説明

什器システム

【課題】移動什器に設けられた受電部を外部に露呈しにくくする。
【解決手段】床面上に移動可能に設けられ、上部に天板4を具備し、天板4の下方に天面を有する空間形成部16を具備する移動什器1と、床面上に載置され、移動什器1が所定の組み合わせ状態に組み合わされる固定什器30と、固定什器30に設けられた給電部33と、移動什器1に設けられ、移動什器1が所定の組み合わせ状態となったときに給電部33からの給電を受ける受電部22とを有する什器システムにおいて、受電部22を、天面の下方に近接して配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや病院、公共施設等における執務空間、および家庭等の居住空間にて使用され、給電部が設けられたテーブル等の固定什器と、この給電部からの給電を受ける受電部が設けられたカート等の移動什器と、とを備える什器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を載置、収納する手段を有しつつ、床面上を走行可能なカート等の移動什器が知られている。このようなカートは、例えば、病院や介護施設等で病室を回診する際などに利用されており、近年、カルテなどの電子化に伴って、情報端末などの電子機器を載置可能とするカートが提案されてきている。
具体的には、床面上を走行するキャスタと、所定の向きで電子機器を載置可能な天板と、カートを操作するための操作部となる取っ手とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。そして、このようなカートでは、操作部となる取っ手を把持しながら押すことでカートを走行させて移動しつつ、天板上の電子機器を利用することが可能である。
【0003】
また、カートと、このカートの一部を収容可能に構成されたテーブル等の固定什器とを組み合わせた什器システムも知られている。カートは、例えば、テーブルの天板の下の空間に収容されるように構成されており、このような構成とすることによって、執務空間としての使い勝手及び体裁を良好とすると共に、カートとしての使い勝手及び体裁も良好に収めることができる。
【0004】
一方、カートとテーブルとを組み合わせた什器システムにおいて、カートに載置された電子機器に電力を供給したり、電子機器に用いられるバッテリーを充電したりするための装置を備えたものもある。このシステムは、テーブル側にコネクタ形状の給電部を設けると共に、カート側にテーブル側のコネクタに対応する受電部を設け、テーブル側にカートを収容した際に、コネクタ同士が接続されることで、カート側の電子機器に電力が供給されるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−46412号公報
【特許文献2】特開2008−142278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、什器システムの使用環境によっては、これら什器周辺で水や薬液を使用した作業を行うことも多い。しかしながら、上述したような給電装置を具備した什器システムの場合、誤ってコネクタ部が水や薬液がコネクタ部に接触することによって、漏電や感電してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたもので、移動什器に設けられた受電部を露呈しにくくすることができ、移動什器近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が受電部に接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる什器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の什器システムは、床面上に移動可能に設けられ、上部に天板を具備し、該天板の下方に天面を有する空間形成部を具備する移動什器と、床面上に載置され、前記移動什器が所定の組み合わせ状態に組み合わされる固定什器と、前記固定什器に設けられた給電部と、前記移動什器に設けられ、前記移動什器が前記所定の組み合わせ状態となったときに前記給電部からの給電を受ける受電部とを有する什器システムであって、前記受電部は、前記天面の下方に配置されていることを特徴としている。
【0009】
この発明に係る什器システムによれば、移動什器に設けられた受電部を露呈しにくくすることができ、什器としての体裁を良好なものとすることができる。また、移動什器近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が受電部に接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる。
【0010】
また、上記の什器システムにおいて、前記移動什器は、前記天板の下方に物品を収容するための物品収容部を備え、前記天面は、前記物品収容部の下面であるという構成としてもよい。
また、上記の什器システムにおいて、前記天面は、前記天板の下面であるという構成としてもよい。
【0011】
また、上記の什器システムにおいて、前記給電部から前記受電部へ給電可の状態で、これらが前記天板の下方に配置されていることが好ましい。
この発明に係る什器システムによれば、接続した状態における給電部及び受電部を露呈しにくくすることができ、什器としての体裁を良好なものとすることができる。また、移動什器近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が給電部と受電部の接続部に接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる。
【0012】
また、上記の什器システムにおいて、前記受電部は、前記天面の下方で、これに近接して配置されていても良い。
【0013】
また、上記の什器システムにおいて、前記固定什器は、前記移動什器の少なくとも一部を収容可能な什器収容部を有し、前記給電部は、前記什器収容部の天面の下方に設けられていることが好ましい。
この発明に係る什器システムによれば、固定什器の給電部を露呈しにくい位置に配設することができ、什器としての体裁を良好なものとすることができる。また、固定什器近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が給電部に接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる。
【0014】
また、上記の什器システムにおいて、前記移動什器及び前記固定什器の少なくとも一方に、前記給電部と前記受電部とが電気的に接続されたことを外部に示す表示装置を設けることが好ましい。
この発明に係る什器システムによれば、給電部または受電部を外方から露呈しにくい位置に配設した場合においても、これらが接続され、電力が供給されているか否かを表示装置によって確認することができ、使い勝手を良好なものとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動什器に設けられた受電部を露呈しにくくすることができ、移動什器近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が受電部に接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の什器システムの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のA方向から見たカートの側面図である。
【図3】表示装置の表示装置を示す図である。
【図4】什器システムの組み合わせ状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態の什器システムを示す斜視図である。
【図6】図5のB方向から見た什器システムの側面図である。
【図7】本発明の第三の実施形態の什器システムを示す側面図である。
【図8】本発明の第四の実施形態の什器システムを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第一の実施形態)
以下、本発明の実施形態の什器システムについて図面を参照して詳細に説明する。図1は、什器システムの全体構成を示す斜視図である。
本実施形態の什器システムは、カート1(移動什器)、固定式テーブル30(固定什器)とから構成され、床面上に固定的に設置された固定式テーブル30に対して、床面上を移動可能なカート1を組み合わせて使用することが可能となっている。また、固定式テーブル30に対して、複数のカート1を組み合わせる構成とすることができる。
【0018】
図1に示すように、カート1を固定式テーブル30に向けて前方に移動させ、カート1の進入部16に固定式テーブル30の天板32を進入させることにより、カート1の天板4上に、パソコンP等を載置したままの状態で、カート1の収容部10を、固定式テーブル30の天板32の下方に潜入させて使用することができる。
本実施形態の什器システムは、このようにカート1と固定式テーブル30を組み合わせることで、固定式テーブル30側に固定的に設けられた給電部と、カート1に設けられた受電部とが接続されるように構成されている。
【0019】
次に、本実施形態のカート1について図面を参照して詳細に説明する。図2は、図1のA方向から見たカート1の側面図である。なお、以下の説明において、図2の右方向を「前方」とし、左方向を「後方」とする。
本実施形態のカート1は、図1および図2に示すように、4つのキャスタ2と、キャスタ2により支持された金属製のフレーム3と、フレーム3の上部に載置された天板4とを主な構成要素として備えている。
【0020】
フレーム3は、側面枠6,6、ハンドル部13,13、第一天板支持材14,14、及び第二天板支持材15等からなり、カート1を構成する天板4を支持すると共に、収容部10を画定している。
【0021】
フレーム3は、側面視倒立U字形をなす左右1対の側面枠6,6によって、カート1の両側面を構成している。各側面枠6は、前部支柱61と、後部支柱62と、前部支柱61の上端から後方に向けて水平に延び、かつ後部支柱62に連結された横桟63とにより枠組みされている。4つのキャスタ2は、前部支柱61、及び後部支柱62の下端に取り付けられている。また、前部支柱61の下端と後部支柱62の下端は、それぞれ下桟8によって連結されている。さらに、一対の下桟8は、複数の連結棹8aによって連結されている。
【0022】
上下方向を向く前部支柱61は、カートの操作時に、障害物等との衝突による収容物の破損を防止する保護部材となる。前後両支柱61,62間には、複数のワイヤー部材7が上下に所望の間隔をもって前後方向に沿って架設されている。
【0023】
左右の側面枠6,6は、その前方上部間が連結杆9により連結されている。これにより、カート1の左右両側面が、左右の側面枠6,6により保護されるとともに、前後両面に、収容物の取り出し口が形成された収容部10が形成されている。
収容部10内における左右の側面枠6,6間には、収容物を収容可能な上下2段のトレイ11,11が配設されている。各トレイ11は、各側面枠6における前後両支柱61,62間に架設された支持ワイヤー部材12によって着脱自在に支持されている。
【0024】
左右の後部支柱62,62における各々の上部には、収容部10の上面より上方に離間する位置において、円弧状をなして前方に折曲させることにより、円弧状の折曲部と、前向部とが形成され、この折曲部により、カート操作用のハンドル部13,13(操作部)が、また前向部により、第一天板支持材14,14がそれぞれ形成されている。第一天板支持材14,14は、その前方端部において、第二天板支持材15により連結されている。これにより、第一天板支持材14,14、及び第二天板支持杆15は、平面視U字形をなしている。
【0025】
これら第一天板支持材14,14、及び第二天板支持材15上には、天板4が載置され、かつ固定されている。これにより、収容部10の上面と、天板支持材14,15及び天板4の下面との間には、前方および両側方に開口する、後記するテーブル30等の天板32の進入部16(空間形成部)が形成されている。つまり、進入部16は、天板4の下方に具備されており、この進入部16の天面は天板4の下面となっている。
【0026】
ハンドル部13,13である両支柱62,62の円弧状の折曲部の上面および後面には、軟質パット13aがそれぞれ設けられている。ハンドル部13,13は、収容部10より後方および両側方に突出することがないので、不使用時におけるカート収容スペースの縮小化を図ることができる。
【0027】
各第一天板支持材14には、前後1対の固定ねじ17,17によりストッパ18が固着されている。このストッパ18の上面は、第一天板支持材14の上方に突出させることにより、天板4の下面を支持する天板受け部材を兼ねている。
【0028】
天板4の下面であって、前端4bより離間した位置には、下方に突出するように直方体形状の受電側コネクタ22(受電部)が設けられている。言い換えれば、受電側コネクタ22は、進入部16の天面の下方で、これに近接して配置されている。
受電側コネクタ22の前面(図2における右側)には、オス型端子と吸着板とが設けられており、マグネットを備える給電側コネクタ33(後述する)と磁気的に吸着することによって、電気的な接続状態を確立するマグネット機構を構成している。また、受電側コネクタ22には、パソコンP等の電子機器のプラグが接続可能なコンセント(図示せず)が取り付けられている。
【0029】
前述したように、受電側コネクタ22の前面は、天板4の前端4bに対して後方に離間している。受電側コネクタ22は、具体的には、受電側コネクタ22と略同形状の給電側コネクタ33が受電側コネクタ22と接続された際(つまり、給電可の状態)、給電側コネクタ33が、カート1の天板4の下方に配置されるように、天板4の前端4bに対して十分後方に離間した位置に取り付けられている。
【0030】
天板4の上面であって、後端4aには、表示装置23が取り付けられている。図3に表示装置23の拡大図を示す。表示装置23は、板状の表示装置本体23aと、この表示装置本体23aの一面に設けられている表示画面24とから構成されており、バッテリー21の状態等を表示するものである。表示装置23の詳細については後述する。
【0031】
次に、本実施形態の固定式テーブル30について説明する。固定式テーブル30は、支柱31及び天板32を主な構成要素として有している。天板32は、任意の位置を支柱31によって支持されている。天板32は、カート1を前方に移動させた際、天板32の上面が、天板支持材14,15に接触せず、かつ、天板32の下面がフレーム6の横桟63に接触しないような高さにされている。
【0032】
図1及び図4に示すように、固定テーブル30の天板32の上面には、メス型端子とマグネットを有する給電側コネクタ33(給電部)が設けられている。給電側コネクタ33は、電力を供給が可能な、図示しない電源線と電気的に接続されている。
給電側コネクタ33は、カート1を固定式テーブル30の任意の位置まで挿入した際、受電側コネクタ22と給電側コネクタ33が接続されるような位置に配置されている。互いに磁気的に吸着された受電側コネクタ22の吸着板と給電側コネクタ33のマグネットとは、その吸着力よりも大きい外力によって、互いに離間できるように構成されている。
【0033】
天板32の下面には、所定の間隔で固定された一対の棒状の部材である、一対のカートガイド34が設けられている。カートガイド34は、カート1を固定式テーブル30に向かって前進させた際、カート1のフレーム3を当接させながらカート1の位置を修正し、受電側コネクタ22が、給電側コネクタ33に接続されるように導く部材である。
【0034】
次に、図3を参照して表示装置23について説明する。表示装置23は、表示装置本体23aと、表示画面24とから構成されている。
表示画面24には、受電側コネクタ22と給電側コネクタ33とが電気的に接続されたことを示す接続ランプ24aが表示されている。
また、表示装置23は、図示しない制御回路を備えている。この制御回路はコネクタ22,33の状態を監視しており、これにより、表示装置23は、受電側コネクタ22と給電側コネクタ33とが接続された際、接続ランプ24aと点灯させることができる。
【0035】
図4は、カート1の収容部10を、テーブル30の天板32の下方に潜入させた状態を示す。図4に示すように、カート1を、テーブル30に向けて前方に移動し、進入部16にテーブル30の天板32を進入させることにより、カート1の天板4上に、パソコンP等を載置したままの状態で、カート1の収容部10を、テーブル30の天板32の下方に潜入させて使用することができる。さらに、固定式テーブル30の給電側コネクタ33と、カート1の受電側コネクタ22とを接続させ、パソコンP等の電子機器に電力を供給することができる。
【0036】
進入部16に進入してきたテーブル30の天板32は、ハンドル部13および天板4の後端4aより前方における第一天板支持材14の下面に設けられたストッパ18に当接し、それ以上の進入が阻止されるので、ハンドル部13を握る使用者の手が、テーブル30の天板32で挟まれることがなく、また、収容部10の上面がテーブル30の天板32により、完全に覆われるのを防止し、カートの後上方からの収容物の確認、および出し入れを行うことができる。
【0037】
この際、カート1の天板4は、固定式テーブル30のカートガイド34によって、左右方向の位置が調整され、所定の位置に案内される。また、給電側コネクタ33と受電側コネクタ22とが接続されると、表示装置23の表示画面24の接続ランプ24aが点灯する。
また、図4から明らかなように、コネクタ33,22同士が接続された状態においては、受電側コネクタ22のみならず、給電側コネクタ33も天板4の下方に配置される。
【0038】
本実施形態によれば、カート1に設けられた受電側コネクタ22が、カート1の天板4の下面の下方でこれに近接して配置されていることによって、受電側コネクタ22を露呈しにくくすることができ、什器としての体裁を良好なものとすることができる。また、カート1の近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が受電側コネクタ22に接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる。
【0039】
また、コネクタ33,22同士が接続された状態においては、受電側コネクタ22のみならず、給電側コネクタ33も天板4の下方に配置される。これにより、接続した状態における給電側コネクタ33及び受電側コネクタ22を露呈しにくくすることができる。
また、表示装置23を設けたことによって、給電側コネクタ33または受電側コネクタ22を外方から露呈しにくい位置に配設した場合においても、これらが接続され、電力が供給されているか否かを確認することができ、使い勝手を良好なものとすることができる。
【0040】
また、受電側コネクタ22と給電側コネクタ33との接続機構にマグネット機構を採用した。これにより、コネクタ同士の接続の解除を忘れてカート1を固定式テーブル30から離間させるように移動させてしまった場合においても、カート1を操作する力がマグネット機構による接続力よりも大きければ、その接続が自動的に解除されるため、使用時における安全性を確保することができる。
【0041】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について図面に基づいて説明する。図5は、第二の実施形態の什器システムの全体構成を示す斜視図である。図6は、第二の実施形態の什器システムを示す側面図である。なお、以下の説明において、図6の右方向を「前方」とし、左方向を「後方」とする。
【0042】
図5に示すように、本実施形態の什器システムは、キャビネット40(移動什器)、固定式テーブル50(固定什器)とから構成され、床面上に固定的に設置された固定式テーブル50に対して、床面上を移動可能なキャビネット40を組み合わせて使用することが可能となっている。
キャビネット40は、後面に開口部を有した直方体形状の本体40aと、天板41と、本体の内部を二分割するように、本体の後面に設けられた2つの引き出し42,42と、キャスタ43とから構成されている。キャビネット40は、2つの引き出し42,42の内部に電子機器等の物品を収納が可能である。
固定テーブル50は、天板51と、垂直板52と、スタンド部53とから構成されている。
【0043】
図6の側面図に最もよく示されているように、キャビネット40の天板41は、本体40aに対して前方にやや突出している。これにより、天板41の下方には空間(空間形成部)が形成される。
受電側コネクタ44(受電部)が、この突出部における天板41の下面に、下方に突出するように設けられている。つまり、受電側コネクタ44は、前記空間の天面に近接して配置されている。受電側コネクタ44の前面(図6における右側)には、オス型端子と吸着板が設けられている。また、受電側コネクタ44には、パソコンP等の電子機器のプラグが接続可能なコンセントが取り付けられており、該コンセントは引き出し42内に配置されている。
【0044】
一方、固定式テーブル50の天板51の下方には、垂直板52から後方(図6における左側)に突出するように給電側コネクタ53が設けられている。給電側コネクタ53の後面には、メス型端子とマグネットが設けられている。給電側コネクタ53は、床面からの高さが、受電側コネクタ44と略同じ高さに設置されている。
【0045】
これらのコネクタ44,53は、キャビネット40を固定式テーブル50に向けて前方に移動し、天板51の下方に潜入させた際に、電気的に接続されるように構成されている。
【0046】
本実施形態は、キャビネット40に設けられた受電側コネクタ44がキャビネット40の天板41の下方に設けられていると共に、固定式テーブル50に設けられた給電側コネクタ53が固定式テーブル50の天板51の下方に設けられている。これにより、受電側コネクタ44に加えて、固定式テーブル50の給電側コネクタ53を外部に露呈しにくい位置に配設することができ、什器としての体裁を良好なものとすることができる。また、固定式テーブル50近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が給電側コネクタ53、及び受電側コネクタ44に接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる。
【0047】
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態について図面に基づいて説明する。図7は、第三の実施形態の什器システムを示す側面図である。なお、本実施形態では、上述した第二の実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
【0048】
図7に示すように、本実施形態のキャビネット40Aは、天板41Aの下部に物品収容部45を有しており、この物品収容部45の下面に受電側コネクタ44Aを具備している。受電側コネクタ44Aには、パソコン等の電子機器のプラグが接続可能なコンセントが取り付けられており、該コンセントは引き出し物品収容部45に配置されている。
固定テーブル50側の給電側コネクタ53Aは、床面からの高さが、この給電側コネクタ44Aと略同じ高さに設置されている。
【0049】
本実施形態は、天板41Aの下部に設けられた物品収容部45の下面に受電側コネクタ44Aを具備する構成とした。これにより、受電側コネクタ44Aに加えて、固定式テーブル50の給電側コネクタ53Aを外部に露呈しにくい位置に配設することができ、什器としての体裁を良好なものとすることができる。
【0050】
(第四の実施形態)
次に、本発明の第四の実施形態について図面に基づいて説明する。図8は、第四の実施形態の什器システムを示す側面図である。なお、本実施形態では、上述した第一の実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
【0051】
第四の実施形態の什器システムを構成するカート1Bは、第一の実施形態のカート1の受電側コネクタ22が天板4の下面に設けられていることに対し、受電側コネクタ22Bが天板4Bの下方に設けられていることを特徴としている。
具体的には、第四の実施形態のカート1Bのフレーム6を構成する一対の横桟63の間には、バッテリー部5が設けられており、受電側コネクタ22Bはこのバッテリー部5の前面に突出するように設けられている。一方、このカート1Bと組み合わされて使用される固定式テーブル30Bの天板32Bの下方には、この受電側コネクタ22Bと同じ高さになるように、給電部33Bが設けられている。
【0052】
また、受電側コネクタ22Bの上方は、天板4Bに覆われている。言い換えれば、受電側コネクタ22Bは天板4Bの下方に配置されており、これにより、受電側コネクタ22Bを露呈しにくくすることができ、什器としての体裁を良好なものとすることができる。また、カート1Bの近傍で水や薬液を使用した場合においても、水や薬液が受電側コネクタ22Bに接触することによる漏電、感電のおそれをさらに低減することができ、安全性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 カート(移動什器)
4 天板
5 バッテリー部
10 収容部
14 第一天板支持材
15 第二天板支持材
16 進入部(空間形成部)
22 受電側コネクタ(受電部)
23 表示装置
30 固定式テーブル(固定什器)
32 天板
33 給電側コネクタ(給電部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に移動可能に設けられ、上部に天板を具備し、該天板の下方に天面を有する空間形成部を具備する移動什器と、
床面上に載置され、前記移動什器が所定の組み合わせ状態に組み合わされる固定什器と、
前記固定什器に設けられた給電部と、
前記移動什器に設けられ、前記移動什器が前記所定の組み合わせ状態となったときに前記給電部からの給電を受ける受電部とを有する什器システムであって、
前記受電部は、前記天面の下方に配置されていることを特徴とする什器システム。
【請求項2】
請求項1に記載の什器システムにおいて、
前記移動什器は、前記天板の下方に物品を収容するための物品収容部を備え、
前記天面は、前記物品収容部の下面であることを特徴とする什器システム。
【請求項3】
請求項1に記載の什器システムにおいて、
前記天面は、前記天板の下面であることを特徴とする什器システム。
【請求項4】
請求項3に記載の什器システムにおいて、
前記給電部から前記受電部へ給電可の状態で、これらが前記天板の下方に配置されていることを特徴とする什器システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の什器システムにおいて、
前記受電部は、前記天面の下方で、これに近接して配置されていることを特徴とする什器システム。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の什器システムにおいて、
前記固定什器は、前記移動什器の少なくとも一部を収容可能な什器収容部を有し、
前記給電部は、前記什器収容部の天面の下方に設けられていることを特徴とする什器システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の什器システムにおいて、
前記移動什器及び前記固定什器の少なくとも一方に、前記給電部と前記受電部とが電気的に接続されたことを外部に示す表示装置を設けたことを特徴とする什器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−19877(P2012−19877A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158902(P2010−158902)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】