説明

人形駆動装置

【課題】 擦弦型の人形駆動装置において擦弦動作を上腕及び前腕の両方の動作で行い、押弦動作も前腕を動作させて人間により近い形で演奏動作をさせる。
【解決手段】本発明の擦弦動作は前腕9の一端にワイヤー8を自在に取り付け、ワイヤー8は、円弧上のチューブ26を通って足裏の駆動部に連結されている。
一方上腕10の動きは、駆動レバー16に連結されたワイヤー18は足裏を通って駆動部に連結されている。
ワイヤー8、18を動作させると、バイオリンの弓上下に動き1弦から4弦までの擦弦動作をする。
押弦動作はワイヤー21は肩20の中心を通って、90度折り曲げられて前腕24の上部の穴25に自在に連結されている。
ワイヤー21はワイヤー18と止め金具19で結合されておりワイヤー18の動きと同じく動き、垂直の動きから水平の動きになって、上腕24を左右に動かせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弦楽器の人形駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の弦楽器の人形駆動装置に関し弓の擦弦装置は弦楽器の弓、楽器本体に駆動するための機構を備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)
別の駆動機構として、腕そのものを動かしているものもある。(特許文献2参照)
【0003】
また、弦楽器の押弦装置はバイオリンの装置として腕、指を駆動するロボットがある(特許文献3参照)
ものの、人形駆動装置としては、まだ無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−56278
【特許文献2】特開平8−155150
【特許文献2】特開2008−229812
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上にも述べた従来の弦楽器の人形駆動装置では、バイオリンの人形駆動を例にとって見ると、弓の擦弦に関しては、動きが前腕の振り、もしくは上腕の振りのどちらかしかなく、また押弦動作の前腕の左右の動きは無く、実演する人の動作にはとても似つかないものであった。
【0006】
本発明は、人形駆動装置で弓の擦弦装置、押弦装置の両方を備え、より人間の動きに近くなるようになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために
擦弦型の人形駆動装置において、
前記人形駆動装置の腕の擦弦動作に関し、
前腕駆動手段としてワイヤーとチューブを用い
前記ワイヤーは人形の足裏を貫通して腰部よりチューブで上腕部までガイドされ、前腕の一端に自在に結合されており、
また前記人形駆動装置の上腕駆動手段としてはワイヤーを用い
前記ワイヤーは人形の足裏を貫通して上腕を前後に動作させるための上腕駆動レバーに結合されたワイヤーであって、
前記前腕駆動手段、上腕駆動手段を備える擦弦動作をする擦弦型の人形駆動装置
【0008】
擦弦型の人形駆動装置において、
前記人形駆動装置の腕の押弦動作に関し
前記駆動手段としてワイヤーを用い
前記ワイヤーは肩部を貫通して上腕の上部に自在に結合されたワイヤーであって
前記押弦動作の前腕駆動手段を備える擦弦型の人形駆動装置
【0009】
また擦弦動作をする擦弦型の人形駆動装置の前腕駆動手段のワイヤーとチューブに代って、ガイドローラーと操り紐を用い、前記操り紐は、シャフトに変わって中空のパイプの中を通って、前腕の一端に自在に結合され前腕を上下に駆動する前腕駆動手段
【0010】
押弦動作の前腕駆動手段を備える擦弦型の人形駆動装置の駆動手段として、ワイヤーに代わってガイドローラーと操り紐を用い、前記操り紐は肩を通って、前腕の下端に自在に結合され前腕を左右に駆動する前腕駆動手段。
【発明の効果】
【0011】
上述したように本発明の人形駆動装置は、右腕は前腕を回転させ、同時に上腕も4弦の位置に対応できるよう動かすことができるので、演奏者そのものの動きをすることができる。
また左腕は、上腕を左右に動かすことができ、あたかもフレットを自在に押さえているかの動作をするため、演奏者そのものの動きをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態を示す正面図
【図2】弓右側面図
【図3】擦弦上腕右図
【図4】右側面図
【図5】肘回転部断面図
【図6】回転頭上面図
【図7】回転頭側面図
【図8】上面図
【図9】同駆動部上面図
【図10】ワイヤー接続図
【図11】実施例擦弦装置正面図
【図12】実施例押弦装置正面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1を中心に図12までの図に基ずいて説明する。
【0014】
図においては、まず人形の骨格構成について説明すると1は人形の腰
3−1,3−3は脚、3,3−2は足、4は背骨、15は右肩、20は左肩、28は顔、29はミニチュアバイオリン、10は右上腕、9は右前腕、22は左上腕、24は左前腕、12は足取り付けケース、34は駆動モータ33,35は歯車である。
【0015】
本項でミニチュアバイオリン29を演奏する人形は正面図1で右腕は擦弦動作、左腕は押弦動作をする。簡単にまず動きを説明すると、本発明の擦弦動作は前腕9の一端にナイロンワイヤー8を自在に取り付け、ナイロンワイヤー8は、円弧上のチューブ6を通って足裏の駆動部に連結されている。
ナイロンワイヤーとは、ギターのナイロン弦であり、以下ワイヤーと呼ぶ
一方上腕10の動きは、駆動レバー16に連結されたワイヤー18は足裏を通って駆動部に連結されている。
ワイヤー8、18を動作させると、バイオリンの弓は上下に動き1弦から4弦までの擦弦動作をする。
押弦動作では、ワイヤー21は肩20の中心を通って、90度折り曲げられて前腕24の上部の穴25に自在に連結されている。
ワイヤー21はワイヤー18と止め金具19で結合されておりワイヤー18の動きと同じく動き垂直の動きから水平の動きになって、上腕24を左右に動かせる。
【0016】
第10図は、前腕9の左端にワイヤー8を進退自在に取り付けた断面図で、ワイヤー8はL字型に曲げられた板に開いた穴を貫通してワイヤー8の先端部26と後部26−1を圧着して抜けないようにつぶしてある。
ワイヤー8の進退により前腕9は回転軸11を中心にして回転動作をし、右先端に回転自在に取り付けられたナイロンワイヤーで構成された弓13を備えている。したがって、ワイヤー8を進退させれば弓13は上下にスライドする。
【0017】
右肩10にはワイヤー8をガイドするテフロンチューブ6を圧入固定する固定端子7が設けられておりテフロンチューブ6は円弧の形状で腰1のネジ5でねじ込まれている。ワイヤー8は、腰1と中心部にワイヤー8の通る貫通穴の開いた左脚3−1とを接続固定するネジ2の中心を通って、さらに左足3−2に切られた貫通穴の開いたネジ34−1を通って図9に示す歯車35−1の表面に中心から偏芯した位置に回転自在に取り付けられている。
31は、ネジ34−1の断面である。
【0018】
歯車35−1が回転すればワイヤー8は偏芯の2倍の距離を上下して前腕、弓が上下に動く
【0019】
上腕10の上方にはシャフト14が圧入されておりこのシャフト14は肩15を回転自在に通って一端に駆動用ワイヤーを固定したレバー16で固着されている。
ワイヤー18は腰1を貫通して右脚3−3を通って、左足と同様貫通穴の開いたネジ34−2を通って歯車35−2の表面に中心から偏芯した位置に回転自在に取り付けられている。
【0019】
歯車35−2が回転すればワイヤー18は偏芯の2倍の距離を上下して右上腕、前腕、弓が上下に動く
【0020】
一方左腕についてその動作を説明すると、左肩20に中心に穴の開いたネジ30で一端を固着された左上腕22の他端に肘23に回転自在に直立して取り付けられた左前腕24の上方に穴25が設けられている。
ワイヤー18の途中に設けられたコネクター19に圧入固定されたワイヤー21は、左肩の中心に切られたネジとネジ30の中心を貫通して、図4に示すように左前腕24の穴25に貫通している。
【0021】
したがってワイヤー18が上下するとワイヤー21は上下しながら左肩中心部を通って左右に動作し左前腕を左右に動作させる。
したがって、ワイヤー8,18,21を後述する駆動ユニットのモーター39を回転させれば、人形はあたかもバイオリンの弓を弾き、弦を押さえて演奏しているように見える。
【0022】
また、左右の肩はプレート17でネジ止めされており、プレート17の中心部にネジが加工されておりナットで背骨4に固定されている。
【0023】
背骨4はネジで構成されており腰1に上下よりダブルナットで回転自在に止められている。
【0024】
駆動部はケース12と駆動フランジ38にスタッド37で連結されており、図9で駆動部の構造を説明するとモーター39のシャフトに圧入されたウオーム42とウオームギヤー41の回転はシャフト44をとして通して歯車40、34−1に伝えられ、歯車40は、歯車33を減速して、シャフト43を通して、歯車35−2を回転させる。
【0025】
図7に示すように右腕10がV−Wへ回動することによりチューブ6はV1−W1へ移動する。
この移動変化を図6のように円筒型の頭部の耳Zにテフロンチューブ6と金具32で自在に連結すれば、頭は左右に動く。
【実施例】
【0027】
他の実施例として、図11に示すように擦弦駆動に関し、前腕駆動手段のワイヤーとチューブに代って、ガイドローラー45と操り紐48を用いる。
操り紐48はシャフト14に変わって中空のパイプ46の中を通って、前腕9の左端に自在に結合されている。
前腕9は、操り紐48を引張り、板ばね49で戻されることにより上下に駆動することができる。
【0028】
また図12に示すように押弦動作に関し、駆動手段としてワイヤーに代わってガイドローラー26と操り紐50を用いる。
操り紐50はガイドローラー26及び肩51の中を通って、ガイドローラー52,53を介して前腕24の下端54に自在に結合されてる。
前腕24は操り糸55で引っ張られ、板ばね55で戻されることによりを左右に駆動することができる。
操り紐50は肩51だけではなく肩近傍を通過しても良い。
【符号の説明】
【0029】
8 ワイヤー
9 前腕
6 チューブ
3−2 足
1 腰
10 上腕
18 ワイヤー
3 足
16 駆動レバー
21 ワイヤー
20 肩
45 ガイドローラー
48 操り紐
14 シャフト
46 中空パイプ
26 ガイドローラー
52 ガイドローラー
53 ガイドローラー
50 操り紐
24 前腕
2 腰と脚の接続中空ネジ
27 帽子
36 電池ケース
47 ガイドローラー
54 紐の止め穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
擦弦型の人形駆動装置であって、
前記人形駆動装置の腕の擦弦動作に関し、
前腕駆動手段としてワイヤーとチューブを用い
前記ワイヤーは人形の足裏を貫通して腰部よりチューブで上腕部までガイドされ、前腕の一端に自在に結合されたワイヤーであって
前記人形駆動装置の上腕駆動手段としてワイヤーを用い
前記ワイヤーは人形の足裏を貫通して上腕駆動レバーに結合されたワイヤーであって、
前記前腕駆動手段、上腕駆動手段を備えることを特徴とする擦弦型の人形駆動装置
【請求項2】
擦弦型の人形駆動装置であって、
前記人形駆動装置の腕の押弦動作に関し
前記駆動手段としてワイヤーを用い
前記ワイヤーは肩部を貫通して上腕の上部に自在に結合されたワイヤーであって
前記前腕駆動手段を備えることを特徴とする擦弦型の人形駆動装置
【請求項3】
請求項1に於いて、前腕駆動手段のワイヤーとチューブに代って、ガイドローラーと操り紐を用い、前記操り紐は、シャフト14に変わって中空のパイプ46の中を通って、前腕の一端に自在に結合され前腕を上下に駆動させる前腕駆動手段
【請求項4】
請求項2に於いて、駆動手段としてワイヤーに代わってガイドローラーと操り紐を用い、前記操り紐は肩51の中を通って、前腕の下端54に自在に結合され前腕を左右に駆動させる前腕駆動手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−240349(P2010−240349A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104515(P2009−104515)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(592223131)
【Fターム(参考)】