伝送中継装置及びシリアル信号遠隔伝送システム
【課題】シリアル信号遠隔伝送システムにおいて、回線セグメントに通信障害が生じて両RS-232C機器間で通信ができなくなった場合、どの回線セグメントに通信障害があるかを特定できるようにする。
【解決手段】シリアル信号遠隔伝送システムは、遠隔位置にあるRS-232C機器(1,2)間で、伝送中継装置(3,4)によってシリアル信号と光信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)で延長して、シリアル信号を伝送するシステムであり、一方側の伝送中継装置にシリアル信号又は光信号の受信ができない通信障害が発生したときに、他方の伝送中継装置に送信する信号に通信障害の情報を含めて送信し、他方の伝送中継装置で通信障害の情報を表示できるようにした。また、信号の断状態が検出されたときに、シリアル信号の送信を遮断する制御を行うようにして、両RS-232C機器側で通信障害の発生を検知できるようにした。
【解決手段】シリアル信号遠隔伝送システムは、遠隔位置にあるRS-232C機器(1,2)間で、伝送中継装置(3,4)によってシリアル信号と光信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)で延長して、シリアル信号を伝送するシステムであり、一方側の伝送中継装置にシリアル信号又は光信号の受信ができない通信障害が発生したときに、他方の伝送中継装置に送信する信号に通信障害の情報を含めて送信し、他方の伝送中継装置で通信障害の情報を表示できるようにした。また、信号の断状態が検出されたときに、シリアル信号の送信を遮断する制御を行うようにして、両RS-232C機器側で通信障害の発生を検知できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムに関するものである。更に詳しくは、例えば互いに遠隔位置にある二台のRS-232C機器間に二台の伝送中継装置を介在させ、伝送中継装置間でケーブルを延長して各RS-232C機器間で通信を行うシリアル信号遠隔伝送システムにおいて、装置を構成する複数の回線セグメントのうちの何れかに障害が生じて両RS-232C機器間で通信ができなくなった場合に、どの回線セグメントに障害があるかを特定できるようにした伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シリアル通信機器であるRS-232C機器(端末仕様機器またはモデム仕様機器等)は、RS-232Cの信号がシングルエンド信号(Single-ended Signal)であるため、そのままでは、15mを越える距離を隔てて通信をすることができない。
遠隔位置にあるRS-232C機器間でシリアル信号を伝送する遠隔伝送システムとしては、例えばRS-232Cの信号とRS-422の信号を相互に変換する伝送中継装置を使用し、伝送距離を長く設定することができる差動信号(Differential Signal)であるRS-422の信号を使用して中継するシステムが既に知られている。
【0003】
このシステムは、例えば遠隔位置にある二台のRS-232C機器の間に、RS-232Cの信号とRS-422の信号を相互に変換する第1の伝送中継装置と第2の伝送中継装置を配し、両伝送中継装置間の通信をRS-422の信号により行い、一方のRS-232C機器から遠隔位置にある他方のRS-232C機器へケーブルを介し遠隔伝送を行うというものである。
【0004】
また、第1の伝送中継装置と第2の伝送中継装置間の通信を光信号を使用して行うシステムとしては、非特許文献1に開示されたRS-232C光変換器を使用したシステムがある。
このRS-232C光変換器は、RS-232Cの信号と光信号を相互に変換できるようにしたものであり、遠隔位置にある二台のRS-232C機器間で光ケーブルを介し遠隔伝送を行うことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】<URL:http://www.opt-conv.jp/products_opt/pdf/RS232-OPT(S)_8710.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記RS-422の信号を使用するシステム及び非特許文献1のRS-232C光変換器を使用した遠隔伝送システムには次のような課題があった。
すなわち、従来の各遠隔伝送システムにおいては、第1、第2の伝送中継装置は、前者ではRS-232Cの信号とRS-422の信号の相互の変換を行い、後者ではRS-232Cの信号と光信号の相互の変換を行うだけであるので、一方側のRS-232C機器と他方側のRS-232C機器間において、伝送経路の回線セグメント(データが到達するネットワーク)が三つに分かれてしまう。
【0007】
三つの回線セグメントとは、すなわち、(1)一方のRS-232C機器と第1の伝送中継装置の間の回線セグメント、(2)第1の伝送中継装置と第2の伝送中継装置の間の回線セグメント及び(3)第2の伝送中継装置と他方のRS-232C機器との間の回線セグメントである。
【0008】
このため、例えば、前記何れか一つ又は複数の回線セグメントに断線等の障害(通信障害)が生じて、両RS-232C機器間で通信ができなくなった場合、各回線セグメント間で信号状態の情報を共有することができないため、障害の箇所が分からない。つまり、場合によってはこの障害のある箇所の特定に時間がかかり、通信の復旧が遅れてしまうことがあった。
【0009】
また、RS-232Cの制御信号は、DCE機器とDTE機器を接続することが前提となっているために、DCE機器同士やDTE機器同士を接続する際には、ハンドシェイクやフロー制御用の信号が双方で一致しない場合があるため、通常はそれらを接続するケーブル内で制御信号を折り返すなどして使用する必要があり、制御信号が折り返された特殊なケーブルを用意したり、ケーブルの結線を変える等の面倒な手間がかかっていた(図10参照:図10はDTE機器同士の場合を示す)。
【0010】
(本発明の目的)
本発明は、遠隔位置にある二台のシリアル通信機器間で、一方側のシリアル通信機器に接続された伝送中継装置と他方側のシリアル通信機器に接続された伝送中継装置によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置間を光ケーブル又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムにおいて、システムを構成する複数の回線セグメントのうちの何れかに通信障害が生じて両シリアル通信機器間で通信ができなくなった場合に、どの回線セグメントに通信障害があるかを特定できるようにした伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、例えばDCE機器同士やDTE機器同士を接続する等、機器間でハンドシェイクの応答ができない場合でも、ハンドシェイクを無効にする設定を伝送中継装置側で行うことで、従来のような機器間のハンドシェイク方式の違いによりケーブルの結線を変える等の面倒な手間を省くことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できるようにした、
伝送中継装置である。
【0013】
(2)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
受信した1又は2以上のシリアル信号と、該シリアル信号の受信状態と前記光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を多重化する第1の変換部(302)と、
前記第1の変換部(302)で多重化した電気信号を、光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し前記第1の変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割する第2の変換部(309)と、
前記O/Eコンバータ(306)が光信号を受信したかどうか、又は前記無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出し、前記第1の変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアル受信検出部(303)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)の光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔光又は無線受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備える、
伝送中継装置である。
【0014】
(3)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
1又は2以上のシリアル信号を受信するシリアルレシーバ(301)と、
該シリアルレシーバ(301)で受信した前記シリアル信号を多重化するシリアル変換部(302)と、
多重化した電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアルレシーバ(301)が前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し、前記シリアル変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割するパラレル変換部(309)と、
分割されたシリアル信号を送信するシリアルドライバ(315)と、
前記O/Eコンバータ(306)光信号を受信したかどうか、又は無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出しシリアル変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアルレシーバ(301)で受信するシリアル信号の受信状態を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のO/Eコンバータ(306)が受信する光信号又は前記無線受信機(317)が受信する無線信号の受信状態を検出する遠隔光受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備えており、
前記シリアル変換部(302)でシリアル信号を多重化する際に、自局の前記シリアル受信検出部(303)及び前記光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を含めて多重化するようにした、
伝送中継装置である。
【0015】
(4)本発明は、
シリアル通信機器(1,2)へ送信するシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部(313)を備え、
自局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、前記送信遮断制御部(313)の制御により、前記シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
前記(1)、(2)又は(3)の伝送中継装置である。
【0016】
(5)本発明は、
多重化された電気信号を符号化する符号化手段(304)と、受信した光信号又は無線信号から変換された電気信号を復号する復号手段(307)を備えている、
前記(1)、(2)、(3)又は(4)の伝送中継装置である。
【0017】
(6)本発明は、
ハンドシェイクの有効/無効を検出するハンドシェイク設定検出部(310)を備えており、無効に設定するときに、伝送中継装置がDCEモードであるときは、シリアル通信機器から送信要求信号を受信したら、送信可能信号を前記シリアル通信機器に返信し、前記シリアル通信機器からデータ端末レディ信号を受信したら、データセットレディ信号を前記シリアル通信機器に返信するようにした、
前記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の伝送中継装置である。
【0018】
(7)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間でシリアル信号を伝送するシステムであって、
ホスト側のシリアル通信機器(1)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と、ホスト側の伝送中継装置(3)と、遠隔側の伝送中継装置(4)と、ホスト側のシリアル通信機器(1)と伝送中継装置(3)をつなぐケーブル(5)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と伝送中継装置(4)をつなぐケーブル(7)及び伝送中継装置(3,4)同士をつないで伝送距離を延長する光ケーブル(6)又は無線とで構成されており、
前記ホスト側と遠隔側の伝送中継装置(3,4)は、前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)の伝送中継装置である、
シリアル信号遠隔伝送システムである。
【0019】
(8)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によって、シリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシリアル信号の遠隔伝送方法であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信し、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示する、
シリアル信号の遠隔伝送方法である。
【0020】
(9)本発明は、
自局のシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局のシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
前記(8)のシリアル信号の遠隔伝送方法である。
【0021】
本明細書及び特許請求の範囲にいう「シリアル通信機器」とは、例えばRS-232C機器の他、RS422機器、RS485機器等であるが、シリアル信号によって通信を行う機器であれば、これらに限定はしない。
【0022】
(作用)
本発明に係る伝送中継装置及びシリアル信号遠隔伝送システムの作用を説明する。
前記(1)に記載した伝送中継装置は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できる。
これにより、ホスト側の伝送中継装置を含む回線状態(シリアル受信状態と光受信状態又は無線受信状態)と遠隔側の伝送中継装置を含む回線状態(シリアル受信状態と光受信状態又は無線受信状態)を監視することができる。
【0023】
前記(4)に記載した、シリアル通信機器(1,2)へ送信するシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部(313)を備え、自局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、前記送信遮断制御部(313)の制御により、前記シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにしたものは、シリアル通信機器(1,2)がシリアル信号を受信できないので、シリアル通信機器(1,2)側において、システムの回線に異常が生じていることを検知することができる。
【0024】
前記(6)に記載した、ハンドシェイクの有効/無効を検出するハンドシェイク設定検出部(310)を備えており、無効に設定するときに、伝送中継装置がDCEモードであるときは、シリアル通信機器から送信要求信号(RS-232CではRS信号)を受信したら、送信可能信号(RS-232CではCS信号)を前記シリアル通信機器に返信し、前記シリアル通信機器からデータ端末レディ信号(RS-232CではER信号)を受信したら、データセットレディ信号(RS-232CではDR信号)を前記シリアル通信機器に返信するようにしたものは、例えばDTE機器同士で通信を行う場合に、伝送中継装置がハンドシェイク信号を送受信することで、前記シリアル通信機器同士ではハンドシェイクを行わないようにする。
【0025】
これにより、図10に示すような機器間のハンドシェイク方式の違いによるケーブルの結線を変える手間等を省くことができ、ケーブルの結線を変更することなくハンドシェイクを無効状態にすることができる。したがって、シリアル通信機器間でハンドシェイクの応答ができない場合でも、擬似的にハンドシェイクを行うことができるので、応答できないことによる待機状態が生じることもなく、通信を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
(a)本発明は、遠隔位置にあるシリアル通信機器間で、伝送中継装置によってシリアル信号と光信号又は無線信号を相互に変換し、光ケーブル又は無線で伝送距離を延長して、シリアル信号を伝送するシステムにおいて、両伝送中継装置は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できるようにしている。
これにより、システムを構成する複数の回線セグメントのうちの何れかに通信障害が生じて両シリアル通信機器間で通信ができなくなった場合に、どの回線セグメントに通信障害があるかを特定でき、通信の復旧を短時間で行うことが可能になる伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムを提供することができる。
【0027】
(b)本発明は、シリアル通信機器間でハンドシェイクを無効にする設定を伝送中継装置側で行うことができる。したがって、例えばDCE機器同士やDTE機器同士を接続する等、機器間でハンドシェイクの応答ができない場合でも、ハンドシェイクを無効にする設定を行うことで、従来のようなシリアル通信機器間のハンドシェイク方式の違いによりケーブルの結線を変える等の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るシリアル信号遠隔伝送システムの構成を示す概念図。
【図2】本発明に係る伝送中継装置の外観を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は背面図。
【図3】本発明に係るホスト側の伝送中継装置の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図4】本発明に係る遠隔側の伝送中継装置の実施の形態を示すブロック図。
【図5】伝送中継装置においてシリアルデータから光信号へ変換する流れを示すフロー図。
【図6】伝送中継装置において光信号から受信データを抽出する流れを示すフロー図。
【図7】伝送中継装置において光信号から抽出したデータをRS-232Cドライバへ送信する流れを示すフロー図。
【図8】伝送中継装置において送信制御の流れを示すフロー図。
【図9】シリアル変換によるシリアル信号の多重化の説明図。
【図10】従来のハンドシェイクを無効にする仕組みを示す説明図
【図11】RS-232C機器が共にDTE機器である場合において伝送中継装置側でハンドシェイクを無効にする仕組みを示す説明図。
【図12】RS-232C機器がDCE機器とDTE機器で、セグメントパスが無効である場合において遠隔側の伝送中継装置の異常をホスト側の伝送中継装置に通知する仕組みを示す説明図で、(a)はシリアル受信が断状態である場合、(b)は光受信が断状態である場合を示す。
【図13】RS-232C機器がDCE機器とDTE機器で、セグメントパスが有効である場合においてDCE機器とDTE機器への送信を遮断して回線の異常を知らせる仕組みを示す説明図で、(a)はシリアル受信が断状態である場合、(b)は光受信が断状態である場合を示す。
【図14】本発明に係る伝送中継装置の第2の実施の形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
〔実施の形態〕
【0030】
図1を参照する。
シリアル信号遠隔伝送システムAは、相互に遠隔位置にあり、それぞれがシリアル通信機器であるホスト側のRS-232C機器1と遠隔側のRS-232C機器2間でシリアル信号を伝送するシステムである。
本実施の形態では、ホスト側のRS-232C機器1がDCE機器(回線終端装置)であり、他方側のRS-232C機器2がDTE機器(データ端末装置)である場合を例にとり説明するが、双方がDTE機器である場合もあるし、双方がDCE機器である場合もある。
【0031】
シリアル信号遠隔伝送システムAは、ホスト側の伝送中継装置3と、遠隔側の伝送中継装置4と、ホスト側のRS-232C機器1とホスト側の伝送中継装置3のRS-232Cポート同士をつなぐメタルケーブル5と、ホスト側の伝送中継装置3と遠隔側の伝送中継装置4の光ポート同士をつなぐ光ケーブル6と、遠隔側の伝送中継装置4と遠隔側のRS-232C機器2のRS-232Cポート同士をつなぐメタルケーブル7とで構成されている。
【0032】
本実施の形態では、メタルケーブル5とメタルケーブル7の長さはそれぞれ10m(≦15m)に設定され、光ケーブル6の長さは10kmに設定されている。したがって、シリアル信号遠隔伝送システムAは、伝送距離が10.02kmのRS-232C機器1、2間でシリアル信号による通信を行うことができる。
【0033】
図2、図3を参照する。
まず、図2を参照して伝送中継装置3、4の外観構造を説明する。なお、伝送中継装置3、4は同じ構造であるので、詳細な構造については、ホスト側の伝送中継装置3を例にとり説明する。
【0034】
伝送中継装置3は、ケース30の正面側にRS-232Cポートインターフェイス31とRS-232Cポート受信状態表示灯32及び光ポート送信側インターフェイス33と光ポート受信側インターフェイス34と光ポート受信状態表示灯35を備えている(図2(a)参照)。
【0035】
RS-232Cポート受信状態表示灯32は、RS-232Cシリアル信号を受信しているときに点灯し、通信時には点滅する。また、光ポート受信状態表示灯35は、光ポート受信側インターフェイス34が光信号を受信していることで点灯し、通信時(データを受信しているとき)には点滅する。
【0036】
なお、ケース30上面には、RS-232Cポート受信状態表示灯32a及び光ポート受信状態表示灯35aを備えている(図2(b)参照)。RS-232Cポート受信状態表示灯32aは前記RS-232Cポート受信状態表示灯32と同様の表示を行い、光ポート受信状態表示灯35aは前記光ポート受信状態表示灯35と同様の表示を行う。
【0037】
RS-232Cポートインターフェイス31の隣には、CTS切替スイッチ36とDTE/DCE切替スイッチ37を備えている。CTS切替スイッチ36は、ハンドシェイクの有効・無効を切り替える切替部である。DTE/DCE切替スイッチ37は、DTE機器とDCE機器に対応させるための機器モード切替部であり、これによれば、DTE機器と接続する場合とDCE機器と接続する場合において、それぞれ専用の伝送中継装置を使用する必要はなく、同じ伝送中継装置が使用できる。
符号38は、RF表示灯で遠隔側シリアル受信が正常である場合は消灯しており、異常時に点灯する。また、符号39は、FEF表示灯で、遠隔側光受信が正常である場合は消灯しており、異常時に点灯する。符号40は電源表示灯である(図2(a)参照)。
【0038】
また、ケース30の背面側には、ラックマウント用コネクタ41とDCジャック42を備えている(図2(c)参照)。ラックマウント用コネクタ41には、IP(インターネットプロトコル)を用いたインターフェイスを持つ監視装置(図示省略)を接続することができる。これにより、監視装置からIPネットワーク経由で通信障害の監視及び検出が可能になる。
【0039】
次に図3のブロック図を参照して伝送中継装置3の内部構造を説明する。
伝送中継装置3は、RS-232Cのシリアル信号を受信するRS-232Cレシーバ301を備えている。RS-232Cレシーバ301には、受信したRS-232Cのシリアル信号を多重化するシリアル変換部302が接続されている。シリアル変換部302は、シリアル信号を多重化する際に、後述するシリアル受信検出部303及び光受信検出部308から通知された信号の受信状態(正常又は通信遮断等の異常)を示す情報を含めることができる。
【0040】
符号304はシリアル変換部302から伝送されるシリアル信号を符号化するエンコーダである。符号305は、E/Oコンバータであり、E/Oコンバータ305は、エンコーダ304で符号化された電気信号を光信号に変換して送信する光ドライバである。
【0041】
また、RS-232Cレシーバ301からシリアル変換部302の経路には、RS-232Cレシーバ301がRS-232Cのシリアル信号を受信したかどうかを検出し、シリアル変換部302及び後述する送信遮断制御部313に通知するシリアル受信検出部303が接続されている。
【0042】
符号306は、O/Eコンバータであり、O/Eコンバータ306は、光信号を受信して電気信号に変換する光レシーバである。符号307は、デコーダであり、O/Eコンバータ306から伝送される電気信号を復号する。デコーダ307には、電気信号を復号したシリアル信号を分割(又は分離)するパラレル変換部309が接続されている。
【0043】
パラレル変換部309には、RS-232Cのシリアル信号を送信するRS-232Cドライバ315が接続されている。パラレル変換部309とRS-232Cドライバ315の間の経路には、ハンドシェイク設定検出部310が接続されている。
【0044】
なお、伝送中継装置3は、RS-232C機器1がDCE機器であるため、DTEモードに設定されている。ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cドライバ315のRS(送信要求)とER(データ端末レディ)のシリアルドライバに接続されている。
【0045】
ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cレシーバ301のCS(送信可能)とDR(データセットレディ)に接続されており、ハンドシェイク設定検出部310が無効モードに設定されると、RS(送信要求)とER(データ端末レディ)を常時ON(送信)にし、RS-232C機器1のハンドシェイクが完了できるようになる。
【0046】
また、図4に示す伝送中継装置4は、RS-232C機器2がDTE機器であるため、DCEモードに設定されている。
ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cドライバ315のCS(送信可能)とDR(データセットレディ)のシリアルドライバに接続されている。
【0047】
ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cレシーバ301のRS(送信要求)とER(データ端末レディ)に接続されており、図11に示すようにハンドシェイク設定検出部310が無効モードに設定されると、RS(送信要求)を受信したときに、CS(送信可能)を返信し、ER(データ端末レディ)を受信したときに、DR(データセットレディ)を返信してループバックすることで、RS-232C機器2間のハンドシェイクが完了できるようになる。
【0048】
また、O/Eコンバータ306からデコーダ307の経路には、O/Eコンバータ306が光信号を受信したかどうかを検出し、シリアル変換部302及び後述する送信遮断制御部313に通知する光受信検出部308が接続されている。
【0049】
符号311は、パラレル変換部309で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置のRS-232Cレシーバ301で受信するRS-232Cのシリアル信号の受信状態を検出し、後述する送信遮断制御部313に通知する遠隔シリアル受信検出部である。
【0050】
また、符号312は、同じくパラレル変換部309で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置のO/Eコンバータ306が受信する光信号の受信状態を検出し、後述する送信遮断制御部313に通知する遠隔光受信検出部である。
【0051】
符号313は、RS-232Cドライバ315から送信されるシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部である。送信遮断制御部313は、セグメントパス(LANにおけるLPT(Link pass through=リンククロス転送)に相当)を有効にすることで動作する。
【0052】
送信遮断制御部313には、前記したようにシリアル受信検出部303、光受信検出部308、遠隔シリアル受信検出部311及び遠隔光受信検出部312からそれぞれの信号の受信状態が通知されるようになっている。送信遮断制御部313は、前記いずれかの検出部で信号の受信状態が検出され、断状態を示す情報(信号)が通知されると、RS-232Cドライバ315からシリアル信号が送信されないように遮断する。
【0053】
また、符号314は機器モード切替部であり、RS-232C機器であるDTE機器とDCE機器に対応させるためDTEモードとDCEモードに切り替えることができる。DTEモードでは、CD(キャリヤ検出信号)が受信となるように設定され、DCEモードでは、CDが送信となるように設定される。
【0054】
図5のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3でシリアルデータから光信号へ変換する流れを説明する。
【0055】
RS-232Cレシーバ301の各シリアルレシーバでシリアル信号が受信され、シリアル受信検出部303によって受信が検出されると、シリアル変換部302で多重化される。
なお、シリアル信号が多重化される前段階において、機器モード切替部314の設定が確認され、DTEモードである場合は、シリアルレシーバで受信したCD(キャリヤ検出信号)がシリアル変換部302に送られる。DCEモードである場合は、シリアルレシーバの受信状態に関わらず、CDは常時ONとされてシリアル変換部302に送られ、多重化される。
【0056】
詳しくは、DTEモード(つまりDCE機器と接続する場合)は、DCE機器からキャリア信号が送出されてくるため、それを受信して遠隔側の装置に転送しなければならないので、DTEモード時は伝送中継装置3はシリアルレシーバを有効にする。
【0057】
同様にDCEモード(つまりDTE機器と接続する場合)は、DTE機器はキャリア信号を受信するのを待っているので、伝送中継装置3はシリアルドライバを有効にしてキャリア信号を送信しなければならない。遠隔側がDCE機器であればDCE機器からキャリア信号が送られてくるが、遠隔側がDTE機器であれば前記のようにキャリア信号を受信することはなく、DCEモード設定にしている場合(DTE機器と接続する場合)にはキャリア信号がONとみなして光側に伝送するようになっている。
【0058】
なお、シリアルデータは、図9に示すように識別信号を付加した後の各ビットに(1)RD,(2)DR,(3)CS,(4)CDの各信号を乗せ、その後の各ビットに光受信検出部308から通知される(5)光受信状態を示す情報、及びシリアル受信検出部303から通知される(6)シリアル受信状態を示す情報を乗せ、これを1フレームとして構成し多重化が行われる。
【0059】
シリアル変換部302で多重化されたシリアル信号は、エンコーダ304で符号化される。符号化された電気信号は、E/Oコンバータ305によって光信号に変換され、他方側の伝送中継装置へ送信される。
【0060】
図6のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3で光信号から受信データを抽出する流れを説明する。
【0061】
O/Eコンバータ306で光信号が電気信号に変換される。O/Eコンバータ306で光信号が受信されたことを光受信検出部308が検出する。電気信号はデコーダ307に伝送されて復号される。復号されたシリアル信号は、パラレル変換部309で分割され、データ((1)RD,(2)DR,(3)CS,(4)CD,(5)光受信状態を示す情報及び(6)シリアル受信状態を示す情報)が抽出される。
【0062】
図7のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3で光信号から抽出したデータをRS-232Cドライバへ送信する流れを説明する。
【0063】
パラレル変換部309で分割され抽出された各データは、ハンドシェイク設定検出部310でハンドシェイクが有効か無効かをみて、ハンドシェイクが有効に設定されていれば、RS-232Cドライバ315のシリアルドライバからそのまま送信される。
【0064】
また、ハンドシェイクが無効に設定されていれば、パラレル変換部309からのER,RSの信号は無視し、ER,RSは常時ONとして、RS-232Cレシーバ301のDR,CSの信号をそれぞれER、RSとしてRS-232Cドライバ315のシリアルドライバで送信する。パラレル変換部309からのその他のデータ(SD,CD)はシリアルドライバからそのまま送信する。なお、図3はDTEモードの状態なので、キャリア信号CDは送信遮断制御部313により送信が遮断される。
【0065】
なお、伝送中継装置4(DCEモード)の場合は、パラレル変換部309からの(DR,CS)の信号は無視し、RS-232Cレシーバ301の(ER,RS)の信号をそれぞれ(DR,CS)としてRS-232Cドライバ315のシリアルドライバで送信する。パラレル変換部309からのその他のデータ(RD,CD)はシリアルドライバからそのまま送信する。なお、キャリア信号(CD)は送信遮断制御部313により送信が許可される。
【0066】
図8のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3でRS-232Cのシリアル信号の送信制御を行う流れを説明する。
【0067】
まず、ステップS1でLPT設定がONかをみて、ONであればステップS2でシリアル受信検出部303によりRS-232Cレシーバ301でのシリアル信号の受信状態をみる。そして、シリアル信号を正常に受信していればステップS3に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0068】
RS-232Cレシーバ301での受信が正常であれば、ステップS3で光受信検出部308によりO/Eコンバータ306での光信号の受信状態をみる。そして、光信号を正常に受信していればステップS4に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0069】
O/Eコンバータ306での光信号の受信が正常であれば、ステップS4で遠隔シリアル受信検出部311により遠隔側(リモート側)の伝送中継装置4が備えているRS-232Cレシーバ301のシリアル信号の受信状態をみる。そして、シリアル信号を正常に受信していればステップS5に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0070】
遠隔側の伝送中継装置4が備えているRS-232Cレシーバ301でのシリアル信号の受信が正常であれば、ステップS5で遠隔光受信検出部312により遠隔側の伝送中継装置4が備えているO/Eコンバータ306での光信号の受信状態をみる。そして、光信号を正常に受信していればステップS6に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0071】
遠隔側の伝送中継装置4が備えているO/Eコンバータ306で光信号を正常に受信していれば、ステップS6でハンドシェイク設定検出部310によりハンドシェイク無効(制御線強制モード)かどうかをみる。ハンドシェイク無効の設定であればステップS7に進み、有効(ノーマルモード)の設定であれば、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバから分割されたシリアル信号((1)RD,(2)DR,(3)CS,(4)CD)をそのまま送信する。
【0072】
ハンドシェイク無効の設定であれば、ステップS7で機器モード切替部314によりDTEモードかDCEモードかをみる。なお、機器モード切替部314では、伝送中継装置3、4に接続されるRS-232C機器がDTE機器かDCE機器かに合わせてあらかじめ各モードが設定されている。
【0073】
設定モードがDCEモードであれば、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信する。シリアル信号は、(1)SDと(4)CDは分割されたシリアル信号がそのまま送信され、(2)ER,(3)RSについては、RS-232Cレシーバ301のシリアルレシーバからのシリアル信号がループバックされて送信される。
【0074】
設定モードがDTEモードであれば、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバにおいて、(1)RDは分割されたシリアル信号がそのまま送信され、(2)DRと(3)CSについては、データスペース(0)信号が送信され、(4)CDについては送信が遮断される。
【0075】
また、前記ステップS1でLPT設定がONでなければ、ステップS8で光受信検出部308によりO/Eコンバータ306での光信号の受信状態をみる。O/Eコンバータ306で光信号を正常に受信していれば次のステップS9に進み、光信号を受信していなければ(受信断であれば)、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからはデータマーク(1)信号(アイドル信号)が送信される。
【0076】
次に、ステップS9で、遠隔シリアル受信検出部311により遠隔側(リモート側)の伝送中継装置4が備えているRS-232Cレシーバ301のシリアル信号の受信状態をみる。そして、RS-232Cレシーバ301でシリアル信号を正常に受信していれば前記ステップS6に進み、以下、前記と同様に処理される。また、シリアル信号を受信していなければ(受信断であれば)、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからはデータマーク(1)信号(アイドル信号)が送信される。
【0077】
(作用)
図1乃至図13を参照してシリアル信号遠隔伝送システムAの作用を説明する。
【0078】
〔正常状態のデータ通信〕
正常状態のデータ通信をホスト側から遠隔側への通信で説明する。
ホスト側のRS-232C機器1からホスト側の伝送中継装置3にメタルケーブル5を介しシリアルデータが伝送される。シリアルデータは伝送中継装置3のRS-232Cレシーバ301で受信され、受信されたシリアルデータはシリアル変換部302で多重化され、多重化されたシリアル信号は、さらにエンコーダ304で符号化される。符号化された電気信号は、E/Oコンバータ305で光信号に変換され、光ケーブル6を介し遠隔側の伝送中継装置4に伝送される。
【0079】
光信号は、遠隔側の伝送中継装置4のO/Eコンバータ306で受信され、電気信号に変換される。電気信号はデコーダ307で復号され、復号されたシリアル信号はパラレル変換部309でシリアルデータに分割される。パラレル変換されたシリアルデータは、RS-232Cドライバ315からメタルケーブル7を介し遠隔側のRS-232C機器2へ伝送され、RS-232C機器2が受信してホスト側から遠隔側へ通信が行われる。
なお、遠隔側からホスト側への通信は、前記と逆方向となるだけで実質的に同様の通信が行われる。
【0080】
〔遠隔側が通信異常状態であるときのデータ通信〕
図12(a)、(b)を参照して、遠隔側の伝送中継装置4側での異常をホスト側の伝送中継装置3に通知する仕組みを説明する。
なお、セグメントパス(LPT設定)は伝送中継装置3、4共に無効(OFF)に設定されている。セグメントパスの有効/無効の設定は、例えばラックマウント用コネクタ41を介して各伝送中継装置3、4を集合シャーシ(図示省略)に接続し、集合シャーシが有しているCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)から行うことができる。
【0081】
(1)図12(a)は、メタルケーブル7の断線等で遠隔側の伝送中継装置4でシリアル信号が受信できない場合を示している。
この場合は、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301でシリアル信号が受信できないので、バッファに格納されていたデータに識別信号を付加すると共にシリアル受信断の情報を付加してシリアル信号に変換し、エンコーダ304で符号化した後、E/Oコンバータ305により光信号に変換してホスト側の伝送中継装置3に送信する。
なお、伝送中継装置4においては、RS-232Cポート受信状態表示灯32が消灯し、自局のシリアル信号断が発生したことを表示する。
【0082】
伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換し、電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側のシリアル受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3はRF表示灯38を点灯して遠隔側である伝送中継装置4のシリアル受信に障害が発生していることを表示する。
【0083】
また、ホスト側の伝送中継装置3で伝送中継装置4のシリアル受信断が検出されると、伝送中継装置3からホスト側のRS-232C機器1にRS-232Cドライバ315からアイドル信号が送信される。なお、RS-232C機器1側では、RS232C信号レベルを検知したままとなり、異常は検知できない。
【0084】
(2)図12(b)は、光ケーブル6の断線等で遠隔側の伝送中継装置4で光信号が受信できない場合を示している。
この場合は、遠隔側の伝送中継装置4のO/Eコンバータ306で光信号を受信できないので、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301から遠隔側のRS-232C機器2にアイドル信号が送信される(図8のステップS8参照)。RS-232C機器2側では、RS232C信号レベルを検知したままとなり、異常は検知できない。
なお、伝送中継装置4においては、光ポート受信状態表示灯35が消灯し、自局の光信号断が発生したことを表示する。
【0085】
また、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301では、RS-232C機器2からのシリアル信号が受信され、E/Oコンバータ305から伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加された光信号が伝送中継装置3へ送信される。伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換する。電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3ではFEF表示灯39を点灯し、遠隔側である伝送中継装置4の光受信に障害が発生していることを表示する。
【0086】
図13(a)、(b)を参照して、セグメントを一体化してホスト側のRS-232C機器(DCE機器)と遠隔側のRS-232C機器(DTE機器)に回線異常を発生させて異常を知らせる仕組みを説明する。
なお、セグメントパス(LPT設定)は伝送中継装置3、4共に有効(ON)に設定されている。
【0087】
(1)図13(a)は、メタルケーブル7の断線等で遠隔側の伝送中継装置4でシリアル信号が受信できない場合を示している。
この場合は、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301でシリアル信号が受信できないので、バッファに格納されていたデータに識別信号を付加すると共にシリアル受信断の情報を付加してシリアル信号に変換し、エンコーダ304で符号化した後、E/Oコンバータ305により光信号に変換してホスト側の伝送中継装置3に送信する。
なお、伝送中継装置4においては、RS-232Cポート受信状態表示灯32が消灯し、自局のシリアル信号断が発生したことを表示する。
【0088】
また、伝送中継装置4の送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器2側ではRS232Cの信号が検出できなくなるので、回線に障害があることを検知できる。なお、RS-232C機器2側では障害の発生箇所の判断はできないので、発生箇所を特定するには伝送中継装置3、4の表示部で確認(又はIP網での監視)をする必要がある。
【0089】
伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換し、電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側のシリアル受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3はRF表示灯38を点灯して遠隔側である伝送中継装置4のシリアル受信に障害が発生していることを表示する。
【0090】
また、ホスト側の伝送中継装置3で伝送中継装置4のシリアル受信断が検出されると、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器1側ではRS232Cの信号が検出できなくなるので、回線に障害があることを検知できる。なお、RS-232C機器1側では障害の発生箇所の判断はできないので、発生箇所を特定するには伝送中継装置3、4の表示部で確認(又はIP網での監視)をする必要がある。
【0091】
(2)図13(b)は、光ケーブル6の断線等で遠隔側の伝送中継装置4で光信号が受信できない場合を示している。
この場合は、遠隔側の伝送中継装置4のO/Eコンバータ306で光信号を受信できないので、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器2側ではRS-232Cの信号が検出できなくなるので回線に障害があることを検知できる。
なお、伝送中継装置4においては、光ポート受信状態表示灯35が消灯し、自局の光信号断が発生したことを表示する。
【0092】
伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301では、RS-232C機器2からのシリアル信号が受信され、E/Oコンバータ305から伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加された光信号が伝送中継装置3へ送信される。伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換する。電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3ではFEF表示灯39を点灯し、遠隔側である伝送中継装置4の光受信に障害が発生していることを表示する。
【0093】
また、ホスト側の伝送中継装置3で伝送中継装置4の光受信断が検出されると、伝送中継装置3からホスト側のRS-232C機器1へのRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器1側ではRS-232Cの信号が検出できなくなるので回線に障害があることを検知できる。
【0094】
図14を参照する。
伝送中継装置3aは、ホスト側の伝送中継装置及び遠隔側の伝送中継装置として使用可能であり、これら各伝送中継装置間の伝送距離の延長は、光ケーブルでなく無線を利用して行うものである。
伝送中継装置3aと、伝送中継装置間の伝送距離の延長を光ケーブル6で行う前記伝送中継装置3との違いは、伝送中継装置3のE/Oコンバータ305の箇所に伝送中継装置3aでは無線送信機316が設けられ、同じくO/Eコンバータ306の箇所に無線受信機317が設けられ、同じく光受信検出部308の箇所に無線受信検出部308aが設けられ、同じく遠隔光受信検出部312の箇所に遠隔無線受信検出部312aが設けられた構造である。
【0095】
なお、伝送中継装置3aの作用については、前記伝送中継装置3の作用における光ケーブル及び光信号に関する部分を無線及び無線信号に読み替えることで、同様に説明できるので、あらためて説明することは省略する。
【0096】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0097】
A シリアル信号遠隔伝送システム
1 ホスト側のRS-232C機器
2 遠隔側のRS-232C機器
3 ホスト側の伝送中継装置
30 ケース
31 RS-232Cポートインターフェイス
32 RS-232Cポート受信状態表示灯
32a RS-232Cポート受信状態表示灯
33 光ポート送信側インターフェイス
34 光ポート受信側インターフェイス
35 光ポート受信状態表示灯
35a 光ポート受信状態表示灯
36 CTS切替スイッチ
37 DTE/DCE切替スイッチ
38 RF表示灯
39 FEF表示灯
40 電源表示灯
41 ラックマウント用コネクタ
42 DCジャック
301 RS-232Cレシーバ
302 シリアル変換部
303 シリアル受信検出部
304 エンコーダ
305 E/Oコンバータ
306 O/Eコンバータ
307 デコーダ
308 光受信検出部
309 パラレル変換部
310 ハンドシェイク設定検出部
311 遠隔シリアル受信検出部
312 遠隔光受信検出部
313 送信遮断制御部
314 機器モード切替部
315 RS-232Cドライバ
4 遠隔側の伝送中継装置
5 メタルケーブル
6 光ケーブル
7 メタルケーブル
3a 伝送中継装置
316 無線送信機
317 無線受信機
308a 無線受信検出部
312a 遠隔無線受信検出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムに関するものである。更に詳しくは、例えば互いに遠隔位置にある二台のRS-232C機器間に二台の伝送中継装置を介在させ、伝送中継装置間でケーブルを延長して各RS-232C機器間で通信を行うシリアル信号遠隔伝送システムにおいて、装置を構成する複数の回線セグメントのうちの何れかに障害が生じて両RS-232C機器間で通信ができなくなった場合に、どの回線セグメントに障害があるかを特定できるようにした伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シリアル通信機器であるRS-232C機器(端末仕様機器またはモデム仕様機器等)は、RS-232Cの信号がシングルエンド信号(Single-ended Signal)であるため、そのままでは、15mを越える距離を隔てて通信をすることができない。
遠隔位置にあるRS-232C機器間でシリアル信号を伝送する遠隔伝送システムとしては、例えばRS-232Cの信号とRS-422の信号を相互に変換する伝送中継装置を使用し、伝送距離を長く設定することができる差動信号(Differential Signal)であるRS-422の信号を使用して中継するシステムが既に知られている。
【0003】
このシステムは、例えば遠隔位置にある二台のRS-232C機器の間に、RS-232Cの信号とRS-422の信号を相互に変換する第1の伝送中継装置と第2の伝送中継装置を配し、両伝送中継装置間の通信をRS-422の信号により行い、一方のRS-232C機器から遠隔位置にある他方のRS-232C機器へケーブルを介し遠隔伝送を行うというものである。
【0004】
また、第1の伝送中継装置と第2の伝送中継装置間の通信を光信号を使用して行うシステムとしては、非特許文献1に開示されたRS-232C光変換器を使用したシステムがある。
このRS-232C光変換器は、RS-232Cの信号と光信号を相互に変換できるようにしたものであり、遠隔位置にある二台のRS-232C機器間で光ケーブルを介し遠隔伝送を行うことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】<URL:http://www.opt-conv.jp/products_opt/pdf/RS232-OPT(S)_8710.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記RS-422の信号を使用するシステム及び非特許文献1のRS-232C光変換器を使用した遠隔伝送システムには次のような課題があった。
すなわち、従来の各遠隔伝送システムにおいては、第1、第2の伝送中継装置は、前者ではRS-232Cの信号とRS-422の信号の相互の変換を行い、後者ではRS-232Cの信号と光信号の相互の変換を行うだけであるので、一方側のRS-232C機器と他方側のRS-232C機器間において、伝送経路の回線セグメント(データが到達するネットワーク)が三つに分かれてしまう。
【0007】
三つの回線セグメントとは、すなわち、(1)一方のRS-232C機器と第1の伝送中継装置の間の回線セグメント、(2)第1の伝送中継装置と第2の伝送中継装置の間の回線セグメント及び(3)第2の伝送中継装置と他方のRS-232C機器との間の回線セグメントである。
【0008】
このため、例えば、前記何れか一つ又は複数の回線セグメントに断線等の障害(通信障害)が生じて、両RS-232C機器間で通信ができなくなった場合、各回線セグメント間で信号状態の情報を共有することができないため、障害の箇所が分からない。つまり、場合によってはこの障害のある箇所の特定に時間がかかり、通信の復旧が遅れてしまうことがあった。
【0009】
また、RS-232Cの制御信号は、DCE機器とDTE機器を接続することが前提となっているために、DCE機器同士やDTE機器同士を接続する際には、ハンドシェイクやフロー制御用の信号が双方で一致しない場合があるため、通常はそれらを接続するケーブル内で制御信号を折り返すなどして使用する必要があり、制御信号が折り返された特殊なケーブルを用意したり、ケーブルの結線を変える等の面倒な手間がかかっていた(図10参照:図10はDTE機器同士の場合を示す)。
【0010】
(本発明の目的)
本発明は、遠隔位置にある二台のシリアル通信機器間で、一方側のシリアル通信機器に接続された伝送中継装置と他方側のシリアル通信機器に接続された伝送中継装置によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置間を光ケーブル又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムにおいて、システムを構成する複数の回線セグメントのうちの何れかに通信障害が生じて両シリアル通信機器間で通信ができなくなった場合に、どの回線セグメントに通信障害があるかを特定できるようにした伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、例えばDCE機器同士やDTE機器同士を接続する等、機器間でハンドシェイクの応答ができない場合でも、ハンドシェイクを無効にする設定を伝送中継装置側で行うことで、従来のような機器間のハンドシェイク方式の違いによりケーブルの結線を変える等の面倒な手間を省くことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できるようにした、
伝送中継装置である。
【0013】
(2)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
受信した1又は2以上のシリアル信号と、該シリアル信号の受信状態と前記光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を多重化する第1の変換部(302)と、
前記第1の変換部(302)で多重化した電気信号を、光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し前記第1の変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割する第2の変換部(309)と、
前記O/Eコンバータ(306)が光信号を受信したかどうか、又は前記無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出し、前記第1の変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアル受信検出部(303)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)の光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔光又は無線受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備える、
伝送中継装置である。
【0014】
(3)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
1又は2以上のシリアル信号を受信するシリアルレシーバ(301)と、
該シリアルレシーバ(301)で受信した前記シリアル信号を多重化するシリアル変換部(302)と、
多重化した電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアルレシーバ(301)が前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し、前記シリアル変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割するパラレル変換部(309)と、
分割されたシリアル信号を送信するシリアルドライバ(315)と、
前記O/Eコンバータ(306)光信号を受信したかどうか、又は無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出しシリアル変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアルレシーバ(301)で受信するシリアル信号の受信状態を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のO/Eコンバータ(306)が受信する光信号又は前記無線受信機(317)が受信する無線信号の受信状態を検出する遠隔光受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備えており、
前記シリアル変換部(302)でシリアル信号を多重化する際に、自局の前記シリアル受信検出部(303)及び前記光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を含めて多重化するようにした、
伝送中継装置である。
【0015】
(4)本発明は、
シリアル通信機器(1,2)へ送信するシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部(313)を備え、
自局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、前記送信遮断制御部(313)の制御により、前記シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
前記(1)、(2)又は(3)の伝送中継装置である。
【0016】
(5)本発明は、
多重化された電気信号を符号化する符号化手段(304)と、受信した光信号又は無線信号から変換された電気信号を復号する復号手段(307)を備えている、
前記(1)、(2)、(3)又は(4)の伝送中継装置である。
【0017】
(6)本発明は、
ハンドシェイクの有効/無効を検出するハンドシェイク設定検出部(310)を備えており、無効に設定するときに、伝送中継装置がDCEモードであるときは、シリアル通信機器から送信要求信号を受信したら、送信可能信号を前記シリアル通信機器に返信し、前記シリアル通信機器からデータ端末レディ信号を受信したら、データセットレディ信号を前記シリアル通信機器に返信するようにした、
前記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の伝送中継装置である。
【0018】
(7)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間でシリアル信号を伝送するシステムであって、
ホスト側のシリアル通信機器(1)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と、ホスト側の伝送中継装置(3)と、遠隔側の伝送中継装置(4)と、ホスト側のシリアル通信機器(1)と伝送中継装置(3)をつなぐケーブル(5)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と伝送中継装置(4)をつなぐケーブル(7)及び伝送中継装置(3,4)同士をつないで伝送距離を延長する光ケーブル(6)又は無線とで構成されており、
前記ホスト側と遠隔側の伝送中継装置(3,4)は、前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)の伝送中継装置である、
シリアル信号遠隔伝送システムである。
【0019】
(8)本発明は、
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によって、シリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシリアル信号の遠隔伝送方法であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信し、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示する、
シリアル信号の遠隔伝送方法である。
【0020】
(9)本発明は、
自局のシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局のシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
前記(8)のシリアル信号の遠隔伝送方法である。
【0021】
本明細書及び特許請求の範囲にいう「シリアル通信機器」とは、例えばRS-232C機器の他、RS422機器、RS485機器等であるが、シリアル信号によって通信を行う機器であれば、これらに限定はしない。
【0022】
(作用)
本発明に係る伝送中継装置及びシリアル信号遠隔伝送システムの作用を説明する。
前記(1)に記載した伝送中継装置は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できる。
これにより、ホスト側の伝送中継装置を含む回線状態(シリアル受信状態と光受信状態又は無線受信状態)と遠隔側の伝送中継装置を含む回線状態(シリアル受信状態と光受信状態又は無線受信状態)を監視することができる。
【0023】
前記(4)に記載した、シリアル通信機器(1,2)へ送信するシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部(313)を備え、自局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、前記送信遮断制御部(313)の制御により、前記シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにしたものは、シリアル通信機器(1,2)がシリアル信号を受信できないので、シリアル通信機器(1,2)側において、システムの回線に異常が生じていることを検知することができる。
【0024】
前記(6)に記載した、ハンドシェイクの有効/無効を検出するハンドシェイク設定検出部(310)を備えており、無効に設定するときに、伝送中継装置がDCEモードであるときは、シリアル通信機器から送信要求信号(RS-232CではRS信号)を受信したら、送信可能信号(RS-232CではCS信号)を前記シリアル通信機器に返信し、前記シリアル通信機器からデータ端末レディ信号(RS-232CではER信号)を受信したら、データセットレディ信号(RS-232CではDR信号)を前記シリアル通信機器に返信するようにしたものは、例えばDTE機器同士で通信を行う場合に、伝送中継装置がハンドシェイク信号を送受信することで、前記シリアル通信機器同士ではハンドシェイクを行わないようにする。
【0025】
これにより、図10に示すような機器間のハンドシェイク方式の違いによるケーブルの結線を変える手間等を省くことができ、ケーブルの結線を変更することなくハンドシェイクを無効状態にすることができる。したがって、シリアル通信機器間でハンドシェイクの応答ができない場合でも、擬似的にハンドシェイクを行うことができるので、応答できないことによる待機状態が生じることもなく、通信を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
(a)本発明は、遠隔位置にあるシリアル通信機器間で、伝送中継装置によってシリアル信号と光信号又は無線信号を相互に変換し、光ケーブル又は無線で伝送距離を延長して、シリアル信号を伝送するシステムにおいて、両伝送中継装置は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できるようにしている。
これにより、システムを構成する複数の回線セグメントのうちの何れかに通信障害が生じて両シリアル通信機器間で通信ができなくなった場合に、どの回線セグメントに通信障害があるかを特定でき、通信の復旧を短時間で行うことが可能になる伝送中継装置及びそれを使用したシリアル信号遠隔伝送システムを提供することができる。
【0027】
(b)本発明は、シリアル通信機器間でハンドシェイクを無効にする設定を伝送中継装置側で行うことができる。したがって、例えばDCE機器同士やDTE機器同士を接続する等、機器間でハンドシェイクの応答ができない場合でも、ハンドシェイクを無効にする設定を行うことで、従来のようなシリアル通信機器間のハンドシェイク方式の違いによりケーブルの結線を変える等の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るシリアル信号遠隔伝送システムの構成を示す概念図。
【図2】本発明に係る伝送中継装置の外観を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は背面図。
【図3】本発明に係るホスト側の伝送中継装置の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図4】本発明に係る遠隔側の伝送中継装置の実施の形態を示すブロック図。
【図5】伝送中継装置においてシリアルデータから光信号へ変換する流れを示すフロー図。
【図6】伝送中継装置において光信号から受信データを抽出する流れを示すフロー図。
【図7】伝送中継装置において光信号から抽出したデータをRS-232Cドライバへ送信する流れを示すフロー図。
【図8】伝送中継装置において送信制御の流れを示すフロー図。
【図9】シリアル変換によるシリアル信号の多重化の説明図。
【図10】従来のハンドシェイクを無効にする仕組みを示す説明図
【図11】RS-232C機器が共にDTE機器である場合において伝送中継装置側でハンドシェイクを無効にする仕組みを示す説明図。
【図12】RS-232C機器がDCE機器とDTE機器で、セグメントパスが無効である場合において遠隔側の伝送中継装置の異常をホスト側の伝送中継装置に通知する仕組みを示す説明図で、(a)はシリアル受信が断状態である場合、(b)は光受信が断状態である場合を示す。
【図13】RS-232C機器がDCE機器とDTE機器で、セグメントパスが有効である場合においてDCE機器とDTE機器への送信を遮断して回線の異常を知らせる仕組みを示す説明図で、(a)はシリアル受信が断状態である場合、(b)は光受信が断状態である場合を示す。
【図14】本発明に係る伝送中継装置の第2の実施の形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
〔実施の形態〕
【0030】
図1を参照する。
シリアル信号遠隔伝送システムAは、相互に遠隔位置にあり、それぞれがシリアル通信機器であるホスト側のRS-232C機器1と遠隔側のRS-232C機器2間でシリアル信号を伝送するシステムである。
本実施の形態では、ホスト側のRS-232C機器1がDCE機器(回線終端装置)であり、他方側のRS-232C機器2がDTE機器(データ端末装置)である場合を例にとり説明するが、双方がDTE機器である場合もあるし、双方がDCE機器である場合もある。
【0031】
シリアル信号遠隔伝送システムAは、ホスト側の伝送中継装置3と、遠隔側の伝送中継装置4と、ホスト側のRS-232C機器1とホスト側の伝送中継装置3のRS-232Cポート同士をつなぐメタルケーブル5と、ホスト側の伝送中継装置3と遠隔側の伝送中継装置4の光ポート同士をつなぐ光ケーブル6と、遠隔側の伝送中継装置4と遠隔側のRS-232C機器2のRS-232Cポート同士をつなぐメタルケーブル7とで構成されている。
【0032】
本実施の形態では、メタルケーブル5とメタルケーブル7の長さはそれぞれ10m(≦15m)に設定され、光ケーブル6の長さは10kmに設定されている。したがって、シリアル信号遠隔伝送システムAは、伝送距離が10.02kmのRS-232C機器1、2間でシリアル信号による通信を行うことができる。
【0033】
図2、図3を参照する。
まず、図2を参照して伝送中継装置3、4の外観構造を説明する。なお、伝送中継装置3、4は同じ構造であるので、詳細な構造については、ホスト側の伝送中継装置3を例にとり説明する。
【0034】
伝送中継装置3は、ケース30の正面側にRS-232Cポートインターフェイス31とRS-232Cポート受信状態表示灯32及び光ポート送信側インターフェイス33と光ポート受信側インターフェイス34と光ポート受信状態表示灯35を備えている(図2(a)参照)。
【0035】
RS-232Cポート受信状態表示灯32は、RS-232Cシリアル信号を受信しているときに点灯し、通信時には点滅する。また、光ポート受信状態表示灯35は、光ポート受信側インターフェイス34が光信号を受信していることで点灯し、通信時(データを受信しているとき)には点滅する。
【0036】
なお、ケース30上面には、RS-232Cポート受信状態表示灯32a及び光ポート受信状態表示灯35aを備えている(図2(b)参照)。RS-232Cポート受信状態表示灯32aは前記RS-232Cポート受信状態表示灯32と同様の表示を行い、光ポート受信状態表示灯35aは前記光ポート受信状態表示灯35と同様の表示を行う。
【0037】
RS-232Cポートインターフェイス31の隣には、CTS切替スイッチ36とDTE/DCE切替スイッチ37を備えている。CTS切替スイッチ36は、ハンドシェイクの有効・無効を切り替える切替部である。DTE/DCE切替スイッチ37は、DTE機器とDCE機器に対応させるための機器モード切替部であり、これによれば、DTE機器と接続する場合とDCE機器と接続する場合において、それぞれ専用の伝送中継装置を使用する必要はなく、同じ伝送中継装置が使用できる。
符号38は、RF表示灯で遠隔側シリアル受信が正常である場合は消灯しており、異常時に点灯する。また、符号39は、FEF表示灯で、遠隔側光受信が正常である場合は消灯しており、異常時に点灯する。符号40は電源表示灯である(図2(a)参照)。
【0038】
また、ケース30の背面側には、ラックマウント用コネクタ41とDCジャック42を備えている(図2(c)参照)。ラックマウント用コネクタ41には、IP(インターネットプロトコル)を用いたインターフェイスを持つ監視装置(図示省略)を接続することができる。これにより、監視装置からIPネットワーク経由で通信障害の監視及び検出が可能になる。
【0039】
次に図3のブロック図を参照して伝送中継装置3の内部構造を説明する。
伝送中継装置3は、RS-232Cのシリアル信号を受信するRS-232Cレシーバ301を備えている。RS-232Cレシーバ301には、受信したRS-232Cのシリアル信号を多重化するシリアル変換部302が接続されている。シリアル変換部302は、シリアル信号を多重化する際に、後述するシリアル受信検出部303及び光受信検出部308から通知された信号の受信状態(正常又は通信遮断等の異常)を示す情報を含めることができる。
【0040】
符号304はシリアル変換部302から伝送されるシリアル信号を符号化するエンコーダである。符号305は、E/Oコンバータであり、E/Oコンバータ305は、エンコーダ304で符号化された電気信号を光信号に変換して送信する光ドライバである。
【0041】
また、RS-232Cレシーバ301からシリアル変換部302の経路には、RS-232Cレシーバ301がRS-232Cのシリアル信号を受信したかどうかを検出し、シリアル変換部302及び後述する送信遮断制御部313に通知するシリアル受信検出部303が接続されている。
【0042】
符号306は、O/Eコンバータであり、O/Eコンバータ306は、光信号を受信して電気信号に変換する光レシーバである。符号307は、デコーダであり、O/Eコンバータ306から伝送される電気信号を復号する。デコーダ307には、電気信号を復号したシリアル信号を分割(又は分離)するパラレル変換部309が接続されている。
【0043】
パラレル変換部309には、RS-232Cのシリアル信号を送信するRS-232Cドライバ315が接続されている。パラレル変換部309とRS-232Cドライバ315の間の経路には、ハンドシェイク設定検出部310が接続されている。
【0044】
なお、伝送中継装置3は、RS-232C機器1がDCE機器であるため、DTEモードに設定されている。ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cドライバ315のRS(送信要求)とER(データ端末レディ)のシリアルドライバに接続されている。
【0045】
ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cレシーバ301のCS(送信可能)とDR(データセットレディ)に接続されており、ハンドシェイク設定検出部310が無効モードに設定されると、RS(送信要求)とER(データ端末レディ)を常時ON(送信)にし、RS-232C機器1のハンドシェイクが完了できるようになる。
【0046】
また、図4に示す伝送中継装置4は、RS-232C機器2がDTE機器であるため、DCEモードに設定されている。
ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cドライバ315のCS(送信可能)とDR(データセットレディ)のシリアルドライバに接続されている。
【0047】
ハンドシェイク設定検出部310は、RS-232Cレシーバ301のRS(送信要求)とER(データ端末レディ)に接続されており、図11に示すようにハンドシェイク設定検出部310が無効モードに設定されると、RS(送信要求)を受信したときに、CS(送信可能)を返信し、ER(データ端末レディ)を受信したときに、DR(データセットレディ)を返信してループバックすることで、RS-232C機器2間のハンドシェイクが完了できるようになる。
【0048】
また、O/Eコンバータ306からデコーダ307の経路には、O/Eコンバータ306が光信号を受信したかどうかを検出し、シリアル変換部302及び後述する送信遮断制御部313に通知する光受信検出部308が接続されている。
【0049】
符号311は、パラレル変換部309で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置のRS-232Cレシーバ301で受信するRS-232Cのシリアル信号の受信状態を検出し、後述する送信遮断制御部313に通知する遠隔シリアル受信検出部である。
【0050】
また、符号312は、同じくパラレル変換部309で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置のO/Eコンバータ306が受信する光信号の受信状態を検出し、後述する送信遮断制御部313に通知する遠隔光受信検出部である。
【0051】
符号313は、RS-232Cドライバ315から送信されるシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部である。送信遮断制御部313は、セグメントパス(LANにおけるLPT(Link pass through=リンククロス転送)に相当)を有効にすることで動作する。
【0052】
送信遮断制御部313には、前記したようにシリアル受信検出部303、光受信検出部308、遠隔シリアル受信検出部311及び遠隔光受信検出部312からそれぞれの信号の受信状態が通知されるようになっている。送信遮断制御部313は、前記いずれかの検出部で信号の受信状態が検出され、断状態を示す情報(信号)が通知されると、RS-232Cドライバ315からシリアル信号が送信されないように遮断する。
【0053】
また、符号314は機器モード切替部であり、RS-232C機器であるDTE機器とDCE機器に対応させるためDTEモードとDCEモードに切り替えることができる。DTEモードでは、CD(キャリヤ検出信号)が受信となるように設定され、DCEモードでは、CDが送信となるように設定される。
【0054】
図5のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3でシリアルデータから光信号へ変換する流れを説明する。
【0055】
RS-232Cレシーバ301の各シリアルレシーバでシリアル信号が受信され、シリアル受信検出部303によって受信が検出されると、シリアル変換部302で多重化される。
なお、シリアル信号が多重化される前段階において、機器モード切替部314の設定が確認され、DTEモードである場合は、シリアルレシーバで受信したCD(キャリヤ検出信号)がシリアル変換部302に送られる。DCEモードである場合は、シリアルレシーバの受信状態に関わらず、CDは常時ONとされてシリアル変換部302に送られ、多重化される。
【0056】
詳しくは、DTEモード(つまりDCE機器と接続する場合)は、DCE機器からキャリア信号が送出されてくるため、それを受信して遠隔側の装置に転送しなければならないので、DTEモード時は伝送中継装置3はシリアルレシーバを有効にする。
【0057】
同様にDCEモード(つまりDTE機器と接続する場合)は、DTE機器はキャリア信号を受信するのを待っているので、伝送中継装置3はシリアルドライバを有効にしてキャリア信号を送信しなければならない。遠隔側がDCE機器であればDCE機器からキャリア信号が送られてくるが、遠隔側がDTE機器であれば前記のようにキャリア信号を受信することはなく、DCEモード設定にしている場合(DTE機器と接続する場合)にはキャリア信号がONとみなして光側に伝送するようになっている。
【0058】
なお、シリアルデータは、図9に示すように識別信号を付加した後の各ビットに(1)RD,(2)DR,(3)CS,(4)CDの各信号を乗せ、その後の各ビットに光受信検出部308から通知される(5)光受信状態を示す情報、及びシリアル受信検出部303から通知される(6)シリアル受信状態を示す情報を乗せ、これを1フレームとして構成し多重化が行われる。
【0059】
シリアル変換部302で多重化されたシリアル信号は、エンコーダ304で符号化される。符号化された電気信号は、E/Oコンバータ305によって光信号に変換され、他方側の伝送中継装置へ送信される。
【0060】
図6のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3で光信号から受信データを抽出する流れを説明する。
【0061】
O/Eコンバータ306で光信号が電気信号に変換される。O/Eコンバータ306で光信号が受信されたことを光受信検出部308が検出する。電気信号はデコーダ307に伝送されて復号される。復号されたシリアル信号は、パラレル変換部309で分割され、データ((1)RD,(2)DR,(3)CS,(4)CD,(5)光受信状態を示す情報及び(6)シリアル受信状態を示す情報)が抽出される。
【0062】
図7のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3で光信号から抽出したデータをRS-232Cドライバへ送信する流れを説明する。
【0063】
パラレル変換部309で分割され抽出された各データは、ハンドシェイク設定検出部310でハンドシェイクが有効か無効かをみて、ハンドシェイクが有効に設定されていれば、RS-232Cドライバ315のシリアルドライバからそのまま送信される。
【0064】
また、ハンドシェイクが無効に設定されていれば、パラレル変換部309からのER,RSの信号は無視し、ER,RSは常時ONとして、RS-232Cレシーバ301のDR,CSの信号をそれぞれER、RSとしてRS-232Cドライバ315のシリアルドライバで送信する。パラレル変換部309からのその他のデータ(SD,CD)はシリアルドライバからそのまま送信する。なお、図3はDTEモードの状態なので、キャリア信号CDは送信遮断制御部313により送信が遮断される。
【0065】
なお、伝送中継装置4(DCEモード)の場合は、パラレル変換部309からの(DR,CS)の信号は無視し、RS-232Cレシーバ301の(ER,RS)の信号をそれぞれ(DR,CS)としてRS-232Cドライバ315のシリアルドライバで送信する。パラレル変換部309からのその他のデータ(RD,CD)はシリアルドライバからそのまま送信する。なお、キャリア信号(CD)は送信遮断制御部313により送信が許可される。
【0066】
図8のフロー図を主に参照して、伝送中継装置3でRS-232Cのシリアル信号の送信制御を行う流れを説明する。
【0067】
まず、ステップS1でLPT設定がONかをみて、ONであればステップS2でシリアル受信検出部303によりRS-232Cレシーバ301でのシリアル信号の受信状態をみる。そして、シリアル信号を正常に受信していればステップS3に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0068】
RS-232Cレシーバ301での受信が正常であれば、ステップS3で光受信検出部308によりO/Eコンバータ306での光信号の受信状態をみる。そして、光信号を正常に受信していればステップS4に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0069】
O/Eコンバータ306での光信号の受信が正常であれば、ステップS4で遠隔シリアル受信検出部311により遠隔側(リモート側)の伝送中継装置4が備えているRS-232Cレシーバ301のシリアル信号の受信状態をみる。そして、シリアル信号を正常に受信していればステップS5に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0070】
遠隔側の伝送中継装置4が備えているRS-232Cレシーバ301でのシリアル信号の受信が正常であれば、ステップS5で遠隔光受信検出部312により遠隔側の伝送中継装置4が備えているO/Eコンバータ306での光信号の受信状態をみる。そして、光信号を正常に受信していればステップS6に進み、受信していなければ(受信断であれば)、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信するのを遮断する。
【0071】
遠隔側の伝送中継装置4が備えているO/Eコンバータ306で光信号を正常に受信していれば、ステップS6でハンドシェイク設定検出部310によりハンドシェイク無効(制御線強制モード)かどうかをみる。ハンドシェイク無効の設定であればステップS7に進み、有効(ノーマルモード)の設定であれば、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバから分割されたシリアル信号((1)RD,(2)DR,(3)CS,(4)CD)をそのまま送信する。
【0072】
ハンドシェイク無効の設定であれば、ステップS7で機器モード切替部314によりDTEモードかDCEモードかをみる。なお、機器モード切替部314では、伝送中継装置3、4に接続されるRS-232C機器がDTE機器かDCE機器かに合わせてあらかじめ各モードが設定されている。
【0073】
設定モードがDCEモードであれば、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからシリアル信号を送信する。シリアル信号は、(1)SDと(4)CDは分割されたシリアル信号がそのまま送信され、(2)ER,(3)RSについては、RS-232Cレシーバ301のシリアルレシーバからのシリアル信号がループバックされて送信される。
【0074】
設定モードがDTEモードであれば、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバにおいて、(1)RDは分割されたシリアル信号がそのまま送信され、(2)DRと(3)CSについては、データスペース(0)信号が送信され、(4)CDについては送信が遮断される。
【0075】
また、前記ステップS1でLPT設定がONでなければ、ステップS8で光受信検出部308によりO/Eコンバータ306での光信号の受信状態をみる。O/Eコンバータ306で光信号を正常に受信していれば次のステップS9に進み、光信号を受信していなければ(受信断であれば)、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからはデータマーク(1)信号(アイドル信号)が送信される。
【0076】
次に、ステップS9で、遠隔シリアル受信検出部311により遠隔側(リモート側)の伝送中継装置4が備えているRS-232Cレシーバ301のシリアル信号の受信状態をみる。そして、RS-232Cレシーバ301でシリアル信号を正常に受信していれば前記ステップS6に進み、以下、前記と同様に処理される。また、シリアル信号を受信していなければ(受信断であれば)、RS-232Cドライバ315の各シリアルドライバからはデータマーク(1)信号(アイドル信号)が送信される。
【0077】
(作用)
図1乃至図13を参照してシリアル信号遠隔伝送システムAの作用を説明する。
【0078】
〔正常状態のデータ通信〕
正常状態のデータ通信をホスト側から遠隔側への通信で説明する。
ホスト側のRS-232C機器1からホスト側の伝送中継装置3にメタルケーブル5を介しシリアルデータが伝送される。シリアルデータは伝送中継装置3のRS-232Cレシーバ301で受信され、受信されたシリアルデータはシリアル変換部302で多重化され、多重化されたシリアル信号は、さらにエンコーダ304で符号化される。符号化された電気信号は、E/Oコンバータ305で光信号に変換され、光ケーブル6を介し遠隔側の伝送中継装置4に伝送される。
【0079】
光信号は、遠隔側の伝送中継装置4のO/Eコンバータ306で受信され、電気信号に変換される。電気信号はデコーダ307で復号され、復号されたシリアル信号はパラレル変換部309でシリアルデータに分割される。パラレル変換されたシリアルデータは、RS-232Cドライバ315からメタルケーブル7を介し遠隔側のRS-232C機器2へ伝送され、RS-232C機器2が受信してホスト側から遠隔側へ通信が行われる。
なお、遠隔側からホスト側への通信は、前記と逆方向となるだけで実質的に同様の通信が行われる。
【0080】
〔遠隔側が通信異常状態であるときのデータ通信〕
図12(a)、(b)を参照して、遠隔側の伝送中継装置4側での異常をホスト側の伝送中継装置3に通知する仕組みを説明する。
なお、セグメントパス(LPT設定)は伝送中継装置3、4共に無効(OFF)に設定されている。セグメントパスの有効/無効の設定は、例えばラックマウント用コネクタ41を介して各伝送中継装置3、4を集合シャーシ(図示省略)に接続し、集合シャーシが有しているCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)から行うことができる。
【0081】
(1)図12(a)は、メタルケーブル7の断線等で遠隔側の伝送中継装置4でシリアル信号が受信できない場合を示している。
この場合は、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301でシリアル信号が受信できないので、バッファに格納されていたデータに識別信号を付加すると共にシリアル受信断の情報を付加してシリアル信号に変換し、エンコーダ304で符号化した後、E/Oコンバータ305により光信号に変換してホスト側の伝送中継装置3に送信する。
なお、伝送中継装置4においては、RS-232Cポート受信状態表示灯32が消灯し、自局のシリアル信号断が発生したことを表示する。
【0082】
伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換し、電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側のシリアル受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3はRF表示灯38を点灯して遠隔側である伝送中継装置4のシリアル受信に障害が発生していることを表示する。
【0083】
また、ホスト側の伝送中継装置3で伝送中継装置4のシリアル受信断が検出されると、伝送中継装置3からホスト側のRS-232C機器1にRS-232Cドライバ315からアイドル信号が送信される。なお、RS-232C機器1側では、RS232C信号レベルを検知したままとなり、異常は検知できない。
【0084】
(2)図12(b)は、光ケーブル6の断線等で遠隔側の伝送中継装置4で光信号が受信できない場合を示している。
この場合は、遠隔側の伝送中継装置4のO/Eコンバータ306で光信号を受信できないので、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301から遠隔側のRS-232C機器2にアイドル信号が送信される(図8のステップS8参照)。RS-232C機器2側では、RS232C信号レベルを検知したままとなり、異常は検知できない。
なお、伝送中継装置4においては、光ポート受信状態表示灯35が消灯し、自局の光信号断が発生したことを表示する。
【0085】
また、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301では、RS-232C機器2からのシリアル信号が受信され、E/Oコンバータ305から伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加された光信号が伝送中継装置3へ送信される。伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換する。電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3ではFEF表示灯39を点灯し、遠隔側である伝送中継装置4の光受信に障害が発生していることを表示する。
【0086】
図13(a)、(b)を参照して、セグメントを一体化してホスト側のRS-232C機器(DCE機器)と遠隔側のRS-232C機器(DTE機器)に回線異常を発生させて異常を知らせる仕組みを説明する。
なお、セグメントパス(LPT設定)は伝送中継装置3、4共に有効(ON)に設定されている。
【0087】
(1)図13(a)は、メタルケーブル7の断線等で遠隔側の伝送中継装置4でシリアル信号が受信できない場合を示している。
この場合は、伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301でシリアル信号が受信できないので、バッファに格納されていたデータに識別信号を付加すると共にシリアル受信断の情報を付加してシリアル信号に変換し、エンコーダ304で符号化した後、E/Oコンバータ305により光信号に変換してホスト側の伝送中継装置3に送信する。
なお、伝送中継装置4においては、RS-232Cポート受信状態表示灯32が消灯し、自局のシリアル信号断が発生したことを表示する。
【0088】
また、伝送中継装置4の送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器2側ではRS232Cの信号が検出できなくなるので、回線に障害があることを検知できる。なお、RS-232C機器2側では障害の発生箇所の判断はできないので、発生箇所を特定するには伝送中継装置3、4の表示部で確認(又はIP網での監視)をする必要がある。
【0089】
伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換し、電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側のシリアル受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3はRF表示灯38を点灯して遠隔側である伝送中継装置4のシリアル受信に障害が発生していることを表示する。
【0090】
また、ホスト側の伝送中継装置3で伝送中継装置4のシリアル受信断が検出されると、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器1側ではRS232Cの信号が検出できなくなるので、回線に障害があることを検知できる。なお、RS-232C機器1側では障害の発生箇所の判断はできないので、発生箇所を特定するには伝送中継装置3、4の表示部で確認(又はIP網での監視)をする必要がある。
【0091】
(2)図13(b)は、光ケーブル6の断線等で遠隔側の伝送中継装置4で光信号が受信できない場合を示している。
この場合は、遠隔側の伝送中継装置4のO/Eコンバータ306で光信号を受信できないので、送信遮断制御部313の制御によりRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器2側ではRS-232Cの信号が検出できなくなるので回線に障害があることを検知できる。
なお、伝送中継装置4においては、光ポート受信状態表示灯35が消灯し、自局の光信号断が発生したことを表示する。
【0092】
伝送中継装置4のRS-232Cレシーバ301では、RS-232C機器2からのシリアル信号が受信され、E/Oコンバータ305から伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加された光信号が伝送中継装置3へ送信される。伝送中継装置3は、O/Eコンバータ306で光信号を受信して電気信号に変換する。電気信号は復号され、パラレル変換部309によってデータが分割される。このデータに伝送中継装置4側の光受信断の情報が付加されているので、伝送中継装置3ではFEF表示灯39を点灯し、遠隔側である伝送中継装置4の光受信に障害が発生していることを表示する。
【0093】
また、ホスト側の伝送中継装置3で伝送中継装置4の光受信断が検出されると、伝送中継装置3からホスト側のRS-232C機器1へのRS-232Cドライバ315からのシリアル信号の送信が遮断され、RS-232C機器1側ではRS-232Cの信号が検出できなくなるので回線に障害があることを検知できる。
【0094】
図14を参照する。
伝送中継装置3aは、ホスト側の伝送中継装置及び遠隔側の伝送中継装置として使用可能であり、これら各伝送中継装置間の伝送距離の延長は、光ケーブルでなく無線を利用して行うものである。
伝送中継装置3aと、伝送中継装置間の伝送距離の延長を光ケーブル6で行う前記伝送中継装置3との違いは、伝送中継装置3のE/Oコンバータ305の箇所に伝送中継装置3aでは無線送信機316が設けられ、同じくO/Eコンバータ306の箇所に無線受信機317が設けられ、同じく光受信検出部308の箇所に無線受信検出部308aが設けられ、同じく遠隔光受信検出部312の箇所に遠隔無線受信検出部312aが設けられた構造である。
【0095】
なお、伝送中継装置3aの作用については、前記伝送中継装置3の作用における光ケーブル及び光信号に関する部分を無線及び無線信号に読み替えることで、同様に説明できるので、あらためて説明することは省略する。
【0096】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0097】
A シリアル信号遠隔伝送システム
1 ホスト側のRS-232C機器
2 遠隔側のRS-232C機器
3 ホスト側の伝送中継装置
30 ケース
31 RS-232Cポートインターフェイス
32 RS-232Cポート受信状態表示灯
32a RS-232Cポート受信状態表示灯
33 光ポート送信側インターフェイス
34 光ポート受信側インターフェイス
35 光ポート受信状態表示灯
35a 光ポート受信状態表示灯
36 CTS切替スイッチ
37 DTE/DCE切替スイッチ
38 RF表示灯
39 FEF表示灯
40 電源表示灯
41 ラックマウント用コネクタ
42 DCジャック
301 RS-232Cレシーバ
302 シリアル変換部
303 シリアル受信検出部
304 エンコーダ
305 E/Oコンバータ
306 O/Eコンバータ
307 デコーダ
308 光受信検出部
309 パラレル変換部
310 ハンドシェイク設定検出部
311 遠隔シリアル受信検出部
312 遠隔光受信検出部
313 送信遮断制御部
314 機器モード切替部
315 RS-232Cドライバ
4 遠隔側の伝送中継装置
5 メタルケーブル
6 光ケーブル
7 メタルケーブル
3a 伝送中継装置
316 無線送信機
317 無線受信機
308a 無線受信検出部
312a 遠隔無線受信検出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できるようにした、
伝送中継装置。
【請求項2】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
受信した1又は2以上のシリアル信号と、該シリアル信号の受信状態と前記光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を多重化する第1の変換部(302)と、
前記第1の変換部(302)で多重化した電気信号を、光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し前記第1の変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割する第2の変換部(309)と、
前記O/Eコンバータ(306)が光信号を受信したかどうか、又は前記無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出し、前記第1の変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアル受信検出部(303)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)の光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔光又は無線受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備える、
伝送中継装置。
【請求項3】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
1又は2以上のシリアル信号を受信するシリアルレシーバ(301)と、
該シリアルレシーバ(301)で受信した前記シリアル信号を多重化するシリアル変換部(302)と、
多重化した電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアルレシーバ(301)が前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し、前記シリアル変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割するパラレル変換部(309)と、
分割されたシリアル信号を送信するシリアルドライバ(315)と、
前記O/Eコンバータ(306)光信号を受信したかどうか、又は無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出しシリアル変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアルレシーバ(301)で受信するシリアル信号の受信状態を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のO/Eコンバータ(306)が受信する光信号又は前記無線受信機(317)が受信する無線信号の受信状態を検出する遠隔光受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備えており、
前記シリアル変換部(302)でシリアル信号を多重化する際に、自局の前記シリアル受信検出部(303)及び前記光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を含めて多重化するようにした、
伝送中継装置。
【請求項4】
シリアル通信機器(1,2)へ送信するシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部(313)を備え、
自局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、前記送信遮断制御部(313)の制御により、前記シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
請求項1、2又は3記載の伝送中継装置。
【請求項5】
多重化された電気信号を符号化する符号化手段(304)と、受信した光信号又は無線信号から変換された電気信号を復号する復号手段(307)を備えている、
請求項1、2、3又は4記載の伝送中継装置。
【請求項6】
ハンドシェイクの有効/無効を検出するハンドシェイク設定検出部(310)を備えており、無効に設定するときに、伝送中継装置がDCEモードであるときは、シリアル通信機器から送信要求信号を受信したら、送信可能信号を前記シリアル通信機器に返信し、前記シリアル通信機器からデータ端末レディ信号を受信したら、データセットレディ信号を前記シリアル通信機器に返信するようにした、
請求項1、2、3、4又は5記載の伝送中継装置。
【請求項7】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間でシリアル信号を伝送するシステムであって、
ホスト側のシリアル通信機器(1)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と、ホスト側の伝送中継装置(3)と、遠隔側の伝送中継装置(4)と、ホスト側のシリアル通信機器(1)と伝送中継装置(3)をつなぐケーブル(5)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と伝送中継装置(4)をつなぐケーブル(7)及び伝送中継装置(3,4)同士をつないで伝送距離を延長する光ケーブル(6)又は無線とで構成されており、
前記ホスト側と遠隔側の伝送中継装置(3,4)は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の伝送中継装置である、
シリアル信号遠隔伝送システム。
【請求項8】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によって、シリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシリアル信号の遠隔伝送方法であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信し、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示する、
シリアル信号の遠隔伝送方法。
【請求項9】
自局のシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局のシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
請求項8記載のシリアル信号の遠隔伝送方法。
【請求項1】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信するようにしてあり、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示できるようにした、
伝送中継装置。
【請求項2】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
受信した1又は2以上のシリアル信号と、該シリアル信号の受信状態と前記光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を多重化する第1の変換部(302)と、
前記第1の変換部(302)で多重化した電気信号を、光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し前記第1の変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割する第2の変換部(309)と、
前記O/Eコンバータ(306)が光信号を受信したかどうか、又は前記無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出し、前記第1の変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアル受信検出部(303)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記第2の変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)の光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を検出する遠隔光又は無線受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備える、
伝送中継装置。
【請求項3】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によってシリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシステムに使用する伝送中継装置であって、
1又は2以上のシリアル信号を受信するシリアルレシーバ(301)と、
該シリアルレシーバ(301)で受信した前記シリアル信号を多重化するシリアル変換部(302)と、
多重化した電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータ(305)又は無線信号に変換する無線送信機(316)と、
前記シリアルレシーバ(301)が前記シリアル信号を受信したかどうかを検出し、前記シリアル変換部(302)に通知するシリアル受信検出部(303)と、
前記光信号を多重化された電気信号に変換するO/Eコンバータ(306)又は前記無線信号を多重化された電気信号に変換する無線受信機(317)と、
前記多重化された電気信号を分割するパラレル変換部(309)と、
分割されたシリアル信号を送信するシリアルドライバ(315)と、
前記O/Eコンバータ(306)光信号を受信したかどうか、又は無線受信機(317)が無線信号を受信したかどうか、を検出しシリアル変換部(302)に通知する光又は無線受信検出部(308)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のシリアルレシーバ(301)で受信するシリアル信号の受信状態を検出する遠隔シリアル受信検出部(311)と、
前記パラレル変換部(309)で分割されたシリアル信号を解析し、遠隔側の伝送中継装置(4)のO/Eコンバータ(306)が受信する光信号又は前記無線受信機(317)が受信する無線信号の受信状態を検出する遠隔光受信検出部(312)と、
前記遠隔シリアル受信検出部(311)と、遠隔光又は無線受信検出部(312)と、シリアル受信検出部(303)及び光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態が正常か異常かを表示する表示手段(38),(39),(32),(35)と、
を備えており、
前記シリアル変換部(302)でシリアル信号を多重化する際に、自局の前記シリアル受信検出部(303)及び前記光又は無線受信検出部(308)で検出された受信状態を表す情報を含めて多重化するようにした、
伝送中継装置。
【請求項4】
シリアル通信機器(1,2)へ送信するシリアル信号の送信又は遮断の制御を行う送信遮断制御部(313)を備え、
自局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局で受信するシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、前記送信遮断制御部(313)の制御により、前記シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
請求項1、2又は3記載の伝送中継装置。
【請求項5】
多重化された電気信号を符号化する符号化手段(304)と、受信した光信号又は無線信号から変換された電気信号を復号する復号手段(307)を備えている、
請求項1、2、3又は4記載の伝送中継装置。
【請求項6】
ハンドシェイクの有効/無効を検出するハンドシェイク設定検出部(310)を備えており、無効に設定するときに、伝送中継装置がDCEモードであるときは、シリアル通信機器から送信要求信号を受信したら、送信可能信号を前記シリアル通信機器に返信し、前記シリアル通信機器からデータ端末レディ信号を受信したら、データセットレディ信号を前記シリアル通信機器に返信するようにした、
請求項1、2、3、4又は5記載の伝送中継装置。
【請求項7】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間でシリアル信号を伝送するシステムであって、
ホスト側のシリアル通信機器(1)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と、ホスト側の伝送中継装置(3)と、遠隔側の伝送中継装置(4)と、ホスト側のシリアル通信機器(1)と伝送中継装置(3)をつなぐケーブル(5)と、遠隔側のシリアル通信機器(2)と伝送中継装置(4)をつなぐケーブル(7)及び伝送中継装置(3,4)同士をつないで伝送距離を延長する光ケーブル(6)又は無線とで構成されており、
前記ホスト側と遠隔側の伝送中継装置(3,4)は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の伝送中継装置である、
シリアル信号遠隔伝送システム。
【請求項8】
遠隔位置にある二台のシリアル通信機器(1,2)間で、一方側のシリアル通信機器(1)に接続された伝送中継装置(3)と他方側のシリアル通信機器(2)に接続された伝送中継装置(4)によって、シリアル信号と、光信号又は無線信号を相互に変換し、各伝送中継装置(3,4)間を光ケーブル(6)又は無線で延長して、シリアル信号を伝送するシリアル信号の遠隔伝送方法であって、
前記両伝送中継装置(3,4)は、自局のシリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態を表す情報を他局の伝送中継装置に送信する光信号又は無線信号に含めて多重化して送信し、両伝送中継装置で自局と他局の伝送中継装置における前記シリアル信号と、光信号又は無線信号の受信状態が正常か異常かを表示する、
シリアル信号の遠隔伝送方法。
【請求項9】
自局のシリアル信号と光信号又は無線信号及び他局のシリアル信号と光信号又は無線信号のうち少なくとも1の受信状態が異常であるときに、シリアル通信機器(1,2)へのシリアル信号の送信を遮断するようにした、
請求項8記載のシリアル信号の遠隔伝送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−16936(P2013−16936A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146812(P2011−146812)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000207089)大電株式会社 (67)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000207089)大電株式会社 (67)
【Fターム(参考)】
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