説明

伸縮自在の針アセンブリ

【課題】簡単な操作で安全な保護が得られる針アセンブリを提供する。
【解決手段】流体採集セットが提供される。このセットは基端に取りつけられた付属品を有する可撓性のチューブと、末端に取りつけられた針アセンブリとを具える。この針アセンブリは針ハブと針ハブに固定された針カニューレとを具える。作動腕は、針ハブの基部側に外方向に延在し、その端の適当な位置に作動ボタンを有する。針アセンブリは胴部に配置され、針カニューレが露出した末端位置から針カニューレが覆われた基部位置まで移動可能である。ばねは基部位置へ針アセンブリを進ませるために胴部に配されている。この胴部は、圧縮された状態でばねを固定し、作動ボタンを受ける作動穴を具える。作動ボタンが押されると、ばねが推し進めて針アセンブリを基部側の保護位置の中に入れることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突き刺し要素を有する医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体採集セット、静脈注入セット、及びカテーテルは、それぞれ、患者から体液を採集したり、患者の液体を注入するために用いられる。流体採集セットと静脈注入セットは、プラスチックの付属品と接続された基端と針アセンブリと接続された末端とを具える一本の可撓性のプラスチックチューブを含んでいる。針アセンブリは、ハブと針カニューレを含んでいる。一対の可撓性のプラスチック羽根がハブに、またはその近傍に取り付けられている。羽根は、互いに面と面を合わせるようにして重ね合わせることが可能で、針カニューレを把持したり操作する上での便利な取手となる。羽根はまた、互いに離れる方向に回転可能であり、患者の皮膚に面を付けるようにしてテープで止めることが可能である。典型的に、カテーテルは患者の中にカテーテルを導入するために突き刺す、細長い要素とともに使用される。
【0003】
針カニューレの不慮の突き刺しは、痛みを伴い、病気の伝染を招く可能性がある。その結果、ほとんどの針アセンブリと他の尖った医療道具は、使用前と使用後に尖った先端を少なくとも被う固い手段を必要とする。典型的に、使用前の保護は、ハブまたはハブの近傍に摩擦力によって取りつけられる基端と突き刺し要素の末端まで延在する末端とを有する固いプラスチックの管によって実現される。プラスチックの管は突き刺し要素の使用の直前に取り外され処分される。典型的に、使用後の保護は、ハブと突き刺し要素の両方に対して、入れ子となることが可能な筒状シールドによって実現され、この筒状シールドは、突き刺し要素が露出する基部位置から突き刺し要素が安全に筒状シールドの中に収まる末端位置まで移動する。このタイプのシールドは、典型的に、基部位置にシールドを解除可能に固定する手段と、末端位置でさらにしっかりとシールドを固定する手段とを含んでいる。装置の中には、シールドと突き刺し要素との相対的な移動を引き起こすためのバネを含んでいるものもある。他の例として、突き刺し要素はシールドの中へ、基部方向に引っ込められるものも挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
少量の血液または他の体液が、突き刺し要素が患者から引き抜かれた後も突き刺し要素上もしくはその内部に残っているかもしれない。この残余流体は、突き刺し要素がシールド内に納められるときに飛び散るかもしれない。そのような針からの飛び散りの蓋然性はいくつかの要因に依存している。その要因の中には、針の測定、基部方向への針の加速、針の後方への加速があるときに針に何らかの横方向の移動が起きること、ルーメンや他の要因によって定められるカニューレの一部に残余する流体の毛管粘着の範囲などがある。
【0005】
ヘルスワーカーは、沢山の異なる医療装置を使用する必要があり、いくつかの異なる製造の装置を使用することがしばしばある。上述した医療装置のシールドの形状や操作は製造元によって大きく異なっている。ある医療装置のシールドの操作特性を熟知していなければ、まちがったシールドを引き起こす可能性があり、したがって使用済み針カニューレの不慮の突き刺しの可能性が発生する。
【0006】
簡単にシールドすることや、効果的なシールドをすることもまた、医療装置のタイプによって異なる。機械的に単純な装置は、あまり効果的なシールドとはならないかもしれない。より安全なシールドはヘルスワーカーにより複雑な装置の操作を要求するかもしれない。上述したように、安全なシールドと簡単な操作をもたらす医療装置が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は伸縮自在の突き刺し要素を具える医療装置である。装置は、対向する基端と末端とそれら端部の間に延在する通路とを有する一本の可撓性のチューブを具える流体採集または注入セットであってもよい。付属品が前記可撓性のチューブの基端に固定され、針アセンブリは前記チューブの末端に固定されている。
【0008】
突き刺し要素は対向する基端と末端とそれら端部の間に延在するルーメンとを有する針カニューレであってもよい。装置は基端と末端とそれら端部の間に延在する通路とを有するハブを含んでいてもよい。弾性的に屈折可能な作動腕は、ハブからカンチレバーとなっており、前記カンチレバー形の作動腕の自由端には外側に突き出た作動ボタンが形成されている。突き刺し要素の基端はハブの末端部分に固定されている。したがって、突き刺し要素に用いられるであろうルーメンはハブを貫く通路と可撓性のチューブを貫く通路と連通するであろう。固い保護体は取り外し可能に突き刺し要素の上に取りつけられてもよく、それは十分に突き刺し要素の末端を覆うであろう。
【0009】
装置は、さらに、ハブを入れ子にする胴部を含んでおり、突き刺し要素が前記胴部の末端から基端まで移動可能となるように胴部は取りつけられている。とりわけ、突き刺し要素の末端における先端部は、突き刺し要素が胴部の末端にあるときに、胴部を超えて末端方向に突き出る。しかしながら、突き刺し要素が胴部の基部位置にあるとき、突き刺し要素の全ては胴部の中に安全に格納される。
【0010】
胴部は、突き刺し要素が末端位置にあるときに作動ボタンとの係合を許すように配置され形成された作動穴を有する作動範囲を含んでいる。胴部の作動範囲の一部は胴部の末端側または基端側にある作動範囲の他の部分よりも直径が小さくなっている。したがって、針アセンブリが胴部から移動するような不慮の作動を防ぐために、作動穴と作動ボタンは胴部の作動範囲の任意の縦軸の一部分に対してわずかに引っ込められる。加えて、作動範囲の凹部は、突き刺し要素を引っ込めるために指が操作すべき胴部の識別範囲を視覚的にわかるようにしている。これは、ユーザが視覚的に見ても見なくても使用する上で作動ボタンの位置をユーザに知らせるのに役立ち、そして作動範囲近くで表面の触感が変わることによって当てにできる。この胴部の外形は、胴部の軸に垂直な断面の円によるのが好ましい。
【0011】
胴部は、シールドの効果が発揮された後の突き刺し要素の再露出を防ぐための手段を備えている。例えば、胴部は、胴部に突き刺し要素を引っ込めさせ、突き刺し要素の再露出を防ぐように一線上に並んだ内側に向いた弾性指の列を含んでいてもよい。
【0012】
装置はさらに一対の可撓性の羽根を含んでいる。羽根は胴部と分離して形成され、胴部の作動範囲近くに固定的に取りつけられるのが好ましい。したがって、胴部は硬性で選ばれた第一物質から形成されてもよく、一方、羽根は可撓性で選ばれた第2物質から形成されてもよい。
【0013】
レバーが胴部または羽根の接合部、そして突き刺し要素を引っ込めるように作動させる作動ボタン近くに関して配置されてもよい。
【0014】
伸縮自在の装置はさらに突き刺し要素とハブを胴部に対し基部方向に進ませるばねを含んでいる。ばねは、突き刺し要素が胴部に対し末端位置にあるときに、縮められた状態で寄せられていてもよい。しかしながら、作動窓から作動ボタンを外すと、ばねは伸びて突き刺し要素とハブを胴部に対する基部位置へ押し進める。
【0015】
装置のハブと胴部は、装置が流体採集セットのたぐいである場合、「静脈表示」または「ちらっと見ること」ができるように透明または半透明の物質でできていることが好ましい。これは、静脈血液が針カニューレの基端から基部側の流体通路に到達したときに、ユーザがそれを認識でき、さらに静脈血液が針ハブの外に到達したことを認識できるようにする。
【0016】
装置は、さらに、粘着性または非粘着性の制動因子で突き刺し要素の加速または速力を変える制動因子を含んでいてもよい。粘着性の制動因子はグリース、油、ジェル、ジェル樹脂、それらの組み合わせを含んでおり、非粘着性の制動因子は前方胴部と本体胴部の間または針ハブに延在する偏った可撓性の要素を含んでいる。制動因子は、ばねの互いのコイルが暫定的に伸び縮みする能力を有する物質であるのが好ましい。したがって、収縮は作動ボタンを押すことによって開始され、制動因子によって成される隣接するコイル間の接合は、ばねの縮められた状態の収縮された位置からコイルが最初に広がるのを遅くする。その結果、制動因子は最初にゆっくりとした加速で飛び散りを減らすようになっているのが好ましい。
【0017】
装置は突き刺し要素を入れ子にし、ハブまたは胴部上で摩擦的に保持されるカテーテルとともに使用されてもよい。
【0018】
伸縮自在の装置は胴部における末端位置に突き刺し要素を取りつけられている。この取りつけは不慮の作動を防ぐようになっているのが好ましい。そして、装置は使用のためにそのパッケージから取り外される。羽根の面と面を互いに合わせるようにして把持して使用が開始され、親指と人差し指で羽根が把持されて固定される。そして、ヘルスワーカーは装置から保護体を引き抜き、突き刺し要素の末端を露出させる。そして突き刺し要素の末端は血管または他のねらった位置に誘導される。チューブの基端に付けられた付属品は流体の源または貯蔵容器と連通するように置かれてもよいし、その装置は流体採集セットまたは注入セットの一部であってもよい。それらのステップの順序はセットが流体の採集または注入に使用されるかによって変化してもよい。医療処置の完了後、ヘルスワーカーは作動ボタンを下げるだけでよい。作動ボタンを下げると作動穴から作動ボタンが解放され、ばねが突き刺し要素を基部側に進ませ、胴部の中の保護位置に入れる。胴部のロック構造が胴部から突き刺し要素を完全に分離するのを防ぐとともに、使用済みの突き刺し要素の再露出を防ぐ。
【発明の効果】
【0019】
本発明を用いることにより、簡単な操作で使用済み針カニューレの不慮の突き刺しを防止することができる。また、針カニューレに残っている残余液体を飛び散らせることなく、針カニューレをシールド内に格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明にかかる流体採集または注入セットの分解斜視図である。
【図2】組み立てた状態の流体採集セットの斜視図である。
【図3】針アセンブリの分解斜視図である。
【図4】組み立てた状態の針アセンブリの斜視図である。
【図5】針アセンブリの側面図である。
【図6】針アセンブリの上面図である。
【図7】胴部の分解断面図である。
【図8】組み立てた状態の胴部の長手方向断面図である。
【図9】羽根の位置実施形態を示す斜視図である。
【図10】末端部分に針アセンブリがある流体採集セットにおける格納式の針装置を示す斜視図である。
【図11】図10に示す格納式の針装置の側面図である。
【図12】図11の12−12線で切った断面図である。
【図13】図12の13−13線で切った断面図である。
【図14】図10と同種の斜視図であるが、針アセンブリが格納された位置にある状態を示す図である。
【図15】図11と同種の側面図であるが、針アセンブリが格納された位置にある状態を示す図である。
【図16】図15を16−16線で切った断面図である。
【図17】図16を17−17線で切った断面図である。
【図18】図10と同種の斜視図であるが、羽根のその他の実施形態を示す図である。
【図19】図18の実施形態の側面図である。
【図20】図18を20−20線で切った断面図である。
【図21】図18〜図20に示す羽根の斜視図である。
【図22】カテーテルを使用する装置の斜視図である。
【図23】図22の格納式の装置の長手方向断面図である。
【図24】引っ込める前の突き刺し要素を示す分解斜視図であるが、カテーテルから分離された後である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る流体採集/注入セットは、図1〜図3における数字10によっておおよそ識別される。流体採集/注入セット10は、一本の可撓性のプラスチックのチューブ12と、基部側の付属品14と、針アセンブリ16と、ばね18と、前方胴部20、本体胴部22、羽根24とから成る胴部アセンブリとを具えている。
【0022】
チューブ12は基端26と末端28とそれらの端部の間に延在する通路とを具えている。チューブ12は、従来の血液採集セットまたは注入セットで使用されてきた静脈チューブであってもよい。
【0023】
基部側の付属品14は、プラスチック物質で一体的に形成されており、基端30と末端32とそれらの端部の間に延在する通路とを具えている。末端32近くの通路の部分は、チューブ12の基端26上を覆ってきっちりと入れ子状になる形態であるので、チューブ12の通路はコネクタ14の通路と連通している。付属品14の基端30は雌のルアーコネクタであり、患者に薬を投入するための適当な雄のルアーコネクタと接続可能である。雄のルアーコネクタは、吸引管と連通するように配置可能な基部の針カニューレを具えていてもよい。加えて、雄のルアーコネクタは、雄のルアーコネクタハブに装着された吸引管ホルダーを具えていてもよい。選択的に、従来技術の注入器の末端にある雄のルアーコネクタは、患者に投薬する際に、基部側の付属品14と直接接続されることも可能である。この場合、個々の雄のルアーキャップは、基部側の付属品14を閉じるために装着されることも可能である。他の付属品が、採集/注入セット10の明確に意図された使用に従って、基部側の付属品14と同軸に結合されていてもよい。加えて、他の基部側コネクタの外形は、特定の目的を達成するために必要とされるものであってもよい。例えば、図1における付属品は、雄のルアーハブと、患者側でない針と、この患者側でない針に取りつけられ、雄のルアーハブに固定される患者側でないスリーブとを有する患者側でない針アセンブリである。患者側でないスリーブは、吸引容器の並列穿刺を可能とするバルブとしての機能を有する。
【0024】
針アセンブリ16は、針カニューレ34、針ハブ36、針保護体38とを具えている。針カニューレ34は基端40と末端42と、それら端部の間に延在するルーメン44とを有している。針カニューレ34の末端42は尖った先端となるように斜めに切られている。
【0025】
針ハブ36は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル性のポリスチレンおよびABSといったプラスチック物質から一体的に形成されている。針ハブ36は、例えば溶着または溶接によって、針ハブ36を通って血液または他の流体が流れるのを観察できるように透明または半透明の物質で形成されているのが好ましい。針ハブ36は基端46と末端48とそれらの端部の間に延在する階段状の通路50とを具えている。通路50の基端46近くの部分は、管12の末端28を受けるように寸法付けられている。管12の末端28は針ハブ36の通路50にはめ込まれており、針ハブ36の基端46近傍の部分で接着されているのが好ましい。通路50の針ハブ36の末端に近い部分は、針カニューレ34の基端40をスライド可能に受け入れるように寸法付けられている。
【0026】
針ハブ36の末端48付近の外側部分には、小径の円筒状の先端52が形成されている。中径で円筒状のばねを置く部分54は小径の円筒状先端52から基部方向に延在しており、大径の円筒状のフランジ56がばねを置く部分54の基端から外側に延在している。フランジ56は針ハブ36上のばね18の基部方向への移動の限界、および、前方胴部20に対する針ハブ36の末端方向への移動の限界を定めている。
【0027】
作動腕60は、針ハブ36の基端から外方向でかつ末端方向に延在するカンチレバーである。外側の突起は、作動腕60に、前方胴部20および本体胴部22に対して針ハブ36の特定の回転的位置付けを確定し保持する鍵として機能できるようにする。加えて、作動腕60及び針カニューレ34の斜めに切られた先端42は互いに対称に一線上に揃えられている。さらに特に、作動腕60を通って対称になる面は、斜めに切られた先端42によって定められる楕円を二等分するものであるのがもっとも好ましい。選択的に、作動腕60は針ハブ36の側面のいずれに位置していてもよい。
【0028】
作動腕60は、フランジ56の基部側に位置する末端62を含んでいる。したがって、フランジ56は、作動腕60の中心方向への反りを妨げない。作動腕60の末端62の基部に近い部分には、作動腕60上で外側に放射状に突き出た作動ボタン64を形成している。作動ボタン64の基端は、作動腕60の存続部分に対して切り取られ、針ハブ36の軸から鋭角に配置されたロック用エッジ66を定めている。安定用リブ67は針ハブ36の周りに軸方向に延在する。必要であれば、一つ以上の安定用リブが使用されてもよい。
【0029】
針保護体38は、固い円筒状の管であり、前方胴部20の末端72から突き出ている針カニューレ34の長さ以上に延在できるように形成されている。図3に示すように、針保護体38は針ハブ36に当接し、針カニューレ34の針ハブ36から突き出た長さを超える長さを有している。針保護体38は、内径を針ハブ36の末端52の外径とほぼ等しくなるように定めている。加えて、針保護体38は、外径を針ハブ36のばね置き部分54の外径とほぼ等しくなるように定めている。したがって、図4にもっとも明確に示されているように、針保護体38は、針カニューレ34を入れ子にされることが可能で、針ハブ36の末端52上に摩擦的に保持されることができる。加えて、この設置状態において、針ハブ36のばね置き部分54と針保護体38は連続的であり、外径がほとんど同一となっている。一方、針保護体38は、前方胴部20の末端72に摩擦的に保持されており、さらに針カニューレ34を超えて延在するように保持されている。
【0030】
ばね18は、針保護体38および針ハブ36のばね置き部分54の外径よりもわずかに大きい内径を有するらせん状のコイルである。加えて、ばね18の内径は針ハブ36のフランジ56の外径よりも小さい。したがって、フランジ56は針アセンブリ16を超えてばね18が入れ子に移動する範囲の限界を定めている。ばね18の軸方向の長さは、針アセンブリ16が前方胴部20および本体胴部22に対して移動できる範囲と一致するように選択される。伸びた状態でのばね18の軸方向の長さは、針カニューレ34の末端42から針ハブ36のフランジ56までの距離を上回るのがより好ましい。
【0031】
前方胴部20は、対峙する基端70と末端72とそれらの端部の間に延在する通路74とを有する一体成形のプラスチック構造である。通路74の末端72近傍部分は、ばね18の外径よりも小さい内径を有する、内側に延在する環状末端フランジ76を定めている。したがって、末端フランジ76は、ばね18の末端側止め具となり、ばね18が前方胴部20の中に詰め込まれることを可能とする。したがって、段78は前方胴部20における針ハブ36の末端方向への移動の当接する限界を定めている。段78は、末端フランジ76から、ばね18の圧縮された長さとほぼ等しい距離だけ空間を空けて配設されている。したがって、末端フランジ76と段78の間の通路の部分はばねハウジングとして事実上定められている。通路74は、基端70近くの環状の固定用リブ80によってさらに定められている。固定用リブ80は、以下に説明するような前方胴部20と本体胴部22とのロック結合を可能にする。
【0032】
前方胴部20の外周面は、末端72近くで、羽根を置くために環状に切り取られた部分82によって定められる。環状に切り取られた部分82には、前方胴部20の回転方向の固定位置において、羽根24を位置付けるための戻り止め83が装備されている。前方胴部20の切り取られた部分82は、通路74の中に制動因子を注入するための制動因子注入部85を有していてもよい。部85は羽根24によって覆われている。
【0033】
前方胴部20の外表面の環状に切り取られた部分82の基部側の部分は、外方向に広がり断面の直径が大きくなっている。しかしながら、外周面は、前方胴部20の円周に沿って少なくとも約270度にわたって延在する部分の直径を小さくした形状にくびれている。したがって、前方胴部20は、末端の直径が大きい方の部分84と基端の直径が大きい方の部分86とそれらの間の直径が小さい方の部分88とを有している。前方胴部20の小さい方の直径部分88は、その部分を貫いて伸び、通路74と連通している作動穴90を含んでいる。作動穴90は作動ボタン64を受けるような寸法に形成されており、作動ボタン64のロック用エッジ66と係合するように形成された固定エッジ92を具えている。作動穴90は小さい方の直径部分88の中央に角度付けて配置され、別種のおおよそ対称な前方胴部20に対して視覚的に識別可能な頂部を形成するために、切り取られた部分82の突起83と一線上に揃えられている。段78は、作動腕60の末端62とフランジ56の末端面との間の軸方向の距離とほぼ等しいかわずかに大きい距離で、作動穴90から空間が空けられている。したがって、針ハブ36のフランジ56がだいたい前方胴部20の段78に接するとき、作動ボタン64は作動穴90で係合される。加えて、通路78の固定エッジ92の基部側近傍の内側の断面の距離は、ロック用エッジ66の基部側近傍の作動腕の断面の距離とほぼ等しいかわずかに小さい。それゆえに、針ハブ36が前方胴部20末端側に移動され、フランジ56に対して十分な距離で段78に当接したとき、ロック結合はロック用エッジ66と92の間で確実になされる。
【0034】
本体胴部22はまた、基端94と末端96とそれらの間に延在する通路98とを有するおおよそ管状構造となっている。外側胴部96の末端96近傍の外面部分は環状の固定用ビーズまたはリング100を定めている。固定用ビーズ100は、前方胴部20と本体胴部22とが互いに係合するために、前方胴部20の通路74において環状の固定用リブ80とのスナップ式ロック係合用に形作られている。前方胴部20と本体胴部22との間の係合は粘着性の接着剤による接着や、溶接、あるいは環状の固定用リブ80と固定用ビーズ100との間の干渉が増すことによって、より永続的なものとなるであろう。一方、前方胴部20と本体胴部22は、前方胴部20と本体胴部22のいずれか一方の外側に切られたねじともう一方の内側に切られたねじとのねじ係合で接続されていてもよい。ねじの間隔や位置は、軸方向に伸びるチャンネル104と106の上部および底部の可能な配列によって選択されるであろう。
【0035】
本体胴部22を通る通路98の基部は内側に伸びる基部フランジ102によって特徴つけられている。基部フランジ102は針ハブ36上のフランジ56の外径よりも小さい内径を有している。したがって、基部フランジ102は本体胴部22において針ハブ36の基部方向の移動の限界となる。
【0036】
本体胴部22の通路98は、さらに、個別に軸方向に伸びるチャンネル104と106の上部と底部によって特徴つけられている。上部チャンネル104は、作動穴90と一列に並び、針ハブ36の作動腕60をスライド可能に受け入れるように寸法付けられている。底部チャンネル106は針ハブ36の安定用リブ67の底部をスライド可能に受け入れるように寸法付けられている。本体胴部22の底部チャンネル106周りの部分は、上部チャンネル104から基部方向に渡って突出している。その結果、軸方向の長さは、針ハブ36の安定用リブ67の底部をスライド可能に受け入れられ、支持できるように定められる。この底部安定用リブ67に対する追加的な支持は、針ハブ36と胴部20,22との間のスライド可能な係合において、半径方向および軸方向の寸法の間での許容可能なベアリング比をより多くする。それゆえに、より厳密な軸方向の移動は、針ハブ36の横方向のわずかな移動を伴って実現される。底部チャンネル106の周りの基部が広がることによって可能となるより厳密な軸方向の移動は、針カニューレ34を引っ込めるときに残余流体の飛び散りを十分に減少させる。
【0037】
本体胴部22は、さらに、弾性があり屈折可能なロック用指108によって特徴つけられ、このロック用指108は、本体胴部22において上部チャンネル104と底部チャンネル106からおおよそ90度空けられた対峙する位置に基部方向で内側に向かって配されたカンチレバーである。それぞれのロック用指108は、基部側のストップフランジ102から、針ハブ36上のフランジ56の軸方向の厚みと等しいかそれよりもわずかに大きい距離だけ空間が空けられている。それゆえに、フランジ56にはストップフランジ102の末端面とロック用指108との間に、以下に説明するようにトラップが設けられている。ロック用指108の基端110は互いに針ハブ36のフランジ56の直径よりも小さい距離だけ空間が空けられている。
【0038】
羽根24は、ポリオレフィン、ポリビニル塩化物あるいは他の弾性ポリマーといった弾性物質から一体成形されている。羽根24は、可撓性の側板112、114と筒状の台116を具えている。筒状の台116は、前方胴部20の切り取られた部分82にぴったりと係合するように寸法付けられた内側の通路118を具えている。加えて、台116には、前方胴部20の戻り止め83と、羽根24の回転方向へのよりよい位置に確実にするために係合するように寸法付けられた上部ノッチ120と底部ノッチ122とを伴って形成されている。ノッチ120、122は板112と114に垂直な面に対称となっている。板112と114は比較的なめらかな上面で成形されているのが好ましい。しかしながら、板112の上面は、筒状の台116から離れた位置に一対のアーチ形の突起124を具えている。板114の上面は、板112と114とが上面どうしを互いに合わせて係合されて固定されたときに板112の突起124を受けるように寸法つけて配置され形成された一対のアーチ形の凹部126を具えている。突起124と凹部126の内部係合は板112と114が互いに滑ることなくハンドルとしての機能を果たすように固定されるのを確実にする。板112と114の裏面は複数の触知可能な突起132が形成されている。突起132は、固定された板112と114をユーザの親指と人差し指で容易に把持することができるようにする。板112と114の筒状台116に対するヒンジ移動は、板112と114と筒状台116との接続部における薄い部位によって容易になる。羽根24の色は、針カニューレ34のゲージを示すのが好ましい。羽根24が側板112または114のいずれか一つしか有していない代替の実施形態では、ユーザによって針アセンブリを操る代替手段をもたらすように考慮される。
【0039】
流体採集セット10は針カニューレ34の基端を針ハブ36の末端48付近の通路50の中にまず置くことによって組み立てられる。針カニューレ34はこの位置で熱硬化または紫外線硬化性エポキシといった接着剤によって固定されてもよい。上述したように、針カニューレ34の末端42を定めるベベル位置は重要である。したがって、針カニューレ34は針カニューレ34の末端42のベベルと羽根24と針ハブ36の腕60とは同一平面において左右対称となるように配置される。羽根24と針カニューレ34の末端42との位置つけは前方胴部20と本体胴部22に対する作動腕60と針ハブ36の相対的な位置付けによって保証される。針アセンブリ16は、針ハブ36の末端52で摩擦係合に対して十分に針カニューレ34を超える入れ子式の保護体38によって完成される。したがって、保護体38は前方胴部20との摩擦係合によって針カニューレ34を超えて入れ子にされることが可能である。
【0040】
チューブ12の末端28は針ハブ36の基端46で固定される。チューブ12はこの位置で溶解性接着、粘着性接着、溶接によって固定されてもよい。
【0041】
アセンブリは、針保護体38の上と針ハブ36のばね乗せ位置54の上とに入れ子にされているばね18によって保持されている。針アセンブリ16とばね18は前方胴部20の中の末端位置に配列され入れ子にされている。この挿入は、作動腕60と安定用リブ67とチャンネル104、106とが一列になることを要求する。針ハブ36が前方胴部20の中へ移動することによって、針保護体38は前方胴部20の末端72を超えてその中を前進する。加えて、作動腕60はただちに通路74の軸方向へ一部を開けるために十分に押し下げられる。この末端への移動によって、ばね18は前方胴部20と針ハブ36のフランジ56との間で縮められる。針ハブ36のフランジ56が前方胴部20の段78に近づくにしたがって、作動ボタン64は作動穴90と一線に揃えられる。したがって、作動腕60は弾性的に向きが反れない状態で戻り、作動ボタン64のロック用エッジ66は作動穴90のロック用エッジ92と係合する。その結果、針アセンブリ16は、かなりの収容エネルギーで縮まされた状態で固定されたばね18とともに前方胴部20の末端位置にロックされる。そして、羽根24は前方胴部20の末端72に置かれている。羽根24のノッチ120、122は前方胴部20の戻り止め83と一列に揃えられている。したがって、羽根24が台116とぴったりと合うのは、羽根24を前方胴部20に固定し回転しないようにするために切り取られた部分82と戻り止め83とによって実現される。この設置状態で、羽根24の板112と114は、針カニューレ34の末端42のベベルおよび針ハブ36の作動腕60によって対称に定められる平面に直交して伸びる平面を定める。組み立て品は本体胴部22を貫いてチューブ12のねじが切られた基端26によって保持される。チューブ12に沿って本体胴部22の末端方向への十分な移動は、前方胴部20の基端70内部で本体胴部22の末端96とのロック係合を可能にする。そして、付属品14はチューブ12の基端26で固定されてもよい。
【0042】
粘着性の制動因子が使用される場合、前方胴部20の通路74、針ハブ36のばね置き部分54、針ハブ36のフランジ56の末端面は、制動因子の好ましい位置を強要する空洞を定める。前方胴部20の側壁内に設けられた注入部85は空洞内の粘着性制動因子を施すのが好ましい。粘着性制動因子は、注入部85の中にぴったりと合うように形成された末端を有する分離されたカニューレを通って注入され得るのが好ましい。制動因子が通路74、ばね18、針ハブ36あるいは3つの部品以外のもので収縮速度または速力への変換を生み出すための組み立てに重要なものに付与され得ることはまた意図されるであろう。
【0043】
粘着性の制動因子は針ハブ36の前方胴部20および本体胴部22に対する速力を抑制するように機能するシリコンであってもよい。粘着性の制動因子は針ハブ36と針カニューレ34がゆっくりとひっこむような抵抗を生み出す。好ましい制動因子は血液採集チューブで分離ジェルとして使用されるジェルの種類と同じようなチキソロピージェルである。制動因子として使用されるチキソロピージェルはばね18に対して固有の効力をもたらす。とりわけ、チキソロピージェルは、ばね18のコイルを互いに一時的に弾性的にくっつける能力を示す。収縮の開始はばね18の収容エネルギーを減らす、ばねが伸びるのを可能にする。チキソロピージェルはシリコンに似た抵抗力を生み出し、その結果ハブ36と針カニューレ34の速力を抑制する。しかしながら、一般的なシリコンと異なっても、チキソロピージェルによってもたらされるコイル間の一時的な接着は最初の加速をゆっくりとさせる。最初の加速がゆっくりであると、針カニューレ34が収縮する際の飛び散りを十分に減らすことができる。
【0044】
注入部85は切り取られた部分82上に配置されることが可能であり、羽根24を置いて注入部85を覆うことによって密封することが可能である。このことから、注入部85近くにばね18が来るように制動因子が強制的に置かれる。選択的に、制動因子が針ハブ36と前方胴部20と本体胴部22との間のスライド係合で面を位置決めすることができる。これは、針ハブ36を収縮させる速力および加速度を変更させることができる粘着性のせん断境界層を生み出す。
【0045】
流体採集または注入セット10は羽根24の板112及び114を、板112の上面にある突起124が板114の上面にある凹部126に板112と114がずれるのを防ぐために受け入れられるようにして、お互いの面と面が合わさるように折りたたんで使用される。板112と114の底面にある触知突起132は、親指と人差し指で面と面を合わせてしっかりと把持されることが可能である。そして、針保護体38は、針カニューレ34を露出させるために針ハブ36から分離される。この状態で、羽根24の板112と114は針カニューレ34のベベルが切られた末端42に対して対称な平面に横たわるであろう。そして、ヘルスワーカーは、針カニューレ34のベベルが切られた末端42を患者の狙った位置に誘導し、チューブ12の基端26の付属品14を吸引容器や患者に注入する流体の供給源と繋ぐために利用する。医療処置が完了すると、ヘルスワーカーは作動ボタン64を押し下げて、前方胴部20が完全に針カニューレ34を取り囲むように基部方向に針カニューレ34を引っ込めさせる。これに関して作動ボタンは前方胴部20の断面が小さい部分88の中に納まり、その結果、不注意な作動を許すことはない。しかしながら、断面が小さい部分88の形状は、作動ボタン64に故意に向けられた人差し指の先を受けるように寸法付けられている。
【0046】
さらに、前方胴部20の作動穴90近傍のくびれた形は、作動ボタン64を押す指の力を加えるように意図される位置を視覚的に明らかに合図するようになる。
【0047】
作動ボタン64の内側に向かう力によって、作動ボタン64のロック用エッジ66と作動穴90のロック用エッジとの係合が離されようとする。それゆえに、ばね18は伸びることが可能となり、基部方向に針アセンブリ16を進ませる。針アセンブリ16の基部方向の移動は、フランジ56が本体胴部22のストップフランジ102に当接すると終了する。この位置で、針カニューレ34の全体は前方胴部20と本体胴部22との中に安全に配置される。この針アセンブリ16の基部方向の移動は底部チャンネル106における底部安定用リブ67の係合によって軸方向にガイドされる。加えて、作動ボタン64は上部チャンネル104に移動し、本体胴部22の基部方向に伸びる上で底部チャンネル106の位置を含んで、底部チャンネル106に向かって針アセンブリ16を偏らせる。それ故に、効果的なベアリング比は、針カニューレ34がばね18によって加えられる力によって基部方向に加速されるにともなう飛び散りの可能性を減らすようにして針カニューレ34が単に軸方向の移動をなし遂げるように保たれる。
【0048】
針ハブ36のフランジ56は基部ストップ102に接近し、フランジ56はまたロック用指108と係合する。フランジ56が後方に移動することによって、ロック用指108は外方向に反らされる。しかしながら、フランジ56が基部ストップ102に当接すると、ロック用指108は向きがそれない状態で弾性的に戻りフランジ56の末端面と係合する。それ故に、針アセンブリ16の戻り移動は防止される。さらに、ロック用指108の内側へ一列に並んだ位置は、針カニューレ34の再挿入を可能とするロック用指108の外方向への意図的な反りを十分に妨げる。したがって、針カニューレ34の再利用は、本体胴部22のロック用指がかなり完全に破壊されなければ、実現することができない。
【0049】
羽根のほかの実施形態は図18−21に番号224によって特定される。羽根224は羽根24と似ており、筒状の台216から板212と214が延びている。しかしながら、羽根224はさらに筒状の台216から基部方向に伸びる作動腕228とこれの端にある突起230とを有する。この突起230は前方胴部20の作動穴90及びハブ36の作動ボタン64を調節するために配され、寸法付けられている。作動腕228の上面は突起230よりも広く、底から突き出た触知突起232を具えている。作動腕228は可撓性で、この作動腕228を穴90を介して作動ボタン64の方へ押し下げることによって、作動ボタン64を間接的に押し下げる改良された能力をユーザに提供する。
【0050】
先の実施形態は流体採集セットまたは流体注入セットに関するものである。図22〜24はカテーテルに関する本発明の実施形態を図示している。とりわけ、図22〜24の実施形態は、上述し図示した針アセンブリとほとんど同じであろう針アセンブリ16を含んでいる。針アセンブリ16はコイルばね38とともに使用され、上述した前方胴部20と本体胴部22との間の軸方向の移動用に配される。しかしながら、この実施形態において、可撓性のプラスチックチューブあるいは基部側の付属品の装備は必要ない。反対に図22〜24の実施形態は、基端342と末端344を有するカテーテル340を具えている。基端342近傍のカテーテル部分340は、円錐形であって固いプラスチックで形成され前方胴部20の末端72と摩擦係合するように寸法付けられた台部分346を具えている。台部分346はそこから外方向に伸びるルアー突起によって特徴付けられている。突起348はシリンジや他の医療装置のルアーつばとねじ係合することができる。台部分346はおおよそ円筒形の末端350を具えている。カテーテル340はさらにおおよそ筒状で、台部分346の円筒形の末端350の中に挿入されるか、接着剤または溶接によってそこに固定されている挿入部分352を具えている。挿入部分352は台部分346よりも曲がりやすい物質、たとえばポリウレタンやシリコンといったものから形成されている。挿入部分352は針カニューレを入れ子にするように寸法付けられた円筒形の通路を有している。挿入部分352の外面は、円筒状に形成されている。しかしながらカテーテル340の末端344における挿入部分352の一部は円錐状に先細になっている。カテーテル340の末端344が針カニューレ34の末端342から基部方向に配されるように挿入部分352の長さは選択的に設定される。針保護体(不図示)は、針カニューレ34とカテーテル340の挿入部分352の両方を入れ子にし、台部分346の円筒形の末端で摩擦的に保持されるものでもよい。針保護体は針カニューレ34の末端42を覆うのに十分な長さを有している。
【0051】
図22〜24の実施形態は、針カニューレ34の末端42およびカテーテル340の挿入部分352を露出させるために保護キャップを第一に外して使用される。そして、末端42と針カニューレ34は患者の狙った位置に誘導され、患者の中にカテーテル340の末端344を誘導する。適切な位置に接触できた後は、ユーザは羽根の板112と114を基部方向に引くことによって突起348に圧力を加える。カテーテル340の挿入部分352は針カニューレ34を引っ込められると圧縮されて閉じられる。これは止血かん子またはそれに似た装置で行われてもよい。そして、シリンジのルアーつばはカテーテル340の台部分346のルアー突起348と、患者に液体薬もしくは他の液剤を運ぶために、ねじ係合されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
12 チューブ
14 付属品
16 針アセンブリ
20 前方胴部
22 本体胴部
24 羽根
26 基端
28 末端
30 基端
32 末端
34 針カニューレ
36 針ハブ
38 針保護体
40 基端
42 先端
44 ルーメン
46 基端
48 末端
50 通路
52 円筒状先端
56 フランジ
60 作動腕
62 末端
64 作動ボタン
66 ロック用エッジ
67 底部安定用リブ
70 基端
72 末端
74 通路
76 環状末端フランジ
80 固定用リブ
83 突起
85 制動因子注入部
88 直径部分
90 作動穴
92 ロック用エッジ
94 基端
96 外側胴部
96 末端
98 通路
100 リング
102 ストップフランジ
104 チャンネル
104 上部チャンネル
106 底部チャンネル
108 ロック用指
110 基端
112 板
114 板
116 台
118 通路
120 上部ノッチ
122 底部ノッチ
124 突起
126 凹部
132 突起
212 板
216 台
224 羽根
228 作動腕
230 突起
340 カテーテル
342 基端
344 末端
346 台部分
348 ルアー突起
350 末端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端と末端とそれら端部の間に延在する通路とを有する針ハブと、
基端と末端とそれらの間に延在するルーメンとを有する針カニューレであって、前記針カニューレの前記基端は前記針ハブの前記末端側の前記通路に固定されている針カニューレと、
前記針ハブから延在する弾性的に屈折可能な作動腕と、前記作動腕に形成され、前記針ハブに対して外方向に突き出た1つの作動ボタンと、
基端と末端とそれら端部の間に延在する通路とを有する胴部であって、前記針ハブは前記胴部の前記通路に、前記針ハブ、針カニューレおよび前記作動腕が、前記胴部に対して、前記針カニューレが前記胴部を超えて末端方向に突出する末端位置から、前記針カニューレが前記胴部にすっかりと納まる基部位置まで移動可能となるように配置され、前記胴部はそれを貫く1つの作動開口部を有し、前記針ハブは前記末端位置にあるとき、前記作動ボタンは前記作動開口部の中へ突き出し、前記作動開口部近傍の前記胴部の一部と係合し、前記作動ボタンは前記作動開口部と係合する上で弾性的に外側へ屈折可能となる構成の胴部と、
前記胴部に配置されたばねであって、前記作動ボタンが前記作動開口部から前記胴部の内側に反らされたとき、前記針ハブを前記基部位置に押し進めるために前記針ハブ近傍に配されるばねと、
不慮の作動を防ぐために、前記作動ボタンよりも大な半径方向の距離で、作動開口部における前記胴部の基端部と末端部の部分が突き出すように、前記胴部の断面が減少する部分に配置されている前記作動開口部と、
を具える伸縮自在の安全針。
【請求項2】
前記針カニューレの前記末端はおおよそ平らなベベルを形成し、該ベベルは、前記針カニューレの中心軸を含む平面に対して、面対称に設けられており、前記作動腕は、前記針カニューレの中心軸を含む平面に対して、面対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の伸縮自在の安全針。
【請求項3】
ベベルと作動ボタンは前記伸縮自在の安全針の同じ側に向けられていることを特徴とする請求項2に記載の伸縮自在の安全針。
【請求項4】
前記作動腕は前記針ハブからカンチレバーとなっており、前記作動腕は底部を前記針ハブと一体不可分な底部端と、該底部端から末端方向に突き出た自由端を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の伸縮自在の安全針。
【請求項5】
前記作動腕は第一作動腕であり、伸縮自在の安全針はさらに前記胴部に置かれた第2作動腕を具え、該第2作動腕は、前記第一作動腕と係合する位置に突出し、前記第一作動腕を屈折させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の伸縮自在の安全針。
【請求項6】
さらに、前記胴部に置かれ、胴部の横断方向に突出した一対の可撓性の羽根を具え、該羽根は、前記針カニューレの中心軸を含む前記平面に対しておおよそ垂直な平面に形成され、前記第2作動腕は前記可撓性の羽根とともに一体的に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の伸縮自在の安全針。
【請求項7】
前記作動開口部は、前記胴部の前記作動開口部の基端側および末端側の部分は突起し、不慮の作動を防ぐために半径方向の距離が前記作動ボタンよりも大きくなるように、前記胴部の断面積が小さい部分に配置されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の伸縮自在の安全針。
【請求項8】
前記胴部に配置され、少なくとも前記ばねと前記針ハブの部分を覆う制動物質を具え、該制動物質は針カニューレが収縮している間の制動な移動を行い、それによって前記針カニューレについた物質の飛び散りを減少させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれに記載の伸縮自在の安全針。
【請求項9】
前記ばねは、複数の隣接するコイルを具え、前記制動物質は前記ばねの隣接するコイルの間に一時的な弾性接合をし、前記作動ボタンが前記作動開口部から外れた後の前記針ハブの最初の加速を遅くさせることを選択することを特徴とする請求項8に記載の伸縮自在の安全針。
【請求項10】
前記制動物質はチキソトロピックジェルであることを特徴とする請求項9に記載の伸縮自在の安全針。
【請求項11】
前記針カニューレの保護に働くばねを制動するための制動因子としてチキソトロピックジェルは使用されることを特徴とする請求項10に記載の伸縮自在の安全針。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−388(P2010−388A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231794(P2009−231794)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【分割の表示】特願2002−310253(P2002−310253)の分割
【原出願日】平成14年10月24日(2002.10.24)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】