説明

伸縮性貼付剤

【課題】支持体から剥離シートを剥がして皮膚に貼付する際に、粘着層同士が貼り付いてくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりするのを防止して、剥離作業性に優れるとともに皮膚患部に円滑に貼付することができ、さらに支持体の伸張性が大きく皮膚への追随性に優れるとともに生産性に優れた貼付剤を提供する。
【解決手段】(a)1本の、又は、互いに接することなく並設して2乃至3本の連続した線状切込部6が形成された支持体2と、(b)支持体2の一面に積層された粘着層3と、(c)粘着層3に剥離可能に付着され一方の縁部からこれに対向する他方の縁部に延びる切れ目11と、切れ目11によって幅狭の帯状に形成された帯状部12と、を有する剥離シート8と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスター剤(硬膏剤)等の伸縮性貼付剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、肩、肘、膝、足首、手首等の関節部位の痛みに対する療法としてプラスター剤(硬膏剤)等の貼付剤が広く利用されている。貼付剤は、支持体の一面に薬物が配合された粘着層を塗工し、粘着層に剥離シートを付着させたものが一般的である。使用時には剥離シートを剥がして粘着層を皮膚に貼着し、皮膚を介して薬物を吸収させるものである。このような貼付剤は、皮膚が伸縮しても、貼付中に剥がれないことが薬物の経皮投与性能を有効に発揮させるために重要である。粘着層の皮膚への粘着力を大きくすることで、貼付中の剥がれを防止できるが、かぶれ等が生じたり違和感が増したりする等の問題が生じ、さらには貼付後皮膚から剥離する際に痛みが大きくなるという問題があった。
そこで、この問題を解決するため、支持体の皮膚への追随性を高める方法が採られている。
従来の技術としては、例えば(特許文献1)や(特許文献2)に、「支持体の片面に粘着剤層が設けられた貼付剤であって、支持体が、柔軟性を有する織布又は不織布とプラスチックフィルムとの積層体であり、プラスチックフィルムに厚み方向に貫通する複数の線状切り込みが設けられた貼付剤」が開示されている。
なお、(特許文献3)に「テープ本体の長さ方向に複数の切断線が形成されたテープサポータ」が開示されているが、テープサポータは、テープ本体に接着剤を付けただけのものであり、薬物が配合されていない点で、貼付剤と相違する。また、テープサポータは薬物が配合されていないので、薬物による消炎鎮痛効果を期待するものではなく、スポーツ等を行う際に皮膚に付着させて、鈍痛を和らげ、筋肉と腱の過剰な収縮や伸びを予防し、患部の運動機能を正常にする機能を有しているが、薬物を経皮投与する機能は有していない点で、貼付剤と相違する。
【特許文献1】実開平2−139625号公報
【特許文献2】特開平10−287557号公報
【特許文献3】実用新案登録第3097985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術では、皮膚に貼付した貼付剤の線状切り込みが左右に引き離され開口した状態になるため、貼付剤を線状切り込みと直交方向に伸張させることができるものである。しかし、線状切り込みが支持体の同一線上に断続的に多数形成され、それが複数列並べられて全体が交互に千鳥状になるように配列されているので、支持体の伸張性をあまり大きくすることができず、肘、膝、足首等の複雑な伸縮屈折運動が行われる部位に貼付した場合には、支持体が突っ張って患部が引きつり違和感を覚えたり、貼付部位より剥離したりする等の問題が生じていた。また、支持体に線状切り込みを断続的に形成する工程は、作業が煩雑で生産性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献2)の図2に開示された貼付剤は、線状切り込みが交差するように形成されているので、線状切り込みの交差点付近の粘着面積が小さいため、皮膚に貼付した後に捲れ易く、貼付中に剥がれ易いという課題を有していた。
(3)(特許文献1)や(特許文献2)の図1、(特許文献3)に開示の技術では、線状切り込みが支持体の全面に亘って多数(5本以上)形成されているので、支持体から剥離シートを剥がして皮膚に貼付する際に、支持体が線状切り込みの部分から折れ曲がったり捻れたりし易いため、粘着層が互いに貼り付いてくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりして、皮膚患部に貼り難いという課題を有していた。また、線状切り込みが多数形成されていると、皮膚に貼付中に線状切り込みからはみ出した粘着剤が患部の上に羽織った衣服に付着して、線状切り込みが絡み付いて支持体が剥がれ易くなるという課題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、支持体から剥離シートを剥がして皮膚に貼付する際に、粘着層同士が貼り付いてくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりするのを防止して、剥離作業性に優れるとともに皮膚患部に円滑に貼付することができ、貼付中には剥がれ難く、さらに支持体の伸張性が大きく皮膚への追随性に優れるとともに生産性に優れる伸縮性貼付剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来の課題を解決するために本発明の伸縮性貼付剤は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の伸縮性貼付剤は、(a)1本の、又は、互いに接することなく並設して2乃至3本の連続した線状切込部が形成された支持体と、(b)薬物を含有し前記支持体の一面に塗工された粘着層と、(c)前記粘着層に剥離可能に付着され一方の縁部からこれに対向する他方の縁部に延びる切れ目と、前記切れ目によって幅狭の帯状に形成された帯状部と、を有する剥離シートと、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)支持体は線状切込部が1乃至3本しか形成されておらず、線状切込部の数が少ないので、少ない刃型でよく、また線状切込部を形成する工程が簡易で生産性に著しく優れる。
(2)線状切込部の数が1乃至3本のため、切り込まれた支持体の幅が広く粘着面が広く皮膚に貼付されるため、粘着剤が患部の上に羽織った衣服に付着した場合でも線状切込部が絡み付き難く、貼付中に支持体が剥がれ難い。また、連続した線状切込部が形成されているので、線状切込部と略直交する方向へ線状切込部を大きく開口させることができ、支持体の伸張性を大きくすることができ、皮膚に貼付した後の皮膚への追随性に優れるため、貼付中の剥がれを防止することができる。
(3)切れ目によって幅狭の帯状に形成された帯状部を剥離シートが備えているので、皮膚に貼付するときは、まず帯状部を剥がして粘着層を露出させ、この粘着層を患部に貼付して予備的に固定させ、次に、残りの剥離シートを摘んで剥がし粘着層の全面を患部に貼付させることができる。このため、皮膚に貼付する際に、支持体を剥離シートで裏打ちされた状態にできるため、支持体が線状切込部から折れ曲がったり捻れたりし難くなり、粘着層が互いに貼り付いてくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりすることがなく、剥離シートの剥離作業性に優れるとともに患部に円滑に貼付することができる。特に、Lサイズといわれる支持体が10cm×14cmの大きさの貼付剤でも、患部に円滑に貼付でき付着性にも優れる。また、皮膚患部への貼付部位が悪ければ予備的な固定の段階で貼り直すことができ、確実に患部の所望する部位に貼付することができる。
(4)粘着層の全面を貼付する前に患部に粘着層の一部を貼付し固定できるので、残りの剥離シートを引き剥がす際にずれ難く、片手でも簡単に皺なく綺麗に貼付できる。
【0006】
支持体としては、構成材料は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンもしくはスチレン−イソプレンを主体とするブロック共重合樹脂、ナイロン、ポリウレタン、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルアセタール、ポリアミド、レイヨン等の合成樹脂からなるフィルム、織布、編布、不織布、またはこれらの積層体が好ましく使用される。支持体は、一軸方向や二軸方向に伸縮性を有する材質が用いられる。
また、支持体は適度な柔軟性を有していることが好ましい。さらに、支持体の厚みは0.01mm〜5mmが好ましい。支持体の厚みが0.01mm未満となるとハンドリングが悪くなり、シワが生じ易くなる傾向にあり、他方、5mmを超えると柔軟性が低下し、貼付時に違和感が生じ、また物理的な刺激が付与され易くなる傾向にあるからである。
【0007】
線状切込部としては、支持体の厚み方向に貫通して1本、又は、交わることなく2乃至3本形成されたものが用いられる。また、線状切込部は、直線状、波線状等の種々の形状に形成することができる。
また、支持体として一軸延伸フィルムを用いた場合は、線状切込部は、延伸方向(伸縮方向)と平行方向に形成するのが好ましい。一軸延伸フィルムは延伸方向には伸縮するが、延伸方向と直交する方向には伸縮し難い性質を有している。線状切込部を延伸方向と平行方向に形成することで、延伸方向と直交する方向への支持体の伸張性が発現されるからである。
なお、4本以上の線状切込部が形成されると、線状切込部間の貼着面積が狭くなるため貼着力が低下して剥がれ易くなるとともに、剥離シートを剥がす際に絡み易くなり貼付し難くなり、さらに、線状切込部からはみ出したりだれたりする粘着剤の量が多くなり、皮膚に貼付中に線状切り込みからはみ出した粘着剤が患部の上に羽織った衣服に付着して、線状切り込みが絡み付いて支持体が剥がれ易くなる傾向がみられるため、好ましくない。
【0008】
2乃至3本形成された場合の線状切込部の位置は、要求される伸縮性等に応じて適宜決定されるが、適度な間隔をあけて略平行な位置に形成されたものが好ましい。線状切込部と直交する方向の支持体の伸縮性を向上させるためである。
【0009】
支持体の一面に積層された粘着層の主成分は、感圧性接着剤が用いられる。その構成材料は、特に限定されないが、常温で薬物を皮膚表面に長時間固定し得る粘着力を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等が挙げられる。中でも粘着物性および薬物の放出性がよいという観点からゴム系粘着剤が好ましく用いられ、特に、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ブチル、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック(SIS)共重合体等がより好ましく用いられる。特に、SIS共重合体が好ましく、これらの共重合体を用いる場合は、シェル化学社製のSIS基剤(商品名:カリフレックスTR−1107、カリフレックスTR−1111、カリフレックスTR−1112、カリフレックスTR−1117)、クレイトン社のSIS基剤(商品名:D-KX401CS)、日本合成ゴム社製のSIS基剤(商品名:JSR5000、JSR5002、JSR5100、JSR5200)、日本ゼオン社製のSIS基剤(商品名:クインタック3570C、クインタック3421)等が最も好ましく用いられる。
【0010】
粘着層には、必要に応じて粘着付与剤、軟化剤、充填剤、抗酸化剤、溶解剤、吸収促進剤等の配合剤を添加してもよい。このような配合剤としては、例えば、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業社製、商品名:アルコンP−100等)、ロジンエステル(荒川化学工業社製、商品名:KE−311、KE−100等)、水素添加ロジンエステル(ハーキュレス社製、商品名:フォーラル105、フォーラル85等)、水素化脂環族系炭化水素(エクソン化学社製、商品名:エスコレッツ5300等)、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂の粘着付与剤;流動パラフィン、ポリブテン、液状ポリイソブチレン、動植物油等の軟化剤;酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤;ブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤;クロタミトン、ポリエチレングリコール(マクロゴール各種を含む)、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の溶解剤等が挙げられる。また必要に応じて、薬剤の皮膚透過性を向上させるために感圧性接着剤中に吸収促進剤を含有してもよく、このような吸収促進剤としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、炭酸プロピレン、オレイン酸ソルビタン、クロタミトン、L−メントール、ハッカ油、N-メチル−2−ピロリドン、dl−カンフル、ソルビタンモノラウレート、オレイルリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オクチルフェニルエーテル、ラウリルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ラウロイルジエタノールアミド、ラウロイルサルコシン、オレオイルサルコシンシュガーエステル等が挙げられる。その他、色素、香料、清涼剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、安定化剤、充填剤、抗酸化剤、pH調整剤等の貼付剤を処方するうえで通常使用される各種添加物を、伸縮性貼付剤の目的に応じて感圧性接着剤中に1種または2種以上適宜配合してもよい。なお、粘着層は実質的に無水であることが好ましい。
【0011】
粘着層には薬物が配合される。配合される薬物としては、経皮吸収可能な薬物であれば特に制限はなく、全身性又は局所性の経皮吸収性薬物であればいずれでもよい。例えば、抗炎症剤(ステロイド又は非ステロイド系の抗炎症剤)、鎮痛剤(麻薬性及び非麻薬性)が挙げられる。配合量としては、0.001〜20質量%の範囲内にて適宜処方される。
より具体的なものとしては、コルチゾン、ハイドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドノゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン等のステロイド系抗炎症剤;サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ジクロフェナック、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェルビナク、ロキソプロフェン等の非ステロイド系抗炎症剤;フェンタニル、ブプレノルフィン等の鎮痛剤が挙げられる。
これらの薬物のなかでも、特にサリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ジクロフェナック又はその塩、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェルビナク、ロキソプロフェン又はその塩等の非ステロイド系抗炎症剤が好ましい。配合量としては、0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜10質量%配合するのが望ましい。
また、ハッカ油、メントール又はメントール類縁化合物を、薬効補助剤又は清涼剤として配合してもよい。あるいはトウガラシ、トウガラシエキス、カプサイシン、ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル等の温感刺激薬を配合してもよい。
【0012】
粘着層の厚み(塗工厚)は、10〜400μmが好ましい。粘着層の厚みが400μmを超えると感圧性接着剤に含まれる薬剤の放出性が悪くなる傾向にあり、他方、10μm未満では皮膚への接着性が劣り、剥がれの原因となる傾向にあるからである。
【0013】
剥離シートは、粘着層の全面に剥離可能に付着されているもので、使用時には剥離されるものである。粘着層の全面に剥離可能に貼着されることで、伸縮性貼付剤を使用する前においては、柔軟性の高い伸縮性貼付剤に皺ができてしまうことを防止する効果や、粘着層中の薬効成分の逃散を防止する効果を有する。また、伸縮性貼付剤を貼付する際には、剥離シートを剥がしながら粘着層を患部に密着させていくことで、柔軟性の高い伸縮性貼付剤に剛性を付与し綺麗に貼付する効果を有する。
剥離シートの構成材料は特に制限されず、ポリエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製フィルム、上質紙又はグラシン紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム、シリコン加工紙等が適宜選択される。
【0014】
剥離シートの厚さとしては、300μm以下、好ましくは20〜150μm、より好ましくは35〜90μmが好適である。適度な剛性を付与し、剥離シートの剥離作業の取扱性を向上させるとともに、支持体を皺なく皮膚患部に貼付するためである。
剥離シートの厚さが35μmより薄くなるにつれ伸縮性貼付剤の腰が弱くなり、剥離シートを剥がし難くなるとともに、貼付する際に支持体に皺が生じ易くなる傾向がみられ、90μmより厚くなるにつれ、剥離シートが次第に硬くなり貼付し難くなる傾向がみられる。特に、20μmより薄くなるか300μmより厚くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
【0015】
剥離シートの切れ目としては、直線状、波線状、鋸歯状、略S字状等の種々の形状に形成されたものが用いられる。特に、波線状や略S字状等に形成されたものが好適である。支持体が内側になるように伸縮性貼付剤を切れ目で折り曲げるだけで波線状が突出し、剥離シートが浮き上がるため、浮き上がらせた剥離シートの縁部分と粘着層の間に指を潜り込ませ、剥離シートを摘んで、剥離シートを簡単に剥がすことができ、また角張っていないので指に当たっても痛くないからである。
【0016】
切れ目によって形成される帯状部としては、支持体の短手方向の縁部に沿って付着されたもの、支持体の略中央部に付着されたもの、いずれも用いることができる。
なお、帯状部としては、切れ目の全長に亘って幅が実質的に等しく形成されているものが好ましい。切れ目の全長に亘って幅が実質的に等しいというのは、切れ目が波線状や鋸歯状等に形成されている場合、波線や鋸歯等の振幅を二等分する中心線で形成される幅が、切れ目の全長に亘って等しいことを意味する。これにより、剥離シートを剥がす際に支持体が捻れ難くなるため、支持体を患部に皺なく綺麗に貼付することができる。
帯状部の幅(切れ目が曲線状に形成されている場合には最短の幅)としては、支持体の長手方向の長さに対して1/14〜3/14(支持体の長さが14cmの場合は10〜30mm)に形成されたものが好適に用いられる。支持体の長手方向の長さに対する帯状部の幅の比率が1/14より小さくなるにつれ、帯状部を剥がして患部に貼付し予備的に固定させたときの粘着力が低下し、支持体を皺なく綺麗に貼付し難くなる傾向がみられ、3/14より大きくなるにつれ、帯状部を粘着層から剥がす際に支持体が線状切込部で絡み付いたり、支持体を皮膚に貼付する際に皺が生じ易くなったりする傾向がみられるからである。
【0017】
伸縮性貼付剤は、その角が円弧状に切断されていることが好ましい。伸縮性貼付剤は、一旦一部がめくれ剥がれてしまうと、その部分に皮膚の角層やほこりが付着し再度貼付することは難しい。特に、伸縮性貼付剤の形状が長方形である場合は、角が衣類等に引っかかり、真っ先にめくれて剥がれやすい傾向にある。そこで、伸縮性貼付剤の角を円弧状にし、衣類等に引っかかりにくくすることが好ましく、それにより剥離の発生を抑制できる。さらに、伸縮性貼付剤においてその角を円弧状にする場合、円弧は曲率半径が5mm以上であることが好ましい。この半径が5mm未満の場合は、貼付時の剥がれの低減が十分に達成されない傾向にあるからである。
【0018】
伸縮性貼付剤は、通常の貼付剤の製造方法が適用でき、例えば、薬物を添加混合した粘着剤を支持体に展延して粘着層を形成した後、スリッター等で支持体を貫通する線状切込部を形成し、粘着層に剥離シートを付着して製造することができる。また、薬物を添加混合した粘着剤を、離型処理の施された剥離シートに展延した後、剥離シートで支持体を覆い、粘着剤を支持体に圧着転写させて製造することができる。線状切込部は、粘着剤を圧着転写する前に支持体に形成しておくことができる。また、粘着剤を圧着転写した後に支持体に形成することもできる。
なお、本発明の伸縮性貼付剤は、プラスター剤(硬膏剤)に適用することができる。
【0019】
伸縮性貼付剤は、関節等の屈曲部位に貼付した際、動きに対する追随性を良くして剥がれを防止するため、せん断粘着力が3〜5.5N/cm、かつ、50%モジュラスが0.5〜1.2N/cmであることが好ましい。
せん断粘着力が3N/cmより低くなるにつれ、関節部位の曲げ伸ばしに対して支持体の密着性が低下し剥がれ易くなる傾向がみられ、5.5N/cmより高くなるにつれ、貼付時に引きつれ感が生じ違和感が増す傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
50%モジュラスが0.5N/cmより低くなるにつれ、貼付剤のこしが弱くなり線状切込部の絡み付きや患部に貼付し難くなる傾向がみられ、1.2N/cmより高くなるにつれ、関節部位の曲げ伸ばしに対する追随性が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0020】
ここで、せん断粘着力は、JIS Z0237−1991において参考3として記載されている「せん断粘着力試験」に従って測定した値をいう。即ち、せん断粘着力は、幅25mm、長さ100mmの貼付剤を試験片とし、JIS Z0237−1991 8.2.2規定の試験板上に、貼り合せ部分の面積が25mm(幅W)×20mm(長さL)となるように貼り合せた後、貼り合せた部分を5kgfの力で15分間圧着し、圧着後直ちにJIS Z0237−1991 6.2規定の引張試験機を用い、試験片の中心線と引張試験機のつかみの中心線が一直線上にあり、試験片にかかる力が試験片の中心線と平行にかかるようにして試験片を毎分300±30mmの速さで引っ張り、貼り合せた部分が剥がれたとき又は試験片が切断したときの単位面積当たりの力[N/{幅W(cm)×長さL(cm)}=N/5.0(cm)をいう。
【0021】
また、50%モジュラスは、JIS Z0237−1991 6に記載されている「引張強さ及び伸び」をもとに測定した値をいう。即ち、50%モジュラスは、幅25mm、長さ80mmの貼付剤を試験片とし、JIS Z0237−1991 6.2規定の引張試験機を用い、試験長50mm、引っ張り速度300mm/分で75mmまで引き伸ばし、そのときの単位幅当たりの力 N/幅W(cm)=N/2.5(cm)をいう。
【0022】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の伸縮性貼付剤であって、前記線状切込部が、前記帯状部の長手方向と直交方向に形成され、前記支持体の短手方向の縁部から前記支持体の長手方向の長さに対して1/14〜3/14の幅の余白部を残して内側に形成された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)帯状部を剥がして粘着層を露出させ、この粘着層を患部に貼付して予備的に固定させた後、残りの剥離シートを摘んで剥がし粘着層の全面を患部に貼付させることができるが、線状切込部が帯状部の長手方向と直交方向に形成されているので、剥離シートを剥がしながら粘着層の全面を患部に貼付させるときに、線状切込部が開いたり捻れたりすることがないため、線状切込部の周りに皺ができたり線状切込部が重なったりすることなく綺麗に貼付できる。
(2)線状切込部が支持体の短手方向の縁部から支持体の長手方向の長さに対して1/14〜3/14の幅の余白部を残して内側に形成されているので、余白部の面積を広くとることができ、皮膚に強く粘着させることができるため、肘や膝等の皮膚に貼付して支持体が皮膚の変形に追随して大きく変形した場合でも、支持体の短手方向の縁部を剥がれ難くすることができる。
【0023】
ここで、支持体の短手方向の縁部に形成された余白部の幅としては、支持体の長手方向の長さに対して1/14〜3/14が好適に用いられる。支持体の長手方向の長さに対する余白部の幅の比率が1/14より小さくなるにつれ、皮膚への粘着力が低下し貼付中に剥がれ易くなる傾向がみられ、3/14より大きくなるにつれ、線状切込部の長さが短くなるため、線状切込部と直交する方向への支持体の伸張性が低下し、皮膚への追随性が低下し貼付中に剥がれ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0024】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の伸縮性貼付剤であって、前記帯状部が、前記支持体の短手方向の縁部に沿って付着された構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)帯状部が支持体の短手方向の縁部に沿って付着されているので、まず帯状部を剥がして支持体の短手方向の縁部の粘着層を露出させ、この粘着層を肘,膝等の患部に貼付して予備的に固定させ、次に、残りの剥離シートを摘んで剥がし粘着層の全面を患部に貼付させることができる。このため、片手でも、支持体を線状切込部から折れ曲げたり捻ったりすることなく、患部に円滑に貼付することができる。
【0025】
ここで、線状切込部が、帯状部の長手方向と直交方向に形成され、支持体の短手方向の縁部から支持体の長手方向の長さに対して1/14〜3/14の幅の余白部を残して内側に形成されている場合は、帯状部を剥がしたときに露出される支持体の短手方向の縁部に線状切込部がほとんど形成されていないため、帯状部を剥がして皮膚に貼付する際に、線状切込部が開いたり捻れたりし難く、余白部を皮膚に貼付して固定する作業を円滑に行うことができ好ましい。また、皮膚患部への貼付部位が悪ければ予備的な固定の段階で貼り直すことができるが、支持体の短手方向の縁部には線状切込部が形成されていないため、貼り直す際に、線状切込部の両側の粘着層が互いに貼り付いてしまう不具合を防止することができる。
【0026】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の伸縮性貼付剤であって、前記剥離シートが、前記切れ目の近くに切り込み線により形成される指の一部を掛ける指掛け孔を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)剥離シートが切れ目の近くに切り込み線により形成される指の一部を掛ける指掛け孔を備えているので、切れ目に指を掛けて剥離シートを少し剥がそうとすると、切り込み線の周囲の剥離シートの縁部分が剥がれ、切り込み線が開口し指掛け孔が形成される。切れ目に沿って浮き上がらせた剥離シートの縁部分と粘着層の間に指を潜り込ませて指掛け孔に指を掛け、別の指で剥離シートを挟むようにして反対側から指掛け孔に指を掛けると、指同士が指掛け孔を通して合わさるので、しっかりと剥離シートを摘むことができ、指が滑り難くなるため、剥離シートを簡単に剥がすことができる。
(2)粘着層に面した剥離シートの面は、シリコンコーティング等の剥離処理がなされており、さらに粘着層の基剤成分の影響により非常に滑り易くなっているが、指掛け孔を通して剥離シートを摘んだ指同士を接触させられるので、滑ることなく剥離シートをしっかりと摘んで剥がすことができる。
(3)使用前には切り込み線の周囲は粘着層に付着しており突出していないため、製造面からいえば、剥離シートに切れ目及び切り込み線を形成するだけでよいため、既存の生産設備や材料を活用することができ、新たな設備投資等をほとんど必要としない。また、剥離シートに突出した部分がないため、製造ラインを搬送されるときや伸縮性貼付剤を包装用袋に収容するとき等、装置や包装用袋の縁に引っ掛かることがなく、使用前に剥離シートが剥がれたり剥離シートが剥がれて露出した粘着層が付着したりする等の問題が生じ難く、製造ラインが停止したり不良品が発生したりするという問題が生じることがなく、生産性に著しく優れる。
(4)使用前には切り込み線の周囲は粘着層に付着しており突出していないため、使用時に包装用袋から取り出す際に包装用袋の縁に引っ掛かることがなく、スムーズに取り出せるため取扱性に優れる。
【0027】
剥離シートに指掛け孔を形成する切り込み線の形状としては、剥離シートを剥がす際に指の一部が掛かるようなものであれば特に制限されず、剥離シートに形成された切れ目の近くに、直線状、波線状、鋸歯状、略円弧状、半楕円状、十字状、T状、Y状、V状、略H状、略コ字状、中心から放射状等に形成されたものが用いられる。
【0028】
なお、切り込み線を、略円弧状、半楕円状、十字状、T状、Y状、V状、略H状、略コ字状、中心から放射状等に形成した場合は、切り込み線の周囲の剥離シート(舌片)を大きく変形させられるため、舌片を立ち上げて折り曲げることで指掛け孔を大きく開口させることができる。このため、指掛け孔にしっかりと指を掛けて剥離シートを把持して簡単に剥がすことができる。
また、立ち上げた切り込み線の舌片を折り曲げておくと、剥離シートをテーブル等の上に置いたり床に落としたりしたときでも簡単に拾い上げることができる。剥離シートは薄くてすべすべしているため、テーブル等の面に密着して拾い上げるのに苦労するが、折り曲げた舌片を下にして剥離シートがテーブル等の上にあるときは、剥離シートとテーブル等との間に隙間があるため剥離シートがテーブル等に密着せず拾い上げるのが容易で、折り曲げた舌片を上にして剥離シートがテーブル等の上にあるときは、折り曲げた舌片を摘めば拾い上げることができるからである。
【0029】
切り込み線は、剥離シートの切れ目寄りに形成される。切り込み線により形成される指掛け孔に指を掛けて、切れ目側から剥離シートを剥がすためである。
なお、剥離シートの切れ目から切り込み線の末端までの最短距離としては、2〜30mm、好ましくは3〜25mm、より好ましくは5〜20mmが好適である。また、伸縮性貼付剤の横幅(剥離シートの長手方向の縁部の長さ)との比率に換算すると、剥離シートの切れ目から切り込み線の末端までの最短距離は、伸縮性貼付剤の横幅の1/50〜1/5、好ましくは3/100〜3/20、より好ましくは1/20〜1/10が好適である。この最短距離が短くなるにつれ、剥離シートの厚さにもよるが、切り込み線の周囲の剥離シートを立ち上げたときや摘んだときに、切り込み線の末端から切れ目に向かって剥離シートに裂け目が生じて剥離シートの縁部分が切断され易くなる傾向がみられ、特に2mm未満になるか該比率が1/50未満になると、この傾向が著しくなるため好ましくない。剥離シートの縁部分が切断されて切り込み線が切れ目と繋がってしまうと、指掛け孔に指を掛けて剥離シートを剥がすことが困難になるからである。また、この最短距離が長くなるにつれ、切れ目から指掛け孔までの距離が長くなるので、指掛け孔に指を掛け難くなる傾向がみられ、特に30mmを超えるか該比率が1/5を超えると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
【0030】
切れ目が形成された剥離シートの長手方向の縁部と直交方向における切り込み線の長さとしては、5〜30mm、好ましくは7〜25mm、より好ましくは10〜20mmが好適である。貼付剤の短手方向の長さ(剥離シートの対向する縁部間の距離)との比率に換算すると、切り込み線の長さは、剥離シートの対向する縁部間の長さの1/14〜6/7、好ましくは1/10〜5/14、より好ましくは1/7〜3/7が好適である。
この切り込み線の長さが短くなるにつれ、切り込み線により形成される指掛け孔に指を掛け難くなるため剥離シートを剥がし難くなる傾向がみられる。特に、5mm未満になるか該比率が1/14未満になると、この傾向が著しくなるため好ましくない。また、この切り込み線の長さが長くなるにつれ伸縮性貼付剤を貼付する際に粘着層同士が粘着して支持体が絡まり易くなる傾向がみられる。特に、30mmを超えるか該比率が6/7を超えると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
【0031】
切り込み線により形成される指掛け孔は、切れ目の近くに少なくとも一つ形成されていればよい。剥離シートを摘んで剥がす際に、指掛け孔に指が掛かれば良いからである。また、指掛け孔は、剥離シートの一方の縁部と他方の縁部のほぼ中央位置に形成されるのが好ましい。指掛け孔に指を掛けて剥離シートを剥がす際に、支持体が捻れ難く皺なく綺麗に貼付できるからである。
切れ目の近くに指掛け孔が一つ形成される場合、剥離シートの切れ目が形成された一方の縁部から切り込み線までの最短距離、他方の縁部から切り込み線までの最短距離としては、10mm以上、好ましくは20mm以上あれば好適である。また、伸縮性貼付剤の縦の長さ(剥離シートの対向する縁部間の距離)との比率に換算すると、剥離シートの縁部から切り込み線までの最短距離は、剥離シートの対向する縁部間の長さの1/7以上、好ましくは2/7以上が好適である。この最短距離が短くなるにつれ、切り込み線により形成される指掛け孔が大きくなり、指掛け孔から露出する粘着層の面積が大きくなるため、貼付する際に粘着層同士が粘着し絡まり易くなる傾向がみられる。特に、10mm未満になるか該比率が1/7未満になると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
【0032】
剥離シートには、切り込み線の舌片や切れ目の縁に着色を施したり、矢印や記号等の印を付けたり、指掛け孔の作り方の説明文を記載したりするのが好ましい。支持体側から指で押し上げるときの押し上げ位置の目標や使用方法の参考にすることができ、視力が低下した高齢者等であっても一連の剥離動作をスムーズに行うことができるからである。
【0033】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の伸縮性貼付剤であって、前記薬物が、抗炎症剤、鎮痛剤のいずれか1以上である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)薬物を経皮吸収させ、患部の炎症を和らげ痛みを鎮めることができる。
【0034】
薬物は請求項1で説明したので、説明を省略する。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明の伸縮性貼付剤によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)支持体は線状切込部が1乃至3本しか形成されておらず、線状切込部の数が少ないので、少ない刃型で製造でき、また、線状切込部を形成する工程が簡易で生産性に著しく優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
(2)線状切込部の数が1乃至3本のため、切り込まれた支持体の幅が広く粘着面が広く皮膚に貼付されるため、貼付中に支持体が剥がれ難く、また連続した線状切込部が形成されているので、線状切込部と略直交する方向へ線状切込部を大きく開口させることができ、支持体の伸張性を大きくすることができ、皮膚に貼付した後の皮膚への追随性に優れるため、貼付中に剥がれ難い伸縮性貼付剤を提供できる。
(3)切れ目によって幅狭の帯状に形成された帯状部を剥離シートが備えているので、皮膚に貼付するときは、まず帯状部を剥がして粘着層を露出させ、この粘着層を患部に貼付して予備的に固定させ、次に、残りの剥離シートを摘んで剥がし粘着層の全面を患部に貼付させることができるため、皮膚に貼付する際に、支持体を剥離シートで裏打ちされた状態にできるため、支持体が線状切込部から折れ曲がったり捻れたりし難くなり、粘着層が互いに貼り付いてくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりすることがなく、剥離シートの剥離作業性に優れるとともに患部に円滑に貼付することができる伸縮性貼付剤を提供できる。また、皮膚患部への貼付部位が悪ければ予備的な固定の段階で貼り直すことができ、確実に患部の所望する部位に貼付することができる取扱性に優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
(4)粘着層の全面を貼付する前に患部に粘着層の一部を貼付し固定できるので、残りの剥離シートを引き剥がす際にずれ難く、片手でも簡単に皺なく綺麗に貼付できる伸縮性貼付剤を提供できる。
【0036】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)線状切込部が帯状部の長手方向と直交方向に形成されているので、剥離シートを剥がしながら粘着層の全面を患部に貼付させるときに、線状切込部が開いたり捻れたりすることがないため、線状切込部の周りに皺ができたり線状切込部が重なったりすることなく綺麗に貼付できる伸縮性貼付剤を提供できる。
(2)線状切込部が支持体の短手方向の縁部から支持体の長手方向の長さに対して1/14〜3/14の余白部を残して内側に形成されているので、余白部の面積を広くとることができ、皮膚に強く粘着させることができるため、肘や膝等の皮膚に貼付して支持体が皮膚の変形に追随して大きく変形した場合でも、支持体の短手方向の縁部が剥がれ難い伸縮性貼付剤を提供できる。
【0037】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)帯状部が支持体の短手方向の縁部に沿って付着されているので、まず帯状部を剥がして粘着層を露出させ、この粘着層を肘,膝等の患部に貼付して予備的に固定させ、次に、残りの剥離シートを摘んで剥がし粘着層の全面を患部に貼付させることができるため、片手で貼付作業を行う場合でも、支持体が線状切込部から折れ曲がったり捻れたりすることなく、患部に円滑に貼付することができる伸縮性貼付剤を提供できる。
【0038】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)剥離シートが切れ目の近くに切り込み線により形成される指の一部を掛ける指掛け孔を備えているので、切れ目に沿って浮き上がらせた剥離シートと粘着層の間に指を潜り込ませて指掛け孔に指を掛け、別の指で剥離シートを挟むようにして反対側から指掛け孔に指を掛けると、指同士が指掛け孔を通して接触するので、しっかりと剥離シートを摘むことができ、指が滑り難くなるため、剥離シートを簡単に剥がすことができ剥離作業性に優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
(2)粘着層に面した剥離シートの面は、シリコンコーティング等の剥離処理がなされており、さらに粘着層の基剤成分の影響により非常に滑り易くなっているが、指掛け孔を通して剥離シートを摘んだ指同士を接触させられるので、滑ることなく剥離シートをしっかりと摘んで剥がすことができ剥離作業性に優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
(3)切り込み線が略円弧状、略コ字状、十字状等に形成されている場合は、切り込み線で作られる舌片の押し上げ量を大きくできるため、舌片を立ち上げて折り曲げることで切り込み線を大きく開口させて大きな指掛け孔を形成することができ、指掛け孔にしっかりと指を掛けて剥離シートを把持して簡単に剥がすことができる剥離作業性に優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
(4)使用前には切り込み線の舌片は粘着層に付着しており突出していないため、製造面からいえば、剥離シートに切れ目及び切り込み線を形成するだけでよいため、既存の生産設備や材料を活用することができ、新たな設備投資等をほとんど必要としない伸縮性貼付剤を提供できる。また、剥離シートに突出した部分がないため、製造ラインを搬送されるときや伸縮性貼付剤を包装用袋に収容するとき等、装置や包装用袋の縁に引っ掛かることがなく、使用前に剥離シートが剥がれたり剥離シートが剥がれて露出した粘着層が付着したりする等の問題が生じ難く、製造ラインが停止したり不良品が発生したりするという問題が生じることがなく、生産性に著しく優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
(5)使用前には切り込み線の舌片は粘着層に付着しており突出していないため、使用時に包装用袋から取り出す際に包装用袋の縁に引っ掛かることがなく、スムーズに取り出せるため取扱性に優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
【0039】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)薬物を経皮吸収させ、患部の炎症を和らげ痛みを鎮めることができる伸縮性貼付剤を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における伸縮性貼付剤の平面図であり、図2は実施の形態1における伸縮性貼付剤の底面図であり、図3は実施の形態1における伸縮性貼付剤の剥離シートを剥がした状態を示す斜視図である。
図中、1は実施の形態1における伸縮性貼付剤、2は合成樹脂製フィルム,織布,編布,不織布等で形成された柔軟な支持体、3は感圧性接着剤を主成分とし支持体2の一面に塗工された粘着層、4,4は支持体3の長手方向の縁部、5,5は支持体3の短手方向の縁部、6は互いに接することなく支持体2の伸縮方向と平行に2本並設して支持体2の厚み方向を貫通して連続した直線状に形成された線状切込部、7,7は支持体2の短手方向の縁部5,5から線状切込部6の端部までの間で支持体2の長手方向の縁部4の長さに対して1/14〜3/14の幅にそれぞれ形成された余白部、8は合成樹脂製フィルムやシリコン加工紙等で形成され粘着層3の全面に付着された剥離シート、9は剥離シート8の長手方向の一方の縁部、10は縁部9に対向する剥離シート8の他方の縁部、11は一方の縁部9から他方の縁部10に延びる波線状に形成され剥離シート8を二分する切れ目、12は切れ目11によって二分された剥離シート8のうち幅狭の帯状に形成され支持体2の短手方向の縁部5に沿って付着された帯状部である。帯状部12は、剥離シート8の長手方向の縁部9,10の長さ(支持体2の長手方向の縁部4の長さ)の1/14〜3/14の幅に形成されている。13は帯状部12と二分された剥離シート8の残部剥離シート、14は切れ目11と平行な方向に切れ目11から間隔をあけて縁部9,10からの距離がほぼ等しい位置に残部剥離シート13に波線状に形成された切り込み線、15は切れ目11と切り込み線14との間の残部剥離シート13の縁部分である。
なお、図1に示す伸縮性貼付剤1の平面図において、支持体2は剥離シート8を透視した状態を示している。
【0041】
ここで、本実施の形態においては、剥離シート8の切れ目11から切り込み線14までの最短距離をAとすると、Aは2〜30mm、好ましくは3〜25mm、より好ましくは5〜20mmに形成されている。また、剥離シート8の縁部9,10の長さとの比率に換算すると、Aは縁部9,10の長さの1/50〜1/5、好ましくは3/100〜3/20、より好ましくは1/20〜1/10に形成されている。
また、剥離シート8の縁部9,10と直交方向における切り込み線14の長さをBとすると、Bは5〜30mm、好ましくは7〜25mm、より好ましくは10〜20mmに形成されている。また、Bは、剥離シート8の対向する縁部9,10間の距離の1/14〜6/7、好ましくは1/10〜5/14、より好ましくは1/7〜3/7に形成されている。
また、剥離シート8の縁部9,10から切り込み線14までの最短距離をCとすると、Cは10mm以上、好ましくは20mm以上に形成されている。また、Cは、剥離シート8の対向する縁部9,10間の長さの1/7以上、好ましくは2/7以上に形成されている。
【0042】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における伸縮性貼付剤1の製造方法について説明する。
伸縮性貼付剤1は、感圧性接着剤を主成分とする粘着剤に薬物を添加混合した後、粘着剤を支持体2に展延して粘着層3を形成し、次いでスリッター等で支持体を貫通する線状切込部6を形成し、粘着層3に剥離シート8を付着して製造する。
なお、薬物を添加混合した粘着剤を、離型処理の施された剥離シート8に展延した後、剥離シート8で支持体2を覆い、粘着剤を支持体2に圧着転写させて製造することもできる。線状切込部6は、粘着剤を圧着転写する前に支持体2に形成しておくことができる。また、粘着剤を圧着転写した後に支持体2に形成することもできる。
【0043】
次に、本発明の実施の形態1における伸縮性貼付剤1の使用方法について、図面を参照しながら説明する。
図4は実施の形態1における伸縮性貼付剤の皮膚患部への貼付作業の一例を示す図である。
図中、16は切り込み線14を開口させて形成した指掛け孔、Sは皮膚患部である。
伸縮性貼付剤1を剥離シート8の切れ目11に沿ってわずかに屈曲させると、切れ目11が波線状に形成されているので、切れ目11に沿って帯状部12の縁及び残部剥離シート13の縁が粘着層3から浮き上がる。
浮き上がらせた残部剥離シート13の縁部分15と粘着層3の間に片方の手の指を潜り込ませると、縁部分15が浮き上がり、切り込み線14が開口し指掛け孔16が形成される。残部剥離シート13の裏側から指掛け孔16に指を掛け、別の指で残部剥離シート13の表側から指掛け孔16に指を掛け、残部剥離シート13の表側と裏側の指同士を、指掛け孔16を通して合わせて残部剥離シート13を摘む。また、浮き上がらせた帯状部12の縁に他方の手の指を掛けて、粘着層3から帯状部12を剥離し、粘着層3を露出させる。
次いで、図4に示すように、帯状部12の剥離によって露出させた粘着層3を皮膚患部Sに貼付した後、指を掛けた残部剥離シート13の指掛け孔16を皮膚患部Sの面に沿ってスライドさせるようにして引張り、残部剥離シート13を徐々に剥がしながら伸縮性貼付剤1に皺ができないように皮膚患部13に貼付する。
【0044】
以上のように、本発明の実施の形態1における伸縮性貼付剤は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)支持体2の略中央に直線状の2本の線状切込部6を平行に形成するので、少ない刃型で良く、また製造工程が簡易で生産性に著しく優れる。
(2)線状切込部6の数が2本のため、支持体2の皮膚への貼付面積が広く粘着性が高く、また連続した線状切込部6が形成されているので、線状切込部6と略直交する方向へ線状切込部6を大きく開口させることができ、支持体2の伸張性を大きくすることができ、皮膚に貼付した後の皮膚への追随性に優れるため、貼付中の剥がれを防止することができる。
(3)切れ目11によって幅狭の帯状に形成された帯状部12を有しているので、皮膚に貼付するときは、まず帯状部12を剥がして粘着層3を露出させ、この粘着層3を患部に貼付して予備的に固定させ、次に、残りの剥離シート8(残部剥離シート13)を摘んで剥がし粘着層3の全面を患部に貼付させることができる。このため、皮膚に貼付する際に、支持体2を剥離シート8(残部剥離シート13)で裏打ちされた状態にできるため、支持体2が線状切込部6から折れ曲がったり捻れたりし難くなり、粘着層3が互いに貼り付いて支持体2がくしゃくしゃになったり粘着層3が指に貼り付いたりすることがなく、剥離シート8の剥離作業性に優れるとともに、患部に円滑に貼付することができる。また、皮膚患部への貼付部位が悪ければ予備的な固定の段階で貼り直すことができ、確実に患部の所望する部位に貼付することができる。
(4)支持体2の短手方向の縁部5から支持体2の長手方向の縁部4の長さの1/14〜3/14離れた位置に切れ目11が形成されているため、帯状部12が、支持体2の剥離シート8の長手方向の縁部9,10の長さの1/14〜3/14の幅に形成されているので、帯状部12を剥がして患部に貼付し予備的に固定させたときに適度の粘着力が得られ、支持体2を皺なく綺麗に貼付することができる。さらに、帯状部12を粘着層3から剥がす際に支持体2が絡み付き難く、また支持体2を皮膚に貼付する際に皺が生じ難いため、残部剥離シート13を引き剥がす際にずれ難く、片手でも簡単に皺なく綺麗に貼付できる。
(5)線状切込部6が帯状部12の長手方向と直交方向に形成されているので、残部剥離シート13を剥がしながら粘着層3の全面を患部に貼付させるときに、線状切込部6が開いたり捻れたりすることがないため、線状切込部6の周りに皺ができたり線状切込部6が重なったりすることなく綺麗に貼付できる。
(6)線状切込部6が支持体2の短手方向の縁部5,5から、支持体2の長手方向の縁部4の長さに対して1/14〜3/14の余白部7を残して内側に形成されているので、余白部7の面積を広くとることができ、皮膚に強く粘着させることができるため、肘や膝等の皮膚に貼付して支持体2が皮膚の変形に追随して大きく変形した場合でも、支持体2の短手方向の縁部5を剥がれ難くすることができる。
(7)帯状部12が支持体2の短手方向の縁部5に沿って付着されているので、まず帯状部12を剥がして余白部7の粘着層3を露出させ、この余白部7の粘着層3を肘,膝等の患部の周りに貼付して予備的に固定させ、次に、残部剥離シート13に形成された指掛け孔16を摘んで剥がし粘着層3の全面を患部に貼付させることができる。このため、片手で貼付作業を行う場合でも、支持体2が線状切込部6から折れ曲がったり捻れたりすることなく、患部に円滑に貼付することができる。また、帯状部7を剥離した際に露出する余白部7には線状切込部6が形成されていないため、帯状部12を剥がす際に、支持体2が線状切込部6から折れ曲がったり捻れたりすることがなく、粘着層3が互いに貼り付いてくしゃくしゃになることを防止して、皮膚に貼付して固定する作業を円滑に行うことができる。
(8)切れ目11の近くに切り込み線14により指掛け孔16が形成されるので、指掛け孔16を通して指を接触させて剥離シート8を摘むことができ、指が滑り難くなるため、剥離シート8を簡単に剥がすことができる。
(9)使用前には切り込み線14は粘着層3に付着しており突出していないため、製造面からいえば、剥離シート8に切れ目11及び切り込み線14を形成するだけでよいため、既存の生産設備や材料を活用することができ、新たな設備投資等をほとんど必要としない。また、剥離シート8に突出した部分がないため、製造ラインを搬送されるときや伸縮性貼付剤1を包装用袋に収容するとき等、装置や包装用袋の縁部分に引っ掛かることがなく、使用前に剥離シート8が剥がれたり剥離シート8が剥がれて露出した粘着層3が付着したりする等の問題が生じ難く、製造ラインが停止したり不良品が発生したりするという問題が生じることがなく、生産性に著しく優れる。
(9)切れ目11から切り込み線14の末端までの最短距離Aが2〜30mm、好ましくは3〜25mm、より好ましくは5〜20mmに形成されている、または、縁部9,10の長さの1/50〜1/5、好ましくは3/100〜3/20、より好ましくは1/20〜1/10に形成されているので、切り込み線14により形成される指掛け孔16を摘んだときに切り込み線14の末端から切れ目11に向かって剥離シート8に裂け目が生じ難く、指掛け孔18を確実に形成させることができる。
(10)剥離シート8の縁部9,10と直交方向における切り込み線14の長さBが5〜30mm、好ましくは7〜25mm、より好ましくは10〜20mmに形成されている、または、剥離シート8の対向する縁部9,10間の距離の1/14〜6/7、好ましくは1/10〜5/14、より好ましくは1/7〜3/7に形成されているので、指掛け孔16に指を掛け易いため剥離シート8を剥がし易く、また指掛け孔16から露出する粘着層3の面積が大きくなり過ぎないため、伸縮性貼付剤1を貼付する際に粘着層3同士が粘着して支持体2が絡まることがなく綺麗に貼付できる。
(11)剥離シート8の縁部9,10から切り込み線14までの最短距離Cが10mm以上好ましくは20mm以上に形成されている、または、剥離シート8の対向する縁部9,10間の長さの1/7以上、好ましくは2/7以上に形成されているので、切り込み線14により形成される指掛け孔16が大き過ぎないため、伸縮性貼付剤1を貼付する際に粘着層3同士が粘着して支持体2が絡まることがなく綺麗に貼付できる。
【0045】
ここで、本実施の形態においては、切れ目15が波線状に形成された場合について説明したが、直線状、鋸歯状等に形成されたものを用いる場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
【0046】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における伸縮性貼付剤の平面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。また、図5に示す伸縮性貼付剤の平面図において、支持体は剥離シートを透視した状態を示している。
図中、1aは本発明の実施の形態2における伸縮性貼付剤、6aは支持体2の伸縮方向と同方向の支持体2の略中央に支持体2の厚み方向を貫通して連続した直線状に1本形成された線状切込部、8aは合成樹脂製フィルムやシリコン加工紙等で形成され粘着層3の全面に付着された剥離シート、11aは一方の縁部9から他方の縁部10に延びる大きな波線状に形成され剥離シート8aを二分する切れ目、12aは切れ目11aによって二分された剥離シート8aのうち幅狭の帯状に形成され支持体2の短手方向の縁部に沿って付着された帯状部、13aは帯状部12aと二分された剥離シート8aの残部剥離シート、14aは端部が切れ目11aの反対方向を向いた略円弧状で切れ目11aから間隔をあけて縁部9,10からの距離がほぼ等しい位置で残部剥離シート13aに形成された切り込み線、15aは切れ目11aと切り込み線14aとの間の残部剥離シート13の縁部分、17は切り込み線14aの内側に形成された舌片である。
実施の形態2における伸縮性貼付剤1aは、実施の形態1において説明したものと同様に使用することができる。
【0047】
以上のように、本発明の実施の形態2における伸縮性貼付剤は構成されているので、実施の形態1に記載した作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)切れ目11aに沿って伸縮性貼付剤1aをわずかに屈曲させると、残部剥離シート13aの縁部分15aは浮き上がるが、切り込み線14aの内側に形成された舌片17は粘着層3に付着したままなので、容易に切り込み線14aの内側に指掛け孔が形成される。次いで、残部剥離シート13aの裏側から指掛け孔に指を掛け、別の指で残部剥離シート13aの表側から指掛け孔に指を掛け、残部剥離シート13aの表側と裏側の指同士を、指掛け孔を通して合わせて残部剥離シート13aを摘むことができる。これにより、伸縮性貼付剤1aの剥離シート8aを剥がしながら皮膚に容易に貼付できる。
(2)切り込み線14aが略円弧状に形成されているので、切り込み線14aの内側の舌片17を大きく変形させられるため、指掛け孔を大きく開口させることができる。このため、指掛け孔にしっかりと指を掛けて剥離シートを把持して簡単に剥がすことができる。
(3)切り込み線14aの舌片17を折り曲げておくと、剥離シート8aをテーブル等の上に置いたり床に落としたりしたときでも簡単に拾い上げることができる。剥離シート8aは薄くてすべすべしているため、テーブル等の面に密着して拾い上げるのに苦労するが、折り曲げた舌片17を下にして剥離シート8aがテーブル等の上にあるときは、剥離シート8aとテーブル等との間に隙間があるため剥離シート8aがテーブル等に密着せず拾い上げるのが容易で、折り曲げた舌片17を上にして剥離シート8aがテーブル等の上にあるときは、折り曲げた舌片8aを摘めば拾い上げることができる。
(4)切り込み線14aの端部が切れ目11aの反対方向を向いているので、切り込み線14aの末端から切れ目11aに向かって裂け目が生じることがなく、指掛け孔を確実に形成させることができる。
【0048】
ここで、本実施の形態においては、切り込み線14aが略円弧状に形成された場合について説明したが、半楕円状、十字状、T状、Y状、V状、略H状略、コ字状、中心から放射状等に形成されたものを用いる場合もある。この場合も切り込み線14aの周辺に舌片が形成され切り込み線14aを大きく開口させた指掛け孔を形成できるため、同様の作用が得られる。
【0049】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における伸縮性貼付剤の平面図である。なお、実施の形態1及び実施の形態2で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。また、図6に示す伸縮性貼付剤の平面図において、支持体は剥離シートを透視した状態を示している。
図中、1bは本発明の実施の形態3における伸縮性貼付剤、6bは支持体2の伸縮方向と同方向の支持体2の略中央に3本平行に並設され支持体2の厚み方向を貫通して連続した直線状に形成された線状切込部である。
【0050】
以上のように、本発明の実施の形態3における伸縮性貼付剤は構成されているので、実施の形態2に記載した作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持体を貫通して形成された3本の線状切込部6bが平行して並設されているので、線状切込部6bの各々が開口することにより線状切込部6bと直交方向の支持体の伸びが累積され、支持体の伸張性をより高めることができ、皮膚への追随性を向上させることができる。
【0051】
(実施の形態4)
図7は本発明の実施の形態4における伸縮性貼付剤の平面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。また、図7に示す伸縮性貼付剤の平面図において、支持体は剥離シートを透視した状態を示している。
図中、1cは本発明の実施の形態4における伸縮性貼付剤、6cは支持体2の伸縮方向と同方向の支持体2の略中央に2本平行に並設され支持体2の厚み方向を貫通して連続した直線状に形成された線状切込部、8cは合成樹脂製フィルムやシリコン加工紙等で形成され粘着層3の全面に付着された剥離シート、11c,11cは支持体2の略中央に適度な間隔をあけて一方の縁部9から他方の縁部10に延びる略S字状に形成され剥離シート8cを3分割する切れ目、11dは切れ目11cの両端で切れ目11cの凹凸を横から二分する位置に形成された直線部、12cは切れ目11c,11cによって三分された剥離シート8cのうち切れ目11c,11cの間で線状切込部6cの長さよりも幅狭の帯状に形成された帯状部、13cは帯状部12cの両側に付着された剥離シート8cの残部剥離シート、14cは端部が切れ目11c,11cの反対方向を向いた略円弧状で切れ目11c,11cから間隔をあけて縁部9,10からの距離がほぼ等しい位置で残部剥離シート13c,13cに形成された切り込み線、15cは切れ目11cと切り込み線14cとの間の残部剥離シート13cの縁部分、18は切り込み線14cの内側に形成された舌片である。
【0052】
次に、本発明の実施の形態4における伸縮性貼付剤1cの使用方法について説明する。
伸縮性貼付剤1cを剥離シート8cの切れ目11cに沿ってわずかに屈曲させると、直線部11dを中心にして屈曲し、略S字状に形成された切れ目11cに沿って帯状部12cの縁及び残部剥離シート13cの縁が粘着層3から浮き上がる。まず、帯状部12cを剥がして粘着層を露出させ、皮膚に貼付する。
皮膚に伸縮性貼付剤1cを貼付した状態で、片方の切れ目11cに沿って伸縮性貼付剤1cを屈曲させると、残部剥離シート13cの縁部分15cは浮き上がるが、切り込み線14cの内側に形成された舌片18は粘着層3に付着したままなので、容易に切り込み線14cの内側に指掛け孔が形成される。次いで、残部剥離シート13cの裏側から指掛け孔に指を掛け、別の指で残部剥離シート13cの表側から指掛け孔に指を掛け、残部剥離シート13aの表側と裏側の指同士を、指掛け孔を通して合わせて残部剥離シート13aを摘む。その後、伸縮性貼付剤1cの残部剥離シート13cを剥がしながら皮膚に貼付する。
次いで、他方の残部剥離シート13cについても同様にして、他方の切れ目11cに沿って伸縮性貼付剤1cを屈曲させ、残部剥離シート13cを剥がしながら伸縮性貼付剤1cの全面を皮膚に貼付する。
【0053】
以上のように、本発明の実施の形態4における伸縮性貼付剤は構成されているので、実施の形態1乃至3に記載した作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)切れ目11c,11cによって三分された剥離シート8cのうち切れ目11c,11cの間で線状切込部6cの長さよりも幅狭の帯状に形成され支持体2の略中央に付着された帯状部12cを備えているので、帯状部12cを剥がす際や皮膚に貼付する際に、線状切込部6cの両端を残部剥離シート13c,13cで裏打ちされた状態にできるため、支持体2が線状切込部6cから折れ曲がったり捻れたりし難くなり、粘着層3が互いに貼り付いて支持体2がくしゃくしゃになったり粘着層3が指に貼り付いたりすることがなく、剥離シート8cの剥離作業性に優れるとともに、患部に円滑に貼付することができる。
(2)切れ目11cの両端に切れ目11cの凹凸を横から二分する直線部11dを有しているので、伸縮性貼付剤1cを、直線部11dを中心として切れ目11cに沿って屈曲させることができ、略S字状に形成された帯状部12cの縁及び残部剥離シート13cの縁がいずれも浮き上がるため、剥離シート8cの剥離性に優れる。
【0054】
(実施の形態5)
図8は本発明の実施の形態5における伸縮性貼付剤の平面図である。なお、実施の形態1及び実施の形態4で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。また、図8に示す伸縮性貼付剤の平面図において、支持体は剥離シートを透視した状態を示している。
図中、1dは本発明の実施の形態5における伸縮性貼付剤、6dは支持体2の伸縮方向と同方向の支持体2の略中央に支持体2の厚み方向を貫通して連続した直線状に1本形成された線状切込部である。
実施の形態5における伸縮性貼付剤1dが、実施の形態4における伸縮性貼付剤1cと異なる点は、残部剥離シート13cに切り込み線14cが形成されていない点である。
【0055】
以上のように構成された実施の形態5における伸縮性貼付剤は、切り込み線14cにより指掛け孔を形成することはできないが、それ以外は、実施の形態4で説明したものと同様の作用が得られる。
【0056】
(実施の形態6)
図9は本発明の実施の形態6における伸縮性貼付剤の平面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。また、図9に示す伸縮性貼付剤の平面図において、支持体は剥離シートを透視した状態を示している。
図中、1eは本発明の実施の形態6における伸縮性貼付剤、6eは支持体2の伸縮方向と同方向の支持体2の略中央に2本平行に並設され支持体2の厚み方向を貫通して連続した直線状に形成された線状切込部、8eは合成樹脂製フィルムやシリコン加工紙等で形成され粘着層3の全面に付着された剥離シート、11e,11eは適度な間隔をあけて一方の縁部9から他方の縁部10に延びる大きな波線状に形成され剥離シート8eを3分割する切れ目、12eは切れ目11e,11eによって三分された剥離シート8eのうち切れ目11e,11eの間で線状切込部6eの長さよりも幅狭の帯状に形成され支持体2の略中央に付着された帯状部、13eは帯状部12eの両側に付着された剥離シート8eの残部剥離シート、14eは切れ目11e,11eから所定の距離をあけて切れ目11e,11eと略平行方向に残部剥離シート13e,13eに形成された切り込み線、15eは切れ目11eと切り込み線14eとの間の残部剥離シート13eの縁部分である。
【0057】
以上のように、本発明の実施の形態6における伸縮性貼付剤は構成されているので、実施の形態4に記載した作用と同様の作用が得られる。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。
(実施例1)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、SISと表記する)23質量%、流動パラフィン50質量%、ポリイソブチレン(以下、PIBと表記する)6質量%、アルコンP−100を15質量%及びブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTと表記する)2質量%を加熱混合し、次にフェルビナク1質量%、L−メントール3質量%を加え混練し均一な融解物を得た。ドクターナイフ展膏機を用いて、得られた融解物をシリコン処理されたポリエステルテレフタレートからなる剥離シート(厚さ70μm)に100g/mで展延塗布した後、塗布面にポリエチレンテレフタレート製の不織布からなる支持体を貼り合わせた。なお、支持体の大きさは縦100mm×横140mmとし、支持体の中央の横方向に長さ86mmの線状切込部を35mmの間隔をあけて2本平行に形成した。余白部の幅は各々27mmとなった。
次に、実施の形態1(図1)で説明した形状の切れ目及び切り込み線を剥離シートに形成し、伸縮性貼付剤とした。なお、剥離シートの帯状部の幅は30mmとした。
得られた伸縮性貼付剤のせん断粘着力及び50%モジュラスを測定したところ、せん断粘着力は3.9N/cm、50%モジュラスは0.6N/cmであった。
【0059】
(実施例2)
SISを22質量%、流動パラフィン50質量%、PIBを6質量%、アルコンP−100を14質量%及びBHTを2質量%加熱混合し、次にフェルビナク3質量%、L−メントール3質量%を加え混練し均一な融解物を得た。ドクターナイフ展膏機を用いて、得られた融解物をシリコン処理されたポリエステルテレフタレートからなる剥離シート(厚さ70μm)に100g/mで展延塗布した後、塗布面にポリエチレンテレフタレート製の不織布からなる支持体を貼り合わせた。なお、支持体の大きさは縦100mm×横140mmとし、支持体の中央の横方向に長さ86mmの線状切込部を25mmの間隔をあけて3本平行に形成した。余白部の幅は各々27mmとなった。
次に、実施の形態4(図7)で説明した形状の切れ目及び切り込み線を剥離シートに形成し、伸縮性貼付剤とした。なお、剥離シートの帯状部の幅(剥離シートの縁部上における幅)は30mmとした。
得られた伸縮性貼付剤のせん断粘着力及び50%モジュラスを測定したところ、せん断粘着力は3.7N/cm、50%モジュラスは0.6N/cmであった。
【0060】
(比較例1)
実施例1と同様に、SISを23質量%、流動パラフィン50質量%、PIBを6質量%、アルコンP−100を15質量%及びBHTを2質量%加熱混合し、次にフェルビナク1質量%、L−メントール3質量%を加え混練し均一な融解物を得た。ドクターナイフ展膏機を用いて、得られた融解物をシリコン処理されたポリエステルテレフタレートからなる剥離シート(厚さ70μm)に100g/mで展延塗布した後、塗布面にポリエチレンテレフタレート製の不織布からなる支持体を貼り合わせ、比較例1の貼付剤とした。
なお、支持体の大きさは縦100mm×横140mmとし、支持体の中央の横方向に長さ100mmの線状切込部を20mmの間隔をあけて4本平行に形成したものを用いた(余白部の幅は各々20mm)。また、剥離シートに切れ目や切り込み線は形成されていない。
【0061】
(比較例2)
支持体の中央の横方向に、長さ25mmの線状切込部を断続的に10mmの間隔をあけて同一線上に3本形成し、さらにこの線状切込部を25mmの間隔をあけて3本平行に並設した支持体(余白部の幅は各々27.5mm)を用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例2の貼付剤とした。
【0062】
(比較例3)
線状切込部が形成されていない支持体、切れ目や切り込み線が形成されていない剥離シートを用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例3の貼付剤とした。
【0063】
(試験方法及び評価)
40〜75歳の健康成人10名に実施例及び比較例の貼付剤を膝に貼付してもらい、貼付後5時間、通常通りの生活をしてもらったときの官能試験を行った。
評価項目は、支持体から剥離シートを剥がして貼付する際の「貼付容易性」、貼付中の「付着性」、膝の曲げ伸ばしを行ったときの皮膚の動きに追随する「皮膚追随性」、貼付中の皮膚の「蒸れ」、貼付中の皮膚のかぶれ,発赤,かゆみ等の「皮膚刺激」とした。
評価結果を表1に示した。
【0064】
【表1】

【0065】
「貼付容易性」については、実施例1、実施例2の伸縮性貼付剤は、支持体が線状切込部から折れ曲がったり捻れたりし難く、粘着層が互いに貼り付いて支持体がくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりし難いという高い評価を得た(良いと評価する者が実施例1では9名、実施例2では8名)。特に、実施例1の伸縮性貼付剤は、片手で容易に貼付することができ、非常に使い易いという評価を得た。
一方、比較例1、比較例2の伸縮性貼付剤は、剥離シートを支持体から剥がすときに線状切込部が広がるため、剥離シートを剥がし難いという評価であった(悪いと評価する者が比較例1では8名、比較例2では6名)。また、粘着層が互いに貼り付いて支持体がくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりするため、貼付し難いという評価もあった。特に、比較例1の伸縮性貼付剤ではこの傾向が顕著で、貼付し難いと評価する者が多かった。支持体に線状切込部が4本形成されており、線状切込部の間隔が20mmと狭いためであると推察された。
「付着性」についても、良いと評価する者が実施例1では9名、実施例2では8名であったのに対し、悪いと評価する者が比較例1では7名、比較例2では4名、比較例3では2名だった。比較例1や比較例2の貼付剤は、線状切込部からはみ出した粘着剤がズボン等の内側に付着して、線状切込部が絡み付いて支持体の一部が剥がれたり違和感を覚えたりしたという評価が多かった。比較例1や比較例2の貼付剤は、線状切込部が多数形成されているためであると推察された。また、比較例3の付着性が悪いという評価は、線状切込部がないため、貼付中に発汗し粘着力が低下したためであると推察された。
【0066】
「皮膚追随性」については、支持体に線状切込部が形成されていない比較例3、線状切込部が支持体に断続的に形成されている比較例2以外の貼付剤では、ほぼ良好な評価を得た。比較例2の貼付剤は、線状切込部が支持体に連続的に形成されていないため、支持体の伸張性が乏しく、皮膚追随性の評価が低くなったものと推察される。
「蒸れ」及び「皮膚刺激」については、支持体に線状切込部が形成された実施例1及び2、比較例1及び2では良好な評価を得た。比較例3の貼付剤は、支持体に線状切込部が形成されていないので、蒸れが生じ、汗の影響により皮膚刺激が生じたものと推察される。
【0067】
以上のように本実施例によれば、支持体から剥離シートを剥がして皮膚に貼付する際に、粘着層同士が貼り付いてくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりし難く、貼付作業性に優れるとともに皮膚患部に円滑に貼付することができ、貼付中には剥がれ難く付着性に優れ、さらに支持体の伸張性が大きく皮膚への追随性に優れることが明らかになった。また、せん断粘着力が3〜5.5N/cm、かつ、50%モジュラスが0.5〜1.2N/cmである条件を満たす本実施例の伸縮性貼付剤は、激しい屈曲運動を繰り返す膝に貼付した場合でも、動きに対する追随性を良くして剥がれを防止することができることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、プラスター剤(硬膏剤)等の伸縮性貼付剤に関し、支持体から剥離シートを剥がして皮膚に貼付する際に、粘着層同士が貼り付いてくしゃくしゃになったり粘着層が指に貼り付いたりするのを防止して、剥離作業性に優れるとともに皮膚患部に円滑に貼付することができ、さらに支持体の伸張性が大きく皮膚への追随性に優れるとともに生産性に優れた伸縮性貼付剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態1における伸縮性貼付剤の平面図
【図2】実施の形態1における伸縮性貼付剤の底面図
【図3】実施の形態1における伸縮性貼付剤の剥離シートを剥がした状態を示す斜視図
【図4】実施の形態1における伸縮性貼付剤の皮膚患部への貼付作業の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態2における伸縮性貼付剤の平面図
【図6】本発明の実施の形態3における伸縮性貼付剤の平面図
【図7】本発明の実施の形態4における伸縮性貼付剤の平面図
【図8】本発明の実施の形態5における伸縮性貼付剤の平面図
【図9】本発明の実施の形態6における伸縮性貼付剤の平面図
【符号の説明】
【0070】
1,1a,1b,1c,1d,1e 伸縮性貼付剤
2 支持体
3 粘着層
4,5 縁部
6,6a,6b,6c,6d,6e 線状切込部
7 余白部
8,8a,8c,8e 剥離シート
9,10 縁部
11,11a,11c,11e 切れ目
11d 直線部
12,12a,12c,12e 帯状部
13,13a,13c,13e 残部剥離シート
14,14a,14c,14e 切り込み線
15,15a,15c,15e 縁部分
16 指掛け孔
17,18 舌片
S 皮膚患部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1本の、又は、互いに接することなく並設して2乃至3本の連続した線状切込部が形成された支持体と、(b)薬物を含有し前記支持体の一面に塗工された粘着層と、(c)前記粘着層に剥離可能に付着され一方の縁部からこれに対向する他方の縁部に延びる切れ目と、前記切れ目によって幅狭の帯状に形成された帯状部と、を有する剥離シートと、を備えていることを特徴とする伸縮性貼付剤。
【請求項2】
前記線状切込部が、前記帯状部の長手方向と直交方向に形成され、前記支持体の短手方向の縁部から前記支持体の長手方向の長さに対して1/14〜3/14の幅の余白部を残して内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の伸縮性貼付剤。
【請求項3】
前記帯状部が、前記支持体の短手方向の縁部に沿って付着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮性貼付剤。
【請求項4】
前記剥離シートが、前記切れ目の近くに切り込み線により形成される指の一部を掛ける指掛け孔を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の伸縮性貼付剤。
【請求項5】
前記薬物が、抗炎症剤、鎮痛剤のいずれか1以上であることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の伸縮性貼付剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−191038(P2009−191038A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35227(P2008−35227)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(591154577)共立薬品工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】