説明

人員拘束装置用ガス発生器

【課題】組立が簡単で軽量化できる人員拘束装置用ガス発生器の提供。
【解決手段】クロージャシェル12と一体の点火器固定部50を包囲し、かつ点火器30を収容してカップ状容器20が被せられている。カップ状容器20は内側に突き出された複数の突出部25を有しており、突出部25が点火器固定部の凹部53に当接されているため、カップ状容器20の軸方向への移動が阻止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置等の人員拘束装置に使用するための人員拘束装置用ガス発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグ装置用のガス発生器の内、ガス発生源としてガス発生剤を使用するものは、点火器及び伝火薬を収容する点火手段室を形成する場合や燃焼室を2つに分離する場合において、筒状容器又はカップ状容器が汎用されている。
これらの筒状容器又はカップ状容器は、ガス発生器のハウジング内において固定されている。
【0003】
特許文献1の請求項6には、ガス発生剤組成物を使用した自動車乗員保護装置用ガス発生器が記載されている。
図1に示されたガス発生器は、上蓋6及び下蓋10から形成されたハウジング内部にガス発生剤4が充填された燃焼室8が存在している。下蓋10の中央部には点火器2が取り付けられており、点火器12は、伝火薬3が充填された有底の内筒体13により覆われた状態になっている。
そして、有底の内筒体13は、下蓋10に形成された環状突起部(点火手段保持部)を内側に折り曲げる(即ち、かしめる)ことによって、内筒体13の開口部側のフランジ部において固定されている(段落番号0040)。
【0004】
下蓋10に形成された環状突起部(点火手段保持部)を形成するには、円周方向の全体に対する切削加工が必要であり、工数も増加することから製造コストが高くなりやすい。
【0005】
また、ガス発生器の作動時において内筒体13内部で発生した圧力は、内筒体13を上方向に押す力となるため、上記のかしめ構造による固定方法では、かしめ部分の肉厚を大きくすることで前記圧力に耐えるようにする必要がある。自動車部品には1g単位の軽量化が求められているが、特許文献1におけるかしめ構造による固定方法は、軽量化の観点から改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−076849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、加工コストを低減させることができ、点火手段室を形成するカップ状容器の取り付け及び固定が容易であり、さらに軽量化もできる人員拘束装置用ガス発生器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔請求項1〕
本願請求項1の発明は、課題の解決手段として、
クロージャシェルとディフューザシェルからなるガス排出口を有するハウジング内に点火器を含む点火手段とガス発生剤が収容された人員拘束装置用ガス発生器であって、
ハウジング内のクロージャシェル上に配置された、周壁部に伝火孔を有するカップ状容器により点火手段室が形成されており、
点火手段室内に点火器を含む点火手段が収容され、点火器が、クロージャシェルに形成された筒状の点火器固定部により固定されており、
カップ状容器が、周壁部から半径方向内側に突き出された複数の突出部を有し、
筒状の点火器固定部が、外表面に凹部を有しており、
カップ状容器の突出部の少なくも先端部が筒状の点火器固定部の凹部内壁面に当接されていることにより、カップ状容器の軸方向への移動が阻止されている、人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
【0009】
本発明では、点火手段室を形成するカップ状容器は、軸方向への移動が阻止されるように、クロージャシェルに形成された筒状の点火器固定部に対して取り付けられている。
そして、カップ状容器と筒状の点火器固定部は、カップ状容器の周壁部から半径方向内側に突き出された複数の突出部の先端部が、筒状の点火器固定部の凹部に当接されるようにして取り付けられている。
このような突出部と凹部の組み合わせにより、カップ状容器内(点火手段室内)の点火器が作動してカップ状容器に対して軸方向への圧力が加えられたとき、前記突出部の先端部が前記凹部の内壁面を押すことでカップ状容器の軸方向への移動が阻止される。
このような移動阻止作用をするためには、凹部の内壁面が、突出部の先端部が当接する角部、面部若しくは縁部又はこれらの組み合わせを有しているものが好ましい。
【0010】
前記突出部は複数であり、好ましくは2〜10、より好ましくは4〜8であり、均等間隔になるように円周方向に配置されていることが好ましい。
前記凹部は、前記突出部と対応する位置に同数形成されていてもよいし、点火器固定部の周方向に連続して環状に形成されていてもよい。
【0011】
カップ状容器の突出部は、軽量化の観点からカップ状容器と一体に形成されたものが好ましいが、カップ状容器に突出部となる別部材を溶接等で固着したものを排除するものではない。
点火器固定部の凹部は、プレス加工又は切削加工により形成することができる。例えば6個程度の凹部であればプレス加工で形成できるため、加工作業は容易である。
点火器固定部の凹部は、カップ状容器の軸方向への移動阻止作用を高めるためには、当接される突出部の先端部の厚みと同等以上の深さ部分を有していることが好ましい。
【0012】
点火器手段室を形成するカップ状容器は、底面(又は天井面)と周面が一体に形成されたもののほか、筒状容器とその一端側開口を閉塞する蓋部の組み合わせからなるものでもよい。
カップ状容器の周壁部に形成されている伝火孔は、点火手段から発生した火炎や高温ガス等を放出するためのものであり、外側又は内側からシールテープ等で閉塞されていてもよい。
点火手段は公知のものであり、電気式点火器と伝火薬の組み合わせを使用することができる。
【0013】
上記した突出部と凹部の組み合わせを使用することにより、特許文献1の発明のかしめ構造を適用した場合と比べると、加工が簡単になるほか、部品の軽量化ができる。
また特許文献1の発明のかしめ構造と比較すると、カップ状容器が点火器固定部に対して強固に固定されることから、作動圧力によって外れにくくなる。このため、カップ状容器内の容積が一定となり、その内部に充填された伝火薬の燃焼が安定するほか、他の部品と干渉し合うこともない。
【0014】
本発明のガス発生器は、カップ状容器と筒状の点火器固定部が、カップ状容器の内周面と、前記内周面と正対する点火器固定部の外周面が接触した状態で組み合わされているものにすることができる。
この接触状態の場合には、カップ状容器と筒状の点火器固定部の隙間は、実質的に火炎や高温ガス等の放出経路にはならない。
また本発明のガス発生器は、カップ状容器と筒状の点火器固定部が、カップ状容器の内周面と、前記内周面と正対する点火器固定部の外周面が間隔をおいた状態で組み合わされているものにすることができる。
この接触状態の場合には、カップ状容器と筒状の点火器固定部の隙間も火炎や高温ガス等の放出経路となる。そして、カップ状容器の周壁部のうち、この放出経路に相当する部分にも伝火孔を形成することができる。この場合、燃焼室内のガス発生剤全体への着火がより均等に行えることから好ましい。
【0015】
〔請求項2〕
上記の請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器は、以下の解決手段を含むものにすることができる。
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部を貫通して形成された3本の切断線であり、周方向に形成された上辺と、上辺の両端から軸方向下側に延ばされた2本の側辺からなる四角形の三辺をなす3本の切断線と、
前記3本の切断線と残部の一辺となる部分で形成される四角形に相当する周壁部が内側に折り曲げられて形成されたものであり、
少なくとも前記突出部の上辺に相当する先端部が、前記点火器固定部の凹部の内壁面に当接されているもの。
上記した四角形は、長方形、正方形、台形等が含まれる。
凹部の大きさは、突出部の先端部が当接できる程度の大きさである。
【0016】
〔請求項3〕
上記の請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器は、以下の解決手段を含むものにすることができる。
カップ状容器が、周壁部の周方向に間隔をおいて形成された第1上辺と第1下辺と、第1上辺と第1下辺をつなぐ2本の第1側辺で囲まれた四角形の開口部を有しており、
カップ状容器が有する突出部が、
前記第1下辺と、
カップ状容器の周壁部を貫通して形成された、前記2本の第1側辺から軸方向下側に延ばされた2本の第2側辺からなる2本の切断線と、
前記第1下辺と、前記2本の第2側辺からなる2本の切断線と、それらの3本の辺と残部の一辺となる部分で形成される四角形に相当する範囲の周壁部が内側に折り曲げられて形成されたものであり、
少なくとも前記突出部の第1下辺に相当する先端部が、前記点火器固定部の凹部の内壁面に当接されているもの。
なお、上記した開口部は、伝火孔としても機能させてもよい。
上記した四角形は、長方形、正方形、台形等が含まれる。
凹部の大きさは、突出部の先端部が当接できる程度の大きさである。
【0017】
〔請求項4〕
上記の請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器は、以下の解決手段を含むものにすることができる。
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部を貫通して形成された三角形の二辺となる2本の切断線と残部の一辺となる部分で形成される三角形に相当する周壁部が内側に折り曲げられて形成されたものであり、
少なくとも前記三角形状に折り曲げられた突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されているもの。
三角形は、正三角形又は二等辺三角形であることが好ましい。
凹部の大きさは、突出部の先端部が当接できる程度の大きさである。
【0018】
〔請求項5〕
上記の請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器は、以下の解決手段を含むものにすることができる。
カップ状容器が有する突出部が、
周壁部の周方向に沿って形成された上辺と下辺の2本の線と高さ方向に形成された2本の線で囲まれた四角形の開口部を有するものであり、
開口部を形成する下辺に接する周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されているもの。
上記した四角形は、長方形、正方形、台形等が含まれる。
凹部の大きさは、突出部の先端部が当接できる程度の大きさである。
【0019】
〔請求項6〕
上記の請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器は、以下の解決手段を含むものにすることができる。
カップ状容器が有する突出部が、周壁部の周方向に沿って形成された上辺と下辺の2本の線と高さ方向に形成された2本の線で囲まれた四角形の開口部を有するものであり、
前記四角形の開口部が、高さ方向に間隔をおいて上下に並べて2つ形成されており、
上下2つの開口部の間に位置する周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されているもの。
上記した四角形は、長方形、正方形、台形等が含まれる。2つの四角形は同一であっても、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
凹部の大きさは、突出部の先端部が当接できる程度の大きさである。
【0020】
〔請求項7〕
上記の請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器は、以下の解決手段を含むものにすることができる。
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部の周方向に沿って、かつ周壁部を貫通して形成された1本の切断線の下側周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されているもの。
凹部の大きさは、突出部の先端部が当接できる程度の大きさである。
【0021】
〔請求項8〕
上記の請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器は、以下の解決手段を含むものにすることができる。
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部の周方向に沿って、かつ軸方向に間隔をおいて周壁部を貫通して形成された2本の切断線で挟まれた周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
前記点火器固定部の凹部の平面形状が前記突出部と同形状のものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されているもの。
凹部の大きさは、突出部の先端部が当接できる程度の大きさである。
【0022】
カップ状容器の突出部と組み合わせる凹部を切削加工で形成する場合は、
筒状の点火器固定部が外周面に有している凹部が、突出部の先端部が当接される凹部の内壁面の接線と前記外周面とがなす角度(α)が90°のもの、
筒状の点火器固定部が外周面に有している凹部が、突出部の先端部が当接される凹部の内壁面の接線と前記外周面とがなす角度(α)が30〜80°の範囲のもの、
にすることができる。
凹部の前記角度(α)が30〜80°の場合には、突出部の先端部が当接される凹部の内壁面が内側に食い込んだ状態になっていることから、カップ状容器の軸方向への移動阻止作用が高められる。なお、突出部の厚さは、前記のように食い込んだ状態にするため、凹部の前記角度(α)が90°の場合に当接させる場合と比べると、全体の厚みを薄くするか、先端部分のみを薄くすることができる。
一方、カップ状容器の突出部と組み合わせる凹部をプレス加工で形成する場合は、上記の角度(α)が鈍角になる場合があるが、突出部の先端部の形状や厚みを調整することで、凹部と突出部の組み合わせによる移動阻止作用を十分に発揮させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の人員拘束装置用ガス発生器は、部品として使用するカップ状容器の加工が容易であること、カップ状容器の取り付けが容易であること、従来技術(特許文献1)と比べると軽量化ができるようになること、カップ状容器の固定が強固に行えることという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のガス発生器の軸方向断面図。
【図2】図1の部分断面図。
【図3】図1で使用したカップ状容器の製造方法を示す斜視図。
【図4】図1で使用したカップ状容器とは別実施形態の製造方法を示す斜視図。
【図5】図1で使用したカップ状容器とは別実施形態の製造方法を示す斜視図。
【図6】図1で使用したカップ状容器とは別実施形態の製造方法を示す斜視図。
【図7】図1で使用したカップ状容器とは別実施形態の製造方法を示す斜視図。
【図8】(a)は、図1で使用したカップ状容器とは別実施形態の製造方法を示す斜視図、(b)は(a)の平面図。
【図9】(a)は、図1で使用したカップ状容器とは別実施形態の製造方法を示す斜視図、(b)は(a)の平面図。
【図10】図1で使用したカップ状容器とは別実施形態の製造方法を示す斜視図。
【図11】(a)〜(d)は、図1で使用した点火器固定部が有する凹部の異なる実施形態の説明図。
【図12】図1とは別実施形態のガス発生器の軸方向断面図。
【図13】図12の部分断面図。
【図14】図1とは別実施形態のガス発生器の軸方向断面図。
【図15】(a)は図1とは別実施形態のガス発生器の軸方向断面図、(b)は部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のガス発生器は、カップ状容器と筒状の点火器固定部との相互の取り付け状態に特徴がある発明であり、その他については公知のガス発生器と同じ構造にすることができる。以下、本発明の実施形態を説明する。
【0026】
(1)図1〜図3に示すガス発生器
ハウジング10は、複数のガス排出口13を有するディフューザシェル11とクロージャシェル12が溶接一体化されたものである。
【0027】
クロージャシェル12の中心部分には、筒状容器21と、筒状容器21の一端側(ディフューザシェル11側)開口部を閉塞するように固定された蓋部22からなるカップ状容器20が配置されている。
カップ状容器20は、蓋部22で閉塞された端部側が一体になった天井面で閉塞されたものでもよいが、伝火薬35と点火器30の収容が容易であることから、蓋部22と組み合わせたものが好ましい。
【0028】
カップ状容器20の筒状容器21は、開口部側に形成されたフランジ部27a、蓋部22を固定している内側折曲部27b、周壁部27cを有しており、さらに周壁部27cを貫通して形成された複数の伝火孔23を有するものである。
カップ状容器20の内部は点火手段室24となっており、電気式点火器30と伝火薬35からなる点火手段が収容されている。
【0029】
カップ状容器20の外側は燃焼室40となっており、固形のガス発生剤41が充填されている。
ハウジング10内には、筒状フィルタ45がハウジング10の周壁部との間に間隔をおいて配置されている。
【0030】
カップ状容器20内の点火手段室24内に収容された点火器30は、樹脂部31で包囲されたものであり、クロージャシェル12と一体に形成された筒状の点火器固定部50に対して樹脂部31で固定されている。
【0031】
点火器固定部50は、クロージャシェル12の中央部分から垂設された筒状壁部51と、筒状壁部51が内側に折り曲げられた環状平板部52を有している。
点火器30は、樹脂部31の外表面と筒状壁部51の内表面が密着され、樹脂部31の内部に環状平板部52が入り込んだ状態で点火器固定部50に固定されている。
【0032】
カップ状容器20は、筒状容器21の周壁部27cから半径方向内側に突き出された複数の突出部25を有している。
図1に示す突出部25は、周壁部27cと一体に形成されたものであり、図2及び図3に示すようなものにすることができる。
【0033】
図2及び図3に示す突出部25について説明する。
図3(a)は、図3(b)の突出部25が形成される前の状態を示す斜視図である。
図3(a)に示すとおり、カップ状容器21の周壁部27cには、それを貫通して周方向に形成された上辺26a、上辺26aの両端から軸方向下側に延ばされた2本の側辺26b、26cからなる四角形の三辺をなす3本の切断線26a〜26cを有している。
そして、図2、図3(b)に示すとおり、3本の切断線26a〜26cの残部一辺(フランジ21a側の残部一辺)となる部分で形成される四角形に相当する周壁部27cが内側に折り曲げられて突出部25が形成されている。
【0034】
筒状の点火器固定部50は、筒状壁部51の外表面に突出部25が当接される凹部53を有している。凹部53は、筒状壁部51の外表面において周方向に連続して形成された凹部(環状の溝)である。凹部53はプレス加工により形成されている。
【0035】
カップ状容器20の突出部25の先端部26a(上辺26aと同じ部分)は、点火器固定部50の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53aに当接されている。
よって、カップ状容器20に対してディフューザシェル11方向に力が加わっても、上辺26a側が内側に突出しているため、突出部25が前記の力に抗するように働き、カップ状容器20が点火器固定部50から外れにくくなる。
【0036】
次に、図1〜図3に示すガス発生器の組立方法の一実施形態を説明する。
(I)クロージャシェル12の点火器固定部50に点火器30(樹脂部31)を固定したものに対して、カップ状容器20を上方から被せる。このとき、図3(a)で示すカップ状容器20の辺26a、26b、26cで囲まれた部分が点火器固定部50の凹部53に正対するように位置を調整する。
(II)図3(a)に示す辺26a、26b、26cで囲まれた部分を外側から押し込み、図3(b)で示す突出部25を形成すると共に、図2に示すように突出部25の先端部を凹部の内壁面53aに当接させる。
この(II)工程において、図3(a)に示す辺26a、26b、26cで囲まれた部分を外側から押し込むとき、前記押し込み部分の高さよりもクロージャシェル12の周壁部の高さの方が高い。このため、前記押し込み手段として使用する押し込み具は、カップ状容器20の上方から被せることができ、かつ内側に押し込むことができるようなものを使用する。
(III)その後、伝火薬35を充填し、蓋部22を取り付けて、筒状容器21の上端部21bをかしめる。さらに筒状フィルタ45を配置し、ガス発生剤41を充填した後、ディフューザシェル11を被せて、クロージャシェル12と溶接一体化させる。
【0037】
次に、図1〜図3に示すガス発生器の動作を説明する。
図1〜図3に示すガス発生器では、カップ状容器の突出部25の先端部26aが、点火器固定部の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53aに当接されている。
点火器30が作動して伝火薬35が着火燃焼したとき、生じた火炎や高温ガス等は複数の伝火孔23から燃焼室40内に放出され、ガス発生剤41を着火燃焼させる。
このとき、カップ状容器20には軸方向(ディフューザシェル11の天井面11a方向)に力が加えられるが、突出部25の先端部26aが凹部53の上端側の内壁面53aを押すことから、カップ状容器20の軸方向への移動が阻止される。
【0038】
(2)図4に示す実施形態
図4は、図1〜図3に示すカップ状容器20とは突出部が異なるものの実施形態である。
図4(a)は、図4(b)の突出部125が形成される前の状態を示す斜視図である。
【0039】
図4(a)に示すとおり、カップ状容器120は、筒状容器121の周壁部127cの周方向に間隔をおいて形成された第1上辺122aと第1下辺122bと、第1上辺122aと第1下辺122bをつなぐ2本の第1側辺122c、122dで囲まれた四角形の開口部123を有している。127aはフランジ部である。
【0040】
さらに図4(a)に示すとおり、カップ状容器120の周壁部127cは、第1下辺122bと、カップ状容器の周壁部121を貫通して形成された、2本の第1側辺122c、122dから軸方向下側に延ばされた2本の第2側辺124a、124bからなる2本の切断線を有している。
そして、図4(b)に示すとおり、3本の辺122b、124a、124bと残部の一辺となる部分で形成される四角形に相当する範囲の周壁部127cが内側に折り曲げられて突出部125が形成されている。
【0041】
図4に示すカップ状容器120を図1に示すガス発生器に適用したとき、カップ状容器の突出部125の先端部122b(第1下辺122bと同じ部分)は、点火器固定部50の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53aに当接される。
【0042】
(3)図5に示す実施形態
図5は、図1〜図3に示すカップ状容器20とは突出部が異なるものの実施形態である。
図5(a)は、図5(b)の突出部225が形成される前の状態を示す斜視図である。
【0043】
図5(a)に示すとおり、カップ状容器220の筒状容器221の周壁部227cは、それを貫通して形成された三角形の二辺となる2本の切断線222a、222bを有している。227aはフランジ部である。
そして、図5(b)に示すとおり、2本の切断線222a、222bと残部の一辺となる部分で形成される三角形に相当する周壁部227cが内側に折り曲げられて突出部225が形成されている。
【0044】
図5(b)に示すカップ状容器220を図1に示すガス発生器に適用したとき、カップ状容器の突出部225の先端部226(2本の切断線222a、222bの交点部分)は、点火器固定部50の三角形の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53a(図2参照)に当接される。
【0045】
(4)図6に示す実施形態
図6は、図1〜図3に示すカップ状容器20とは突出部が異なるものの実施形態である。
図6(a)は、図6(b)の突出部325が形成される前の状態を示す斜視図である。
【0046】
図6(a)に示すとおり、カップ状容器320の筒状容器321の周壁部327cは、周方向に沿って形成された上辺と下辺の2本の線と高さ方向に形成された2本の線で囲まれた四角形の開口部323を有している。327aはフランジ部である。
そして、図6(b)に示すとおり、開口部323を形成する下辺322に接する周壁部327cが内側に押し込まれて突起部325が形成されている。
【0047】
図6(b)に示すカップ状容器320を図1に示すガス発生器に適用したとき、カップ状容器の突出部325の先端部は、点火器固定部50の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53a(図2参照)に当接される。凹部53の大きさは、突出部325が当接できるような大きさであればよい。
【0048】
(5)図7に示す実施形態
図7は、図1〜図3に示すカップ状容器20とは突出部が異なるものの実施形態である。
図7(a)は、図7(b)の突出部425が形成される前の状態を示す斜視図である。
【0049】
図7(a)に示すとおり、カップ状容器420の筒状容器421の周壁部427cは、周方向に沿って形成された上辺と下辺の2本の線と高さ方向に形成された2本の線で囲まれた四角形の開口部であり、高さ方向に間隔をおいて上下に並べて2つ形成された第1開口部422と第2開口部423を有している。427aはフランジ部である。
第1開口部422と第2開口部423の間が中間周壁部424となっている。
そして、図7(b)に示すとおり、第1開口部422と第2開口部423の間の中間周壁部424が内側に押し込まれて突起部425が形成されている。
【0050】
図7(b)に示すカップ状容器420を図1に示すガス発生器に適用したとき、カップ状容器の突出部425の先端部は、点火器固定部50の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53a(図2参照)に当接される。凹部53の大きさは、突出部425が当接できるような大きさであればよい。
【0051】
(6)図8に示す実施形態
図8は、図1〜図3に示すカップ状容器20とは突出部が異なるものの実施形態である。
図8(a)は、図8(b)の突出部525が形成される前の状態を示す斜視図であり、図8(b)はカップ状容器520の天井面側を取り除いた状態の平面図(但し、フランジ部521aは略している)である。
【0052】
図8(a)に示すとおり、カップ状容器520の筒状容器521の周壁部527cは、周方向に沿って、かつ周壁部を貫通して形成された1本の切断線522を有している。527aはフランジ部である。
そして、図8(b)に示すとおり、1本の切断線522の下側周壁部524が内側に押し込まれて突出部525が形成されている。
【0053】
図8(b)に示すカップ状容器520を図1に示すガス発生器に適用したとき、カップ状容器の突出部525の先端部は、点火器固定部50の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53a(図2参照)に当接される。凹部53の大きさは、突出部525が当接できるような大きさであればよい。
【0054】
(7)図9に示す実施形態
図9は、図1〜図3に示すカップ状容器20とは突出部が異なるものの実施形態である。
図9(a)は、図9(b)の突出部625が形成される前の状態を示す斜視図であり、図9(b)はカップ状容器の天井面側を取り除いた状態の平面図(但し、フランジ部621aは略している)である。
【0055】
図9(a)に示すとおり、カップ状容器620の筒状容器621の周壁部627cは、周壁部の周方向に沿って、かつ軸方向に間隔をおいて周壁部を貫通して形成された2本の切断線622、623で挟まれた中間周壁部624を有している。627aはフランジ部である。
そして、図9(b)に示すとおり、中間周壁部624が内側に押し込まれて突出部625が形成されている。
【0056】
図9(b)に示すカップ状容器620を図1に示すガス発生器に適用したとき、カップ状容器の突出部625の先端部は、点火器固定部50の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53a(図2参照)に当接される。凹部53の大きさは、突出部625が当接できるような大きさであればよい。
【0057】
(8)図10に示す実施形態
図10は、図1〜図3に示すカップ状容器20とは突出部が異なるものの実施形態である。
図10(a)は、図10(b)の突出部725が形成される前の状態を示す斜視図である。
【0058】
図10(a)に示すとおり、カップ状容器720の筒状容器721の周壁部727cは、周壁部を貫通して略楕円形状に形成された切断線723を有している。但し、楕円の一部723aは曲線ではなく、直線の辺となっている。727aはフランジ部である。
そして、10(b)に示すとおり、略楕円形状の切断線723が内側に押し込まれて突出部725が形成されている。
【0059】
図10(b)に示すカップ状容器720を図1に示すガス発生器に適用したとき、カップ状容器の突出部725の先端部(図10(a)の723aに相当する部分)は、点火器固定部50の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53a(図2参照)に当接される。
【0060】
(9)図11に示す実施形態
図11(a)〜(d)は、図1、図2に示す点火器固定部50が外周面に有している凹部53の異なる実施形態を示す軸方向の断面図である。
【0061】
図11(a)、(b)に示すとおり、筒状の点火器固定部50(筒状壁部51)の外周面に形成された凹部53は、突出部25の先端部26a(図2、図3参照)が当接される凹部53の内壁面53aの接線と筒状壁部51外周面とがなす角度(α)が90°のものである。
内壁面53aの深さ(即ち、底面54の深さ)は、突出部25の先端部26aの厚みと同等以上になっている。
図11(a)は、凹部53の底面54が筒状壁部51の外周面と平行になっている。
図11(b)は、凹部53の底面54が筒状壁部51の外周面に対して斜面になっており、内壁面53a側から徐々に深さが浅くなるような斜面である。図11(b)で示す凹部53の場合には、突出部25を底面54に沿わせるようにして内壁面53aに当接させることができるので好ましい。
【0062】
図11(c)、(d)に示すとおり、筒状の点火器固定部50(筒状壁部51)の外周面に形成された凹部53は、突出部25の先端部26a(図2、図3参照)が当接される凹部53の内壁面53a(図2参照)の接線と筒状壁部51外周面とがなす角度(α)が30〜80°のものである。
図11(c)は、凹部53の底面54が筒状壁部51の外周面と平行になっている。
図11(d)は、凹部53の底面54が筒状壁部51の外周面に対して斜面になっており、内壁面53a側から徐々に深さが浅くなるような斜面である。図11(d)で示す凹部53の場合には、突出部25を底面54に沿わせるようにして内壁面53aに当接させることができるので好ましい。
【0063】
図11(c)、(d)に示す実施形態のように角度(α)が30〜80°の場合には、突出部25の先端部26aが当接される凹部53の内壁面53aが内側に食い込んだ形状になっている。
このため、図2に示すようにして凹部53の内壁面53aに突出部25の先端部26aを当接させたとき、先端部26aが凹部の内壁面53aに嵌り込んだ状態にできるため、カップ状容器20の軸方向への移動阻止作用が高められる。このとき、突出部25の厚さは、図11(c)、(d)で示す凹部の内壁面53aに嵌り込むことができるように調整することができる。
なお、図11(c)、(d)のような凹部53と組み合わせる突出部25は、凹部の内壁面53aに嵌り込むことができるように全体の厚みを調整するか、先端部26aの厚みのみを調整することができる。
【0064】
(10)図12、図13に示すガス発生器
図12に示すガス発生器は、図1のガス発生器と比べると、カップ状容器20と筒状の点火器固定部50が、カップ状容器20の内周面と点火器固定部50の外周面が互いに隙間60が形成されるようにして組み合わされていることと、図1で示すカップ状容器20に代えて、図4で示すカップ状容器120を使用したことを除いて同じものである。
なお、隙間60の間隔は、伝火薬35が嵌り込まないような間隔に調整されている。
【0065】
図12、図13で示されるガス発生器では、カップ状容器の突出部125の先端部が、点火器固定部の凹部53の上端側(ディフューザシェル11の天井面11a側)の内壁面53aに当接されている。
点火器30が作動して伝火薬35が着火燃焼したとき、生じた火炎や高温ガス等は伝火孔23から燃焼室40内に放出される。
このとき、カップ状容器120には軸方向(ディフューザシェル11の天井面11a方向)に力が加えられるが、突出部125の先端部が凹部53の上端側の内壁面53aを押すことから、カップ状容器120の軸方向への移動が阻止される。
【0066】
また、図12、図13で示すガス発生器は、カップ状容器20と筒状の点火器固定部50の間に隙間(筒状の隙間)60が形成されている。このため、点火器30が作動して伝火薬35が燃焼したとき、火炎や高温ガス等は隙間60を通って、伝火孔23から燃焼室40内に放出される。
さらに図4で示すカップ状容器120を使用しているため、突起部125の上部にある開口部123からも火炎や高温ガス等が燃焼室40内に放出される。
【0067】
(11)図14に示すガス発生器
図14で示すガス発生器は、ディフューザシェル11とクロージャシェル12の形状が異なるほかは、図1に示すガス発生器と同一のものである。
なお、図14で示すガス発生器は、カップ状容器20と筒状の点火器固定部50の配置状態を、図12、図13で示すように隙間60が形成された状態のものにすることができる。
【0068】
図14で示すガス発生器のハウジング10では、ディフューザシェル11の周壁部の長さが図1のものよりも長く、クロージャシェル12の周壁部の長さが図1のものよりも短くなっている。このため、組立方法が図1のものとは異なる。
図14で示すガス発生器の組立方法では、図1に示すガス発生器の組立方法にて説明した(I)〜(III)工程の内の(II)工程の押し込み方法が異なる。
図14で示すガス発生器では、図3(a)に示す辺26a、26b、26cで囲まれた部分を外側から押し込むとき、前記押し込み部分の高さはクロージャシェル12の高さよりも高い。このため、前記押し込み部の横方向(即ち、ガス発生器の軸方向に直交する方向)から押し込むことができるようになる。
【0069】
なお、図1〜図14では、凹部53は点火器固定部50の筒状壁部51に形成された環状溝としたが、各突出部25、125等に対応した位置に独立して形成された凹部でもよい。この場合、凹部53の平面形状を突出部の平面形状よりもやや大きくする。このような凹部は、プレス加工やエンボス加工で形成することができる。
【0070】
(12)図15に示すガス発生器
図15(a)に示すガス発生器は、図1のガス発生器において、図3で示すカップ状容器20に代えて図4で示すカップ状容器120を使用していること、点火器固定部50の凹部53に代えて、点火器固定部50と金属カラー31の組み合わせを使用していることが異なっている。金属カラー31は点火器固定部50に対して溶接固定されている。
【0071】
点火器30は、点火部が金属カラー31で包囲されたものであり、金属カラー31は、上部金属カラー31aと下部金属カラー31bを有している。
上部金属カラー31aの外径は下部金属カラー31bの外径よりも大きくなっているため、図15(b)に示すような段差面32を有しており、この段差面32が図1〜図3に示す凹部53の内壁面53aに相当するものとなる。
【0072】
図15(a)のガス発生器では、図示しているとおり、カップ状容器120の突出部125の先端部が段差面32に当接されている。
【0073】
図15(a)、(b)に示すガス発生器では、点火器30が作動して伝火薬35が着火燃焼したとき、生じた火炎や高温ガス等は伝火孔23から燃焼室40内に放出される。
このとき、カップ状容器120には軸方向(ディフューザシェル11の天井面11a方向)に力が加えられるが、突出部125の先端部が段差面32を押すことから、カップ状容器120の軸方向への移動が阻止される。
【符号の説明】
【0074】
10 ハウジング
11 ディフューザシェル
12 クロージャシェル
13 ガス排出口
20 カップ状容器
21 カップ状容器の周壁部
22 蓋部
23 伝火孔
24 点火手段室
30 点火器
31 金属カラー
40 燃焼室
41 ガス発生剤
50 点火器固定部
51 筒状壁部
52 環状平板部
53 凹部
53a 凹部内壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャシェルとディフューザシェルからなるガス排出口を有するハウジング内に点火器を含む点火手段とガス発生剤が収容された人員拘束装置用ガス発生器であって、
ハウジング内のクロージャシェル上に配置された、周壁部に伝火孔を有するカップ状容器により点火手段室が形成されており、
点火手段室内に点火器を含む点火手段が収容され、点火器が、クロージャシェルに形成された筒状の点火器固定部により固定されており、
カップ状容器が、周壁部から半径方向内側に突き出された複数の突出部を有し、
筒状の点火器固定部が、外表面に凹部を有しており、
カップ状容器の突出部の少なくも先端部が筒状の点火器固定部の凹部内壁面に当接されていることにより、カップ状容器の軸方向への移動が阻止されている、人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項2】
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部を貫通して形成された3本の切断線であり、周方向に形成された上辺と、上辺の両端から軸方向下側に延ばされた2本の側辺からなる四角形の三辺をなす3本の切断線と、
前記3本の切断線と残部の一辺となる部分で形成される四角形に相当する周壁部が内側に折り曲げられて形成されたものであり、
少なくとも前記突出部の上辺に相当する先端部が、前記点火器固定部の凹部の内壁面に当接されている、請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項3】
カップ状容器が、周壁部の周方向に間隔をおいて形成された第1上辺と第1下辺と、第1上辺と第1下辺をつなぐ2本の第1側辺で囲まれた四角形の開口部を有しており、
カップ状容器が有する突出部が、
前記第1下辺と、
カップ状容器の周壁部を貫通して形成された、前記2本の第1側辺から軸方向下側に延ばされた2本の第2側辺からなる2本の切断線と、
前記第1下辺と、前記2本の第2側辺からなる2本の切断線と、それらの3本の辺と残部の一辺となる部分で形成される四角形に相当する範囲の周壁部が内側に折り曲げられて形成されたものであり、
少なくとも前記突出部の第1下辺に相当する先端部が、前記点火器固定部の凹部の内壁面に当接されている、請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項4】
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部を貫通して形成された三角形の二辺となる2本の切断線と残部の一辺となる部分で形成される三角形に相当する周壁部が内側に折り曲げられて形成されたものであり、
少なくとも前記三角形状に折り曲げられた突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されている、請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項5】
カップ状容器が有する突出部が、
周壁部の周方向に沿って形成された上辺と下辺の2本の線と高さ方向に形成された2本の線で囲まれた四角形の開口部を有するものであり、
開口部を形成する下辺に接する周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されている、請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項6】
カップ状容器が有する突出部が、周壁部の周方向に沿って形成された上辺と下辺の2本の線と高さ方向に形成された2本の線で囲まれた四角形の開口部を有するものであり、
前記四角形の開口部が、高さ方向に間隔をおいて上下に並べて2つ形成されており、
上下2つの開口部の間に位置する周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されている、請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項7】
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部の周方向に沿って、かつ周壁部を貫通して形成された1本の切断線の下側周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されている、請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項8】
カップ状容器が有する突出部が、
カップ状容器の周壁部の周方向に沿って、かつ軸方向に間隔をおいて周壁部を貫通して形成された2本の切断線で挟まれた周壁部が内側に押し込まれて形成されたものであり、
少なくとも突出部の先端部が、点火器固定部の凹部の内壁面に当接されている、請求項1記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項9】
カップ状容器と筒状の点火器固定部が、カップ状容器の内周面と、前記内周面と正対する点火器固定部の外周面が接触した状態で組み合わされている、請求項1〜8のいずれか1項記載の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項10】
カップ状容器と筒状の点火器固定部が、カップ状容器の内周面と、前記内周面と正対する点火器固定部の外周面が間隔をおいた状態で組み合わされている、請求項1〜8のいずれか1項記載の人員拘束装置用ガス発生器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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