説明

任意の形状のビトリゲルと、当該ビトリゲルの製造方法

【課題】 本発明は、薄膜形状以外の形状のビトリゲルを製造する方法を開発することを課題とする。本発明はまた、薄膜形状以外の種々の形状のビトリゲルを提供することもまた、課題とする。
【解決手段】 ガラス化する前のハイドロゲルを任意の形状に加工し、そしてハイドロゲルの脱水・乾燥を行うガラス化工程に重力を利用した自由水の除去工程を導入することで、従来の乾燥のみによる自由水の除去工程では作製することができなかった任意の形状のビトリゲルを作製できることを見いだした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビトリゲルを利用した種々の形状を有する構造体を製造する方法およびこれにより得られる構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
培養皿内にコラーゲンのゾルを注入して至適な塩濃度とpHと温度を与えてゲル化(gelation)した後、低温で十分に乾燥してガラス化(vitrification)し、さらに再水和(rehydration)することで、コラーゲンゲルの物性を、強度と透明性に優れた薄膜に再現性良く変換する技術が確立された(特許文献1)。
【0003】
ここで、熱変性タンパク質のガラス化は、乾燥工程で自由水が除去された後に結合水が徐々に減少する過程で進行することが報告されている(非特許文献1)。ハイドロゲルであればコラーゲン以外の成分のゲルでも、ガラス化した後に再水和することで、ゲルを安定した新しい物性状態に変換することができるので、このガラス化工程を経て作製された新しい物性状態のゲルを意味する用語として、ビトリゲル(vitrigel)という学術用語を設定した(非特許文献2)。
【0004】
しかしながら、これまで知られているビトリゲルの作製方法では、特許文献1に記載されている様な薄膜形状のハイドロゲルのみしか製造することができず、その他の形状のビトリゲルを作製することができなかった。すなわち、薄膜形状のハイドロゲルを特許文献1に記載されている自然乾燥により自由水を除去する方法で作製しようとする場合、自由水の除去に長時間を要するため、特許文献1に記載されている方法では、長時間静置しておいても形状が変化しない薄膜形状のビトリゲルしか、製造することができなかったのである。一方、例えば円柱状のゲルを培養皿に入れて脱水・ガラス化させる場合、脱水の過程で断面形状が大きく変化してしまい、再水和したときにもとのゲル形状を回復できなかった。
【特許文献1】特開平8-228768
【非特許文献1】Takushi E, et al., Nature 345: 298-299, 1990
【非特許文献2】Takezawa T, et al., Cell Transplant. 13: 463-473, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、薄膜形状以外の形状のビトリゲルを製造する方法を開発することを課題とする。本発明はまた、薄膜形状以外の種々の形状のビトリゲルを提供することもまた、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ガラス化する前のハイドロゲルを任意の形状に加工し、そしてハイドロゲルの脱水・乾燥を行うガラス化工程に重力を利用した自由水の除去工程を導入することで、従来の乾燥のみによる自由水の除去工程では作製することができなかった任意の形状のビトリゲルを作製できることを見いだした。
【0007】
具体的には、本発明は、薄膜形状以外の所望の形状のハイドロゲルを、ハイドロゲルの形状の長軸方向を水平に対して角度をつけて立てることにより、脱水・乾燥してガラス化することを特徴とする、所望の形状のビトリゲルの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、上記方法を使用することにより、薄膜形状以外の所望の形状を有する、ビトリゲルを作製することができる。このようにして製造されたビトリゲルは、生体適合性であり、免疫原性が低いことから、縫合糸などの医療用材料や再生医療における生体修復用細胞基材(バイオマテリアル)など、広く医療用に使用することができる。
【発明の実施の形態】
【0009】
本発明においては、ガラス化する前のハイドロゲルを任意の形状に加工し、そしてハイドロゲルの乾燥を行うガラス化工程に重力を利用した自由水の除去工程を導入することで、従来の乾燥のみによる自由水の除去工程の時間を大幅に短縮して任意の形状のビトリゲルを作製することに成功した。特許文献1に記載されているビトリゲルの形状は薄膜のみであったが、記載されている自然乾燥を用いた方法では、自由水の除去に長時間を要するので、長時間静置しておいても形状が変化しない薄膜形状のハイドロゲルしか、製造することができなかった。逆に、例えば管状のハイドロゲルをプレート上で横たえた状態で、特許文献1に記載されている方法にしたがってハイドロゲルのガラス化を行おうとすると、断面形状が変形してしまうという欠点を有していた。そして、一旦変形した状態でガラス化されてしまうと、再水和しても、所望の形状を回復することができなかった。
【0010】
それに引き替え、本発明は、薄膜形状以外の所望の形状のハイドロゲルを、ハイドロゲルの形状の長軸方向を水平に対して角度をつけて立てることにより、脱水・乾燥してガラス化することを特徴とする、所望の形状のビトリゲルの製造方法を提供する。一般的にハイドロゲルのガラス化においては、まずハイドロゲル中に含まれる自由水がゲルから分離され、さらに時間の経過とともにゲル内の物質の結合水まで除去され、ガラス化される、という経過をたどる。これに対して、本発明のように、ハイドロゲルの形状の長軸方向を水平に対して角度をつけて立てることにより、前述の特許文献1の方法よりも格段に自由水の除去のために必要とされる時間を短縮することができ、結果としてハイドロゲルをガラス化するために要する時間が格段に短縮され、さらに糸状、管状、または棒状などの、種々の形状のビトリゲルを作製することができる。
【0011】
本発明において、薄膜形状以外の所望の形状という場合、形状の長軸方向を水平にして脱水・乾燥させてガラス化させた場合に形状の長軸方向に垂直な断面が、所望の形状から変形してしまうような形状のことをいい、たとえば、糸状、管状、または棒状を挙げることができる。
【0012】
本発明の方法においては、ガラス化を行う工程を、ハイドロゲルの形状の長軸方向を水平に対して角度をつけて立てて脱水・乾燥することにより行うことを特徴とする。ハイドロゲルの形状の長軸方向を水平に対して角度をつけて立てて脱水・乾燥することにより、長軸方向に生じる重力差を利用して、より迅速にそして断面形状を変形させることなくガラス化を行うことができる。この場合、ハイドロゲルの形状の長軸方向の水平に対する角度は、60〜90度であることが好ましく、より好ましくは75〜90度であり、最も好ましくは90度である。
【0013】
本発明のガラス化させてビトリゲルを作製する際に原料として使用するハイドロゲルの組成は、脱水・乾燥することによりガラス化するものであれば、特に限定されない。ビトリゲルを形成しうるハイドロゲルの組成としては、I型コラーゲン、III型コラーゲンなどのコラーゲン、あるいはマトリゲル(EHS腫瘍より抽出される基底膜成分で主にIV型コラーゲン、ラミニン、およびヘパラン硫酸プロテオグリカンを含む)などの細胞外マトリックス成分、その他、寒天、アガロース、アクリルアミドなどが知られている。本発明においては、I型コラーゲン、III型コラーゲン、またはこれらの組み合わせなどの、コラーゲンを使用することが好ましい。
【0014】
このような方法を採用することにより、これまでは長軸方向に垂直な断面構造がゆがんでしまうために作製することができなかった、薄膜形状以外の所望の形状を有する、ビトリゲルを作製することができる。このようにして作製したビトリゲルは、ガラス化したハイドロゲルを水性媒質中で再水和したものであるが、再水和したゲル状態はもとより、再水和する前のガラス化された乾燥状態あるいは再水和した後に再度乾燥した乾燥状態でも用途に応じて使用することができる。
【0015】
たとえば、コラーゲンを使用して作製されたビトリゲルは、生体内で免疫反応を起こしにくい性質を有すると同時に、生体内で吸収されるという特徴を有している。そのため、このように作製したビトリゲルを、医療用に使用することができる。本発明の方法によれば、所望の形状のハイドロゲルを作製することさえできれば、種々の形状のビトリゲルを作製することができることから、用途に応じたビトリゲルを提供することができる。
【0016】
たとえば、糸状のビトリゲルの場合は再水和する前のガラス化された乾燥状態あるいは再水和した後に再度乾燥した乾燥状態で材料として、手術用の縫合糸を提供することができる。このような縫合糸は、上述したように生体内で免疫反応を起こしにくく、そして生体内で吸収されるという生体適合性を有するため、カットガットなど従来から使用されていた縫合糸に代わる縫合糸として使用することができる。
【0017】
本発明においては、管状のビトリゲルを材料とする人工血管支持体を提供することもまた可能である。本発明のビトリゲルは、細胞培養基剤としても使用することができる物であるため、まずこのような人工血管支持体の内部表面に内皮細胞を培養し、一方外部表面に平滑筋細胞を培養することにより擬似的な血管を作製し、これを人工血管として使用する。この人工血管支持体は、体内で血管の足場として機能し、血管構造の再生を促す性質を有しており、生体適合性であることから、長期的には生体の血管に完全に置き換わる。
【実施例】
【0018】
実施例1:糸状ビトリゲルの作製
本実施例においては、糸状のビトリゲルを作製した。
【0019】
まず、4℃で、等量の0.5%I型コラーゲン水溶液(CELLGEN I-AC,(株)高研製)と培養液(10%非動化ウシ胎仔血清(FBS)、20 mM HEPES、100 u/mlペニシリン、100ig/mlストレプトマイシンを含有するダルベッコ改変イーグル培養液(DMEM))とを混合して、0.25%I型コラーゲンのゾルを作製した。内径3 mmの管(1 ml規格のピペット[Falcon#7521])の下端をパラフィルムで密閉した後(図1A(a))、内側に上記の0.25%I型コラーゲンのゾルを約1.4 ml注入した(図1A(b))。これを2日間以上保存して、ピペット内でゲル化させた(図1A(c))。
【0020】
ゲル化が完了した後、ピペットから取り出した直径3 mmのコラーゲンゲルの上端を固定して垂直に垂れ下げ、温度10℃、湿度40%の恒温恒湿機内で、自重によりゲル外へ自由水を流出させた(図1A(d))。同じ条件下において、さらに重力を利用してゲル内の水分(自由水)を除去し(脱水)(図1A(e))、さらに時間をかけてゲル内水分(自由水と結合水)の乾燥(ガラス化)を行った(図1A(f))。ここで、ゲル内で自由に移動できた水分が除去されたことに伴ってゲル体積の減少がプラトーに達すること(ゲル収縮の終了)と、ゲルを観察した際に判断できる水分特有の輝きが失われていることに基づいて、自由水が完全に除去され乾燥したことの目安とした。自由水を完全に除去した後の乾燥ゲルは、室温で保管しながらゆっくりと結合水を除去するガラス化工程を進行させる。そして、本実施例において、糸状のビトリゲルを作製するため、ゲル化の期間として4日間、自由水を完全に除去する初期乾燥の期間として1日間、結合水を徐々に除去するガラス化の期間として1日間あるいは8日間かけた。その後、糸状のビトリゲルは、PBSで再水和して完成した。つまり、0.25%I型コラーゲンゾルを作製した時点から糸状のビトリゲルを再水和する前のガラス化された乾燥状態にするまでの日数(コラーゲンを線維化してからの期間)は、前者では6日間、後者では13日間であった。
【0021】
このようにして作製する糸状ビトリゲルの初期乾燥の状態を、図1Bにおいて示した。
【0022】
実施例2:管状ビトリゲルの作製
本実施例においては、管状のビトリゲルを作製した。
【0023】
実施例1と同様にして作製した0.25%I型コラーゲンのゾルを、内径8 mmの管(I)の内側に同心となるように外形4 mmの円柱(II)を挿入して下端をパラフィルムで密閉後(図2A(a))、IとIIで構成された環状柱状の間隙に0.25%I型コラーゲンのゾルを約8 ml注入注入した(図2A(b))。これを37℃に保温して、管内で管状にゲル化させた(図2A(c))。
【0024】
ゲル化が完了した後、下端のパラフィルムと円柱(II)を除去し、外側の管(I)内にゲルを保持したまま、温度10℃、湿度40%湿度下の恒温恒湿機内で、管(I)を垂直に固定し、自重によりゲル外へ自由水を流出させた(図2A(d))。同じ条件下において、さらに重力を利用してゲル内の水分(自由水)を除去し(脱水)(図2A(e))、さらに時間をかけてゲル内水分(自由水と結合水)の乾燥(ガラス化)をおよそ2週間行った(図2A(f))。
【0025】
このようにして作製した管状のビトリゲルを、PBSで再水和した。このようにして作製した管状のビトリゲルを、図2Bにおいて示した。
【0026】
実施例3:棒状ビトリゲルの作製
本実施例においては、キャップ状(短い棒状)のビトリゲルを作製した。
【0027】
実施例1と同様にして作製した0.25%I型コラーゲンのゾルを、内径10 mmのガラス製丸底試験管の内側に約1 ml注入した(図3(b))。これを37℃に保温して、管内で短い棒状にゲル化させた(図3(c))。
【0028】
ゲル化が完了した後、遠心分離機で処理(1,400g×10 min)して、上清の自由水を除去した後、温度10℃、湿度40%の恒温恒湿機内で、試験管を反転させて垂直に固定し、自重によりゲル外へ自由水を流出させた(図3(d))。同じ条件下において、さらに重力を利用してゲル内の水分(自由水)を除去し(脱水)、さらに時間をかけてゲル内水分(自由水と結合水)の乾燥(ガラス化)を行った(図3(e))。このようにして作製した管状のビトリゲルを、PBSで再水和して使用に供した。
【0029】
実施例4:糸状ビトリゲルの医療用途への適用性の検討
本実施例においては、実施例1において作製した糸状のビトリゲルの医療用途への適用性について検討した。
【0030】
本発明の方法で実施例1において作製した糸状のビトリゲルの場合、特に再水和する前のガラス化された乾燥状態あるいは再水和した後に再度乾燥した乾燥状態の材料には、縫合糸としての用途が考えられたことから、まず従来から使用されている3-0絹糸縫合糸(ブレードシルク、(株)夏目製作所、公称直径0.27 mm)、4-0絹糸縫合糸(黒ブレードシルク、(株)夏目製作所、公称直径0.20 mm)、5-0絹糸縫合糸(軟性白ブレード絹糸、(株)秋山製作所、公称直径0.15 mm)、3-0生体内分解性縫合糸(Coated VICRYL、ETHICON,Inc.、公称直径0.27 mm)との対比を行った。
【0031】
実施例1において作製した糸状ビトリゲルを再水和する前のガラス化された乾燥状態の材料(以下、本実施例においては、「糸状ビトリゲル(乾燥状態)」という)(図4AおよびB)と、5-0絹糸縫合糸(図4C)、4-0絹糸縫合糸(図4D)、3-0絹糸縫合糸(図4E)、および3-0生体内分解性縫合糸(図4F)の乾燥形態を、顕微鏡下で比較した。これらの写真からもわかるように、ほぼ5-0絹糸縫合糸(図4C)と同等の太さ(直径0.15 mm)の糸状ビトリゲル(乾燥状態)(図4A、B)が作製されていることが明らかになった。また、絹糸とは異なり、表面がなめらかに成形されていることも明らかになった。
【0032】
次に、実施例1において作製した糸状ビトリゲル(乾燥状態)の強度を、破断強度および破断時の伸展長を指標として、太さがほぼ同等の5-0絹糸縫合糸と比較して測定した。具体的には、糸状ビトリゲル(乾燥状態)の強度測定は、デジタルフォースゲージ(日本電産シンポ(株)製)を使用して、全長5 cmに切断した後に両端の1 cmを固定して、毎分9 mmで引っ張った時の破断強度(Kgf)および破断時の伸展長(mm)を計測した。図5A、5Bにおいて、レーン1は作製日数6日間の糸状ビトリゲル(乾燥状態);レーン2は作製日数13日間の糸状ビトリゲル(乾燥状態);そしてレーン3は5-0絹糸縫合糸のデータをそれぞれ示す。図5A、5Bにも示されるように、作製日数が13日間の糸状ビトリゲル(乾燥状態)(レーン2)では、破断強度は同等の太さの5-0絹糸縫合糸(レーン3)とほぼ同等(約400 gf)であり破断時の伸展長は約3.4 mmで5-0絹糸縫合糸の約2.6 mmを上回ることが分かった。
【0033】
さらに、このような強度が手術用に十分耐えられるものであることを示すことを目的として、作製日数が6日間の糸状ビトリゲル(乾燥状態)を使用して、ラット表皮の縫合実験を行った(図6)。図6左は、縫合を行った当日の写真であり、図6右は縫合を行ってから1日経過後の写真である。この実験からもわかるように、ラットの表皮を縫合した場合に、縫合糸としての強度を発揮していたことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明においては、上記方法を使用することにより、薄膜形状以外の所望の形状を有する、ビトリゲルを作製することができる。このようにして製造されたビトリゲルは、生体適合性であり、免疫原性が低いことから、縫合糸などの医療用材料や再生医療における生体修復用細胞基材(バイオマテリアル)など、広く医療用に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、糸状のビトリゲルを作製するための手順および作製された糸状のビトリゲルの写真を示す。
【図2】図2は、管状のビトリゲルを作製するための手順および作製された管状のビトリゲルの写真を示す。
【図3】図3は、キャップ状(短い棒状)のビトリゲルを作製するための手順を示す。
【図4】図4は、5-0絹糸縫合糸(図4C)、4-0絹糸縫合糸(図4D)、3-0絹糸縫合糸(図4E)、および3-0生体内分解性縫合糸(図4F)の乾燥形態と比較した、実施例1の糸状ビトリゲル(乾燥状態)(図4AおよびB)の顕微鏡写真を示す。
【図5】図5は、5-0絹糸縫合糸と比較した、実施例1の糸状ビトリゲル(乾燥状態)の破断強度(Kgf)(図5A)および破断時の伸展長(mm)(図5B)を示す。
【図6】図6は、実施例1の糸状ビトリゲル(乾燥状態)を使用して、ラットの表皮を縫合した場合の、縫合時(左)および縫合1日後(右)の写真を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜形状以外の所望の形状のハイドロゲルを、ハイドロゲルの形状の長軸方向を水平に対して角度をつけて立てることにより、脱水・乾燥してガラス化することを特徴とする、所望の形状のビトリゲルの製造方法。
【請求項2】
薄膜形状以外の所望の形状が、糸状、管状、または棒状である、請求項1に記載のビトリゲルの製造方法。
【請求項3】
ハイドロゲルの形状の長軸方向を、水平に対して60〜90度の角度をつけて立ててガラス化を行う、請求項1または2に記載のビトリゲルの製造方法。
【請求項4】
ハイドロゲルが、コラーゲンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のビトリゲルの製造方法。
【請求項5】
コラーゲンが、I型コラーゲン、III型コラーゲンまたはこれらの組み合わせから形成される、請求項4に記載のビトリゲルの製造方法。
【請求項6】
薄膜形状以外の所望の形状を有する、ビトリゲル。
【請求項7】
薄膜形状以外の所望の形状が、糸状、管状、または棒状である、請求項6に記載のビトリゲル。
【請求項8】
形状の長軸方向に垂直な断面が、円形または同心円形である、請求項6または7に記載のビトリゲル。
【請求項9】
コラーゲンゲルをガラス化させたものである、請求項6〜8のいずれか1項に記載のビトリゲル。
【請求項10】
コラーゲンが、I型コラーゲン、III型コラーゲンまたはこれらの組み合わせから形成される、請求項9に記載のビトリゲル。
【請求項11】
医療用に使用するための、請求項6〜10のいずれか1項に記載のビトリゲル。
【請求項12】
糸状のビトリゲルを材料とする、縫合糸。
【請求項13】
生体適合性である、請求項12に記載の縫合糸。
【請求項14】
管状のビトリゲルを材料とする、人工血管支持体。
【請求項15】
生体適合性である、請求項14に記載の人工血管支持体。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−204881(P2007−204881A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25682(P2006−25682)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(803000056)財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 (341)
【Fターム(参考)】