説明

伏在静脈グラフトおよび自然の冠状動脈より塞栓子を除去するためのカテーテル

【課題】本発明の目的は、以前に公知の塞栓子除去システムの不利な点を克服する血管デバイスを提供することである。
【解決手段】外科的処置の間に生成した塞栓子を除去するために、遠位端および近位端を有するカテーテル、その全長にわたって延びる管腔、遠位端に固定された閉塞部材、およびカテーテルの側表面に配置された少なくとも1つの血液取り込みポートを備える、方法および装置が提供される。閉塞部材は、好ましくは、処置血管に配置され、そして血液取り込みポートは、覆われていない場合は、主血管からの順行性流の一部が、カテーテルの管腔へ迂回させられることを可能にする。主血管からの血液取り込みによって引き起こされる圧力差は、処置血管において流れを操作するのに適したベンチュリ効果を確立する。流れ特性は、次の除去のために、塞栓子をカテーテルの管腔へ向わせるように、取り込みポートによって操作され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照:本出願は、1999年10月15日に出願された米国特許出願第09/418,727号の一部継続出願で、1999年6月14日に出願された米国特許出願第09/333,074号の一部継続出願であり、1999年3月12日に出願された国際出願PCT/US99/05469の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、血管系内より塞栓子を除去するための装置および方法に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1つの血液取り込みポート、および、ベンチュリ流が、介在性処置の間に、生成された塞栓子を除去するように誘導され得る閉塞部材、を有するカテーテルを提供する。
【背景技術】
【0003】
現在、介在性の処置、例えば、ステント配置、粥腫切除術、および血管形成術の間に、塞栓子の放出を減少させるための手段が講じられなければならない、という認識が増加している。これらの処置は、概して、血管層の下流部を閉塞し、そして虚血を引き起こし得る塞栓物質の放出という、高い危険性を示す。閉塞が危険な領域、例えば、心臓、肺、または脳、において形成したならば、結果として生じた虚血は、患者の健康または生命に重大な脅威を示し得る。
【0004】
幾つかの以前に公知の方法および装置では、血塊および/または塞栓子を除去するために、吸引カテーテルを使用する。Cramerに対する米国特許第5,749,858号は、中心カテーテルを吸引デバイスに接続することで、血餅を吸引する装置を記述している。Cramerのデバイスは、カテーテルの目詰まりに関連する問題を、代替カテーテルを提供することで、低減させるように試みている。Gordonに対する米国特許第5,938,645号では、動脈を掃引し、そして塞栓子を除去するための、吸引を利用する血栓摘出デバイスを記述している。
【0005】
以前に公知の吸引システムは、幾つかの欠点を有する。第1に、外部の吸引源(例えば、上述した特許に記述されているもの)を使用するとき、処置部位における吸引圧の調節が困難であり得る。吸引量が、その状況において、低過ぎるときは、塞栓粒子は完全には除去され得ず、従って、その結果、さらなる閉塞事象が生じる。
【0006】
他方、多過ぎる吸引の実施は、血管壁の崩壊または切開を引き起こし得、結果として、血管壁に重大な損傷を負わせ、そして患者の健康を危うくする可能性がある。加えて、外部の吸引デバイスは、血管壁によって数秒間以上維持され得ず、結果として、潜在的に再び虚血となり得る血管からの流量を引き起こし得る。また、外部の吸引デバイスの継続使用は、非自己血の点滴を必要とする過度の血液損失という結果を生じ得る。最終的に、外部の吸引デバイスの使用は、適応された吸引を測定および調節するような手段を含む、付加的なデバイスという複雑さを必要とする。
【0007】
塞栓子除去のための他の方法は、動脈系と吸引を引き起こす大気圧との間の圧力傾斜を使用している。例えば、Solanoらに対する米国特許第4,921,478号は、カテーテルの近位端を大気圧に開放することで、逆流がカテーテルを通じて引き起こされる、脳の血管形成術の方法および装置を記述する。
【0008】
しかしながら、塞栓子除去の問題に対する上述の解決法は、そのアプローチの放棄に繋がるような幾つかの欠点を有する。これらの問題の主要なものは、狭窄にわたるガイドワイヤーおよび血管形成バルーンの配置の間、そのシステムが血流反転を生成できないことである。血流反転が、血管形成バルーンの収縮後まで生じないため、血管形成バルーンの配置の間に生成した塞栓子が、その次の血流反転により捕捉できないほど下流まで流れ、潜在的にさらなる閉塞事象を引き起こし得る、という実質的な危険性が存在する。
【0009】
以前に公知の塞栓子除去システムのこれらの欠点を考慮すると、介在的処置の間に、血管内より塞栓子を除去するために、処置部位より放出される塞栓粒子の体積を低減する装置および方法を提供することが望まれる。
【0010】
処置血管に損傷を負わせることなく、有効な除去のために、除去された粒子をカテーテル内に向わせるように処置部位で適切なレベルの逆行性流を生じさせる、塞栓子を除去するための装置および方法を提供することがまた望まれる。
【0011】
さらに、処置血管において、十分な逆行性流を達成するために、血管系の隣接部からの自然で、生理学的に調節された下方流を利用する、塞栓子を除去するための装置および方法を提供することが、さらに望まれる。
【0012】
逆行性流を達成するための外部の吸引デバイスの必要性を排除し、そして、そのような外部の吸引デバイスのモニターおよび調節を不要とする、塞栓子を除去するための装置および方法を提供することがさらに望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述の観点では、本発明の目的は、以前に公知の塞栓子除去システムの不利な点を克服する血管デバイスを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、介在性処置の間に、血管内より塞栓子を除去するために、処置部位より放出される塞栓粒子の体積を減少させる装置および方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、処置部位で、適切なレベルの流れを利用して、処置部位から塞栓子を除去するための装置および方法を提供することである。
【0016】
本発明のまた、さらなる目的は、処置血管において十分な逆行性流を達成するように、血管系の隣接部からの、自然で、生理学的に調節された下方流を利用する、塞栓子を除去するための装置および方法を提供することである。
【0017】
さらに、本発明の別の目的は、逆行性流を達成するための外部の吸引デバイスの必要性を排除し、そして、そのような外部の吸引デバイスのモニターおよび調節を不要とする、塞栓子を除去するための装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のこれらのおよび他の目的は、近位端および遠位端、およびそれらを通じて延びる管腔、遠位端での閉塞部材、および閉塞部材のカテーテル近位の側表面における、少なくとも1つの血液取り込みポート、を有するカテーテルを提供することで達成される。本発明の原理に従って、カテーテルは、遠位端および閉塞部材が、処置血管の口内または処置血管それ自体の中に配置されるまで、主血管を通じた逆行性の方法で経皮的に進められるように構成される。カテーテルは、伏在静脈グラフト、自然な冠状動脈、または他の血管、と併用され得る。閉塞部材を展開する上で、主血管を通じた一部の順行性流は、血液取り込みポートを通じて迂回させられ、それによって、処置血管での部分吸引を引き起こす。
【0019】
主血管からの順行性流の迂回させられた部分は、処置血管において、制御され、生理学的に調節された吸引効果を引き起こす。処置血管において引き起こされた吸引の度合いは、血液取り込みポートの数またはサイズを調整することで制御され得る。次いで、医療的処置は、治療デバイス、例えば、血管形成カテーテルまたは塞栓切除デバイスを、病変を処置するためのカテーテルの処置管腔を通じて挿入することで実施され得、一方、処置血管で引き起こされた逆行性流は、塞栓子を含む血液をカテーテルの管腔へ流し込む。カテーテルを通じて吸引された血液および塞栓子は、ろ過され得、そして、静脈戻りシステムにより、患者へ再灌流され得る。
【0020】
本発明の上記および他の目的ならびに有利な点は、添付図面を併用しながら、以下の詳細な説明を考慮することで明らかとなり、全体を通じて類似の参照符号は類似の部分を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の装置の概略図である。
【図2】図2は、体内で、完全に展開および作動した状態の装置の遠位端の概略図である。
【図3A】図3Aは、本発明の装置を使用した方法を描写する。
【図3B】図3Bは、本発明の装置を使用した方法を描写する。
【図3C】図3Cは、本発明の装置を使用した方法を描写する。
【図3D】図3Dは、本発明の装置を使用した方法を描写する。
【図3E】図3Eは、本発明の装置を使用した方法を描写する。
【図3F】図3Fは、本発明の装置を使用した方法を描写する。
【図4A】図4Aは、本発明のカテーテルの遠位端の詳細図であり、血液取り込みポートを通じて、流れを調節するのに適した例示的な内側シースを示す。
【図4B】図4Bは、本発明のカテーテルの遠位端の詳細図であり、血液取り込みポートを通じて、流れを調節するのに適した例示的な内側シースを示す。
【図5A】図5Aは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図5B】図5Bは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図6A】図6Aは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図6B】図6Bは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図7A】図7Aは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図7B】図7Bは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図8A】図8Aは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図8B】図8Bは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図8C】図8Cは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図9A】図9Aは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図9B】図9Bは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図10A】図10Aは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図10B】図10Bは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図11A】図11Aは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図11B】図11Bは、カテーテルの遠位閉塞部材の代替的な実施形態を示す。
【図12】図12は、遠位端の近傍において、処置血管口に係合するように、カテーテルを曲げるための機構を示す。
【図13】図13は、遠位端の近傍において、処置血管口に係合するように、カテーテルを曲げるための機構を示す。
【図14】図14は、本発明に従って構成された、平面に配置された複数の血液取り込みポートを有するカテーテルのさらに代替的な実施形態を示す。
【図15】図15は、血液を血液取り込みポートに向わせるのに適したフードを備えるカテーテルを描写する。
【図16A】図16Aは、代替的な血液取り込みポートの構成の図である。
【図16B】図16Bは、代替的な血液取り込みポートの構成の図である。
【図17】図17は、代替的な血液取り込みポートの構成の図である。
【図18A】図18Aは、代替的な血液取り込みポートの構成の図である。
【図18B】図18Bは、代替的な血液取り込みポートの構成の図である。
【図19】図19は、代替的な血液取り込みポートの構成の図である。
【図20】図20は、処置血管内に配置された、少なくとも1つの取り込みポートを有するカテーテルを示す。
【図21】図21は、本発明に従って構成された、処置血管からの流れと連絡する2つの閉塞部材および少なくとも1つの取り込みポート、を有するカテーテルのさらなる代替的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、本発明の原理に従って構成された塞栓保護装置20が記述されている。装置20は、カテーテル21、静脈戻りライン32、管状物29および任意の血液フィルター30を備える。
【0023】
カテーテル21は、閉塞部材22、入口ポート26、止血ポート23、例えば、タヒー−ボルスト(Touhy−Borst)コネクター、膨張ポート24、血液出口ポート28、および少なくとも1つの血液取り込みポート25を備える。管腔35は、入口ポート26、血液取り込みポート25、止血ポート23および血液出口ポート28と連絡する。以下、本明細書で記述されるように、カテーテル21はまた、好ましくは、血液取り込みポート25のサイズまたは数を調節するための機構を備える。管状物29は、血液出口ポート28と、静脈戻りライン32の任意のフィルター30および血液入口ポート31を連結する。止血ポート23およびカテーテル21の管腔は、介在性デバイス、例えば、血管形成バルーンカテーテル、粥腫切除デバイスおよびステント送達システムが、閉塞部位にまで管腔を通じて進められるような寸法にされる。
【0024】
静脈戻りライン32は、止血ポート33、血液入口ポート31ならびにポート33および31ならびに出口34を連絡する管腔を備える。静脈戻りライン32は、それ自体で公知の静脈導入カテーテルによる方法で構成され得る。管状物29は、適切な長さの生体適合性物質(例えば、シリコーン)を包含し得る。代替的に、管状物29は省略され得、そして、カテーテル21の血液出口ポート28および静脈戻りライン32の血液入口ポート31は、フィルター30のいずれかの端または互いに係合するように延ばされ得る。
【0025】
ここで図2を参照すると、カテーテル21の特徴は、介在性処置の間に、塞栓子を除去するためのカテーテルを使用する局面において、最もよく記述される。最初に、カテーテル54の遠位端は、主血管H(例えば、大動脈)を通じて、例えば、大腿動脈への経皮的なアプローチによって、逆行性の様式で体内に導入される。次いで、入口ポート56は、閉塞部材53が処置血管の口部内に配置され、そして血液取り込みポート52が主血管に配置された状態で、病変Sに対して近位の処置血管Tの口内に配置され得る。
【0026】
次いで、閉塞部材53は、アンカーカテーテル54を適所に配置し、および血液が口部を通じてそして主血管H内へ流れ込むことを防止するために配置される。閉塞部材53が展開された場合、血管Hを通じた順行性流の一部は、血液取り込みポート52へ向わされる。主血管Hからの流れは、血液取り込みポート52に流れ込み、そして、示される方向に、カテーテル54の管腔55内の下流へ流れる。
【0027】
主血管Hを通じて流れる流体の体積は、処置血管T内に流れる流体の体積より大きいので、図2の矢印に示されるように、処置血管T内の流体が、逆行性の方法で流れるように導入される、ベンチュリ型流体効果が達成される。ベンチュリ補助流が確立した状態で、医療的処置(例えば、ステント配置、粥腫切除術、または血管形成術)が、病変Sを破砕するために、処置血管T内において実施され得る。病変Sの破砕は、結果として、塞栓子Eの形成を生じ得る。
【0028】
好都合なことに、逆行性流はすでに、ベンチュリ効果により処置血管T内で確立されているので、塞栓子Eは除去ポート56を通じ、そしてカテーテル54内への逆行性流により方向付けられ得る。
【0029】
吸引のために外部の吸引に依存した以前の公知のシステムと異なり、本発明は、隣接する血管からの自然な血流を利用する。このことは、生理学的に制限された制御の度合いを加える。なぜなら、処置血管Tにおいて引き起こされた逆行性流の流速が、主血管Hの流速と同等であるからであり、それによって、潜在的に処置血管に対して損傷を最小限にする。また、隣接した血管からの自然な血流を利用することで、外部の吸引モニタリングデバイスへの依存を緩和する。
【0030】
図3A〜3Fを参照すると、本発明の装置を使用する方法が記述される。第1工程として、図3Aに見られるように、カテーテル74は、主血管Hに導入され、そしてその遠位端が、少なくとも処置血管Tの口部へ導入されるように配置される。手順は、好ましくは、大動脈である主血管Hおよび伏在動脈グラフトまたは生得の冠状動脈かのいずれかである処置血管Tにおいて実施される。カテーテル74の遠位端にある閉塞部材73は、まだ展開されない。カテーテル74の遠位端で、示されるように、除去ポート76は狭窄病変Sの近位に配置される。
【0031】
ここで図3Bを参照すると、閉塞部材73が膨張可能なバルーン形状を有するように示される。以下、本明細書中で記述される代替的な実施形態において、閉塞部材73は、機械的に展開され得るか、または、種々の他のバルーン形状を有し得る。図3Bに示される、膨張可能なバルーン形状について、閉塞部材73は、膨張ポート24によって膨張される。当業者に公知の製造技術に従って、膨張可能な閉塞部材73は、延伸性の物質(例えば、ポリウレタン、ラテックスまたはポリイソプレン)を包含し、そして、カテーテル74の遠位端に、例えば、接着または溶着によって固定される。
【0032】
膨張の際は、閉塞部材73は、流体が閉塞部材の周囲で順行性方向に、そして処置血管の口部へ流れ込まないように、主血管Hと処置血管Tとの間で封を形成する。従って、除去ポート76は、処置血管T内の流れに対してのみ曝される。さらに、閉塞部材73は、膨張の際に、固定具として作用することで装置を安定化し、そして除去ポート76への送り込みを提供する。
【0033】
血液取り込みポート72は、1つのポートまたは複数のポートを備え得、そして以下、本明細書中で記述される種々の形状で提供され得る。複数の取り込みポートを描写する図および複数のポートを参照する本文の参照は、実際は、1つの取り込みポートを表わし得、その逆も同様であり得ると、理解され得る。
【0034】
血液取り込みポート72は、初めに、管腔75が処置血管Tからの流れと単独で相互作用するように閉じられる。このとき、造影剤、心停止法、治療薬または他の薬剤が、管腔75を通じて処置血管に投与され得る。この薬剤は、例えば、近位のハブアセンブリに装着された注射器を使用して、管腔75へ注入され得る。
【0035】
図3Cを参照すると、血液取り込みポート72は覆われておらず、そして主血管H内からの下流へ向う流れに曝される。示されるように、主血管Hからの流体は血液取り込みポート72へ入り、カテーテル74の管腔75内の下流へ流れる。
【0036】
下流すなわち、閉塞部材73に対して近位で生成された流体の流れの体積が、処置血管T内の流体の流れの体積より大きいと考えると、ベンチュリ型流体効果が確立され、それによって、処置血管T内の流体は、処置血管において逆行性の方向へ流れるように引き起こされる。続いて、処置血管Tにおける流体は、除去ポート76に流れ込み、管腔75内で、カテーテル74の近位端に向うように下流へ流れる。
【0037】
次いで、図1の静脈戻りライン32は、経皮的にまたは外科的に切開することのいずれかで患者の大腿静脈へ導入され得る。フィルター30は、管状物29を使用して、カテーテル21の血液出口ポート28と静脈戻りライン32の血液入口ポート31との間で連結され、そしていかなる空気もラインより除去される。管腔75内を下流へ流れる血液は、血液出口ポート28を通過し、そして、静脈戻りライン32を通じて患者の大腿静脈へ戻され、従って、処置の間の血液損失量を減少させ、そして自己血の再使用が可能となる。
【0038】
図3Dを参照すると、閉塞部材73が配置されそして処置血管において逆行性流が確立されている状態であり、介在性装置(例えば、バルーン77を有する従来の血管形成バルーンカテーテル78)は、止血ポート23および管腔75を通じて装填され、次いで、病変S内に配置される。図3Eに示されるように、止血ポート23が閉じられ、そして器具78が血管開存性を回復するために作動している。
【0039】
図3Fでは、バルーン77は、病変Sの破砕後に収縮される。処置の間に生成された塞栓子Eは、確立された逆行性流を経て除去ポート76へ向けられる。塞栓子は管腔75内の下流へ流れ、そしてフィルター30によって除去され得る。次いで、ろ過された血液は、静脈戻りライン32を経て体内へ戻され得る。
【0040】
医療的処置が完了すると、器具78はカテーテル74内へ引き込まれる。次いで、閉塞部材73は膨張ポート24によって収縮し、今度は、処置血管Tにおいて順行性流の再建を引き起こす。次いで、この装置は患者の血管より除去され得る。
【0041】
図4A〜4Bを参照すると、本発明のカテーテルを通じた逆行性流を制御するための装置および方法が提供される。カテーテル74は、開口部81を有する内部シース80を備える。好ましい実施形態において、開口部81は、血液取り込みポート72の累積する面積より大きい矩形の面積を有する溝穴である。代替的な実施形態では、開口部81は、代わりに、血液取り込みポート72の各々のものに一致する複数の開口部を備える。
【0042】
図4Aにおいて、開口部81は、取り込みポート72に重ならないように配置されている。この閉鎖された概要では、内部シース80の中実領域が、カテーテル74に外部の流体が流れ込まないように血液取り込みポート72を覆う。図4Bに示されるように、内部シース80がその長手方向軸に対して相対的に回転するとき、流体がカテーテル74に流入し得、そして逆行性の方向、すなわち、閉塞部材73より離れる方向、に流れ得るように、開口部81は取り込みポート72と一致する。内部シース80の近位端は、操作者が取り込みポート72に対して、開口部81の正確な位置を知り得るようにするマーキング82を備え得る。これは、流れに曝される一致する領域を決定するのに有用であり、そして、血液取り込みポート72が、完全にまたは部分的に曝されるための信頼できる機構を提供する。
【0043】
代替的な実施形態では、内部シース80は、開口部81が長手方向での滑り動作によって取り込みポート72を覆うおよび覆いをはずすように、カテーテル74内で長手方向に滑り得る。あるいは、開口部81は省略され得、そして内部シース80の最遠位端が、長手方向での滑り動作を使用して、取り込みポート72を覆うおよび覆いをはずし得る。
【0044】
ここで図5Aを参照すると、閉塞部材の代替的な実施形態が記述されている。カテーテル101は、ワイヤを編んだような形状を有する機械的な閉塞部材100を備え、これは好ましくは、形状記憶保持金属、例えば、ニッケルチタン合金(ニチノール(Nitinol)として当業者に一般的に公知)によって構成される。
【0045】
ニチノールの使用は、概して、それ自体公知の製造方法(例えば、心棒または所望の形状の治具で、ニチノール要素を強制することで、所定の形状に固定し、次いで、適切な熱処理を実施する)による、あつらえの形状の固定を必要とする。
【0046】
機械的な閉塞部材100は、好都合に、最大の除去直径(すなわち、およそ処置血管Tの内部直径)を有する閉塞部材を提供する。機械的な閉塞部材100は、比較的大きい塞栓子の、カテーテル101の管腔への除去を容易にするために、処置血管Tの内膜層と同一平面の位置にある。機械的な閉塞部材100は、例えば、初めはシース内に閉塞部材を押し込んでいる外側シースを近位に引き込むことで、展開され得る。
【0047】
機械的な閉塞部材100は、好ましくは、弾性ポリマー102(例えば、ラテックス、ポリウレタンまたはポリイソプレン)によって覆われる。弾性ポリマー102は、好ましくは、化学結合が、より強い弾性特性を可能にするために、架橋をより少なく有する組成物である。
【0048】
図5Aに示されるように、湾曲領域である、屈曲部104は、閉塞部材100の近位および血液取り込みポート103の遠位に形成される。屈曲部104は、固定または可撓性であり得る角度θを含む。種々の屈曲部が、以下、本明細書中に記述される。
【0049】
代替的に、機械的な閉塞部材100は、図5Bに示されるように、より長い距離に広がり得る。遠位端でのワイヤ編み込み構造は、機械的な閉塞部材100および機械的な閉塞部材100と屈曲部104を接続する区域である中間部103を備える。ワイヤ編み込み構造で提供され、そして弾性ポリマー102によって覆われる中間部103は、中実中間部よりもさらなる可撓性および低いキンク性を提供し得る。
【0050】
図6Aを参照して、複数のスプリット端120を備える機械的な閉塞部材118が、収縮した状態(例えば、外側シース内に配置されている場合(図示せず))で示される。シースが近位へ引き込まれると、スプリット端は、図6Bに示される形状にまで自己拡張する。スプリット端120は、好ましくは、形状記憶物質(例えば、ニチノール)で構成され、そして所定の形状を形成するために熱処理される。弾性ポリマー122は、流れを閉塞しそして塞栓子を除去するのに適した血液不透過性膜を形成するように、スプリット端120の外表面に接着される。
【0051】
図7Aを参照して、機械的な閉塞部材126が、自己拡張する編み込みワイヤメッシュとして提供される。閉塞部材126は、引き込まれた状態(例えば、外側シース128内へ編み込みメッシュ130を圧縮することにより)で経管的に挿入される。外側シース128が近位に引き込まれるにつれて、図7Bに示されるように、メッシュ130は、除去ポート132を有する、所定の、展開された形状に戻る。除去ポート132は、処置血管の内膜層と、実質的に同一平面である。編み込みメッシュ130は、好ましくは、血液不透過性膜を形成するために弾性ポリマーにより被覆される。
【0052】
図8Aを参照すると、編み込みワイヤメッシュ140を有する自己拡張する機械的な閉塞部材136は、外側シース138内に引き込まれた状態で提供される。外側シース138が近位に引き込まれるにつれて、メッシュは、図8Bに斜視図で、図8Cに側面断面図で示されるように、丸い形状まで自己拡張する。機械的な閉塞部材136は、除去ポート144、内縁150、中間部142、およびその長さに沿ってワイヤ編み込みを覆う弾性ポリマーコーティングを備える。塞栓粒子がベンチュリ補助流によって除去ポート144に入ると、それらは内縁150内に捕集されるか、または次の除去のための中間部142へ送り込まれるか、のいずれかの状態になり得る。
【0053】
図9Aおよび9Bを参照して、膨張可能な閉塞部材170が記述されている。柔軟な閉塞部材170は、図1の膨張ポート24によって膨張され得る。閉塞部材170の外表面174は、比較的広い範囲にわたって、処置血管壁に係合するように構成される。遠位テーパー部172は、血管の内径と実質的に等しい直径を有する最遠位縁部178を提供することによって、塞栓子の除去を容易にする。遠位テーパー部172は、最遠位縁部178からカテーテル171の管腔176への、滑らかな粒子の移行を提供する。
【0054】
図10Aおよび10Bを参照すると、膨張可能な閉塞部材190のさらに代替的な実施形態が記述される。閉塞部材190の外表面193は、比較的広い範囲にわたって、処置血管壁に係合し、一方、カフ194は、処置血管の口部の周囲で非外傷性の封を提供する。カフ194は、カテーテル191の本体が、処置血管の封を傷付けずまたは破壊せずに動くことを可能にする。膨張可能な支持領域196は、カフ194のための構造的な安定性を提供する。遠位テーパー部192は、カテーテル191の管腔198への滑らかな移行を容易にする。
【0055】
図11は、可撓性シース220を有する別の代替的な閉塞部材を示す。可撓性シース220は、柔軟な物質(例えば、ポリウレタン、ラテックスまたはポリイソプレン)を包含する。可撓性シース220は、接着部224によって、遠位の位置でピストン222に固定され、そして、接着部226によって近位の位置でカテーテル本体228に固定される。図11Aに示されるように、ピストン222は、初めは、可撓性シース220が延ばされ、そして実質的にカテーテル228と平行であるように、最遠位の位置に配置される。作動の際は、ピストン222は、可撓性シース220の遠位端が、その近位端に対して引き込まれるように、カテーテル228内の近位に引き込む。図11Bに示されるように、このことは、シース内の空気を圧縮し、シースを外側に突出させる。可撓性シース220によって提供された突出は、処置血管の口部を非外傷性的に密封するように構成され得る。
【0056】
ピストン222の作動は、例えば、ピストン222の近位端に固定されたケーブル225を提供することで、生じ得る。図11Bに示されるように、ケーブル225の近位への引っ張りにより、ピストン222は、シース220の突出を形成するように、近位に引っ張られる。処置が完了すると、ケーブル225または代替的に真っ直ぐにする手段は、ピストン222を最遠位の位置に進め、そしてシース220を折り畳むために、遠位に進められ得る。
【0057】
代替的に、ピストン222は、ピストン222をカテーテル内に引き込むのに適した吸引力を適用することで作動し得る。吸引は、例えば、近位のハブアセンブリに装着された注射器から、そして、ピストン222と連絡する管腔を通じて、提供され得る。処置が完了すると、圧力が、ピストン222を最遠位の位置に戻し、そしてシース220を折り畳むために、管腔内に適応され得る。
【0058】
図12を参照すると、カテーテル241の屈曲部の特徴が記述される。屈曲部240は、閉塞部材の近位に位置し、そして血液取り込みポート243の遠位に位置する。屈曲部240は、処置血管の遠位への接近を可能にする、角度θにより規定される湾曲を提供し、一方、カテーテル241の近位端が主血管内に存在することを可能とする。屈曲部240は、固定または種々の角度のアセンブリの状態で構成され得る。遠位領域242は、処置血管の口部内に固定され得、そして角度θは、システムの流れ特性を操作するように変化し得る。例えば、角度θを増加させることで、さらなる血液が血液取り込みポート243へ流れるように、近位領域244に、血流F方向への付勢を引き起こし得る。カテーテル241への増加した流れは、変化したベンチュリ効果により、処置部位の吸引の度合いを変化し得る。
【0059】
図12は、形状記憶部材246、引張部材248、および任意の可撓性部材250を包含する、角度θを変化させる手段を示す。可撓性部材250は、角度θを、それぞれ増加または減少するために拡張または重なり得る、複数の蛇腹型の区域251を含む。
【0060】
デバイスの経管的な挿入の間に、形状記憶部材246は、遠位区域242および近位区域244が実質的に平行であるように、引き込まれた状態(例えば、外側シース内に部材を圧縮することによって)で提供される。展開(例えば、外側シースを近位に引き込む)することで、形状記憶部材246は、実質的に鋭角θを有する、所定の形状に戻る。形状記憶部材246は、上記、本明細書中で記述された方法に従って、ニチノール片を熱処理することで、その拡張された形状へ戻るように設定され得る。
【0061】
引張部材248は、カテーテル241内の形状記憶部材246に対向する。引張部材248は、カテーテル241の全長にわたって広がり、そして接着によって遠位点254に固定される。付加的な管腔252は、カテーテル内の引張部材248を誘導するのに使用され得る。形状記憶部材246の初期の展開が、実質的に鋭角θを提供するので、屈曲部240が湾曲し、そして角度θが増加するように、遠位点254を引っ張るように張力が、引張部材248に負荷され得る。
【0062】
図13を参照すると、屈曲部275の角度θを変化させる代替的な手段が記述される。この実施形態では、デバイスは真っ直ぐにするワイヤ270および管腔272を備える。管腔272は、カテーテル271内でワイヤ270の長手方向の滑動を可能とするような寸法とされる。真っ直ぐにするワイヤ270は、初期は、カテーテル271の近位領域274に位置し、そして屈曲部275が、実質的に鋭角θを有する形状の状態で提供される。次いで、真っ直ぐにするワイヤ270は、屈曲部275の内壁を押し付け、角度θを増加させるように、遠位に進められ得る。加えて、真っ直ぐにするワイヤ270は、屈曲部275に対する圧力を軽減し、角度θを減少させるように近位に引き込まれ得る。
【0063】
図14を参照すると、主血管と血液取り込みポート292との間の流れの相互作用を改善する手段が提供される。この実施形態では、平面290が血液取り込みポート292を収容する。テーパー部298は、屈曲部296から血液取り込みポート292の近位の位置まで広がる。血流Fは、平面290に沿って示された方向へ生じ、そして、テーパー部298によって形成された側壁294は、血液を血液取り込みポート292へ流し込むのに役立つ。
【0064】
図15に示されるように、フードがまた、血液をより効果的に血液取り込みポートへ向わせるのに使用され得る。自己拡張フード312は、例えば、上記、本明細書中で記述される方法に従い、形状記憶物質より製造される。フード312は、滑動可能な外側シース314内に折り畳まれた状態で提供される。外側シース314が近位に引き込まれるにつれて、フード312は、所定の、拡張した形状にまで展開する。外側シース314が遠位に進められるにつれて、フード312は再びシース内に折り畳まれる。
【0065】
血流Fが主血管において生じているために、フード312は、血流をより効果的に血液取り込みポート318へ向わせ得る。血液排出口316は、血液取り込みポート318に向わない流れFを、フード312より排出させ、そして主血管内で流れ続けることを可能にする。外側シース314は、血液取り込みポート318への血液の流れを増加させるように、フード312を折り畳まないで、血液排出口316を覆うように、遠位に進められ得る。
【0066】
ここで図16Aを参照すると、カテーテル本体は、その全長に沿って実質的に丸い。血液取り込みポート332の直径は、カテーテル331の管腔への血流量を増加または減少させるように変化され得る。加えて、血液取り込みポート332の近位縁部334は変化され得る。すなわち、カテーテル331の管腔へ血流Fをより良く向わせるように、平面または角度を有し得る。図16Bは、血液取り込みポート350の代替的な形状を示し、ここで、近位縁部352および側縁部354は、より良い血液流れ込み能力を提供するために角度を付けられる。図15のフード312に類似のフードが、図16に描写される丸いカテーテル本体に使用され得る。
【0067】
図17を参照すると、カテーテル361は、規定された血液取り込みパターン362を有する複数の形状付けられた穴を備える。パターン362は、カテーテル361への血流Fを改善するために、カテーテルの片側または両側に提供され得る。加えて、血液取り込みポートは、流し込み能力を高めるために、カテーテル本体に対して角度αでもって切断され得る。例えば、血液取り込みパターン362が、血流Fと平行であるように示されるものの、血液取り込みポート368は、より良く取り込みポート368へ流れを向わせるように、血流Fに対して角度αでもって提供され得る。
【0068】
代替的な実施形態において、図18Aに示されるように、血液取り込みポートは、スロットまたは溝穴の形状で提供され得る。スロット380は、単独か組み合わせのいずれかで提供される。図18Bに示されるように、スロット380の近位壁382は、スロット380への血流Fを増加させるように角度を有し得る。
【0069】
最終的に、図19に示されるように、スロット自身は、展開可能な区域402を形成するように、例えば、カテーテル本体の形状を熱固定することで、外表面に偏らされ得る。この実施形態において、血液取り込みポート400の近位縁部404は、血流Fを血液取り込みポート400へより良く向わせるために、カテーテル401に対して引き上げられる。展開可能な区域402は、デバイスの経管的な挿入に際して、引き込まれた状態で外側シース406内へ圧縮され得る。次いで、外側シース406は、展開可能な区域402を、引き上げられた近位縁部404を有するそれらの所定の、拡張した状態に戻すために、近位に引き込まれる。処置が完了すると、外側シース406は、引き上げられた縁部がシース内に圧縮するように遠位へ進められる。
【0070】
図20を参照すると、カテーテル420の血液取り込みポート424が、病変Sを有する処置血管T内に配置されている。この実施形態において、閉塞部材422は、口部内に配置されるのとは対照的に、処置血管T内に配置される。このことは、主血管Hからの順行性流が、処置血管T内においてベンチュリ効果を引き起こすように、処置血管Tに入り得、そして血液取り込みポート424へ流入し得るように、血液取り込みポート424が処置血管T内に配置されることを可能にする。
【0071】
図21を参照すると、本発明に従う装置のさらに代替的な実施形態が記述される。カテーテル440は、処置血管Tの口部を取り囲む2つの閉塞部材を備える。この実施形態において、近位閉塞部材442および遠位閉塞部材444を有するカテーテル440が、引き込まれた状態で提供される。それら閉塞部材の間のカテーテルの区域は、示されるように、血液取り込みポート446、または、複数の血液取り込みポートを備え得る。遠位閉塞部材444は、処置血管Tの口部に対して遠位の位置で展開される。遠位閉塞部材444は、カテーテル440の管腔448へと血流を流し込み、そして血液は下流方向へ流れる。次いで、近位閉塞部材442は、血液取り込みポート446を通じた処置血管Tと管腔448との間の流体の連絡を可能とするように、処置血管Tの口部の近位の位置で、主血管H内において展開され得る。
【0072】
下流への流れと処置血管T内の流れとの間の圧力差は、処置血管T内の流れの操作を可能にするベンチュリ効果を引き起こし得る。例えば、処置血管T内の圧力より相対的に低い下流の圧力(すなわち、カテーテル440の近位端での圧力)は、処置血管T内で流れの反転を引き起こし得る。
【0073】
カテーテル440および取り込みポート446は、狭窄Sの部位まで介在性デバイス(例えば、従来の血管形成バルーン)が進むことを可能にするような寸法にされる。処置全体を通じて、ベンチュリ効果は処置血管T内の流れの度合いを制御し、生成した塞栓子Eが取り込みポート446を通じて除去され得る。
【0074】
本発明の好ましい例示的な実施形態が上述されているが、種々の変化および改変が本発明より離れずになされ得ることは、当業者にとって明らかである。添付の請求項は、本発明の精神および範囲内に入る変化および改変の全てを網羅するように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内において流れ特性を操作するのに適した装置であって、該装置は以下:近位端および遠位端、遠位入口ポート、側表面、および該近位端と該遠位端との間に延びる管腔を有する、カテーテル;該カテーテルの該遠位端に固定された、閉塞部材;および該閉塞部材の近位の該側表面に配置された少なくとも1つの取り込みポートであって、該血液取り込みポートが処置血管において、該遠位入口ポートによってベンチュリ補助された逆行性流を引き起こすように構成されている、血液取り込みポート、を備える、装置。
【請求項2】
前記閉塞部材が膨張可能であり、そして前記管腔と連絡するテーパー状の表面を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記閉塞部材が処置血管の口部内に配置されるように適合される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記閉塞部材が、さらに膨張可能なカフとして使用される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記閉塞部材が、経管的な挿入に適した収縮した状態、および処置血管における順行性流を閉塞するのに適した拡張した状態を有する自己拡張する編み込みメッシュを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記閉塞部材が丸い形状および内縁を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記閉塞部材が、弾性コーティングにより被覆された複数のスプリット端を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、さらに以下:前記カテーテル内で長手方向に作動するように配置されたピストン;および該カテーテル内での該ピストンの近位への引き込みによって、可撓性シースがバルーン形状の閉塞部材の形成を引き起こすように、該ピストンの遠位の位置で固定され、そして該カテーテルの近位の位置で固定された、可撓性シース、を備える、装置。
【請求項9】
前記血液取り込みポートが種々の角度の形状を有する縁部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記血液取り込みポートが、前記カテーテル本体に対して一定の角度で配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記血液取り込みポートが、該血液取り込みポートへの血流を高めるように選択されるパターンを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記カテーテルが、さらに少なくとも1つの展開可能な区域を備え、該展開可能な区域が拡張可能な状態を有し、前記血液取り込みポートの前記近位縁部が該カテーテル本体に対して引き上げられる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記血液取り込みポートが円形である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記血液取り込みポートがスロットである、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記カテーテルがさらに、前記遠位閉塞部材を備える遠位カテーテル区域および前記血液取り込みポートを備える近位区域を分離する可撓性部材を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、さらに、前記近位区域と遠位区域との間で、実質的に鋭角を形成するように前記可撓性部材を湾曲させるのに適した、拡張した状態を有する形状記憶部材を備える、装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置であって、さらに以下:外側シース;およびフードであって、該外側シース内で収縮された状態で提供され、そして血流を前記血液取り込みポートへ誘導するのに適した拡張した状態を有する、フードを備える、装置。
【請求項18】
医療的処置の間に塞栓子を除去し、そして処置血管における流れ特性を操作するための方法であって、該方法が以下の工程:カテーテルを備える装置を提供する工程であって、該カテーテルが、近位端および遠位端、該カテーテルにわたって延びる管腔、該遠位端に固定された閉塞部材、および前記カテーテルの側表面に配置された少なくとも1つの血液取り込みポートを有する、工程;該装置の該遠位端を、少なくとも狭窄の近位の該処置血管の口部に配置する、工程;および該管腔の遠位部分が該処置血管における流れと連絡するように、前記主血管と該処置血管との間の連絡を妨げるように該閉塞部材を展開する、工程、を包含する、方法。
【請求項19】
前記閉塞部材を展開する工程が、さらに以下の工程:前記カテーテルの前記管腔内で長手方向に作動可能なピストンを提供する工程、そしてさらには、該ピストンの遠位の位置および該カテーテルの近位の位置で固定される可撓性シースを提供する工程;およびバルーン形状の閉塞部材を形成するために、該シース内の空気を圧縮するように該カテーテル内に該ピストンを近位に引き込む工程、を包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、さらに以下の工程:主血管からの流体流れを、前記血液取り込みポートを通じて前記カテーテルの前記管腔へ制御する工程;および該管腔内の該流体を、該カテーテルの該近位端へ向う下流方向へ流し込む工程、を包含する、方法。
【請求項21】
流体を下流へ流し込む工程が、前記処置血管においてベンチュリ補助された逆行性流を引き起こす、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、さらに前記処置血管において病変を処置するための医療的処置を実施する工程を包含する、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、さらに前記医療的処置の間に生成した塞栓子を、前記カテーテルの前記管腔へ向わせる工程を包含する、方法。
【請求項24】
流体流れを前記管腔へ制御する工程が、さらに以下の工程:前記カテーテル内に少なくとも1つの開口部を有する内部シースを提供する工程;および該開口部が選択された度合いだけ前記取り込みポートと重なることを可能にするように、該内部シースを作動させる工程、を包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記内部シースを作動させる工程が、前記カテーテル内の該内部シースを、その長手方向軸に対して相対的に回転させる工程を包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記内部シースを作動させる工程が、前記カテーテル内で該内部シースを長手方向に滑らせる工程を包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
流体流れを前記管腔へ制御する工程が、さらに以下の工程:前記閉塞部材の近位の位置へ配置される可撓性部材、該可撓性部材の近位の位置に配置される前記血液取り込みポート、および初期には引き込まれている形状記憶部材を提供する工程;該閉塞部材と該取り込みポートとの間に実質的に鋭角を提供するように、該可撓性部材を曲げるために該形状記憶部材を展開する工程;および前記カテーテルの前記遠位端を固定するために、処置血管における狭窄の近位に該閉塞部材を展開する工程、を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、さらに、前記可撓性部材を曲げ、前記実質的に鋭角を増加させるように、前記管腔内の遠位点に固定された引張部材を近位に引き込む工程を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−213914(P2009−213914A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−139414(P2009−139414)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【分割の表示】特願2003−513619(P2003−513619)の分割
【原出願日】平成14年7月12日(2002.7.12)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】