位相シフトを入力波形に対して付与する装置
一実施形態において、位相シフトを入力波形に付与して、変換波形を出力する装置および方法が説明される。一実施形態では、位相シフトは、入力波形およびポンプパルスの四光波混合により提供できる。一実施形態では、入力波形の高分解能時間領域表現を生成する装置および方法であって、入力波形を分散させて、分散入力波形を生成すること、分散入力波形を分散ポンプパルスと結合することにより、分散入力波形に四光波混合を受けさせて、変換波形を生成すること、および変換波形を検出ユニットに提示することを含む、装置および方法が説明される。一実施形態では、検出ユニットは、変換波形および入力波形を表す記録の出力を記録する分光計(スペクトル解析器)を含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、2008年10月14日に出願された「Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscope」という名称の米国仮特許出願第61/105,217号明細書の優先権を主張するものであり、この仮特許出願を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、一般に光学装置に関し、特に位相シフトを入力波形に対して付与する光学装置に関する。
【背景技法】
【0003】
より高速の通信データレートの実現ならびに超高速化学反応および超高速物理反応に対する関心の拡大に伴い、サブピコ秒の分解能で光学波形を単純に測定できる技法を開発することが重要になった。高速光検出器を有する先端技術のオシロスコープは、30ps分解能でシングルショットでの波形測定を提供する。マルチショットサンプリング技法は、数ピコ秒分解能を達成可能であるが、時間的に高速に変化する事象、非同期事象、または発生回数が1回のみである可能性のある事象を解析するためには、シングルショット測定が必要である。シングルショット分解能のさらなる改良は、マイクロエレクトロニクスの帯域幅制限により難題である。これら制限を解消するために、研究者は、フォトニクスにより可能になる大きな処理帯域幅により、全光学技法に目を向けた。これは、標準電子工学プラットフォームへのフォトニクスの統合に対する関心の高まりを生み、これは、シリコンフォトニクスの分野を発生させ、次世代コンピュータ処理ユニットの可能性および高帯域幅通信の進歩を約束した。数フェムト秒精度で光学波形を測定するいくつかの確立された非線形光学技法が存在するが、シングルショット記録長は数十ピコ秒に制限され、更新レートが制限される。
【0004】
時間イメージング装置の位相シフトは通常、電子光学位相変調器を使用して適用されるが、和周波数生成および差周波数生成等のパラメトリック非線形光波混合プロセスを使用することにより、代替の方式を実現することができる。この後者の技法は、パラメトリック時間イメージングと呼ばれ、線形チャープポンプと光波混合して、線形周波数チャープを有する信号波形と略同等であるか、または時間レンズに必要な2次位相シフトと同等である変換波形をもたらすことからなる。パラメトリック時間レンズは、100πを超える位相シフトを有し、これは、電子光学位相変調器を使用した場合に可能な最大位相シフト10πよりもはるかに大きく、したがって、時間イメージングシステムの用途を大きく広げる。和周波数生成および差周波数生成の2次非線形プロセスを使用することの欠点は、狭い範囲の材料しか2次非線形モーメントを有さず、変換波形が本質的に、ポンプまたは入力信号の波長とは広く異なる波長で生成されることである。差周波数生成を使用する時間拡大に基づく波形測定は、900fs未満の分解能かつ同時に100psという記録長での超高速波形のシングルショット測定を含め、有望な結果をもたらした。電子光学変調を使用する時間−周波数変換に基づく波形測定は、マルチショット平均化を使用して31ps記録長にわたって分解能3psを実証した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら分野、例えば、通信でのシリコンフォトニクスの成功のために、光学性能モニタリングのためのオンチップ光学信号処理が極めて重要であることが証明されるであろう。次世代通信を超えて、シリコン互換性超高速計測学が、超高速測定技法が生み出し続ける科学的影響から明らかなように、多くの基礎研究分野にとってかなり有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、位相シフトを入力波形に対して付与し、変換波形を出力する装置および方法が説明される。一実施形態では、位相シフトは、入力波形とポンプパルスとの四光波混合(four wave mixing)により提供することができる。一実施形態では、入力波形の高分解能時間領域表現を生成する装置および方法であって、入力波形を分散させて、分散入力波形を生成すること、所望の入力波形と分散ポンプパルスとを結合して、変換波形を生成することにより、分散入力波形に四光波混合を受けさせること、および変換波形を検出ユニットに提示することを含む装置および方法が説明される。一実施形態では、検出ユニットは、変換波形を記録し、入力波形を表す記録を出力する分光計(スペクトル解析器)を含むことができる。
【0007】
本明細書において説明される特徴は、後述する図面を参照してよりよく理解することができる。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、一定の縮尺に代えて一般に、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。図面中、同様の番号は、様々な図を通して同様の部分を示すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】レンズのフーリエ変換特性の利用を示す図である。
【図1B】オシロスコープの図である。
【図2】オシロスコープを使用した場合の記録出力の分解能および記録長を特徴付ける図である。
【図3A】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図3B】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図3C】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図3D】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図4】一実施形態でのオシロスコープの図である。
【図5】複数の出力を有するオシロスコープの図である。
【図6】複数の出力を有するオシロスコープの図である。
【図7】ユーザインタフェースを有するシステム内に組み込まれた、複数の出力を有するオシロスコープの図である。
【図8】オシロスコープを組み込んだシステムの図である。
【図9】オシロスコープを組み込んだシステムの図である。
【図10】内部に組み込まれたオシロスコープを有するフォトニックチップの概略断面図である。
【図11】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図12】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図13】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図14】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図15】オシロスコープを組み込んだフォトニックチップの装置構造の上面図である。
【図16】一実施形態でのオシロスコープの図である。
【図17】図17Aはレンズのフーリエ変換特性の利用を示す図である。図17Bはオシロスコープの図である。
【図18】オシロスコープを使用した場合の記録出力の分解能および記録長を特徴付ける図である。
【図19】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
電子測定とこれら方法、例えば、相互相関周波数分解光ゲート法(cross-correlations frequency resolved optical gating)および直接電場再構築のためのスペクトル位相干渉法との間の時間領域を橋渡し、高速更新可能な光学検出を可能にするために、電磁波および関連する現象の空間−時間双対性(duality)を使用する技法が開発された。この双対性は、空間場の回折伝播を支配する近軸波動方程式と、時間場の分散伝播を支配するスカラー波動方程式とが等しいことに依存している。この双対性は、レンズまたはプリズム等の空間光学構成要素が、時間場に対して2次または1次のそれぞれの時間位相シフトを付与することにより実施可能な時間レンズまたは時間プリズムとして知られる時間的な対応物を有することを暗示する。さらに、これら構成要素により、波形の時間イメージング等の、空間的な対応物と同様の方法での時間処理が可能である。
【0010】
空間−時間双対性を使用する2つの方法を適用して、超高速光学波形を測定することができる。空間レンズ(spatial lens)がイメージを拡大できるのと同じように、時間レンズ(temporal lens)は超高速波形を時間的に長くすることができ、拡大なしの波形では不十分な時間分解能を有する光検出器およびオシロスコープを使用して測定できるようにする。この技法は時間拡大として既知である。
【0011】
第2の測定方法はレンズのフーリエ特性を利用する−レンズの前焦点面に位置決めされた物体は、後焦点面に物体のフーリエ変換を生み出す(図1A)。時間波形のフーリエ変換は光学スペクトルであるため、空間フーリエプロセッサを時間領域に拡張することにより、入力の時間(スペクトル)プロファイルを出力のスペクトル(時間)プロファイルに変換する装置がもたらされる(図1B)。したがって、フーリエ面においてスペクトルを直接測定することにより、入射波形の時間振幅がもたらされ、このプロセスは時間−周波数変換と呼ばれる。
【0012】
実施例1
本明細書において、四光波混合(FWM)の3次非線形プロセスに基づくパラメトリック時間レンズ(parametric time-lens)が実証されると共に、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープ(optical oscilloscope)の作成へのこの時間レンズの適用がさらに実証される。本発明による装置は、3次カー非線形性に基づくため、FWMに基づく時間レンズは、本明細書において使用されるCMOS互換性シリコンオンインシュレータ(SOI)フォトニックプラットフォームを含め、任意の材料プラットフォームで実施することができる。この時間レンズの出力は、ポンプおよび入力波の波長に近い波長で生成され、相互作用するすべての波をS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にすることができ、それにより、例えば、これら帯で利用可能な明確に確立された機器および構成要素を使用してすべての波を処理することが可能である。本発明による装置を使用して、100psよりも長い記録長にわたって220fs分解能でかなり複雑な波形の測定が実行される。この220fs分解能と100psよりも長い記録長との組み合わせは、ピコ秒時間範囲であらゆるシングルショット可能な波形測定技法の最大の記録長対分解能比(>450)を表す。さらに、直接電場再構築のための周波数分解光ゲート法およびスペクトル位相干渉法等の一般に使用される技法と異なり、本発明の実施態様は、再構築アルゴリズムを使用せずに時間振幅プロファイルを直接測定し、高速更新可能なシングルショット測定が可能である。
【0013】
様々な入力波形を使用して、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの性能をテストする。各入力波形は装置に入り、一定長の光ファイバからなる分散要素を通過する。FWM時間レンズの焦点距離に合うように、入力波は、分散長が2倍の光ファイバを通過したポンプパルスと混合される。光ファイバを通過した後、ポンプパルスおよびテスト波形が結合され、FWMがSOIナノ導波管(nanowaveguide)内で実行される。これらシリコン構造の強力な光閉じ込めにより、高度に効率的な非線形プロセスが可能であると共に、広いポンプ調整可能性を有して150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらすことができる操作可能な群速度分散が可能である。光学分光計を使用して、その結果生成されるFWM生成のスペクトルを測定して、入力の時間プロファイルが特定される。
[実施例1の終了]
【0014】
図1Aおよび図1Bを参照して、シリコンに基づく超高速光オシロスコープを説明する。超高速オシロスコープは、シリコンチップ上の四光波混合に基づくパラメトリック時間レンズを使用して実施される。図1Aを参照して、空間光学フーリエ変換プロセッサを示す。空間レンズは、示される2焦点距離構成を使用して入力波形をフーリエ変換したものを生成することができる。図1Bを参照して、時間光学フーリエ変換プロセッサを示す。時間レンズは、入力の時間プロファイルを出力のスペクトルプロファイルに変換することができる。FWM時間レンズの場合、焦点距離(D)は、ポンプパルスが通過する光ファイバの分散長(2D)の半分である。次に、単にプロセッサの出力のスペクトルを測定することにより、シングルショット時間測定を実行することができる。
【0015】
ポンプパルス帯域幅および分散路の長さが、オシロスコープの記録長および分解能を決める。FWMに基づく変換器の時間−周波数変換係数は、
【数1】
により与えられ、式中、Δtは入力信号の時間シフトであり、Δωは結果として生じるスペクトルシフトであり、β2は群速度分散パラメータであり、Lは分散信号路の長さである。本発明によるシステムでは、この関係は、5.2psの時間位置シフトで1nmの変換波長シフトがもたらされる。FWMを使用して、ポンプ帯域幅の2倍にわたる狭帯域信号を変換することができ、これは、FWMに基づくオシロスコープのおおよその記録長τRECORD:
【数2】
をもたらし、式中、Ωpumpはポンプパルスのスペクトル帯域幅である。オシロスコープの分解能は、機器システムを通しての時間デルタ関数の伝達を考慮することにより予測される。このインパルス応答は精密に機器の時間分解能τresolutionであり、
【数3】
により与えられ、式中、τpumpはポンプパルス幅である。本発明によるシステムの場合、これら関係は、記録長150psおよび分解能200fsを予測する。実際には、ポンプと信号との分離およびFWM変換帯域幅により、記録長が制限されることになる。3次分散に起因するようなポンプパルスでの2次位相からの逸脱、FWM変換帯域幅、および分光計のスペクトル分解能によっても、時間分解能が決まる。FWM変換帯域幅は記録長および分解能の両方を制限するため、この値を最大にすることが重要である。本発明の実施態様に使用されるシリコン導波管(waveguide)は、3次分散および分光計性能に起因する収差によってのみ制限される超高速光オシロスコープの実行を可能にするために十分に大きな変換帯域幅(>150nm)を有する。
【0016】
実施例2
342fsパルスを注入し、その時間位置を変更することにより、本発明によるシステムの記録長および分解能を実験的に特徴付ける。図2に示されるように、100psの記録長にわたってパルス位置を測定することが可能である。FWMに基づくオシロスコープの分解能を特徴付けるために、装置の記録長にわたるこのパルスの平均観測幅からの時間分解能をデコンボリューションする。平均パルス幅407fsを測定し、これは、実際のパルス幅342fsと比較された場合、本発明の実施態様での時間分解能220fsを示す。
【0017】
図2を参照して、超高速オシロスコープの記録長および分解能の特徴付けについての図を説明する。342fsパルスは、記録長100psを実証するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して時間的に走査され測定される。オシロスコープにより観測されるように、この走査範囲にわたる342fsパルスの平均幅は407fsであり、220fs.a.u.(arbitrary units(任意の単位))のデコンボリューション後分解能を示す。各色(陰影)は、パルスが走査される際の別個の測定を表す。
【0018】
実施例3
シリコンに基づく超高速光オシロスコープを実験的に特徴付けるために、超高速ファイバレーザまたは光学パラメトリック発振器からポンプおよび入力波を生成する。パルス列は、280fsポンプパルスおよび信号パルスにスペクトル的に分けられる。各入力波形は、オシロスコープに入り、50m長の分散補償ファイバからなる分散要素を通過し、100m長の分散補償ファイバを通過したポンプパルスと混合される。図3a〜図3cのテスト波形は、非線形スペクトル拡張、分散、および干渉の組み合わせを使用して生成された。1.5cm長のシリコンナノ導波管は、断面サイズ300nm×750nm、線形伝播損失1.5dB/cm、および結合効率3dBを有する。マルチショット測定の場合、FWM光学スペクトルは、光学スペクトル解析器を使用して特徴付けられる。シングルショット実証の場合、シングルショット分光計が、モノクロメータおよび赤外線カメラを使用して実施され、単一の事象がフレーム毎に作成される。
【0019】
レーザ源に関して、使用される超高速ファイバレーザは、38MHz繰り返し数で80fsパルスを生成する。使用される光学パラメトリック発振器は、76MHz繰り返し数で150fsパルスを生成する。ポンプパルスは280fsパルスであり、1,550nmを中心とした帯域幅150nmを有する。図3A〜図3Dのテスト波形は、1,580nmを中心とした可変帯域幅信号パルスから生成される。光ファイバに関して、標準のシングルモードファイバ(Corning型番:SMF−28)の12分の1の分散勾配を有するため、分散補償ファイバ(Corning型番:DCM−D−080−04)の使用を選択する。このように3次分散が小さいことにより、レンズ収差が低減し、実験的に、SMF−28を使用する同等のシステムと比較して時間分解能が2倍に向上することが分かった。分散補償ファイバを通過した後、15nm帯域幅ポンプパルスは、エルビウムドープファイバ増幅器を使用して増幅され、続けてFWMがCMOS互換性埋め込みSOIナノ導波管内で実行される。テスト波形に関して、図3Aのテスト波形は、エルビウムドープファイバ増幅器内で信号パルスを増幅し、増幅器内で非線形スペクトル拡張を誘導することにより生成される。スペクトル拡張パルスは続けて、20m長の光ファイバを通過する。図3Bのテスト波形は、50mの光ファイバおよびマイケルソン干渉計を使用して2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成される。図3Cのテスト波形は、9.6GHzの繰り返し数を有する時間レンズ圧縮レーザ源を36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより生成される。9.6GHz源のパルス幅は、時間レンズ圧縮器に使用される位相変調器に送られる電気正弦波の大きさにより決まる。図3dのテスト波形は、50mのSMF−28を使用して300fsパルスをチャープさせ、マイケルソン干渉計を使用して2つのパルスに分割するうことにより生成される。次に、干渉計の遅延ステージを使用して、パルスの分離を調整することができる。シリコン導波管に関して、シリコン導波管の寸法は、零群速度分散点をC通信帯内に位置決めすることにより、変換帯域幅を増大にするように選択された。ナノ導波管内部のピーク光パワーは、シリコン内での自己位相変調および2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために、100mW未満に維持される。シングルショット測定に関して、単一の事象が、シングルショット分光計のフレーム毎に生成される。38MHz源は、1つのみのパルスが、カメラの積分時間に対応する0.5ms毎に生成され、したがって、カメラ画像毎にシングルショットが生成されるように、電子光学変調器を使用してダウンサンプリングされる。
【0020】
様々な複雑性のテスト波形を生成することにより、シリコンチップに基づくオシロスコープの測定性能をさらに調べる。第1に、450fs分解能および100ps記録長を示す超高速光オシロスコープを使用して、非線形スペクトル拡張および分散を受けたパルスを測定する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこのパルスの測定は、図3Aに示される。900fs時間特徴を有する120ps波形を生成することにより、さらに複雑性の高い光学波形を測定する。分解能220fsを有するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して、この波形を測定する。この測定の結果および相互相関との比較は、図3Bに示される。
【0021】
図3Aおよび図3Bのテスト波形は、ポンプパルスと同じレーザ源から導出される。超高速光オシロスコープが、9.6GHzの繰り返し数を有する可変パルス幅時間レンズ圧縮レーザ源を、36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより、別個のソースからの波形の測定の実行にも使用可能なことを実証する。分解能220fsを有する装置を使用して、30mWピーク電力を有する30psパルスを150mWピーク電力を有する6psパルスに圧縮することを観測することにより、9.6GHz源のパルス幅を最適化する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこの最適化の結果は、図3Cに示される。
【0022】
最後に、シングルショット分光計を組み込むことにより、装置のシングルショット性能を実証する。86ps、27psという時間的に隔たりを有し、時間的におおよそ重なった2つのパルスで構成される3つのシングルショット光学波形を測定する。マルチショット相互相関と比較したこれらシングルショット測定の結果は、図3dに示される。86psの隔たりにより示されるように、100ps記録長が維持される。パルスが重なる場合、3ps期間を有する時間干渉縞が観測される。この実施態様では、時間分解能は、赤外線カメラにより、ピクセル当たり766fsに制限され、すなわち、記録長対分解能比が130に制限される。1,000ピクセルを超える高ダイナミックレンジ線形アレイが市販されており、本発明による装置の完全な記録長対分解能比(>450)を利用することが可能である。
【0023】
図3A〜図3Cに関して、超高速オシロスコープおよび相互相関器を使用する測定の比較を示す。図3Aに関して、エルビウムドープファイバ増幅器内での非線形スペクトル拡張を通して生成され、続けて20mのシングルモード光ファイバを伝播した30psパルスの測定を示す。図3Bに関して、2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成された複雑性の高い波形の測定を示す。差し込み図に関して、60psから70psまでの10ps時間領域の拡大図を示す。図3Cに関して、様々なパルス持続時間で動作する別個の超高速パルスレーザ源の測定を示す。シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープが使用されて、レーザ源内の電子光学変調器への電圧を変更することにより、リアルタイムでこのソースから発せられるパルス幅が最小化される。図3Dに関して、マルチショット相互相関と比較した、様々な時間的隔たりを有する2つのチャープパルスのシングルショット測定を示す。パルスが時間的に重なる場合、干渉縞が時間領域において観測される。
【0024】
測定のすべてにおいて、本発明によるシリコンに基づく超高速光オシロスコープと280fsパルスを有する相互相関との間に良好な一致が観測される。それにも関わらず、特に波形およびポンプパルスがオシロスコープと比較して相互相関器に到着する時間を同期させるために使用される光ファイバの長さがわずかに異なる(3m未満の違い)ことに起因するいくらかの逸脱が観測される。さらなる不一致はおそらく、FWM時間レンズ内でのポンプパルス不完全性による。最適な性能のために、ポンプパルスに対して明確で均一なスペクトル振幅および位相を得ることに注意を払わなければならない。さらに、分解能は最終的に、分散要素内の3次分散から生じる収差により制限される。分散平坦化ファイバまたは分散が操作された導波管を分散路に使用することにより、この収差は軽減され、サブ100fsポンプパルスを使用することにより、サブ100fs分解能に向けての道を提供する。
【0025】
ここで、シリコンチップ上での四光波混合という非線形プロセスを介して時間−周波数変換を使用して、シリコンフォトニックプラットフォーム内での波形測定技術を実証する。100psを超える長さにわたって220fs分解能で光学波形を測定し、これは、任意のシングルショット可能なピコ秒波形測定技法の最大の記録長対分解能比(>450)を表す。本発明による実施態様では、シングルショット測定が可能であり、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)互換性シリコンオンインシュレータ技術およびシングルモード光ファイバという高度に開発された電子材料および光学材料のみが使用される。成熟したシリコンオンインシュレータプラットフォームおよび電子工学とこれらCMOS互換性フォトニクスとを統合する能力は、この技術を一般的な卓上機器およびチップスケール機器に拡張する大きな約束を提供する。
[実施例3の終了]
【0026】
この測定システムの構成要素は潜在的に、その全体をオンチップに集積することができる。特に、パルスレーザ源、分散路の低損失分散操作された導波管、ならびに一体化されたシングルショット分光計および検出器の集積は、シリコンフォトニクスでの現在のすべての研究分野にある。さらに、FWM時間レンズの柔軟性およびナノ導波管内で利用可能な分散操作は、窒化ケイ素(SiN)およびオキシ窒化ケイ素(SiON)等の他のCMOS互換性導波管材料を使用することにより、この技法を異なる波長体制(例えば、可視)に簡単に拡張できるようにする。さらに、任意の繰り返し数のソースを測定するために本発明によるオシロスコープを使用するには、繰り返し数柔軟性を有する超高速ポンプレーザが必要であり、例えば、時間レンズ圧縮源を使用して実施することができる。興味深いことに、シングルショット性能により、単一の光学事象の測定のみならず、光学クロックと同期した場合、通信信号の多くのシングルショット測定をオーバーレイすることにより、「アイダイアグラム」の測定も可能である。通信を超えて、集積測定装置は、光学波形の単純な超高速測定が必要とされる多くの科学分野での研究に役立つ。
【0027】
最終的に、シングルショット測定のダイナミックレンジは、自己位相変調および自由キャリア生成を回避しながらシリコンナノ導波管内で許される最大電力ならびにピクセル毎の検出可能な最小電力により制限される。これら制約は、時間レンズの信号ピーク電力範囲を100μW〜100mWに制限するはずであり、これはダイナミックレンジ103に対応する。狭い時間特徴はレンズ前の分散伝播中に拡散し、したがって、レンズでのピーク電力がかなり低くなるため、超高速光オシロスコープへの最大電力は特徴の幅に依存する。分解能が制限された時間特徴が考慮される場合、40Wピーク電力が可能であり、これはダイナミックレンジ105に対応する。さらに、検出可能な最小電力は所望のシングルショット分解能に依存するが、最大電力は所望のシングルショット分解能に依存しないため、このシステムでは、分解能が低いほど、高いダイナミックレンジ測定が可能である。
【0028】
入力波形およびポンプパルスを分散させるマッチングしない分散要素の使用が、いくつかの実施形態では有利であると考えられるが、入力波形を分散させる分散要素の分散とポンプパルスを分散させる分散要素の分散とのマッチングは、特定の利点を提供する。分散が本明細書において説明されるようにマッチングするように分散要素を構成することにより、入力波形は2次位相シフトの場所から1焦点距離のところで注入され、出力波形は、入力波形をフーリエ変換したものを含むことになる。したがって、出力波形のスペクトルは、入力波形の時間形状を表す。入力波形のスペクトルを含む出力波形を使用して、出力分散量に関わりなく、分光計で出力波形を測定することにより、入力波形の時間パターン表現をもたらすことができる。したがって、一実施形態では、分光計を使用して、出力分散要素なしで入力波形を表す出力を検出することができ、それにより、サイズおよびコストの利点がもたらされる。
【0029】
一実施形態でのオシロスコープが図4に示される。図4の実施形態では、オシロスコープ100は、第1の分散要素120および第2の分散要素140を含む。第1の分散要素120は、第2の分散要素140の分散が第1の分散要素120の分散と2:1の比を有するように分散要素を構成することにより、第2の分散要素140とマッチングするように構成することができる。第1の分散要素120および第2の分散要素140の出力は、例えば、フォトニック導波管(例えば、半導体導波管)の形態の光学要素200に組み合わせることができ、フォトニック導波管内では、第1の分散要素120により分散した入力波形50および第2の分散要素140により分散したポンプパルス70が、四光波混合により結合されて、出力波形が出力される。別の実施形態では、第1の分散要素120および第2の分散要素140は、第2の分散要素140の分散と1:1の比を有するように第1の分散要素120の分散を提供し、四光波混合プロセスに第3の連続波または略連続波を組み込むことによりマッチングすることができる。
【0030】
分光計を備えた検出ユニット300を設けて、出力波形のスペクトルを検出することができる。出力波形のスペクトルは、入力波形の時間プロファイルを含むため、検出ユニット300が設けられる場合、検分光計により提供される検出ユニット300は、入力波形の時間プロファイル表現を出力することができる。入力波形の時間プロファイルは、出力波形のスペクトルを測定することにより生成することができるため、出力分散要素の分散は、任意であることができ、一実施形態では、分光計の検出ユニット300を光学要素200の出力に実質的に直接組み合わせて(直結される実施形態を含む)、出力波形のスペクトルを測定し、ひいては、入力波形の時間形状表現を生成することができる。図4に示される実施形態では、分光計により提供される測定ユニット300は、光学要素200と検出ユニット300との間に分散要素が介在せずに、四光波混合が行われる半導体導波管により提供される光学要素200に組み合わせられる。分光計をフォトニック導波管に実質的に直接組み合わせることにより、出力分散が低減し、したがって、出力分散要素を設けることができる代替の設計と比較して、オシロスコープ100のサイズが低減する。図4の実施形態では、第1および第2の分散要素120、140は、例えば、集積フォトニック導波管(例えば、半導体導波管)、光ファイバ、導波管内のチャープブラッグ格子、自由空間格子、プリズム等により提供することができる。
【0031】
図5を参照して、オシロスコープ100の検出ユニット300が分光計302および光検出器304の両方を含む実施形態が示される。第1の分散要素120、第2の分散要素140、および光学要素200は、図4に関連して説明したように提供することができ、光検出器304を組み合わせることができる出力分散要素400を提供することができる。分光計302を提供して、光学要素200により出力される出力波形のスペクトルを検出することにより、入力波形の時間プロファイルを測定することができる。光検出器304を使用して、入力波形の時間形状を直接測定することができる。分光計302は、分散要素400の前に四光波混合光学要素200の出力に直結されて示されるが、原理上、長さに沿った任意のポイントで出力分散要素400に組み合わせることができる。分光計304を四光波混合光学要素200の出力に組み合わせることにより、分散要素400を伝播する結果として生じ得る損失が回避されるため、測定信号の強度が向上する。別の実施形態では、オシロスコープ100は、四光波混合以外のプロセスにより入力波形に位相シフトを受けさせるように動作可能である。分光計302に関して、一実施形態での分光計302は、スペクトルフィルタを含むことができ、出力波形のスペクトル内の波長帯を検出するように動作できる。
【0032】
分光計302および光検出器304に関して、いくつかの実施形態での分光計302が、比較的弱い信号を検出する場合に有利であり得る。光検出器304に関して、光検出器304は、波形を高速サンプリングする場合に有利であり得、より高い倍率Mで毎秒当たり追加の測定が可能であり、表現される信号Rが、間隔のより狭い時間特徴を有する場合、光検出器を使用する場合の記録出力は、離間された時間特徴を重複した特徴として表現して、オシロスコープの出力記録長を制限する恐れがある。記録が分光計を使用して出力される場合、出力記録長は一般に、式2に付与される機器記録長により制限される。データ記録の出力に分光計を使用することにより、光検出器を使用して提供される出力記録長と比較して出力記録長を増大させることができるため、間隔が比較的狭い時間特徴を有する複雑な信号がある用途では、分光計が有利であり得る。したがって、分光計302および光検出器304の両方を設けることにより、広範囲の用途での入力波形の出力記録表現の生成が最適化される。
【0033】
出力分散要素400の群速度分散が、入力分散要素の群速度分散よりも十分に大きく、入力分散要素がポンプ分散要素に適宜マッチングされる場合、本明細書において説明するオシロスコープ100に入力される入力波形の拡大は、倍率
M=doLo/diLi=Do/Di 式4
により与えられ、式中、doは出力分散要素の単位長当たりの群速度分散であり、diは入力分散要素の群速度分散であり、Loは出力分散要素の長さであり、Liは入力分散要素の長さであり、Doは群速度出力分散であり、Diは群速度入力分散である。出力波形の時間幅は、出力分散要素の分散を制御することにより制御することができる。オシロスコープ100の開発において、光学要素200および分散ポンプパルスにより形成される時間レンズが、入力波形が2次位相シフトの場所から1焦点距離のところで入力された場合、倍率を決定する出力分散量に関係なく、入力波形の表現が出力波形内に含まれるという点で空間レンズのように動作することが決定された。
【0034】
入力波形の表現を生成するに当たり、表現される波形の出力分解能は、検出ユニット300の測定分解能により制限され得る。例えば、所与の光検出器304は一般に、測定分解能限界ResMを有する。場合によっては、オシロスコープ100の出力分解能は、測定分解能により制限され得る。しかし、検出ユニット300の測定分解能が小さくなる(理想的になる)につれて、オシロスコープ100の出力分解能は、本明細書において説明したように、τresolutionによってのみ制限され得ることが分かる。パラメータτresolutionは、オシロスコープ100の機器分解能としてみなすことができる。一般に、
【数4】
の場合、オシロスコープ100の出力分解能は、測定分解能限界により制限される。
【数5】
の場合、オシロスコープ100の出力分解能は、測定分解能限界が出力分解能を制限しないように、機器分解能により制限される。
出力分解能が機器分解能により制限されるようにオシロスコープ100を構成することが有利であり得る。式6を参照すると、倍率Mを調整することにより、任意の光検出器(分解能があまり良くない光検出器であっても)を使用して、そのような構成を達成可能なことが分かる。倍率の調整は、より大きな出力分散Doを有する出力分散要素を選択することにより達成することができる。
【0035】
特定の実施形態では、オシロスコープ100の出力分散要素400の分散は、ResM/Mの値がτresolutionとおおよそ等しいか、またはτresolution未満になり、それにより、出力分解能が機器分解能により制限されるように選択することができる。ResM/Mがτresolutionにおおよそ等しくなるように、出力分散を選択することにより、余分な分散材料の使用に起因するコスト消費を回避しながら、出力分解能を機器分解能により制限できる。
【0036】
式3および式6を考慮に入れて、オシロスコープ100の出力分散要素が、条件
【数6】
を満たすように選択される場合、オシロスコープ100の出力分解能は、機器分解能によってのみ有利に制限することができ、ResM/Mがτpump/2におおよそ等しい場合、分散材料の使用を経済的にすることができる。
【0037】
図6のオシロスコープを参照すると、オシロスコープ100は、異なる出力分散Doをそれぞれ有する複数の出力分散要素400、401、402を含むことができる。オシロスコープ100は、各分散要素に関連付けられた異なる光検出器304をさらに有することができる。様々な分散要素400、401、402に関連付けられた異なる分散により、各出力分散要素400、401、402に関連付けられた倍率および出力波形時間幅は異なる。
【0038】
出力分解能が検出ユニット300の測定分解能により制限されないように装置100の倍率Mを確立することが、有利であり得ることを上述した。出力分解能が検出ユニット300の測定分解能限界により制限されるように倍率Mを確立することも有利であり得る。倍率Mが大きいほど、よりよい出力分解能に繋がり得るが、光検出器がデータ記録の出力に利用されるオシロスコープ100の出力記録長は、倍率が大きいほど短くなる傾向を有する。倍率Mが高いほど、離間されているが間隔が狭いパルスが、光検出器304を使用して出力される出力データ記録において重複パルスとして誤って表現される恐れがある。
【0039】
逆に、倍率Mが低くなるにつれて、光検出器を使用して検出される出力データ記録を有するオシロスコープ100の出力記録長は増大でき、式2により与えられる機器記録長によってのみ制限されることになり得る。比較的長い出力記録長を提供することにより、重要な利点をもたらすことができる。例えば、ガウスパルスを使用して符号化された符号化ビットセットが、解析中の場合、記録長が長ければ、解析を受けることができる一続きのパルスが増大し、それにより、より大きなサンプルを必要とする種類の解析が可能になる。
【0040】
図7に示されるように、システム1000内に組み込まれたオシロスコープ100を参照すると、オシロスコープ100は、複数の出力分散要素400、401、402、および光学要素200の出力に組み合わせて、分散要素400、401、402のうちの1つを選択すると共に、分光302に組み合わされたスイッチ501を含む。光検出器304は、各分散要素400、401、402に組み合わせることができる。スイッチ501は、図5の実施形態において説明したように、光学要素200の出力を分光計302に組み合わせるように動作できる。制御アクチュエータおよびインジケータ、例えば、電子ディスプレイを有するユーザインタフェース510は、ユーザインタフェース(UI)510を使用しての操作により、コマンドを入力できるようにスイッチ100に組み合わせることができる。
【0041】
オシロスコープ100は、ユーザインタフェース510を利用して入力された1つまたは複数のコマンドの入力により、オペレータが、出力データ記録の出力フォーマットを変更できるようにするように動作できる。オシロスコープ100は、分光計302および各光検出器304に組み合わせられたマルチプレクサ512を含むことができる。マルチプレクサ512は、スイッチ501の状態に基づいて、光検出器304または分光計302のうちの適切な1つにより出力された出力データ記録をユーザインタフェース510に組み合わせるように動作できる。図7の構成は、複数の分散要素を通しての組み合わせによる信号損失量を低減する。図7の実施形態でのオシロスコープ100は、データ記録の出力にアクティブであるのが分光計302であるか、またはいずれの光検出器304であるかに応じて、異なる出力フォーマットでデータ記録を出力するように動作できる。
【0042】
一実施形態では、オシロスコープ100のユーザインタフェース510を、図8および図9に関連して本明細書において説明するように、処理ユニット、例えば、処理ユニット710により実行できるプログラムアプリケーション等のアプリケーションインタフェース(AI)で置換できる。プログラムアプリケーションは、一例として、システムコントロールへの入力を決定するために処理ユニットにより実行されるプログラムアプリケーションが可能である。したがって、図7に示されるユーザインタフェース510は、アプリケーションインタフェースとの置換可能性を示すために、ラベルUI/AIを使用して参照される。システムコントロールのために、オシロスコープの出力がアプリケーションインタフェースに入力される例について、本明細書において図8および図9に関連して説明する。
【0043】
本明細書において説明されるオシロスコープが、少なくとも220fsの分解能および少なくとも100psの記録長を有する測定を記録できることを説明した。したがって、一連の出力パルスの場合、出力記録は複数のパルスの表現を含むことができる。
【0044】
本明細書において説明したように、オシロスコープ100は、時間プロファイルまたは入力パルスの表現を生成するように動作できる。オシロスコープ100を利用する用途について、図8を参照して説明する。
【0045】
本明細書における任意の実施形態において説明したオシロスコープ100を組み込んだシステム1000は、光学データ符号化ソース702および光ファイバ伝送線706を含むことができる。オシロスコープ1000は、データソース702に近い場所で伝送線710に組み合わせられ、データソースの出力における波形の表現を出力することができる。システム1000は、オシロスコープ100を利用して、データソース700により伝送中のデータの品質を特定するように動作できる。
【0046】
データソース702は、変調器および符号器を有する送信器を含むことができ、符号化データが所定の名目上の特徴(nominal characteristic)のセットを有する光学データを符号化するように動作できる。例えば、データソース702は、ビットストリームを符号化するように動作可能であり、ビットはパルスを使用して符号化され、一続きのパルスのうちの各パルスは、例えば、パルスの形状、幅、および振幅により示される所定の名目上のプロファイルを含む。オシロスコープ100は、一実施形態では、図7の実施形態に従って構成することができ、パルスのうちの1つまたは複数の時間プロファイル表現を含む記録を出力でき、システム1000は、複数の時間プロファイルを処理するように動作できる。
【0047】
オシロスコープ100を使用して出力された記録は、処理のために処理ユニット710に送信できる。処理ユニット710は、CPUベースにあり得、一続きのパルスの表現を処理して、一続きのパルスが、許容可能な許容誤差内で名目上のプロファイルを有するパルスを示す基準を満たすか否かを判断できる。そのような基準は、例えば、一続きのパルスにわたるパルスの幅、形状、または振幅の標準偏差が閾値を超えるか否かを含むことができる。一続きのパルスが名目上のプロファイルを示すか否かを判断するために、処理ユニット710は、一実施形態では、複数のパルス表現をオーバーレイすることによりアイダイアグラムを生成できる。処理ユニット710は、アイダイアグラムが所定の特徴を有する場合、データ符号化が満足のいくものであると判断できる。アイダイアグラムに関連して処理ユニット710により実行されるプロセスは、クリアなアイ図があるか否かを判断するための処理、励起比が閾値を超えるか否かを判断するための処理、「1」上のノイズレベルが閾値を超えるか否かを判断するための処理、タイミングジッタが閾値を超えるか否かを判断するための処理のうちの1つまたは複数を含むことができる。定量値、例えば、故障率曲線をそのようなアイダイアグラムから抽出できる。
【0048】
各データ品質の特定を実行する際に、処理ユニット710は、複数のパルス、例えば、一続きのパルスが一貫したプロファイルを有するか否かを判断するように動作可能である。上記アイダイアグラム処理は、データ品質のそのような評価特定に対して有用である。処理ユニット710は、単一のパルスまたは限られた数のパルスを評価して、単一のパルスまたは一続きのパルスが名目上の特徴を有するか否かを判断するようにも動作可能である。一般に、第1のタイプの処理(プロファイル一貫性についての解析)では、より大きな記録長を有する記録が有利である。第2のタイプの処理(単一または限られた数のパルス表現が、名目上のプロファイルからの逸脱について調べられる)では、より短い記録長、より高い出力分解能の記録が有利である。本明細書において説明される実施形態では、オシロスコープ100は、より長い記録長を有する1つの出力フォーマット、よりよい出力分解能を有する第2の出力フォーマットを含む複数の出力フォーマットで記録を出力するように動作可能である。一実施形態では、データ品質を評価する処理ユニット710は、オシロスコープ100が、記録長が長く、分解能が低い第1のフォーマットを有する第1の記録および出力記録長が短く、分解能が高い第2のフォーマットを有する第2の記録の両方を出力するように、1つまたは複数の通信をオシロスコープ100に送信するように動作可能である。処理ユニット710は、記録長が長く、出力分解能が低い第1の記録および記録長が短く、出力分解能がデータ品質評価実行および処理ユニットの出力の決定により最適な第2の記録のそれぞれを処理するように動作可能である。例えば、処理ユニット710は、本明細書において説明される第1のタイプの処理(プロファイル一貫性についての解析)に第1のフォーマットを有する記録を利用するように動作可能であり、第2のタイプの処理(名目上のプロファイルからの逸脱についての解析)に第2のフォーマットを有する記録を利用するようにさらに動作可能である。第1のタイプの処理(プロファイル一貫性についての解析)では、処理ユニット710は、分光計302を使用して出力された記録を利用できる。分光計302を使用して出力される記録は一般に、機器記録長に対応する比較的長い出力記録長を有する。
【0049】
処理ユニット710により実行される品質評価により、データが満足のいくものであることが示される場合、処理ユニット710により出力される出力は、データが満足のいくものであることを示す、インジケータ716への1つまたは複数の通信を含むことができる。処理ユニット710により、所定の基準が満たされないと判断された場合、処理ユニット710により出力される出力は、インジケータがデータの失敗を示すことになる、インジケータ716への1つまたは複数の通信トランザクションを含むことができる。処理ユニット710により、満足のいくデータ品質を示す基準が満たされないと判断された場合、処理ユニット710により出力される出力は、ソース702への1つまたは複数の通信を含むことができ、ソース702は、その1つまたは複数の通信に応答して、データソースの送信器を制御する1つまたは複数の制御パラメータを調整できる。そのような制御パラメータは、例えば、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、RF電力パラメータであり得る。
【0050】
これより図9のシステム1000を参照すると、1つまたは複数のオシロスコープ100、100’は、光学通信データ中継器750の近傍に動作的に配置することができ、光学通信データ中継器750は、受信器752およびリブロードキャスタ(rebroadcaster)754を備え、リブロードキャスタ754は、変調器および符号器を有する送信器を含むことができる。第1のオシロスコープ100は、受信器752の出力に組み合わせることができ、処理ユニット710に出力を送信するように構成できる。本明細書において説明されるオシロスコープ100の任意の実施形態により構成された第2のオシロスコープ100’は、受信器752の入力に組み合わせることができ、出力を処理ユニット710に送信するように動作可能である。リブロードキャスタ754により出力されるデータの品質を特定するために、処理ユニット710は、リブロードキャスタ754により出力されるデータを受信器752に入力されるデータと比較できる。そのような比較に応答して、処理ユニット710は、リブロードキャスタ754が送信器のどの動作パラメータを調整できるかに応答して、1つまたは複数の通信をリブロードキャスタ754に送信できる。そのような動作パラメータは、例えば、偏光パラメータ、バイアス電圧、RF電力パラメータを含むことができる。処理ユニット710は、データソース702により出力されるデータに関して、図10の例の処理ユニット710のように、リブロードキャスタ754により出力される光学データの品質評価を実行するようにも動作可能である。ソース702およびリブロードキャスタ754のそれぞれは、符号化データを送信する装置としてみなすことができる。処理ユニット710により、満足のいくデータ品質を示す基準が満たされないと判断される場合、処理ユニット710により出力される出力は、リブロードキャスタ754が、リブロードキャスタ754の送信器を制御する1つまたは複数のどの制御パラメータを調整できるかに応答して、リブロードキャスタ754に1つまたは複数の通信を含むことができる。そのような制御パラメータは、例えば、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、RF電力パラメータであり得る。
【0051】
一実施形態では、システム1000は、オシロスコープ100を含み、オシロスコープ100が、処理ユニット710により処理されるデータ記録を、開ループベースで変化する様々な記録フォーマットで出力するように動作可能である。別の実施形態では、システム1000は、処理ユニット710による処理のためにオシロスコープ100により出力される記録フォーマットが、閉ループベースで動的に変化するように、すなわち、記録フォーマットが前の記録の処理に応答できるように、動作可能である。一例では、処理ユニット710は、光検出器を利用して出力される第1のデータ記録を第1のフォーマットで処理できる。第1のデータ記録の処理の一環として、処理ユニット710は、第1の記録内で表現されるパルスの振幅を調べることができる。システム1000は、処理ユニット710により、パルス振幅が閾値未満であると判断された場合、処理ユニット710が、オシロスコープ100がオシロスコープの出力フォーマットを、分光計302を利用して出力される第2の記録出力フォーマットに変更できることに応答して、1つまたは複数の通信をオシロスコープ100に送信できるように動作可能である。次に、処理ユニット710は、第2の記録を利用して、本明細書において説明されるデータ品質評価処理を実行し、本明細書において説明される様式での処理に応答して、送信する装置、例えば、データソース700にフィードバックを提供できる(動作パラメータの調整に繋がる)。分光計304には、多くの場合、比較的弱い信号を感知するためにより良い感度およびより高い機能を有するという形での所与のコスト制約セットが提供され得るため、分光計を利用して出力される第2のフォーマットのデータ記録の処理は、データ処理の精度および確実性を向上させることができる。
【0052】
図10〜図15を参照して説明される実施形態では、オシロスコープ100の要素は、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)集積回路製造プロセスを利用することにより製造された(組み立てられた)チップスケール製品内に設けられて示される。フォトニックチップのいくつかの実施形態は半導体材料がなくてもよいが、それにも関わらず、CMOS集積回路の組み立てに一般的な製造ステップを利用できるため、製造方法はCMOS製造方法としてみなし得ることが理解される。
【0053】
図10〜図15の実施形態では、第1の分散要素120および第2の分散要素140は、CMOS組み立てプロセスにより組み立てられたフォトニック導波管により提供されて示される。図10〜図15の実施形態を参照して、かつ図15のデバイス構造上面図から分かるように、オシロスコープ100は、フォトニック導波管により提供される光学要素200を含むことができ、光学要素200上に、第1の分散要素120および第2の分散要素140を組み合わせることができる。第2の分散要素140の分散は、第1の分散要素120の分散とマッチングさせることができる。入力1202において入力される入力波形は、第1の分散要素120により分散させ、入力1402において入力され、第2の分散要素140により分散したポンプパルスと四光波混合により結合させることができる。
【0054】
図10〜図15に示されるオシロスコープの特定のフォトニックチップ実施形態に関して、オシロスコープ100は、交互になった絶縁体と半導体層を含むことができる。図10〜図15に示されるオシロスコープ100は、半導体基板602、絶縁層604、デバイス構造606、および絶縁層608を含むことができる。
【0055】
デバイス構造606に関して、デバイス構造606は1つまたは複数の層を備えることができる。デバイス構造606を形成する方法について、図11〜図15を参照して説明する。図11を参照して、シリコンSiの層6062を絶縁体SiO2の層602上に堆積させて、導波管材料を画定する。酸化物の薄い層6064を層6062上に堆積させることができる。ゲルマニウムGeまたは他の感光性半導体の層6066を層6064上に堆積させて、感光性材料を画定できる。層6066の感光性半導体材料は、検出すべき波長帯の光子を吸収し、光子を電子正孔対に変換することができ、電子孔対は電場をかけることにより取り出され、検出可能な電流を生成できる。
【0056】
オシロスコープ100を図11に示されるように部分的に製造した状態で、フォトレジストまたは電子ビームレジスト(例えば、フォトレジストまたは電子ビームレジスト)を層6066上に塗布し、組立体を放射エネルギーに露出させて、レジスタ内に素子を画定し、次に、リアクティブイオンエッチング(RIE)等のエッチングを使用して、パターンをレジストから素子材料に転写し、ゲルマニウム層6066が、複数の光検出器を画定する図12に示されるような外観を有するように、レジストが存在しないゲルマニウムの部分を除去することができる。
【0057】
組立体が図12に示されるような状態で、別のレジストを層6066および6064の露出部分に塗布し、放射エネルギーに露出させてシリコン素子を画定し、次に、RIE等のエッチングを使用して、酸化物層6064およびシリコンSi層6062の部分を除去することができる。結果として生成される組立体は、図13に示されるような形態を有することができ、層6062により画定されるのは、第1および第2の分散要素120、140を画定する第1の部分6067、四光波混合光学要素200を画定する第2の部分6068、ならびに分光計302の部分を画定する第3の部分6069である。
【0058】
組立体が図13に示されるような状態で、絶縁材料6061、例えば、SiO2を組立体上に堆積させて、図14に示されるような状態の新しい組立体を画定できる。絶縁材料6061を堆積させた後、図14に示されるような状態の組立体にレジストを塗布し、組立体を放射エネルギーに露出させ、絶縁材料6061を通り、ゲルマニウム層6066の残留部分により画定される画定された光検出器まで延びるバイア6063を画定できる。バイア6063には、導電体、例えば、金属を充填して、完成したフォトニックチップの外部にアクセス可能な電気接点6065(図10)を画定できる。電気接点6065(図10)は、電気信号出力を画定し、入力波形を表す電気信号を出力できる。デバイス構造606が完成した状態で、例えば、SiO2を含む絶縁層608を基板606の絶縁材料6061上に堆積させることができる。接点6065に関して、接点の数は、R=記録長/τresolutionの比率以上まで増大させ得、ここで、τresolutionはオシロスコープ100の機器分解能である。接点の数が比率R未満の場合、オシロスコープ100の出力分解能が分光計302の測定分解能限界により制限されることが分かる。酸化物層6064に関して、酸化物層が電気絶縁を提供することができる。
【0059】
図15を参照して、デバイス構造606の様々な要素を示す、図13により示される状態の組立体の上面図が示される。図15の上面図に見られるように、本明細書において説明されたエッチングプロセス(レジストを塗布し、光子または電子を含む放射エネルギーに露出して、レジスト層内に素子形状を画定し、次に、例えば、リアクティブイオンエッチング(RIE)によりエッチングして、レジスト層のパターンを素子材料に転写し、望ましくない材料をエッチングにより除去することを含む)により形成される半導体導波管によりそれぞれ画定される第1の分散要素120および第2の分散要素140が画定される。デバイス構造606内に、本明細書において説明されるエッチングプロセスにより形成される半導体導波管により画定される光学要素200も画定できる。層6062をエッチングして、様々な要素120、140、200を画定する際、様々な要素の寸法、ひいては分散は、本明細書において説明されるように制御を受けることができる。
【0060】
デバイス構造606に、特定の実施形態では、格子3022と光検出器アレイ3026との間に通信を提供する導波管アレイ3024と共に、光学要素200により出力される出力波形のスペクトルを分割する光学格子3022を含む検出ユニット、例えば、分光計302またはその部分をさらに画定できる。格子3022および導波管アレイ3024に関して、格子3022および導波管アレイ3024は、本明細書において説明されるエッチングプロセスにより層6062を除去することにより形成できる。光検出器アレイ3026に関し、光検出器3026は、本明細書において説明されるように、層6066をエッチングにより除去することにより画定された光検出器を含むことができる。
【0061】
ゲルマニウムGeは、通信帯(S帯、C帯、およびL帯を含む)内での放射エネルギーに応答するため、層6066用に選択できるが、別の半導体材料、例えば、通信帯よりも小さなバンドギャップを有する窒化インジウム(III)、アンチモン化ガリウム、鉛(II)、硫化物等を選択してもよい。光学要素100により出力される出力波形が通信帯外の帯で出力される場合、光検出器アレイ3026用の別の感光性材料を選択することができる。さらにデバイス構造606に関して、本明細書において説明されるエッチングプロセスにより形成されるフォトニック導波管により画定される出力分散要素400を含むことができる。出力分散要素400は、オシロスコープ100の外部からアクセス可能な光学出力4002を画定する。
【0062】
シリコンSiにより提供されるものとして説明される層6062に関して、半導体層6062は、別の適した導波管材料により提供可能である。導波管材料層6062は、絶縁材料、例えば、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素を含む、カー非線形媒質として機能できる任意の導波管材料により提供できる。導波管材料層6062は一般に、他の種類のガラス(例えば、シリカ、カルコゲナイド)および他の種類の半導体材料を含むことができる。
【0063】
絶縁材料6061に関して、絶縁材料6061は、導波管材料形成層6062よりも低い屈折率を有する別の物質、例えば、空気で置換できる。
【0064】
追加の分散材料を出力4002に組み合わせて、分散光学要素400の分散を増大できる。分散要素400の遠位端部(例えば、出力4002または追加の分散材料の端子)において、時間領域において出力波形を検出する光検出器304を組み合わせることができる。
【0065】
一実施形態では、本明細書において様々な要素120、140、200を画定するために層6062をエッチングする際に、様々な要素の寸法ひいては分散は、本明細書において説明されるような制御を受け得る。本明細書では、図10〜図15を参照して説明されたフォトニックチップ実施形態の特定の一実施態様において、入力波形の表現を生成する装置であって、入力波形が伝播する第1の分散要素120と、導波管材料をエッチングすることにより形成される導波管200であって、C通信帯内に零群速度分散点を有し、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を有し、出力波形を出力するように構成される、導波管200と、ポンプパルスを導波管200に入力するポンプパルス入力ユニットであって、導波管に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素140を有し、前記第2の分散要素140も導波管材料をエッチングすることにより形成される、ポンプパルス入力ユニットとを含む、装置が説明され、装置は、入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成され、第1の分散要素120および第2の分散要素140は、適切な寸法決めにより、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散とマッチングされるように構成され、装置は、入力1202に入力できる入力波形および入力1402に入力できるポンプパルスが、導波管200での四光波混合により、出力波形が入力波形に対して位相シフトするように結合されるように構成され、装置は、導波管200内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される。
【0066】
本明細書において説明される半導体チップの別の実施形態では、半導体チップは、破線620の右側にある要素を有さず、破線620の左側にある要素のみを備えるように形成できる。そのように形成された半導体チップでは、第1の光学出力1002を光学要素1002の遠位端部に画定し、第2の光学出力4002を出力分散要素400の遠位端部に画定できる。チップ外部の分光計302を出力1002に組み合わせられて、周波数領域において出力波形を検出できる。光検出器304は(恐らく、出力4002と光検出器304との間に追加の分散材料を使用して)、出力4002に組み合わせられて、周波数領域において出力波形を検出できる。
【0067】
入力波形とポンプパルスとを結合する光学要素の特定の特徴について、本明細書において説明した。本明細書において一実施形態で説明したように、四光波混合により入力波形とポンプパルスとを結合する光学要素は、半導体導波管を備えることができる。半導体導波管材料の使用は、電力効率的であり、自己位相変調(SPM)および自由キャリア生成等の悪影響を回避できるようにする。一実施形態では、光学要素200は、半導体導波管を含むことができ、強力な光閉じ込め性および100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらし得る分散を有するように構成できる。別の態様では、光学要素200は、C通信帯内に分散点を含むことができる。
【0068】
参照により本明細書に援用される、Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscopeという名称の2008年10月14日に出願された米国仮特許出願第61/105,217号明細書の抜粋部分を、本願に関連付けられたフォーマット規則に対応し、図番の重複を回避するように再フォーマットして本明細書において以下に提示する。
【0069】
[Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscopeという名称の2008年10月14日に出願された米国仮特許出願第61/105,217号明細書の抜粋部分の開始]
【0070】
本発明の分野に関して、本発明は、一般には光学システムに関し、特に、入力波形の特徴を測定する際に使用される光学システムに関する。
【0071】
本発明の背景に関して、時間領域において波形を測定するには、超高速光学センサが必要である。最良のセンサであっても、25+ps(picoseconds)の間隔を測定することしかできない。しかし、周波数領域では、分散要素(レンズ等)を使用して、波形をセンサアレイに散乱させることにより、波形を構成するすべての周波数をシングルショットで測定することができる。本発明は、波形を時間領域から周波数領域に変換することにより、$250,000〜500,000の費用がかかる先端技術の機械よりも20倍良好な分解能100fsを有する超高速オシロスコープを可能にする。
【0072】
本発明の概要に関して、この装置は、100psよりも長い記録長にわたって100フェムト秒よりも良好な分解能で光学波形を測定することができる。さらに、この装置は、波形をシングルショットで測定することができる。この装置は、半導体導波管内での四光波混合に基づく時間レンズを利用することができる。装置内の導波管の断面積は、100nmを超える変換帯域幅を可能にするのに適切な分散を生み出すように設計できる。装置は、信号がある長さの分散導波管を通過し、次に、2倍の長さの分散を通して、信号の分散の2倍の分散性を有する分散要素を通過することにより分散したポンプパルスと結合される分散要素を含むことができる。分散は、任意の分散要素、すなわち、光ファイバ、半導体導波管、ファイバブラッグ格子、自由空間格子、プリズム等により生じさせ得る。結合波(combined wave)は、適宜スケーリングされた導波管内での四光波混合に基づいて、波長変換を受け得る。分光計を使用して、変換された信号のスペクトルを測定し、信号の時間形状を復元する。動作原理は、時間レンズ(temporal lens)として四光波混合を使用することに基づくことができる。信号は、分散の1焦点距離分を移動し、次に、時間レンズを通過する。次に、スペクトルは、入力信号の時間プロファイルである、入力信号のスペクトルをフーリエ変換したものを含む。原理上、半導体組立技術を使用して、すべての構成要素を単一のチップスケール素子に集積することができる。
【0073】
図面の簡単な説明に関して、図16は、分散入力波形および分散ポンプパルスの四光波混合を刺激する時間レンズ(temporal lens)を備えた波形解析装置の概略図である。
【0074】
本発明の説明のための例に関して、入力光学波形が分散を受け、四光波混合が刺激されて、変換された多色波形を出力する光学波形解析装置について説明する。変換された多色波形をスペクトル解析器に入力することができ、測定されるスペクトルは、時間−周波数変換係数を使用してのスケーリング後、時間領域で表現される入力光学波形を直接もたらす。
【0075】
本説明による波形解析装置10の一例を図16に示す。装置10は、入力波形5を受信する第1の分散要素12と、ポンプパルス7を受信する第2の分散要素14と、四光波混合が刺激される時間レンズ20とを含むことができる。時間レンズ20では、入力波形5(分散後)とポンプパルス7(第2の分散要素14による分散後)との四光波混合を刺激することができる。
【0076】
一実施形態での第1の分散要素12および第2の分散要素14に関して、第1の分散要素12は、入力波形5が、時間レンズ20に達する前に分散の1焦点距離を移動するように構成することができ、第2の分散要素14は、第2の分散要素12が、2倍の分散長さを通して第1の分散要素12の2倍の分散であるように構成することができる。第1の分散要素12および第2の分散要素14の分散特徴は、時間レンズ20の特徴に基づいて選択することができ、時間レンズ20の特徴が変更した場合に変更することができる。
【0077】
第1の分散要素12および/または第2の分散要素14、例えば、光ファイバ、半導体導波管、ファイバブラッグ格子、自由空間格子、プリズム等を設け得る。
【0078】
時間レンズ20は、スペクトル解析器30に提示することができる変換された色分離された波形を出力できる。スペクトル解析器30により測定されたスペクトルは、信号の時間領域振幅の直接測定である。波長軸は、較正された時間−周波数変換係数を使用して対応する時間位置に変換することができる。100fsよりも高い分解能を有する出力を達成することができる。
【0079】
本明細書において説明されるシステム、方法、および装置の少数のサンプルは以下である。
(A1)入力波形の高分解能時間領域表現を生成する方法であって、入力波形を分散させて、分散入力波形を生成すること、分散入力背景を分散ポンプパルスと結合して、変換波形を生成することにより、分散入力波形に四光波混合を施すこと、および変換波形をスペクトル解析器に提示して、変換波形を記録することを含む、方法。
(B1)入力波形の高分解能時間領域表現を生成する装置であって、前記入力波形を受信するための入力端部および出力端部を有する第1の分散要素と、ポンプパルスを受信するための入力端部および出力端部を有する第2の分散要素と、前記第1の分散要素および前記第2の分散要素のそれぞれの前記出力端部に組み合わせられて、前記第1の分散要素による分散後に、前記入力波形の四光波混合を刺激する時間レンズと、前記時間レンズの出力を受信するスペクトル解析器とを備える、装置。
(C1)入力部および出力部を有する時間レンズであって、入力部は、四光波混合が刺激されるように分散入力波形および分散ポンプパルスを受信し、出力部は、変換波形をスペクトル解析器に出力して、前記入力波形を復元する、時間レンズ。
【0080】
説明される装置ならびに関連する装置および方法の詳細および変形が、以下の説明において説明される:(A)シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープ。
【0081】
(A)シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープ
より高速の通信データレートの実現ならびに超高速化学反応および超高速物理反応に対する関心の拡大に伴い、サブピコ秒の分解能で光学波形を単純に測定できる技法を開発することが重要になった。[Dorrer. C. High−speed measurements for optical telecommunication systems. IEEE Select. Topic Quant. Electron. 12, 843−858 (2006)]。高速光検出器を有する先端技法のオシロスコープは、30ps分解能でシングルショットでの波形測定を提供する。マルチショットサンプリング技法は、数ピコ秒分解能を達成可能であるが、時間的に高速に変化する事象、非同期事象、または発生回数が1回のみである可能性のある事象を解析するためには、シングルショット測定が必要である。シングルショット分解能のさらなる改良は、マイクロエレクトロニクスの帯域幅制限により難題である。これら制限を解消するために、研究者は、フォトニクスにより可能になる大きな処理帯域幅により、全光学技法に目を向けた。これは、標準電子工学プラットフォームへのフォトニクスの統合に対する関心の高まりを生み、これは、シリコンフォトニクスの分野を発生させ[Jalali, B. Can silicon change photonics? Phys. Status Solidi 205, 213−224 (2008)]、次世代コンピュータ処理ユニットの可能性および高帯域幅通信の進歩を約束した。
【0082】
これら分野でのシリコンフォトニクスの成功のために、光学性能モニタリングのためのオンチップ光学信号処理が極めて重要であることが証明されるであろう。次世代通信を超えて、シリコン互換性超高速計測学が、超高速測定技法が生み出し続ける科学的影響から明らかなように、多くの基礎研究分野にとってかなり有用であろう[Dudley, J. M., Finot, C., Richardson, D. J. & Millot, G. Self−similarity in ultrafast nonlinear optics. Nature Phys. 3, 597−603 (2007); Solli, D. R., Ropers, C., Koonath, P. & Jalali, B. Optical rogue waves. Nature 450, 1054−1057 (2007)]。ここで、シリコンチップ上での四光波混合という非線形プロセスを介して時間−周波数変換を使用して[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994)]、シリコンフォトニックプラットフォーム内での波形測定技術を実証する。100psを超える長さにわたって220fs分解能で光学波形を測定し、これは、あらゆるシングルショット可能なピコ秒波形測定技法のうちで最大の記録長対分解能比(>450)を表す[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994); Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Mouradian, L. K., Louradour, F., Messager, V., Barthelemy, A. & Froehly, C. Spectro−temporal imaging of femtosecond events. IEEE J. Quant. Electron. 36, 795−801 (2000); Azana, J., Berger, N. K., Levit, B. & Fischer, B. Spectral Fraunhofer regime: Time−to−frequency conversion by the action of a single time lens on an opticall pulse. Appl. Opt. 43, 483−490 (2004); Fernandez−Pousa, C. R. Temporal resolution limits of time−to−frequency transformations. Opt. Lett. 31, 3049−3051 (2006); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008); Kan’an, A. M. & Weiner, A. M. Efficient time−to−space conversion of femtosecond optical pulses. J. Opt. Soc. Am. B15, 1242−1245 (1998); Oba, K., Sun, P. C., Mazurenko, Y. T. & Fainman, Y. Femtosecond single−shot correlation system; A time−domain approach. Appl. Opt. 38, 3810−3817 (1999); Chou, J., Boyraz, O. & Jalali, B. Femtosecond real−time single−shot digitizer. Appl. Phys. Lett. 91, 161105 (2007); Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006)]。本実施態様では、シングルショット測定が可能であり、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)互換性シリコンオンインシュレータ技術およびシングルモード光ファイバが使用される。成熟したシリコンオンインシュレータプラットフォームおよび電子工学とこれらCMOS互換性フォトニクスとを統合する能力は、この技術を一般的な卓上機器およびチップスケール機器に拡張する大きな約束を提供する。
【0083】
数フェムト秒精度で光学波形を測定するいくつかの確立された非線形光学技法[Kane, D. J. & Trebino, R. Single−shot measurement of the intensity and PHASE of an arbitrary ultrashort pulse by using frequency−resolved optical gating. Opt. Lett. 18, 823−825 (1993); Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]が存在するが、シングルショット記録長は数十ピコ秒に制限され、更新レートが制限される。電子測定とこれら方法との間の時間領域を橋渡し、高速更新可能な直接光学検出を可能にするために、電磁波および関連する現象の時間−空間双対性を使用する技法が開発された[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994); Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Mouradian, L. K., Louradour, F., Messager, V., Barthelemy, A. & Froehly, C. Spectro−temporal imaging of femtosecond events. IEEE J. Quant. Electron. 36, 795−801 (2000); Azana, J., Berger, N. K., Levit, B. & Fischer, B. Spectral Fraunhofer regime: Time−to−frequency conversion by the action of a single time lens on an opticall pulse. Appl. Opt. 43, 483−490 (2004); Fernandez−Pousa, C. R. Temporal resolution limits of time−to−frequency transformations. Opt. Lett. 31, 3049−3051 (2006); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008); Kan’an, A. M. & Weiner, A. M. Efficient time−to−space conversion of femtosecond optical pulses. J. Opt. Soc. Am. B15, 1242−1245 (1998); Oba, K., Sun, P. C., Mazurenko, Y. T. & Fainman, Y. Femtosecond single−shot correlation system; A time−domain approach. Appl. Opt. 38, 3810−3817 (1999); Chou, J., Boyraz, O. & Jalali, B. Femtosecond real−time single−shot digitizer. Appl. Phys. Lett. 91, 161105 (2007); Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006)]。この双対性は、空間場の回折伝播を支配する近軸波動方程式と、時間場の分散伝播を支配するスカラー波動方程式とが等しいことに頼る[Akhmanov, S. A., Vysloukh, V. A. & Chirkin, A. S. Self−action of wave packets in a nonlinear medium and femtosecond laser pulse generation. Sov. Phys. Usp. 29, 642−677 (1986); Kolner, B. H. Space−time duality and the theory of temporal imaging, IEEE J. Quant. Electron. 30, 1951−1963 (1994)]。この双対性は、レンズまたはプリズム等の空間光学構成要素が、時間場に対して2次または1次のそれぞれの時間位相シフトを付与することにより実施可能な時間レンズまたは時間プリズムとして知られる時間的な対応物を有することを暗示する[Akhmanov, S. A., Vysloukh, V. A. & Chirkin, A. S. Self−action of wave packets in a nonlinear medium and femtosecond laser pulse generation. Sov. Phys. Usp. 29, 642−677 (1986); Kolner, B. H. Space−time duality and the theory of temporal imaging, IEEE J. Quant. Electron. 30, 1951−1963 (1994)]。さらに、これら構成要素により、波形の時間イメージング等の、空間的な対応物と同様の方法での時間処理が可能である。
【0084】
空間−時間双対性を使用する2つの方法を適用して、超高速光学波形を測定することができる。空間レンズがイメージを拡大できるのと同じように、時間レンズは超高速波形を時間的に長くすることができ、拡大なしの波形では不十分な時間分解能を有する光検出器およびオシロスコープを使用して測定できるようにする。この技法は時間拡大として既知である[Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008)]。第2の測定方法はレンズのフーリエ特性を利用する[Goodman, J. W. Introduction of Fourier Optics (McGraw−Hill, 1968)]−レンズの前焦点面に位置決めされた物体は、後焦点面に物体のフーリエ変換を生み出す(図17a)。時間波形のフーリエ変換は光学スペクトルであるため、空間フーリエプロセッサを時間領域に拡張することにより、入力の時間(スペクトル)プロファイルを出力のスペクトル(時間)プロファイルに変換する装置がもたらされる(図17b)。したがって、フーリエ面においてスペクトルを直接測定することにより、入射波形の時間振幅がもたらされ、このプロセスは時間−周波数変換と呼ばれる[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994)]。
【0085】
時間イメージング装置の位相シフトは通常、電子光学位相変調器を使用して適用されるが、和周波数生成および差周波数生成等のパラメトリック非線形光波混合プロセスを使用することにより、代替の方式を実現することができる。この後者の技法は、パラメトリック時間イメージングと呼ばれ[Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Principles of parametric temporal imaging−Part I: System configurations. IEEE J. Quant. Electron. 36, 430−437 (2000)]、線形チャープポンプと光波混合して、線形周波数チャープを有する信号波形と略同等であるか、または時間レンズに必要な2次位相シフトと同等である変換波形をもたらすことからなる。パラメトリック時間レンズは、100πを超える位相シフトを有し、これは、電子光学位相変調器を使用した場合に可能な最大位相シフト10πよりもはるかに大きく、したがって、時間イメージングシステムの用途を大きく広げる。和周波数生成および差周波数生成の2次非線形プロセスを使用することの欠点は、狭い範囲の材料しか2次非線形モーメントを有さず、変換波形が本質的に、ポンプまたは入力信号の波長とは広く異なる波長で生成されることである。差周波数生成を使用する時間拡大に基づく波形測定は、900fs未満の分解能かつ同時に100psという記録長での超高速波形のシングルショット測定を含め、有望な結果をもたらした[Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008)]。電子光学変調を使用する時間−周波数変換に基づく波形測定は、マルチショット平均化を使用して31ps記録長にわたって分解能3psを実証した[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994)]。
【0086】
本明細書において、四光波混合(FWM)の3次非線形プロセスに基づくパラメトリック時間レンズが実証されると共に、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの作成へのこの時間レンズの適用がさらに実証される。本発明による装置は、3次カー非線形性に基づくため、FWMに基づく時間レンズは、本明細書において使用されるCMOS互換性シリコンオンインシュレータ(SOI)フォトニックプラットフォームを含め、任意の材料プラットフォームで実施することができる。この時間レンズの出力は、ポンプおよび入力波の波長に近い波長で生成され、相互作用するすべての波をS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にすることができ、それにより、例えば、これら帯で利用可能な明確に確立された機器および構成要素を使用してすべての波を処理することが可能である。本発明による装置を使用して、100psよりも長い記録長にわたって220fs分解能でかなり複雑な波形の測定が実行される。この220fs分解能と100psよりも長い記録長との組み合わせは、ピコ秒時間範囲であらゆるシングルショット可能な波形測定技法の最大の記録長対分解能比(>450)を表す[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994); Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Mouradian, L. K., Louradour, F., Messager, V., Barthelemy, A. & Froehly, C. Spectro−temporal imaging of femtosecond events. IEEE J. Quant. Electron. 36, 795−801 (2000); Azana, J., Berger, N. K., Levit, B. & Fischer, B. Spectral Fraunhofer regime: Time−to−frequency conversion by the action of a single time lens on an opticall pulse. Appl. Opt. 43, 483−490 (2004); Fernandez−Pousa, C. R. Temporal resolution limits of time−to−frequency transformations. Opt. Lett. 31, 3049−3051 (2006); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008); Kan’an, A. M. & Weiner, A. M. Efficient time−to−space conversion of femtosecond optical pulses. J. Opt. Soc. Am. B15, 1242−1245 (1998); Oba, K., Sun, P. C., Mazurenko, Y. T. & Fainman, Y. Femtosecond single−shot correlation system; A time−domain approach. Appl. Opt. 38, 3810−3817 (1999); Chou, J., Boyraz, O. & Jalali, B. Femtosecond real−time single−shot digitizer. Appl. Phys. Lett. 91, 161105 (2007); Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006)]。さらに、直接電場再構築のための周波数分解光ゲート法[Kane, D. J. & Trebino, R. Single−shot measurement of the intensity and phase of an arbitrary ultrashort pulse by using frequency−resolved optical gating. Opt. Lett. 18, 823−825 (1993)]およびスペクトル位相干渉法[Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006); Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]等の一般に使用される技法と異なり、本発明の実施態様は、再構築アルゴリズムを使用せずに時間振幅プロファイルを直接測定し、高速更新可能なシングルショット測定が可能である。
【0087】
様々な入力波形を使用して、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの性能をテストする。各入力波形は装置に入り、一定長の光ファイバからなる分散要素を通過する。FWM時間レンズの焦点距離に合うように、入力波は、分散長が2倍の光ファイバを通過したポンプパルスと混合される。光ファイバを通過した後、ポンプパルスおよびテスト波形が結合され、FWMがSOIナノ導波管内で実行される。これらシリコン構造の強力な光閉じ込めにより、高度に効率的な非線形プロセスが可能であると共に、広いポンプ調整可能性を有して150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらすことができる操作可能な群速度分散が可能である[Dulkeith, E., Xia, F., Schares, L., Green, W. M. J. & Vlasov, Y. A. Group index and group velocity dispersion in silicon−on−insulator photonic wires. Opt. Express 14, 3853−3863 (2006); Turner, A. C. et al. Tailored anomalous group−velocity dispersion in silicon channel waveguides. Opt. Express 14, 4357−4362 (2006); Foster, M. A. et al. Broad−band optical parametric gain on a silicon photonic chip. Nature 441, 960−963 (2006); Lin, Q., Zhang, J., Fauchet, P. M. & Agrawal, G. P. Ultrabroadband parametric generation and wavelength conversion in silicon waveguides. Opt. Express 14, 4786−4799 (2006); Foster, M. A., Turner, A. C., Salem R., Lipson, M. & Gaeta, A. L. Broad−band continuous−wave parametric wavelength conversion in silicon nanowaveguide. Opt. Express 15, 12949−12958 (2007)]。光学分光計を使用して、その結果生成されるFWM生成のスペクトルを測定して、入力の時間プロファイルが特定される。
【0088】
ポンプパルス帯域幅および分散路の長さが、オシロスコープの記録長および分解能を決める。FWMに基づく変換器の時間−周波数変換係数は、
【数7】
により与えられ、式中、Δtは入力信号の時間シフトであり、Δωは結果として生じるスペクトルシフトであり、β2は群速度分散パラメータであり、Lは分散信号路の長さである。本発明によるシステムでは、この関係は、5.2psの時間位置シフトで1nmの変換波長シフトがもたらされる。FWMを使用して、ポンプ帯域幅の2倍にわたる狭帯域信号を変換することができ、これは、FWMに基づくオシロスコープのおおよその記録長τRECORD:
【数8】
をもたらし、式中、Ωpumpはポンプパルスのスペクトル帯域幅である。オシロスコープの分解能は、機器システムを通しての時間デルタ関数の伝達を考慮することにより予測される。このインパルス応答は精密に機器の時間分解能τresolutionであり、
【数9】
により与えられ、式中、τpumpはポンプパルス幅である。本発明によるシステムの場合、これら関係は、記録長150psおよび分解能200fsを予測する。実際には、ポンプと信号との分離およびFWM変換帯域幅により、記録長が制限されることになる。3次分散に起因するようなポンプパルスでの2次位相からの逸脱、FWM変換帯域幅、および分光計のスペクトル分解能によっても、時間分解能が決まる。FWM変換帯域幅は記録長および分解能の両方を制限するため、この値を最大にすることが重要である。本発明の実施態様に使用されるシリコン導波管は、3次分散および分光計性能に起因する収差によってのみ制限される超高速光オシロスコープの実行を可能にするために十分に大きな変換帯域幅(>150nm)を有する[Foster, M. A., Turner, A. C., Salem R., Lipson, M. & Gaeta, A. L. Broad−band continuous−wave parametric wavelength conversion in silicon nanowaveguide. Opt. Express 15, 12949−12958 (2007)]。
【0089】
342fsパルスを注入し、その時間位置を変更することにより、本発明によるシステムの記録長および分解能を実験的に特徴付ける。図18に示されるように、100psの記録長にわたってパルス位置を測定することが可能である。FWMに基づくオシロスコープの分解能を特徴付けるために、装置の記録長にわたるこのパルスの平均観測幅からの時間分解能をデコンボリューションする。平均パルス幅407fsを測定し、これは、実際のパルス幅342fsと比較された場合、本発明の実施態様での時間分解能220fsを示す。
【0090】
様々な複雑性のテスト波形を生成することにより、シリコンチップに基づくオシロスコープの測定性能をさらに調べる。第1に、450fs分解能および100ps記録長を示す超高速光オシロスコープを使用して、非線形スペクトル拡張および分散を受けたパルスを測定する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこのパルスの測定は、図19aに示される。900fs時間特徴を有する120ps波形を生成することにより、さらに複雑性の高い光学波形を測定する。分解能220fsを有するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して、この波形を測定する。この測定の結果および相互相関との比較は、図19bに示される。図19aおよび図19Bのテスト波形は、ポンプパルスと同じレーザ源から導出される。超高速光オシロスコープが、9.6GHzの繰り返し数を有する可変パルス幅時間レンズ圧縮レーザ源を、36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより、別個のソースからの波形の測定の実行にも使用可能なことを実証する[Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]。分解能220fsを有する装置を使用して、30mWピーク電力を有する30psパルスを150mWピーク電力を有する6psパルスに圧縮することを観測することにより、9.6GHz源のパルス幅を最適化する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこの最適化の結果は、図19cに示される。
【0091】
最後に、シングルショット分光計を組み込むことにより、装置のシングルショット性能を実証する。86ps、27psという時間的に隔たりを有し、時間的におおよそ重なった2つのパルスで構成される3つのシングルショット光学波形を測定する。マルチショット相互相関と比較したこれらシングルショット測定の結果は、図19dに示される。86psの隔たりにより示されるように、100ps記録長が維持される。パルスが重なる場合、3ps期間を有する時間干渉縞が観測される。この実施態様では、時間分解能は、赤外線カメラにより、ピクセル当たり766fsに制限され、すなわち、記録長対分解能比が130に制限される。1,000ピクセルを超える高ダイナミックレンジ線形アレイが市販されており、本発明による装置の完全な記録長対分解能比(>450)を利用することが可能である。
【0092】
最終的に、シングルショット測定のダイナミックレンジは、自己位相変調および自由キャリア生成を回避しながらシリコンナノ導波管内で許される最大電力[Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]ならびにピクセル毎の検出可能な最小電力により制限される。これら制約は、時間レンズの信号ピーク電力範囲を100μW〜100mWに制限するはずであり、これはダイナミックレンジ103に対応する[Dudley, J. M., Finot, C., Richardson, D. J. & Millot, G. Self−similarity in ultrafast nonlinear optics. Nature Phys. 3, 597−603 (2007)]。狭い時間特徴はレンズ前の分散伝播中に拡散し、したがって、レンズでのピーク電力がかなり低くなるため、超高速光オシロスコープへの最大電力は特徴の幅に依存する。分解能が制限された時間特徴が考慮される場合、40Wピーク電力が可能であり、これはダイナミックレンジ105に対応する[Solli, D. R., Chou, J. & Jalali, B. Amplified wavelength−time transformation for realtime spectroscopy. Nature Photon. 2, 48−51 (2008)]。さらに、検出可能な最小電力は所望のシングルショット分解能に依存するが、最大電力は所望のシングルショット分解能に依存しないため、このシステムでは、分解能が低いほど、高いダイナミックレンジ測定が可能である。
【0093】
測定のすべてにおいて、本発明によるシリコンに基づく超高速光オシロスコープと280fsパルスを有する相互相関との間に良好な一致が観測される。それにも関わらず、特に波形およびポンプパルスがオシロスコープと比較して相互相関器に到着する時間を同期させるために使用される光ファイバの長さがわずかに異なる(3m未満の違い)ことに起因するいくらかの逸脱が観測される。さらなる不一致はおそらく、FWM時間レンズ内でのポンプパルス不完全性による。最適な性能のために、ポンプパルスに対して明確で均一なスペクトル振幅および位相を得ることに注意を払わなければならない。さらに、分解能は最終的に、分散要素内の3次分散から生じる収差により制限される。分散平坦化ファイバまたは分散が操作された導波管を分散路に使用する[Dulkeith, E., Xia, F., Schares, L., Green, W. M. J. & Vlasov, Y. A. Group index and group velocity dispersion in silicon−on−insulator photonic wires. Opt. Express 14, 3853−3863 (2006); Turner, A. C. et al. Tailored anomalous group−velocity dispersion in silicon channel waveguides. Opt. Express 14, 4357−4362 (2006)]ことにより、この収差は軽減され、サブ100fsポンプパルスを使用することにより、サブ100fs分解能に向けての道を提供する。
【0094】
この測定システムの構成要素は潜在的に、その全体をオンチップに集積することができる。特に、パルスレーザ源[Koch, B. R., Fang, A. W., Cohen, O. & Bowers, J. E. Mode−locked silicon evanescent lasers. Opt. Express 15, 11225−11233 (2007)]、分散路の低損失分散操作された導波管[Dulkeith, E., Xia, F., Schares, L., Green, W. M. J. & Vlasov, Y. A. Group index and group velocity dispersion in silicon−on−insulator photonic wires. Opt. Express 14, 3853−3863 (2006); Turner, A. C. et al. Tailored anomalous group−velocity dispersion in silicon channel waveguides. Opt. Express 14, 4357−4362 (2006)]、ならびに一体化されたシングルショット分光計および検出器[Cheben, P. et al. A high−resolution silicon−on−insulator arrayed waveguide grating microspectrometer with submicrometer aperture waveguides. Opt. Express 15, 2299−2306 (2007)]の集積は、シリコンフォトニクスでの現在のすべての研究分野にある。さらに、FWM時間レンズの柔軟性およびナノ導波管内で利用可能な分散操作は、窒化ケイ素(SiN)およびオキシ窒化ケイ素(SiON)等の他のCMOS互換性導波管材料を使用することにより、この技法と異なる波長体制(例えば、可視)に簡単に拡張できるようにする。さらに、任意の繰り返し数のソースを測定するために本発明によるオシロスコープを使用するには、繰り返し数柔軟性を有する超高速ポンプレーザが必要であり、例えば、時間レンズ圧縮源[van Howe, J., Lee, J. H. & Xu, C. generation of 3.5 nJ femtosecond pulses from a continuous−wave laser without mode locking. Opt. Lett. 32, 1408−1410 (2007)]を使用して実施することができる。興味深いことに、シングルショット性能により、単一の光学事象の測定のみならず、光学クロックと同期した場合、通信信号の多くのシングルショット測定をオーバーレイすることにより、「アイダイアグラム(eye-diagrams)」の測定も可能である。通信を超えて、集積測定装置は、光学波形の単純な超高速測定が必要とされる多くの科学分野での研究に役立つ。
【0095】
方法の概要
シリコンに基づく超高速光オシロスコープを実験的に特徴付けるために、超高速ファイバレーザまたは光学パラメトリック発振器からポンプおよび入力波を生成する。パルス列は、280fsポンプパルスおよび信号パルスにスペクトルに分けられる。各入力波形は、オシロスコープに入り、50m長の分散補償ファイバからなる分散要素を通過し、100m長の分散補償ファイバを通過したポンプパルスと混合される。図19a〜図19cのテスト波形は、非線形スペクトル拡張、分散、および干渉の組み合わせを使用して生成された。1.5cm長のシリコンナノ導波管は、断面サイズ300nm×750nm、線形伝播損失1.5dB/cm、およびカップリング効率(coupling efficiency)3dBを有する。マルチショット測定の場合、FWM光学スペクトルは、光学スペクトル解析器を使用して特徴付けられる。シングルショット実証の場合、シングルショット分光計が、モノクロメータおよび赤外線カメラを使用して実施され、単一の事象がフレーム毎に作成される。
【0096】
方法
レーザ源。使用される超高速ファイバレーザは、38MHz繰り返し数(repetition rate)で80fsパルスを生成する。使用される光学パラメトリック発振器は、76MHz繰り返し数で150fsパルスを生成する。ポンプパルスは280fsパルスであり、1,550nmを中心とした帯域幅15nmを有する。図19のテスト波形は、1,580nmを中心とした可変帯域幅信号パルスから生成される。
【0097】
光ファイバ。標準のシングルモードファイバ(Corning型番:SMF−28)の12分の1の分散勾配を有するため、分散補償ファイバ(Corning型番:DCM−D−080−04)の使用を選択する。このように3次分散が小さいことにより、レンズ収差が低減し、実験的に、SMF−28を使用する同等のシステムと比較して時間分解能が2倍に向上することが分かった。分散補償ファイバを通過した後、15nm帯域幅ポンプパルスは、エルビウムドープファイバ増幅器を使用して増幅され、続けてFWMがCMOS互換性埋め込みSOIナノ導波管内で実行される。
【0098】
テスト波形。図19aのテスト波形は、エルビウムドープファイバ増幅器内で信号パルスを増幅し、増幅器内で非線形スペクトル拡張を誘導することにより生成される。スペクトル拡張パルスは続けて、20m長の光ファイバを通過する。図19bのテスト波形は、50mの光ファイバおよびマイケルソン干渉計を使用して2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成される。図19cのテスト波形は、9.6GHzの繰り返し数を有する時間レンズ圧縮レーザ源[van Howe, J., Lee, J. H. & Xu, C. generation of 3.5 nJ femtosecond pulses from a continuous−wave laser without mode locking. Opt. Lett. 32, 1408−1410 (2007)]を36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより生成される。9.6GHz源のパルス幅は、時間レンズ圧縮器に使用される位相変調器に送られる電気正弦波の大きさにより決まる。図19dのテスト波形は、50mのSMF−28を使用して300fsパルスをチャープさせ、マイケルソン干渉計を使用して2つのパルスに分割することにより生成される。次に、干渉計の遅延ステージを使用して、パルスの分離を調整することができる。
【0099】
シリコン導波管。シリコン導波管の寸法は、零群速度分散点をC通信帯内に位置決めすることにより、変換帯域幅を増大にするように選択された。ナノ導波管内部のピーク光パワーは、シリコン内での自己位相変調および2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために、100mW未満に維持される[Foster, M. A., Turner, A. C., Salem R., Lipson, M. & Gaeta, A. L. Broad−band continuous−wave parametric wavelength conversion in silicon nanowaveguide. Opt. Express 15, 12949−12958 (2007)]。
【0100】
シングルショット測定。単一の事象が、シングルショット分光計のフレーム毎に生成される。38MHz源は、1つのみのパルスが、カメラの積分時間に対応する0.5ms毎に生成され、したがって、カメラ画像毎にシングルショットが生成されるように、電子光学変調器を使用してダウンサンプリングされる。
【0101】
図17a〜図19dに提示される情報の説明を本明細書において以下に提示する。
【0102】
図17−シリコンに基づく超高速光オシロスコープ。超高速オシロスコープは、シリコンチップ上の四光波混合に基づくパラメトリック時間レンズを使用して実施される。a.空間光学フーリエ変換プロセッサ。空間レンズは、示される2焦点距離構成を使用して入力波形をフーリエ変換したものを生成することができる。b.時間光学フーリエ変換プロセッサ。時間レンズは、入力の時間プロファイルを出力のスペクトルプロファイルに変換することができる。FWM時間レンズの場合、焦点距離(D)は、ポンプパルスが通過する光ファイバの分散長(2D)の半分である。次に、単にプロセッサの出力のスペクトルを測定することにより、シングルショット時間測定を実行することができる。
【0103】
図18−超高速オシロスコープの記録長および分解能の特徴付け。342fsパルスは、記録長100psを実証するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して時間的に走査され測定される。オシロスコープにより観測されるように、この走査範囲にわたる342fsパルスの平均幅は407fsであり、220fs、a.u.、任意単位のデコンボリューション後分解能を示す。各色(陰影)は、パルスが走査される際の別個の測定を表す。
【0104】
図19−超高速オシロスコープおよび相互相関器を使用しての測定の比較。a.エルビウムドープファイバ増幅器内での非線形スペクトル拡張を通して生成され、続けて20mのシングルモード光ファイバを伝播した30psパルス。b.2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成された複雑性の高い波形。差し込み図、60psから70psまでの10ps時間領域。c.様々なパルス持続時間で動作する別個の超高速パルスレーザ源の測定。シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープが使用されて、レーザ源内の電子光学変調器への電圧を変更することにより、リアルタイムでこのソースから発せられるパルス幅が最小化される。d.マルチショット相互相関と比較した、様々な時間的隔たりを有する2つのチャープパルスのシングルショット測定。パルスが時間的に重なる場合、干渉縞が時間領域において観測される。
[A.シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの説明の終了]
【0105】
本発明についていくつかの特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の真の主旨および範囲は、本明細書によりサポート可能な特許請求の範囲に関してのみ決定されるべきであることが理解される。さらに、システム、装置、および方法が特定の数の要素を有するものとして説明される、本明細書におけるいくつかの場合において、そのようなシステム、装置、および方法を、言及された特定の数よりも少数の要素を使用して実施してもよいことが理解される。
[2008年10月14日に出願された「Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscope」という名称の米国仮特許出願第61/105,217号明細書の抜粋部分の終了]
【0106】
本明細書において説明されるシステム、方法、装置の少数のサンプルは、以下である。
【0107】
A1.
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、光学要素に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと
を備えた装置であって、
光学要素およびポンプパルス入力ユニットは時間レンズを形成し、第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットのそれぞれは、光学要素に組み合わせられ、
第1の分散要素および第2の分散要素は、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、入力波形およびポンプパルスが光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【0108】
A2.第1の分散要素の分散を第2の分散要素の分散と調整するために、第2の分散要素および第1の分散要素は2:1の分散比を有する、項目A1に記載の装置。
【0109】
A3.入力波形およびポンプパルスが四光波混合により結合される光学要素は、フォトニックチップ上に設けられた導波管を備える、項目A1に記載の装置。
【0110】
A4.第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットは、入力波形が、光学要素に達する前に分散の1焦点距離を移動するように構成される、項目A1に記載の装置。
【0111】
A5.ポンプパルス入力ユニットは、ポンプパルス源および第2の分散要素により提供される、項目A1に記載の装置。
【0112】
A6.出力波形を検出する検出ユニットをさらに備える、項目A1に記載の装置。
【0113】
A7.出力波形を検出する検出ユニットをさらに備え、検出ユニットは、分光計および光検出器を有する、項目A1に記載の装置。
【0114】
A8.光学要素は、フォトニック導波管により提供され、第1の分散要素、第2の分散要素、およびフォトニック導波管は、フォトニックチップスケール素子内に組み込まれる、項目A1に記載の装置。
【0115】
A9.フォトニック導波管は半導体導波管である、項目A8に記載の装置。
【0116】
A10.光学要素は、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目A1に記載の装置。
【0117】
A11.光学要素は、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目A1に記載の装置。
【0118】
A12.光学要素は、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、項目A1に記載の装置。
【0119】
A13.光学要素は、光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0120】
A14.光学要素は、光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0121】
A15.光学要素は、入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0122】
A16.導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0123】
A17.導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0124】
A18.導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0125】
B1.入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、光学要素に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと、
出力波形を検出する検出ユニットと、を備え、
光学要素およびポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットのそれぞれが前記光学要素に組み合わせられ、
第1の分散要素および第2の分散要素が、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、入力波形およびポンプパルスが光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【0126】
B2.検出ユニットは、分光計および光検出器のそれぞれを含む、項目B1に記載の装置。
【0127】
B3.光学要素に実質的に直接組み合わせられた分光計を含む、項目B1に記載の装置。
【0128】
B4.出力分散を有する出力分散要素を含み、第1の分散要素は入力分散を有し、装置は、条件
【数10】
を満たすように構成され、式中、ResMは検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、入力分散に対する出力分散の比率により決まる倍率である、項目に記載の装置。
【0129】
B5.出力分散を有する出力分散要素を含み、第1の分散要素は入力分散を有し、条件
【数11】
を満たすように構成され、式中、ResMは検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、入力分散に対する出力分散の比率により決まる倍率である、項目に記載の装置。
【0130】
C1.入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、C通信帯内に零群速度分散点を有すると共に、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を有し、出力波形を出力するように構成された導波管と、
光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、光学要素に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有し、入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように前記装置が構成される、ポンプパルス入力ユニットと、
出力波形を検出する検出ユニットであって、分光計および光検出器のうちの1つまたは複数を備える、検出ユニットと、を備え、
導波管およびポンプパルス入力ユニットは、時間レンズを形成し、第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットのそれぞれは、導波管に組み合わせられ、
第1の分散要素および第2の分散要素は、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
装置は、出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、入力波形およびポンプパルスが導波管において四光波混合により結合されるように構成され、
導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、装置。
【0131】
D1.入力波形の表現を生成する装置であって、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、入力波形を組み合わせるように構成された導波管と、
導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、ポンプパルス入力ユニットは導波管に結合され、ポンプパルス入力ユニットは、導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと
を備え、
入力波形およびポンプパルスが導波管内で四光波混合により結合されるように構成され、
出力波形は導波管から出力され、
出力波形を検出する検出ユニットをさらに含む、装置。
【0132】
D2.導波管は、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目D1に記載の装置。
【0133】
D3.導波管は、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目D1に記載の装置。
【0134】
D4.導波管は、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、項目D1に記載の装置。
【0135】
D5.導波管は、導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0136】
D6.導波管は、導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0137】
D7.入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0138】
D8.導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0139】
D9.導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0140】
D10.導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0141】
D11.フォトニックチップ上に設けられた導波管は半導体材料を含む、項目D1に記載の装置。
【0142】
E1.入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、出力波形を出力し、入力波形を組み合わせるように構成された導波管と、
出力波形を検出する検出ユニットと、
導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、導波管に組み合わせられ、第2の分散要素を含み、導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと、を備え、
第1の分散要素および第2の分散要素は、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、ポンプパルスを導波管内での四光波混合により入力波形に結合するように構成される、装置。
【0143】
E2.第1の分散要素および第2の分散要素は、フォトニックチップ上に設けられる、項目E1に記載の装置。
【0144】
E3.第1の分散要素、第2の分散要素、および検出ユニットは、フォトニックチップ上に設けられる、項目E1に記載の装置。
【0145】
F1.入力波形の高分解能時間領域表現を生成する方法であって、
入力波形を分散させて、分散入力波形を生成すること、
分散入力波形を分散ポンプパルスと結合して、変換波形を生成することにより、分散入力波形に四光波混合を受けさせること、および
変換波形をスペクトル解析器に提示して、変換波形を記録すること
を含む、方法。
【0146】
F2.入力波形を分散させることは、入力波形が分散する分散を、ポンプパルスが分散する分散にマッチングさせることを含む、項目F1に記載の方法。
【0147】
F3.マッチングさせることは、入力波形が分散する分散の2倍の分散性を有するポンプパルスを分散させる分散を提供することを含む、項目F2に記載の方法。
【0148】
F4.入力波形に四光波混合を受けさせることは、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用することを含み、導波管は、C通信帯に零群速度分散点を含むように構成される、項目F1に記載の方法。
【0149】
F5.入力波形に四光波混合を受けさせることは、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用することを含み、導波管は、導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、項目F1に記載の方法。
【0150】
F6.S通信帯、C通信帯、およびL通信帯内である入力波形、ポンプパルス、および出力波形を提供することを含む、項目F1に記載の方法。
【0151】
G1.入力波形の表現を生成する装置であって、
光学要素であって、装置が入力波形が光学要素に組み合わせられるように構成され、
装置が入力波形が光学要素内で2次位相シフトを受けて、入力波形に対して位相シフトした出力波形を出力するように構成される、光学要素と、
出力波形を検出するように動作可能な検出ユニットであって、
検出ユニットが、第1の出力記録長を有する第1の記録を出力するように動作可能であり、第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するようにさらに動作可能なように構成される、検出ユニットと、を備える、装置。
【0152】
G2.第1および第2の分散を有する第1および第2の出力分散要素を含み、第1の分散は第2の分散と異なり、出力波形を第1および第2の出力分散要素のそれぞれに組み合わせるように動作可能であり、検出ユニットは、第1の出力分散要素に組み合わせられて、第1のデータ記録を出力する第1の光検出器と、第2の出力分散要素に組み合わせられて、第2の記録を出力する第2の光検出器を有する、項目G1に記載の装置。
【0153】
G3.検出ユニットは、第1の記録を出力する分光計および第2の記録を出力する光検出器を含む、項目G2に記載の装置。
【0154】
G4.第1の出力分散要素および第2の出力分散要素を含み、出力波形を第1の出力分散要素および第2の出力分散要素のうちの一方に選択的に組み合わせるスイッチをさらに含む、項目G3に記載の装置。
【0155】
G5.2次位相シフトが四光波混合を利用して提供されるように構成される、項目G1に記載の装置。
【0156】
H1.入力波形を処理するシステムであって、
入力波形を組み合わせる光学要素を有し、入力波形が光学要素内で2次位相シフトを受けて、入力波形に対して位相シフトされた出力波形を出力するように構成されたオシロスコープであって、入力波形を表す第1および第2の記録を出力する検出ユニットを有する、オシロスコープと、
第1および第2の記録のそれぞれを処理する処理ユニットであって、処理に応答して、処理ユニット出力を決定するように動作可能な処理ユニットと
を備える、システム。
【0157】
H2.処理ユニット出力は、符号化光学データを送信する装置を制御する、項目H1に記載のシステム。
【0158】
H3.システムは、処理のための第1および第2の記録が開ループベースで変化するように動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0159】
H4.検出ユニットにより出力された第2の記録が、処理ユニットによる第1の記録の処理に応答して出力されるように動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0160】
H5.第1の記録が、出力波形を検出する分光計を使用して出力されるように動作可能であり、システムは、第2の記録が光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0161】
H6.第1の出力分散を通して分散した出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるように動作可能であり、第2の記録が、第2の分散を通して分散した出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0162】
I1.符号化光学データを送信する装置を使用するシステムであって、送信されるデータは、一続きの光学パルスを利用して符号化された二進データを含み、光学パルスは名目上の特徴を有し、
装置により出力された一続きの光学パルスを表す少なくとも1つの記録を出力する装置の出力に組み合わせられたオシロスコープであって、入力波形に位相シフトを付与するように動作可能であり、記録が、220fsに等しいか、またはこれよりも良好な分解能および100ps以上の記録長を有するように動作可能なオシロスコープと、
記録を処理する処理ユニットであって、記録を表す1つまたは複数のパルスを処理して、1つまたは複数の光学パルスが、1つまたは複数のパルスが許容可能な品質を有することを示す基準を満たすか否かを判断するように動作可能な処理ユニットと、を備え、
処理ユニットが、処理に応答して出力を生成するように動作可能である、システム。
【0163】
I2.出力はインジケータを制御する、項目I1に記載のシステム。
【0164】
I3.出力は装置を制御する、項目I1に記載のシステム。
【0165】
I4.オシロスコープは、第1の出力記録長を有する第1の記録および第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するように動作可能であり、処理ユニットは、オシロスコープが処理ユニットによる処理のために処理ユニットに返すのが、出力記録長がより長い第1のフォーマットの第1の記録であるか、それとも出力記録長のより短い第2のフォーマットの第2の記録であるかに応答して、オシロスコープに1つまたは複数の通信を送信するように動作可能であり、処理ユニットは、第1の記録および第2の記録を処理するように動作可能である、項目I1に記載のシステム。
【0166】
I5.処理ユニットにより出力される出力に応答して、装置が、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、バイアス電圧パラメータ、およびRF電力パラメータのうちの1つまたは複数を調整するように動作可能である、項目I1に記載のシステム。
【0167】
J1.フォトニックチップであって、
基板と、
(a)入力波形を分散させる分散を有する第1の分散要素、(b)第1の分散要素の分散にマッチングした分散を有するポンプパルスを分散させるように構成された第2の分散要素、(c)出力波形を出力する導波管であって、導波管により出力される出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、四光波混合により入力波形およびポンプパルスを結合するように構成された導波管、の要素を有するデバイス構造と、
を備え、
第1の分散要素、第2の分散要素、および導波管のそれぞれは、基板の上に配置された導波管材料をエッチングすることにより形成される、フォトニックチップ。
【0168】
J2.デバイス構造は、出力波形の検出に使用される検出器部分をさらに備え、検出器部分は、導波管材料をエッチングすることにより形成される、項目J1に記載のフォトニックチップ。
【0169】
J3.デバイス構造は、出力波形を検出する検出器をさらに備え、検出器の第1の部分は、導波管材料をエッチングすることにより形成され、検出器の第2の部分は、感光性半導体材料をエッチングすることにより形成され、感光性半導体材料は、導波管材料の近傍に配置される、項目J2に記載のフォトニックチップ。
【0170】
J4.デバイス構造は、格子および光検出器アレイを有し、出力波形を検出する分光計をさらに備え、格子は導波管材料をエッチングすることにより形成され、光検出器アレイは感光性半導体材料をエッチングすることにより形成され、感光性半導体材料は、導波管材料の近傍に配置される、項目J1に記載のフォトニックチップ。
【0171】
J5.デバイス構造は、出力波形を分散させる出力分散要素をさらに備え、出力分散要素は、導波管材料をエッチングすることにより形成される、項目J1に記載のフォトニックチップ。
【0172】
J6.デバイス構造は、入力波形を表す電気信号記録を出力する電気信号出力および出力波形を出力する光学出力を内部に画定する、項目H1に記載のフォトニックチップ。
【0173】
J7.デバイス構造は、入力波形を入力するための第1の光学入力と、ポンプパルスを入力するための第2の光学入力と、光学出力および電気信号出力からなる群から選択される少なくとも1つの出力とを内部に画定する、項目H1に記載のフォトニックチップ。
【0174】
本発明についていくつかの特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の真の主旨および範囲は、本明細書によりサポート可能な特許請求の範囲に関してのみ決定されるべきであることが理解される。さらに、システム、装置、および方法が特定の数の要素を有するものとして説明される、本明細書におけるいくつかの場合において、そのようなシステム、装置、および方法を、言及された特定の数よりも少数の要素を使用して実施してもよいことが理解される。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、2008年10月14日に出願された「Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscope」という名称の米国仮特許出願第61/105,217号明細書の優先権を主張するものであり、この仮特許出願を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、一般に光学装置に関し、特に位相シフトを入力波形に対して付与する光学装置に関する。
【背景技法】
【0003】
より高速の通信データレートの実現ならびに超高速化学反応および超高速物理反応に対する関心の拡大に伴い、サブピコ秒の分解能で光学波形を単純に測定できる技法を開発することが重要になった。高速光検出器を有する先端技術のオシロスコープは、30ps分解能でシングルショットでの波形測定を提供する。マルチショットサンプリング技法は、数ピコ秒分解能を達成可能であるが、時間的に高速に変化する事象、非同期事象、または発生回数が1回のみである可能性のある事象を解析するためには、シングルショット測定が必要である。シングルショット分解能のさらなる改良は、マイクロエレクトロニクスの帯域幅制限により難題である。これら制限を解消するために、研究者は、フォトニクスにより可能になる大きな処理帯域幅により、全光学技法に目を向けた。これは、標準電子工学プラットフォームへのフォトニクスの統合に対する関心の高まりを生み、これは、シリコンフォトニクスの分野を発生させ、次世代コンピュータ処理ユニットの可能性および高帯域幅通信の進歩を約束した。数フェムト秒精度で光学波形を測定するいくつかの確立された非線形光学技法が存在するが、シングルショット記録長は数十ピコ秒に制限され、更新レートが制限される。
【0004】
時間イメージング装置の位相シフトは通常、電子光学位相変調器を使用して適用されるが、和周波数生成および差周波数生成等のパラメトリック非線形光波混合プロセスを使用することにより、代替の方式を実現することができる。この後者の技法は、パラメトリック時間イメージングと呼ばれ、線形チャープポンプと光波混合して、線形周波数チャープを有する信号波形と略同等であるか、または時間レンズに必要な2次位相シフトと同等である変換波形をもたらすことからなる。パラメトリック時間レンズは、100πを超える位相シフトを有し、これは、電子光学位相変調器を使用した場合に可能な最大位相シフト10πよりもはるかに大きく、したがって、時間イメージングシステムの用途を大きく広げる。和周波数生成および差周波数生成の2次非線形プロセスを使用することの欠点は、狭い範囲の材料しか2次非線形モーメントを有さず、変換波形が本質的に、ポンプまたは入力信号の波長とは広く異なる波長で生成されることである。差周波数生成を使用する時間拡大に基づく波形測定は、900fs未満の分解能かつ同時に100psという記録長での超高速波形のシングルショット測定を含め、有望な結果をもたらした。電子光学変調を使用する時間−周波数変換に基づく波形測定は、マルチショット平均化を使用して31ps記録長にわたって分解能3psを実証した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら分野、例えば、通信でのシリコンフォトニクスの成功のために、光学性能モニタリングのためのオンチップ光学信号処理が極めて重要であることが証明されるであろう。次世代通信を超えて、シリコン互換性超高速計測学が、超高速測定技法が生み出し続ける科学的影響から明らかなように、多くの基礎研究分野にとってかなり有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、位相シフトを入力波形に対して付与し、変換波形を出力する装置および方法が説明される。一実施形態では、位相シフトは、入力波形とポンプパルスとの四光波混合(four wave mixing)により提供することができる。一実施形態では、入力波形の高分解能時間領域表現を生成する装置および方法であって、入力波形を分散させて、分散入力波形を生成すること、所望の入力波形と分散ポンプパルスとを結合して、変換波形を生成することにより、分散入力波形に四光波混合を受けさせること、および変換波形を検出ユニットに提示することを含む装置および方法が説明される。一実施形態では、検出ユニットは、変換波形を記録し、入力波形を表す記録を出力する分光計(スペクトル解析器)を含むことができる。
【0007】
本明細書において説明される特徴は、後述する図面を参照してよりよく理解することができる。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、一定の縮尺に代えて一般に、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。図面中、同様の番号は、様々な図を通して同様の部分を示すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】レンズのフーリエ変換特性の利用を示す図である。
【図1B】オシロスコープの図である。
【図2】オシロスコープを使用した場合の記録出力の分解能および記録長を特徴付ける図である。
【図3A】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図3B】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図3C】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図3D】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【図4】一実施形態でのオシロスコープの図である。
【図5】複数の出力を有するオシロスコープの図である。
【図6】複数の出力を有するオシロスコープの図である。
【図7】ユーザインタフェースを有するシステム内に組み込まれた、複数の出力を有するオシロスコープの図である。
【図8】オシロスコープを組み込んだシステムの図である。
【図9】オシロスコープを組み込んだシステムの図である。
【図10】内部に組み込まれたオシロスコープを有するフォトニックチップの概略断面図である。
【図11】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図12】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図13】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図14】フォトニックチップを組み立てる例示的な方法を示す図である。
【図15】オシロスコープを組み込んだフォトニックチップの装置構造の上面図である。
【図16】一実施形態でのオシロスコープの図である。
【図17】図17Aはレンズのフーリエ変換特性の利用を示す図である。図17Bはオシロスコープの図である。
【図18】オシロスコープを使用した場合の記録出力の分解能および記録長を特徴付ける図である。
【図19】相互相関器を使用して測定された波形(右図)と比較したオシロスコープの同じ波形の出力波形(左図)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
電子測定とこれら方法、例えば、相互相関周波数分解光ゲート法(cross-correlations frequency resolved optical gating)および直接電場再構築のためのスペクトル位相干渉法との間の時間領域を橋渡し、高速更新可能な光学検出を可能にするために、電磁波および関連する現象の空間−時間双対性(duality)を使用する技法が開発された。この双対性は、空間場の回折伝播を支配する近軸波動方程式と、時間場の分散伝播を支配するスカラー波動方程式とが等しいことに依存している。この双対性は、レンズまたはプリズム等の空間光学構成要素が、時間場に対して2次または1次のそれぞれの時間位相シフトを付与することにより実施可能な時間レンズまたは時間プリズムとして知られる時間的な対応物を有することを暗示する。さらに、これら構成要素により、波形の時間イメージング等の、空間的な対応物と同様の方法での時間処理が可能である。
【0010】
空間−時間双対性を使用する2つの方法を適用して、超高速光学波形を測定することができる。空間レンズ(spatial lens)がイメージを拡大できるのと同じように、時間レンズ(temporal lens)は超高速波形を時間的に長くすることができ、拡大なしの波形では不十分な時間分解能を有する光検出器およびオシロスコープを使用して測定できるようにする。この技法は時間拡大として既知である。
【0011】
第2の測定方法はレンズのフーリエ特性を利用する−レンズの前焦点面に位置決めされた物体は、後焦点面に物体のフーリエ変換を生み出す(図1A)。時間波形のフーリエ変換は光学スペクトルであるため、空間フーリエプロセッサを時間領域に拡張することにより、入力の時間(スペクトル)プロファイルを出力のスペクトル(時間)プロファイルに変換する装置がもたらされる(図1B)。したがって、フーリエ面においてスペクトルを直接測定することにより、入射波形の時間振幅がもたらされ、このプロセスは時間−周波数変換と呼ばれる。
【0012】
実施例1
本明細書において、四光波混合(FWM)の3次非線形プロセスに基づくパラメトリック時間レンズ(parametric time-lens)が実証されると共に、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープ(optical oscilloscope)の作成へのこの時間レンズの適用がさらに実証される。本発明による装置は、3次カー非線形性に基づくため、FWMに基づく時間レンズは、本明細書において使用されるCMOS互換性シリコンオンインシュレータ(SOI)フォトニックプラットフォームを含め、任意の材料プラットフォームで実施することができる。この時間レンズの出力は、ポンプおよび入力波の波長に近い波長で生成され、相互作用するすべての波をS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にすることができ、それにより、例えば、これら帯で利用可能な明確に確立された機器および構成要素を使用してすべての波を処理することが可能である。本発明による装置を使用して、100psよりも長い記録長にわたって220fs分解能でかなり複雑な波形の測定が実行される。この220fs分解能と100psよりも長い記録長との組み合わせは、ピコ秒時間範囲であらゆるシングルショット可能な波形測定技法の最大の記録長対分解能比(>450)を表す。さらに、直接電場再構築のための周波数分解光ゲート法およびスペクトル位相干渉法等の一般に使用される技法と異なり、本発明の実施態様は、再構築アルゴリズムを使用せずに時間振幅プロファイルを直接測定し、高速更新可能なシングルショット測定が可能である。
【0013】
様々な入力波形を使用して、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの性能をテストする。各入力波形は装置に入り、一定長の光ファイバからなる分散要素を通過する。FWM時間レンズの焦点距離に合うように、入力波は、分散長が2倍の光ファイバを通過したポンプパルスと混合される。光ファイバを通過した後、ポンプパルスおよびテスト波形が結合され、FWMがSOIナノ導波管(nanowaveguide)内で実行される。これらシリコン構造の強力な光閉じ込めにより、高度に効率的な非線形プロセスが可能であると共に、広いポンプ調整可能性を有して150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらすことができる操作可能な群速度分散が可能である。光学分光計を使用して、その結果生成されるFWM生成のスペクトルを測定して、入力の時間プロファイルが特定される。
[実施例1の終了]
【0014】
図1Aおよび図1Bを参照して、シリコンに基づく超高速光オシロスコープを説明する。超高速オシロスコープは、シリコンチップ上の四光波混合に基づくパラメトリック時間レンズを使用して実施される。図1Aを参照して、空間光学フーリエ変換プロセッサを示す。空間レンズは、示される2焦点距離構成を使用して入力波形をフーリエ変換したものを生成することができる。図1Bを参照して、時間光学フーリエ変換プロセッサを示す。時間レンズは、入力の時間プロファイルを出力のスペクトルプロファイルに変換することができる。FWM時間レンズの場合、焦点距離(D)は、ポンプパルスが通過する光ファイバの分散長(2D)の半分である。次に、単にプロセッサの出力のスペクトルを測定することにより、シングルショット時間測定を実行することができる。
【0015】
ポンプパルス帯域幅および分散路の長さが、オシロスコープの記録長および分解能を決める。FWMに基づく変換器の時間−周波数変換係数は、
【数1】
により与えられ、式中、Δtは入力信号の時間シフトであり、Δωは結果として生じるスペクトルシフトであり、β2は群速度分散パラメータであり、Lは分散信号路の長さである。本発明によるシステムでは、この関係は、5.2psの時間位置シフトで1nmの変換波長シフトがもたらされる。FWMを使用して、ポンプ帯域幅の2倍にわたる狭帯域信号を変換することができ、これは、FWMに基づくオシロスコープのおおよその記録長τRECORD:
【数2】
をもたらし、式中、Ωpumpはポンプパルスのスペクトル帯域幅である。オシロスコープの分解能は、機器システムを通しての時間デルタ関数の伝達を考慮することにより予測される。このインパルス応答は精密に機器の時間分解能τresolutionであり、
【数3】
により与えられ、式中、τpumpはポンプパルス幅である。本発明によるシステムの場合、これら関係は、記録長150psおよび分解能200fsを予測する。実際には、ポンプと信号との分離およびFWM変換帯域幅により、記録長が制限されることになる。3次分散に起因するようなポンプパルスでの2次位相からの逸脱、FWM変換帯域幅、および分光計のスペクトル分解能によっても、時間分解能が決まる。FWM変換帯域幅は記録長および分解能の両方を制限するため、この値を最大にすることが重要である。本発明の実施態様に使用されるシリコン導波管(waveguide)は、3次分散および分光計性能に起因する収差によってのみ制限される超高速光オシロスコープの実行を可能にするために十分に大きな変換帯域幅(>150nm)を有する。
【0016】
実施例2
342fsパルスを注入し、その時間位置を変更することにより、本発明によるシステムの記録長および分解能を実験的に特徴付ける。図2に示されるように、100psの記録長にわたってパルス位置を測定することが可能である。FWMに基づくオシロスコープの分解能を特徴付けるために、装置の記録長にわたるこのパルスの平均観測幅からの時間分解能をデコンボリューションする。平均パルス幅407fsを測定し、これは、実際のパルス幅342fsと比較された場合、本発明の実施態様での時間分解能220fsを示す。
【0017】
図2を参照して、超高速オシロスコープの記録長および分解能の特徴付けについての図を説明する。342fsパルスは、記録長100psを実証するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して時間的に走査され測定される。オシロスコープにより観測されるように、この走査範囲にわたる342fsパルスの平均幅は407fsであり、220fs.a.u.(arbitrary units(任意の単位))のデコンボリューション後分解能を示す。各色(陰影)は、パルスが走査される際の別個の測定を表す。
【0018】
実施例3
シリコンに基づく超高速光オシロスコープを実験的に特徴付けるために、超高速ファイバレーザまたは光学パラメトリック発振器からポンプおよび入力波を生成する。パルス列は、280fsポンプパルスおよび信号パルスにスペクトル的に分けられる。各入力波形は、オシロスコープに入り、50m長の分散補償ファイバからなる分散要素を通過し、100m長の分散補償ファイバを通過したポンプパルスと混合される。図3a〜図3cのテスト波形は、非線形スペクトル拡張、分散、および干渉の組み合わせを使用して生成された。1.5cm長のシリコンナノ導波管は、断面サイズ300nm×750nm、線形伝播損失1.5dB/cm、および結合効率3dBを有する。マルチショット測定の場合、FWM光学スペクトルは、光学スペクトル解析器を使用して特徴付けられる。シングルショット実証の場合、シングルショット分光計が、モノクロメータおよび赤外線カメラを使用して実施され、単一の事象がフレーム毎に作成される。
【0019】
レーザ源に関して、使用される超高速ファイバレーザは、38MHz繰り返し数で80fsパルスを生成する。使用される光学パラメトリック発振器は、76MHz繰り返し数で150fsパルスを生成する。ポンプパルスは280fsパルスであり、1,550nmを中心とした帯域幅150nmを有する。図3A〜図3Dのテスト波形は、1,580nmを中心とした可変帯域幅信号パルスから生成される。光ファイバに関して、標準のシングルモードファイバ(Corning型番:SMF−28)の12分の1の分散勾配を有するため、分散補償ファイバ(Corning型番:DCM−D−080−04)の使用を選択する。このように3次分散が小さいことにより、レンズ収差が低減し、実験的に、SMF−28を使用する同等のシステムと比較して時間分解能が2倍に向上することが分かった。分散補償ファイバを通過した後、15nm帯域幅ポンプパルスは、エルビウムドープファイバ増幅器を使用して増幅され、続けてFWMがCMOS互換性埋め込みSOIナノ導波管内で実行される。テスト波形に関して、図3Aのテスト波形は、エルビウムドープファイバ増幅器内で信号パルスを増幅し、増幅器内で非線形スペクトル拡張を誘導することにより生成される。スペクトル拡張パルスは続けて、20m長の光ファイバを通過する。図3Bのテスト波形は、50mの光ファイバおよびマイケルソン干渉計を使用して2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成される。図3Cのテスト波形は、9.6GHzの繰り返し数を有する時間レンズ圧縮レーザ源を36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより生成される。9.6GHz源のパルス幅は、時間レンズ圧縮器に使用される位相変調器に送られる電気正弦波の大きさにより決まる。図3dのテスト波形は、50mのSMF−28を使用して300fsパルスをチャープさせ、マイケルソン干渉計を使用して2つのパルスに分割するうことにより生成される。次に、干渉計の遅延ステージを使用して、パルスの分離を調整することができる。シリコン導波管に関して、シリコン導波管の寸法は、零群速度分散点をC通信帯内に位置決めすることにより、変換帯域幅を増大にするように選択された。ナノ導波管内部のピーク光パワーは、シリコン内での自己位相変調および2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために、100mW未満に維持される。シングルショット測定に関して、単一の事象が、シングルショット分光計のフレーム毎に生成される。38MHz源は、1つのみのパルスが、カメラの積分時間に対応する0.5ms毎に生成され、したがって、カメラ画像毎にシングルショットが生成されるように、電子光学変調器を使用してダウンサンプリングされる。
【0020】
様々な複雑性のテスト波形を生成することにより、シリコンチップに基づくオシロスコープの測定性能をさらに調べる。第1に、450fs分解能および100ps記録長を示す超高速光オシロスコープを使用して、非線形スペクトル拡張および分散を受けたパルスを測定する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこのパルスの測定は、図3Aに示される。900fs時間特徴を有する120ps波形を生成することにより、さらに複雑性の高い光学波形を測定する。分解能220fsを有するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して、この波形を測定する。この測定の結果および相互相関との比較は、図3Bに示される。
【0021】
図3Aおよび図3Bのテスト波形は、ポンプパルスと同じレーザ源から導出される。超高速光オシロスコープが、9.6GHzの繰り返し数を有する可変パルス幅時間レンズ圧縮レーザ源を、36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより、別個のソースからの波形の測定の実行にも使用可能なことを実証する。分解能220fsを有する装置を使用して、30mWピーク電力を有する30psパルスを150mWピーク電力を有する6psパルスに圧縮することを観測することにより、9.6GHz源のパルス幅を最適化する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこの最適化の結果は、図3Cに示される。
【0022】
最後に、シングルショット分光計を組み込むことにより、装置のシングルショット性能を実証する。86ps、27psという時間的に隔たりを有し、時間的におおよそ重なった2つのパルスで構成される3つのシングルショット光学波形を測定する。マルチショット相互相関と比較したこれらシングルショット測定の結果は、図3dに示される。86psの隔たりにより示されるように、100ps記録長が維持される。パルスが重なる場合、3ps期間を有する時間干渉縞が観測される。この実施態様では、時間分解能は、赤外線カメラにより、ピクセル当たり766fsに制限され、すなわち、記録長対分解能比が130に制限される。1,000ピクセルを超える高ダイナミックレンジ線形アレイが市販されており、本発明による装置の完全な記録長対分解能比(>450)を利用することが可能である。
【0023】
図3A〜図3Cに関して、超高速オシロスコープおよび相互相関器を使用する測定の比較を示す。図3Aに関して、エルビウムドープファイバ増幅器内での非線形スペクトル拡張を通して生成され、続けて20mのシングルモード光ファイバを伝播した30psパルスの測定を示す。図3Bに関して、2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成された複雑性の高い波形の測定を示す。差し込み図に関して、60psから70psまでの10ps時間領域の拡大図を示す。図3Cに関して、様々なパルス持続時間で動作する別個の超高速パルスレーザ源の測定を示す。シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープが使用されて、レーザ源内の電子光学変調器への電圧を変更することにより、リアルタイムでこのソースから発せられるパルス幅が最小化される。図3Dに関して、マルチショット相互相関と比較した、様々な時間的隔たりを有する2つのチャープパルスのシングルショット測定を示す。パルスが時間的に重なる場合、干渉縞が時間領域において観測される。
【0024】
測定のすべてにおいて、本発明によるシリコンに基づく超高速光オシロスコープと280fsパルスを有する相互相関との間に良好な一致が観測される。それにも関わらず、特に波形およびポンプパルスがオシロスコープと比較して相互相関器に到着する時間を同期させるために使用される光ファイバの長さがわずかに異なる(3m未満の違い)ことに起因するいくらかの逸脱が観測される。さらなる不一致はおそらく、FWM時間レンズ内でのポンプパルス不完全性による。最適な性能のために、ポンプパルスに対して明確で均一なスペクトル振幅および位相を得ることに注意を払わなければならない。さらに、分解能は最終的に、分散要素内の3次分散から生じる収差により制限される。分散平坦化ファイバまたは分散が操作された導波管を分散路に使用することにより、この収差は軽減され、サブ100fsポンプパルスを使用することにより、サブ100fs分解能に向けての道を提供する。
【0025】
ここで、シリコンチップ上での四光波混合という非線形プロセスを介して時間−周波数変換を使用して、シリコンフォトニックプラットフォーム内での波形測定技術を実証する。100psを超える長さにわたって220fs分解能で光学波形を測定し、これは、任意のシングルショット可能なピコ秒波形測定技法の最大の記録長対分解能比(>450)を表す。本発明による実施態様では、シングルショット測定が可能であり、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)互換性シリコンオンインシュレータ技術およびシングルモード光ファイバという高度に開発された電子材料および光学材料のみが使用される。成熟したシリコンオンインシュレータプラットフォームおよび電子工学とこれらCMOS互換性フォトニクスとを統合する能力は、この技術を一般的な卓上機器およびチップスケール機器に拡張する大きな約束を提供する。
[実施例3の終了]
【0026】
この測定システムの構成要素は潜在的に、その全体をオンチップに集積することができる。特に、パルスレーザ源、分散路の低損失分散操作された導波管、ならびに一体化されたシングルショット分光計および検出器の集積は、シリコンフォトニクスでの現在のすべての研究分野にある。さらに、FWM時間レンズの柔軟性およびナノ導波管内で利用可能な分散操作は、窒化ケイ素(SiN)およびオキシ窒化ケイ素(SiON)等の他のCMOS互換性導波管材料を使用することにより、この技法を異なる波長体制(例えば、可視)に簡単に拡張できるようにする。さらに、任意の繰り返し数のソースを測定するために本発明によるオシロスコープを使用するには、繰り返し数柔軟性を有する超高速ポンプレーザが必要であり、例えば、時間レンズ圧縮源を使用して実施することができる。興味深いことに、シングルショット性能により、単一の光学事象の測定のみならず、光学クロックと同期した場合、通信信号の多くのシングルショット測定をオーバーレイすることにより、「アイダイアグラム」の測定も可能である。通信を超えて、集積測定装置は、光学波形の単純な超高速測定が必要とされる多くの科学分野での研究に役立つ。
【0027】
最終的に、シングルショット測定のダイナミックレンジは、自己位相変調および自由キャリア生成を回避しながらシリコンナノ導波管内で許される最大電力ならびにピクセル毎の検出可能な最小電力により制限される。これら制約は、時間レンズの信号ピーク電力範囲を100μW〜100mWに制限するはずであり、これはダイナミックレンジ103に対応する。狭い時間特徴はレンズ前の分散伝播中に拡散し、したがって、レンズでのピーク電力がかなり低くなるため、超高速光オシロスコープへの最大電力は特徴の幅に依存する。分解能が制限された時間特徴が考慮される場合、40Wピーク電力が可能であり、これはダイナミックレンジ105に対応する。さらに、検出可能な最小電力は所望のシングルショット分解能に依存するが、最大電力は所望のシングルショット分解能に依存しないため、このシステムでは、分解能が低いほど、高いダイナミックレンジ測定が可能である。
【0028】
入力波形およびポンプパルスを分散させるマッチングしない分散要素の使用が、いくつかの実施形態では有利であると考えられるが、入力波形を分散させる分散要素の分散とポンプパルスを分散させる分散要素の分散とのマッチングは、特定の利点を提供する。分散が本明細書において説明されるようにマッチングするように分散要素を構成することにより、入力波形は2次位相シフトの場所から1焦点距離のところで注入され、出力波形は、入力波形をフーリエ変換したものを含むことになる。したがって、出力波形のスペクトルは、入力波形の時間形状を表す。入力波形のスペクトルを含む出力波形を使用して、出力分散量に関わりなく、分光計で出力波形を測定することにより、入力波形の時間パターン表現をもたらすことができる。したがって、一実施形態では、分光計を使用して、出力分散要素なしで入力波形を表す出力を検出することができ、それにより、サイズおよびコストの利点がもたらされる。
【0029】
一実施形態でのオシロスコープが図4に示される。図4の実施形態では、オシロスコープ100は、第1の分散要素120および第2の分散要素140を含む。第1の分散要素120は、第2の分散要素140の分散が第1の分散要素120の分散と2:1の比を有するように分散要素を構成することにより、第2の分散要素140とマッチングするように構成することができる。第1の分散要素120および第2の分散要素140の出力は、例えば、フォトニック導波管(例えば、半導体導波管)の形態の光学要素200に組み合わせることができ、フォトニック導波管内では、第1の分散要素120により分散した入力波形50および第2の分散要素140により分散したポンプパルス70が、四光波混合により結合されて、出力波形が出力される。別の実施形態では、第1の分散要素120および第2の分散要素140は、第2の分散要素140の分散と1:1の比を有するように第1の分散要素120の分散を提供し、四光波混合プロセスに第3の連続波または略連続波を組み込むことによりマッチングすることができる。
【0030】
分光計を備えた検出ユニット300を設けて、出力波形のスペクトルを検出することができる。出力波形のスペクトルは、入力波形の時間プロファイルを含むため、検出ユニット300が設けられる場合、検分光計により提供される検出ユニット300は、入力波形の時間プロファイル表現を出力することができる。入力波形の時間プロファイルは、出力波形のスペクトルを測定することにより生成することができるため、出力分散要素の分散は、任意であることができ、一実施形態では、分光計の検出ユニット300を光学要素200の出力に実質的に直接組み合わせて(直結される実施形態を含む)、出力波形のスペクトルを測定し、ひいては、入力波形の時間形状表現を生成することができる。図4に示される実施形態では、分光計により提供される測定ユニット300は、光学要素200と検出ユニット300との間に分散要素が介在せずに、四光波混合が行われる半導体導波管により提供される光学要素200に組み合わせられる。分光計をフォトニック導波管に実質的に直接組み合わせることにより、出力分散が低減し、したがって、出力分散要素を設けることができる代替の設計と比較して、オシロスコープ100のサイズが低減する。図4の実施形態では、第1および第2の分散要素120、140は、例えば、集積フォトニック導波管(例えば、半導体導波管)、光ファイバ、導波管内のチャープブラッグ格子、自由空間格子、プリズム等により提供することができる。
【0031】
図5を参照して、オシロスコープ100の検出ユニット300が分光計302および光検出器304の両方を含む実施形態が示される。第1の分散要素120、第2の分散要素140、および光学要素200は、図4に関連して説明したように提供することができ、光検出器304を組み合わせることができる出力分散要素400を提供することができる。分光計302を提供して、光学要素200により出力される出力波形のスペクトルを検出することにより、入力波形の時間プロファイルを測定することができる。光検出器304を使用して、入力波形の時間形状を直接測定することができる。分光計302は、分散要素400の前に四光波混合光学要素200の出力に直結されて示されるが、原理上、長さに沿った任意のポイントで出力分散要素400に組み合わせることができる。分光計304を四光波混合光学要素200の出力に組み合わせることにより、分散要素400を伝播する結果として生じ得る損失が回避されるため、測定信号の強度が向上する。別の実施形態では、オシロスコープ100は、四光波混合以外のプロセスにより入力波形に位相シフトを受けさせるように動作可能である。分光計302に関して、一実施形態での分光計302は、スペクトルフィルタを含むことができ、出力波形のスペクトル内の波長帯を検出するように動作できる。
【0032】
分光計302および光検出器304に関して、いくつかの実施形態での分光計302が、比較的弱い信号を検出する場合に有利であり得る。光検出器304に関して、光検出器304は、波形を高速サンプリングする場合に有利であり得、より高い倍率Mで毎秒当たり追加の測定が可能であり、表現される信号Rが、間隔のより狭い時間特徴を有する場合、光検出器を使用する場合の記録出力は、離間された時間特徴を重複した特徴として表現して、オシロスコープの出力記録長を制限する恐れがある。記録が分光計を使用して出力される場合、出力記録長は一般に、式2に付与される機器記録長により制限される。データ記録の出力に分光計を使用することにより、光検出器を使用して提供される出力記録長と比較して出力記録長を増大させることができるため、間隔が比較的狭い時間特徴を有する複雑な信号がある用途では、分光計が有利であり得る。したがって、分光計302および光検出器304の両方を設けることにより、広範囲の用途での入力波形の出力記録表現の生成が最適化される。
【0033】
出力分散要素400の群速度分散が、入力分散要素の群速度分散よりも十分に大きく、入力分散要素がポンプ分散要素に適宜マッチングされる場合、本明細書において説明するオシロスコープ100に入力される入力波形の拡大は、倍率
M=doLo/diLi=Do/Di 式4
により与えられ、式中、doは出力分散要素の単位長当たりの群速度分散であり、diは入力分散要素の群速度分散であり、Loは出力分散要素の長さであり、Liは入力分散要素の長さであり、Doは群速度出力分散であり、Diは群速度入力分散である。出力波形の時間幅は、出力分散要素の分散を制御することにより制御することができる。オシロスコープ100の開発において、光学要素200および分散ポンプパルスにより形成される時間レンズが、入力波形が2次位相シフトの場所から1焦点距離のところで入力された場合、倍率を決定する出力分散量に関係なく、入力波形の表現が出力波形内に含まれるという点で空間レンズのように動作することが決定された。
【0034】
入力波形の表現を生成するに当たり、表現される波形の出力分解能は、検出ユニット300の測定分解能により制限され得る。例えば、所与の光検出器304は一般に、測定分解能限界ResMを有する。場合によっては、オシロスコープ100の出力分解能は、測定分解能により制限され得る。しかし、検出ユニット300の測定分解能が小さくなる(理想的になる)につれて、オシロスコープ100の出力分解能は、本明細書において説明したように、τresolutionによってのみ制限され得ることが分かる。パラメータτresolutionは、オシロスコープ100の機器分解能としてみなすことができる。一般に、
【数4】
の場合、オシロスコープ100の出力分解能は、測定分解能限界により制限される。
【数5】
の場合、オシロスコープ100の出力分解能は、測定分解能限界が出力分解能を制限しないように、機器分解能により制限される。
出力分解能が機器分解能により制限されるようにオシロスコープ100を構成することが有利であり得る。式6を参照すると、倍率Mを調整することにより、任意の光検出器(分解能があまり良くない光検出器であっても)を使用して、そのような構成を達成可能なことが分かる。倍率の調整は、より大きな出力分散Doを有する出力分散要素を選択することにより達成することができる。
【0035】
特定の実施形態では、オシロスコープ100の出力分散要素400の分散は、ResM/Mの値がτresolutionとおおよそ等しいか、またはτresolution未満になり、それにより、出力分解能が機器分解能により制限されるように選択することができる。ResM/Mがτresolutionにおおよそ等しくなるように、出力分散を選択することにより、余分な分散材料の使用に起因するコスト消費を回避しながら、出力分解能を機器分解能により制限できる。
【0036】
式3および式6を考慮に入れて、オシロスコープ100の出力分散要素が、条件
【数6】
を満たすように選択される場合、オシロスコープ100の出力分解能は、機器分解能によってのみ有利に制限することができ、ResM/Mがτpump/2におおよそ等しい場合、分散材料の使用を経済的にすることができる。
【0037】
図6のオシロスコープを参照すると、オシロスコープ100は、異なる出力分散Doをそれぞれ有する複数の出力分散要素400、401、402を含むことができる。オシロスコープ100は、各分散要素に関連付けられた異なる光検出器304をさらに有することができる。様々な分散要素400、401、402に関連付けられた異なる分散により、各出力分散要素400、401、402に関連付けられた倍率および出力波形時間幅は異なる。
【0038】
出力分解能が検出ユニット300の測定分解能により制限されないように装置100の倍率Mを確立することが、有利であり得ることを上述した。出力分解能が検出ユニット300の測定分解能限界により制限されるように倍率Mを確立することも有利であり得る。倍率Mが大きいほど、よりよい出力分解能に繋がり得るが、光検出器がデータ記録の出力に利用されるオシロスコープ100の出力記録長は、倍率が大きいほど短くなる傾向を有する。倍率Mが高いほど、離間されているが間隔が狭いパルスが、光検出器304を使用して出力される出力データ記録において重複パルスとして誤って表現される恐れがある。
【0039】
逆に、倍率Mが低くなるにつれて、光検出器を使用して検出される出力データ記録を有するオシロスコープ100の出力記録長は増大でき、式2により与えられる機器記録長によってのみ制限されることになり得る。比較的長い出力記録長を提供することにより、重要な利点をもたらすことができる。例えば、ガウスパルスを使用して符号化された符号化ビットセットが、解析中の場合、記録長が長ければ、解析を受けることができる一続きのパルスが増大し、それにより、より大きなサンプルを必要とする種類の解析が可能になる。
【0040】
図7に示されるように、システム1000内に組み込まれたオシロスコープ100を参照すると、オシロスコープ100は、複数の出力分散要素400、401、402、および光学要素200の出力に組み合わせて、分散要素400、401、402のうちの1つを選択すると共に、分光302に組み合わされたスイッチ501を含む。光検出器304は、各分散要素400、401、402に組み合わせることができる。スイッチ501は、図5の実施形態において説明したように、光学要素200の出力を分光計302に組み合わせるように動作できる。制御アクチュエータおよびインジケータ、例えば、電子ディスプレイを有するユーザインタフェース510は、ユーザインタフェース(UI)510を使用しての操作により、コマンドを入力できるようにスイッチ100に組み合わせることができる。
【0041】
オシロスコープ100は、ユーザインタフェース510を利用して入力された1つまたは複数のコマンドの入力により、オペレータが、出力データ記録の出力フォーマットを変更できるようにするように動作できる。オシロスコープ100は、分光計302および各光検出器304に組み合わせられたマルチプレクサ512を含むことができる。マルチプレクサ512は、スイッチ501の状態に基づいて、光検出器304または分光計302のうちの適切な1つにより出力された出力データ記録をユーザインタフェース510に組み合わせるように動作できる。図7の構成は、複数の分散要素を通しての組み合わせによる信号損失量を低減する。図7の実施形態でのオシロスコープ100は、データ記録の出力にアクティブであるのが分光計302であるか、またはいずれの光検出器304であるかに応じて、異なる出力フォーマットでデータ記録を出力するように動作できる。
【0042】
一実施形態では、オシロスコープ100のユーザインタフェース510を、図8および図9に関連して本明細書において説明するように、処理ユニット、例えば、処理ユニット710により実行できるプログラムアプリケーション等のアプリケーションインタフェース(AI)で置換できる。プログラムアプリケーションは、一例として、システムコントロールへの入力を決定するために処理ユニットにより実行されるプログラムアプリケーションが可能である。したがって、図7に示されるユーザインタフェース510は、アプリケーションインタフェースとの置換可能性を示すために、ラベルUI/AIを使用して参照される。システムコントロールのために、オシロスコープの出力がアプリケーションインタフェースに入力される例について、本明細書において図8および図9に関連して説明する。
【0043】
本明細書において説明されるオシロスコープが、少なくとも220fsの分解能および少なくとも100psの記録長を有する測定を記録できることを説明した。したがって、一連の出力パルスの場合、出力記録は複数のパルスの表現を含むことができる。
【0044】
本明細書において説明したように、オシロスコープ100は、時間プロファイルまたは入力パルスの表現を生成するように動作できる。オシロスコープ100を利用する用途について、図8を参照して説明する。
【0045】
本明細書における任意の実施形態において説明したオシロスコープ100を組み込んだシステム1000は、光学データ符号化ソース702および光ファイバ伝送線706を含むことができる。オシロスコープ1000は、データソース702に近い場所で伝送線710に組み合わせられ、データソースの出力における波形の表現を出力することができる。システム1000は、オシロスコープ100を利用して、データソース700により伝送中のデータの品質を特定するように動作できる。
【0046】
データソース702は、変調器および符号器を有する送信器を含むことができ、符号化データが所定の名目上の特徴(nominal characteristic)のセットを有する光学データを符号化するように動作できる。例えば、データソース702は、ビットストリームを符号化するように動作可能であり、ビットはパルスを使用して符号化され、一続きのパルスのうちの各パルスは、例えば、パルスの形状、幅、および振幅により示される所定の名目上のプロファイルを含む。オシロスコープ100は、一実施形態では、図7の実施形態に従って構成することができ、パルスのうちの1つまたは複数の時間プロファイル表現を含む記録を出力でき、システム1000は、複数の時間プロファイルを処理するように動作できる。
【0047】
オシロスコープ100を使用して出力された記録は、処理のために処理ユニット710に送信できる。処理ユニット710は、CPUベースにあり得、一続きのパルスの表現を処理して、一続きのパルスが、許容可能な許容誤差内で名目上のプロファイルを有するパルスを示す基準を満たすか否かを判断できる。そのような基準は、例えば、一続きのパルスにわたるパルスの幅、形状、または振幅の標準偏差が閾値を超えるか否かを含むことができる。一続きのパルスが名目上のプロファイルを示すか否かを判断するために、処理ユニット710は、一実施形態では、複数のパルス表現をオーバーレイすることによりアイダイアグラムを生成できる。処理ユニット710は、アイダイアグラムが所定の特徴を有する場合、データ符号化が満足のいくものであると判断できる。アイダイアグラムに関連して処理ユニット710により実行されるプロセスは、クリアなアイ図があるか否かを判断するための処理、励起比が閾値を超えるか否かを判断するための処理、「1」上のノイズレベルが閾値を超えるか否かを判断するための処理、タイミングジッタが閾値を超えるか否かを判断するための処理のうちの1つまたは複数を含むことができる。定量値、例えば、故障率曲線をそのようなアイダイアグラムから抽出できる。
【0048】
各データ品質の特定を実行する際に、処理ユニット710は、複数のパルス、例えば、一続きのパルスが一貫したプロファイルを有するか否かを判断するように動作可能である。上記アイダイアグラム処理は、データ品質のそのような評価特定に対して有用である。処理ユニット710は、単一のパルスまたは限られた数のパルスを評価して、単一のパルスまたは一続きのパルスが名目上の特徴を有するか否かを判断するようにも動作可能である。一般に、第1のタイプの処理(プロファイル一貫性についての解析)では、より大きな記録長を有する記録が有利である。第2のタイプの処理(単一または限られた数のパルス表現が、名目上のプロファイルからの逸脱について調べられる)では、より短い記録長、より高い出力分解能の記録が有利である。本明細書において説明される実施形態では、オシロスコープ100は、より長い記録長を有する1つの出力フォーマット、よりよい出力分解能を有する第2の出力フォーマットを含む複数の出力フォーマットで記録を出力するように動作可能である。一実施形態では、データ品質を評価する処理ユニット710は、オシロスコープ100が、記録長が長く、分解能が低い第1のフォーマットを有する第1の記録および出力記録長が短く、分解能が高い第2のフォーマットを有する第2の記録の両方を出力するように、1つまたは複数の通信をオシロスコープ100に送信するように動作可能である。処理ユニット710は、記録長が長く、出力分解能が低い第1の記録および記録長が短く、出力分解能がデータ品質評価実行および処理ユニットの出力の決定により最適な第2の記録のそれぞれを処理するように動作可能である。例えば、処理ユニット710は、本明細書において説明される第1のタイプの処理(プロファイル一貫性についての解析)に第1のフォーマットを有する記録を利用するように動作可能であり、第2のタイプの処理(名目上のプロファイルからの逸脱についての解析)に第2のフォーマットを有する記録を利用するようにさらに動作可能である。第1のタイプの処理(プロファイル一貫性についての解析)では、処理ユニット710は、分光計302を使用して出力された記録を利用できる。分光計302を使用して出力される記録は一般に、機器記録長に対応する比較的長い出力記録長を有する。
【0049】
処理ユニット710により実行される品質評価により、データが満足のいくものであることが示される場合、処理ユニット710により出力される出力は、データが満足のいくものであることを示す、インジケータ716への1つまたは複数の通信を含むことができる。処理ユニット710により、所定の基準が満たされないと判断された場合、処理ユニット710により出力される出力は、インジケータがデータの失敗を示すことになる、インジケータ716への1つまたは複数の通信トランザクションを含むことができる。処理ユニット710により、満足のいくデータ品質を示す基準が満たされないと判断された場合、処理ユニット710により出力される出力は、ソース702への1つまたは複数の通信を含むことができ、ソース702は、その1つまたは複数の通信に応答して、データソースの送信器を制御する1つまたは複数の制御パラメータを調整できる。そのような制御パラメータは、例えば、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、RF電力パラメータであり得る。
【0050】
これより図9のシステム1000を参照すると、1つまたは複数のオシロスコープ100、100’は、光学通信データ中継器750の近傍に動作的に配置することができ、光学通信データ中継器750は、受信器752およびリブロードキャスタ(rebroadcaster)754を備え、リブロードキャスタ754は、変調器および符号器を有する送信器を含むことができる。第1のオシロスコープ100は、受信器752の出力に組み合わせることができ、処理ユニット710に出力を送信するように構成できる。本明細書において説明されるオシロスコープ100の任意の実施形態により構成された第2のオシロスコープ100’は、受信器752の入力に組み合わせることができ、出力を処理ユニット710に送信するように動作可能である。リブロードキャスタ754により出力されるデータの品質を特定するために、処理ユニット710は、リブロードキャスタ754により出力されるデータを受信器752に入力されるデータと比較できる。そのような比較に応答して、処理ユニット710は、リブロードキャスタ754が送信器のどの動作パラメータを調整できるかに応答して、1つまたは複数の通信をリブロードキャスタ754に送信できる。そのような動作パラメータは、例えば、偏光パラメータ、バイアス電圧、RF電力パラメータを含むことができる。処理ユニット710は、データソース702により出力されるデータに関して、図10の例の処理ユニット710のように、リブロードキャスタ754により出力される光学データの品質評価を実行するようにも動作可能である。ソース702およびリブロードキャスタ754のそれぞれは、符号化データを送信する装置としてみなすことができる。処理ユニット710により、満足のいくデータ品質を示す基準が満たされないと判断される場合、処理ユニット710により出力される出力は、リブロードキャスタ754が、リブロードキャスタ754の送信器を制御する1つまたは複数のどの制御パラメータを調整できるかに応答して、リブロードキャスタ754に1つまたは複数の通信を含むことができる。そのような制御パラメータは、例えば、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、RF電力パラメータであり得る。
【0051】
一実施形態では、システム1000は、オシロスコープ100を含み、オシロスコープ100が、処理ユニット710により処理されるデータ記録を、開ループベースで変化する様々な記録フォーマットで出力するように動作可能である。別の実施形態では、システム1000は、処理ユニット710による処理のためにオシロスコープ100により出力される記録フォーマットが、閉ループベースで動的に変化するように、すなわち、記録フォーマットが前の記録の処理に応答できるように、動作可能である。一例では、処理ユニット710は、光検出器を利用して出力される第1のデータ記録を第1のフォーマットで処理できる。第1のデータ記録の処理の一環として、処理ユニット710は、第1の記録内で表現されるパルスの振幅を調べることができる。システム1000は、処理ユニット710により、パルス振幅が閾値未満であると判断された場合、処理ユニット710が、オシロスコープ100がオシロスコープの出力フォーマットを、分光計302を利用して出力される第2の記録出力フォーマットに変更できることに応答して、1つまたは複数の通信をオシロスコープ100に送信できるように動作可能である。次に、処理ユニット710は、第2の記録を利用して、本明細書において説明されるデータ品質評価処理を実行し、本明細書において説明される様式での処理に応答して、送信する装置、例えば、データソース700にフィードバックを提供できる(動作パラメータの調整に繋がる)。分光計304には、多くの場合、比較的弱い信号を感知するためにより良い感度およびより高い機能を有するという形での所与のコスト制約セットが提供され得るため、分光計を利用して出力される第2のフォーマットのデータ記録の処理は、データ処理の精度および確実性を向上させることができる。
【0052】
図10〜図15を参照して説明される実施形態では、オシロスコープ100の要素は、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)集積回路製造プロセスを利用することにより製造された(組み立てられた)チップスケール製品内に設けられて示される。フォトニックチップのいくつかの実施形態は半導体材料がなくてもよいが、それにも関わらず、CMOS集積回路の組み立てに一般的な製造ステップを利用できるため、製造方法はCMOS製造方法としてみなし得ることが理解される。
【0053】
図10〜図15の実施形態では、第1の分散要素120および第2の分散要素140は、CMOS組み立てプロセスにより組み立てられたフォトニック導波管により提供されて示される。図10〜図15の実施形態を参照して、かつ図15のデバイス構造上面図から分かるように、オシロスコープ100は、フォトニック導波管により提供される光学要素200を含むことができ、光学要素200上に、第1の分散要素120および第2の分散要素140を組み合わせることができる。第2の分散要素140の分散は、第1の分散要素120の分散とマッチングさせることができる。入力1202において入力される入力波形は、第1の分散要素120により分散させ、入力1402において入力され、第2の分散要素140により分散したポンプパルスと四光波混合により結合させることができる。
【0054】
図10〜図15に示されるオシロスコープの特定のフォトニックチップ実施形態に関して、オシロスコープ100は、交互になった絶縁体と半導体層を含むことができる。図10〜図15に示されるオシロスコープ100は、半導体基板602、絶縁層604、デバイス構造606、および絶縁層608を含むことができる。
【0055】
デバイス構造606に関して、デバイス構造606は1つまたは複数の層を備えることができる。デバイス構造606を形成する方法について、図11〜図15を参照して説明する。図11を参照して、シリコンSiの層6062を絶縁体SiO2の層602上に堆積させて、導波管材料を画定する。酸化物の薄い層6064を層6062上に堆積させることができる。ゲルマニウムGeまたは他の感光性半導体の層6066を層6064上に堆積させて、感光性材料を画定できる。層6066の感光性半導体材料は、検出すべき波長帯の光子を吸収し、光子を電子正孔対に変換することができ、電子孔対は電場をかけることにより取り出され、検出可能な電流を生成できる。
【0056】
オシロスコープ100を図11に示されるように部分的に製造した状態で、フォトレジストまたは電子ビームレジスト(例えば、フォトレジストまたは電子ビームレジスト)を層6066上に塗布し、組立体を放射エネルギーに露出させて、レジスタ内に素子を画定し、次に、リアクティブイオンエッチング(RIE)等のエッチングを使用して、パターンをレジストから素子材料に転写し、ゲルマニウム層6066が、複数の光検出器を画定する図12に示されるような外観を有するように、レジストが存在しないゲルマニウムの部分を除去することができる。
【0057】
組立体が図12に示されるような状態で、別のレジストを層6066および6064の露出部分に塗布し、放射エネルギーに露出させてシリコン素子を画定し、次に、RIE等のエッチングを使用して、酸化物層6064およびシリコンSi層6062の部分を除去することができる。結果として生成される組立体は、図13に示されるような形態を有することができ、層6062により画定されるのは、第1および第2の分散要素120、140を画定する第1の部分6067、四光波混合光学要素200を画定する第2の部分6068、ならびに分光計302の部分を画定する第3の部分6069である。
【0058】
組立体が図13に示されるような状態で、絶縁材料6061、例えば、SiO2を組立体上に堆積させて、図14に示されるような状態の新しい組立体を画定できる。絶縁材料6061を堆積させた後、図14に示されるような状態の組立体にレジストを塗布し、組立体を放射エネルギーに露出させ、絶縁材料6061を通り、ゲルマニウム層6066の残留部分により画定される画定された光検出器まで延びるバイア6063を画定できる。バイア6063には、導電体、例えば、金属を充填して、完成したフォトニックチップの外部にアクセス可能な電気接点6065(図10)を画定できる。電気接点6065(図10)は、電気信号出力を画定し、入力波形を表す電気信号を出力できる。デバイス構造606が完成した状態で、例えば、SiO2を含む絶縁層608を基板606の絶縁材料6061上に堆積させることができる。接点6065に関して、接点の数は、R=記録長/τresolutionの比率以上まで増大させ得、ここで、τresolutionはオシロスコープ100の機器分解能である。接点の数が比率R未満の場合、オシロスコープ100の出力分解能が分光計302の測定分解能限界により制限されることが分かる。酸化物層6064に関して、酸化物層が電気絶縁を提供することができる。
【0059】
図15を参照して、デバイス構造606の様々な要素を示す、図13により示される状態の組立体の上面図が示される。図15の上面図に見られるように、本明細書において説明されたエッチングプロセス(レジストを塗布し、光子または電子を含む放射エネルギーに露出して、レジスト層内に素子形状を画定し、次に、例えば、リアクティブイオンエッチング(RIE)によりエッチングして、レジスト層のパターンを素子材料に転写し、望ましくない材料をエッチングにより除去することを含む)により形成される半導体導波管によりそれぞれ画定される第1の分散要素120および第2の分散要素140が画定される。デバイス構造606内に、本明細書において説明されるエッチングプロセスにより形成される半導体導波管により画定される光学要素200も画定できる。層6062をエッチングして、様々な要素120、140、200を画定する際、様々な要素の寸法、ひいては分散は、本明細書において説明されるように制御を受けることができる。
【0060】
デバイス構造606に、特定の実施形態では、格子3022と光検出器アレイ3026との間に通信を提供する導波管アレイ3024と共に、光学要素200により出力される出力波形のスペクトルを分割する光学格子3022を含む検出ユニット、例えば、分光計302またはその部分をさらに画定できる。格子3022および導波管アレイ3024に関して、格子3022および導波管アレイ3024は、本明細書において説明されるエッチングプロセスにより層6062を除去することにより形成できる。光検出器アレイ3026に関し、光検出器3026は、本明細書において説明されるように、層6066をエッチングにより除去することにより画定された光検出器を含むことができる。
【0061】
ゲルマニウムGeは、通信帯(S帯、C帯、およびL帯を含む)内での放射エネルギーに応答するため、層6066用に選択できるが、別の半導体材料、例えば、通信帯よりも小さなバンドギャップを有する窒化インジウム(III)、アンチモン化ガリウム、鉛(II)、硫化物等を選択してもよい。光学要素100により出力される出力波形が通信帯外の帯で出力される場合、光検出器アレイ3026用の別の感光性材料を選択することができる。さらにデバイス構造606に関して、本明細書において説明されるエッチングプロセスにより形成されるフォトニック導波管により画定される出力分散要素400を含むことができる。出力分散要素400は、オシロスコープ100の外部からアクセス可能な光学出力4002を画定する。
【0062】
シリコンSiにより提供されるものとして説明される層6062に関して、半導体層6062は、別の適した導波管材料により提供可能である。導波管材料層6062は、絶縁材料、例えば、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素を含む、カー非線形媒質として機能できる任意の導波管材料により提供できる。導波管材料層6062は一般に、他の種類のガラス(例えば、シリカ、カルコゲナイド)および他の種類の半導体材料を含むことができる。
【0063】
絶縁材料6061に関して、絶縁材料6061は、導波管材料形成層6062よりも低い屈折率を有する別の物質、例えば、空気で置換できる。
【0064】
追加の分散材料を出力4002に組み合わせて、分散光学要素400の分散を増大できる。分散要素400の遠位端部(例えば、出力4002または追加の分散材料の端子)において、時間領域において出力波形を検出する光検出器304を組み合わせることができる。
【0065】
一実施形態では、本明細書において様々な要素120、140、200を画定するために層6062をエッチングする際に、様々な要素の寸法ひいては分散は、本明細書において説明されるような制御を受け得る。本明細書では、図10〜図15を参照して説明されたフォトニックチップ実施形態の特定の一実施態様において、入力波形の表現を生成する装置であって、入力波形が伝播する第1の分散要素120と、導波管材料をエッチングすることにより形成される導波管200であって、C通信帯内に零群速度分散点を有し、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を有し、出力波形を出力するように構成される、導波管200と、ポンプパルスを導波管200に入力するポンプパルス入力ユニットであって、導波管に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素140を有し、前記第2の分散要素140も導波管材料をエッチングすることにより形成される、ポンプパルス入力ユニットとを含む、装置が説明され、装置は、入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成され、第1の分散要素120および第2の分散要素140は、適切な寸法決めにより、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散とマッチングされるように構成され、装置は、入力1202に入力できる入力波形および入力1402に入力できるポンプパルスが、導波管200での四光波混合により、出力波形が入力波形に対して位相シフトするように結合されるように構成され、装置は、導波管200内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される。
【0066】
本明細書において説明される半導体チップの別の実施形態では、半導体チップは、破線620の右側にある要素を有さず、破線620の左側にある要素のみを備えるように形成できる。そのように形成された半導体チップでは、第1の光学出力1002を光学要素1002の遠位端部に画定し、第2の光学出力4002を出力分散要素400の遠位端部に画定できる。チップ外部の分光計302を出力1002に組み合わせられて、周波数領域において出力波形を検出できる。光検出器304は(恐らく、出力4002と光検出器304との間に追加の分散材料を使用して)、出力4002に組み合わせられて、周波数領域において出力波形を検出できる。
【0067】
入力波形とポンプパルスとを結合する光学要素の特定の特徴について、本明細書において説明した。本明細書において一実施形態で説明したように、四光波混合により入力波形とポンプパルスとを結合する光学要素は、半導体導波管を備えることができる。半導体導波管材料の使用は、電力効率的であり、自己位相変調(SPM)および自由キャリア生成等の悪影響を回避できるようにする。一実施形態では、光学要素200は、半導体導波管を含むことができ、強力な光閉じ込め性および100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらし得る分散を有するように構成できる。別の態様では、光学要素200は、C通信帯内に分散点を含むことができる。
【0068】
参照により本明細書に援用される、Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscopeという名称の2008年10月14日に出願された米国仮特許出願第61/105,217号明細書の抜粋部分を、本願に関連付けられたフォーマット規則に対応し、図番の重複を回避するように再フォーマットして本明細書において以下に提示する。
【0069】
[Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscopeという名称の2008年10月14日に出願された米国仮特許出願第61/105,217号明細書の抜粋部分の開始]
【0070】
本発明の分野に関して、本発明は、一般には光学システムに関し、特に、入力波形の特徴を測定する際に使用される光学システムに関する。
【0071】
本発明の背景に関して、時間領域において波形を測定するには、超高速光学センサが必要である。最良のセンサであっても、25+ps(picoseconds)の間隔を測定することしかできない。しかし、周波数領域では、分散要素(レンズ等)を使用して、波形をセンサアレイに散乱させることにより、波形を構成するすべての周波数をシングルショットで測定することができる。本発明は、波形を時間領域から周波数領域に変換することにより、$250,000〜500,000の費用がかかる先端技術の機械よりも20倍良好な分解能100fsを有する超高速オシロスコープを可能にする。
【0072】
本発明の概要に関して、この装置は、100psよりも長い記録長にわたって100フェムト秒よりも良好な分解能で光学波形を測定することができる。さらに、この装置は、波形をシングルショットで測定することができる。この装置は、半導体導波管内での四光波混合に基づく時間レンズを利用することができる。装置内の導波管の断面積は、100nmを超える変換帯域幅を可能にするのに適切な分散を生み出すように設計できる。装置は、信号がある長さの分散導波管を通過し、次に、2倍の長さの分散を通して、信号の分散の2倍の分散性を有する分散要素を通過することにより分散したポンプパルスと結合される分散要素を含むことができる。分散は、任意の分散要素、すなわち、光ファイバ、半導体導波管、ファイバブラッグ格子、自由空間格子、プリズム等により生じさせ得る。結合波(combined wave)は、適宜スケーリングされた導波管内での四光波混合に基づいて、波長変換を受け得る。分光計を使用して、変換された信号のスペクトルを測定し、信号の時間形状を復元する。動作原理は、時間レンズ(temporal lens)として四光波混合を使用することに基づくことができる。信号は、分散の1焦点距離分を移動し、次に、時間レンズを通過する。次に、スペクトルは、入力信号の時間プロファイルである、入力信号のスペクトルをフーリエ変換したものを含む。原理上、半導体組立技術を使用して、すべての構成要素を単一のチップスケール素子に集積することができる。
【0073】
図面の簡単な説明に関して、図16は、分散入力波形および分散ポンプパルスの四光波混合を刺激する時間レンズ(temporal lens)を備えた波形解析装置の概略図である。
【0074】
本発明の説明のための例に関して、入力光学波形が分散を受け、四光波混合が刺激されて、変換された多色波形を出力する光学波形解析装置について説明する。変換された多色波形をスペクトル解析器に入力することができ、測定されるスペクトルは、時間−周波数変換係数を使用してのスケーリング後、時間領域で表現される入力光学波形を直接もたらす。
【0075】
本説明による波形解析装置10の一例を図16に示す。装置10は、入力波形5を受信する第1の分散要素12と、ポンプパルス7を受信する第2の分散要素14と、四光波混合が刺激される時間レンズ20とを含むことができる。時間レンズ20では、入力波形5(分散後)とポンプパルス7(第2の分散要素14による分散後)との四光波混合を刺激することができる。
【0076】
一実施形態での第1の分散要素12および第2の分散要素14に関して、第1の分散要素12は、入力波形5が、時間レンズ20に達する前に分散の1焦点距離を移動するように構成することができ、第2の分散要素14は、第2の分散要素12が、2倍の分散長さを通して第1の分散要素12の2倍の分散であるように構成することができる。第1の分散要素12および第2の分散要素14の分散特徴は、時間レンズ20の特徴に基づいて選択することができ、時間レンズ20の特徴が変更した場合に変更することができる。
【0077】
第1の分散要素12および/または第2の分散要素14、例えば、光ファイバ、半導体導波管、ファイバブラッグ格子、自由空間格子、プリズム等を設け得る。
【0078】
時間レンズ20は、スペクトル解析器30に提示することができる変換された色分離された波形を出力できる。スペクトル解析器30により測定されたスペクトルは、信号の時間領域振幅の直接測定である。波長軸は、較正された時間−周波数変換係数を使用して対応する時間位置に変換することができる。100fsよりも高い分解能を有する出力を達成することができる。
【0079】
本明細書において説明されるシステム、方法、および装置の少数のサンプルは以下である。
(A1)入力波形の高分解能時間領域表現を生成する方法であって、入力波形を分散させて、分散入力波形を生成すること、分散入力背景を分散ポンプパルスと結合して、変換波形を生成することにより、分散入力波形に四光波混合を施すこと、および変換波形をスペクトル解析器に提示して、変換波形を記録することを含む、方法。
(B1)入力波形の高分解能時間領域表現を生成する装置であって、前記入力波形を受信するための入力端部および出力端部を有する第1の分散要素と、ポンプパルスを受信するための入力端部および出力端部を有する第2の分散要素と、前記第1の分散要素および前記第2の分散要素のそれぞれの前記出力端部に組み合わせられて、前記第1の分散要素による分散後に、前記入力波形の四光波混合を刺激する時間レンズと、前記時間レンズの出力を受信するスペクトル解析器とを備える、装置。
(C1)入力部および出力部を有する時間レンズであって、入力部は、四光波混合が刺激されるように分散入力波形および分散ポンプパルスを受信し、出力部は、変換波形をスペクトル解析器に出力して、前記入力波形を復元する、時間レンズ。
【0080】
説明される装置ならびに関連する装置および方法の詳細および変形が、以下の説明において説明される:(A)シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープ。
【0081】
(A)シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープ
より高速の通信データレートの実現ならびに超高速化学反応および超高速物理反応に対する関心の拡大に伴い、サブピコ秒の分解能で光学波形を単純に測定できる技法を開発することが重要になった。[Dorrer. C. High−speed measurements for optical telecommunication systems. IEEE Select. Topic Quant. Electron. 12, 843−858 (2006)]。高速光検出器を有する先端技法のオシロスコープは、30ps分解能でシングルショットでの波形測定を提供する。マルチショットサンプリング技法は、数ピコ秒分解能を達成可能であるが、時間的に高速に変化する事象、非同期事象、または発生回数が1回のみである可能性のある事象を解析するためには、シングルショット測定が必要である。シングルショット分解能のさらなる改良は、マイクロエレクトロニクスの帯域幅制限により難題である。これら制限を解消するために、研究者は、フォトニクスにより可能になる大きな処理帯域幅により、全光学技法に目を向けた。これは、標準電子工学プラットフォームへのフォトニクスの統合に対する関心の高まりを生み、これは、シリコンフォトニクスの分野を発生させ[Jalali, B. Can silicon change photonics? Phys. Status Solidi 205, 213−224 (2008)]、次世代コンピュータ処理ユニットの可能性および高帯域幅通信の進歩を約束した。
【0082】
これら分野でのシリコンフォトニクスの成功のために、光学性能モニタリングのためのオンチップ光学信号処理が極めて重要であることが証明されるであろう。次世代通信を超えて、シリコン互換性超高速計測学が、超高速測定技法が生み出し続ける科学的影響から明らかなように、多くの基礎研究分野にとってかなり有用であろう[Dudley, J. M., Finot, C., Richardson, D. J. & Millot, G. Self−similarity in ultrafast nonlinear optics. Nature Phys. 3, 597−603 (2007); Solli, D. R., Ropers, C., Koonath, P. & Jalali, B. Optical rogue waves. Nature 450, 1054−1057 (2007)]。ここで、シリコンチップ上での四光波混合という非線形プロセスを介して時間−周波数変換を使用して[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994)]、シリコンフォトニックプラットフォーム内での波形測定技術を実証する。100psを超える長さにわたって220fs分解能で光学波形を測定し、これは、あらゆるシングルショット可能なピコ秒波形測定技法のうちで最大の記録長対分解能比(>450)を表す[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994); Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Mouradian, L. K., Louradour, F., Messager, V., Barthelemy, A. & Froehly, C. Spectro−temporal imaging of femtosecond events. IEEE J. Quant. Electron. 36, 795−801 (2000); Azana, J., Berger, N. K., Levit, B. & Fischer, B. Spectral Fraunhofer regime: Time−to−frequency conversion by the action of a single time lens on an opticall pulse. Appl. Opt. 43, 483−490 (2004); Fernandez−Pousa, C. R. Temporal resolution limits of time−to−frequency transformations. Opt. Lett. 31, 3049−3051 (2006); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008); Kan’an, A. M. & Weiner, A. M. Efficient time−to−space conversion of femtosecond optical pulses. J. Opt. Soc. Am. B15, 1242−1245 (1998); Oba, K., Sun, P. C., Mazurenko, Y. T. & Fainman, Y. Femtosecond single−shot correlation system; A time−domain approach. Appl. Opt. 38, 3810−3817 (1999); Chou, J., Boyraz, O. & Jalali, B. Femtosecond real−time single−shot digitizer. Appl. Phys. Lett. 91, 161105 (2007); Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006)]。本実施態様では、シングルショット測定が可能であり、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)互換性シリコンオンインシュレータ技術およびシングルモード光ファイバが使用される。成熟したシリコンオンインシュレータプラットフォームおよび電子工学とこれらCMOS互換性フォトニクスとを統合する能力は、この技術を一般的な卓上機器およびチップスケール機器に拡張する大きな約束を提供する。
【0083】
数フェムト秒精度で光学波形を測定するいくつかの確立された非線形光学技法[Kane, D. J. & Trebino, R. Single−shot measurement of the intensity and PHASE of an arbitrary ultrashort pulse by using frequency−resolved optical gating. Opt. Lett. 18, 823−825 (1993); Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]が存在するが、シングルショット記録長は数十ピコ秒に制限され、更新レートが制限される。電子測定とこれら方法との間の時間領域を橋渡し、高速更新可能な直接光学検出を可能にするために、電磁波および関連する現象の時間−空間双対性を使用する技法が開発された[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994); Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Mouradian, L. K., Louradour, F., Messager, V., Barthelemy, A. & Froehly, C. Spectro−temporal imaging of femtosecond events. IEEE J. Quant. Electron. 36, 795−801 (2000); Azana, J., Berger, N. K., Levit, B. & Fischer, B. Spectral Fraunhofer regime: Time−to−frequency conversion by the action of a single time lens on an opticall pulse. Appl. Opt. 43, 483−490 (2004); Fernandez−Pousa, C. R. Temporal resolution limits of time−to−frequency transformations. Opt. Lett. 31, 3049−3051 (2006); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008); Kan’an, A. M. & Weiner, A. M. Efficient time−to−space conversion of femtosecond optical pulses. J. Opt. Soc. Am. B15, 1242−1245 (1998); Oba, K., Sun, P. C., Mazurenko, Y. T. & Fainman, Y. Femtosecond single−shot correlation system; A time−domain approach. Appl. Opt. 38, 3810−3817 (1999); Chou, J., Boyraz, O. & Jalali, B. Femtosecond real−time single−shot digitizer. Appl. Phys. Lett. 91, 161105 (2007); Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006)]。この双対性は、空間場の回折伝播を支配する近軸波動方程式と、時間場の分散伝播を支配するスカラー波動方程式とが等しいことに頼る[Akhmanov, S. A., Vysloukh, V. A. & Chirkin, A. S. Self−action of wave packets in a nonlinear medium and femtosecond laser pulse generation. Sov. Phys. Usp. 29, 642−677 (1986); Kolner, B. H. Space−time duality and the theory of temporal imaging, IEEE J. Quant. Electron. 30, 1951−1963 (1994)]。この双対性は、レンズまたはプリズム等の空間光学構成要素が、時間場に対して2次または1次のそれぞれの時間位相シフトを付与することにより実施可能な時間レンズまたは時間プリズムとして知られる時間的な対応物を有することを暗示する[Akhmanov, S. A., Vysloukh, V. A. & Chirkin, A. S. Self−action of wave packets in a nonlinear medium and femtosecond laser pulse generation. Sov. Phys. Usp. 29, 642−677 (1986); Kolner, B. H. Space−time duality and the theory of temporal imaging, IEEE J. Quant. Electron. 30, 1951−1963 (1994)]。さらに、これら構成要素により、波形の時間イメージング等の、空間的な対応物と同様の方法での時間処理が可能である。
【0084】
空間−時間双対性を使用する2つの方法を適用して、超高速光学波形を測定することができる。空間レンズがイメージを拡大できるのと同じように、時間レンズは超高速波形を時間的に長くすることができ、拡大なしの波形では不十分な時間分解能を有する光検出器およびオシロスコープを使用して測定できるようにする。この技法は時間拡大として既知である[Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008)]。第2の測定方法はレンズのフーリエ特性を利用する[Goodman, J. W. Introduction of Fourier Optics (McGraw−Hill, 1968)]−レンズの前焦点面に位置決めされた物体は、後焦点面に物体のフーリエ変換を生み出す(図17a)。時間波形のフーリエ変換は光学スペクトルであるため、空間フーリエプロセッサを時間領域に拡張することにより、入力の時間(スペクトル)プロファイルを出力のスペクトル(時間)プロファイルに変換する装置がもたらされる(図17b)。したがって、フーリエ面においてスペクトルを直接測定することにより、入射波形の時間振幅がもたらされ、このプロセスは時間−周波数変換と呼ばれる[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994)]。
【0085】
時間イメージング装置の位相シフトは通常、電子光学位相変調器を使用して適用されるが、和周波数生成および差周波数生成等のパラメトリック非線形光波混合プロセスを使用することにより、代替の方式を実現することができる。この後者の技法は、パラメトリック時間イメージングと呼ばれ[Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Principles of parametric temporal imaging−Part I: System configurations. IEEE J. Quant. Electron. 36, 430−437 (2000)]、線形チャープポンプと光波混合して、線形周波数チャープを有する信号波形と略同等であるか、または時間レンズに必要な2次位相シフトと同等である変換波形をもたらすことからなる。パラメトリック時間レンズは、100πを超える位相シフトを有し、これは、電子光学位相変調器を使用した場合に可能な最大位相シフト10πよりもはるかに大きく、したがって、時間イメージングシステムの用途を大きく広げる。和周波数生成および差周波数生成の2次非線形プロセスを使用することの欠点は、狭い範囲の材料しか2次非線形モーメントを有さず、変換波形が本質的に、ポンプまたは入力信号の波長とは広く異なる波長で生成されることである。差周波数生成を使用する時間拡大に基づく波形測定は、900fs未満の分解能かつ同時に100psという記録長での超高速波形のシングルショット測定を含め、有望な結果をもたらした[Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008)]。電子光学変調を使用する時間−周波数変換に基づく波形測定は、マルチショット平均化を使用して31ps記録長にわたって分解能3psを実証した[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994)]。
【0086】
本明細書において、四光波混合(FWM)の3次非線形プロセスに基づくパラメトリック時間レンズが実証されると共に、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの作成へのこの時間レンズの適用がさらに実証される。本発明による装置は、3次カー非線形性に基づくため、FWMに基づく時間レンズは、本明細書において使用されるCMOS互換性シリコンオンインシュレータ(SOI)フォトニックプラットフォームを含め、任意の材料プラットフォームで実施することができる。この時間レンズの出力は、ポンプおよび入力波の波長に近い波長で生成され、相互作用するすべての波をS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にすることができ、それにより、例えば、これら帯で利用可能な明確に確立された機器および構成要素を使用してすべての波を処理することが可能である。本発明による装置を使用して、100psよりも長い記録長にわたって220fs分解能でかなり複雑な波形の測定が実行される。この220fs分解能と100psよりも長い記録長との組み合わせは、ピコ秒時間範囲であらゆるシングルショット可能な波形測定技法の最大の記録長対分解能比(>450)を表す[Kauffman, M. T., Banyal, W. C., Godil, A. A. & Bloom, D. M. Time−to−frequency converter for measuring picosecond optical pulses. Appl. Phys. Lett. 64, 270−272 (1994); Bennett, C. V., Scott, R. P. & Kolner, B. H. Temporal magnification and reversal of 100 Gb/s optical data with an upconversion timemicroscope. Appl. Phys. Lett. 65, 2513−2515 (1994); Bennett, C. V. & Kolner, B. H. Upconversion timemicroscope demonstrating 1033 magnification of femtosecond waveforms. Opt. Lett. 24, 783−785 (1999); Mouradian, L. K., Louradour, F., Messager, V., Barthelemy, A. & Froehly, C. Spectro−temporal imaging of femtosecond events. IEEE J. Quant. Electron. 36, 795−801 (2000); Azana, J., Berger, N. K., Levit, B. & Fischer, B. Spectral Fraunhofer regime: Time−to−frequency conversion by the action of a single time lens on an opticall pulse. Appl. Opt. 43, 483−490 (2004); Fernandez−Pousa, C. R. Temporal resolution limits of time−to−frequency transformations. Opt. Lett. 31, 3049−3051 (2006); Bennett, C. V., Moran, B. D., Langrock, C., Fejer, M. M. & Ibsen, M. 640 GHz read time recording using temporal imaging. In Conference on Lasers and Electro−Optics [CD] paper CtuA6 (OSA Technical Digest Series, Optical Society of America (2008); Kan’an, A. M. & Weiner, A. M. Efficient time−to−space conversion of femtosecond optical pulses. J. Opt. Soc. Am. B15, 1242−1245 (1998); Oba, K., Sun, P. C., Mazurenko, Y. T. & Fainman, Y. Femtosecond single−shot correlation system; A time−domain approach. Appl. Opt. 38, 3810−3817 (1999); Chou, J., Boyraz, O. & Jalali, B. Femtosecond real−time single−shot digitizer. Appl. Phys. Lett. 91, 161105 (2007); Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006)]。さらに、直接電場再構築のための周波数分解光ゲート法[Kane, D. J. & Trebino, R. Single−shot measurement of the intensity and phase of an arbitrary ultrashort pulse by using frequency−resolved optical gating. Opt. Lett. 18, 823−825 (1993)]およびスペクトル位相干渉法[Bromage, J., Dorrer, C., Begishev, I. A., Usechak, N. G. & Zuegel, J. D. Highly sensitive, single−shot characterization for pulse widths from 0.4 to 85 ps using electro−optic shearing interferometry. Opt. Lett. 31, 3523−3525 (2006); Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]等の一般に使用される技法と異なり、本発明の実施態様は、再構築アルゴリズムを使用せずに時間振幅プロファイルを直接測定し、高速更新可能なシングルショット測定が可能である。
【0087】
様々な入力波形を使用して、シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの性能をテストする。各入力波形は装置に入り、一定長の光ファイバからなる分散要素を通過する。FWM時間レンズの焦点距離に合うように、入力波は、分散長が2倍の光ファイバを通過したポンプパルスと混合される。光ファイバを通過した後、ポンプパルスおよびテスト波形が結合され、FWMがSOIナノ導波管内で実行される。これらシリコン構造の強力な光閉じ込めにより、高度に効率的な非線形プロセスが可能であると共に、広いポンプ調整可能性を有して150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらすことができる操作可能な群速度分散が可能である[Dulkeith, E., Xia, F., Schares, L., Green, W. M. J. & Vlasov, Y. A. Group index and group velocity dispersion in silicon−on−insulator photonic wires. Opt. Express 14, 3853−3863 (2006); Turner, A. C. et al. Tailored anomalous group−velocity dispersion in silicon channel waveguides. Opt. Express 14, 4357−4362 (2006); Foster, M. A. et al. Broad−band optical parametric gain on a silicon photonic chip. Nature 441, 960−963 (2006); Lin, Q., Zhang, J., Fauchet, P. M. & Agrawal, G. P. Ultrabroadband parametric generation and wavelength conversion in silicon waveguides. Opt. Express 14, 4786−4799 (2006); Foster, M. A., Turner, A. C., Salem R., Lipson, M. & Gaeta, A. L. Broad−band continuous−wave parametric wavelength conversion in silicon nanowaveguide. Opt. Express 15, 12949−12958 (2007)]。光学分光計を使用して、その結果生成されるFWM生成のスペクトルを測定して、入力の時間プロファイルが特定される。
【0088】
ポンプパルス帯域幅および分散路の長さが、オシロスコープの記録長および分解能を決める。FWMに基づく変換器の時間−周波数変換係数は、
【数7】
により与えられ、式中、Δtは入力信号の時間シフトであり、Δωは結果として生じるスペクトルシフトであり、β2は群速度分散パラメータであり、Lは分散信号路の長さである。本発明によるシステムでは、この関係は、5.2psの時間位置シフトで1nmの変換波長シフトがもたらされる。FWMを使用して、ポンプ帯域幅の2倍にわたる狭帯域信号を変換することができ、これは、FWMに基づくオシロスコープのおおよその記録長τRECORD:
【数8】
をもたらし、式中、Ωpumpはポンプパルスのスペクトル帯域幅である。オシロスコープの分解能は、機器システムを通しての時間デルタ関数の伝達を考慮することにより予測される。このインパルス応答は精密に機器の時間分解能τresolutionであり、
【数9】
により与えられ、式中、τpumpはポンプパルス幅である。本発明によるシステムの場合、これら関係は、記録長150psおよび分解能200fsを予測する。実際には、ポンプと信号との分離およびFWM変換帯域幅により、記録長が制限されることになる。3次分散に起因するようなポンプパルスでの2次位相からの逸脱、FWM変換帯域幅、および分光計のスペクトル分解能によっても、時間分解能が決まる。FWM変換帯域幅は記録長および分解能の両方を制限するため、この値を最大にすることが重要である。本発明の実施態様に使用されるシリコン導波管は、3次分散および分光計性能に起因する収差によってのみ制限される超高速光オシロスコープの実行を可能にするために十分に大きな変換帯域幅(>150nm)を有する[Foster, M. A., Turner, A. C., Salem R., Lipson, M. & Gaeta, A. L. Broad−band continuous−wave parametric wavelength conversion in silicon nanowaveguide. Opt. Express 15, 12949−12958 (2007)]。
【0089】
342fsパルスを注入し、その時間位置を変更することにより、本発明によるシステムの記録長および分解能を実験的に特徴付ける。図18に示されるように、100psの記録長にわたってパルス位置を測定することが可能である。FWMに基づくオシロスコープの分解能を特徴付けるために、装置の記録長にわたるこのパルスの平均観測幅からの時間分解能をデコンボリューションする。平均パルス幅407fsを測定し、これは、実際のパルス幅342fsと比較された場合、本発明の実施態様での時間分解能220fsを示す。
【0090】
様々な複雑性のテスト波形を生成することにより、シリコンチップに基づくオシロスコープの測定性能をさらに調べる。第1に、450fs分解能および100ps記録長を示す超高速光オシロスコープを使用して、非線形スペクトル拡張および分散を受けたパルスを測定する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこのパルスの測定は、図19aに示される。900fs時間特徴を有する120ps波形を生成することにより、さらに複雑性の高い光学波形を測定する。分解能220fsを有するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して、この波形を測定する。この測定の結果および相互相関との比較は、図19bに示される。図19aおよび図19Bのテスト波形は、ポンプパルスと同じレーザ源から導出される。超高速光オシロスコープが、9.6GHzの繰り返し数を有する可変パルス幅時間レンズ圧縮レーザ源を、36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより、別個のソースからの波形の測定の実行にも使用可能なことを実証する[Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]。分解能220fsを有する装置を使用して、30mWピーク電力を有する30psパルスを150mWピーク電力を有する6psパルスに圧縮することを観測することにより、9.6GHz源のパルス幅を最適化する。相互相関と比較した超高速光オシロスコープを使用するこの最適化の結果は、図19cに示される。
【0091】
最後に、シングルショット分光計を組み込むことにより、装置のシングルショット性能を実証する。86ps、27psという時間的に隔たりを有し、時間的におおよそ重なった2つのパルスで構成される3つのシングルショット光学波形を測定する。マルチショット相互相関と比較したこれらシングルショット測定の結果は、図19dに示される。86psの隔たりにより示されるように、100ps記録長が維持される。パルスが重なる場合、3ps期間を有する時間干渉縞が観測される。この実施態様では、時間分解能は、赤外線カメラにより、ピクセル当たり766fsに制限され、すなわち、記録長対分解能比が130に制限される。1,000ピクセルを超える高ダイナミックレンジ線形アレイが市販されており、本発明による装置の完全な記録長対分解能比(>450)を利用することが可能である。
【0092】
最終的に、シングルショット測定のダイナミックレンジは、自己位相変調および自由キャリア生成を回避しながらシリコンナノ導波管内で許される最大電力[Dorrer, C. et al. Single−shot real−time characterization of chirped−pulse amplification systems by spectral PHASE interferometry for direct electric−field reconstruction. Opt. Lett. 24, 1644−1646 (1999)]ならびにピクセル毎の検出可能な最小電力により制限される。これら制約は、時間レンズの信号ピーク電力範囲を100μW〜100mWに制限するはずであり、これはダイナミックレンジ103に対応する[Dudley, J. M., Finot, C., Richardson, D. J. & Millot, G. Self−similarity in ultrafast nonlinear optics. Nature Phys. 3, 597−603 (2007)]。狭い時間特徴はレンズ前の分散伝播中に拡散し、したがって、レンズでのピーク電力がかなり低くなるため、超高速光オシロスコープへの最大電力は特徴の幅に依存する。分解能が制限された時間特徴が考慮される場合、40Wピーク電力が可能であり、これはダイナミックレンジ105に対応する[Solli, D. R., Chou, J. & Jalali, B. Amplified wavelength−time transformation for realtime spectroscopy. Nature Photon. 2, 48−51 (2008)]。さらに、検出可能な最小電力は所望のシングルショット分解能に依存するが、最大電力は所望のシングルショット分解能に依存しないため、このシステムでは、分解能が低いほど、高いダイナミックレンジ測定が可能である。
【0093】
測定のすべてにおいて、本発明によるシリコンに基づく超高速光オシロスコープと280fsパルスを有する相互相関との間に良好な一致が観測される。それにも関わらず、特に波形およびポンプパルスがオシロスコープと比較して相互相関器に到着する時間を同期させるために使用される光ファイバの長さがわずかに異なる(3m未満の違い)ことに起因するいくらかの逸脱が観測される。さらなる不一致はおそらく、FWM時間レンズ内でのポンプパルス不完全性による。最適な性能のために、ポンプパルスに対して明確で均一なスペクトル振幅および位相を得ることに注意を払わなければならない。さらに、分解能は最終的に、分散要素内の3次分散から生じる収差により制限される。分散平坦化ファイバまたは分散が操作された導波管を分散路に使用する[Dulkeith, E., Xia, F., Schares, L., Green, W. M. J. & Vlasov, Y. A. Group index and group velocity dispersion in silicon−on−insulator photonic wires. Opt. Express 14, 3853−3863 (2006); Turner, A. C. et al. Tailored anomalous group−velocity dispersion in silicon channel waveguides. Opt. Express 14, 4357−4362 (2006)]ことにより、この収差は軽減され、サブ100fsポンプパルスを使用することにより、サブ100fs分解能に向けての道を提供する。
【0094】
この測定システムの構成要素は潜在的に、その全体をオンチップに集積することができる。特に、パルスレーザ源[Koch, B. R., Fang, A. W., Cohen, O. & Bowers, J. E. Mode−locked silicon evanescent lasers. Opt. Express 15, 11225−11233 (2007)]、分散路の低損失分散操作された導波管[Dulkeith, E., Xia, F., Schares, L., Green, W. M. J. & Vlasov, Y. A. Group index and group velocity dispersion in silicon−on−insulator photonic wires. Opt. Express 14, 3853−3863 (2006); Turner, A. C. et al. Tailored anomalous group−velocity dispersion in silicon channel waveguides. Opt. Express 14, 4357−4362 (2006)]、ならびに一体化されたシングルショット分光計および検出器[Cheben, P. et al. A high−resolution silicon−on−insulator arrayed waveguide grating microspectrometer with submicrometer aperture waveguides. Opt. Express 15, 2299−2306 (2007)]の集積は、シリコンフォトニクスでの現在のすべての研究分野にある。さらに、FWM時間レンズの柔軟性およびナノ導波管内で利用可能な分散操作は、窒化ケイ素(SiN)およびオキシ窒化ケイ素(SiON)等の他のCMOS互換性導波管材料を使用することにより、この技法と異なる波長体制(例えば、可視)に簡単に拡張できるようにする。さらに、任意の繰り返し数のソースを測定するために本発明によるオシロスコープを使用するには、繰り返し数柔軟性を有する超高速ポンプレーザが必要であり、例えば、時間レンズ圧縮源[van Howe, J., Lee, J. H. & Xu, C. generation of 3.5 nJ femtosecond pulses from a continuous−wave laser without mode locking. Opt. Lett. 32, 1408−1410 (2007)]を使用して実施することができる。興味深いことに、シングルショット性能により、単一の光学事象の測定のみならず、光学クロックと同期した場合、通信信号の多くのシングルショット測定をオーバーレイすることにより、「アイダイアグラム(eye-diagrams)」の測定も可能である。通信を超えて、集積測定装置は、光学波形の単純な超高速測定が必要とされる多くの科学分野での研究に役立つ。
【0095】
方法の概要
シリコンに基づく超高速光オシロスコープを実験的に特徴付けるために、超高速ファイバレーザまたは光学パラメトリック発振器からポンプおよび入力波を生成する。パルス列は、280fsポンプパルスおよび信号パルスにスペクトルに分けられる。各入力波形は、オシロスコープに入り、50m長の分散補償ファイバからなる分散要素を通過し、100m長の分散補償ファイバを通過したポンプパルスと混合される。図19a〜図19cのテスト波形は、非線形スペクトル拡張、分散、および干渉の組み合わせを使用して生成された。1.5cm長のシリコンナノ導波管は、断面サイズ300nm×750nm、線形伝播損失1.5dB/cm、およびカップリング効率(coupling efficiency)3dBを有する。マルチショット測定の場合、FWM光学スペクトルは、光学スペクトル解析器を使用して特徴付けられる。シングルショット実証の場合、シングルショット分光計が、モノクロメータおよび赤外線カメラを使用して実施され、単一の事象がフレーム毎に作成される。
【0096】
方法
レーザ源。使用される超高速ファイバレーザは、38MHz繰り返し数(repetition rate)で80fsパルスを生成する。使用される光学パラメトリック発振器は、76MHz繰り返し数で150fsパルスを生成する。ポンプパルスは280fsパルスであり、1,550nmを中心とした帯域幅15nmを有する。図19のテスト波形は、1,580nmを中心とした可変帯域幅信号パルスから生成される。
【0097】
光ファイバ。標準のシングルモードファイバ(Corning型番:SMF−28)の12分の1の分散勾配を有するため、分散補償ファイバ(Corning型番:DCM−D−080−04)の使用を選択する。このように3次分散が小さいことにより、レンズ収差が低減し、実験的に、SMF−28を使用する同等のシステムと比較して時間分解能が2倍に向上することが分かった。分散補償ファイバを通過した後、15nm帯域幅ポンプパルスは、エルビウムドープファイバ増幅器を使用して増幅され、続けてFWMがCMOS互換性埋め込みSOIナノ導波管内で実行される。
【0098】
テスト波形。図19aのテスト波形は、エルビウムドープファイバ増幅器内で信号パルスを増幅し、増幅器内で非線形スペクトル拡張を誘導することにより生成される。スペクトル拡張パルスは続けて、20m長の光ファイバを通過する。図19bのテスト波形は、50mの光ファイバおよびマイケルソン干渉計を使用して2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成される。図19cのテスト波形は、9.6GHzの繰り返し数を有する時間レンズ圧縮レーザ源[van Howe, J., Lee, J. H. & Xu, C. generation of 3.5 nJ femtosecond pulses from a continuous−wave laser without mode locking. Opt. Lett. 32, 1408−1410 (2007)]を36MHzで動作する超高速ファイバレーザポンプ源に同期させることにより生成される。9.6GHz源のパルス幅は、時間レンズ圧縮器に使用される位相変調器に送られる電気正弦波の大きさにより決まる。図19dのテスト波形は、50mのSMF−28を使用して300fsパルスをチャープさせ、マイケルソン干渉計を使用して2つのパルスに分割することにより生成される。次に、干渉計の遅延ステージを使用して、パルスの分離を調整することができる。
【0099】
シリコン導波管。シリコン導波管の寸法は、零群速度分散点をC通信帯内に位置決めすることにより、変換帯域幅を増大にするように選択された。ナノ導波管内部のピーク光パワーは、シリコン内での自己位相変調および2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために、100mW未満に維持される[Foster, M. A., Turner, A. C., Salem R., Lipson, M. & Gaeta, A. L. Broad−band continuous−wave parametric wavelength conversion in silicon nanowaveguide. Opt. Express 15, 12949−12958 (2007)]。
【0100】
シングルショット測定。単一の事象が、シングルショット分光計のフレーム毎に生成される。38MHz源は、1つのみのパルスが、カメラの積分時間に対応する0.5ms毎に生成され、したがって、カメラ画像毎にシングルショットが生成されるように、電子光学変調器を使用してダウンサンプリングされる。
【0101】
図17a〜図19dに提示される情報の説明を本明細書において以下に提示する。
【0102】
図17−シリコンに基づく超高速光オシロスコープ。超高速オシロスコープは、シリコンチップ上の四光波混合に基づくパラメトリック時間レンズを使用して実施される。a.空間光学フーリエ変換プロセッサ。空間レンズは、示される2焦点距離構成を使用して入力波形をフーリエ変換したものを生成することができる。b.時間光学フーリエ変換プロセッサ。時間レンズは、入力の時間プロファイルを出力のスペクトルプロファイルに変換することができる。FWM時間レンズの場合、焦点距離(D)は、ポンプパルスが通過する光ファイバの分散長(2D)の半分である。次に、単にプロセッサの出力のスペクトルを測定することにより、シングルショット時間測定を実行することができる。
【0103】
図18−超高速オシロスコープの記録長および分解能の特徴付け。342fsパルスは、記録長100psを実証するシリコンチップに基づく超高速光オシロスコープを使用して時間的に走査され測定される。オシロスコープにより観測されるように、この走査範囲にわたる342fsパルスの平均幅は407fsであり、220fs、a.u.、任意単位のデコンボリューション後分解能を示す。各色(陰影)は、パルスが走査される際の別個の測定を表す。
【0104】
図19−超高速オシロスコープおよび相互相関器を使用しての測定の比較。a.エルビウムドープファイバ増幅器内での非線形スペクトル拡張を通して生成され、続けて20mのシングルモード光ファイバを伝播した30psパルス。b.2つの300fsパルスを分散させ干渉させることにより生成された複雑性の高い波形。差し込み図、60psから70psまでの10ps時間領域。c.様々なパルス持続時間で動作する別個の超高速パルスレーザ源の測定。シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープが使用されて、レーザ源内の電子光学変調器への電圧を変更することにより、リアルタイムでこのソースから発せられるパルス幅が最小化される。d.マルチショット相互相関と比較した、様々な時間的隔たりを有する2つのチャープパルスのシングルショット測定。パルスが時間的に重なる場合、干渉縞が時間領域において観測される。
[A.シリコンチップに基づく超高速光オシロスコープの説明の終了]
【0105】
本発明についていくつかの特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の真の主旨および範囲は、本明細書によりサポート可能な特許請求の範囲に関してのみ決定されるべきであることが理解される。さらに、システム、装置、および方法が特定の数の要素を有するものとして説明される、本明細書におけるいくつかの場合において、そのようなシステム、装置、および方法を、言及された特定の数よりも少数の要素を使用して実施してもよいことが理解される。
[2008年10月14日に出願された「Semiconductor−Based Ultrafast Optical Oscilloscope」という名称の米国仮特許出願第61/105,217号明細書の抜粋部分の終了]
【0106】
本明細書において説明されるシステム、方法、装置の少数のサンプルは、以下である。
【0107】
A1.
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、光学要素に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと
を備えた装置であって、
光学要素およびポンプパルス入力ユニットは時間レンズを形成し、第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットのそれぞれは、光学要素に組み合わせられ、
第1の分散要素および第2の分散要素は、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、入力波形およびポンプパルスが光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【0108】
A2.第1の分散要素の分散を第2の分散要素の分散と調整するために、第2の分散要素および第1の分散要素は2:1の分散比を有する、項目A1に記載の装置。
【0109】
A3.入力波形およびポンプパルスが四光波混合により結合される光学要素は、フォトニックチップ上に設けられた導波管を備える、項目A1に記載の装置。
【0110】
A4.第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットは、入力波形が、光学要素に達する前に分散の1焦点距離を移動するように構成される、項目A1に記載の装置。
【0111】
A5.ポンプパルス入力ユニットは、ポンプパルス源および第2の分散要素により提供される、項目A1に記載の装置。
【0112】
A6.出力波形を検出する検出ユニットをさらに備える、項目A1に記載の装置。
【0113】
A7.出力波形を検出する検出ユニットをさらに備え、検出ユニットは、分光計および光検出器を有する、項目A1に記載の装置。
【0114】
A8.光学要素は、フォトニック導波管により提供され、第1の分散要素、第2の分散要素、およびフォトニック導波管は、フォトニックチップスケール素子内に組み込まれる、項目A1に記載の装置。
【0115】
A9.フォトニック導波管は半導体導波管である、項目A8に記載の装置。
【0116】
A10.光学要素は、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目A1に記載の装置。
【0117】
A11.光学要素は、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目A1に記載の装置。
【0118】
A12.光学要素は、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、項目A1に記載の装置。
【0119】
A13.光学要素は、光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0120】
A14.光学要素は、光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0121】
A15.光学要素は、入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0122】
A16.導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0123】
A17.導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0124】
A18.導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、項目A1に記載の装置。
【0125】
B1.入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、光学要素に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと、
出力波形を検出する検出ユニットと、を備え、
光学要素およびポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットのそれぞれが前記光学要素に組み合わせられ、
第1の分散要素および第2の分散要素が、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、入力波形およびポンプパルスが光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【0126】
B2.検出ユニットは、分光計および光検出器のそれぞれを含む、項目B1に記載の装置。
【0127】
B3.光学要素に実質的に直接組み合わせられた分光計を含む、項目B1に記載の装置。
【0128】
B4.出力分散を有する出力分散要素を含み、第1の分散要素は入力分散を有し、装置は、条件
【数10】
を満たすように構成され、式中、ResMは検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、入力分散に対する出力分散の比率により決まる倍率である、項目に記載の装置。
【0129】
B5.出力分散を有する出力分散要素を含み、第1の分散要素は入力分散を有し、条件
【数11】
を満たすように構成され、式中、ResMは検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、入力分散に対する出力分散の比率により決まる倍率である、項目に記載の装置。
【0130】
C1.入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、C通信帯内に零群速度分散点を有すると共に、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を有し、出力波形を出力するように構成された導波管と、
光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、光学要素に組み合わせられ、ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有し、入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように前記装置が構成される、ポンプパルス入力ユニットと、
出力波形を検出する検出ユニットであって、分光計および光検出器のうちの1つまたは複数を備える、検出ユニットと、を備え、
導波管およびポンプパルス入力ユニットは、時間レンズを形成し、第1の分散要素およびポンプパルス入力ユニットのそれぞれは、導波管に組み合わせられ、
第1の分散要素および第2の分散要素は、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
装置は、出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、入力波形およびポンプパルスが導波管において四光波混合により結合されるように構成され、
導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、装置。
【0131】
D1.入力波形の表現を生成する装置であって、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、入力波形を組み合わせるように構成された導波管と、
導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、ポンプパルス入力ユニットは導波管に結合され、ポンプパルス入力ユニットは、導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと
を備え、
入力波形およびポンプパルスが導波管内で四光波混合により結合されるように構成され、
出力波形は導波管から出力され、
出力波形を検出する検出ユニットをさらに含む、装置。
【0132】
D2.導波管は、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目D1に記載の装置。
【0133】
D3.導波管は、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、項目D1に記載の装置。
【0134】
D4.導波管は、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、項目D1に記載の装置。
【0135】
D5.導波管は、導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0136】
D6.導波管は、導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0137】
D7.入力波形、ポンプパルス、および出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0138】
D8.導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0139】
D9.導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0140】
D10.導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、項目D1に記載の装置。
【0141】
D11.フォトニックチップ上に設けられた導波管は半導体材料を含む、項目D1に記載の装置。
【0142】
E1.入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、出力波形を出力し、入力波形を組み合わせるように構成された導波管と、
出力波形を検出する検出ユニットと、
導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、導波管に組み合わせられ、第2の分散要素を含み、導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと、を備え、
第1の分散要素および第2の分散要素は、第1の分散要素の分散が第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、ポンプパルスを導波管内での四光波混合により入力波形に結合するように構成される、装置。
【0143】
E2.第1の分散要素および第2の分散要素は、フォトニックチップ上に設けられる、項目E1に記載の装置。
【0144】
E3.第1の分散要素、第2の分散要素、および検出ユニットは、フォトニックチップ上に設けられる、項目E1に記載の装置。
【0145】
F1.入力波形の高分解能時間領域表現を生成する方法であって、
入力波形を分散させて、分散入力波形を生成すること、
分散入力波形を分散ポンプパルスと結合して、変換波形を生成することにより、分散入力波形に四光波混合を受けさせること、および
変換波形をスペクトル解析器に提示して、変換波形を記録すること
を含む、方法。
【0146】
F2.入力波形を分散させることは、入力波形が分散する分散を、ポンプパルスが分散する分散にマッチングさせることを含む、項目F1に記載の方法。
【0147】
F3.マッチングさせることは、入力波形が分散する分散の2倍の分散性を有するポンプパルスを分散させる分散を提供することを含む、項目F2に記載の方法。
【0148】
F4.入力波形に四光波混合を受けさせることは、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用することを含み、導波管は、C通信帯に零群速度分散点を含むように構成される、項目F1に記載の方法。
【0149】
F5.入力波形に四光波混合を受けさせることは、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用することを含み、導波管は、導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、項目F1に記載の方法。
【0150】
F6.S通信帯、C通信帯、およびL通信帯内である入力波形、ポンプパルス、および出力波形を提供することを含む、項目F1に記載の方法。
【0151】
G1.入力波形の表現を生成する装置であって、
光学要素であって、装置が入力波形が光学要素に組み合わせられるように構成され、
装置が入力波形が光学要素内で2次位相シフトを受けて、入力波形に対して位相シフトした出力波形を出力するように構成される、光学要素と、
出力波形を検出するように動作可能な検出ユニットであって、
検出ユニットが、第1の出力記録長を有する第1の記録を出力するように動作可能であり、第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するようにさらに動作可能なように構成される、検出ユニットと、を備える、装置。
【0152】
G2.第1および第2の分散を有する第1および第2の出力分散要素を含み、第1の分散は第2の分散と異なり、出力波形を第1および第2の出力分散要素のそれぞれに組み合わせるように動作可能であり、検出ユニットは、第1の出力分散要素に組み合わせられて、第1のデータ記録を出力する第1の光検出器と、第2の出力分散要素に組み合わせられて、第2の記録を出力する第2の光検出器を有する、項目G1に記載の装置。
【0153】
G3.検出ユニットは、第1の記録を出力する分光計および第2の記録を出力する光検出器を含む、項目G2に記載の装置。
【0154】
G4.第1の出力分散要素および第2の出力分散要素を含み、出力波形を第1の出力分散要素および第2の出力分散要素のうちの一方に選択的に組み合わせるスイッチをさらに含む、項目G3に記載の装置。
【0155】
G5.2次位相シフトが四光波混合を利用して提供されるように構成される、項目G1に記載の装置。
【0156】
H1.入力波形を処理するシステムであって、
入力波形を組み合わせる光学要素を有し、入力波形が光学要素内で2次位相シフトを受けて、入力波形に対して位相シフトされた出力波形を出力するように構成されたオシロスコープであって、入力波形を表す第1および第2の記録を出力する検出ユニットを有する、オシロスコープと、
第1および第2の記録のそれぞれを処理する処理ユニットであって、処理に応答して、処理ユニット出力を決定するように動作可能な処理ユニットと
を備える、システム。
【0157】
H2.処理ユニット出力は、符号化光学データを送信する装置を制御する、項目H1に記載のシステム。
【0158】
H3.システムは、処理のための第1および第2の記録が開ループベースで変化するように動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0159】
H4.検出ユニットにより出力された第2の記録が、処理ユニットによる第1の記録の処理に応答して出力されるように動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0160】
H5.第1の記録が、出力波形を検出する分光計を使用して出力されるように動作可能であり、システムは、第2の記録が光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0161】
H6.第1の出力分散を通して分散した出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるように動作可能であり、第2の記録が、第2の分散を通して分散した出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、項目H1に記載のシステム。
【0162】
I1.符号化光学データを送信する装置を使用するシステムであって、送信されるデータは、一続きの光学パルスを利用して符号化された二進データを含み、光学パルスは名目上の特徴を有し、
装置により出力された一続きの光学パルスを表す少なくとも1つの記録を出力する装置の出力に組み合わせられたオシロスコープであって、入力波形に位相シフトを付与するように動作可能であり、記録が、220fsに等しいか、またはこれよりも良好な分解能および100ps以上の記録長を有するように動作可能なオシロスコープと、
記録を処理する処理ユニットであって、記録を表す1つまたは複数のパルスを処理して、1つまたは複数の光学パルスが、1つまたは複数のパルスが許容可能な品質を有することを示す基準を満たすか否かを判断するように動作可能な処理ユニットと、を備え、
処理ユニットが、処理に応答して出力を生成するように動作可能である、システム。
【0163】
I2.出力はインジケータを制御する、項目I1に記載のシステム。
【0164】
I3.出力は装置を制御する、項目I1に記載のシステム。
【0165】
I4.オシロスコープは、第1の出力記録長を有する第1の記録および第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するように動作可能であり、処理ユニットは、オシロスコープが処理ユニットによる処理のために処理ユニットに返すのが、出力記録長がより長い第1のフォーマットの第1の記録であるか、それとも出力記録長のより短い第2のフォーマットの第2の記録であるかに応答して、オシロスコープに1つまたは複数の通信を送信するように動作可能であり、処理ユニットは、第1の記録および第2の記録を処理するように動作可能である、項目I1に記載のシステム。
【0166】
I5.処理ユニットにより出力される出力に応答して、装置が、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、バイアス電圧パラメータ、およびRF電力パラメータのうちの1つまたは複数を調整するように動作可能である、項目I1に記載のシステム。
【0167】
J1.フォトニックチップであって、
基板と、
(a)入力波形を分散させる分散を有する第1の分散要素、(b)第1の分散要素の分散にマッチングした分散を有するポンプパルスを分散させるように構成された第2の分散要素、(c)出力波形を出力する導波管であって、導波管により出力される出力波形が入力波形に対して位相シフトされるように、四光波混合により入力波形およびポンプパルスを結合するように構成された導波管、の要素を有するデバイス構造と、
を備え、
第1の分散要素、第2の分散要素、および導波管のそれぞれは、基板の上に配置された導波管材料をエッチングすることにより形成される、フォトニックチップ。
【0168】
J2.デバイス構造は、出力波形の検出に使用される検出器部分をさらに備え、検出器部分は、導波管材料をエッチングすることにより形成される、項目J1に記載のフォトニックチップ。
【0169】
J3.デバイス構造は、出力波形を検出する検出器をさらに備え、検出器の第1の部分は、導波管材料をエッチングすることにより形成され、検出器の第2の部分は、感光性半導体材料をエッチングすることにより形成され、感光性半導体材料は、導波管材料の近傍に配置される、項目J2に記載のフォトニックチップ。
【0170】
J4.デバイス構造は、格子および光検出器アレイを有し、出力波形を検出する分光計をさらに備え、格子は導波管材料をエッチングすることにより形成され、光検出器アレイは感光性半導体材料をエッチングすることにより形成され、感光性半導体材料は、導波管材料の近傍に配置される、項目J1に記載のフォトニックチップ。
【0171】
J5.デバイス構造は、出力波形を分散させる出力分散要素をさらに備え、出力分散要素は、導波管材料をエッチングすることにより形成される、項目J1に記載のフォトニックチップ。
【0172】
J6.デバイス構造は、入力波形を表す電気信号記録を出力する電気信号出力および出力波形を出力する光学出力を内部に画定する、項目H1に記載のフォトニックチップ。
【0173】
J7.デバイス構造は、入力波形を入力するための第1の光学入力と、ポンプパルスを入力するための第2の光学入力と、光学出力および電気信号出力からなる群から選択される少なくとも1つの出力とを内部に画定する、項目H1に記載のフォトニックチップ。
【0174】
本発明についていくつかの特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の真の主旨および範囲は、本明細書によりサポート可能な特許請求の範囲に関してのみ決定されるべきであることが理解される。さらに、システム、装置、および方法が特定の数の要素を有するものとして説明される、本明細書におけるいくつかの場合において、そのようなシステム、装置、および方法を、言及された特定の数よりも少数の要素を使用して実施してもよいことが理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
前記光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記光学要素に組み合わせられ、前記ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと、を備えた装置であって、
前記光学要素および前記ポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットのそれぞれが、前記光学要素に組み合わせられ、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記入力波形および前記ポンプパルスが前記光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【請求項2】
前記第1の分散要素の分散を前記第2の分散要素の分散と調整するために、前記第2の分散要素および前記第1の分散要素が2:1の分散比を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記入力波形および前記ポンプパルスが四光波混合により結合される前記光学要素が、フォトニックチップ上に設けられた導波管を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記入力波形が前記光学要素に達する前に分散の1焦点距離を移動するように、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットが構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ポンプパルス入力ユニットがポンプパルス源および前記第2の分散要素により提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記出力波形を検出する検出ユニットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記出力波形を検出する検出ユニットをさらに備え、前記検出ユニットが分光計および光検出器を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記光学要素がフォトニック導波管により提供され、前記第1の分散要素、前記第2の分散要素、および前記フォトニック導波管がフォトニックチップスケール素子内に組み込まれる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記フォトニック導波管が半導体導波管である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光学要素が、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記光学要素が、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記光学要素が、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように前記光学要素が構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように前記光学要素が構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記光学要素が、前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
前記光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記光学要素に組み合わせられ、前記ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと、
前記出力波形を検出する検出ユニットと、を備え、
前記光学要素および前記ポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットのそれぞれが前記光学要素に組み合わせられ、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素は、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記入力波形および前記ポンプパルスが前記光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【請求項20】
前記検出ユニットが分光計および光検出器の各々を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記光学要素に実質的に直接組み合わせられた分光計を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
出力分散を有する出力分散要素を含み、前記第1の分散要素は入力分散を有し、前記装置が、条件
【数12】
(式中、ResMは前記検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、前記入力分散に対する前記出力分散の比率により決まる倍率である)を満たすように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
出力分散を有する出力分散要素を含み、前記第1の分散要素は入力分散を有し、前記装置が、条件
【数13】
(式中、ResMは前記検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、前記入力分散に対する前記出力分散の比率により決まる倍率である)を満たすように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、C通信帯内に零群速度分散点を有すると共に、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を有し、出力波形を出力するように構成された導波管と、
前記光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記光学要素に組み合わせられ、前記ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有し、前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように前記装置が構成される、ポンプパルス入力ユニットと、
前記出力波形を検出する検出ユニットであって、分光計および光検出器のうちの1つまたは複数を備える、検出ユニットと、を備え、
前記導波管および前記ポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットのそれぞれが前記導波管に組み合わせられ、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記入力波形および前記ポンプパルスが前記導波管において四光波混合により結合されるように構成され、
前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、装置。
【請求項25】
入力波形の表現を生成する装置であって、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、前記入力波形を組み合わせられるように構成された導波管と、
前記導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記導波管に組み合わせられ、前記導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと、を備え、
前記入力波形および前記ポンプパルスが前記導波管内で四光波混合により結合されるように構成され、
前記出力波形が前記導波管から出力され、
前記出力波形を検出する検出ユニットをさらに含む、装置。
【請求項26】
前記導波管が、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記導波管が、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記導波管が、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記導波管が、前記導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記導波管が、前記導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項32】
前記導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項33】
前記導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項34】
前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項35】
フォトニックチップ上に設けられた前記導波管は半導体材料を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項36】
入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、出力波形を出力し、前記入力波形を組み合わせるように構成された導波管と、
前記出力波形を検出する検出ユニットと、
前記導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記導波管に組み合わせられ、第2の分散要素を含み、前記導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと、を備え、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記ポンプパルスを前記導波管内での四光波混合により前記入力波形に結合するように構成される、装置。
【請求項37】
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記フォトニックチップ上に設けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第1の分散要素、前記第2の分散要素、および前記検出ユニットが、前記フォトニックチップ上に設けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
入力波形の高分解能時間領域表現を生成する方法であって、
前記入力波形を分散させて、分散入力波形を生成する工程、
前記分散入力波形を分散ポンプパルスと結合して変換波形を生成することによって、前記分散入力波形を四光波混合に供する工程、および
前記変換波形を記録するために、前記変換波形をスペクトル解析器に提供する工程
を含む、方法。
【請求項40】
前記入力波形を分散させる工程が、前記入力波形が分散する分散を、前記ポンプパルスが分散する分散にマッチングさせることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記マッチングさせる工程が、前記入力波形が分散する分散の2倍の分散性を有する前記ポンプパルスを分散させる分散を提供することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記入力波形に四光波混合を受けさせる工程が、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用する工程を含み、前記導波管がC通信帯に零群速度分散点を含むように構成される、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記入力波形に四光波混合を受けさせる工程が、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用する工程を含み、前記導波管が、前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
S通信帯、C通信帯、およびL通信帯内である前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形を提供する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
入力波形の表現を生成する装置であって、
前記入力波形が前記光学要素に組み合わせられるように前記装置が構成される光学要素を含み、
前記入力波形が前記光学要素内で2次位相シフトを受けて、前記入力波形に対して位相シフトした出力波形を出力するように前記装置が構成され、
前記出力波形を検出するように動作可能な検出ユニットを含み、
前記検出ユニットが、第1の出力記録長を有する第1の記録を出力するように動作可能であり、第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するようにさらに動作可能なように構成された、装置。
【請求項46】
第1および第2の分散を有する第1および第2の出力分散要素を含み、前記第1の分散は前記第2の分散と異なり、前記出力波形を前記第1および第2の出力分散要素のそれぞれに組み合わせるように動作可能であり、前記検出ユニットは、前記第1の出力分散要素に組み合わせられて、前記第1のデータ記録を出力する第1の光検出器と、前記第2の出力分散要素に組み合わせられて、前記第2の記録を出力する第2の光検出器を有する、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記検出ユニットが、前記第1の記録を出力する分光計および前記第2の記録を出力する光検出器を含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
第1の出力分散要素および第2の出力分散要素を含み、前記出力波形を前記第1の出力分散要素および前記第2の出力分散要素のうちの一方に選択的に組み合わせるスイッチをさらに含む、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記2次位相シフトが四光波混合を利用して提供されるように構成される、請求項45に記載の装置。
【請求項50】
入力波形を処理するシステムであって、
前記入力波形を組み合わせる光学要素を有し、前記入力波形が前記光学要素内で2次位相シフトに供され、前記入力波形に対して位相シフトされた出力波形を出力するように構成されたオシロスコープであって、前記入力波形を表す第1および第2の記録を出力するための検出ユニットを有する、オシロスコープと、
前記第1および第2の記録のそれぞれを処理する処理ユニットであって、前記処理に応答して処理ユニット出力を決定するように動作可能な処理ユニットと、
を備える、システム。
【請求項51】
前記処理ユニット出力が、符号化光学データを送信する装置を制御する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
処理のための前記第1および第2の記録が開ループベースで変化するように動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記検出ユニットにより出力された前記第2の記録が、前記処理ユニットによる前記第1の記録の処理に応答して出力されるように動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の記録が、前記出力波形を検出する分光計を使用して出力されるように動作可能であり、前記第2の記録が光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の記録が、第1の出力分散を通して分散した前記出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるように動作可能であり、前記第2の記録が、第2の分散を通して分散した前記出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項56】
符号化光学データを送信する装置を使用するシステムであって、前記送信されるデータは、一続きの光学パルスを利用して符号化された二進データを含み、前記光学パルスは名目上の特徴を有し、
前記装置により出力された一続きの光学パルスを表す少なくとも1つの記録を出力する装置の出力に組み合わせられるオシロスコープであって、入力波形に位相シフトを付与するように動作可能であり、前記記録が、220fsに等しいか、またはこれよりも良好な分解能および100ps以上の記録長を有するように動作可能なオシロスコープと、
前記記録を処理する処理ユニットであって、前記記録を表す1つまたは複数のパルスを処理して、1つまたは複数の光学パルスが、前記1つまたは複数のパルスが許容可能な品質を有することを示す基準を満たすか否かを判断するように動作可能な処理ユニットと
を備え、
前記処理ユニットが、前記処理に応答して出力を生成するように動作可能である、システム。
【請求項57】
前記出力はインジケータを制御する、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記出力は前記装置を制御する、請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記オシロスコープは、第1の出力記録長を有する第1の記録および第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するように動作可能であり、前記処理ユニットは、前記オシロスコープが前記処理ユニットによる処理のために前記処理ユニットに返すのが、出力記録長がより長い第1のフォーマットの第1の記録、および出力記録長のより短い第2のフォーマットの第2の記録に応答して、前記オシロスコープに1つまたは複数の通信を送信するように動作可能であり、前記処理ユニットは、前記第1の記録および前記第2の記録を処理するように動作可能である、請求項56に記載のシステム。
【請求項60】
前記システムは、前記処理ユニットにより出力される出力に応答して、前記装置が、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、バイアス電圧パラメータ、およびRF電力パラメータのうちの1つまたは複数を調整するように動作可能である、請求項56に記載のシステム。
【請求項61】
フォトニックチップであって、
基板と、
(a)入力波形を分散させる分散を有する第1の分散要素、(b)前記第1の分散要素の分散にマッチングした分散を有するポンプパルスを分散させるように構成された第2の分散要素、(c)出力波形を出力する導波管であって、前記導波管により出力される前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、四光波混合により前記入力波形および前記ポンプパルスを結合するように構成された導波管、の要素を有するデバイス構造と、を備え、
前記第1の分散要素、前記第2の分散要素、および前記導波管のそれぞれが、前記基板の上に配置された導波管材料をエッチングすることにより形成される、フォトニックチップ。
【請求項62】
前記デバイス構造が、前記出力波形の検出に使用される検出器部分をさらに備え、前記検出器部分が、導波管材料をエッチングすることにより形成される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項63】
前記デバイス構造が、前記出力波形を検出する検出器をさらに備え、前記検出器の第1の部分が、導波管材料をエッチングすることにより形成され、前記検出器の第2の部分が、感光性半導体材料をエッチングすることにより形成され、前記感光性半導体材料が、前記導波管材料の近傍に配置される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項64】
前記デバイス構造が格子および光検出器アレイを有し、前記出力波形を検出する分光計をさらに備え、前記格子が前記導波管材料をエッチングすることにより形成され、前記感光性半導体材料をエッチングすることにより前記光検出器アレイが形成され、前記感光性半導体材料が前記導波管材料の近傍に配置される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項65】
前記デバイス構造が、前記出力波形を分散させる出力分散要素をさらに備え、前記出力分散要素が、前記導波管材料をエッチングすることにより形成される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項66】
前記デバイス構造が、前記入力波形を表す電気信号記録を出力する電気信号出力および前記出力波形を出力する光学出力を内部に画定する、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項67】
前記デバイス構造は、入力波形を入力するための第1の光学入力と、ポンプパルスを入力するための第2の光学入力と、光学出力および電気信号出力からなる群から選択される少なくとも1つの出力とを内部に画定する、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項1】
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
前記光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記光学要素に組み合わせられ、前記ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと、を備えた装置であって、
前記光学要素および前記ポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットのそれぞれが、前記光学要素に組み合わせられ、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記入力波形および前記ポンプパルスが前記光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【請求項2】
前記第1の分散要素の分散を前記第2の分散要素の分散と調整するために、前記第2の分散要素および前記第1の分散要素が2:1の分散比を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記入力波形および前記ポンプパルスが四光波混合により結合される前記光学要素が、フォトニックチップ上に設けられた導波管を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記入力波形が前記光学要素に達する前に分散の1焦点距離を移動するように、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットが構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ポンプパルス入力ユニットがポンプパルス源および前記第2の分散要素により提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記出力波形を検出する検出ユニットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記出力波形を検出する検出ユニットをさらに備え、前記検出ユニットが分光計および光検出器を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記光学要素がフォトニック導波管により提供され、前記第1の分散要素、前記第2の分散要素、および前記フォトニック導波管がフォトニックチップスケール素子内に組み込まれる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記フォトニック導波管が半導体導波管である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光学要素が、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記光学要素が、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記光学要素が、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように前記光学要素が構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記光学要素の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように前記光学要素が構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記光学要素が、前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
出力波形を出力する光学要素と、
前記光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記光学要素に組み合わせられ、前記ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有する、ポンプパルス入力ユニットと、
前記出力波形を検出する検出ユニットと、を備え、
前記光学要素および前記ポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットのそれぞれが前記光学要素に組み合わせられ、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素は、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記入力波形および前記ポンプパルスが前記光学要素において四光波混合により結合されるように構成される、装置。
【請求項20】
前記検出ユニットが分光計および光検出器の各々を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記光学要素に実質的に直接組み合わせられた分光計を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
出力分散を有する出力分散要素を含み、前記第1の分散要素は入力分散を有し、前記装置が、条件
【数12】
(式中、ResMは前記検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、前記入力分散に対する前記出力分散の比率により決まる倍率である)を満たすように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
出力分散を有する出力分散要素を含み、前記第1の分散要素は入力分散を有し、前記装置が、条件
【数13】
(式中、ResMは前記検出ユニットの分解能限界であり、τpumpはポンプパルス幅であり、Mは、前記入力分散に対する前記出力分散の比率により決まる倍率である)を満たすように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、C通信帯内に零群速度分散点を有すると共に、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を有し、出力波形を出力するように構成された導波管と、
前記光学要素にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記光学要素に組み合わせられ、前記ポンプパルスが伝播する第2の分散要素を有し、前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように前記装置が構成される、ポンプパルス入力ユニットと、
前記出力波形を検出する検出ユニットであって、分光計および光検出器のうちの1つまたは複数を備える、検出ユニットと、を備え、
前記導波管および前記ポンプパルス入力ユニットが時間レンズを形成し、前記第1の分散要素および前記ポンプパルス入力ユニットのそれぞれが前記導波管に組み合わせられ、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記入力波形および前記ポンプパルスが前記導波管において四光波混合により結合されるように構成され、
前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、装置。
【請求項25】
入力波形の表現を生成する装置であって、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、前記入力波形を組み合わせられるように構成された導波管と、
前記導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記導波管に組み合わせられ、前記導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと、を備え、
前記入力波形および前記ポンプパルスが前記導波管内で四光波混合により結合されるように構成され、
前記出力波形が前記導波管から出力され、
前記出力波形を検出する検出ユニットをさらに含む、装置。
【請求項26】
前記導波管が、100nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記導波管が、150nmよりも大きな変換帯域幅をもたらす分散を含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記導波管が、C通信帯内に零群速度分散点を含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記導波管が、前記導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが103であるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記導波管が、前記導波管の信号ピーク電力ダイナミックレンジが100μW〜100mWの範囲内であるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形のそれぞれがS通信帯、C通信帯、およびL通信帯内にあるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項32】
前記導波管内部のピーク光パワーが、自己位相変調を回避するために十分に低いレベルに維持されるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項33】
前記導波管内部のピーク光パワーが、2光子により誘導される自由キャリア効果を回避するために十分に低く維持されるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項34】
前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項35】
フォトニックチップ上に設けられた前記導波管は半導体材料を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項36】
入力波形の表現を生成する装置であって、
入力波形が伝播する第1の分散要素と、
フォトニックチップ上に設けられた導波管であって、出力波形を出力し、前記入力波形を組み合わせるように構成された導波管と、
前記出力波形を検出する検出ユニットと、
前記導波管にポンプパルスを入力するポンプパルス入力ユニットであって、前記導波管に組み合わせられ、第2の分散要素を含み、前記導波管と併せて時間レンズを形成する、ポンプパルス入力ユニットと、を備え、
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記第1の分散要素の分散が前記第2の分散要素の分散にマッチングするように構成され、
前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、前記ポンプパルスを前記導波管内での四光波混合により前記入力波形に結合するように構成される、装置。
【請求項37】
前記第1の分散要素および前記第2の分散要素が、前記フォトニックチップ上に設けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第1の分散要素、前記第2の分散要素、および前記検出ユニットが、前記フォトニックチップ上に設けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
入力波形の高分解能時間領域表現を生成する方法であって、
前記入力波形を分散させて、分散入力波形を生成する工程、
前記分散入力波形を分散ポンプパルスと結合して変換波形を生成することによって、前記分散入力波形を四光波混合に供する工程、および
前記変換波形を記録するために、前記変換波形をスペクトル解析器に提供する工程
を含む、方法。
【請求項40】
前記入力波形を分散させる工程が、前記入力波形が分散する分散を、前記ポンプパルスが分散する分散にマッチングさせることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記マッチングさせる工程が、前記入力波形が分散する分散の2倍の分散性を有する前記ポンプパルスを分散させる分散を提供することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記入力波形に四光波混合を受けさせる工程が、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用する工程を含み、前記導波管がC通信帯に零群速度分散点を含むように構成される、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記入力波形に四光波混合を受けさせる工程が、フォトニックチップ上に設けられた導波管を利用する工程を含み、前記導波管が、前記導波管内部のピーク光パワーが100mW未満に維持されるように構成される、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
S通信帯、C通信帯、およびL通信帯内である前記入力波形、前記ポンプパルス、および前記出力波形を提供する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
入力波形の表現を生成する装置であって、
前記入力波形が前記光学要素に組み合わせられるように前記装置が構成される光学要素を含み、
前記入力波形が前記光学要素内で2次位相シフトを受けて、前記入力波形に対して位相シフトした出力波形を出力するように前記装置が構成され、
前記出力波形を検出するように動作可能な検出ユニットを含み、
前記検出ユニットが、第1の出力記録長を有する第1の記録を出力するように動作可能であり、第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するようにさらに動作可能なように構成された、装置。
【請求項46】
第1および第2の分散を有する第1および第2の出力分散要素を含み、前記第1の分散は前記第2の分散と異なり、前記出力波形を前記第1および第2の出力分散要素のそれぞれに組み合わせるように動作可能であり、前記検出ユニットは、前記第1の出力分散要素に組み合わせられて、前記第1のデータ記録を出力する第1の光検出器と、前記第2の出力分散要素に組み合わせられて、前記第2の記録を出力する第2の光検出器を有する、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記検出ユニットが、前記第1の記録を出力する分光計および前記第2の記録を出力する光検出器を含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
第1の出力分散要素および第2の出力分散要素を含み、前記出力波形を前記第1の出力分散要素および前記第2の出力分散要素のうちの一方に選択的に組み合わせるスイッチをさらに含む、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記2次位相シフトが四光波混合を利用して提供されるように構成される、請求項45に記載の装置。
【請求項50】
入力波形を処理するシステムであって、
前記入力波形を組み合わせる光学要素を有し、前記入力波形が前記光学要素内で2次位相シフトに供され、前記入力波形に対して位相シフトされた出力波形を出力するように構成されたオシロスコープであって、前記入力波形を表す第1および第2の記録を出力するための検出ユニットを有する、オシロスコープと、
前記第1および第2の記録のそれぞれを処理する処理ユニットであって、前記処理に応答して処理ユニット出力を決定するように動作可能な処理ユニットと、
を備える、システム。
【請求項51】
前記処理ユニット出力が、符号化光学データを送信する装置を制御する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
処理のための前記第1および第2の記録が開ループベースで変化するように動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記検出ユニットにより出力された前記第2の記録が、前記処理ユニットによる前記第1の記録の処理に応答して出力されるように動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の記録が、前記出力波形を検出する分光計を使用して出力されるように動作可能であり、前記第2の記録が光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の記録が、第1の出力分散を通して分散した前記出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるように動作可能であり、前記第2の記録が、第2の分散を通して分散した前記出力波形を検出する光検出器を使用して出力されるようにさらに動作可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項56】
符号化光学データを送信する装置を使用するシステムであって、前記送信されるデータは、一続きの光学パルスを利用して符号化された二進データを含み、前記光学パルスは名目上の特徴を有し、
前記装置により出力された一続きの光学パルスを表す少なくとも1つの記録を出力する装置の出力に組み合わせられるオシロスコープであって、入力波形に位相シフトを付与するように動作可能であり、前記記録が、220fsに等しいか、またはこれよりも良好な分解能および100ps以上の記録長を有するように動作可能なオシロスコープと、
前記記録を処理する処理ユニットであって、前記記録を表す1つまたは複数のパルスを処理して、1つまたは複数の光学パルスが、前記1つまたは複数のパルスが許容可能な品質を有することを示す基準を満たすか否かを判断するように動作可能な処理ユニットと
を備え、
前記処理ユニットが、前記処理に応答して出力を生成するように動作可能である、システム。
【請求項57】
前記出力はインジケータを制御する、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記出力は前記装置を制御する、請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記オシロスコープは、第1の出力記録長を有する第1の記録および第2の出力記録長を有する第2の記録を出力するように動作可能であり、前記処理ユニットは、前記オシロスコープが前記処理ユニットによる処理のために前記処理ユニットに返すのが、出力記録長がより長い第1のフォーマットの第1の記録、および出力記録長のより短い第2のフォーマットの第2の記録に応答して、前記オシロスコープに1つまたは複数の通信を送信するように動作可能であり、前記処理ユニットは、前記第1の記録および前記第2の記録を処理するように動作可能である、請求項56に記載のシステム。
【請求項60】
前記システムは、前記処理ユニットにより出力される出力に応答して、前記装置が、偏光パラメータ、バイアス電圧パラメータ、バイアス電圧パラメータ、およびRF電力パラメータのうちの1つまたは複数を調整するように動作可能である、請求項56に記載のシステム。
【請求項61】
フォトニックチップであって、
基板と、
(a)入力波形を分散させる分散を有する第1の分散要素、(b)前記第1の分散要素の分散にマッチングした分散を有するポンプパルスを分散させるように構成された第2の分散要素、(c)出力波形を出力する導波管であって、前記導波管により出力される前記出力波形が前記入力波形に対して位相シフトされるように、四光波混合により前記入力波形および前記ポンプパルスを結合するように構成された導波管、の要素を有するデバイス構造と、を備え、
前記第1の分散要素、前記第2の分散要素、および前記導波管のそれぞれが、前記基板の上に配置された導波管材料をエッチングすることにより形成される、フォトニックチップ。
【請求項62】
前記デバイス構造が、前記出力波形の検出に使用される検出器部分をさらに備え、前記検出器部分が、導波管材料をエッチングすることにより形成される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項63】
前記デバイス構造が、前記出力波形を検出する検出器をさらに備え、前記検出器の第1の部分が、導波管材料をエッチングすることにより形成され、前記検出器の第2の部分が、感光性半導体材料をエッチングすることにより形成され、前記感光性半導体材料が、前記導波管材料の近傍に配置される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項64】
前記デバイス構造が格子および光検出器アレイを有し、前記出力波形を検出する分光計をさらに備え、前記格子が前記導波管材料をエッチングすることにより形成され、前記感光性半導体材料をエッチングすることにより前記光検出器アレイが形成され、前記感光性半導体材料が前記導波管材料の近傍に配置される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項65】
前記デバイス構造が、前記出力波形を分散させる出力分散要素をさらに備え、前記出力分散要素が、前記導波管材料をエッチングすることにより形成される、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項66】
前記デバイス構造が、前記入力波形を表す電気信号記録を出力する電気信号出力および前記出力波形を出力する光学出力を内部に画定する、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【請求項67】
前記デバイス構造は、入力波形を入力するための第1の光学入力と、ポンプパルスを入力するための第2の光学入力と、光学出力および電気信号出力からなる群から選択される少なくとも1つの出力とを内部に画定する、請求項61に記載のフォトニックチップ。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2012−506072(P2012−506072A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532209(P2011−532209)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/060656
【国際公開番号】WO2010/045339
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(508057896)コーネル・ユニバーシティー (12)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/060656
【国際公開番号】WO2010/045339
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(508057896)コーネル・ユニバーシティー (12)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
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