説明

介護実績管理支援システム、介護実績管理方法およびコンピュータプログラム

【課題】不正な介護報酬の請求等を効果的に防ぐことが可能なシステム、方法及びコンピュータプログラムの提供。
【解決手段】発信指示情報が記録された介護カードと、介護情報端末及びその入力手段と、公衆回線網通信が可能な通信管理サーバと、通信管理サーバとの通信が可能なセンターサーバとを備え、介護情報端末は、固有の識別コードと、電話機を経由して通信管理サーバとの通信要求を発信する発信手段とを有し、通信管理サーバは、固有の識別コードと電話番号が一致するかを判定する手段と、識別コードと通信時刻を関連づけて記録する手段と、を有し、センターサーバは、識別コード及び通信時刻を取得する手段と、ケアプラン情報を記憶手段に記憶する手段と、ケアプラン情報から不適切な加算項目を除外する手段と、不適切な加算項目が除外されたケアプラン情報の集計結果を出力する手段とを有することを特徴とするシステム方法及びコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームヘルパー(訪問介護員)などにより提供される介護サービスが、ケアプランに沿ったものであるかを適切に把握することを可能とする介護実績管理支援システム、介護実績管理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
平成12年4月より介護保険制度が開始され、これにより地方自治体が指定・認定を行った民間業者や福祉団体などから訪問介護サービスを受けることができるようになった。要介護者は要介護認定の判定を受けることにより、要介護度の段階に応じた限度額内でサービスを選び利用することができる。要介護者は、ケアマネージャと相談して介護サービスの計画表であるケアプランを策定し、特別な事情の変更が無い限りケアプランに基づき介護サービスを受ける。都道府県知事の指定を受けた指定介護保険事業者(以下「指定事業者」という。)は、介護サービスを希望する要介護者のケアプランに従って派遣するホームヘルパーなどの訪問スケジュールを作成する。
【0003】
平成18年4月には、新予防給付の創設と地域支援事業の創設が大きな柱とする改正介護保険法が施行されたが、要介護1〜5の訪問介護サービスについては大幅な見直しはなく、利用料も現状維持とされている。介護サービスが行われると介護保険制度で規定された所定の点数が加えられ、この点数に基づき月間報酬が算定される。指定事業者は、実際に提供したサービス内容を「実績票」としてケアマネージャに提出すると共に、「実績票」に基づいて介護報酬の9割について都道府県の国民健康保険団体連合会(以下、「国保連」という。)に請求する。国保連には、ケアマネージャからもサービス提供の実績表の結果が報告され、国保連はこれらのデータをコンピュータで照合して支給額を決定し、規定の介護報酬の支払いを行う。しかしながら、指定事業者による「実績票」の作成が適正になされず、不正な介護報酬が請求されていることが社会問題となっている。
このような状況の中、介護サービスがケアプランに従って行われたか否かを的確に把握・管理するための手法が求められている。
【0004】
特許文献1には、介護サービス開始にあたって、ヘルパーから携帯電話により派遣事業者側に設置されたサーバに対し、サービス開始時刻およびサービス内容を送信すること、サービスが終了した場合には再び携帯電話によりサービス終了時刻をホストコンピュータに送信するように定めておき、各ヘルパー毎の活動内容をデータベース蓄積することにより、ヘルパーの勤怠情報を把握して給与計算や人事管理を行うことが開示されている。
【0005】
特許文献2には、介護の開始と終了のバーコードが印刷されたカードと携帯電話機に接続して使用するバーコードリーダーと介護実績管理システムとを用い、携帯電話機に接続されているバーコードリーダーが、開始または終了のバーコードを読み取ると携帯電話機に介護開始または終了の情報とリーダー識別子を含む介護の開始または終了の通知を介護実績管理システムに送付させ、介護実績管理システムが、各被介護者のリーダー識別子と介護実績簿を記憶管理し、介護の開始または終了の通知が送付されてくると、これら通知に含まれているリーダー識別子に対応する被介護者についての介護実績として、通知の受領日時に介護の開始または終了の情報を対応付けして介護実績簿に記録し、介護実績簿の記録情報に基づいて被介護者別の介護実績を適宜に出力する、方法およびシステムが開示されている。
【0006】
特許文献3には、訪問介護員のスケジュール情報及び介護サービス要求情報を受信し、介護サービススケジュールを作成して記憶するとともに他の機器に送信するサーバと、サーバから介護サービススケジュールを受信して表示手段に表示し、入力された介護サービス実績情報を送信手段を介してサーバに送信する携帯通信端末と、サーバと前記携帯通信端末との間にて無線通信環境を提供する通信回線と、介護サービスの実績情報及び介護サービス認証情報に基づいて介護サービス利用料の通知を行う利用料金通知手段と、通知された介護サービス利用料に基づいて所定の事業者へ利用料を支払うとともに要介護者及び介護保険事業者等から利用料を徴収する金融機関とを備えた、システムおよび携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−236157号公報
【特許文献2】特開2006−33115号公報
【特許文献3】特開2002−251466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
世界的不況が騒がれる中、我が国における介護サービス市場が右肩上がりに拡大することは確実である。介護保険がスタートした平成12年度の市場規模は約3.6兆円とされているが、平成19年度予算は約7.4兆円まで拡大している。また、平成12年度は約218万人であった介護認定者数も平成20年7月現在で約460万人に増加している。このような中、介護給付の適正化をはかることは緊急の課題であるともいうべきであるが、介護サービスの分野においては体系的な管理は行われておらず、不正給付が看過される状況にある。
【0009】
このような問題は、指定事業者に所属するケアマネージャがケアプランを作成し、それに基づき指定事業者自身が介護サービスを提供するという介護システムの構造上の弊害であるということができよう。すなわち、指定事業者とケアマネージャは対立関係になく、むしろ指定事業者がケアマネージャを指揮監督する関係にあることから、利益を上げるために介護サービス提供の内容が過剰になり易いという構造上の問題が存在するのである。
他方、介護報酬は低賃金であり、指定事業者等のサービス提供者のモラルによる自浄効果を期待することは難しい。また、被保険者はそもそも介護サービスを受けるような状況にあるのであるから、被保険者によるチェック機能を期待することも難しい。
【0010】
2008年度には、厚生労働省は介護給付適正化に取り組む市町村や都道府県に対して「適正化特別対策事業」の予算を計上した。本発明は、自治体による「適正化特別対策事業」の実現を支援することを目的とする。
本発明が解決しようとする不正の具体的な内容としては、例えば次のものがある。
・架空、時間や回数の水増しによるサービス提供
・架空、サービス提供後作成などの不適切なケアプラン作成
・無資格者によるサービス提供や有資格者の名義借りによるサービス提供
・無資格者によるケアプラン作成や有資格者の名義借りによるケアプラン作成
・虚偽の指定申請、勤務予定のないホームヘルパーやケアマネージャ等を申請書に記載して申請を受けた
・人員基準違反サービス提供責任者やケアマネージャ等が不在
・同居家族に対するサービス提供利用者とホームヘルパーが同居家族であり、同居家族であるホームヘルパーが他のホームヘルパーの名義を使い請求
・対象外サービスの提供移送中の時間をサービス提供時間として請求
【0011】
本発明は、上記の不正を解決することのできる、介護実績管理支援システム、介護実績管理方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
[1]少なくとも発信指示情報が記録された介護カードと、被保険者宅に配置され、入力手段を有する介護情報端末と、通信記録を記憶する記憶手段を有し、公衆回線網を介した通信が可能な通信管理サーバと、ケアプラン情報を記憶する記憶手段を有し、通信管理サーバとの通信が可能なセンターサーバと、を備えた介護実績管理支援システムであって、前記介護情報端末は、固有の識別コードと、入力手段により介護カードの発信指示情報を読み取ると電話機を経由して通信管理サーバとの通信要求を発信する発信手段と、を有し、前記通信管理サーバは、介護情報端末からの通信要求を受信すると、固有の識別コードと電話機の電話番号が一致するかを予め記憶した情報に基づき通信の是非を判定する認証手段と、認証手段による判定が是とされた場合に識別コードと通信時刻を関連づけて前記記憶手段に記録する時刻記録手段と、を有し、前記センターサーバは、通信管理サーバの記憶手段に記憶された識別コードおよび通信時刻を取得する通信記録取得手段と、外部から取得したケアプラン情報を前記記憶手段に記憶するケアプラン取得手段と、前記記憶手段に予め登録された加算項目除外情報に基づき前記記憶手段に記憶するケアプラン情報から不適切な加算項目を除外する加算項目チェック手段と、不適切な加算項目が除外されたケアプラン情報の集計結果を出力する成果物出力手段と、を有することを特徴とする介護実績管理支援システム。
[2]前記公衆回線網を介した通信を、被保険者宅に設置された固定電話機により行い、前記通信管理サーバの認証手段は前記固定電話機の電話番号に基づき認証を行うことを特徴とする[1]の介護実績管理支援システム。
[3]前記公衆回線網を介した通信を、GPS機能を有する携帯電話機により行い、前記通信管理サーバの認証手段は前記携帯電話機の電話番号および現在位置情報に基づき認証を行うことを特徴とする[1]の介護実績管理支援システム。
[4]前記通信管理サーバは、前記認証手段による判定が是とされた場合に音声発信指示情報を前記介護情報端末に送信する手段を有し、前記介護情報端末は、前記通信管理サーバからの音声発信指示情報に基づき音声ガイダンスを発報する手段を有することを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかの介護実績管理支援システム。
[5]前記介護カードはサービス種別毎に複数あり、それぞれの介護カードにはサービス種別情報、開始時間情報および終了時間情報が記録されており、前記介護情報端末は、入力手段により読み取った介護カードの情報を通信管理サーバに送信する手段を有し、前記通信管理サーバは、介護情報端末からの受信した介護カードの情報を前記識別コードと関連づけて前記記憶手段に記録する手段を有することを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかの介護実績管理支援システム。
[6]外部から取得したケアプラン情報に基づきケアマネージャ1人あたりの担当件数を算定し、担当件数が予め設定した値を超える場合には当該ケアマネージャの情報を出力する手段を有することを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかの介護実績管理支援システム。
[7]ヘルパー等の実働者あたりの担当件数を算定し、担当件数が予め設定した値を超える場合には当該実働者の情報を出力する手段を有することを特徴とする[1]ないし[6]のいずれかの介護実績管理支援システム。
[8]サービス内容毎に適正作業時間範囲を設定し、適正作業時間範囲外の被保険者や適正作業時間範囲外が一定件数以上ある指定事業者の一覧表を出力する手段を有することを特徴とする[1]ないし[7]のいずれかの介護実績管理支援システム。
[9][1]ないし[8]のいずれかの介護実績管理支援システムにおいて用いられる介護情報端末。
[10]少なくとも発信指示情報が記録された介護カードと、固有の識別コードを有し、被保険者宅に配置され、入力手段を有する介護情報端末と、通信記録を記憶する記憶手段を有し、公衆回線網を介した通信が可能な通信管理サーバと、ケアプラン情報を記憶する記憶手段を有し、通信管理サーバとの通信が可能なセンターサーバと、により介護実績を管理する方法であって、前記介護情報端末が、前記入力手段により介護カードの発信指示情報を読み取ると電話機を経由して通信管理サーバとの通信要求を発信するステップと、前記通信管理サーバが、介護情報端末からの通信要求を受信すると、固有の識別コードと電話機の電話番号が一致するかを予め記憶した情報に基づき通信の是非を判定し、判定が是とされた場合に識別コードと通信時刻を関連づけて前記記憶手段に記録するステップと、前記センターサーバが、通信管理サーバの記憶手段に記憶された識別コードおよび通信時刻を取得するステップと、外部から取得したケアプラン情報を前記記憶手段に記憶するステップと、前記記憶手段に予め登録された加算項目除外情報に基づき前記記憶手段に記憶するケアプラン情報から不適切な加算項目を除外するステップと、不適切な加算項目が除外されたケアプラン情報の集計結果を出力するステップと、を有することを特徴とする介護実績管理支援方法。
[11]通信記録を記憶する記憶手段を有し、公衆回線網を介した通信が可能な通信管理サーバにおいて、[10]に記載の介護実績管理支援方法を実施させるコンピュータプログラム。
[12]ケアプラン情報を記憶する記憶手段を有し、通信管理サーバとの通信が可能なセンターサーバにおいて、[10]に記載の介護実績管理支援方法を実施させるコンピュータプログラム。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、指定事業者による介護サービスの提供を様々な角度からの分析結果をすることにより、不正な介護報酬の請求等を効果的に防ぐことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を介護実績管理支援システムの例で説明する。
本実施の形態の介護実績管理支援システムは、少なくとも発信指示情報が記録された介護カード7と、被保険者宅に配置される介護情報端末2およびその入力手段3と、通信記録を記憶する記憶手段を有し、公衆回線網を介した通信が可能な通信管理サーバ21と、ケアプラン情報を記憶する記憶手段を有し、通信管理サーバ21との通信が可能なセンターサーバ31と、を備えた介護実績管理支援システムであって、前記介護情報端末2は、固有の識別コードと、入力手段3により介護カード7の発信指示情報を読み取ると電話機を経由して通信管理サーバ21との通信要求を発信する発信手段と、を有し、前記通信管理サーバ21は、介護情報端末2からの通信要求を受信すると、固有の識別コードと電話機の電話番号が一致するかを予め記憶した情報に基づき通信の是非を判定する認証手段と、認証手段による判定が是とされた場合に識別コードと通信時刻を関連づけて前記記憶手段に記録する時刻記録手段と、を有し、前記センターサーバ31は、通信管理サーバ21の記憶手段に記憶された識別コードおよび通信時刻を取得する通信記録取得手段と、外部から取得したケアプラン情報を前記記憶手段に記憶するケアプラン取得手段と、前記記憶手段に予め登録された加算項目除外情報に基づき前記記憶手段に記憶するケアプラン情報から不適切な加算項目を除外する加算項目チェック手段と、不適切な加算項目が除外されたケアプラン情報の集計結果を出力する成果物出力手段と、を有することを特徴とし、好ましくは、前記公衆回線網を介した通信を、被保険者宅に設置された固定電話機により行い、前記通信管理サーバ21の認証手段は前記固定電話機の電話番号に基づき認証を行うこと、より好ましくは前記通信管理サーバ21は、前記認証手段による判定が是とされた場合に音声発信指示情報を前記介護情報端末2に送信する手段を有し、前記介護情報端末2は、前記通信管理サーバ21からの音声発信指示情報に基づき音声ガイダンスを発報する手段を有することを特徴とする介護実績管理支援システムである。
【0015】
入力手段3は、介護カード7に記録された情報を読み取るための装置であり、例えば、バーコードリーダー、磁気カードリーダー、ICタグリーダーなどである。入力手段3は、介護情報端末2と別体であってもよいし、同一筐体に設けてもよい。
上記システムにおいて、介護情報端末2と通信管理サーバ21との通信手段は、公衆電話網5に限定されず、インターネットを含む任意の有線公衆回線および/または無線公衆回線を利用することもできる。
加算項目チェック手段は、作成したケアプランと提供サービスの実績の齟齬をチェックするためのものであるが、齟齬が生じた場合を全てエラーとするのではなく、論理的に組み合わせることができない所定の組み合わせについてはエラーとして加算項目を除外し、組み合わせることは可能であるが非日常的な組み合わせについては管理者にチェックを促すものである。齟齬が生じた場合を全てエラーとしないのは、例えば、サービスの提供時間がオーバーしたとか、サービスが急に変更になったとか、急病で利用できなくなった、などの事情が生じるのがむしろ通常だからであり、指定事業者や被保険者の都合でケアプランにないサービスが提供されることも少なくないと考えられるからである。
【0016】
本実施の形態では介護情報端末2から送信する情報が特定のものに限定されているが、その技術的な意義は次のとおりである。
[1]同時アクセスによるサーバ負荷を低減すること
介護サービスの開始時間帯は、特定の時間に集中することが予測される。数百〜数万の被保険者宅10からの同時アクセスが発生する可能性があることを考慮すると、介護情報端末2から送信される情報の処理により通信管理サーバ21への一時的な負荷が極端に高くなることが想定される。そのため、通信管理サーバ21の処理負荷を低減すべく、介護情報端末2から送信する情報は最小限とすることが好ましく、例えば、「介護端末識別コード」、「訪問入時間情報」、「訪問出時間情報」のみを通信管理サーバ21に送信する仕様とすることが開示される。他の態様としては、「訪問入時間情報」、「訪問出時間情報」については、送信情報とせず、通信管理サーバ21の内蔵時計から取得し、同日における最初の通信を「始める」と判定し、2度目の通信を「終わる」と判定することで送信する情報をより少ないものとすることが開示される。
なお、後述する図3に示すようにサービス種別毎に介護カード7を設ける場合には、「サービス種別情報」についても通信管理サーバ21へ送信する必要がある。
【0017】
[2]個人情報を分散して管理すること
被保険者10の個人情報は絶対に漏洩してはならない重要な情報であり、その取り扱いには細心の注意を払う必要がある。本実施の形態では、通信管理事業者20が管理する情報を「介護端末識別コード」、「訪問入時間情報」、「訪問出時間情報」のみに限定することにより、通信管理事業者20からの個人情報の漏洩を防いでいる。ここで、本実施の形態では、総合管理事業者30が被保険者の全ての情報を参照可能としているが、総合管理事業者の管理する情報についても限定的なものとしてもよい。例えば、総合管理事業者30が、被保険者10と一対一で対応する独自の被保険者コードで集計を行い、保険者50において被保険者コードと保険者50との個人情報との紐付けを行う態様が開示される。
いずれにせよ、数百万人の母集団ともなる被保険者10と直接通信を行う通信管理事業者20に個人情報を管理させることは多大なリスクを負うことになるから、これを避けるべきである。そのような意味では、数百万人の母集団である被保険者10と直接接触することとなる後述の営業指定委託事業者61および設置指定委託事業者62も個人情報を管理することがないようにすることが望ましく、その実現形態の一例を示したものが後述する図11の組織体系である。
【0018】
[3]介護情報端末2等の機器構成を簡易にできること
介護情報端末2は、国民の基本インフラ的なものとして設置されるものであるから、汎用性が高く、かつ、価格が低廉なものでなくてはならない。また、操作者であるホームヘルパー等の中にはいわゆる機械音痴の人も存在するところ、簡易な研修で操作が可能なインターフェースを備えている必要がある。本発明では介護情報端末2が取り扱う情報を最小限とすることにより、上記の目的を実現することを可能としている。すなわち、本実施の形態でホームヘルパー等に必要とされる機械操作は、音声ガイダンスに従って介護カード7のバーコードを入力手段3で読み取ることのみである(図4参照)。また、情報量を最小限とすることにより電話回線のような通信速度が遅い通信手段も利用することが可能である。すなわち、インターネット設備が無い被保険者宅であっても容易に本発明のシステムを導入することが可能であり、僻地の被保険者宅にも容易に導入することが可能である。
【0019】
図11は、本発明を実施するために好ましい組織体系の一例であり、次の思想に基づくものである。まず、被保険者から勤怠情報を収集する通信管理事業者20と総合管理事業者30とを分けた理由が個人情報の分散管理にあることは上述した。次に、公益的法人60を設け、公益的法人60を中心とした組織体系を構築することにより、公正かつ永続的なサービスを提供することを可能としている。ここで、公益的法人60は、法律上の公益法人ではなく、その機能に着目して名称を付けたものであり、株式会社等であってもよい。
営業指定委託事業者61は、介護情報端末2および入力手段3のレンタル事業を営業する者であり、設置指定委託事業者62は、介護情報端末2および入力手段3を保険者宅に設置する者である。
【0020】
以下では、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例係る介護支援システムの概要構成図である。実施例1のシステムは、被保険者宅10に設置された介護情報端末2、入力手段3および介護カード7と、通信管理事業者20が管理する通信管理サーバ21と、総合管理事業者30が管理するセンターサーバ31と、を主要な構成要素とする。以下、これらの構成要素について順次説明する。
【0022】
介護情報端末2は、ホームヘルパー等の訪問看護者の勤怠情報を公衆電話網5を介して通信管理サーバ21に送信するための端末であり、入力手段3および電話機4に接続されている。介護情報端末2は、一意の介護端末識別コードを有しており、介護情報端末2が通信管理サーバ21にアクセスを行うと、通信管理サーバ21で電話番号と識別コードの認証処理が行われる。これにより、介護情報端末2を被保険者宅から持ち出して不正使用することを防いでいる。
通信管理サーバ21が介護情報端末2から受信し記憶する情報は、「介護端末識別コード」、「訪問入時間情報」、「訪問出時間情報」のみとしている。通信管理サーバ21で管理する情報を限定することの意義は上述のとおりである。
介護情報端末2には音声ガイダンスを発報するためのスピーカが設けられている。音声ガイダンスを利用した介護カード7の読み取り作業の手順を図4に示す。
なお、必要に応じてシステム管理者との通話を行うためのマイクや緊急時の通報用の緊急ボタンを設ける構成としてもよい。
【0023】
入力手段3は、介護カード7に印字されたバーコードを読み取るバーコードリーダーである。例えば、図2の介護カード7を用いる場合、入力手段3を介護カード7の「電話をする」のバーコードの位置に重ねると、介護情報端末2から通信管理サーバ21への発信が開始され、通信管理サーバ21からの応答に従い「始める」または「終わる」のバーコードを読み取ることで、作業の開始および終了を報告することができる。本実施例では介護情報端末2および入力手段3は、ネオレックス社製のものを使用した。
【0024】
電話機4は、原則として固定電話機を用いることとする。これは、介護情報端末2が被保険者宅にあるかどうかを確認することを容易とするためである。携帯電話を利用すると、介護情報端末2が被保険者宅から持ち出されて不正使用されるおそれがあるからである。なお、GPS(Global Positioning System)等の機能を利用して携帯電話の位置情報を取得することで介護情報端末2の不正持ち出しをチェックできるようにしてもよい。
また、本実施例では通信管理サーバ21への発信はフリーダイヤルを利用することで被保険者の負担を低減している。フリーダイヤルの費用は、介護情報端末2のレンタル料金から回収するようにした。
【0025】
介護カード7は、介護情報端末2と通信管理サーバ21との通信を行うために必要な媒体である。介護カード7には介護情報端末2に対する複数の命令と各命令に対応するバーコードが印刷されている。本実施例では、図2に示すように、「(1)電話をする(無料)」、「(2)報告をする 始める 終わる」の命令が印字され、各命令の横にバーコードが印刷されている。入力手段3でこれらのバーコードを読み取ることにより、介護情報端末2と通信管理サーバ21との通信が開始される。
本実施例における介護カード7は、訪問入時間(開始時間)および訪問出時間(終了時間)を記録することを目的とするものであり、介護サービスの種別を記録することを目的としていない。しかし、本実施例のシステムにおいて介護サービスの種別を記録することも当然可能であり、その場合には図3に示すように介護サービス毎にカードを設けてもよい。図3はその一部のみを開示するものであるが、他にも、例えば、「訪問看護」、「通所リハビリテーション」、「痴呆対応型共同生活介護」、「短期入所生活介護」、「短期入所療養介護」、「特別施設入所者生活介護」、「居宅介護支援(ケアマネージャ)」、「夜間対応型訪問介護」、「福祉用具貸与」などを設けることができる。また、介護以外のメニューを設けることもでき、例えば「ドクター訪問」などのカードを作成してもよい。
なお、本実施例では一次元バーコードを用いているが、QRコードや二次元バーコードをも使用してもよい。
【0026】
通信管理事業者20における通信記録の収集について説明する。
通信管理事業者20は、被保険者宅に設置された介護情報端末2と通信可能な通信管理サーバ21を所有している。通信管理サーバ21は、通信記録を記憶するデータベースを有しており、このデータベースには「介護端末識別コード」、「訪問入時間情報」、「訪問出時間情報」のみが関連づけて記憶される。通信管理事業者20は「介護端末識別コード」と被保険者を紐付ける情報を有していないから、被保険者の個人情報を入手することはできないようになっている。したがって、通信管理事業者20から個人情報が漏洩するおそれはない。
通信管理サーバ21に蓄積された通信記録は、所定のタイミングでセンターサーバ31に送信される。通信管理サーバ21とセンターサーバ31との通信は、インターネットを経由して行われるが、VPN(Virtual Private Network)でセッションがはられているため、情報漏洩のおそれはない。なお、通信管理サーバ21とセンサーサーバ31との通信はVPNに限定されず、セキュリティを保つことができるのであれば他の通信方法(例えば専用線通信)を採用してもよい。
【0027】
総合管理会社30は、センターサーバ31と管理用端末32を有している。センターサーバ31はデータベースを有しており、このデータベースには通信管理サーバ21に蓄積された通信記録と共にケアプランや被保険者の個人情報等が格納されている。管理用端末32はセンターサーバ31に各種指令を送信するためのパーソナルコンピュータであり、総合管理会社30外の遠隔地に配置してもよい。
総合管理事業者30には、保険者50の所轄地域に属するケアマネージャ40a、40b…からケアプラン8a、8b…が配送される。ケアプラン8は紙媒体で配送されることもあれば、csv等の電子情報として配送されることもある。
総合管理会社30は、「介護端末識別コード」と被保険者を紐付ける情報を有していることから、通信管理サーバ21に蓄積された通信記録に基づき居宅介護の実績票や居宅サービス実施集計表等の成果物を出力することが可能である。出力した成果物は、保険者50へcsv等の電子情報または紙媒体で配送される。保険者50毎に納品形態は異なるが、絶対に漏洩が許されない個人情報であるため、公衆回線を経由して送信を行う場合には暗号化を行うことが必要であり、物理的な搬送手段を用いる場合にはGPS等により位置情報を追跡可能なとすることが好ましい。
以下では、成果物を出力するために必要な居宅サービス実施集計について説明する。
【0028】
居宅サービス実施集計は、1ヶ月の訪問実績を保険者単位で発行することを目的として行われる。また、介護支援事業所の実績を、保険者の所属するところの被保険者の対応実績を事業所番号単位で集計して出力することを目的とする。
本実施例で集計の対象とするサービスは次の表1に示すとおりである。なお、表1中、「コード」は、国保連の提供する介護給付費単位数等サービスコードの下二桁を意味する。
【0029】
【表1】

【0030】
また、本実施例における集計項目は次の表2に示すとおりである。
【0031】
【表2】

【0032】
加算項目の除外については、加算できない組み合わせを予め登録しておくことにより自動的に行うことができる。除外される組み合わせの一例をあげると、通所リハビリテーションにおいて、不当な「食事加算」、「送迎加算」、「入浴加算」、「地域加算」、「リハビリ加算」、「管理指導加算」がある場合には、エラーとして排除することが開示される。
なお、居宅サービス実施集計において実施時間の順序でサービス計画と照合すると、同じ日に同じサービスが複数計画されている場合には不整合が生じることがあるので留意する。
【0033】
図5は、ケアプランの一例を示すものである。
本実施例のシステムにおいては、ケアプラン8を、基本情報データ部81、サービス内容データ部82、および予定データ部83の部分に分けて把握する。
基本情報データ部81は、被保険者の基本情報が入力される部分であり、毎月の変更が生じることが少ない部分である。サービス内容データ部82および予定データ部83は、被保険者に対するサービス内容が記入される部分であり、毎月変動が生じ得る。
ケアマネージャから回収するケアプラン8は、データの場合もあれば紙の場合もある。また、ケアマネージャが使用するケアプラン作成用ソフトの仕様は統一されておらず、データ形式は様々である。将来的にケアプラン作成用ソフトの仕様が統一された場合はともかく、現状においては手入力やOCRによる読み取りも交えてケアプランを電子化する必要がある。ここで、予定データ部83についてはもっぱら数字が記入されるため、OCRによる読み取りに親和性が高い。基本情報データ部81における保険者番号と被保険者番号の欄についても同様である。基本情報データ部81については一部の情報のみを取得し、残りの情報は過去に入力した情報を再利用することもできる。サービス内容データ部82についても、サービス内容自体は規定のコード群から選択して入力されるのであるから、規定のコード群と文字列のマッチングを行うことによりOCR読み取り精度を高める手段や、規定のコード群をドロップダウン入力することにより入力者の負荷を低減する手段を設けることが好ましい。
【0034】
図6は、本実施例のシステムにより出力される成果物の一つである居宅サービス実施集計表を示すものである。図6に示すように、本実施例の帳票では、「無印回数」、「遅刻回数」、「早退回数」を一目で把握することが可能である。もちろん、事業所名ごとに「無印回数」、「遅刻回数」、「早退回数」について棒グラフや折れ線グラフなどの種々のグラフを出力することも可能である。
より詳細な勤怠情報を出力することも可能であるが、本実施例ではそのような選択は行わなかった。なぜなら、勤怠情報に基づき月間報酬が算定されるところ、厳密な数字を出力した場合には、月間報酬とシステムにより出力される勤怠情報との間に必ず齟齬が生じるからである。ホームヘルパー等が機械操作スキルにばらつきがあるし、システム的に時間管理をすることによりサービスレベルが低下することも考えられるため、全てをシステムに依存するのは現実的ではない。予定時間と5分程度のずれが生じても遅刻や早退とカウントしないという融通のきく運用を行うことが好ましい。そのような意味では、管理者が任意の閾値を設定し、閾値の範囲内においては遅刻や早退とカウントしないようにする機能を設けることが好ましい。
【0035】
また、居宅サービス実施集計においては、ケアマネージャ1人あたりの担当件数を算定し、担当件数が予め設定した値(例えば35件)を超える場合には、警告を表示したり設定値を超えるケアマネージャの一覧表を出力する機能を持たせることが好ましい。
また、ヘルパー等の実働者あたりの担当件数を算定し、担当件数が予め設定した値を超える場合には、警告を表示したり設定値を超える指定事業者の一覧表を出力する機能を持たせることが好ましい。この際、実働者の有する資格も参照できる機能を持たせることがより好ましい。
また、サービス内容毎に適正作業時間範囲を設定し、適正作業時間範囲外の被保険者や適正作業時間範囲外が一定件数以上ある指定事業者の一覧表を出力する機能を持たせることが好ましい。適正作業時間範囲としては、例えば、サービスとして居宅サービス計画が計上されている場合に、訪問時間が極端に短い時間(例えば数分)であるときにはエラーとして排除することが開示される。
また、ケアプランと実績の乖離が激しい指定事業者の一覧表を出力する機能を持たせるようにしてもよい。
【0036】
《実証試験》
本実施例のシステムを用いて、ある自治体における介護報酬の増減を記録した。実証試験の条件は次のとおりである。
【0037】
保険者: 広島県S町
担当者: S町介護保険課
実績報告方式: 一か月分を被保険者別に一覧表(図6)で提出
市町村の利用方法: サービス事業所の指導
方式: 居宅の被保険者宅にある記録端末を使用してデータ収集
操作: 始めと終わりにバーコード読み取り
通信方式: 固定電話に設置(通話料無料)
実施期間: 6ヶ月(継続中)
【0038】
上記実証試験の結果を示したものが図7〜10である。図7〜10を見ると分かるように、本実施例のシステムを導入することによりある自治体における介護報酬が右肩下がりに低減可能であることが確認できた。また、実証試験を開始した8月と実証試験の最終の1月を比べると、単月あたりの出費を約48万円削減することができた。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1に係る介護支援システムの概要構成図である。
【図2】実施例1に係る介護カードである。
【図3】介護カードの他の構成例を示す図面である。
【図4】実施例1に係る介護支援システムにおける処理フローである。
【図5】ケアプランの一例を示す図面である。
【図6】本実施例のシステムにより出力される被保険者別の居宅サービス実施集計表である。
【図7】実施例1に係る実証試験における介護報酬の増減を示す表である。
【図8】図7の各項目を示した折れ線グラフである。
【図9】図7の合計を示した折れ線グラフである。
【図10】実施例1に係る実証試験における介護実体調査表である。
【図11】本発明を実施するために好ましい組織体系の一例を示す図面である。
【符号の説明】
【0040】
1 介護支援システム
2 介護情報端末
3 入力手段(読取装置)
4 電話機
5 公衆電話網
6 インターネット
7 介護カード
8 ケアプラン
10 被保険者
20 通信管理事業者
21 通信管理サーバ
30 総合管理事業者
31 センターサーバ
32 管理用端末
40 ケアマネージャ
50 保険者
60 公益的法人
61 営業委託事業者
62 設置委託事業者
81 基本情報データ部
82 サービス内容データ部
83 予定データ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも発信指示情報が記録された介護カードと、被保険者宅に配置され、入力手段を有する介護情報端末と、通信記録を記憶する記憶手段を有し、公衆回線網を介した通信が可能な通信管理サーバと、ケアプラン情報を記憶する記憶手段を有し、通信管理サーバとの通信が可能なセンターサーバと、を備えた介護実績管理支援システムであって、
前記介護情報端末は、固有の識別コードと、入力手段により介護カードの発信指示情報を読み取ると電話機を経由して通信管理サーバとの通信要求を発信する発信手段と、を有し、
前記通信管理サーバは、介護情報端末からの通信要求を受信すると、固有の識別コードと電話機の電話番号が一致するかを予め記憶した情報に基づき通信の是非を判定する認証手段と、認証手段による判定が是とされた場合に識別コードと通信時刻を関連づけて前記記憶手段に記録する時刻記録手段と、を有し、
前記センターサーバは、通信管理サーバの記憶手段に記憶された識別コードおよび通信時刻を取得する通信記録取得手段と、外部から取得したケアプラン情報を前記記憶手段に記憶するケアプラン取得手段と、前記記憶手段に予め登録された加算項目除外情報に基づき前記記憶手段に記憶するケアプラン情報から不適切な加算項目を除外する加算項目チェック手段と、不適切な加算項目が除外されたケアプラン情報の集計結果を出力する成果物出力手段と、を有することを特徴とする介護実績管理支援システム。
【請求項2】
前記公衆回線網を介した通信を、被保険者宅に設置された固定電話機により行い、前記通信管理サーバの認証手段は前記固定電話機の電話番号に基づき認証を行うことを特徴とする請求項1の介護実績管理支援システム。
【請求項3】
前記公衆回線網を介した通信を、GPS機能を有する携帯電話機により行い、前記通信管理サーバの認証手段は前記携帯電話機の電話番号および現在位置情報に基づき認証を行うことを特徴とする請求項1の介護実績管理支援システム。
【請求項4】
前記通信管理サーバは、前記認証手段による判定が是とされた場合に音声発信指示情報を前記介護情報端末に送信する手段を有し、
前記介護情報端末は、前記通信管理サーバからの音声発信指示情報に基づき音声ガイダンスを発報する手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの介護実績管理支援システム。
【請求項5】
前記介護カードはサービス種別毎に複数あり、それぞれの介護カードにはサービス種別情報、開始時間情報および終了時間情報が記録されており、
前記介護情報端末は、入力手段により読み取った介護カードの情報を通信管理サーバに送信する手段を有し、
前記通信管理サーバは、介護情報端末からの受信した介護カードの情報を前記識別コードと関連づけて前記記憶手段に記録する手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの介護実績管理支援システム。
【請求項6】
外部から取得したケアプラン情報に基づきケアマネージャ1人あたりの担当件数を算定し、担当件数が予め設定した値を超える場合には当該ケアマネージャの情報を出力する手段を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの介護実績管理支援システム。
【請求項7】
ヘルパー等の実働者あたりの担当件数を算定し、担当件数が予め設定した値を超える場合には当該実働者の情報を出力する手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの介護実績管理支援システム。
【請求項8】
サービス内容毎に適正作業時間範囲を設定し、適正作業時間範囲外の被保険者や適正作業時間範囲外が一定件数以上ある指定事業者の一覧表を出力する手段を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの介護実績管理支援システム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかの介護実績管理支援システムにおいて用いられる介護情報端末。
【請求項10】
少なくとも発信指示情報が記録された介護カードと、固有の識別コードを有し、被保険者宅に配置される介護情報端末およびその入力手段と、通信記録を記憶する記憶手段を有し、公衆回線網を介した通信が可能な通信管理サーバと、ケアプラン情報を記憶する記憶手段を有し、通信管理サーバとの通信が可能なセンターサーバと、により介護実績を管理する方法であって、
前記介護情報端末が、前記入力手段により介護カードの発信指示情報を読み取ると電話機を経由して通信管理サーバとの通信要求を発信するステップと、
前記通信管理サーバが、介護情報端末からの通信要求を受信すると、固有の識別コードと電話機の電話番号が一致するかを予め記憶した情報に基づき通信の是非を判定し、判定が是とされた場合に識別コードと通信時刻を関連づけて前記記憶手段に記録するステップと、
前記センターサーバが、通信管理サーバの記憶手段に記憶された識別コードおよび通信時刻を取得するステップと、外部から取得したケアプラン情報を前記記憶手段に記憶するステップと、前記記憶手段に予め登録された加算項目除外情報に基づき前記記憶手段に記憶するケアプラン情報から不適切な加算項目を除外するステップと、不適切な加算項目が除外されたケアプラン情報の集計結果を出力するステップと、を有することを特徴とする介護実績管理支援方法。
【請求項11】
通信記録を記憶する記憶手段を有し、公衆回線網を介した通信が可能な通信管理サーバにおいて、請求項10に記載の介護実績管理支援方法を実施させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
ケアプラン情報を記憶する記憶手段を有し、通信管理サーバとの通信が可能なセンターサーバにおいて、請求項10に記載の介護実績管理支援方法を実施させるコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−205229(P2010−205229A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53120(P2009−53120)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(509067005)株式会社おもいやり (1)
【Fターム(参考)】