説明

伝送装置および回線データ作成方法

【課題】
従来は、二重障害を回避するために端末パッケージで二重化運用する場合、信号の衝突を回避できなかった。
【解決手段】
0系と1系の回線を終端する2系統の端末パッケージと、0系と1系の伝送路に接続する2系統の伝送路パッケージと、受信セレクタを持たず、複数の入出力ポートのいずれかに接続される前記端末パッケージと、前記端末パッケージとは異なる入出力ポートに接続される前記伝送路パッケージとの間の前記入出力ポート間の接続経路を切り替える2系統のスイッチパッケージとで構成される伝送装置において、前記スイッチパッケージは、前記接続経路を切り替えるための複数経路の回線データを予め保持する回線データ記憶部と、前記接続経路を切り替えるためのスイッチ部と、前記回線データ記憶部に保持された前記回線データに基づいて前記スイッチ部の切り替えを行う切り替え制御部とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、0系および1系で二重化された回線を用いられ、伝送路パッケージおよび端末パッケージを接続するSW(スイッチ)パッケージを有する伝送装置における二重化運用技術に関する。特に、受信セレクタを持たないSWパッケージと、シェルフ内で共用バスによって接続される端末パッケージとを有する伝送装置において、端末パッケージを二重化運用する為の回線切り替え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
0系および1系で二重化された回線を用いる伝送システム900の従来例を図28に示す。図28において、伝送システム900は、伝送装置910と、伝送装置920と、伝送装置930とで構成されている。そして、伝送装置910の端末Aパッケージ(以降の図では端末A_PKGと記載)911から、伝送装置920を介して伝送装置930の端末Bパッケージ(以降の図では端末B_PKGと記載)931までの間に、0系と1系の回線が構築される。
【0003】
伝送装置910は、ユーザー側の伝送装置(不図示)を接続するための端末Aパッケージ911と、0系のスイッチパッケージ(以降の図ではSW_PKG(0系)と記載)912と、0系の伝送路パッケージ(以降の図では伝送路_PKG(0系)と記載)913と、1系のスイッチパッケージ(以降の図ではSW_PKG(1系)と記載)914と、1系の伝送路パッケージ(以降の図では伝送路_PKG(1系)と記載)915とで構成される。
【0004】
端末A_PKG911は、SW_PKG(0系)912およびSW_PKG(1系)914が出力する二系統の信号を選択するための受信セレクタ911aを有している。尚、受信セレクタ911aは、伝送装置910の装置制御部である制御盤(不図示)によって制御され、SW_PKG(0系)912およびSW_PKG(1系)914が出力する二系統の信号のいずれかを選択して端末A_PKG911に入力し、ユーザー側の伝送装置に出力する。また、ユーザー側の伝送装置から端末A_PKG911に入力する信号は、SW_PKG(0系)912およびSW_PKG(1系)914の両方に出力される。
【0005】
SW_PKG(0系)912およびSW_PKG(1系)914は、パッケージを接続するための複数の入出力ポートを有し、これらの入出力ポートはクロスポイントスイッチで相互に自由に接続できるようになっている。そして、例えば伝送装置910の場合は、いずれかのポートに装着される端末A_PKG911と、別のポートに装着される伝送路_PKG(0系)913および伝送路_PKG(1系)915との間の接続を行い、0系の上り回線(端末B_PKG931から端末A_PKG911の方向の回線)および0系の下り回線(端末A_PKG911から端末B_PKG931の方向の回線)や、同様に1系の上り回線/下り回線を構築する。
【0006】
伝送路_PKG(0系)913および伝送路_PKG(1系)915は、伝送装置910の接続先の伝送装置である伝送装置920との間で信号を送受信する。
【0007】
このようにして、伝送装置910に接続されるユーザー側の伝送装置の送受信信号は、0系と1系の二重化された回線で伝送装置920に接続される。
【0008】
図28において、伝送装置920は、伝送路A_PKG(0系)921と、SW_PKG(0系)922と、伝送路B_PKG(0系)923とで0系の回線を構成し、伝送路A_PKG(1系)924と、SW_PKG(1系)925と、伝送路B_PKG(1系)926とで1系の回線を構成する。
【0009】
伝送路A_PKG(0系)921および伝送路A_PKG(1系)924は、伝送装置910との間で信号を送受信し、伝送路B_PKG(0系)923および伝送路B_PKG(1系)926は、伝送装置930との間で信号を送受信する。
【0010】
SW_PKG(0系)922およびSW_PKG(1系)925は、先に説明した伝送装置910のSW_PKG(0系)912およびSW_PKG(1系)914と同様に、パッケージを接続するための複数の入出力ポートを有し、これらの入出力ポートはクロスポイントスイッチで相互に自由に接続することができるようになっている。そして、例えば伝送装置920の場合、SW_PKG(0系)922は、いずれかのポートに装着される伝送路A_PKG(0系)921と、別のポートに装着される伝送路B_PKG(0系)923との間の接続を行い、SW_PKG(1系)925は、伝送路A_PKG(1系)924と伝送路B_PKG(1系)926との間の接続を行い、それぞれ0系および1系における上り回線と下り回線とを構築する。
【0011】
このようにして、伝送装置920は、伝送装置910と伝送装置930との間に0系と1系の二重化された回線を構築する。
【0012】
図28において、伝送装置930は、ユーザー側の伝送装置(不図示)を接続するための端末B_PKG931と、SW_PKG(0系)932と、伝送路_PKG(0系)933と、SW_PKG(1系)934と、伝送路_PKG(1系)935とで構成される。尚、伝送装置930は伝送装置910と同じ構成で、端末B_PKG931は端末A_PKG911に、SW_PKG(0系)932はSW_PKG(0系)912に、伝送路_PKG(0系)933は伝送路_PKG(0系)913に、SW_PKG(1系)934はSW_PKG(1系)914に、伝送路_PKG(1系)935は伝送路_PKG(1系)915に、それぞれ対応し、同様に動作する。
【0013】
このように、従来の二重化回線は、0系の回線と1系の回線とが独立して2つの回線を構築している。そして、0系の回線に障害が発生した場合は1系の回線に切り替え、1系の回線に障害が発生した場合は0系の回線に切り替えることによって、伝送システムの冗長性を確保している。尚、図28では、0系の回線は選択系の回線(選択された運用中の回線)で、太線実線で示した経路が選択系の上り回線、太線点線で示した経路が選択系の下り回線をそれぞれ示す。また、1系の回線は非選択系の回線(選択されていない非運用中の回線)で、上り回線および下り回線共に細線点線で示してある。
【0014】
ところが、0系の回線と1系の回線の両方で障害が発生した場合、例えば伝送装置920の伝送路A_PKG(0系)921と伝送路B_PKG(1系)926とで障害が発生すると、通信できなくなってしまう。この場合、伝送装置910と伝送装置920および伝送装置920と伝送装置930の間の回線は、共に活きている回線であるにも拘らず、回線断になってしまうという問題が生じる。
【0015】
そこで、伝送装置920内で0系と1系の回線を相互に接続して迂回路を構築すれば、上記のような二重障害が発生した場合でも回線を維持することができる。図29は、伝送装置920の代わりに伝送装置920aを配置した伝送システム900aの一例を示す図である。尚、伝送システム900aにおいて、伝送システム900と同符号のものは同じものを示す。伝送システム900aと伝送システム900との違いは、伝送装置920aに回線終端用の端末パッケージ(端末_PKG927)が配置され、受信セレクタ927aおよび受信セレクタ927bによって、0系の回線と1系の回線とを切り替えて、相互に接続できるようになっている。上記以外の伝送路A_PKG(0系)921,伝送路B_PKG(0系)923,伝送路A_PKG(1系)924,伝送路B_PKG(1系)926,SW_PKG(0系)922およびSW_PKG(1系)925は、伝送装置920と同じである。ここで、一般的に端末パッケージは二重化された回線を終端して利用するので、一重化で運用される場合が多く、内部の受信セレクタで二重化された回線のいずれかを選択できる構成になっている。端末_PKG927も双方向に受信セレクタ有しているが、基本的には端末A_PKG911や端末B_PKG931と同様の端末パッケージである。
【0016】
端末_PKG927は、SW_PKG(0系)922を介して入力する伝送路A_PKG(0系)921の信号と、SW_PKG(1系)925を介して入力する伝送路A_PKG(1系)924の信号とを受信セレクタ927bによって選択し、再びSW_PKG(0系)922を介して伝送路B_PKG(0系)923に出力し、同時にSW_PKG(1系)925を介して伝送路B_PKG(1系)926に出力する。
【0017】
同様に、端末_PKG927は、SW_PKG(0系)922を介して入力する伝送路B_PKG(0系)923の信号と、SW_PKG(1系)925を介して入力する伝送路A_PKG(1系)926の信号とを受信セレクタ927aによって選択し、再びSW_PKG(0系)922を介して伝送路B_PKG(0系)921に出力し、同時にSW_PKG(1系)925を介して伝送路B_PKG(1系)924に出力する。
【0018】
このようにして、伝送装置920aは、端末_PKG927から紙面上側の端末A_PKG911までの回線と、端末_PKG927から紙面下側の端末B_PKG931までの回線とをそれぞれ異なる系に設定することができる。例えば端末A_PKG911から端末_PKG927までを0系の回線に設定し、端末_PKG927から端末B_PKG931までを1系の回線に設定することができる。同様に、0系と1系とを逆の回線に設定することも可能である。これにより、例えば伝送装置920aの伝送路A_PKG(0系)921と伝送路B_PKG(1系)926とで障害が発生した場合は、端末_PKG927から端末A_PKG911までの回線を1系にして、端末_PKG927から端末B_PKG931までの回線を0系に設定することで通信回線を維持することができる。尚、受信セレクタによる二重化技術は、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開平04−236531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところが、伝送システム900aの場合は、端末_PKG927の部分が一重化運用していることになるので、端末_PKG927に障害が発生した場合は通信できなくなってしまう。つまり、二重故障の対策のために端末_PKG927を設けたことにより二重化運用に支障をきたすという新たな問題が生じる。
【0020】
ここで、SW_PKG(0系)922やSW_PKG(1系)934に受信セレクタを持たせる案が考えられるが、先に説明したように、これらのスイッチパッケージは複数の入出力ポートを用いて装着される各パッケージ間の接続を行うため、各ポート毎に受信セレクタを設ける必要があり、また受信セレクタで選択すべきポートが隣接するポートではない場合なども想定され、実現できたとしても複雑な回路構成となり、コスト的な問題が生じる。このため、スイッチパッケージには受信セレクタが搭載されないのが一般的である。本発明は、このような受信セレクタを持たないスイッチパッケージを有する伝送装置における二重化の問題を解決するための技術である。
【0021】
次に、二重故障の対策のために端末_PKG927を設けたことにより二重化運用に支障をきたすという新たな問題を解決するために、端末_PKG927も二重化する案が考えられる。図30は、伝送装置920aの代わりに伝送装置920bを配置した伝送システム900bの一例を示す図である。尚、伝送システム900bにおいて、伝送システム900および伝送システム900aと同符号のものは同じものを示す。伝送システム900aと伝送システム900bとの違いは、伝送装置920bに端末_PKG(0系)928および端末_PKG(1系)929が配置され、二重化されていることである。また、端末_PKG(0系)928は、受信セレクタ928aおよび受信セレクタ928bによって、0系の回線と1系の回線とを切り替えて、相互に接続できるようになっている。同様に、端末_PKG(1系)929は、受信セレクタ929aおよび受信セレクタ929bによって、0系の回線と1系の回線とを切り替えて、相互に接続できるようになっている。
【0022】
尚、上記以外の伝送路A_PKG(0系)921,伝送路B_PKG(0系)923,伝送路A_PKG(1系)924,伝送路B_PKG(1系)926,SW_PKG(0系)922およびSW_PKG(1系)925は、伝送装置920および伝送装置920aと同じである。
【0023】
ところが、端末_PKG(0系)928から伝送路_PKG(0系)921へ出力するためにSW_PKG(0系)922に入る信号と、端末_PKG(1系)929から伝送路_PKG(0系)921へ出力するためにSW_PKG(0系)922に入る信号とが衝突するという問題が新たに生じる。同様に、端末_PKG(0系)928から伝送路_PKG(1系)924へ出力するためにSW_PKG(1系)925に入る信号と、端末_PKG(1系)929から伝送路_PKG(1系)924へ出力するためにSW_PKG(1系)925に入る信号とが衝突する。伝送装置930側の伝送路B_PKG(0系)923および伝送路B_PKG(1系)926へそれぞれ出力するためにSW_PKG(0系)922およびSW_PKG(1系)925に入る信号も衝突するという問題が生じる。
【0024】
つまり、受信セレクタを持たないスイッチパッケージを搭載する従来の伝送装置920は二重障害に対応できないという問題があり、二重障害を回避するために端末_PKG927を設けた伝送装置920aは端末_PKG927で一重化運用しかできないという問題があり、さらに端末_PKG927を二重化した伝送装置920bでは主信号が衝突するという問題が生じる。
【0025】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、二重障害を回避するために端末パッケージで二重化運用する場合でも信号の衝突を回避できる伝送装置および回線データ作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
請求項1に係る伝送装置は、0系と1系の回線を終端する2系統の端末パッケージと、0系と1系の伝送路に接続する2系統の伝送路パッケージと、受信セレクタを持たず、複数の入出力ポートのいずれかに接続される前記端末パッケージと、前記端末パッケージとは異なる入出力ポートに接続される前記伝送路パッケージとの間の前記入出力ポート間の接続経路を切り替える2系統のスイッチパッケージとで構成される伝送装置において、前記スイッチパッケージは、前記接続経路を切り替えるための複数経路の回線データを予め保持する回線データ記憶部と、前記接続経路を切り替えるためのスイッチ部と、前記回線データ記憶部に保持された前記回線データに基づいて前記スイッチ部の切り替えを行う切り替え制御部とで構成されることを特徴とする。
【0027】
請求項2に係る伝送装置は、請求項1に記載の伝送装置において、前記伝送装置内の回線異常区間を検出する故障検出部を更に設け、前記切り替え制御部は、前記故障検出部が検出した回線異常区間を迂回する経路の回線データを前記回線データ記憶部から読み出して前記スイッチ部の接続経路を切り替えることを特徴とする。
【0028】
請求項3に係る伝送装置は、請求項1または2に記載の伝送装置において、前記スイッチ部は、前記複数の入出力ポート間の接続をオンオフするクロスコネクトスイッチで構成され、前記回線データ記憶部に記憶される回線データは、前記複数の入出力ポート間の接続関係を示すクロスコネクトテーブルであることを特徴とする。
【0029】
請求項4に係る伝送装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の伝送装置において、前記回線データ記憶部に記憶される複数経路の回線データは、前記端末パッケージを二重化運用するための回線データと、二重化運用中の前記端末パッケージから一重化運用へ変更するための回線データと、一重化運用中の前記端末パッケージから二重化運用へ変更するための回線データとを少なくとも含むことを特徴とする。
【0030】
請求項5に係る伝送装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の伝送装置において、前記故障検出部は、前記スイッチパッケージのポートの入力異常を検出し、前記回線データ記憶部は、前記スイッチパッケージのポート毎に、通常運用回線データと、ペアポート異常回線データとを予め記憶し、前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記通常運用回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記ペアポート異常回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行うことを特徴とする。
【0031】
請求項6に係る伝送装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の伝送装置において、前記故障検出部は、前記スイッチパッケージのポートの入力異常を検出し、前記回線データ記憶部は、切り替え可能な第1メモリと第2メモリとで構成され、前記スイッチパッケージのポート毎の通常運用回線データを前記第1メモリに、前記スイッチパッケージのポート毎のペアポート異常回線データを前記第2メモリにそれぞれ記憶し、前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記第1メモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記第2メモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行うことを特徴とする。
【0032】
請求項7に係る伝送装置は、請求項5に記載の伝送装置において、前記回線データ記憶部は、前記スイッチパッケージのポート毎に、通常運用回線データと、複数のペアポート異常回線データとを予め記憶し、前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記通常運用回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記複数のペアポート異常回線データのいずれかに基づいて前記接続経路の切り替えを行うことを特徴とする。
【0033】
請求項8に係る伝送装置は、請求項6に記載の伝送装置において、前記回線データ記憶部を切り替え可能な複数のメモリで構成し、前記スイッチパッケージのポート毎に、通常運用回線データと複数のペアポート異常回線データとを作成して前記複数のメモリにそれぞれ記憶し、前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記通常運用回線データを記憶するメモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記複数のペアポート異常回線データを記憶する前記複数のメモリのいずれか1つのメモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行うことを特徴とする。
【0034】
請求項9に係る回線データ作成方法は、0系と1系の回線を終端する2系統の端末パッケージと、0系と1系の伝送路に接続する2系統の伝送路パッケージと、受信セレクタを持たず、複数の入出力ポートのいずれかに接続される前記端末パッケージと、前記端末パッケージとは異なる入出力ポートに接続される前記伝送路パッケージとの間の前記入出力ポート間の接続経路を切り替える2系統のスイッチパッケージとで構成される伝送装置における回線データ作成方法において、前記回線データは、前記端末パッケージを二重化運用するための回線データと、二重化運用中の前記端末パッケージから一重化運用へ変更するための回線データと、一重化運用中の前記端末パッケージから二重化運用へ変更するための回線データとを少なくとも含むことを特徴とする。
【0035】
請求項10に係る回線データ作成方法は、請求項9に記載の回線データ作成方法において、前記伝送装置を二重化運用する場合の回線データは、0系の前記端末パッケージからの経路は0系のスイッチパッケージにのみ疎通ルートを形成し、1系の前記端末パッケージからの経路は1系のスイッチパッケージにのみ疎通ルートを形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、二重障害を回避するために端末パッケージで二重化運用する場合でも信号の衝突を回避することができる。
【0037】
特に、スイッチパッケージ側に受信セレクタを持たない構成の伝送装置において、端末パッケージの二重化運用が可能であり、障害発生時における回線の信頼性を向上できる。
【0038】
また、端末パッケージを一重化運用する場合とほぼ同等の手順で、二重化運用時の回線データを作成可能なので、操作性の向上と誤設定を防止できる。
【0039】
さらに、端末パッケージを一重化または二重化で運用している回線データに関して、一重化から二重化へ、またその逆の変更が容易なので、操作性の向上と誤設定を防止できる。
【0040】
また、端末パッケージに故障が発生した場合でも回線の疎通ルートを最適化するので、ネットワーク全体の回線の信頼性を向上できる。
【0041】
さらに、端末パッケージを三重化や四重化のようにハードウェアの受信セレクタに依存しない運用が可能なので、重要回線において更なる回線の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る伝送システム100の一例を示す図である。
【図2】本発明方式におけるスイッチパッケージのポート接続例を示す図である。
【図3】クロスコネクトテーブル(接続テーブル)の一例を示す図である。
【図4】本発明方式における0系端末パッケージ故障時の疎通ルート例を示す図である。
【図5】端末パッケージを二重化する場合の問題点を示す伝送システム900bの一例を示す図である。
【図6】端末パッケージを二重化する場合の問題点を示す伝送システム900bの一例を示す図である。
【図7】SWパッケージと0系の端末パッケージとの接続例を示す図である。
【図8】0系端末パッケージの回線データ例を示す図である。
【図9】SWパッケージと0系/1系端末パッケージとの接続例(疎通可能)を示す図である。
【図10】0系および1系の端末パッケージの回線データ例を示す図である。
【図11】SWパッケージと0系/1系端末パッケージとの接続例(疎通不可能)を示す図である。
【図12】0系および1系の端末パッケージの設定を逆にした場合の接続例を示す図である。
【図13】隣接しない2ポートに0系および1系の端末パッケージ搭載をした場合の接続例を示す図である。
【図14】0系SWパッケージ内の疎通ルート(構築前)の一例を示す図である。
【図15】0系SWパッケージの回線データ(構築前/構築後) の一例を示す図である。
【図16】0系SWパッケージ内の疎通ルート(構築後)の一例を示す図である。
【図17】実装設定,回線設定,保存処理のフローチャート概要を示す図である。
【図18】一般的な回線設定のフローチャートを示す図である。
【図19】パッケージ毎設定データ作成処理フローチャートを示す図である。
【図20】本発明方式でのパッケージ毎設定データ作成処理フローチャート概要を示す図である。
【図21】本発明方式での0系パッケージ毎設定データ作成処理フローチャートを示す図である。
【図22】本発明方式での1系パッケージ毎設定データ作成処理フローチャートを示す図である。
【図23】本発明方式でのSWパッケージ毎設定データ作成処理フローを示す図である。
【図24】3重化構成時の各ポート毎回線データ(通常運用時)例を示す図である。
【図25】二重化0系ポートに関するペアポート異常時回線データ例を示す図である。
【図26】二重化1系ポートに関するペアポート異常時回線データ例を示す図である。
【図27】予備ポートに関するペアポート異常時回線データ例を示す図である。
【図28】二重化運用する伝送システム900の一例を示す図である。
【図29】端末_PKG927を用いる伝送システム900aの一例を示す図である。
【図30】端末パッケージを二重化する場合の問題点を示す伝送システム900bの一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明に係る伝送装置および回線データ作成方法の実施形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0044】
[伝送システム100の構成例]
図1は本実施形態で説明する伝送システム100の一例を示す図である。尚、伝送装置910および伝送装置930は図28,図29および図30で説明した伝送装置910および伝送装置930と同じものである。本実施形態における伝送システム100の特徴は、伝送装置120の構成および二重化運用するための回線データの作成方法にある。以下、伝送装置120の構成および動作について詳しく説明する。尚、図28,図29および図30などでは省略したが、伝送システム100の各伝送装置は、監視制御網152を介して監視制御装置151に接続されており、監視制御装置151との間で制御情報を送受信する。例えば、各伝送装置の設定データを監視制御装置151側から転送して設定したり、或いは各伝送装置側から警報などの情報を監視制御装置151に通知する。また、監視制御網152は、各伝送装置間で送受信される主信号に含めてインバンドで監視制御網152を構築しても構わない。本実施形態では、監視制御装置151側で各伝送装置の回線データをオフラインで作成して、各伝送装置に転送して設定するものとする。そして、各伝送装置に設定後は、各伝送装置側で二重化運用を行う。
【0045】
[伝送装置120の構成例]
図1において、伝送装置120は、伝送路A_PKG(0系)121と、SW_PKG(0系)122と、伝送路B_PKG(0系)123と、伝送路A_PKG(1系)124と、SW_PKG(1系)125と、伝送路B_PKG(1系)126と、端末_PKG(0系)128と、端末_PKG(1系)129とで構成される。
【0046】
伝送路A_PKG(0系)121および伝送路A_PKG(1系)124は、伝送装置910との間で信号を送受信し、伝送路B_PKG(0系)123および伝送路B_PKG(1系)126は、伝送装置930との間で信号を送受信する。
【0047】
SW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125は、先に説明した伝送装置910のSW_PKG(0系)912およびSW_PKG(1系)914と同様に、パッケージを接続するための複数の入出力ポートを有し、これらの入出力ポートはクロスポイントスイッチで相互に自由に接続することができるようになっている。そして、例えば伝送装置120の場合、SW_PKG(0系)122は、それぞれ異なるポートに装着される伝送路A_PKG(0系)121および伝送路B_PKG(0系)123と、端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129との間の接続を行い、SW_PKG(1系)125は、それぞれ異なるポートに装着される伝送路A_PKG(1系)124および伝送路B_PKG(1系)126と、端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129との間の接続を行う。
【0048】
特に、SW_PKG(0系)122は、端末_PKG(0系)128から伝送路A_PKG(0系)121側に出力される信号と、端末_PKG(1系)129から伝送路A_PKG(0系)121側に出力される信号のいずれかの入力を無効化する。例えば図1の例では、SW_PKG(0系)122は、端末_PKG(1系)129から出力される信号を無効化し、端末_PKG(0系)128から出力される信号だけを伝送路A_PKG(0系)121側に出力する。これにより、図30で説明したような主信号の衝突を回避することができる。同様に、図1において、SW_PKG(1系)125の伝送路A_PKG(1系)124側に出力する信号についても、端末_PKG(0系)128から出力される信号を無効化し、端末_PKG(1系)129から出力される信号だけを伝送路A_PKG(1系)124側に出力しているので、主信号の衝突を回避できる。同様に、SW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125から伝送路B_PKG(0系)123側および伝送路B_PKG(1系)126側に出力される信号についても端末_PKG(0系)128の出力または端末_PKG(1系)129の出力のいずれかを無効化することによって主信号の衝突を回避している。
【0049】
また、伝送装置120において、端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129から紙面上側の伝送装置910までの回線と、端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129から紙面下側の伝送装置930までの回線とをそれぞれ異なる系に設定することができる。例えば伝送路A_PKG(1系)124と伝送路B_PKG(0系)123とに二重障害が発生した場合、SW_PKG(0系)122から伝送路A_PKG(0系)121側へ出力する信号において、端末_PKG(1系)129の出力を無効化して端末_PKG(0系)128を出力することで紙面上側では0系の運用が可能になる。一方、SW_PKG(1系)125から伝送路B_PKG(1系)126側へ出力する信号において、端末_PKG(1系)129の出力または端末_PKG(0系)128の出力のいずれかを無効化して伝送路B_PKG(1系)126側に出力することで紙面下側では1系の運用が可能になる。
【0050】
このようにして、伝送装置120は、二重化された端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129を介して、伝送装置910と伝送装置930との間に0系と1系の二重化された回線を構築することができる。これにより、二重障害が発生した場合でも回線断になることを回避でき、伝送システム100の信頼性を向上できる。
【0051】
[SW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125のポートの接続例]
ここで、図1においてSW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125のポート接続例について詳しく説明する。先に説明したように、SW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125は複数の入出力ポートを有しており、これらのポート間の接続を切り替えることによって経路を自由に変更できるようになっている。図2は、端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129から伝送装置910側の構成を拡大して詳しく描いた図である。尚、図2において、図1と同符号のものは同じものを示す。ここで、例えばポート3(Port03)の入力ポートと出力ポートとを区別する場合は、入力ポートを(Pi−03),出力ポートを(Po−03)とそれぞれ表記するものとする。例えば、ポート10(Port10)の入力ポートは(Pi−10),出力ポートは(Po−10)となる。
【0052】
図2において、SW_PKG(0系)122が例えば10個の入出力ポートを有している場合の例を挙げて説明する。SW_PKG(0系)122のポート9(入力ポート(Pi−09)および出力ポート(Po−09))には端末_PKG(0系)128、ポート10(入力ポート(Pi−10)および出力ポート(Po−10))には端末_PKG(1系)129がそれぞれ接続されている。そして、SW_PKG(0系)122のポート3(入力ポート(Pi−03)および出力ポート(Po−03))には伝送路A_PKG(0系)121が接続されている。
【0053】
一方、SW_PKG(1系)125のポート9(入力ポート(Pi−09)および出力ポート(Po−09))には端末_PKG(0系)128、ポート10(入力ポート(Pi−10)および出力ポート(Po−10))には端末_PKG(1系)129がそれぞれ接続されている。そして、SW_PKG(1系)125のポート4(入力ポート(Pi−04)および出力ポート(Po−04))には伝送路A_PKG(1系)124が接続されている。
【0054】
SW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−10)は無効化され、端末_PKG(0系)128から出力される信号と端末_PKG(1系)129から出力される信号とは衝突せず、端末_PKG(0系)128から入力ポート(Pi−09)に入力される信号は、出力ポート(Po−03)を介して伝送路A_PKG(0系)121に出力され、伝送装置910側に送信される。同様に、SW_PKG(1系)125の入力ポート(Pi−09)は無効化され、端末_PKG(1系)129から出力される信号と端末_PKG(0系)128から出力される信号とは衝突せず、端末_PKG(1系)129から入力ポート(Pi−10)に入力される信号は、出力ポート(Po−04)を介して伝送路A_PKG(1系)124に出力され、伝送装置910側に送信される。尚、図2において、黒色菱形マークは無効化されてどこにも接続されていない信号を示す。
【0055】
このようにして、端末_PKG(0系)128と端末_PKG(1系)129で二重化した場合でも図30の伝送装置920bのように主信号が衝突することなく、伝送装置910との間で2系統の回線を維持することができる。
【0056】
ここで、図2において、SW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125のそれぞれ10個の入出力ポート名は便宜上同じ記号を用いているが、同じものではない。例えば、SW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−09)と、SW_PKG(1系)125の入力ポート(Pi−09)はそれぞれ別のものである。本文の説明では、わかり易いように、SW_PKG(0系)122やSW_PKG(1系)125などを付加して記載するものとする。
【0057】
次に、SW_PKG(0系)122やSW_PKG(1系)125の内部では、ポート間の接続関係を示すクロスコネクトテーブルを保持し、クロスコネクトテーブルに従ってクロスポイントスイッチをオン/オフ(接続/非接続)し、各ポート間の接続が切り替えられる。図3は、クロスコネクトテーブルの一例を示す図である。尚、クロスコネクトテーブルは、各ポート毎に設けられ、接続先のポート番号が記載されている。ここでは、各出力ポートがどの入力ポートから信号を受け取るかを示すものとする。例えば図3(a)は、SW_PKG(0系)122の出力ポート(Po−03)のテーブル例を示し、約200Mbpsの通信容量に対応する3240個のTSで構成され、各TS毎に接続先の入力ポート番号が記載される。例えば図3(a)の例では、「10番目のTSから19番目のTSまで」の10個の連続するTSの回線(約640K)が設定され、入力ポート(Pi−09)に接続される設定になっている。つまり、入力ポート(Pi−09)から入力する信号が出力ポート(Po−03)から出力されることを意味する。同様に、図3(b)は、SW_PKG(0系)122の出力ポート(Po−09)のテーブル例を示し、「10番目のTSから19番目のTSまで」の10個の連続するTSの回線(約640K)が設定され、入力ポート(Pi−03)に接続される設定になっている。つまり、入力ポート(Pi−03)から入力する信号が出力ポート(Po−09)から出力されることを意味する。
【0058】
図3のテーブル例を図2のSW_PKG(0系)122に適用した場合、図2のSW_PKG(0系)122において、入力ポート(Pi−09)と出力ポート(Po−03)との間の接続と、入力ポート(Pi−03)と出力ポート(Po−09)との間の接続とが行われる。図2のSW_PKG(0系)122の場合は、入力ポート(Pi−10)は無効化されているので、SW_PKG(0系)122の10個の出力ポートのいずれのテーブルにも接続先として記載されない。また、図2のSW_PKG(0系)122において、出力ポート(Po−10)のテーブルには、図3(b)の出力ポート(Po−09)と同じ内容が記載され、入力ポート(Pi−03)から入力する信号を出力ポート(Po−10)からも出力される。
【0059】
尚、SW_PKG(1系)125の各入出力ポートについても同様のクロスコネクトテーブルによってポート間の接続が行われる。
【0060】
このようにして、SW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125の内部では、ポート間の接続関係を示すクロスコネクトテーブルを保持し、クロスコネクトテーブルに従ってクロスポイントスイッチをオン/オフし、各ポート間の接続が切り替えられる。尚、クロスコネクトテーブルは、予め作成された各パッケージ毎に保持する回線設定データ(通常運用時や故障発生時など二重化運用や一重化運用を含む複数の回線接続データ)に基づいて更新される。例えば通常運用時のポート間接続と、故障発生時のポート間接続とは異なる。
【0061】
ここで、2系統の回線で障害が発生していない通常運用の回線設定を行う場合、図2のSW_PKG(0系)122において、出力ポート(Po−03)に接続可能な入力ポートは、入力ポート(Pi−09)と入力ポート(Pi−10)の2系統が存在する。そこで、本実施形態では、通常運用の回線設定を行う場合の疎通ルート構築のルールを決めておく。例えば0系の端末パッケージ(図2では端末_PKG(0系)128)からは同じ0系のスイッチパッケージ(図2ではSW_PKG(0系)122)にのみ疎通ルートを構築し、1系のスイッチパッケージ(図2ではSW_PKG(1系)125)には疎通ルートを構築しない。これにより、主信号の衝突を回避しながら回線の二重化運用が可能になる。
【0062】
[障害発生時の回線形成]
次に、障害発生時の回線形成の一例について説明する。図4は、先に説明した伝送システム100において、端末_PKG(0系)128に障害が発生した場合に回線を構築する例を示している。尚、図1と同符号のものは同じものを示す。
【0063】
図4において、端末_PKG(0系)128の障害によって、端末_PKG(0系)128からSW_PKG(0系)122に出力される信号がなくなるので、SW_PKG(0系)122から伝送路A_PKG(0系)121に信号が出力されない。しかしながら、端末_PKG(0系)128は端末_PKG(1系)129で二重化されているので、端末_PKG(1系)129からSW_PKG(1系)125を介して伝送路A_PKG(1系)124に出力されるので、伝送装置930から伝送装置910までの上り回線を維持することができる。尚、この場合、伝送装置930から端末_PKG(1系)129に入力される信号は、0系と1系の2つの回線があるが、端末_PKG(1系)129の受信セレクタ129aでいずれかを選択することにより、主信号が衝突することなく伝送装置910に出力することができる。
【0064】
ここで、図4の端末_PKG(1系)129の受信セレクタ129aは、SW_PKG(0系)122またはSW_PKG(1系)125の2系統の入力が存在する。そこで、本実施形態における通常運用の回線設定を行う場合の疎通ルート構築のルールでは、同じ系(この場合は1系)の信号を選択するものとする。従って、図4の場合は、受信セレクタ129aはSW_PKG(1系)125から出力される1系の主信号を選択する。
【0065】
尚、図4において、端末_PKG(0系)128から伝送装置930側に出力される信号についても同様に端末_PKG(1系)129からSW_PKG(1系)125および伝送路B_PKG(1系)126を介して伝送装置930に出力される。
【0066】
このように、2系統の回線のいずれかで障害が発生した場合(一重障害の場合)は、二重化運用された障害が発生していない系の回線で通信を維持することができる。
【0067】
[二重障害発生時の回線形成]
次に、二重障害発生時の回線形成の一例について説明する。図5は、先に説明した伝送システム100において、先ず図4と同様に端末_PKG(0系)128に障害が発生し、次に伝送路A_PKG(1系)124にも障害が発生する二重障害の場合に回線を構築する例を示している。尚、図1および図4と同符号のものは同じものを示す。
【0068】
図5において、先ず端末_PKG(0系)128の障害によって、図4で説明したように、1系の回線に切り替えられて一重化運用されている状態にあるものとする。この状態で伝送路A_PKG(1系)124に故障が発生するので、端末_PKG(1系)129からSW_PKG(1系)125を介して伝送路A_PKG(1系)124に入力される信号は伝送装置910には送信されない。また、伝送装置910から受信する信号は、SW_PKG(1系)125および端末_PKG(1系)129には出力されない。つまり、端末_PKG(1系)129から伝送装置910までの1系の回線が疎通不良になってしまう。
【0069】
そこで、図6に示すように、端末_PKG(1系)129からSW_PKG(0系)122に出力される信号をSW_PKG(0系)122および伝送路A_PKG(0系)121を介して伝送装置910に出力する0系の回線を疎通させる。これにより、伝送装置930から伝送装置910までの上り回線を構築できる。
【0070】
一方、図5において、伝送装置910から伝送装置930までの下り回線についても、伝送路A_PKG(1系)124を伝送路A_PKG(0系)121に迂回する回線を構築する。つまり、端末_PKG(1系)129の受信セレクタ129bをSW_PKG(1系)125側からSW_PKG(0系)122側に切り替える。これにより、端末_PKG(1系)129から伝送装置930までの下り回線を構築できる。この状態でも構わないが、端末_PKG(1系)129から伝送装置930までの間の回線は一重化運用されることになるので、さらに図6に示すように、SW_PKG(0系)122の端末_PKG(1系)129から伝送路B_PKG(0系)123への経路を構築することによって、端末_PKG(1系)129から伝送装置930までの回線を二重化運用することができ、回線の信頼性を向上することができる。
【0071】
[スイッチパッケージの構成例]
次に、スイッチパッケージの構成例について詳しく説明する。図7は、先に説明した伝送装置120の構成をSW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125を中心に描いた図である。尚、図1および図4と同符号のものは同じものを示す。
【0072】
図7において、伝送装置120は、先に説明した伝送路A_PKG(0系)121,伝送路A_PKG(1系)124,伝送路B_PKG(0系)123,伝送路B_PKG(1系)126,SW_PKG(0系)122,SW_PKG(1系)125,端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129の他に、伝送装置120全体の制御を行うための制御盤300を有している。そして、制御盤300は、装置制御部301と、メモリ302と、故障検出部303とを有し、伝送装置120内の各パッケージの制御や故障の検出などを行い、図1で説明した監視制御網152を介して監視制御装置151との間で制御信号を送受信する。また、伝送路A_PKG(0系)121,伝送路A_PKG(1系)124,伝送路B_PKG(0系)123,伝送路B_PKG(1系)126,SW_PKG(0系)122,SW_PKG(1系)125,端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129などの各パッケージにもそれぞれのパッケージを制御するための制御部や回線データを保持するためのメモリ、或いは制御盤300の故障検出部303に故障検出情報を出力する故障検出インターフェースを有し、各パッケージの制御部は装置制御部301との間で制御信号を送受信する。
【0073】
例えばSW_PKG(0系)122は、パッケージ内の動作を制御するためのPKG制御部401と、パッケージ毎の回線設定データを保持するためのメモリ402と、複数の入出力ポート間の接続を行うためのクロスポイントスイッチなどで構成されるスイッチ部403とを有している。同様に、SW_PKG(1系)125は、PKG制御部411と、メモリ412と、スイッチ部413とを有している。
【0074】
尚、図1で説明した端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129についても、上記のPKG制御部401,411に相当する制御部をそれぞれ有し、各制御部は受信セレクタ128a,受信セレクタ128b,受信セレクタ129aおよび受信セレクタ129bの切り替え制御を行う。
【0075】
[回線データについて]
ここで、図7の各パッケージのメモリに保持される回線データについて説明する。図8は、「始点:伝送装置910の端末A」と「終点:伝送装置120の端末_PKG(0系)128」の間の通信回線を設定するための伝送装置120で必要な回線データの一例である。尚、伝送装置120の各パッケージで構築される回線は先に図3で説明したように、例えば200Mbitの回線容量を有し、1つのTSが約64kbitで全体のTS数が3240個で構成されるものとする。
【0076】
図8(a)は、伝送路A_PKG(0系)121の回線データの一例である。図8(a)の回線データは、0系の上り方向(伝送装置910への出力側)は、200Mbisの回線容量の内、先頭が10番目のTSから連続するTS数が10個(つまり、19番目のTSまで)の約640kbpsの回線を構築することを示している。尚、0系の下り方向(伝送装置910からの入力側)についても同じである。
【0077】
図8(b)は、伝送路A_PKG(1系)124の回線データの一例である。図8(b)の回線データについても図8(a)と同様に、0系の上り方向(伝送装置910への出力側)および0系の下り方向(伝送装置910からの入力側)の各回線は、200Mbisの回線容量の内、先頭が10番目のTSから連続するTS数が10個(つまり、19番目のTSまで)の約640kbpsであることを示している。
【0078】
図8(c)は、端末_PKG(0系)128の回線データの一例である。また、図8(d)は、端末_PKG(1系)129の回線データの一例である。図8(c)および図3−2(d)の各回線データについても、0系の上り/下り方向および1系の上り/下り方向の各回線は、200Mbisの回線容量の内、先頭が10番目のTSから連続するTS数が10個(つまり、19番目のTSまで)の約640kbpsの回線であることを示している。
【0079】
図8(e)は、SW_PKG(0系)122のメモリ402に保持されている回線データの一例である。図8(e)の回線データは、0系の上り方向(SW_PKG(0系)122から伝送路A_PKG(0系)121への出力方向)は、200Mbisの回線容量の内、先頭が10番目のTSから連続するTS数が10個(つまり、19番目のTSまで)の約640kbpsの回線を構築することを示している。そして、この約640kbpsの回線は、SW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−09)から入力した信号を出力ポート(Po−03)から出力するようにスイッチ部403のクロスポイントスイッチがPKG制御部401によって制御される(0系上り方向のレコード431)。この場合の信号経路は、図7のSW_PKG(0系)122の信号経路403aのように構築される。
【0080】
同様に、図8(e)の回線データにおいて、0系の下り方向(伝送路A_PKG(0系)121からSW_PKG(0系)122への入力方向)は、200Mbisの回線容量の内、先頭が10番目のTSから連続するTS数が10個(つまり、19番目のTSまで)の約640kbpsの回線を構築することを示している。そして、この約640kbpsの回線は、SW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−03)から入力した信号を出力ポート(Po−09)から出力するようにスイッチ部403のクロスポイントスイッチがPKG制御部401によって制御される(0系下り方向のレコード432)。この場合の信号経路は、図7のSW_PKG(0系)122の信号経路403bのように構築される。
【0081】
図8(f)は、SW_PKG(1系)125のメモリ412に保持されている回線データの一例である。図8(f)の回線データについても図8(e)の回線データと同様に、SW_PKG(1系)125のスイッチ部413において、入力ポート(Pi−09)から入力した信号を出力ポート(Po−04)から出力するようにスイッチ部413のクロスポイントスイッチがPKG制御部411によって制御される。この場合の信号経路は、図7のSW_PKG(1系)125の信号経路413aのように構築される。同様に、SW_PKG(1系)125のスイッチ部413において、入力ポート(Pi−04)から入力した信号を出力ポート(Po−09)から出力するようにスイッチ部413のクロスポイントスイッチがPKG制御部411によって制御される。この場合の信号経路は、図7のSW_PKG(1系)125の信号経路413bのように構築される。
【0082】
このようにして、SW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125は、端末_PKG(0系)128と伝送路A_PKG(0系)121および伝送路A_PKG(1系)124との間に回線を構築することができる。尚、図7では省略されているが、端末_PKG(1系)129と伝送路A_PKG(0系)121および伝送路A_PKG(1系)124との間にもメモリ402に保持された回線データに応じて各回線が構築される。また、伝送路B_PKG(0系)123および伝送路B_PKG(1系)126側についても同様にSW_PKG(0系)122とSW_PKG(1系)125との間に回線が構築される。尚、図8では省略したが、伝送路B_PKG(0系)123および伝送路B_PKG(1系)126の各メモリにも図8(a)の伝送路A_PKG(0系)121や図8(b)の伝送路A_PKG(1系)124と同様の回線データが保持されている。
【0083】
このように、メモリ402に保持された回線データに応じて伝送装置120内部の回線が切り替えられ、伝送装置910と伝送装置930との間に二重化された回線を提供することができる。特に、障害発生時には、伝送装置120内部の回線をメモリ402に記憶された様々な回線データを参照して障害発生部分を回避することにより、伝送装置910と伝送装置930との間の回線を維持することができる。
【0084】
ここで、各パッケージのメモリに保持される回線データは、図1で説明したように、監視制御装置151側でオフラインで専用のソフトウェアを用いて各伝送装置毎に作成され、予め監視制御装置151から監視制御網152を介して各伝送装置に転送されている。そして、各伝送装置では、装置内の各パッケージのメモリに監視制御装置151から転送された回線データを記憶しておく。例えば図7の伝送装置120の場合は、監視制御装置151から転送される伝送装置120用に作成された全パッケージの回線データは、制御盤300の装置制御部301で一旦受信してメモリ302などに保持した後、各パッケージの回線データをそれぞれ該当するパッケージの制御部に出力し、各パッケージの制御部は受け取った自パッケージの回線データをそれぞれのメモリに記憶する。例えば図7のSW_PKG(0系)122の場合は、PKG制御部401が装置制御部301からSW_PKG(0系)122の回線データを受け取り、メモリ402に受け取った回線データを記憶する。同様に、SW_PKG(1系)125の場合は、PKG制御部411が装置制御部301からSW_PKG(1系)125の回線データを受け取り、メモリ412に受け取った回線データを記憶する。
【0085】
[信号衝突を回避するための回線データ例]
次に、図1で説明したように、信号衝突を回避する場合の回線データ例について図9および図10を用いて説明する。尚、図9は、図7のSW_PKG(0系)122とSW_PKG(1系)125の部分に対応し、スイッチ部403およびスイッチ部413内で構築される信号経路以外は同じ図で、同符号のものは同じものを示す。
【0086】
図9において、伝送路A_PKG(0系)121を端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129の両方に接続できるようにするための経路がSW_PKG(0系)122のスイッチ部403内に構築される。例えば図9の場合は、スイッチ部403には図7で説明した信号経路403aおよび信号経路403bに加えて、信号経路403cおよび信号経路403dが構築される。信号経路403cは入力ポート(Pi−10)から入力した信号を出力ポート(Po−03)から出力するための経路であるが、ここでは無効化されている。尚、図9において、黒色菱形記号は信号が疎通しないことを意味する。従って、出力ポート(Po−03)では、入力ポート(Pi−09)からの信号経路403aと入力ポート(Pi−10)からの信号経路403cとの衝突は回避される。
【0087】
一方、SW_PKG(0系)122のスイッチ部403において、入力ポート(Pi−03)から入力する信号は、出力ポート(Po−09)および出力ポート(Po−10)の両方に出力される。
【0088】
同様に、SW_PKG(1系)125のスイッチ部413において、伝送路A_PKG(1系)124を端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129の両方に接続できるようにするための経路がSW_PKG(1系)125のスイッチ部413内に構築される。例えば図9の場合は、スイッチ部413には図7で説明した信号経路413aおよび信号経路413bに加えて、信号経路413cおよび信号経路413dが構築される。そして、信号経路413cは入力ポート(Pi−10)から入力した信号を出力ポート(Po−04)から出力するための1系の信号経路で、入力ポート(Pi−09)から入力する0系の端末_PKG(0系)128の信号と出力ポート(Po−04)で衝突するので、ここでは系の異なる0系の信号経路413aが無効化される。従って、出力ポート(Po−04)では、入力ポート(Pi−09)からの信号経路413aと入力ポート(Pi−10)からの信号経路413cとの衝突は回避される。
【0089】
一方、SW_PKG(1系)125のスイッチ部413において、入力ポート(Pi−04)から入力する信号は、出力ポート(Po−09)および出力ポート(Po−10)の両方に出力される。
【0090】
このようにして、図1に示したような二重化された回線を構築することができる。ここで、図9の場合のSW_PKG(0系)122およびSW_PKG(1系)125の回線データの一例を図10に示す。尚、図10は先に説明した図8に対応する図で、図10(a)はSW_PKG(0系)122のメモリ402に保持される回線データを示し、図10(b)はSW_PKG(1系)125のメモリ412に保持される回線データを示している。
【0091】
図10(a)の回線データにおいて、0系の上り方向(SW_PKG(0系)122から伝送路A_PKG(0系)121への出力方向)は、図8と同様に約640kbpsの回線を構築する。そして、SW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−09)から入力した信号を出力ポート(Po−03)から出力し、入力ポート(Pi−10)から入力した信号を出力ポート(Po−03)に接続する信号経路は無効化している。これは、先に説明したように、監視制御装置151は、「通常運用時は伝送路パッケージと端末パッケージは同じ系同士(この場合は0系同士)を接続する」というルールに従って回線データを作成しているからである。
【0092】
同様に、図10(a)の回線データにおいて、0系の下り方向(伝送路A_PKG(0系)121からSW_PKG(0系)122への入力方向)についても、図8と同様に約640kbpsの回線を構築する。そして、SW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−03)から入力した信号を出力ポート(Po−09)および出力ポート(Po−10)の両方から出力する。
【0093】
また、図10(b)の回線データにおいて、1系の上り方向(SW_PKG(1系)125から伝送路A_PKG(1系)124への出力方向)は、図8と同様に約640kbpsの回線を構築する。そして、SW_PKG(1系)125の入力ポート(Pi−10)から入力した信号を出力ポート(Po−04)から出力し、入力ポート(Pi−09)から入力した信号を出力ポート(Po−04)に接続する信号経路は無効化している。これは、先に説明したように、監視制御装置151は、「通常運用時は伝送路パッケージと端末パッケージは同じ系同士(この場合は1系同士)を接続する」というルールに従って回線データを作成しているからである。
【0094】
同様に、図10(b)の回線データにおいて、1系の下り方向(伝送路A_PKG(1系)124からSW_PKG(1系)125への入力方向)についても、図8と同様に約640kbpsの回線を構築する。そして、SW_PKG(1系)125の入力ポート(Pi−04)から入力した信号を出力ポート(Po−09)および出力ポート(Po−10)の両方から出力する。
【0095】
このようにして、端末パッケージを二重化した場合でも信号の衝突を回避し、図1に示したような二重化された回線を構築することができる。
【0096】
ここで、例えば上記のような回避策を行わなかった場合は、先に図30で説明したような信号の衝突が発生する。つまり、図10(a)で無効化を行わない場合、図11に示すように、SW_PKG(0系)122のスイッチ部403において、出力ポート(Po−03)には入力ポート(Pi−09)と入力ポート(Pi−10)の両方から信号が入力されることになり、信号の衝突が発生する。同様に、図10(b)で無効化を行わない場合、図11に示すように、SW_PKG(1系)125のスイッチ部413において、出力ポート(Po−04)には入力ポート(Pi−09)と入力ポート(Pi−10)の両方から信号が入力されることになり、信号の衝突が発生する。
【0097】
[信号衝突を回避するための変形例1]
次に、信号衝突を回避するための回線を構築する変形例1について説明する。図9では「通常運用時は伝送路パッケージと端末パッケージは同じ系同士を接続する」というルールで回線データが作成されていたが、「異なる系同士を接続する」というルールにしても構わない図29は、伝送路A_PKG(0系)121に出力する信号は、同じ0系の端末_PKG(0系)128から入力する信号ではなく、1系の端末_PKG(1系)129から入力する信号を用いる例を示している。つまり、図12において、SW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−10)から入力した信号を出力ポート(Po−03)から出力し、入力ポート(Pi−09)から入力した信号を出力ポート(Po−03)に接続する信号経路403aは無効化している。同様に、SW_PKG(1系)125の入力ポート(Pi−09)から入力した信号を出力ポート(Po−04)から出力し、入力ポート(Pi−10)から入力した信号を出力ポート(Po−04)に接続する信号経路403aは無効化している。
【0098】
このように、図9と逆のルールによって信号経路を構築するようにしても構わず、この場合でも、端末パッケージを二重化した時の信号の衝突を回避できる。
【0099】
[信号衝突を回避するための変形例2]
次に、信号衝突を回避するための回線を構築する変形例2について説明する。図9および図12では、端末_PKG(0系)128と端末_PKG(1系)129は隣接するポートに装着された例を示した。本実施形態に係る伝送装置120は、各パッケージが隣接しないポートに装着された場合でも同様に信号の衝突を回避して回線の二重化を実現することができる。
【0100】
例えば図13は、端末_PKG(0系)128をポート10に装着し、端末_PKG(1系)129をポート1に装着する場合を示している。図13のSW_PKG(0系)122のスイッチ部403において、伝送路A_PKG(0系)121に信号を出力するための出力ポート(Po−05)には、端末_PKG(0系)128が装着される入力ポート(Pi−10)からの信号が接続されているが、端末_PKG(1系)129が装着される入力ポート(Pi−01)からの信号は無効化されている。また、入力ポート(Pi−05)に装着される伝送路A_PKG(0系)121からの信号は出力ポート(Po−01)と出力ポート(Po−10)の両方からそれぞれ端末_PKG(1系)129および端末_PKG(0系)128に出力されている。
【0101】
同様に、SW_PKG(1系)125のスイッチ部413において、伝送路A_PKG(1系)124に信号を出力するための出力ポート(Po−06)には、端末_PKG(1系)129が装着される入力ポート(Pi−01)からの信号が接続されているが、端末_PKG(0系)128が装着される入力ポート(Pi−10)からの信号は無効化されている。また、入力ポート(Pi−06)に装着される伝送路A_PKG(1系)124からの信号は出力ポート(Po−01)と出力ポート(Po−10)の両方からそれぞれ端末_PKG(1系)129および端末_PKG(0系)128に出力されている。
【0102】
このように、各パッケージが隣接しないポートに装着された場合でも、SW_PKG(0系)122のスイッチ部403のクロスポイントスイッチの切り替えによって、或いはSW_PKG(1系)125のスイッチ部413のクロスポイントスイッチの切り替えによって、信号の衝突を回避しながら二重化回線を構築できる。
【0103】
[故障発生時の信号衝突を回避するための回線データ例]
次に、故障発生時に信号衝突を回避するための回線を構築する例について説明する。図14は、端末_PKG(0系)128に障害が発生した直後の様子、つまり障害を回避する回線を構築する前のポート間接続の様子を示している。図14のSW_PKG(0系)122のスイッチ部403において、伝送路A_PKG(0系)121に信号を出力するための出力ポート(Po−03)には、端末_PKG(0系)128が装着される入力ポート(Pi−09)からの信号経路403aが接続され、端末_PKG(1系)129が装着される入力ポート(Pi−10)からの信号経路403cは無効化されている。この場合、SW_PKG(0系)122のメモリ402から読み出して運用している回線データは、例えば図15(a)のようになっている。図15(a)の回線データは図14に対応し、SW_PKG(0系)122のスイッチ部403の入力ポート(Pi−10)から出力ポート(Po−03)への経路は無効化されて、図15(a)の回線データには記載されていない。
【0104】
このような状態で、端末_PKG(0系)128に障害が発生すると、信号経路403aからの信号が途切れるので、出力ポート(Po−03)から伝送路A_PKG(0系)121に信号が出力されなくなってしまう。
【0105】
このような場合、図7に示したように、伝送装置120の装置制御部301は、故障検出部303によって端末_PKG(0系)128の障害を検出し、端末_PKG(0系)128を迂回する回線を選択するようにSW_PKG(0系)122のPKG制御部401に指令する。そして、PKG制御部401は、メモリ402に保持されている回線データの中から端末_PKG(0系)128が障害時の回線データを読み出し、この回線データに応じてスイッチ部403を制御して新たな回線を構築する。障害発生後に構築する回線データの一例を図15(b)に示す。図15(b)において、図15(a)で無効化されていたSW_PKG(0系)122の入力ポート(Pi−10)から入力する信号を出力ポート(Po−03)から出力するようにし、入力ポート(Pi−09)から入力する信号は無効化して出力ポート(Po−03)に接続しないようにスイッチ部403を切り替えている。これにより、図16に示すように、信号経路403aに代わって信号経路403cを介して端末_PKG(1系)129が出力する信号を伝送路A_PKG(0系)121に出力することができる。
【0106】
以上説明してきたように、本実施形態に係る伝送装置120は、SW_PKG(0系)122のスイッチ部403およびSW_PKG(1系)125のスイッチ部413を回線状態に応じて切り替えることによって、端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129のように端末パッケージが二重化された場合でも信号の衝突が発生することなく、二重化運用が実現でき、さらに二重障害が発生した場合でも容易に迂回経路にきりかえることができる。これにより、様々な障害の発生に対応することができ、伝送システム100の信頼性を向上できる。
【0107】
尚、上記の実施形態では、各パッケージ毎の回線データは監視制御装置151側でオフラインで作成して監視制御網152を介して各伝送装置に予め転送され、各パッケージのメモリに予め記憶されていることを前提として説明した。次に、これらの回線データの作成方法について詳しく説明する。
【0108】
[回線データの作成方法]
次に、回線データの作成方法について説明する。回線データを作成する場合、一般に行われているように、本実施形態においても先ず「始点」と「終点」を選択する。尚、各回線は、基本的に回線終端機能を有する端末パッケージ間に形成される。
【0109】
図17は、監視制御装置151側で回線データを作成するために使用するアプリケーションソフトウェアのフローチャートである。尚、以降の説明において、各パッケージの回線データは、パッケージ毎設定データと称する。
【0110】
図17は、パッケージ毎設定データを作成するための基本的な流れを示すフローチャートである。
【0111】
(ステップS101)パッケージ毎設定データの作成を開始する。例えば、監視制御装置151のオペレータが回線データを作成するために使用するアプリケーションソフトウェアを実行させる。
【0112】
(ステップS102)実装設定処理では、実装設定ワークファイルを作成する。具体的には、各伝送装置に実装されているパッケージの種類や装着位置などの実装状態を取得し、ワークファイルにまとめる。例えば、先の伝送装置120の場合は、伝送路A_PKG(0系)121,伝送路A_PKG(1系)124,伝送路B_PKG(0系)123,伝送路B_PKG(1系)126,SW_PKG(0系)122,SW_PKG(1系)125,端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129などの実装状態が取得され、ワークファイル化される。尚、実装状態の取得は、監視制御網152を介してSNMPなどにより自動的に取得するようにしても構わないし、伝送装置の設置時や保守時にオペレータによって予め監視制御装置151に入力しておいても構わない。ここで、実装状態とは、伝送装置のラックに対して、どこのスロットにどういう盤を搭載するのかを示す情報である。例えば、伝送装置のラックのシェルフ02のスロット03には端末パッケージ(例えば、電話回線IF盤)が搭載されるなどの情報を実装設定ワークファイルにまとめる。伝送路パッケージやスイッチパッケージなどの搭載位置を示す情報についても同様である。
【0113】
(ステップS103)運用設定処理では、パッケージ設定ワークファイルを作成する。運用設定とは、一重化や二重化などの設定である。パッケージ設定ワークファイルは、例えば、設定対象のパッケージを二重化運用するのか、一重化運用するのかなどを設定し、さらに二重化運用の場合は当該パッケージが0系として運用されるのか、1系として運用されるのかなどを設定する。
【0114】
(ステップS104)始点/終点選択処理では、パス設定ワークファイルを作成する。パス設定ワークファイルは、例えば構築するパス(回線経路)の始点と終点を示す情報で、オペレータにより入力される。
【0115】
パス設定ワークファイルは、例えば、図29のような一重化運用の場合は、「始点:伝送装置910−端末A_PKG911(端末A)」「終点:伝送装置920a−端末_PKG927(回線終端盤)」と、「始点:伝送装置920a−端末_PKG927(回線終端盤)」「終点:伝送装置930−端末B_PKG931(端末B)」の2回線のパス設定ワークファイルが作成される。
【0116】
或いは、図1のような二重化運用の場合の始点/終点選択処理では、伝送装置910,伝送装置120および伝送装置930で構成される伝送システム100なので、以下の4回線のパス設定ワークファイルが作成される。
(回線1)「始点:伝送装置910−端末A_PKG911(端末A)」「終点:伝送装置120−端末_PKG(0系)128」
(回線2)「始点:伝送装置910−端末A_PKG911(端末A)」「終点:伝送装置120−端末_PKG(1系)129」
(回線3)「始点:伝送装置120−端末_PKG(0系)128」「終点:伝送装置930−端末B_PKG931(端末B)」
(回線4)「始点:伝送装置120−端末_PKG(1系)129」「終点:伝送装置930−端末B_PKG931(端末B)」
(ステップS105)タイムスロットアサイン処理では、回線設定ワークファイルを作成する。タイムスロットアサインは、先に図3などで説明したように、TS(タイムスロット)のアサイン(割り当て)を行うことである。例えば、200Mbitの回線の中で、0系の下り回線は10番目のTSから19番目のTSまでの連続する10個のTSを使用し、1系の上り回線は20番目のTSから29番目のTSまでの連続する10個のTSを使用するなどの設定である。
【0117】
(ステップS106)パッケージ毎設定データの作成・保存処理では、ステップS102からステップS105までで作成したワークファイルの情報を集めてパッケージ毎の設定データを作成し、監視制御装置151の記憶媒体の保存する処理である。例えばスロット毎(当該スロットに実装されるパッケージ毎)に実装設定,運用設定,パス設定および回線設定などの情報を各ワークファイルから収集して、当該スロットに実装されるパッケージのパッケージ毎設定データを作成し、保存する。
【0118】
尚、監視制御装置151で作成され保存されたパッケージ毎設定データは、監視制御装置151から各伝送装置に転送され、各伝送装置の該当するパッケージのメモリに保持される。
【0119】
このような一連の処理によって、各伝送装置のパッケージ毎設定データが作成される。尚、上記の処理で作成された各区間の回線(例えば回線1から回線4まで)をまとめて、例えば最終的なユーザー端末間(端末Aから端末Bまでなど)の区間で回線を構築することができる。
【0120】
図17は1つのパッケージについてパッケージ毎設定データを作成する処理の流れを説明したが、複数のパッケージについてパッケージ毎設定データを作成する場合の処理例を図18に示す。図18も図17と同様に、監視制御装置151側で回線データを作成するために使用するアプリケーションソフトウェアのフローチャートである。尚、図18の場合は、端末パッケージA,端末パッケージBおよび端末パッケージCの3つのパッケージについてパッケージ毎設定データを作成する例を示している。
【0121】
(ステップS201)ステップS101と同様に、パッケージ毎設定データの作成を開始する。例えば、監視制御装置151のオペレータが回線データを作成するために使用するアプリケーションソフトウェアを実行させる。
【0122】
(ステップS202)ステップS102と同様に、端末パッケージAについて実装設定処理を行い、実装設定ワークファイルを作成する。
【0123】
(ステップS203)ステップS102と同様に、端末パッケージBについて実装設定処理を行い、実装設定ワークファイルを作成する。
【0124】
(ステップS204)ステップS102と同様に、端末パッケージCについて実装設定処理を行い、実装設定ワークファイルを作成する。
【0125】
(ステップS205)ステップS103と同様に、端末パッケージAについて運用設定処理を行い、パッケージ設定ワークファイルを作成する。尚、図17のフローチャートなどで設定済みの場合は本処理は不要である。この例では、端末パッケージAは一重化運用に設定される。
【0126】
(ステップS206)ステップS103と同様に、端末パッケージBについて運用設定処理を行い、パッケージ設定ワークファイルを作成する。この例では、端末パッケージBは二重化運用で0系に設定される。
【0127】
(ステップS207)ステップS103と同様に、端末パッケージCについて運用設定処理を行い、パッケージ設定ワークファイルを作成する。この例では、端末パッケージCは二重化運用で1系に設定される。
【0128】
(ステップS208)ステップS104と同様に、始点/終点選択処理を行い、パス設定ワークファイルを作成する。この例では、「始点:端末A(端末パッケージA)」「終点:端末B(端末パッケージB)」である。
【0129】
(ステップS209)ステップS105と同様に、タイムスロットアサイン処理を行い、回線設定ワークファイルを作成する。この例では、「始点:端末A(端末パッケージA)」と「終点:端末B(端末パッケージB)」との間に、例えば200Mbitの回線の中で10番目のTSから19番目のTSまでの連続する10個のTSを設定する。
【0130】
(ステップS210)ステップS104と同様に、始点/終点選択処理を行い、パス設定ワークファイルを作成する。この例では、「始点:端末A(端末パッケージA)」「終点:端末C(端末パッケージC)」である。
【0131】
(ステップS211)ステップS105と同様に、タイムスロットアサイン処理を行い、回線設定ワークファイルを作成する。この例では、「始点:端末A(端末パッケージA)」と「終点:端末C(端末パッケージC)」との間に、例えば200Mbitの回線の中で10番目のTSから19番目のTSまでの連続する10個のTSを設定する。
【0132】
(ステップS212)パッケージ毎設定データの作成・保存処理では、ステップS202からステップS211までで作成したワークファイルの情報を集めてパッケージ毎の設定データを作成し、監視制御装置151の記憶媒体の保存する処理である。この例では、端末パッケージA,BおよびCの3つのパッケージ毎設定データを作成し、保存する。
【0133】
尚、監視制御装置151で作成され保存されたパッケージ毎設定データは、監視制御装置151から各伝送装置に転送され、各伝送装置の該当するパッケージのメモリに保持される。
【0134】
このような一連の処理によって、複数のパッケージが存在する場合でも各伝送装置のパッケージ毎に設定データが作成される。
【0135】
[パッケージ毎設定データの作成・保存処理の詳細]
次に、図17のステップS106のパッケージ毎設定データの作成・保存処理や図18のステップS212のパッケージ毎設定データの作成・保存処理について詳しく説明する。パッケージ毎設定データの作成・保存処理は、例えばスロット毎(当該スロットに実装されるパッケージ毎)に実装設定,運用設定,パス設定および回線設定などの情報を各ワークファイルから収集して、当該スロットに実装されるパッケージのパッケージ毎設定データを作成し、保存する処理である。
【0136】
ステップS106やステップS212でパッケージ毎設定データの作成・保存処理を行う際に、実装設定ワークファイルのレコード数(パッケージ数に対応)が複数ある場合、つまり複数のパッケージがある場合にはパッケージ毎に設定データを作成する必要がある。この時の処理の一例を図19のフローチャートに示す。尚、ここでは、パッケージを区別するために、実装位置情報を取得キーを使用する。ここで、実装位置情報は、例えば、伝送装置120のシェルフ02のスロット03などの情報である。伝送装置120のシェルフ02のスロット03のキーは、例えば伝送装置120のSW_PKG(0系)122のポート09に実装される端末_PKG(0系)128にのみ対応する唯一のキーである。
【0137】
(ステップS301)ステップS106やステップS212に対応する。
【0138】
(ステップS302)ステップS303からステップS306までの処理を実装設定ワークファイルのレコード数分だけ実行するループ処理を行う。例えば、レコード数が3つある場合は、ステップS303からステップS306までの処理を3回行い、全ての処理を終了後、ステップS307に進む。
【0139】
(ステップS303)図17または図18で作成したワークファイルの中から自パッケージのパッケージ設定ワークファイルを取得する。この時、自パッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。
【0140】
(ステップS304)図17または図18で作成したワークファイルの中から自パッケージのパス設定ワークファイルを取得する。この時、ステップS303と同様に自パッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。
【0141】
(ステップS305)図17または図18で作成したワークファイルの中から自パッケージの回線設定ワークファイルを取得する。この時、ステップS303と同様に自パッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。
【0142】
(ステップS306)ステップS303,S304,S305で取得した自パッケージのパッケージ設定ワークファイル,パス設定ワークファイルおよび回線設定ワークファイルの3つのファイルを用いて自パッケージのパッケージ毎設定データを作成する。このパッケージ毎設定データは、例えば図10や図5−4などで説明した各パッケージ毎の回線データに相当する。
【0143】
(ステップS307)ステップS302のループ処理で作成したパッケージ毎設定データの保存処理を行う。保存処理は、監視制御装置151の内部のメモリやハードディスクなどの記憶媒体に保存する。
【0144】
このような一連の処理によって、パッケージ毎設定データが作成され、保存される。
【0145】
以上説明した図17,図18および図19の処理は、一般的に行われるパッケージ毎設定データの作成処理である。
【0146】
次に、本実施形態に係る伝送装置120のように端末パッケージが二重化された伝送システム100の場合に、パッケージ毎に設定データ(回線データ)を作成する方法について説明する。
【0147】
[本実施形態に係る回線データの作成]
図10に示した回線データ(パッケージ毎設定データと等価)を作成する場合の例について説明する。図20は、本実施形態に係る回線データの作成処理を示すフローチャートである。本実施形態に係る回線データの作成処理は、従来の図18の処理に対応するが、例えば図18のステップS210およびステップS211の処理を不要にすることができる。これは、本実施形態に係る回線データ作成方法においては、一重化から二重化、或いは二重化から一重化へ変更する際のパッケージ毎設定データは、図18のステップS212に相当するパッケージ毎設定データの作成・保存処理で行うからである。
【0148】
以降、本実施形態は端末パッケージ処理とスイッチパッケージ処理とが特徴なので、この部分の処理を主体に説明する。尚、これらの処理は、監視制御装置151のアプリケーションソフトウェアにより実行される。
【0149】
(ステップS401)パッケージ毎設定データの作成・保存処理を開始する。
【0150】
(ステップS402)ステップS302と同様に、ステップS403からステップS411までの処理を実装設定ワークファイルのレコード数分だけ実行するループ処理を行う。
【0151】
(ステップS403)パッケージ毎設定データを作成するパッケージの種類を判別し、種類別の処理を行う。この例では、端末パッケージ(先に説明した端末_PKG(0系)128や端末_PKG(1系)129など)、スイッチパッケージ(先に説明したSW_PKG(0系)122やSW_PKG(1系)125など)、或いはクロックパッケージ(クロック_PKG)などを判別する。尚、クロック_PKGは、一例として他の種類のパッケージを記載したが本実施形態では直接関係しないので詳しい説明は省略する。
【0152】
(ステップS404)端末_PKGの処理を行う。
【0153】
(ステップS405)SW_PKGの処理を行う。尚、この部分の処理については後で詳しく説明する。
【0154】
(ステップS406)クロック_PKGに関する処理(クロック設定など)を行うが詳細な説明は省略する。
【0155】
(ステップS407)端末_PKG処理では、ステップS303と同様に、図17または図18で作成したワークファイルの中から自パッケージのパッケージ設定ワークファイルを取得する。この時、自パッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。この情報は運用設定を示す情報で、例えば一重化,二重化0系および二重化1系などの情報である。
【0156】
(ステップS408)ステップS407で取得した運用設定を示す情報が一重化,二重化0系および二重化1系のいずれであるかを判別し、それぞれに応じた処理に分岐する。
【0157】
(ステップS409)一重化のパッケージ毎設定データの作成処理を行う。尚、一重化処理は、パス設定や回線設定が一意に決まっているので1つのパッケージ毎設定データが作成されるだけである。
【0158】
(ステップS410)二重化0系のパッケージ毎設定データの作成処理を行う。尚、この処理については、後で詳しく説明する。
【0159】
(ステップS411)二重化1系のパッケージ毎設定データの作成処理を行う。尚、この処理については、後で詳しく説明する。
【0160】
(ステップS412)ステップS402のループ処理で作成した各パッケージのパッケージ毎設定データ保存し、処理を終了する。
【0161】
このようにして、本実施形態に係る伝送装置120のように端末パッケージが二重化された伝送システム100の場合に、パッケージ毎に設定データ(回線データ)を作成することができる。尚、作成されるパッケージ毎設定データは、先に図15などで説明した各パッケージ毎の回線データに相当する。
【0162】
[二重化0系のパッケージ毎設定データの作成処理]
次に、図20のステップS410の二重化0系のパッケージ毎設定データの作成処理について図21のフローチャートを用いて詳しく説明する。尚、二重化0系の設定時は、一重化の場合と同様に考えることができる。
【0163】
(ステップS501)二重化0系のパッケージ毎設定データの作成処理を開始する。
【0164】
(ステップS502)ステップS304と同様に、図17または図18で作成したワークファイルの中から自パッケージのパス設定ワークファイルを取得する。この時、自パッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。
【0165】
(ステップS503)ステップS305と同様に、図17または図18で作成したワークファイルの中から自パッケージの回線設定ワークファイルを取得する。この時、自パッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。
【0166】
(ステップS504)ステップS502,S503で取得した自パッケージのパス設定ワークファイルおよび回線設定ワークファイルを用いて自パッケージのパッケージ毎設定データを作成する。このパッケージ毎設定データは、例えば図8(c)に対応する。
【0167】
(ステップS505)自パッケージに関する一連の二重化0系のパッケージ毎設定データの作成処理を終了し、ステップS402に戻る。
【0168】
このようにして、二重化0系のパッケージ毎設定データは、一重化の場合と同様に作成することができる。
【0169】
[二重化1系のパッケージ毎設定データの作成処理]
次に、図20のステップS411の二重化1系のパッケージ毎設定データの作成処理について図22のフローチャートを用いて詳しく説明する。二重化1系の場合は、先に図18で設定された二重化0系のペアとなる回線なので、ペアとなる二重化0系のパッケージ毎設定データをそのままコピーして使用することができる。そこで、図22に示すように、ペアとなる二重化0系のパッケージを検索して、その設定を利用して、二重化1系のパッケージ毎設定データを作成する。
【0170】
(ステップS601)二重化1系のパッケージ毎設定データの作成処理を開始する。
【0171】
(ステップS602)ステップS303と同様に、図17または図18で作成したワークファイルの中からペアとなる二重化0系のパッケージの実装位置情報を取得する。尚、どれがペアとなる二重化0系のパッケージであるかは伝送装置番号や搭載位置などから知ることができる。
【0172】
(ステップS603)ステップS304と同様に、図17または図18で作成したワークファイルの中から二重化0系のパッケージのパス設定ワークファイルを取得する。この時、ステップS602で取得した二重化0系のパッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。
【0173】
(ステップS604)ステップS305と同様に、図17または図18で作成したワークファイルの中から二重化0系のパッケージの回線設定ワークファイルを取得する。この時、ステップS602で取得した二重化0系のパッケージの実装位置情報を取得キーとして利用する。
【0174】
(ステップS605)ステップS603およびS604で取得した二重化0系のパッケージのパス設定ワークファイルおよび回線設定ワークファイルを用いて二重化1系のパッケージのパッケージ毎設定データを作成する。このパッケージ毎設定データは、例えば図8(d)に対応する。
【0175】
(ステップS606)二重化1系のパッケージに関する一連のパッケージ毎設定データの作成処理を終了し、ステップS402に戻る。
【0176】
このようにして、二重化1系のパッケージ毎設定データを二重化0系のパッケージ毎設定データを利用して作成することができる。
【0177】
[スイッチパッケージのパッケージ毎設定データの作成処理]
次に、図20のステップS405のスイッチパッケージ(SW_PKG)のパッケージ毎設定データの作成処理について図23のフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0178】
(ステップS701)スイッチパッケージのパッケージ毎設定データの作成処理を開始する。
【0179】
(ステップS702)ポート毎に一重化や二重化の設定を示す対応テーブルを作成する。例えば、先に説明した図9の場合は、ポート09が二重化0系、ポート10が二重化1系のようなテーブルが作成される。或いは、ポート01が一重化のようなテーブルが作成されても構わない。
【0180】
(ステップS703)二重化1系用の回線設定ワークファイルを作成する。尚、二重化0系用の回線設定ワークファイルは図4−5で説明したように、既に作成済みである。そこで、二重化0系用の回線データをコピーして1系に対応できるように回線データを作成する。
【0181】
例えば、図8(e)のSW_PKG(0系)122の回線データにおいて、0系上り方向のレコード431をコピーして入力側のポート番号09をポート番号10に変換する。この結果、例えば図10(a)に示すように、1系の端末_PKG(1系)129側の回線に対応するレコード433を生成することができる。同様に、図8(e)のSW_PKG(0系)122の回線データにおいて、0系下り方向のレコード432をコピーして出力側のポート番号09をポート番号10に変換する。この結果、例えば図10(a)に示すように、1系の端末_PKG(1系)129側の回線に対応するレコード434を生成することができる。尚、ここでは、まだワークファイルを作成するだけである。
【0182】
(ステップS704)ステップS705からステップS711までの処理を回線設定ワークファイルのレコード数分だけ実行するループ処理を行う。例えば、レコード数が2つある場合は、ステップS705からステップS711までの処理を2回行い、全ての処理を終了後、ステップS712に進む。
【0183】
(ステップS705)SW_PKG(0系)122かSW_PKG(1系)125を判別し、それぞれの処理を実行する。
【0184】
(ステップS706)SW_PKG(0系)122の場合は、入力ポート10に接続されるパッケージが二重化1系に対応するパッケージであるか否かを判別する。
【0185】
(ステップS707)1系に対応するパッケージである場合は、このレコードを破棄する。例えば、図10(a)の場合は、レコード433が破棄される。これにより、ポート10から入力してポート3に出力する経路が無効化される。
【0186】
(ステップS708)二重化1系に対応するパッケージでない場合は、このレコードを追加する。この場合は信号の衝突が発生しないからである。
【0187】
(ステップS709)SW_PKG(1系)125の場合は、入力ポート09に接続されるパッケージが二重化0系に対応するパッケージであるか否かを判別する。
【0188】
(ステップS710)二重化0系に対応するパッケージである場合は、このレコードを破棄する。例えば、図10(b)の場合は、レコード441が破棄される。これにより、ポート9から入力してポート4に出力する経路が無効化される。
【0189】
(ステップS711)二重化0系に対応するパッケージでない場合は、このレコードを追加する。この場合は信号の衝突が発生しないからである。
【0190】
(ステップS712)一連のスイッチパッケージのパッケージ毎設定データの作成処理を終了する。
【0191】
このようにして、本実施形態に係る伝送装置120における回線データ作成方法では、端末_PKG(0系)128および端末_PKG(1系)129のように端末パッケージが二重化された場合でも信号の衝突が発生することなく、二重化運用が実現できるパッケージ毎設定データを作成することができる。尚、作成されたパッケージ毎設定データは、一旦、監視制御装置151の内部のメモリやハードディスクなどの記憶媒体に保存された後、監視制御装置151から各伝送装置に転送され、各伝送装置の該当するパッケージのメモリに保持される。
【0192】
[三重化運用時のパッケージ毎設定データの例]
次に、三重化運用時のパッケージ毎設定データの例について説明する。三重化運用時は、0系と1系と予備の3つの端末パッケージを利用する。ここで説明する例では、二重化0系の端末パッケージがスイッチパッケージのポート01に、二重化1系の端末パッケージがポート02に、予備の端末パッケージがポート03にそれぞれ装着されているものとする。そして、伝送路パッケージ(0系)はポート09に、伝送路パッケージ(1系)はポート10にそれぞれ装着されている。
例えば、先ず「二重化0系」「二重化1系」の端末パッケージを任意に設定し、更に「予備」の端末パッケージを設定する。この場合のスイッチパッケージの「通常運用時のパッケージ毎設定データを図6−1に示す。先ず、図24で通常運用時の回線データについて説明した後、ペアポート異常時のパッケージ毎設定データについて図25から図27を用いて説明する。尚、ここでの説明では、ポート関係がわかり易いように入力ポート(Pi**)および出力ポート(Po**)のように記載せず、例えばPort09ー>Port01のように記載する。
「通常運用時」
先ず図24は、三重化の通常運用時のパッケージ毎設定データ例である。図24(a)は、二重化0系端末パッケージ(ポート01)のパッケージ毎設定データ例である。二重化0系端末パッケージ(ポート01)の0系の下り方向のレコード712(Port09ー>Port01)は、レコード714(Port10ー>Port01)とPort01で衝突するため、先に説明したルール(同じ系統の信号経路(ポート09の伝送路パッケージ(0系))を選択するルール)に従ってレコード714が破棄されて無効化される。
同様に、図24(b)では、二重化1系端末パッケージ(ポート02)の0系の下り方向のレコード718(Port10ー>Port02)がレコード716(Port09ー>Port02)と衝突するため、先に説明したルールに従ってレコード716が破棄されて無効化される。
また、図24(c)では、予備パッケージ(ポート03)の0系の下り方向のレコード720(Port09ー>Port03),722(Port10ー>Port03)は共に二重化0系パッケージまたは二重化1系パッケージの信号と衝突するため、両方とも無効化される。
「二重化0系パッケージのペアポート異常時」
次に、 二重化0系パッケージのペアポート異常時のパッケージ毎設定データ例について図6ー2を用いて説明する。図25(a)は、ペアポート異常が無い場合の図24(a)と同じである。
そして、三重化運用では、2つの「ペアポート」を監視し、異常を検出した「ペアポート」の状態により切り替える「ペアポート異常時の回線データ」が異なり、図25(b)から図6ー1(d)のようになる。図25(b)は、ポート02のみの異常を検出した場合の回線データで予備の端末パッケージは二重化0系の端末パッケージとして動作する。また、図25(c)は、ポート03のみの異常を検出した場合の回線データで予備の端末パッケージは二重化1系の端末パッケージとして動作する。図25(b)および図6ー2(c)の場合は、ポート01のペアポートであるポート02または03のいずれか一方だけなので、図25(a)と同じ回線データで予備の端末パッケージによる二重化運用を継続できる。
(二重化0系運用時のペアポート異常検出)
ところが、図25(a),図25(b),図25(c)のいずれかで二重化0系を運用している時にポート02およびポート03の両方のペアポートが異常になった場合は、図25(d)のように、0系下り方向のレコード714aを追加して、ポート10の伝送路パッケージ(1系)に接続できるようにする。
ここで、例えば図25(a),図25(b),図25(c),図25(d)の4種類(または、図25(a),図25(b),図25(c)と、図25(d)の2種類でもよい)をそれぞれスイッチパッケージのメモリ402や制御盤300のメモリ302などにメモリ領域(メモリ面と呼ぶ)を分けて予め記憶しておき、故障検出部303がポート異常を検出したときに、ポート異常の状態に応じてメモリ面をハード的に切り替えるようにしても構わない。或いは、故障検出部303が検出したポート異常の状態に応じて、ソフト的に図25(a)の内容を図25(b),図25(c),図25(d)のいずれかに書き換えるようにしても構わない。
(二重化1系運用時のペアポート異常検出)
図25と同様に、図26(a),図26(b),図26(c)のいずれかで二重化1系を運用している時にポート01およびポート03の両方のペアポートが異常になった場合は、図26(d)のように、0系下り方向のレコード716aを追加して、ポート09の伝送路パッケージ(0系)に接続できるようにする。
ここで、図25の場合と同様に、例えば図6ー3(a),図26(b),図26(c),図26(d)の4種類(または、図26(a),図26(b),図26(c)と、図26(d)との2種類でもよい)をそれぞれスイッチパッケージのメモリ402や制御盤300のメモリ302などにメモリ面を分けて予め記憶しておき、故障検出部303がポート異常を検出したときに、ポート異常の状態に応じてメモリ面をハード的に切り替えるようにしても構わない。或いは、故障検出部303が検出したポート異常の状態に応じて、ソフト的に図26(a)の内容を図26(b),図26(c),図26(d)のいずれかに書き換えるようにしても構わない。
(二重化予備系運用時のペアポート異常検出)
図27(a)で通常運用をしている場合に、ポート01が異常になった場合は、図27(b)のように、0系下り方向のレコード720aを追加して、ポート09の伝送路パッケージ(0系)に接続できるようにする。
または、図27(a)で通常運用をしている場合に、ポート02が異常になった場合は、図27(c)のように、0系下り方向のレコード722aを追加して、ポート10の伝送路パッケージ(1系)に接続できるようにする。
或いは、図27(a),図27(b),図27(c)で運用をしている場合に、ポート01とポート02の両方が異常になった場合は、図27(d)のように、0系下り方向のレコード720aと、0系下り方向のレコード722aとを追加して、ポート09の伝送路パッケージ(0系)およびポート10の伝送路パッケージ(1系)にそれぞれ接続できるようにする。
ここで、図25および図26の場合と同様に、例えば図27(a),図27(b),図27(c),図27(d)の4種類をそれぞれスイッチパッケージのメモリ402や制御盤300のメモリ302などにメモリ面を分けて予め記憶しておき、故障検出部303がポート異常を検出したときに、ポート異常の状態に応じてメモリ面をハード的に切り替えるようにしても構わない。或いは、故障検出部303が検出したポート異常の状態に応じて、ソフト的に図27(a)の内容を図27(b),図27(c),図27(d)のいずれかに書き換えるようにしても構わない。
このようにして、「二重化0系の端末パッケージ」および「二重化1系の端末パッケージ」は、それぞれのパッケージにおいて監視する2つのポート(ペアポート)が共に異常になった場合のみに、それぞれのペアポート異常時回線データに切り替える動作を行う。これにより、「予備」の端末パッケージは、「二重化0系の端末パッケージのポート」のみが異常の場合に「二重化0系の端末パッケージ」として動作し、「二重化1系の端末パッケージのポート」のみが異常の場合に「二重化1系の端末パッケージ」として動作する。さらに、「両方のポート」が異常状態の場合は「二重化0系の端末パッケージ」および「二重化1系の端末パッケージ」に切り替える動作を行い、三重化運用を実現できる。
特に、三重化運用する場合でも、先の二重化運用時と同様に、故障発生時の信号経路の切り替えをハードウェアまたはソフトウェアで容易に実現することができる。尚、四重運用やそれ以上の複数化運用の場合でも同様に実現することができる。
【0193】
以上、各実施形態において説明してきたように、本発明に係る伝送装置および回線データ作成方法は、二重障害を回避するために端末パッケージで二重化運用する場合でも信号の衝突を回避することができる。
【0194】
特に、スイッチパッケージ側に受信セレクタを持たない構成の伝送装置において、端末パッケージの二重化運用が可能であり、障害発生時における回線の信頼性を向上できる。
【0195】
また、端末パッケージを一重化運用する場合とほぼ同等の手順で、二重化運用時の回線データを作成可能なので、操作性の向上と誤設定を防止できる。
【0196】
さらに、端末パッケージを一重化または二重化で運用している回線データに関して、一重化から二重化へ、またその逆の変更が容易なので、操作性の向上と誤設定を防止できる。
【0197】
また、端末パッケージに故障が発生した場合でも回線の疎通ルートを最適化するので、ネットワーク全体の回線の信頼性を向上できる。
【0198】
さらに、端末パッケージを三重化や四重化のようにハードウェアの受信セレクタに依存しない運用が可能なので、重要回線において更なる回線の信頼性を向上できる。
【0199】
以上、本発明に係る伝送装置および回線データ作成方法について、実施例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0200】
100,900,900a,900b・・・伝送システム
120,910,920,930・・・伝送装置
151・・・監視制御装置
152・・・監視制御網
121・・・伝送路A_PKG(0系)
122・・・SW_PKG(0系)
123・・・伝送路B_PKG(0系)
124・・・伝送路A_PKG(1系)
125・・・SW_PKG(1系)
126・・・伝送路B_PKG(1系)
128・・・端末_PKG(0系)
129・・・端末_PKG(1系)
300・・・制御盤
301・・・装置制御部
302・・・メモリ
303・・・故障検出部
401・・・PKG制御部
402・・・メモリ
403・・・スイッチ部
411・・・PKG制御部
412・・・メモリ
413・・・スイッチ部
911・・・端末A_PKG
912,922,932・・・SW_PKG(0系)
913・・・伝送路_PKG(0系)
914,925,934・・・SW_PKG(1系)
915・・・伝送路_PKG(1系)
921・・・伝送路A_PKG(0系)
923・・・伝送路B_PKG(0系)
924・・・伝送路A_PKG(1系)
926・・・伝送路B_PKG(1系)
931・・・端末B_PKG
933・・・伝送路_PKG(0系)
935・・・伝送路_PKG(1系)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0系と1系の回線を終端する2系統の端末パッケージと、
0系と1系の伝送路に接続する2系統の伝送路パッケージと、
受信セレクタを持たず、複数の入出力ポートのいずれかに接続される前記端末パッケージと、前記端末パッケージとは異なる入出力ポートに接続される前記伝送路パッケージとの間の前記入出力ポート間の接続経路を切り替える2系統のスイッチパッケージと
で構成される伝送装置において、
前記スイッチパッケージは、
前記接続経路を切り替えるための複数経路の回線データを予め保持する回線データ記憶部と、
前記接続経路を切り替えるためのスイッチ部と、
前記回線データ記憶部に保持された前記回線データに基づいて前記スイッチ部の切り替えを行う切り替え制御部と
で構成されることを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の伝送装置において、
前記伝送装置内の回線異常区間を検出する故障検出部を更に設け、
前記切り替え制御部は、前記故障検出部が検出した回線異常区間を迂回する経路の回線データを前記回線データ記憶部から読み出して前記スイッチ部の接続経路を切り替える
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項3】
(スイッチ部と回線データの関係)
請求項1または2に記載の伝送装置において、
前記スイッチ部は、前記複数の入出力ポート間の接続をオンオフするクロスコネクトスイッチで構成され、
前記回線データ記憶部に記憶される回線データは、前記複数の入出力ポート間の接続関係を示すクロスコネクトテーブルである
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の伝送装置において、
前記回線データ記憶部に記憶される複数経路の回線データは、前記端末パッケージを二重化運用するための回線データと、二重化運用中の前記端末パッケージから一重化運用へ変更するための回線データと、一重化運用中の前記端末パッケージから二重化運用へ変更するための回線データとを少なくとも含むことを特徴とする伝送装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の伝送装置において、
前記故障検出部は、前記スイッチパッケージのポートの入力異常を検出し、
前記回線データ記憶部は、前記スイッチパッケージのポート毎に、通常運用回線データと、ペアポート異常回線データとを予め記憶し、
前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記通常運用回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記ペアポート異常回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行う
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の伝送装置において、
前記故障検出部は、前記スイッチパッケージのポートの入力異常を検出し、
前記回線データ記憶部は、切り替え可能な第1メモリと第2メモリとで構成され、前記スイッチパッケージのポート毎の通常運用回線データを前記第1メモリに、前記スイッチパッケージのポート毎のペアポート異常回線データを前記第2メモリにそれぞれ記憶し、
前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記第1メモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記第2メモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行う
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項7】
請求項5に記載の伝送装置において、
前記回線データ記憶部は、前記スイッチパッケージのポート毎に、通常運用回線データと、複数のペアポート異常回線データとを予め記憶し、
前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記通常運用回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記複数のペアポート異常回線データのいずれかに基づいて前記接続経路の切り替えを行う
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項8】
請求項6に記載の伝送装置において、
前記回線データ記憶部を切り替え可能な複数のメモリで構成し、前記スイッチパッケージのポート毎に、通常運用回線データと複数のペアポート異常回線データとを作成して前記複数のメモリにそれぞれ記憶し、
前記切り替え制御部は、前記故障検出部がポートの入力異常を検出しない場合には前記通常運用回線データを記憶するメモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行い、前記故障検出部がポートの入力異常を検出した場合には前記複数のペアポート異常回線データを記憶する前記複数のメモリのいずれか1つのメモリの回線データに基づいて前記接続経路の切り替えを行う
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項9】
0系と1系の回線を終端する2系統の端末パッケージと、0系と1系の伝送路に接続する2系統の伝送路パッケージと、受信セレクタを持たず、複数の入出力ポートのいずれかに接続される前記端末パッケージと、前記端末パッケージとは異なる入出力ポートに接続される前記伝送路パッケージとの間の前記入出力ポート間の接続経路を切り替える2系統のスイッチパッケージとで構成される伝送装置における回線データ作成方法において、
前記回線データは、前記端末パッケージを二重化運用するための回線データと、二重化運用中の前記端末パッケージから一重化運用へ変更するための回線データと、一重化運用中の前記端末パッケージから二重化運用へ変更するための回線データとを少なくとも含む
ことを特徴とする伝送装置における回線データ作成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の回線データ作成方法において、
前記伝送装置を二重化運用する場合の回線データは、
0系の前記端末パッケージからの経路は0系のスイッチパッケージにのみ疎通ルートを形成し、1系の前記端末パッケージからの経路は1系のスイッチパッケージにのみ疎通ルートを形成される
ことを特徴とする回線データ作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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