説明

交換式屋根用太陽光発電パネル

建物上に屋根構造として搭載するための交換式建物一体型太陽光発電(BIPV)モジュールシステムが開示される。BIPVモジュールシステムは、モジュールと建物と結合する咬合手段とを備える。咬合手段は結合手段を結合してモジュールと建物を分離可能なように結合する。モジュールは、光起電積層体、及び、光起電積層体の周囲を実質的に全体的に囲み結合手段を含むフレームを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2010年9月30日に「交換式太陽電池屋根用パネル」の名称で出願された米国特許出願第12/895,652及び2009年11月16日に「屋根用被覆」の名称で出願された米国仮特許出願第61/261,730の利益を享受し、参照によりその全体がここに組み入れられる。
【0002】
[連邦支援研究又は開発に関する宣言]
ここに記述される本発明は、米国エネルギー省に表彰された、契約番号DE−FC36− 07GO17043による政府支援によりなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有しうる。
【0003】
ここに記述される本発明の実施形態は、概して、建物一体型太陽光発電(BIPV)システムに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、BIPVシステム用のモジュールの連結配置に関する。
【背景技術】
【0004】
建物一体型太陽光発電(BIPV)システムにおいて、従来の屋根用部材は、光起電(PV)太陽電池セルを含む構造素子に置き換えられる。これらのエネルギー生成部材は、例えば、建物の屋根上の屋根板及びタイルを置き換えることが可能で、これにより既存の屋根上に装置を搭載するPVシステムは不要となる。
【0005】
BIPVシステムは、装置の屋根上の搭載に関する問題を解決できるが、他の問題を有する。例えば、BIPVシステムは、既存の屋根の屋根板のように、互いに重なり合う多数のPV素子から構成されうる。このため、メンテナンスが必要な1つの素子を置き換えると、周囲の要素が破壊される可能性があった。
【0006】
典型的には、PVセルを含む交換式積層体を有する屋根用素子が用いられて設置され得る。積層体は、典型的には多数のセルを含み、しばしば構造フレームに囲まれて、PVモジュールを形成する。ある場合には、積層体を囲む当該フレームの一部または全部は、メンテナンスが必要なモジュールの部分へのアクセスを許可するために、分解または分離されなければならない。この方式によると、壊れやすく高価な追加の積層体を保管する必要があり、メンテナンスのために大量の労働力および技術的コストが必要となる。積層体を置換するプロセスの一部において、フレームは頻繁に損傷を受け又は破壊され、さらにコストを増加させる。代替的に又は追加的に、メンテナンスを必要とするモジュールにアクセスするために、他の屋根用素子が除去されなければならない。これにより、屋根の防水完全性が害され、追加の費用が必要となる。
【0007】
さらに、米国電気工事規定(NEC)は、モジュール間の電気接続部へのアクセスは、屋根の完全性を害することなく達成可能となることを要求する。隣接する複数の屋根用素子を単独で分解して電気接続部へのアクセスを提供することは、屋根の完全性を害すると考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
建物上に屋根構造として搭載するための交換式建物一体型太陽光発電(BIPV)モジュールシステムが開示される。BIPVモジュールシステムは、モジュールと、建物と結合する咬合手段とを備え、咬合手段は結合手段を結合してモジュールと建物を分離可能なように結合するように適合される。モジュールは、光起電積層体と、光起電積層体の周囲を実質的に全体的に囲むフレームとを有し、フレームは結合手段を含む。
【0009】
交換式BIPVモジュールシステムの別の実施形態が開示される。交換式BIPVモジュールシステムは、複数のラッチ部を有するモジュールフレームと複数の台となるポストとを備え、各々のラッチ部は、溝と、固定クリップとを有し、各々のポストはラッチ部の溝の中に延びるフランジを有し、各々の固定クリップは、モジュールフレームを台となるポストに分離可能なように結合させるように、ポストと接触する。
【0010】
交換式BIPVモジュールシステムが、同様に開示される。交換式BIPVモジュールシステムは、複数の固定クリップを有し実質的に光起電積層体を囲むモジュールフレームと、複数のスキッドとを備え、各々のスキッドはポストと当該ポスト上の切り込みを有し、各々の固定クリップは切り込みに嵌め込まれることにより分離可能なようにポストに結合する。
【0011】
この本発明の概略は、本発明のコンセプトの選択を単純化して紹介するものであり、本発明は以下において詳細に説明される。この概略は、本発明の鍵となる特徴または不可欠な特徴を特定するものでなく、本発明の範囲を決定する補助として用いられることが意図される。
【0012】
本発明のより完全な理解は、以下の図面と組み合わせて考慮される詳細な記述および特許請求の範囲を参照することにより達成される。ここで、類似の参照番号は、図面を通して類似の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】光起電(PV)モジュールの実施形態の分解図である。
【図2】請求項1のPVモジュールの組み立てられた実施形態の斜視図である。
【図3】建物一体型光起電システム(BIPV)の実施形態の斜視図である。
【図4】図3のBIPVシステムの一部の詳細図である。
【図5】BIPVシステムの実施形態の一部の側面図である。
【図6】搭載部を表すBIPVシステムの実施形態の一部の斜視図である。
【図7】組み立てられたBIPVシステムの実施形態の側面図である。
【図8】BIPVシステムの実施形態の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な記述は、単に説明のためのものであり、本発明の実施形態、当該実施形態の応用及び使用を限定することを意図するものでない。ここで用いられる「例示の」は、例、実例、又は説明を提供することを意味する。ここに例示として記述される如何なる実施形態も、他の実施形態に対して好適又は有利と解釈される必要はない。さらに、先行する技術分野、背景技術、解決手段又は後述する詳細な記述において提供される、明示又は暗示されるいかなる理論に拘束されることは意図されない。
【0015】
「結合される」−以下の説明は、素子又はノード又は機能がともに「結合される」ことに言及する。ここで明確に異なるよう言及されない限り、「結合される」とは、1の素子/ノード/機能が直接的又は間接的に他の素子/ノード/機能と結合する[Joined to](または直接的又は間接的に連絡する[Communitace with])ことを意味するが、必ずしも機械的である必要はない。従って、図面に示される概略図は少なくとも1の要素の配置の例を示すが、示された本発明の実施形態において、追加的に介在する要素、装置、機能、又は部材が存在してもよい。
【0016】
「調整する」−幾つかの素子、部材及び/又は機能は調整可能または調整されるものとして記述される。ここで、明確に異なるよう言及されない限り、「調整する」とは、素子、部材又はそれらの部分を、環境及び実施形態において適切となるように、位置合わせ、修正、置換、又は配置することを意味する。ある場合において、特定の環境下の実施形態において適切または好適であれば、素子又は部材又はそれらの部分は、調整の結果、同じ場所、状態、及び条件に保持され得る。ある場合において、適切または好適であれば、素子又は部材は、調整の結果、新しい位置、状態、及び/又は条件に置換され、変換され、修正され得る。
【0017】
「抑制」−ここで抑制とは効果を低減又は最少化することの記述に用いられる。部材又は機能が作用、動作、又は状態を抑制するものとして記述されるとき、部材又は機能は結果又は成果又は将来の状態を完全に防止してよい。更に、「抑制」は、生じ得た成果、性能、及び/又は効果の減少又は劣化を同様に意味しうる。従って、部材、要素、又は機能が結果又は状態を抑制するものとして言及されたときには、これらがその結果又は効果を完全に防ぎ又は無効にするものである必要はない。
【0018】
更に、ある専門用語は、下記の記述において参照目的でも用いられてよく、従って、限定する意図を有さない。例えば、「上部」、「下部」、「上の」、「下の」といった用語は、図中において表される方向を示す。「前面」、「後面」、「後部」及び「側部」といった用語は、議論において部材を記述する文章及び図面に対する参照により明確にされる、参照の矛盾しない任意のフレーム内における部材の一部の方向及び/又は位置を示す。そのような専門用語は、特に上記の用語、それらの派生語、及び同様の取り込み語を含んでよい。同様に、構造に言及する「第1」、「第2」及び他の数を表す用語は、文脈において明確に示されない限り、連続又は順番を暗示するものではない。
【0019】
建物一体型太陽光発電(BIPV)システムのメンテナンス及び置換に対する解決手段は、建物の頂面上の1以上の咬合部に分離可能なように結合された、フレームに納められる光起電(PV)モジュールを製作することである。PVモジュールは、他のBIPVシステムと共に屋根又は屋根構造を形成する。置換が必要な場合、PVモジュールは、1又は複数の咬合部から分離され、他のPVモジュールと置き換えられ得る。有利なことに、これは、フレーム内の積層体を置換するときに必要になるように、モジュールフレームの構造完全性を害する必要がない。このケースは、フレームが直接建物上に搭載され、脱着できない場合に典型的に生じる。
【0020】
ここで、屋根構造又は屋根表面は、最上の表面またはそれ以外であるかに関わらず、屋根の主撥水層を示すものであってよい。主撥水層は、建物の屋根への降雨時に降雨が逸らされる表面であり得る。屋根構造は、特定の実施形態で構造的であり得るが、構造的である必要はない。特定の環境において、屋根表面は、建物の屋内と降雨及び風を含む周囲の環境との間とをより隔離するために、建物の頂部上に配置された一連の層のうちの1つであり得る。従って、特定の屋根構造は、建物の屋根上面を覆って建物外面の一部でないが、これに代えて屋根との美的統一感を醸すように見えてよい。
【0021】
図1は、BIPVシステム用のPVモジュール100の分解図を示す。PVモジュール100は、フレーム130に囲まれ支持されるPV積層体140を有する。フレーム130は、PV積層体140の周囲を囲むように延びる。PV積層体140は、中央バス108と結合する複数のバスバー106と、複数の相互接続部104により結合される複数のPVセル102からなる。複数のPVセル102は、PVストリング109内でこれらを共に結合し、相互接続部104にこれらを電気的に接続することに作成される。単純化するために2個のPVストリング109が示されるが、如何なる所望の数のPVセル102は1個のストリング内に形成され得る。同様に、1を含む如何なる所望の数のPVストリング109が、PV積層体140内に配置され得る。
【0022】
PVセル102は、電流を発生するために、太陽に向けられるように配置され得る、上部の太陽光照射面を有する。PVセル102の他の面は、反対面として言及され得る。特定の実施形態において、PVセル102は裏面接触シリコンウエハを含む。ある実施形態において、PVセル102は裏面接触裏面接合太陽電池セルを含む。複数のバスバー106は、PV積層体140内で中央バス108と結合することができ、またはこれらはPV積層体140を貫通し、PV積層体140の外部の接続箱に電気的に接続され得る。
【0023】
PVストリング109は、カプセル用材料110の複数の層内に包まれる。カプセル用材料の一例は、ポリエチルビニルアセテート(EVA)である。テドラー(登録商標)/ポリエステル/EVA(TPE)も同様に使用可能である。カプセル材料110の複数の層は、互いにアライメントされていることが望ましい。透明カバー120は、その後、PVストリング109の上部の太陽光照射面上に配置され得る。透明カバー120は、好ましくはPVセル102に達するように光を透過させるガラス又はプラスチックシートであってよい。特定の実施形態において、PVストリング109下のEVAカプセル用材料110の下に、バックシートが配置され得る。ある実施形態において、バックシートはEVAカプセル用材料110と一体として成形されてよい。この実施形態において、バックシートは、白、黒、又は、如何なる所望の他の色であり得る。バックシートは、太陽光の反射又は吸収を増強する。これには、太陽電池セルに直接照射されず、太陽電池セルへ戻る方向の太陽光を反射することを含み、PVモジュール100の効率を向上させる。
【0024】
PV積層体140の全体は、その後、接着するように熱源に晒され、従って、「積層された」部材が形成される。PV積層体140は、構造支持体を提供し、その部材を所望の位置に維持することができる。PV積層体140は、その後フレーム130内に配置され得る。フレーム130は、その下面に複数の溝132または複数のチャネルと、溝132に沿って又は隣接して配置される固定クリップ134とを有する。
【0025】
図2は、組み立てられたPVモジュール100を示す。実質的に、フレーム130はPV積層体140の全体を囲み、支持する。ここで、PV積層体は、上記の実施形態のみを参照するのではなく、太陽電池セルを囲んで支持する他の構造及び実施形態をも参照するものである。例えば、裏面接触裏面接合太陽電池セルは、ある実施形態で用いられる一方、他の実施形態では、光起電積層体は、前面接触太陽電池セル、結晶性及び非結晶性の太陽電池セルを含み得る。例えば、特定の実施形態では、太陽光をエネルギーに変換するために、薄膜光起電素子がフレーム130内で用いられ得る。このため、ここで記載された大きさ、形状及び構成の太陽電池セルにより、本発明の実施形態は限定されない。従って、いかなるそのような構造も同様に、光起電積層体と考えられ得る。
【0026】
特定の実施形態において、カプセル用材料110又は透明カバー120のような、光起電積層体の幾つかの部材は省略され得る。ある実施形態において、代替部材または追加要素として、他の部材が存在してもよい。例えば、PVストリングに構造、及び/又は、支持を提供するためのバックシート、及び、非EVA積層材料が存在し得る。代わりに、特定の実施形態において、積層体は単一の層であり得る。特定の実施形態において、ここで用いられる光起電積層体は、光起電セルを封止する硬質部材を含んでよい。例えば、曲面を有する又は半球状のガラス又はプラスチック部材が、太陽電池セルの太陽光照射面上に配置され得る。ここで、光起電積層体は、太陽電池セルのような光起電部材を含む環境から保護されたパッケージを表す。
【0027】
環境からの保護は、実施形態で示されるような透明カバー、及び、積層部材又は他の種類のシーリング部材によってもたらされる。従って、ある実施形態が説明のために開示されるが、異なる実施形態が多種の建築技術、構成、及び/又は、配置又は部材、及び、光起電積層体として言及されるパッケージ内の光起電部材の種類を含み得ることが当業者によって理解されるだろう。
【0028】
図3および4は、屋根に埋め込まれて屋根の表面を形成するBIPVシステム352を備える建物350を示す。図4は、BIPVシステム350の詳細図を示す。異なるように記載されない限り、表される数字の表示は、数字に200を加えた以外は、図1及び2に示されたものと同様の部材を表す。示されるように、PVモジュール300は建物350の屋根と一体化され得る。PVモジュール300は、屋根板又はタイルのような従来の屋根材料と置き換わるように、大きさと形を変えることができる。複数のPVモジュール300は、同様に、ジグザグに配列され、オーバラップされ得る。
【0029】
図5は、ある実施形態における、咬合部460上に搭載された、オーバラップするPVモジュール400の側面図を示す。異なるように説明されない限り、図5で用いられる数の表示は、数字に300が加えられた以外は、図1及び2のものと同様のものを示す。
【0030】
咬合部460は、屋根の垂木又は敷布のような、PVモジュール400が搭載される建物の上面に接合され得る。各々の咬合部460は、固着部462、ポスト464(またはピア)部分、及び、止め具468から構成され得る。全体の咬合部460は、PVモジュール400を支持するスキッドを表してもよい。
【0031】
ポスト464または台となるポストは、複数の溝432のうちの1つでフレーム430を適切に咬合するように、大きさ及び形を変えることができる。各々の止め具468は、示されるように、隣接するPVモジュール400の下面を支持するように形成される。PVモジュール400は、固定クリップ434により、ポスト464に好適には分離可能なように接合される。従って、各々の単独のPVモジュール400はポスト464から分離され、置き換え又はメンテナンスのためにBIPVシステム450から取り外されることができる。このため、システム全体が影響を受ける必要がなく、また、複数の積層体を囲むフレームの構造完全性が害される必要もない。
【0032】
図6は、屋根材料を支持する建物の上面上の屋根の垂木又は敷布等の屋根表面570の一部を示す。異なるように説明されない限り、図6における数字の表示は、数字に100を加えた以外は、図5に示されたものと同様の部材を表す。
【0033】
固着部562は、スクリュー、ボルト、釘等を含む留め具等により、屋根表面570に接合され得ることが示される。フレーム530を介してPVモジュール500を取り付けるために、ポスト564は、固着部562から上部に延び得る。ポスト564は、丸形、円形、三角形等のいかなる望まれる断面形状を有しても良い。ポスト564は、固着部562と近接する構造を有してよく、または、固着部562から離れて延びる構造であってよい。
【0034】
ポスト562は、ポスト562に接合する部分に接合する切り込み566またはタブを有してよい。切り込み566は、ポスト562の先端または先端近傍に位置し、ポスト562の途中まで貫通するように延びる。ノッチ566は、好ましくは頂部の端からポスト562に向かって垂直に下向きに伸びる。しかし、特定の実施形態において、ノッチ566は、ポスト562の断面を対角線方向に横切るように伸びてもよい。
【0035】
3個の咬合部560が示されるが、これより多い又は少ない数が1個のPVモジュール500を接合するのに用いられてよい。好ましくは、少なくとも2個の咬合部560が、各PVモジュール500を建物に接合するのに用いられる。しかし、特定の実施形態においては、1個のみが用いられる。複数の咬合部560は、互いに平行に配置されてよい。咬合部560は、固定クリップ534が分離可能なように接合できる場所を提供する手段を備える。特定の実施形態において、咬合部560は、固定クリップ534を受け入れて接合することができる、ねじ山の切られた穴を含むポートまたは穴を備える。
【0036】
図7は、PVモジュール600と咬合部560の結合の側面図を示す。異なるように記載されない限り、図7に表される数字の表示は、数字に100を加えた以外は、図6に示されたものと同様の部材を表す。
【0037】
PVモジュール600は、咬合部660に接合されることが示される。1の咬合部660が示されるが、複数の咬合部660はPVモジュール600の端に沿って結合され得る。固着部662は、留め具682により屋根表面に接合される。止め具668は、フレーム630に沿って固着部662から上に向けて延びる。止め具668は、隣接し、オーバラップするPVモジュール600を支持できる。
【0038】
ポスト664は溝632の中に伸びて、咬合部660をPVモジュール600にアライメントして接合してよい。切り込み666は、ポスト664に沿って配置され得、固定クリップ634と結合する。切り込み666を含むポスト664と結合した状態を維持するように、固定クリップ634は、ばね又は弾性部材を含む他のバイアス部材により付勢されてよい。固定クリップ634は、ポスト664に留められて結合されたときに、閉じて、ロックされ、結合され、嵌め込まれた位置にあると考えることができる。ばね等のバイアス部材に対して、手動又はカスタマイズされたインタフェースを有する特別な道具を含む道具により力を付与することにより、固定クリップ634は開放され、ロックが解除され、取り外され、分離された位置に移動され得る。PVモジュール600は、その後、咬合部660から取り外され得る。
【0039】
特定の実施形態において、フレーム630を屋根表面から所望の高さに配置するために、固着部662及び/又はポスト664の高さが選択され得る。いくつかの実施形態において、固着部662はテーパ形状であってよい。または、ポスト664はテーパ形状であるか、固着部662又は屋根表面に対してある角度で延長し、PVモジュール600が設置されるときに角度を持たせるようにしてもよい。PVモジュール600と咬合部660の結合のそのような配置及び/又は位置決め機能は、建物用屋根を一体化するときに配置、アライメント、オーバラップ、配向又はPVモジュール600を設置する際の他の支援に用いられる。
【0040】
いくつかの実施形態において、固定クリップ634は、ポスト664と接合するスクリュー、ナット−ボルト配置、スレッドされたロッド等の締め具等の代替の接合の実施形態のために置き換えられる。接着剤またはベルクロ(登録商標)接着等の分離可能な材料を含む、どのような他の種類の他の固定具、メカニズム、技術も用いることができる。特定の実施形態において、固定クリップ634は、ポスト664に取り付けられ、又は、ポスト664と一体化するように形成され得、溝632に形成され、又は、フレーム630に取り付けられるようなPVモジュール600の咬合部に接合される。例えば、溝632は、切り込み、又は、切り込み666と類似した刻み目を有してよく、これらはポスト664上に形成され又はポスト664に取り付けられる固定クリップ634に関してここに記載される如何なる種類の結合部材、またはクリップとも結合することができてよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、ばねバイアスされたクリップである固定クリップ634は、ポスト664を横切って延長し、嵌め込まれた位置にあるときに切り込み666と結合する。固定クリップ634は、その後、引き戻されて、PVモジュール600を咬合部660から取り外す。このようにして、PVモジュール600はBIPVシステムから取り外され、必要な場合に置き換えられる。これにより、多数の積層体が単一のフレームに組み込まれている場合に、フレームされたシステムの破壊を回避できる。
【0042】
図8は、PVモジュール700および3個の咬合部760間の展開された結合を示す下面図を示す。異なるように説明されない限り、図8における数字の表示は、数字に100を加えた以外は、図7に示されたものと同様の部材を表す。
【0043】
各々の咬合部760は、フレーム730の溝732と整列することが示される。各々のポスト764は溝732に向かって延長し、切り込み766を固定クリップ734に分離可能なように嵌め込む。PVモジュール700は、その後、固定され、BIPVシステムを支持する建物の屋根を形成する。
【0044】
少なくとも1つ例示の実施形態が前述の詳細な説明に示されるが、多くのバリエーションが存在することが理解されたい。ここに記載される例示の実施形態は、いかなる態様においても、特許請求の範囲に記載された発明の範囲、応用性、または形態を限定する意図を有するものでないことを理解されたい。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者に記述された実施形態を実施するための便利なロードマップを提供するであろう。特許請求の範囲に定義された範囲から離れることなく、要素の機能及び配置に対して、本願の出願時における公知の均等物及び予想可能な均等物を含む様々な変更がなされることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物上に屋根構造として搭載するための交換式建物一体型太陽光発電(BIPV)モジュールシステムであって、
光起電積層体、及び、前記光起電積層体の周囲を実質的に全体的に囲み結合手段を含むフレームを有するモジュールと、
建物と結合する咬合手段とを備え、
前記咬合手段は前記結合手段を結合して前記モジュールと前記建物を分離可能なように結合する、
交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項2】
前記結合手段は、ばねを含む請求項1に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項3】
前記咬合手段は、複数のスキッドを有する請求項1に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項4】
前記結合手段は、分離可能な固定クリップを備える請求項1に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項5】
前記咬合手段は、台となるポストを有する請求項4に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項6】
前記結合手段は留め具を備える請求項1に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項7】
前記留め具はボルトを含む請求項6に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項8】
前記咬合手段はねじ山の切られた穴を有する請求項6に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項9】
交換式建物一体型太陽光発電(BIPV)モジュールシステムであって、
複数のラッチ部を有するモジュールフレームと、
複数の台となるポストと、を備え、
各々の前記ラッチ部は、溝と、固定クリップとを含み、
各々の前記ポストは前記ラッチ部の前記溝の中に延びるフランジを含み、
各々の前記固定クリップは、前記モジュールフレームを前記台となるポストに分離可能なように結合させるように、前記ポストと接触する、
交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項10】
各々の前記台となるポストは、スルーホールを有し、各々の前記固定クリップは前記台となるポストと結合する場合に前記スルーホールを貫通する、請求項9に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項11】
前記モジュールフレームは、実質的に、複数の太陽電池セルを含む光起電積層体を全体的に囲む、請求項9に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項12】
前記モジュールフレームは、実質的に、複数の光起電積層体を全体的に囲む請求項11に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項13】
各々の固定クリップは、嵌め込まれた位置に維持されるように、ばねによりバイアスされる請求項9に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項14】
各々の固定クリップは、前記ばねに対する力を付与することにより、嵌め込まれた位置から取り外されるように操作可能である請求項13に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項15】
複数の台となるポストの各々は、固定クリップに嵌め込まれる切り込みを有する、請求項14に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項16】
交換式建物一体型太陽光発電(BIPV)モジュールシステムであって、
複数の固定クリップを有し、実質的に光起電積層体を囲むモジュールフレームと、
複数のスキッドと、を備え、
各々の前記スキッドは、ポストと前記ポスト上の切り込みを有し、各々の前記固定クリップは前記切り込みに嵌め込まれることにより分離可能なように前記ポストに結合する、
交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項17】
各々の固定クリップは、前記固定クリップを嵌め込まれた位置に維持するばねを含み、
前記嵌め込まれた位置において、前記固定クリップは、前記スキッドと結合する、
請求項16に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項18】
複数の前記スキッドの一つにおける複数の前記切り込みの1つから前記固定クリップを取り外すことにより、各々の前記固定クリップは開放された位置となるように操作されたときに、前記スキッドから取り外される、
請求項17に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項19】
前記モジュールフレームは、前記モジュールシステムの上面を形成する光起電積層体を有する、請求項16に記載の交換式BIPVモジュールシステム。
【請求項20】
前記複数のスキッドの各々は、建物に搭載され、前記モジュールシステムの上面は、建物の屋根表面を有する、請求項19に記載の交換式BIPVモジュールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−511149(P2013−511149A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538821(P2012−538821)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/051769
【国際公開番号】WO2011/059605
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(505379467)サンパワー コーポレイション (41)
【Fターム(参考)】