説明

伸縮機能を備えたアンテナマスト

【課題】単純な形状の部品を用いてマストを伸縮でき、且つ任意の位置で確実に固定することができる伸縮機能を備えたアンテナマストを提供する。
【解決手段】アンテナマスト21は筒状の固定マスト22の内側に可動マスト23を移動可能に設け、固定マスト22の上端に円筒状の可動マスト保持部24を設ける。可動マスト保持部24の上側にリング状の凹部31を設け、この凹部31に角度付けリブ32を設けると共に、凹部内側に可動マスト23の外周に沿って位置するように係合溝を設ける。上記凹部31には、可動マスト23に嵌装した弾性リング34を位置させる。弾性リング34は内周面が可動マスト23の外周面に圧接し、その摩擦抵抗によって可動マスト23の伸縮動作を規制する。グリップ36は可動マスト保持部24のネジ部26に螺着し、締め付けることで弾性リング34の内周面を可動マスト23に強く圧接させてその位置を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地上デジタル放送や無線通信等に使用されるアンテナを家屋のベランダ等に取付けるための伸縮機能を備えたアンテナマストに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上デジタル放送受信用アンテナは、家屋の屋根に設置するか、ベランダにアンテナ取付金具を用いて設置している。アンテナを屋根の上に設置する場合は工事費用が非常に高いので、一般家庭においては2階のベランダにアンテナ取付金具を取付け、この取付金具のマストにアンテナを取付けている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかし、従来の取付金具は、マストの高さが一般に25〜50cm程度のものが使用されており、アンテナの設置高さを余り高くすることができない。
【0004】
地上放送や通信など地上における電波伝搬では、受信アンテナの高さが低いとその分、電界強度が低くなる。また、2階のベランダは地上から4〜5mの位置にあるが、この位の高さ位置で地上放送波を受信すると、都市減衰の影響を受けて電界強度が低くなる。
【0005】
このため最近では、アンテナの設置位置を高くできると共に、アンテナの高さ位置を調整できる伸縮機能を備えたアンテナマストが使用されるようになってきている。
【0006】
図5は従来の伸縮機能を備えたアンテナマストの構成を示したもので、(a)は要部を断面して示す斜視図、(b)は側断面図、(c)は同図(b)のA−A線矢視断面図である。
【0007】
図5において、11は金属部材を用いて円筒状に形成したアンテナマストで、大径の固定マスト12と、この固定マスト12より小径の可動マスト13からなり、固定マスト12の内側に可動マスト13を挿入して可動できるようになっている。
【0008】
上記固定マスト12の上端部には、可動マスト13を保持するための保持部材14が装着される。この保持部材14は、弾性部材を用いて略ドーナツ状に形成され、内側に鋸歯形状などの段付きリブ15が設けられる。この段付きリブ15の内径は上記可動マスト13の直径(外径)より僅かに小さく形成され、段付きリブ15の内側面が可動マスト13に圧接するようになっている。すなわち、可動マスト13を伸縮する際に可動マスト13と段付きリブ15との接触面に摩擦抵抗を発生させ、且つ可動マスト13を伸ばすときは摩擦抵抗が小さく、縮めるときはに摩擦抵抗が大きくなるように段付きリブ15の形状を設定している。すなわち、可動マスト13を伸ばすときは摩擦抵抗を小さくして伸長操作が容易にできるようにし、また、縮めるときは摩擦抵抗を大きしてアンテナの自重による自由落下を防止するようにしている。
【0009】
また、固定マスト12には、保持部材14より下方の周面に複数例えば3つのボルト保持部16が等間隔すなわち120°の間隔で設けられ、このボルト保持部16にそれぞれ固定ボルト17が外側から螺着される。この固定ボルト17を締め付け、先端を可動マスト13の外周面に圧接することで、可動マスト13の位置を固定する。
【0010】
上記のように構成されたアンテナマスト11は、図示しないが固定マスト12の下端部が一般家庭における2階のベランダ等のフェンスにアンテナ取付金具により取付けられ、可動マスト13の上端にアンテナ例えば地上デジタル放送受信用のアンテナが取付けられる。そして、上記アンテナマスト11は、固定ボルト17を緩めた状態で可動マスト13を伸縮して高さ位置を調整し、その後、固定ボルト17を締め付けて可動マスト13の位置を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】意匠登録第1263908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記伸縮機能を備えたアンテナマスト11は、可動マスト13を伸ばすときは摩擦抵抗を小さくして操作を容易にし、また、縮めるときは摩擦抵抗を大きしてアンテナの自重による自由落下を防止することができる。
【0013】
しかし、上記従来の伸縮機能を備えたアンテナマスト11は、可動マスト13を伸縮する際に可動力差を付けるために可動マスト13と保持部材14との接触面に鋸歯形状などの特殊な形状の段付きリブ15を設ける必要があり、また、可動マスト13を固定するためにボルト保持部16や固定ボルト17等の固定構造を別個に設ける必要があった。
【0014】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、単純な形状の部品を用いてマストを伸ばすときの抵抗を小さく、縮めるときの抵抗を大きくでき、且つ任意の位置で確実に固定することができる伸縮機能を備えたアンテナマストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る伸縮機能を備えたアンテナマストは、筒状の固定マストと、前記固定マストの内側に移動可能に設けられる可動マストと、前記固定マストの上端部に装着される略円筒状の可動マスト保持部と、前記可動マスト保持部の外周面に形成されたネジ部と、前記可動マスト保持部の上側に設けられるリング状の凹部と、前記凹部の少なくとも1個所に外側から内側に向かって低くなるように傾斜して設けられる角度付けリブと、前記凹部の内周面に沿って前記可動マストとの間に設けられる係合溝と、前記可動マストの外側に圧接した状態で嵌装され前記凹部に載置される弾性部材からなる弾性リングと、前記可動マストを挿通させる挿通孔を備え前記弾性リングを間に介在して前記可動マスト保持部のネジ部に螺着されるグリップとを具備し、前記グリップを締め付けた状態では該グリップの内側上面と前記可動マスト保持部に設けられた前記凹部との間で前記弾性リングを押圧し、該弾性リングの内周面を前記可動マストに圧着させて該可動マストの位置を固定し、前記グリップを緩めた状態では前記可動マストを伸縮可能とし、該可動マストの伸縮時に前記弾性リングとの接触面に摩擦抵抗を生じさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、グリップを反時計方向に回転して緩めることにより、可動マストの伸縮が可能となり、非常に小さい抵抗で可動マストを上方に伸長させることができ、また、可動マストを下方向に移動して短縮させる場合には可動マストと弾性リングとの接触面における摩擦抵抗を増大させることができる。また、グリップを時計方向に回転して締め付けることにより、弾性リングと可動マストとの接触面に強い保持力を発生させ、可動マスト23を任意の位置で固定することができる。すなわち、単純な形状の部品を用いてマストを伸長するときの抵抗を小さく、短縮するときの抵抗を大きくでき、且つ可動マストを固定するための固定構造を別個に設けることなく任意の位置で確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る伸縮機能を備えたアンテナマストの構成を示す分解斜視図である。
【図2】同実施形態におけるアンテナマストの伸長時の状態を示し、(a)は一部を断面して示す斜視図、(b)は側断面図である。
【図3】同実施形態におけるアンテナマストの短縮時の状態を示し、(a)は一部を断面して示す斜視図、(b)は側断面図である。
【図4】同実施形態におけるアンテナマストの固定時の状態を示し、(a)は一部を断面して示す斜視図、(b)は側断面図である。
【図5】従来の伸縮機能を備えたアンテナマストの構成を示したもので、(a)は要部を断面して示す斜視図、(b)は要部を断面して示す側断面図、(c)は同図(b)のA−A線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係る伸縮機能を備えたアンテナマストの構成を示す分解斜視図である。図2はアンテナマストの伸長時の状態を示し、(a)は一部を断面して示す斜視図、(b)は側断面図である。
【0020】
図1及び図2において、21は金属部材を用いて円筒状に形成したアンテナマストで、大径の固定マスト22と、この固定マスト22より小径の可動マスト23からなり、固定マスト22の内側に可動マスト23を挿入して可動できるようになっている。
【0021】
上記固定マスト22の上端には、可動マスト保持部24が設けられる。この可動マスト保持部24は、例えば合成樹脂を用いて円筒状に形成され、下側にフランジ部25、上側の外周に沿ってネジ部26が設けられる。上記可動マスト保持部24の内径は、可動マスト13の直径より少し大きく設定され、可動マスト23が可動マスト保持部24内を容易に挿通できるようにしている。
【0022】
また、フランジ部25は、外径が固定マスト12の内径より僅かに小さく形成され、その外周に沿って複数例えば4つのボルト穴27が等間隔に設けられる。上記可動マスト保持部24は、フランジ部25が固定マスト22の上端部内側に挿入される。固定マスト22の上端部には、フランジ部25のボルト穴27に対応する位置にボルト挿通穴28が設けられる。このボルト挿通穴28に外側からボルト29を挿入してフランジ部25のボルト穴27に螺着し、ボルト29を締め付けることで可動マスト保持部24のフランジ部25を固定マスト22に固定する。
【0023】
可動マスト保持部24の上側には、周縁部より少し低いリング状の凹部31を設けており、この凹部31に角度付けリブ32が上方に突出して1〜3個所程度設けられる。上記角度付けリブ32は、凹部31の外側(周縁部)から内側(可動マスト23側)に向かって低くなるように所定の角度で傾斜して設けられる。また、可動マスト保持部24の凹部31には、図2に示すように可動マスト23の外周に沿って位置するように係合溝33が設けられる。この場合の例では、可動マスト保持部24の中心部に設けられるマスト挿通用穴の上部の径を可動マスト23の直径より少し大きく、中央部で可動マスト23の直径と略同じになるようにテーパ状に形成し、凹部31において可動マスト23の周囲に幅が約1〜1.5mm程度の係合溝33が形成されるようにしている。
【0024】
また、上記可動マスト保持部24の上側に形成された凹部31には、例えばゴムや軟質塩化ビニール、あるいは熱可塑性樹脂などの弾性部材を用いて形成された弾性リング(パッキン)34が載置される。この弾性リング34は、上記凹部31と略同じ大きさで、その内径は可動マスト13の直径より少し小さい値に設定され、可動マスト23に嵌装されて凹部31上に位置する。上記弾性リング34の厚さtは、上記凹部31の深さよりも厚く例えば約4mmに形成され、凹部31に載置した際、該凹部31より上側に突出するようになっている。また、弾性リング34のリング幅dは例えば約7mmに設定される。上記弾性リング34は、内周面が可動マスト23の外周面に圧接し、その摩擦抵抗によって可動マスト23の伸縮動作を規制する。上記弾性リング34のリング幅dに対し、上記凹部31に設けられる係合溝33の幅は、約1/5程度に設定する。例えば弾性リング34のリング幅dを7mmに設定した場合、凹部31に設けられる係合溝33の幅は約1.4mmに設定する。
【0025】
そして、上記可動マスト保持部24のネジ部26には、例えば合成樹脂により形成したグリップ36が螺着される。このグリップ36には、上部中央に可動マスト23を挿通させる可動マスト挿通孔37が設けられる。また、グリップ36には、内側周面に可動マスト保持部24のネジ部26に螺合する雌ネジ部38が設けられ、上部内側面すなわち上記弾性リング34に対向する面は平面状に形成される。上記グリップ36は、雌ネジ部38を可動マスト保持部24のネジ部26に螺合させ、締め付けることで弾性リング34の内周面を可動マスト23に強く圧接させて可動マスト23の位置を固定する。
【0026】
なお、上記固定マスト22の下部には、図示しないが可動マスト23の下部位置を規制するストッパあるいはストッパを兼ねるキャップ等が設けられる。また、可動マスト23の下端部には、図示しないがリング状の振れ止めが設けられる。この振れ止めは、外径が固定マスト22の内径より僅かに小さく形成され、可動マスト23が固定マスト22内で横振れするのを防止すると共に、可動マスト23の可動範囲を規制する。すなわち、振れ止めは、可動マスト23の伸縮に伴って固定マスト22内を移動し、可動マスト23を下方向に移動した際は上記ストッパに当接し、可動マスト23を上方向に移動した際は可動マスト保持部24に当接して可動マスト23の可動範囲を規制する。
【0027】
そして、上記伸縮機能を備えたアンテナマスト21は、固定マスト22の下端部が一般家庭における2階のベランダ等のフェンスにアンテナ取付金具により取付けられ、可動マスト23の上端に例えば地上デジタル放送受信用のアンテナが取付けられる。
【0028】
次に、上記のように構成されたアンテナマスト21の伸縮時及び固定時の詳細な動作について説明する。
【0029】
先ず、可動マスト23を伸長させるときの動作について図2(a)、(b)を参照して説明する。可動マスト23を伸長させる場合にはグリップ36を反時計方向に回転して緩める。グリップ36は、緩めることによって上方に移動し、図2(b)に示すように可動マスト保持部24の上部に設けた凹部31とグリップ36の内側上面との間に弾性リング34を移動できる間隔Lを生じる。この間隔Lは、弾性リング34がグリップ36の内側上面からの圧接から開放され、可動マスト保持部24と共に上下に移動できる空間を作成するための高さであり、例えば弾性リング34の厚さtの約1.5倍に設定される。弾性リング34の厚さtを約4mmに設定した場合、間隔Lは約6mmとなる。
【0030】
この状態で可動マスト23を上方に伸長すると、可動マスト23に圧接している弾性リング34は可動マスト23と共に上方に移動し、グリップ36の内側上面に当接する。このときグリップ36の内側上面は平面状に形成されているので、弾性リング34はグリップ36の内側上面に当接した際に面で抑えられ、弾性リング34の内周面は可動マスト23に平行に接触し、可動マスト23と弾性リング34との摩擦抵抗(負荷)は最小となる。従って、可動マスト23は、非常に小さい抵抗で上方に伸長させることができる。
【0031】
次に、可動マスト23を短縮するときの動作について図3を参照して説明する。図3は可動マスト23を短縮するときの状態を示し、(a)は一部を断面して示す斜視図、(b)は側断面図である。
【0032】
図3に示すように可動マスト23を伸長した状態から下方向に移動して短縮させると、可動マスト23に圧接している弾性リング34は可動マスト23と共に下方に移動し、可動マスト保持部24の凹部31において角度付けリブ32に圧接して変形する。この結果、弾性リング34の内周面は、ある角度を持って可動マスト23に圧接するようになり、可動マスト23は弾性リング34の接触面、特に弾性リング34の内側下部を係合溝33内に巻き込んで下方に移動し、弾性リング34と可動マスト23と接触面における摩擦抵抗(負荷)が増大する。
【0033】
上記のように可動マスト23を下方向に移動して短縮させる場合には、弾性リング34が凹部31に設けた角度付けリブ32に当接して変形し、弾性リング34と可動マスト23と接触面における摩擦抵抗を増加させることができる。
【0034】
次に、可動マスト23を固定するときの動作について図4を参照して説明する。図4は可動マスト23を固定したときの状態を示し、(a)は一部を断面して示す斜視図、(b)は側断面図である。
【0035】
可動マスト23を固定する場合には、可動マスト23を所望の位置に伸長あるいは短縮した状態で、図4に示すようにグリップ36を時計方向に回転して締め付け、グリップ36の内側上面を弾性リング34に圧接する。これにより弾性リング34は、可動マスト保持部24の上部に設けられた凹部31内で圧縮されて変形し、凹部31の外側(周縁部)より内側、即ち可動マスト23側へ押された弾性リング34は、その内周面で可動マスト23の外周面を強く圧接する。さらに、弾性リング34の内側下部は係合溝33内に入り込み、可動マスト23の外周面に接触する面積を広げる。この結果、弾性リング34と可動マスト23との接触面における摩擦抵抗が増大し、弾性リング34と可動マスト23との接触面に強い保持力が発生し、可動マスト23の位置を固定する。
【0036】
以上説明したようにグリップ36を反時計方向に回転して緩めることにより、可動マスト23の伸縮が可能となり、非常に小さい抵抗で可動マスト23を上方に伸長させることができ、また、可動マスト23を短縮させる場合には可動マスト23の移動に伴って弾性リング34が可動マスト保持部24の凹部31に当接すると共に凹部31に設けられている角度付けリブ32当接して変形し、可動マスト23と弾性リング34との接触面における摩擦抵抗を増大することができる。また、グリップ36を時計方向に回転して締め付けることにより、弾性リング34と可動マスト23との接触面に強い保持力を発生させ、可動マスト23を任意の位置で固定することができる。すなわち、単純な形状の部品を用いて可動マスト23を伸長するときの抵抗を小さく、短縮するときの抵抗を大きくでき、且つ可動マスト23を固定するための固定構造を別個に設けることなく任意の位置で確実に固定することができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、固定マスト22を円筒状に形成した場合について示したが、その他、例えば四角形や四角形以上の多角形など、任意の形状に形成することが可能である。この場合、可動マスト保持部24のフランジ部25の形状を固定マスト22の形状に合わせて形成し、可動マスト保持部24のフランジ部25を固定マスト22の上部に装着できるように構成する。
【0038】
また、上記実施形態では、可動マスト23を円筒状に形成した場合について示したが、その他、例えば四角形や四角形以上の多角形など、任意の形状に形成することが可能である。この場合、可動マスト保持部24の内側形状及び弾性リング34の内側形状を可動マスト23の形状に合わせて形成する。なお、可動マスト保持部24の内側形状を可動マスト23の形状に合わせて多角形に形成する場合、凹部31に設ける角度付けリブ32は多角形の角部分に対応する位置に1〜3個所設ける。
【0039】
また、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【符号の説明】
【0040】
21…アンテナマスト、22…固定マスト、23…可動マスト、24…可動マスト保持部、25…フランジ部、26…ネジ部、27…ボルト穴、28…ボルト挿通穴、29…ボルト、31…凹部、32…角度付けリブ、33…係合溝、34…弾性リング、36…グリップ、37…可動マスト挿通孔、38…雌ネジ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の固定マストと、前記固定マストの内側に移動可能に設けられる可動マストと、前記固定マストの上端部に装着される略円筒状の可動マスト保持部と、前記可動マスト保持部の外周面に形成されたネジ部と、前記可動マスト保持部の上側に設けられるリング状の凹部と、前記凹部の少なくとも1個所に外側から内側に向かって低くなるように傾斜して設けられる角度付けリブと、前記凹部の内周面に沿って前記可動マストとの間に設けられる係合溝と、前記可動マストの外側に圧接した状態で嵌装され前記凹部に載置される弾性部材からなる弾性リングと、前記可動マストを挿通させる挿通孔を備え前記弾性リングを間に介在して前記可動マスト保持部のネジ部に螺着されるグリップとを具備し、
前記グリップを締め付けた状態では該グリップの内側上面と前記可動マスト保持部に設けられた前記凹部との間で前記弾性リングを押圧し、該弾性リングの内周面を前記可動マストに圧着させて該可動マストの位置を固定し、前記グリップを緩めた状態では前記可動マストを伸縮可能とし、該可動マストの伸縮時に前記弾性リングとの接触面に摩擦抵抗を生じさせることを特徴とする伸縮機能を備えたアンテナマスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−34193(P2012−34193A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172067(P2010−172067)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(504378814)八木アンテナ株式会社 (190)
【Fターム(参考)】