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伸縮性シートの製造方法
説明

伸縮性シートの製造方法

【課題】延伸した不織布の幅、厚みなどの形状および強度を均一にすることができる伸縮性シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の伸縮性シートの製造方法は、搬送される不織布7の機械方向と直交する幅方向に、該不織布7を延伸する工程(3,4)と、不織布7を延伸する工程(3,4)によって延伸された不織布7を、該不織布7の厚み方向に圧縮する工程(5,6)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性化を施した胴バンドおよび/または脚バンドを使い捨ておむつに形成するために、使い捨ておむつの製造に使用する積層ウェブを延伸してウェブに弾性を与えるための方法が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。この方法によれば、未延伸の積層ウェブを漸次延伸する工程において、第1エラストマー層および伸長可能な第2層の両周縁部を拘束することによって、積層ウェブの延伸方向の幅が延伸が加えられる前と同一となるように、漸次延伸によって伸長可能な第2層を永久的に伸長する。また、積層ウェブを延伸するために使用する加圧装置は、回転軸線がウェブの移動方向に垂直な一対の波形ロールからなり、その波形ロールは波形の立体的な表面を有し、未延伸の積層ウェブがその間を通過するとき、一対の波形ロールは互いに噛み合う。さらに、両周縁部を弾性的に保持することによって、両周縁部を波形ロールに配置された一対の弾性変形自在のディスクで保持することによって、または、両周縁部を波形ロールに配置された一対の連続ベルトで保持することによって、第1エラストマー層および伸長可能な第2層の両周縁部を拘束する。
【0003】
特許文献1に記載されているようなウェブに弾性を与えるための方法によれば、使い捨ておむつの製造に使用するウェブの一部が一対の波形ロールの間を通過するとき、ウェブを延伸する方向に対して平行な方向にウェブが滑ったり、収縮したりするのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3516679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているようなウェブに弾性を与えるための方法では、延伸加工のときに生ずる凹凸が延伸加工後も残り、このため、ウェブが進行する機械方向に皺が生じ、その結果、ウェブが蛇行する場合がある。このため、延伸したウェブを安定して搬送したり、その後の工程で延伸したウェブを折ったり、切ったり、貼ったりするなどの加工を安定的に行えない場合があるという問題があった。たとえば、延伸したウェブをそのまま切断して他のシートに貼り合わせるとき、延伸したウェブの延伸部分がめくれてしまい、他のシートに貼り合わせることが難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討した結果、延伸された不織布の幅、厚みなどの形状および強度が不均一になると、延伸した不織布を安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりすることができないことを見出した。そして、本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明は、不織布から伸縮性シートを製造する伸縮性シートの製造方法であって、搬送される不織布の機械方向と直交する幅方向に、該不織布を延伸する工程と、不織布を延伸する工程によって延伸された不織布を、該不織布の厚み方向に圧縮する工程とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、延伸した不織布の幅、厚みなどの形状および強度を均一にすることができる。これにより、延伸した不織布を安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における伸縮性シートの製造方法に使用する延伸加工装置を説明するための図である。
【図2】図2は上段延伸ロールを説明するための図である。
【図3】図3は下段延伸ロールを説明するための図である。
【図4】図4は、上段延伸ロールおよび下段延伸ロールによる不織布の延伸を説明するための図である。
【図5】図5は、搬送倍率が1.00である場合の延伸された不織布の幅の分布を示すグラフである。
【図6】図6は、搬送倍率が1.00である場合の延伸された不織布の重心位置の分布を示すグラフである。
【図7】図7は、搬送倍率が1.02である場合の延伸された不織布の幅の分布を示すグラフである。
【図8】図8は、搬送倍率が1.02である場合の延伸された不織布の重心位置の分布を示すグラフである。
【図9】図9は、加熱ロールとプレスロールとの間の線圧と、加熱ロールとプレスロールとによって圧縮された不織布の厚みとの関係を示すグラフである。
【図10】図10は、不織布の幅および厚みの測定方法を説明するための図である。
【図11】図11は、加熱ロールとプレスロールとの間の線圧と、加熱ロールとプレスロールとによって圧縮された不織布7の幅との関係を示すグラフである。
【図12】図12は、加熱ロールの温度と、加熱ロールによって加熱された不織布の厚みとの関係を示すグラフである。
【図13】図13は、加熱ロールの温度と、加熱ロールによって加熱された不織布の幅との関係を示すグラフである。
【図14】図14は、加熱ロールの温度と、加熱ロールによって加熱された不織布の幅の変動係数との関係を示すグラフである。
【図15】図15は、加熱ロールの温度と、加熱ロールによって加熱された不織布の50%伸長時の強度との関係を示すグラフである。
【図16】図16は、加熱ロールの温度と、加熱ロールによって加熱された不織布のS2伸度との関係を示すグラフである。
【図17】図17は、加熱ロールの温度と、加熱ロールによって加熱された不織布の最大強度との関係を示すグラフである。
【図18】図18は、加熱ロールの温度と、加熱ロールによって加熱された不織布の最大強度時のひずみとの関係を示すグラフである。
【図19】図19は、S2伸度、最大強度および最大強度時のひずみを説明するための図である。
【図20】図20は、フラットロールの加熱ロールとパターンロールのプレスロールとの組み合わせの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を説明するが、本発明は図面に記載されたものに限定されるものではない。
【0010】
図1を参照して、本発明の一実施形態における伸縮性シートの製造方法を説明する。図1は、本発明の一実施形態における伸縮性シートの製造方法に使用する延伸加工装置1を説明するための図である。延伸加工装置1は、搬送ロール2、上段延伸ロール3、下段延伸ロール4、加熱ロール5およびプレスロール6を含む。本発明の一実施形態における伸縮性シートの製造方法では、上段延伸ロール3および下段延伸ロール4によって不織布7を延伸した後、加熱ロール5およびプレスロール6で不織布7を加熱および圧縮する。以下、本発明の一実施形態における伸縮性シートの製造方法を詳細に説明する。
【0011】
まず、延伸加工装置1に搬送された不織布7は、搬送ロール2を通過して、上段延伸ロール3に巻き込まれる。
【0012】
延伸性シートの製造に使用される不織布7は、後述の延伸工程によって伸縮性が発現するもの、または伸縮性が増加するものである。延伸される不織布として、たとえば、伸長性繊維と伸縮性繊維で構成される不織布が使用される。ここで、伸縮性繊維とは、弾性的に伸長可能な繊維のことをいい、伸長性繊維とは、概して非弾性的に伸長可能な繊維のことをいう。したがって、伸長性繊維とは、伸縮性繊維の弾性限界の伸びよりも小さな伸びで塑性変形を起こす繊維であるということもできる。なお、不織布7は伸長性繊維と伸縮性繊維とが混合して作製された混繊タイプの不織布でもよいし、伸長性繊維の層と伸縮性繊維の層が層状に分かれて積層された積層タイプの不織布でもよい。
【0013】
伸長性繊維には、たとえば、熱可塑性ポリオレフィン繊維が挙げられる。また、伸縮性繊維には、熱可塑性エラストマー繊維が挙げられる。熱可塑性ポリオレフィン繊維は、たとえば、ポリプロピレン繊維やポリエステル繊維などの単独繊維や、ポリプロピレンやポリエステルからなる芯鞘構造の複合繊維などである。また、熱可塑性エラストマー繊維は、たとえば、ポリウレタン繊維やポリスチレン系繊維などである。
【0014】
この不織布の製法には、スパンボンド法やサーマルボンド法などなどが挙げられる。また、不織布の坪量及び繊維径は、それぞれ、20〜150g/m2の範囲および10〜30μmの範囲から適宜選択され、さらに、伸長性繊維と伸縮性繊維との配合比は、10〜90%の範囲から適宜選択される。
【0015】
不織布7は、上段延伸ロール3の上方に配置された搬送ロール2を通して上段延伸ロール3に巻き込まれる。これにより、不織布7が上段延伸ロール3と接触する距離が長くなる。そして、不織布7と上段延伸ロール3との間の摩擦力が強くなり、不織布7が、不織布7の搬送方向である機械方向(MD)と直交する幅方向に蛇行したり、機械方向の皺が生じて収縮したりすることを抑制できる。
【0016】
また、上述の特許文献1に記載のウェブに弾性を与えるための方法では、幅方向に蛇行したり、収縮したりするのを抑制するために、ディスクや連続ベルトなどの保持体を使用してウェブの両周縁部を拘束していた。このため、保持体が摩耗してウェブの両周縁部を拘束する拘束力が両周縁部の間でばらつき、ウェブが蛇行する場合があった。しかし、本発明の一実施形態では、そのような保持体を使用せずに、幅方向に蛇行したり、収縮したりするのを抑制することができるので、保持体の摩耗の問題は生じない。
【0017】
不織布7と上段延伸ロール3との間の摩擦力を増加させるために、ゴムなどの摩擦力が大きい材料を、後述の下段延伸ロール4の凸部非形成部42に対応する上段延伸ロール3の外周部分の材料として使用してもよい。
【0018】
搬送ロール2の上流側に不図示の加熱ロール、または熱風装置を配置することによって、不織布7を加熱するようにしてもよい。たとえば、不図示の加熱ロールを80℃に加熱し、搬送ロール2を通過する不織布7の温度が約50℃になるようにしてもよい。これにより、後述の延伸工程において幅方向により均一に不織布7を延伸することができる。
【0019】
図2に示すように、上段延伸ロール3は、外周面に形成された、上段延伸ロール3の回転軸31を中心とする回転方向に延びる複数の凸部32を有する歯溝ロールである。上段延伸ロール3の回転軸方向における断面において、凸部32の形状は略三角形形状である。また、上段延伸ロール3の外表面には研磨加工され、凸部32の先端部分は平坦になっている。なお、上段延伸ロール3の回転軸方向における凸部32の断面形状は、略三角形状に限定されず、矩形形状や台形形状、半円形状などであってもよい。上段延伸ロール3の外周部分は、たとえば、フェライト系ステンレス(SUS430 2B)で形成してもよい。また、後述の延伸工程において幅方向により均一に不織布7を延伸できるようにするために、上段延伸ロール3を加熱してもよい。
【0020】
次に、図1に示すように、上段延伸ロール3に巻き込まれた不織布7は、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4との間に搬送され、そして、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4との間を通過する。
【0021】
図3に示すように、下段延伸ロール4は、下段延伸ロール4の回転軸44が延びる方向に沿って凸部形成部41と凸部非形成部42とを有する。凸部形成部41は、凸部非形成部42の幅方向(CD)の両側に設けられている。下段延伸ロール4における凸部形成部41の外周面には、下段延伸ロール4の回転軸44を中心とする回転方向に延びる複数の凸部45が形成されている。したがって、下段延伸ロール4も上段延伸ロール3と同様に歯溝ロールである。下段延伸ロール4の回転軸方向における断面において、凸部45の形状は、上段延伸ロール3と同様に、略三角形形状である。なお、下段延伸ロール4の軸芯方向における凸部45の断面形状は、下段延伸ロール4の複数の凸部45が上段延伸ロール3の複数の凸部32と嵌合できる形状であれば、略三角形状に限定されない。
【0022】
図3に示すように、下段延伸ロール4の凸部非形成部42には、凸部45が形成されていない。また、凸部非形成部42における下段延伸ロール4の直径は、凸部形成部41における下段延伸ロール4の直径に比べて小さい。
【0023】
下段延伸ロール4の外周部分は、たとえば、フェライト系ステンレス(SUS430 2B)で形成してもよい。また、延伸工程において幅方向により均一に不織布7を延伸できるようにするために、下段延伸ロール4を加熱してもよい。
【0024】
図4(a)に示すように、不織布7は、上段延伸ロール3と、下段延伸ロール4の凸部形成部41および凸部非形成部42との間を通過する。図4(b)に示すように、上段延伸ロール3と、下段延伸ロール4の凸部形成部41との間では、上段延伸ロール3の凸部32と下段延伸ロール4の凸部45とが互いに噛み合っている。不織布7は、外周面に形成された回転方向に延びる凸部32,45を互いに噛み合わせながら回転する一対のロール3,4の間隙を通過することによって、幅方向(CD)に延伸される。また、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4の凸部非形成部42との間では、上段延伸ロール3は下段延伸ロール4から長い距離で離隔しているため、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4の凸部非形成部42との間では、不織布7は延伸されない。したがって、図4(a)に示すように、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4との間を通過した不織布7の中央には、幅方向(CD)に延伸された延伸部71が形成され、延伸部71の幅方向の両側には延伸されていない未延伸部72が形成される。
【0025】
上段延伸ロール3および下段延伸ロール4の凸部32,45の形成ピッチは、1〜5mmの範囲から好ましくは選択され、たとえば、2.5mmである。また、凸部32,45の先端の平坦な部分の幅は、0.01〜1mmの間で好ましくは選択され、たとえば、0.1mmである。上段延伸ロール3の凸部32と下段延伸ロール4の凸部45との噛み合い深さは1〜20mmから好ましくは選択され、たとえば、2.8mmである。上段延伸ロール3の外径は、50〜500mmの範囲から好ましくは選択され、たとえば、150mmである。下段延伸ロール4の凸部形成部41の外径は、50〜500mmの範囲から好ましくは選択され、たとえば、150mmである。
【0026】
次に、図1に示すように、延伸された不織布7は、加熱ロール5とプレスロール6との間を通過する。加熱ロール5およびプレスロール6は、外周面が平滑であるフラットロールである。また、プレスロール6の外周部分は、ゴム、シリコン樹脂などの弾性体からなるようにしてもよい。
【0027】
加熱ロール5とプレスロール6とは、延伸された不織布7に対して機械方向(MD)に張力を付与することもできる。これにより、上段延伸ロール3と不織布7の摩擦力を増加させることによって効果的に延伸することができる。
【0028】
延伸によって不織布に強度および剛性の偏りが存在するため、延伸した不織布に張力を付与すると、不織布に付加される張力が不均一になり、延伸した不織布に皺が入り、めくれが生じる。この皺およびめくれのために、延伸された不織布は大きく蛇行する場合がある。したがって、大きな蛇行を防止するために、延伸した不織布には、張力を付与しない方が好ましい。しかし、延伸した不織布に張力を付与しないと、その後の、他の部材を延伸した不織布に転写したり、延伸した不織布を切断したりする工程で、蛇行による転写不良および切断不良などの加工不良が生ずる場合がある。このため、加熱ロール5とプレスロール6とが、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4との間を通過した不織布7に付与する張力は、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4との間を通過するときの不織布7の搬送倍率が1.00〜1.10になるような張力であることが好ましい。不織布7の搬送倍率が1.00よりも小さくなると不織布7と上段延伸ロール3の摩擦力の低下によって不織布7が機械方向と直交する方向へのすべりが増加するため延伸加工不良が生ずる場合があり、不織布7の搬送倍率が1.10よりも大きくなると、上述の皺およびめくれがひどくなり、後述の延伸した不織布を圧縮する工程によっても、延伸された不織布の蛇行を防止することが難しい場合がある。ここで、延伸倍率とは、搬送速度を繰り出し速度で割り算した値である。
【0029】
図5〜8を参照して、延伸工程における不織布の搬送倍率と不織布の幅および幅方向の蛇行との関係を説明する。62mmの幅を有し、70g/m2の目付を有する不織布を用いて不織布の搬送倍率と不織布の幅および幅方向の蛇行との関係を調べた。延伸工程に用いた上段延伸ロール3および下段延伸ロール4の凸部31,45の形成ピッチは、2.5mmであり、凸部31,45の先端の平坦な部分の幅は、0.1mmであり、上段延伸ロール3の凸部31と下段延伸ロール4の凸部45との噛み合い深さは2.8mmであり、上段延伸ロール3の外径および凸部形成部41における下段延伸ロール4の外径は、150mmであった。上段延伸ロール3および下段延伸ロール4の周速は、100m/分であった。
【0030】
不織布7の幅は、上段延伸ロール3と下段延伸ロール4との間から排出される不織布7をビデオカメラで撮影し、撮影した不織布の映像から算出した。不織布の幅方向の蛇行は、撮影した不織布の両周縁部の位置を測定し、それらの位置の真ん中の位置、すなわち、不織布の重心位置を算出し、算出した重心位置のばらつきから不織布の蛇行の状態を調べた。不織布7が蛇行すると、算出した重心位置のばらつきが大きくなる。搬送倍率が1.00である場合と、搬送倍率が1.02である場合とについて、それぞれ100箇所の不織布の幅および重心位置を調べた。
【0031】
図5は、搬送倍率が1.00である場合の100箇所測定された延伸された不織布の幅の分布を示すグラフである。不織布の幅の平均値は62.3mmであり、変動係数は、0.6であった。ここで、変動係数とは、標準偏差を平均値で割り算したものである。変動係数が小さいほど値のばらつきは小さい。図6は、搬送倍率が1.00である場合の100箇所測定された延伸された不織布の重心位置の分布を示すグラフである。不織布の重心位置の平均値は69.7mmの位置であり、標準偏差は、1.0であった。
【0032】
図7は、搬送倍率が1.02である場合の100箇所測定された延伸された不織布の幅の分布を示すグラフである。不織布の幅の平均値は44.7mmであり、変動係数は、4.6であった。上述の搬送倍率が1.00であるときの値(図5参照)と比較すると、機械方向に張力を不織布に付与すると、不織布の幅が狭くなるとともに、不織布の幅のばらつきが大きくなることがわかる。これは、不織布に機械方向に張力を付与すると、機械方向の皺が不織布に生じたためである。
【0033】
図8は、搬送倍率が1.02である場合の100箇所測定された延伸された不織布の重心位置の分布を示すグラフである。不織布の重心位置の平均値は70.5mmの位置であり、標準偏差は、2.3であった。上述の搬送倍率が1.00であるときの値(図6参照)と比較すると、不織布に機械方向の張力を付与すると、不織布の蛇行が大きくなったように見える。しかし、図6のグラフに示す不織布の重心位置の分布と図8のグラフに示す不織布の重心位置の分布とを比較すると、不織布の重心位置は概ね69mm付近の値であり、ばらつきが小さく、不織布に機械方向の張力を付与すると、不織布の蛇行は小さくなっていることがわかる。
【0034】
しかし、図8のグラフに示す不織布の重心位置には69mm付近の位置から大きく外れるものが存在する。これにより、不織布の重心位置の標準偏差は大きくなったものと推測される。これは、延伸によって機械方向の皺が不織布に生じ、不織布に不均一な部分が形成されたため、大きな蛇行が時々生じたためであると推測される。したがって、延伸した不織布を均一にすれば、皺が発生しなくなることによって、時々生じる大きな蛇行はなくなり、これにより69mm付近の位置から大きく外れた重心位置はなくなり、不織布の重心位置の標準偏差は大きく減少するものと推測できる。本発明の一実施形態では、加熱ロール5とプレスロール6とによって、不織布に張力を付与するのみならず、後述するように、圧縮および加熱を不織布に対して行うので、延伸された不織布は均一になり、不織布の蛇行は抑制される。
【0035】
加熱ロール5とプレスロール6とは、不織布7を厚み方向に圧縮する。これにより、延伸された不織布7の幅、厚みなどの形状を均一にすることができ、延伸した不織布7を安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりすることができる。とくに、不織布7には、剛性の低い延伸部71と剛性の高い未延伸部72とが形成されており、剛性の低い延伸部71がめくれやすくなっているので、安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりすることが難しい。したがって、加熱ロール5とプレスロール6とにより不織布7を厚み方向に圧縮することによって延伸した不織布7を安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりする効果は、一部が延伸されている不織布についてとくに大きい。
【0036】
加熱ロール5とプレスロール6とによって、不織布7に付与する圧力は、線圧で、好ましくは、1N/10mm以上であり、より好ましくは1〜100N/10mmであり、さらに好ましくは10〜50N/10mmである。不織布7に付与する圧力の線圧が1N/10mmよりも小さいと、不織布7の厚みおよび幅がばらつき、このため、機械方向の皺が不織布7に生じる場合があるので、延伸した不織布を安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりすることができない場合がある。不織布7に付与する圧力の線圧が100N/100mmよりも大きいと、プレスロール6が磨耗しやすくなり安定して圧縮を行うことができない場合がある。ここで、線圧は、ロールにかかる荷重をロールの幅で割り算したものであり、たとえば、2台の加圧用シリンダーを使用してプレスロール6が不織布7に圧力を付与する場合、不織布に付与される圧力の線圧は以下の式から算出することができる。
プレスロール6の線圧力(N/10mm)=0.98×{π×(d/2)2×2γP−G}/W
ここで、dはプレスロール6の不図示の加圧用エアーシリンダーの内径、γは加圧機構のレバー比、Pはプレスロール6の不図示の加圧用エアーシリンダーに供給されるゲージ圧力(kgf/cm2)、Gは、プレスロール6の重量(kg)およびWはプレスロール6の使用幅(cm)である。
【0037】
図9のグラフを参照して、加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧と、加熱ロール5とプレスロール6とによって圧縮された不織布7の厚みとの関係を説明する。1.02の搬送倍率で上述のように延伸した不織布を加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させ、不織布7の厚みを測定した。
【0038】
図10に示すように、加熱ロール5の外周面51と接している不織布7をビデオカメラで撮影し、撮影した映像から不織布7の上面73と加熱ローラー5の外周面51との間の高さの差Tを計測して、不織布7の厚みを測定した。加熱ローラー5を加熱せずに不織布7を圧縮した。不織布の厚みは、加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧が0N/10mmである場合、1.5N/10mmである場合、4.6N/10mmである場合、7.7N/10mmである場合、および10.8N/10mmである場合について、それぞれ100箇所測定して調べた。
【0039】
図9のグラフが示す棒の高さが不織布の厚みの平均値を示し、棒の上端に示すマークの縦方向の幅が不織布の厚みのばらつきを示す。棒の上端に示すマークの縦方向の幅が大きいほど、不織布の厚みのばらつきは大きい。また、「Brank」は、延伸していない不織布の厚みを示す。
【0040】
この結果より、不織布を延伸すると、不織布の厚みのばらつきは大きくなること、および延伸により厚みがばらついている不織布7も、加熱ロール5とプレスロール6との間で不織布7を圧縮すると、厚みのばらつきが小さくなることがわかる。この厚みのばらつきは、延伸された不織布の機械方向の皺によるものである。したがって、加熱ロール5とプレスロール6との間で不織布7を圧縮すると、延伸された不織布の機械方向の皺は低減し、延伸された不織布が均一化されたことがわかる。
【0041】
図11のグラフを参照して、加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧と、加熱ロール5とプレスロール6とによって圧縮された不織布7の幅との関係を説明する。1.02の搬送倍率で上述のように延伸した不織布を加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させ、不織布7の幅を測定した。
【0042】
図10に示すように加熱ロール5の外周面51と接している不織布7をビデオカメラで撮影し、撮影した映像から不織布7の幅Wを計測して、不織布7の幅を測定した。加熱ローラー5を加熱せずに不織布7を圧縮した。不織布の幅は、加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧が0N/10mmである場合、1.5N/10mmである場合、4.6N/10mmである場合、7.7N/10mmである場合、および10.8N/10mmである場合について、それぞれ100箇所測定して調べた。
【0043】
図11のグラフが示す棒の高さが不織布の幅の平均値を示し、棒の上端に示すマークの縦方向の幅が不織布の幅のばらつきを示す。棒の上端に示すマークの縦方向の幅が大きいほど、不織布の幅のばらつきは大きい。また、「Brank」は、延伸していない不織布の幅を示す。
【0044】
この結果より、不織布を延伸すると、不織布の幅が減少し、不織布の幅のばらつきが大きくなること、および延伸して幅がばらついている不織布7も、加熱ロール5とプレスロール6との間で不織布7に圧力を加えると、幅のばらつきが小さくなることがわかる。さらに、加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧を1.5N/10mm以上にすると、延伸されて狭くなっていた不織布の幅が延伸される前の不織布の幅に近づくことがわかる。この幅の減少およびばらつきは、延伸された不織布の機械方向の皺によるものである。したがって、加熱ロール5とプレスロール6との間で不織布7を圧縮すると、延伸された不織布の機械方向の皺は低減し、延伸された不織布が均一化されたことがわかる。
【0045】
なお、加熱ロール5とプレスロール6とによって、不織布7の厚み方向に不織布7を圧縮したが、加熱ロール5とプレスロール6とによって、不織布7の延伸部71のみを不織布7の厚み方向に圧縮するようにしてもよい。これにより、不織布7の未延伸部72が、加熱ロール5とプレスロール6とによって付与される圧力の影響を受けないようにすることができる。たとえば、加熱ロール5およびプレスロール6の幅、加熱ロールの幅、またはプレスロール6の幅を不織布7の延伸部71の幅と同一にすることによって、不織布7の延伸部71のみを厚み方向に圧縮することができる。
【0046】
加熱ロール5は、不織布7を加熱する。これにより、延伸された不織布の幅を延伸される前の不織布の幅と略同一にすることができ、延伸された不織布7の幅、厚みなどの形状、密度、および強度などを均一にすることができ、延伸した不織布を安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりすることができる。
【0047】
加熱ロール5の温度は、好ましくは、40℃以上、不織布7の繊維の融点以下の温度であり、より好ましくは、40〜120℃であり、さらに好ましくは80〜120℃である。加熱ロール5の温度が40℃よりも低いと、加熱ロール5によって不織布7を加熱することによる効果が生じない場合があり、加熱ロール5の温度が不織布7の繊維の融点よりも高いと、不織布7の繊維が溶けて、不織布7が収縮する場合がある。
【0048】
図12のグラフを参照して、加熱ロール5の温度と、加熱ロール5によって加熱された不織布7の厚みとの関係を説明する。1.02の搬送倍率で上述のように延伸した不織布を加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させ、不織布7の厚みを測定した。上述の加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧と不織布7の厚みとの関係を調べたときと同じ方法で不織布7の厚みを測定した。加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧を10.8N/10mmとした。不織布の厚みは、加熱ロール5の温度が20℃である場合、40℃である場合、60℃である場合、80℃である場合、100℃である場合、120℃である場合および140℃である場合について、それぞれ100箇所測定して調べた。
【0049】
図12のグラフが示す棒の高さが不織布の厚みの平均値を示し、棒の上端に示すマークの縦方向の幅が不織布の厚みのばらつきを示す。また、「Brank」は、延伸していない不織布の厚みを示す。
【0050】
この結果より、加熱ローラー5によって不織布7を加熱すると、不織布の厚みが小さくなり、延伸される前の不織布の厚みに近づくことがわかる。とくに、加熱ロール5の温度を120℃にすると、不織布の厚みが延伸される前の不織布の厚みとほぼ同じになることがわかる。
【0051】
図13のグラフを参照して、加熱ロール5の温度と、加熱ロール5によって加熱された不織布7の幅との関係を説明する。1.02の搬送倍率で上述のように延伸した不織布を加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させ、不織布7の幅を測定した。上述の加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧と不織布7の幅との関係を調べたときと同じ方法で不織布7の幅を測定した。加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧を10.8N/10mmとした。不織布の幅は、加熱ロール5の温度が20℃である場合、40℃である場合、60℃である場合、80℃である場合、100℃である場合、120℃である場合および140℃である場合について、それぞれ100箇所測定して調べた。
【0052】
図13のグラフが示す棒の高さが不織布の幅の平均値を示し、棒の上端に示すマークの縦方向の幅が不織布の幅のばらつきを示す。また、「Brank」は、延伸していない不織布の幅を示す。
【0053】
この結果より、加熱ローラー5によって不織布7を加熱すると、不織布の幅が大きくなり、延伸される前の不織布の幅に近づくことがわかる。とくに、加熱ロール5の温度を80〜120℃にすると、不織布の幅が延伸される前の不織布の幅とほぼ同じになることがわかる。加熱ロール5の温度を140℃にすると不織布の幅が小さくなったのは、不織布の繊維の一部が溶融したためであると推測される。
【0054】
上述の加熱ロール5の温度と、加熱ロール5によって加熱された不織布7の幅との関係を調べたときの不織布の幅の変動係数を図14に示す。「Brank」は、延伸していない不織布の幅の変動係数を示す。
【0055】
この結果より、加熱ローラー5によって不織布7を加熱すると、不織布の幅の変動係数が小さくなることがわかる。これは、加熱ローラー5によって不織布7を加熱すると、不織布7が均一化されることを示している。また、加熱ローラー5の温度が上昇するにしたがって、不織布の幅の変動係数が小さくなることもわかる。加熱ロール5の温度を140℃にすると不織布の幅の変動係数が大きくなったのは、不織布の繊維の一部が溶融したためであると推測される。
【0056】
図15のグラフを参照して、加熱ロール5の温度と、加熱ロール5によって加熱された不織布7の50%伸長時の強度との関係を説明する。1.02の搬送倍率で上述のように延伸した不織布を加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させ、通過させた不織布から測定用試料を作製して、その測定用試料を使用して不織布7の50%伸長時の強度を測定した。加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧を10.8N/10mmとした。不織布の50%伸長時の強度は、加熱ロール5の温度が20℃である場合、40℃である場合、60℃である場合、80℃である場合、100℃である場合、120℃である場合および140℃である場合について、それぞれ5つの測定用試料を測定して調べた。
【0057】
加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させた不織布7を幅方向に50mmの間隔で切断して、50mm幅の測定用試料を作製した。50mm幅の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ 型式AGS-1kNG)を使用して、それぞれ5つの測定用試料について、40mmのつかみ間距離、40mm/分の引張速度の条件で測定用試料が50%伸びたときの引張強度を測定した。
【0058】
図15のグラフが示す棒の高さが不織布の50%伸長時の強度の平均値を示し、棒の上端に示すマークの縦方向の幅が不織布の50%伸長時の強度のばらつきを示す。また、「Brank」は、加熱ロール5とプレスロール6とによる加熱および圧縮を行っていない不織布の50%伸長時の強度を示す。
【0059】
この結果より、加熱ローラー5によって不織布7を加熱すると、不織布の50%伸長時の強度が大きくなることがわかる。これより、不織布の加熱によって、不織布の強度が小さくなったり、強度のばらつきが大きくなったりすることはないことがわかる。また、加熱ローラー5による不織布7の加熱により強度が大きくなるので、不織布7の搬送性が向上することになる。
【0060】
図16〜18のグラフを参照して、加熱ロール5の温度と、加熱ロール5によって加熱された不織布7のS2伸度、最大強度および最大強度時のひずみとの関係を説明する。1.02の搬送倍率で上述のように延伸した不織布を加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させ、通過させた不織布から測定用試料を作製して、その測定用試料を使用して不織布7のS2伸度、最大強度および最大強度時のひずみを測定した。加熱ロール5とプレスロール6との間の線圧を10.8N/10mmとした。不織布のS2伸度、最大強度および最大強度時のひずみは、加熱ロール5の温度が20℃である場合、40℃である場合、60℃である場合、80℃である場合、100℃である場合、120℃である場合および140℃である場合について、それぞれ5つの測定用試料を測定して調べた。
【0061】
加熱ロール5とプレスロール6との間を通過させた不織布7を幅方向に50mmの間隔で切断して、50mm幅の測定用試料を作製した。50mm幅の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ 型式AGS-1kNG)を使用して、それぞれ5つの測定用試料について、40mmのつかみ間距離、40mm/分の引張速度の条件で測定用試料の伸びと引張強度とを測定した。そして、測定した測定用試料の伸びと引張強度との結果からS2伸度、最大強度および最大強度時のひずみを算出した。
【0062】
図19を参照して、S2伸度、最大強度および最大強度時のひずみを説明する。図19は、測定用試料の引張強度の測定結果の一例を示すグラフである。図19のグラフの横軸が測定用試料の伸びを示し、縦軸は測定用試料の引張強度を示す。測定用試料の伸び−引張強度曲線100の傾きは、測定用試料がL1の長さに伸びた後に変化している。これは、測定用試料は、L1の長さの伸びまでは、延伸によって伸縮していた繊維が伸びることによって伸び、L1以降の伸びでは、繊維同士の結合が壊れたり、繊維自体が伸びたりすることによって伸びたことを示す。S2伸度とはL1の値をつかみ間距離、すなわち40mmで割り算した値である。また、測定用試料の伸び−引張強度曲線100における最大引張強度はS1である。このS1の値が最大強度となる。さらに、最大引張強度(S1)を示したときの測定用試料の伸びであるL2の値をつかみ間距離、すなわち40mmで割り算した値が最大強度時のひずみとなる。
【0063】
図16のグラフが示す棒の高さは不織布のS2伸度の平均値を示す。「Brank」は、延伸していない不織布のS2伸度を示す。この結果より、加熱ローラー5によって不織布7を加熱すると、不織布のS2伸度は小さくなることがわかる。これより、加熱ローラー5の温度を制御することによって、不織布のS2伸度を調整できることがわかる。なお、加熱ローラー5による加熱によって不織布のS2伸度は減少しているが、この減少したS2伸度の値は、吸収性物品などの製品に使用する点で許容できる範囲内である。
【0064】
図17のグラフが示す棒の高さは不織布の最大強度の平均値を示す。「Brank」は、加熱ロール5とプレスロール6とによる加熱および圧縮を行っていない不織布の最大強度を示す。この結果より、加熱ローラー5によって不織布7を加熱すると、不織布の最大強度は高くなることがわかる。これより、加熱ローラー5を使用して不織布を加熱して、不織布の強度が低下しないことがわかる。
【0065】
図18のグラフが示す棒の高さは不織布の最大強度時のひずみの平均値を示す。「Brank」は、加熱ロール5とプレスロール6とによる加熱および圧縮を行っていない不織布の最大強度時のひずみを示す。この結果より、加熱ローラー5によって不織布7を加熱しても、不織布の最大強度時のひずみは大きく減少しないことがわかる。
【0066】
なお、加熱ロール5とプレスロール6とによって、不織布7を圧縮および加熱しているが、加熱ロール5とプレスロール6とによって、不織布7の圧縮のみを行うようにしてもよい。この場合も、延伸された不織布7の幅、厚みなどの形状を均一にすることができ、延伸した不織布7を安定して搬送したり、後の工程で安定的に加工したりすることができる。
【0067】
また、プレスロール6も加熱できるようにして、加熱ロール5とプレスロール6とで、不織布7を加熱するようにしてもよい。
【0068】
なお、加熱ロール5とプレスロール6とによって不織布7を加熱したが、加熱ロール5とプレスロール6とによって、不織布7の延伸部71のみを加熱するようにしてもよい。これにより、不織布7の未延伸部72が、加熱ロール5とプレスロール6とによって付与される熱の影響を受けないようにすることができる。たとえば、加熱ロール5およびプレスロール6の幅、加熱ロール5の幅、またはプレスロール6の幅を不織布7の延伸部71の幅と同一にすることによって、不織布7の延伸部71のみを加熱することができる。
【0069】
また、加熱ロール5およびプレスロール6はフラットロールであったが、加熱ロールおよびプレスロールのうちの一方をパターンロールとし、他方をフラットロールにするようにしてもよい。ここで、パターンロールとは、ドッド状の凸部を外周面に有するロールである。
【0070】
たとえば、図20(a)に示すように、加熱ロール5をフラットロールにし、図20(b)に示すように、プレスロール6Aをパターンロールにしてもよい。プレスロール6Aの外周面には、外周面に沿った面による断面の形状が菱形である複数の凸部61Aが並べて設けられている。なお、凸部における外周面に沿った面による断面の形状は、菱形に限定されず、矩形形状、正方形形状、円形形状、楕円形形状、星形形状などであってもよい。
【0071】
プレスロール6Aと加熱ロール5との間を通過して不織布は、厚み方向に圧縮されるが、プレスロール6Aの凸部61Aによって不織布はエンボス加工されることになる。このように、フラットロールとパターンロールとの組み合わせによるエンボス加工でも、両方ともフラットロールである加熱ロール5およびプレスロール6によって厚み方向に圧縮した場合の効果と同様の効果を得ることができる。なお、加熱ロールをパターンロールにし、プレスロールをフラットロールにしてもよい。
【0072】
なお、延伸加工装置に、加熱ロール5およびプレスロール6の他に、さらに別の加熱ロールおよびプレスロールを設けるようにし、加熱ロール5およびプレスロール6によって圧縮または圧縮および加熱が行われた不織布に、圧縮または圧縮および加熱をさらに行うようにしてもよい。これにより、延伸した不織布に圧縮または圧縮および加熱を行うことによる効果をさらに大きくすることができる場合がある。
【0073】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0074】
1 延伸加工装置
2 搬送ロール
3 上段延伸ロール
4 下段延伸ロール
5 加熱ロール
6,6A プレスロール
7 不織布
32 上段延伸ロールの凸部
41 下段延伸ロールの凸部形成部
42 下段延伸ロールの凸部非形成部
45 下段延伸ロールの凸部
51 加熱ロールの外周面
61A プレスロールの凸部
71 不織布の延伸部
72 不織布の未延伸部
73 不織布の上面
100 測定用試料の伸び−引張強度曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布から伸縮性シートを製造する伸縮性シートの製造方法であって、
搬送される不織布の機械方向と直交する幅方向に、該不織布を延伸する工程と、
前記不織布を延伸する工程によって延伸された不織布を、該不織布の厚み方向に圧縮する工程とを含む伸縮性シートの製造方法。
【請求項2】
前記不織布を圧縮する工程で、前記不織布を圧縮するときの線圧が1〜100N/10mmである請求項1に記載の伸縮性シートの製造方法。
【請求項3】
前記不織布を延伸する工程は、前記不織布の一部を延伸し、
前記不織布を圧縮する工程は、前記不織布の延伸された部分のみを圧縮する請求項1または2に記載の伸縮性シートの製造方法。
【請求項4】
前記不織布を圧縮する工程は、前記不織布を加熱しながら前記不織布を圧縮する請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮性シートの製造方法。
【請求項5】
前記不織布を圧縮する工程は、40〜120℃の温度で前記不織布を加熱する請求項4に記載の伸縮性シートの製造方法。
【請求項6】
前記不織布を圧縮する工程の後に、前記不織布を、該不織布の厚み方向に圧縮する工程をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の伸縮性シートの製造方法。
【請求項7】
前記不織布を圧縮する工程は、一対のフラットロールを使用して、またはパターンロールおよびフラットロールを使用して、前記不織布を、該不織布の厚み方向に圧縮する請求項1〜6のいずれか1項に記載の伸縮性シートの製造方法。
【請求項8】
前記不織布を延伸する工程は、外周面に形成された回転方向に延びる凸部を互いに噛み合わせながら回転する一対のロールの間隙に、前記不織布を通すことにより、前記幅方向に、前記不織布を延伸する請求項1〜7のいずれか1項に記載の伸縮性シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−214921(P2012−214921A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80366(P2011−80366)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】