説明

人工芝生の敷設構造及び人工芝生のリニューアル方法

【課題】下方の層との間の熱膨張・収縮の差による影響が生じにくい人工芝生の敷設構造及び人工芝生のリニューアル方法を提供する。
【解決手段】格子状の溝部41,42を上面と下面とにそれぞれ形成させたシート形状の緩衝材4を人口芝生2の基布22の下方に配置させて設ける。緩衝材上方の人工芝生2と緩衝材下方の層との間に熱膨張・収縮の差が生じても、前記上面及び下面の溝部41,42の幅が拡大又は縮小してこれらの膨張・収縮を吸収し、上方の人工芝生2が位置ずれするなどの影響を抑制できる。また、前記上面及び下面の溝部41,42をそれぞれ格子状に形成させるので、緩衝材4の上方と下方との間に生じる熱膨張・収縮の差を、縦方向と横方向の溝でそれぞれ吸収し、上方の人工芝生2への影響を効果的に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基布に芝葉が植設された人工芝生の敷設構造、及び人工芝生のリニューアル方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人工芝生は各種スポーツを行うために広く用いられており、種々の敷設構造やリニューアル方法が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、合成樹脂製のヤーンを基布に所定の間隔をおいて多数植設し、前記基布から所定の厚さに目砂を充填してなる人工芝生の改修方法であって、古い人工芝生を下地層として使用し、前記古い人工芝生の目砂層に生じた不陸部をその周辺の目砂層と略同じレベルに修正した後、新しい人工芝生を前記古い人工芝生上に敷込むことを特徴とする人工芝生の改修方法、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−156603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される人工芝生の改修方法では、古い人工芝生と新しい人工芝生との間に、不織布等のシート材で構成されたクッション材を敷き込む構成が示されているが、このような構成においては、人工芝生と、その下方の層との間の熱膨張・収縮の差により、新たに敷設される新しい人工芝生に位置ずれなどが生じる恐れがあった。
【0006】
本発明は、下方の層との間の熱膨張・収縮の差による影響が生じにくい人工芝生の敷設構造及び人工芝生のリニューアル方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
即ち、本発明に係る人工芝生の敷設構造は、基布と、該基布に植設された複数の芝葉とを備えた人工芝生の敷設構造であって、
シート形状の緩衝材が前記基布の下方に配置されており、
前記緩衝材には格子状の溝部が上面及び下面にそれぞれ形成されていることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る人工芝生のリニューアル方法は、既設の人工芝生の上方に、基布と、該基布に植設された複数の芝葉とを備えた新規の人工芝生を新たに敷設させる人工芝生のリニューアル方法であって、
格子状の溝部が上面及び下面にそれぞれ形成されたシート形状の緩衝材が、前記既設の人工芝生と新規の人工芝生との間に配置されていることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る人工芝生の敷設構造、及び人工芝生のリニューアル方法は、人工芝生の基布の下方にシート状の緩衝材を配置させ、この緩衝材の上面及び下面の溝部をそれぞれ形成させるので、緩衝材上方の人工芝生と緩衝材下方の層との間に熱膨張・収縮の差が生じても、前記上面及び下面の溝部の幅が拡大又は縮小してこれらの膨張・収縮を吸収し、上方の人工芝生が位置ずれするなどの影響を抑制できる。
また、前記上面及び下面の溝部をそれぞれ格子状に形成させるので、緩衝材の上方と下方との間に生じる熱膨張・収縮の差を、縦方向と横方向の溝でそれぞれ吸収し、上方への人工芝生への影響を効果的に抑制できる。
【0010】
また、前記緩衝材の上面の溝部と下面の溝部とを、それぞれ同一の方向へ沿って、且つ相互の位置を異ならせて形成させれば、それぞれ格子状に形成された上面の溝部と下面の溝部とが重複する部分を小さく形成できるので、各溝部の形成による緩衝材の強度の低下を抑制できるので、好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る人工芝生の敷設構造、及び人工芝生のリニューアル方法によれば、上方の人工芝生と下方の層との間の熱膨張・収縮の差による影響が上方の人工芝生に生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る人工芝生の敷設構造の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図1の緩衝材を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は底面図である。
【図3】図2の緩衝材の斜視図である。
【図4】図1の緩衝材の直下の層に不陸が存在している状況を示す図である。
【図5】本発明に係る人工芝生のリニューアル方法の実施の一形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の一形態を図面に基づき具体的に説明する。
基礎層1は、地面へのアスファルトコンクリートや透水コンクリートの打設等によって、上面が平坦面に形成されている。
基礎層1は、透水コンクリートなど透水性の材料を用い、それ自体が透水性を有して上方から流れてくる雨水などを下方へ排水させるように設けてもよく、アスファルトコンクリートなど非透水性の材料を用いて形成させ、その上面に排水用の溝などを形成させて、上方からの雨水などを横方向へ排水させるように設けても良く、これら以外の構成によって設けても良い。
【0014】
2は人工芝生である。
人工芝生2は、基布22の表面側に複数の芝糸21が植設され、この植設された芝糸21を固定するためのバッキング材23が基布22の裏面側に設けられており、植設された各芝糸21の間には粒状体を充填させた粒状体層24が設けられて、構成されている。本実施形態の人工芝生の敷設構造の人工芝生2は、ポリプロピレン製の平織りの織布を用いた基布22に、2000デシテックスのポリエチレン製モノフィラメントの芝糸21を、パイル長50mmのカットパイル状に植設して芝葉を形成し、基布22の裏面にウレタン樹脂等のバッキング材23を塗布して前記芝糸21の植設部分を固定して構成されている。
また、本実施形態の人工芝生2は基布22にポリプロピレン製の平織りの織布を用いているが、これに限るものではなく、織物、編物、不織布等、芝糸21が植設されるものであれば何でもよい。
また、本実施形態の人工芝生2は、芝糸21に2000デシテックスのポリエチレン製モノフィラメントを用いているが、これに限るものではなく、その糸の太さや材質、形状などを適宜選択して用いてよく、例えば800デシテックスのポリエチレン製スプリットヤーンを芝糸21として20mm程度の高さに植設させてもよく、他の材質や太さの芝糸21を用いても良い。
また、人工芝生2には、基布22の上面からバッキング材23の下面に貫通する貫通穴(図示せず)が形成されており、これを通じて人工芝生2の上面に降りかかった雨水などの水を、下方へ流下させるように形成されている。
【0015】
本実施形態の粒状体層24は、人工芝生の表面に配置された上層24cと、上層24cの下の中層24bと、中層24bの下の下層24aとの三層構造となされている。上層24c及び下層24aは、弾性粒状体で構成されており、本実施形態ではSBRの粒を用いている。
また中層24bは、SBRの粒からなる弾性粒状体に珪砂を配合して構成しており、前記下層弾性粒状体100重量部に珪砂100重量部を配合させている。
本実施形態の粒状体層24は、SBRの粒からなる弾性粒状体と、硬質の珪砂とを用いて三層構造に形成させているが、これに限るものではなく、弾性粒状体のみを利用して粒状体層24を形成させてもよく、硬質の粒状体のみを利用して形成させても良い。
また、弾性粒状体として、SBRや、EPDMなどの合成ゴムや天然ゴムの粒を単体または組み合わせて用いてもよく、廃タイヤの粉砕物などのリサイクル品や、エラストマーなどを単体または組み合わせて用いてもよい。
また、硬質の粒状体として、珪砂やそれ以外の小石、陶器の粒、樹脂ペレットなどの粒状体を単体又は組み合わせて用いても良い。
また、本実施形態では、粒状体層24を三層構造としているが、これに限るものではなく、二層以下に構成させてもよく、四層以上に構成させてもよく、また粒状体層24を設けなくても良い。
【0016】
4は緩衝材である。
緩衝材4はシート状に形成され、基礎層1と人工芝生2との間に配置されて敷設されている。
また、緩衝材4は弾性材料から形成され、人工芝生2上でスポーツなどを行った場合に、上方からの衝撃を緩和させ、競技者の足などへの負担を軽減できるようになされている。
緩衝材4を形成させる材料としては、一例として、天然ゴムや合成ゴム、ブタジエンスチレンゴム、ネオプレン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ウレタン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、軟質及び硬質塩化ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン系やポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系等のエラストマーなどの各種合成ゴムや合成樹脂等からなる弾性材やそれらを発泡させたもの等を用いることができ、本実施形態の緩衝材4は発泡させたポリエチレン樹脂を用いて形成させている。
【0017】
図2は図1の緩衝材4を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は底面図であり、図3は図2の緩衝材4の斜視図である。
図2、3においては、緩衝材4の一部分のみを図示している。
緩衝材4の上面には溝部41が形成され、下面には溝部42が形成されている。
溝部41は、縦方向に沿って直線状に形成された縦溝41aと、この縦溝41aと直交する直線状の横溝41bとを備え、縦溝41aと横溝41bとがそれぞれ緩衝材4の上面全体に亘って多数並設されて、溝部41が格子状の溝形状に形成されている。
そして、緩衝材4の上面は、隣り合う縦溝41aと隣り合う横溝41bとに囲われて矩形形状に形成された上面ユニット44が縦方向及び横方向へ多数並設された形状に形成されている。
本実施形態の溝部41は、各縦溝41aの溝幅と各横溝41bの溝幅とがそれぞれ同じ大きさに形成されると共に、各縦溝41a間の間隔と各横溝41b間の間隔とがそれぞれ同じ大きさに形成されており、溝部41は正方形状の格子状に設けられている。
具体的には、各縦溝41aと各横溝41bとは、それぞれの溝幅が3mmに形成され、各縦溝41a間の間隔及び各横溝41b間の間隔は、それぞれ37mmに形成されている。
【0018】
また、溝部42は、溝部41と同様に、縦方向に沿って直線状に形成された縦溝42aと、この縦溝42aと直交する直線状の横溝42bとを備え、縦溝42aと横溝42bとがそれぞれ緩衝材4の下面全体に亘って多数並設されて、溝部42が格子状の溝形状に形成されている。
そして、緩衝材4の下面は、隣り合う縦溝42aと隣り合う横溝42bとに囲われて矩形形状に形成された下面ユニット45が縦方向及び横方向へ多数並設された形状に形成されている。
本実施形態の溝部42は、各縦溝42aの溝幅と各横溝42bの溝幅とがそれぞれ前記縦溝41や横溝41bと同じ大きさに形成されると共に、各縦溝41a間の間隔と各横溝41b間の間隔とがそれぞれ前記縦溝41や横溝41bの間隔と同じ大きさに形成されており、溝部42は前記溝部41と同じ大きさの正方形状の格子状に設けられている。
【0019】
本実施形態の緩衝材4は、前記各縦溝42aが隣り合う縦溝41aの間に配置されるように形成されており、詳細には、隣り合う縦溝41aの中間に配置されるように形成されている。
また、各横溝42bは、隣り合う横溝41bの間に配置されるように形成されており、詳細には、隣り合う横溝41bの中間に配置されるように形成されている。
【0020】
また、本実施形態の緩衝材4は、各縦溝41aと各横溝41bとをぞれぞれ同じ深さに形成させ、溝部41全体を同じ深さに設けており、更に各縦溝42aと各横溝42bとをそれぞれ同じ深さに形成させ、溝部42全体を同じ深さに設けている。
具体的には、溝部41の深さ、即ち上面から溝部41の底までの大きさを、緩衝材4の厚さの二分の一を超える大きさに形成させており、溝部42の深さ、即ち下面から溝部42の底までの大きさを、緩衝材4の厚さの二分の一を超える大きさに形成させている。
また、緩衝材4や人工芝生2の敷設時や、人工芝生2の使用時に、緩衝材4が溝部41や溝部42の部分でちぎれるなど問題を抑制するため、その強度を低下させないように、溝部41及び溝部42の深さは、それぞれ緩衝材4の厚さの六分の五以下にするのが好ましい。
本実施形態の緩衝材4は、溝部41の深さと溝部42の深さとを、それぞれ同じ大きさに形成させている。
【0021】
溝部41と溝部42とを、それぞれ緩衝材4の厚さの二分の一を越える大きさに形成することで、各縦溝41aと各横溝42bとが交差する位置、及び各横溝41bと各縦溝42aとが交差する位置に、緩衝材4を上方から下方へ貫通する貫通穴43が形成される。
この貫通穴43が形成されることで、上方に配置されて敷設された人工芝生2から流れ落ちる雨水などの水を、貫通穴43を通じて下方へ流下させることができる。
また、この貫通穴43が溝部41の内部に形成されることで、人工芝生2から流れ落ちる水が、まず溝部41内へ流れ込み、この溝部41内を流れる水が貫通穴43を通じて下方へ流下されるので、人工芝生2から効率よく排水できるようになされる。
更にこの貫通穴43が溝部42の内部に形成されることで、貫通穴43を通じて流下した水が、溝部42内を流れて効率良く排水されるようになされる。
【0022】
また、緩衝材4の上面と下面とにそれぞれ溝部41、溝部42が形成されることで、その上方に敷設された人工芝生2と、下方の基礎層1との間に、熱膨張・収縮の差から位置ずれや歪みなどが生じた場合でも、緩衝材4が効果的にこれらを吸収し、人工芝生2への影響を抑制できる。
例えば、上方の人工芝生2が直射日光を受けるなどの要因によって温度が上昇し、下方の基礎層1より大きく熱膨張したときに、上面に形成された溝部41の溝幅が、下面に形成された溝部42の溝幅より大きくなるように緩衝材4が変形して両者の相対的な位置ずれを吸収し、人工芝生2の基布22にしわが生じるなどの影響が抑制される。
また、冬場の気温低下や降雪などの要因によって人工芝生2の温度が低下し、下方の基礎層1より小さく熱収縮したときに、溝部42の溝幅が、溝部42より小さくなるように緩衝材4が変形して、両者の相対的な位置ずれを吸収できる。
【0023】
本実施形態の緩衝材4は、上面の溝部41と下面の溝部42とをそれぞれ正方形状の格子状に形成させているので、上方に敷設させた人工芝生2と、下方の基礎層1などの層との間に熱膨張・収縮の差が生じた場合に、縦方向と横方向の両方の位置ずれや歪みなどを吸収して、その影響を抑制できる。
【0024】
図4は図1の緩衝材の直下の層に不陸が存在している状況を示す図である。
図4では、緩衝材4の直下に配置されている基礎層1の上面に、上方へ凸状に突出する不陸部11が存在している。
そして、基礎層1の上面に敷設される緩衝材4において、下面の不陸部11に当接される部分が凹み変形し、不陸部11の凸形状を緩衝材4で吸収させて、平坦となされた緩衝材4の上面に人工芝生2を敷設させた状況を表している。
詳細には、緩衝材4において、不陸部11に当接された下面ユニット45aが凹み変形してその凸形状を吸収しているが、この不陸部11による凹み変形が溝部42で遮断されて、下面ユニット45aに隣接する下面ユニット45bに凹み変形が及んでいない状況を表している。
【0025】
このように、本実施形態の緩衝材4は、下面において、格子状に形成された溝部42に囲われて設けられた矩形形状の下面ユニット45が縦横方向に多数並設されて設けられているため、直下の層の不陸を吸収するときに、下面ユニット45の変形が溝部42で遮断されやすくなされ、隣接する下面ユニット45の変形が抑制される。これにより、緩衝材4の変形を小さく抑えて効果的に直下の層の不陸を吸収できる。
【0026】
また、図4では緩衝材4の直下の層の不陸を下面ユニット45の変形で吸収する状況を説明しているが、これと同様に、緩衝材4は、その直上の層の凸凹を、上面において格子状に形成された溝部41と、これに囲われて設けられた矩形形状の上面ユニット44によって効果的に吸収できるようになされている。
即ち、緩衝材4は、その直上の層の凸凹を吸収するときに、この凸凹に当接された上面ユニット44が変形してその凸凹形状を吸収するが、この変形は溝部42で遮断されやすく、隣接する上面ユニット44に及びにくくなされている。
【0027】
また、溝部41に囲われた上面ユニット44は、直上の層の凸凹のみならず、上方の人工芝生2からの衝撃を効果的に吸収できる。
即ち、緩衝材4の上方に敷設された人工芝生2において、各種スポーツが行われる等して衝撃が加えられたとき、衝撃により生じる緩衝材4の上面における変形が、溝部41で遮断されやすくなされ、狭い範囲での上面ユニット44の変形によって効果的に衝撃を吸収できるようになされる
【0028】
図5は本発明に係る人工芝生のリニューアル方法の実施の一形態を示す断面図である。
本実施形態の人工芝生のリニューアル方法は、基礎層1の上面に敷設された既設の人工芝生6をリニューアルするため、人工芝生6を撤去して新規の人工芝生を敷設するのではなく、既設の人工芝生6の上方に緩衝材4を敷設させ、更にその上方に新規の人工芝生2を敷設させるものである。
【0029】
詳細には、既設の人工芝生6は、基布62の表面側に芝葉61が植設され、裏面側にバッキング材が塗布されている。そして各芝葉61間には粒状体が充填された粒状体層64が形成されている。
この既設の人工芝生6の上方に、緩衝材4を敷設させ、更にその上方に新規の人工芝生2を敷設させている。
本実施形態の人工芝生のリニューアル方法で用いられる緩衝材4と人工芝生2は図1〜3に示す実施形態と同じものである。
このように既設の人工芝生6の上方に、緩衝材4を介して新規の人工芝生2を敷設させることで、新規の人工芝生2と既設の人工芝生6との間に熱膨張・収縮などの差が生じても、両者の相対的な位置ずれや歪みなどを緩衝材4が吸収し、新規の人工芝生2への影響を抑制できる。
【0030】
尚、本発明に係る人工芝生の敷設構造と人工芝生のリニューアル方法は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 基礎層
11 不陸部
2 人工芝生
21 芝糸
22 基布
23 バッキング材
24 粒状体層
4 緩衝材
41 溝部
42 溝部
43 貫通穴
44 上面ユニット
45 下面ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布と、該基布に植設された複数の芝葉とを備えた人工芝生の敷設構造であって、
シート形状の緩衝材が前記基布の下方に配置されており、
前記緩衝材には格子状の溝部が上面及び下面にそれぞれ形成されていることを特徴とする人工芝生の敷設構造。
【請求項2】
前記緩衝材の上面の溝部と下面の溝部とが、それぞれ同一の方向へ沿って、且つ相互の位置を異ならせて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の人工芝生の敷設構造。
【請求項3】
既設の人工芝生の上方に、基布と、該基布に植設された複数の芝葉とを備えた新規の人工芝生を新たに敷設させる人工芝生のリニューアル方法であって、
格子状の溝部が上面及び下面にそれぞれ形成されたシート形状の緩衝材が、前記既設の人工芝生と新規の人工芝生との間に配置されていることを特徴とする人工芝生のリニューアル方法。
【請求項4】
前記緩衝材の上面の溝部と下面の溝部とが、それぞれ同一の方向へ沿って、且つ相互の位置を異ならせて形成されていることを特徴とする請求項3に記載の人工芝生のリニューアル方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−96102(P2013−96102A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238090(P2011−238090)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】