人体挿入型アンテナ
【課題】マイクロウエーブを利用して体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療するための挿入型アンテナを提供する。
【解決手段】電流を印加するための第1導体、前記第1導体を円筒状で取り囲んでいる第1誘電体及び電流印加の時接地になる第2導体が円筒状で取り囲んでいる同軸ケーブルと、第1導体延長線上末端に所定の誘電率を持つ第2誘電体及び電流印加の時に反対電荷が蓄積されて円筒状の形状で、末端は閉鎖されていて一端は開放されている第3導体を含む第1キャパシタ及び前記同軸ケーブル及び第1キャパシタが挿入されて、所定の誘電率を持つカテーテルを含み、前記第1導体が同軸ケーブルと第1キャパシタの中心軸にお互いに接続されていることを特徴とする。
【解決手段】電流を印加するための第1導体、前記第1導体を円筒状で取り囲んでいる第1誘電体及び電流印加の時接地になる第2導体が円筒状で取り囲んでいる同軸ケーブルと、第1導体延長線上末端に所定の誘電率を持つ第2誘電体及び電流印加の時に反対電荷が蓄積されて円筒状の形状で、末端は閉鎖されていて一端は開放されている第3導体を含む第1キャパシタ及び前記同軸ケーブル及び第1キャパシタが挿入されて、所定の誘電率を持つカテーテルを含み、前記第1導体が同軸ケーブルと第1キャパシタの中心軸にお互いに接続されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人体挿入型アンテナに関し、より詳しくはマイクロウエーブを利用して体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療するための挿入型アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体に存在する腫瘍や癌細胞をとり除くために外科的な手術が行われてきた。しかし、手術は費用が高いだけでなく回復する時間が長く、手術後2次感染に対する憂慮も少なくなかった。かかる短所を乗り越えるため、マイクロウエーブ(Microwave)を利用してアンテナを人体の肝臓、脳、心臓などに挿入して腫瘍や癌細胞をとり除く、人体挿入型アンテナに対する研究が活発である。
前記アンテナに関するより詳細な説明を図1を参照して行う。
【0003】
図1aは人体挿入アンテナに使われる同軸ケーブル(coaxial cable)を示すことであり、図1bは人体挿入アンテナがどんなに動作するかを説明するために概略的に示すのである。
【0004】
図1aに示すように、同軸ケーブル120の断面は第1導体(inner coductor、110)、 第1誘電体111、第2導体(outer conductor、112)からなる。第1導体110の長さが約1/4λg (λg:媒質でのwavelength)である時モノポール-アンテナ(monopole−antenna)を形成して、人体挿入型アンテナは一定長さの同軸ケーブル120とモノポール-アンテナがカテーテル114に挿入されて使われる。 カテーテル114は人体に無害な所定の誘電率を持つプラスチック管として、モノポール-アンテナが人体に直接接触することを防止する。 既存の人体挿入型アンテナにおいて、モノポール-アンテナとカテーテル114の間の間隙113には、含塩下剤(seline)が使われてきたが、製作の便宜のためには空気で満たされる。 図1bは、人体挿入型アンテナが肝臓、心臓、脳の腫瘍や、癌組職を治療するために挿入されている状態を示している。挿入型アンテナの周りは人体組職の表皮115を示す。
【0005】
人体挿入型アンテナに同軸ケーブル120の第1導体110を通じて電流を印加した時、 人体挿入型アンテナ周りに陽電荷(positive charge)が形成されて、この陽電荷と遠くはなれた負電荷(negative charge) の間に電場を形成するようになる。人体組職は導電し損失を生ずる媒質であるため電場によって熱が発生し、この熱によって、 腫瘍や癌細胞組職の温度を高め、これにより、腫瘍や癌細胞が治療され、非活性化される。
【0006】
図2は従来の人体挿入型アンテナに使われるモノポール-アンテナを示す。1番目のアンテナ200aは一番多く使われる形態で、同軸ケーブルの中で第1導体110が 1/4 波長程度延長された形態であり、2番目のアンテナ200bは電流を印加した時、アンテナ200b末端により多い電流が集まるように第2導体210を付着した形態である。3番目のアンテナ200cでは、アンテナの大きさを小さくするため、アンテナ200cの末端に一定長さの所定の誘電体物質が第1導体を円筒で取り囲み、その上に円筒状の導体が前記誘電体物質を取り囲み、両方の末端がすべて開放されている。
【0007】
このような従来のモノポール-アンテナが使われる人体挿入アンテナはマイクロウエーブを利用して発熱させるが、最大の問題はアンテナ整合である。 アンテナ整合が成り立たなければ、腫瘍や、癌細胞組織を治療するための目標細胞組職周辺に熱エネルギーが集中せず、また、不可避的に反射された電力によって、電流を印加するマイクロウエーブ源を破壊する可能性もある。アンテナ整合の他に考慮しなければならない点は発熱部位の形状である。 発熱部位が腫瘍や癌細胞組職形態と似ているラグビボール形状になると、マイクロウエーブを利用した腫瘍や癌細胞組職治療の時、周りの正常細胞を保護することができるからである。
【0008】
しかし、従来の人体挿入アンテナは整合が十分になされないために熱エネルギーが集中せず、発熱效率が低いという問題点があるだけなく、腫瘍や癌細胞組職周りにある正常細胞を破壊する危険要素を持っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は前記のような従来の問題点を解決するためであり、人体挿入型アンテナの構造を改善して、人体挿入アンテナと電流印加ソースの間の整合を改善して、目標細胞組職に対する発熱效率を高めることができる人体挿入型アンテナを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は腫瘍または癌細胞組職を治療するための発熱部位を最適化することができる人体挿入型アンテナ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の人体挿入型アンテナの第1の特徴は、マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、前記同軸ケーブル及び第1キャパシタが挿入されるカテーテルと、を備え、前記第1導体が、同軸ケーブルと第1キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする。
【0012】
第1の特徴によれば、人体挿入型アンテナは、電流印加の時に第3導体の表面に反対電荷が蓄積されるように誘導する第2誘電体を備える。また、前記第1キャパシタは、円筒状の第3導体と所定の誘電率を持つ誘電体で構成され、前記円筒状の第3導体末端は第1導体と接続されていて、その反対側の端は開放されるようにする。これにより、人体挿入型アンテナは前記末端で閉じられ、前記第1導体及び第1キャパシタが直接的に接続された構造を持つようになる。 第1キャパシタ長さによって、モノポール-アンテナの入力インピーダンスを自由自在に変更できるため、人体挿入アンテナを整合させるのが容易である。
【0013】
本発明の人体挿入型アンテナの第2の特徴は、マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、前記同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタが挿入されるカテーテルと、を備え、前記第1導体が、同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする。
【0014】
第2の特徴によれば、第1の特徴と同様、前記第1キャパシタは人体挿入アンテナのアンテナ整合に寄与するが、さらに、前記第2キャパシタは所定の誘電率を持つ第3誘電体と、両端が開放された円筒状の第4導体とで構成されているので、人体挿入アンテナを利用して発熱させる際に、発熱部位を特定するのに有益である。前記第1、2キャパシタは第1導体を中心軸にして直接的に接続され、カテーテルと電気的に接続される。
【0015】
本発明の人体挿入型アンテナの第3の特徴は、マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、所定の誘電率を持つ第4誘電体と、円筒状で両端が開放された第5導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第3キャパシタと、前記同軸ケーブル、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタが挿入されるカテーテルと、を備え、前記第1導体が、同軸ケーブル、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする。
【0016】
第3の特徴によれば、前記第1キャパシタとモノポール-アンテナ入口の間に前記第2キャパシタと第3キャパシタとを形成するようにする。前記第2キャパシタ及び第3キャパシタはそれぞれの所定の誘電率を持つ第3、4誘電体を含み、両端が開放された円筒状の第4、5導体を含む。この時、前記第2キャパシタ及び第3キャパシタは所定の間隔を置いて形成されており、前記第1、2及び3キャパシタが第1導体を中心軸にして直接的に接続され、カテーテルと電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、従来の人体挿入型アンテナの構造を改善して、アンテナ整合をほとんど完全に行うことができる。
【0018】
また、本発明によれば、従来の人体挿入型アンテナの構造を改善して、目標細胞組職に対する発熱效率を高めることができる效果がある。
【0019】
また、本発明に係る人体挿入型アンテナは、腫瘍または癌細胞の治療を最適化することができる效果がある。
【0020】
また、本発明によれば、従来の人体挿入型アンテナは構造を改善して、アンテナ作動時マイクロウエーブによる人体の損傷を減らすことができる效果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では本発明による具体的な実施形態を添付された図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
【0022】
図3は本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す。 図3に示すように、本発明の人体挿入型アンテナは第1導体310、同軸ケーブル320(coaxial cable)、第1キャパシタ330及びカテーテル340を含んでいる。
【0023】
第1導体310は人体挿入型アンテナの中心軸になる導体である。
【0024】
第1キャパシタ330は第1導体310の末端に形成される。 所定の誘電率を持つ第1誘電体331を含み、円筒状の形状を持って前記第1導体310の末端と接触されて閉鎖されていて、閉鎖された部分と対向する他端は開放されている第3導体332(キャップ形状)を含む。したがって、前記第1キャパシタ330は前記第1導体310を共有する。 ここに関するさらに詳細な内容は次図4で説明する事にする。
【0025】
同軸ケーブル320は電流印加の時必要であり、第1導体310、 第1誘電体321及び第2導体322で構成されて、第1導体310の延長線上に第1キャパシタ330がモノポール-アンテナ入口と一定の間隔(L)を置いて形成される。
ここで、前記同軸ケーブル320を成している第1誘電体321と、第1キャパシタ330を成す第2誘電体331とはお互いに異なるように構成されることができるし、製作の便宜のために同じ誘電体で構成されることもできる。
【0026】
所定の誘電率を持つ管形状からなるカテーテル340に、前記第1導体310、同軸ケーブル320及び第1キャパシタ330が挿入されて人体挿入型アンテナを成している。 前記カテーテル340内部には空気が満たされる。
【0027】
図4は本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの末端を概略的に示す。
【0028】
図4に示すように、第1キャパシタ330は、円筒状の形状を有し、前記第1導体310の末端と接触されて閉鎖され、閉鎖された部分と対向する一端は開放されている第3導体332を含み、前記第1導体310と接続される。
【0029】
また、前記第1キャパシタ330の末端が閉鎖された部分の形状は平ら若しくは膨らみを持った構造とすることができる。この時、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体310の断面積より広く形成される。
以下、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの動作を詳細に説明する。
【0030】
同軸ケーブル320に対する電流印加の時、第1導体310を通る電流が第1キャパシタ330内に位置する第1導体310の末端まで流れ、この電流印加の時、第2誘電体331によって反対電荷が誘導され、第1キャパシタ330の側面、すわなち、第3導体332側面に蓄積される。すなわち、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナでは、正極性電流(positive current)が挿入型アンテナを流れる間、第1導体310の周りに陽電荷(positive charge)が図4の示すように発生し、 第2誘電体331によって第1キャパシタ330の第3導体332表面には負電荷(negative charge)が同時に励起される。
【0031】
また、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体310の断面積より広く形成されるため、第1導体310による電流印加の時に、その閉鎖された末端の表面では、電流がより早い速度で第1キャパシタ320の第3導体332で拡散する。 第3導体332側面に励起された負電荷は第3導体332末端に拡散した電流を第3導体332側面に流れるように誘導する。従来の人体挿入型アンテナに使われるモノポール-アンテナのように、末端がすべて開放形態になっていて電流が末端にだけ流れるものとは異なり、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナでは、第1導体の末端の電流が側面に流れるようになるため、 人体挿入型アンテナと隣接した所に位置する正常細胞の損傷を防止することができる。
【0032】
また、第3導体332表面が既存のアンテナに比べてかなり広いため、より多くの電流が流れ続けることができ、高い発熱效果と発熱集中度が得られる。
【0033】
図5は、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと、従来の人体挿入型アンテナとの発熱效率を比較したものである。 図5のために使われたすべての人体挿入アンテナにはカテーテルが使用され、空気が挿入された場合の電力密度(electric power density)を示す。電力密度は温度に比例しており、人体挿入アンテナに近い所から遠くなるに従って温度が下がることを示す。 人体挿入アンテナに使われる同軸ケーブルに対する情報は表1に示す。 Microwave Studio、CST version 4。2によってシミュレーションされた結果を図5において比較している。
【0034】
図5に示したように、アンテナを体内に挿入した後マイクロウエーブを利用して発熱させる時のアンテナ周辺の温度を測定して発熱效率を求めることができる。 ここで、(a)は本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナであり、(b)、(c)及び(d)は図2で前述した従来の人体挿入型アンテナである。
【0035】
一般的に体内の癌細胞または腫瘍の形状は楕円形に近いから、人体挿入型アンテナを利用した発熱は(a)のように局所的に楕円形で現われる方が效率的である。すなわち、(b)、(c)及び(d)に示す従来の人体挿入型アンテナより(a)に示す本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの発熱範囲がより広いため、発熱效率がより高いことが分かる。それにもかかわらず、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナは、図5に示したアンテナの中で最短である。
【0036】
【表1】
図6は本発明の第1実施形態による整合特性を示したものである。この実験に使われた人体挿入アンテナに対する情報は表2に示す。実験には、ベクトル解析が使用され、電力は、寸法が10cm x 10cm x 10cm である架空の筋肉に埋められた、アンテナの第1導体に供給される。実線は測定値であり、点線は理論値を示す。 2.45GHzで測定された整合特性は、−28.377dBであり、記録された中で最も良い値を示している。
【0037】
【表2】
<第2実施形態>
【0038】
図7は本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示したものである。 図7に示すように、 本発明の人体挿入型アンテナは第1導体610、同軸ケーブル620、第1キャパシタ630、第2キャパシタ640及びカテーテル650を含んでいる。
【0039】
第1導体610は人体挿入型アンテナの中心軸になる導体である。
同軸ケーブル620は前記第1導体610、第1導体610を円筒状に取り囲んでいる第1誘電体621及び第2導体622で構成され、電流印加の時に電流の通路の役目をする。 第1導体610が延長された形態がモノポール-アンテナ(monopole−antenna)を構成する。
【0040】
第1キャパシタ630は前記第1導体610の末端に形成される。 所定の誘電率を持つ第2誘電体631を含み、円筒状の形状を持って前記第1導体610の末端と接触されて閉鎖されており、閉鎖された部分と対向する一端は開放されている第3導体632を含む。 したがって、前記第1キャパシタは前記第1導体と直接的に接続される。
【0041】
第2キャパシタ640は前記第1キャパシタ630とモノポール-アンテナ入口との中間に位置して、所定の誘電率を持つ第3誘電体641と、第3誘電体641を取り囲んで第1導体610の長手方向に開放された円筒状の形状を持つ第4導体642とで構成されている。
【0042】
本発明の第2実施形態による前記第1キャパシタ630と前記第2キャパシタ640の間の間隔と、第2キャパシタ640とモノポール-アンテナ入口の間の間隔とはお互いに等しいL/3に設定し、第2キャパシタ640の長さもL/3に設定することが望ましい。
【0043】
また、前記第1誘電体621、第2誘電体631及び第3誘電体641はお互いに異なるように構成されることができるし、製作の便宜のために同じ誘電体で構成されることもできる。
【0044】
ここで、前記第2キャパシタ640は人体挿入型アンテナ動作の時マイクロウエーブによる発熱曲線が腫瘍や癌細胞組職の形態により近いようにSAR(Specific Absorption Rate)分布を最適化させるためのものである。前記第2キャパシタ640に対するより具体的な内容は図9で説明する事にする。
【0045】
前記第1導体610、同軸ケーブル620、第1キャパシタ630及び第2キャパシタ640が所定の誘電率を持つカテーテル650に挿入されて、前記カテーテル650内部は空気で満たされる
【0046】
本発明による第2実施形態も第1実施形態と同じく、第1キャパシタ630は末端が閉鎖された円筒の構造を持つことで、前記第1導体610と接続される。
【0047】
また、前記第1キャパシタ630の末端が閉鎖された部分の形状は平ら若しくは膨らみを持った構造を持つことができる。この時、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体610の断面積より広く形成されるようにすることで、アンテナへの電流印加時に、閉鎖された末端の表面で電流がより早く拡散するようにする。
【0048】
このような構造を持つ本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナは、第1導体610に電流が流れる時に、第3及び第4導体(632、 642)表面に反対電荷を誘導する第2及び第3誘電体(631、641)を含み、前記誘導された反対電荷は第3導体632の側面と、第4導体642の側面とに蓄積される。
<第3実施形態>
【0049】
図8は本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示したものである。図8に示すように、本発明の人体挿入型アンテナは第1導体710、同軸ケーブル720、第1キャパシタ730、第2キャパシタ740、第4キャパシタ750及びカテーテル760を含んでいる。
【0050】
第1導体710は人体挿入型アンテナの中心軸になる導体である。
第1キャパシタ730は前記第1導体710の末端に形成される。所定の誘電率を持つ第2誘電体731を含み、円筒状の形状で末端は閉鎖され、一端は開放されている第3導体732を含む。
【0051】
同軸ケーブル720は、前記第1キャパシタ710の一端に形成されて、所定の誘電率を持つ第1誘電体721と、一方が開放された円筒状の第2導体722とで構成されており、第2導体722の終端がモノポール-アンテナ入口になる。
【0052】
第2キャパシタ740は前記第1キャパシタ720とモノポール-アンテナ入口間に形成されて、所定の誘電率を持つ第3誘電体741と、両側が開放された円筒状の第4導体742とで構成されている。
【0053】
第3キャパシタ750は前記第2キャパシタ740とモノポール-アンテナ入口の間に形成されて、所定の誘電率を持つ第4誘電体751と、両側が開放された円筒状の第5導体752とで構成されている。
【0054】
この時、前記第1キャパシタ730と前記第2キャパシタ740の間の間隔、前記第2キャパシタ740の長さ、前記第2キャパシタ740と第3キャパシタ750の間の間隔、前記第3キャパシタ750の長さ、および、前記第3キャパシタ750と前記モノポール-アンテナ入口の間の間隔は、お互いに等しいように形成する。すなわち、前記それぞれの間隔、第2キャパシタ740、第3キャパシタ750の長さは、すべて、前記第1キャパシタ730と前記モノポール-アンテナ入口720の間の間隔の1/5である。
【0055】
また、前記第1誘電体721、第2誘電体731、第3誘電体741及び第4誘電体751はお互いに異なるように構成されることができるし、製作の便宜のために同じ誘電体で構成されることもできる。
【0056】
カテーテル760に第1導体、同軸ケーブル720、第1キャパシタ730、第2キャパシタ740及び第3キャパシタ750からなるモノポール-アンテナが挿入されて使われて、カテーテル760と前記モノポール-アンテナの間は空気で満たされる。
【0057】
本発明の第3実施形態でも第1キャパシタ730の末端が閉鎖された円筒の構造を持つことで、前記第1導体710と接続される。
【0058】
また、前記第1キャパシタ730の末端が閉鎖された部分の形状は平ら若しくは膨らみを持った構造を持つことができる。この時、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体710の断面積より広く形成するようにすることで、挿入型アンテナに電流印加の時に、閉鎖された末端の表面で電流がより早く拡散するようにする。
【0059】
このような構造を持つ本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナは電流印加の時第2誘電体731、第3誘電体741及び第4誘電体751によって第3導体722、第4導体742及び第5導体752の表面に反対電荷を誘導して、誘導された反対電荷は人体挿入型アンテナがマイクロウエーブを利用した腫瘍や癌細胞組職を治療するために望ましいSARを誘導するのに寄与する。
【0060】
一方、本発明のアンテナを設計するのにあたって、治療の效果を高めるためのSAR分布が重要な要素である。従って、前述した第2実施形態で第2キャパシタ640を備え、第3実施形態で第2キャパシタ740及び第3キャパシタ750を備えることで、前記SAR分布が最適化されるようにする。
【0061】
このような構造の本発明のそれぞれの実施形態による人体挿入型アンテナを比べると次図9のようである。
図9は本発明の第1実施形態ないし第3実施形態による人体挿入型アンテナの発熱效率を比べるための図である。人体挿入アンテナに使われた同軸ケーブルに対する情報と実験条件は表2に示した通りであり、IRCON (Inspect IR 500 PS) デジタルカメラに取った写真を比較したものである。
【0062】
図9に示すように、前記アンテナを体内に挿入した後マイクロウエーブを利用して発熱させる時、アンテナ周辺の温度を測定して発熱效率を求めることができる。また、前述したように、体内の癌細胞組職または腫瘍の形状は、ラグビーボールのような楕円形に近いため、人体挿入型アンテナを利用した発熱は局所的に丸い形状で現われるのが效率的である。
【0063】
図9aは本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを比較したものである。ここで、z方向は挿入型アンテナの長さ方向で、ρ方向は発熱の時に挿入型アンテナの周辺に形成される発熱幅の方向を示す。 図9aに示すのように、第2実施形態の人体挿入型アンテナの発熱形象が第1実施形態の人体挿入型アンテナよりz方向で短く、ρ方向に長いことが分かる。
【0064】
図9bは本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較したものである。 図9bに示すように、第3実施形態の人体挿入型アンテナの発熱状態は、第1実施形態の人体挿入型アンテナよりz方向で短く、ρ方向に長いことが分かる。
【0065】
図9cは本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較したものである。 図9cに示すように、第3実施形態の人体挿入型アンテナの発熱状態は、第2実施形態の人体挿入型アンテナよりz向方で短く、ρ方向に長いことが分かる。
【0066】
このように、本発明の人体挿入型アンテナは、第2実施形態で第2キャパシタ640を備え、第3実施形態で第2キャパシタ740及び第3キャパシタ750を形成することで、SAR分布を満足して発熱状態が腫瘍または癌細胞の形状のように丸く分布する。第1実施形態の人体挿入型アンテナ一つだけを使っても充分に腫瘍または癌細胞を治療することができる。
【0067】
このように、前述した本発明の技術的構成は本発明が属する技術分野の当業者が本発明のその技術的思想や必須的特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施されることができるということを理解することができる。
【0068】
以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なことで限定的なのではないこととして理解されなければならないし、本発明の範囲は前記詳細な説明よりは特許請求の範囲によって現わされ、特許請求の範囲の解釈及び範囲そしてその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるように解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】(a)は人体挿入アンテナに使われる同軸ケーブルを示し、(b)は人体挿入アンテナがどんなに動作するかを説明するために概略的に示す図。
【図2】従来の人体挿入型アンテナの種類を示す図。
【図3】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す図。
【図4】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの末端を概略的に示す図。
【図5】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと従来の人体挿入型アンテナの発熱效率を比較した図。
【図6】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの整合の実験値と理論値を比較した図。
【図7】本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す図。
【図8】本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す図。
【図9a】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを比較した図。
【図9b】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較した図。
【図9c】本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較した図 。
【符号の説明】
【0070】
110、 310、 610、 710: 第1導体(inner conductor)
120、320、620、720 : coaxial cable
330、630、730: 第1キャパシタ
114、340、650、760: カテーテル
210: 金属
640、740: 第2キャパシタ
111、321、331、621、631、641、721、731、741、751
: 誘電体
112、 322、622、 722: 第2導体(outer conductor)
332、632、642、732、742、752:導体
750: 第3キャパシタ
【技術分野】
【0001】
本発明は人体挿入型アンテナに関し、より詳しくはマイクロウエーブを利用して体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療するための挿入型アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体に存在する腫瘍や癌細胞をとり除くために外科的な手術が行われてきた。しかし、手術は費用が高いだけでなく回復する時間が長く、手術後2次感染に対する憂慮も少なくなかった。かかる短所を乗り越えるため、マイクロウエーブ(Microwave)を利用してアンテナを人体の肝臓、脳、心臓などに挿入して腫瘍や癌細胞をとり除く、人体挿入型アンテナに対する研究が活発である。
前記アンテナに関するより詳細な説明を図1を参照して行う。
【0003】
図1aは人体挿入アンテナに使われる同軸ケーブル(coaxial cable)を示すことであり、図1bは人体挿入アンテナがどんなに動作するかを説明するために概略的に示すのである。
【0004】
図1aに示すように、同軸ケーブル120の断面は第1導体(inner coductor、110)、 第1誘電体111、第2導体(outer conductor、112)からなる。第1導体110の長さが約1/4λg (λg:媒質でのwavelength)である時モノポール-アンテナ(monopole−antenna)を形成して、人体挿入型アンテナは一定長さの同軸ケーブル120とモノポール-アンテナがカテーテル114に挿入されて使われる。 カテーテル114は人体に無害な所定の誘電率を持つプラスチック管として、モノポール-アンテナが人体に直接接触することを防止する。 既存の人体挿入型アンテナにおいて、モノポール-アンテナとカテーテル114の間の間隙113には、含塩下剤(seline)が使われてきたが、製作の便宜のためには空気で満たされる。 図1bは、人体挿入型アンテナが肝臓、心臓、脳の腫瘍や、癌組職を治療するために挿入されている状態を示している。挿入型アンテナの周りは人体組職の表皮115を示す。
【0005】
人体挿入型アンテナに同軸ケーブル120の第1導体110を通じて電流を印加した時、 人体挿入型アンテナ周りに陽電荷(positive charge)が形成されて、この陽電荷と遠くはなれた負電荷(negative charge) の間に電場を形成するようになる。人体組職は導電し損失を生ずる媒質であるため電場によって熱が発生し、この熱によって、 腫瘍や癌細胞組職の温度を高め、これにより、腫瘍や癌細胞が治療され、非活性化される。
【0006】
図2は従来の人体挿入型アンテナに使われるモノポール-アンテナを示す。1番目のアンテナ200aは一番多く使われる形態で、同軸ケーブルの中で第1導体110が 1/4 波長程度延長された形態であり、2番目のアンテナ200bは電流を印加した時、アンテナ200b末端により多い電流が集まるように第2導体210を付着した形態である。3番目のアンテナ200cでは、アンテナの大きさを小さくするため、アンテナ200cの末端に一定長さの所定の誘電体物質が第1導体を円筒で取り囲み、その上に円筒状の導体が前記誘電体物質を取り囲み、両方の末端がすべて開放されている。
【0007】
このような従来のモノポール-アンテナが使われる人体挿入アンテナはマイクロウエーブを利用して発熱させるが、最大の問題はアンテナ整合である。 アンテナ整合が成り立たなければ、腫瘍や、癌細胞組織を治療するための目標細胞組職周辺に熱エネルギーが集中せず、また、不可避的に反射された電力によって、電流を印加するマイクロウエーブ源を破壊する可能性もある。アンテナ整合の他に考慮しなければならない点は発熱部位の形状である。 発熱部位が腫瘍や癌細胞組職形態と似ているラグビボール形状になると、マイクロウエーブを利用した腫瘍や癌細胞組職治療の時、周りの正常細胞を保護することができるからである。
【0008】
しかし、従来の人体挿入アンテナは整合が十分になされないために熱エネルギーが集中せず、発熱效率が低いという問題点があるだけなく、腫瘍や癌細胞組職周りにある正常細胞を破壊する危険要素を持っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は前記のような従来の問題点を解決するためであり、人体挿入型アンテナの構造を改善して、人体挿入アンテナと電流印加ソースの間の整合を改善して、目標細胞組職に対する発熱效率を高めることができる人体挿入型アンテナを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は腫瘍または癌細胞組職を治療するための発熱部位を最適化することができる人体挿入型アンテナ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の人体挿入型アンテナの第1の特徴は、マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、前記同軸ケーブル及び第1キャパシタが挿入されるカテーテルと、を備え、前記第1導体が、同軸ケーブルと第1キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする。
【0012】
第1の特徴によれば、人体挿入型アンテナは、電流印加の時に第3導体の表面に反対電荷が蓄積されるように誘導する第2誘電体を備える。また、前記第1キャパシタは、円筒状の第3導体と所定の誘電率を持つ誘電体で構成され、前記円筒状の第3導体末端は第1導体と接続されていて、その反対側の端は開放されるようにする。これにより、人体挿入型アンテナは前記末端で閉じられ、前記第1導体及び第1キャパシタが直接的に接続された構造を持つようになる。 第1キャパシタ長さによって、モノポール-アンテナの入力インピーダンスを自由自在に変更できるため、人体挿入アンテナを整合させるのが容易である。
【0013】
本発明の人体挿入型アンテナの第2の特徴は、マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、前記同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタが挿入されるカテーテルと、を備え、前記第1導体が、同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする。
【0014】
第2の特徴によれば、第1の特徴と同様、前記第1キャパシタは人体挿入アンテナのアンテナ整合に寄与するが、さらに、前記第2キャパシタは所定の誘電率を持つ第3誘電体と、両端が開放された円筒状の第4導体とで構成されているので、人体挿入アンテナを利用して発熱させる際に、発熱部位を特定するのに有益である。前記第1、2キャパシタは第1導体を中心軸にして直接的に接続され、カテーテルと電気的に接続される。
【0015】
本発明の人体挿入型アンテナの第3の特徴は、マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、所定の誘電率を持つ第4誘電体と、円筒状で両端が開放された第5導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第3キャパシタと、前記同軸ケーブル、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタが挿入されるカテーテルと、を備え、前記第1導体が、同軸ケーブル、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする。
【0016】
第3の特徴によれば、前記第1キャパシタとモノポール-アンテナ入口の間に前記第2キャパシタと第3キャパシタとを形成するようにする。前記第2キャパシタ及び第3キャパシタはそれぞれの所定の誘電率を持つ第3、4誘電体を含み、両端が開放された円筒状の第4、5導体を含む。この時、前記第2キャパシタ及び第3キャパシタは所定の間隔を置いて形成されており、前記第1、2及び3キャパシタが第1導体を中心軸にして直接的に接続され、カテーテルと電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、従来の人体挿入型アンテナの構造を改善して、アンテナ整合をほとんど完全に行うことができる。
【0018】
また、本発明によれば、従来の人体挿入型アンテナの構造を改善して、目標細胞組職に対する発熱效率を高めることができる效果がある。
【0019】
また、本発明に係る人体挿入型アンテナは、腫瘍または癌細胞の治療を最適化することができる效果がある。
【0020】
また、本発明によれば、従来の人体挿入型アンテナは構造を改善して、アンテナ作動時マイクロウエーブによる人体の損傷を減らすことができる效果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では本発明による具体的な実施形態を添付された図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
【0022】
図3は本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す。 図3に示すように、本発明の人体挿入型アンテナは第1導体310、同軸ケーブル320(coaxial cable)、第1キャパシタ330及びカテーテル340を含んでいる。
【0023】
第1導体310は人体挿入型アンテナの中心軸になる導体である。
【0024】
第1キャパシタ330は第1導体310の末端に形成される。 所定の誘電率を持つ第1誘電体331を含み、円筒状の形状を持って前記第1導体310の末端と接触されて閉鎖されていて、閉鎖された部分と対向する他端は開放されている第3導体332(キャップ形状)を含む。したがって、前記第1キャパシタ330は前記第1導体310を共有する。 ここに関するさらに詳細な内容は次図4で説明する事にする。
【0025】
同軸ケーブル320は電流印加の時必要であり、第1導体310、 第1誘電体321及び第2導体322で構成されて、第1導体310の延長線上に第1キャパシタ330がモノポール-アンテナ入口と一定の間隔(L)を置いて形成される。
ここで、前記同軸ケーブル320を成している第1誘電体321と、第1キャパシタ330を成す第2誘電体331とはお互いに異なるように構成されることができるし、製作の便宜のために同じ誘電体で構成されることもできる。
【0026】
所定の誘電率を持つ管形状からなるカテーテル340に、前記第1導体310、同軸ケーブル320及び第1キャパシタ330が挿入されて人体挿入型アンテナを成している。 前記カテーテル340内部には空気が満たされる。
【0027】
図4は本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの末端を概略的に示す。
【0028】
図4に示すように、第1キャパシタ330は、円筒状の形状を有し、前記第1導体310の末端と接触されて閉鎖され、閉鎖された部分と対向する一端は開放されている第3導体332を含み、前記第1導体310と接続される。
【0029】
また、前記第1キャパシタ330の末端が閉鎖された部分の形状は平ら若しくは膨らみを持った構造とすることができる。この時、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体310の断面積より広く形成される。
以下、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの動作を詳細に説明する。
【0030】
同軸ケーブル320に対する電流印加の時、第1導体310を通る電流が第1キャパシタ330内に位置する第1導体310の末端まで流れ、この電流印加の時、第2誘電体331によって反対電荷が誘導され、第1キャパシタ330の側面、すわなち、第3導体332側面に蓄積される。すなわち、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナでは、正極性電流(positive current)が挿入型アンテナを流れる間、第1導体310の周りに陽電荷(positive charge)が図4の示すように発生し、 第2誘電体331によって第1キャパシタ330の第3導体332表面には負電荷(negative charge)が同時に励起される。
【0031】
また、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体310の断面積より広く形成されるため、第1導体310による電流印加の時に、その閉鎖された末端の表面では、電流がより早い速度で第1キャパシタ320の第3導体332で拡散する。 第3導体332側面に励起された負電荷は第3導体332末端に拡散した電流を第3導体332側面に流れるように誘導する。従来の人体挿入型アンテナに使われるモノポール-アンテナのように、末端がすべて開放形態になっていて電流が末端にだけ流れるものとは異なり、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナでは、第1導体の末端の電流が側面に流れるようになるため、 人体挿入型アンテナと隣接した所に位置する正常細胞の損傷を防止することができる。
【0032】
また、第3導体332表面が既存のアンテナに比べてかなり広いため、より多くの電流が流れ続けることができ、高い発熱效果と発熱集中度が得られる。
【0033】
図5は、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと、従来の人体挿入型アンテナとの発熱效率を比較したものである。 図5のために使われたすべての人体挿入アンテナにはカテーテルが使用され、空気が挿入された場合の電力密度(electric power density)を示す。電力密度は温度に比例しており、人体挿入アンテナに近い所から遠くなるに従って温度が下がることを示す。 人体挿入アンテナに使われる同軸ケーブルに対する情報は表1に示す。 Microwave Studio、CST version 4。2によってシミュレーションされた結果を図5において比較している。
【0034】
図5に示したように、アンテナを体内に挿入した後マイクロウエーブを利用して発熱させる時のアンテナ周辺の温度を測定して発熱效率を求めることができる。 ここで、(a)は本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナであり、(b)、(c)及び(d)は図2で前述した従来の人体挿入型アンテナである。
【0035】
一般的に体内の癌細胞または腫瘍の形状は楕円形に近いから、人体挿入型アンテナを利用した発熱は(a)のように局所的に楕円形で現われる方が效率的である。すなわち、(b)、(c)及び(d)に示す従来の人体挿入型アンテナより(a)に示す本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの発熱範囲がより広いため、発熱效率がより高いことが分かる。それにもかかわらず、本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナは、図5に示したアンテナの中で最短である。
【0036】
【表1】
図6は本発明の第1実施形態による整合特性を示したものである。この実験に使われた人体挿入アンテナに対する情報は表2に示す。実験には、ベクトル解析が使用され、電力は、寸法が10cm x 10cm x 10cm である架空の筋肉に埋められた、アンテナの第1導体に供給される。実線は測定値であり、点線は理論値を示す。 2.45GHzで測定された整合特性は、−28.377dBであり、記録された中で最も良い値を示している。
【0037】
【表2】
<第2実施形態>
【0038】
図7は本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示したものである。 図7に示すように、 本発明の人体挿入型アンテナは第1導体610、同軸ケーブル620、第1キャパシタ630、第2キャパシタ640及びカテーテル650を含んでいる。
【0039】
第1導体610は人体挿入型アンテナの中心軸になる導体である。
同軸ケーブル620は前記第1導体610、第1導体610を円筒状に取り囲んでいる第1誘電体621及び第2導体622で構成され、電流印加の時に電流の通路の役目をする。 第1導体610が延長された形態がモノポール-アンテナ(monopole−antenna)を構成する。
【0040】
第1キャパシタ630は前記第1導体610の末端に形成される。 所定の誘電率を持つ第2誘電体631を含み、円筒状の形状を持って前記第1導体610の末端と接触されて閉鎖されており、閉鎖された部分と対向する一端は開放されている第3導体632を含む。 したがって、前記第1キャパシタは前記第1導体と直接的に接続される。
【0041】
第2キャパシタ640は前記第1キャパシタ630とモノポール-アンテナ入口との中間に位置して、所定の誘電率を持つ第3誘電体641と、第3誘電体641を取り囲んで第1導体610の長手方向に開放された円筒状の形状を持つ第4導体642とで構成されている。
【0042】
本発明の第2実施形態による前記第1キャパシタ630と前記第2キャパシタ640の間の間隔と、第2キャパシタ640とモノポール-アンテナ入口の間の間隔とはお互いに等しいL/3に設定し、第2キャパシタ640の長さもL/3に設定することが望ましい。
【0043】
また、前記第1誘電体621、第2誘電体631及び第3誘電体641はお互いに異なるように構成されることができるし、製作の便宜のために同じ誘電体で構成されることもできる。
【0044】
ここで、前記第2キャパシタ640は人体挿入型アンテナ動作の時マイクロウエーブによる発熱曲線が腫瘍や癌細胞組職の形態により近いようにSAR(Specific Absorption Rate)分布を最適化させるためのものである。前記第2キャパシタ640に対するより具体的な内容は図9で説明する事にする。
【0045】
前記第1導体610、同軸ケーブル620、第1キャパシタ630及び第2キャパシタ640が所定の誘電率を持つカテーテル650に挿入されて、前記カテーテル650内部は空気で満たされる
【0046】
本発明による第2実施形態も第1実施形態と同じく、第1キャパシタ630は末端が閉鎖された円筒の構造を持つことで、前記第1導体610と接続される。
【0047】
また、前記第1キャパシタ630の末端が閉鎖された部分の形状は平ら若しくは膨らみを持った構造を持つことができる。この時、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体610の断面積より広く形成されるようにすることで、アンテナへの電流印加時に、閉鎖された末端の表面で電流がより早く拡散するようにする。
【0048】
このような構造を持つ本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナは、第1導体610に電流が流れる時に、第3及び第4導体(632、 642)表面に反対電荷を誘導する第2及び第3誘電体(631、641)を含み、前記誘導された反対電荷は第3導体632の側面と、第4導体642の側面とに蓄積される。
<第3実施形態>
【0049】
図8は本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示したものである。図8に示すように、本発明の人体挿入型アンテナは第1導体710、同軸ケーブル720、第1キャパシタ730、第2キャパシタ740、第4キャパシタ750及びカテーテル760を含んでいる。
【0050】
第1導体710は人体挿入型アンテナの中心軸になる導体である。
第1キャパシタ730は前記第1導体710の末端に形成される。所定の誘電率を持つ第2誘電体731を含み、円筒状の形状で末端は閉鎖され、一端は開放されている第3導体732を含む。
【0051】
同軸ケーブル720は、前記第1キャパシタ710の一端に形成されて、所定の誘電率を持つ第1誘電体721と、一方が開放された円筒状の第2導体722とで構成されており、第2導体722の終端がモノポール-アンテナ入口になる。
【0052】
第2キャパシタ740は前記第1キャパシタ720とモノポール-アンテナ入口間に形成されて、所定の誘電率を持つ第3誘電体741と、両側が開放された円筒状の第4導体742とで構成されている。
【0053】
第3キャパシタ750は前記第2キャパシタ740とモノポール-アンテナ入口の間に形成されて、所定の誘電率を持つ第4誘電体751と、両側が開放された円筒状の第5導体752とで構成されている。
【0054】
この時、前記第1キャパシタ730と前記第2キャパシタ740の間の間隔、前記第2キャパシタ740の長さ、前記第2キャパシタ740と第3キャパシタ750の間の間隔、前記第3キャパシタ750の長さ、および、前記第3キャパシタ750と前記モノポール-アンテナ入口の間の間隔は、お互いに等しいように形成する。すなわち、前記それぞれの間隔、第2キャパシタ740、第3キャパシタ750の長さは、すべて、前記第1キャパシタ730と前記モノポール-アンテナ入口720の間の間隔の1/5である。
【0055】
また、前記第1誘電体721、第2誘電体731、第3誘電体741及び第4誘電体751はお互いに異なるように構成されることができるし、製作の便宜のために同じ誘電体で構成されることもできる。
【0056】
カテーテル760に第1導体、同軸ケーブル720、第1キャパシタ730、第2キャパシタ740及び第3キャパシタ750からなるモノポール-アンテナが挿入されて使われて、カテーテル760と前記モノポール-アンテナの間は空気で満たされる。
【0057】
本発明の第3実施形態でも第1キャパシタ730の末端が閉鎖された円筒の構造を持つことで、前記第1導体710と接続される。
【0058】
また、前記第1キャパシタ730の末端が閉鎖された部分の形状は平ら若しくは膨らみを持った構造を持つことができる。この時、前記閉鎖された部分の断面積は前記第1導体710の断面積より広く形成するようにすることで、挿入型アンテナに電流印加の時に、閉鎖された末端の表面で電流がより早く拡散するようにする。
【0059】
このような構造を持つ本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナは電流印加の時第2誘電体731、第3誘電体741及び第4誘電体751によって第3導体722、第4導体742及び第5導体752の表面に反対電荷を誘導して、誘導された反対電荷は人体挿入型アンテナがマイクロウエーブを利用した腫瘍や癌細胞組職を治療するために望ましいSARを誘導するのに寄与する。
【0060】
一方、本発明のアンテナを設計するのにあたって、治療の效果を高めるためのSAR分布が重要な要素である。従って、前述した第2実施形態で第2キャパシタ640を備え、第3実施形態で第2キャパシタ740及び第3キャパシタ750を備えることで、前記SAR分布が最適化されるようにする。
【0061】
このような構造の本発明のそれぞれの実施形態による人体挿入型アンテナを比べると次図9のようである。
図9は本発明の第1実施形態ないし第3実施形態による人体挿入型アンテナの発熱效率を比べるための図である。人体挿入アンテナに使われた同軸ケーブルに対する情報と実験条件は表2に示した通りであり、IRCON (Inspect IR 500 PS) デジタルカメラに取った写真を比較したものである。
【0062】
図9に示すように、前記アンテナを体内に挿入した後マイクロウエーブを利用して発熱させる時、アンテナ周辺の温度を測定して発熱效率を求めることができる。また、前述したように、体内の癌細胞組職または腫瘍の形状は、ラグビーボールのような楕円形に近いため、人体挿入型アンテナを利用した発熱は局所的に丸い形状で現われるのが效率的である。
【0063】
図9aは本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを比較したものである。ここで、z方向は挿入型アンテナの長さ方向で、ρ方向は発熱の時に挿入型アンテナの周辺に形成される発熱幅の方向を示す。 図9aに示すのように、第2実施形態の人体挿入型アンテナの発熱形象が第1実施形態の人体挿入型アンテナよりz方向で短く、ρ方向に長いことが分かる。
【0064】
図9bは本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較したものである。 図9bに示すように、第3実施形態の人体挿入型アンテナの発熱状態は、第1実施形態の人体挿入型アンテナよりz方向で短く、ρ方向に長いことが分かる。
【0065】
図9cは本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較したものである。 図9cに示すように、第3実施形態の人体挿入型アンテナの発熱状態は、第2実施形態の人体挿入型アンテナよりz向方で短く、ρ方向に長いことが分かる。
【0066】
このように、本発明の人体挿入型アンテナは、第2実施形態で第2キャパシタ640を備え、第3実施形態で第2キャパシタ740及び第3キャパシタ750を形成することで、SAR分布を満足して発熱状態が腫瘍または癌細胞の形状のように丸く分布する。第1実施形態の人体挿入型アンテナ一つだけを使っても充分に腫瘍または癌細胞を治療することができる。
【0067】
このように、前述した本発明の技術的構成は本発明が属する技術分野の当業者が本発明のその技術的思想や必須的特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施されることができるということを理解することができる。
【0068】
以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なことで限定的なのではないこととして理解されなければならないし、本発明の範囲は前記詳細な説明よりは特許請求の範囲によって現わされ、特許請求の範囲の解釈及び範囲そしてその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるように解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】(a)は人体挿入アンテナに使われる同軸ケーブルを示し、(b)は人体挿入アンテナがどんなに動作するかを説明するために概略的に示す図。
【図2】従来の人体挿入型アンテナの種類を示す図。
【図3】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す図。
【図4】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの末端を概略的に示す図。
【図5】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと従来の人体挿入型アンテナの発熱效率を比較した図。
【図6】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナの整合の実験値と理論値を比較した図。
【図7】本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す図。
【図8】本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを概略的に示す図。
【図9a】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナを比較した図。
【図9b】本発明の第1実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較した図。
【図9c】本発明の第2実施形態による人体挿入型アンテナと本発明の第3実施形態による人体挿入型アンテナを比較した図 。
【符号の説明】
【0070】
110、 310、 610、 710: 第1導体(inner conductor)
120、320、620、720 : coaxial cable
330、630、730: 第1キャパシタ
114、340、650、760: カテーテル
210: 金属
640、740: 第2キャパシタ
111、321、331、621、631、641、721、731、741、751
: 誘電体
112、 322、622、 722: 第2導体(outer conductor)
332、632、642、732、742、752:導体
750: 第3キャパシタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、
電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、
第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、
前記同軸ケーブル及び第1キャパシタが挿入されるカテーテルと、
を備え、
前記第1導体が、同軸ケーブルと第1キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする人体挿入型アンテナ。
【請求項2】
前記第1誘電体及び第2誘電体は誘電率が等しいことを特徴とする、請求項1記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項3】
前記第1導体の延長線の長さは前記マイクロウエーブの波長の1/4長さであることを特徴とする、請求項1記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項4】
前記第1キャパシタの末端部分の形状は平らであるか、若しくは膨らみを持つことを特徴とする、請求項1記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項5】
前記末端部分の断面積は前記第1導体の断面積より広く形成されたことを特徴とする、請求項4記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項6】
マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、
電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、
第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、
所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、
前記同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタが挿入されるカテーテルと、
を備え、
前記第1導体が、同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする人体挿入型アンテナ。
【請求項7】
前記第1キャパシタと第2キャパシタの間の間隔、第2キャパシタの長さ、および、前記同軸ケーブル末端と前記第2キャパシタの間の間隔は、互いに等しいことを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項8】
前記第1誘電体、第2誘電体及び第3誘電体は誘電率が等しいことを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項9】
前記第1導体の延長線の長さは、前記マイクロウエーブの波長の1/4長さであることを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項10】
前記第1キャパシタの末端部分の形状は平らであるか、若しくは膨らみを持つことを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項11】
前記末端部分の断面積は前記第1導体の断面積より広く形成されたことを特徴とする、請求項10記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項12】
マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、
電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、
第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、
所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、
所定の誘電率を持つ第4誘電体と、円筒状で両端が開放された第5導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第3キャパシタと、
前記同軸ケーブル、同軸ケーブル、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタが挿入されるカテーテルと、
を備え、
前記第1導体が、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする人体挿入型アンテナ。
【請求項13】
前記第1キャパシタと前記第2キャパシタ間の間隔、前記第2キャパシタの長さ、前記第2キャパシタと第3キャパシタの間の間隔、前記第3キャパシタの長さ、および、前記同軸ケーブルの末端と第3キャパシタの間の間隔は、互いに等しいことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項14】
前記第1誘電体、第2誘電体、第3誘電体及び第4誘電体は誘電率が等しいことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項15】
前記カテーテルは所定の誘電率を持つことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項16】
前記第1キャパシタの末端部分の形状は平らであるか、若しくは膨らみを持つことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項17】
前記末端部分の断面積は前記第1導体の断面積より広く形成されたことを特徴とする、請求項16記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項18】
前記第1導体延長線の長さは、前記マイクロウエーブの波長の1/4長さであることを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項1】
マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、
電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、
第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、
前記同軸ケーブル及び第1キャパシタが挿入されるカテーテルと、
を備え、
前記第1導体が、同軸ケーブルと第1キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする人体挿入型アンテナ。
【請求項2】
前記第1誘電体及び第2誘電体は誘電率が等しいことを特徴とする、請求項1記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項3】
前記第1導体の延長線の長さは前記マイクロウエーブの波長の1/4長さであることを特徴とする、請求項1記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項4】
前記第1キャパシタの末端部分の形状は平らであるか、若しくは膨らみを持つことを特徴とする、請求項1記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項5】
前記末端部分の断面積は前記第1導体の断面積より広く形成されたことを特徴とする、請求項4記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項6】
マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、
電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、
第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、
所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、
前記同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタが挿入されるカテーテルと、
を備え、
前記第1導体が、同軸ケーブル、第1キャパシタ及び第2キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする人体挿入型アンテナ。
【請求項7】
前記第1キャパシタと第2キャパシタの間の間隔、第2キャパシタの長さ、および、前記同軸ケーブル末端と前記第2キャパシタの間の間隔は、互いに等しいことを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項8】
前記第1誘電体、第2誘電体及び第3誘電体は誘電率が等しいことを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項9】
前記第1導体の延長線の長さは、前記マイクロウエーブの波長の1/4長さであることを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項10】
前記第1キャパシタの末端部分の形状は平らであるか、若しくは膨らみを持つことを特徴とする、請求項6記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項11】
前記末端部分の断面積は前記第1導体の断面積より広く形成されたことを特徴とする、請求項10記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項12】
マイクロウエーブを利用して人体内の腫瘍または癌細胞組職を発熱させて治療する人体挿入型アンテナにおいて、
電流印加のための第1導体と、前記第1導体を取り囲んでいる第1誘電体と、当該第1誘電体を取り囲み、電流印加の時に接地される円筒状の第2導体とを有する同軸ケーブルと、
第1導体の延長線上の末端に位置する第2誘電体と、一端が閉じられて第1導体と接続され、他端が開放されている、円筒状の第3導体とを含む第1キャパシタと、
所定の誘電率を持つ第3誘電体と、円筒状で両端が開放された第4導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第2キャパシタと、
所定の誘電率を持つ第4誘電体と、円筒状で両端が開放された第5導体とを含み、前記同軸ケーブルと前記第1キャパシタの間に形成された第3キャパシタと、
前記同軸ケーブル、同軸ケーブル、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタが挿入されるカテーテルと、
を備え、
前記第1導体が、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタの中心軸となっていることを特徴とする人体挿入型アンテナ。
【請求項13】
前記第1キャパシタと前記第2キャパシタ間の間隔、前記第2キャパシタの長さ、前記第2キャパシタと第3キャパシタの間の間隔、前記第3キャパシタの長さ、および、前記同軸ケーブルの末端と第3キャパシタの間の間隔は、互いに等しいことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項14】
前記第1誘電体、第2誘電体、第3誘電体及び第4誘電体は誘電率が等しいことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項15】
前記カテーテルは所定の誘電率を持つことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項16】
前記第1キャパシタの末端部分の形状は平らであるか、若しくは膨らみを持つことを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項17】
前記末端部分の断面積は前記第1導体の断面積より広く形成されたことを特徴とする、請求項16記載の人体挿入型アンテナ。
【請求項18】
前記第1導体延長線の長さは、前記マイクロウエーブの波長の1/4長さであることを特徴とする、請求項12記載の人体挿入型アンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【公開番号】特開2007−167104(P2007−167104A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364710(P2005−364710)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(598057475)學校法人浦項工科大學校 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(598057475)學校法人浦項工科大學校 (5)
【Fターム(参考)】
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