説明

仕切り紙箱

【課題】比較的簡単な構成で、予め組上げておいて畳んで狭いスペースに収納保管ができ、必要なときにすぐ立体化して用いることができる仕切り紙箱の提供。
【解決手段】平面に展開された長方形の紙板であって左右対称に構成され、左右の端部から相互間の折り目を介して、順に、糊代11、23と5枚の側板12〜16、18〜22と左右の端部から5番目の側版16、18の間に位置する底板17とが連結され、折り目は、糊代11、23と左右の端からそれぞれ1番目の側板12、22の間の折り目をのぞいてすべて外側に折り込まれ、紙板を平面的な紙板状態から、立体的な箱形を形成するために各側板を隣接する部分に対して直角になるように起こしたとき、4角柱状の収納用空間が左右にそれぞれ2つずつ形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンプルやバイアルなどの円筒状の製品を複数収納する組み立て折畳みの容易な仕切り紙箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来アンプルやバイアルなどの円筒状の製品を収納するためには四角形の箱の収納部の内部を仕切板によって区切って収納していたが構造的に複雑であり、箱と仕切りとを別々に保管せねばならず、保管スペースが大きくなるという問題があった。
このような問題を解決するため、折りたたんだ状態で保管でき、仕切板を別体で形成する必要が無い紙箱の例が報告されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この例は構造が複雑で組上げに時間がかかるという問題がある。
【特許文献1】特開平11−310223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に述べたように、従来のアンプルやバイアルなどの円筒状の小物製品を収納する紙箱では、保管スペースが大きくなるという問題や構成が複雑であって組上げに時間がかかるというような問題があった。
【0004】
本発明は、この様な問題を解決して、比較的簡単な構成で、予め組上げておいて畳んで狭いスペースに収納保管ができ、必要なときにすぐ立体化して用いることができる仕切り紙箱の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の仕切り紙箱は、平面に展開されたときは長方形の紙板であって左右対称に構成され、左右の端部から相互間の折り目を介して、順に、糊代と5枚の側板と左右の端部から5番目の前記側版の間に位置する底板とが連結され、前記折り目は、前記糊代と左右の端からそれぞれ1番目の前記側板の間の折り目をのぞいてすべて外側に折り込まれ、前記紙板を平面的な紙板状態から、立体的な箱形を形成するために各前記側板を隣接する部分に対して直角になるように起こしたとき、4角柱状の収納用空間が左右にそれぞれ2つずつ形成されることを特徴とする。
【0006】
ここで、左右の端部から4番目の前記側板の3番目の前記側板との間の折り目側に、3番目の前記側板と側に突出した連結用タブが設けられていることを特徴とする。
【0007】
この前記連結用タブは、左右の端部から4番目の前記側板の3番目の前記側板への切込みによって形成され、この切込みによって3番目の前記側板に生じた切込み孔は、立体的な箱形が形成されたとき前記連結用タブ挿入孔となることを特徴とする。
【0008】
また、前記糊代は左右の端部から4番目の前記側板の裏面に接着され、左右の端部から2番目の前記側板の表面は前記底板裏面と接着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明に係る仕切り紙箱によると、予め糊付けして組上げたものを畳んで保管することができ、収納のスペースが小さくて済み、必要なときにすぐ立体化して用いることができる1枚の紙板から構成される仕切り紙箱を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る仕切り紙箱の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明は発明をより深く理解するためのものであって、特許請求の範囲を限定するためのものではない。
【0011】
図1は、本発明に係る仕切り紙箱の一実施形態の展開図である。
【0012】
図1において、この実施形態の紙箱100は、左糊代11、左第1側板12、左第2側板13、左第3側板14、左第4側板15、左第5側板16、底板17、右第5側板18、右第4側板19、右第3側板20、右第2側板21、右第1側板22および右糊代23から構成されている。
【0013】
展開図は、左右完全に対称なので、左糊代11の幅は右糊代23の幅と、左第1側板12の幅は右第1側板22の幅と、左第2側板13の幅は右第2側板21の幅と、左第3側板14の幅は右第3側板20の幅と、左第4側板15の幅は右第4側板19の幅と、左第5側板16の幅は右第5側板18の幅と、それぞれ等しくなっている。
【0014】
左右の第1側板12、22の幅、左右第3側板14、20の幅、左右第5側板16、18の幅は、組みあがったとき本発明に係る仕切り紙箱100の高さに当たるので、ほぼ同程度の幅であるが、紙厚の分だけ、左右第5側板16、18の幅が左右第3側板14、20の幅よりも長く、左右第3側板14、20の幅が左右第1側板12、22の幅よりも長い。
また、左第4側板15と右第4側板19とで、組み上がったとき本発明に係る仕切り紙箱100の上板を構成するので、左第4側板15の幅と右第4側板19の幅の和は底板17の幅から紙厚2枚分の厚みを引いたものと同じ長さとなる。
【0015】
図1に示すように、左第4側板15の左第3側板14との間の折り目側に、左第3側板14側に突出した2つの連結用タブ31、32が設けられている。同様に、右第4側板19の右第3側板20との間の折り目側に、右第3側板20側に突出した2つの連結用タブ33、34が設けられている。
図1からわかるように、これらの連結用タブ31〜34は、第4側板15、19からの第3側板14、20への切り込みによって構成されている。切り込みによって生じた第3側板14、20側の切り込み孔は、連結用タブの挿入孔として用いられる。
【0016】
この展開図の構成で、一点鎖線で示される左右の糊代11、23と左右の第1側板12、22の間の折り目を内折に、それ以外の点線で示される折り目を外折にして、左右の糊代11、23をそれぞれ左右第4側板15、19の裏面(図1の図紙面の裏面)に貼り付け、さらに左右第2側板13、21の表面(図1の図紙面の表面)を、底板17の裏面にそれぞれ貼り付ける。
そうして、各側板を隣の側板や底板に対して垂直に立てて全体を立体的に組み立上げ、連結用タブ31〜34を連結用タブの挿入孔に挿入して係止した状態の斜視図を図2に示す。
このようにすると、図2に示すように、左第4側板15と右第4側板19に設けられている開口35、36によって商品収納空間を形成することができる。連結用タブ31〜34による係止部があるため、立体化された仕切り紙箱100はこの状態で安定しており、立体化された箱状を保っている。そして、4角柱状の空間A,B,C,Dが左右に1対ずつ構成され、これらの空間A,B,C,Dが商品へのクッションの役割を果たすことができる。
【0017】
このように組み立てられた仕切り紙箱100を保管する場合には、仕切り紙箱100を中央から左右に押し開くようにして、連結用タブ31〜34による係止状態を解除して、畳み込む。この畳み込んだ状態の斜視図を図3に示す。
このように畳み込むことによって、本発明の仕切り紙箱100を糊付けした状態で、紙厚3枚分の薄さにすることができるので、収納時にほとんどスペースを取らず、何枚も重ねて収納することができる。
糊付けした状態で収納されているので、図3の収納状態から図2の組み立て状態にするのは容易であり、時間も手間もかからない。
【0018】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、適宜変形実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、以上の説明では、空間A,B,C,Dの大きさを上記の実施形態と異ならせても良い。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、以上に述べたように、簡単な構成で1枚の紙からアンプルやバイアルなどの円筒状の製品を複数収納する組み立てが容易で保管の簡単な仕切紙箱を実現したので、医薬品などの収納紙箱として広く利用することができ、特に医薬品の業界分野で広く利用される可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の仕切り紙箱の展開図である。
【図2】図1に示す本発明の仕切り紙箱の組立時の斜視図である。
【図3】図1に示す本発明の仕切り紙箱の折り畳み時の斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
11 左糊代
12 左第1側板
13 左第2側板
14 左第3側板
15 左第4側板
16 左第5側板
17 底板
18 右第5側板
19 右第4側板
20 右第3側板
21 右第2側板
22 右第1側板
23 右糊代
31〜34 連結用タブ
35、36 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面に展開されたときは長方形の紙板であって左右対称に構成され、左右の端部から相互間の折り目を介して、順に、糊代と5枚の側板と左右の端部から5番目の前記側版の間に位置する底板とが連結され、
前記折り目は、前記糊代と左右の端からそれぞれ1番目の前記側板の間の折り目をのぞいてすべて外側に折り込まれ、
前記紙板を平面的な紙板状態から、立体的な箱形を形成するために各前記側板を隣接する部分に対して直角になるように起こしたとき、4角柱状の収納用空間が左右にそれぞれ2つずつ形成されることを特徴とする仕切り紙箱。
【請求項2】
左右の端部から4番目の前記側板の3番目の前記側板との間の折り目側に、3番目の前記側板の側に突出した連結用タブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の仕切り紙箱。
【請求項3】
前記連結用タブは、左右の端部から4番目の前記側板の3番目の前記側板への切込みによって形成され、この切込みによって3番目の前記側板に生じた切込み孔は、立体的な箱形が形成されたとき前記連結用タブ挿入孔となることを特徴とする請求項2に記載の仕切り紙箱。
【請求項4】
前記糊代は左右の端部から4番目の前記側板の裏面に接着され、左右の端部から2番目の前記側板の表面は前記底板の裏面と接着されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の仕切り紙箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−126522(P2009−126522A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300525(P2007−300525)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(591028223)株式会社小野部製函所 (4)
【Fターム(参考)】