説明

人体検出システム

【課題】より高い精度で周囲に存在する人体を検出することができる人体検出システムを提供すること。
【解決手段】通信回線を用いて通信を行う第1通信部を備える携帯通信機器と、周囲の温度分布に基づいて人体を検出する人感センサ、人感センサの検出情報を記憶する記憶部および携帯通信機器と通信を行う第2通信部を備える置き台と、人感センサの検出情報および人感センサの動作の少なくとも一方に対して誤検出低減処理を行う誤検出低減部と、を有することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人を検出する人感センサを備える人体検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯通信機器には、種々の機能が搭載されている。例えば、特許文献1は、人の体温から放射される赤外線と動きを検知する焦電センサ等からなる人感検知手段を備えている携帯通信機器(携帯端末装置)が記載されている。携帯通信機器は、人感検知手段で動きの有無を検出し、一定時間動きが検出されない場合、発報音を出力する。また、特許文献1は、住居内の生活空間に人感検知手段を配置し、人感検知手段で検知した結果を、携帯端末充電および人感検知受信装置で受信するシステムが記載されている。このシステムは、人感検知手段のいずれでも一定時間、人体が検出されない場合、携帯端末充電および人感検知受信装置からブルートゥース等の通信手段で携帯通信機器に情報が出力され、携帯通信機器から発報音が出力される。また、発報音を出力してから所定時間経過後も操作が検出されない場合、所定の通信機器に通報される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−67241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように人感センサにより周囲の人体を検出することで、携帯通信機器の使用者の安否の確認を行うことができる。また、携帯通信機器は、周囲の人体の有無を検出し、検出結果を防犯に用いることもできる。また、近年では、携帯通信機器を保持する充電台等の支持台に人感センサを備える構成も提案されている。
【0005】
ここで、人感センサとして、焦電赤外線センサを用い、人の体温から放射される赤外線を検出する場合、人体を誤検出する場合がある。人体を誤検出する場合また人体を検出できない場合がある。このように、人感センサの検出精度が低いと的確な制御を行うことができない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より高い精度で周囲に存在する人体を検出することができる人体検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、人体検出システムであって、通信回線を用いて通信を行う第1通信部を備える携帯通信機器と、周囲の温度分布に基づいて人体を検出する人感センサ、前記人感センサの検出情報を記憶する記憶部および前記携帯通信機器と通信を行う第2通信部を備える置き台と、前記人感センサの検出情報および前記人感センサの動作の少なくとも一方に対して誤検出低減処理を行う誤検出低減部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、前記携帯通信機器は、前記誤検出低減部で処理された検出結果を外部の通信機器に送信することが好ましい。
【0009】
また、前記誤検出低減部は、誤検出が発生する状況であるかを判定し、誤検出が発生する状態であると判定した場合、前記人感センサによる検出動作を停止させることが好ましい。
【0010】
また、前記誤検出低減部は、誤検出が発生する状況であるかを判定し、誤検出が発生する状態であると判定した場合、当該誤検出が発生すると判定した時刻の情報を記憶し、前記人感センサの検出情報のうち、前記誤検出が発生すると判定した時刻に検出した結果を無効にすることが好ましい。
【0011】
また、前記誤検出低減部は、前記携帯通信機器が無線通信を行っている間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することが好ましい。
【0012】
また、前記誤検出低減部は、前記人感センサの近傍に到達する高周波信号を検出する検波回路を備え、前記検波回路で高周波が検出されている間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することが好ましい。
【0013】
また、前記携通信機器は、筐体を振動させる振動部を備えており、前記誤検出低減部は、前記振動部が振動している間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することが好ましい。
【0014】
また、前記誤検出低減部は、前記置き台の振動を検出する加速度センサを有し、前記加速度センサで前記置き台の振動を検出している間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することが好ましい。
【0015】
また、前記誤検出低減部は、前記人感センサの検出情報を解析して物体の動きを検出し、当該物体の動作パターンが人以外の動きのパターンである場合、前記誤検出が発生する状況であると判定することが好ましい。
【0016】
また、前記誤検出低減部は、前記人感センサの検出情報を解析して物体の動きを検出し、当該物体の動作パターンが人の動きのパターンはない場合、前記誤検出が発生する状況であると判定することが好ましい。
【0017】
また、前記人感センサは、周囲の温度分布の検出感度を複数の感度に切り換える検出感度切り換え部を有することが好ましい。
【0018】
また、前記検出感度切り換え部は、検出信号を増幅するアンプを複数備え、前記検出信号の増幅に用いるアンプを切り換えることで検出感度を変更することが好ましい。
【0019】
また、前記誤検出低減部は、前記人感センサで検出される周囲の温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲内である場合、前記人感センサの検出感度を高感度とし、前記人感センサで検出される周囲の温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲外である場合、前記人感センサの検出感度を低感度とすることが好ましい。
【0020】
また、前記携帯通信機器は、温度センサを有し、前記誤検出低減部は、前記温度センサで検出される温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲内である場合、前記人感センサの検出感度を高感度とし、前記温度センサで検出される温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲外である場合、前記人感センサの検出感度を低感度とすることが好ましい。
【0021】
また、前記誤検出低減部は、前記人感センサの検出感度が高感度の状態で人体を検出した場合、前記人感センサの検出感度を低感度に切り換え、前記人感センサの検出感度が低感度の状態で人体を検出しない場合、人体を検出していないと判定し、前記人感センサの検出感度が低感度の状態で人体を検出した場合、人体を検出したと判定することが好ましい。
【0022】
また、前記誤検出低減部は、演算処理機能が前記携帯通信端末に内蔵されていることが好ましい。
【0023】
また、前記誤検出低減部は、演算処理機能が前記置き台に内蔵されていることが好ましい。
【0024】
また、前記携帯通信機器の通信部と通信を行うサーバをさらに有し、前記誤検出低減部は、演算処理機能が前記サーバに内蔵されていることが好ましい。
【0025】
また、前記人感センサは、周囲の温度分布を検出する焦電型赤外線センサを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明にかかる人体検出システムは、より高い精度で周囲に存在する人体を検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の人体検出システムの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す人体検出システムの携帯電話機の外観を示す正面図である。
【図3】図3は、人体検出システムの機能の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、人体検出システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図5】図5は、人体検出システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図6】図6は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図7】図7は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図8】図8は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図9】図9は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図10】図10は、人体検出システムの充電台の一部の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図12】図12は、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図13】図13は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図14】図14は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図15】図15は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図16】図16は、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図17】図17は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図18A】図18Aは、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図18B】図18Bは、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図18C】図18Cは、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図19】図19は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図20】図20は、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図21】図21は、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。
【図22】図22は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。
【図23】図23は、人体検出システムの他の例の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、人体検出システムの携帯通信機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、通信機能を備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。また、以下においては、人体検出システムの置き台として携帯通信機器の充電台を例として説明するが、本発明の適用対象は充電台に限定されるものではなく、測定対象領域に配置される各種置き台を用いることができる。
【0029】
図1は、本発明の人体検出システムの概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す人体検出システムの携帯電話機の外観を示す正面図である。図3は、人体検出システムの機能の概略構成を示すブロック図である。図1に示す人体検出システム1は、携帯電話機10と、充電台40と、を有する。
【0030】
携帯電話機10は、図1および図2に示すように薄板状の筐体11を有する。携帯電話機10は、筐体11の表面に、タッチパネル12と、ボタン30、ボタン32および入力デバイス34からなる入力部13と、レシーバ17と、マイク18と、カメラ24と、が配置されている。タッチパネル12は、板状の筐体11の面積が最も広い面に配置されている。また、入力部13も、筐体11のタッチパネル12が配置されている面の、長手方向の一方の端部に配置されている。入力部13は、短手方向の一方から他方に向かって、ボタン30、入力デバイス34、ボタン32の順で配置されている。また、レシーバ17は、筐体11のタッチパネル12が配置されている面の長手方向の他方の端部、つまり、入力部13が配置されている端部とは反対側の端部に配置されている。また、マイク18は、筐体11のタッチパネル12が配置されている面の長手方向の一方の端部、つまり、入力部13が配置されている端部に配置されている。また、カメラ24は、筐体11のタッチパネル12が配置されている面のレシーバ17に隣接して配置されている。
【0031】
タッチパネル12は、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン(ペンの先端、棒状部材の先端)等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル12に対して行われる各種動作を検出する。例えば、携帯電話機10は、利用者から文字の入力を受け付けるために、タッチパネル12上に仮想キーボードを表示させる。携帯電話機10は、タッチパネル12上に仮想キーボードを表示させた状態で、指によってタッチパネル12に入力される各種動作を検出し、仮想キーボードのどのキーが押下されたか、接触されたかを検出し、押下、接触を検出したキーを入力したキーとすることで、文字入力を行うことができる。また、タッチパネル12は、文字の入力によらず、表示させている画像と、指によってタッチパネル12に対して行われる各種動作とに基づいて、各種操作の入力を検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。
【0032】
入力部13は、ボタン30、32が押下された場合に、押下されたボタンに対応する機能を起動させる。また、入力部13は、入力デバイス34に入力された動作も操作として検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。例えば、入力デバイス34は、方向指示操作や決定操作を検出する。入力デバイス34は、タッチパッド、光学式入力デバイス、四方および中央にボタンを備える入力デバイス等で構成される。
【0033】
充電台40は、携帯電話機10が載置される置き台である。充電台40は、筐体42に携帯電話機10が載置される支持部44が形成されている。支持部44は、携帯電話機10の筐体11に沿った形状であり、携帯電話機10を特定の姿勢で支持する。また、充電台40は、筐体42の一部に赤外線センサ70が配置されている。
【0034】
次に、人体検出システム1の機能と制御部との関係を説明する。図3は、人体検出システムの機能の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように携帯電話機10は、タッチパネル12と、入力部13と、電源部15と、通信部16と、レシーバ17と、マイク18と、記憶部19と、制御部20と、RAM(Random Access Memory)21と、カメラ24と、振動部26と、温度センサ28と、タイマ29と、電源端子36と、通信端子38と、を有する。
【0035】
タッチパネル12は、表示部12Bと、表示部12Bに重畳されたタッチセンサ12Aとを有する。タッチセンサ12Aは、指を用いてタッチパネル12に対して行われた各種動作を、動作が行われた場所のタッチパネル12上での位置とともに検出する。タッチセンサ12Aによって検出される動作には、指をタッチパネル12の表面に接触させる動作や、指をタッチパネル12の表面に接触させたまま移動させる動作や、指をタッチパネル12の表面から離す動作が含まれる。なお、タッチセンサ12Aは、感圧式、静電式等のいずれの検出方式を採用していてもよい。表示部12Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等で構成され、文字、図形、画像等を表示する。
【0036】
入力部13は、上述したようにボタン30、32と、入力デバイス34とを有する。ボタン30、32は、物理的な入力(押下)を通じて利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を制御部20へ送信する。また、入力デバイス34も、利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を制御部20へ送信する。
【0037】
電源部15は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、制御部20を含む携帯電話機10の各機能部へ供給する。電源部15は、電源端子36を介して外部電源と接続する。通信部16は、アンテナ16aを有し、アンテナ16aを用いて電波を送受信することで、基地局4によって割り当てられるチャネルを介し、基地局4との間でCDMA方式等による無線信号回線を確立し、基地局4との間で電話通信および情報通信を行う。つまり、通信部16は、公衆通信回線を用いて外部の通信機器と通信を行う。レシーバ17は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク18は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。
【0038】
記憶部19は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、制御部20での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。具体的には、記憶部19は、通信部16を介して外部の通信機器と通信を行うための通信プログラム19Aや、充電台40の後述する人感センサ52の検出結果に基づいて充電台40の周囲の人体を検出するためおよび人感センサ52の動作を制御するための人体検出プログラム19Bや、外部電源から得られる電力から供給される電力を用いて電源部15の蓄電池を充電するための充電制御プログラム19Cや、各種プログラムを実行する際に用いる各種条件を対応付けた処理条件テーブル19Dを記憶する。また、記憶部19には、携帯電話機10の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムや、氏名、電話番号、メールアドレス等が登録されたアドレス帳データ等の他のプログラムやデータも記憶される。また、記憶部19には、タッチパネル12に入力された入力操作に基づいて制御動作、処理を決定するプログラム等も記憶される。なお、制御動作、処理とは、携帯電話機10で実行する各種動作、処理が含まれ、例えば、カーソル、ポインタの移動、画面の表示切換、文字入力処理、各種アプリケーションの起動処理、終了処理がある。
【0039】
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話機10の動作を統括的に制御する。具体的には、制御部20は、記憶部19に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部19に記憶されているプログラムを実行して、タッチパネル12、入力部13、通信部16、カメラ24等を制御することによって各種処理を実行する。制御部20は、記憶部19に記憶されているプログラムや、処理を実行することによって取得/生成/加工されたデータを、一時的な記憶領域を提供するRAM21に必要に応じて展開する。なお、制御部20が実行するプログラムや参照するデータは、通信部16による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0040】
カメラ24は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いて電子的に画像を撮影する。そして、カメラ24は、撮影した画像を信号に変換して制御部20へ出力する。
【0041】
振動部(バイブレータ)26は、筐体11に振動させる振動発生機構であり、筐体11の内部に設けられている。振動部26の振動発生機構としては、偏心モータを用いることができる。振動部26は、他の通信機器からの通話の着信の通知時、EメールやCメール、ショートメール等のお知らせの着信の通知時や、アラーム機能利用時に、制御部20の制御により駆動され、筐体11を振動させる。
【0042】
温度センサ28は、内部の所定位置の温度を検出する配置された温度検出手段であり、筐体11の内部に設けられている。温度センサ28の温度検出手段としては、例えば、熱伝対、サーミスタ、バイメタル温度計等を用いることができる。温度センサ28は、検出した温度の情報を制御部20に送る。なお、本実施形態では、温度センサ28で検出した温度を用いて制御部22が演算を行うことで所定部分の温度を検出することができる。
【0043】
タイマ29は、時刻をカウントしており、時刻の情報を、制御部20へ向けて出力可能となっている。本実施形態では、制御部20に対して独立に時間経過を測定するタイマ29を設けたが、制御部20にタイマ機能を持たせてもよい。タイマ29は、通信部16を介して基地局等から時刻情報を取得することで、基準時刻とのズレを補正することができる。
【0044】
電源端子36は、筐体11の外部に露出している端子であり、電源部15と接続している。電源端子36は、筐体11の外部に露出している端子が充電台40の電源端子60と接続する。電源端子36は、接続している端子から供給される電力を電源部15に送る。通信端子38は、筐体11の外部に露出している端子であり、制御部20と接続している。通信端子38は、筐体11の外部に露出している端子が充電台40の通信端子62と接続する。通信端子38は、接続している通信端子62とデータの送受信を行う。
【0045】
次に、充電台40の機能について説明する。図3に示すように充電台40は、制御部50と、記憶部51と、人感センサ52と、検波部54と、加速度センサ55と、タイマ56と、電源部57と、外部電源端子58と、電源端子60と、通信端子62と、を有する。
【0046】
制御部50は、例えば、CPUであり、充電台40の動作を統括的に制御する。また、制御部50は、CPUに加えRAMも備えている。具体的には、制御部50は、記憶部51に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部51に記憶されているプログラムを実行して、人感センサ52、検波部54、加速度センサ55、タイマ56等を制御することによって各種処理を実行する。制御部50は、記憶部51に記憶されているプログラムや、処理を実行することによって取得/生成/加工されたデータを、RAMに必要に応じて展開する。なお、制御部50が実行するプログラムや参照するデータは、通信端子32、62を介した通信により携帯電話機10からダウンロードすることとしてもよい。
【0047】
記憶部51は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、制御部50での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。具体的には、携帯電話機10と通信を行うための通信プログラムや、人感センサ52の検出結果に基づいて充電台40の周囲の人体を検出するためおよび人感センサ52の動作を制御するための人体検出プログラム19Bや、各種条件を記憶する。また、記憶部51には、充電台40の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムやデータも記憶される。また、記憶部51は、人感センサ52で検出した検出結果や、検出結果を解析した解析結果も記憶される。
【0048】
人感センサ52は、赤外線センサ70と検出回路72とを有する。赤外線センサ70は、筐体42の外部に露出して配置されている。赤外線センサ70は、いわゆる焦電型赤外線センサであり、測定対象領域である筐体42の周囲の領域の各位置(各位置の物体)から放射される赤外線の変化を検出する。赤外線センサ70は、検出素子を多数有しており、多数の検出素子を複眼上に配置して、周囲の各領域の温度変化を検出する。検出回路72は、赤外線センサ70から出力される検出信号(赤外線の検出量の信号)を制御部50で可能な信号に加工する回路である。例えば、検出回路72は、赤外線センサ70から出力されるアナログの検出信号をデジタルに変換する。なお、人感センサ52は、検出回路70の処理で、各検出素子から検出された人体の有無を判定した信号、つまり信号値を所定の閾値で2値化した信号としてもよい。
【0049】
検波部54は、充電台40に到達する電磁波を検出する装置であり、検波回路80とアンテナ82とを有する。アンテナ82は、充電台40に到達する電磁波を受信する。なお、アンテナ82は、通信に使用される周波数帯、例えば800MHz近傍の周波数帯、2GHz近傍の周波数帯の電磁波、通信用の電波を検波する。検波回路80は、アンテナ82が受信した電波を処理する回路である。検波回路80は、アンテナ82から送られてきた信号を処理した結果を制御部50に送る。これにより、検波部54は、充電台40に到達する通信用の電波の有無、また通信用の電波の出力を検出することができる。
【0050】
加速度センサ55は、筐体42に加わる加速度を検出する検出器である。ここで、加速度センサ55としては、種々の方法で加速度を検出する検出器を用いることができ、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。また、加速度センサ55は、加速度の大きさに加え加速度の方向を検出する。加速度センサ55は、筐体42が携帯電話機10で振動が発生したり、利用者によって移動されたりする際に筐体42に作用する加速度を検出し、検出した加速度情報を制御部50に送る。制御部50は、加速度センサ55の検出結果を解析することで、具体的には検出した加速度の情報を積算することで筐体42の移動、振動を検出する。
【0051】
タイマ56は、時刻をカウントしており、時刻の情報を、制御部50へ向けて出力可能となっている。本実施形態では、制御部50に対して独立に時間経過を測定するタイマ56を設けたが、制御部50にタイマ機能を持たせてもよい。タイマ56は、携帯電話機10から時刻情報を取得することで、基準時刻とのズレを補正することができる。
【0052】
電源部57は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、制御部50を含む充電台40の各機能部へ供給する。また、電源部57は、外部電源端子58を介して外部電源と接続し、電源端子60を介して携帯電話機10の電源端子36と接続する。電源部57は、外部電源端子58から供給された電力を電源端子60に送る。これにより、充電台40は、携帯電話機10に外部電力から得た電力を供給することができ、携帯電話機10の電源部15を充電することができる。
【0053】
外部電源端子58は、筐体42の外部に露出している端子であり、外部電源と接続している。外部電源端子58は、電線、コンセントを介して外部電源と接続してもよい。外部電源端子58は、外部電源から供給される電力を電源部57に送る。電源端子60は、筐体42の外部に露出している端子であり、電源部57と接続している。電源端子60は、筐体42の外部に露出している端子が携帯電話機10の電源端子36と接続する。電源端子60は、電源部57から供給される電力を電源端子36に送る。通信端子62は、筐体42の外部に露出している端子であり、制御部50と接続している。通信端子62は、筐体42の外部に露出している端子が携帯電話機10の通信端子38と接続する。通信端子62は、接続している通信端子38とデータの送受信を行う。なお、電源端子60および通信端子62は、支持部44に携帯電話機10が特定の姿勢で載置されることで、電源端子36および通信端子38と接続する。
【0054】
人体検出システム10は、以上のような構成であり、携帯電話機10が充電台40の支持部44に載置されることで、電源端子36と電源端子60とが接続し、通信端子38と通信端子62とが接続する。人体検出システム1は、電源端子36と電源端子60とが接続することで、充電台40に供給される外部電力を携帯電話機10に供給することができる。また、人体検出システム1は、通信端子38と通信端子62とが接続することで、制御部20と制御部50との間で通信を行い、情報の送受信を行うことができる。
【0055】
ここで、本実施形態の人体検出システム1は、携帯電話機10と充電体40とは、通信端子と通信端子を接続し、有線で通信を行ったがこれに限定されない。人体検出システム1は、携帯電話機10と充電体40とは、近距離無線通信技術を用いて、通信を行ってもよい。なお、近距離無線通信技術としては、赤外線通信(IrDA(登録商標)、IrMC(登録商標)、IrSimple(登録商標))や、可視光通信や、Bluetooth(登録商標)や、磁界通信(RFID、Radio Frequency Identification)技術を用いることができる。
【0056】
次に、図4および図5を用いて、人体検出システム1で実行する人体検出動作の一例について説明する。図4および図5は、それぞれ人体検出システムの動作の一例を示すフロー図である。図4及び図5に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。ここで、以下の実施形態では、制御部20が人体検出プログラム19Bを実行し、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて実行する場合として説明するが、制御部50で同様の処理を実行してもよい。人体検出システムは、制御部20、制御部50のいずれの処理で実行する場合についても人体検出システム1は、通信端子38、62を介して必要な情報を送受信する。まず、図4を用いて、人感センサ52の検出動作の制御について説明する。図4に示す処理は、携帯電話機10が充電台40に載置されている状態で実行される。
【0057】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS14として位置登録を行うかを判定する。ここで、位置登録とは、携帯電話機10が通信部16を用いて基地局と通信を行い、自機の位置を基地局に通知する処理である。
【0058】
制御部20は、ステップS14で位置登録あり(Yes)と判定した場合、ステップS16として、人感センサ検出動作をOFFにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を停止する。制御部20は、ステップS16で検出動作をOFFにしたら、ステップS18として位置登録が完了したかを判定する。制御部20は、ステップS18で位置登録が完了していない(No)と判定した場合、ステップS18に進む。つまり、制御部20は、位置登録が完了するまで、つまり基地局との通信が終了するまで、ステップS18の処理を繰り返す。制御部20は、ステップS18で位置登録が完了した(Yes)、つまり基地局との通信が終了したと判定した場合、ステップS12に進み、人感センサ検出動作を再びONにする。
【0059】
次に、制御部20は、ステップS14で位置登録を行わない(No)と判定した場合、ステップS20として着呼、つまり基地局からの呼出しがあるかを判定する。制御部20は、ステップS20で着呼あり(Yes)と判定した場合、ステップS22として、人感センサ検出動作をOFFにする。制御部20は、ステップS22で検出動作をOFFにしたら、ステップS24として通信終了かを判定する。制御部20は、ステップS24で通信終了していない(No)と判定した場合、ステップS24に進む。つまり、制御部20は、基地局との通信が終了する、ステップS24の処理を繰り返す。制御部20は、ステップS24で通信が終了した(Yes)と判定した場合、ステップS12に進み、人感センサ検出動作を再びONにする。
【0060】
次に、制御部20は、ステップS20で着呼がない(No)と判定した場合、ステップS26として発呼、つまり携帯電話器10から基地局への発信があるかを判定する。制御部20は、ステップS26で発呼あり(Yes)と判定した場合、ステップS28として、人感センサ検出動作をOFFにする。制御部20は、ステップS28で検出動作をOFFにしたら、ステップS30で通信終了かを判定する。制御部20は、ステップS30で通信終了していない(No)と判定した場合、ステップS30に進む。つまり、制御部20は、基地局との通信が終了する、ステップS30の処理を繰り返す。制御部20は、ステップS30で通信が終了した(Yes)と判定した場合、ステップS12に進み、人感センサ検出動作を再びONにする。
【0061】
次に、制御部20は、ステップS26で発呼がない(No)と判定した場合、ステップS32として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS32で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS14に進み、位置登録を行うかを判定する。また、制御部20は、ステップS32で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。制御部20は、以上のようにして、人感センサ52の検出動作のON、OFFを切り換える。
【0062】
次に、図5を用いて、人感センサ52で検出した情報の処理動作について説明する。制御部20は、ステップS40として携帯電話機10が充電台40に載置されているかを判定する。なお、携帯電話機10が充電台40に載置されているかの判定は、充電の実行を判定する場合と同様の処理、例えば端子が接続されているかを検出することで判定できる。制御部20は、ステップS40で携帯電話機10が充電台40に載置されていない(No)と判定した場合、ステップS40に進む。制御部20は、充電体40に載置されていることを検出するまでステップS40の処理を繰り返す。
【0063】
制御部20は、ステップS40で充電台40に載置されている(Yes)と判定した場合、ステップS42として充電台との通信を開始する。つまり制御部20と制御部50との間で通信を開始する。制御部20は、ステップS42で通信を開始したら、ステップS44として人感センサ52の検出結果を取得する。制御部20は、充電台40の記憶部51に記憶されている人感センサ52の検出結果を読み出す。制御部20は、ステップS44で検出結果を取得したら、ステップS46として人体の動きを検出し、ステップS48で検出結果を通信部15から出力し、本処理を終了する。つまり、制御部20は、通信部15を用いた無線通信回線の通信により、充電台40の前で人体が移動したことが検出されたか等の情報を所定の外部の通信機器に送信する。
【0064】
人体検出システム1は、図4および図5に示すように携帯電話機10の通信状態に基づいて、基地局との通信を実行している間は、誤検出が発生する状況であると判定し、人感センサ52による検出動作を停止することで、人体の検出精度をより高くすることができる。具体的には、携帯電話機10と基地局との通信時は、人感センサ52による検出動作を停止することで、携帯電話機10で送受信される高周波信号が、検出回路72で検波されることを抑制することができる。これにより、赤外線センサ70の検出結果に基づいて生成した信号とは異なる信号が制御部50に送信されることを抑制することができ、誤検出の発生を抑制することができる。
【0065】
また、人体検出システム1は、携帯電話機10と基地局との通信が終了した場合、人感センサ52による検出動作を再開することで、誤検出の発生の恐れが少ない状態では、確実に人感センサ52による検出動作を実行することができる。なお、本実施形態では基地局との通信としたが他の無線通信の場合も適用できる。
【0066】
また、人体検出システム1は、検出した結果を外部の所定の通信機器に出力することで、所定の通信機器で充電台40の周囲の状況を通知することができる。つまり、充電のために使用者が充電台40の前に移動したか、充電台40の前を人が通過したか等の情報を通知することができる。これにより主に携帯電話機10の利用者の安否に関する情報を通知することができる。
【0067】
図4および図5に示す処理は、人感センサ52による検出動作のON、OFFを切り換えたがこれに限定されない。図6および図7を用いて、人体検出システム1の動作の他の例を説明する。ここで、図6および図7は、それぞれ人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。図6及び図7に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。図6に示す処理は、携帯電話機10が充電台40に載置されている状態で実行される。なお、図6に示す処理動作のうち一部の動作は、図4に示す処理と同様である。そこで、同様の処理については同一のステップ番号を付して一部説明を省略する。
【0068】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS50として基地局と通信中かを判定する。ここで、基地局と通信中とは、携帯電話機が、上述した位置登録、着呼、発呼等により基地局と通信している状態である。
【0069】
制御部20は、ステップS50で基地局との通信中あり(Yes)と判定した場合、ステップS52として、通信を行った時刻の情報を保存する。つまり、携帯電話機10の近傍で高周波の電波が送受信されていた時刻の情報を保存する。制御部20は、ステップS50で基地局との通信中ではない(No)またはステップS52の処理を行った場合、ステップS54として処理終了かを判定する。制御部20は、処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS50に進み、基地局との通信中かを判定する。また、制御部20は、ステップS54で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。制御部20は、以上のようにして、携帯電話機10で通信を行った時間の情報を蓄積する。
【0070】
次に、図7を用いて、人感センサで検出した情報の処理動作について説明する。なお、図7に示す処理動作のうち一部の動作は、図5に示す処理と同様である。そこで、同様の処理については同一のステップ番号を付して一部説明を省略する。制御部20は、ステップS40として携帯電話機10が充電台40に載置されているかを判定する。制御部20は、ステップS40で携帯電話機10が充電台40に載置されていない(No)と判定した場合、ステップS40に進む。制御部20は、充電体40に載置されていることを検出するまでステップS40の処理を繰り返す。
【0071】
制御部20は、ステップS40で充電台40に載置されている(Yes)と判定した場合、ステップS42として充電台40との通信を開始する。制御部20は、ステップS42で通信を開始したら、ステップS44として人感センサ52の検出結果を取得する。制御部20は、充電台40の記憶部51に記憶されている人感センサ52の検出結果を読み出す。制御部20は、ステップS44で検出結果を取得したら、ステップS60として時刻情報に基づいて、通信を行った時間帯の検出結果を無効にする。制御部20は、ステップS60で、通信を行った時間帯の検出結果を無効にしたら、ステップS46として人体の動きを検出し、ステップS48で検出結果を通信部15から出力し、本処理を終了する。つまり、制御部20は、通信部15を用いた無線通信回線の通信により、充電台40の前で人体が移動したことが検出されたか等の情報を所定の外部の通信機器に送信する。
【0072】
人体検出システム1は、図6および図7に示すように携帯電話機10の通信状態に基づいて、基地局との通信を実行している間は、誤検出が発生する状況であると判定し、人感センサ52による検出動作を無効にすることでも、人体の検出精度をより高くすることができる。また、図6および図7に示す処理は、人感センサ52での検出を常時実行しておくことができる。これにより人感センサ52の検出動作の制御を実行しなくても検出精度を向上させることができる。
【0073】
また、図6および図7に示す処理は、携帯電話機10が充電台40に載置されていない状態でも処理を実行することができる。これにより、携帯電話機10が充電台40の近傍にあり、電波の影響を受ける時間帯も除去することができる。図6および図7に示す処理は、充電台40に設定されている状態のみで実行してもよいし、充電台40との相対位置を検出するセンサを設け、充電台40の近傍にある場合のみ実行するようにしてもよい。
【0074】
図4から図7に示す例は、携帯電話機10の通信部16の通信状態を検出し、その結果に基づいて検出結果を処理することで誤検出低減したが、つまり、制御部の制御機能で誤検出低減部を実現したがこれに限定されない。図8から図23を用いて、人体検出システム1の処理動作の他の例、つまり誤検出低減部の他の構成について説明する。なお、以下の処理動作の例のうち、人感センサ52の検出動作のON、OFFを切り換える処理は、図6および図7と同様に、人感センサ52の検出動作をOFFにしている時間の情報を、誤検出が発生する状況である時間として記憶しておき、誤検出が発生する状況である時間の検出結果を無効とする処理を行ってもよい。
【0075】
図8を用いて、人体検出システム1で実行する人体検出動作の他の例について説明する。図8は、人体検出システムの動作の一例を示すフロー図である。図8に示す処理動作は、検波部54を誤検出低減部の一部として用いる。図8に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。
【0076】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS70として検波部54で信号を検出したかを判定する。ここで、制御部20は、検波部54で検出した電波(通信用の電波)の出力が、予め設定した閾値以上である場合、信号を検出したと判定し、閾値未満である場合、信号を検出しないと判定する。ここで、閾値は、誤検出の原因になる恐れがある出力に基づいて決定すればよい。
【0077】
制御部20は、ステップS70で検出あり(Yes)と判定した場合、ステップS72として、人感センサ検出動作をOFFにする。制御部20は、ステップS72で検出動作をOFFにしたら、ステップS74として検波部54で信号を検出したかを判定する。制御部20は、ステップS74で信号の検出あり(Yes)と判定した場合、ステップS72に進む。つまり、制御部20は、信号を検出しなくなるまで、ステップS74の処理を繰り返す。制御部20は、ステップS74で信号を検出していない(No)と判定した場合、ステップS12に進み、人感センサ検出動作を再びONにする。
【0078】
次に、制御部20は、ステップS70で信号を検出していない(No)と判定した場合、ステップS76として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS76で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS70に進み、検波部で信号の検出ありかを判定する。また、制御部20は、ステップS76で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。制御部20は、以上のようにして、人感センサ52の検出動作のON、OFFを切り換える。
【0079】
人体検出システム1は、このように、充電台40に検波部54を設け、検波部54で信号(閾値以上の出力の電波を検出した場合、誤検出が発生する状態であると判定し、人感センサ52による検出動作を停止することでも、人体の検出精度をより高くすることができる。また、人体検出システム1は、検波部54の検出結果を用いることで、充填器40に載置される携帯電話機10以外の携帯通信機器で送受信される電波が充電台40に到達した場合も好適に検出することができる。これにより、本実施形態の人体検出システム1は、近傍にある携帯通信機器の種類によらず、携帯通信機器で送受信される電波に起因する誤検出の発生を抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態の人体検出システム1は、充電台40の単独の機能で、誤検出が発生する状態を検出することができる。これにより、充電台40が携帯電話機10に載置されていない場合でも好適に誤検出が発生する状態を検出することができる。
【0081】
図9を用いて、人体検出システム1で実行する人体検出動作の他の例について説明する。図9は、人体検出システムの動作の一例を示すフロー図である。図9に示す処理動作は、振動部の動作を検出する機能を誤検出低減部の一部として用いる。図9に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。
【0082】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS80として振動開始要求ありかを判定する。振動開始要求とは、振動部26で筐体11を振動させる要求である。
【0083】
制御部20は、ステップS80で開始要求あり(Yes)と判定した場合、ステップS82として、人感センサ検出動作をOFFにする。制御部20は、ステップS82で検出動作をOFFにしたら、ステップS84として振動部26の振動を開始させる。つまり、振動部で筐体11を振動させる。制御部20は、ステップS84で振動を開始させたら、ステップS86として、振動停止要求ありかを判定する。ここで振動停止要求とは、振動部26の停止要求である。例えばアラーム機能で振動部26を振動させている場合、振動停止要求は、利用者による停止操作の入力、設定された時間の経過等により出力される。制御部20は、ステップS86で停止要求なし(No)と判定した場合、ステップS86に進む。つまり、制御部20は、停止要求を検出するまで、ステップS86の処理を繰り返す。制御部20は、ステップS86で停止要求あり(Yes)と判定した場合、ステップS88として振動部26の振動を停止した後、ステップS12に進み、人感センサ検出動作を再びONにする。
【0084】
次に、制御部20は、ステップS80で開始要求を検出していない(No)と判定した場合、ステップS89として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS89で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS80に進み、振動開始要求ありかを判定する。また、制御部20は、ステップS89で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。制御部20は、以上のようにして、人感センサの検出動作のON、OFFを切り換える。
【0085】
人体検出システム1は、このように、振動部26の振動状態を検出し、振動部26が振動している間は、誤検出が発生する状態であると判定し、人感センサ52による検出動作を停止することでも、人体の検出精度をより高くすることができる。具体的には、人体検出システム1は、振動部26が振動している間は、誤検出が発生する状態であると判定することで、振動部26が振動していることで赤外線センサ70が振動し、検出精度が低下している状態では、計測を行わないため、誤検出が発生する恐れを低減することができる。ここで、人感センサ52は、振動している状態で計測を行うと、静止物との相対位置が変化する為、静止物があたかも動いたかの様に誤検出してしまう恐れがあるが、本実施形態の人体検出システム1は、この状態では人体を検出しないため、誤検出の発生を抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態の人体検出システム1は、振動部26の制御状態に基づいて判定したが、充電台40の加速度センサ55の検出結果に基づいて同様の処理を行うようしてもよい。この場合は、携帯電話機10の振動部26の振動以外の振動、移動も検出することができる。これにより、種々の要因による充電台40の移動、振動で生じる誤検出の発生を抑制することができる。また、加速度センサ55の検出結果を用いる場合、充電台40の単独の機能で、誤検出が発生する状態を検出することができる。これにより、充電台40が携帯電話機10に載置されていない場合でも好適に誤検出が発生する状態を検出することができる。
【0087】
ここで、人体検出システム1は、人感センサ52の検出感度を調整可能とすることが好ましい。図10は、人体検出システムの充電台の一部の機能の概略構成を示すブロック図である。図11および図12は、それぞれ人体検出システムの動作を説明するための説明図である。図10は、充電台40の制御部50と人感センサ52とを示す。図10に示す人感センサ52の検出回路72は、標準アンプ102と、高感度アンプ104と、スイッチ素子106、108と、コンパレータ110と、を有する。
【0088】
標準アンプ102は、赤外線センサ70で検出された信号を、所定の温度を基準の強度として前後の温度の信号強度を増幅する増幅器である。高感度アンプ104は、赤外線センサ70で検出された信号を、標準アンプ102と実質的に同一の温度を基準の強度として、前後の温度の標準アンプ102よりも大きい増幅幅で信号強度を増幅する増幅器である。スイッチ106は、標準アンプ102とコンパレータ110との間に配置された素子であり、標準アンプ102とコンパレータ110とが接続された状態と、切断された状態とを切り換える。スイッチ108は、高感度アンプ104とコンパレータ110との間に配置された素子であり、高感度アンプ104とコンパレータ110とが接続された状態と、切断された状態とを切り換える。コンパレータ110は、所定の範囲の電圧幅で信号をアナログデジタル変換する回路である。コンパレータ110は、スイッチ106またはスイッチ108を通過したアナログ信号をデジタル信号に変換して制御部50に送る。
【0089】
検出回路72は、以上のような構成であり、コンパレータ110の使用可能な電圧の範囲で、検出される温度幅が異なる2つのアンプ(標準アンプ102と高感度アンプ104)を切り換えることで、異なる感度で温度を検出することができる。本実施形態の標準アンプ102は、36±20℃の範囲をコンパレータ110の使用可能な電圧の範囲で増幅するアンプとし、高感度アンプ104は、36±4℃の範囲をコンパレータ110の使用可能な電圧の範囲で増幅するアンプとする。
【0090】
制御部50は、スイッチ制御部120、122と、信号検出部124と、解析処理部126と、を有する。スイッチ制御部120は、標準アンプ102とコンパレータ110との間に配置されたスイッチ106の切断、接続を切り換える。これにより、スイッチ制御部120は、標準アンプ102で増幅された信号がコンパレータ110に入力するかを切り換える。信号検出部124は、コンパレータ110で変換された信号を受信する。信号検出部124は、検出した信号を解析処理部126に送る。解析処理部126は、検出した信号を設定に基づいて加工した後、記憶部51に記憶させる。
【0091】
これにより、図10に示す検出回路72は、測定領域の温度差に基づいて、使用するアンプを切り換えることで、同じコンパレータ110を用いて異なる温度幅で検出領域の温度を検出することができる。
【0092】
例えば、周囲の温度が常温であり、人体が動いている場合、図11に示すように、赤外線センサ70は、人体と周囲とに一定以上の温度差があるため、振幅の大きい出力が検出される。この場合は、標準アンプ102で増幅することで、人体に相当する位置と、その他の位置との出力差が大きくなるため、コンパレータ110で人体に相当する領域を検出することができる。次に、周囲の温度が高温であり、人体が動いている場合、図12に示すように、赤外線センサ70は、人体と周囲との温度差が小さいため、振幅の小さい出力が検出される。つまり、周囲の温度が高温の場合、周囲の温度が常温の場合よりも出力の振幅が小さくなる。この場合は、標準アンプ102で増幅すると、人体に相当する位置と、その他の位置との出力差が小さいため、コンパレータ110で人体に相当する領域を検出することができない。これに対して、高感度アンプ104で増幅すると、人体に相当する位置と、その他の位置との出力差を大きくできるため、コンパレータ110で人体に相当する領域を検出することができない。なお、高感度アンプ104は、対象の温度幅が狭いが、高温の場合、人体と周囲との温度差が小さくなるため、出力を適切に増幅させることができる。
【0093】
次に、制御部50による人感センサ52の制御動作、具体的には使用アンプの切り換え動作について説明する。本実施形態では、制御部20が制御部50を介して人感センサ52の処理を実行する場合とするが、上述したように、制御部50で処理を実行することもできる。図13は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。図13に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。
【0094】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS90として、検出回路72を制御し、標準アンプ102をONとし高感度アンプ104をOFFとする。制御部20は、ステップS90で使用アンプを設定したら、ステップS92として検出温度が36±4℃であるか、つまり検出温度が32℃以上40℃以下であるかを判定する。ここで、検出温度は、人感センサ52の検出結果に基づいて算出する温度である。検出温度は、種々の方法で検出した値を用いることができる。例えば、検出領域内の所定の複数点の温度の平均値を検出温度としてもよく、検出領域内の温度分布と面積比率とから算出した値を検出温度としてもよい。制御部20は、ステップS92で検出温度が36±4℃ではない(No)と判定した場合、ステップS94として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS94で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS92に進む。制御部20は、ステップS94で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0095】
制御部20は、ステップS92で検出温度が36±4℃であると判定した場合、ステップS96として、検出回路72を制御し、標準アンプ102をOFFとし高感度アンプ104をONとする。制御部20は、ステップS96で使用アンプを設定したら、ステップS98として検出温度が36±4℃であるか、つまり検出温度が32℃以上40℃以下であるかを判定する。制御部20は、ステップS98で検出温度が36±4℃ではない(No)と判定した場合、ステップS90に進み使用アンプを切り換える。また、制御部20は、ステップS98で、検出温度が36±4℃である(Yes)と判定した場合、ステップS99として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS99で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS98に進む。制御部20は、ステップS99で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0096】
人体検出システム1は、検出温度に基づいて使用するアンプを切り換えることで、人体をより高い精度で検出することができる。これにより周囲温度が高く、周囲温度と人体の温度との差が小さい場合でも、高い精度で人体を検出することができる。具体的には、周囲温度が高温時は、使用するアンプを高感度アンプ104とし、赤外線センサ70の検出出力電圧が低い値である場合でも大きく増幅し、コンパレータ110で検出できる状態にする。つまり、赤外線センサ70の検出出力電圧の閾値を下げる。これにより、周囲温度と人体の温度どの差が小さい場合でも、人体を検出することができる。また、図13に示す処理は、制御部50で処理を実行することで、充電台単独で処理することができる。これにより充電台40に携帯電話機10が載置されていない場合でも処理を行うことができる。
【0097】
次に、制御部50による人感センサ52の制御動作、具体的には使用アンプの切り換え動作の他の例について説明する。図14は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。図14に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。
【0098】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS102として、検出回路72を制御し、標準アンプ102をONとし高感度アンプ104をOFFとする。制御部20は、ステップS102で使用アンプを設定したら、ステップS104として通話中であるかを判定する。制御部20は、ステップS104で通話中である(Yes)と判定した場合、ステップS108に進む。また、制御部20は、ステップS104で通話中ではない(No)、つまり通話以外の状態であると判定した場合、ステップS106として端末温度が36±4℃であるか、つまり端末温度が32℃以上40℃以下であるかを判定する。ここで、端末温度は、温度センサ28の検出結果に基づいて算出する温度である。端末温度は、種々の方法で検出した値を用いることができる。例えば、温度センサ28の検出結果をそのまま端末温度としても、温度センサ28の検出結果から設定された演算により算出された値を端末温度としてもよい。制御部20は、ステップS106で端末温度が36±4℃ではない(No)と判定した場合、ステップS108に進む。制御部20は、ステップS104でYes、ステップS106でNoと判定された場合、ステップS108として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS108で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS104に進む。制御部20は、ステップS108で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0099】
制御部20は、ステップS106で端末温度が36±4℃であると判定した場合、ステップS110として、検出回路72を制御し、標準アンプ102をOFFとし高感度アンプ104をONとする。制御部20は、ステップS110で使用アンプを設定したら、ステップS112として通話中であるかを判定する。制御部20は、ステップS112で通話中である(Yes)判定した場合、ステップS102に進む。また、制御部20は、ステップS112で通話中ではない(No)、つまり通話以外の状態であると判定した場合、ステップS114として端末温度が36±4℃であるか、つまり端末温度が32℃以上40℃以下であるかを判定する。制御部20は、ステップS114で端末温度が36±4℃ではない(No)と判定した場合、ステップS102に進み使用アンプを切り換える。また、制御部20は、ステップS114で、検出温度が36±4℃である(Yes)と判定した場合、ステップS116として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS116で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS112に進む。制御部20は、ステップS116で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0100】
人体検出システム1は、端末温度に基づいて使用するアンプを切り換えることでも、人体をより高い精度で検出することができる。これにより周囲温度が高く、周囲温度と人体の温度との差が小さい場合でも、高い精度で人体を検出することができる。
【0101】
次に、図15および図16を用いて、制御部50による人感センサ52の制御動作、具体的には検出した結果を解析して判定を行う場合の一例について説明する。図15は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。図16は、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。図15に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。
【0102】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS120として、動きの検出ありかを判定する。つまり、制御部20は、人感センサ52の検出結果を解析して、動いた物体を検出したかを判定する。検出の負荷を低減し検出の効率を向上させるため、検出対象の物体は、検出領域が一定の大きさ以上となる物体とすることが好ましい。
【0103】
制御部20は、ステップS120で動きの検出なし(No)つまり、動いた物体を検出してないと判定した場合、ステップS120に進む。つまり制御部20は、物体の動きを検出するまで、ステップS120の処理を繰り返す。動きを検出しない状態が一定回数継続したら、ステップS128に進むようにしてもよい。
【0104】
制御部20は、ステップS120で動きあり(Yes)と判定した場合、ステップS122として、人体の動作パターンであるかを判定する。ここで、人体の動作パターンとは、予め実験等により検出し記憶部51に記憶した多数の動作パターンである。動作パターンは、例えば、図16に示すように横軸を時間とした出力の変化パターンとして記憶されている。制御部20は、記憶部51に記憶した種々の動作パターンと検出した動作パターンとを比較して、人体の動作パターンであるかを判定する。
【0105】
制御部20は、ステップS122で人体の動作パターンである(Yes)と判定した場合、ステップS124として人体を検出と判定し、ステップS128に進む。また、制御部20は、ステップS122で人体の動作パターンではない(No)と判定した場合、ステップS126として人体を検出していないと判定し、ステップS128に進む。
【0106】
制御部20は、ステップS124、ステップS126の処理を実行したら、ステップS128として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS128で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS120に進む。制御部20は、ステップS128で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0107】
人体検出システム1は、このように、予め設定した動作パターンを用いて、人体の動きであるか否かを判定することで、人体をより高い精度で検出することができる。また、人体では実行できない動きが検出された場合に検出した物体が人体ではないと適切に判断することができる。
【0108】
次に、図17および図18Cを用いて、制御部50による人感センサ52の制御動作、具体的には検出した結果を解析して判定を行う場合の他の例について説明する。図17は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。図18Aから図18Cは、それぞれ人体検出システムの動作を説明するための説明図である。図17に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。なお、図17に示す処理のうち、図15に示す処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付す。
【0109】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS120として、動きの検出ありかを判定する。
【0110】
制御部20は、ステップS120で動きの検出なし(No)つまり、動いた物体を検出してないと判定した場合、ステップS120に進む。つまり制御部20は、物体の動きを検出するまで、ステップS120の処理を繰り返す。
【0111】
制御部20は、ステップS120で動きあり(Yes)と判定した場合、ステップS132として、人体以外の動作パターンと一致するかを判定する。
【0112】
制御部20は、ステップS132で人体以外の動作パターンではない(No)と判定した場合、ステップS124として人体を検出と判定し、ステップS128に進む。また、制御部20は、ステップS132で人体以外の動作パターンである(Yes)と判定した場合、ステップS126として人体を検出していないと判定し、ステップS128に進む。
【0113】
制御部20は、ステップS124、ステップS126の処理を実行したら、ステップS128として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS128で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS120に進む。制御部20は、ステップS128で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0114】
人体検出システム1は、このように、人体以外の動作パターンであるか判定して、人体の動きであるか否かを判定することで、人体以外の動きを人体として検出することを抑制することができ、より高い精度で人体を検出することができる。
【0115】
ここで、ステップS132の人体以外の動作パターンであるかの判定は、種々の方法を用いることができる。例えば、制御部20は、検出した動きが周期的な動きであるかを判定してもよい。人体以外の物体の動作パターン、特に自然現象による揺らぎで発生する物体の動きは、図18Aから図18Cに示すよう周期的な動作パターンに近似することができる。具体的には、図18Aの動作パターンは、周期がt1となり、図18Bの動作パターンは、周期がt2となり、図18Cの動作パターンは、周期がt3となる。
【0116】
制御部20は、検出した物体の動きが周期的な動きであるか、具体的には閾値範囲内の周期で繰り返される動きであるかを判定し、周期的な動きである場合、人体以外の動作パターンと判断する。このように、検出した動きが周期的な動きである場合、人体以外の動きであるとすることで、各種自然現象に起因する物体の動きを人体の動きとして検出する恐れを低減することができる。自然現象に起因する物体の動きとしては、例えば、直射日光が差し込む窓の前で、人間ではない物体(洗濯物や観葉植物等)が動いた場合がある。この場合、人間ではない物体は、外からの風や扇風機からの風等により動く為、ある程度の周期性に動く。
【0117】
次に、図19から図21を用いて、制御部50による人感センサ52の制御動作、具体的には検出した結果を解析して判定を行う場合の一例について説明する。図19は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。図20および図21は、人体検出システムの動作を説明するための説明図である。図19に示す処理手順は、人体検出プログラム19Bが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。また、図19から図21に示す処理動作には、検出回路72のアンプとして、標準アンプと、標準アンプよりもさらに感度が低い低感度アンプとの2つのアンプが用いられる。なお、切り換え機構は、上述の場合と同様である。
【0118】
まず、制御部20は、ステップS12として、人感センサ検出動作をONにする。つまり、人感センサ52による充電台40の周りの人体の検出動作を開始させる。制御部20は、ステップS12で人感センサ検出動作をONにしたら、ステップS140として標準アンプをONとし、低感度アンプをOFFとする。つまり、検出に使用するアンプを標準アンプとする。制御部20は、ステップS140で検出回路を設定したら、ステップS142として、人体の検出ありかを判定する。つまり、制御部20は、人感センサ52の検出結果を解析して、人体を検出したかを判定する。ここで、制御部20は、ステップS142で、人体としての検出基準を満たしている物体がある場合、人体を検出したと判定する。
【0119】
制御部20は、ステップS142で人体の検出なし(No)と判定した場合、ステップS152に進む。制御部20は、ステップS142で人体の検出あり(Yes)と判定した場合、ステップS144として、標準アンプをOFFとし、低感度アンプをONとする。つまり、検出に使用するアンプを低感度アンプとする。制御部20は、ステップS144で検出回路を設定したら、ステップS146として人体の検出ありかを判定する。つまり、低感度アンプを使用した状態でも人体と判定できる物体であるかを判定する。
【0120】
制御部20は、ステップS146で人体の検出あり(Yes)と判定した場合、ステップS148として人体を検出と判定し、ステップS152に進む。また、制御部20は、ステップS146で人体の検出なし(No)と判定した場合、ステップS150として人体を検出していないと判定し、ステップS152に進む。
【0121】
制御部20は、ステップS142でNoと判定した場合、ステップS148、ステップS150の処理を実行した場合、ステップS152として処理終了かを判定する。制御部20は、ステップS152で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS140に進む。制御部20は、ステップS152で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0122】
人体検出システム1は、このように、標準アンプと低感度アンプの2つの検出感度で人体であるかを判定することで、人体をより高い精度で検出することができる。ここで、本実施形態の人体検出システム1は、図20に示すように、標準アンプの出力および低感度アンプの出力の両方で物体が検出された場合、人を検出したと判定し、図21に示すように標準アンプの出力で物体は検出されたが、低感度アンプの出力では物体が検出されなかった場合、人が検出されてないと判定する。人体検出システム1は、このように、低感度アンプでも判定を行い、赤外線センサ70の検出出力電圧の閾値を上げることで、つまり検出感度を下げることで、より人体に近い温度の場合のみ人体として判定する設定とすることで、標準アンプで例えば、猫や犬などのペットの動きを人の動きとして検出した場合でも、低感度アンプの出力結果で、識別することができる。
【0123】
ここで、人体検出システム1は、検出した物体が人体であるか否かをさらに判定するためにカメラ24で撮影した結果を用いてもよい。ここで、図22は、人体検出システムの動作の他の例を示すフロー図である。なお、図22に示す処理は、図17のステップS132でYesと判定した場合ステップS126の判定に代えて実行すること、また、図19のステップS146でNoと判定した場合ステップS150の判定に代えて実行することが好ましい。
【0124】
制御部20は、ステップS160としてカメラ24を起動させ、画像の撮影を開始する。制御部20は、ステップS160でカメラ24を起動させたら、ステップS162として撮影画像を解析し、ステップS164として人体の検出ありかを判定する。つまり撮影した画像に人体が含まれているかを判定する。制御部20は、ステップS164で人体の検出あり(Yes)と判定した場合、ステップS166として人体を検出と判定し、本処理を終了する。また、制御部20は、ステップS164で人体の検出なし(Yes)と判定した場合、ステップS168として人体を検出せずと判定し、本処理を終了する。
【0125】
このように、人体検出システム1は、カメラ24で撮影した画像を用いて、人体を検出することで誤検出の発生を低減することができ、人体を高精度で検出することができる。
【0126】
ここで、上記実施形態の人体検出システム1は、携帯電話機10と充電台40と誤検出低減部とで構成し、誤検出低減部の各部を携帯電話機10と充電台40に内蔵させた、つまり携帯電話機10と充電台40の機能の一部を誤検出低減部のとして用いたがこれに限定されない。
【0127】
図23は、人体検出システムの他の例の概略構成を示すブロック図である。図23に示す人体検出システム200は、携帯電話機10と、充電台40と、サーバ204とを有する。また、携帯電話機10とサーバ204とは、公衆通信回線網202を用いてデータの送受信が可能となる。このように、人体検出システム200にサーバ204を設け、各種演算機能、つまり制御部で実行される処理をサーバ204で実行するようにしてもよい。また、人体検出システム200は、サーバ204を設け、携帯電話機10および充電台40に記憶させていたデータを記憶させるようにしてもよい。
【0128】
ここで、人体検出システム1は、上述した人体検出の各種処理を並行して実行することができる。例えば、人体検出システム1は、誤検出が発生する状況であるかの判定処理と、使用するアンプの切り換え処理と、検出した物体が人体であるか否かの判定処理を並行して処理することができる。また、人体検出システム1は、複数の異なる誤検出が発生する状況であるかの判定処理を並列で実行することもできる。
【0129】
本実施形態の人感センサ52は、焦電型赤外線センサを用いたがこれに限定されず、周囲の人体を検出することができる種々のセンサを用いることができる。ここで、人感センサ52として、周囲の温度の分布を検出して人体を検出するセンサを用いることが好ましく、周囲の物体から出力される赤外線の変化を検出する焦電型赤外線センサを用いることがより好ましい。人体検出システム1は、人感センサ52に焦電型赤外線センサを用いても、上記処理を行うことで誤検出を的確に低減することができ、人体を高精度に検出することができる人体検出システムを簡単な構成で実現することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 人体検出システム
10 携帯電話機
11 筐体
12 タッチパネル
12A タッチセンサ
12B 表示部
13 入力部
15 電源部
16 通信部
17 レシーバ
18 マイク
19 記憶部
19A 通信プログラム
19B 人体検出プログラム
19C 充電制御プログラム
19D 処理条件テーブル
20 制御部
21 RAM
24 カメラ
26 振動部
28 温度センサ
29 タイマ
30、32 ボタン
34 入力デバイス
36、60 電源端子
38、62 通信端子
40 充電台
42 筐体
44 支持部
50 制御部
51 記憶部
52 人感センサ
54 検波部
55 加速度センサ
56 タイマ
58 外部電源端子
70 赤外線センサ
72 検出回路
80 検波回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を用いて通信を行う第1通信部を備える携帯通信機器と、
周囲の温度分布に基づいて人体を検出する人感センサ、前記人感センサの検出情報を記憶する記憶部および前記携帯通信機器と通信を行う第2通信部を備える置き台と、
前記人感センサの検出情報および前記人感センサの動作の少なくとも一方に対して誤検出低減処理を行う誤検出低減部と、を有することを特徴とする人体検出システム。
【請求項2】
前記携帯通信機器は、前記誤検出低減部で処理された検出結果を外部の通信機器に送信することを特徴とする請求項1に記載の人体検出システム。
【請求項3】
前記誤検出低減部は、誤検出が発生する状況であるかを判定し、誤検出が発生する状態であると判定した場合、前記人感センサによる検出動作を停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の人体検出システム。
【請求項4】
前記誤検出低減部は、誤検出が発生する状況であるかを判定し、誤検出が発生する状態であると判定した場合、当該誤検出が発生すると判定した時刻の情報を記憶し、
前記人感センサの検出情報のうち、前記誤検出が発生すると判定した時刻に検出した結果を無効にすることを特徴とする請求項1または2に記載の人体検出システム。
【請求項5】
前記誤検出低減部は、前記携帯通信機器が無線通信を行っている間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することを特徴とする請求項3または4に記載の人体検出システム。
【請求項6】
前記誤検出低減部は、前記人感センサの近傍に到達する高周波信号を検出する検波回路を備え、
前記検波回路で高周波が検出されている間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項7】
前記携通信機器は、筐体を振動させる振動部を備えており、
前記誤検出低減部は、前記振動部が振動している間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項8】
前記誤検出低減部は、前記置き台の振動を検出する加速度センサを有し、
前記加速度センサで前記置き台の振動を検出している間は、前記誤検出が発生する状況であると判定することを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項9】
前記誤検出低減部は、前記人感センサの検出情報を解析して物体の動きを検出し、当該物体の動作パターンが人以外の動きのパターンである場合、前記誤検出が発生する状況であると判定することを特徴とする請求項3から8のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項10】
前記誤検出低減部は、前記人感センサの検出情報を解析して物体の動きを検出し、当該物体の動作パターンが人の動きのパターンはない場合、前記誤検出が発生する状況であると判定することを特徴とする請求項3から9のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項11】
前記人感センサは、周囲の温度分布の検出感度を複数の感度に切り換える検出感度切り換え部を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項12】
前記検出感度切り換え部は、検出信号を増幅するアンプを複数備え、前記検出信号の増幅に用いるアンプを切り換えることで検出感度を変更することを特徴とする請求項10に記載の人体検出システム。
【請求項13】
前記誤検出低減部は、前記人感センサで検出される周囲の温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲内である場合、前記人感センサの検出感度を高感度とし、
前記人感センサで検出される周囲の温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲外である場合、前記人感センサの検出感度を低感度とすることを特徴とする請求項11または12に記載の人体検出システム。
【請求項14】
前記携帯通信機器は、温度センサを有し、
前記誤検出低減部は、前記温度センサで検出される温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲内である場合、前記人感センサの検出感度を高感度とし、
前記温度センサで検出される温度が人体の基準温度を中心として閾値範囲外である場合、前記人感センサの検出感度を低感度とすることを特徴とする請求項11または12に記載の人体検出システム。
【請求項15】
前記誤検出低減部は、前記人感センサの検出感度が高感度の状態で人体を検出した場合、前記人感センサの検出感度を低感度に切り換え、前記人感センサの検出感度が低感度の状態で人体を検出しない場合、人体を検出していないと判定し、前記人感センサの検出感度が低感度の状態で人体を検出した場合、人体を検出したと判定することを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項16】
前記誤検出低減部は、演算処理機能が前記携帯通信端末に内蔵されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項17】
前記誤検出低減部は、演算処理機能が前記置き台に内蔵されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項18】
前記携帯通信機器の通信部と通信を行うサーバをさらに有し、
前記誤検出低減部は、演算処理機能が前記サーバに内蔵されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の人体検出システム。
【請求項19】
前記人感センサは、周囲の温度分布を検出する焦電型赤外線センサを有することを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の人体検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−46313(P2013−46313A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184116(P2011−184116)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】