位置決め装置
【課題】安価で簡易な構成によりスライダの位置および回転角の検出を安定して行うことができるとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現する。
【解決手段】互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダ1と、このスライダ1と対向する面に磁極の歯が形成されてスライダ1と平面モータを構成するプラテンと、スライダ1のプラテンに対する位置を検出するセンサとを備えた位置決め装置において、
スライダ1に設けられたレゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1のプラテンに対する位置を検出するセンサと、
レゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1の回転角を検出する回転角検出部4と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダ1と、このスライダ1と対向する面に磁極の歯が形成されてスライダ1と平面モータを構成するプラテンと、スライダ1のプラテンに対する位置を検出するセンサとを備えた位置決め装置において、
スライダ1に設けられたレゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1のプラテンに対する位置を検出するセンサと、
レゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1の回転角を検出する回転角検出部4と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め装置に関し、詳しくは、平面モータを構成するプラテンに対するスライダの位置を制御する位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は従来の位置決め装置の一例を示す構成図である。四辺形のプラテン10上に四辺形のスライダA,Bが搭載されており、プラテン10上でそれぞれ個別にX軸方向およびY軸方向に位置制御される。プラテン10とスライダA,Bのそれぞれの対向面には所定ピッチの磁極の歯が形成されており、平面モータを構成している。この平面モータを駆動することによって、スライダA,Bはそれぞれ指定された位置に移動する。
【0003】
スライダA,Bの側辺の3辺にはバーミラーが設けられている。プラテン10の各辺10a〜10dには複数のレーザ干渉計が固定配置されている。一方の対向する辺10a,10bに配置されたレーザ干渉計はスライダA,BのX軸方向の位置検出を行い、他方の対向する辺10c,10dに配置されたレーザ干渉計はスライダA,BのY軸方向の位置検出を行う。これらのレーザ干渉計は、出射したレーザ光とこのレーザ光が各スライダA,Bのバーミラーで反射されて戻ってくる反射光との干渉に基づき、スライダA,Bの位置検出を行う。
【0004】
プラテン10の辺10c,10dに配置されたレーザ干渉計は、それぞれスライダA,BのY軸方向の位置を2点ずつ検出して、スライダA,Bの回転角θを求めている。検出された各スライダの位置および回転角θは、各スライダで構成される平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。下記特許文献1には、レーザ干渉計を用いてスライダの位置検出を行う位置決め装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−163418
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スライダの位置検出に上記のようなレーザ干渉計を使用すると、レーザ干渉計やバーミラーが高価であるため、多額の費用がかかるという問題がある。位置検出の精度や位置決め装置の規模によっては、スライダ1台につき3000万円に達する場合もある。さらに、レーザ干渉計に用いるレーザ光源は寿命が比較的短く、1万〜数万時間程度で交換が必要となる。
【0007】
また、レーザ干渉計を使用した場合、レーザ光を遮るものがあると位置検出ができないため、位置決め装置としての設計の自由度が低いという問題がある。たとえば図13の例では、スライダBのX軸方向の位置はプラテン10の辺10bに配置されたレーザ干渉計で検出されるが、スライダBがスライダAの背後(すなわちスライダAと辺10aの間)に回り込むと辺10bのレーザ干渉計からのレーザ光がスライダAで遮られ、位置検出ができなくなってしまう。したがって、スライダA,Bの可動範囲は制約され、この点を考慮して位置決め装置を設計しなければならない。
【0008】
また、回転角θは、バーミラーを使用しているのでレーザ干渉計が反射光を受光できる範囲までしか測定できず、回転角θの検出範囲が狭いという問題がある。
【0009】
さらに、レーザ干渉計を使用したシステムでは、レーザ光を利用するため、温度や空気の揺らぎなどの周囲環境による影響が大きいという問題もある。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するものであり、安価で簡易な構成によりスライダの位置および回転角を安定して検出するとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するために、請求項1の発明は、
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されてスライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいてスライダのプラテンに対する位置を検出するセンサと、
レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、
請求項1に記載の位置決め装置において、センサは、スライダの1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、スライダの1軸と直交する方向の両端部にそれぞれ配置されたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、
請求項2に記載の位置決め装置において、センサとしてさらに、1軸方向の位置を検出する第3のレゾルバが、第1および第2のレゾルバのいずれかに隣接するように配置されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、
請求項1に記載の位置決め装置において、センサは、スライダの1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、スライダの1軸と直交する方向のいずれかの端部に隣接するように配置されたことを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の位置決め装置において、センサは、スライダの1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバを備え、
この第1のレゾルバはスライダの1軸方向の端部に配置されたことを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、
請求項5に記載の位置決め装置において、センサとしてさらに、1軸と直交する方向の位置を検出する第2のレゾルバを備え、
この第2のレゾルバは、スライダの1軸方向における、1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバの反対側の端部に配置されたことを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されてスライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいてスライダのプラテンに対する位置を検出するセンサと、
レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、
請求項7に記載の位置決め装置において、センサは、スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
第1および第2のX軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
第1および第2のY軸レゾルバは、第1および第2のX軸レゾルバをX軸方向から挟むように配置されたことを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、
請求項7に記載の位置決め装置において、センサは、スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
第1および第2のX軸レゾルバは、スライダのY軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
第1および第2のY軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端部に配置されたことを特徴とする。
【0020】
請求項10の発明は、
請求項7に記載の位置決め装置において、センサは、スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
第1および第2のX軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端に配置され、
第1および第2のY軸レゾルバは、スライダの第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺にX軸方向に隣接して配置され、さらにセンサは、
スライダの第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺と対向する側辺の中央部に配置され、スライダのX軸方向の位置を検出する第3のX軸レゾルバを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、
スライダの位置を検出するセンサとしてレゾルバを利用することにより、安価で簡易な構成によりスライダの位置の検出を安定して行うことができるとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することができる。また、レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部を備えたことにより、スライダの位置だけでなく回転角も検出することができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、
スライダの1軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのレゾルバを備えているため、位置検出の精度を高めることができる。また、第1および第2のレゾルバがスライダの1軸方向と直交する方向の両端部に配置されているため、第1および第2のレゾルバの距離が遠くなり、高い分解能で回転角θを検出することができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、
第1および第2のレゾルバが、1軸方向と直交する方向の両端部に配置されているため、第1および第2のレゾルバの検出結果に基づいて、高い分解能で回転角θを検出することができる。さらに、第3のレゾルバが、第1および第2のレゾルバのいずれかに隣接するように配置されているため、隣接された2つのレゾルバの検出結果に基づいて、広い範囲で回転角θを検出することができる。すなわち、レゾルバを近くに配置した場合の利点と、遠くに配置した場合の利点を併せ持つことができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、
第1および第2のレゾルバが、スライダの1軸方向と直交する方向のいずれかの端部に隣接して配置されているため、第1および第2のレゾルバの距離が近くなり、広い範囲で回転角θを検出することができる。
【0025】
請求項5の発明によれば、
スライダの1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバを備えているため、スライダの1軸と直交する方向の位置も検出することができる。
【0026】
請求項6の発明によれば、
さらに、スライダの1軸と直交する方向の位置を検出する第2のレゾルバを備えているため、スライダの1軸と直交する方向の位置を2点で検出でき、位置検出の精度を高めることができる。また、1軸と直交する方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバでスライダの回転角θを検出することができる。また、1軸と直交する方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバがスライダの1軸方向の両端部に配置されているため、これらのレゾルバの距離が遠くなり、高い分解能で回転角θを検出することができる。1軸と直交する方向の位置を検出するレゾルバで検出した回転角θを、1軸方向の位置を検出するレゾルバで検出した回転角θと比較すれば、回転角θの検出精度を高めることができる。
【0027】
請求項7の発明によれば、
スライダの位置を検出するセンサとしてレゾルバを利用することにより、安価で簡易な構成によりスライダの位置の検出を安定して行うことができるとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することができる。また、レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部を備えたことにより、スライダの位置だけでなく回転角も検出することができる。
【0028】
請求項8の発明によれば、
スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのX軸レゾルバを備えているため、スライダのX位置の検出精度を高めることができる。また、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのY軸レゾルバを備えているため、スライダのY位置の検出精度を高めることができる。
また、第1および第2のX軸レゾルバはY軸方向に隣接して配置されているため、広い範囲で回転角θを検出することができる。第1および第2のY軸レゾルバは、第1および第2のX軸レゾルバをX軸方向から挟むように配置されているため、比較的高い分解能で回転角θを検出することができる。また、すべてのレゾルバがスライダの同じ辺に配置されているため、スペースの利用効率がよい。
【0029】
請求項9の発明によれば、
スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのX軸レゾルバを備えているため、スライダのX位置の検出精度を高めることができる。また、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのY軸レゾルバを備えているため、スライダのY位置の検出精度を高めることができる。
また、第1および第2のX軸レゾルバはスライダのY軸と平行な側辺にY軸方向に隣接して配置されているため、広い範囲で回転角θを検出することができる。また、第1および第2のY軸レゾルバはスライダのX軸と平行な側辺の一方の両端部に配置されているため、比較的高い分解能で回転角θを検出することができる。
【0030】
請求項10の発明によれば、
スライダのX軸方向の位置を検出する第1〜第3の3つのX軸レゾルバを備えているため、スライダのX位置の検出精度を高めることができる。また、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのY軸レゾルバを備えているため、スライダのY位置の検出精度を高めることができる。
また、第3のX軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一辺に配置された第1および第2のX軸レゾルバと対向する側辺に配置されているため、高い分解能で回転角θを検出することができる。第1および第2のY軸レゾルバは、スライダの第1および第2のX軸レゾルバが配置された辺にX軸方向に隣接して配置されているため、広い範囲で回転角θを検出することができる。また、すべてのレゾルバがスライダの向かい合う2辺に配置されているため、スペースの利用効率がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明では、レゾルバを用いてスライダの位置および回転角を検出する。レゾルバは、コアとコイルのみで構成されているため、レーザ干渉計など他のセンサに比較して構造が簡単で安価であり、また高い耐環境性を持っている。さらに、レゾルバにはレーザ干渉計のレーザ光源のように寿命の短い部品がないため、メンテナンスが容易である。
まず、レゾルバによるスライダの位置および回転角検出の動作原理について説明する。
【0032】
図1は、レゾルバによる位置検出動作の原理説明図である。レゾルバのセンサ部200は、コア201と、このコア201に巻かれたコイル202で構成される。センサ部200はプラテン10上に所定の空隙を介して配置される。コア201のプラテン10との対向面には、プラテン10の歯と同じピッチPで磁極の歯が形成されている。
【0033】
プラテン10とコア201との間には、プラテン10の歯とコア201の歯の相対位置に応じたインピーダンスZが存在する。コイル202に励磁電圧として一定振幅の矩形電圧を入力するとコア201が励磁され、プラテン10との間に磁気回路Bが形成される。この磁気回路BはインピーダンスZにより影響を受けるため、結果としてコイル202の端子間電圧はプラテン10とコア201の相対位置に応じて変化する。そこで、コイル202の端子間電圧を取り出し、その振幅を検出信号とする。
【0034】
図1(a)は、コア201の歯とプラテン10の歯との対向する面積が最大、すなわち位相差が0°となる相対位置を示している。このときインピーダンスZは最小となり、検出信号は最大となる。
一方、図1(b)は、コア201の歯とプラテン10の歯との対向する面積が最小、すなわち位相差が180°となる相対位置を示している。このときインピーダンスZは最大となり、検出信号は最小となる。
【0035】
センサ部200がプラテン10上を移動すると、インピーダンスZは正弦波状に変化する。そのため、検出信号は、図1(c)に示すように、ピッチPの周期で正弦波状に変化する。
【0036】
レゾルバは、このようなセンサ部200を2個用意し、図2に示すようにプラテン10に対する位相を90°ずらして配置して構成する。センサ部200の一方をsin相、他方をcos相とし、これらのセンサ部から得られる検出信号のアークタンジェントを取ることによって、レゾルバのプラテン10に対する位相差、すなわちプラテン10の歯に対する相対位置が求められる。なお、プラテン10のどの歯に対する相対位置かは、検出信号が原点位置から繰り返す正弦波の山の数をカウントして求められる。これにより、原点位置を基準としてレゾルバの位置を精度よく検出できる。
【0037】
図3はレゾルバによる回転角検出の説明図である。図3(a)に示すように、図示しないプラテン10上に2つのレゾルバ300,301が配置されている。プラテン10にはX軸方向にピッチPで歯が形成されているものとする。レゾルバ300,301はY軸方向に互いに間隔mだけ離れて配置され、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。
【0038】
レゾルバ301がレゾルバ300に対して回転した場合、レゾルバ300,301がそれぞれ検出する自己のX位置に差が生じる。その差を距離dとしたとき、距離dとレゾルバ間隔mに基づいて、レゾルバ300に対するレゾルバ301の回転角が求められる。
【0039】
回転角検出部400にレゾルバ300,301の出力が入力される。回転角検出部400は、レゾルバ300,301の出力とレゾルバ間隔mに基づいて、レゾルバ300に対するレゾルバ301の回転角を算出する。
【0040】
なお、レゾルバ300,301の検出信号はピッチPの周期で繰り返されるため、回転角の検出が可能なのは距離d<P/2の範囲に限られる。そのため、レゾルバ間隔mに応じて検出可能な回転角の範囲と分解能が定まる。
【0041】
図3(b)は検出可能な回転角の範囲と分解能の説明図である。レゾルバ間隔mが狭い(たとえばm=B)の場合には、検出可能な回転角の最大値はθbとなり、検出範囲は広くなる。逆に、レゾルバ間隔mが広い(たとえばm=A)の場合には、検出可能な回転角の最大値はθaとなり、検出範囲は狭くなる。
一方、検出分解能は距離dの最小値/レゾルバ間隔mで決まるため、レゾルバ間隔mが広い場合には分解能は高くなり、レゾルバ間隔が狭い場合には分解能は低くなる。
【0042】
以上より、レゾルバが狭い間隔で配置されている場合には、検出分解能は粗くなるが広い範囲で回転角を検出することができるという特徴がある。一方、レゾルバが広い間隔で配置されている場合には、検出範囲は狭くなるが高い分解能で回転角を検出することができるという特徴がある。
【実施例1】
【0043】
図4は、本発明による位置決め装置の実施例1を示す上面図である。図示しないプラテン10上にスライダ1が搭載され、プラテン10上でX軸方向に位置制御される。プラテン10とスライダ1のそれぞれの対向面にはX軸方向にピッチPで歯が形成されており、平面モータを構成している。この平面モータを駆動することによって、スライダ1は指定された位置に移動する。
【0044】
スライダ1は矩形状に形成され、スライダ1の各辺が互いに直交するX軸およびY軸とそれぞれ平行になるようにプラテン10上に配置されている。
【0045】
スライダ1のX軸と平行な両側辺の中央部に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ21,22が固定されている。X軸レゾルバ21,22のプラテン10との対向面には、X軸方向にピッチPで歯が形成されている。X軸レゾルバ21,22のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21,22は、初期位置として、プラテン10の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。X軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をAとする。
【0046】
X軸レゾルバ21,22から、それぞれ自己のX位置の検出値が得られる。これらの検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。
【0047】
また、スライダ1は制御誤差などにより回転する場合がある。スライダ1が回転している場合には、X軸レゾルバ21,22の検出値が異なる値となる。
【0048】
回転角検出部4では、スライダ1の回転角の検出を行う。回転角検出部4にX軸レゾルバ21,22の検出値が入力される。回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の検出値の差分とレゾルバ間隔Aに基づいて、X軸レゾルバ21に対するX軸レゾルバ22の回転角θAを求め、この回転角θAをスライダ1の回転角θとする。スライダ1のX位置および回転角θは、スライダ1を駆動する平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。
【0049】
本実施例は以上のように構成され、スライダ1のX位置を検出するX軸レゾルバ21,22を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置を安定して検出できる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0050】
また、スライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に固定されているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要がなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0051】
また、X軸レゾルバが2つあるため、各X軸レゾルバの検出値の平均を取ることによりスライダ1の位置検出精度を高めることができる。
【0052】
また、X軸レゾルバ21,22がスライダ1のY軸方向の両側辺に配置されているため、レゾルバ間隔Aとしてスライダ1のY軸方向の全長以上の距離を確保することができる。これにより、レゾルバ間隔Aを大きく取ることができ、高い分解能で回転角θを検出できる利点もある。
【実施例2】
【0053】
図5は本発明による位置決め装置の実施例2を示す上面図である。本実施例は、先の実施例1に対して、X軸レゾルバ22をX軸レゾルバ21に隣接して固定配置したものである。
【0054】
X軸レゾルバ21,22のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21,22は、初期位置として、プラテン10の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。これらX軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をBとする。
【0055】
X軸レゾルバ21,22からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。また、X軸レゾルバ21,22の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の差分とレゾルバ間隔Bに基づいてX軸レゾルバ22に対するX軸レゾルバ21の回転角θBを求め、この回転角θBをスライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例1と同じである。
【0056】
本実施例は以上のように構成され、スライダ1のX位置を検出するX軸レゾルバ21,22を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置を安定して検出できる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0057】
また、スライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているためスライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などの物品を配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0058】
また、X軸レゾルバが2つあるため、各X軸レゾルバの検出値の平均を取ることにより位置検出の精度を高めることができる。
【0059】
また、X軸レゾルバ21,22がY軸方向に隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを狭くすることができ、広い範囲で回転角θを検出できる利点がある。
【実施例3】
【0060】
図6は本発明による位置決め装置の実施例3を示す上面図である。本実施例は、先の実施例2に対して、スライダ1を挟んでX軸レゾルバ21の反対側に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ23を追加したものである。
【0061】
これらX軸レゾルバ21〜23のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21〜23は、初期位置として、プラテン10の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。X軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をBとする。X軸レゾルバ21,23のY軸方向の間隔をAとする。
【0062】
X軸レゾルバ21〜23からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。
【0063】
また、X軸レゾルバ21〜23の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより、X軸レゾルバ22に対するX軸レゾルバ21の回転角を求める。また、X軸レゾルバ21,23の組合せにより、X軸レゾルバ21に対するX軸レゾルバ23の回転角を求める。X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られる回転角をθBとする。X軸レゾルバ21,23の組合せにより得られる回転角をθAとする。
【0064】
X軸レゾルバ21,22は隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを小さくすることができる。そのため、広い範囲で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21,23はスライダ1のY軸方向の両端部に配置されているため、レゾルバ間隔Aを大きくとることができる。そのため、高い分解能で回転角を検出できる。
ここで、X軸レゾルバ21,23の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmaxとする。
【0065】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθAmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるX軸レゾルバ21,23の組合せにより回転角θAを求める。この回転角θAをスライダ1の回転角θとする。
回転角θがθAmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθAmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,23の組合せにより回転角θAを求め、回転角θAをスライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例2と同じである。
【0066】
本実施例は以上のように構成され、スライダ1のX位置を検出するX軸レゾルバ21〜23を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置を安定して検出できる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21〜23の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0067】
また、スライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているので、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0068】
また、X軸レゾルバが3つあるため、各X軸レゾルバの検出値の平均を取ることにより位置検出の精度を高めることができる。
【0069】
また、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭く、X軸レゾルバ21,23のレゾルバ間隔Aは広いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【実施例4】
【0070】
図7は本発明による位置決め装置の実施例4を示す上面図である。本実施例は、先の実施例1〜3に対して、Y軸方向の位置を検出するためのY軸レゾルバ31を追加したものである。
なお、本実施例では、スライダ1はプラテン10上でX軸方向およびY軸方向の2次元方向に位置制御されるものとする。プラテン10にはX軸方向およびY軸方向にピッチPの格子状に磁極の歯が形成されており、またスライダ1のプラテン10との対向面にはX軸方向およびY軸方向の磁極の歯が形成され、それぞれX軸方向用およびY軸方向用の平面モータを構成しているものとする。これらの平面モータを駆動することによって、スライダ1は指定された位置に移動する。
【0071】
図7の(a)は、前記実施例1と同じレゾルバ配置を備えた位置決め装置に、Y軸レゾルバ31を追加したものである。
図7の(b)は、前記実施例2と同じレゾルバ配置を備えた位置決め装置に、Y軸レゾルバ31を追加したものである。
図7の(c)は、前記実施例3と同じレゾルバ配置を備えた位置決め装置に、Y軸レゾルバ31を追加したものである。
【0072】
図7の(a)において、スライダ1のスライダ1のX軸方向の端部、すなわちY軸と平行な側辺の一方の中央部に、スライダ1のY位置を検出するY軸レゾルバ31が固定されている。Y軸レゾルバ31のプラテン10との対向面にはY軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。Y軸レゾルバ31のセンサ部は、プラテン10の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置を検出する。
【0073】
Y軸レゾルバ31から自己のY位置の検出値が得られ、このY位置をスライダ1のY位置とする。スライダ1のY位置は、X軸レゾルバ21,22の検出値から求められたスライダ1のX位置や回転角θとともにスライダ1を駆動する平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。その他の構成は前記実施例1と同じである。
【0074】
図7の(b)、(c)におけるY軸レゾルバ31も図7の(a)と同様の構成であり、その他の構成はそれぞれ前記実施例2、前記実施例3と同じである。
【0075】
本実施例は以上のように構成され、前記実施例1〜3で得られる効果に加え、さらにスライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31を備えているため、スライダのY軸方向の位置も検出することができる。
【実施例5】
【0076】
図8は本発明による位置決め装置の実施例5を示す上面図である。本実施例は、先の実施例4に対して、さらにY軸方向の位置を検出するY軸レゾルバ32を追加したものである。
【0077】
図8の(a)は、図7の(a)に示す位置決め装置に、Y軸レゾルバ32を追加したものである。
図8の(b)は、図7の(b)に示す位置決め装置に、Y軸レゾルバ32を追加したものである。
図8の(c)は、図7の(c)に示す位置決め装置に、Y軸レゾルバ32を追加したものである。
【0078】
図8の(a)では、スライダ1のY軸レゾルバ31が配置されている辺と対向する側辺の中央部に、Y軸レゾルバ32が固定されている。これらY軸レゾルバ31,32のセンサ部は、プラテン10の同じY位置の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置を検出する。Y軸レゾルバ31,32は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。Y軸レゾルバ31,32のX軸方向の間隔をCとする。
【0079】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取り、スライダ1のY位置とする。
【0080】
また、Y軸レゾルバ31,32の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の検出値の差分とレゾルバ間隔Cに基づいて、Y軸レゾルバ32に対するY軸レゾルバ31の回転角θCを求める。回転角検出部4は、回転角θCと、X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られた回転角θAとの平均を取り、スライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例4と同じである。
【0081】
図8の(b)では、図8の(a)と同様に、スライダ1のY軸レゾルバ31が配置されている辺と対向する側辺の中央部に、Y軸レゾルバ32が固定されている。
【0082】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取り、スライダ1のY位置とする。
【0083】
また、Y軸レゾルバ31,32の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。X軸レゾルバ21,22の組合せにより検出される回転角θBは、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bが狭いため、広い範囲で回転角を検出できる。一方、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより検出されるθCは、レゾルバ間隔Cが広いため、高い分解能で回転角を検出できる。Y軸レゾルバ31,32の組合せで検出可能な回転角の最大値をθCmaxとする。
【0084】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθCmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるY軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θCを求める。この回転角θCをスライダ1の回転角θとする。
回転角θBがθCmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθCmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θCを求め、回転角θCをスライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例4と同じである。
【0085】
図8の(c)では、図8の(a)と同様に、スライダ1のY軸レゾルバ31が配置されている辺と対向する側辺の中央部に、Y軸レゾルバ32が固定されている。
【0086】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取り、スライダ1のY位置とする。
【0087】
また、Y軸レゾルバ31,32の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。X軸レゾルバ21,22の組合せにより検出される回転角θBは、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bが狭いため、広い範囲で回転角を検出できる。一方、X軸レゾルバ21,23の組合せで検出されるθAと、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより検出されるθCは、レゾルバ間隔A,Cが広いため、高い分解能で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21,23の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmaxとする。Y軸レゾルバ31,32の組合せで検出可能な回転角の最大値をθCmaxとする。θCmax<θAmaxとする。
【0088】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθCmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるX軸レゾルバ21,23の組合せと、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA,θCを求める。回転角検出部4は、回転角θA,θCの平均をとり、スライダ1の回転角θとする。
回転角θBがθCmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθCmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,23の組合せと、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA,θCを求める。回転角検出部4は、回転角θA,θCの平均をとり、スライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例4と同じである。
【0089】
本実施例は以上のように構成され、前記実施例4で得られる効果に加え、Y軸レゾルバが2つあるため、各Y軸レゾルバの検出値の平均を取ることにより位置検出の精度を高めることができる。
【0090】
また、Y軸レゾルバ31,32がスライダ1のX軸方向の両端部、すなわちY軸と平行な両側辺に配置されているため、レゾルバ間隔Cとしてスライダ1のX軸方向の全長以上の距離を確保することができる。これにより、レゾルバ間隔Cを大きく取ることができ、高い分解能で回転角θCを検出できる利点がある。
【0091】
また、図8の(a)に示す構成によれば、前記実施例1で得られる効果に加え、Y軸レゾルバの組み合わせで検出した回転角θCと、X軸レゾルバの組合せで検出した回転角θAとの平均を取ることにより、スライダ1の回転角θの検出精度を高めることができる。さらに、レゾルバがスライダ1のすべての辺に均等に配置されているため、重量バランスが改善される。
図8の(b)に示す構成によれば、前記実施例2で得られる効果に加え、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭く、Y軸レゾルバ31,32のレゾルバ間隔Cは広いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
図8の(c)に示す構成によれば、前記実施例3で得られる効果に加え、図8の(a)および(b)で得られる効果を併せ持つことができる。
【0092】
なお、上記各実施例においては、スライダ1を矩形状としたが、スライダ1の形状は円形や楕円形など他の形状であってもよい。円形の場合には、直径を表す任意の線分を一本決定し、その線をX軸またはY軸のいずれかに沿うようにスライダを位置させて、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバを配置すればよい。楕円形の場合には、長径、短径の一方をX軸、他方をY軸に沿うようにスライダを位置させて、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバを配置すればよい。
【0093】
また、上記各実施例において、X軸は各請求項の1軸方向に相当し、Y軸は1軸と直交する方向に相当する。そして、X軸レゾルバは1軸方向の位置を検出するレゾルバに相当し、Y軸レゾルバは1軸と直交する方向を検出するレゾルバに相当する。
【実施例6】
【0094】
図9は本発明による位置決め装置の実施例6を示す上面図である。図示しないプラテン10上にスライダ1が搭載され、プラテン10上でX軸方向およびY軸方向の2次元方向に位置制御される。プラテン10にはX軸方向およびY軸方向にピッチPの格子状に磁極の歯が形成されており、またスライダ1のプラテン10との対向面にはX軸方向およびY軸方向の磁極の歯が形成され、それぞれX軸方向用およびY軸方向用の平面モータを構成しているものとする。これらの平面モータを駆動することによって、スライダ1は指定された位置に移動する。
【0095】
スライダ1は矩形状をしており、スライダ1の各辺はX軸またはこのX軸に直交するY軸のいずれかに沿うようにプラテン10上に配置されている。
【0096】
スライダ1のX軸と平行な側辺の一方の中央部に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ21,22がY軸方向に隣接して固定されている。X軸レゾルバ21,22のプラテン10との対向面にはX軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。X軸レゾルバ21,22のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の磁極の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21,22は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。X軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をBとする。
【0097】
X軸レゾルバ21,22が配置された側辺には、X軸レゾルバ21,22をX軸方向から挟むようにしてY軸方向の位置を検出するY軸レゾルバ31,32が固定されている。Y軸レゾルバ31,32は、スライダ1からX軸方向にはみ出さないように、それぞれスライダ1のX軸方向の切片位置に寄せて配置される。Y軸レゾルバ31,32のプラテン10との対向面にはY軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。Y軸レゾルバ31,32のセンサ部は、プラテン10の同じY位置の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置を検出する。Y軸レゾルバ31,32は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。Y軸レゾルバ31,32のX軸方向の間隔をA’とする。
【0098】
X軸レゾルバ21、23からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。また、Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取る。Y軸レゾルバ31,32はスライダ1のY軸方向の中心からずれた位置に配置されているため、得られた平均値に所定の補正値を加算して、スライダ1のY位置とする。
【0099】
また、X軸レゾルバ21,22およびY軸レゾルバ31,32の検出値は、図示しない回転角検出部4に入力される。
回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより、X軸レゾルバ22に対するX軸レゾルバ21の回転角を求める。また、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより、Y軸レゾルバ32に対するY軸レゾルバ31の回転角を求める。X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られる回転角をθBとする。Y軸レゾルバ31,32の組合せにより得られる回転角をθA’とする。
【0100】
X軸レゾルバ21,22は隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを狭くすることができ、広い範囲で回転角を検出できる。Y軸レゾルバ31,32は、それぞれスライダ1のX軸方向の切片位置と揃えて配置されているため、レゾルバ間隔A’を比較的広くとることができ、比較的高い分解能で回転角を検出できる。Y軸レゾルバ31,32の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmax’とする。
【0101】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθAmax’以内であった場合には、回転角検出部4は、比較的高い分解能で検出できるY軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA’を求める。この回転角θA’をスライダ1の回転角θとする。
回転角θがθAmax’を超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθAmax’以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA’を求め、回転角θA’をスライダ1の回転角θとする。
【0102】
スライダ1のX位置、Y位置および回転角θはスライダ1を駆動する平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。
【0103】
本実施例は以上のように構成され、スライダのX位置を検出するX軸レゾルバ21,22と、スライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31,32を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置、Y位置の検出を安定して行うことができる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22およびY軸スライダ31,32の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0104】
またスライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0105】
また、X軸レゾルバ、Y軸レゾルバがそれぞれ2つずつあるため、各軸ごとにレゾルバの検出値の平均を取ることにより、スライダ1の位置検出の精度を高めることができる。
【0106】
また、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバのすべてがスライダ1の同じ辺にまとめて配置されているため、スペースの利用効率がよい。その上、Y軸レゾルバ31,32がスライダ1のX軸方向の切片位置に揃えて配置されているため、レゾルバ間隔A’を比較的広くすることができ、比較的高い分解能で回転角θを検出できる。また、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【実施例7】
【0107】
図10は本発明による位置決め装置の実施例7を示す上面図である。本実施例は、先の実施例5に対して、X軸レゾルバ21,22の配置を変えたものである。
【0108】
X軸レゾルバ21,22は、スライダ1のY軸と平行な側辺の一方の中央部に、Y軸方向に隣接して固定されている。
【0109】
X軸レゾルバ21,22からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取る。X軸レゾルバ21,22はスライダ1のX軸方向の中心からずれた位置に配置されているため、得られた平均値に所定の補正値を加算して、スライダ1のX位置とする。その他の構成は前記実施例6と同じである。
【0110】
本実施例は以上のように構成され、スライダのX位置を検出するX軸レゾルバ21,22と、スライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31,32を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置、Y位置の検出を安定して行うことができる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22およびY軸スライダ31,32の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0111】
またスライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0112】
また、X軸レゾルバ、Y軸レゾルバがそれぞれ2つずつあるため、各軸ごとにレゾルバの検出値の平均を取ることにより、スライダ1の位置検出の精度を高めることができる。
【0113】
また、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭く、Y軸レゾルバ31,32のレゾルバ間隔A’は比較的広いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【実施例8】
【0114】
図11は本発明による位置決め装置の実施例8を示す上面図である。本実施例は、先の実施例6に対して、X軸レゾルバ21,22およびY軸レゾルバ31,32の配置を変えるとともに、さらにX軸レゾルバ23を配置したものである。
【0115】
スライダ1のX軸と平行な側辺の一方の中央部に、Y軸方向の位置を検出するY軸レゾルバ31,32がX軸方向に隣接して固定されている。Y軸レゾルバ31,32のX軸方向の間隔をBとする。
【0116】
Y軸レゾルバ31,32が配置された側辺には、Y軸レゾルバ31,32をX軸方向から挟むようにしてX軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ21,22が固定されている。X軸レゾルバ21,22は、スライダ1からX軸方向にはみ出さないように、それぞれスライダ1のX軸方向の切片位置に寄せて配置される。
【0117】
Y軸レゾルバ31,32が配置された側辺と対向する側辺の中央部に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ23が固定されている。X軸レゾルバ23のプラテン10との対向面にはX軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。X軸レゾルバ21〜23は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。
【0118】
X軸レゾルバ21,22は同じY位置に配置される。また、X軸レゾルバ21,22のX軸方向の中点はX軸レゾルバ23のX位置に一致する。X軸レゾルバ21,22と、X軸レゾルバ23とのY軸方向の間隔をAとする。
【0119】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取る。Y軸レゾルバ31,32はスライダ1のY軸方向の中心からずれた位置に配置されているため、得られた平均値に所定の補正値を加算して、スライダ1のY位置とする。また、X軸レゾルバ21、22からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取る。さらに、この平均値とX軸レゾルバ23の検出値との平均を取り、スライダ1のX位置とする。
【0120】
また、X軸レゾルバ21〜23およびY軸レゾルバ31,32の検出値は、図示しない回転角検出部4に入力される。
回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより、Y軸レゾルバ32に対するY軸レゾルバ31の回転角を求める。また、X軸レゾルバ21〜23の組合せにより、X軸レゾルバ21,22の中点位置に対するX軸レゾルバ23の回転角を求める。X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られる回転角をθAとする。Y軸レゾルバ31,32の組合せにより得られる回転角をθBとする。
【0121】
Y軸レゾルバ31,32は隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを狭くすることができ、広い範囲で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21,22とX軸レゾルバ23は、スライダ1のY軸方向の両端部に配置されているため、レゾルバ間隔Aを広くすることができ、高い分解能で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21〜23の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmaxとする。
【0122】
回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθAmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるX軸レゾルバ21〜23の組合せにより回転角θAを求めて、この回転角θAをスライダ1の回転角θとする。
回転角θがθAmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθAmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21〜23の組合せにより回転角θAを求め、回転角θAをスライダ1の回転角θとする。
【0123】
本実施例は以上のように構成され、スライダのX位置を検出するX軸レゾルバ21〜23と、スライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31,32を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置、Y位置の検出を安定して行うことができる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21〜23およびY軸スライダ31,32の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0124】
またスライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0125】
また、X軸レゾルバは3つ、Y軸レゾルバは2つあるため、各軸ごとにレゾルバの検出値の平均を取ることにより、スライダ1の位置検出の精度を高めることができる。
【0126】
また、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバのすべてがスライダ1の同じ軸方向の辺にまとめて配置されているため、スペースの利用効率がよい。X軸レゾルバ21〜23がスライダ1のY軸方向の両端部に分散して配置されているため、レゾルバ間隔Aを広くすることができ、高い分解能で回転角θを検出できる利点がある。また、Y軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【0127】
なお、上記各実施例では、各レゾルバがスライダ1の側辺外部に取り付けられたものとして説明したが、各レゾルバはスライダ1のプラテン10との対向面の平面モータが構成されていない辺縁部に埋設されていてもよい。
【0128】
図12は、本実施例の位置決め装置において、レゾルバをスライダ1のプラテン10との対向面に埋設して設けた例を示す図である。図12はスライダ1の対向面を上から透かし見た図である。
1a,1bはスライダ1のプラテン10との対向面にX軸方向に形成された磁極の歯である。1c,1dはスライダ1のプラテン10との対向面にY軸方向に形成された磁極の歯である。これらの磁極の歯がプラテン10の磁極の歯とそれぞれX軸方向用およびY軸方向用の平面モータを構成している。
【0129】
1eは、スライダ1のプラテン10との対向面の辺縁部であり、磁極の歯1a〜1dが形成されていない部分である。この辺縁部1eに各レゾルバを埋設する。X軸レゾルバ21,22およびY軸レゾルバ31,32を辺縁部1eのY軸方向の一辺に埋設する。X軸レゾルバ23を、辺縁部1eのY軸方向の対向辺に埋設する。各レゾルバは、スライダ1の対向面からプラテン10に向けて飛び出ないように、磁極の歯1a〜1dおよび辺縁部1eのレゾルバが埋設されていない部分と高さが揃うように埋設される。このようにレゾルバをスライダ1に埋設することによって、レゾルバのさらなる省スペース化を図ることができる。
【0130】
なお、図12では本実施例の位置決め装置においてレゾルバをスライダ1のプラテン10との対向面に埋設した例を示したが、前記実施例1〜実施例7の位置決め装置においても、レゾルバをスライダ1のプラテン10との対向面に埋設して設けてもよい。
【0131】
また、前記各実施例および本実施例において、レゾルバの個数を増やしてもよい。レゾルバの個数を増やすことにより、平均を求めてスライダ1の位置検出精度を高めることができる。さらに、バーニアによる高調波誤差を削減することができ、平面モータの位置制御の精度を向上させることができる。
【0132】
また、前記各実施例および本実施例では、スライダが1台の位置決め装置について説明したが、スライダは複数台でもよい。スライダが複数台ある場合には、レーザ干渉計を使用した場合に比べて各スライダの可動範囲が広がり、本発明による利点がさらに活かされる。
【0133】
また、X軸とY軸は互いに直交する軸であり、直交する軸のいずれをX軸、Y軸と命名するかは自由である。前記各実施例および本実施例におけるX軸およびY軸を入れ替えて読んでもよい。
【0134】
さらに、本発明ではスライダの位置を検出するセンサとしてレゾルバを利用したが、レゾルバに限らず、半導体磁気抵抗素子やCCDセンサを利用してもよい。
【0135】
以上説明したように、本発明によれば、安価で簡易な構成によりスライダの位置および回転角を安定して検出するとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】レゾルバによる位置検出の動作原理を説明図である。
【図2】レゾルバの構成を示す図である。
【図3】レゾルバによる回転角検出の説明図である。
【図4】本発明の実施例1を示す上面図である。
【図5】本発明の実施例2を示す上面図である。
【図6】本発明の実施例3を示す上面図である。
【図7】本発明の実施例4を示す上面図である。
【図8】本発明の実施例5を示す上面図である。
【図9】本発明の実施例6を示す上面図である。
【図10】本発明の実施例7を示す上面図である。
【図11】本発明の実施例8を示す上面図である。
【図12】実施例8の変形例を示す上面図である。
【図13】従来例の位置決め装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0137】
1 スライダ
21〜23 X軸レゾルバ
31,32 Y軸レゾルバ
4 回転角検出部
10 プラテン
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め装置に関し、詳しくは、平面モータを構成するプラテンに対するスライダの位置を制御する位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は従来の位置決め装置の一例を示す構成図である。四辺形のプラテン10上に四辺形のスライダA,Bが搭載されており、プラテン10上でそれぞれ個別にX軸方向およびY軸方向に位置制御される。プラテン10とスライダA,Bのそれぞれの対向面には所定ピッチの磁極の歯が形成されており、平面モータを構成している。この平面モータを駆動することによって、スライダA,Bはそれぞれ指定された位置に移動する。
【0003】
スライダA,Bの側辺の3辺にはバーミラーが設けられている。プラテン10の各辺10a〜10dには複数のレーザ干渉計が固定配置されている。一方の対向する辺10a,10bに配置されたレーザ干渉計はスライダA,BのX軸方向の位置検出を行い、他方の対向する辺10c,10dに配置されたレーザ干渉計はスライダA,BのY軸方向の位置検出を行う。これらのレーザ干渉計は、出射したレーザ光とこのレーザ光が各スライダA,Bのバーミラーで反射されて戻ってくる反射光との干渉に基づき、スライダA,Bの位置検出を行う。
【0004】
プラテン10の辺10c,10dに配置されたレーザ干渉計は、それぞれスライダA,BのY軸方向の位置を2点ずつ検出して、スライダA,Bの回転角θを求めている。検出された各スライダの位置および回転角θは、各スライダで構成される平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。下記特許文献1には、レーザ干渉計を用いてスライダの位置検出を行う位置決め装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−163418
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スライダの位置検出に上記のようなレーザ干渉計を使用すると、レーザ干渉計やバーミラーが高価であるため、多額の費用がかかるという問題がある。位置検出の精度や位置決め装置の規模によっては、スライダ1台につき3000万円に達する場合もある。さらに、レーザ干渉計に用いるレーザ光源は寿命が比較的短く、1万〜数万時間程度で交換が必要となる。
【0007】
また、レーザ干渉計を使用した場合、レーザ光を遮るものがあると位置検出ができないため、位置決め装置としての設計の自由度が低いという問題がある。たとえば図13の例では、スライダBのX軸方向の位置はプラテン10の辺10bに配置されたレーザ干渉計で検出されるが、スライダBがスライダAの背後(すなわちスライダAと辺10aの間)に回り込むと辺10bのレーザ干渉計からのレーザ光がスライダAで遮られ、位置検出ができなくなってしまう。したがって、スライダA,Bの可動範囲は制約され、この点を考慮して位置決め装置を設計しなければならない。
【0008】
また、回転角θは、バーミラーを使用しているのでレーザ干渉計が反射光を受光できる範囲までしか測定できず、回転角θの検出範囲が狭いという問題がある。
【0009】
さらに、レーザ干渉計を使用したシステムでは、レーザ光を利用するため、温度や空気の揺らぎなどの周囲環境による影響が大きいという問題もある。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するものであり、安価で簡易な構成によりスライダの位置および回転角を安定して検出するとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するために、請求項1の発明は、
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されてスライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいてスライダのプラテンに対する位置を検出するセンサと、
レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、
請求項1に記載の位置決め装置において、センサは、スライダの1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、スライダの1軸と直交する方向の両端部にそれぞれ配置されたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、
請求項2に記載の位置決め装置において、センサとしてさらに、1軸方向の位置を検出する第3のレゾルバが、第1および第2のレゾルバのいずれかに隣接するように配置されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、
請求項1に記載の位置決め装置において、センサは、スライダの1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、スライダの1軸と直交する方向のいずれかの端部に隣接するように配置されたことを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の位置決め装置において、センサは、スライダの1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバを備え、
この第1のレゾルバはスライダの1軸方向の端部に配置されたことを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、
請求項5に記載の位置決め装置において、センサとしてさらに、1軸と直交する方向の位置を検出する第2のレゾルバを備え、
この第2のレゾルバは、スライダの1軸方向における、1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバの反対側の端部に配置されたことを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されてスライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいてスライダのプラテンに対する位置を検出するセンサと、
レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、
請求項7に記載の位置決め装置において、センサは、スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
第1および第2のX軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
第1および第2のY軸レゾルバは、第1および第2のX軸レゾルバをX軸方向から挟むように配置されたことを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、
請求項7に記載の位置決め装置において、センサは、スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
第1および第2のX軸レゾルバは、スライダのY軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
第1および第2のY軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端部に配置されたことを特徴とする。
【0020】
請求項10の発明は、
請求項7に記載の位置決め装置において、センサは、スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
第1および第2のX軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端に配置され、
第1および第2のY軸レゾルバは、スライダの第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺にX軸方向に隣接して配置され、さらにセンサは、
スライダの第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺と対向する側辺の中央部に配置され、スライダのX軸方向の位置を検出する第3のX軸レゾルバを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、
スライダの位置を検出するセンサとしてレゾルバを利用することにより、安価で簡易な構成によりスライダの位置の検出を安定して行うことができるとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することができる。また、レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部を備えたことにより、スライダの位置だけでなく回転角も検出することができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、
スライダの1軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのレゾルバを備えているため、位置検出の精度を高めることができる。また、第1および第2のレゾルバがスライダの1軸方向と直交する方向の両端部に配置されているため、第1および第2のレゾルバの距離が遠くなり、高い分解能で回転角θを検出することができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、
第1および第2のレゾルバが、1軸方向と直交する方向の両端部に配置されているため、第1および第2のレゾルバの検出結果に基づいて、高い分解能で回転角θを検出することができる。さらに、第3のレゾルバが、第1および第2のレゾルバのいずれかに隣接するように配置されているため、隣接された2つのレゾルバの検出結果に基づいて、広い範囲で回転角θを検出することができる。すなわち、レゾルバを近くに配置した場合の利点と、遠くに配置した場合の利点を併せ持つことができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、
第1および第2のレゾルバが、スライダの1軸方向と直交する方向のいずれかの端部に隣接して配置されているため、第1および第2のレゾルバの距離が近くなり、広い範囲で回転角θを検出することができる。
【0025】
請求項5の発明によれば、
スライダの1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバを備えているため、スライダの1軸と直交する方向の位置も検出することができる。
【0026】
請求項6の発明によれば、
さらに、スライダの1軸と直交する方向の位置を検出する第2のレゾルバを備えているため、スライダの1軸と直交する方向の位置を2点で検出でき、位置検出の精度を高めることができる。また、1軸と直交する方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバでスライダの回転角θを検出することができる。また、1軸と直交する方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバがスライダの1軸方向の両端部に配置されているため、これらのレゾルバの距離が遠くなり、高い分解能で回転角θを検出することができる。1軸と直交する方向の位置を検出するレゾルバで検出した回転角θを、1軸方向の位置を検出するレゾルバで検出した回転角θと比較すれば、回転角θの検出精度を高めることができる。
【0027】
請求項7の発明によれば、
スライダの位置を検出するセンサとしてレゾルバを利用することにより、安価で簡易な構成によりスライダの位置の検出を安定して行うことができるとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することができる。また、レゾルバの出力に基づいてスライダの回転角を検出する回転角検出部を備えたことにより、スライダの位置だけでなく回転角も検出することができる。
【0028】
請求項8の発明によれば、
スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのX軸レゾルバを備えているため、スライダのX位置の検出精度を高めることができる。また、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのY軸レゾルバを備えているため、スライダのY位置の検出精度を高めることができる。
また、第1および第2のX軸レゾルバはY軸方向に隣接して配置されているため、広い範囲で回転角θを検出することができる。第1および第2のY軸レゾルバは、第1および第2のX軸レゾルバをX軸方向から挟むように配置されているため、比較的高い分解能で回転角θを検出することができる。また、すべてのレゾルバがスライダの同じ辺に配置されているため、スペースの利用効率がよい。
【0029】
請求項9の発明によれば、
スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのX軸レゾルバを備えているため、スライダのX位置の検出精度を高めることができる。また、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのY軸レゾルバを備えているため、スライダのY位置の検出精度を高めることができる。
また、第1および第2のX軸レゾルバはスライダのY軸と平行な側辺にY軸方向に隣接して配置されているため、広い範囲で回転角θを検出することができる。また、第1および第2のY軸レゾルバはスライダのX軸と平行な側辺の一方の両端部に配置されているため、比較的高い分解能で回転角θを検出することができる。
【0030】
請求項10の発明によれば、
スライダのX軸方向の位置を検出する第1〜第3の3つのX軸レゾルバを備えているため、スライダのX位置の検出精度を高めることができる。また、スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2の2つのY軸レゾルバを備えているため、スライダのY位置の検出精度を高めることができる。
また、第3のX軸レゾルバは、スライダのX軸と平行な側辺の一辺に配置された第1および第2のX軸レゾルバと対向する側辺に配置されているため、高い分解能で回転角θを検出することができる。第1および第2のY軸レゾルバは、スライダの第1および第2のX軸レゾルバが配置された辺にX軸方向に隣接して配置されているため、広い範囲で回転角θを検出することができる。また、すべてのレゾルバがスライダの向かい合う2辺に配置されているため、スペースの利用効率がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明では、レゾルバを用いてスライダの位置および回転角を検出する。レゾルバは、コアとコイルのみで構成されているため、レーザ干渉計など他のセンサに比較して構造が簡単で安価であり、また高い耐環境性を持っている。さらに、レゾルバにはレーザ干渉計のレーザ光源のように寿命の短い部品がないため、メンテナンスが容易である。
まず、レゾルバによるスライダの位置および回転角検出の動作原理について説明する。
【0032】
図1は、レゾルバによる位置検出動作の原理説明図である。レゾルバのセンサ部200は、コア201と、このコア201に巻かれたコイル202で構成される。センサ部200はプラテン10上に所定の空隙を介して配置される。コア201のプラテン10との対向面には、プラテン10の歯と同じピッチPで磁極の歯が形成されている。
【0033】
プラテン10とコア201との間には、プラテン10の歯とコア201の歯の相対位置に応じたインピーダンスZが存在する。コイル202に励磁電圧として一定振幅の矩形電圧を入力するとコア201が励磁され、プラテン10との間に磁気回路Bが形成される。この磁気回路BはインピーダンスZにより影響を受けるため、結果としてコイル202の端子間電圧はプラテン10とコア201の相対位置に応じて変化する。そこで、コイル202の端子間電圧を取り出し、その振幅を検出信号とする。
【0034】
図1(a)は、コア201の歯とプラテン10の歯との対向する面積が最大、すなわち位相差が0°となる相対位置を示している。このときインピーダンスZは最小となり、検出信号は最大となる。
一方、図1(b)は、コア201の歯とプラテン10の歯との対向する面積が最小、すなわち位相差が180°となる相対位置を示している。このときインピーダンスZは最大となり、検出信号は最小となる。
【0035】
センサ部200がプラテン10上を移動すると、インピーダンスZは正弦波状に変化する。そのため、検出信号は、図1(c)に示すように、ピッチPの周期で正弦波状に変化する。
【0036】
レゾルバは、このようなセンサ部200を2個用意し、図2に示すようにプラテン10に対する位相を90°ずらして配置して構成する。センサ部200の一方をsin相、他方をcos相とし、これらのセンサ部から得られる検出信号のアークタンジェントを取ることによって、レゾルバのプラテン10に対する位相差、すなわちプラテン10の歯に対する相対位置が求められる。なお、プラテン10のどの歯に対する相対位置かは、検出信号が原点位置から繰り返す正弦波の山の数をカウントして求められる。これにより、原点位置を基準としてレゾルバの位置を精度よく検出できる。
【0037】
図3はレゾルバによる回転角検出の説明図である。図3(a)に示すように、図示しないプラテン10上に2つのレゾルバ300,301が配置されている。プラテン10にはX軸方向にピッチPで歯が形成されているものとする。レゾルバ300,301はY軸方向に互いに間隔mだけ離れて配置され、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。
【0038】
レゾルバ301がレゾルバ300に対して回転した場合、レゾルバ300,301がそれぞれ検出する自己のX位置に差が生じる。その差を距離dとしたとき、距離dとレゾルバ間隔mに基づいて、レゾルバ300に対するレゾルバ301の回転角が求められる。
【0039】
回転角検出部400にレゾルバ300,301の出力が入力される。回転角検出部400は、レゾルバ300,301の出力とレゾルバ間隔mに基づいて、レゾルバ300に対するレゾルバ301の回転角を算出する。
【0040】
なお、レゾルバ300,301の検出信号はピッチPの周期で繰り返されるため、回転角の検出が可能なのは距離d<P/2の範囲に限られる。そのため、レゾルバ間隔mに応じて検出可能な回転角の範囲と分解能が定まる。
【0041】
図3(b)は検出可能な回転角の範囲と分解能の説明図である。レゾルバ間隔mが狭い(たとえばm=B)の場合には、検出可能な回転角の最大値はθbとなり、検出範囲は広くなる。逆に、レゾルバ間隔mが広い(たとえばm=A)の場合には、検出可能な回転角の最大値はθaとなり、検出範囲は狭くなる。
一方、検出分解能は距離dの最小値/レゾルバ間隔mで決まるため、レゾルバ間隔mが広い場合には分解能は高くなり、レゾルバ間隔が狭い場合には分解能は低くなる。
【0042】
以上より、レゾルバが狭い間隔で配置されている場合には、検出分解能は粗くなるが広い範囲で回転角を検出することができるという特徴がある。一方、レゾルバが広い間隔で配置されている場合には、検出範囲は狭くなるが高い分解能で回転角を検出することができるという特徴がある。
【実施例1】
【0043】
図4は、本発明による位置決め装置の実施例1を示す上面図である。図示しないプラテン10上にスライダ1が搭載され、プラテン10上でX軸方向に位置制御される。プラテン10とスライダ1のそれぞれの対向面にはX軸方向にピッチPで歯が形成されており、平面モータを構成している。この平面モータを駆動することによって、スライダ1は指定された位置に移動する。
【0044】
スライダ1は矩形状に形成され、スライダ1の各辺が互いに直交するX軸およびY軸とそれぞれ平行になるようにプラテン10上に配置されている。
【0045】
スライダ1のX軸と平行な両側辺の中央部に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ21,22が固定されている。X軸レゾルバ21,22のプラテン10との対向面には、X軸方向にピッチPで歯が形成されている。X軸レゾルバ21,22のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21,22は、初期位置として、プラテン10の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。X軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をAとする。
【0046】
X軸レゾルバ21,22から、それぞれ自己のX位置の検出値が得られる。これらの検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。
【0047】
また、スライダ1は制御誤差などにより回転する場合がある。スライダ1が回転している場合には、X軸レゾルバ21,22の検出値が異なる値となる。
【0048】
回転角検出部4では、スライダ1の回転角の検出を行う。回転角検出部4にX軸レゾルバ21,22の検出値が入力される。回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の検出値の差分とレゾルバ間隔Aに基づいて、X軸レゾルバ21に対するX軸レゾルバ22の回転角θAを求め、この回転角θAをスライダ1の回転角θとする。スライダ1のX位置および回転角θは、スライダ1を駆動する平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。
【0049】
本実施例は以上のように構成され、スライダ1のX位置を検出するX軸レゾルバ21,22を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置を安定して検出できる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0050】
また、スライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に固定されているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要がなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0051】
また、X軸レゾルバが2つあるため、各X軸レゾルバの検出値の平均を取ることによりスライダ1の位置検出精度を高めることができる。
【0052】
また、X軸レゾルバ21,22がスライダ1のY軸方向の両側辺に配置されているため、レゾルバ間隔Aとしてスライダ1のY軸方向の全長以上の距離を確保することができる。これにより、レゾルバ間隔Aを大きく取ることができ、高い分解能で回転角θを検出できる利点もある。
【実施例2】
【0053】
図5は本発明による位置決め装置の実施例2を示す上面図である。本実施例は、先の実施例1に対して、X軸レゾルバ22をX軸レゾルバ21に隣接して固定配置したものである。
【0054】
X軸レゾルバ21,22のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21,22は、初期位置として、プラテン10の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。これらX軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をBとする。
【0055】
X軸レゾルバ21,22からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。また、X軸レゾルバ21,22の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の差分とレゾルバ間隔Bに基づいてX軸レゾルバ22に対するX軸レゾルバ21の回転角θBを求め、この回転角θBをスライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例1と同じである。
【0056】
本実施例は以上のように構成され、スライダ1のX位置を検出するX軸レゾルバ21,22を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置を安定して検出できる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0057】
また、スライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているためスライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などの物品を配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0058】
また、X軸レゾルバが2つあるため、各X軸レゾルバの検出値の平均を取ることにより位置検出の精度を高めることができる。
【0059】
また、X軸レゾルバ21,22がY軸方向に隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを狭くすることができ、広い範囲で回転角θを検出できる利点がある。
【実施例3】
【0060】
図6は本発明による位置決め装置の実施例3を示す上面図である。本実施例は、先の実施例2に対して、スライダ1を挟んでX軸レゾルバ21の反対側に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ23を追加したものである。
【0061】
これらX軸レゾルバ21〜23のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21〜23は、初期位置として、プラテン10の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。X軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をBとする。X軸レゾルバ21,23のY軸方向の間隔をAとする。
【0062】
X軸レゾルバ21〜23からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。
【0063】
また、X軸レゾルバ21〜23の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより、X軸レゾルバ22に対するX軸レゾルバ21の回転角を求める。また、X軸レゾルバ21,23の組合せにより、X軸レゾルバ21に対するX軸レゾルバ23の回転角を求める。X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られる回転角をθBとする。X軸レゾルバ21,23の組合せにより得られる回転角をθAとする。
【0064】
X軸レゾルバ21,22は隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを小さくすることができる。そのため、広い範囲で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21,23はスライダ1のY軸方向の両端部に配置されているため、レゾルバ間隔Aを大きくとることができる。そのため、高い分解能で回転角を検出できる。
ここで、X軸レゾルバ21,23の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmaxとする。
【0065】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθAmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるX軸レゾルバ21,23の組合せにより回転角θAを求める。この回転角θAをスライダ1の回転角θとする。
回転角θがθAmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθAmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,23の組合せにより回転角θAを求め、回転角θAをスライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例2と同じである。
【0066】
本実施例は以上のように構成され、スライダ1のX位置を検出するX軸レゾルバ21〜23を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置を安定して検出できる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21〜23の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0067】
また、スライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているので、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0068】
また、X軸レゾルバが3つあるため、各X軸レゾルバの検出値の平均を取ることにより位置検出の精度を高めることができる。
【0069】
また、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭く、X軸レゾルバ21,23のレゾルバ間隔Aは広いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【実施例4】
【0070】
図7は本発明による位置決め装置の実施例4を示す上面図である。本実施例は、先の実施例1〜3に対して、Y軸方向の位置を検出するためのY軸レゾルバ31を追加したものである。
なお、本実施例では、スライダ1はプラテン10上でX軸方向およびY軸方向の2次元方向に位置制御されるものとする。プラテン10にはX軸方向およびY軸方向にピッチPの格子状に磁極の歯が形成されており、またスライダ1のプラテン10との対向面にはX軸方向およびY軸方向の磁極の歯が形成され、それぞれX軸方向用およびY軸方向用の平面モータを構成しているものとする。これらの平面モータを駆動することによって、スライダ1は指定された位置に移動する。
【0071】
図7の(a)は、前記実施例1と同じレゾルバ配置を備えた位置決め装置に、Y軸レゾルバ31を追加したものである。
図7の(b)は、前記実施例2と同じレゾルバ配置を備えた位置決め装置に、Y軸レゾルバ31を追加したものである。
図7の(c)は、前記実施例3と同じレゾルバ配置を備えた位置決め装置に、Y軸レゾルバ31を追加したものである。
【0072】
図7の(a)において、スライダ1のスライダ1のX軸方向の端部、すなわちY軸と平行な側辺の一方の中央部に、スライダ1のY位置を検出するY軸レゾルバ31が固定されている。Y軸レゾルバ31のプラテン10との対向面にはY軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。Y軸レゾルバ31のセンサ部は、プラテン10の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置を検出する。
【0073】
Y軸レゾルバ31から自己のY位置の検出値が得られ、このY位置をスライダ1のY位置とする。スライダ1のY位置は、X軸レゾルバ21,22の検出値から求められたスライダ1のX位置や回転角θとともにスライダ1を駆動する平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。その他の構成は前記実施例1と同じである。
【0074】
図7の(b)、(c)におけるY軸レゾルバ31も図7の(a)と同様の構成であり、その他の構成はそれぞれ前記実施例2、前記実施例3と同じである。
【0075】
本実施例は以上のように構成され、前記実施例1〜3で得られる効果に加え、さらにスライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31を備えているため、スライダのY軸方向の位置も検出することができる。
【実施例5】
【0076】
図8は本発明による位置決め装置の実施例5を示す上面図である。本実施例は、先の実施例4に対して、さらにY軸方向の位置を検出するY軸レゾルバ32を追加したものである。
【0077】
図8の(a)は、図7の(a)に示す位置決め装置に、Y軸レゾルバ32を追加したものである。
図8の(b)は、図7の(b)に示す位置決め装置に、Y軸レゾルバ32を追加したものである。
図8の(c)は、図7の(c)に示す位置決め装置に、Y軸レゾルバ32を追加したものである。
【0078】
図8の(a)では、スライダ1のY軸レゾルバ31が配置されている辺と対向する側辺の中央部に、Y軸レゾルバ32が固定されている。これらY軸レゾルバ31,32のセンサ部は、プラテン10の同じY位置の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置を検出する。Y軸レゾルバ31,32は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。Y軸レゾルバ31,32のX軸方向の間隔をCとする。
【0079】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取り、スライダ1のY位置とする。
【0080】
また、Y軸レゾルバ31,32の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の検出値の差分とレゾルバ間隔Cに基づいて、Y軸レゾルバ32に対するY軸レゾルバ31の回転角θCを求める。回転角検出部4は、回転角θCと、X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られた回転角θAとの平均を取り、スライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例4と同じである。
【0081】
図8の(b)では、図8の(a)と同様に、スライダ1のY軸レゾルバ31が配置されている辺と対向する側辺の中央部に、Y軸レゾルバ32が固定されている。
【0082】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取り、スライダ1のY位置とする。
【0083】
また、Y軸レゾルバ31,32の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。X軸レゾルバ21,22の組合せにより検出される回転角θBは、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bが狭いため、広い範囲で回転角を検出できる。一方、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより検出されるθCは、レゾルバ間隔Cが広いため、高い分解能で回転角を検出できる。Y軸レゾルバ31,32の組合せで検出可能な回転角の最大値をθCmaxとする。
【0084】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθCmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるY軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θCを求める。この回転角θCをスライダ1の回転角θとする。
回転角θBがθCmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθCmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θCを求め、回転角θCをスライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例4と同じである。
【0085】
図8の(c)では、図8の(a)と同様に、スライダ1のY軸レゾルバ31が配置されている辺と対向する側辺の中央部に、Y軸レゾルバ32が固定されている。
【0086】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取り、スライダ1のY位置とする。
【0087】
また、Y軸レゾルバ31,32の検出値は図示しない回転角検出部4に入力される。X軸レゾルバ21,22の組合せにより検出される回転角θBは、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bが狭いため、広い範囲で回転角を検出できる。一方、X軸レゾルバ21,23の組合せで検出されるθAと、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより検出されるθCは、レゾルバ間隔A,Cが広いため、高い分解能で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21,23の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmaxとする。Y軸レゾルバ31,32の組合せで検出可能な回転角の最大値をθCmaxとする。θCmax<θAmaxとする。
【0088】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθCmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるX軸レゾルバ21,23の組合せと、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA,θCを求める。回転角検出部4は、回転角θA,θCの平均をとり、スライダ1の回転角θとする。
回転角θBがθCmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθCmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,23の組合せと、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA,θCを求める。回転角検出部4は、回転角θA,θCの平均をとり、スライダ1の回転角θとする。その他の構成は前記実施例4と同じである。
【0089】
本実施例は以上のように構成され、前記実施例4で得られる効果に加え、Y軸レゾルバが2つあるため、各Y軸レゾルバの検出値の平均を取ることにより位置検出の精度を高めることができる。
【0090】
また、Y軸レゾルバ31,32がスライダ1のX軸方向の両端部、すなわちY軸と平行な両側辺に配置されているため、レゾルバ間隔Cとしてスライダ1のX軸方向の全長以上の距離を確保することができる。これにより、レゾルバ間隔Cを大きく取ることができ、高い分解能で回転角θCを検出できる利点がある。
【0091】
また、図8の(a)に示す構成によれば、前記実施例1で得られる効果に加え、Y軸レゾルバの組み合わせで検出した回転角θCと、X軸レゾルバの組合せで検出した回転角θAとの平均を取ることにより、スライダ1の回転角θの検出精度を高めることができる。さらに、レゾルバがスライダ1のすべての辺に均等に配置されているため、重量バランスが改善される。
図8の(b)に示す構成によれば、前記実施例2で得られる効果に加え、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭く、Y軸レゾルバ31,32のレゾルバ間隔Cは広いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
図8の(c)に示す構成によれば、前記実施例3で得られる効果に加え、図8の(a)および(b)で得られる効果を併せ持つことができる。
【0092】
なお、上記各実施例においては、スライダ1を矩形状としたが、スライダ1の形状は円形や楕円形など他の形状であってもよい。円形の場合には、直径を表す任意の線分を一本決定し、その線をX軸またはY軸のいずれかに沿うようにスライダを位置させて、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバを配置すればよい。楕円形の場合には、長径、短径の一方をX軸、他方をY軸に沿うようにスライダを位置させて、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバを配置すればよい。
【0093】
また、上記各実施例において、X軸は各請求項の1軸方向に相当し、Y軸は1軸と直交する方向に相当する。そして、X軸レゾルバは1軸方向の位置を検出するレゾルバに相当し、Y軸レゾルバは1軸と直交する方向を検出するレゾルバに相当する。
【実施例6】
【0094】
図9は本発明による位置決め装置の実施例6を示す上面図である。図示しないプラテン10上にスライダ1が搭載され、プラテン10上でX軸方向およびY軸方向の2次元方向に位置制御される。プラテン10にはX軸方向およびY軸方向にピッチPの格子状に磁極の歯が形成されており、またスライダ1のプラテン10との対向面にはX軸方向およびY軸方向の磁極の歯が形成され、それぞれX軸方向用およびY軸方向用の平面モータを構成しているものとする。これらの平面モータを駆動することによって、スライダ1は指定された位置に移動する。
【0095】
スライダ1は矩形状をしており、スライダ1の各辺はX軸またはこのX軸に直交するY軸のいずれかに沿うようにプラテン10上に配置されている。
【0096】
スライダ1のX軸と平行な側辺の一方の中央部に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ21,22がY軸方向に隣接して固定されている。X軸レゾルバ21,22のプラテン10との対向面にはX軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。X軸レゾルバ21,22のセンサ部は、プラテン10の同じX位置の磁極の歯に対するX軸方向の相対位置を検出する。X軸レゾルバ21,22は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。X軸レゾルバ21,22のY軸方向の間隔をBとする。
【0097】
X軸レゾルバ21,22が配置された側辺には、X軸レゾルバ21,22をX軸方向から挟むようにしてY軸方向の位置を検出するY軸レゾルバ31,32が固定されている。Y軸レゾルバ31,32は、スライダ1からX軸方向にはみ出さないように、それぞれスライダ1のX軸方向の切片位置に寄せて配置される。Y軸レゾルバ31,32のプラテン10との対向面にはY軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。Y軸レゾルバ31,32のセンサ部は、プラテン10の同じY位置の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置を検出する。Y軸レゾルバ31,32は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するY軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。Y軸レゾルバ31,32のX軸方向の間隔をA’とする。
【0098】
X軸レゾルバ21、23からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取り、スライダ1のX位置とする。また、Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取る。Y軸レゾルバ31,32はスライダ1のY軸方向の中心からずれた位置に配置されているため、得られた平均値に所定の補正値を加算して、スライダ1のY位置とする。
【0099】
また、X軸レゾルバ21,22およびY軸レゾルバ31,32の検出値は、図示しない回転角検出部4に入力される。
回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより、X軸レゾルバ22に対するX軸レゾルバ21の回転角を求める。また、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより、Y軸レゾルバ32に対するY軸レゾルバ31の回転角を求める。X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られる回転角をθBとする。Y軸レゾルバ31,32の組合せにより得られる回転角をθA’とする。
【0100】
X軸レゾルバ21,22は隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを狭くすることができ、広い範囲で回転角を検出できる。Y軸レゾルバ31,32は、それぞれスライダ1のX軸方向の切片位置と揃えて配置されているため、レゾルバ間隔A’を比較的広くとることができ、比較的高い分解能で回転角を検出できる。Y軸レゾルバ31,32の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmax’とする。
【0101】
まず、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21,22の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθAmax’以内であった場合には、回転角検出部4は、比較的高い分解能で検出できるY軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA’を求める。この回転角θA’をスライダ1の回転角θとする。
回転角θがθAmax’を超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθAmax’以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θA’を求め、回転角θA’をスライダ1の回転角θとする。
【0102】
スライダ1のX位置、Y位置および回転角θはスライダ1を駆動する平面モータにフィードバックされ、位置制御や姿勢制御に利用される。
【0103】
本実施例は以上のように構成され、スライダのX位置を検出するX軸レゾルバ21,22と、スライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31,32を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置、Y位置の検出を安定して行うことができる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22およびY軸スライダ31,32の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0104】
またスライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0105】
また、X軸レゾルバ、Y軸レゾルバがそれぞれ2つずつあるため、各軸ごとにレゾルバの検出値の平均を取ることにより、スライダ1の位置検出の精度を高めることができる。
【0106】
また、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバのすべてがスライダ1の同じ辺にまとめて配置されているため、スペースの利用効率がよい。その上、Y軸レゾルバ31,32がスライダ1のX軸方向の切片位置に揃えて配置されているため、レゾルバ間隔A’を比較的広くすることができ、比較的高い分解能で回転角θを検出できる。また、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【実施例7】
【0107】
図10は本発明による位置決め装置の実施例7を示す上面図である。本実施例は、先の実施例5に対して、X軸レゾルバ21,22の配置を変えたものである。
【0108】
X軸レゾルバ21,22は、スライダ1のY軸と平行な側辺の一方の中央部に、Y軸方向に隣接して固定されている。
【0109】
X軸レゾルバ21,22からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取る。X軸レゾルバ21,22はスライダ1のX軸方向の中心からずれた位置に配置されているため、得られた平均値に所定の補正値を加算して、スライダ1のX位置とする。その他の構成は前記実施例6と同じである。
【0110】
本実施例は以上のように構成され、スライダのX位置を検出するX軸レゾルバ21,22と、スライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31,32を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置、Y位置の検出を安定して行うことができる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21,22およびY軸スライダ31,32の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0111】
またスライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0112】
また、X軸レゾルバ、Y軸レゾルバがそれぞれ2つずつあるため、各軸ごとにレゾルバの検出値の平均を取ることにより、スライダ1の位置検出の精度を高めることができる。
【0113】
また、X軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭く、Y軸レゾルバ31,32のレゾルバ間隔A’は比較的広いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【実施例8】
【0114】
図11は本発明による位置決め装置の実施例8を示す上面図である。本実施例は、先の実施例6に対して、X軸レゾルバ21,22およびY軸レゾルバ31,32の配置を変えるとともに、さらにX軸レゾルバ23を配置したものである。
【0115】
スライダ1のX軸と平行な側辺の一方の中央部に、Y軸方向の位置を検出するY軸レゾルバ31,32がX軸方向に隣接して固定されている。Y軸レゾルバ31,32のX軸方向の間隔をBとする。
【0116】
Y軸レゾルバ31,32が配置された側辺には、Y軸レゾルバ31,32をX軸方向から挟むようにしてX軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ21,22が固定されている。X軸レゾルバ21,22は、スライダ1からX軸方向にはみ出さないように、それぞれスライダ1のX軸方向の切片位置に寄せて配置される。
【0117】
Y軸レゾルバ31,32が配置された側辺と対向する側辺の中央部に、X軸方向の位置を検出するX軸レゾルバ23が固定されている。X軸レゾルバ23のプラテン10との対向面にはX軸方向にピッチPで磁極の歯が形成されている。X軸レゾルバ21〜23は、初期位置として、プラテン10の磁極の歯に対するX軸方向の相対位置が互いに等しくなるように配置される。
【0118】
X軸レゾルバ21,22は同じY位置に配置される。また、X軸レゾルバ21,22のX軸方向の中点はX軸レゾルバ23のX位置に一致する。X軸レゾルバ21,22と、X軸レゾルバ23とのY軸方向の間隔をAとする。
【0119】
Y軸レゾルバ31,32からそれぞれ得られるY位置の検出値の平均を取る。Y軸レゾルバ31,32はスライダ1のY軸方向の中心からずれた位置に配置されているため、得られた平均値に所定の補正値を加算して、スライダ1のY位置とする。また、X軸レゾルバ21、22からそれぞれ得られるX位置の検出値の平均を取る。さらに、この平均値とX軸レゾルバ23の検出値との平均を取り、スライダ1のX位置とする。
【0120】
また、X軸レゾルバ21〜23およびY軸レゾルバ31,32の検出値は、図示しない回転角検出部4に入力される。
回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより、Y軸レゾルバ32に対するY軸レゾルバ31の回転角を求める。また、X軸レゾルバ21〜23の組合せにより、X軸レゾルバ21,22の中点位置に対するX軸レゾルバ23の回転角を求める。X軸レゾルバ21,22の組合せにより得られる回転角をθAとする。Y軸レゾルバ31,32の組合せにより得られる回転角をθBとする。
【0121】
Y軸レゾルバ31,32は隣接して配置されているため、レゾルバ間隔Bを狭くすることができ、広い範囲で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21,22とX軸レゾルバ23は、スライダ1のY軸方向の両端部に配置されているため、レゾルバ間隔Aを広くすることができ、高い分解能で回転角を検出できる。X軸レゾルバ21〜23の組合せで検出可能な回転角の最大値をθAmaxとする。
【0122】
回転角検出部4は、Y軸レゾルバ31,32の組合せにより回転角θBを求める。回転角θBがθAmax以内であった場合には、回転角検出部4は、高い分解能で検出できるX軸レゾルバ21〜23の組合せにより回転角θAを求めて、この回転角θAをスライダ1の回転角θとする。
回転角θがθAmaxを超えていた場合には、スライダ1の回転角θがθAmax以内に収まる程度に一旦スライダ1の姿勢を制御する。その後、回転角検出部4は、X軸レゾルバ21〜23の組合せにより回転角θAを求め、回転角θAをスライダ1の回転角θとする。
【0123】
本実施例は以上のように構成され、スライダのX位置を検出するX軸レゾルバ21〜23と、スライダのY位置を検出するY軸レゾルバ31,32を備えたことにより、安価で簡易な構成によりスライダ1のX位置、Y位置の検出を安定して行うことができる位置決め装置を実現することができる。また、X軸レゾルバ21〜23およびY軸スライダ31,32の出力に基づいてスライダ1の回転角θを検出する回転角検出部4を備えたことにより、スライダ1の位置だけでなく、回転角θも検出することができる。
【0124】
またスライダ1の位置を検出するセンサがスライダ1自体に取り付けられているため、スライダ1の位置検出のためにプラテン10の周囲にレーザ干渉計などを配置する必要もなくなり、位置決め装置全体の設計の自由度を高めることができる。
【0125】
また、X軸レゾルバは3つ、Y軸レゾルバは2つあるため、各軸ごとにレゾルバの検出値の平均を取ることにより、スライダ1の位置検出の精度を高めることができる。
【0126】
また、X軸レゾルバおよびY軸レゾルバのすべてがスライダ1の同じ軸方向の辺にまとめて配置されているため、スペースの利用効率がよい。X軸レゾルバ21〜23がスライダ1のY軸方向の両端部に分散して配置されているため、レゾルバ間隔Aを広くすることができ、高い分解能で回転角θを検出できる利点がある。また、Y軸レゾルバ21,22のレゾルバ間隔Bは狭いため、レゾルバの組を狭い間隔で配置した場合に得られる利点と、広い間隔で配置した場合に得られる利点の両方を併せ持つことができる。
【0127】
なお、上記各実施例では、各レゾルバがスライダ1の側辺外部に取り付けられたものとして説明したが、各レゾルバはスライダ1のプラテン10との対向面の平面モータが構成されていない辺縁部に埋設されていてもよい。
【0128】
図12は、本実施例の位置決め装置において、レゾルバをスライダ1のプラテン10との対向面に埋設して設けた例を示す図である。図12はスライダ1の対向面を上から透かし見た図である。
1a,1bはスライダ1のプラテン10との対向面にX軸方向に形成された磁極の歯である。1c,1dはスライダ1のプラテン10との対向面にY軸方向に形成された磁極の歯である。これらの磁極の歯がプラテン10の磁極の歯とそれぞれX軸方向用およびY軸方向用の平面モータを構成している。
【0129】
1eは、スライダ1のプラテン10との対向面の辺縁部であり、磁極の歯1a〜1dが形成されていない部分である。この辺縁部1eに各レゾルバを埋設する。X軸レゾルバ21,22およびY軸レゾルバ31,32を辺縁部1eのY軸方向の一辺に埋設する。X軸レゾルバ23を、辺縁部1eのY軸方向の対向辺に埋設する。各レゾルバは、スライダ1の対向面からプラテン10に向けて飛び出ないように、磁極の歯1a〜1dおよび辺縁部1eのレゾルバが埋設されていない部分と高さが揃うように埋設される。このようにレゾルバをスライダ1に埋設することによって、レゾルバのさらなる省スペース化を図ることができる。
【0130】
なお、図12では本実施例の位置決め装置においてレゾルバをスライダ1のプラテン10との対向面に埋設した例を示したが、前記実施例1〜実施例7の位置決め装置においても、レゾルバをスライダ1のプラテン10との対向面に埋設して設けてもよい。
【0131】
また、前記各実施例および本実施例において、レゾルバの個数を増やしてもよい。レゾルバの個数を増やすことにより、平均を求めてスライダ1の位置検出精度を高めることができる。さらに、バーニアによる高調波誤差を削減することができ、平面モータの位置制御の精度を向上させることができる。
【0132】
また、前記各実施例および本実施例では、スライダが1台の位置決め装置について説明したが、スライダは複数台でもよい。スライダが複数台ある場合には、レーザ干渉計を使用した場合に比べて各スライダの可動範囲が広がり、本発明による利点がさらに活かされる。
【0133】
また、X軸とY軸は互いに直交する軸であり、直交する軸のいずれをX軸、Y軸と命名するかは自由である。前記各実施例および本実施例におけるX軸およびY軸を入れ替えて読んでもよい。
【0134】
さらに、本発明ではスライダの位置を検出するセンサとしてレゾルバを利用したが、レゾルバに限らず、半導体磁気抵抗素子やCCDセンサを利用してもよい。
【0135】
以上説明したように、本発明によれば、安価で簡易な構成によりスライダの位置および回転角を安定して検出するとともに、設計の自由度の高い位置決め装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】レゾルバによる位置検出の動作原理を説明図である。
【図2】レゾルバの構成を示す図である。
【図3】レゾルバによる回転角検出の説明図である。
【図4】本発明の実施例1を示す上面図である。
【図5】本発明の実施例2を示す上面図である。
【図6】本発明の実施例3を示す上面図である。
【図7】本発明の実施例4を示す上面図である。
【図8】本発明の実施例5を示す上面図である。
【図9】本発明の実施例6を示す上面図である。
【図10】本発明の実施例7を示す上面図である。
【図11】本発明の実施例8を示す上面図である。
【図12】実施例8の変形例を示す上面図である。
【図13】従来例の位置決め装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0137】
1 スライダ
21〜23 X軸レゾルバ
31,32 Y軸レゾルバ
4 回転角検出部
10 プラテン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されて前記スライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
前記スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいて前記スライダの前記プラテンに対する位置を検出するセンサと、
前記レゾルバの出力に基づいて前記スライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記センサは、前記スライダの前記1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、前記スライダの前記1軸と直交する方向の両端部にそれぞれ配置されたことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記センサとしてさらに、前記1軸方向の位置を検出する第3のレゾルバが、前記第1および第2のレゾルバのいずれかに隣接するように配置されたことを特徴とする請求項2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記センサは、前記スライダの前記1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、前記スライダの前記1軸と直交する方向のいずれかの端部に隣接するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記センサは、前記スライダの前記1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバを備え、
この第1のレゾルバは前記スライダの前記1軸方向の端部に配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記センサとしてさらに、前記1軸と直交する方向の位置を検出する第2のレゾルバを備え、
この第2のレゾルバは、前記スライダの前記1軸方向における、前記1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバの反対側の端部に配置されたことを特徴とする請求項5に記載の位置決め装置。
【請求項7】
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されて前記スライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
前記スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいて前記スライダの前記プラテンに対する位置を検出するセンサと、
前記レゾルバの出力に基づいて前記スライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする位置決め装置。
【請求項8】
前記センサは、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、前記スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
前記第1および第2のX軸レゾルバは、前記スライダのX軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
前記第1および第2のY軸レゾルバは、前記第1および第2のX軸レゾルバをX軸方向から挟むように配置されたことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置。
【請求項9】
前記センサは、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、前記スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
前記第1および第2のX軸レゾルバは、前記スライダのY軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
前記第1および第2のY軸レゾルバは、前記スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端部に配置されたことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置。
【請求項10】
前記センサは、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、前記スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
前記第1および第2のX軸レゾルバは、前記スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端に配置され、
前記第1および第2のY軸レゾルバは、前記スライダの前記第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺にX軸方向に隣接して配置され、さらに前記センサは、
前記スライダの前記第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺と対向する側辺の中央部に配置され、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第3のX軸レゾルバを備えたことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置。
【請求項1】
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されて前記スライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
前記スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいて前記スライダの前記プラテンに対する位置を検出するセンサと、
前記レゾルバの出力に基づいて前記スライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記センサは、前記スライダの前記1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、前記スライダの前記1軸と直交する方向の両端部にそれぞれ配置されたことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記センサとしてさらに、前記1軸方向の位置を検出する第3のレゾルバが、前記第1および第2のレゾルバのいずれかに隣接するように配置されたことを特徴とする請求項2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記センサは、前記スライダの前記1軸方向の位置を検出する第1および第2のレゾルバを備え、
これら第1および第2のレゾルバは、前記スライダの前記1軸と直交する方向のいずれかの端部に隣接するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記センサは、前記スライダの前記1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバを備え、
この第1のレゾルバは前記スライダの前記1軸方向の端部に配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記センサとしてさらに、前記1軸と直交する方向の位置を検出する第2のレゾルバを備え、
この第2のレゾルバは、前記スライダの前記1軸方向における、前記1軸と直交する方向の位置を検出する第1のレゾルバの反対側の端部に配置されたことを特徴とする請求項5に記載の位置決め装置。
【請求項7】
互いに直交するX軸およびY軸の少なくとも1軸方向に位置制御されるスライダと、このスライダと対向する面に磁極の歯が形成されて前記スライダと平面モータを構成するプラテンとを備えた位置決め装置において、
前記スライダに複数設けられたレゾルバの出力に基づいて前記スライダの前記プラテンに対する位置を検出するセンサと、
前記レゾルバの出力に基づいて前記スライダの回転角を検出する回転角検出部と、
を備えたことを特徴とする位置決め装置。
【請求項8】
前記センサは、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、前記スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
前記第1および第2のX軸レゾルバは、前記スライダのX軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
前記第1および第2のY軸レゾルバは、前記第1および第2のX軸レゾルバをX軸方向から挟むように配置されたことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置。
【請求項9】
前記センサは、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、前記スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
前記第1および第2のX軸レゾルバは、前記スライダのY軸と平行な側辺の一方にY軸方向に隣接して配置され、
前記第1および第2のY軸レゾルバは、前記スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端部に配置されたことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置。
【請求項10】
前記センサは、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第1および第2のX軸レゾルバと、前記スライダのY軸方向の位置を検出する第1および第2のY軸レゾルバを備え、
前記第1および第2のX軸レゾルバは、前記スライダのX軸と平行な側辺の一方の両端に配置され、
前記第1および第2のY軸レゾルバは、前記スライダの前記第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺にX軸方向に隣接して配置され、さらに前記センサは、
前記スライダの前記第1および第2のX軸レゾルバが配置された側辺と対向する側辺の中央部に配置され、前記スライダのX軸方向の位置を検出する第3のX軸レゾルバを備えたことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図12】
【公開番号】特開2009−300270(P2009−300270A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155449(P2008−155449)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
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