説明

仕切り材

【課題】余剰空間側への商品収納部の移動を簡素な形状で制限する。
【解決手段】仕切り材10は、商品収納部70から突出する突片80を有する包装容器60を複数並べて収納可能な外箱90に用いられるものであり、外箱90に収納された状態の包装容器60同士の隙間に挿入される2つの仕切り板40,40と、商品収納部70の上面71とこれに対向する外箱90の内面との間に生じる余剰空間に介在して商品収納部70の余剰空間側への移動を制限する2つの押さえ板30,30を備えている。そして、各押さえ板30は、余剰空間に面する商品収納部70の上面71と直交する向きの折り目31を介して側板20から延びるように形成されており、その板厚面32で商品収納部70の余剰空間側への移動を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納部及びこの商品収納部から突出する突片を有する包装容器を複数並べて収納可能な外箱に用いられる仕切り材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品が収納された包装容器を複数並べて収納可能な外箱においては、包装容器同士が接触しないように区画するための仕切り材が用いられることが一般的である(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、こうした包装容器としては、例えば透明のプラスチックシートによって形成されるクリアケースなどのように、商品収納部及びこの商品収納部から突出する突片を有する形状のものが挙げられる。このような形状の包装容器を外箱に収納する場合、突片の存在によって外箱内に余剰空間が生じ、輸送中の振動などによってこの余剰空間側へ商品収納部が移動しようとすることにより、突片が折れ曲がったり破損したりしてしまうことが考えられる。
【0004】
そこで、特許文献2に記載の外箱では、余剰空間に面する蓋体の先端を延長して押さえ片を形成し、その押さえ片を商品収納部の上面に当接させることで商品収納部の上方への移動を制限するようにしている。具体的には、蓋体の先端から折り目を介して延びるように閉鎖片が形成され、更にこの閉鎖片の先端から折り目を介して延びるように押さえ片が形成されている。そして、この押さえ片の下面を商品収納部の上面に当接させることで余剰空間側への商品収納部の移動を制限するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−87727号公報
【特許文献2】特開2007−119058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献2に記載の構成では、商品収納部が余剰空間側へ移動しようとする外力が押さえ片に加わると、押さえ片自体が湾曲しやすく、しかも折り目がヒンジとなって折れ曲がりやすいため、商品収納部の移動を制限するための強度が十分でないという問題がある。かといって、強度を確保するためにのり付けなどを必要とするような複雑な形状にすることはコストアップを招くため好ましくない。
【0007】
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、余剰空間側への商品収納部の移動を簡素な形状で制限することのできる仕切り材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載の仕切り材は、商品収納部及びこの商品収納部から突出する突片を有する包装容器を複数並べて収納可能な外箱に用いられるものである。そして、この仕切り材は、外箱に収納された状態の包装容器同士の隙間に挿入される仕切り板と、包装容器が収納された状態の外箱において突片が突出する側の商品収納部の外面とこれに対向する外箱の内面との間に生じる余剰空間に介在して商品収納部の余剰空間側への移動を制限する押さえ板と、外箱とその外箱に収納された状態の包装容器との隙間に挿入され、仕切り板と押さえ板とを連結する側板とを備えている。具体的には、押さえ板は、余剰空間に面する商品収納部の外面と直交する向きの折り目を介して側板から延びるように形成されており、その板厚面で商品収納部の外面に当接してその余剰空間側への移動を制限する。
【0009】
このような仕切り材によれば、余剰空間側への商品収納部の移動を簡素な形状で制限することができる。すなわち、商品収納部の余剰空間側への移動を制限するための部材を仕切り材とは別に独立して配置しようとすると、例えば平板を縦向きに配置したような簡素な形状のものでは傾いたり倒れたりしやすく配置が不安定となるため、安定して配置されるように筒状のような立体的な(複雑な)形状とする必要がある。これに対し、本発明の仕切り材では、押さえ板は、外箱と包装容器との隙間に挿入される側板と連結されており、この側板は包装容器同士の隙間に挿入される仕切り板と連結されているため、押さえ板と側板との連結部分(折り目)の位置が安定する。このため、押さえ板自体の形状を、平板を縦向きに配置したような簡素な形状とすることが可能となる。
【0010】
しかも、押さえ板は、その板厚面で商品収納部の外面に当接するように配置されているため、商品収納部が余剰空間側へ移動しようとする外力が押さえ板に加わっても湾曲しにくい。特に、押さえ板と側板との連結部分である折り目は、余剰空間に面する商品収納部の外面と直交する向きに形成されているため、外力が加わっても折り目がヒンジとなって折れ曲がってしまうといったことは生じにくい。したがって、押さえ板自体を簡素な形状としても、商品収納部が余剰空間側へ移動しようとする外力に対して高い強度を実現することができる。
【0011】
ところで、押さえ板の長さ(側板から延びる方向の長さ)は、商品収納部の余剰空間側への移動を制限できる長さであればよいが、押さえ板の配置を安定させるためには例えば請求項2に記載のようにすることが好ましい。すなわち、請求項2に記載の仕切り材では、余剰空間は、折り目に沿った(換言すれば、余剰空間に面する商品収納部の外面と直交する向きの)平面視において突片によって包装容器ごとに長方形に区画され、押さえ板は、その長方形の長辺よりも長く形成されている。このような仕切り材によれば、押さえ板をその長方形の対角線寄りに位置させることができる。このため、押さえ板の配置(折り目を基準とする押さえ板の向き)を安定させることができる。
【0012】
また、押さえ板の幅(折り目に沿った長さ)は、例えば請求項3に記載のように、突片が突出する側の商品収納部の外面とこれに対向する外箱の内面との距離に対応する幅に形成されているとよい。このような仕切り材によれば、商品収納部の余剰空間側への移動に伴い、押さえ板が商品収納部の外面とこれに対向する外箱の内面との間に挟まれた状態となる。このため、商品収納部の外面と外箱の内面との間隔を確実に保つことが可能となる。なお、ここでいう「対応する」とは、同じ長さだけでなく近似する長さも含める意味である。すなわち、本発明は、その効果を得るために寸法の厳密性が要求されるものではなく、同じ長さにした場合と同様の効果が得られる範囲であればよいことから、「対応する」と表現している。この点は以下に述べる請求項についても同様である。
【0013】
一方、側板の長さは、例えば請求項4に記載のように、折り目に沿った包装容器の長さに対応する長さに形成されているとよい。このような仕切り材によれば、折り目に沿った側板の位置を安定させることができる。
【0014】
ところで、仕切り板は、1つの仕切り材に1つのみ形成されるものとすることも可能であるが、例えば請求項5に記載のように、側板に形成された帯状部分の幅方向両側から延びるように形成されていてもよい。このような仕切り材によれば、1つの仕切り材で2箇所を仕切ることができる。
【0015】
同様に、押さえ板は、1つの仕切り材に1つのみ形成されるものとすることも可能であるが、例えば請求項6に記載のように、側板に形成された帯状部分の幅方向両側から延びるように形成されていてもよい。このような仕切り材によれば、1つの仕切り材で2つの包装容器の商品収納部の移動を制限することができる。
【0016】
また、例えば請求項7に記載の仕切り材では、押さえ板の介在しない余剰空間において商品収納部の余剰空間側への移動を制限する筒状の押さえ筒が側板に連結されている。このような仕切り材によれば、独立した(連結されていない)押さえ筒を用いる場合に比べて、押さえ筒の位置を安定させることができる。なお、押さえ筒自体が複雑な形状であっても、押さえ板を備えることにより押さえ筒の必要数を少なくすることができるという効果がある。
【0017】
また、例えば請求項8に記載のように仕切り材が1枚のシート状部材から形成されていれば、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態の仕切り材10の外観形状を示した斜視図である。
【図2】仕切り材10の展開図である。
【図3】(a)は包装容器60の外観形状を示した斜視図であり、(b)は包装容器60が収納された外箱90の斜視図である。
【図4】外箱90を透過した状態での仕切り材10の使用状態を示した斜視図である。
【図5】(a)は押さえ筒50を有しない構成の仕切り材10の外観形状を示した斜視図であり、(b)はその展開図である。
【図6】包装容器60を4つ並べて収納する外箱90に用いる仕切り材10の外観形状を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は実施形態の仕切り材10の外観形状を示した斜視図であり、図2はこの仕切り材10の展開図である。また、図3(a)は包装容器60の外観形状を示した斜視図であり、図3(b)は包装容器60が収納された外箱90の斜視図である。また、図4は外箱90を透過した状態での仕切り材10(図4においてはグレーで示している。)の使用状態を示した斜視図である。
【0020】
図4に示すように、本実施形態の仕切り材10は、包装容器60を複数(本実施形態では3つ)並べて収納可能な外箱90に用いられるものである。そこで、まずは包装容器60及び外箱90について説明する。
【0021】
図3(a)に示すように、包装容器60は、展開形状に型抜きされた1枚の透明のプラスチックシートが立体的に折り曲げされて形成されたもの(いわゆるクリアケース)であり、商品収納部70及びこの商品収納部70から突出する突片80を有する。
【0022】
商品収納部70は、外形が概略直方体の箱状に形成された部分であり、その内部に商品(例えばヘアケア製品)を収納可能となっている。突片80は、商品収納部70の側面の1つ(本実施形態では最も面積の大きい面)を上方に延長した長方形の平板状のものである。
【0023】
以下の説明では、突片80の幅(延長方向と直交する側の辺の長さであり、商品収納部70の幅に等しい。)をLa、商品収納部70の厚み(突片80の面と直交する方向の長さ)をLb(本実施形態ではLa>Lb)、商品収納部70の高さをLc、突片80の高さをLdと称する。つまり、包装容器60全体の高さはLc+Ldと表される。なお、本実施形態では突片80の形状を長方形としているが、これに限定されるものではない。例えば、延長方向先端が曲線状(円弧状や波状等)に形成されていてもよく、この場合には最も高い部分をLdとする。
【0024】
一方、図3(b)に示すように、外箱90は、長方形の底面及び4つの側面で囲まれた収納空間を形成するとともに、上方開口面が1つの側面の上端に連結された蓋面で開閉可能な直方体の箱である。具体的には、収納空間の寸法(外箱90の内寸)は、底面の短辺がLa、底面の長辺が3Lb(Lbの3倍)、側面の高さがLc+Ldに設計されている。つまり、3つの包装容器60,60,60を厚み方向(突片80の面と直交する方向)に並べて収納可能な必要最小限の大きさに設計されている。ただし、3つの包装容器60,60,60が収納された状態の外箱90において、商品収納部70の上面71(突片80が突出する側の外面。換言すれば、突片80の延長方向を向く外面。)とこれに対向する外箱90の内面(蓋面の内面)との間には余剰空間が生じることになる。具体的には、余剰空間は、商品収納部70の上面71と直交する向きの平面視において、突片80によって包装容器60ごとに長辺La、短辺Lbの長方形に区画される。なお、包装容器60を厚み方向(長さの短い方向)に並べて収納するのは、外箱90が細長い形状になってしまうことを防ぐ(換言すれば、できるだけ立方体に近い形状にする)ためである。
【0025】
次に、仕切り材10について説明する。
図1及び図2に示す本実施形態の仕切り材10は、3つの包装容器60,60,60が収納された状態の外箱90において、包装容器60同士が接触しないように区画する(仕切る)機能に加え、商品収納部70の余剰空間側への移動を制限する機能を有するものである(図4参照)。
【0026】
この仕切り材10は、1枚のシート状部材(本実施形態では厚紙)から形成されている。具体的には、仕切り材10は、上下方向に延びる帯状の側板20と、側板20上部の幅方向両側(左右両側)から延びる帯状の2つの押さえ板30,30と、側板20下部の幅方向両側(左右両側)から延びる帯状の2つの仕切り板40,40と、側板20における上端に連結され、のりしろ51でのり付けされることにより四角筒状に形成される押さえ筒50とを備えている。つまり、2つの押さえ板30,30、2つの仕切り板40,40及び1つの押さえ筒50が、側板20によって連結されている。
【0027】
側板20は、3つの包装容器60,60,60が収納された状態の外箱90において、中央の包装容器60と外箱90との隙間に挿入される部分である。具体的には、側板20は、上部(押さえ板30,30が幅方向両側に形成された帯状部分)と下部(仕切り板40,40が幅方向両側に形成された帯状部分)とで幅が異なっており、下部の幅がLb(商品収納部70の厚みと同じ長さ)に設計され、上部の幅がLbよりもやや大きく設計されている。また、側板20は、長さがLc+Ld(外箱90の収納空間の高さと同じ長さ)に設計されている。
【0028】
押さえ板30は、3つの包装容器60,60,60が収納された状態の外箱90において、両端の包装容器60,60の商品収納部70上方に生じる余剰空間に介在する部分である。具体的には、押さえ板30は、商品収納部70の上面71と直交する向きの折り目31を介して側板20から延びるように形成されており、その板厚面(下端面)32で商品収納部70の余剰空間側への移動を制限する。このため、押さえ板30は、幅(上下方向の寸法)がLd(突片80の高さと同じ長さ)に設計されている。つまり、商品収納部70の上面71とこれに対向する外箱90の内面との距離に対応する幅に形成されており、商品収納部70の上面71と外箱90の内面との間に挟まれた状態で縦向きに配置される。また、押さえ板30は、長さ(左右方向の突出寸法)が商品収納部70の上面71の対角線の長さ(La2+Lb21/2に設計されている。
【0029】
仕切り板40は、外箱90に収納された状態の包装容器60同士の隙間に挿入される部分である。具体的には、仕切り板40は、商品収納部70の上面71と直交する向きの折り目41を介して側板20から延びるように形成されており、包装容器60の商品収納部70同士の接触を妨げる。このため、仕切り板40は、長さ(左右方向の突出寸法)がLa(商品収納部70の幅と同じ長さ)に設計され、幅(上下方向の寸法)がLc(商品収納部70の高さと同じ長さ)に設計されている。
【0030】
押さえ筒50は、3つの包装容器60,60,60が収納された状態の外箱90において、押さえ板30,30の介在しない中央の包装容器60の商品収納部70上方に生じる余剰空間において商品収納部70の余剰空間側への移動を制限する部分である。具体的には、左右方向の筒幅がLb、上下方向の筒幅がLd、筒の軸方向の長さがLaに設計されている。つまり、中央の包装容器60の商品収納部70上方に生じる余剰空間を埋める大きさに設計されている。
【0031】
そして、図4に示すように、側板20は、中央の包装容器60の商品収納部70と外箱90との隙間に挿入され、その幅方向両側から延びる仕切り板40,40が、中央の包装容器60と両端の各包装容器60との間に挿入される。つまり、仕切り板40,40は、折り目41で側板20に対して直角に折り曲げられた状態(平面視でコの字状に折り曲げられた状態)となる(図1参照)。しかも、側板20は、外箱90の収納空間の高さと同じ長さに形成されているため、外箱90において上下左右前後方向のいずれにも移動できない状態(位置が固定された状態)となる。
【0032】
一方、押さえ板30,30は、折り目31で側板20に対して直角よりも大きい角度に折り曲げられた状態(斜め外方向を向いた状態)で、両端の包装容器60,60の各商品収納部70上方に生じる余剰空間に介在する。前述したように外箱90における側板20の位置は固定されているため、押さえ板30における基端部(折り目31)の位置も固定された状態となる。また、押さえ板30は、商品収納部70の上面71の対角線の長さ(換言すれば、上面71における最長直線距離)に設計されているため、側板20に対する押さえ板30の角度がその対角線に沿った角度に維持される。そして、押さえ板30の幅は余剰空間の高さに設計されているため、両端の包装容器60,60の各商品収納部70が余剰空間側に移動することが防止される。加えて、押さえ筒50が中央の包装容器60の商品収納部70上方に生じる余剰空間を埋めるように配置されるため、中央の包装容器60の商品収納部70が余剰空間側に移動することも防止される。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の仕切り材10では、外箱90における位置が固定された側板20から延びるように押さえ板30が形成されているため、押さえ板30自体を平板状の簡素な形状としてもその位置を安定させることができる。そして、押さえ板30は、その板厚面32で商品収納部70の余剰空間側への移動を制限するため、商品収納部70が余剰空間側へ移動しようとする外力が加わっても湾曲しにくい。また、押さえ板30と側板20とを連結する折り目31は、余剰空間に面する商品収納部70の上面71と直交する向きに形成されているため、外力が加わっても折り目31がヒンジとなって折れ曲がってしまうといったことはない。したがって、簡素な形状でありながら外力に対する高い強度を実現することができ、商品収納部70の余剰空間側への移動を確実に制限することができる。
【0034】
また、押さえ板30は、商品収納部70の上面71の対角線の長さに設計されているため、押さえ板30の位置を対角線の位置に安定して維持することができる。このため、押さえ板30の位置がずれることにより商品収納部70の余剰空間側への移動が制限されない状態になってしまうことを防ぐことができる。
【0035】
さらに、押さえ板30は、商品収納部70の上面71とこれに対向する外箱90の内面との距離に対応する幅に形成されており、商品収納部70の上面71と外箱90の内面との間に挟まれた状態で配置されるため、商品収納部70の上面71と外箱90の内面との間隔を確実に保つことができる。
【0036】
一方、本実施形態の仕切り材10は、2つの押さえ板30,30で両端の2つの包装容器60の移動を制限し、残りの中央の包装容器60については押さえ筒50によって移動を制限するようにしているため、外箱90に収納された3つの包装容器60,60,60のすべてについて移動を制限することができる。特に、押さえ筒50が側板20に連結されているため、その位置を安定させることができる。
【0037】
加えて、仕切り材10が1枚のシート状部材から形成されているため、製造コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0038】
すなわち、上記実施形態では、押さえ筒50が側板20に連結された構成の仕切り材10を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば図5(a)の斜視図及び図5(b)の展開図に示すように、押さえ筒50を有しない構成とすることも可能となる。このような構成であれば、のり付け作業が不要となる分、製造コストを大幅に低減することができる。ただし、外箱90の中央に収納される包装容器60の移動を制限するには別の部材を用意する必要がある。
【0039】
また、上記実施形態では、包装容器60を3つ並べて収納する外箱90に用いられる仕切り材10を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では側板20が包装容器60の1つ分の厚みに対応する幅に設計されているが、図6に示すように、側板20が包装容器60の2つ分の厚みに対応する幅に設計されていれば、包装容器60を4つ並べて収納する外箱90に用いることができる。ただし、この場合には、図6に例示したような別部材(この例では仕切り板40及び押さえ筒50を一体にした部材)を用いる必要がある。
【0040】
また、上記実施形態では、押さえ板30及び仕切り板40を2つずつ備えているが、包装容器60を2つ並べて収納する外箱90であれば、仕切り板40は1つでよい。また、押さえ筒50を備えていれば押さえ板30も1つでよい。ただし、押さえ板30を2つ備えて押さえ筒50を有しない構成とした方が製造コストを低減することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、1枚の厚紙で形成された仕切り材10を例示したが、これに限定されるものではなく、厚紙以外の紙や、紙以外のシート状部材であってもよい。また、複数のシート状部材をつなぎ合わせて形成することも可能である。
【0042】
また、本発明の仕切り材は、上記実施形態で例示した寸法に限定されるものではない。例えば仕切り板40の幅や長さは、包装容器60同士の接触が妨げられる長さであれば、短くしても同様の効果が得られる。また、例えば側板20の長さを外箱90の収納空間の高さよりも短くしてもよい。
【0043】
また、例えば押さえ板30の長さを商品収納部70の上面71の対角線の長さよりも短くしてもよい。ただし、押さえ板30の位置がずれることにより商品収納部70の余剰空間側への移動が制限されない状態になってしまうことを防ぐためには、少なくとも商品収納部70の上面71の長辺よりも長くすることが好ましい。
【0044】
また、例えば押さえ板30の幅を、商品収納部70の上面71とこれに対向する外箱90の内面との距離に対応する幅よりも短くしてもよい。具体的には、押さえ板30の上方(外箱90の内面側)への移動が側板20により制限されていれば、押さえ板30の上端面が外箱90の内面に当接しなくても商品収納部70の余剰空間側への移動を制限することができる。
【0045】
また、本発明の仕切り材を用いる対象となる包装容器は、上記実施形態で例示した形状の包装容器60に限定されるものではなく、例えば商品収納部の側面が曲面状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…仕切り材、20…側板、30…押さえ板、31…折り目、32…板厚面、40…仕切り板、41…折り目、50…押さえ筒、60…包装容器、70…商品収納部、71…上面、80…突片、90…外箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品収納部及びこの商品収納部から突出する突片を有する包装容器を複数並べて収納可能な外箱に用いられる仕切り材であって、
前記外箱に収納された状態の包装容器同士の隙間に挿入される仕切り板と、
前記包装容器が収納された状態の外箱において前記突片が突出する側の前記商品収納部の外面とこれに対向する前記外箱の内面との間に生じる余剰空間に介在して前記商品収納部の前記余剰空間側への移動を制限する押さえ板と、
前記外箱とその外箱に収納された状態の包装容器との隙間に挿入され、前記仕切り板と前記押さえ板とを連結する側板と、
を備え、
前記押さえ板は、前記余剰空間に面する前記商品収納部の外面と直交する向きの折り目を介して前記側板から延びるように形成されており、その板厚面で前記商品収納部の外面に当接してその前記余剰空間側への移動を制限すること
を特徴とする仕切り材。
【請求項2】
前記余剰空間は、前記折り目に沿った平面視において前記突片によって前記包装容器ごとに長方形に区画され、
前記押さえ板は、前記長方形の長辺よりも長く形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の仕切り材。
【請求項3】
前記押さえ板は、前記突片が突出する側の前記商品収納部の外面とこれに対向する前記外箱の内面との距離に対応する幅に形成されていること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の仕切り材。
【請求項4】
前記側板は、前記折り目に沿った前記包装容器の長さに対応する長さに形成されていること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の仕切り材。
【請求項5】
前記仕切り板は、前記側板に形成された帯状部分の幅方向両側から延びるように形成されていること
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の仕切り材。
【請求項6】
前記押さえ板は、前記側板に形成された帯状部分の幅方向両側から延びるように形成されていること
を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の仕切り材。
【請求項7】
前記押さえ板の介在しない余剰空間において前記商品収納部の前記余剰空間側への移動を制限する筒状の押さえ筒が前記側板に連結されていること
を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の仕切り材。
【請求項8】
1枚のシート状部材から形成されていること
を特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の仕切り材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−251692(P2011−251692A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124620(P2010−124620)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【出願人】(305006624)ダイナパック株式会社 (8)
【Fターム(参考)】