説明

位置検出装置

【構成】サブCPU34は、電源オフ期間に現在位置を繰り返し検出し、検出された現在位置を現在位置レジスタRGST1に設定する。サブCPU34はまた、電源オン期間に、現在位置レジスタRGST1の設定値を参照して現在位置を検出する。電源オフ期間における現在位置の検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき、サブCPU34は、電源オフ期間における現在位置の検出処理を制限する。
【効果】消費電力を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、位置検出装置に関し、特に電子カメラに適用され、現在位置を繰り返し検出する、位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、予め登録された撮影地点に撮影者を誘導するにあたって、当該撮影地点を表すマークとGPS受信部によって検出されたカメラの現在位置を表すマークとが、地図とともにモニタ画面に表示される。これによって、撮影者は迅速かつ確実に撮影地点に到達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−214681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、主電源がオフされている状態でGPS受信部が利用されることはなく、カメラの現在位置情報を利用した動作性能の向上に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、動作性能を向上させることができる、位置検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う位置検出装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、電源オフ操作から電源オン操作までの第1期間に現在位置を検出する第1検出手段(S55)、電源オン操作から電源オフ操作までの第2期間に第1検出手段の検出結果を参照して現在位置を検出する第2検出手段(S29)、および第1検出手段の検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき第1検出手段の検出処理を制限する制限手段(S93~S97)を備える。
【0007】
好ましくは、制限手段は、現在時刻から既定時間帯の末尾時刻までの時間を算出する算出手段(S95)、および算出手段によって算出された時間を第1検出手段の起動制御のために設定する設定手段(S101)を含む。
【0008】
好ましくは、第2検出手段は現在位置を繰り返し検出し、第2検出手段によって検出された現在位置を第2期間における登録操作に応答して登録する登録手段(S43, S47)がさらに備えられる。
【0009】
好ましくは、登録操作に応答して撮像処理を実行する撮像手段(S49, S115~S117)、および登録手段によって登録された現在位置を撮像手段から出力された被写界像に割り当てる割り当て手段(S119~S121)がさらに備えられる。
【0010】
好ましくは、第2検出手段によって検出された位置が登録手段によって登録された位置に関連する既定条件を満足するとき報知を発生する発生手段(S67~S73, S79)がさらに備えられる。
【0011】
この発明に従う位置検出プログラムは、位置検出装置(10)のプロセッサ(34)に、電源オフ操作から電源オン操作までの第1期間に現在位置を検出する第1検出ステップ(S55)、電源オン操作から電源オフ操作までの第2期間に第1検出ステップの検出結果を参照して現在位置を検出する第2検出ステップ(S29)、および第1検出ステップの検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき第1検出ステップの検出処理を制限する制限ステップ(S93~S97)を実行させるための、位置検出プログラムである。
【0012】
この発明に従う位置検出方法は、位置検出装置(10)によって実行される位置検出方法であって、電源オフ操作から電源オン操作までの第1期間に現在位置を検出する第1検出ステップ(S55)、電源オン操作から電源オフ操作までの第2期間に第1検出ステップの検出結果を参照して現在位置を検出する第2検出ステップ(S29)、および第1検出ステップの検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき第1検出ステップの検出処理を制限する制限ステップ(S93~S97)を備える。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、現在位置は、電源オフ状態および電源オン状態のいずれにおいても検出される。ただし、少なくとも電源オン状態における検出処理は、電源オフ状態での現在位置の検出結果を参照して実行される。これによって、電源オン状態において現在位置の検出に要する時間を短縮することができる。また、電源オフ状態における現在位置の検出結果が現在位置と異なる情報を示し、かつ現在時刻が既定時間帯に属するときは、現在位置の検出処理が制限される。つまり、現在時刻が既定時間帯に属する時刻で、かつ操作者の居場所が位置を検出できない場所であれば、位置検出処理が制限される。これによって、消費電力を低減することができる。位置検出の動作性能は、現在位置の検出に要する時間の短縮化や消費電力の低減を通じて向上する。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】(A)は図2実施例に適用される現在位置レジスタの構成の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例に適用される撮影位置テーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図4】電源オン状態における図2実施例の動作の一部を示すタイミング図である。
【図5】電源オフ状態における図2実施例の動作の一部を示すタイミング図である。
【図6】電源オフ状態における図2実施例の動作の他の一部を示す図解図である。
【図7】電源オフ状態における図2実施例の動作のその他の一部を示すタイミング図である。
【図8】図2実施例に適用されるサブCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるサブCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるサブCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるサブCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるサブCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[基本的構成]
図1を参照して、この発明の位置検出装置は、基本的に次のように構成される。第1検出手段1は、電源オフ操作から電源オン操作までの第1期間に現在位置を検出する。第2検出手段2は、電源オン操作から電源オフ操作までの第2期間に、第1検出手段1の検出結果を参照して現在位置を検出する。制限手段3は、第1検出手段1の検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき、第1検出手段1の検出処理を制限する。
【0017】
このように、現在位置は、電源オフ状態および電源オン状態のいずれにおいても検出される。ただし、少なくとも電源オン状態における検出処理は、電源オフ状態での現在位置の検出結果を参照して実行される。これによって、電源オン状態において現在位置の検出に要する時間を短縮することができる。
【0018】
また、電源オフ状態における現在位置の検出結果が現在位置と異なる情報を示し、かつ現在時刻が既定時間帯に属するときは、現在位置の検出処理が制限される。つまり、現在時刻が既定時間帯に属する時刻で、かつ操作者の居場所が位置を検出できない場所であれば、位置検出処理が制限される。これによって、消費電力を低減することができる。
【0019】
位置検出の動作性能は、現在位置の検出に要する時間の短縮化や消費電力の低減を通じて向上する。
[実施例]
【0020】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、電源回路38を含む。電源回路38は、互いに異なる電圧値を各々が示す複数の直流電源をバッテリ42に基づいて生成する。生成された複数の直流電源の一部はサブCPU34および時計回路36に直接的に与えられ、生成された複数の直流電源の他の一部はスイッチ群40を介してシステム全体に与えられる。したがって、サブCPU34および時計回路36は常時起動されるのに対して、システム全体を構成する要素はスイッチ群40のオン/オフに応答して起動/停止される。
【0021】
なお、この実施例において“システム全体”とは、撮像ブロックIM1,メモリブロックMM1,表示ブロックDP1,記録ブロックRC1,メインCPU26,GPS装置28,および音声出力回路30を指し、サブCPU34および時計回路36は“システム全体”から除かれる。
【0022】
キー入力装置32上の電源ボタン32pによって電源オン操作が行われると、サブCPU34は、スイッチ群40を制御してシステム全体を起動し、メインCPU26に向けてスルー表示命令を発行する。なお、以下では、電源オン操作から後述する電源オフ操作までの期間の動作状態を“電源オン状態”と定義し、電源オフ操作から電源オン操作までの期間の動作状態を“電源オフ状態”と定義する。
【0023】
スルー表示命令を受けたメインCPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、撮像ブロックIM1を構成する撮像装置12にプリ露光動作および間引き読み出し動作の繰り返しを命令する。
【0024】
撮像面では被写界を表す電荷が繰り返し生成され、生成された電荷は間引き態様で繰り返し読み出される。撮像装置12からは、読み出された電荷に基づく低解像度の生画像データが周期的に出力される。
【0025】
カメラ処理回路14は、撮像装置12から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,色調調整,YUV変換などの処理を施す。これによって作成されたYUV形式の画像データは、メモリブロックMM1を構成するメモリ制御回路16によってSDRAM18に書き込まれる。
【0026】
表示ブロックDP1を構成するLCDドライバ20は、SDRAM18に格納された画像データをメモリ制御回路16を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ20を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0027】
サブCPU34はまた、電源オン状態において、測地命令をGPS装置28に向けて繰り返し発行する。測地命令には、GPS装置28の測地動作を補助するべく、現在位置レジスタRGST1の設定値(現在位置情報)が記述される。測地命令を受けたGPS装置28は、上空にある複数のGPS衛星から送信された信号と測地命令に記述された現在位置レジスタRGST1の設定値とを参照して現在位置を測定し、測定結果をサブCPU34に返送する。測定結果は、現在位置の測定に成功したとき現在位置情報を示す一方、GPS衛星からの受信不能などの理由で現在位置の測定に失敗したときエラーを示す。
【0028】
図3(A)および図4を参照して、現時位置の測定に成功した場合、現在位置情報は、現在位置レジスタRGST1に設定される。現在位置レジスタRGST1は1つのカラムしか有さず、前回取得された現在位置情報は、今回取得された現在位置情報によって更新される。また、GPS装置28が現在位置の測定に継続的に失敗した時間は、タイマTM1によって測定される。現在位置レジスタRGST1は、現在位置の測定に継続的に失敗した時間が2分に達したとき、クリアされる。
【0029】
電源オン状態においてキー入力装置32上のシャッタボタン32sが操作されると、サブCPU34は、音声出力回路30を制御してレリーズ音を発生し、現在位置レジスタRGST1の設定値を図3(B)に示す撮影位置テーブルTBL1に複製し、そしてレリーズ命令をメインCPU26に向けて発行する。
【0030】
レリーズ音の発生によって、撮影者はシャッタボタン32sの操作が受け付けられたことを認識する。また、現在位置レジスタRSGT1の設定値の複製によって、シャッタボタン32sが操作された時点の位置が撮影位置として撮影位置テーブルTBL1に登録される(図4参照)。
【0031】
レリーズ命令を受けたメインCPU26は、静止画取り込み処理を実行するべく、本露光動作および全画素読み出しを1回ずつ実行することを撮像装置12に命令する。撮像装置12は、撮像面に本露光を施し、これによって生成された全ての電荷を読み出す。この結果、被写界を表す高解像度の生画像データが撮像装置12から出力される。出力された生画像データは上述と同様の処理を施され、この結果、YUV形式に従う高解像度の画像データがSDRAM18に確保される。
【0032】
メインCPU26は続いて、撮影位置テーブルTBL1に登録された最新の撮影位置を検出し、検出された撮影位置をSDRAM18に確保された画像データに割り当てる。メインCPU26はその後、記録処理を実行するべく、記録ブロックRC1を構成するメモリI/F24に対応する命令を与える。
【0033】
メモリI/F24は、SDRAM18に格納された高解像度の画像データおよび撮影位置情報をメモリ制御回路16を通して読み出し、読み出された画像データおよび撮影位置情報をファイル形式で記録媒体26に記録する。なお、メインCPU26は、記録処理の後に動画取り込み処理を再開する。
【0034】
電源ボタン32pによって電源オフ操作が行われると、サブCPU34は、スイッチ群40を制御してシステム全体を停止する。電源オフ状態においては、測地周期が5分に設定される。タイマTM2による測定時間が5分に達すると、サブCPU34は、スイッチ群40を制御してGPS装置28を起動し、現在位置レジスタRGST1の設定値が記述された測地命令をGPS装置28に向けて発行する。この結果、現在位置に関する測定結果がGPS装置28からサブCPU34に返送される。GPS装置28は、測定結果の返送後に停止される。
【0035】
図5を参照して、GPS装置28が現在位置の測定に成功すると、現在位置情報が現在位置レジスタRGST1に設定される。さらに、撮影位置テーブルTBL1に記述された1または2以上の撮影位置の各々と現在位置レジスタRGST1に設定された現在位置との相違が“DF_N”(N:1,2,…)として算出され、現在位置レジスタRGST1に設定された現在位置の変動量が“ΔP”として算出される。
【0036】
図6を参照して、撮影者が位置SP1〜SP3で撮影操作を行い、電源オフ状態において5分かけて位置CPから位置PPに移動した場合、位置SP1から位置CPまでの距離が相違DF_1として算出され、位置SP2から位置CPまでの距離が相違DF_2として算出され、位置SP3から位置CPまでの距離が相違DF_3として算出され、そして位置PPから位置CPまでの距離が変動量ΔPとして算出される。
【0037】
1または2以上の相違DF_Nのいずれもが基準REF1を上回りかつ変動量ΔPが基準REF2を下回る場合、撮影者は撮影位置のいずれからも離れた位置でかつ前回の測定位置の近くに存在するとみなされる。このような状態を“特定状態”と定義する。
【0038】
測地周期のN倍(N:2以上の整数)に相当する期間にわたって特定状態が継続した場合、撮影者は自分が好みの場所に居るにも関わらず撮影操作を忘れていると思われる。このときサブCPU34は、スイッチ群40を制御して音声出力回路30を起動し、音声出力回路30を制御して“撮影しませんか?”という内容の音声ガイドを撮影者に向けて出力する。撮影者は、音声ガイドによって撮影操作を忘れていることを認識する。なお、音声出力回路30は、音声ガイドの出力が完了した後に停止される。
【0039】
電源オフ状態における測地命令に対してGPS装置28から返送された測定結果がエラーを示していれば、サブCPU34は、現在位置レジスタRGST1をクリアし、さらに現在時刻が午後8時から午前6時30分の時間帯に属するか否かを判別する。現在時刻が注目時間帯に属していれば、撮影者は、ホテルのような測地が不可能ないし不要な場所に居ると考えられる。このときは、図7に示すように、現在時刻から午前6:30までの時間が“Ts”として算出され、算出された時間TsがタイマTM2に設定される。次回の測地命令の発行時期は午前6:30まで延長され、GPS装置28による測地処理が午前6:30まで制限される。これによって、不必要な音声ガイドの排除と消費電力の低減とが実現される。
【0040】
サブCPU34は、図8〜図12に示すフロー図に従う処理を実行する。なお、これらのフロー図に対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ(図示せず)に記憶される。
【0041】
まず、図8のステップS1で現在位置レジスタRGST1をクリアする。ステップS3では電源オン操作が行われたか否かを判別し、ステップS15では電源オフ操作が行われたか否かを判別する。
【0042】
ステップS3でYESであれば、ステップS5でスイッチ群40を制御してシステム全体を起動し、ステップS7でメインCPU26に向けてスルー表示命令を発行する。ステップS9では、現在の状態が電源オン状態であることを表明するべく、フラグFLGpwを“1”に設定する。続いて、ステップS11でタイマTM1の測定時間(測定時間:タイムアウトまでの猶予時間)を2分に設定し、ステップS13でタイマTM1のリセット&スタートを実行する。ステップS13の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0043】
ステップS15でYESであればステップS17に進み、スイッチ群40を制御してシステム全体を停止する。続いて、現在の状態が電源オフ状態であることを表明するべく、ステップS19でフラグFLGpwを“0”に設定する。ステップS21では特定状態の継続時間を判別するための変数CNTを“0”に設定し、ステップS23ではタイマTM2の測定時間を5分に設定する。その後、ステップS25でタイマTM2のリセット&スタートを実行し、ステップS3に戻る。
【0044】
ステップS3およびS15のいずれもNOであれば、フラグFLGpwの状態を図9に示すステップS27で判別する。フラグFLGpwが“1”であれば、現在の状態は電源オン状態であるとみなし、ステップS29に進む。一方、フラグFLGpwが“0”であれば、現在の状態は電源オフ状態であるとみなし、図10に示すステップS51に進む。
【0045】
ステップS29では、現在位置を測定するべくGPS装置28に向けて測地命令を発行する。測地命令を受けたGPS装置28は、上空にある複数のGPS衛星からの信号を受信して現在位置を測定し、測定結果をサブCPU34に返送する。
【0046】
ステップS31では、GPS装置28が現在位置の測定に成功したか否かを、GPS装置28から返送された測定結果に基づいて判別する。判別結果がYESであればステップS33に進み、測定結果が示す現在位置情報を現在位置レジスタRGST1に設定する。ステップS35〜S37では上述のステップS9〜S11と同様の処理を実行し、処理が完了するとステップS43に進む。
【0047】
ステップS31の判別結果がNOであればステップS39に進み、タイマTM1にタイムアウトが発生したか否かを判別する。ここでNOであればそのままステップS41に進み、YESであればステップS41で現在位置レジスタRGST1をクリアしてからステップS43に進む。
【0048】
ステップS43ではシャッタボタン38sが操作されたか否かを判別し、NOであればそのままステップS3に戻る一方、YESであればステップS45〜S49の処理を経てステップS3に戻る。ステップS45では音声出力回路30にレリーズ音の出力を命令し、ステップS47では現在位置レジスタRGSTの設定値を撮影位置として撮影位置テーブルTBL1に記述し、そしてステップS49ではレリーズ命令をメインCPU34に向けて発行する。
【0049】
図10に示すステップS51では、タイマTM2にタイムアウトが発生したか否かを判別し、NOであればステップS3に戻る一方、YESであればステップS53に進む。ステップS53ではスイッチ群40を制御してGPS装置28を起動し、ステップS55では上述のステップS29と同様の処理を実行する。この結果、現在位置に関する測定結果がGPS装置28からサブCPU34に返送される。
【0050】
ステップS57ではスイッチ群40を制御してGPS装置28を停止し、続くステップS59ではGPS装置28が測地に成功したか否かを判別する。GPS装置28から返送された測定結果が現在位置を示していれば測地成功とみなしてステップS59に進み、GPS装置28から返送された測定結果がエラーを示していれば測地失敗とみなしてステップS89に進む。
【0051】
ステップS61では、測定結果が示す現在位置を現在位置レジスタRGST1に設定する。ステップS63では、撮影位置テーブルTBL1に記述された1または2以上の撮影位置の各々と現在位置レジスタRGST1に設定された現在位置との相違を“DF_N”(N:1,2,…)として算出する。ステップS65では、現在位置レジスタRGST1に設定された現在位置の変動量(ステップS61の処理の前後における現在位置レジスタRGST1の設定値の差分)を“ΔP”として算出する。
【0052】
図11に示すステップS67では、ステップS63で算出された1または2以上の相違DF_Nのいずれもが基準REF1を上回るか否かを判別する。続くステップS69では、ステップS65で算出された変動量ΔPが基準REF2を下回るか否かを判別する。ステップS67およびS69のいずれか一方でもNOであれば、ステップS83で変数CNTを“0”に設定し、ステップS85〜S87で上述のステップS23〜S25と同様の処理を実行し、その後にステップS3に戻る。
【0053】
これに対して、ステップS67およびS69のいずれもYESであれば、ステップS71で変数CNTをインクリメントし、インクリメントされた変数CNTが定数Nに達したか否かをステップS73で判別する。判別結果がNOであればそのままステップS85に進み、判別結果がYESであればステップS75〜S81の処理を経てステップS85に進む。
【0054】
ステップS75では、変数CNTを“0”に戻す。ステップS77では音声出力回路30を起動し、ステップS79では起動した音声出力回路30を制御して音声ガイドを出力する。音声ガイドの出力が完了すると、ステップS81で音声出力回路30を停止し、その後にステップS85に進む。
【0055】
図12に示すステップS89では現在位置レジスタRGST1をクリアし、ステップS91では変数CNTを“0”に設定する。ステップS93では、現在時刻が午後8時から午前6時30分の時間帯に属するか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS99でタイマTM2の測定時間を5分に設定する。一方、判別結果がYESであればステップS95に進み、現在時刻から午前6:30までの時間を“Ts”として算出する。ステップS97では、算出された時間TsをタイマTM2の測定時間として設定する。ステップS97またはS99の処理が完了すると、ステップS101でタイマTM2のリセット&スタートを実行し、その後にステップS3に戻る。
【0056】
メインCPU26は、図13に示すフロー図に従う処理を実行する。なお、このフロー図に対応する制御プログラムも、図示しないフラッシュメモリに記憶される。
【0057】
サブCPU34からスルー表示命令が発行されると、ステップS111でYESと判断し、ステップS113で動画取り込み処理を実行する。この結果、スルー画像がLCDモニタ22から出力される。ステップS115ではサブCPU34からレリーズ命令が発行されたか否かを判別し、YESであればステップS117で静止画取り込み処理を実行する。この結果、シャッタボタン32sが操作された時点の被写界像を表す高解像度の画像データがSDRAM18に確保される。
【0058】
ステップS119では撮影位置テーブルTBL1に記述された最新の撮影位置を検出し、検出された撮影位置をSDRAM18に確保された画像データに割り当てる。撮影位置の割り当てが完了すると、ステップS121で記録処理を実行する。この結果、ステップS117およびS119の処理によって取得された画像データおよび撮影位置情報がファイル形式で記録媒体26に記録される。記録処理が完了すると、ステップS123で動画取り込み処理を再開し、その後にステップS115に戻る。
【0059】
以上の説明から分かるように、現在位置は、電源オン操作から電源オフ操作までの期間(=電源オン期間)におけるシャッタボタン32sの操作に応答して、撮影位置テーブルTBL1に登録される(S29~S33, S43, S49)。現在位置はまた、電源オフ操作から電源オン操作までの期間(=電源オフ期間)に、現在位置レジスタRGST1に繰り返し設定される(S53~S61)。電源オフ期間において、サブCPU34は、現在位置レジスタRGST1に設定された位置と撮影位置テーブルTBL1に登録された1または2以上の位置の各々との相違を“DF_N”として算出し(S63)、現在位置レジスタRGST1に設定された位置の変動量を“ΔP”として算出する(S65)。音声ガイドは、相違DF_Nが基準REF1を上回りかつ変動量ΔPが基準REF2を下回る特定状態が電源オフ期間において継続したとき、音声出力回路30から出力される(S67~S73, S79)。
【0060】
このように、現在位置は、電源オン状態における撮影操作に応答して登録されるとともに、電源オフ状態において繰り返し検出される。音声ガイドは、電源オフ状態で検出された位置と登録位置との相違が大きくかつ電源オフ状態で検出された位置の変動量が小さい状態が継続したときに発生される。操作者は、自分の居場所が好みの場所であるにも関わらず撮影操作を忘れていることを、音声ガイドによって認識することができる。こうして、ディジタルカメラ10の操作性が向上する。
【0061】
この実施例を別の視点から眺めると、サブCPU34は、電源オフ期間に現在位置を繰り返し検出し(S55)、検出された現在位置を現在位置レジスタRGST1に設定する(S61)。サブCPU34はまた、電源オン期間に、現在位置レジスタRGST1の設定値を参照して現在位置を検出する(S29)。電源オフ期間における現在位置の検出結果がエラーを示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき、サブCPU34は、電源オフ期間における現在位置の検出処理を制限する(S93~S97)。
【0062】
このように、現在位置は、電源オフ期間および電源オン期間のいずれにおいても検出される。ただし、少なくとも電源オン期間における検出処理は、電源オフ期間での現在位置の検出結果を参照して実行される。これによって、現在位置の検出に要する時間を短縮することができる。
【0063】
また、電源オフ期間における現在位置の検出結果がエラーを示し、かつ現在時刻が既定時間帯に属するときは、現在位置の検出処理が制限される。つまり、現在時刻が既定時間帯に属する時刻で、かつ操作者の居場所が位置を検出できない場所であれば、位置検出処理が制限される。これによって、消費電力を低減することができる。
【0064】
なお、この実施例では、ディジタルカメラを想定しているが、この発明は、現在位置を登録する機能を有する装置である限り、ディジタルカメラ以外の装置にも適用できることは言うまでもない。また、この実施例では、現在位置を検出するためにGPS機能を利用しているが、他の位置検出機能を利用するようにしてもよい。さらに、この実施例では、特定状態が継続したときに発生される音声ガイドの内容は固定的であるが、音声ガイドに地名を含めるなど、音声ガイドの内容を位置によって変更するようにしてもよい。ただし、この場合は、地図データベースを準備する必要がある。
【0065】
また、この実施例では、電源オフ期間において現在位置の検出処理を制限する条件の1つとして、電源オフ期間における現在位置の検出結果がエラーを示すことを要求している。しかし、検出結果がエラーを示す場合とは、検出結果が現在位置と異なる情報を示す場合の一例に過ぎない。検出結果が現在位置と異なる情報を示す場合としては、検出結果がエラーを示す場合のほかに、検出結果が“位置不明”または“検出不能”を示す場合、或いは検出結果が過去に検出された別の位置の情報つまり誤りの情報を示す場合などが考えられる。
【符号の説明】
【0066】
10 …ディジタルカメラ
12 …撮像装置
26 …メインCPU
28 …GPS装置
30 …音声出力回路
34 …サブCPU
36 …時計回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源オフ操作から電源オン操作までの第1期間に現在位置を検出する第1検出手段、
前記電源オン操作から前記電源オフ操作までの第2期間に前記第1検出手段の検出結果を参照して現在位置を検出する第2検出手段、および
前記第1検出手段の検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき前記第1検出手段の検出処理を制限する制限手段を備える、位置検出装置。
【請求項2】
前記制限手段は、現在時刻から前記既定時間帯の末尾時刻までの時間を算出する算出手段、および前記算出手段によって算出された時間を前記第1検出手段の起動制御のために設定する設定手段を含む、請求項1記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記第2検出手段は現在位置を繰り返し検出し、
前記第2検出手段によって検出された現在位置を前記第2期間における登録操作に応答して登録する登録手段をさらに備える、請求項1または2記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記登録操作に応答して撮像処理を実行する撮像手段、および
前記登録手段によって登録された現在位置を前記撮像手段から出力された被写界像に割り当てる割り当て手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記第2検出手段によって検出された位置が前記登録手段によって登録された位置に関連する既定条件を満足するとき報知を発生する発生手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の位置検出装置。
【請求項6】
位置検出装置のプロセッサに、
電源オフ操作から電源オン操作までの第1期間に現在位置を検出する第1検出ステップ、
前記電源オン操作から前記電源オフ操作までの第2期間に前記第1検出ステップの検出結果を参照して現在位置を検出する第2検出ステップ、および
前記第1検出ステップの検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき前記第1検出ステップの検出処理を制限する制限ステップを実行させるための、位置検出プログラム。
【請求項7】
位置検出装置によって実行される位置検出方法であって、
電源オフ操作から電源オン操作までの第1期間に現在位置を検出する第1検出ステップ、
前記電源オン操作から前記電源オフ操作までの第2期間に前記第1検出ステップの検出結果を参照して現在位置を検出する第2検出ステップ、および
前記第1検出ステップの検出結果が現在位置と異なる情報を示しかつ現在時刻が既定時間帯に属するとき前記第1検出ステップの検出処理を制限する制限ステップを備える、位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−190747(P2010−190747A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35786(P2009−35786)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】