説明

伸縮性積層体、その作成方法、及び吸収性物品

伸縮性積層体は、エラストマーフィルムを含み、表面を有する第1の層と、及び不織布材料を含み、約25gsm未満の秤量及び第1の層の表面に取り付けられる表面を有する第2の層とを含む。エラストマーフィルムは、約600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して約14MPaを超えるか、又は切り欠き試験片に対して約7MPaを超えるうちの少なくとも1つの工学的引張り強度である強度を有する。伸縮性積層体の作成方法、及び伸縮性積層体によって定義される少なくとも1つの区域を有する吸収性物品も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、伸縮性積層体及びその作成方法に関し、伸縮性積層体を使用して作成されるおむつ、パンツ等のような吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつのような使い捨て吸収性物品は、尿等の排泄物を収容し、着用者の衣服及び/又は他の品目(例えば、ベッド、椅子、毛布等)の汚れを防ぐように設計されている。着用者の身体への物品の適合性は、これらの汚物を漏らすことなく収容することを確実にする上で重要である。着用者の身体への物品の適合性は、おむつの腰部開口部の寸法、大腿部周囲の開口部の寸法、及びおむつの長さ、即ち「ピッチ」に影響され得る。
【0003】
使い捨て吸収性物品はまた、費用効果があるようにも設計されている。つまり、平均的な消費者は、物品当りの費用が非常に高い場合、使い捨てのものとして製品を持ちこたえさせて使用することを再考し得る。従って、製造業者は一般的に、例えば体重のような広範な基準によって分別され得る様々な身体のタイプをもつ個人によって使用されるようにそのような物品を作成する。
【0004】
様々な身体のタイプに順応する製品を作成する必要性は、汚物を収容し、漏れを制限するために使用者に対してしっかりと適合する物品に対する要望と競合することが認められるであろう。
【0005】
製造業者が、適切な適合と身体のタイプの変動における利益の競合を均衡させる試みの1つの方法が、拡張可能な材料を使用するものである。そのような材料群のうちの1つは、伸縮性積層体として知られている。名前が示すように、これらの材料は実際に、例えば接着剤を使用して共に積層される別個の構成要素の複合体である。典型的な伸縮性積層体は、身体のタイプの変動に適応するために優れたゴム状弾性を有する材料によって定義される内層と、外見又は感触に対する使用者の期待に対応するために布様材料によって定義される外層とを結合することを試みている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの伸縮性積層体の外層が、優れた伸縮性を有する内層の動作を阻害し得るという点で、問題が生じる。従って、伸縮性積層体は、例えばおむつやパンツのような吸収性物品の製造に使用される前に、活性化として知られる加工工程を経る場合が多い。活性化中、所望の外観及び感触を提供しながら、複合材料がより優れた伸縮性を示すように、機械的変形が積層体に加えられる。
【0007】
残念なことに、活性化工程は、積層体を含む材料に対して意図しない結果を有する場合がある。例えば、破裂又は孔によって示される内部のエラストマー層に対する機械的損傷が、活性化工程中に起こる場合がある。これらの孔は巨視的であり、数ミリメートル程度の寸法であってよい。過剰な数の孔が現れた場合、積層体材料は、使用者に欠陥品として認識される場合があるか、或いは所望の延伸特性又は性能を提供しない場合がある。
【0008】
1つの解決法として、内層に、より大きな厚み、すなわちゲージを有する材料が使用されてきた。別の代替案として、外層に、活性化(又はリングロール)工程に適合するように設計及び製造された特別な不織布製品が使用されてきた。これらの解決法の双方は、得られた積層体の費用を増加させるものである。
【0009】
従って、新規の伸縮性積層体及び伸縮性積層体の作成方法を提供することが望ましいであろう。特に、より安価な材料を使用して製造される、より安価な積層体を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様において、伸縮性積層体は、エラストマーフィルムを含み、表面を有する第1の層、並びに不織布材料を含み、約25gsm未満の秤量及び第1の層の表面に取り付けられる表面を有する第2の層を含む。エラストマーフィルムは、約600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して約14MPaを超えるか、又は切り欠き試験片に対して約7MPaを超えるうちの少なくとも1つの工学的引張り強度を有する。
【0011】
別の態様において、伸縮性積層体の作成方法が提供され、この方法は、約600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して約14MPaを超えるか、又は切り欠き試験片に対して約7MPaを超えるうちの少なくとも1つの工学的引張り強度を有するエラストマーフィルムを提供する工程と、約25gsm未満の秤量を有する不織布層をエラストマーフィルムに取り付けてアセンブリを形成する工程と、エラストマーフィルム及び不織布層のアセンブリを活性化する工程とを含む。
【0012】
さらなる態様において、腰部区域及び股区域を有する吸収性物品が提供され、この物品は、長手軸を有するバックシート、バックシートに取り付けられ身体面表面を有するトップシート、バックシートとトップシートとの間に配置された吸収性コア、及び吸収性物品の少なくとも1つの区域を画定する伸縮性積層体を含む。伸縮性積層体は、エラストマーフィルムを含み、表面を有する第1の層、及び不織布材料を含み、約25gsm未満の秤量及び第1の層の表面に取り付けられた表面を有する第2の層を含む。エラストマーフィルムは、約600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して約14MPaを超えるか、又は切り欠き試験片に対して約7MPaを超えるうちの少なくとも1つの工学的引張り強度である強度を有する。
【0013】
本開示の追加的態様は、本特許の請求項によって定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
定義
本明細書で使用するとき、以下の用語は以下の意味をもつ。
【0015】
用語「吸収性物品」とは、液体を吸収及び収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して配置され、身体から排泄された様々な排出物を吸収して収容する装置を指す。
【0016】
用語「接着剤で結合された」又は「接着剤で積層された」とは、不織布にエラストマー部材を結合するのに接着剤が使用される積層体を指す。
【0017】
用語「取り付けられた」とは、要素を互いに、又はその構成要素材料に取り付けるのに好適な任意の方法による締結、接着、結合などによって、要素が接続又は結合されていることを指す。接着剤結合、圧力結合、熱結合、機械的締結など、要素を互いに取り付けるための多数の好適な方法が周知である。そのような取り付け方法を用いて、要素を特定の領域にわたって連続的に又は断続的に互いに取り付けてよい。
【0018】
用語「おむつ」とは、一般に乳幼児及び失禁症者によって胴体下部周りで着用されると共に、シートの一般形態を有し、その異なる部分が互いに締結されて着用者の腰部及び脚部を取り囲む吸収性物品を指す。
【0019】
用語「使い捨て」とは、洗濯する、又は吸収性物品として復元又は再利用することが一般に意図されない吸収性物品、即ち、一回の使用後に廃棄する、好ましくはリサイクルする、堆肥化する、或いは環境に適合する方法で処理することが意図される吸収性物品を指す。
【0020】
用語「配置される」とは、ある要素が特定の場所又は位置で他の要素とともに単一構造体として、又は他の要素に接合した別個の要素として形成(接合及び配置)されることを意味するために使用される。
【0021】
用語「内部」及び「外部」とはそれぞれ、吸収性物品が着用される際、着用者の身体に接して又は向かって配置されることを意図される要素の位置、及び吸収性物品の上に着用される任意の衣類に接して又は向かって配置されることを意図される要素の位置を指す場合がある。「内部」及び「外部」はまた、着用者に明確に又は特別に関連せず、互いに対する要素の特定の向きも指す。「内部」及び「外部」の類義語としては、それぞれ「内方」及び「外方」、並びに「内側」及び「外側」が挙げられる。また、吸収性物品が、その内部が上方に面するように配向される場合、例えば、吸収性物品の上部に着用者を配置する準備において吸収性物品を展開する場合、類義語としては、それぞれ「上方」及び「下方」、並びに「上部」及び「底部」が挙げられる。
【0022】
用語「接合した」とは、1つの要素を他の要素に直接取り付けることによりその要素が別の要素に直接固定される構成と、1つの要素を中間部材に取り付けて次にその中間部材を他の要素に取り付けることによりその要素が別の要素に間接的に固定される構成とを指す。
【0023】
用語「横方向」又は「横断方向」とは、長手方向に対して90度の角度で走る方向を指し、横方向の±45°以内の方向を含む。
【0024】
用語「長手方向」とは、物品の最大直線寸法に平行に走る方向を指し、長手方向の±45°以内の方向を含む。
【0025】
用語「マクロ孔質」とは、孔が大きすぎて流体の毛管移送ができない材料を指し、一般に直径が約0.5mmよりも大きい孔を有し、より具体的には、直径が約1.0mmよりも大きい孔を有する。用語「マクロ孔質」とは、規模において約10kPaより大きいラプラス圧力が可能である材料を指す。
【0026】
用語「パンツ」とは、一般に乳幼児及び失禁症者によって胴体下部周りで着用されると共に、緩めずに着用者に適用できるか又は着用者から取り外しできる一対のショートパンツの一般形態を有する吸収性物品を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツを着用者の胴体下部周囲の所定位置へと滑らせることによって、着用者の所定位置に配置されてよい。本明細書で用語「パンツ」が使用されているが、パンツは一般に「閉じたおむつ」、「予備締結おむつ」、「プルオン(pull-on)おむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。
【0027】
用語「再締結可能」とは、ほぼ恒久的に変形又は断裂することなく、2つの要素を解放可能に取り付け、分離できる特性、またその後に解放可能に再取り付けできる特性を指す。
【0028】
用語「解放可能に取り付けられた」、「解放可能に係合された」、及びそれらの変形は、2つの要素を、該要素の一方若しくは双方に適用される分離力がないときに接続されたままであり続ける傾向があるように接続する、又は接続できること、また該要素を、ほぼ恒久的に変形又は断裂することなく分離できることを指す。必要とされる分離力は、典型的には、吸収性衣類の着用中に遭遇する分離力を超えるものである。
【0029】
伸縮性積層体及び製造方法
図1Aは、本開示による伸縮性積層体20の1つの実施形態を説明している。本実施形態によると、積層体20は、第1の層(又は内層)22、第2の層(又は外層)24及び第3の層(又は外層)26の3層を含み得る。しかしながら、他の実施形態によると、図1Bに示されるように、積層体20’は、第1の層22’及び第2の層24’の2層のみを含み得る。
【0030】
第1の層22、第2の層24、第3の層26は、互いに取り付けられてよい。例えば、接着剤は、30、32で示されるように、層22、24、26の間に配置されてよい。認識されるように、接着剤30は、最初に層22の表面40上又は層24の表面42上のいずれかに配置され、接着剤32は同様に、最初に層22の反対表面44上又は層26の表面46上のいずれかに配置されてよい。組み立ての際、接着剤30は表面40(従って層22)を表面42(従って層24)に取り付け、接着剤32は表面44(従って層22)を表面46(従って層26)に取り付ける。
【0031】
層22、24、26は互いに完全に重なって見えるが、すべての実施形態においてそうである必要はない。例えば、層24、26は層22を越えて伸張し、層24、26が層22を越えて伸張する場合には一方が他方に取り付けられてよく、或いは、層24、26は層22の範囲まで伸張しなくてよい。また、接着剤30、32は図において連続層のように見えるが、接着剤30、32は連続層として塗布されるか、又は不連続なパターン(線状、らせん状、又は斑状のパターン等)で塗布されてよい。さらに、代替の取り付け機構としては、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合、又は任意の他の好適な取り付け機構、或いはこれらの取り付け機構の組み合わせが挙げられる。
【0032】
本開示によると、内層22(又はコア)は、エラストマーフィルムを含んでよい。代表的なエラストマーフィルムとしては、約600/sの工学的ひずみ速度で測定する場合、約14MPaを超える工学的引張り強度を有するエラストマーフィルムが挙げられる。特定の実施形態において、約600/sの工学的ひずみ速度で測定される場合、工学的引張り強度は約20MPaを超えてよい。これらの代表的なエラストマーフィルムはまた、以下でより詳細に記載されるように、切り欠き高速試験に対して、約600/sのひずみ速度で測定される場合、約7MPaを超える工学的引張り強度を有してもよい。特定の実施形態において、切り欠き高速試験に対して、約600/sの工学的ひずみ速度で測定する場合、工学的引張り強度は約15MPaを超えてよい。現在のところ、高速において高強度であることは、その強度が切り欠きを有する試験片で測定された場合であろうとなかろうと、好適なエラストマーフィルムを選択するのに有意であり得ると考えられる。しかしながら、切り欠き試験及び切り欠き無し試験の双方において、高速で高強度を示すエラストマーフィルムは、切り欠き試験又は切り欠き無し試験のいずれかにおいて高引張り強度を示すエラストマーよりも、伸縮性積層体に使用する上でさらに優れた好適性を有し得る場合もある。また、適切な材料を選択する上で、切り欠き試験における工学的引張り強度は、切り欠きの無い(又は平坦な)試験片試験よりも有意である場合もある。
【0033】
代表的なエラストマーフィルムとしては、スキンを有するもの及びむき出しのものが挙げられる。しかしながら、スキンはブロッキングを防ぐのに役立ち得るが、優れたゴム状弾性に関する層率での活性化中の損傷を防ぐフィルムの能力に実質的には貢献しないと考えられる。かわりに、以下でより詳細に説明されるように、エラストマーの機械的特性(例えば、工学的強度)は、活性化という状況下において、高速での機械的一体性が主な問題であると考えられる。
【0034】
上記で提供される引張り強度の必要条件を満たす代表的なエラストマーフィルムは、以下の代表的な方法に従って作成され得る。ドイツ、ハノーバー(Hannover)のベルストルフ(Berstorff)社から市販されているウルトラグライド(UltraGlide)2軸押し出し機(直径25.4mm及びL:D=32)は、イリノイ州マックヘンリー(McHenry)のGLS複合材料ディストリビューショングループ(GLS Composites Distribution Group)から市販されている253〜128樹脂を使用した。押出成形機に振動フィーダーを取り付け、樹脂ペレットを押出成形機の供給口に定速で放出した。押出し温度は、第1押出し領域を約148.8℃(300°F)、及び最終押出し領域及びダイを約221.1℃(430°F)に設定し、好適な上昇温度傾斜プロファイルを与えるように中間領域の温度を選択した。スクリュー速度は、約100rpmであった。押出成形機に15.2cm(6インチ)幅のフィルムダイを取り付け、フィルムを好適なフィルム巻取り装置の剥離紙上に直接鋳造した。
【0035】
外層24、26は、SM(スパンボンドメルトブローン)、SMS(スパンボンドメルトブローンスパンボンド)、及びSMMS(スパンボンドメルトブローンメルトブロウンスパンボンド)不織布のような不織布材料であってよい。不織布材料としてはまた、活性化(又はリングロール)工程に適合するように特別に設計及び製造されたもののようなカード不織布が挙げられる。それに関し、スパンボンドもまた、活性化工程に適合するように特別に設計及び製造されてよい。しかしながら、本開示によるエラストマー層の使用を通して、設計の選択においてより優れた可撓性が達成され得る。例えば、スパンボンドは、過去においてはカード不織布しか使用されなかった用途に選択されるか、又はより薄いエラストマー層がカード不織布とともに使用されてよい。設計の可撓性における他の改善点はまた、熟達した施術者によっても認められるであろう。
【0036】
不織布材料の秤量は、約25gsm未満であってよい。実際には、特定の実施形態によると、秤量は約22gsm未満であってよい。他の実施形態において、秤量は約20gsm未満である場合がある。さらに他の実施形態において、不織布材料は約18gsm未満の秤量を有する場合がある。
【0037】
接着剤30、32は、フィルム22と不織布層24、26との間に好適な取り付けを提供することが知られているものから選択されてよい。1つの実施形態によると、接着剤は、マサチューセッツ州ミドルトン(Middleton)のボスティック(Bostik)社から市販されているH2031接着剤から入手できる接着剤であってよい。この接着剤の1つの特徴は、23℃において、手で積層体を作成するのに有用な有意な感圧性特性を有することである。しかしながら、この接着剤はまた、当該技術分野において周知の装置のような従来の積層体製造装置を使用して、上に列挙するフィルム及び不織布から積層体を製造する際に使用するのに好適でもある。
【0038】
上で列挙されたフィルム、不織布及び接着剤を使用する積層体の代表的な製造方法は以下のようである。はじめに剥離紙のシート上に接着剤30を配置する。不織布24のシートを接着剤30上に載置し、例えば、ハンドローラーを用いて不織布24に十分な圧力をかけることで、接着剤30を不織布24の1つの側42に移動させてよい。次に、接着剤30及び不織布24を剥離紙から徐々に剥がし、フィルム22の表面40に塗布する。この手順は、他の不織布26を接着剤32に取り付け、次に、その不織布26及び接着剤32をフィルム22の表面44に取り付けるために繰り返されてよい。層22、24、26が組み立てられると、例えばハンドローラーは、適切な剥離強度(約1〜2N/cm)を積層体20に付与するため、適度な圧力を積層体20に付加するのに使用される場合がある。これらの工程は、当業者の知識に従って、従来の製造装置において実行され得る。
【0039】
次に、積層体に「リングロール」と呼ばれることもある工程を施してよい。リングロール工程中、延伸に対する抵抗を削減するために、基材を永続的に伸長するために波形化相互係合ロールが使用される。得られた積層体は、リングロールプロセスが施された部分で伸縮性の度合いがより大きくなる。従って、この第2工程は、伸縮性複合体の局部的部分において伸縮特性を獲得するのにさらなる可撓性を提供する。機械方向又は機械横方向に漸増式に延伸し、材料を永続的に変形させる波形化相互係合ロールを使用して、伸張可能又は他の実質的に非伸縮性な材料に伸縮性を付与する方法は、米国特許第4,116,892号、同4,834,741号、同5,143,679号、5,156,793号、5,167,897号、5,422,172号、及び5,518,801号に開示されている。幾つかの実施形態において、中間構造体は、波形化相互係合ロールの間に、この第2の操作における機械方向に関して傾斜した向きで供給されてよい。或いは、第2の操作は、圧力下で中間構造体に適用される一対の相互係合溝付きプレートを用いて、局部的部分における中間構造体の漸増的なストレッチを実現してよい。
【0040】
高速で高い引張り強度(高ひずみ速度として表現してよい)を示す本開示のエラストマーは、エラストマーを使用して作成される伸縮性積層体20の性能特性を改善し、伸縮性積層体の費用の削減の可能性をもたらすと考えられる。例えば、活性化中の機械的損傷(例えば、破裂及び孔)の形成は、関連する範囲のひずみにわたって高速で高い引張り強度を示すエラストマーによって阻害又は制限され得るという説が立てられている。この点において、例えば、リングロールの手順中に積層体が受けるひずみよりも低いひずみで破断する高強度材料は受け入れられないことは容易に認識されるであろう。破断の際に受ける材料の工学的ひずみがリングロール工程に適応するのに十分に大きい場合、エラストマーの引張り強度は、フィルムの損傷(例えば、破裂又は孔)の発現を回避するための主要な基準であり得ると考えられる。そのような高強度のエラストマーを使用する積層体の費用の削減は、異なる数多くの方法において起こり得る。例えば、積層体(特に、エラストマー)が孔を形成するのにより耐性がある場合、特定の積層体に対してよりゲージが小さいエラストマーフィルムを使用することが可能である場合があり、結果として材料費用の削減をもたらす。同様に、本開示によるエラストマーを使用することで、さもなければ特定の用途において必要とされ得るよりゲージがより大きいエラストマーフィルムを使用する必要性が制限し得る。別の代替案として、カード不織布よりも安価であり得るスパンボンドのようなカード化されていない不織布は、本開示によるエラストマーフィルムが使用される場合に、そのような不織布が典型的に作成されないような特定の用途に対して使用されてよい。
【0041】
引張り試験方法及び結果
強度基準に見合うかどうかを判定するためのエラストマーを試験する代表的な方法は以下である。特に、破断前の試験片が受ける最大工学的応力として表され得る引張り強度に関して、エラストマーを試験した。
【0042】
強度基準に関する代表的な試験方法は、ミネソタ州エデンプレイリー(Eden Prairie)のMTSシステムズ社(MTS Systems Corporation)から市販されている810材料試験システム(Material Testing System)を使用して実行された。特に、使用されたシステムに、28mm移動した後に5m/sを超え、40mm移動した後に6m/sに近づく速度が可能なサーボ油圧式作動装置(servohydraulic actuator)を搭載した。システムはまた、キスラー(Kistler)5010デュアルモード増幅器で信号整形された、22.6kg(50lb)のキスラー力変換機も取り付けた。
【0043】
平坦な試験片及び切り欠き試験片を、試験用に調製した。ここで、伸縮性積層体のエラストマー層における孔の形成は、材料における欠点であると判断し得ることが認められた。従って、試験片における切り欠きは、試験片に孔を形成するのに好適なシミュレーションを提供し、切り欠き試験片の引張り強度は、エラストマー層における孔形成を制限するための基準を設定するのに有用な情報を提供し得ると考えられる。
【0044】
平坦な試験片及び切り欠き試験片の双方において、はじめに2枚の紙の間にフィルムを載置した。次に、ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia)のハント社(Hunt Corporation)から市販されているXACTOナイフのような鋭利なブレード及び金属の直定規を使用して、フィルムから幅19mm×長さ約16.5mmに試験片を切断した。試験中に横断方向に沿って試験片が変形するように、フィルムの機械方向及び横断方向(機械横方向としても既知である)をそれぞれ19mm及び16.5mmの寸法に一致させた。定規で試験片の16.5mm寸法を0.2mm単位で測定し、4位置実験室用秤(4-place lab balance)で秤量した。
【0045】
切り欠き試験片に関しては、試験片の縁部に垂直な試験片の縁部に1mmの切り欠きを切り込んだ。XACTOナイフ、及びそこで形成される好適なガイドで機械加工された金属プレートを使用して、切り欠きを切り込んだ。切り欠きをそれぞれ、拡大レンズ(7倍)及び適切な目盛り線で測定し、1mm±0.1mmの範囲内に収まる切り欠きを有する試験片のみを試験に使用した。
【0046】
代表的な試験方法に従って、図2に示すように、試験片を実装して調製するために、特注製造のグリップ80一式をシステムに搭載した。グリップ80は、固定部材82及び可動部材84を有する。固定部材82は、システムのロードセル(図示せず)に取り付けられ得るボルトを受容するために形成された凹部86を有する。固定部材82はまた、実装マット90が取り付けられる表面88を有し、この実装マット90は、例えばウレタンゴムで形成されている。可動部材84は、表面88に対向する表面92を有する。頂点96は表面92に従属し、この頂点96は約1mmの直径を有し得る。可動部材84はそれぞれ、ボルト102が通過して配置される通路100を有する。固定部材82で定義される通路98は、試験片と線接触するために頂点96と実装マット90との間に配置される試験片の縁部を用い、可動部材84を比較的固定された関係で固定部材82に保持するため、ボルト102のねじと通路98のねじとが噛合するように、ねじ切りされてよい。
【0047】
以下のように、試験片を特注製造のグリップに実装した。はじめに、10ミリメートルのグリップ分離部(即ち、試験片とグリップ表面との間の接触線間の距離)まで、グリップを移動した。次に、試験片をグリップに実装した。所望により、実装工程中、コーンスターチのような粉末及びテープの薄片を使用してよい。テープが、グリップに実装されながら、試験片を直立かつ水平に保持するのに役立たせるために使用され得る一方、この粉末は、試験片のタックを制限するために使用されてよい。テープを使用する場合、試験中にテープが試験片のゲージに干渉しないように、グリップの線よりも後ろのままにすることが推奨される。次に、試験片に相当なゆるみを与えるが、グリップが互いに干渉しない程度にグリップを近づけた。
【0048】
このようにして実装した試験片を以下のように試験し得るが、他の方法も用いてよい。室温(23℃)において、作業者の経験に基づいて選択されるロードセルを使用して、図3に示す変形レジメンに従って作動装置の動作を開始した。標点距離(変形していない試験片がグリップに実装される際のグリップ接触線間の距離)は、試験される全試験片において10mmであった。試験中の力及び作動装置の変位データの記録は、ニコレット・インテグラ・オシロスコープ(Nicolet Integra oscilloscope)を使用して得た。上述のような実験条件下において、典型的なデータ収集周波数は40kHzであり得る。
【0049】
結果
試験結果は、本明細書及び図4のグラフで要約されている。結果は、工学的応力、工学的ひずみ、及び工学的ひずみ速度によって表わされている。この点に関して、以下の関係が示される。
【0050】
工学応力σ(MPaで表す)は、以下の等式を使用してよい。
【数1】

式中、Fは力(ニュートンで表す)であり、Aは試験片の断面積(mで表す)である。この計算を実行するために、試験片の断面積自体を以下の等式に従って計算した。
【数2】

式中、mは質量(kgで表す)であり、lは変形の方向に沿った寸法(mで表す)であり、ρは密度(kg/m)である。個々の試験片の質量及び長さの測定は、上述のように行った。当業者に既知の方法(密度勾配カラム、又はアルキメデスの原理の適用等)によって判定されるように、同様のエラストマーに対する歴史的な基準に従って、水素非添加及び水素添加SBCを優位に含むエラストマーに対して、密度はそれぞれ950又は920kg/mを採用した。密度値は、本明細書で記載される試験片に対して、約5%以内で正確であり得ると考えられる。
【0051】
工学的ひずみε(単位無し)を以下のように定義する。
【数3】

式中、Lは標点距離であり、変形していない試験片がグリップに実装される際、グリップが接触する線の間の距離(mで表す)であって、Lはグリップ位置であり、引張り試験中のグリップが接触する線の間の距離(mで表す)であって、zは変位であり、z=L−L(mで表す)として定義される。
【0052】
工学的ひずみ速度(s−1で表す)は、工学的ひずみの第1の時間導関数である。よって、以下に従ってひずみ速度を計算してよい。
【数4】

式中、νは一方のグリップが他方に対して移動する際の速度(m/sで表す)であり、Lは標点距離(mで表す)である。
【0053】
6枚の異なるエラストマーフィルム(本明細書において、フィルムA〜Fと識別する)を引張り強度に関して試験した。フィルムは、約80〜約100gsmの間の秤量を有した。フィルムを、2つの異なる方法に従って調製した。
【0054】
フィルム(A〜E)の5枚を、以下の方法に従って調製した。ドイツ、ハノーバーのベルストルフ社から市販されているウルトラグライド2軸押し出し機(直径25.4mm及びL:D=32)を使用した。押出成形機に振動フィーダーを取り付け、樹脂ペレットを定速で押出成形機の供給口に放出した。押出し温度は、第1の押出し領域を約148.8℃(300°F)、及び最終押出し領域及びダイを約221.1℃(430°F)に設定し、好適な上昇温度傾斜プロファイルを与えるような中間領域に対する温度を選択した。スクリュー速度は、約100rpmであった。押出成形機に幅15.2cm(6インチ)のフィルムダイを取り付け、フィルムを好適なフィルム巻取り装置の剥離紙上に直接鋳造した。
【0055】
以下の方法に従って、6枚目のフィルム(F)を調製した。従来の装置を使用して、少量の樹脂を150〜200マイクロメートルの厚みに圧縮成形した。ポリテトラフルオロエチレン(PTEE)フィルムの層間に樹脂を配置した。このようにして、アセンブリを形成し、次に、約30秒の滞留時間の間、約232℃(450°F)で保持されたプレート間にそのアセンブリを配置した。
【0056】
イリノイ州マックヘンリーのGLS複合材料ディストリビューショングループから市販されている253〜128樹脂を使用してフィルムAを形成した。ルイジアナ州プラクミーヌ(Plaquemine)のデクスコ・ポリマーズ(Dexco Polymers)LP社から市販されているベクター(Vector)4211樹脂を約83重量%、及びカナダ、カルガリー(Calgary)のノバ・ケミカルズ(Nova Chemicals)社から市販されているPS3190樹脂を約17重量%使用して、フィルムBを形成した。フィルムCは、ベクター4211樹脂のみを使用して形成した。テキサス州ヒューストン(Houston)のクラトン・ポリマーズ(Kraton Polymers)社から市販されているD1164樹脂を約83重量%、及びPS3190樹脂を約17重量%使用して、フィルムDを形成した。GLS複合材料ディストリビューショングループから市販されている148−089樹脂を使用してフィルムEを形成した。フィルムFは、ニューヨーク州ニューヨーク(New York)のクラレ・アメリカ(Kuraray America)社から市販されているPG−C−016樹脂を使用して形成した。
【0057】
全6枚のフィルムの試験結果を、平坦(切り欠き無し)及び切り欠き試験片の双方に関して以下の表に要約した。さらにまた、フィルムA〜Cの平坦及び切り欠き試験片に対する試験結果を表4でも示す。
【表1】

【0058】
現時点で、平坦及び切り欠き試験の双方において最大工学的引張り強度を有するエラストマーフィルム(即ち、エラストマーフィルムA)は、上記で議論された設計の可撓性において所望の改善を最も示すであろうと考えられる。しかしながら、設計の可撓性における好適な改善は、例えばエラストマーフィルムB、D及びFで達成し得るとも考えられる。
【0059】
比較試験方法及び結果
引張り強度に関して上記で試験されたフィルムA〜Cは、エラストマーフィルムを使用して形成された積層体の活性化を包含する比較試験においても使用される。代表的な試験方法は以下である。
【0060】
約48〜約52gsmの間の秤量を有して調製される目的のフィルム(フィルムA、B又はC)、約17gsmの秤量を有し、デンマーク、オルボア(Aalborg)のファイバーテックス(Fibertex)社から市販されているH0101711不織布材料、及び約1〜2N/cmの積層体結合強度を提供するように選択される秤量を有し、マサチューセッツ州ミドルトンのボスティック社から市販されているH2031接着剤を使用して、3層の積層体を調製した。約4.7〜約9.3gsmの間の範囲で所望の秤量において、接着剤をシリコーン剥離紙のシートにらせん模様で塗布した。特に、好適な接着剤のらせんを与えるように選択される流速、ノズル高さ、空気及び温度設定でITW D70ノズルを使用した。例えば、若干重なる(図5を参照)などして、接着剤のらせんが互いに好適な空間的関係を有するように、ラスター化(raster)及びインデックス化するようにプログラムされたX−Yテーブル上に剥離紙を実装した。不織布層を接着剤上に配置することで、剥離紙から接着剤を不織布の第1の層に移した。接着剤及び不織布の双方が剥離紙から剥がれるのを可能とするために、接着剤と剥離紙に必要な圧力を付加するのにハンドローラーを使用した。次に、フィルムを接着剤上に配置し、ローラーを使用した。この手順を繰り返して、第2の不織布層をフィルムの他の表面に適用した。双方の不織布層をフィルムに取り付けた後、積層体結合強度が「飽和」する(即ち、さらなるローリング又は圧力によって有意に上昇しない)まで、さらに数回にわたって圧力の付加を繰り返すのにハンドローラーを使用した。
【0061】
長さ約150mm×幅約80mm(それぞれ機械方向及び横断方向)の寸法を有する積層体のシートを活性化処理に供した。具体的には、米国特許第6843134号及び同6915700号、及び米国特許公開第2004/0177709号に記載されるもののようなプレス機にシートを実装した。シートの横断方向がプレス機の歯方向と一致するように、シートを配向した。以下のパラメーターを使用した。
・ロール直径:152.4mm
・ウェブ速度:2.75m/s
・歯先半径:0.102mm
・歯ピッチ:3.81mm
・歯高さ:25.3mm
・歯:23
・噛合の度合い:4mm〜11mm
【0062】
それぞれの試験片の活性化領域は、長さ約100mm(使用される歯の数で決まる)×幅約80mm(シートの幅によって決まる)であった。活性化後、それぞれの試験片をフィルムにおける破裂箇所(即ち孔)がないか検査した。存在する孔の数を数え、以下の表に要約した。さらに、フィルムA〜Cで作成された積層体に対する試験結果を表6でも示した。
【表2】

【0063】
この試験方法は、フィルムAは試験された他のフィルムで作成される伸縮性積層体よりも優れた性能の伸縮性積層体を提供する、という上記で達成された評価を支持し得る定量的測定値を提供すると考えられる。フィルムAのエラストマーを使用して作成される伸縮性積層体は、フィルムB及びフィルムCのエラストマーを使用して作成される積層体より高い度合いの噛合で、より少ない孔を示すことが分かるであろう。これにより、所定の用途に対して使用されるフィルムAのゲージ(厚み)をフィルムB又はCのゲージよりも少なくすること、又は、フィルムAのエラストマーが用いられる積層体において、フィルムB及びCのエラストマーで予想されるよりも不織布の選択の幅が広がること、が可能になり得ると考えられる。試験結果は、フィルムBを使用して作成される積層体とフィルムCを使用して作成される積層体との間の性能の違いも示すと考えられる。
【0064】
代表的な吸収性物品
本開示に従う伸縮性積層体、その製造及び試験方法をここまで説明したので、吸収性物品中での伸縮性積層体の使用を次に議論する。伸縮性積層体の使用が吸収性物品の特定の領域に関して教示されているが、伸縮性積層体は他の領域でも同様に使用され得ることが分かるであろう。
【0065】
図7は、平坦で非収縮状態、即ち、伸縮性誘発収縮のない代表的な使い捨て吸収性物品120の平面図である。使い捨て吸収性物品120の下層構造をより明確に示すために、物品120の複数の部分を切り取った。図で示されるように、着用者と接触する使い捨て吸収性物品20の部分が見る人に面している(即ち、物品の内部又は内側を示している)。使い捨て吸収性物品120は、長手方向軸線130と横断方向軸線132とを有する。
【0066】
使い捨て吸収性物品120の1つの末端部は、使い捨て吸収性物品120の第1の腰部区域140として設定されている。反対側の末端部は、使い捨て吸収性物品120の第2の腰部区域142として設定されている。腰部区域140及び142は、一般に、着用時に着用者の腰部を取り囲む使い捨て吸収性物品120の部分を含む。腰部区域140及び142は、着用者の腰部周りで縮んで改善された適合性及び収容性を提供するような伸縮性要素を含み得る。使い捨て吸収性物品120の中間部分は、第1及び第2の腰部区域140及び142の間で長手方向に延びる股区域144として設定されている。股区域144は、使い捨て吸収性物品120が着用されたときに、着用者の脚の間に一般的に位置決めされる、使い捨て吸収性物品120の部分である。
【0067】
使い捨て吸収性物品120は、第1の腰部区域140内の横方向に延びる第1の腰縁部150と、第2の腰部区域142内の長手方向に対向し、横方向に延びる第2の腰縁部152とを有する。使い捨て吸収性物品120は、第1の側縁部154と横方向に対向する第2の側縁部156とを有し、両側縁部は第1の腰縁部150と第2の腰縁部152との間で長手方向に延びる。第1の腰部区域140内における第1の側縁部154の部分は154aで示され、股区域144内における部分は154bで示され、第2の腰部区域142内における部分は154cで示される。これに対応する第2の側縁部156の部分は、それぞれ、156a、156b、及び156cで示される。
【0068】
使い捨て吸収性物品120は、好ましくは透水性トップシート160、水不透過性バックシート162、及びトップシート160とバックシート162との間に配置され、トップシート160はバックシート162に取り付けられている吸収性アセンブリ又はコア164を含む。トップシート160は完全に又は部分的に伸縮され得るか、又は収縮され得る。伸縮又は収縮されたトップシートを含む代表的な構造体が、とりわけ米国特許第4,892,536号、同第4,990,147号、同第5,037,416号、及び同第5,269,775号により詳細に記載されている。
【0069】
吸収性物品120は、改善された適合性及び収容性を提供するのに役立つ少なくとも1つの伸縮的腰部機構170を含み得る。伸縮的腰部機構170は、伸縮的に膨張及び収縮して着用者の腰部に動的に適合することを意図される場合がある。伸縮的腰部機構170は、吸収性物品150の少なくとも1つの腰縁部(例えば、縁部150)から長手方向外側に延び、一般的に吸収性物品120の腰部区域(例えば、区域140)の少なくとも一部分を形成する場合がある。おむつは、2つの伸縮的腰部機構170、172(1つ(170)は第1の腰部区域140内に配置され、1つ(172)は第2の腰部区域142内に配置される)を有するように構築される場合が多い。さらに、伸縮的腰部機構170、172は、バックシート162に取り付けられるか、又は接合される伸縮性積層体20から作成されてよい。或いは、伸縮的腰部機構170、172は、トップシート160、バックシート162、又はトップシート160及びバックシート162の双方(例えば、トップシート160又はバックシート162は、積層体20の層24、26のうちの1つを定義する)のような、吸収性物品の他の要素の延伸部として作成されてよい。他の伸縮的腰部機構の構成は、米国特許第4,515,595号、同第4,710,189号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に記載される。
【0070】
吸収性物品120は、バックシート162に取り付けられるサイドパネル180、182を含み得る。1つ以上のサイドパネル180、182は、伸縮性積層体20から形成される場合がある。この構成は、伸縮性サイドパネル180、182によって吸収性物品120の側部が拡張及び収縮できる限り、最初に吸収性物品120を着用者に快適に適合させ、吸収性物品120が排出物の負荷を受けてから十分経った後の着用期間中もこの適合を維持することによって、より快適で体型に合った適合を提供し得る。サイドパネル180、182は、適用中、介護者が一方の伸縮性サイドパネル180を他方の伸縮性サイドパネル(182)より引く場合でさえも、着用中に吸収性物品120は「自己調整」するため、吸収性物品120のより有効な適用も提供し得る。吸収性物品120は、好ましくは第2の腰部区域142内に配置されるサイドパネル180、182を有するが、吸収性物品120には第1の腰部区域140、若しくは前側腰部区域140及び第2の腰部区域142の双方に配置されるサイドパネルが提供される場合がある。
【0071】
図8は、図7に示された物品が着用された設定を示している。使い捨て吸収性物品120は、図8に示すように設定するために両側部で封止してよい。しかしながら、物品120は、腰部区域140、142を共に締結するのに使用することができる再締結可能なサイドシーム170を代わりに含む場合がある。1つの代表的な実施形態によると、おむつのような物品を適用するために腰部区域140、142を両側部で締結してよい。代表的な実施形態によると、図8に示されるように、サイドシーム170は、物品をプルオントレーニングパンツ又は使い捨てパンツのように設定するのに使用することができる締結具172を有してよい。
【0072】
図で説明されるように、締結具172は第1の側縁部154の部分154cと隣接し、第2の側縁部156の部分156cと隣接する第2の腰部区域142における使い捨て吸収性物品120の内部に配置され得る。閉鎖及び締結前又は再解放後のような開放状態で側縁部154の部分154cを示す。対向する側縁部156の部分156cは、締結されて、即ち、パンツ構成を形成して示されている。図8において、第2の腰部区域142は共に締結された際に第1の腰部区域140と重なり合う。
【0073】
締結具172は、対向する腰部区域の合わせ面に押しつけられたときに解放可能に付着する、任意の材料及び任意の形態で形成されてよい。例えば、一次締結構成要素は、不織布シートの中に繊維によって形成されたループと係合する複数のフックを用いるなど、合わせ面と解放可能に係合する機械的締結具であってよい。或いは、一次締結構成要素は、合わせ面に解放可能に接着する接着剤であってよい。実際に、締結具は、テープ状ひも、フック・ループ式締結構成要素、タブ及びスロット、バックル、ボタン、スナップ、及び/又は無性締結構成要素のような噛合締結具を含む場合がある。代表的な表面締結システムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されており、代表的な噛合締結システムは、米国特許第6,432,098号に開示されている。締結システムはまた、米国特許第4,699,622号に開示されているように、一次及び二次締結システムを含んでもよい。さらなる代表的な締結具及び締結具の配列、これらの締結具を形成する締結構成要素、及び締結具を形成するのに好適な材料は、米国特許出願第2003/0060794号及び同第2005/0222546号、及び米国特許第6,428,526号に記載されている。
【0074】
さらにその他の変形もまた可能である。例えば、互いに締結される際に第1の腰部区域140が第2の腰部区域142と重なり合うように、締結具172は、第1の腰部区域140内で物品120の内部上に配置される場合がある。別の例として、締結具170は物品20の内側よりも外側に配置される場合がある。さらなる例として、締結具170は、締結具170と連携するのに特に適した特定の噛合締着表面とともに使用される場合がある(例えば、フック締結具と連動するループ層、又は特定の接着剤に対して表面と好適な接触を提供するように特別に処理された層)。
【0075】
吸収性物品に対するさらなる変形
上述の吸収性物品120の代替案として、トップシート160、バックシート162、及び吸収性コア164の様々なアセンブリが使用されてよい。さらに、例えばトップシート等の構造の特性は、コーティング、ローション等の使用によって変化する場合がある。さらに、上述の特徴に加えて、使い捨て吸収性物品120は、所望の適合、収容、及び審美的特性を提供するために、スリット開口部、空隙、レッグカフ等のような様々な他の特徴を含んでよい。さらには、取得層又は分配層とも呼ばれる移動層、或いは副層は、トップシート160とコア164との間に配置されてよい。
【0076】
従って、トップシート、バックシート、及び吸収性コアは、以下:米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号(おむつ)、及び米国特許第5,246,433号、同第5,569,234号、同第6,120,487号、同第6,120,489号、同第4,940,464号、同第5,092,861号、同第5,897,545号、及び同第5,957,908号(パンツ)の特許文書に記載の周知の構成のいずれかにおける代替案において組み立てられてよい。
【0077】
トップシートは、例えば、多孔質発泡体、網状発泡体、孔あきプラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維又は綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)、若しくは天然繊維と合成繊維との組み合わせによる、織布又は不織布材料のような、広範囲の材料から作成されてよい。トップシートが繊維を含有する場合、こうした繊維はスパンボンド法、カーディング法、湿式載置法、メルトブローン法、水流交絡法、又は当該技術分野において既知の他の方法で加工されてよい。ステープル長さのポリプロピレン繊維を含むそのような材料の1つは、マサチューセッツ州ウォルポール(Walpole)のインターナショナルペーパーカンパニー(International Paper Company)の1部門であるベラテック(Veratec)社から市販されているP−8材料である。他の代替のトップシートは、米国特許第3,929,135号、同第4,324,246号、同第4,342,314号、同第4,463,045号、及び同第5,006,394号に記載されている。さらなる他の代替のトップシートは、米国特許第4,609,518号及び同第4,629,643号に従って作成され得る。代替のトップシートを作成するのに使用され得るフィルムとしては、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のプロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)社から市販されているドライ−ウィーブ(DRI-WEAVE)フィルム、及びバージニア州リッチモンド(Richmond)のトレデガー(Tredegar)社からのクリフ(CLIFF-T)−Tフィルムを挙げてよい。
【0078】
特定の実施形態において、着用者の皮膚を吸収性コアに収容される液体から隔離するため、トップシートの少なくとも一部分を疎水性材料で形成するか、又は疎水性処理する。トップシートが疎水性材料から形成される場合、液体がより速やかにトップシートを通過するようにトップシートの上面の少なくとも一部を親水性処理することが好ましい。トップシートは、これを界面活性剤で処理するか、或いは界面活性剤をトップシートに組み入れることによって親水性を付与することが可能である。トップシートを界面活性剤で処理する好適な方法としては、トップシート材料に界面活性剤を噴霧すること、及び/又は材料を界面活性剤中に浸漬することが挙げられる。そのような処理及び親水性のより詳細な説明が、例えば、米国特許第4,988,344号及び同第4,988,345号に包含されている。トップシートに界面活性剤を組み入れるいくつかの好適な方法について、米国法定発明登録第H1670号により詳細に議論がなされている。或いは、トップシートとしては、疎水性の孔あきウェブ又はフィルムを挙げてよい。これは、製造プロセスから親水性化処理工程を省き、及び/又はミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)のスリー・エム(3M Corporation)社から市販されているスコッチガード(SCOTCHGUARD)製品のようなポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluroethylene)化合物若しくは疎水性ローション組成物等のようなトップシートに疎水処理を施すことにより実現させ得る。そのような実施形態においては、尿のような水性流体が大きな抵抗を受けることなく浸透できるよう開口が充分大きいことが好ましい。
【0079】
トップシートに他の材料を塗布又は組み込みんでよい。例えば、トップシートの任意の部分を、当該技術分野で既知のローションでコーティングしてよい。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635,191号、同第5,643,588号、同第5,968,025号、及び同第6,716,441号に記載されているものが挙げられる。ローションは、単独でも機能し、また上記に記載した疎水化処理剤のような別剤との組み合わせでも機能し得る。トップシートはまた、抗菌剤を含むか又は抗菌剤で処理してもよく、その幾つかの例はPCT国際特許出願公開第WO95/24173号に開示されている。さらに他の可能性が認められるであろう。
【0080】
バックシートは、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚みを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムから作成され得る。代表的なバックシートフィルムとしては、バージニア州リッチモンドのトレデガー社から市販されているCPC2フィルムが挙げられる。或いは、バックシートは、吸収性物品から蒸気を逃させる一方で、排泄物がバックシートを通過することをなお防ぐ通気性材料から作成されてよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、ミクロ孔質フィルム(日本の三井東圧(Mitsui Toatsu)株式会社から市販されているエスポワールNOフィルム(ESPOIR NO film)及びバージニア州リッチモンドのトレデガー社から市販されているイグザイアーフィルム(EXAIRE film)等)、及びモノリシックフィルム(オハイオ州シンシナティのクロペイ(Clopay)社から市販されているハイトレル(HYTREL)ブレンドP18−3097フィルム等)が挙げられる。他の代替の通気性材料としては、PCT国際特許出願公開第WO95/16746号及び米国特許第5,938,648号、同第5,865,823号、及び同第5,571,096号に記載されるフィルムコーティング不織布ウェブ又は複合材料のような複合材料が挙げられる。
【0081】
吸収性コアは、広範な特性を示し得る。例えば、コアは広範な寸法及び形状(例えば、矩形、砂時計形、「T」字形、非対称等)で作成されてよい。さらに、一般的にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプを含む使い捨ておむつ及び他の吸収体物品で一般的に使用されているもののような広範な液体吸収性材料から作成されてよい。他の代替の吸収性コア材料としては、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding);コフォームが含まれるメルトブローポリマー;化学的に剛化、変性、若しくは架橋されたセルロース繊維;ティッシュラップとティッシュラミネートが含まれるティッシュ;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル材料;又はいずれか他の既知の吸収性材料、或いはこれらの材料の組み合わせが挙げられる。吸収性コアの構成及び構造は変更されてよい(例えば、吸収性コア又は他の吸収性構造体は、様々なキャリパー領域、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度及びより低い平均坪量獲得領域を有し得る)。吸収性コアとして使用するための代表的な吸収性構造としては、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、及び同第5,625,222号にあるものを挙げてよい。
【0082】
バックシートはトップシート、吸収性コア又は吸収性物品の任意の他の要素に接合される場合がある。この方式においては、バックシート及びトップシートはいくつかの位置において互いに直接接合され、例えば、それらを吸収性物品120の1つ以上の他の要素に直接接合することによりその他の位置において共に間接的に接合される場合がある。任意の様々な取り付け方法又は機構によって、取り付け具は形成され得る。例えば、取り付け方法又は機構としては、接着剤の均一な連続層、接着剤の模様付きの層、或いは接着剤の別個の線、らせん、又は点の配列を挙げてよい。1つの可能な取り付け機構としては、米国特許第4,573,986号にあるように、接着剤のフィラメントの開放パターン網状組織が挙げられる。別の好適な取り付け機構としては、米国特許第3,911,173号、同第4,785,996号、及び同第4,842,666号にあるように、らせん模様に旋回される接着剤フィラメントの幾つかの線が挙げられる。使用され得る他の接着剤は、ミネソタ州セントポール(St. Paul)のH.B.フラー(H. B. Fuller)社から市販されているHL−1620及びHL−1358−XZPである。さらに、代替の取り付け機構としては、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合、又は任意の他の好適な取り付け機構、或いはこれらの取り付け機構の組み合わせが挙げられる。
【0083】
トップシートは、尿及び/又は糞便(固体、半固体、又は液体)などの排泄物の浸透を容易にするための1つ以上の開口を備えてよい。主開口の定寸において、主開口が非常に小さい場合には、汚物源と開口位置の位置合わせの失敗によるか、又は開口を超える直径を有する糞便の塊によって、汚物は開口を通過しないと見なすのが適切である。同様に、開口が非常に大きい場合、物品によって「再湿潤」されることで汚染され得る皮膚の区域が増大する。典型的に、開口は、約10cm〜約50cmの間の区域を有するべきである。開口は、好ましくは約15cm〜35cmの間の区域を有する。
【0084】
さらに、吸収性物品はまた、排泄物を受容して封じ込めるポケット、排泄物のための空隙を提供するスペーサ、物品内での排泄物の移動を制限するためのバリア、吸収性物品120内に堆積された排泄物質を受容して封じ込める区画又は空隙等、或いはこれらの任意の組み合わせを包含し得る。吸収性製品において使用するためのポケット及びスペーサの例が、米国特許第5,514,121号、同第5,171,236号、同第5,397,318号、同第5,540,671号、同第6,168,584号、同第5,306,266号、及び同第5,997,520号に記載されている。区画又は空隙の例が、米国特許第4,968,312号、同第4,990,147号、同第5,062,840号、及び同第5,269,755号に開示されている。トップシートとコアとの間に空隙を提供するために、伸縮又は収縮されたトップシートを含む代表的な構造は、米国特許第4,892,536号、同第4,990,147号、同第5,037,416号、及び同第5,269,775号においてより詳しく記載されている。好適な横断方向バリアの例が、米国特許第5,554,142号及び同第5,653,703号、及びPCT国際特許出願公開第WO94/14395号に記載されている。低粘度の糞便の処理に特に好適な他の構造体の例が、米国特許第5,941,864号、同第5,977,430号、及び同第6,013,063号に開示されている。
【0085】
吸収性物品は、液体及び他の排泄物の改善した収容性を提供するレッグカフを含んでよい。レッグカフはまた、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフ、又は伸縮性カフと呼ばれる場合もある。好適なカフは、米国特許第3,860,003号、同第4,808,178号、同第4,909,803号、同第4,695,278号、及び同第4,795,454号に記載されている場合がある。ある実施形態においては、レッグカフ32の全体又は一部をローションで処理することが望ましい場合がある。
【0086】
吸収性物品は、トップシートとバックシートとの間に配置された副層を含んでよい。副層は、排泄物を受容し、格納し、或いは不動化することができるあらゆる材料又は構造であってよい。従って副層は、単一材料、又は互いに動作可能に関連付けられた多数の材料を含んでいてよい。さらに、副層は、おむつの別の要素と一体であっても、おむつの1つ以上の要素と直接的に又は間接的に結合した1つ以上の別個の要素であってもよい。さらに、副層は、コアから独立した構造を含んでもよく、コアの少なくとも一部分を含むか又は一部分であってもよい。
【0087】
副層として使用するのに好適な材料としては、大型連続気泡発泡体、マクロ孔質耐圧縮不織布嵩高品、連続気泡発泡体及び閉塞気泡発泡体の大型粒子状成形物(large size particulate forms)(マクロ孔質及び/又はミクロ孔質)、嵩高不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡体又は粒子、多数の垂直配向のループ状繊維ストランドを含む構造体、打ち抜き穴又は窪みを有する上述の吸収性コア構造体等を挙げてよい。副層の1つの実施形態としては、ミネソタ州ミネアポリスのスリー・エム社から市販されている、約1.5mmの非圧縮厚みを有するXPL−7124機械的締結ループランディング要素が挙げられる。別の実施形態としては、ジョージア州レンス(Wrens)のグリット(Glit)社から市販されている1平方メートル当たり110gの坪量及び7.9mmの非圧縮厚みを有するけん縮かつ樹脂結合された6デニールの不織布嵩高品が挙げられる。他の好適な吸収性及び非吸収性の副層が、米国特許第6,680,422号及び同第5,941,864号に記載されている。さらに副層又はそのいずれかの部分が、この要素の性能又は他の特性を付加、強化、或いは改変するためにローション又は他の既知の物質を含むか、或いはこれらによりコーティングされていてよい。
【0088】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0089】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、その関連部分において、本明細書に参照として組み込まれるが;いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものであると解釈すべきではない。本開示内における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文書における用語の任意の意味又は定義と相反する限り、本開示においては、本開示における用語に指定された意味又は定義に準拠するものとする。
【0090】
本発明の特定の実施形態について説明し、記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲で網羅することを意図する。
【0091】
本明細書は、本発明と見なされる主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた説明からさらによく理解されると考えられる。一部の図は、他の要素をより明らかに示すため、選択された要素を省略することで簡略化されている場合がある。一部の図中のそのような要素の省略は、対応する明細書の中で明確に叙述されている場合を除き、代表的な実施形態のいずれにおいても特定要素の有無を必ずしも暗示するものではない。いずれの図面も必ずしも一律の縮尺に従っていない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1A】本開示による伸縮性積層体の第1の実施形態の側面図。
【図1B】本開示による伸縮性積層体の第2の実施形態の側面図。
【図2】エラストマーが伸縮性基準を満たすかどうかを判定するためにエラストマーの試験片において実行される試験に使用され得るグリップの概略。
【図3】エラストマーが伸縮性基準を満たすかどうかを判定するためにエラストマーの試験片において実行される試験に使用され得る変形レジメンを説明するグラフ。
【図4】これらのエラストマーが伸縮性基準を満たすかどうかを判定するために幾つかのエラストマーの試験片において実行される試験結果を説明するグラフ。
【図5】比較試験に使用される伸縮性積層体のエラストマーと不織布層を接合するのに使用される接着剤パターンの概略。
【図6】本明細書で設定される伸縮性基準を満たすエラストマーで作成される伸縮性積層体の試験片、及び作成されない伸縮性積層体の試験片において実行される比較試験の結果を説明するグラフ。
【図7】下にある吸収性コアを曝露するために除去されたトップシート区分を備える、図1A、1Bの伸縮性積層体から作成される区分を含む、代表的な吸収性物品の平面図。
【図8】弛緩し、収縮した状態で示された、即ち伸縮部材によって誘発された収縮を有する、図7の吸収性物品の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマーフィルムを含み、表面(40)を有する第1の層(22)と、
不織布材料を含み、25gsm未満の秤量及び前記第1の層の表面に取り付けられる表面(42)を有する第2の層(24)とを含む伸縮性積層体(20)であって、
前記エラストマーフィルムが、600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して約14MPaを超えるか、又は切り欠き試験片に対して約7MPaを超えるうちの少なくとも1つの工学的引張り強度を有する、伸縮性積層体。
【請求項2】
前記エラストマーフィルムが、600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して20MPaを超える工学的引張り強度を有する、請求項1に記載の伸縮性積層体。
【請求項3】
前記エラストマーフィルムが、600/sの工学的ひずみ速度で、切り欠き試験片に対して15MPaを超える工学的引張り強度を有する、請求項1又は2に記載の伸縮性積層体。
【請求項4】
前記エラストマーフィルムが、600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して20MPaを超え、かつ切り欠き試験片に対して15MPaを超える工学的引張り強度を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮性積層体。
【請求項5】
前記不織布材料が、カード不織布材料又はスパンボンド不織布材料を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の伸縮性積層体。
【請求項6】
不織布材料を含む第3の層(26)を含み、前記第3の層が前記第2の層と対向する表面上で前記第1の層に取り付けられる表面(46)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の伸縮性積層体。
【請求項7】
前記第1の層と第2の層との間、及び前記第1の層と第3の層との間に配置される接着剤(30、32)を含む、請求項6に記載の伸縮性積層体。
【請求項8】
請求項1に記載の伸縮性積層体を含む吸収性物品。
【請求項9】
伸縮性積層体(20)の作成方法であって、
エラストマーフィルムが、600/sの工学的ひずみ速度で、平坦な試験片に対して約14MPaを超えるか、又は切り欠き試験片に対して7MPaを超えるうちの少なくとも1つの工学的引張り強度を有する、前記エラストマーフィルムを提供する工程と、
25gsm未満の秤量を有する不織布層を前記エラストマーフィルムに取り付け、アセンブリを形成する工程と、
前記エラストマーフィルム及び前記不織布層のアセンブリを活性化する工程と、を含む方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−537350(P2009−537350A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510611(P2009−510611)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052137
【国際公開番号】WO2007/141744
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】