説明

位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ

【課題】シリンダボディ内に設けたスイッチ挿入孔内において、汎用の位置検出スイッチを、その取付用ねじ孔を用いて、ストロークエンド付近ににあるスイッチ調整窓において容易に位置調整可能に収容した流体圧シリンダを提供する。
【解決手段】ピストン7の位置検出に汎用の位置検出スイッチ10を用い、シリンダボディ1に配設した2本のスイッチ挿入孔2のそれぞれ反対側ストローク端に、シリンダボディの外側面に開口するスイッチ調整窓4を設け、それに着脱可能で液密に透光性材料からなる窓カバー5を取り付け、スイッチ挿入孔内の位置検出スイッチの動作表示灯14を目視可能にする。2本のスイッチ挿入孔は外部に対して液密に封止する。上記スイッチ調整窓において、スイッチ挿入孔への位置検出スイッチの取付位置を調整可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンの駆動位置を検出する位置検出スイッチを備えた位置検出スイッチ付き流体圧シリンダに関するものであり、特に食品関係加工機械等に用いるのに適した流体圧シリンダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリンダボディ内のシリンダ孔に沿って摺動するピストンにマグネットを取り付け、該シリンダボディに、磁気センサにより上記ピストンの近接を検出する位置検出スイッチを取り付けて上記ピストンの位置を検出し、出力される検出信号を自動制御のための制御信号とするようにしたものにおいて、該位置検出スイッチをシリンダボディ内に収容するようにしたものは、一例として示す特許文献1等により既に知られている。
【0003】
このように、シリンダボディの内部に位置検出スイッチを配設すると、シリンダボディの外側に位置検出スイッチの取付け溝やレールのほか、位置検出スイッチを取り付けるための金具や取付けボルト等の多くの凹凸が形成されることはなく、シリンダボディの外面の清掃が容易になるが、更に、上記食品や薬品関係加工機械等の流体圧シリンダとして用いる場合には、高温・高圧の洗浄液による洗浄が頻繁に行われるため、上記外面の凹凸が少なくなると、少ない清掃工数で隅々まで確実に洗浄できると共に、洗浄後の排水性や拭き取り性も改善され、食品や薬品関係加工機械等に用いる流体圧シリンダとして適したものになる。
【0004】
上述した流体圧シリンダにおいて、位置検出スイッチによりピストンに設けたマグネットの近接を検出して該ピストンの位置を検出信号として出力させる場合に、ピストンがストロークエンドに達したことを検出するのが通例であるが、その場合にも、ピストンが完全にストロークエンドに達したことを検出できるだけでなく、ストロークエンドに近い任意設定位置に達したことを検出可能にして、その信号を自動制御のための制御信号とすることも多く、そのため、位置検出スイッチをシリンダボディのストロークエンド付近に収容するにしても、その軸線方向の位置調整を可能にすることが要求される。
【0005】
また、上記シリンダボディ内に収容する位置検出スイッチとしては、従来からシリンダボディの外面のスイッチ取付溝等に収容して用いている汎用のものをそのまま利用するのが、経済性や利便性において望ましく、その位置検出スイッチを用いる場合には、該位置検出スイッチ上にその動作状態を確認するための動作表示灯が設けられているので、その動作表示灯をシリンダボディ外から視認できるようにすることが望まれ、更に、食品や薬品関係加工機械等の流体圧シリンダとして用いる場合には、上述した高温・高圧の洗浄液による洗浄に耐える構成と各部の液密性などが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許公開第4408639A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、上述した食品や薬品関係加工機械等において用いるのに適する流体圧シリンダであって、従来からシリンダボディの外面のスイッチ取付溝に取り付けている汎用の位置検出スイッチを、その取り付けに用いているねじ孔をも利用して使用可能にして、シリンダボディ内おけるストロークエンド付近に容易に位置調整可能に収容し、該位置検出スイッチの動作表示灯もシリンダボディ外から視認できるようにし、しかも、該位置検出スイッチの位置調整を、該スイッチの取付位置にあるスイッチ調整窓において行えるようにして、その位置調整のために流体圧シリンダの全部または一部をそれが設置されている機械等から取り外したりする必要をなくした流体圧シリンダを提供することにある。
【0008】
本発明の他の技術的課題は、高温・高圧の洗浄液による洗浄にも耐える構成と各部の液密性を確保し、更に、流体圧シリンダの設置環境に応じて位置検出スイッチのリード線の液密状態での導出方向を選択できるようにした流体圧シリンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明によれば、棒状をなすスイッチ本体内に磁気センサ及び動作表示灯を内蔵して、該スイッチ本体の一端から信号送出用のリード線を導出し、上記スイッチ本体にその軸線と直交する取付用のねじ孔を開設した位置検出スイッチを備え、該位置検出スイッチにより、シリンダボディ内のシリンダ孔に沿って摺動するピストンに設けたマグネットの近接を検出し、その信号を上記ピストンの位置の検出信号として上記リード線を通じて出力する流体圧シリンダにおいて、上記シリンダボディに、上記シリンダ孔に平行して配設した2本のスイッチ挿入孔と、それらのスイッチ挿入孔をそれぞれピストンの反対側ストローク端におけるスイッチ取付位置調整範囲内においてシリンダボディの外側面に開口させるスイッチ調整窓と、該スイッチ調整窓に着脱または移動可能で液密に取り付けられ、上記位置検出スイッチの動作表示灯を目視可能にする透光性材料からなる窓カバーと、上記2本のスイッチ挿入孔を外部に対して液密に封止する封止部材とを備え、上記位置検出スイッチは、それに接続した上記リード線と共に上記スイッチ挿入孔にその軸線方向に移動可能に挿入して、該リード線が上記封止部材を通して外部に液密に導出され、上記スイッチ調整窓において、該調整窓内における上記スイッチ挿入孔への上記位置検出スイッチの取付位置が、該スイッチ挿入孔の中心軸線方向に調整可能であることを特徴とする位置検出スイッチ付き流体圧シリンダが提供される。
【0010】
本発明に係る上記流体圧シリンダの好ましい実施の形態においては、上記位置検出スイッチが、上記窓カバー内において、窓カバーを開放した上記スイッチ調整窓を通しての操作により、上記スイッチ挿入孔にその中心軸線方向に位置調整可能にねじ固定されたものとし、その場合に、上記窓カバーが、上記スイッチ調整窓の内周に固定される固定枠に可撓ヒンジ部を介して合成樹脂により一体に形成され、上記固定枠をスイッチ調整窓に液密に固定すると共に上記窓カバーを上記固定枠に対して液密に被着可能にすることが望まれる。
【0011】
また、本発明に係る流体圧シリンダの他の好ましい実施例においては、上記スイッチ調整窓の窓カバーが、上記スイッチ調整窓に対して液密性を保持したままで上記スイッチ挿入孔の中心軸線方向へのスライドにより位置調整可能に形成され、上記位置検出スイッチをスイッチ挿入孔内において上記窓カバーの内面側に配置して、該窓カバーの外側から該位置検出スイッチのねじ孔に螺挿するねじにより、該窓カバーの周辺部と位置検出スイッチの肩部との間に上記スイッチ調整窓の口部を挟持させて、該口部に上記窓カバー及び位置検出スイッチが固定される。
【0012】
更に、本発明に係る流体圧シリンダにおいては、上記2本のスイッチ挿入孔に、上記位置検出スイッチの配設位置を該スイッチ挿入孔の中心軸線方向に調整する際のリード線の撓み分が収まる撓み代を設け、この撓み代は上記リード線の撓み分は収まるが棒状をなすスイッチ本体は嵌入できないものとして構成することができる。
【0013】
また、本発明に係る流体圧シリンダにおいては、上記2本のスイッチ挿入孔を、シリンダボディの中心軸線方向の一方端での開孔により外部に開口させると共に、その開口端に近い位置でシリンダボディの中心軸線に対し直交する方向の分岐開孔により該シリンダボディの外側面に開口させ、位置検出スイッチのリード線をそれらの開孔及び分岐開孔のいずれかから選択的に外部に導出可能にすることができる。この場合には、上記シリンダボディの中心軸線方向端の開孔とそれらから分岐させた分岐開孔のいずれか一方から位置検出スイッチのリード線を外部に導出させ、上記開孔及び分岐開孔を液密に封止する封止部材として、上記リード線を導出した上記開孔または分岐開孔の口部においては、該リード線にその周囲をシールするガスケットを外嵌させ、該ガスケットを上記開孔または分岐開孔の口部に押さえ板で圧嵌することによって保持させ、一方、上記リード線を導出しない上記分岐開孔または開孔を液密に封止する封止部材としては、それらの分岐開孔または開孔に圧嵌する封止用のプラグを用いるのが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
上述した本発明によれば、食品や薬品関係加工機械等において用いるのに適する流体圧シリンダにおいて、従来からシリンダボディの外面のスイッチ取付溝に取り付けている汎用の位置検出スイッチを、その取り付けに用いているねじ孔をも利用して使用し、シリンダボディ内おけるストロークエンド付近に容易に位置調整可能に収容して、該位置検出スイッチの動作表示灯もシリンダボディ外から視認することができる。
【0015】
しかも、該位置検出スイッチの位置調整を、該スイッチの取付位置におけるスイッチ調整窓において行えるようにしているので、その位置調整のために流体圧シリンダの全部または一部をそれが設置されている機械等から取り外したりする必要がない。
また、高温・高圧の洗浄液による洗浄にも耐える構成と各部の液密性を確保し、更に、流体圧シリンダの設置環境に応じて位置検出スイッチのリード線の液密状態での導出方向も選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る流体圧シリンダの第1実施例の外観を示す平面図である。
【図2】図1のA−A位置における拡大断面図である。
【図3】図1の拡大右側面図である。
【図4】図2の位置検出スイッチ取付位置の拡大断面図である。
【図5】上記実施例の位置検出スイッチ取付位置における要部拡大縦断面図である。
【図6】上記実施例における窓カバーの半開状態を示す断面図である。
【図7】上記窓カバーの全開状態を示す断面図である。
【図8】本発明に係る流体圧シリンダの第2実施例の位置検出スイッチ取付位置における要部拡大縦断面図である。
【図9】上記第2実施例における位置検出スイッチ取付位置の部分平面図である。
【図10】同要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜図7は本発明に係る流体圧シリンダの第1実施例を示している。
本発明に係る流体圧シリンダは、基本的に、シリンダボディ外のスイッチ取付溝に位置検出スイッチを取り付けるのではなく、シリンダボデイ1内に設けたスイッチ挿入孔2に位置検出スイッチ10を収容して使用するものであり、その場合に、従来からシリンダボディの外面のスイッチ取付溝に取り付けている汎用の位置検出スイッチをそのまま利用するのが、経済性や利便性において望ましく、しかも、その位置検出スイッチを用いる場合に、該位置検出スイッチ上に設けられている動作状態を確認するための動作表示灯をシリンダボディ外から視認可能にし、また、該汎用の位置検出スイッチの取り付けに用いているねじ孔をも利用可能にするの低コスト化のために有効である。
【0018】
本発明の流体圧シリンダは、かかる要求を満たすものであり、そのため、位置検出スイッチ自体は従来から汎用されているものであって、その構成は、図2、図4及び図5からわかるように、棒状をなすスイッチ本体11内に磁気センサ及び動作表示灯14を内蔵し、該スイッチ本体11の一端から信号送出用のリード線12を導出し、上記スイッチ本体11にその軸線と直交する取付用のねじ孔13を開設したものである。該位置検出スイッチ10は、シリンダボデイ1内のシリンダ孔3に沿って摺動するピストン7に設けたマグネット8の近接を検出し、その信号を上記ピストン7の位置の検出信号として上記リード線12を通じて出力するものである。
【0019】
一方、上記シリンダボデイ1は、図2からわかるように、上記シリンダ孔3に平行して並設した2本のスイッチ挿入孔2,2と、図1及び図5に示すように、それらのスイッチ挿入孔2を、それぞれピストン7の反対側ストローク端におけるスイッチ取付位置調整範囲内において、シリンダボデイ1の外側面に沿って長孔状に開口させるスイッチ調整窓4と、該スイッチ調整窓4に着脱可能で液密に取り付けられて、上記位置検出スイッチ10の動作表示灯14を目視可能にする透明または半透明の透光性材料からなる窓カバー5と、上記2本のスイッチ挿入孔2を外部に対して液密に封止する後述の封止部材とを備えている。なお、図ではシリンダボディ1における一面に2本のスイッチ挿入孔2,2を並設した実施例を示しているが、必要があれば他の面にも同様なスイッチ挿入孔を設けることもできる。
【0020】
上記位置検出スイッチ10は、そのスイッチ本体11の一端に接続されている上記リード線12と共に、上記スイッチ挿入孔2にその軸線方向に移動可能に挿入して、該リード線12が上記封止部材を通して外部に液密に導出されるものである。
なお、上記シリンダボデイ1の両端には、そのシリンダ孔3の両端を塞ぐロッドカバー1a及びヘッドカバー1bとを備え、上記シリンダ孔3内には上記ピストン7と、それに連結されて上記ロッドカバー1aを摺動自在に貫通するピストンロッド9とを有しているが、流体圧シリンダの基本的構成は、かかる構成に限るものではない。
【0021】
上記スイッチ調整窓4内においては、該調整窓4内における上記スイッチ挿入孔2への上記位置検出スイッチ10の取付位置が、該スイッチ挿入孔2の中心軸線方向に調整可能に形成されている。これを具体的に説明すると、上記位置検出スイッチ10は、図1及び図5からわかるように、スイッチ挿入孔2内の所定位置に挿入されたスイッチ本体11の取付用のねじ孔13にねじ15を螺挿して、該ねじ15の先端をスイッチ挿入孔2の内底に突き立て、該スイッチ本体11の肩部11aをスイッチ挿入孔2におけるスイッチ調整窓4の口部内側に押し付けることにより固定されるものであり、したがって、上記スイッチ調整窓4の窓カバー5を開いてねじ15を操作することにより、上記位置検出スイッチ10はスイッチ調整窓4を通してねじ15の操作ができる範囲内においてスイッチ挿入孔2の軸線方向に任意に位置調整することができる。逆に言えば、上記スイッチ調整窓4は、位置検出スイッチ10の位置を調整したい範囲内に設ければよい。
【0022】
上記窓カバー5は、図4〜図7に示すように、上記スイッチ調整窓4の内周に固定される固定枠18に可撓ヒンジ部19を介して合成樹脂により一体に形成し、該窓カバー5に設けた脚部5aの係止凸部5bを上記固定枠18の口部突条18aに対して係止させ、それによって窓カバー5を固定枠18に対して液密に被着可能にしたものである。これらのスイッチ調整窓4への固定は、例えば、上記固定枠18をスイッチ調整窓4の内周に接着等により液密に固定することにより行うことができる。窓カバー5を固定枠18に被着したときにそれらの間は図示しないシール部材によりシールされる。
【0023】
上記2本のスイッチ挿入孔2は、シリンダボデイ1の中心軸線方向の一方端での開孔2aにより外部に開口させるだけでもよいが、図示の実施例では、図5に示すように、当該一方端での外部への開口だけでなく、その開口端に近い位置で、シリンダボデイ1の中心軸線に対し直交する方向の分岐開孔2bにより、該シリンダボデイ1の上側の外側面に開口させ、位置検出スイッチ10のリード線12をそれらの開孔2a及び分岐開孔2bのいずれかから選択的に外部に導出可能に形成している。これは、シリンダボディ1の設置位置によっては、スイッチ挿入孔2の開孔端に障害物があってリード線12の導出ができないことがあるからである。
【0024】
このように、上記シリンダボデイ1の中心軸線方向端のスイッチ挿入孔2の開孔2aの他に分岐開孔2bがある場合にも、それらの各開孔は液密に閉鎖する必要があるため、上記開孔2aとそれらから分岐させた分岐開孔2bのいずれか一方から位置検出スイッチ10のリード線12を外部に導出したとき、上記開孔2a及び分岐開孔2bを液密に封止する封止部材として、図1、図3及び図5に示すように、リード線12を導出した上記開孔2aの口部においては、該リード線12にその周囲をシールするガスケット21を外嵌させ、該ガスケット21を上記開孔2aの口部に押さえ板22で圧嵌してねじ22aで固定することによって保持させ、一方、上記リード線12を導出しない上記分岐開孔2bを液密に封止する封止部材としては、それらの分岐開孔2bに圧嵌する弾性材からなる封止用のプラグ24を用いている。リード線12が分岐開孔2bから導出される場合に、上記ガスケット21及び押さえ板22と封止用のプラグ24を用いる開孔が逆になるのは当然である。
【0025】
上記ガスケット21及び押さえ板22によってリード線12が導出される開孔を閉鎖した場合には、リード線12がその開孔部分において固定されるため、その後に上記2本のスイッチ挿入孔2におけるスイッチ本体11の軸線方向の位置調整のための移動が困難になる可能性がある。このような場合のスイッチ本体11の位置調整を容易にするため、図2からわかるように、上記位置検出スイッチ10の配設位置の調整に必要な撓みをリード線12に与えるように、スイッチ挿入孔2の側方にリード線12の撓み分が収まる撓み代2cを膨出状態に設けている。そのため、スイッチ本体11を中心軸線方向に調整する可能性がある場合には、この撓み代2cにリード線の撓み分を収めておけばよい。但し、この撓み代2cが大きくて棒状をなすスイッチ本体11が嵌入する場合には、スイッチ本体11の取付操作に支障を来すこともあるので、スイッチ本体11が嵌入できない断面形状であることが望ましい。
【0026】
図8〜図10は、本発明における位置検出スイッチ10の装着構造を異にする第2実施例を示している。この第2実施例では、第1実施例と同じ位置検出スイッチ10を用い、小さなねじ頭16aを有するねじ16により固定するために該ねじ頭16aが窓カバー上に突出はするが、窓カバーを取り外さなくてもそれを取り付けているねじを緩めるだけで、窓カバーと共に上記位置検出スイッチ10を位置調整可能にしている点に特徴がある。
【0027】
この第2実施例の具体的構成について詳細に説明すると、シリンダボディ1には前記第1実施例と同様なスイッチ挿入孔2及びスイッチ調整窓4を備えているが、それに被着する窓カバー6は、該スイッチ調整窓4を液密に覆ったままでスイッチ本体11の位置調整の範囲にわたって、シリンダボデイ1に対してスイッチ挿入孔2の中心軸線方向へのスライドにより移動可能に形成され、該窓カバー6の内側面には、上記範囲にわたるスライドをガイドするためのガイド板6aを、スイッチ調整窓4の長手方向の内側面に沿ってガイドされるように突設している。また、図示を省略しているが、上記窓カバー6には、シリンダボディ1のスイッチ調整窓4の周囲との間を、該窓カバー6の移動位置に関わらずシールするシール部材が設けられる。
【0028】
上記位置検出スイッチ10の固定は、該位置検出スイッチ10をスイッチ挿入孔2内において上記窓カバー6の内面側に配置し、該窓カバー6に設けたねじ挿通孔6bを通して、窓カバー6の外側から該位置検出スイッチ10のねじ孔13にねじ頭付きのねじ16を螺挿して締め付けることにより行われ、この場合、該窓カバー6の周辺部と位置検出スイッチ10のスイッチ本体11の肩部11aとの間に上記スイッチ調整窓4の口部4aを挟持させて、該口部4aに上記窓カバー6及び位置検出スイッチ10が固定される。上記窓カバー6に設けたねじ挿通孔6bの周りもシールするのは勿論である。
【0029】
上記構成を有する第2実施例の流体圧シリンダにおいて位置検出スイッチ10の取付位置を調整するには、窓カバー6の外側から位置検出スイッチ10のねじ孔13に螺挿しているねじ頭16a付きのねじ16を緩めたうえで、窓カバー6と共に位置検出スイッチを適切な位置に移動させ、その位置で再度ねじ16を締め付ければよい。
なお、この第2実施例の上記以外の構成は図示を省略しているが、当該構成及び作用は第1実施例の場合と実質的に同じであるから、主要な同一構成部分に第1実施例と同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
【符号の説明】
【0030】
1 シリンダボデイ
2 スイッチ挿入孔
2a 開孔
2b 分岐開孔
2c 撓み代
3 シリンダ孔
4 スイッチ調整窓
4a 口部
5,6 窓カバー
7 ピストン
8 マグネット
10 位置検出スイッチ
11 スイッチ本体
11a 肩部
12 リード線
13 ねじ孔
14 動作表示灯
15,16 ねじ
18 固定枠
19 可撓ヒンジ部
21 ガスケット
22 押さえ板
24 プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状をなすスイッチ本体内に磁気センサ及び動作表示灯を内蔵して、該スイッチ本体の一端から信号送出用のリード線を導出し、上記スイッチ本体にその軸線と直交する取付用のねじ孔を開設した位置検出スイッチを備え、該位置検出スイッチにより、シリンダボディ内のシリンダ孔に沿って摺動するピストンに設けたマグネットの近接を検出し、その信号を上記ピストンの位置の検出信号として上記リード線を通じて出力する流体圧シリンダにおいて、
上記シリンダボディに、上記シリンダ孔に平行して配設した2本のスイッチ挿入孔と、それらのスイッチ挿入孔をそれぞれピストンの反対側ストローク端におけるスイッチ取付位置調整範囲内においてシリンダボディの外側面に開口させるスイッチ調整窓と、該スイッチ調整窓に着脱または移動可能で液密に取り付けられ、上記位置検出スイッチの動作表示灯を目視可能にする透光性材料からなる窓カバーと、上記2本のスイッチ挿入孔を外部に対して液密に封止する封止部材とを備え、
上記位置検出スイッチは、それに接続した上記リード線と共に上記スイッチ挿入孔にその軸線方向に移動可能に挿入して、該リード線が上記封止部材を通して外部に液密に導出され、
上記スイッチ調整窓において、該調整窓内における上記スイッチ挿入孔への上記位置検出スイッチの取付位置が、該スイッチ挿入孔の中心軸線方向に調整可能である、
ことを特徴とする位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ。
【請求項2】
上記位置検出スイッチが、上記窓カバー内において、窓カバーを開放した上記スイッチ調整窓を通しての操作により、上記スイッチ挿入孔にその中心軸線方向に位置調整可能にねじ固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ。
【請求項3】
上記窓カバーが、上記スイッチ調整窓の内周に固定される固定枠に可撓ヒンジ部を介して合成樹脂により一体に形成され、上記固定枠をスイッチ調整窓に液密に固定すると共に上記窓カバーを上記固定枠に対して液密に被着可能にした、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ。
【請求項4】
上記スイッチ調整窓の窓カバーが、上記スイッチ調整窓に対して液密性を保持したままで上記スイッチ挿入孔の中心軸線方向へのスライドにより位置調整可能に形成され、上記位置検出スイッチをスイッチ挿入孔内において上記窓カバーの内面側に配置して、該窓カバーの外側から該位置検出スイッチのねじ孔に螺挿するねじにより、該窓カバーの周辺部と位置検出スイッチの肩部との間に上記スイッチ調整窓の口部を挟持させて、該口部に上記窓カバー及び位置検出スイッチを固定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ。
【請求項5】
上記2本のスイッチ挿入孔に、上記位置検出スイッチの配設位置を該スイッチ挿入孔の中心軸線方向に調整する際のリード線の撓み分が収まる撓み代を設け、この撓み代は上記リード線の撓み分は収まるが棒状をなすスイッチ本体は嵌入できないものとした、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ。
【請求項6】
上記2本のスイッチ挿入孔を、シリンダボディの中心軸線方向の一方端での開孔により外部に開口させると共に、その開口端に近い位置でシリンダボディの中心軸線に対し直交する方向の分岐開孔により該シリンダボディの外側面に開口させ、位置検出スイッチのリード線をそれらの開孔及び分岐開孔のいずれかから選択的に外部に導出可能にしている、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ。
【請求項7】
上記シリンダボディの中心軸線方向端の開孔とそれらから分岐させた分岐開孔のいずれか一方から位置検出スイッチのリード線を外部に導出させ、上記開孔及び分岐開孔を液密に封止する封止部材として、上記リード線を導出した上記開孔または分岐開孔の口部においては、該リード線にその周囲をシールするガスケットを外嵌させ、該ガスケットを上記開孔または分岐開孔の口部に押さえ板で圧嵌することによって保持させ、一方、上記リード線を導出しない上記分岐開孔または開孔を液密に封止する封止部材としては、それらの分岐開孔または開孔に圧嵌する封止用のプラグを用いている、
ことを特徴とする請求項6に記載の位置検出スイッチ付き流体圧シリンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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