磁気処理による井戸の目詰まり防止システム。

【請求項2】
上記給電部は、内側のコイル状導電部及び外側のコイル状導電部の双方に通電するとともに、2つのコイル状導電部のうち少なくとも一方に流す電流の向きを正逆反転することが可能に設計したことを特徴とする、
請求項1記載の流水の磁気処理による井戸の目詰まり防止システム。
【請求項3】
スクリーンの側外方から見てコイル状導電部が透水孔を横切ることがないように透水孔の形状及び配置を設計したことを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載の流水の磁気処理による井戸の目詰まり防止システム。
【請求項4】
スクリーンを、井戸の長手方向に延びる複数本のサポートロッドと、これらサポートロッドの外側又は内側に巻回したコイル状の剛性ワイヤーとで構成し、
剛性ワイヤーの上下両縁とサポートロッドとの左右両縁で各透水孔を形成するとともに、
上記剛性ワイヤーの内外両端部のうちサポートロッドと反対側の端部に、表面を絶縁した導電線をコイル状導電部として付設したことを特徴とする、
請求項3記載の流水の磁気処理による井戸の目詰まり防止システム。
【請求項5】
請求項4に記載の流水の磁気処理による井戸の目詰まり防止システムに適した剛性ワイヤーであって、一方向に長い断面形状を有し、その長手方向の一端部を巾広としてこの端部の巾方向中間部に剛性ワイヤー全長に亘って導線嵌挿用の嵌合溝を穿設したことを目的とする、井戸の目詰まり防止システム用の剛性ワイヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−221137(P2010−221137A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71639(P2009−71639)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】