仕分システム
【課題】商品収容器に正確な配送先の情報を付随させることができる仕分システムを提供する。
【解決手段】仕分システムでは、店舗にそれぞれ関連付けられた複数の仕分区画5が形成され、各仕分区画5には、当該仕分区画5内へ赤外線信号を発信する個数表示器2が設けられる。これらの仕分区画5には、赤外線信号を受信可能な配送先表示装置3が取り付けられたカゴ車6が配置される。そして、個数表示器2は、自装置が設けられた仕分区画5に係る店舗の情報を示す赤外線信号を発信する。この赤外線信号は当該仕分区画5内への指向性をもって発信されることから、当該仕分区画5に配置されたカゴ車6に付随する配送先表示装置3に受信される。これにより、配送先表示装置3には正確な店舗の情報が配信され、配送先表示装置3がその情報を表示することで、カゴ車6に正確な店舗の情報を付随させることが可能となる。
【解決手段】仕分システムでは、店舗にそれぞれ関連付けられた複数の仕分区画5が形成され、各仕分区画5には、当該仕分区画5内へ赤外線信号を発信する個数表示器2が設けられる。これらの仕分区画5には、赤外線信号を受信可能な配送先表示装置3が取り付けられたカゴ車6が配置される。そして、個数表示器2は、自装置が設けられた仕分区画5に係る店舗の情報を示す赤外線信号を発信する。この赤外線信号は当該仕分区画5内への指向性をもって発信されることから、当該仕分区画5に配置されたカゴ車6に付随する配送先表示装置3に受信される。これにより、配送先表示装置3には正確な店舗の情報が配信され、配送先表示装置3がその情報を表示することで、カゴ車6に正確な店舗の情報を付随させることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品収容器に商品を投入して仕分けを行う仕分システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店舗向けの物流センター(配送センターや出荷センター等)においては、店舗から受注した個数に応じた各種商品を取り揃える仕分け作業を、仕分システムを用いて行うことが一般的となっている。このような仕分システムとして代表的にはソーティングシステムが知られている。
【0003】
ソーティングシステムでは、商品の配送先となる複数の店舗にそれぞれ対応するように複数の仕分区画が設けられており、これら複数の仕分区画のそれぞれには仕分個数を表示する個数表示器が配置される。作業者は、仕分対象となる同一種類の商品を搬送しつつ、各仕分区画に載置されたカゴ車やコンテナ等の商品収容器に、個数表示器に表示された個数分の商品を投入する。このような作業を、商品の種類ごとに繰り返すことにより、店舗から受注した個数分の各種類の商品が正しく取り揃えられるようになっている。
【0004】
仕分けされた商品は、商品収容器に収容された状態で店舗まで搬送される。この商品収容器は汎用的に利用されるものであることから、仕分作業後の商品収容器はいずれの店舗に対応するかが判別できなくなる可能性がある。このため、各商品収容器には、配送先となる店舗名を記載したラベルが貼付されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。
【0006】
【特許文献1】特開平8−310620号公報
【特許文献2】特開2005−301030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような店舗名を記載したラベルを貼付する作業は、人為的な作業であるため、労力が必要であるとともに、ラベルを誤って異なる商品収容器に貼付するという作業ミスが生じる可能性がある。このような作業ミスがあると、そのラベルに従って商品収容器が別の店舗に配送される事態が生じてしまう。
【0008】
また、近年では、仕分区画と店舗との対応関係は市場の動向等に応じて随時に変更されることから、このような作業ミスが生じる可能性が高くなってきている。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、商品収容器に正確な配送先の情報を付随させることができる仕分システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数の商品収容器に商品を投入して仕分けを行う仕分システムであって、前記商品収容器を配置可能で、かつ、前記商品の配送先にそれぞれ関連付けられた複数の仕分区画と、前記複数の仕分区画にそれぞれ設けられ、当該仕分区画内への指向性をもって無線信号を発信する発信装置と、前記複数の商品収容器にそれぞれ付随し、かつ、前記無線信号を受信可能な表示装置と、を備え、前記発信装置は、自装置が設けられる前記仕分区画に係る前記配送先の情報を示す前記無線信号を発信し、前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記配送先の情報を表示可能である。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の仕分システムにおいて、前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、前記商品収容器の変更の旨に基づいて、当該仕分区画における前記商品収容器の利用順番を取得する手段と、をさらに備え、前記発信装置は、前記利用順番を示す無線信号を発信し、前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記利用順番を表示可能である。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の仕分システムにおいて、前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、前記仕分区画ごとに、投入すべき商品の情報を登録した仕分情報を記憶する手段と、前記商品収容器の変更の旨と前記仕分情報とに基づいて、当該仕分区画において前記商品収容器ごとに投入された商品の情報を取得する手段と、をさらに備え、前記発信装置は、前記投入された商品の情報を示す無線信号を発信し、前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記投入された商品の情報を表示可能である。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の仕分システムにおいて、前記表示装置は、表示内容を変更する操作を受け付ける手段、を備え、前記表示装置は、前記操作に応答して、前記配送先の情報と前記投入された商品の情報とを切り替えて表示可能である。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の仕分システムにおいて、前記表示装置は、表示内容の書き替えが可能で、かつ、駆動電力の非供給状態において前記表示内容を維持する表示デバイス、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないし5の発明によれば、仕分区画に係る配送先の情報を示す無線信号が、当該仕分区画内への指向性をもって発信装置から発信されるため、その無線信号は当該仕分区画内に配置された商品収容器に付随する表示装置に受信される。このため、表示装置に正確な配送先の情報を配信でき、表示装置がその配送先の情報を表示することで、商品収容器に正確な配送先の情報を付随させることができる。
【0016】
また、特に請求項2の発明によれば、商品収容器の利用順番が表示装置に表示されるため、商品収容器が何番目に利用されたものであるかを容易に把握できる。
【0017】
また、特に請求項3の発明によれば、商品収容器に投入された商品の情報が表示装置に表示されるため、商品収容器の収容物を容易に把握できる。
【0018】
また、特に請求項4の発明によれば、商品収容器の配送先と、商品収容器の収容物とを必要に応じて確認できる。
【0019】
また、特に請求項5の発明によれば、電力の消費量を大幅に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
<1.構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る仕分システム100の概要を表す上面図である。この仕分システム100は、作業者Pが仕分対象の商品を台車7などで搬送しつつ、固定配置される仕分区画5内のカゴ車6に商品を投入することで仕分けを行うように構成されたソーティングシステムである。図1に示す領域は、作業領域としての一つの単位となり、「ゾーン」Zと呼ばれる。作業スペースには、同様のゾーンZが複数形成されている。
【0022】
各ゾーンZには、一つの操作端末4が設けられている。この操作端末4は、ディスプレイ41、機能スイッチ42及びバーコードリーダ43等を有しており、各種の情報の表示や入力が可能となっている。
【0023】
また、一つのゾーンZには、作業者Pが仕分作業を行うための一つの通路8が形成されている。そして、この通路8を挟むようにして、複数の仕分区画5が直線的に2列に設けられている。作業スペースの床面には、仕分区画5の境界を明確にするための枠線51が形成される。すなわち、枠線51で規定される各矩形枠内の直上空間が、それぞれ仕分区画5として機能する。仕分区画5のそれぞれは、配送先となる店舗に予め関連付けされている。
【0024】
図2は、並んだ3つの仕分区画5を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、各仕分区画5にはそれぞれ、商品を収容可能な可搬性の商品収容器である1つのカゴ車6が配置される。このカゴ車6は、「ロールボックスパレット」とも呼ばれる一の側面が開放したカゴを備えて構成される移動可能な台車であり、その正面となる開放面を通路8に向けて配置される。仕分作業中には、これらのカゴ車6に対して、当該仕分区画5に関連付けられた店舗へ発送すべき商品が投入される。そして、仕分作業の完了後には、カゴ車6は商品を収容した状態でそのまま店舗に配送される。
【0025】
仕分作業中において仕分区画5に載置されたカゴ車6が商品で満杯となると、作業者Pの判断により交換される。すなわち、満杯となったカゴ車6が仕分区画5から外され、新たな空のカゴ車6が仕分区画5に配置され、その後は新たなカゴ車6に対して商品の投入が続行される。したがって、一つの店舗に複数のカゴ車6が配送されることもある。このようなカゴ車6は、各店舗に対応して専用的に利用されるわけではなく、汎用的に利用されるようになっている。
【0026】
また、図1及び図2に示すように、複数の仕分区画5のそれぞれには個数表示器2が設けられている。これら個数表示器2は、複数の仕分区画5の列の上部を横断するフレーム50に対して固定される。個数表示器2は、配置された仕分区画5に関して仕分けを行うべき商品の個数である仕分個数(すなわち、当該仕分区画5に対応する店舗から受注した商品の個数)を表示する。
【0027】
図3は、個数表示器2の構成を示す正面図である。個数表示器2は、仕分個数としての数値を表示するセグメント方式のディスプレイ21と、作業が必要な旨を示す作業ランプ25と、作業者Pの操作を受け付ける完了ボタン22及び満杯ボタン23とを備えている。完了ボタン22は一の種類の商品の投入が完了した旨を作業者Pから受け付けるものであり、満杯ボタン23はカゴ車6が満杯となった旨を作業者Pから受け付けるものである。なお、個数表示器2の別構成として、ディスプレイ21や作業ランプ25が完了スイッチとしての機能を有してもよい。
【0028】
個数表示器2はその内部に、CPUやメモリ等を備えたコンピュータで構成される制御部24を備えている。この制御部24により、個数表示器2の表示動作などが制御される。また、制御部24のメモリには、当該個数表示器2が配置される仕分区画5に係る区画コードが記憶されている。区画コードは、各仕分区画5を識別するための識別コードである。仕分区画5と個数表示器2とは一対一の関係で対応しているため、この区画コードは当該個数表示器2を識別するための識別コードとしても利用される。
【0029】
また、個数表示器2の右側部は、無線信号である赤外線信号を送受信する通信部26となっている。これにより、個数表示器2は、赤外線信号を発信する発信装置、及び、赤外線信号を受信する受信装置としても機能する。通信部26における赤外線信号の送受信面27は、個数表示器2の下面に設けられている。つまり、通信部26は、個数表示器2の下方への指向性をもって通信を行う。図2に示すように、個数表示器2は、仕分区画5の上部に配置されることから、自装置が配置される仕分区画5内への指向性をもって赤外線信号の発信及び受信を行うことになる。
【0030】
また、図2に示すように、一つのカゴ車6には、各種情報を電子的に表示する機能を有する一つの配送先表示装置3が取り付けられている。この配送先表示装置3は、カゴ車6に付随してそのカゴ車6と共に移動されるものであり、付随先のカゴ車6の配送先となる店舗の情報を主に表示する。
【0031】
図4は、配送先表示装置3の構成を示す図である。配送先表示装置3はその前面に、情報を表示するためのディスプレイ31、及び、表示切替スイッチ35を備えている。ディスプレイ31は、ドットマトリクス方式の液晶表示デバイスで構成され、種々の情報を各種の文字フォントや図形を用いて表示することが可能である。表示切替スイッチ35は、ディスプレイ31の表示内容を変更する操作を受け付けるものであり、必要に応じてユーザに操作される。
【0032】
また、配送先表示装置3は、赤外線信号を受信及び発信する通信部32を備えている。この通信部32は、配送先表示装置3の上面に設けられた送受信面を介して、個数表示器2の通信部26との間で赤外線信号の送信及び受信を行うことが可能である。
【0033】
図2に示すように、配送先表示装置3は、カゴ車6の正面(開放面)に向かって右側の側面に取り付けられる。このため、カゴ車6を仕分区画5へ配置すると、当該カゴ車6の配送先表示装置3は、個数表示器2の通信部26のほぼ直下に配置されることから、その個数表示器2との間で通信することが可能となる。
【0034】
赤外線信号は指向性が比較的強い(通信可能範囲が比較的狭い)ことから、配送先表示装置3が、自装置が配置される仕分区画5とは異なる仕分区画5の個数表示器2との間で通信を行うことはない。また、仕分区画5の外にカゴ車6が移動されると、配送先表示装置3は個数表示器2との間で通信することは不可能となる。
【0035】
図4に戻り、配送先表示装置3はその内部に、装置全体を制御する制御部33と、装置全体に電力を供給するバッテリ34とを備えている。制御部33は、CPUやメモリ等を備えたコンピュータで構成されている。通信部32で受信した赤外線信号に含まれる情報は、制御部33の制御により、メモリに記憶されるとともにディスプレイ31に表示されることになる。
【0036】
また、仕分システム100は、システム全体を統括的に制御するホストコンピュータを備えている。図5は、このホストコンピュータ1を含む仕分システム100の全体構成を示すブロック図である。
【0037】
図に示すように、ホストコンピュータ1には、各ゾーンZの操作端末4が通信ケーブル101を介して有線接続されている。また、各ゾーンZにおいては、操作端末4に対して個数表示器2の表示を制御する表示コントローラ20が通信ケーブル102を介して有線接続され、さらに、この表示コントローラ20に対して各個数表示器2が通信ケーブル103を介して有線接続されている。この構成により、ホストコンピュータ1は、各ゾーンZの個数表示器2に対して、各種情報や制御信号を有線通信により送信するようになっている。
【0038】
各個数表示器2の制御部24は通信手段としても機能する。ある個数表示器2に仕分個数を表示させる場合においては、当該個数表示器2に係る区画コードと仕分個数とを含む制御信号がホストコンピュータ1から発信される。この制御信号は、操作端末4を介して表示コントローラ20に入力される。表示コントローラ20は、この制御信号を受信すると、当該制御信号に含まれる区画コードに係る個数表示器2を特定し、当該個数表示器2の制御部24に制御信号を送信する。これにより、個数表示器2のディスプレイ21に仕分個数が表示されることになる。
【0039】
逆に、個数表示器2において完了ボタン22や満杯ボタン23が押下されると、これに応答して、その制御部24がメモリに記憶された区画コードとともにその旨を示す操作信号を表示コントローラ20に送信する。操作信号は、操作端末4を介してホストコンピュータ1に入力される。これにより、ホストコンピュータ1は、いずれの個数表示器2でいずれの操作が行われたかを認識できることになる。また、操作端末4において操作された情報もホストコンピュータ1に入力されるようになっている。
【0040】
また、ホストコンピュータ1は、特定の仕分区画5に配置されたカゴ車6の配送先表示装置3に対して、各種情報や制御信号を送信することも可能である。ある仕分区画5に存在する配送先表示装置3に表示すべき情報を送信する場合には、当該仕分区画5の個数表示器2に対して、上記の仕分個数を表示させる場合と同様にして、表示すべき情報を含む制御信号が送信される。個数表示器2の制御部24は、これに応答して、受信した制御信号を赤外線信号に変換して通信部26から発信させる。このとき、個数表示器2の下方に配送先表示装置3が存在すれば、当該配送先表示装置3に赤外線信号が受信される。赤外線信号が配送先表示装置3に正常に受信されたか否かは、配送先表示装置3から返信される返答信号により確認される。
【0041】
このように、ホストコンピュータ1から配送先表示装置3に対して情報を送信する場合においては、ホストコンピュータ1から個数表示器2までは通信ケーブル101〜103を利用した有線通信で行われ、個数表示器2から配送先表示装置3までは赤外線信号を利用した無線通信で行われることになる。
【0042】
ホストコンピュータ1のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。図6は、ホストコンピュータ1の基本構成を示す図である。図に示すように、ホストコンピュータ1は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク14、各種表示を行うディスプレイ15、キーボードやマウスなどで構成される入力部16、及び、個数表示器2等と通信を行うための通信部17を備えている。
【0043】
ホストコンピュータ1のハードディスク14には、専用のプログラムが予め記憶されており、このプログラムに従ってCPU11が演算処理を行うことにより、ホストコンピュータ1としての各種機能が実現される。このホストコンピュータ1のハードディスク14には、さらに、仕分システム100の動作に必要なテーブルデータである作業テーブルT1も記憶されている。
【0044】
作業テーブルT1は、各仕分区画5にいずれの商品をいくつ仕分けるべきかの仕分情報を主に示すものであり、仕分作業はこの作業テーブルT1の登録内容に基づいて行われる。作業テーブルT1は、仕分作業前に各店舗からの受注に基づいて作成される。
【0045】
図7は、作業テーブルT1の一例を示す図である。図に示すように、作業テーブルT1は、複数のレコードR1から構成されるテーブル形式のデータである。一のレコードR1は一の店舗に対応し、当該店舗から受注した商品の個数を示すようになっている。すなわち、一のレコードR1は、一の仕分区画5に関して必要な作業量(投入すべき商品の個数)を示すことになる。
【0046】
各レコードR1は、当該仕分区画5の「区画コード」と、当該仕分区画5に対応する店舗に係る店舗データDaと、当該仕分区画5に投入すべき商品についての商品データDbとから構成される。店舗データDaには、「店舗名」、「店舗コード」及び「連絡先」等の店舗を特定する情報が含まれている。「店舗名」は配送先となる店舗の名称であり、「店舗コード」はその店舗を識別するための識別コードである。
【0047】
また、商品データDbにおいては、一の種類の商品に係る情報が一のサブレコードR2として登録されている。サブレコードR2のそれぞれには、「商品コード」、「商品名」、「仕分個数」及び「カゴ車番号」が含まれている。「商品コード」は当該商品を識別するための識別コードであり、「商品名」は当該商品の名称であり、「仕分個数」は当該商品を投入すべき個数である。また、「カゴ車番号」は、仕分作業において、当該商品が何番目に載置されたカゴ車6に投入されたかを示す情報である。この「カゴ車番号」は仕分作業前には空欄とされており、その内容は仕分作業中に順次に登録される。
【0048】
<2.仕分作業>
次に、仕分システム100を利用した仕分作業について説明する。なお以下では、説明を簡単にするため、ある一つの仕分区画5に注目し、主にその注目した仕分区画5に係る作業や処理の流れについて説明する。以下、注目する仕分区画5を「注目区画」といい、他の仕分区画5と区別する。図8は、注目区画に係る作業や処理の流れを示す図である。実際には、この図8と同様の作業や処理が、全ての仕分区画5に関して並列的に行われることになる。
【0049】
まず、ホストコンピュータ1の初期化処理として、CPU11が取り扱う変数である「順番変数」が「1」に設定される。「順番変数」は、その時点で注目区画に配置されているカゴ車6が何番目に利用されたものであるかの利用順番を示すものである。ホストコンピュータ1のCPU11は、複数の仕分区画5ごとに「順番変数」を管理している(ステップS1)。
【0050】
次に、注目区画に空のカゴ車6が作業者Pによって配置される。このカゴ車6には配送先表示装置3が予め取り付けられている。この時点では、配送先表示装置3において、情報の表示はなされていない(ステップS2)。
【0051】
次に、実際の仕分作業が行われる。すなわちまず、作業者Pは、仕分対象となる一の種類の商品を台車7で搬送し、その商品に付された商品コードを示すバーコードを操作端末4のバーコードリーダ43に読み取らせる。
【0052】
読み取られた商品コードはホストコンピュータ1に送信される。これに応答して、ホストコンピュータ1のCPU11により、作業テーブルT1のうち注目区画に係るレコードR1が参照され、当該商品コードに対応するサブレコードR2の「仕分個数」が注目区画の個数表示器2に送信される。これにより、注目区画の個数表示器2のディスプレイ21に「仕分個数」が表示され、作業ランプ25が点灯される。またこの際、当該サブレコードR2の「カゴ車番号」にはその時点の「順番変数」が登録される(ステップS3)。
【0053】
なお実際には、このステップS3の動作は一のゾーンZに含まれる全ての仕分区画5について同時並列的になされる。すなわち、一の種類の商品のバーコードの読み取りにより、注目区画と同一ゾーンZに含まれる全ての仕分区画5の個数表示器2に仕分個数が一斉に表示されることになる。
【0054】
作業者Pは、表示された「仕分個数」に従って、その個数分の商品を注目区画に配置されたカゴ車6に投入する。そして、投入が完了すると個数表示器2の完了ボタン22を押下する。これにより、一の種類の商品の注目区画に係る投入が完了した旨がホストコンピュータ1に受け付けられ、注目区画の個数表示器2及び作業ランプ25が消灯される(ステップS4)。
【0055】
以降、作業者Pは、ステップS3及びS4の作業を仕分対象となる商品の種類ごとに繰り返すことになる。この繰り返しにより、作業テーブルT1の注目区画に係るレコードR1の各サブレコードR2の「カゴ車番号」には、その時点の「順番変数」が順次に登録されていくことになる。
【0056】
また、このような作業を繰り返している間にカゴ車6が商品で満杯となった場合は、作業者Pはカゴ車6を交換する必要がある。この際、作業者Pはカゴ車6を交換する前に、個数表示器2の満杯ボタン23を押下する(ステップS6にてYes)。これにより、ホストコンピュータ1に所定の信号が送信され、カゴ車6を変更する旨がCPU11に取得される。
【0057】
これに応答してまず、CPU11により、作業テーブルT1の注目区画に係るレコードR1が参照され、当該レコードR1の店舗データ(「店舗名」、「店舗コード」及び「連絡先」等)が取得される。この店舗データは、注目区画に関連付けられた店舗の情報を示すことになる(ステップS7)。
【0058】
次に、CPU11により、交換前のカゴ車6に投入された全ての商品が特定される。すなわち、当該レコードR1のサブレコードR2のうち「カゴ車番号」にその時点の「順番変数」が格納されているものが抽出される。このとき抽出されたサブレコードR2は、交換前のカゴ車6に投入された商品についてのものとなる。そして、CPU11により、抽出されたサブレコードR2の内容(「商品コード」、「商品名」及び「仕分個数」等)、すなわち、交換前のカゴ車6に投入された商品のみについての商品データ(以下、「特定商品データ」という。)が取得される(ステップS8)。
【0059】
次に、取得された店舗データ及び特定商品データ、並びに、その時点の「順番変数」が、ホストコンピュータ1から注目区画の個数表示器2に有線通信で送信される。さらに、この個数表示器2から、これら店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」を示す赤外線信号が注目区画内に向けて送信される。つまり、個数表示器2は、自装置が設けられる仕分区画に係る配送先の情報と、当該仕分区画にその時点で配置されているカゴ車6の利用順番と、当該カゴ車6に投入された商品の情報とを示す赤外線信号を発信することになる(ステップS9)。
【0060】
この赤外線信号は、注目区画内に配置された交換前のカゴ車6の配送先表示装置3に受信され、赤外線信号が示す店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」は、制御部33のメモリに記憶される。そして、制御部33の制御により、受信した店舗データ及び「順番変数」に基づく表示内容がディスプレイ31に表示される。
【0061】
図9は、このときのディスプレイ31の表示の一例を示す図である。図に示すように、ディスプレイ31には、受信した店舗データに基づいて、「店舗名」3a、「店舗コード」3b及び「連絡先」3cなど、配送先となる店舗についての各種情報が表示される。また、ディスプレイ31の右上には、受信した「順番変数」に基づいて、当該カゴ車6の利用順番3dも表示されることになる。作業者Pは、このような配送先表示装置3の表示により、当該カゴ車6をいずれの店舗に配送すべきかを明確に把握できるとともに、当該カゴ車6の利用順番も容易に把握できることになる。
【0062】
また、図9の状態で、表示切替スイッチ35が操作されると、その操作に応答してディスプレイ31の表示内容が切り替えられ、図10に示すように、受信した商品データ及び「順番変数」に基づく表示内容がディスプレイ31に表示される。
【0063】
図10に示すように、ディスプレイ31には、受信した商品データに基づいて、「商品名」及び「仕分個数」など、当該カゴ車6に投入された全ての商品の情報3eが表示されている。またこの場合でも、ディスプレイ31の右上には当該カゴ車6の利用順番3dも表示される。作業者Pは、このような配送先表示装置3の表示を確認することにより、当該カゴ車6に収容された商品の具体的な内容を容易に把握できることになる。なお、図10の状態で、表示切替スイッチ35が操作されると、ディスプレイ31の表示内容は図9のものに再び切り替えられる。
【0064】
このようにして配送先表示装置3に各種情報が送信されると、次に、CPU11により「順番変数」がインクリメント(+1)される(図8:ステップS10)。この「順番変数」は、次に載置されるカゴ車6の利用順番である。このように、カゴ車6の変更の旨に応答して「順番変数」をインクリメントしていくことで、注目区画におけるカゴ車6の利用順番を取得できることになる。
【0065】
その後は、新たなカゴ車6が注目区画に配置され(ステップS2)、上記と同様にして、当該新たなカゴ車6に対して商品の投入がなされていくことになる(ステップS3及びS4)。
【0066】
この過程で、新たなカゴ車6が商品で満杯となった場合にも満杯ボタン23が押下され、ステップS7〜S10の動作がなされる。すなわち、上記と同様にして、注目区画に関連付けられた店舗の店舗データが取得されるとともに(ステップS7)、当該カゴ車6に投入された全ての商品が特定されその商品についての特定商品データが取得される(ステップS8)。そして、店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」が当該カゴ車6の配送先表示装置3に対して送信される(ステップS9)。
【0067】
これにより、当該カゴ車6の配送先表示装置3においても、図9及び図10と同様の表示を行うことが可能となる。ただし、カゴ車6が2番目に利用されるものであれば、そのカゴ車6に付随する配送先表示装置3には利用順番3dとして「2」と表示され、また、商品の情報3eとして当該カゴ車6に投入された商品の情報が表示される。その後、「順番変数」がインクリメントされる(ステップS10)。
【0068】
前述のように、カゴ車6に投入された商品は、作業テーブルT1の「カゴ車番号」に記載された「順番変数」に基づいて特定される。また、この「順番変数」は、カゴ車6を変更する旨を受け付ける毎にインクリメントされるものである(ステップS10)。つまり、直近2回のカゴ車6の変更の旨の相互間に投入された商品が、当該カゴ車6に投入された商品として特定されるわけである。換言すれば、カゴ車6の変更の旨と作業テーブルT1とに基づいて、カゴ車6ごとに投入された商品の情報が取得されることになる。
【0069】
このような処理(ステップS3,S4,S6〜S10)は、仕分対象となる全ての種類の商品についての注目区画への投入が完了するまで(ステップS5にてNoの間)行われる。全ての種類の商品の投入完了は、作業者Pが完了ボタン22を押下した時点で、作業テーブルT1の注目区画に係るレコードR1において「カゴ車番号」が空欄となるサブレコードR2が存在しないことをもって判断される。
【0070】
全ての種類の商品についての投入が完了した場合は(ステップS5にてYes)、まず、ステップS7と同様にして、注目区画に関連付けられた店舗の店舗データが取得される(ステップS11)。次に、ステップS8と同様にして、当該カゴ車6に投入された全ての商品が特定され、その商品についての特定商品データが取得される(ステップS12)。そして、店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」が当該カゴ車6の配送先表示装置3に対して送信される(ステップS13)。これにより、最後に利用したカゴ車6の配送先表示装置3においても、図9及び図10と同様の表示を行うことが可能となる。
【0071】
以上により注目区画に係る作業や処理は完了する。商品が収容されたカゴ車6は、その後、トラックなどに積まれて注目区画に係る店舗に配送される。各カゴ車6に付随された配送先表示装置3はバッテリ34で駆動するため、図9のような配送先となる店舗の情報の表示は配送中や配送後においても維持される。このため、配送を担当する作業者は、この配送先表示装置3の表示を視認することで、当該カゴ車6の配送先を容易に把握できることになる。また、必要に応じて図10のような商品の情報3eを配送先表示装置3に表示させることができるため、カゴ車6ごとに収容された商品を容易に把握できることになる。
【0072】
このように本実施の形態の仕分システム100では、カゴ車6を配置するための複数の仕分区画5が形成されており、これら複数の仕分区画5は複数の店舗にそれぞれ関連付けられている。また、各仕分区画5には、当該仕分区画5内への指向性をもって赤外線信号を発信する個数表示器2が設けられている。一方で、カゴ車6には、赤外線信号を受信可能な配送先表示装置3が取り付けられている。そして、個数表示器2は、自装置が設けられた仕分区画5に係る店舗の情報を示す赤外線信号を発信する。この赤外線信号は当該仕分区画5内への指向性をもって発信されることから、当該仕分区画5に配置されたカゴ車6に付随する配送先表示装置3に受信される。これにより、配送先表示装置3には正確な店舗の情報が配信され、配送先表示装置3がその情報を表示することで、カゴ車6に正確な店舗の情報を付随させることが可能となる。このため、カゴ車6を取り扱う作業員は、カゴ車6の配送先となる正しい店舗を容易に把握でき、カゴ車6の誤配送を防止できる。
【0073】
また、ホストコンピュータ1から配送先表示装置3に対して情報を送信する際には、ホストコンピュータ1から個数表示器2までは有線通信で行われ、個数表示器2から配送先表示装置3までは赤外線通信で行われる。つまり、赤外線通信は、各仕分区画5に設けられる個数表示器2ごとに行われる。したがって、赤外線信号は指向性が比較的強いことから、複数の仕分区画5において赤外線通信を並列的に行うことも可能である。
【0074】
ここで仮に、一つの信号発信装置を利用して、全ての配送先表示装置3に対して赤外線信号を同時期に送信する場合を想定する。この場合には、赤外線信号同士の混信による通信不良を避けるため、全ての配送先表示装置3に係る赤外線信号を直列的に送信せざるを得ない。一般に赤外線信号の送信にはある程度の時間幅が必要となるため、この場合には、全ての赤外線信号を送信するまでに膨大な時間を要することになる。これに対して、本実施の形態の仕分システム100では、複数の仕分区画5において赤外線通信を並列的に行うことが可能であるため、全ての配送先表示装置3に対して赤外線信号を送信したとしても、1回の送信に必要な時間幅のみで全ての赤外線信号を送信可能であり、送信時間を大幅に短縮することが可能である。
【0075】
また、カゴ車6に付随する配送先表示装置3には店舗の情報の他に、当該カゴ車6の利用順番や、当該カゴ車6に投入された商品の情報も表示可能であるため、カゴ車6を取り扱う作業員は、それらの内容も必要に応じて確認することが可能である。
【0076】
<3.第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、配送先表示装置3のディスプレイ31は液晶表示デバイスで構成されていたが、「電子ペーパ」とも呼ばれる、表示内容の書き替えが可能で、かつ、駆動電力の非供給状態において表示内容を維持する不揮発性の表示デバイスで構成してもよい。
【0077】
不揮発性の表示デバイスとしては、例えば、特許文献2に開示されているものが利用可能である。以下、このような不揮発性の表示デバイスについて簡単に説明する。
【0078】
図11は、不揮発性の表示デバイスで構成されるディスプレイ31の断面図である。図に示すように、ディスプレイ31は、ガラスなどの透明材料で構成される2つの基板91,92を所定の間隔を隔てて平行に備えている。これらの2つの基板91,92の相互間には、空間を仕切るように所定の間隔毎に隔壁93が形成される。この隔壁93によって仕切られた空間のそれぞれが一つの画素90として機能する。表示面側(図中、矢印Arで示す側)からディスプレイ31を見た場合、このような画素90がマトリクス状に配置されている。
【0079】
各画素90においては、基板91及び基板92のそれぞれの内部側の面に、ITOなどで構成された電極94,95が設けられている。さらに、これらの電極94,95及び隔壁93で囲まれた空間内には、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質で構成される2種類の粒子96,97が封入されている。これら2種類の粒子のうちの一方は所定の色で着色された有色粒子96であり、他方は白色の白色粒子97となっている。また、有色粒子96は比較的高電位に帯電しており、白色粒子97は比較的低電位に帯電している。
【0080】
このような構成の画素90において、図12に示すように表示面側とは逆の背面側の電極95の電位が高くなるように電極94,95間に電位差を与えると、クーロン力により、高電位に帯電した有色粒子96が表示面側に移動し、低電位に帯電した白色粒子97が背面側に移動する。したがって、表示面側から当該画素90を見ると、当該画素は有色粒子96の色に見えることになる。
【0081】
一方、図13に示すように表示面側の電極94の電位が高くなるように電極94,95間に電位差を与えると、クーロン力により、高電位に帯電した有色粒子96が背面側に移動し、低電位に帯電した白色粒子97が表示面側に移動する。したがって、表示面側から当該画素90を見ると、当該画素は白色に見えることになる。
【0082】
このように電極94,95に与える電位差を各画素毎に制御することにより、各画素の発色/非発色状態を切り替えることができる。これにより、ディスプレイ31は、各種の画像を表示することができ、その表示内容の書き替えが可能となっている。また、粒子96,97の性質により駆動電力が供給されない状態においても、粒子96,97の位置は保持される。このため、ディスプレイ31への駆動電力の非供給状態においても、表示内容が維持されることになる。
【0083】
配送先表示装置3のディスプレイ31は、基本的には配送先となる店舗の情報を常時に表示するようになっている。このため、ディスプレイ31として不揮発性の表示デバイスを採用すれば、表示内容の書き替え時以外は電力を消費することがないため、液晶表示デバイス等を採用した場合と比較し、駆動電力の消費量を大幅に抑制することが可能となる。
【0084】
<4.その他の変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。もちろん、以下で説明する形態を適宜に組み合わせてもよい。
【0085】
上記実施の形態では、個数表示器2と配送先表示装置3との間の無線通信には赤外線通信が利用されていたが、個数表示器2が自装置が配置される仕分区画5内への指向性をもって無線信号を発信できるならば、他の無線通信方式を採用してもよい。例えば、RFID技術に用いられる無線通信方式を採用してもよい。
【0086】
また、上記実施の形態ではカゴ車6に配送先表示装置3が取り付けられていたが、カゴ車6の内部に商品とともに配送先表示装置3を収容することで、カゴ車6に配送先表示装置3を付随させるようになっていてもよい。
【0087】
また、上実施の形態では、配送先表示装置3において配送先の情報と投入された商品の情報とが切り替えて表示されるようになっていたが、これらが同一画面に同時に表示されてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態のいずれにおいても、可搬性の商品収容器としてはカゴ車6に限定されず、例えばコンテナやパレット台などであってもよい。商品収容器としてコンテナを用いる場合は、商品を載置する商品ラックの内部空間を複数の領域に区分し、この複数の領域のそれぞれを商品の配送先にそれぞれ関連付けられた仕分区画として機能させてもよい。また、仕分区画の境界に仕切板などを配置し、隣接する仕分区画が物理的に区分けされるようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】仕分システムの概要を表す上面図である。
【図2】仕分区画を示す斜視図である。
【図3】個数表示器の構成を示す図である。
【図4】配送先表示装置の構成を示す図である。
【図5】仕分システムの全体構成を示すブロック図である。
【図6】ホストコンピュータの基本構成を示す図である。
【図7】作業テーブルの一例を示す図である。
【図8】作業や処理の流れを示す図である。
【図9】配送先表示装置の表示の一例を示す図である。
【図10】配送先表示装置の表示の一例を示す図である。
【図11】不揮発性の表示デバイスで構成される表示部の断面図である。
【図12】不揮発性の表示デバイスの画素の状態の一例を示す図である。
【図13】不揮発性の表示デバイスの画素の状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
2 個数表示器
3 配送先表示装置
5 仕分区画
6 カゴ車
26 通信部
31 ディスプレイ
32 通信部
35 表示切替スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品収容器に商品を投入して仕分けを行う仕分システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店舗向けの物流センター(配送センターや出荷センター等)においては、店舗から受注した個数に応じた各種商品を取り揃える仕分け作業を、仕分システムを用いて行うことが一般的となっている。このような仕分システムとして代表的にはソーティングシステムが知られている。
【0003】
ソーティングシステムでは、商品の配送先となる複数の店舗にそれぞれ対応するように複数の仕分区画が設けられており、これら複数の仕分区画のそれぞれには仕分個数を表示する個数表示器が配置される。作業者は、仕分対象となる同一種類の商品を搬送しつつ、各仕分区画に載置されたカゴ車やコンテナ等の商品収容器に、個数表示器に表示された個数分の商品を投入する。このような作業を、商品の種類ごとに繰り返すことにより、店舗から受注した個数分の各種類の商品が正しく取り揃えられるようになっている。
【0004】
仕分けされた商品は、商品収容器に収容された状態で店舗まで搬送される。この商品収容器は汎用的に利用されるものであることから、仕分作業後の商品収容器はいずれの店舗に対応するかが判別できなくなる可能性がある。このため、各商品収容器には、配送先となる店舗名を記載したラベルが貼付されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。
【0006】
【特許文献1】特開平8−310620号公報
【特許文献2】特開2005−301030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような店舗名を記載したラベルを貼付する作業は、人為的な作業であるため、労力が必要であるとともに、ラベルを誤って異なる商品収容器に貼付するという作業ミスが生じる可能性がある。このような作業ミスがあると、そのラベルに従って商品収容器が別の店舗に配送される事態が生じてしまう。
【0008】
また、近年では、仕分区画と店舗との対応関係は市場の動向等に応じて随時に変更されることから、このような作業ミスが生じる可能性が高くなってきている。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、商品収容器に正確な配送先の情報を付随させることができる仕分システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数の商品収容器に商品を投入して仕分けを行う仕分システムであって、前記商品収容器を配置可能で、かつ、前記商品の配送先にそれぞれ関連付けられた複数の仕分区画と、前記複数の仕分区画にそれぞれ設けられ、当該仕分区画内への指向性をもって無線信号を発信する発信装置と、前記複数の商品収容器にそれぞれ付随し、かつ、前記無線信号を受信可能な表示装置と、を備え、前記発信装置は、自装置が設けられる前記仕分区画に係る前記配送先の情報を示す前記無線信号を発信し、前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記配送先の情報を表示可能である。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の仕分システムにおいて、前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、前記商品収容器の変更の旨に基づいて、当該仕分区画における前記商品収容器の利用順番を取得する手段と、をさらに備え、前記発信装置は、前記利用順番を示す無線信号を発信し、前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記利用順番を表示可能である。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の仕分システムにおいて、前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、前記仕分区画ごとに、投入すべき商品の情報を登録した仕分情報を記憶する手段と、前記商品収容器の変更の旨と前記仕分情報とに基づいて、当該仕分区画において前記商品収容器ごとに投入された商品の情報を取得する手段と、をさらに備え、前記発信装置は、前記投入された商品の情報を示す無線信号を発信し、前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記投入された商品の情報を表示可能である。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の仕分システムにおいて、前記表示装置は、表示内容を変更する操作を受け付ける手段、を備え、前記表示装置は、前記操作に応答して、前記配送先の情報と前記投入された商品の情報とを切り替えて表示可能である。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の仕分システムにおいて、前記表示装置は、表示内容の書き替えが可能で、かつ、駆動電力の非供給状態において前記表示内容を維持する表示デバイス、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないし5の発明によれば、仕分区画に係る配送先の情報を示す無線信号が、当該仕分区画内への指向性をもって発信装置から発信されるため、その無線信号は当該仕分区画内に配置された商品収容器に付随する表示装置に受信される。このため、表示装置に正確な配送先の情報を配信でき、表示装置がその配送先の情報を表示することで、商品収容器に正確な配送先の情報を付随させることができる。
【0016】
また、特に請求項2の発明によれば、商品収容器の利用順番が表示装置に表示されるため、商品収容器が何番目に利用されたものであるかを容易に把握できる。
【0017】
また、特に請求項3の発明によれば、商品収容器に投入された商品の情報が表示装置に表示されるため、商品収容器の収容物を容易に把握できる。
【0018】
また、特に請求項4の発明によれば、商品収容器の配送先と、商品収容器の収容物とを必要に応じて確認できる。
【0019】
また、特に請求項5の発明によれば、電力の消費量を大幅に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
<1.構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る仕分システム100の概要を表す上面図である。この仕分システム100は、作業者Pが仕分対象の商品を台車7などで搬送しつつ、固定配置される仕分区画5内のカゴ車6に商品を投入することで仕分けを行うように構成されたソーティングシステムである。図1に示す領域は、作業領域としての一つの単位となり、「ゾーン」Zと呼ばれる。作業スペースには、同様のゾーンZが複数形成されている。
【0022】
各ゾーンZには、一つの操作端末4が設けられている。この操作端末4は、ディスプレイ41、機能スイッチ42及びバーコードリーダ43等を有しており、各種の情報の表示や入力が可能となっている。
【0023】
また、一つのゾーンZには、作業者Pが仕分作業を行うための一つの通路8が形成されている。そして、この通路8を挟むようにして、複数の仕分区画5が直線的に2列に設けられている。作業スペースの床面には、仕分区画5の境界を明確にするための枠線51が形成される。すなわち、枠線51で規定される各矩形枠内の直上空間が、それぞれ仕分区画5として機能する。仕分区画5のそれぞれは、配送先となる店舗に予め関連付けされている。
【0024】
図2は、並んだ3つの仕分区画5を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、各仕分区画5にはそれぞれ、商品を収容可能な可搬性の商品収容器である1つのカゴ車6が配置される。このカゴ車6は、「ロールボックスパレット」とも呼ばれる一の側面が開放したカゴを備えて構成される移動可能な台車であり、その正面となる開放面を通路8に向けて配置される。仕分作業中には、これらのカゴ車6に対して、当該仕分区画5に関連付けられた店舗へ発送すべき商品が投入される。そして、仕分作業の完了後には、カゴ車6は商品を収容した状態でそのまま店舗に配送される。
【0025】
仕分作業中において仕分区画5に載置されたカゴ車6が商品で満杯となると、作業者Pの判断により交換される。すなわち、満杯となったカゴ車6が仕分区画5から外され、新たな空のカゴ車6が仕分区画5に配置され、その後は新たなカゴ車6に対して商品の投入が続行される。したがって、一つの店舗に複数のカゴ車6が配送されることもある。このようなカゴ車6は、各店舗に対応して専用的に利用されるわけではなく、汎用的に利用されるようになっている。
【0026】
また、図1及び図2に示すように、複数の仕分区画5のそれぞれには個数表示器2が設けられている。これら個数表示器2は、複数の仕分区画5の列の上部を横断するフレーム50に対して固定される。個数表示器2は、配置された仕分区画5に関して仕分けを行うべき商品の個数である仕分個数(すなわち、当該仕分区画5に対応する店舗から受注した商品の個数)を表示する。
【0027】
図3は、個数表示器2の構成を示す正面図である。個数表示器2は、仕分個数としての数値を表示するセグメント方式のディスプレイ21と、作業が必要な旨を示す作業ランプ25と、作業者Pの操作を受け付ける完了ボタン22及び満杯ボタン23とを備えている。完了ボタン22は一の種類の商品の投入が完了した旨を作業者Pから受け付けるものであり、満杯ボタン23はカゴ車6が満杯となった旨を作業者Pから受け付けるものである。なお、個数表示器2の別構成として、ディスプレイ21や作業ランプ25が完了スイッチとしての機能を有してもよい。
【0028】
個数表示器2はその内部に、CPUやメモリ等を備えたコンピュータで構成される制御部24を備えている。この制御部24により、個数表示器2の表示動作などが制御される。また、制御部24のメモリには、当該個数表示器2が配置される仕分区画5に係る区画コードが記憶されている。区画コードは、各仕分区画5を識別するための識別コードである。仕分区画5と個数表示器2とは一対一の関係で対応しているため、この区画コードは当該個数表示器2を識別するための識別コードとしても利用される。
【0029】
また、個数表示器2の右側部は、無線信号である赤外線信号を送受信する通信部26となっている。これにより、個数表示器2は、赤外線信号を発信する発信装置、及び、赤外線信号を受信する受信装置としても機能する。通信部26における赤外線信号の送受信面27は、個数表示器2の下面に設けられている。つまり、通信部26は、個数表示器2の下方への指向性をもって通信を行う。図2に示すように、個数表示器2は、仕分区画5の上部に配置されることから、自装置が配置される仕分区画5内への指向性をもって赤外線信号の発信及び受信を行うことになる。
【0030】
また、図2に示すように、一つのカゴ車6には、各種情報を電子的に表示する機能を有する一つの配送先表示装置3が取り付けられている。この配送先表示装置3は、カゴ車6に付随してそのカゴ車6と共に移動されるものであり、付随先のカゴ車6の配送先となる店舗の情報を主に表示する。
【0031】
図4は、配送先表示装置3の構成を示す図である。配送先表示装置3はその前面に、情報を表示するためのディスプレイ31、及び、表示切替スイッチ35を備えている。ディスプレイ31は、ドットマトリクス方式の液晶表示デバイスで構成され、種々の情報を各種の文字フォントや図形を用いて表示することが可能である。表示切替スイッチ35は、ディスプレイ31の表示内容を変更する操作を受け付けるものであり、必要に応じてユーザに操作される。
【0032】
また、配送先表示装置3は、赤外線信号を受信及び発信する通信部32を備えている。この通信部32は、配送先表示装置3の上面に設けられた送受信面を介して、個数表示器2の通信部26との間で赤外線信号の送信及び受信を行うことが可能である。
【0033】
図2に示すように、配送先表示装置3は、カゴ車6の正面(開放面)に向かって右側の側面に取り付けられる。このため、カゴ車6を仕分区画5へ配置すると、当該カゴ車6の配送先表示装置3は、個数表示器2の通信部26のほぼ直下に配置されることから、その個数表示器2との間で通信することが可能となる。
【0034】
赤外線信号は指向性が比較的強い(通信可能範囲が比較的狭い)ことから、配送先表示装置3が、自装置が配置される仕分区画5とは異なる仕分区画5の個数表示器2との間で通信を行うことはない。また、仕分区画5の外にカゴ車6が移動されると、配送先表示装置3は個数表示器2との間で通信することは不可能となる。
【0035】
図4に戻り、配送先表示装置3はその内部に、装置全体を制御する制御部33と、装置全体に電力を供給するバッテリ34とを備えている。制御部33は、CPUやメモリ等を備えたコンピュータで構成されている。通信部32で受信した赤外線信号に含まれる情報は、制御部33の制御により、メモリに記憶されるとともにディスプレイ31に表示されることになる。
【0036】
また、仕分システム100は、システム全体を統括的に制御するホストコンピュータを備えている。図5は、このホストコンピュータ1を含む仕分システム100の全体構成を示すブロック図である。
【0037】
図に示すように、ホストコンピュータ1には、各ゾーンZの操作端末4が通信ケーブル101を介して有線接続されている。また、各ゾーンZにおいては、操作端末4に対して個数表示器2の表示を制御する表示コントローラ20が通信ケーブル102を介して有線接続され、さらに、この表示コントローラ20に対して各個数表示器2が通信ケーブル103を介して有線接続されている。この構成により、ホストコンピュータ1は、各ゾーンZの個数表示器2に対して、各種情報や制御信号を有線通信により送信するようになっている。
【0038】
各個数表示器2の制御部24は通信手段としても機能する。ある個数表示器2に仕分個数を表示させる場合においては、当該個数表示器2に係る区画コードと仕分個数とを含む制御信号がホストコンピュータ1から発信される。この制御信号は、操作端末4を介して表示コントローラ20に入力される。表示コントローラ20は、この制御信号を受信すると、当該制御信号に含まれる区画コードに係る個数表示器2を特定し、当該個数表示器2の制御部24に制御信号を送信する。これにより、個数表示器2のディスプレイ21に仕分個数が表示されることになる。
【0039】
逆に、個数表示器2において完了ボタン22や満杯ボタン23が押下されると、これに応答して、その制御部24がメモリに記憶された区画コードとともにその旨を示す操作信号を表示コントローラ20に送信する。操作信号は、操作端末4を介してホストコンピュータ1に入力される。これにより、ホストコンピュータ1は、いずれの個数表示器2でいずれの操作が行われたかを認識できることになる。また、操作端末4において操作された情報もホストコンピュータ1に入力されるようになっている。
【0040】
また、ホストコンピュータ1は、特定の仕分区画5に配置されたカゴ車6の配送先表示装置3に対して、各種情報や制御信号を送信することも可能である。ある仕分区画5に存在する配送先表示装置3に表示すべき情報を送信する場合には、当該仕分区画5の個数表示器2に対して、上記の仕分個数を表示させる場合と同様にして、表示すべき情報を含む制御信号が送信される。個数表示器2の制御部24は、これに応答して、受信した制御信号を赤外線信号に変換して通信部26から発信させる。このとき、個数表示器2の下方に配送先表示装置3が存在すれば、当該配送先表示装置3に赤外線信号が受信される。赤外線信号が配送先表示装置3に正常に受信されたか否かは、配送先表示装置3から返信される返答信号により確認される。
【0041】
このように、ホストコンピュータ1から配送先表示装置3に対して情報を送信する場合においては、ホストコンピュータ1から個数表示器2までは通信ケーブル101〜103を利用した有線通信で行われ、個数表示器2から配送先表示装置3までは赤外線信号を利用した無線通信で行われることになる。
【0042】
ホストコンピュータ1のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。図6は、ホストコンピュータ1の基本構成を示す図である。図に示すように、ホストコンピュータ1は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク14、各種表示を行うディスプレイ15、キーボードやマウスなどで構成される入力部16、及び、個数表示器2等と通信を行うための通信部17を備えている。
【0043】
ホストコンピュータ1のハードディスク14には、専用のプログラムが予め記憶されており、このプログラムに従ってCPU11が演算処理を行うことにより、ホストコンピュータ1としての各種機能が実現される。このホストコンピュータ1のハードディスク14には、さらに、仕分システム100の動作に必要なテーブルデータである作業テーブルT1も記憶されている。
【0044】
作業テーブルT1は、各仕分区画5にいずれの商品をいくつ仕分けるべきかの仕分情報を主に示すものであり、仕分作業はこの作業テーブルT1の登録内容に基づいて行われる。作業テーブルT1は、仕分作業前に各店舗からの受注に基づいて作成される。
【0045】
図7は、作業テーブルT1の一例を示す図である。図に示すように、作業テーブルT1は、複数のレコードR1から構成されるテーブル形式のデータである。一のレコードR1は一の店舗に対応し、当該店舗から受注した商品の個数を示すようになっている。すなわち、一のレコードR1は、一の仕分区画5に関して必要な作業量(投入すべき商品の個数)を示すことになる。
【0046】
各レコードR1は、当該仕分区画5の「区画コード」と、当該仕分区画5に対応する店舗に係る店舗データDaと、当該仕分区画5に投入すべき商品についての商品データDbとから構成される。店舗データDaには、「店舗名」、「店舗コード」及び「連絡先」等の店舗を特定する情報が含まれている。「店舗名」は配送先となる店舗の名称であり、「店舗コード」はその店舗を識別するための識別コードである。
【0047】
また、商品データDbにおいては、一の種類の商品に係る情報が一のサブレコードR2として登録されている。サブレコードR2のそれぞれには、「商品コード」、「商品名」、「仕分個数」及び「カゴ車番号」が含まれている。「商品コード」は当該商品を識別するための識別コードであり、「商品名」は当該商品の名称であり、「仕分個数」は当該商品を投入すべき個数である。また、「カゴ車番号」は、仕分作業において、当該商品が何番目に載置されたカゴ車6に投入されたかを示す情報である。この「カゴ車番号」は仕分作業前には空欄とされており、その内容は仕分作業中に順次に登録される。
【0048】
<2.仕分作業>
次に、仕分システム100を利用した仕分作業について説明する。なお以下では、説明を簡単にするため、ある一つの仕分区画5に注目し、主にその注目した仕分区画5に係る作業や処理の流れについて説明する。以下、注目する仕分区画5を「注目区画」といい、他の仕分区画5と区別する。図8は、注目区画に係る作業や処理の流れを示す図である。実際には、この図8と同様の作業や処理が、全ての仕分区画5に関して並列的に行われることになる。
【0049】
まず、ホストコンピュータ1の初期化処理として、CPU11が取り扱う変数である「順番変数」が「1」に設定される。「順番変数」は、その時点で注目区画に配置されているカゴ車6が何番目に利用されたものであるかの利用順番を示すものである。ホストコンピュータ1のCPU11は、複数の仕分区画5ごとに「順番変数」を管理している(ステップS1)。
【0050】
次に、注目区画に空のカゴ車6が作業者Pによって配置される。このカゴ車6には配送先表示装置3が予め取り付けられている。この時点では、配送先表示装置3において、情報の表示はなされていない(ステップS2)。
【0051】
次に、実際の仕分作業が行われる。すなわちまず、作業者Pは、仕分対象となる一の種類の商品を台車7で搬送し、その商品に付された商品コードを示すバーコードを操作端末4のバーコードリーダ43に読み取らせる。
【0052】
読み取られた商品コードはホストコンピュータ1に送信される。これに応答して、ホストコンピュータ1のCPU11により、作業テーブルT1のうち注目区画に係るレコードR1が参照され、当該商品コードに対応するサブレコードR2の「仕分個数」が注目区画の個数表示器2に送信される。これにより、注目区画の個数表示器2のディスプレイ21に「仕分個数」が表示され、作業ランプ25が点灯される。またこの際、当該サブレコードR2の「カゴ車番号」にはその時点の「順番変数」が登録される(ステップS3)。
【0053】
なお実際には、このステップS3の動作は一のゾーンZに含まれる全ての仕分区画5について同時並列的になされる。すなわち、一の種類の商品のバーコードの読み取りにより、注目区画と同一ゾーンZに含まれる全ての仕分区画5の個数表示器2に仕分個数が一斉に表示されることになる。
【0054】
作業者Pは、表示された「仕分個数」に従って、その個数分の商品を注目区画に配置されたカゴ車6に投入する。そして、投入が完了すると個数表示器2の完了ボタン22を押下する。これにより、一の種類の商品の注目区画に係る投入が完了した旨がホストコンピュータ1に受け付けられ、注目区画の個数表示器2及び作業ランプ25が消灯される(ステップS4)。
【0055】
以降、作業者Pは、ステップS3及びS4の作業を仕分対象となる商品の種類ごとに繰り返すことになる。この繰り返しにより、作業テーブルT1の注目区画に係るレコードR1の各サブレコードR2の「カゴ車番号」には、その時点の「順番変数」が順次に登録されていくことになる。
【0056】
また、このような作業を繰り返している間にカゴ車6が商品で満杯となった場合は、作業者Pはカゴ車6を交換する必要がある。この際、作業者Pはカゴ車6を交換する前に、個数表示器2の満杯ボタン23を押下する(ステップS6にてYes)。これにより、ホストコンピュータ1に所定の信号が送信され、カゴ車6を変更する旨がCPU11に取得される。
【0057】
これに応答してまず、CPU11により、作業テーブルT1の注目区画に係るレコードR1が参照され、当該レコードR1の店舗データ(「店舗名」、「店舗コード」及び「連絡先」等)が取得される。この店舗データは、注目区画に関連付けられた店舗の情報を示すことになる(ステップS7)。
【0058】
次に、CPU11により、交換前のカゴ車6に投入された全ての商品が特定される。すなわち、当該レコードR1のサブレコードR2のうち「カゴ車番号」にその時点の「順番変数」が格納されているものが抽出される。このとき抽出されたサブレコードR2は、交換前のカゴ車6に投入された商品についてのものとなる。そして、CPU11により、抽出されたサブレコードR2の内容(「商品コード」、「商品名」及び「仕分個数」等)、すなわち、交換前のカゴ車6に投入された商品のみについての商品データ(以下、「特定商品データ」という。)が取得される(ステップS8)。
【0059】
次に、取得された店舗データ及び特定商品データ、並びに、その時点の「順番変数」が、ホストコンピュータ1から注目区画の個数表示器2に有線通信で送信される。さらに、この個数表示器2から、これら店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」を示す赤外線信号が注目区画内に向けて送信される。つまり、個数表示器2は、自装置が設けられる仕分区画に係る配送先の情報と、当該仕分区画にその時点で配置されているカゴ車6の利用順番と、当該カゴ車6に投入された商品の情報とを示す赤外線信号を発信することになる(ステップS9)。
【0060】
この赤外線信号は、注目区画内に配置された交換前のカゴ車6の配送先表示装置3に受信され、赤外線信号が示す店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」は、制御部33のメモリに記憶される。そして、制御部33の制御により、受信した店舗データ及び「順番変数」に基づく表示内容がディスプレイ31に表示される。
【0061】
図9は、このときのディスプレイ31の表示の一例を示す図である。図に示すように、ディスプレイ31には、受信した店舗データに基づいて、「店舗名」3a、「店舗コード」3b及び「連絡先」3cなど、配送先となる店舗についての各種情報が表示される。また、ディスプレイ31の右上には、受信した「順番変数」に基づいて、当該カゴ車6の利用順番3dも表示されることになる。作業者Pは、このような配送先表示装置3の表示により、当該カゴ車6をいずれの店舗に配送すべきかを明確に把握できるとともに、当該カゴ車6の利用順番も容易に把握できることになる。
【0062】
また、図9の状態で、表示切替スイッチ35が操作されると、その操作に応答してディスプレイ31の表示内容が切り替えられ、図10に示すように、受信した商品データ及び「順番変数」に基づく表示内容がディスプレイ31に表示される。
【0063】
図10に示すように、ディスプレイ31には、受信した商品データに基づいて、「商品名」及び「仕分個数」など、当該カゴ車6に投入された全ての商品の情報3eが表示されている。またこの場合でも、ディスプレイ31の右上には当該カゴ車6の利用順番3dも表示される。作業者Pは、このような配送先表示装置3の表示を確認することにより、当該カゴ車6に収容された商品の具体的な内容を容易に把握できることになる。なお、図10の状態で、表示切替スイッチ35が操作されると、ディスプレイ31の表示内容は図9のものに再び切り替えられる。
【0064】
このようにして配送先表示装置3に各種情報が送信されると、次に、CPU11により「順番変数」がインクリメント(+1)される(図8:ステップS10)。この「順番変数」は、次に載置されるカゴ車6の利用順番である。このように、カゴ車6の変更の旨に応答して「順番変数」をインクリメントしていくことで、注目区画におけるカゴ車6の利用順番を取得できることになる。
【0065】
その後は、新たなカゴ車6が注目区画に配置され(ステップS2)、上記と同様にして、当該新たなカゴ車6に対して商品の投入がなされていくことになる(ステップS3及びS4)。
【0066】
この過程で、新たなカゴ車6が商品で満杯となった場合にも満杯ボタン23が押下され、ステップS7〜S10の動作がなされる。すなわち、上記と同様にして、注目区画に関連付けられた店舗の店舗データが取得されるとともに(ステップS7)、当該カゴ車6に投入された全ての商品が特定されその商品についての特定商品データが取得される(ステップS8)。そして、店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」が当該カゴ車6の配送先表示装置3に対して送信される(ステップS9)。
【0067】
これにより、当該カゴ車6の配送先表示装置3においても、図9及び図10と同様の表示を行うことが可能となる。ただし、カゴ車6が2番目に利用されるものであれば、そのカゴ車6に付随する配送先表示装置3には利用順番3dとして「2」と表示され、また、商品の情報3eとして当該カゴ車6に投入された商品の情報が表示される。その後、「順番変数」がインクリメントされる(ステップS10)。
【0068】
前述のように、カゴ車6に投入された商品は、作業テーブルT1の「カゴ車番号」に記載された「順番変数」に基づいて特定される。また、この「順番変数」は、カゴ車6を変更する旨を受け付ける毎にインクリメントされるものである(ステップS10)。つまり、直近2回のカゴ車6の変更の旨の相互間に投入された商品が、当該カゴ車6に投入された商品として特定されるわけである。換言すれば、カゴ車6の変更の旨と作業テーブルT1とに基づいて、カゴ車6ごとに投入された商品の情報が取得されることになる。
【0069】
このような処理(ステップS3,S4,S6〜S10)は、仕分対象となる全ての種類の商品についての注目区画への投入が完了するまで(ステップS5にてNoの間)行われる。全ての種類の商品の投入完了は、作業者Pが完了ボタン22を押下した時点で、作業テーブルT1の注目区画に係るレコードR1において「カゴ車番号」が空欄となるサブレコードR2が存在しないことをもって判断される。
【0070】
全ての種類の商品についての投入が完了した場合は(ステップS5にてYes)、まず、ステップS7と同様にして、注目区画に関連付けられた店舗の店舗データが取得される(ステップS11)。次に、ステップS8と同様にして、当該カゴ車6に投入された全ての商品が特定され、その商品についての特定商品データが取得される(ステップS12)。そして、店舗データ、特定商品データ及び「順番変数」が当該カゴ車6の配送先表示装置3に対して送信される(ステップS13)。これにより、最後に利用したカゴ車6の配送先表示装置3においても、図9及び図10と同様の表示を行うことが可能となる。
【0071】
以上により注目区画に係る作業や処理は完了する。商品が収容されたカゴ車6は、その後、トラックなどに積まれて注目区画に係る店舗に配送される。各カゴ車6に付随された配送先表示装置3はバッテリ34で駆動するため、図9のような配送先となる店舗の情報の表示は配送中や配送後においても維持される。このため、配送を担当する作業者は、この配送先表示装置3の表示を視認することで、当該カゴ車6の配送先を容易に把握できることになる。また、必要に応じて図10のような商品の情報3eを配送先表示装置3に表示させることができるため、カゴ車6ごとに収容された商品を容易に把握できることになる。
【0072】
このように本実施の形態の仕分システム100では、カゴ車6を配置するための複数の仕分区画5が形成されており、これら複数の仕分区画5は複数の店舗にそれぞれ関連付けられている。また、各仕分区画5には、当該仕分区画5内への指向性をもって赤外線信号を発信する個数表示器2が設けられている。一方で、カゴ車6には、赤外線信号を受信可能な配送先表示装置3が取り付けられている。そして、個数表示器2は、自装置が設けられた仕分区画5に係る店舗の情報を示す赤外線信号を発信する。この赤外線信号は当該仕分区画5内への指向性をもって発信されることから、当該仕分区画5に配置されたカゴ車6に付随する配送先表示装置3に受信される。これにより、配送先表示装置3には正確な店舗の情報が配信され、配送先表示装置3がその情報を表示することで、カゴ車6に正確な店舗の情報を付随させることが可能となる。このため、カゴ車6を取り扱う作業員は、カゴ車6の配送先となる正しい店舗を容易に把握でき、カゴ車6の誤配送を防止できる。
【0073】
また、ホストコンピュータ1から配送先表示装置3に対して情報を送信する際には、ホストコンピュータ1から個数表示器2までは有線通信で行われ、個数表示器2から配送先表示装置3までは赤外線通信で行われる。つまり、赤外線通信は、各仕分区画5に設けられる個数表示器2ごとに行われる。したがって、赤外線信号は指向性が比較的強いことから、複数の仕分区画5において赤外線通信を並列的に行うことも可能である。
【0074】
ここで仮に、一つの信号発信装置を利用して、全ての配送先表示装置3に対して赤外線信号を同時期に送信する場合を想定する。この場合には、赤外線信号同士の混信による通信不良を避けるため、全ての配送先表示装置3に係る赤外線信号を直列的に送信せざるを得ない。一般に赤外線信号の送信にはある程度の時間幅が必要となるため、この場合には、全ての赤外線信号を送信するまでに膨大な時間を要することになる。これに対して、本実施の形態の仕分システム100では、複数の仕分区画5において赤外線通信を並列的に行うことが可能であるため、全ての配送先表示装置3に対して赤外線信号を送信したとしても、1回の送信に必要な時間幅のみで全ての赤外線信号を送信可能であり、送信時間を大幅に短縮することが可能である。
【0075】
また、カゴ車6に付随する配送先表示装置3には店舗の情報の他に、当該カゴ車6の利用順番や、当該カゴ車6に投入された商品の情報も表示可能であるため、カゴ車6を取り扱う作業員は、それらの内容も必要に応じて確認することが可能である。
【0076】
<3.第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、配送先表示装置3のディスプレイ31は液晶表示デバイスで構成されていたが、「電子ペーパ」とも呼ばれる、表示内容の書き替えが可能で、かつ、駆動電力の非供給状態において表示内容を維持する不揮発性の表示デバイスで構成してもよい。
【0077】
不揮発性の表示デバイスとしては、例えば、特許文献2に開示されているものが利用可能である。以下、このような不揮発性の表示デバイスについて簡単に説明する。
【0078】
図11は、不揮発性の表示デバイスで構成されるディスプレイ31の断面図である。図に示すように、ディスプレイ31は、ガラスなどの透明材料で構成される2つの基板91,92を所定の間隔を隔てて平行に備えている。これらの2つの基板91,92の相互間には、空間を仕切るように所定の間隔毎に隔壁93が形成される。この隔壁93によって仕切られた空間のそれぞれが一つの画素90として機能する。表示面側(図中、矢印Arで示す側)からディスプレイ31を見た場合、このような画素90がマトリクス状に配置されている。
【0079】
各画素90においては、基板91及び基板92のそれぞれの内部側の面に、ITOなどで構成された電極94,95が設けられている。さらに、これらの電極94,95及び隔壁93で囲まれた空間内には、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質で構成される2種類の粒子96,97が封入されている。これら2種類の粒子のうちの一方は所定の色で着色された有色粒子96であり、他方は白色の白色粒子97となっている。また、有色粒子96は比較的高電位に帯電しており、白色粒子97は比較的低電位に帯電している。
【0080】
このような構成の画素90において、図12に示すように表示面側とは逆の背面側の電極95の電位が高くなるように電極94,95間に電位差を与えると、クーロン力により、高電位に帯電した有色粒子96が表示面側に移動し、低電位に帯電した白色粒子97が背面側に移動する。したがって、表示面側から当該画素90を見ると、当該画素は有色粒子96の色に見えることになる。
【0081】
一方、図13に示すように表示面側の電極94の電位が高くなるように電極94,95間に電位差を与えると、クーロン力により、高電位に帯電した有色粒子96が背面側に移動し、低電位に帯電した白色粒子97が表示面側に移動する。したがって、表示面側から当該画素90を見ると、当該画素は白色に見えることになる。
【0082】
このように電極94,95に与える電位差を各画素毎に制御することにより、各画素の発色/非発色状態を切り替えることができる。これにより、ディスプレイ31は、各種の画像を表示することができ、その表示内容の書き替えが可能となっている。また、粒子96,97の性質により駆動電力が供給されない状態においても、粒子96,97の位置は保持される。このため、ディスプレイ31への駆動電力の非供給状態においても、表示内容が維持されることになる。
【0083】
配送先表示装置3のディスプレイ31は、基本的には配送先となる店舗の情報を常時に表示するようになっている。このため、ディスプレイ31として不揮発性の表示デバイスを採用すれば、表示内容の書き替え時以外は電力を消費することがないため、液晶表示デバイス等を採用した場合と比較し、駆動電力の消費量を大幅に抑制することが可能となる。
【0084】
<4.その他の変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。もちろん、以下で説明する形態を適宜に組み合わせてもよい。
【0085】
上記実施の形態では、個数表示器2と配送先表示装置3との間の無線通信には赤外線通信が利用されていたが、個数表示器2が自装置が配置される仕分区画5内への指向性をもって無線信号を発信できるならば、他の無線通信方式を採用してもよい。例えば、RFID技術に用いられる無線通信方式を採用してもよい。
【0086】
また、上記実施の形態ではカゴ車6に配送先表示装置3が取り付けられていたが、カゴ車6の内部に商品とともに配送先表示装置3を収容することで、カゴ車6に配送先表示装置3を付随させるようになっていてもよい。
【0087】
また、上実施の形態では、配送先表示装置3において配送先の情報と投入された商品の情報とが切り替えて表示されるようになっていたが、これらが同一画面に同時に表示されてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態のいずれにおいても、可搬性の商品収容器としてはカゴ車6に限定されず、例えばコンテナやパレット台などであってもよい。商品収容器としてコンテナを用いる場合は、商品を載置する商品ラックの内部空間を複数の領域に区分し、この複数の領域のそれぞれを商品の配送先にそれぞれ関連付けられた仕分区画として機能させてもよい。また、仕分区画の境界に仕切板などを配置し、隣接する仕分区画が物理的に区分けされるようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】仕分システムの概要を表す上面図である。
【図2】仕分区画を示す斜視図である。
【図3】個数表示器の構成を示す図である。
【図4】配送先表示装置の構成を示す図である。
【図5】仕分システムの全体構成を示すブロック図である。
【図6】ホストコンピュータの基本構成を示す図である。
【図7】作業テーブルの一例を示す図である。
【図8】作業や処理の流れを示す図である。
【図9】配送先表示装置の表示の一例を示す図である。
【図10】配送先表示装置の表示の一例を示す図である。
【図11】不揮発性の表示デバイスで構成される表示部の断面図である。
【図12】不揮発性の表示デバイスの画素の状態の一例を示す図である。
【図13】不揮発性の表示デバイスの画素の状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
2 個数表示器
3 配送先表示装置
5 仕分区画
6 カゴ車
26 通信部
31 ディスプレイ
32 通信部
35 表示切替スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品収容器に商品を投入して仕分けを行う仕分システムであって、
前記商品収容器を配置可能で、かつ、前記商品の配送先にそれぞれ関連付けられた複数の仕分区画と、
前記複数の仕分区画にそれぞれ設けられ、当該仕分区画内への指向性をもって無線信号を発信する発信装置と、
前記複数の商品収容器にそれぞれ付随し、かつ、前記無線信号を受信可能な表示装置と、
を備え、
前記発信装置は、自装置が設けられる前記仕分区画に係る前記配送先の情報を示す前記無線信号を発信し、
前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記配送先の情報を表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項2】
請求項1に記載の仕分システムにおいて、
前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、
前記商品収容器の変更の旨に基づいて、当該仕分区画における前記商品収容器の利用順番を取得する手段と、
をさらに備え、
前記発信装置は、前記利用順番を示す無線信号を発信し、
前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記利用順番を表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項3】
請求項1に記載の仕分システムにおいて、
前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、
前記仕分区画ごとに、投入すべき商品の情報を登録した仕分情報を記憶する手段と、
前記商品収容器の変更の旨と前記仕分情報とに基づいて、当該仕分区画において前記商品収容器ごとに投入された商品の情報を取得する手段と、
をさらに備え、
前記発信装置は、前記投入された商品の情報を示す無線信号を発信し、
前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記投入された商品の情報を表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項4】
請求項3に記載の仕分システムにおいて、
前記表示装置は、表示内容を変更する操作を受け付ける手段、
を備え、
前記表示装置は、前記操作に応答して、前記配送先の情報と前記投入された商品の情報とを切り替えて表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の仕分システムにおいて、
前記表示装置は、表示内容の書き替えが可能で、かつ、駆動電力の非供給状態において前記表示内容を維持する表示デバイス、
を備えることを特徴とする仕分システム。
【請求項1】
複数の商品収容器に商品を投入して仕分けを行う仕分システムであって、
前記商品収容器を配置可能で、かつ、前記商品の配送先にそれぞれ関連付けられた複数の仕分区画と、
前記複数の仕分区画にそれぞれ設けられ、当該仕分区画内への指向性をもって無線信号を発信する発信装置と、
前記複数の商品収容器にそれぞれ付随し、かつ、前記無線信号を受信可能な表示装置と、
を備え、
前記発信装置は、自装置が設けられる前記仕分区画に係る前記配送先の情報を示す前記無線信号を発信し、
前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記配送先の情報を表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項2】
請求項1に記載の仕分システムにおいて、
前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、
前記商品収容器の変更の旨に基づいて、当該仕分区画における前記商品収容器の利用順番を取得する手段と、
をさらに備え、
前記発信装置は、前記利用順番を示す無線信号を発信し、
前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記利用順番を表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項3】
請求項1に記載の仕分システムにおいて、
前記仕分区画ごとに、当該仕分区画に配置する商品収容器の変更の旨を取得する手段と、
前記仕分区画ごとに、投入すべき商品の情報を登録した仕分情報を記憶する手段と、
前記商品収容器の変更の旨と前記仕分情報とに基づいて、当該仕分区画において前記商品収容器ごとに投入された商品の情報を取得する手段と、
をさらに備え、
前記発信装置は、前記投入された商品の情報を示す無線信号を発信し、
前記表示装置は、受信した前記無線信号が示す前記投入された商品の情報を表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項4】
請求項3に記載の仕分システムにおいて、
前記表示装置は、表示内容を変更する操作を受け付ける手段、
を備え、
前記表示装置は、前記操作に応答して、前記配送先の情報と前記投入された商品の情報とを切り替えて表示可能であることを特徴とする仕分システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の仕分システムにおいて、
前記表示装置は、表示内容の書き替えが可能で、かつ、駆動電力の非供給状態において前記表示内容を維持する表示デバイス、
を備えることを特徴とする仕分システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−290803(P2007−290803A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118739(P2006−118739)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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