説明

人工リーフおよび人工リーフの構築方法

人工リーフを構築するための方法で、この方法は、リーフ要素(2)を支持構造体(100)に取り付けることを含む。次に、支持構造体(100)および取り付けられたリーフ要素(2)を、海底の設置位置の上にある水塊の表面の位置へと搬送する。支持構造体(100)およびリーフ要素(2)が表面位置にある間に、結合手段(4)を使用して支持構造体(100)を海底に固定する。次に、結合手段(4)を使用して、支持構造体(100)およびリーフ要素(2)を表面から海底の設置位置へと移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工リーフアセンブリおよび人工リーフの構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多目的リーフおよび沖合防波堤は、海岸の保護および/またはサーフィンなどのレクリエーション目的に使用されている。これらは、通常、干潮線から約100〜400mの水深2〜15mに建設される。しかし、これは場所によっては変化することがある。
【0003】
リーフの設計は、通常、必要な質の波を生成するのに最適な海底形状を割り出す多数の物理学的実験室研究から確立される。海底の形状が異なると、異なるタイプの波を生成する。
【0004】
精巧なコンピュータが生成するこれらの形状に伴う問題は、これらの形状を正確に構築するために使用可能な技術がないことである。
【0005】
以前には、防波堤は、単に大きい岩石を落下させ、障壁を形成することによって建設されていた。しかし、これらの岩石は、サーファにとって危険であり、サーフィンの波の質を破壊することがある大きい起伏を表面に有する。構築物の品質を改良する1つの試みとして、直径が最大3〜5m、長さが約20mのジオテキスタイル・コンテナが採用された。それを浚渫船の船体に充填し、海底に落下させてリーフを形成した。300を超えるコンテナを落下させることもある。
【0006】
しかし、この方法は正確さに欠けるため、リーフの表面に大きい凹凸や起伏ができたり、サーフィンの波の質が低下することになった。実験室での試験によると、リーフの形状が不規則だと水面に「気泡」を引き起こし、波の「チューブ」が部分的または全体的に崩壊して、サーフィンの乗り心地が悪くなる。
【0007】
採用された他の方法として、ダイバーおよびロープを使って、メガコンテナとしても知られているジオコンテナを海底に配置し、各ジオコンテナを適切に充填する方法がある。個々のコンテナを多数使ってこれを実行する費用は高く、それぞれのコンテナを慎重に配置する必要がある場合は特にそうである。
【0008】
メガコンテナ間にギャップがある場合は別の問題が生じる。一定の波の作用により、コンテナ間の砂が浸食され、最終的にリーフが砂中に沈んでしまうことになる。それ故、サーフィンの波の質、およびリーフ形状の将来の持続性のためには、コンテナを正確に配置することが非常に重要である。
【0009】
本明細書では、「海底」という用語は、海、湖、人造、または他の方法のいずれであっても、水塊の床を指す。
【0010】
本明細書で使用する「人工リーフ」という用語は、水塊に配置され、水塊の波のパターンを変更することができるか、または変更するように意図された、例えば人造防波堤、ならびに人工リーフなどの任意の人工の構造物を含み、水中に完全に沈めるか、または一部沈めるだけでもよい。
【0011】
他に文脈で明らかに要求していない限り、本明細書における説明および特許請求の範囲を通して、「備える」、「備えている」などの用語は、排他的な意味でもなく、または網羅的な意味でもなく、包括的な意味であり、すなわち「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、リーフを、従来技術の人工リーフより簡単にかつ高い精度で展開することができる人工リーフおよび/または人工リーフの構築方法を提供することである。
【0013】
本発明の代替的目的は、人工リーフアセンブリおよび/または人工リーフアセンブリおよび/または人工リーフの構築方法および/または従来技術の1つまたは複数の問題を克服するか、または少なくとも有用な選択肢を提供する人工リーフの構築方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、以下の説明から理解することができる。しかし、この説明は単なる例示としてのものにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様によれば、本発明は、充填材料を受け取ることができる複数のコンテナを含み、各コンテナは、接続手段によって少なくとも1つの他のコンテナに接続され、使用時には、接続手段は、必要とされる構成で複数のコンテナを保持し、必要なリーフの形状を形成するために、コンテナが必要な量の充填材料で充填される人工リーフアセンブリを提供する。
【0016】
第2の態様によれば、本発明は、少なくとも1つのリーフ要素および支持構造体を備え、その少なくとも1つのリーフ要素は、支持構造体に結合され、支持構造体は、設置位置に搬送されている間に少なくとも1つのリーフ要素を支持し、海底に固定されて、少なくとも1つのリーフ要素を所望の位置で海底に配置し、人工リーフの少なくとも一部を形成することができる人工リーフアセンブリを提供する。
【0017】
上記人工リーフアセンブリは、さらに、支持構造体に接続され、支持構造体を海底に結合することができる結合手段を備えることが好ましい。
【0018】
第3の態様によれば、本発明は、少なくとも1つのリーフ要素と、リーフ要素が海面にある間に、リーフ要素を海底に結合する結合手段とを備え、それによってその後、結合手段を使用して、少なくとも1つのリーフ要素を海底へと移動することができる人工リーフアセンブリを提供する。
【0019】
リーフアセンブリは、さらに、支持構造体を備え、少なくとも1つのリーフ要素は支持構造体に結合され、支持構造体は、結合手段に接続することが好ましい。
【0020】
人工リーフアセンブリが、いくつかのリーフ要素を備えることが好ましい。
【0021】
本発明の一例では、2つ以上のリーフ要素が1つの支持構造体に結合される。しかし代替的に、各リーフ要素の1つの支持構造体を設置することができる。
【0022】
第4の態様によれば、本発明は、必要な量の充填材料で充填された複数のコンテナを含み、上記各コンテナが接続手段によって少なくとも1つの他の上記コンテナに接続される人工リーフを提供する。接続手段は、コンテナが必要な形状のリーフを形成するように、必要な構成で複数のコンテナを保持する。
【0023】
第5の態様によれば、本発明は、人工リーフアセンブリを構築するための方法を提供する。この方法は、
(i)リーフアセンブリから、生成する人工リーフの必要な形状を決定するステップと、
(ii)必要な量の充填材料で充填した場合に、必要な形状を生成するために複数のコンテナの必要な構成を決定するステップと、
(iii)上記各コンテナが少なくとも1つの他の上記コンテナと接続するように、複数のコンテナを接続手段で相互に接続するステップであって、接続手段は、使用時に複数のコンテナを必要な構成で保持することができるステップと
を含む。
【0024】
第6の態様によれば、本発明は、人工リーフを構築するための方法を提供する。この方法は、
(i)水塊の表面に配置されたリーフ要素に結合手段を結合するステップと、
(ii)リーフ要素が表面に配置されている間に、結合手段を海底に固定するステップと、
(iii)結合手段を使用して、リーフ要素を表面から海底へと移動するステップとを含む。
【0025】
リーフ要素が、支持構造体に取り付けられ、結合手段が、支持構造体に取り付けられることが好ましい。
【0026】
第7の態様によれば、本発明は、人工リーフを構築するための方法を提供する。この方法は、
(i)リーフ要素を支持構造体に取り付けるステップと、
(ii)支持構造体および取り付けられたリーフ要素を、海底の設置位置の上にある水塊の表面の位置へと搬送するステップと、
(iii)支持構造体およびリーフ要素が表面位置にある間に、結合手段を使用して支持構造体を海底に固定するステップと、
(iv)結合手段を使用して、支持構造体およびリーフ要素を海底の設置位置へと移動するステップと
を含む。
【0027】
好適には、方法は、さらに、人工リーフに必要な形状を決定するステップを含むことが好ましい。
【0028】
通常、リーフ要素のサイズおよび形状は、必要な形状から決定することができる。
【0029】
好適には、リーフ要素は、好ましくは可撓性で、ジオテキスタイル材料などの織物材料から形成することができるコンテナを備えられることが好ましい。通常、コンテナは、メガコンテナである。
【0030】
通常、リーフ要素は、30mから1600mの容積を有することができる。
【0031】
通常、リーフ要素は、10mから80m、好ましくは30mから60mの長さを有することができる。
【0032】
通常、リーフ要素の断面積は、1mから25mでよい。好適には、断面積は、リーフ要素の長さに沿って実質的に一定であることが好ましい。しかし、断面積は、リーフ要素の長さに沿って変えることも可能である。
【0033】
好適には、支持構造体は、リーフ要素を支持するウエブの形態であることが好ましい。
【0034】
リーフ要素がコンテナである場合、コンテナは充填材料で充填される。好適には、コンテナが海底の設置場所に配置される場合、コンテナは充填材料で充填されることが好ましい。
【0035】
人工リーフは、いくつかのリーフ要素から構築されることが好ましい。
【0036】
本発明の一例では、1つのリーフ要素が1つの支持構造体に取り付けられる、しかし、本発明の代替例では、2つ以上のリーフ要素が支持構造体に取り付けられる。人工リーフは、いくつかのリーフ要素および支持構造体で、例えば支持構造体毎に1つのリーフ要素で、または支持構造体毎に2つ以上のリーフ要素があるいくつかの支持構造体で構築することができる。
【0037】
第8の態様によれば、本発明は、人工リーフを構築するための方法を提供する。該方法は、
(i)人工リーフに必要な形状を決定するステップと、
(ii)必要な量の充填材料で充填した場合に、必要な形状を生成するために複数のコンテナの必要な形状を決定するステップと、
(iii)上記各コンテナが少なくとも1つの他の上記コンテナと接続するように、複数のコンテナを接続手段で相互に接続するステップであって、接続手段が、使用時に複数のコンテナを必要な構成で保持することができるステップと、
(iv)コンテナを必要な位置で必要な構成内に移動するステップと、
(v)各コンテナを必要な量の充填材料で充填するステップとを含む。
【0038】
充填ステップの前に、上記複数のコンテナのうち少なくとも1つの、必要な位置に隣接して係留されたアンカー手段に一時的に固定するステップがあることが好ましい。
【0039】
接続手段に取り付けラインを設けることができ、上記方法が、必要な位置の隣に複数のアンカー手段を係留するステップと、取り付けラインのプーリ手段としてアンカー手段を使用するステップとを含むことが好ましい。
【0040】
接続手段の少なくとも1つが、細長い可撓性接続手段であることが好ましい。
【0041】
接続手段が、ロープおよび/またはストラップおよび/または鎖および/またはスチールケーブルを含むことが好ましい。
【0042】
複数の接続手段を接続して、ウエブを形成できることが好ましい。
【0043】
好適には、上記コンテナが、それぞれ可撓性コンテナであることが好ましい。しかし、コンテナを剛性または半剛性にできることが可能である。可撓性、剛性および半剛性コンテナの任意の組合せを、同じリーフアセンブリに使用するか、または1つの人工リーフを構築するために使用できることも可能である。
【0044】
好適には、マットを設置し、接続手段に取り付けることが好ましい。この形体は、コンテナの収縮および/または砂の漏れを防止するか、または最小限に抑えるという利点を有する。
【0045】
本発明のもう1つの態様は、全て新規の態様と見なされ、本発明の可能な実施形態の例によって与えられる以下の説明から理解することができる。
【0046】
次に、本発明による人工リーフアセンブリおよび人工リーフ構築方法の例について、添付の図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
図1は、全体として100の参照番号が付けられたウエブまたは網状構造物を形成するために、相互に接続された複数の接続手段1から形成された支持構造を示す。この例では、接続手段1はウェッビングまたは織物テープである。しかし、接続手段は、ロープまたはケーブルなど任意の適切な材料を使用することができる。ウエブ100の周縁に沿って、ロープの形態のいくつかの結合手段4が取り付けられている。
【0048】
人工リーフアセンブリ300の第1の例が図2および図3に図示されている。リーフアセンブリ300は、ウエブ100が必要な位置に保持され、コンテナ2が必要な量または所定の量の充填材料で充填されると、図4、図5および図7に示すように、全体として200の参照番号が付けられた所定の必要なリーフ形状が形成されるように、コンテナ2をウエブ100に取り付けることによって形成される。コンテナ2は図5では円形の断面を有するように概略的に図示されているが、コンテナは実際には、通常、図7に示すような楕円形の断面を採用することを理解されたい。
【0049】
各コンテナ2は、接続手段1によって少なくとも1つの他のコンテナ2に接続される。通常、コンテナ2は、可撓性コンテナであり、ジオテキスタイル材料から製造することができる。コンテナ2は任意のサイズでよいが、好ましくはメガコンテナである。通常、コンテナ2は、10mから80m、好ましくは30mから60mの長さを有する。コンテナは、30mから1600mの範囲の容積を有することができる。コンテナは1mから25mの範囲の断面積を有することができる。しかし、コンテナには、任意の適切な材料を使用することができ、コンテナは、人工リーフの特定の位置および任意の設置要件に従って決定される任意の適切なサイズであってよい。
【0050】
様々な接続手段1の破断歪みは、使用時に特定の各接続手段1にかかると予想される負荷に応じて変えることができる。
【0051】
コンテナ2は、リーフアセンブリを形成するために、好ましくは縫製によって側部に取り付けられたタグ3によってウエブ100に取り付けられる。タグ3は、1mから10m隔置することが好ましいが、他の間隔が適切である場合もある。
【0052】
リーフアセンブリの製造は、陸上で実行することができ、それによって時間を節約し、費用を削減する。図3は、コンテナ2が空で、折り畳まれた状態で、設置前のリーフアセンブリを示す。
【0053】
使用時には、全体として300の参照番号が付けられたリーフアセンブリは、好ましくは展開する準備が整った艀または他の平坦な表面上で、折り畳んだ状態で所望の位置まで搬送する。次にウエブ100を、所定の間隔でウエブ100に接続された取り付けライン4によって、好ましくは水面上で広げる。ウエブ100を広げるために、ウィンチ(図示せず)を使用することができる。
【0054】
波の作用を受けたコンテナ2に安定性を提供するために、コンテナ2をウエブ100へとさらに確実に固定するように、他のロープまたはライン(図示せず)を使用することができる。これらの追加のロープまたはラインは、後に、コンテナ2に充填材料を充填する間、または充填した後に解くことができる。
【0055】
並んだ適切なアンカー、例えばアンカー5を、リーフの必要位置に隣接する海底に係留する。アンカー5を通して取り付けラインを送り出し、アンカーをプーリ手段として使用して、リーフアセンブリを海底へ、さらに必要な位置へと引っ張る。取り付けライン4は、アンカー5を通し、次に艀などの水面の船に送り出すことができ、したがって艀上の適切な張力調整手段によってラインの張力を調整し、それによってリーフアセンブリを海底の設置位置に引き込むことができる。アンカー5は、リーフの永久的アンカーとして、および/またはコンテナ2を充填する前にリーフアセンブリ300を所定の位置に一時的に保持する取り付け点として使用することができる。
【0056】
波の作用がある場合は、コンテナを充填する前に安定性を改良するために、張力調整されたストラップ(図示せず)を、リーフアセンブリ300全体に敷設することができる。うねりの状態によって必要とされている場合は、リーフアセンブリ300の頂部に一時的な砂袋(図示せず)も配置することができる。
【0057】
ウエブ100が海底の所定の位置にある状態で、コンテナ2は、接続手段1によって所定の必要な構成に保持される。次に、任意の適切な手段でコンテナ2を充填材料で充填する。
【0058】
図4および図7を見れば分かるように、重なるように、コンテナ2をウエブ100に配置し、これによって楕円形断面の可撓性コンテナ2を使用する場合に隣接するコンテナ2間に形成される中空を最小限に抑えることができる。重なりは、コンテナ2の最大充填幅の約1/8以下であることが適切である。これは、コンテナ2間にギャップがないことを確実にするためにも役に立つ。
【0059】
充填時に、充填された隣のコンテナの力のためにコンテナ2がひっくり返るのを防止するために、最初に1つおきのコンテナ2aを充填し、次に中間のコンテナ2b(図7参照)を充填することが好ましい。
【0060】
多くの実施形態では、全体として200の参照番号が付けられた人工リーフは、自重により安定し、アンカー5を使用する場合は、コンテナ2を充填したらそれを除去することができる。
【0061】
必要に応じて、ウエブ100とコンテナ2の間にマット(図示せず)を設置することができる。マットは、コンテナ2が海底に沈み込むことになるコンテナ2間からの砂の漏れを防止することができる。
【0062】
必要に応じて、1列目のタグの上に、もう1つのタグの列(図示せず)を設置することができる。これは、コンテナ2とウエブ100の間の接続を強化することができ、空であるか、または部分的に充填された場合に、コンテナがあちこち移動する傾向の抑制にも役に立つことができる。
【0063】
リーフアセンブリ500の第2の例が図8に図示されている。この場合は、ウエブ600の形態の支持構造体の第2の例を使用する。ウエブ600は、接続手段1からウエブ100と同じ方法で製作される。しかし、この例では、1つのコンテナ602しかウエブ600に取り付けられていない。コンテナ602は、コンテナ2をウエブ100に取り付けるのと同じ方法で、ウエブ600に取り付けられる。すなわち、タグ3(図8には図示せず)を使用する。
【0064】
この例では、人工リーフを構築するために1つのコンテナしか必要ない場合に、リーフアセンブリ500を使用することができる。しかし、リーフアセンブリ500には、高潮、大きいうねり、または1つのウエブ100と複数のコンテナ2を使用して人工リーフを構築するのは困難または不可能になる他の困難な環境状態の区域に設置する用途もある。この場合は、人工リーフを構築するために、いくつかのリーフアセンブリ500を設置することができる。これは、水面での時間、設置時間および充填時間が短縮され、それによって困難な環境条件でリーフアセンブリを設置し、コンテナ602を充填することを容易にすることができる。リーフアセンブリ500には、リーフアセンブリの構築および/またはリーフアセンブリの展開のスペースが限られた用途もある。
【0065】
人工リーフを構築するためにいくつかのリーフアセンブリを使用でき、各リーフアセンブリが、個々の支持構造体に取り付けられた1つまたは複数のコンテナ(またはリーフ要素)を有する1つの支持構造体を備えることも可能である。
材料
・コンテナ2は、任意の適切な耐久性材料で製作することができる。その例は、ジオテキスタイル、高耐荷重性ポリプロピレン、耐久性プラスチックまたはコンクリートを含む。
・コンテナは、チューブ形でよく、平面図または断面が円形、楕円形、矩形、三角形、または任意の他の適切な形状でよい。
・コンテナは、可撓性、剛性または部分的に剛性(例えば、半剛性)であってもよい。
・充填材料は、砂であることが好ましいが、泥、石、大礫などを使用することができる。
・接続手段1の少なくとも1つは、細長い可撓性接続手段であることが好ましく、ロープ、ストラップ、鎖、スチールケーブルを含む任意の適切な材料を使用することができる。代替実施形態では、接続手段の一部は実質的に剛性であってもよい。
・タグは、ストラップまたは任意の適切な材料で作成し、ストラップ、ロープ、掛け金に結びつけることができる。
・マットは、帆布、ポリプロピレン、ジオテキスタイルまたは任意の他の適切な材料で作成することができる。
【0066】
図示の実施形態では、接続手段をウエブの形態で図示してきたが、いくつかの実施形態では、コンテナは、接続手段が隣接するコンテナのみに接続するように、十分に強力であるか、または強化することができる。
【0067】
本明細書で提示した本発明は、構築の費用を抑制しながら、人工リーフの構築の精度を改良する新規の方法であることが、当業者には認識される。標準的なメガコンテナを使用することができるが、構築の大部分は陸上で実行され、それによって費用がかかる海底での費用が大幅に削減され、作業を実行するために波が小さい期間に依存する度合いを最小限に抑えることができる。
【0068】
この方法では、コンテナを、
・相互に対して正確に、
・同時に、かつ
・より迅速に
展開することができ、それによりダイバーや海上での時間が節約される。
【0069】
この方法は、うねりが低い日数を多く必要とせず、したがってうねりが低い短期間にリーフ全体を完成することができる。海底に多くのデッドマン錘を配置し、除去する必要がなく、ダイバーの安全性も大幅に改良される。リーフは、1つのユニットとして1回で展開することができるが、リーフは、ウエブの別個の区間で段階的に展開することもできる。
【0070】
以上の説明では、既知の同等物を有する本発明の特定の構成要素または完全体に言及しているが、このような同等物は、個々に述べられたものとして本明細書に組み込むものとする。
【0071】
本発明を例示によって、その可能な実施形態に関して説明してきたが、本発明の精神または範囲から逸脱することなしに、修正または改良が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】人工リーフの接続手段のウエブという形態の支持構造体の第1の例の略平面図である。
【図2】図1に示した支持構造体を使用するリーフアセンブリの第1の例の略平面図である。
【図3】設置前の図2の人工リーフアセンブリの略等角断面図である。
【図4】図2のリーフアセンブリから形成した人工リーフの略平面図である。
【図5】図3の線AAに沿って見た図3の人工リーフの略等角断面図である。
【図6】海底の設置位置に配置されたリーフアセンブリの平面図であり、アンカーの配置を示す。
【図7】線AAを通る図3の人工リーフの略断面図である。
【図8】人工リーフアセンブリの第2の例と支持構造体の第2の例の略平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填材料を受け取ることができる複数のコンテナを含む人工リーフアセンブリであって、前記各コンテナが、接続手段によって少なくとも1つの他の前記コンテナに接続され、使用時には、前記接続手段が、必要とされる構成で前記複数のコンテナを保持し、必要なリーフの形状を形成するために、前記コンテナが、必要な量の充填材料で充填される人工リーフアセンブリ。
【請求項2】
前記コンテナが30mから1600mの容積を有する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記コンテナが10mから80mの長さを有する請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記コンテナが30mから60mの長さを有する請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記コンテナが1mから25mの断面積を有する前記請求項のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記リーフ要素が、前記リーフ要素の長さに沿って実質的に一定である断面積を有する、前記請求項のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも1つのリーフ要素および支持構造体を備える人工リーフアセンブリであって、前記少なくとも1つのリーフ要素は前記支持構造体に結合され、前記支持構造体は、設置位置に搬送されている間に前記少なくとも1つのリーフ要素を支持し、海底に固定されて、前記少なくとも1つのリーフ要素を所望の位置で前記海底に配置し、人工リーフの少なくとも一部を形成することができるアセンブリ。
【請求項8】
前記支持構造体に接続され、前記支持構造体を前記海底に結合することができる結合手段をさらに備える、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
少なくとも1つのリーフ要素と、前記リーフ要素が水面にある間に、前記リーフ要素を海底に結合する結合手段とを備え、それによってその後、前記結合手段を使用して、前記少なくとも1つのリーフ要素を前記海底へと移動することができる人工リーフアセンブリ。
【請求項10】
支持構造体をさらに備え、前記少なくとも1つのリーフ要素が、前記支持構造体に結合され、前記支持構造体が、前記結合手段に接続する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記人工リーフアセンブリがいくつかのリーフ要素を備える請求項7から10のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項12】
2つ以上のリーフ要素が前記支持構造体に結合される請求項7または請求項10に従属する場合の請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
いくつかの支持構造体がある、請求項7または請求項10または請求項12に従属する場合の請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
1つのリーフ要素が各支持構造体に結合される請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記リーフ要素が30mから1600mの容積を有する請求項7から14のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記リーフ要素が10mから80mの長さを有する請求項7から15のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記リーフ要素が30mから60mの長さを有する請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記リーフ要素が1mから25mの断面積を有する請求項7から17のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記リーフ要素が、前記リーフ要素の長さに沿って実質的に一定である断面積を有する、請求項7から18のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記リーフ要素が、充填材料で充填することができるコンテナを備える請求項7から19のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記コンテナが可撓性である請求項1から6または15のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記コンテナが織物材料から形成される請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記コンテナがジオテキスタイル材料から形成される請求項22に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記コンテナがメガコンテナである請求項1から6または20から23のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項25】
人工リーフアセンブリを構築するための方法であって、
(iv)前記リーフアセンブリから、生成する人工リーフの必要な形状を決定するステップと、
(v)必要な量の充填材料で充填した場合に、必要な形状を生成するために複数のコンテナの必要な構成を決定するステップと、
(vi)前記各コンテナが、少なくとも1つの他の前記コンテナと接続するように、前記複数のコンテナを接続手段で相互に接続するステップであって、前記接続手段が、使用時に、前記複数のコンテナを前記必要な構成で保持することができるステップと
を含む方法。
【請求項26】
人工リーフを構築するための方法であって、
(i)水塊の表面に配置されたリーフ要素に結合手段を結合するステップと、
(ii)前記リーフ要素が前記表面に配置されている間に、前記結合手段を海底に固定するステップと、
(iii)前記結合手段を使用して、前記リーフ要素を前記表面から前記海底へと移動するステップとを含む方法。
【請求項27】
前記リーフ要素を支持構造体に取り付けるステップと、前記結合手段を前記支持構造体に取り付けるステップとをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記リーフ要素を前記支持構造体に取り付けた状態で、前記支持構造体を前記水塊の前記表面の前記位置へと搬送することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
人工リーフを構築するための方法であって、
(i)リーフ要素を支持構造体に取り付けるステップと、
(ii)前記支持構造体および前記取り付けられたリーフ要素を、海底の設置位置の上にある水塊の表面の位置へと搬送するステップと、
(iii)前記支持構造体および前記リーフ要素が前記表面位置にある間に、結合手段を使用して、前記支持構造体を前記海底に固定するステップと、
(iv)前記結合手段を使用して、前記支持構造体および前記リーフ要素を前記海底の前記設置位置へと移動するステップとを含む方法。
【請求項30】
前記人工リーフに必要な形状を決定することをさらに含む請求項26から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記リーフ要素のサイズおよび形状が前記必要な形状から決定される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記リーフ要素がコンテナを備え、前記コンテナが充填材料で充填される請求項26から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記コンテナが、前記リーフ要素が前記海底の前記設置位置にある場合に、充填材料で充填される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記リーフ要素が30mから1600mの容積を有する請求項26から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記リーフ要素が10mから80mの長さを有する請求項26から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記リーフ要素が30mから60mの長さを有する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記リーフ要素の断面が1mから25mである請求項26から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記リーフ要素が、前記リーフ要素の長さに沿って実質的に一定である断面積を有する、請求項26から37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記人工リーフがいくつかのリーフ要素から構築される、請求項26から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
1つのリーフ要素が1つの支持構造体に取り付けられる請求項26から39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
2つ以上のリーフ要素が前記支持構造体に取り付けられる請求項26から39のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記人工リーフが、いくつかのリーフ要素およびいくつかの支持構造体から構築される、請求項26から41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記支持構造体が接続手段を備える、請求項27から29のいずれか、または請求項27から29のいずれかに従属する場合の請求項30から42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
人工リーフを構築するための方法であって、
(vi)前記人工リーフに必要な形状を決定するステップと、
(vii)必要な量の充填材料で充填した場合に、前記必要な形状を生成するために複数のコンテナの必要な形状を決定するステップと、
(viii)前記各コンテナが少なくとも1つの他の前記コンテナと接続するように、前記複数のコンテナを接続手段で相互に接続するステップであって、前記接続手段が、使用時に、前記複数のコンテナを前記必要な構成で保持することができるステップと、
(ix)前記コンテナを設置位置で前記必要な構成内に移動するステップと、
(x)各コンテナを前記必要な量の充填材料で充填するステップとを含む方法。
【請求項45】
前記充填ステップの前に、前記複数のコンテナのうちの少なくとも1つを、前記設置位置に隣接して係留されたアンカー手段に一時的に固定するステップがある、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記接続手段に取り付けラインを設けることができ、前記方法が、複数のアンカー手段を前記必要な位置に隣接して係留するステップと、前記取り付けラインのプーリ手段として前記アンカー手段を使用するステップとを含む、請求項43から45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記接続手段が細長い可撓性接続手段を備える請求項43から46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記接続手段が、ロープおよび/またはストラップおよび/または鎖および/またはスチールケーブルを含むことができる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記接続手段がウエブを形成するために接続される請求項43から48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記コンテナが可撓性である、請求項32、33、44、45のいずれか、請求項32または33に従属する場合は請求項34から43のいずれか、または請求項32、33、44または45のいずれかに従属する場合は請求項46から49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記コンテナが織物材料から形成される請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記コンテナがジオテキスタイル材料から形成される請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記コンテナがメガコンテナである、請求項32、33、44、45、50から52のいずれか、請求項32または33に従属する場合は請求項34から43のいずれか、または請求項32、33、44または45のいずれかに従属する場合は請求項46から49のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記接続手段と前記コンテナの間にマットが設置される、請求項44、45のいずれか、または請求項44または45のいずれかに従属する場合は請求項46から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
支持構造体と前記リーフ要素の間にマットが設置される、請求項27から29のいずれか、または請求項27から29のいずれかに従属する場合は請求項30から43のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
必要な量の充填材料で充填された複数のコンテナを含む人工リーフであって、前記各コンテナが、接続手段によって少なくとも1つの他の前記コンテナに接続され、前記接続手段が、前記コンテナが必要な形状の前記リーフを形成するように、必要な構成で前記複数のコンテナを保持する人工リーフ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−503298(P2009−503298A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523829(P2008−523829)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/NZ2006/000197
【国際公開番号】WO2007/013825
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(503077110)アーティフィシャル サーフ リーフス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】