説明

任意のナイロンをオーバーモールドするためのブロック共重合体組成物

ナイロン基材をオーバーモールド層でオーバーモールド(OM)する熱可塑性エラストマー(TPE)は原則的に不活性フィラー、可塑剤、好ましくは鉱物油、および次の成分から選択された組合せから成る:(i)官能性が1%の官能化「高ゴム」SHDS(スチレン−水素化ジエン−スチレン)で、「小末端ブロック」が両方で重量で約8〜25%の範囲の量で存在する、官能化「高ゴム」SHDS(スチレン−水素化ジエン−スチレン);(ii)ポリスチレン末端ブロックおよびポリ(共役ジエン)中間ブロックに重合ビニル芳香族モノマーを持つ水素化SDSまたはSHDSブロック共重合体で、両方のポリスチレン末端ブロックがポリジエン中間ブロックのポリスチレンを差し引いたブロック共重合体の重量で20〜30%の範囲の量で存在する、水素化SDSまたはSHDSブロック共重合体;(iii)官能性が1%<しかし2%>である官能化「高ゴム」SHDSで、両方の「小末端ブロック」が重量で約8〜25%の範囲の量で存在する、官能化「高ゴム」SHDS;(iv)オレフィンが炭素原子を2から4コ持つ官能化ポリオレフィン(F3)で、重量で組成物の0〜30%ある、官能化ポリオレフィン(F3);(v)重量で組成物の0〜15%ある、水素化非官能化水素化ポリスチレン−ポリ(共役ジエン)−ポリスチレン(SHDS)ブロック共重合体;および(vi)組成物の有効寿命を高める添加剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2004年3月5日出願の仮出願明細書第60/550354号による出願日利益(優先権)を主張する。
【0002】
本発明はポリアミド(ナイロン)から作られた造形品のオーバーモールドに関し、この造形品は一般にショアA硬度が20から80の範囲にある柔らかい熱可塑性エラストマー系の層で外側をオーバーモールドされる。「エラストマー系」という用語はゴム状材料を表現する一般的な意味で用いられる。熱可塑性エラストマー類(「TPE類」)は一般に結晶質またはガラス質、および柔らかいエラストマーとの中間の特性を示す素材で、後者は親指と人差し指の間で押さえることで容易に変形可能である。TPEは加熱により柔らかくなり、溶融状態では、射出成形、ブロー成形または押出のような公知の処理技術で容易に熱成形できる。
【0003】
本発明によるTPEから形成されたオーバーモールド層(簡潔に「OM層」と称す)は例えばネジ回しの手工具の柄、もしくは電動工具、例えばドリルモーター、または丸形ハンドソーの握り部分のハウジング部分などの握り装置を人間工学的に最適に設計することを可能にする。今や特有の、「いい感じ」と表現される望ましい感覚的風合いと「ソフトな手触り」をナイロンを主体とする造形物のどの様な部分にももたらすことが可能となり、それはナイロン、および幾つかの他の極性基材、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂類、ポリカーボネート類、熱可塑性ポリウレタン類、熱可塑性コポリエステル類およびコポリアミド類、の種類には関係しない。
【0004】
さらに、今では異なる工具の把手、または扉の掛け金、旅行鞄の把手、などのモノに要求される役務により、異なる形状物品に対してあるモノの感触が他のモノと異なる、「風合い」または「触り具合」を誂えることが可能であり、このようなOM層の「触り」および「感じ」特性はブレンド中の各成分の物性を調節し、およびそれらの含有割合を調節することにより誂えられる。
【0005】
大部分がゴム状のブロック共重合物OM組成物をナイロン基材に満足できる接着状態、つまり、少なくとも11.73kg/cm(10lb/in)の剥離強度で接着することは難しい。問題は三つ叉であり、(i)エラストマーのOM層をロックウェルM60よりも硬い極性のある合成樹脂素材で硬く成形された基材、とりわけ硬度範囲が約ロックウェルM60からM110の範囲にある総てのナイロンに、ナイロンが由来するジアミンおよびジカルボン酸、および/またはナイロンが例えばガラス繊維で強化されているか否かにかかわらず、しっかり接着すること、(ii)そのようにするためにOM層と基材の間の接着剤に頼らないこと、(iii)確実にOM層が丈夫で長持ちし、にもかかわらず感触が柔らかく、いい感じで、好ましくはショアAが約20〜80の範囲にあること、である。OM成分にブレンドすることができ、このブロック共重合物のスチレン相またはゴム相と結合する粘着付与樹脂はOM層と基材間の接着剤としては用いられていない。
【背景技術】
【0006】
今日まで、入手できる特に「柔らかい」エラストマーを、ナイロンの成形物品の上に直接オーバーモールドする場合、一般に物品の上にOM層をインサート成形する場合におこなわれることであるが、エラストマーの組成物はナイロンの分子構造による特定のナイロン基材について誂えねばならい。例えば、ナイロンが25%ガラス強化6,6ナイロンのUltramidTM 1703-2 の場合、満足できるように接着しこの特定のナイロンに望ましい機能を与えるような、特定の成分の組合せをOMエラストマー層のために考案する必要があり、基材がこれも6,6ナイロンであるが異なる分子量で30%ガラス繊維を含むUltramidTM A3WG6 BK00564 である場合、満足できるように接着し同じ目的を与えるためには、成分の異なる組合せをOMエラストマー層のために考案する必要がある。ナイロン間の差が大きい場合には処方間の差も拡大される。
【0007】
ここに用いた用語「ナイロン」は、ポリマー主鎖の必須部分として循環するアミド基を持つ、すべての長鎖の合成重合体アミドの総称的な用語である。今日まで、ここに本発明が開示されるまでは、造形物が市販されているどのナイロンから熱成形または他の方法で巧みに作られたかについてMw および特定の繰り返しユニットを確定することは容易でないため、適切な自己接着性があり、「感触のよい」OM TPE組成物に到達する過程は膨大な試行錯誤によるものであった。
【0008】
さらに、当業者が従来の方法でナイロン用のOM TPE を官能性が約1.5〜2%の範囲にある Kraton FG1901 の様な「SHDS」ゴムを用いて考案したとしても、(「SHDS」は少なくとも部分的に水素化された「スチレン−水素化ジエン−スチレン」を意味する簡潔語として用いられるが完全に水素化されていることが好ましい)OM層は特にインサート成形において、例え高い成形温度においてでも、ここに用いたナイロン物品に満足に接着することに失敗している。頭字語「SDS」(スチレン−ジエン−スチレンの意)は線状ポリスチレン−共役ジエン(「ポリジエン」)−ポリスチレンブロック共重合体を意味し、ポリジエンは一般にブロック中のポリブタジエンおよび/またはポリイソプレンを意味するが、頭字語は広くモノビニル芳香族および共役ジエンから誘導されるSDSを意味しそのモノマーは他の構造的に関連するコモノマー類、例えば、主芳香族成分としてのスチレンおよび少量のα−メチルスチレンと混合していてもよい。
【0009】
一般にはブタジエンまたはイソプレンであるポリジエン中間ブロックは、ポリマーにそのゴム状の特性を与え、一方ポリスチレンまたはポリ(α−メチルスチレン)ブロックは熱可塑相を構成する。ポリジエンブロックは二重結合(不飽和脂肪族)を含みこれが酸化しやすいため、TPEは水素化ブタジエンまたはイソプレンユニット、または両方を用いることが好ましく、このことによりもしもTPEが水素化以前にSBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)ブロック共重合体である場合には、得られる水素化(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)ブロック共重合体の不飽和度は一般に5%未満、好ましくは2%未満となる。同様に、もしもTPEが水素化以前にSIBS(スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン)ブロック共重合体である場合には、得られる水素化TPEはSEEPS(スチレン−エチレン/エチレン/プロピレン−スチレン)ブロック共重合体である。前述のSHDSは「高ビニル」SHDSを含みこれは実質的に完全に水素化されている。「高ビニル」とはブタジエン中間ブロックの少なくとも51モル%(パーセント)が1,2位置で重合し、かつイソプレンが存在する場合は、その少なくとも51モル%が3,4位置で重合していることを意味し、これは極性化合物を加えて重合を「煽る」ことによりなされることは技術的によく知られているが、一般にそれぞれの場合の最高は90モル%である。この様なHSBS類は中間ブロックにブタジエンまたはイソプレンのいずれか、または両方が存在していても「高ビニル」HSBS類と称される。
【0010】
より関連がある市販されているエラストマーとしてはポリオレフィンおよびゴムが物理的にブレンドされたものがあり、特にポリアミドを内部にブレンドしたTPE類のブレンドがOM層を基材にしっかり固定することを求められた接着剤を開発するために用いられた。
【0011】
例えば、Mace他の米国特許第5750268号において、彼等がOM層用に作ったブレンドは6,6ナイロンでPA6と称する「極性エンジニヤリング熱可塑性樹脂」を重量で5から50%必要とした。
【0012】
ポリアミドがOM層に必須の成分であるという信念の元に、Ouhadi他による米国特許第5843577号ではSantopreneTM ゴム、および官能化ポリオレフィンとポリアミドとの反応生成物のブレンドを開示し、組成物中にポリアミド構造が存在することにより、溶融したブレンドがナイロン基材と成形接触する際に強い接着を生じることを当てにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ナイロンが誘導されたポリアミドの種類、またはナイロンと組合せになっている添加剤、またはその成形の工程条件、または経時履歴に関わらず、およびOM層の成形が「インサート成形」とも称せられる「射出成形」、または「2段射出成形」、またはナイロン基材との「共押出」、またはナイロン基材に被せる多層ブローモールドのいずれでなされたかに関わらず、個体の、大部分がナイロンである造形品に接着し、しっかりと接着が持続するOM TPEに対する格別なニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記とは対照的に、ここに開示するOM層は特にポリアミド不含ブロック共重合体類のブレンドを含むTPEに関し、これは主としてポリアミド(ナイロン)からできたどのような固体の表面にもナイロンの特定のアミド繰り返しユニットに関係なくオーバーモールドでき、かつしっかり接着するように他に類を見ないほど適応している。本ブレンドは特にインサート成形に適応しているが、ここではオーバーモールドされる基材はほぼ室温で導入されるため、この温度では基材がかろうじて固体である2段成型に比べて表面への接着が格段に困難である。この新規のポリアミド不含ブレンドはOM層を押出機または射出成型機バレルの低、並および高温度のいずれのプロフィールにも供給できる様に調整することができる。この新規のTPEエラストマーは基材とOM組成物形成層との間に接着剤を使用することなく多様な極性基材に接着するのに効果的であることが見いだされている。
【0015】
最近になって、ネジ回しなど種々の手工具の木製または金属製把手、丸鋸などの電動工具の把手、および工具を収容する入れ物の一部などはすべて射出成形したナイロン把手に置き換えられてきている。ナイロンの種類は種々の理由により工具毎に異なるが、その理由の一つはナイロン中に特定の堅固な芯材を包むことに対応するためである。あるナイロンはネジ回しや肉切り包丁のように鉄の心棒の上に成型され、あるナイロンは金属製の扉把手や掛け金の把手の上に成型され、把手のあるものは射出成形によりガラス繊維強化ナイロンでできている。今日まで、特定のナイロンの握り方法に関係なく、すべてが 人の手に「硬い」、つまり衝撃や振動に対し一切緩衝が施されていないというという欠点を持っている。この様なナイロン製握り具は木製より「使い勝手」が良くはなく、金属製よりずっと使い勝手が悪い。
【0016】
把手を「柔らかく」する一つの取り組み方は把手を柔らかく薄く柔軟な発泡合成樹脂製素材で覆うことである。もう一つはインサート成形により柔らかいエラストマーをナイロンの上にオーバーモールドすることであり、これは現在GLS社が提供するOM6000+シリーズのオーバーモールド組成物により商業的に行われている。従来技術によるOM層では「高官能」SHDSゴムをそのゴムの形態形質、特にナイロン基材の約540F以下、一般には360F〜500Fの温度における「濡らし」効果に顧慮せずに用いていた。
【0017】
SHDSの官能性が高い程官能基がナイロン基材と反応する機会が統計的に高いと一般には信じられている。しかしながら、そのような「高官能」SHDSゴム、つまり官能性が1%より高い、一般には例えば2%以上のものは、例え基材がOM層との接触で加熱されても十分には基材を「濡らす」ことはなく、それは基材中のアミド基がゴム上の官能基と反応する程十分には熱活性化されないからである。
【0018】
全く意外なことに、より高い接着(剥離)強度から判断すると、より良好な濡れは官能性が1%からしかし2%未満の「低官能」SHDSを含む熱いOM組成物により、アミド基が同様に加熱されている場合に得られる。
【0019】
利便性と簡潔性のため、そしてまた「低」という用語が持つ不明確性を避けるため、原則的に1%の官能性を持つSHDSは以降「単官能」と称し、および1%<しかし2%>の官能性を持つSHDSは以降「高官能」と称するがこれは2%以上の官能性は目下の目的には効果がないからである。
【0020】
単官能および高官能SHDSと良く接着するということは先の、つまりゴムの官能性が高いほど基材上のアミド基およびゴム内の官能基との間の反応の機会が増すという信念とは矛盾する。この信念は加熱され官能的になったゴムの構造および形態がナイロンにおよぼす効果を無視しているし、またそもそも、ゴム上の官能基がアミド基に連続することを可能にしこれによりこれらが表面でより容易に反応することを可能にする形態中にまとめられたポリマー鎖の「正しい」構造をもたらす「小末端ブロック」または「高ゴム」SHDS(これらの用語は同意語として用いられる)という必要条件をも無視している。
【0021】
今までに述べた考察およびSHDS組成物に無機フィラーを加えることを当たり前の様に教えている多くの関連先行技術に関する参照文献は、これもまた不活性なフィラーの存在が希望する接着の確立に決定的となるかもしれないということは認識していない。当然のことながら従来技術にはそれ自身顕著な接着特性を持たないフィラーのOM層内における存在について重量は与えられていない。粒状の、随意的には繊維状のフィラーがSHDS組成物中に定義された濃度範囲で存在することがすべてのナイロンにインサート成形においてすら、「充填」OM層に必要とする優秀な接着をもたらすために決定的であると予期する理由は何もなかったが、この接着なしでは実用面からすればどの様なOM層も役に立たない。
【0022】
(a)不活性フィラー(b)可塑剤および(c)ブロック共重合体の組合せは以下の群から成るものから選択される
(C1)、ポリジエン中間ブロックの両端にポリスチレン末端ブロックを持つSDSまたはSHDSゴムでこの中間ブロックは重合したビニル芳香族モノマー、一般にはポリスチレンを含み、ポリジエン中間ブロック中のスチレンを含まずに、ポリスチレン末端ブロックは両方でブロック共重合体の重量で約20%から30%の範囲で存在し、これにより(C1)は282℃(540F)で熱的に安定するだけ大きな重量平均分子量(「Mw」)を持ち、
(C2)、官能化「高ゴム」SHDSの「(F2)」で原則的に1%の官能性を持ち、両方の「小末端ブロック」が重量で約8〜25%の範囲(すなわち、各末端ブロックはゴム状中間ブロックよりずっと低い分子量を持つ)で存在し、そして
(C3)、官能性が1%<しかし2%>である官能化SHDSで、(C2)のみが(C1)および(C3)抜きでも存在できるという条件つきで、すべての組合せにおいてその中に両方の重量で25%<、〜35%の範囲の末端ブロックが存在し;OM熱可塑性エラストマー(「TPE」)組成物に必要不可欠の「濡れ」をもたらし、その結果TPEが主にナイロンである基材上にオーバーモールドされた際に少なくとも11.73kg/cm(10lb/in)の剥離強度により特定される優秀な接着となり、それはナイロンが誘導されたジアミンおよびジカルボン酸モノマー、またはナイロン基材がどれだけ熟成されたか、または基材が熟成されていた時の湿度条件には無関係であり;さらには、OM組成物は149℃(300F)未満の温度では液体ではなく、かつ必然的にポリアミド成分および非水素化SDSブロック重合体の双方とも原則的に存在しない。
【0023】
(C2)が(C1)および(C3)抜きで存在する場合、これは組成物の10〜40%の量で存在できる。「原則的に存在しない」とは、存在してもその成分は重量で5%未満の量で存在することを意味する。
【0024】
上の(c)は少なくとも11.73kg/cm(10lb/in)の良好な接着を(C2)単独、および(C1)、(C2)および(C3)の2つのすべての組合せで与えるが、3つ総ての組合せにより比較的低温(下のプロフィールI条件)で少なくとも17.3kg/cm(15lb/in)のより優れた接着が得られる。
【0025】
最適の接着が目的ではないなら、(C1)、(C2)または(C3)の何れかの一部を水素化非官能化SHDSブロック共重合体に重量で0〜15%の範囲で存在する様に置きかえてもよい。
【0026】
組成物の硬さを調整するために、各々2から8コの炭素原子を持つ1つ以上のオレフィン類の官能化ポリオレフィン「(FP)」を重量で0〜30%含ませてもよい。
【0027】
「不活性フィラー」とはそのフィラーがOM層のすべての成分と化学的な反応性を持たないことを意味する。本発明のブレンドに用いられる「SDS」について言及する場合は、モノアルケニルアレーン(モノアルケニル芳香族炭化水素)一般にはスチレンを調整分布ブロックとして伴う非水素化中間ブロックを持つブロック共重合体のみを指す。中間ブロックにスチレンがあるすべてのSDSまたはSHDSのMw は基材が成形される温度、一般には182℃〜282℃(360F〜540F)で安定であるように選定される。
【0028】
より詳しくは、次の好ましい組合せ、(A)不活性フィラー「(a)」が5から40%の量、好ましくは10から35%存在し;(B)「(C1)」が5〜25%の範囲の量で存在しかつ約2万から30万の範囲の重量平均Mw を持ち;(C)官能性が1%である単官能高ゴムSHDS「(C2)」が5〜25%の量で存在し;(D)官能性が1%<しかし2%>で「(C1)」と同じMw範囲にある高官能SHDS「(C3)」を5〜25%の量で存在し;(E)5〜25%の(FP)、つまり官能化ポリ(C2〜C8)オレフィンでポリエチレンまたはポリプロピレンが好ましく;今までの総てのものを混合ブレンドの総重量に比べて重量で少ない量の(F)非反応性可塑剤とブレンドすることにより、(C)および(D)が共に存在する場合、両方で5〜25%の量の範囲で存在するという条件の下で、前記のオーバーモールド(「OM」)組成物の優秀な実施形態がもたらされることが見い出されている。前記の「%」は混合樹脂の100重量部に対する割合を意味する。種々の成分の「重量部」による量はゴムの100重量部に対する「以下phrと称す」であることに注意すべきである。
【0029】
小末端ブロックゴムのスチレン含有量が20%未満であることが最も好まれ、それはより小さな末端ブロックが基材表面の濡れを促進するからである。
【0030】
TPEは0〜35%の(FP)を含有することもあるが、単官能SHDSが182℃〜282℃(360F〜540F)の温度範囲で基材のアミド基と反応するのに十分な量だけ存在し、好ましくは硬化剤が存在しないというさらなる条件の下で、好ましいTPEの配合は5から20%の範囲の(FP)、および10〜30%の範囲のパラフィン系油「(b)」を含む。前述の組合せに、ブレンドしたTPEの約5〜35%の範囲の量の従来からある粒状または繊維状の、不活性で好ましくは無機のフィラー「(a)」を均質にブレンドすることにより、主にナイロンである基材に対し少なくとも11.3kg/cm(10lb/in)の接着力をもたらすようにする。さらに、TPEブレンドはOM層の性能を向上させることが技術的に知られている加工助剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線安定剤を含む従来からある添加物、およびこの様なTPE類に有用であることが技術的に知られている従来から添加されている他の成分を含むこともある。
【0031】
述べた様に、前記「(C1)」はSDSでもSHDSでもよい。SDSの場合、ポリジエン中間ブロックはブタジエン、またはイソプレン、またはブタジエン/イソプレンの双方から誘導され;SHDSの場合はSDSの水素化ポリジエン中間ブロックはエチレン/ブタジエン(SBSによる)、エチレン/プロピレン(イソプレンによる)、およびエチレン−エチレン/プロピレンおよび/またはエチレン/プロピレン−3−メチルブテン(EP3MB)(SIBSによる)の中間ブロックとなる。
【0032】
高ゴムSHDS(C2)を伴う(C1)の高分子鎖の構造配置はナイロン基材が高温のOM組成物と接した際に加熱される温度において総ての成分の混和性、ならびに与えられた重要な「濡れ」および相互作用をもたらし、その結果表面の相互作用を生じ特定の比較的低温において望む接着を生じる。
【0033】
存在するならばそれぞれの特定の非官能化SHDS、および官能化SHDS(C1)&(C2)は約2万〜40万の範囲の分子量を持ち、2万〜25万の範囲の比較的小さい分子量が好ましい。この範囲が欠くことのできない濡れをもたらし、このことがひいてはナイロン基材との優秀な接着をもたらす。
【0034】
5%の不活性フィラーが入っている本発明によるブレンドは、他の総ての成分および成形条件が同じに保たれている場合にフィラーの量を10%に増加することにより接着強度が増加するという珍しい特性を持つ。
【0035】
望むなら、新規のTPE組成物はそれ自体で、つまり基材に接着されることなく、例えば幼児用のおしゃぶりまたは咬むことができる犬用の骨の様な柔らかい物品を成形するのに用いることが可能で、硬さおよび変形性は用途に合わせることができる。
【0036】
室温で望ましい硬度のショアA約20〜80、好ましくはA35からA75を持つ好まれるブレンドは考案されたブレンド100部に対する割合で与えられた次のものより構成され、以下を含む:(i)中間ブロックにポリスチレンがある非官能化SHDS 10から60部を(ii)ゴム相と結合する可塑剤10から45部とブレンドし、次いで(iii)単官能、水素化SHDS 1から25部、および(iv)官能性が1%<しかし2%>でそれぞれの官能化SHDSのMwが40万より小さい「高官能」SHDS 0から25部を加え、(v)不活性無機フィラーをブレンド中に均一に分散し、および随意的にさらに(vi)所定量の官能化ポリオレフィンをブレンドすることにより、市販されている周知のナイロン基材には約204℃〜260℃(400F〜500F)の範囲で、およびZytelTM801(以下、基材Eと称す)には249℃〜282℃(480F〜540F)の範囲で17.3kg/cmより大きな剥離強度で接着するOMブレンドをもたらす。
【0037】
オーバーモールド物品の作成工程は、熱可塑性エラストマーのオーバーモールド組成物をナイロンに接着することを含み、これは上に明示したOM組成物を約182℃〜282℃(360F〜540F)の範囲の温度まで加熱し、次いで加熱した組成物とナイロンを結合することによるもので、これによりナイロンの少なくとも一部に重なり少なくとも11.3kg/cm(10lb/in)、好ましくは少なくとも17.3kg/cm(15lb/in)の接着力をもたらす。
【0038】
ナイロンで形成された任意の形状の物品にはその少なくとも一部の表面にピッタリついたOM組成物の層が施されている。好ましい積層物品は少なくとも剛性が1Gpaあるナイロンの堅い基材の全体を上に特定した組成物でオーバーモールドすることで構成され、基材と後から形成されるOMの間に接着剤を用いない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
比較的低いバレル温度のプロフィール1(後出)でオーバーモールドされる特別に好ましい実施形態においては、OMTPEは原則的に(i)粒状または繊維状の不活性フィラー20〜30%;(ii)非反応性鉱物油15〜25%;(iii)ポリジエン中間ブロックにスチレンがあるSHDS 10〜20%;(iv)官能性が原則的に1%であるSHDSゴム15〜25%;(v)官能性が1%<しかし2%>であるSHDSゴム15〜25%;ただし(iv)および(v)の両方が存在する場合はこれらが25%を超えないこと;(vi)オレフィンが2〜4コの炭素原子を持つ官能化ポリオレフィン5〜10%;および(vii)組成物の有効寿命を増進する少なくとも1つの他の添加物から構成され、官能化ゴム類および官能化ポリオレフィンはそれぞれ酸無水物、カルボキシル、カルボン酸、およびアミンエポキシから成る群から選択された極性基により官能化され;およびここにすべての%で官能性に言及していないものは、ブレンドした組成物内の重量%を意味している。
【0040】
好ましい組成物において成分の割合は硬度が30〜75ショアAの範囲になる様に選定される。
【0041】
上で選定された割合はプロフィール1のバレル温度において17.3kg/cm(15lb/in)を超える優れた接着をもたらす。
【0042】
11.3kg/cm(10lb/in)から17.3kg/cm(15lb/in)の範囲の比較的良好な接着は官能化ポリオレフィン無しでもプロフィールIの条件で得られる(表5の例10参照)。しかしながら、プロフィールIIIのより高いバレル温度において17.3kg/cm(15lb/in)を超える優れた接着が官能化ポリオレフィン無しでも得られる(表5の例3、4参照)。
【0043】
基材がZytel 801( Zytel 409AHS と同様に熱安定化6、6−ナイロンであるのに)の場合、15lb/inの望ましい接着力はオーバーモールドがバレルの最終温度が520Fから540Fの範囲であるプロフィールIIIの条件である場合に得られる。ポリプロピレンであれポリエチレンであれ、好ましい官能化ポリオレフィンは無水マレイン酸、アクリル酸またはアクリレート類で官能化されることが好ましい。
【0044】
<ポリジエン中間ブロックにスチレンのある非官能化ゴム(C1)>
この「(F1)」ゴムは非水素化(SDS)であっても水素化(SHDS)であってもよい。各々はモノアルキルアレーン(ポリスチレン)および共役ジエンの制御された分布ブロックにより極性が増大されていて、ゴムはポリジエン中間ブロック内にスチレンブロックを持っている。さらに、ゴムは必然的にポリスチレン末端ブロックを持ちこの両方でゴムの重量の約20%から30%を構成する。極性が高いことによりナイロン基材の熱い表面の「濡れ」が促進される。非水素化SDSはBASF社からStyroflex 2G66 として市販され;水素化SHDSはKraton A6935 として市販されている。A6935 ゴムの詳細は確か2003年9月25日に公開された米国第2003/0181584A1号に開示されているので、これらをここに十分に説明したかの如く本願に引用して本明細書とする。
【0045】
<官能化SHDS(C2)および(C3)>
官能化SHDSは、特に米国特許第4174358号、4429076号、4427828号、4628072号、465791号および4844471号で開示されているよく知られている方法で整えることが可能で、これらをここに十分に説明したかの如く本願に引用して本明細書とする。中間ブロックは実質的に水素化され、有機過酸化物の存在下で不飽和酸または無水物でグラフトされることが好ましく、このことは官能化ポリオレフィンとの関連で以下に述べる。不飽和酸または無水物は1から2wt%未満の量でグラフトされている。SHDSは2価酸でグラフトされるのが好ましく、最も好ましくは無水マレイン酸でなされることである。
【0046】
官能化SHDSの仕様は、官能化を除いて、上に示した非官能化SHDSのそれと原則的に同じであることが好ましい。
【0047】
相応しい官能化SHDSの例としては上に述べた範囲のKraton RP6670、Kraton FG 1901 および Kraton FG 1924 があるが、約3万〜15万が好ましい。
【0048】
好ましいのは市販されているブロック共重合体で、現在FG 1901 (スチレン/ゴム比は30/70)および FG 1924X (スチレン/ゴム比は13/87または16/84)のブランドで売られているもので、前者は官能性が約1.5%〜≒(から約)2% 、一般には約1.7%で、後者は原則的に1%、つまり単官能である。
【0049】
<非官能化SHDS(C3)>
2つの末端ブロックは原則的に同一でそれぞれが3千から6万の範囲のMw を持つことが好ましく;水素化前の中間ブロックは Mw が5万から25万の範囲にあり、ここで用いる高ゴムSHDSにおいては末端ブロックがブロック共重合体の全重量に対して僅かな割合、重量で8〜25%、好ましくは10〜25%しか構成しないことが必須である。
【0050】
他に適当なSHDSブロック共重合体としてKraton Polymers U.S. 有限会社からKratonTMのG 1650、G 1651、G 1652、G 1654、G 1657、G 1726、GRP 6924 および GRP 6917 の名称で市販されている。
【0051】
<官能化ポリオレフィン(FP)>
好ましいのは α−オレフィン類のエチレンおよびプロピレンの官能化ホモポリマー類および共重合体である。
【0052】
好ましい官能基は無水マレイン酸から誘導されるが、他の不飽和無水ジカルボン酸類の2価酸、または次の一般式を持つ酸/エステル 混合物も用いることができる:
【化1】

ここに、R は炭素原子0〜4コを持つアルキレン基で、Y は水素が好ましいが枝分かれしたかまたは直鎖のアルキル基、炭素原子が1〜12コの複素環または他の有機基、塩素、臭素、または沃素などのハロゲン基でもよく、その少なくとも1つ、およびX基の両方が水酸基であることが好ましいが、X基の1つは炭素原子が1〜8コあるアルコキシまたはアリールオキシル基であってもよい。
【0053】
例えば、次の例の無水マレイン酸は等しいモル当量のイタコン酸または無水物、フマル酸、マレイン酸などの様な、他の不飽和ジカルボン酸類または無水物類と全体または部分的に取り替えることもできる。
【0054】
グラフト反応は過酸化ジクミル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオクタノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエイトまたはアルキルペルオキシ酸エステル類、アルキル過酸化物類、アルキルハイドロパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類など水素引き抜きが可能な遊離基源など、過酸化物触媒の存在下で実行される。触媒量は反応条件共々触媒の選択により異なる。
【0055】
希望する結果はポリオレフィンにグラフトした無水物または二価酸の量がベースのポリオレフィンの重量に対して0.2〜5%の範囲である場合、および好ましくはグラフトの0.5〜4%の範囲にある場合に達成される。一般に、ポリマーにグラフトした量はポリマーと反応したグラフト材料の30〜50%にしか相当しない。例えば、ポリプロピレンに2%の無水マレイン酸のグラフトを達成するためには、無水マレイン酸を約6%投入することが必要となる。
【0056】
<可塑剤>
選定される可塑剤はある程度はMw およびオーバーモールド用TPEの成分の特定の化学組成によるが、可塑剤はOM層が基材上に成形されるときの温度範囲、約400F〜600FでOM層が成形される間はTPEブレンドのすべての成分に対して安定かつ非反応性であることが必須である。
【0057】
有効であることが判明した可塑化油には石油から誘導された油類、オレフィンオリゴマー類および低Mw ポリマー類が、植物および動物油と同様に含まれるが、これら総ては比較的高沸点材料で、芳香族炭化水素を僅かな割合しか含まず可塑化油の10%未満が好ましい。油はパラフィン系であることが最も好ましい。
【0058】
可塑剤として作用するオリゴマーはMw が約350から1万であることが好ましく、一般にポリ(α−オレフィン)であり、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリドデセン、水素化ポリイソプレン、水素化ポリブタジエン、水素化ポリピペリレン、ならびにピペリレンおよびイソプレンの水素化共重合体の様なものである。上に述べた植物油には天然の脂肪酸のグリセリルエステルおよびそれらの重合製品が含まれる。
【0059】
最も好ましいのはDrakeolTM500、KraeolTM、および Primol. TM352の様なパラフィン系石油;およびNapvisTM、 HyvisTM および EthylfloTMの様なオリゴマーで粘度が約200〜1000SUS(ASTMD455)の範囲に、または Mw が200から1000の範囲にある。
【0060】
<他の添加物>
<スチレン相関連樹脂>
スチレン相に関連する樹脂は、スチレン末端ブロックと互換性があるため「粘着付与樹脂」とも称され、クマロンインデン、ポリインデン、ポリ(メチルインデン)、ポリスチレン、ビニルトルエン−α−メチルスチレン、α−メチルスチレン、およびポリフェニレンエーテルから成る群の樹脂から、特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が選定されることが好ましい。市販されているこの様なものは:クマロンインデン樹脂でCumar シリーズ および Cumar LX-509 (Neville社);炭化水素樹脂のPicco 6000 シリーズ(Hercules社)、 Nevchem および LX 685 シリーズ(Neville社);α−メチルスチレン樹脂のPiccotex シリーズ、 Kristalex シリーズ(Hercules社)および Amoco 18 シリーズ(Amoco社);および、Piccolastic D-150(Hercules社)およびLX 1035(Neville社)の様なポリスチレン樹脂がある。好ましいものは非極性ポリスチレン樹脂で軟化点が約120℃〜140℃の範囲にあり「Plastolyn」の商標で売られているものである。
【0061】
<ゴム相関連樹脂>
スチレン相関連樹脂に加えて、ブレンドには水素化中間ブロックのゴム状相と互換性があることからこれも「粘着性付与樹脂」と称せられる樹脂を含むことがある。適切なゴム相関連樹脂は「Super Sta-Tac」の様な重合した混合オレフィン樹脂を含み、ゴム相関連樹脂は「Super Sta-Tac」(Reichhold社);Quintone シリーズ(日本ゼオン社);Nevtacシリーズ(Neville社);Piccotac 95-BHT(Hercules社);「Escorez」2101(Exxon社);Wingtackシリーズ(Goodyear社);Escorez 1300シリーズ(Exxon社);Super Nevtac 99(Neville社);Piccotac B(Hercules社);Sta Tac/R(Reichhold社);Hercotac AD(Hercules社);および「Betaprene」BC(Reichhold社)の様な重合した混合オレフィン樹脂; Zonarez 7000シリーズ(Arizona社);Zonatacシリーズ(Arizona社);Nirez 1000シリーズ(Reichhold社);Piccofyn A-100(Hercules社);Nirez V-2040(Reichhold社);Piccolyte HM 110(Hercules社);Piccolyte A(Hercules社)の様なポリテルペン樹脂;Sylvatacシリーズ(Sylvachem社);Super Ester Aシリーズ(Arakawa社);Stabelite Ester 10(Hercules社);Foral 85(Hercules社);「Zonester」シリーズ(Arizona社);Foral 105(Hercules社);およびPentalyn H(Hercules社)の様なロジンエステル;ならびにEscorex 5000シリーズ(Exxon社);Arkon Pシリーズ(Arakawa社);「Regalrez」シリーズ(Hercules社)および「Super Nirez 5000」シリーズ(Reichhold社)の様な水素化炭化水素樹脂が含まれる。好ましい樹脂は粘度が350Fにおいて300センチポイズを超えない重合した混合オレフィン樹脂その他である。
【0062】
適切なその他の添加物の例には揺変剤;光学的光沢剤;酸化防止剤;UV吸収剤およびヒンダードアミンまたはヒンダードアミン光安定剤;難燃剤;顔料および着色剤;潤滑剤、離型剤、および滑剤のような加工助剤;芳香剤;消泡剤;酸化防止剤;帯電防止剤;抗菌剤;殺生物剤;などが含まれる。
【0063】
<不活性フィラー>
粒状であれ繊維状であれ、不活性フィラーは表示した量で存在することが必要で、その量はすべての特定のナイロンに対して「オーバーモールドの負荷」またはTPEブレンドの他の最終用途により選定される。補強用であっても補強用でなくても、フィラーの寸法は1μm〜150μmが好ましく、1〜45μmが好ましい。ファイバー類(ガラス、炭素繊維または炭素微少繊維の様な)は範囲の上限で用いてもよい。炭酸カルシウム、クレー類、シリカ、タルク、二酸化チタン、カーボンブラックなどの様な無機の固体粒子、および上に述べたファイバー類の断片は範囲の下限で用いることができる。フィラーのあるものは複数の機能を果たすことができる。例えば、三酸化アンチモンはフィラーとして機能すると共に、他の材料と組合せることが好ましいが、難燃性をももたらす。好ましくは重量で10〜30%の不活性フィラーが組成物中にあることで望ましい接着をもたらす。
【0064】
さらにOM TPEブレンドはまたヒンダードフェノールおよび亜リン酸塩のような熱安定剤を重量で1%未満含むこともある。
【0065】
<ナイロン基材>
ナイロンはそれらを生産するのに用いられたジアミンおよび二塩基酸の炭素原子数で識別され;かくて例えばナイロン6/6はヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸の縮合により生産されたポリマーである。幾つかのナイロンはただ1つの反応種のみの縮合により生産され、通常それらはラクタムから生産され;これらのナイロンはそれらを生産するのに用いられたモノマー中の炭素原子数で識別され、かくて、例えば、ポリ(アミノカプロン酸)はカプロラクタムの重合で作られ、「ナイロン6」と称せられる。オーバーモールドTPEでオーバーモールドできるナイロンの例としてはナイロン−6;ナイロン−6,6;ナイロン−6,10;ナイロン−4,6;ナイロン−6,12;ナイロン−11;ナイロン−12;ナイロン−6/6,T;ナイロン−6,6/6,I/6,Tなどの様な部分的に芳香族系のナイロン共重合物;およびこれらのブレンドがある。代表的なナイロンはナイロン−6またはナイロン−6,6であり;これらおよび他のポリアミド類はとりわけAllied 社の元でCapronTMブランドとして;E. I. duPont de Nemours社の元でZytelTMブランドとして;BASF社の元でUltramidTMブランドとして;およびRilsan社の元でBMNOTMブランドとして市場に出ている。樹脂は一般に透明で高融点である。これらの成形に用いられるナイロンは一般に数平均分子量(Mn)が少なくとも約1万あり、1万5千から5万あることが好ましい。
【0066】
ナイロン基材は重量的に少なくとも主要部分はナイロン混合物で構成されている。ナイロンは繊維状または粒状いずれかの補強剤を含む場合もある。有用な補強剤としては、ガラス繊維、炭素および黒鉛繊維、アラミド繊維を含む重合体繊維、ボロンフィラメント、セラミック繊維、メタル繊維、アスベスト繊維、ベリリウム繊維、シリカ繊維、シリコンカーバイド繊維、などが制約無しで含まれる。繊維は導電性の場合もあり、例えば導電性炭素繊維またはメタルファイバーの様な導電性繊維は導電性または静電荷消散用途または電磁波妨害(EMI:shielding)シールド用の物品を生産するのに用いることができる。これらの中で、ガラス繊維、炭素繊維、およびアラミド繊維が好まれる。これらの繊維を含む熱可塑性樹脂を調整する方法は技術的によく知られている。一つの方法においては、強化ナイロン素材を形成するのに用いられる押出機の溶融ゾーンに切り刻んだガラス繊維束を供給している。あるいは、繊維は連続的なけん引または束として押出機の孔に導入される。
【0067】
補強材は粒状の無機補強材を含む場合もある。適切な無機補強材には、珪灰石、雲母類、ガラスビーズ類(無垢または空洞)、カオリン、およびタルクが制約なしで含まれる。マイカ類は例えば機械的特性を改良するためにシランのようなカップリング剤で、または特定の用途の為にニッケル被覆で処理されることもある。好まれる無機補強材は珪灰石、雲母、カオリン、およびタルクである。無機補強材は通常押出機の溶融ゾーンにホッパーを介して供給され樹脂に組み入れる。
【0068】
補強材は補強繊維および補強無機物の組合せであってもよい。補強材は一般に強化ナイロン基材の重量の少なくとも約5%、および最高25%まで存在する。
【実施例】
【0069】
以下の実施例は本発明の好ましい実施形態を示すために提供されている。
以下の註釈は後続ページの表のカッコ内符号文字に適用する。
(a)マレイン酸エステル化SEBS、φ≒1.5〜2;S/EB比=30/70;
(b)マレイン酸エステル化SEBS、φ≒1;S/EB比=13/87;
(c)マレイン酸エステル化ポリエチレン、190℃/2.16kgにおいて MI30、無水マレイン酸1%;
(d)「標準」SEBS
(e)BASF社スチレンブロック共重合体、中間ブロックにスチレンモノマー、非水素化。
(f)作成組成物ベース用の100部非水素化スチレンブロック共重合体(Kraton、Septon および Styroflex)。
(g)Kraton G 1652でKraton FG 1901を置き換え
Drakeol 500はPenreco社による鉱物油
Plastolyn 290はMw=6040、Mn=1670、および
Mz<2万で融点粘度は230℃において10ポイズである熱安定炭化水素樹脂
Kemamideは脂肪酸アミド潤滑剤
Vicron 25-11は本質的に純炭酸カルシウム粉末
【0070】
表1は7つの組成の説明用例を示しその成分を変化させ、種々の変更による成形後の硬度、引張強度および伸び%の期待効果を観察する。成形した組成物の物性は少なくとも目先の目的を満足する良好な接着をもたらす組成物の能力と同様に重要である。
【0071】
表1において、例#1は従来技術による組成物でこれには120phrの「高官能」ゴム(官能性は約1.5%〜2%)であるKraton FG 1901が100phrの非官能化水素化Kraton G1654 SBSブロック共重合体および170phrのフィラー粒子と組み合わせて用いられている。
例#2ではG1654がKraton A6935に置き換えられ、他の成分は実質的に同じ割合になっている。
例#3〜#7では他の変動が示されている。
【0072】
表2は更に4つの説明用例を示しそれぞれには例#7と同量のA6935 が維持され;示したそれぞれ5つの例では単官能および高官能ゴムの両方を割合を変えて含み、あるものはフィラー入りで、あるものは無しで、あるものはPolybond 入りで、あるものは無しである。
【0073】
表3は3つの例を示しここではPolybond も官能化SHDSゴムもないが、水素化A6935 または非水素化 Styroflex のいずれか、または両方を用いている。
【0074】
表4は#15および#16の組成物と従来技術による#1の比較を表し、単官能FG1924 の存在は単独で効果があり;その半分が高官能FG 1901に置き換わっても効果があることを示している。
【0075】
表5は下で識別されている5つの異なるナイロン基材で得られた種々の接着レベルを示し、それぞれの成形条件の厳しさを変えることにより、主張した組成物がすべてのナイロン基材にも有効であるという証拠を与えている。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【0080】
【表5】

【0081】
上の表1および5を参照すると、以下のことは明らかである。
(i)「標準」Kraton G 1654(水素化されているが非官能化)をKraton 1901(官能性1.5〜≒2)と組み合わせて作ったコントロールブレンド#1は優秀な引張強度および伸びを持つが、プロフィールIIIの条件においてすら接着はもたらさない。
(ii)ブレンド#2はG1654 の代わりにA6935 を用いて作ったもので他の成分は本質的に同一で;このブレンドは高い引張強度および伸びをもたらし、かなり柔らかい(A41)が;しかし良好な接着はプロフィールIIおよびIII条件下でしかもたらされない、ということはA6935は高官能性SHDS(≒1.5%)と一緒ならプロフィールIIおよびIIIそれぞれで良好で優れた接着をもたらすことを立証している。
(iii)ブレンド#3は水素化A6935 および非水素化Styroflex の50/50で作られA6935 単独より高い硬度、引張強度および伸びをもたらすことが判明し;プロフィールII条件の接着はブレンド#2と実質的に同じだが、プロフィールIII条件ではずっと良好である。
(iv)ブレンド#4はブレンド#3のA6935 の代わりにG1654を用いて作ったものでブレンド#3のそれと比べて引張強度はほぼ同じで硬度はほんの少し低いだけだが、伸びは大幅に低い。プロフィールII条件の接着はブレンド#3の場合より幾分悪いが、プロフィールIII条件における接着は優秀である。
(v)ブレンド#5はKraton FG1901 およびA6935 の組合せで、しかし単官能のFG1924 なしで作られている。プロフィールII条件の接着は良好であるが、プロフィールIII条件の方が優れ、これは少なくともその一部はPolybond の存在による。
はKraton 1901 の代わりでその結果ブレンド269−007Bより引張強度および伸びがより良好で硬度が幾分低いが、ゴム使用量が10部少ないことで、Kraton 1901 が良好な機械的特性に寄与していることを示唆している。
(vi)ブレンド#6では、ブレンド#5のFG1901 の代わりに非官能Kraton FG1924をKraton A6935 と組み合わせているが;明らかな様に、硬度はブレンド#5のそれより改善され、伸びは同じであるが、ブレンド#6の引張強度は低下している。Polybond 3109 により硬度が調整されたそれぞれの場合において、結果として引張強度および伸びが相対的に低くなっている。しかしながら、ブレンド#6は総てのプロフィールで優秀な接着をもたらしている。標準SEBS(Kraton G1654)をKraton A6935 の代わりに用いているコントロールは接着をもたらすことはなくずっと柔らかい。
(vii)FG1924 の代わりにFG1901 を50/50の割合で置き換えることにより、できたブレンド#7はわずかだけ柔らかく、引張強度は概ね同じであるが、伸びはかなり低い。ブレンド#6と同様に、ブレンド#7の接着は総てのプロフィールにおいて優秀である。
【0082】
表2および5を参照すると、以下のことは明らかである。
(viii)ブレンド#8はブレンド#7に用いられたのと同じ不活性フィラーが8.7%少ないが他の成分は概ね同じである。驚いたことに不活性フィラーの割合が少ないせいで硬度が低下し伸びが増加することは誰でも予想できたことだが、引張強度が低下する結果になっている。しかしながら、ブレンド#&と同様に、ブレンド#8は総てのプロフィールにおいて優秀な接着をもたらす。
(ix)ブレンド#9は不活性フィラーが存在しないことを除いて、実質的にブレンド#8と同じである。硬度、引張強度および伸びはブレンド#8のそれらと大差ないが、しかし全く驚いたことにブレンド#9はプロフィール条件にかかわらず満足な接着をもたらさない。
(x)硬度をもたらすために一方でPolybond を省きながら不活性フィラーを用いる効果を確かめるためにブレンド#9が作られた。フィラーは実際に硬度を幾分下げ、引張強度および伸びには実質的に変化を来さなかったが、全く驚いたことにプロフィールIおよびIIの条件ならびにプロフィールIIIの条件(データ不記載)においても優秀な接着が得られた。記録された剥離強度は弱い引張強度および低い硬度のため如何に接着が良かったかを十分には反映していない。
(xi)ブレンド#11では不活性フィラーおよびPolybond の両方を省き;接着はA6935 を非官能FG1924 および高官能FG1901 と組み合わせることに委ねられた。硬度、引張強度および伸びはブレンド#10のそれらと実質的に同じであるが、このブレンドは総てのプロフィールにおいて満足できる接着をもたらすことに失敗している。
【0083】
表3および5を参照すると、以下のことは明らかである。
(xii)ブレンド#12はA6935 および不活性フィラーの組合せでG1652 をブレンド#2のFG1901 に置き換えて用いているが、総てのプロフィールにおいて接着は不満足な結果である。
(xiii)予想できたことかもしれないが、ブレンド#12のA6935 の50%をStyroflex に置き換えても総てのプロフィールにおいて満足な接着はもたらさないが、引張強度および伸びの両方を改善する。
(xiv)予想できたことかもしれないが、ブレンド#13のA6935 およびStyroflex を非官能化水素化SHDSであるSepton 4044 に置き換えても総てのプロフィールにおいて満足な接着はもたらさず、かつ引張強度および伸びの両方を低下させる。
【0084】
表4および5を参照すると、以下のことは明らかである。
(xv)ブレンド#15は単官能FG1924 のみで作られ、A6935、FG1901、およびPolybond 抜きであるが、不活性フィラーおよびG1654 を組み合わせて用いることで容認できる引張強度および良好な伸びを伴う柔らかいブレンド(35A)をもたらしている。非常に驚くべきことに、FG1924 にはプロフィールIIおよびIIIの条件で良好な接着をもたらす特異な能力がある。前と同様に、記録された剥離強度は弱い引張強度および低い硬度のため如何に接着が良かったかを十分には反映していない。
(xvi)ブレンド#16では、FG1924 の50%がFG1901 と置き換えられているが引張強度がわずかながら改善されているだけである。プロフィールIおよびIIの条件では接着は不満足であるがプロフィールIIIの条件の接着は優秀である。前と同様、記録された剥離強度は弱い引張強度および低い硬度のため如何に接着が良かったかを十分には反映していない。
【0085】
表5に示したデータは表1〜5に示したそれぞれのブレンドについて得た平均値で、熟成が異なる次の5つの異なるナイロン基材の表面に1.5mm厚みの層をオーバーモールドして接着力のために誘導したものである。
【0086】
基材A:市販されているCapron 8333GHIで、ガラス繊維強化および衝撃改質した6ナイロンである。この基材Aによる銘板は試験用ブレンドでオーバーモールドする3ヶ月前に成形し、銘板は閉じた箱の中で保管した。2ケ月保管後、つまりオーバーモールドする1ヶ月前に銘板は箱から移し室温(23℃)で70〜80%の周囲湿度に曝した。
【0087】
基材B:市販されているZytel 409AHSで、熱安定化した6,6ナイロンである。この基材Bによる銘板は成形してから、6ヶ月間室温(23℃)で70〜80%の周囲湿度に曝し熟成した。熟成した銘板はそれから試験用ブレンドでオーバーモールドした。
【0088】
基材C:市販されているCapron 8333GHIで、6ナイロンである。この基材Cによる銘板は成形してから、1ヶ月間室温(23℃)で70〜80%の周囲湿度に曝し熟成した。熟成した銘板を次いで水に24時間浸漬し、拭って乾かし試験用ブレンドでオーバーモールドする前の12時間室温でさらに乾燥させた。
【0089】
基材D:市販されているCapron 8333GHSで、6ナイロンである。この基材Dによる銘板は上の基材Cと同様に成形、熟成および濡らしたが、ただしティッシュー紙で拭った直後にオーバーモールドした。
【0090】
基材E:市販されているZytel 801AHSで、熱安定化した6,6ナイロンである。この基材Eによる銘板は成形してから3ヶ月間室温(23℃)で70〜80%の周囲湿度に曝し熟成した。熟成した銘板は次いで試験用ブレンドでオーバーモールドした。
【0091】
<剥離強度試験>
この試験はInstron 社の Model No. 5564張力測定器(tensilometer)を用いて実施される。基材は装置の台座に固定される。次いでオーバーモールド層(1.5mm厚み)の一方の端が垂直の顎に固定されこれが層を90度の角度で5.08cm/分(2in/分)の剥離速度で上方へ引っ張る。
接着力の測定はlb/inで記録される。
接着力が11.73kg/cm(10lb/in)>の場合、接着は満足するには弱すぎると見なされる。
接着力が11.73〜17.3kg/cm(10〜15lb/in)の場合、接着力は良好と見なされ、そして
接着力が17.3kg/cm(15lb/in)<の場合、接着力は優れていると見なされる。
【0092】
ブレンドは3つの温度水準で成形されそれにはホッパー直下に始まりノズルで終わるバレル温度の3つのプロフィールが使われる。最初のプロフィールは「標準」または「低」で、プロフィールIと称し;2番目のプロフィールIIは「中間」または「標準プラス」と称し;そして3番目のプロフィールIIIは「高温」と称する。
プロフィールIのバレル温度は次の通り:182、249、260、260(℃標準)
または 360、480、500、500(F標準)
プロフィールIIのバレル温度は次の通り:
182、260、271、271 (℃標準プラス)
または 360、500、520、520(F標準プラス)
プロフィールIIIのバレル温度は次の通り:182、271、282、282(℃高温)
または 360、520、540、540(F高温)
射出速度は5.08cm/秒(2in/秒)である。
【0093】
それぞれのプロフィールI、IIおよびIIIのバレル温度を用いたそれぞれの基材上のそれぞれのブレンドについてlb/inで測定した接着力は、順次上の表5に記録されている。それぞれの表で測定値の代わりに「不可」表示があるのはオーバーモールド層が手でも剥がすことができたことを示し接着が満足ではなかったことを意味する。「無用」表示はより低いバレル温度プロフィールにおいて接着力が良好であったため、プロフィールIII条件で悪くなることはなく、普通は良くなるため、接着力を計る必要がなかったことを意味するのに用いられている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主にナイロンである基材をオーバーモールドする熱可塑性エラストマー(「TPE」)組成物で、
(a)重量で組成物の5から40%の範囲で存在する不活性フィラー;
(b)組成物の成分とは反応せず、組成物に対して重量で少量だけ存在する可塑剤;
(c)ブロック共重合体で、
(C1)、ポリスチレン−ポリジエン−ポリスチレンブロック共重合体(SDSゴム)、または少なくとも部分的に水素化ポリスチレン−ポリジエン−ポリスチレンブロック共重合体(SHDSゴム)で、SDSおよびSHDSそれぞれはポリジエン中間ブロックの両端にポリスチレン末端ブロックを持ち、その中間ブロックは重合したビニル芳香族系モノマーを含み、ポリスチレン末端ブロックは両方でポリジエン中間ブロック内のポリスチレンを除いたブロック共重合体の重量に対し20%から30%の範囲の量で存在し、このため(C1)は十分に高い重量平均分子量(「Mw」)を持ち282℃(540F)において熱的に安定していられる、
(C2)、少なくとも部分的に水素化された官能化「高ゴム」SHDSで官能性は原則的に1%で、両方の「小末端ブロック」は重量で約8〜25%の量(つまり、各末端ブロックはゴム様中間ブロックよりずっと小さな分子量を持つ)存在する、および、
(C3)、少なくとも部分的に官能化した水素化SHDSで、官能性は1%<しかし2%>であり、両方の末端ブロックは重量で25%<、〜35%存在する、
のすべての組合せ、ただし(C2)のみは(C1)および(C3)抜きで存在できるという条件つきで、から成る群から選択されるブロック共重合体;
(d)オレフィンが2から8コの炭素原子を持ち、重量で組成物の0〜30%となる官能化ポリオレフィン(FP);
(e)重量で組成物の0〜15%となる水素化非官能化水素化ポリスチレン−ポリジエン−ポリスチレン(SHDS)ブロック共重合体;および
(f)組成物の有効寿命を増す添加物;
であり、原則的にポリアミドを含まないブレンド、から成る(consisting essentially of)熱可塑性エラストマー(「TPE」)組成物。
【請求項2】
(C1)において、ポリジエン中間ブロック内の重合したビニル芳香族モノマーはポリスチレンであり、ポリジエン中間ブロックは水素化ポリブタジエン、ポリイソプレン、およびポリ(イソプレン/ブタジエン)から選択され、および、(C1)は分子量Mw が2万〜40万の範囲にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(C2)が組成物の重量に対し5〜25%の範囲の量で存在し、2万〜30万の範囲の分子量を持ち;(C3)が組成物の重量に対し5〜25%の範囲の量で存在し2万〜30万の範囲の分子量を持ち;および可塑剤(b)が組成物の重量に対し10〜40%の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
実質的に十分水素化された、非官能化SDS(「SHDS」)を1〜20%含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
(C1)および(C3)が存在せず、かつ(C2)が組成物の重量に対し10〜40%の量存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
それぞれの官能化SHDSが酸無水物、カルボキシル、カルボン酸、およびエポキシアミンから成る群から選択された極性基により官能化された、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
官能化ポリオレフィンが存在する場合、オレフィンはエチレンおよびプロピレンから選択され、ポリオレフィンはグラフト化ポリマーの0.5〜4%の量存在する無水マレイン酸により官能化されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
ナイロン基材に熱可塑性エラストマーのオーバーモールド組成物を接着することを含む物品を製造する方法で、この方法が請求項1による組成物を約182℃〜282℃(360F〜540F)の範囲まで加熱し、次いで加熱した組成物を極性基材と組み合わせて基材の少なくとも一部に載せることを含む、物品を製造する方法。
【請求項9】
任意の形状の物品で、請求項1に記載の組成物の層が物品の少なくとも一部の表面に成形されている任意の形状の物品。

【公表番号】特表2007−527461(P2007−527461A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502041(P2007−502041)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/007192
【国際公開番号】WO2005/087867
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(506298954)ジーエルエス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】