説明

会議システム

【課題】ファイアウォールに影響されない信頼性のある接続性を有するインターネット・ベースの会議システムを提供する。
【解決手段】ネットワーク上の少なくとも2つのポータル間の通信を可能にする会議システムが提供される。オーディオビジュアル構成要素は、ポータルの所にいるユーザーがそれぞれのポータルから同時に互いを見聞きし合うことを可能にする。リモートコントロール構成要素は、ポータルが、ソフトウェア・アプリケーションまたはデスクトップ・コンピュータ全体を遠隔位置から共用、表示、及び/または制御することを可能にする。メディア・ストリーマ構成要素は、会議におけるホストポータルが、ローカルメディアファイルを他のポータルにストリーム送信することを可能にする。テキストデータ転送構成要素は、ポータル間のテキスト及びバイナリデータのリアルタイム転送を可能にする。ファイル転送構成要素は、会議に参加中のポータルが相互間でファイルを物理的に転送することを可能にする。入力/出力構成要素は、会議に参加中のポータルが、会議に参加中の他のポータルのポートに接続された周辺装置を検出してこれらの装置にデータを送信することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国暫定特許出願番号60/473,038、2003年5月24日出願に基づいて優先権を主張する。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、インターネット・プロトコルに基づく会議(コンファレンス)システムに指向したものであり、暗号化、セキュリティ、通話(コール)ルーティング(経路設定)、管理報告、及び信頼性のある接続性のような多数の特徴を提供する。
【0003】
【特許文献1】米国特許出願 09/614,399
【特許文献2】米国特許出願 09/680,796
【特許文献3】米国特許出願 09/750,954
【特許文献4】米国特許出願 09/842,997
【特許文献5】米国特許出願 09/873,034
【0004】
本発明の譲受人であるGatelinx社は、キオスク端末、セットトップボックス、携帯キオスク端末、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ハンドヘルド(手持ち型)コンピュータ、セルラー電話機、及びパーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)のような多数のポータル(窓口)を通した潜在的な消費者への売上を改善するいくつかのシステム、方法、及び装置を提案してきた。これらの発明は、米国特許出願番号09/614,399(NETWORK KIOSK)、09/680,796(SMALL FOOTPRINT NETWORK KIOSK)、09/750,954(INTERACTIVE TELEVISION FOR PROMOTING GOOS AND SERVICES)、09/842,997(METHOD TO ATTRACT CONSUMERS TO A SALES AGENT)、及び09/873,034(BACKEND COMMERCE ENGINE)に開示されている。本発明は、2つ以上のポータル間の打ち合わせ(コンファレンス)を可能にする強固な、インターネット・ベースの(インターネットに基づく)会議システムに指向したものである。
【0005】
1990年代中頃より、インターネット・ベースの会議システムが、ウェブサイトまたはキオスク端末上での顧客サービスの改善に努める会社によって使用されてきた。こうした生の(ライブ)サポート機能を採用することによって、これらの会社は、売上の大幅な増加、及びサポートコストの低減を実現してきた。しかし、これらの従来技術の会議システムは、その有効性を阻害する多くの特異な挑戦を含む。最も厳しい挑戦は、ファイアウォールに影響されずにインターネット上で接続することが不可能なこと、及び接続エラー管理であった。特に、大部分の従来技術のビデオ会議パッケージは、マルチメディア・ビデオ会議データをネットワーク上で転送する規格であるH.323(SIP(session initiation protocol:セッション開始プロトコル)及びRTSP(request to send protocol:送信開始要求プロトコル))に基づくものである。不都合なことに、この規格は、インターネット上での接続を確立し維持する際に対面する共通の困難性を考慮に入れていない。ファイアウォール、ソフトウェアの非互換性、狭い帯域幅のすべてが、インターネットを通した生の(ライブ)ビデオ接続を、一貫性のない接続性、貧弱な品質、及び非常に遅い転送レート(速度)にする。
【0006】
また、大部分の従来技術のインターネット・ベースの会議システムは暗号化機能を具えていない、というのは、ストリーミング・メディア(ストリーム(データ流)送信媒体)は一般に大量のデータを含んできたからである。インターネット上での安全な通信の重要性が増してきたので、非暗号化通信を認める慣行は、大部分の会社では受け入れられない。
【0007】
従って、現在技術では、ファイアウォールに影響されない信頼性のある接続性、接続エラー管理、リアルタイム(実時間)データ転送、暗号化、及び高品質の構成要素の集成を提供する、安全で強固なインターネット・ベースの会議システムの必要性が存在する。
【0008】
(本発明の概要)
会議要求を発生及び受信すべく構成されたネットワーク上の複数のリモート(遠隔)ポータル、これら複数のリモートポータルからの会議要求を処理するキュー(待ち行列)サーバー、各会議要求を処理するための前記ネットワーク上のルーター(経路設定器)を選定するディレクタ(指揮者)、及び会議中に前記リモートポータルのうちの少なくとも2つの間でアクセス可能な複数の構成要素を具えた会議システムが提供される。前記ディレクタは、少なくとも2つの前記リモートポータル間のピア・ツー・ピア(端末どうしの直接のやり取り)接続を確立して会議を生成する。
【0009】
前記会議システムは、前記ポータルが、ポータルの所にいる会議に参加中のユーザーが、それぞれのポータルから同時に互いを見聞きし合うことを可能にするオーディオビジュアル(音響映像)構成要素を含む多数の構成要素を始動させることを可能にする。会議に参加中の前記ポータルが、ソフトウェア・アプリケーションまたはデスクトップ・コンピュータ全体の共用、表示、及び/または制御を可能にするリモートコントロール構成要素が提供される。メディア・ストリーマ(ストリーム送信機)構成要素は、会議におけるホストポータルが、ローカルメディア(自分の所の媒体)ファイルを、この会議に参加中の他のポータルにストリーム送信ことを可能にする。テキスト(文字列)データ転送構成要素は、会議に参加中のポータル間でのテキスト及びバイナリ(2進数)データのリアルタイムの転送を可能にする。ファイル転送構成要素は、会議に参加中のポータルが相互間でファイルを物理的に転送することを可能にする。会議に参加中のポータルが、この会議に参加中の他のポータルのポートに接続された周辺装置を検出してこれらの周辺装置にデータを送信することを可能にする入力/出力構成要素も設けられている。レガシー(遺産)ゲートウェイ構成要素は、会議通話をシステムに整合したフォーマットに変換することによって、ネットワーク上のポータルが、システムに整合したネットワーク上の他のポータルから発生したものではない会議通話を送信及び受信することを可能にする。メッセージ発行構成要素は、ネットワーク上のポータルが、利用不可能である他のポータル宛てのテキスト、ビデオ、及びオーディオ(音声)メッセージを残すことを可能にする。本発明のシステムでは、通話監視及び記録構成要素も利用可能である。
【0010】
(好適な実施例の詳細な説明)
以下に記載する説明は、本発明の好適な実施例を説明する目的で提供するものであり、本発明をこれに限定することを意図したものではない。
【0011】
本発明は、インターネット上での2つ以上のポータル間の会議(打ち合わせ)を可能にする会議システムに指向したものである。この目的のために、複数のポータル間のインターネット上での通信を可能にするためのネットワークが存在しなければならない。この通信システムは、サービス・プロバイダによって運用され、本発明により動作する管理されたポータル・ネットワークを含むことができるが、必ずしもそうである必要はない。前記管理されたポータル・ネットワークは、インターネット、特にワールドワイド・ウェブ(WWW)と整合(インタフェース)する。この管理されたネットワークには複数のポータルを直接、インターネット・サービスプロバイダを通して間接的に、あるいは他の何らかの媒体を通して接続することができる。本発明のポータルは、例えば固定キオスク端末、携帯キオスク端末、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ、セットトップボックス、及びパーソナル・ディジタル・アシスタントの形を採ることができる。
【0012】
本発明は、種々のポータルが会議要求を互いに発行及び受信することを可能にする。しかし、入りの会議要求を受信するためには、ポータルはシステムにログインしなければならない。従って、2つ以上のポータル間のインターネット会議を確立するプロセス(過程)は、これらのポータルがキュー(待ち行列)サーバーにログインした時点で開始され、このサーバーは、通話実行要求用のハンドラ(処理装置)として作用する。このログイン・プロセスは、システムがポータルのユーザーを、例えばログイン名及びパスワードの使用によって認証することを可能にする。また、キューサーバーは、例えばユーザーがログイン及びログアウトした際に、認可されたユーザーについてのデータ、例えばユーザーが行った通話の回数、これらの通話の長さ、進行中の総通話数、及び他の種類の統計的データに管理者がアクセスすることを可能にする。前記ログイン・プロセスはさらに、システムが課金目的で通話の活動を追跡することを可能にする。従って、キューサーバーはこの情報を課金データベースに蓄積することができる。ウェブベースの(ウェブに基づく)管理モジュールは、ログイン・プロセス、課金、通話経路設定のパターン、等を管理すべく設けられ、これについては以下でさらに説明する。
【0013】
ポータルがログイン、ログアウトする際、会議に入る際、あるいは利用不能であることを示そうとする際には、これらのポータルは自分の現在状態を示す更新情報をキューサーバーに送信することができる。そしてこの存在情報は、当該ポータルの存在情報を特に要求したすべてのポータルに報知される。より詳細には、各ポータルはその存在状態をキューサーバーに登録する。この存在データは、これらのポータルが通話中であるか、通話拒否フラグを有するか、あるいは利用可能であるかを示す。これに加えて、存在システムは、あるポータルについての他の情報、例えばカメラ及びマイクロホンの存在をフラグで示すことができる。
【0014】
ネットワーク上のポータルが他のポータルについての存在データを読み取るために、これを所望するポータルのユーザー・インタフェースは他のポータルの存在状態を要求する。一具体例では、キューサーバーがネットワーク上のポータルについての存在データベースを調べて、変化した状態のリストを取り戻して、このキューサーバーを通して存在データを要求しているすべてのポータルに送信する。追加的な具体例では、ポータルがその存在状態を変更すると、存在の要求が大域的(グローバル)ネットワークの要求として送信され、即ち、特定ポータルの存在状態を要求したすべてのポータルのキューサーバーに向けて経路設定される。各キューサーバーは、更新された状態を、要求したユーザーに送信する。
【0015】
一旦、ポータルがキューサーバーにログインすると、これらのポータルは互いに会議(打ち合わせ)を要求することができる。このプロセスの動作方法を記述する手助けのために、以下の説明を通して、遠隔地の販売者(エージェント)との会議を開始することを要求するキオスク端末の例を用いる。しかし、本発明はこの特定用途に限定されないことは明らかである。むしろ、あらゆる種類のポータルが他のあらゆるポータルとの会議を要求することができる。また、本発明はポータルどうしの間の会議に限定されないことも明らかである。むしろ、どの1つのポータルも、他の複数のポータルとの同時の会議を要求することができる。
【0016】
会議要求は、キオスク端末からアプリケーション・インタフェース経由で発生され、本明細書ではこのインタフェースをクライアントと称する。このことは、店内の顧客がキオスク端末に接近してスクリーンまたはボタンに触れて、遠隔地の販売者との会議通話を開始する際に生じる。上記スクリーン領域またはボタンは、”Call Now(今通話する)”、”Press Here To Speak To A Live Agent(販売者と直に話すためにここを押す)”と読める(書かれている)。この時点で、会議通話を開始する要求がキオスク端末から発生する。
【0017】
一旦、キオスク端末が要求を発生すると、本明細書ではディレクタ(指揮者)と称する実行可能なプログラムが、キオスク端末とリモートポータルとの接続の確立を試みる。特に、ディレクタは、この要求をルーターに転送するスイッチを選定しようとし、このルーターはキオスク端末からの会議通話要求を一連のジョブとして処理することができる。ディレクタは、ネットワーク上の複数のスイッチに同時に接続しようとすることによって、バックエンドの位置を見つける。各スイッチは、その性能が劣化すると共に、前記要求に応答する前に休眠するように構成されている。これに対応して、各スイッチは、その性能レベルが改善されると共に、その応答時間が短縮されるように構成されている。各スイッチは、その性能レベルが臨界レベルに達した場合に接続を拒否するように構成されていることが好ましい。要求中のディレクタに最も近いスイッチは、その接続時間に基づいて選択するが、この接続時間に性能上の遅延を加算することによって、最良性能のスイッチが選択される。従って、ディレクタは最寄で最良性能のスイッチを選択し、このスイッチが前記要求に応答するための最初のスイッチとなる。そして選択されたスイッチは、このスイッチの選択に用いたのと同じ方法を用いて、最寄で最良性能のルーターを選択する。
【0018】
選択されたルーターはキオスク端末からの情報を調べ、キオスク端末の所有者(オーナー)/借り手に基づいて接触すべき会社を選択し、そして前記会社のルーティング(経路設定)パターン及び/またはユーザーがキオスク端末に入力した情報に基づいて、前記会議通話を受信すべき1つ以上の販売者を選択する。これらの通話のルーティング・パターンは、標準的な電話PBX(private branch exchange:私設構内交換機)スイッチまたは類似のシステムによってサポートされるように開発することができるが、これらのルーティング・パターンはこの種の構成に限定されない。通話ルーティング方法のいくつかの例は、インテリジェント・プライオリティ(基準に基づく優先度)、最長待機時間、マルチリング(複数同時呼出し)、ランダム及び分配ルーティングを含む。
【0019】
上述したように、ログイン・プロセス、課金、及び通話ルーティング方法は、本発明のシステムのウェブベースの管理モジュールによって管理される。同様に、通話統計、許可レベル、及びスクリプト(記述された処理手順)は、バックエンド上の管理モジュールによって管理される。
【0020】
上記シナリオを再び参照すれば、一旦、ルーターが、要求中のキオスク端末の必要を満足し得る1つ以上の受け入れ者を選択すると、ディレクタはこの受け入れ者に接触してこの要求を通知する。この受け入れ者がキューサーバーにログオン(ログイン)していなければ、通話要求が失敗(不可)となり、ルーターは「要求」を「応答」に変え、この「応答」はディレクタに返送されてディレクタは接続の失敗を示す。受け入れ側ポータルがキューサーバーにログオンしていても、この受け入れ側ポータルは通話を受諾することも辞退することもできる。受け入れ側ポータルが通話を辞退すれば、ルーティング・パターンにおける次の受け入れ者と接触するようにシステムを構成することができる。受け入れ者が上記要求を受諾すれば、ルーターはディレクタに接続情報で応答する。そしてディレクタは、この接続情報を用いて、要求側及び受け入れ側のポータルを共に、管理されたデータ搬送システムを通したピア・ツー・ピア接続を開始させる。
【0021】
マルチパーティ(複数当事者)会議の場合には、いくつかのピア・ツー・ピア通話がサーバーサイトにおいて単一の通話に併合される。特に、マルチパーティ・サーバーは、各ポータル上の構成要素からデータを取得し、そして結果を適切なポータルに送出する。このサーバーは、ディレクタ・プログラムの特別なバージョン(版)を持つことによってこのことを行う。この特別バージョンは、任意時点で会議に参加及び会議から離脱する複数のユーザーを取り扱うための特別なシグナリング(接続のための信号送受信)を行う。理論的には、一度に会議に入り得るユーザーの数は、サーバー上のハードウェアのみによって限定される。また、同時の会議数もサーバーのハードウェアのみによって限定される。
【0022】
マルチパーティ会議の制御は、特別な構成要素、即ちマルチユーザー(複数ユーザー)会議構成要素(MUC:multi-user conference)によって行われる。MUCはサーバーMUC(SUMC)への導管として作用し、2つのジョブを実行する。第1のジョブはマルチパーティ通話自体の管理であり、会議のリーダーがサーバーに、他のユーザーをこの会議に呼び込ませて、これらのユーザーがこの会議に参加及びこの会議から離脱する時点をユーザー・インタフェースに通知させることを可能にすることによって行う。MUCの第2の役割は、メッセージが他のサーバー構成要素に到達する導管として作用することである。2つのXML(extensible markup language)ファイルが、MUCが特定メッセージを受信した際に行うことを規定する。一方のファイルはすべてのポータル上にあり、他方のファイルはサーバー上にある。MUCに送信されるメッセージはSMUC向けに経路設定するか、あるいはポータル構成要素を起動するために用いることができ、ポータル構成要素については以下に詳細に説明する。メッセージをSMUCに送信する場合には、このメッセージをサーバー構成要素を起動するために使用するか、あるいは1つ以上のポータルMUC向けに経路設定することができる。メッセージを1つ以上のMUC向けに経路設定する場合には、これらのMUCは、この新たなメッセージを自分のユーザー・インタフェースに通知し、これらのユーザー・インタフェースはこのメッセージを各MUC内のメッセージキューから検索することができる。換言すれば、MUCは、入力及び出力され得る各メッセージを規定する特化した構成ファイルを読み取って、これらのメッセージ毎に一組の動作をリストアップする。これらのメッセージは、転送すること、クライアント上またはサーバー上のいずれの構成要素を起動するために用いることができ、そして新たなメッセージを作成してクライアントまたはサーバーのいずれにも送信することができる。
【0023】
特定種類のデータを送信及び受信する役割をする種々の構成要素は、2つ以上のポータルの会議中に、上述した管理されたデータ搬送システムを用いて実現することができる。これらの構成要素は例えば、キオスク端末に向かう顧客に製品情報を知らせ、この製品に関する映像を見せ、そして顧客及び販売者がこの製品について打ち合わせすることを可能にするために用いることができる。会議、及び本発明全体の安定性を強化するために、各構成要素の動作は、この構成要素自体のプロセス中で閉じ、各要素がディレクタと通信して、アプリケーションがプロセス間通信によって会議を開始する。ディレクタ、及び会議を初期化するプログラムが動作中である限り、個々の構成要素が回復不能なエラーに陥っても会議は有効である。例えば、マルチメディア・プログラムは、ドライバの衝突、及び他の問題により、グラフィック(図形処理)的により密度のアプリケーションよりもずっと不安定である。この戦略を用いれば、マルチメディア構成要素が予期せずに終了する場合に、他のより低密度の構成要素が会議データを送信及び受信し続ける。
【0024】
会議中のポータルのうちの1つが、そのクライアント・インタフェースを通すか、あるいは埋め込まれた構成要素におけるアプリケーションまたはウェブページを始動させるかのいずれかによって構成要素を始動させると、このポータルはその存在をディレクタに通知する。ディレクタはリモートポータルのディレクタに信号を送信し、そしてリモート・ディレクタは、リモートポータルの嗜好及びスクリプトに基づいて、この構成要素の受諾または拒絶のいずれかを行う。
【0025】
リモート・ディレクタが前記構成要素を受諾すれば、この構成要素の始動は2つのポータル間で同期する。特に、ディレクタは、前記管理された搬送システム内に複数チャンネルを作るべき場所を前記構成要素に知らせる。この構成要素はこれらのチャンネル上で実現され、クライアントによって前記ポータルにおいて表示される。スクリプト化エンジンを利用して、クライアント内のこれらの構成要素の柔軟(フレキシブル)で顧客対応(カスタマイズ)された制御を可能にし、そして会議に参加中のあらゆるポータルがこれらの構成要素の1つ以上を始動させることができる。しかし、1つのポータルが構成要素を始動させようとする際には、他の参加中のポータルが、この構成要素が実行可能になる前に、この構成要素の使用に同意すべきである。
【0026】
会議の開始及び終了、及び会議中に使用する構成要素の始動に加えて、ディレクタはユーザーの嗜好を管理する。嗜好とは、ポータルの動作環境についての情報の断片である。これらの嗜好の一部はポータル全体に当てはまり、例えば利用可能なハードウェアである。他の嗜好は、特定ポータルにログインした際のユーザーに特化したものである。他の嗜好はユーザーに対して一意的であり、ユーザーがシステムにログインするために用いるあらゆるポータル上でユーザーにとって利用可能である。これらの浮動的な嗜好は2つのカテゴリ、即ち静的及び動的カテゴリに入る。動的な嗜好は、ユーザーのイベント(事象)のスクリプトの実行時間において設定され、コンピュータの状態、日時、及び当該ユーザーが接続した(他の)ユーザーに基づいて変化し得る。静的な嗜好は持続し検索されるが、その値は、この嗜好の利用の関係に基づいて変化しない。
【0027】
スクリプト及び他の嗜好は集中化したデータ記憶装置に記憶され、そして嗜好は種々のレベルで記憶されて、システム内での一貫性及び再使用を可能にする。グローバル参照は、当該会議システム内の全員について同一であり、そしてアカウント嗜好は当該アカウント中の全員について同一である。しかし、ユーザーがログイン時に自分の嗜好を検索する際に、ユーザーの嗜好は当該個別ユーザーに対して一意的であり、ユーザーは、嗜好がグローバル、アカウント、または個別のいずれのレベルで確立されたかにかかわらず、自分に当てはまる最も正確な嗜好を与えられる。個別嗜好は、アカウント嗜好に優先される。当該個別ユーザーについての嗜好及びアカウント嗜好は、当該個別ユーザーについてのグローバル嗜好に優先される。個別ユーザーは、ユーザー嗜好でない嗜好を変更できないことが好ましい。
【0028】
嗜好は、会議システム自体から更新することができ、そしてログインしている間に頻繁に、集中化した記憶装置に返送される。アカウント管理者によって許可された嗜好に対する更新のみが受け入れられることが好ましい。
【0029】
上述したように、嗜好はスクリプトを含めて、集中化した管理モジュールによって視認及び更新することができる。このことは、あらゆるレベルの嗜好を適切な許可を与えられた者が視認し変更することを可能にする。嗜好の変更は、個別ユーザーに対するこれらのユーザー嗜好を変更する許可を取り消すことなしに、アカウント中のすべてのユーザーに適用することもできる。
【0030】
本発明のシステムにおいて利用可能な以下の構成要素の説明は単なる好適例であり、本発明はこれらの構成要素の使用に限定されないことは明らかである。
【0031】
生の会議セッション(会期)中に実現可能な第1の構成要素は、人々がインターネット上でそれぞれのポータルから同時に互いを見聞きし合うことを可能にするオーディオビジュアル対話構成要素である。この構成要素を作動させる際に、ディレクタがデータ搬送システム内に3つのチャンネル:即ち、制御チャンネル、オーディオ(音声)チャンネル、及びビデオチャンネルを作ることが好ましい。最初の交渉中には、各ポータルが、会議が始まる前に、利用可能なビデオコード(符号)のリストを制御チャンネル上で他のポータルに送信する。そして各ポータルは、符号化に使用するビデオ・コーデック(符号化復号化器)を、他のポータルによって送信された利用可能なコーデックから選択する。両ポータルは、開始時に品質の嗜好も制御チャンネル上で送信する。両ポータルは、これらのリモート(遠隔)設定を記憶し、そして以下に説明するオーディオ及びビデオの性能調整時にこれらの嗜好を利用する。会議中に品質の嗜好が変化すると共に、更新された嗜好は制御チャンネル上で他のポータルに送信される。
【0032】
このオーディオビジュアル構成要素を用いる際には、ポータルにおけるユーザーの音声は圧縮されてオーディオチャンネル上で送信される。特に、送信されるオーディオ(音声)はポータルにおけるマイクロホンによって捕捉され、そして、妨害または他の背景雑音(バックグランドノイズ)を除外すべくオーディオデータを修正するノイズ・キャンセレーション(雑音除去)モジュール、オーディオ信号中のあらゆるエコーをキャンセル(相殺)するエコー・キャンセレーション(エコー除去)モジュール、及び送信されるオーディオ中の無音期間を識別する無音検出モジュールを通して好適に処理される。無音検出モジュールは、これらの無音期間を送信しない。むしろ、このモジュールは無音記述パケットを受信機に送信し、無音記述パケットは、オーディオパケットの欠落に遭遇した際に背景雑音を出力することを受信機に指示する。そしてオーディオは、好適には音声オーディオ・コーデックを用いて、リモートポータルのオーディオ対ビデオについての品質嗜好のローカルキャッシュによって指示されるビットレートで圧縮される。このローカル値は、オーディオ信号を調整しようとする間に変更され得るが、現在のオーディオ/ビデオ嗜好は、帯域幅が許す限り達成すべきオーディオ・ビットレートの目標を示す。そしてオーディオデータは、管理されたデータ搬送システムにおけるオーディオデータ専用チャンネル経由で受信側のポータルに送信される。このオーディオチャンネルは圧縮され、暗号化され、そして順列(シーケンス)化され、そしてこのチャンネルが以下に説明するようにビデオチャンネルと同期することを可能にするためのタイミングが有効(イネーブル状態)にされる。このチャンネル上のTTL(time-to-live:パケット等の生き残り時間)は、オーディオ捕捉レート用に適宜設定される。オーディオチャンネルについての優先度(プライオリティ)はビデオチャンネルについての優先度より高くなければならない。
【0033】
受信側のポータルでは、既に確立されたオーディオチャンネルを通してデータを受信する。入ってくるすべてのデータはまず、シーケンス(通し)番号を用いてデータパケット損失について分析される。このパケット損失情報は制御チャンネル上で送信側のポータルに返送される。そしてこのオーディオデータは、伸張(圧縮解除)モジュールを用いて処理され、この伸張モジュールはオーディオ信号のある程度のクリーニング及びブレンディング(配合)も行うことが好ましい。この伸張モジュールは、無音検出モジュールによって送信される無音記述パケットも利用する。オーディオパケットの欠落に遭遇する際にいつも、伸張モジュールは最も新しい無音記述を表現するオーディオデータを出力する。これにより、オーディオデータ中のあらゆるギャップ(間隙)が、オーディオデータ中の他の部分で遭遇した背景雑音で満たされる。そしてオーディオ信号は分割され、入力オーディオ中のデータあらゆるエコーを処理するエコー・キャンセレーション・モジュールに送られる。
【0034】
会議が多数のポータルを含む際の伝送品質を最大化するために、利用可能にされるオーディオ及びビデオチャンネル数に制限を課すことができる。例えば、会議が15のポータルを含む場合には、3つのオーディオチャンネルのみを確立することができる。この例では、会議は「パス・ザ・スティック(杖を渡す)」環境で動作し、この環境では、3人のユーザーのみが一度にオーディオを送信することができるが、この会議中の他のすべてのポータルはオーディオを受信可能である。従って、オーディオ送信許可は必要によりポータルからポータルへと渡すことができる。
【0035】
オーディオビジュアル構成要素はビデオ表示用に2つの選択肢を提供することが好ましい。ポータルが標準的なウェブカメラを用いてリモートポータルにビデオを送信することも、ポータルがキャラクタ画像または写真を遠隔地の(リモート)ユーザーに送信することもできる。このキャラクタ画像は、人物、例えば販売者のレンダリングされた写実的な三次元アニメーションであり、その唇(の動き)は送信中のオーディオに同期している。このキャラクタ画像を、広範囲の表情(例えば笑顔、慨嘆、等)及び声に割り当てて、例えば小売店内のキオスク端末の所にいる顧客と有効に対話することができる。従って、このキャラクタ画像構成要素は、有効な生の(ライブ)ビデオ接続が帯域幅制限によって阻害される際に、ポータル間の豊富なビデオ対話を提供する。
【0036】
キャラクタ画像の選択肢がポータル上で有効にされると、ディレクタによってこの目的で作られた特別なチャンネル経由で画像がリモートポータルに送信される。種々の表情の開始及び停止を示す信号も、この特別なチャンネル上で送信することができる。オーディオはプレーヤに送られて、プレーヤはオーディオデータを処理して、適切な口の動きをキャラクタ画像上に生成する。受信側ポータルでは画像をメモリーに記憶して、これにより、オーディオデータが出力される間に特定フレームをプレーヤから要求することができることが好ましい。このことは、キャラクタ画像の動きがオーディオと同期することを保証する。好適な実施例では、顔信号を受信すると、この信号はプレーヤに渡されて、プレーヤは次の時間1秒のフレーム上で表情の変化をアニメ化する。
【0037】
キャラクタ画像の選択肢が有効にされない場合には、標準的なウェブカメラを用いることによって、ビデオ入力をローカルポータルから捕捉する。このビデオは、上述した初期交渉中に事前選択されたビデオ・コーデックを用いて圧縮される。この圧縮のビットレート及びフレームレートは、受信側のポータルからのフィードバック(帰還)に基づいて連続的に変更される。そしてビデオデータは、データ搬送システムを通るビデオチャンネル上で送信される。オーディオチャンネルと同様に、このチャンネルも圧縮され、暗号化され、そして順序化され、そしてタイミングが有効にされる。このチャンネル上のTTLは、フレーム間の時間と等しく設定されることが好ましい。例えば、現在のフレームレートが1秒当たり5フレームであれば、ビデオチャンネル上のTTLは0.2秒または200msに設定すべきである。ビデオチャンネルを通してビデオを受信すると、このビデオはパケット損失について分析され、オーディオパケット損失と全く同様に送信者に通知される。そしてビデオデータは、復号化されポータルのディスプレイを通して出力される。
【0038】
オーディオ及びビデオデータが受信側ポータルに到着する間に、受信機はデータ搬送システムによって割り当てられたタイムスタンプ(日時印)を利用して、オーディオチャンネルとビデオチャンネルとを同期させる。可能な際には、データを同期させるためにビデオパケットを脱落させる。
【0039】
送信ポータルは、ビデオ及びオーディオ双方のパケット損失についてのフィードバックを受信側ポータルから連続的に受信する。このデータは、オーディオビジュアル構成要素が始動した際に確立された制御チャンネル上で送信される。送信側ポータルは、この情報、及び受信側ポータルからの品質嗜好を利用して、オーディオ及びビデオの品質を連続的に調整する。このことは、インターネット接続の帯域幅にかかわらず、嗜好に基づいた可能な限り最良のオーディオ及びビデオを提供する。この最適化の目標は、オーディオ及びビデオの双方について0%のパケット損失を達成することにある。
【0040】
品質嗜好は、受信側ポータルの、ビデオ速度(フレームレート)対ビデオ品質(ビットレート)に関する嗜好を示す。この設定は、0から10までの値とすることができる。0は品質が最重要であることを示し、10は速度が最重要であることを示す。フレームレート及びビットレートは、これらの設定を実現するために用いる。ビデオ・コーデックは、ビデオの品質を、要求されたフレームレート及びビットレートに適合させるべく変化させる。これらの設定は、フレームレート及びビットレート値の11通りの異なる尺度として実現される。各尺度は0〜10の設定を表わす。ビデオを改善または劣化させることが必要な際には、ビデオの品質対速度の嗜好に対応する尺度を用いてフレームレート及びビットレートを変更する。パケット損失が発生しない場合には、オーディオのビットレートを現在最適なビットレートまで増加させて、一旦このビットレートに達すると、ビデオを品質対速度の尺度の変動に沿って上方に調整する。
【0041】
オーディオビジュアル構成要素をマルチパーティ(複数当事者)会議で使用する際には、すべての参加者からのオーディオ/ビデオ・ストリーム(データ流)を受け入れる中央サーバーを利用する。この中央サーバーは、すべてのユーザーからのオーディオ信号を抽出し復号化し、そしてこれらの信号を混合して、自分以外のすべての参加者からのオーディオを聞き取る各参加者用の多重ストリームにする。そしてオーディオ・ミキサー(混合器)は、混合されたオーディオ信号を符号化して各参加者に返送する。中央サーバーは、すべてのユーザーからのビデオ信号も抽出し復号化し、そしてこれらの信号を混合して単一画像にし、この単一画像はすべてのユーザーに見られる。そしてビデオ・ミキサーは、この画像を異なる品質レベルに符号化して、各ユーザーの特定CPU及びネットワーク条件に応じて各ユーザーに送信する。オーディオ−ビデオの同期は、サーバー側及びクライアント側の双方において、ユーザー毎のベースで維持される。
【0042】
以上の観点から、会議システムのオーディオビジュアル構成要素は、ポータルがメッセージを交換して、リソース(資源)の使用を増加または減少させるために設定要求を変更しなければならないか否かを決定することを可能にすることによって、使用法と品質とをつり合わせる。キャラクタ画像の選択肢、及び品質と帯域幅制限とをつり合わせるための適応技術の使用は、この構成要素を従来技術のビデオ会議技術と区別する。
【0043】
会議システムのリモートコントロール(遠隔操作)構成要素は、ポータルでの会議参加者が、アプリケーション、あるいはデスクトップ・コンピュータ全体を、リモートポータル位置から表示し、共用し、かつ/あるいは制御することを可能にする。この構成要素は、例えば、遠隔地の販売者がキオスク端末の所にいる顧客にパンフレットによって案内し、顧客がオンライン伝票を完成させるのを手助けし、あるいはマルチメディアのプレゼンテーションを行いたい際に有用である。
【0044】
共用のアプリケーションまたはデスクトップ・コンピュータを運用中のポータルはホストポータルと称される。あらゆる参加者がアプリケーションまたはデスクトップ・コンピュータの共用を開始することができる。しかし、この構成要素は、ホストポータルが、そのクライアント設定またはローカル設定によって、アプリケーションの表示、共用、または制御を最初に認可しなければならないように構成することが好ましい。アプリケーションが表示されると、ホストポータルにおけるこのアプリケーションの画像はリモートポータルに送信されてそこで視認される。ホストポータルが、アプリケーションまたはデスクトップ・コンピュータの制御権をリモートポータルと共有すること、あるいはこれらの制御権をリモートポータルに付与することに同意すると、リモートポータルのキーボード、マウス、スクリーン、等からの入力が送信されてホストのアプリケーションに適用される。リモートポータルは、ホストポータルから送信されたアプリケーションの画像のみを見続ける。ホストポータルはいつでも制御権を再取得することができ、そしてリモートポータルはいつでもアプリケーションの制御を放棄することができる。
【0045】
オーディオビジュアル構成要素と同様に、多数のポータルが会議に参加している際には、アプリケーションの制御権を一度に1つのポータルのみに移行可能なようにシステムを構成することができる。この例では、他のポータルがアプリケーションを制御することができなくても、他のすべてのポータルに見えるようにスクリーン上に強調表示したり傍線を引いたりすることができるようにシステムを構成することができる。好適な実施例では、傍線を引いたり強調表示したりするためのカーソルが、ある一意的なポータル識別子、例えば名前、特定色、または番号を含み、これにより、参加中の他のポータルが、どのポータルがスクリーン上に目印を付けているかを知ることができる。あらゆるこうした目印が、デスクトップ・コンピュータ上のトランスポート層上で作成され、従って、制御中のポータルはすべての強調表示または目印を消去することができる。
【0046】
リモートコントロール構成要素は、ネットワークの輻輳及びローカルコンピュータのボトルネック(隘路)に適応し、このためリソースに厳しい制約があっても、この構成要素は可能な限り最良の性能を提供する。帯域幅の要求を低減するために、ビデオ供給のキーフレームを圧縮する多数の圧縮技術が用いられている。従って最小の圧縮結果が、好適には保証されたデータ伝送を用いてリモート・コンピュータに伝送される。この伝送画像のサイズ(大きさ)は、後に使用するために貯蔵される。キーフレームの伝送が完了すると、アプリケーションの新たな画像を捕捉して、前に記憶したキーフレームと比較して、画像中の変化を検出する。圧縮されたデルタ画像のサイズが最終キーフレームより小さければ、デルタ画像のみをリモートポータルに送信する。このプロセスは、デルタ画像が、前のキーフレーム画像のサイズと同じサイズかあるいはより大きいサイズになるまで継続する。この時点で、新たなキーフレーム画像が圧縮され、最小の結果がリモートポータルに送信される。このプロセスはさらに、帯域幅の要求を低減する。
【0047】
リモートコントロール構成要素をマルチパーティ会議に使用する際には、リモートコントロール・サーバーが、共用者がアプリケーションを多数のクライアントと共用することを可能にする。リモートコントロール・サーバーは、会議に出入りするすべてのクライアントを追跡し続ける。しかし、会議のリーダーは他のあらゆるクライアントを共用者に指名することができ、1人の共用者のみが存在することが好ましい。共用が行われている会議にポータルが参加すると、このポータルは自動的に、共用されているアプリケーションを見ることになる。マルチパーティのリモートコントロール・サーバーは、画像、マウス、及びキーボードのデータを共用者から受信し、これらのデータを各ポータルに分配出力することによって動作する。このサーバーは、ポータルからのデータも受信し、これらのデータを集成して共用者に送信する。
【0048】
メディア・ストリーマ(ストリーム送信機)構成要素は、ポータルでの会議参加者が、これらに限定されないがビデオファイル、画像、音声ファイル、等を含む種々のメディアファイルを共用することを可能にする。例えば、生のオーディオビジュアル会議構成要素と組み合わせて使用する際に、遠隔地の販売者が、キオスク端末の所にいるユーザーに買物ファイルを提供し、同時にユーザーと打ち合わせることができる。メディア・ストリーマ構成要素は、ポータルがストリーミング(ストリーム送信)サーバーに接続して、生のソースまたはオンデマンド(要求時対応)のソース、例えばペイ・パー・ビュー(視聴毎の課金制)及びオンデマンド映画からストリーム送信されたメディアを受信することを可能にする。
【0049】
メディア・ストリーマ構成要素を初期化すると、ホストポータル上のローカルメディアファイルが、リモートポータルに向けて、管理された搬送システム上でストリーム送信される。会議システム内の他の構成要素と同様に、メディア・ストリーマの特徴は、帯域幅及びCPUの使用状態に適応し、これにより、リソースに制約がある際にもストリーム化されたファイルがストリーム送信され続ける。特に、メディア・ストリーマ構成要素を用いてファイルがストリーム送信される間に、オーディオ及びビデオのビットレートが増加及び減少することがあり、そしてフレームレート及びフレームサイズも変化し得る。また、ポータルはファイル内の自分の位置を監視して、ファイルの同一部分が両ポータルによっておよそ同時に見られるように、このファイル位置を同期させる。この同期を達成するために、小さい待ち時間を導入することによって出力データを遅出しすることも、ビデオフレームをその送信前に欠落させることによって早出しすることもできる。
【0050】
メディア・ストリーミング構成要素は、ポータル間の双方向のストリーミングを可能にする。特に、2つのポータルがストリーム送信すべきファイルを蓄積し、ポータルの役割は、メディア(媒体)ファイルのストリーム送信の異なるセッション間で、メディアファイルが蓄積されている箇所に応じて、ストリーマと受信機との間で切り換わる。当該メディアファイルのストリーム送信セッション中には、その記憶装置にこのメディアファイルを有するポータルがストリーマになり、他方のポータルが受信機になる。メディア・ストリーマ構成要素は、メディアがストリーム送信される間に、ストリーム送信側及び受信側の双方がメディア再生を制御することも可能にする。
【0051】
メディア・ストリーマ構成要素は、メディアファイル及びローカル再生のモードに基づく4つの主要構成で動作する柔軟性を持つ。メディアファイルは、汎用的/公然使用可能なフォーマットのうちの1つにすることも、所有権のあるストリーミング・フォーマットにすることもできる。メディアファイルが汎用的/公然使用可能なフィーマットである場合には、メディアを他のポータルにストリーム送信する前に、このメディアを伸張(圧縮解除)し再圧縮する。これに対し、メディアファイルが所有権のあるストリーミング・フォーマットである場合には、伸張及び再圧縮を何ら実行せずに、メディアビットを単純にこのファイルから取り出す。ローカル再生が選択された際には、メディアをストリーム送信側でローカルに(自分の所で)再生し、ストリーマ・メディアは受信側でも同時に再生される。他方では、ローカル再生が選択されていない際には、メディアはストリーム送信されて受信側のポータルで再生されるに過ぎず、ローカルには再生されない。従って、メディアファイルが所有権のあるストリーミング・フォーマットであり、ローカル再生が選択されていない際には、メディア・ストリーマ構成要素の動作はサーバーベースのビデオ・オン・デマンドのストリーム送信と同様である。
【0052】
メディア・ストリーマ構成要素は、ユーザーの装置上で利用可能なあらゆるメディアファイルを、このメディアファイルを特定のストリーミング・フォーマットに変換する必要なしにオン・ザ・フライ(その場)でストリーム送信可能である点でも特異である。メディア・ストリーマ構成要素はさらに、ネットワーク帯域幅、及び2つのポータルにおけるプロセッサの使用状態に動的に適応する。メディア・ストリーマ構成要素について、メディアファイルのフレームサイズ及びフレームレートに基づく6つのモードが好適に規定されている。最高のモードが、メディアの元のフレームサイズ及びフレームレートに対応する。フレームサイズ及びフレームレートを縮減したバージョンが他のモードを構成する。最低のモードが、1フレーム/秒のフレームレート、及び元のフレーム寸法の半分に等しいフレーム寸法に対応する。これらのモードは、ストリーム送信中に、ストリーム送信側及び受信側のポータルの双方におけるCPUの最大使用状態の時間平均値に基づいて動的に上昇(ステップアップ)及び下降(ステップダウン)する。圧縮ビットレートは、ネットワーク帯域幅、及び送信側及び受信側のポータルにおけるバッファレベルによって制御される。
【0053】
多数のポータルがマルチパーティ会議に参加する際には、メディア・ストリームを参加中のすべてのポータルに伝えることができる。特に、このメディア・ストリームを所有するポータルは、このメディア・ストリームを会議中の他のすべてのポータルにストリーム送信し、このメディアをローカルに再生する。マルチパーティ会議では、制御トークンを用意して、メディア再生を制御したいポータルは、このトークンが空いていればこれを掌握するか、あるいはこのトークンを既に所有しているポータルに、自分が所有する許可を請うかのいずれかを行う。一旦、トークンを取得すると、ポータルはメディア再生を自由に制御する。圧縮すべきメディアを所有するポータルは、最高品質の圧縮メディアをサーバーに押し出して、サーバーはこのメディアデータを、マルチパーティ会議中の他のポータルの容量に基づいて整形する。
【0054】
テキストデータ転送構成要素は、例えばテキストチャット(テキストによる会話)構成要素を用いる際に、テキスト及びバイナリデータを搬送する能力を提供する。テキストチャットは、テキスト及びデータ転送構成要素を用いて、ポータルがテキスト会話を行うことを可能にする。この構成要素は、会議中の1つあるいはすべてのポータルが、生のオーディオビジュアル会議の能力に欠けるか、あるいは1つのポータル、例えば販売者が多数の接続を同時に処理したいか多数のポータルにテキストを報知したい際に、特に有用である。この構成要素は、リモートポータルに、ホストポータル上に発生しているローカルイベント(局所的事象)を知らせるため、例えばリモートポータルの所にいるユーザーが文字を打ち込み中であることの通知に用いることもできる。「笑顔」のようなエモティコン(表情表現文字、顔文字)を表現するバイナリデータも、この構成要素を用いて送信することができる。上述したオーディビジュアル構成要素におけるキャラクタ画像の選択肢と統合した際に、このバイナリデータのエモティコンはキャラクタ画像の表情に変換することができる。テキストチャット構成要素は、送信者にメッセージをエコーバック(復唱返送)すべく構成することもでき、このモードでは、マルチパーティ会議中の個々のシステムがすべてのメッセージを受信する順序は、同じになるように保証されている。
【0055】
テキストチャット構成要素に機能性を加えるためにグラフィカル・ユーザー・インタフェース(視覚情報を利用したユーザー・インタフェース)を用意し、グラフィカル・ユーザー・インタフェースは、履歴ウィンドウ、テキスト入力領域、エモティコン選択、及び新たなメッセージの到着のオーディオ/ビジュアル通知を含むことができる。グラフィカル・ユーザー・インタフェースは、リモートポータル上のより快適な表示のために、HTML(hyper text markup language:高機能なテキスト表示記述言語)のテキストを符号化することが好ましい。
【0056】
ファイル転送の構成要素は、会議中のポータルが多種のファイルを迅速かつ安全に転送することを可能にする。例えば、遠隔地の販売者がキオスク端末のユーザーに注文伝票または製品についての情報を提供することができる。この構成要素は、完結した物理的ファイルの転送を意図したものであり、完結したファイルがリモートポータルによって受信されることを保証しないメディア・ストリーマ構成要素とは異なる。ファイル転送構成要素により、多数のファイルを同時に交換すること、及び単一の参加者がファイルの送受信を同時に行うことができる。参加中のポータルは、ファイルを受信したくなければこのファイルを阻止(ブロック)することもできる。すべてのファイルは256ビット暗号化を用いて暗号化されることが好ましい。他の構成要素と同様に、この構成要素は双方のポータル上のCPU記憶に適応する。
【0057】
入力/出力(I/O)装置構成要素は、リモートポータルが、ローカルポータルのポートに接続された周辺装置を検出することを可能にする。リモートポータルは、インターネット上で安全に、これらの装置にデータを送信しこれらの装置からデータを受信することができる。上述したオーディオビジュアル構成要素と同様に、多数のポータルが会議に参加している際に、トークン「スティック」を1つのポータルから他のポータルに渡して、すべてのポータルがI/O装置に同時にリモート(遠隔)アクセスしないようにする。
【0058】
レガシー(遺産)ゲートウェイ構成要素は、ネットワーク上のポータルが、システムに整合したネットワーク上の他のポータルから発生したものではない会議通話を送信及び受信することを可能にする。例えば、これらの通話は、発呼端または受信端のいずれにおいても、PSTN(public switched telephone network:公衆電話交換網)、SIP(session initiation protocol:IP電話用通信制御プロトコル)、またはH.323のフォーマットに変換することができる。
【0059】
テキストメッセージ構成要素は、システムのユーザーが、他のユーザーが利用不可能である際に、これらのユーザー宛てのテキストメッセージを残すことを可能にする。システムのユーザーが、他のユーザーが利用不可能である際にこれらのユーザー宛てのオーディオまたはビデオのメッセージを残すことを可能にする郵便局(ポストオフィス)構成要素も利用可能である。これらのメッセージはダウンロードされるまで独立したサーバーに記憶される。
【0060】
最後に、本発明のシステムでは、通話監視及び通話記録構成要素も利用可能である。
【0061】
上述した会議システムの機能にアクセスするために、ユーザーは次の3つの異なるインタフェースを使用することが好ましい:1)標準的なウィンドウ表示技術であるスキンーエーブル(skin-able:表示の外見(ルック・アンド・フィール)の変更を可能にする)プログラム;2)会議を、文書(ドキュメント)、e−メール(電子メール)、またはウェブページのような他のプログラム中に埋め込み可能なこと;3)ユーザーが、会議の開始及び構成要素の始動を自動化する短い自動化スクリプトを書込み可能なこと。スキン−エーブル・プログラムは、画像及びボタン箇所、ラベル、ウィンドウ形状、及び「テーマファイル」中のデータに関係する他のすべての外見を配置する十分に特徴付けられたアプリケーションである。このテーマファイルを変更して、アプリケーションの銘柄変更、あるいはアプリケーションのレイアウトを完全に変更することができる。本発明の埋め込み可能性は、ActiveX(登録商標)または.NET control(登録商標)、Java(登録商標)構成要素、ネットスケープ・プラグイン(Netscape plugin)(登録商標)、あるいは他の既存または将来の技術として埋め込み可能な互換性の低い層を用いて達成される。
【0062】
会議中のいずれかのポータルが会議通話を終了できる際には、ユーザーは単にクライアントに、例えば「Hang Up(回線切断)」または「End Call(通話終了)」というラベルのボタンを押すことによって通話を終了するように仕向ける。こうした行動を受け付けると、ディレクタは管理された搬送システムのデータ搬送を終了させて、受信側ポータルの状態変化をキューサーバーに知らせる。そして受信側ポータルは、他の通話要求を自由に受け付けられるようになり、そして例えばキオスク端末のユーザーがそこを離れて買物を続けることができる。
【0063】
本発明の会議システムに対する更新(アップデート)は、公のサーバー上で利用可能にすることができる。これらのサーバーは、ファイル間の相違の伝送によりファイルの同期を可能にする特別なソフトウェアを持つことができる。この更新管理システムを用いることによって、ダイヤルアップ(電話接続)のユーザーも迅速に、ソフトウェアの最新バージョンに更新することができる。
【0064】
当業者が以上の説明を読めば、特定の変更及び改良を行うことができる。例として、本発明は、キオスク端末と遠隔地の販売者との間の会議(打ち合わせ)に限定されない。むしろ、本発明の会議システムは、通信を容易にするあらゆる種類のポータルが利用することができる。本明細書では、わかり易さ及び読み易さのために、こうした本発明の変更及び改良のすべてを省略したが、これらの変更及び改良は当然、本発明の範囲に入る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議要求を発生し受信すべく構成された、ネットワーク上の複数のリモートポータルと;
前記複数のリモートポータルからの前記会議要求を処理するキューサーバーと;
前記会議要求の各々を処理するための、前記ネットワーク上のルーターを選定するディレクタと;
前記リモートポータルのうち少なくとも2つの間の会議中にアクセス可能な複数の構成要素とを具えて、
前記ディレクタが、前記リモートポータルのうち少なくとも2つの間のピア・ツー・ピア接続を確立して会議を生成することを特徴とする会議システム。
【請求項2】
前記リモートポータルが、固定キオスク端末、携帯キオスク端末、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ、セットトップボックス、セルラー電話機、及びパーソナル・ディジタル・アシスタントから成るグループから選択したものであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ポータルが前記キューサーバーに当該ポータルの存在データを登録すると、前記キューサーバーが前記存在データを、当該ポータルの前記存在データを要求している前記ネットワーク上の他のポータルに報知することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記存在データが、ログイン状態及び利用可能状態から成るグループから選択したデータを含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ルーターが、通話ルーティング・パターンに基づいて、他のポータルからの会議要求を受け入れる特定ポータルを選択することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数のピア・ツー・ピア会議通話が、マルチパーティ会議用の単一の会議通話に併合されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の構成要素の各構成要素の動作は、当該構成要素のプロセス中で閉じ、これにより、1つの構成要素が動作を終了すると、他の構成要素が会議データの送信及び受信を継続可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ディレクタが、前記複数の構成要素のうち、前記ネットワーク上の前記リモートポータルの各々にとって利用可能な構成要素、及びユーザーの嗜好を管理することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
会議に参加中のポータルの所にいるユーザーが、それぞれのポータルから同時に互いを見聞きし合うことを可能にするオーディオビジュアル構成要素を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
会議中に前記オーディオビジュアル構成要素が始動すると、制御チャンネル、オーディオチャンネル、及びビデオチャンネルが確立されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
会議中に、前記制御チャンネルが、ビデオ及びオーディオ損失に関するデータを、受信側ポータルから送信側ポータルに送信し、これにより、前記送信側ポータルが、ビデオ及びオーディオデータの送信を調整して、ユーザーにおける品質を最大化することができることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
マルチパーティ会議中に、中央サーバーが、前記会議に参加中の各ポータルからのオーディオ・ストリームを混合して、混合したオーディオ・ストリームを前記会議に参加中の各ポータルに送信することを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
マルチパーティ会議中に、中央サーバーが、前記会議に参加中の各ポータルからのビデオ信号を混合して、混合したビデオ信号を前記会議に参加中の各ポータルに送信することを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
リモートコントロール構成要素を具え、該リモートコントロール構成要素は、会議に参加中のポータルが、ソフトウェア・アプリケーションまたはデスクトップ・コンピュータ全体を遠隔位置から共用、表示、及び/または制御することを可能にすることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
会議におけるホストポータルが、前記会議に参加中の他のポータルに画像を送信することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ホストポータルが、前記アプリケーションまたは前記デスクトップ・コンピュータの制御権を、前記会議に参加中の他のポータルと共有するか、あるいは前記制御権を前記他のポータルに付与すべく構成されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
メディア・ストリーマ構成要素を具え、該メディア・ストリーマ構成要素は、会議におけるホストポータルが、ローカルメディアファイルを、前記会議に参加中の他のポータルにストリーム送信することを可能にすることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記メディア・ストリーマ構成要素が、前記会議に参加中のポータルにおける帯域幅及びプロセッサの使用状態に動的に適応することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
テキストデータ転送構成要素を具え、該テキストデータ構成要素は、会議に参加中のポータル間のテキスト及びバイナリデータのリアルタイム転送を可能にすることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
ファイル転送構成要素を具え、該ファイル転送構成要素は、会議に参加中のポータルが相互間でファイルを物理的に転送することを可能にすることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
入力/出力構成要素を具え、該入力/出力構成要素は、会議に参加中のポータルが、前記会議に参加中の他のポータルのポートに接続された周辺装置を検出して前記周辺装置にデータを送信することを可能にすることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
さらに、テーマファイル中のアプリケーションの外見を記憶するスキン−エーブル・ユーザープログラムであるユーザー・インタフェースを具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
さらに、ActiveX(登録商標)、.NET control(登録商標)、Java(登録商標)、ネットスケープ・プラグイン(登録商標)、及びウィンドウズ(登録商標)から成るグループから選択したフォーマット中に埋め込み可能なユーザー・インタフェースを具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
レガシー・ゲートウェイ構成要素を具え、該レガシー・ゲートウェイ構成要素は、会議通話を前記システムに整合したフォーマットに変換することによって、前記ネットワーク上のポータルが、前記システムに整合した前記ネットワーク上の他のポータルから発生したものではない会議通話を送信及び受信することを可能にすることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
メッセージ発行構成要素を具え、該メッセージ発行構成要素は、前記ネットワーク上のポータルが、利用不可能なポータル宛てのメッセージを残すことを可能にし、前記メッセージは、テキスト、ビデオ、及びオーディオメッセージから成るグループから選択したものであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【公表番号】特表2007−507190(P2007−507190A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533369(P2006−533369)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/016316
【国際公開番号】WO2004/107118
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505435899)ジーティーエックス グローバル コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】