説明

仮想制御ステーション

【課題】ミッションを実施するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】ミッションについての情報は制御ステーション(218、308、400、900、1200、1300、1308、1400、1406、1700)において受信される。制御ステーションは、表示システム(306)、モーション・キャプチャーシステム(309)、複数のユーザー入力装置(334)、複数のユーザー入力装置(370)に付随する座席(304)、及びプロセッサ装置(364)を含む。表示システム(306)はオペレータ(307)の頭に装着され、オペレータに表示を提示する。モーション・キャプチャーシステム(309)は、頭の動きを追跡する。プロセッサ装置(364)は、プログラムコード(374)を実行して表示(350)を生成し、オペレータの頭の動きの検出に応じてオペレータに掲示された表示を調節する。ミッションはこの情報と制御ステーションを使用して実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「仮想制御ステーション」という題の、2009年6月25日に出願されたエドワード氏らによる米国特許出願第12/491339号に関連する。
本発明は概して、制御ステーション、具体的にはプラットフォームと共に使用する制御ステーションのための方法及び装置に関するものである。さらに具体的には、本発明はミッションを実施するために、プラットフォームと共に使用する制御ステーションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
制御ステーションは、様々なプラットフォームのシステム及び機能を制御するために、様々なプラットフォームに使用される。例えば、空中プラットフォームの制御ステーションは、センサ、武器、通信システム、安全機能、ナビゲーションシステム、飛行管理、及び/又は任意の数の他の空中システム及び機能を制御するのに使用される。制御ステーションはまた、例えば非限定的に、船、潜水艦、タンク、宇宙船、宇宙ステーション、及び/又は他の可動プラットフォーム等のほかの可動プラットフォームにおいても使用される。さらに、制御ステーションはまた、例えば地上ステーション及び/又は他の固定プラットフォーム等の固定プラットフォームにも使用される。またさらに、制御ステーションは様々な軍部、民間、及び/又は宇宙用途に用いることができる。
【0003】
現在、制御ステーションは大きくて重い。例えば、ある制御ステーションは200ポンド程度の重さがある場合がある。現在利用可能な制御ステーションは、約9平方フィートの底辺と5フィートの高さ程度の面積を占めている。
【0004】
既存の制御ステーションの表示面積には限界がある。これらの制御ステーションの表示システムは、プラットフォーム内部に位置する及び/又はプラットフォームに関連する構造物に取り付けられている。この構成により、同時に見ることができる表示システムの数が制限される。また、この構成により表示システムのサイズが制限される。表示システムをプラットフォームに関連する構造物に取り付けることで、プラットフォームの床面積がさらに縮小される。プラットフォームの構造物に取り付けられた表示システムの数が限定されることにより、制御ステーションにおいてオペレータが管理できるユーザー機能の同時にアクセスできる数も限定される。
【0005】
さらに、既存の制御ステーションでは、制御ステーション内のオペレータの移動性が制限する場合がある。このオペレータの移動性の制限は、長期間のミッションにおけるオペレータの疲労につながり得る。例えば、各制御ステーションは、オペレータが座っている間に要求される機能を実行することができるように配置された複数の入力装置を有する必要がある。オペレータが拘束具をつけて座りながら制御ステーションにおいて機能を実施する場合、オペレータの移動性はさらに限定され得る。
【0006】
複数のオペレータによって実行される相互作用が、現在使用されている制御ステーションによって制限される可能性がある。現在の制御ステーションでの共同での問題解決及び意思決定では、オペレータが表示内容を見ることができるように互いに隣接して位置している必要がある。この種の構成は、プラットフォームの安全制約のために、常に可能というわけではない。これらの安全制約は、例えば、乱気流、プラットフォーム操作、及び/又は他の要因等の複数の要因に基づいていてよい。
【0007】
オペレータの相互作用はまた、空間の制約によっても限定され得る。これらの空間制約は、現在の制御ステーションの大きさが原因である場合がある。重量もまた、特定の位置に設置できる制御ステーションの数の制限要因であり得る。例えば、航空機では、どんな追加重量でも航空機の性能又は限界を低減する可能性がある。
【0008】
したがって、上述した一又は複数の問題だけでなく、他の可能性のある問題を考慮した方法及び装置を有することは有利である。
【発明の概要】
【0009】
実例となる一実施形態では、装置は表示システム、モーション・キャプチャーシステム、複数のユーザー入力装置、複数のユーザー入力装置に付随する座席、及びプロセッサ装置を備える。表示システムはオペレータの頭に装着するようになっており、オペレータへ表示が提示される。モーション・キャプチャーシステムは頭の動きを追跡するように構成されている。プロセッサ装置は、表示システム、モーション・キャプチャーシステム、及び複数のユーザー入力装置と通信している。プロセッサ装置は、プログラムコードを実行して表示を生成し、オペレータの頭の動きの検出に応じてオペレータに提示する表示を調節する。
【0010】
別の実例となる実施形態では、ミッションを実施するための方法が存在する。ミッションについての情報は制御ステーションにおいて受信される。制御ステーションは、表示システム、モーション・キャプチャーシステム、複数のユーザー入力装置、複数のユーザー入力装置に付随する座席、及びプロセッサ装置を備える。表示システムはオペレータの頭に装着するようになっており、オペレータへ表示が提示される。モーション・キャプチャーシステムは頭の動きを追跡するように構成されている。プロセッサ装置は、オペレータの頭の動きの検出及び様々な入力装置からの制御入力に応じて、プログラムコードを実行し、表示を生成しオペレータに提示された表示を調節する。ミッションは、情報及び制御ステーションを使用して実施される。
【0011】
特徴、機能及び利点は、本発明の様々な実施形態において個別に達成することが可能である、または下記の説明及び図面を参照することによってさらに詳細を理解することができる更に別の実施形態と組み合わせることが可能である。
【0012】
実例となる実施形態を特徴づけていると思われる新規特性は添付の請求項に記載されている。実例となる実施形態、更なる目的及びその利点は、添付の図面と併せて読むときに、本発明の実例となる実施形態の下記の詳細説明を参照することによって最適に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は実例となる一実施形態による航空機の製造及び保守方法を示す図である。
【図2】図2は実例となる一実施形態を実行可能である航空機の図である。
【図3】図3は実例となる一実施形態による制御環境の図である。
【図4】図4は実例となる一実施形態による制御ステーション用の座席の図である。
【図5】図5は実例となる一実施形態によるワーク表面構造の展開機構の図である。
【図6】図6は実例となる一実施形態による頭部装着表示システムの図である。
【図7】図7は実例となる一実施形態によるモーション・キャプチャーシステムの図である。
【図8】図8は実例となる一実施形態による指先追跡システムの図である。
【図9】図9は実例となる一実施形態による制御ステーションを使用しているオペレータの図である。
【図10】図10は実例となる一実施形態による座席にいるオペレータの図である。
【図11】図11は実例となる一実施形態による座席にいるオペレータの図である。
【図12】図12は実例となる一実施形態による制御ステーションの図である。
【図13】図13は実例となる一実施形態による制御ステーションの座席配置の図である。
【図14】図14は実例となる一実施形態による制御ステーションの座席配置の図である。
【図15】図15は実例となる一実施形態による頭部装着表示システムの図である。
【図16】図16は実例となる一実施形態による頭部装着表示システムの図である。
【図17】図17は実例となる一実施形態による制御ステーションの軽量座席の図である。
【図18】図18は実例となる一実施形態による制御ステーションを使用してミッションを実施するプロセスのフロー図である。
【図19】図19は実例となる一実施形態によるモーション・キャプチャーシステムによって使用されるプロセスのフロー図である。
【図20】図20は実例となる一実施形態による表示を安定化するプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図をさらに具体的に参照すると、本開示の実施形態は図1に示す航空機の製造及び就航方法100と、図2に示す航空機200において説明することができる。まず図1を見ると、航空機の製造及び就航方法を示す図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。試作段階においては、航空機の製造及び就航方法100は、図2の航空機200の規格及び設計102と材料調達104を含むことができる。
【0015】
製造段階においては、図2の航空機200の部品及びサブアセンブリの製造106と、システムの統合108が行われる。その後に、図2の航空機200は認証及び納品110を経て、就航112される。顧客によって使用されている間、図2の航空機200には、修正、再構成、改修、及び他の保守又は点検を含むことができる定期的な保守及び点検114を予定することができる。
【0016】
航空機の製造及び就航方法100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータによって行う又は実施することができる。これらの実施例では、オペレータは顧客であってよい。この説明のために、システムインテグレータは限定しないが、任意の数の航空機メーカー、及び主要システムの下請け業者を含むことができ;第三者は限定しないが、任意の数の供給メーカー、下請け業者、及びサプライヤを含むことができ;オペレータは、航空会社、リース会社、軍部、サービス組織等であってよい。
【0017】
ここで図2を参照すると、実例となる一実施形態を実行可能である航空機の図が図示されている。この実施例では、航空機200は図1の航空機の製造及び就航方法100によって製造され、複数のシステム204と内装206を有する機体202を含むことができる。システム204の実施例は、一又は複数の推進システム208、電気システム210、油圧システム212、環境システム214、及び制御システム216が挙げられる。制御システム216は、これらの実例となる実施例では複数の制御ステーション218を含む。任意の数の他のシステムを含むことができる。航空宇宙の実施例を示したが、異なる実例となる実施形態は例えば自動車産業等の他の産業分野に応用することが可能である。
【0018】
本明細書で具体化した装置及び方法を、図1の航空機の製造及び就航方法100の任意の一又は複数の段階において活用することができる。例えば、図1の部品及びサブアセンブリの製造106で製造された部品又はサブアセンブリは、航空機200が図1の就航112中に製造される部品又はサブアセンブリと同様の方法で加工又は製造することができる。
【0019】
また、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、例えば非限定的に、航空機200を実質的に組立てしやすくする、又は航空機200にかかる費用を削減することによって、例えば図1の部品及びサブアセンブリの製造106及びシステム統合108等の製造段階において用いることが可能である。同様に、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、図1の航空機200の就航112中に、又は保守及び点検114中に用いることができる。例えば、一又は複数の実例となる実施形態による複数の制御ステーションを、一又は複数の異なる製造段階における航空機200に追加することができる。
【0020】
異なる実例となる実施形態は、複数の異なる留意事項を認識し考慮に入れている。例えば、異なる実例となる実施形態は、現在利用可能な制御ステーションよりも重量が軽い制御ステーションをプラットフォームに設置することが望ましいことを考慮し認識する。また、現在使用されている制御ステーションよりも場所をとらない制御ステーションは、空間が限定されているプラットフォームに有用である。異なる実例となる実施形態はまた、現在利用可能な制御ステーションと比べて機能性がさらに増した制御ステーションも望ましいことを考慮し認識する。
【0021】
さらに、異なる実例となる実施形態は、既存の制御ステーションが、所望するよりも大きな電力を使用する可能性がある表示システムを有することを考慮し認識する。既存の制御ステーションはまた、熱をさらに発生させ、冷却に関して特定の要件を有する可能性もある。
【0022】
あるプラットフォームの出力は限定されている可能性がある。例えば、航空機が制御ステーションに使用できる電力の量は限られている可能性がある。これらの電力の制限により、これらのプラットフォームに使用される制御ステーションの数が制限される可能性がある。異なる実例となる実施形態は、電力及び/又は冷却の需要が低い制御ステーションが好ましい場合があることを考慮し認識する。低い電力の需要により、異なるプラットフォームに使用される制御ステーションの数を増やすことが可能になり得る。
【0023】
異なる実例となる実施形態はまた、既存の制御ステーションの表示能力が限定されていることも考慮し認識する。例えば、航空機内の空間は限定されている。この限定された空間により、航空機内の制御ステーションにおいて所望されるよりも少ない及び/又は小さい表示が提示される結果になり得る。
【0024】
異なる実例となる実施形態はまた、既存の制御ステーションが所望の安全機能を有していない可能性があることも考慮し認識する。例えば、既存の制御ステーションには拘束具があるが、制御ステーションの一部である酸素システムはない。制御ステーションに付随する酸素システムを有する制御ステーションを備えることが望ましい。これらの実施例では、酸素システムは制御ステーションに位置する、取り付けられる、制御ステーションの一部である、又は制御ステーションに統合されることによって制御ステーションに付随させることができる。
【0025】
このため、異なる実例となる実施形態は、制御ステーションを使用してミッションを実施するための装置及び方法を提供する。ミッションについての情報は制御ステーションにおいて受信される。制御ステーションは、表示システム、モーション・キャプチャーシステム、座席、複数の入力装置、及びプロセッサ装置を備える。表示システムはオペレータの頭部に装着され、オペレータに表示を提示する。モーション・キャプチャーシステムは、オペレータの頭の動きを追跡する。
【0026】
入力装置からの入力を使用して、表示システムの表示を調節することもできる。座席は複数の入力装置に付随している。プロセッサはプログラムコードを実行して表示を生成する。プロセッサはまた、プログラムコードを実行して、オペレータの頭の動きの検出に応じて、オペレータに提示された表示の調節も行う。ミッションは情報及び制御ステーションを使用して実施される。表示はまた、複数の入力装置からのコマンド受信に応じて調節することも可能である。
【0027】
異なる実例となる実施形態はまた、既存の制御ステーションが全ての可能性のあるオペレータの様々な所望の形態について調節可能でないことがあり得ることを考慮し認識する。異なる実例となる実施形態はまた、この状況がオペレータの疲労をもたらし、オペレータの能力が落ちる可能性があることも認識する。この結果、複数の調節可能な形態を有する制御ステーションを有することが望ましい。
【0028】
ここで図3を参照すると、制御環境の図が実例となる実施形態にしたがって図示されている。制御環境300は、図2の航空機200において実行可能な制御環境の一実施例である。制御環境300は、これらの実例となる実施形態では制御システム301を含む。
【0029】
制御システム301はプラットフォーム302に位置している。制御システム301は複数のミッション303を実施するのに使用される。本明細書に使用されるように、複数の品目は一又は複数の品目を指す。例えば、複数のミッション303は、一又は複数のミッションである。
【0030】
これらの実例となる実施例では、制御システム301は、プラットフォーム302の操作を複数のミッション303の実施の一部として制御することができる。プラットフォーム302は例えば非限定的に、図2の航空機200であってよい。他の実施例では、制御環境300は情報を受信する又は送信することができる。別の実例となる実施例として、制御システム301がプラットフォーム302に位置し、プラットフォーム305の操作を制御する。この実施例では、プラットフォーム302は地上ステーションであってよく、その一方で、プラットフォーム305は無人機、衛星、及び/又は他の何らかの好適なプラットフォームであってよい。
【0031】
これらの実例となる実施例では、制御システム301は制御ステーション308を含む。オペレータ307は複数のミッション303を実施するために制御ステーション308を使用する。
【0032】
これらの実例となる実施例では、制御ステーション308は、座席304、表示システム306、モーション・キャプチャーシステム309、及びデータ処理システム360を含む。座席304はこれらの実施例では調節可能な座席である。換言すれば、座席304は複数の寸法において調節可能である。座席304は、オペレータ307に対しより良いサポートを提供するために調節することができる。座席304は、フレーム310を含む。フレーム310は、基部312、腕部314、及び腕部316を含む。腕部314は座席304の側部318に位置することができ、腕部316は座席304の側部320に位置することができる。
【0033】
この図示した実施例では、ワーク表面構造322は座席304の側部318に付随することができる。ワーク表面構造324はこれらの実施例では座席304の側部320に付随することが可能である。例えば、ワーク表面構造324は、側部320に固定される、側部320に接着される、側部320に留め付けられる、及び/又は他の何らかの好適なやり方で側部320に接続されることによって、座席304の側部320に付随することができる。さらに、ワーク表面構造324は、座席304の側部320の一部及び/又は延長部として形成されることによって、側部320に付随することができる。これらの実施例では、ワーク表面構造322とワーク表面構造324はそれぞれ、フレーム310に腕部314及び腕部316で取り付けられている。
【0034】
ワーク表面構造322とワーク表面構造324は座席304のフレーム310に可動に取り付けられている。これらの実施例では、ワーク表面構造322とワーク表面構造324は、フレーム310に沿って水平に及び/又は垂直に動くことができる。ワーク表面構造322と324は例えば非限定的に、ケース、エンケーシング、ホルダー、及び/又は他の何らかの好適な種類の構造であってよい。
【0035】
ワーク表面構造322は第1ワーク表面326に付随し、ワーク表面構造324は第2ワーク表面328に付随する。第1ワーク表面326及び第2ワーク表面328はそれぞれ、腕部314及び腕部316に沿って滑動する。このように、第1ワーク表面326及び第2ワーク表面328は、腕部314及び腕部316に沿って調節可能である。さらに、第1ワーク表面326及び/又は第2ワーク表面328は、ワーク表面構造322及び/又はワーク表面構造324をそれぞれフレーム310に沿って動かすことによって調節可能である。
【0036】
これらの実施例では、第1ワーク表面326及び第2ワーク表面328は展開状態330及び閉鎖状態332を有することができる。展開状態330においては、第1ワーク表面326及び第2ワーク表面328がワーク表面331を形成している。ワーク表面331は複数の形態に調節可能である。この実例となる実施例では、これらの形態は、ワーク表面構造322及び/又はワーク表面構造324を動かす、及び/又は第1ワーク表面326及び/又は第2ワーク表面328を滑動させることにより形成することができる。ワーク表面331はオペレータ307に適応するように調節することができる。ワーク表面331の調節により、ワーク表面331がより多数のオペレータによって使用されることが可能になり得る。
【0037】
これらの実例となる実施例では、ワーク表面331は複数の入力装置334に付随している。複数の入力装置334は、例えば非限定的に、キーボード336、マウス338、トラックボール340、ハンドコントローラ342、ジョイスティック346、ジェスチャー検出システム347、及び/又は他の何らかの好適なユーザー入力装置を含むことができる。
【0038】
第1ワーク表面326及び第2ワーク表面328は、これらの実例となる実施形態では、キーボード336、マウス338、及び/又はジョイスティック346を保持するように構成することができる。ある実例となる実施形態では、キーボード336の第1部分が第1ワーク表面326に付随することができ、キーボード336の第2部分が第2ワーク表面328に付随することができる。
【0039】
当然ながら、複数の入力装置334を他の場所に位置づけすることができる。例えば、複数の入力装置334はまた、フットコントローラ344も含むことができ、このフットコントローラ344は座席304の下部に取り付けることができる。フットコントローラ344は例えば、フットペダル、フットスイッチ、及び/又は他の何らかの好適な入力装置であってよい。
【0040】
表示システム306は、オペレータ307の頭333に装着する装置であり、オペレータ307に表示350を提示する。例えば、表示システム306は頭部装着表示システム348であってよい。これらの実施例では、表示350はオペレータ307に対して情報351を提示する。例えば、表示350は複数の表示354を提示する。
【0041】
複数の表示354は例えば、複数の物理的な表示、ウインドウ、及び/又はオペレータ307に対して情報351を提示するための他の何らかの好適な形態の仮想表現であってよい。複数の表示354により、オペレータ307にプラットフォーム302及び/又はプラットフォーム305の内部及びその間で通信する能力が提供される。この通信には、情報交換351を含むことができる。この情報は、データ、画像、映像、コマンド、メッセージ及び/又は情報351の他の好適な形態を含むことができる。情報351はまた、例えばマップ、ステータス情報、移動マップ、及び/又は情報351の別の好適な形態であってもよい。
【0042】
これらの実例となる実施例では、頭部装着表示システム348は、オペレータ307が表示350を見ることができるようにするメガネ352を含むことができる。これらの図示した実施例では、表示システム306はまた、複数の出力装置357を含むこともできる。複数の出力装置357は例えば非限定的に、スピーカー359であってよい。スピーカー359は、オーディオ形式で情報351を提示することができる。スピーカー359は、頭部装着表示システム348のメガネ352に統合される、又はそうでなければ付随することができる。オペレータ307は、複数の入力装置334を使って表示350でこれらのシステムを指揮し制御することができる。
【0043】
オペレータ307は複数の入力装置334を使用して、表示350を調節する。例えば、オペレータ307は複数の入力装置334を使用して、複数の表示354のうちから特定の一連の表示を選択して見ることができる。オペレータ307はまた、複数の入力装置334を使用して複数の表示354及び表示350のサイズ、方向性、配置、及び/又は他の何らかの適切な特徴も調節することができる。
【0044】
さらに、オペレータ307は、ジェスチャー検出システム347を使用して、プラットフォーム302及び/又はプラットフォーム305の操作を制御することができる。ある実例となる実施形態では、ジェスチャー検出システム347は指先追跡システム355を含む。指先追跡システム355により、表示350をタッチ画面表示として使用することが可能になる。指先追跡システム355は、オペレータ307の指の動き及び位置を追跡する。このように、指先追跡システム355により、表示350がタッチ画面表示をエミュレートすることが可能になり得る。
【0045】
これらの実例となる実施例では、モーション・キャプチャーシステム309は、オペレータ307が頭部装着表示システム348を装着している間、オペレータ307の頭333の動きを追跡する。この実例となる実施例では、モーション・キャプチャーシステム309は、光センサ356、慣性センサ358、及び/又は他の何らかの好適な種類のセンサを含む。光センサ356は、オペレータ307の頭333の動きの範囲と頭部装着表示システム348を追跡するのに使用される。慣性センサ358は、オペレータ307の頭333の側面の動きと頭部装着表示システム348を追跡するのに使用される。モーション・キャプチャーシステム309は、頭333の位置についての情報を、例えばデータ処理システム360等のデータ処理システムへ送信する。
【0046】
これらの実例となる実施例では、データ処理システム360は制御ステーション308に付随する。これらの実例となる実施例では、データ処理システム360を座席304及び/又は表示システム306に統合することができる。他の実例となる実施例では、データ処理システム360は制御ステーション308から遠く離れて位置していてよい。データ処理システム360は、プロセッサ装置364、バス366、通信装置368、入力/出力装置370、及び複数の記憶装置372を含む。複数の記憶装置372は、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、光ドライブ、フラッシュメモリ、及び/又は他の何らかの種類の記憶装置のうちの少なくとも一つから選択することができる。
【0047】
本明細書に使用されるように、「のうちの少なくとも一つ」という語句は、品目リストに使用される場合、一又は複数のリストに挙げられた品目の異なる組み合わせを使用することができ、リスト中の各品目のうちの一つのみを要する場合があることを意味する。例えば、「品目A、品目B、及び品目Cのうちの少なくとも一つ」は例えば、非限定的に、品目A又は品目A及び品目Bを含むことができる。この例はまた、品目A、品目B、及び品目C又は品目B及び品目Cも含むことができる。他の実施例では、「のうちの少なくとも一つ」は例えば、非限定的に、品目A2つ、品目B一つ、及び品目C10個;品目B4つ及び品目C7個;及び他の好適な組み合わせであってよい。
【0048】
プログラムコード374は、複数の記憶装置372のうちの少なくとも一つに保存される。プログラムコード374は関数形式である。プロセッサ装置364はプログラムコード374を実行する。
【0049】
プログラムコード374を使用して、表示350と、表示350内の複数の表示354を生成し提示することができる。プログラムコード374はまた、表示350を調節するのにも使用することができる。これらの調節は、オペレータ307の頭333の動き及び/又はモーション・キャプチャーシステム309からの入力に応じて行うことができる。このように、頭333の動きと共に動く表示350から発生する可能性のある目まい及び不快感を緩和する及び/又は防止することができる。表示350は、オペレータ307の頭333が動いている間安定化されて、オペレータ307の望ましくないレベルの不快な症状を緩和する及び/又は防止する。さらに、プログラムコード374を実行して、複数の入力装置334を使用したオペレータ307からの入力に応じて、表示350を調節することができる。
【0050】
これらの実例となる実施例では、制御ステーション308はまた、座席304に付随する安全装置376も含む。安全装置376は例えば非限定的に、複数の拘束具366のうちの少なくとも一つ、酸素システム368、及び他の好適な種類の安全装置を含むことができる。複数の拘束具366は例えば安全ベルト、ハーネス、及び/又は他の何らかの好適な種類の拘束システムの形態を取ることができる。
【0051】
これらの実施例では、酸素システム368は管路システム378を含む。管路システム378は例えば酸素タンク379等の酸素源に接続されている。管路システム378は、酸素タンク379から酸素の流れをオペレータ307へ供給することができる管類の集まりである。これらの実例となる実施例では、酸素タンク379は座席304に付随する。換言すると、酸素タンク379は、座席304に取り付けられる、座席304内に位置している、座席304の一部である、又は他の何らかの好適なやり方で座席304に付随することができる。
【0052】
図3の制御環境300の記載は、物理的又はアーキテクチャ上の制限を暗示することを意図したものではなく、異なる実例となる実施形態を実行可能である。記載された構成要素に加えて及び/又はその代わりに他の構成要素を使用することが可能である。ある構成要素は、幾つかの実例となる実施形態において不要である場合がある。また、ブロックは幾つかの機能性構成要素を示すために提示されている。一又は複数のこれらのブロックは、異なる実例となる実施形態において実行されるときに、異なるブロックと組み合わせて及び/又は異なるブロックに分けることができる。
【0053】
例えば、制御環境300は、制御ステーション308に加えて、複数の追加制御ステーションを含むことができる。ある実例となる実施形態では、プロセッサ装置364は、座席304、表示システム306、リモートデータ処理システム、及び/又は他の何らかの好適な場所に付随するデータ処理システム360のうちの少なくとも一つに位置することができる。データ処理システム360の他の構成要素はまた、これらの実施例では、座席304を必要とせず、又は座席304に付随して表示システム306内部に位置することもできる。
【0054】
ある実例となる実施形態では、モーション・キャプチャーシステム309は頭部装着表示システム348の一部であってよい。他の実例となる実施形態では、複数の入力装置334は、例えばマイクロホン380等のマイクロホンを含むことができる。ある実施例では、マイクロホン380を頭部装着表示システム348に統合することができる。マイクロホン380からプロセッサ装置364に入力を送信することができる。オペレータ307はマイクロホン380を使用して、表示350及び/又は表示350に提示されている情報351を調節することができる。オペレータ307はまた、マイクロホン380を使って表示350にコマンドを送ることもできる。マイクロホン380からの入力は、音声認識システム382によって認識可能である。音声認識システム382は、これらの実施例では、データ処理システム360の一部であり得る。
【0055】
さらに別の実例となる実施形態では、酸素システム368は、酸素タンク379以外に又はこれに加えて酸素源に接続される管路システム378を有していてよい。例えば、管路システム378は、プラットフォーム302の酸素源に接続することができる。さらに別の実例となる実施形態では、ワーク表面331を、座席304の片面から展開可能な単一のワーク表面によって形成することができる。
【0056】
ここで図4を参照すると、制御ステーションの座席の図が、実例となる実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、座席401を有する制御ステーション400は、図3の制御ステーション308の一実行形態の実施例である。
【0057】
この実例となる実施例では、座席401は腕部404、腕部406、及び基部408を有するフレーム402を有する。座席401はまた、腕部404に付随するワーク表面410と、腕部406に付随するワーク表面412も有している。これらの実例となる実施例では、ワーク表面410は腕部404に取り付けられ、ワーク表面412は腕部406に取り付けられている。他の実施例では、ワーク表面410とワーク表面412は腕部404と腕部406の一部として形成することができる。
【0058】
これらの実例となる実施例では、ワーク表面410とワーク表面412はそれぞれ、腕部404と腕部406に可動に取り付けられている。さらに、ワーク表面410とワーク表面412は、展開状態と閉鎖状態の間を移動する。展開状態では、ワーク表面410とワーク表面412でワーク表面414を形成している。
【0059】
図示したように、座席401はスライディングパン416と、座席401の反対側に別のスライディングパン(この図では示さず)を有している。スライディングパン416はフレーム402に沿って縦方向に移動可能である。スライディングパン416の縦方向の移動は、フレーム402に取り付けられたアクチュエータ418によって駆動される。同様のやり方で、フレーム402に取り付けられた別のアクチュエータ(この図では示さず)は、座席401の別のスライディングパンの縦方向の移動を駆動することができる。
【0060】
さらに、座席401のスライディングパン416及び他のスライディングパンは、例えばスライディングパン416の水平可動部分420等の水平可動部分を有する。ワーク表面構造426及びワーク表面構造428はそれぞれ、座席401のスライディングパン416の水平可動部分420に沿って、そして他のスライディングパンの水平可動部分に沿って水平に滑動する。
【0061】
この実例となる実施例では、肘掛422がスライディングパン416に取り付けられ、肘掛424が座席401の他のスライディングパンに取り付けられている。これらの肘掛は、肘掛としてオペレータをサポートする。また、これらの肘掛は、展開状態にあるワーク表面410とワーク表面412をサポートする。
【0062】
ワーク表面構造426及びワーク表面構造428はそれぞれ、ワーク表面410とワーク表面412を展開させることができる複数の展開機構を有することができる。ワーク表面410とワーク表面412は展開されてワーク表面414を形成する。
【0063】
ここで図5を参照すると、ワーク表面構造の展開機構の図が実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、図4の座席400のワーク表面構造426が、ワーク表面410が閉じた状態で図示されている。
【0064】
ワーク表面構造426は、ラッチ502、バネ504、及びバネ506を有する展開機構500を有している。ラッチ502が開放されると、バネ504及びバネ506によりワーク表面410が動いて展開状態になる。
【0065】
この実例となる実施例では、バネ504及びバネ506は、ワーク表面410の回転軸として機能する。例えば、ラッチ502が開放された時に、ワーク表面410はバネ504及びバネ506周囲を回転する。言い換えると、ワーク表面410はバネ504及びバネ506を通して軸周囲を回転する。この回転により、ワーク表面410の端部508が展開状態にあるワーク表面410の端部510とほぼ同じレベルになる。同様に、図4のワーク表面412は、図4のワーク表面構造428の展開機構を使用して動かし、展開状態にすることができる。
【0066】
他の実例となる実施例では、展開状態にあるワーク表面410をバネ504及びバネ506を通って延びる軸周囲で機械的に及び/又は電気的に回転させて、ワーク表面410を動かして展開状態から閉鎖状態にすることができる。
【0067】
ある実例となる実施例では、座席400にいるオペレータは、ワーク表面410を展開状態と閉鎖状態の間で動かす前に、図4のスライディングパン416の水平可動部分420に沿ってワーク表面構造426を滑動させることができる。例えば、ワーク表面410がバネ504とバネ506周囲を回転している間ワーク表面410とオペレータの足が接触するのを防ぐために、水平可動部分420に沿ってワーク表面構造426を滑動させることができる。
【0068】
ここで図6を参照すると、頭部装着表示システムの図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、頭部装着表示システム600は図3の頭部装着表示システム348の一実行形態の実施例である。頭部装着表示システム600を使用して、例えば図3の表示350等の仮想表示を表示することができる。ある実施例では、例えば図3のモーション・キャプチャーシステム309等のモーション・キャプチャーシステムを、頭部装着表示システム600の端部602に取り付けることができる。
【0069】
ここで図7を参照すると、モーション・キャプチャーシステムの図が実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、モーション・キャプチャーシステム700は図3のモーション・キャプチャーシステム309の一実行形態の実施例である。この実施例では、モーション・キャプチャーシステム700はヘッドセット701に取り付けられている。他の実施例では、モーション・キャプチャーシステム700は、例えば図6の頭部装着表示システム600等のヘッドセットに取り付けることができる。さらに具体的には、モーション・キャプチャーシステム700を図6の頭部装着表示システム600の端部602に取り付けることができる。
【0070】
図示したように、モーション・キャプチャーシステム700は光センサ702と慣性センサ704を有する。光センサ702と慣性センサ704を一緒に使用して、ヘッドセット701のオペレータの頭の位置を追跡することができる。ある実例となる実施形態では、頭の側部の動きの追跡は不必要な場合がある。これらの実施例では、慣性センサ704は必要でない可能性があり、光センサ702による動きの追跡で十分であり得る。
【0071】
ここで図8を参照すると、指先追跡システムの図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、指先追跡システム800は図3の指先追跡システム359の一実行形態の実施例である。例えば、指先追跡システム800は、例えば図3のデータ処理システム360等のデータ処理システムに接続されることによって、制御ステーションの座席に付随することができる。他の実施例では、指先追跡システム800は図3の制御ステーション308の他の構成要素に付随することができる。
【0072】
指先追跡システム800を使用して、オペレータの指の動きと位置を追跡することができる。例えば、頭部装着表示システム600等の頭部装着表示システムにより、タッチ画面エミュレーションが可能な仮想表示を得ることができる。指先追跡システム800により、この仮想表示でタッチ画面表示のエミュレーションを可能にすることができる。
【0073】
ここで図9を参照すると、制御ステーションを使用するオペレータの図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、制御ステーション900は、図3の制御ステーション308の一実行形態の実施例である。この実例となる実施例では、制御ステーション900は、頭部装着表示システム901、頭部装着表示システム901に取り付けられたモーション・キャプチャーシステム902、及び座席904を含む。
【0074】
座席904は、展開状態にあるワーク表面908とワーク表面910によって形成されるワークテーブル906を含む。この実施例では、ワークテーブル906はキーボード912とマウス914を保持する。
【0075】
オペレータ916は頭部装着表示システム901を使用して、表示918を見る。表示918は物理的には存在しない。代わりに、表示918の図示は、頭部装着表示システム901を使用しているオペレータ916に現れる表示の一実施例である。換言すると、表示918は物理的な表示ウインドウの仮想表示である。
【0076】
この実例となる実施例では、表示918はモーション・キャプチャーシステム902を使用して三次元において安定化される。言い換えれば、オペレータ916は動くことができるが、表示918は制御ステーション900に対して固定されたままである。モーション・キャプチャーシステム902は、オペレータ916の頭920の動きを追跡して、表示918を安定させる。表示918は、オペレータ916により頭部装着表示システム901を通してのみ見ることが可能である。
【0077】
ここで図10を参照すると、図9の座席904にいるオペレータ916の図が、実例となる実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、オペレータ916は、ワーク表面908とワーク表面910が閉鎖状態にある座席904にいる。
【0078】
ここで図11を参照すると、図9の座席904にいるオペレータ916の図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、ワーク表面908とワーク表面910が部分的に展開した状態にある座席904にいるオペレータ916の別の図が図示されている。
【0079】
ここで図12を参照すると、制御ステーションの図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、制御ステーション1200は図3の制御ステーション308の一実行形態の実施例である。さらに、座席1202は図3の座席304の一実行形態の実施例である。
【0080】
この実例となる実施例では、仮想表示1204は図3の表示350の一実行形態の実施例である。仮想表示1204はこの実例となる実施例では、ウインドウ1206、ウインドウ1208、及びウインドウ1210を含む。図示したように、これらの表示は、例えば図3の頭部装着表示システム348等の頭部装着表示システムを使用するオペレータが座席1202にいる間に、表示が見えるような構成で図示されている。ウインドウ1206、1208、及び1210は物理的ウインドウの仮想表現である。
【0081】
ここで図13を参照すると、制御ステーションの座席配置の図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、制御ステーション1300は座席1304及び表示1306を含み、制御ステーション1308は座席1310及び表示1312を含む。
【0082】
この実施例では、座席1304と座席1310は互いに真向かいに位置づけされている。この種の配置では、オペレータ1314とオペレータ1316がそれぞれ表示1306と表示1312を見ている間は互いを見ることができない可能性がある。制御機器を使用して表示1306及び1312内のウインドウの配置を再構成して、オペレータ1314及び1316が互いを見ることができるようにすることができる。表示1306及び1312内のウインドウを再構成して、全てのウインドウをオペレータの視野外に動かすことができる。
【0083】
ここで図14を参照すると、制御ステーションの座席配置の図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、制御ステーションの別の構成が図示されている。この実例となる実施例では、制御ステーション1400は座席1402及び表示1404を含み、制御ステーション1406は座席1408及び表示1410を含む。この実施例では、座席1402と座席1408は、中心からずれた構成で配置されている。この構成により、オペレータ1412とオペレータ1414が頭を回すことによって互いを見て交流することが可能になる。
【0084】
ここで図15を見ると、頭部装着表示システムの図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実施例では、頭部装着表示システム1500は図3の頭部装着表示システム348の一実行形態の実施例である。頭部装着表示システム1500は、ミラージュ・イノベーション社によって製造されたLightVu表示システムの一実施例である。
【0085】
ここで図16を見ると、頭部装着表示システムの図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実施例では、頭部装着表示システム1600は、図3の頭部装着表示システム348の一実行形態の実施例である。頭部装着表示システム1600は、Sensics社によって製造されたpiSightHMD表示システムの一実施例である。
【0086】
ここで図17を見ると、制御ステーションの座席の図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。この実例となる実施例では、制御ステーション1700の座席1701は、図3の制御ステーション308の座席304の一実行形態の実施例である。座席1701は、キーボード1704、マウス1706、及びジョイスティック1708を保持するワーク表面1702を含む。この実施例で図示したように、座席1701は拘束具1710を有する。
【0087】
ここで図18を参照すると、制御ステーションを使用してミッションを行うプロセスのフロー図が、実例となる実施形態にしたがって図示されている。図18に示すプロセスは、例えば図3の制御環境300の制御ステーション308等の制御ステーションを使用して実行可能である。
【0088】
このプロセスは、制御ステーションにおいてミッションについての情報を受信することによって開始する(作業1800)。制御ステーションは、表示システム、モーション・キャプチャーシステム、複数の入力装置、座席、及びプロセッサ装置を備える。表示システムは、オペレータの頭に装着され、オペレータに表示を提示するように構成されている。モーション・キャプチャーシステムはオペレータの頭の動きを追跡する。複数の入力装置は座席に付随している。プロセッサ装置は、複数の入力装置からのコマンド及び/又はオペレータの頭の動きの検出に応じて、プログラムコードを実行して表示を生成し、表示を調節する。
【0089】
このプロセスは次に、表示システムを使用して情報を表示する(作業1802)。このプロセスは、複数の入力装置においてオペレータからの入力を受信する(作業1804)。このプロセスは次に、オペレータからの入力に基づいて複数の制御信号を生成する(作業1806)。これらの制御信号を使用して、例えば航空機、潜水艦、宇宙船、陸上車、無人機、地上ステーション、及び/又は他の何らかの好適なプラットフォーム等のプラットフォームを制御することができる。この情報と制御ステーションを利用して、ミッションが実施され(作業1808)、その後プロセスは終了する。
【0090】
ここで図19を参照すると、モーション・キャプチャーシステムによって使用されるプロセスのフロー図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。図19に示すプロセスは、例えば図3のモーション・キャプチャーシステム309等のモーション・キャプチャーシステムによって実行可能である。
【0091】
このプロセスは、オペレータの頭の位置を識別することによって開始する(作業1900)。例えば、モーション・キャプチャーシステムは、三次元においてオペレータの頭の位置を識別することができる。このプロセスは次に、位置データを生成する(作業1902)。このプロセスは、オペレータの頭の動きを監視する(作業1904)。これらの実例となる実施例では、モーション・キャプチャーシステムはオペレータの頭の位置及び/又は方向性のいかなる変化をも監視することができる。
【0092】
頭の動きが検出されたかどうかが判定される(作業1906)。頭の動きが全く検出されない場合、プロセスは作業1904に戻る。動きが検出されると、プロセスは作業1900に戻って、オペレータの頭の新しい位置を識別する。このように、モーション・キャプチャーシステムは、オペレータの頭の動きを継続的に追跡し、オペレータの頭の位置データを生成するのに使用される。
【0093】
ここで図20を参照すると、表示を安定化するプロセスのフロー図が、実例となる一実施形態にしたがって図示されている。図20に示すプロセスは、例えば非限定的に、図3の制御ステーション308のモーション・キャプチャーシステム309とデータ処理システム360を使用して実行することができる。
【0094】
このプロセスは、オペレータの頭の最初の位置データを受信することによって開始する(作業2000)。オペレータの頭の最初の位置データはモーション・キャプチャーシステムによって生成される。最初の位置データはデータ処理システム内のプロセッサ装置において受信される。このプロセスは次に、最初の位置データに基づいて表示を位置づけする(作業2002)。例えば、表示は制御ステーションの座席に相対的に位置づけすることができる。これらの実例となる実施例では、表示は頭部装着表示システムを使用してオペレータへ提示される。この表示はこれらの実施例では、物理的な表示の仮想表現である。
【0095】
このプロセスは次に、オペレータの頭の動きが検出されたかどうかを判定する(作業2004)。プロセッサ装置はモーション・キャプチャーシステムからの入力を監視して、オペレータの頭が動いたかどうかを判定する。動きが全く検出されなかった場合、このプロセスは作業2004に戻り、オペレータの頭の動きの検出を継続する。
【0096】
オペレータの頭の動きが検出されると、このプロセスは次に、表示を調節して、制御ステーションに対して固定されるようにオペレータへの表示を安定させる(作業2006)。換言すれば、オペレータは、オペレータの頭が動いたにも関わらず、表示が制御ステーションに対して固定された位置を保つことを認識する。プロセッサ装置はプログラムコードを実行して表示に対するこれらの調節を行う。このように、オペレータの頭及び/又は頭部装着表示システムが動いても、表示は固定された位置を保つことができる。このプロセスは次に作業2004に戻る。
【0097】
異なる実例となる実施形態のフロー図及びブロック図は、異なる実例となる実施形態の装置及び方法のある可能な実行形態のアーキテクチャ、機能性、及び操作を示す。これについては、フロー図又はブロック図の各ブロックはモジュール、セグメント、機能、及び/又は作業又はステップの一部を表すことができる。ある代替実行形態では、ブロックに記載された一つの機能又は複数の機能を図面に記された順番とは違う順番で行うことができる。例えば、ある場合には、関連する機能性によって、連続して示す2つのブロックをほぼ同時に実行することができる、又はブロックをしばしば逆の順番に実行することができる。
【0098】
このため、異なる実例となる実施形態は、制御ステーションを使用してミッションを実施する装置及び方法を表す。制御ステーションは、表示システム、モーション・キャプチャーシステム、複数の入力装置、複数の入力装置に付随する座席、及びプロセッサ装置を備える。表示システムは、オペレータの頭に装着され、オペレータに表示を提示する。モーション・キャプチャーシステムは、オペレータの頭の動きを追跡する。プロセッサ装置は、表示システム、モーション・キャプチャーシステム、及び複数の入力装置と通信する。プロセッサ装置はプログラムコードを実行して表示を生成し、複数の入力装置からのコマンド及び/又はオペレータの頭の動きの検出に応じて、オペレータに提示される表示を調節する。
【0099】
異なる実例となる実施形態は、現在利用可能な制御ステーションよりも重量の軽い制御ステーションを提供する。また、異なる実例となる実施形態は、現在利用可能な制御ステーションよりも狭い空間を占める制御ステーションを提供する。異なる実例となる実施形態はまた、複数の所望の安全機能を一体化する制御ステーションも提供する。これらの安全機能は例えば非限定的に、統合酸素システム、座席拘束具、及び/又は他の安全装置を含むことができる。さらに、制御ステーションの座席は、例えばチェストベスト等の安全装備を着用するオペレータを受容するために調節可能であってよい。
【0100】
異なる実例となる実施形態はまた、現在利用可能な制御ステーションよりも少ない電力を消費し、それほど冷却する必要がない制御ステーションも提供する。この電力消費の削減は、既存の制御ステーションに付随する複数のより大きな物理的表示とは対照的に、単一の頭部装着表示システムを有する制御ステーションが原因であり得る。複数の表示システムの削減はまた、発熱を軽減し、冷却の必要を減らすことにもなる。
【0101】
異なる実例となる実施形態はまた、オペレータの疲労を軽くし、現在の制御ステーションよりもオペレータ人口の大部分を受容できる調節可能な構成要素を有する制御ステーションも提供する。
【0102】
異なる実例となる実施形態の説明は、図示及び説明目的で記載されており、包括する又は開示された形の実施形態に限定するものではない。当業者には、多数の修正及び変更が明らかである。
【0103】
異なる実例となる実施形態を航空機に関連させて説明してきたが、異なる実例となる実施形態は、幾つかの実例となる実施形態を他の種類のプラットフォームに応用することもできることを認識する。例えば限定しないが、他の実例となる実施形態を可動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上構造物、水上構造物、宇宙構造物、及び/又は他の何らかの好適な物体に応用することができる。さらに具体的には、異なる実例となる実施形態を例えば非限定的に、水上艦、タンク、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、潜水艦、自動車、航空会社のオペレーションセンター、パワープラント、製造設備、無人機制御センター、建物、及び/又は他の好適なプラットフォームに応用することができる。
【0104】
さらに、他の実例となる実施形態と比較して、異なる実例となる実施形態により異なる利点を得ることが可能である。選択された一つの又は複数の実施形態は、実施形態の原理と実際の応用形態を最適に説明するために、そして当業者が特定の使用に好適な、様々な修正を施した様々な実施形態の開示内容を理解することができるように、選択され説明された。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本明細書に記載された材料は、センサ、武器、通信システム、安全機能、ナビゲーションシステム、飛行管理、及び/又はこれらの任意の数の他の組み合わせを制御するのに使用される空中及び地上プラットフォームの制御ステーションに応用される。制御ステーションはまた、例えば非限定的に、船舶、潜水艦、タンク、宇宙船、宇宙ステーション、及び/又は他の航空宇宙、空中、宇宙、及び/又は地上プラットフォーム等の他の可動プラットフォームにも使用される。さらに、制御ステーションはまた、例えば地上ステーション、オペレーションセンター、コマンド及び制御ステーション及びセンター、及び/又は他の同様のプラットフォーム等の固定プラットフォームにも使用される。またさらに、制御ステーションは、様々な軍部、民間、及び/又は宇宙製品、構成要素、及び用途に採用することができる。
【0106】
発明者は特定の実施形態の観点から本明細書に本発明を記載したが、当然ながら本発明を、本発明の精神又は請求項の範囲から逸脱せずに修正することが可能である。
【符号の説明】
【0107】
100 航空機の製造及び就航方法
102 規格及び設計
104 材料調達
106 部品及びサブアセンブリの製造
108 システムの統合
110 認証及び納品
112 就航
114 保守及び点検
200 航空機
202 機体
204 システム
206 内装
208 推進システム
210 電気システム
212 油圧システム
214 環境システム
216 制御システム
218 複数の制御ステーション
300 制御環境
301 制御システム
302 プラットフォーム
303 複数のミッション
304 座席
305 プラットフォーム
306 表示システム
307 オペレータ
308 制御ステーション
309 モーション・キャプチャーシステム
310 フレーム
312 基部
314 腕部
316 腕部
318 側部
320 側部
322 ワーク表面構造
324 ワーク表面構造
326 第1ワーク表面
328 第2ワーク表面
330 展開状態
331 ワーク表面
332 閉鎖状態
333 頭
334 複数の入力装置
336 キーボード
338 マウス
340 トラックボール
342 ハンドコントローラ
344 フットコントローラ
346 ジョイスティック
347 ジェスチャー検出システム
348 頭部装着表示システム
350 表示
351 情報
352 メガネ
354 複数の表示
355 指先追跡システム
356 光センサ
357 複数の出力装置
358 慣性センサ
359 スピーカー
360 データ処理システム
364 プロセッサ装置
366 バス
366 複数の拘束具
368 通信装置
368 酸素システム
370 入力/出力装置
372 複数の記憶装置
374 プログラムコード
376 安全装置
378 管路システム
379 酸素タンク
380 マイクロホン
382 音声認識システム
400 制御ステーション
401 座席
402 フレーム
404 腕部
406 腕部
408 基部
410 ワーク表面
412 ワーク表面
414 ワーク表面
416 スライディングパン
418 アクチュエータ
420 水平可動部分
422 肘掛
424 肘掛
426 ワーク表面構造
428 ワーク表面構造
500 展開機構
502 ラッチ
504 バネ
506 バネ
508 端部
510 端部
600 頭部装着表示システム
602 端部
700 モーション・キャプチャーシステム
701 ヘッドセット
702 光センサ
704 慣性センサ
800 指先追跡システム
900 制御ステーション
901 頭部装着表示システム
902 モーション・キャプチャーシステム
904 座席
906 ワークテーブル
908 ワーク表面
910 ワーク表面
912 キーボード
914 マウス
916 オペレータ
918 表示
920 頭
1200 制御ステーション
1202 座席
1204 仮想表示
1206 ウインドウ
1208 ウインドウ
1210 ウインドウ
1300 制御ステーション
1304 座席
1306 表示
1308 制御ステーション
1310 座席
1312 表示
1314 オペレータ
1316 オペレータ
1400 制御ステーション
1402 座席
1404 表示
1406 制御ステーション
1408 座席
1410 表示
1412 オペレータ
1414 オペレータ
1500 頭部装着表示システム
1600 頭部装着表示システム
1700 制御ステーション
1701 座席
1702 ワーク表面
1704 キーボード
1706 マウス
1708 ジョイスティック
1710 拘束具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
オペレータの頭に装着し、オペレータに表示を提示する表示システム306;
頭333の動きを追跡するモーション・キャプチャーシステム309;
複数のユーザー入力装置334;
前記複数のユーザー入力装置に付随する座席304;及び
表示システム348、モーション・キャプチャーシステム309、及び複数のユーザー入力装置334と通信するプロセッサ装置364を含み、前記プロセッサ装置364が、プログラムコードを実行して表示348を生成し、オペレータの頭の動きの検出に応じて、オペレータに提示された表示を調節する装置。
【請求項2】
座席304に付随する安全装置376をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
安全装置376は、複数の拘束具366及び酸素システム368のうちの少なくとも一つから選択される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
酸素システム368が、酸素源379に接続される管路システム378を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
酸素源が、座席304が位置するプラットフォームの供給源及び座席304に付随する酸素タンク379のうちの一つから選択される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
プロセッサ装置364が、プログラムコード374を実行して複数の表示354を生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のユーザー入力装置334は、キーボード336、トラックボール340、ハンドコントローラ342、フットコントローラ344、ジェスチャー検出システム347、マウス338、指先追跡システム355、マイクロホン380、及びジョイスティック346のうちの少なくとも一つから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
座席304が調節可能な座席である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
座席304が:
フレーム310;
前記フレームに付随する第1腕部314;
前記フレーム310に付随する第2腕部316;
前記第1腕部314に可動に取り付けられた第1ワーク表面326;及び
前記第2腕部316に可動に取り付けられた第2ワーク表面328を含み、前記第1ワーク表面326と第2ワーク表面328とが展開状態と閉鎖状態の間を移動し、前記第1ワーク表面326と前記第2ワーク表面328が展開状態にある時に、単一のワーク表面331を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1ワーク表面326が前記第1腕部314に沿って滑動し、前記第2ワーク表面328が前記第2腕部316に沿って滑動する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
複数のユーザー入力装置334が、第1ワーク表面326に取り付けられた第1部分と、前記第2ワーク表面328に取り付けられた第2部分を有するキーボード336を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
複数のユーザー入力装置334が、前記第1ワーク表面326及び前記第2ワーク表面328のうちの一つに取り付けられたポインティング・デバイス338、340、342、346、347をさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
プロセッサ装置364が、座席304に付随するデータ処理システム360、表示システム306、及びリモートデータ処理システムのうちの少なくとも一つに位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
表示システム306、モーション・キャプチャーシステム309、複数のユーザー入力装置334、座席304、及びプロセッサ装置364が、制御ステーション218、308、400、900、1200、1300、1308、1400、1406、1700を形成し、さらに:
プラットフォーム302を含み、制御ステーション218、308、400、900、1200、1300、1308、1400、1406、1700がプラットフォーム302に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
プラットフォーム302が、可動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上構造物、水上構造物、宇宙構造物、航空機、水上艦、タンク、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、潜水艦、及び自動車、航空会社のオペレーションセンター、パワープラント、製造設備、無人機制御センター、及び建物のうちの一つから選択される、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−8788(P2011−8788A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−144340(P2010−144340)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】