説明

位置決定におけるナビゲーションデータを処理するための方法と装置

【課題】不適切な信号が、移動局の位置決定の測定値として、誤って識別されないようにする。
【解決手段】移動局で受信された位置決定信号から、移動局についての位置決定のための複数の測定値を決定し、複数の測定値間の整合性を決定する前に、複数の確率推定を生成するために、複数の測定値の各々が誤警報である確率を推定する。測定値を使用して移動局の位置を決定する。そして推定した誤警報確率インジケータを使用して、決定した位置が受け入れ可能か判断する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は米国仮出願番号第60/447,506号、2003年2月14日提出、および米国仮出願番号第60/493,536号、2003年8月7日提出への優先権を主張する。
【発明の分野】
【0002】
この発明は位置決定システムに関し、そしてより詳しくは誤警報(false alarm)の処理に関する。
【背景】
【0003】
無線セルラネットワーク(例えば、セルラ電話ネットワーク)において位置ロケーション(position location)を実行するために、いくつかのアプローチは、いくつかの基地局の各々と、セルラ電話機のような移動体装置との間で送られるタイミング情報の使用に基づいたトライアンギュレーション(triangulation)を実行する。進歩した順方向リンク三辺測量術(Advanced Forward Link Trilateration)(AFLT)または強化監視時間差 (Enhanced Observed Time Difference)(EOTD)と呼ばれる1つのアプローチは、いくつかの基地局の各々から送信された信号の到着時刻を移動体装置で測定する。これらの時刻は位置決定エンティティ(PDE)(例えば、ロケーションサーバ)に送信され、それはこれらの受信の時刻を使用して移動体装置の位置を計算する。これらの基地局での送信時間は、特定の時間の例では、複数の基地局と関連する時刻が指定された誤差境界内にあるように調整される。基地局の正確な位置と受信時刻とは移動体装置の位置を決定することに使用される。
【0004】
図1はセルラ基地局101,103および105からの信号の受信時刻(TR1,TR2およびTR3)が移動体セルラ電話機111で測定されるAFLTシステムの一例を示す。このタイミングデータはその後移動体装置の位置を計算するために使用されることができる。そのような計算は移動体装置自身でなされるか、あるいはもしも移動体装置によってそのように得られたタイミング情報が通信リンクを介してロケーションサーバに送信されるならばそのロケーションサーバでなされることができる。典型的に、受信の時刻はセルラ基地局(例えば、基地局101、または103、または105)の1つを介してロケーションサーバ115に送信される。ロケーションサーバ115は移動交換センタ113を介して基地局からのデータを受信するために結合される。ロケーションサーバは基地局アルマナック(almanac)(BSA)サーバを含んでもよく、それはその基地局の位置および/または基地局のカバレッジエリアを提供する。あるいは、ロケーションサーバとBSAサーバとは互いに分離されてもよく;そして、ロケーションサーバは位置決定のための基地局アルマナックを得るために基地局と通信する。移動交換センタ113は、信号が移動電話機へおよびそこから他の電話機(例えば、公衆電話交換システム(PSTS)上の地上有線電話機または他の移動電話機)へ伝達されることができるように、地上有線PSTSへおよびそこから(例えば、音声通信)信号を供給する。ある場合には、ロケーションサーバはまたセルラリンクを介して移動交換センタとも通信することができる。ロケーションサーバはまたこれらのエミッションの相関タイミングを決定しようと努力して基地局のいくつかからのエミッションをモニタすることもできる。
【0005】
到着時間差(Time Difference of Arrival)(TDOA)と命名されたもう1つのアプローチでは、移動体装置からの信号の受信の時刻はいくつかの基地局(例えば、基地局101,103および105で得られた測定値)で測定される。図1は、もしもTR1,TR2およびTR3の矢印が反対ならばこの場合に当てはまる。このタイミングデータはその後、移動体装置の位置を計算するためにロケーションサーバに伝えられることができる。
【0006】
さらに、位置ロケーションを行う第3の方法は、米国グローバルポジショニング衛星(GPS)システムまたは、ロシヤのGLONASSシステムや提案された欧州のガリレオシステム、あるいは衛星とシュードライト(pseudolites)の組合わせのような他の衛星ポジショニングシステム(SPS)のための受信器の移動体装置内での使用を含む。シュードライトは地上ベースの送信器であり、それはLバンド搬送波信号上で変調され、一般にSPS時間と同期された(GPS信号と同種の)PN符号を放送する。各送信器は遠隔の受信器による識別を可能とするように独特のPN符号を割り当てられることができる。シュードライトは、トンネル、鉱山、建物または他の閉鎖領域のような、軌道衛星からのSPS信号が使用できない可能性がある場面において有用である。術語“衛星”は、この中で使用されるように、シュードライトまたはシュードライトの等価物を含むことを意味し、そして術語GPS信号は、この中で使用されるように、シュードライトまたはシュードライトの等価物からのGPSのような信号を含むことを意味する。SPS信号用の受信器を使用しているこのような方法は完全に自律であることができ、あるいは補助データを供給するためか、または位置計算において共有するためにセルラネットワークを使用できる。略記法として、われわれはこれらの種々の方法を“SPS”と呼ぶ。そのような方法の例は米国特許第6,208,290号;第5,841,396号;第5,874,914号;第5,945,944号;および第5,812,087号に記述される。例えば、米国特許番号第5,945,944号はセルラ電話送信信号から正確な時刻情報を得るための方法を記述しており、それは受信器の位置を決定するためにSPS信号と共同して使用され、;米国特許番号第5,874,914号は受信器の位置を決定するために通信リンクを介して受信器に視野内の衛星のドップラー周波数シフトを送信するための方法を記述している;米国特許番号第5,874,914号は受信器がそれの位置を決定するのを助けるために通信リンクを介して受信器に衛星アルマナックデータ(または天体暦(ephemeris)データ)を送信するための方法を記述している;米国特許番号第5,874,914号はまたSPS信号獲得のための受信器で参照信号を供給するためにセルラ電話システムの正確な搬送波周波数信号にロックするための方法も記述している;米国特許番号第6,208,290号はSPS信号処理時間を減少させるための近似のドップラーを決定するために受信器の近似のロケーションを使用するための方法を記述している;そして、米国特許番号第5,812,087号は受信器の位置を決定するために記録の1つが受信器で受信される時刻を決定するために種々のエンティティで受信された衛星データメッセージの種々の記録を比較するための方法を記述している。実質上低価格の実施の形態では、移動体セルラ通信受信器およびSPS受信器の両者は同じ構内に集合され、そして実際、共通の電子回路を共有することができる。
【0007】
上記方法のさらにもう1つの変種では、往復遅延(round trip delay)(RTD)が基地局から移動体装置に送られ、そしてその後返送される信号について見つけだされる。同様の、しかし代案の方法では、往復遅延は移動体装置から基地局に送られ、そしてその後返送される信号について見つけだされる。これらの往復遅延の各々は片道時間遅延の推定値を決定するために2で割られる。基地局のロケーションの知識、プラス片道遅延は地球上の1つの円に移動体装置のロケーションを制約する。別個の基地局からの2つのそのような測定値はその後2つの円の交差という結果になり、それは順番に地球上の2点にロケーションを制約する。第3の測定値は(到着の角度またはセルセクタでさえ)曖昧さを解決する。
【0008】
AFLTまたはTDOAのどちらかとSPSシステムとの組み合わせは“ハイブリッド”システムと呼ばれる。例えば、米国特許番号第5,999,124号はハイブリッドシステムを記述しており、その中ではセルベースのトランシーバは少なくとも下記の2つの組み合わせから決定される:i)セルベースのトランシーバと通信システムとの間のセルベース通信信号内のメッセージの伝達時間(time of travel)を表す時間測定値;および、ii)SPS信号の伝達時間を表す時間測定値。
【0009】
高度エイディング(altitude aiding)は移動体装置の位置を決定するためのいろいろな方法の中で使用されてきた。高度エイディングは典型的に高度の疑似測定に基礎を置いている。移動体装置のロケーションの高度についての知識は、地球の中心に位置してその中心を有する球体(または回転だ円体)の表面に移動体装置のありそうな位置を強制する。この知識は移動体の位置を決定するのに必要な別々の測定値の数を減らすために使用されることができる。例えば、米国特許番号第6,061,018号は推定高度がセル物体の情報から決定される方法を記述しており、それは移動体装置と通信しているセルサイト送信器を有するセルサイトであってもよい。
【0010】
最小セットの測定値が使用できる時には、ナビゲーション方程式のための独特のソリューションが移動局の位置について決定されることができる。1つ以上の特別な測定値が使用できる時には、“最良の”ソリューションがすべての使用できる測定値に最良にフィットするように(例えば、ナビゲーション方程式の残留ベクトルを最小にする最小二乗解法手順により)得られることができる。測定値内の雑音や誤りにより、冗長な測定値がある時には、残留ベクトルは典型的に非ゼロであるので、整合性モニタリング(integrity monitoring)アルゴリズムは全測定値が互いに矛盾がない(consistent:矛盾がない、整合性がある)かどうかを決定するのに使用されることができる。例えば、伝統的な受信器自律整合性モニタリング(RAIM)アルゴリズムは冗長な測定値のセット内に整合性の問題(consistency problem)があるかどうかを検出するのに使用されることができる。例えば、1つのRAIMアルゴリズムはナビゲーション方程式についての残留ベクトルの大きさが閾値より低いかどうかを決定する。もしも残留ベクトルの大きさが閾値よりも小さいのであれば、測定値は矛盾がない(consistent)と考えられる。もしも残留ベクトルの大きさが閾値よりも大きいのであれば、整合性の問題(integrity problems)があり、その場合に最も多くの矛盾(most inconsistency)を引き起こしていると思われる冗長な測定値の1つは、改善されたソリューションを得るためにその後取り除かれてもよい。
【発明の概要】
【0011】
位置決定における誤警報の処理のための方法および装置がここに記述される。本発明の実施形態のいくつかはこのセクションで要約される。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施形態は位置決定処理における測定値誤警報確率(measurement false alarm probabilities)を推定して、使用する。1つの実施形態では、推定された測定値誤警報確率は、決定された位置ソリューションの信頼性または収集としての測定値のセットの信頼性を決定するために、結合される(combined)。1つの実施形態では、推定された測定値誤警報確率は、誤りの測定値の分離(isolation)および除去(elimination)において使用される。例えば、誤りの測定値を識別するための伝統的な幾何学ベースのメトリックは誤りの測定値を決定するために測定値誤警報確率に従ってさらに重みづけされる(weighted)。
【0013】
本発明の1局面では、移動局についての位置決定の方法は下記を含む:移動局で受信された位置決定信号からその移動局についての位置決定のための第1の測定値(例えば、GPSまたは基地局信号の到着時刻、疑似レンジ)を決定すること;および第1の測定値のための信号から第1の信頼性インジケータ(reliability indicator)を決定すること、ここで第1の信頼性インジケータは第1の測定値についての測定値誤警報確率のレベル(a level of measurement false alarm probability)を表す。1つの例では、信頼性レベル(reliability level)は測定値を使用して移動局について(例えば、移動局、リモートサーバで)計算された位置ソリューションが誤りでない確率を表すために第1の信頼性インジケータから決定される。1つの例では、第1の測定値および第1の信頼性インジケータは移動局の位置決定のためのリモートサーバに送信される。1つの例では、第1の測定値のための信号から決定される、1つまたはそれ以上の信号品質インジケータは移動局からリモートサーバに送信される;そして、第1の信頼性インジケータは1つまたはそれ以上の信号品質インジケータを使用してリモートサーバで決定される。1つの例では、第2の測定値は移動局で受信された位置決定信号から決定される;第2の信頼性インジケータは第2の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表すために第2の測定値のための位置決定信号から決定される;位置ソリューションは第1および第2の測定値を使用して移動局について計算される;そして第1および第2の信頼性インジケータは位置ソリューションの信頼性を決定するために結合される。1つの例では、測定値は矛盾がある時には、第1および第2の信頼性インジケータを使用して位置決定から第1および第2の測定値の1つが除去される(eliminated)。1つの例では、第1の信頼性インジケータは下記の少なくとも1つから決定される:a)相関ピークの大きさ;b)相関ピーク幅;c)信号強度;d)信号対雑音比;e)信号対干渉比;f)第1の測定値の決定のために使用された相関ピークの1つまたはそれ以上の候補ピークとの関係;およびg)第1の測定値の決定のための信号の検出された信号との関係。
【0014】
本発明の1つの局面では、移動局についての位置決定の方法は下記を含む:複数の測定値を使用して計算された位置の信頼性を決定するために複数の測定値誤警報インジケータを結合する、ここで複数の測定値誤警報インジケータはそれぞれ複数の測定値についての推測的な(a priori)誤警報確率のレベルを表す。1つの例では、移動局についての位置は複数の測定値を使用して計算される;複数の測定値誤警報インジケータの各々は2つよりも多いレベルのうちの1つの値(a value of more than two levels)(例えば、0と1との間のような、1レンジ以内の数)である。1つの例では、複数の測定値誤警報インジケータの1つは1つまたはそれ以上の信号品質インジケータ(例えば、a)相関ピークの大きさ;b)相関ピーク型インジケータ;c)信号強度;d)信号対雑音比;およびe)信号対干渉比)から決定される。
【0015】
本発明の1つの局面では、移動局についての位置決定の方法は下記を含む:複数の測定値は矛盾がある(not consistent)決定に応じて複数の推測的な誤警報インジケータ(a priori false alarm indicators)を使用して位置決定から複数の測定値の1つを除去する、ここで複数の推測的な誤警報インジケータはそれぞれ複数の測定値について個々に決定される。1つの例では、複数の測定値の除去された1つは複数の推測的な誤警報インジケータを比較することから決定される。1つの例では、それぞれ複数の測定値について複数の矛盾インジケータ(inconsistent indicators)は複数の測定値から決定される;そして、複数の測定値の除去された1つはそれぞれ複数の推測的な誤警報インジケータに従って複数の矛盾インジケータを重みづけすることから決定される。1つの例では、複数の測定値の間の矛盾レベルが1閾値よりも大きいかかどうかが決定される;そして複数の推測的な誤警報インジケータはそれぞれ複数の測定値の決定のために使用された信号から決定される。
【0016】
本発明は、これらの方法を実行するデータ処理システム、およびデータ処理システム上で実行した時にシステムにこれらの方法を実行させるコンピュータ可読媒体を含んで、これらの方法を実行する方法および装置を含む。
【0017】
本発明の他の特徴は添付の図面から、そしてフォローする詳細な説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】移動セルラ装置の位置を決定する従来の技術のセルラネットワークの1例を示す。
【図2】本発明で使用されることができるサーバの一例を示す。
【図3】本発明の1つの実施形態に従って移動局の代表を示すブロック図である。
【図4】本発明において使用されることができる、誤警報についてのおよび正規の測定値についての種々の確率分布の例を示す。
【図5】本発明において使用されることができる、互いに接近している2測定値の確率を決定するための方法を示す。
【図6】本発明の1つの実施形態に従って2測定値が誤警報である確率を決定するための方法を示す。
【図7】本発明の1つの実施形態に従って受信器の位置を決定するための方法を示す。
【図8】本発明の1つの実施形態に従って移動局の位置を決定するための詳細な方法を示す。
【図9】本発明の1つの実施形態に従って移動局の位置を決定するためのもう1つの詳細な方法を示す。
【詳細な説明】
【0019】
本発明は実例の方法によって、そして同じ参照符号が同じエレメントを示している添付の図面の図で限定せずに図示される。
【0020】
以下の説明および図面はこの発明の実例となり、そしてこの発明を限定すると解釈してはならない。多数の特別の細部は本発明の完全な理解を提供するように記述される。しかしながら、ある事例では、周知のまたは従前の細部は本発明の記述を不明瞭にするのを避けるために記述されない。本開示における1つまたは1実施形態の引用は同じ実施形態には必要がない;そしてそのような引用は少なくとも1つを意味する。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、位置決定処理において測定値誤警報確率を推定および使用しようとする。
【0022】
移動局または他の装置の位置の決定では、位置計算は典型的にレンジ、疑似レンジ、往復遅延および別個の基準点(例えば、GPS衛星、シュードライト、基地局、地表)に関連するその他のもののような、多数の幾何学的に別個の測定値を使用する。得られた測定値は実際誤警報である可能性があり、それは典型的に不適切な信号が測定値の決定のために誤って識別されるような不十分な信号条件によって引き起こされる。
【0023】
誤警報を引き起こすことができる多くの条件がある。例えば、GPS信号を得る際には、疑似ランダム雑音符号を有する局部基準信号は受信GPS信号と関連づけされる。相関出力は局部基準信号と同じ疑似ランダム雑音符号のGPS信号とのタイミングが一致する時にピークに達する。疑似レンジはその後基準疑似ランダム雑音符号のタイミングから決定される。信号強度が低い時には、相関出力内の(例えば、熱雑音による)ノイズスパイクが、誤警報を引き起こして、測定値として選択される可能性がある。典型的に、1閾値よりも大きい相関ピークは疑似レンジの決定のために選択される。閾値は典型的にピークが閾値よりも大きい時に誤警報の確率が指定されたレベルよりも小さいように設計される。誤警報の確率を低下させるために、高い閾値が使用されてもよい。しかしながら、この閾値以下の相関ピークは無視されるので、高い閾値は信号強度が低い時に測定値の利用度を減少させる。
【0024】
信号干渉もまた誤警報を引き起こすことがありえる。例えば、局部基準信号は種々の疑似ランダム雑音符号の強いGPS信号と相互相関する可能性がある。種々の疑似ランダム雑音符号を有する信号の相関出力は典型的に小さい相関ピークを有する。得られるべきGPS信号が比較的弱い一方で相互相関GPS信号が強い時には、これらの相互相関ピークは、誤警報を引き起こして、閾値よりも大きい可能性がある。同様に、同じ疑似ランダム雑音符号を有するGPS信号が非常に強い時には、自動相関内の多数の異なるタイミング差で発生した小さい相関ピークもまた、誤警報を引き起こして、閾値よりも大きい可能性がある。他の検出されたGPS信号とともに得られた測定値の決定のために使用されたGPS信号の関係は、相互相関による誤警報の確率の推定において使用されることができる。
【0025】
マルチパス信号もまた誤警報を引き起こすことがあり得る。種々のパスによるGPS信号の反射は追加の遅延を引き起こす。ある場合には、間接のGPS信号は直接のGPS信号よりも強い可能性がある。このように、直接のGPS信号が弱い時は、マルチパス信号が測定値の決定のために使用されてもよい。マルチパス信号は直接の信号よりも遅れて到着するので、得られた測定値の決定のために使用された相関ピークの1つまたはそれ以上の候補ピークとの関係は誤警報の確率の推定において使用されることができる。さらに、マルチパス信号は相関ピークの型(例えば、相関の幅)を変える可能性がある。このように、相関ピークの型の測定値はまた誤警報の確率の決定における信号品質インジケータとして使用されることもできる。
【0026】
さらに、何か他の信号源(例えば、幻惑材(jammer)、または通信信号)からの干渉もまた誤警報を引き起こす可能性がある。このように、多数の信号品質インジケータ(例えば、相関ピークの大きさ、信号対雑音比、信号対干渉比、信号強度、相関ピークの候補ピークとの関係、測定のための信号の他の検出された信号との関係、等)は本発明の実施形態に従って誤警報確率の決定のために使用されることができる。伝統的な受信器の設計では、信号品質インジケータのいくつかは、これらの閾値を満たす得られた測定値が目標値よりも小さい誤警報確率を有するように、閾値(例えば、相関出力閾値)の決定において使用されていた。本発明の1つの実施形態では、多数の異なるレベルの閾値が個々の測定値についての誤警報確率を推定するために使用される。これらの推測的な誤警報確率は種々の基準点(例えば、種々のGPS衛星または基地局)と関連する種々の幾何学的に別個の測定値を結合すること無く推定される。これらの推測的な誤警報確率は、統計的なデータに基づいており、種々のそして別個の幾何学的な測定値の間の矛盾はない。本発明の1つの実施形態では、種々のレベルの閾値はディスクリートなレベルの誤警報確率を推定するのに使用される。1つの実施形態では、補間スキームは(例えば、経験式(empirical formula)を使用して)測定された信号品質インジケータに基づいて誤警報確率を決定するのに使用される。誤警報確率と信号品質インジケータとの間の関係は、統計データ、数値モデリング、数値シミュレーション、解析的な分析、等からのような、この分野では既知のいろいろなアプローチから得られることができる。
【0027】
レンジ情報(例えば、疑似レンジ)のほかに、他のタイプの測定値も誤警報であり得る。例えば、基地局のアイデンティティは基地局ルックアップ動作からの誤りである可能性がある。いくつかの基地局は同じ識別列を有する。このように、基地局は誤って識別される機会がある。現在、基地局ルックアップはそれらの決定において正確であるべき確率を使用する。これらの確率は本発明の実施形態の中でさらに使用されることができる。
【0028】
伝統的なシステムでは、誤警報としての測定値の機会が、位置決定の計算において測定値を使用するのに十分に小さくなるように、測定値は個々に信頼性の最小閾値と一致することが必要である。もしも測定値が信頼性閾値と一致しなければ、その測定値は誤警報(あるいは、例えば、相関ピークが閾値よりも小さい時には、測定が全く行われない)として捨てられる(discarded)。このように、伝統的なシステムは、もしも測定値が完全な信頼性閾値と一致するだけならばこの測定値を位置の計算に使用する。
【0029】
本発明の少なくとも1つの実施形態はナビゲーションソリューションにおけるいろいろな等級の測定値信頼性を推定して使用するために、より完全なアプローチを使用する。誤警報(またはその逆の、測定値の信頼性)として個々の測定値の確率は、位置自身が誤りである確率を決定するために位置計算段階において推定または使用される。1つの実施形態では、誤警報確率の推定は、測定値と最終位置計算との両方について評価された(valued)0または1の間として表現される。1つの実施形態では、測定値誤警報確率の推定は測定源(例えば、SPS受信器)で行われ、そして位置決定についての関連測定値と一緒にリモートサーバに送信される。サーバは位置決定における値を使用する前に(例えば、サーバで使用可能な情報を使用して)誤警報確率推定(false alarm probability estimates)をさらに正確にすることができる。
【0030】
典型的に、誤警報測定値と類似の非誤警報測定値とは非常に異なる確率分布を有する。もしもパラメータの測定値が誤警報でないならば、測定値は典型的にパラメータの真値に近い小さいレンジ内に集中される確率分布(例えば、ガウス分布に従う)を有する。しかしながら、もしも測定値が誤警報であれば、測定値は典型的に測定されるべきパラメータの真値の周りの広いレンジを被った確率分布(例えば、相対的均一分布)を有する。
【0031】
図4は誤警報についてのおよび本発明において使用されることができる正規の測定値についての種々の確率分布の例を示す。図4では、カーブ401はもしもそれが誤警報であるならば測定値の分布(例えば、疑似レンジ)を示す。誤警報測定値は広いレンジD1(411)内に分布される。カーブ403はそれが誤警報でない時の測定値の分布を示す。誤警報でない測定値の分布は小さいレンジD2(413)に集中される。本発明の1つの実施形態は誤警報測定値および非誤警報測定値の別個の分布パターンを使用して得られた測定値間の関係の視野内で誤警報の確率を決定する。
【0032】
例えば、測定値誤警報確率についての閾値が0.001である時に、第1の測定値についての0.01のおよび第2の測定値についての0.02の誤警報確率は閾値よりも有意に悪い。しかしながら、もしも第1の測定値が第2の測定値と良く一致するならば、第1および第2の測定値は1つの測定値として結合されることができ、それは第1および第2の両測定値が誤警報である時のみ誤警報である。このように、もしも第1および第2の測定値が互いに無関係であるならば、結合された測定値についての誤警報の確率は0.01×0.02=0.0002であり、それは0.001の閾値よりも有意に良い。このように、それらが互いに一致するならば、ソリューションの信頼性を傷つけること無しに、低い信頼性のこれらの結合された測定値が使用されることができる。
【0033】
図5は互いに接近している2つの測定値の確率を決定するための方法を図示しており、それは本発明において使用されることができる。例証目的のために、2つの測定値は両方ともレンジD(507)内で同じ均一分布を有すると仮定される。第1の測定値が点xp(505)にある時に、もしも第2の測定値が第1の測定値との距離d以内にあるならば第2の測定値はレンジ509内になければならない。このように、第1および第2の測定値の確率分布から、人は2測定値がdの距離以内にあることを得ることができる。図5は2測定値が同じ均一分布を有する場面を図示しているが、この説明から、この分野の技術者はそのような確率が同じ分布または異なる分布の測定値について決定され得ることを理解するであろう。
【0034】
図6は2測定値が本発明の1つの実施形態に従って誤警報である確率を決定するための方法を図示する。誤警報分布および非誤警報分布(例えば、図4のカーブ401および403)から、人は、図5で図示されたように、両測定値がdの距離以内にある確率をそれぞれ決定することができる。例えば、カーブ601は与えられた距離d以内にある2つの誤警報測定値の確率を示す;そしてカーブ603は与えられた距離d以内にある2つの非誤警報測定値の確率を示す。このように、小距離DTについて、(点611で)DTを有している2つの誤警報測定値の確率とDTを有している2つの非誤警報測定値の確率との間には巨大な差異がある。このように、2つの得られた測定値が小さい距離以内にある時には、2測定値が非誤警報測定値であることは非常にありそうである;2つの得られた測定値が大きい距離によって離れて切り離される時には、2測定値の少なくとも1つが誤警報であることは非常にありそうである。
【0035】
例えば、もしも、1)第1の測定値および第2の測定値の両方が[−1,1]内に決定され、もしもそれらが非誤警報ではなくて[−1000,1000]内にあり、もしもそれらが誤警報であって、2)第1および第2の両測定値が誤警報として0.2の確率を有するならば、これらの2測定値が非常に正確にラインナップされる機会は、誤警報としては全くの幸運外で(out of sheer luck)、非常に低い。このように、これらの2測定値はおそらく誤警報ではない。しかしながら、もしも第1および第2の両測定値は[−1000,1000]内の誤警報として0.2の同じ確率を有するが、しかし第1の測定値は[−1,1]内に、そして第2の測定値は[9,11]内にあるように決定されるならば、2測定値はある程度までは調整不良であるので、2測定値の両者の非誤警報としての機会は非常に小さい。
【0036】
本発明の1つの実施形態では、2測定値が誤警報としての個々の測定値の確率、もしも測定値が誤警報であるならば距離d以内にある測定値の確率、そしてもしも測定値が非誤警報であるならば距離d以内にある測定値の確率から決定(または推定)される与えられた距離d以内にあるように決定される時には、2測定値の確率は誤警報測定値である。例えば、Cdは2測定値が距離d以内にあることを表す;Fは2測定値が誤警報であることを表す;そしてNは2測定値の少なくとも1つは誤警報ではないとしておけば、人は次式を使用できる。
【0037】
P(F|Cd)/P(N|Cd)=[P(C|F)P(F)]/[P(C|N)P(N)]
ここでP(C|F)は2測定値が誤警報である時に距離d以内にある2測定値の確率である;P(C|N)は2測定値が非誤警報である時に距離d以内にある2測定値の確率である;P(F)およびP(N)はそれぞれ誤警報であるおよびすべて誤警報ではない2測定値の確率である;そして、P(F|Cd),P(N|Cd)は2測定値が距離d以内にある時に誤警報であるおよびすべて誤警報ではない2測定値の確率である。P(F),P(N),P(F|Cd)およびP(N|Cd)はそれぞれ推定された推測的な測定値誤警報確率と誤警報測定値および非誤警報測定値の分布とから決定されることができる。この説明から、個々の測定値についての誤警報確率、個々の測定値と誤警報または非誤警報としての測定値についての確率分布との間の関係が誤警報であるソリューションのあとの確率を計算するために使用され得ることは、この分野の技術者には明白であるだろう。
【0038】
本発明の1つの実施形態では、より確かでない測定値が位置決定において使用されるように測定値信頼性についての閾値は下げられる。これは位置ソリューションの最終の信頼性を傷つけること無しに、感度を改善することができる。例えば、高い測定値信頼性閾値が使用される時には、位置の決定のためには十分でない、3つの使用可能な測定値だけがあってもよい。しかしながら、閾値がわずかに下げられる時には、追加の2つまたはそれ以上の測定値が使用可能になりえる。追加の測定値の誤警報確率およびその測定値(例えば、3つの高信頼性の測定値とともに低信頼性の測定値の1つを使用して得られた位置ソリューションと3つの高信頼性の測定値とともに低信頼性の測定値のもう1つを使用して得られたもう1つの位置ソリューションとの間の距離のような、その測定値に近似の測定値)の関係を使用して、最終のソリューションの信頼性が傷つけられないように、人は測定値間の関係がレベルへの誤警報としての測定値のあとの確率を改善するかどうかを決定することができる。
【0039】
本発明の1つの実施形態では、整合性検査(integrity check)が実行される前に決定されたそれらのもの、推測的な測定値誤警報確率は、測定値を識別することに間違って使用される。例えば、整合性の問題が(例えば、伝統的なRAIM/SMO法を使用して)検出される時には、伝統的な方法は冗長な測定値に基づいて誤った測定値を識別するのに使用されることができる。測定値誤警報確率についてより低い閾値が使用される時には、より多くの冗長測定値を有する機会は増加する。さらに、本発明の1つの実施形態では、測定値の推測的な誤警報確率はまた誤った測定値を識別することにも使用される。本発明の1つの実施形態では、誤った測定値を決定するための伝統的な尺度(例えば、幾何学ベースのメトリック)は誤った測定値を識別するためのインジケータを決定するために誤警報確率と結合される。例えば、伝統的な尺度は誤った測定値を決定するために推測的な誤警報確率によって重みづけされてもよい。幾何学ベースのメトリックおよび推測的な誤警報確率インジケータの両者が確率の表現で表示される時には、最悪のインジケータを有する測定値が取り除かれるように1つのインジケータを発生するためにこれらの確率は結合(例えば、掛け合わせ)されることができる。あるいは、もしも測定値の1つについての伝統的なメトリックがその閾値よりも悪いならば、誤った測定値を識別するために1つの閾値が使用されてもよい;しかしながら、伝統的な方法が誤った測定値を識別することに失敗する時には(例えば、すべての値が閾値よりも低い時には)誤ったものはその後推測的な誤警報確率に従って識別される。この説明から、この分野の技術者は誤った測定値を識別することそして除去することにおいて推測的な測定値誤警報確率を使用するための方法の多くの結合と変種とを心に描くことができる。
【0040】
本発明の1つの実施形態では、(例えば、伝統的なRAIM法によって)整合性問題(integrity problem)が検出されない時でさえ、個々の測定値信頼性値、幾何学、および内部矛盾(internal consistency:内部矛盾、内部整合性)は、最終ソリューションがそれのガウスエラー推定にフィットするかまたは誤警報位置報告である、可能性を決定するために結合される。計算された位置の誤警報確率が十分低い時には、計算された位置はエンドユーザに報告されることができる。あるいは、計算された位置は(例えば、位置ソリューションの信頼性レベルに関わらず)信頼性インジケータとともにエンドユーザに報告されることができる。
【0041】
図7は本発明の1つの実施形態に従って受信器の位置を決定するための方法を示す。動作701は、受信器で、測定値(例えば、シュードレンジ、往復時間、基地局の識別)およびその受信器で受信された信号から測定値についての誤警報確率インジケータを決定する。本発明の1つの実施形態では、各測定値は受信された信号に基づいて決定された関連する誤警報確率(例えば、相関ピークの大きさ、相関ピーク型/幅、信号強度、信号対雑音比、信号対干渉比、測定値の決定のために使用された相関ピークの、ピークレシオ、ピークインターバルのような他の候補ピークとの関係、測定値の決定のためのGPS信号の他の検出されたGPS信号との関係)を個々に有する。本発明の1つの実施形態では、誤警報確率インジケータは所定数のレベルの1つにおける測定値の信頼性を示す。1つの実施形態では、誤警報確率インジケータはレンジ[0,1]内の数である。本発明の1つの実施形態では、受信器は所定の式(例えば、統計データに基づいた経験式、または経験的/解析的確率分析に基づいたもの)を使用して信号品質インジケータ(例えば、相関ピークの大きさ、相関ピーク幅、信号強度、信号対雑音比、信号対干渉比、他の候補ピークとの関係、および他の検出されたGPS信号との関係)に基づいた誤警報確率インジケータを決定する。あるいは、受信器は1つまたはそれ以上の信号品質インジケータをリモートサーバに送信することができ、それは信号品質インジケータに基づいた測定値についての誤警報確率を決定および/または改善する。動作703は測定値および誤警報確率インジケータを使用して受信器の位置を決定する。本発明の1つの実施形態では、誤警報確率インジケータは測定値に基づいている位置ソリューションの信頼性(または1セットとしての冗長測定値の信頼性)を決定するために使用される。本発明のもう1つの実施形態では、誤警報確率インジケータは整合性問題が検出された時に(例えば、位置を決定することにおいて使用された測定値の間に矛盾がある時に)誤った測定値を選択するために使用される。さらに、本発明の1つの実施形態では、その上で誤警報が発生する可能性があるレンジも決定される。誤警報についての種々のソースは種々のレンジ上で種々の分布を有する可能性があり、それはリモートサーバで決定または改善されることができる。本発明の1つの実施形態では、誤警報分布をより良く識別するために特定のタイプの誤警報条件のリスクが識別され、それは低い信頼性測定値の配列が矛盾しているかどうかを決定して、測定値の矛盾がないこと(consistency:矛盾がないこと、整合性)を試験するために使用される。
【0042】
図8は本発明の1つの実施形態に従って移動局の位置を決定するための詳細な方法を示す。動作801は、移動局で、第1の測定値(例えば、シュードレンジ、往復時間、基地局の識別)およびその移動局で受信された信号から第1の測定値についての第1の誤警報確率インジケータを決定する。動作803は、移動局で、第2の測定値(例えば、シュードレンジ、往復時間、基地局の識別)および移動局で受信された信号から第2の測定値についての第2の誤警報確率インジケータを決定する。動作805は第1および第2の測定値および第1および第2の誤警報確率インジケータを移動局からリモートサーバに送信する。動作807は、リモートサーバで、第1および第2の測定値を使用して移動局の位置を決定する。動作809は、リモートサーバで、第1および第2の誤警報確率インジケータを使用して位置が受け入れ可能かどうかを決定する。例えば、第1および第2の誤警報確率インジケータは位置ソリューションの信頼性を決定するために結合される。もしも動作811が測定値は矛盾があることを決定すれば、冗長な測定値が自律整合性モニタリングのために使用可能である時には、動作は第1および第2の誤警報確率インジケータを使用して誤った測定値を除去する。例えば、第1および第2の誤警報確率インジケータは第1および第2の測定値のどちらの1つが誤りであるかを決定するのに使用される。例えば、第1および第2の測定値についての伝統的な方法の矛盾インジケータは、誤った測定値を識別して除去することにおける第1および第2の誤警報確率インジケータに従ってそれぞれ重みづけされる。
【0043】
図9は本発明の1つの実施形態に従って移動局の位置を決定するためのもう1つの詳細な方法を示す。動作901は、移動局で、この移動局で受信された信号から複数の測定値(例えば、シュードレンジ、往復時間、基地局の識別)を決定する。動作903は、移動局で、この移動局で受信された信号から複数の測定値の第1のものについての第1の誤警報確率インジケータを決定する。動作905は複数の測定値および第1の誤警報確率インジケータを移動局からリモートサーバに送信する。動作907は、このリモートサーバで、このリモートサーバで使用可能な情報を使用して第1の誤警報確率インジケータからの複数の測定値の第1のものについての第2の誤警報確率インジケータを決定する。例えば、サーバは受信器によって提供されたインジケータの機能として誤警報についての統計データを維持することができ、それは測定値誤警報の確率を正確にするために使用されることができる。さらに、サーバは位置決定サービスの間収集された情報に基づいた統計データを蓄積して改善することができる。動作909は、リモートサーバで、第1および第2の測定値から移動局の位置を決定する。動作911は、リモートサーバで、第2の誤警報確率インジケータを使用して位置が誤っているかどうかの確率を決定する。さらに、冗長測定値が矛盾がある時には、第2の誤警報確率インジケータは誤った測定値を除去することに使用されることができる。
【0044】
このように、本発明の方法は改善された信頼性を可能とする。最も誤警報でありそうな測定値はより確実に選択されることができる。特別のメトリックが、推測的な誤警報確率インジケータに基づいてソリューションの信頼性を示すためにソリューションとともに供給される。さらに、本発明の方法は改善された感度および利用度を可能とする。位置決定のための最小数の測定値あるいはそれ以上を持つ機会が増加されるように、より低い閾値が個々の測定値のために使用されてもよい。より低い信頼性の測定値の結合が高い信頼性の最終ソリューションを持つように決定されることができるので、これはGPSおよびAFLT測定値のより大きい利用度とより頻繁な正確なソリューションとを可能とする。本発明の実施形態は、選択された信号の特性を調べることによって移動体で与えられた測定値の誤警報確率を推定する処理を含む。これらの特性は信号強度、相関ピークの型、他の候補ピークとの関係、および検出された他のGPS信号との関係を含んでもよい。
【0045】
図2は本発明のいろいろな実施形態においてサーバとして使用されることができるデータ処理システムの1例を示す。例えば、米国特許第5,841,396号に記述されるように、サーバ(201)はドップラーまたは他の衛星支援データのような支援データを移動局内のGPS受信器に供給できる。さらに、あるいは代わりに、ロケーションサーバは移動局よりはむしろ(シュードレンジまたは移動局から決定されることができるシュードレンジからの他のデータを受信した後に)最終位置計算を実行でき、そしてその後この位置決定結果を基地局へまたは何か他のシステムへ順方向転送できる。ロケーションサーバとしてのデータ処理システムは典型的に、モデムまたはネットワークインターフェイスのような、通信装置212を含む。ロケーションサーバは通信装置212(例えば、モデムまたは他のネットワークインターフェイス)を介して多数の異なるネットワークに連結されてもよい。そのようなネットワークはセルラ交換センタまたは複数のセルラ交換センタ225、地上ベースの電話システムスイッチ223、セルラ基地局(図2には図示せず)、他のGPS信号受信器227、あるいは他のプロセッサまたはロケーションサーバ221を含む。
【0046】
複数のセルラ基地局は典型的に無線カバレッジを有する地理的エリアをカバーするように配置され、そしてこれらの種々の基地局は、従来の技術(例えば、図1参照)で周知であるように、少なくとも1つの移動交換センタに連結される。このように複数の基地局は地理的に分布されるが、しかし移動交換センタによって共に連結されるであろう。ネットワーク220は差動GPS情報を供給する基準GPS受信器のネットワークに接続されることができ、そしてまた移動システムの位置を計算することでの使用のためのGPS天体暦データを供給することもできる。ネットワークはモデムまたは他の通信インターフェイスを介してプロセッサ203に連結される。ネットワーク220は他のコンピュータまたはネットワークコンポーネントに接続されてもよい。ネットワーク220はまた911電話呼に応答する公衆安全応答ポイント(Public Safety Answering Points)のような、緊急オペレータによって運用されるコンピュータシステムに接続されてもよい。ロケーションサーバを使用するための方法のいろいろな例は、米国特許第5,841,396号、第5,874,914号、第5,812,087号および第6,215,442号:を含む、多数の米国特許に記述されている。
【0047】
データ処理システムの1フォームであるローカルサーバ201は、マイクロプロセッサ203とROM207と揮発性RAM205および不揮発性メモリ206と連結されるバス202を含む。プロセッサ203は図2の例に示されるようにキャッシュメモリ204に連結される。バス202はこれらのいろいろなコンポーネントを共に相互接続する。図2は不揮発性メモリがデータ処理システム内の残りのコンポーネントに直接連結された局部的な装置であることを示す一方で、本発明がモデムまたはイーサネット(登録商標)インターフェイスのようなネットワークインターフェイスを介してデータ処理システムに連結されるネットワーク蓄積装置のような、システムから離れている不揮発性メモリを使用してもよいことは認識されるであろう。バス202はいろいろなブリッジ、コントローラおよび/またはこの分野で周知であるようなアダプタを介して互いに接続された1つまたはそれ以上のバスを含んでもよい。多くの場面ではロケーションサーバはそれの運用を人間の支援無しに自動的に行うことができる。人間の相互作用が必要ないくつかの設計では、I/Oコントローラ209はディスプレイ、キーボード、および他のI/O装置と通信することができる。
【0048】
図2がデータ処理システムのいろいろなコンポーネントを図示する一方で、任意の特定の構造または細部が本発明とは密接な関係がないようなコンポーネントを相互接続する方法を表すことは意図されないことに注目されたい。ネットワークコンピュータおよびより少ないコンポーネントかまたは多分より多いコンポーネントを有する他のデータ処理システムが本発明とともに使用されることもでき、そしてロケーションサーバまたはPDEとして動作できることも認識されるであろう。
【0049】
ある実施形態では、本発明の方法は同時にセルラ交換、メッセージサービス、等のような他の機能として使用されるコンピュータシステム上で実行されることができる。これらのケースでは、図2のいくつかのまたは全てのコンポーネントはいくつかの機能のために共有されるであろう。
【0050】
本発明の局面が、少なくとも一部分は、ソフトウェアで具体化されることができることはこの説明から明白であるだろう。即ち、この技術は、ROM207、揮発性RAM205、不揮発性メモリ206、キャッシュ204または遠隔蓄積装置のような、メモリ内に含まれた一連の命令を実行するそれのプロセッサに応じてコンピュータシステムまたは他のデータ処理システム内で実行されることができる。いろいろな実施形態では、ハードワイヤされた回路が本発明を実施するためにソフトウェアと共同で使用されることができる。このように、この技術はハードウェア回路とソフトウェアとの任意の特別の組み合わせにも、データ処理システムによって実行された命令についての任意の特別のソースにも限定されない。さらに、この説明の全体を通して、いろいろな機能および動作は説明を簡単化するためにソフトウェア符号によって実行または引き起こされているとして記述される。しかしながら、そのような表現によって意味されることはその機能がプロセッサ203のような、プロセッサによる符号の実行が原因であることを、この分野の技術者は認めるであろう。
【0051】
機械可読媒体は、データ処理システムによって実行された時にこのシステムに本発明のいろいろな方法を実行させるソフトウェアとデータとを蓄積するために使用されることができる。この実行可能なソフトウェアおよびデータは、例えば図2に示されたようなROM207、揮発性RAM205、不揮発性メモリ206および/またはキャッシュ204を含むいろいろな個所に蓄積されてもよい。このソフトウェアおよび/またはデータの部分はこれら蓄積装置の任意の1つに蓄積されることができる。
【0052】
このように、機械可読媒体は機械(例えば、コンピュータ、ネットワーク装置、パーソナル・ディジタル・アシスタント、製造ツール、1組またはそれ以上のプロセッサ付きの任意の装置、等)によってアクセス可能なフォームで情報を供給する(即ち、蓄積および/または送信する)任意の機構を含む。例えば、機械可読媒体は、電気的、光学的、音響的または他のフォームの伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、ディジタル信号、等);等と同様に、記録可能/記録不可能媒体(例えば、リードオンリーメモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);磁気ディスク蓄積媒体;光蓄積媒体;フラッシュメモリ装置;等)、を含む。
【0053】
図3は本発明の1つの実施形態に従って移動局のブロック図表記を示す。移動局は携帯型受信器を備え、それは通信トランシーバを本発明の1つの実施形態内での使用のためのGPS受信器と結合する。結合された移動体ユニット310は通信リンクを介して受信された通信信号を処理するために必要な機能と同様にGPS信号を処理するために必要な機能を実行するための回路を含む。通信リンク350のような通信リンクは典型的に、通信アンテナ351を有する基地局352のような、もう1つのコンポーネントへの無線周波数通信リンクである。
【0054】
携帯型受信器310は結合されたGPS受信器および通信送受信器である。受信器310は捕捉および追跡回路321と通信トランシーバ部305とを含んでいるGPS受信器ステージを含む。捕捉および追跡回路321はGPSアンテナ301に連結され、そして通信トランシーバ305は通信アンテナ311に連結される。GPS信号(例えば、衛星303から送信された信号370)はGPSアンテナ301を介して受信され、そしていろいろな受信衛星についてのPN(疑似ランダムノイズ)符号を取得する捕捉および追跡回路321に入力される。回路321によって生成されたデータ(例えば、相関インジケータ)はトランシーバ305による送信用のプロセッサ333によって処理される。通信トランシーバ305は通信信号(典型的にRF)を通信アンテナ311およびトランシーバ305へおよびから送る送受信スイッチ331を含む。あるシステムでは、バンド分割フィルタ、または“デュプレクサ”が、送受信スイッチの代わりに使用される。受信通信信号は通信受信器332に入力され、そして処理用のプロセッサ333にパスされる。プロセッサ333から送信されるべき通信信号は変調器334および周波数変換器335に伝播される。電力増幅器336は基地局352への送信のための適切なレベルに利得を増加させる。
【0055】
本発明の1つの実施形態では、結合された受信器は、その受信器で得られた測定値(例えば、シュードレンジ)についての測定値誤警報確率インジケータの決定のための1つまたはそれ以上の信号品質インジケータ(例えば、相関ピークの大きさ、相関ピーク幅、信号強度、信号対雑音比、信号対干渉比、他の候補ピークとの関係、および検出された他のGPS信号との関係)を決定する。1つの実施形態では、結合された受信器は信号品質インジケータをその測定値についての測定値誤警報確率の決定のための基地局に送信する。1つの実施形態では、プロセッサ333はそのインジケータに基づいた式に従って誤警報確率を決定し、そしてこの確率を測定値とともに通信リンク351を介して基地局に送信する。1つの実施形態では、GPS捕捉および追跡回路321は利得ラインナップを調節する自動利得調整(AGC)システムを有し、それはアナログ・ディジタル変換器の出力に既知の全電力があるように、アナログかまたはディジタルであってもよい。入力での信号の利得、信号の(例えば、ガウス)分布および(例えば、プロセッサ333による)信号処理から、相関閾値は(例えば、統計データを収集することによるかあるいは数値シミュレーションまたは理論的分析による)誤警報確率に関連している。数値シミュレーションまたは理論的分析は典型的に使用された信号処理次第である。例えば、1つの実施形態では、より強い受信信号による干渉のため弱い受信衛星信号を処理する時に、疑似信号は、より強い信号のある特性を推定すること、これらの推定された特性に基づいて干渉波形を作り出すこと、およびより強い信号の干渉の影響を取り除くためにより弱い信号についての1組の相関出力からこの干渉波形を減ずることによって、減らされる。移動局内で干渉を減少させるための移動局についてのより細部は、米国特許第6,236,354号に見つけだされることができる。追加の信号処理動作が誤警報を減らすために(または他の目的のために)使用される時には、追加のシミュレーション動作または分析は信号品質インジケータと誤警報インジケータとを関係づけるように実行される。
【0056】
本発明の1つの実施形態では、通信トランシーバ部305はタイミングインジケータ(例えば、タイミングフレームまたはシステム時間)を抽出するために、あるいは移動局の(図3には示されない)局部発振器を較正するために、(例えば、通信リンク350内の)通信信号を使用することが可能である。タイミングインジケータを抽出すること、または局部発振器を較正することについてのより細部は、米国特許第5,874,914号および第5,945,944号に見つけだされることができる。
【0057】
受信器の結合されたGPS/通信システム310の1つの実施形態では、捕捉および追跡回路321によって発生されたデータは通信リンク350によって基地局352に送信される。基地局352はその後、遠隔受信器からのデータ、そのデータが測定された時刻、およびそれ自身のGPS受信器またはそのようなデータの他のソースから受信された天体暦データに基づいて受信器310の位置を決定する。位置データはその後GPS受信器310または他の遠隔ロケーションに返送されることができる。通信リンクを使用している携帯型受信器についてのより細部は一般に譲渡された米国特許番号第5,874,914号に開示される。
【0058】
本発明の1つの実施形態では、結合されたGPS受信器はデータ処理システム(例えば、パーソナルデータ・アシスタント、または携帯型コンピュータ)を含む(またはそれに連結される)。データ処理システムはマイクロプロセッサおよびメモリ(例えば、ROM、揮発性RAM、不揮発性メモリ)に連結されるバスを含む。バスはいろいろなコンポーネントを共に相互接続し、そしてまたこれらのコンポーネントを表示コントローラおよび表示装置に、そしてこの分野で周知である入出力(I/O)装置のような周辺装置にも相互接続する。バスはいろいろなブリッジ、コントローラおよび/またはこの分野で周知であるようなアダプタを介して互いに接続された1つまたはそれ以上のバスを含む。1つの実施形態では、データ処理システムは通信ポート(例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、IEEE−1394バス接続用のポート)を含んでもよい。本発明の1つの実施形態では、移動局は、データ処理システムが受信器の位置および位置ソリューションの信頼性を決定できるように、測定値および測定値(または信号品質インジケータ)についての推測的な誤警報確率を(例えば、I/Oポートを介して)データ処理システムに送信する。
【0059】
本発明の方法および装置はGPS衛星を参照して記述されたが、この記述がシュードライトまたは衛星とシュードライトとの組み合わせを使用するポジショニングシステムに等しく適用可能であることは認識されるであろう。シュードライトは、典型的にLバンド搬送波信号上で変調され、通常GPS時刻と同期された、(GPS信号と同種の)PN符号を放送する地上ベースの送信器である。各送信器は遠隔受信器による識別を許すように独特のPN符号を割り当てられてもよい。シュードライトは、トンネル、鉱山、建物またはその他の閉鎖領域のような、軌道衛星からのGPS信号が使用できない可能性がある場面において有用である。術語“衛星”は、この中で使用されるように、シュードライトまたはシュードライトの等価物を含むことが意図され、そして術語GPS信号は、この中で使用されるように、シュードライトまたはシュードライトの等価物からのGPSのような信号を含むことが意図される。
【0060】
上記の検討ではこの発明は米国グローバルポジショニング衛星(GPS)システム上での適用を参照して記述された。しかしながら、これらの方法が同様の衛星ポジショニングシステムに、そして特に、ロシヤのGLONASSシステムおよび提案された欧州のガリレオシステムに等しく適用可能であることは明白であるだろう。GLONASSシステムは主として異なる衛星からのエミッションが、異なる疑似ランダム符号を使用することよりはむしろ、僅かに異なる搬送波周波数を使用することによって互いに区別されることで、GPSシステムとは異なる。この場面では本質的に以前に記述されたすべての回路およびアルゴリズムが適用可能である。この中で使用された術語“GPS”はロシヤのGLONASSシステムを含んで、そのような代わりの衛星ポジショニングシステムを含む。
【0061】
上記の例における動作は特定のシーケンスで図示されているが、この説明から、いろいろな異なる動作シーケンスおよび変種が上記の図示例に限定されなければならないこと無く使用され得ることは認識されるであろう。
【0062】
上記の例はこの分野において知られている細部のいくつかを表示すること無しに示される;これらの細部は、米国特許第5,812,087号、第5,841,396号、第5,874,914号、第5,945,944号、第5,999,124号、第6,061,018号、第6,208,290号、および第6,215,442号、第6,236,354号のような、刊行物内に見つけだされることができ、この結果そのすべては、上記検討において指摘されたように、引用されてここに組み込まれる。
【0063】
前述の仕様では、この発明はそれについて特定の例示的な実施形態を参照して記述された。次のクレーム内に述べられたようにこの発明のより広い精神および範囲から逸脱すること無しにいろいろな変更がそれになされてもよいことは明白であるだろう。よって、仕様および図面は限定的な感覚よりはむしろ実例となる感覚において重要視されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局についての位置決定の方法であって、
前記移動局で受信された位置決定信号から前記移動局についての第1の測定値を決定し、
前記第1の測定値のための信号から、前記第1の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す第1の信頼性インジケータを決定する
ことを具備する前記方法。
【請求項2】
前記測定値を使用して計算された前記移動局についての位置が誤りでない確率を表すために前記第1の信頼性インジケータから信頼性レベルを決定することをさらに具備する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記位置は前記移動局で計算される請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第1の測定値および前記第1の信頼性インジケータを前記移動局の位置決定のためのリモートサーバに送信することをさらに具備する請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記第1の測定値のための該信号から決定される1つまたはそれ以上の信号品質インジケータを前記移動局からリモートサーバに送信することをさらに具備し、
前記第1の信頼性インジケータは前記1つまたはそれ以上の信号品質インジケータを使用して前記リモートサーバで決定される請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記移動局で受信された位置決定信号から第2の測定値を決定し、
前記第2の測定値のための位置決定信号から、前記第2の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す第2の信頼性インジケータを決定することをさらに具備する請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2の測定値を使用して前記移動局についての位置ソリューションを計算し、
前記位置ソリューションの信頼性を決定するために前記第1および第2の信頼性インジケータを結合することをさらに具備する請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2の信頼性インジケータを使用して位置決定から前記第1および第2の測定値の1つを除去することをさらに具備する請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記第1の信頼性インジケータは下記の少なくとも1つから決定される請求項1記載の方法:
a)相関ピークの大きさ;
b)相関ピーク幅;
c)信号強度;
d)信号対雑音比;
e)信号対干渉比;
f)前記第1の測定値を決定するために使用された相関ピークと1つまたはそれ以上の候補ピークとの関係;および
g)前記第1の測定値を決定するための信号と検出された信号との関係。
【請求項10】
前記第1の測定値は下記の1つを具備する請求項1記載の方法:
a)信号の到着時刻;および
b)疑似レンジ。
【請求項11】
移動局についての位置決定の方法であって、
それぞれ前記複数の測定値についての推測的な誤警報確率のレベルを表す複数の測定値誤警報インジケータを結合して複数の測定値を使用して計算された位置の信頼性を決定することを具備する方法。
【請求項12】
前記複数の測定値を使用して前記移動局についての前記位置を計算することをさらに具備する請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は2つよりも多いレベルのうちの1つの値である請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は1レンジ以内の数である請求項13記載の方法。
【請求項15】
1つまたはそれ以上の信号品質インジケータから前記複数の測定値誤警報インジケータの1つを決定することをさらに具備し、
前記1つまたはそれ以上の信号品質インジケータは下記の1つを具備する請求項11記載の方法:
a)相関ピークの大きさ;
b)相関ピーク型インジケータ;
c)信号強度;
d)信号対雑音比;および
e)信号対干渉比。
【請求項16】
移動局についての位置決定の方法であって、
複数の測定値は矛盾がある決定に応じて、それぞれ前記複数の測定値について個々に決定される複数の推測的な誤警報インジケータを使用して位置決定から前記複数の測定値の1つを除去することを具備する方法。
【請求項17】
前記複数の測定値の前記1つは前記複数の推測的な誤警報インジケータを比較することから決定される請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記複数の測定値からそれぞれ前記複数の測定値についての複数の矛盾インジケータを決定することをさらに具備し、
前記複数の測定値の前記1つはそれぞれ前記複数の推測的な誤警報インジケータに従って前記複数の矛盾インジケータを重みづけすることから決定される請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記複数の測定値の間の矛盾レベルが1閾値よりも大きいかどうかを決定する請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記複数の推測的な誤警報インジケータはそれぞれ前記複数の測定値を決定するために使用された信号から決定される請求項16記載の方法。
【請求項21】
データ処理システムによって実行される時に該システムに移動局について位置決定の方法を実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を含む機械可読性媒体であって、
前記方法は、
前記移動局で受信された位置決定信号から前記移動局についての位置決定のための第1の測定値を決定し、
前記第1の測定値のための前記信号から、前記第1の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す第1の信頼性インジケータを決定する、
ことを具備する。
【請求項22】
前記方法は、前記測定値を使用して計算された前記移動局についての位置が誤りでない確率を表すために前記第1の信頼性インジケータから信頼性レベルを決定することをさらに具備する請求項21記載の媒体。
【請求項23】
前記位置は前記移動局で計算される請求項22記載の媒体。
【請求項24】
前記方法は、前記移動局の位置決定のためのリモートサーバに前記第1の測定値および前記第1の信頼性インジケータを送信することをさらに具備する請求項21記載の媒体。
【請求項25】
前記方法は、前記第1の測定値のための該信号から決定される1つまたはそれ以上の信号品質インジケータを前記移動局からリモートサーバに送信することをさらに具備し、
前記第1の信頼性インジケータは前記1つまたはそれ以上の信号品質インジケータを使用して前記リモートサーバで決定される請求項21記載の媒体。
【請求項26】
前記方法は、前記移動局で受信された位置決定信号から第2の測定値を決定し、
前記第2の測定値のための位置決定信号から、前記第2の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す第2の信頼性インジケータを決定することをさらに具備する請求項21記載の媒体。
【請求項27】
前記方法は、前記第1および第2の測定値を使用して前記移動局についての位置ソリューションを計算し、
前記位置ソリューションの信頼性を決定するために前記第1および第2の信頼性インジケータを結合することをさらに具備する請求項26記載の媒体。
【請求項28】
前記方法は、前記第1および第2の信頼性インジケータを使用して位置決定から前記第1および第2の測定値の1つを除去することをさらに具備する請求項26記載の媒体。
【請求項29】
前記第1の信頼性インジケータは下記の少なくとも1つから決定される請求項21記載の媒体:
a)相関ピークの大きさ;
b)相関ピーク幅;
c)信号強度;
d)信号対雑音比;
e)信号対干渉比;
f)前記第1の測定値を決定するために使用された相関ピークと1つまたはそれ以上の候補ピークとの関係;および
g)前記第1の測定値を決定するための信号と検出された信号との関係。
【請求項30】
前記第1の測定値は下記の1つを具備する請求項21記載の媒体:
a)信号の到着時刻;および
b)疑似レンジ。
【請求項31】
データ処理システムによって実行される時に該システムに移動局について位置決定の方法を実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を含む機械可読性媒体であって、
前記方法は、
複数の測定値を使用して計算された位置の信頼性を決定するために、それぞれ前記複数の測定値についての推測的な誤警報確率のレベルを表す複数の測定値誤警報インジケータを結合することを具備している。
【請求項32】
前記方法は、前記複数の測定値を使用して前記移動局についての前記位置を計算することをさらに具備する請求項31記載の媒体。
【請求項33】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は2つよりも多いレベルのうちの1つの値である請求項31記載の媒体。
【請求項34】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は1レンジ以内の数である請求項33記載の媒体。
【請求項35】
前記方法は下記をさらに具備する請求項31記載の媒体:
1つまたはそれ以上の信号品質インジケータから該複数の測定値誤警報インジケータの1つを決定し、
前記1つまたはそれ以上の信号品質インジケータは下記の1つを具備する:
a)相関ピークの大きさ;
b)相関ピーク型インジケータ;
c)信号強度;
d)信号対雑音比;および
e)信号対干渉比。
【請求項36】
データ処理システムによって実行される時に該システムに移動局について位置決定の方法を実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を含む機械可読性媒体であって、
前記方法は、
前記複数の測定値は矛盾がある決定に応じて、それぞれ前記複数の測定値について個々に決定される複数の推測的な誤警報インジケータを使用して位置決定から複数の測定値の1つを除去することを具備している。
【請求項37】
前記複数の測定値の前記1つは前記複数の推測的な誤警報インジケータを比較することから決定される請求項36記載の媒体。
【請求項38】
前記方法は、前記複数の測定値からそれぞれ前記複数の測定値についての複数の矛盾インジケータを決定することをさらに具備し、
前記複数の測定値の前記1つはそれぞれ前記複数の推測的な誤警報インジケータに従って前記複数の矛盾インジケータを重みづけすることから決定される請求項36記載の媒体。
【請求項39】
前記方法は、前記複数の測定値の間の矛盾レベルが1閾値以上であるかどうかを決定することをさらに具備する請求項36記載の媒体。
【請求項40】
前記複数の推測的な誤警報インジケータはそれぞれ前記複数の測定値の決定のために使用された信号から決定される請求項36記載の媒体。
【請求項41】
移動局についての位置決定のためのデータ処理システムであって、
前記移動局で受信された位置決定信号から前記移動局についての位置決定のための第1の測定値を決定するための手段と、
前記第1の測定値のための前記信号から、前記第1の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す第1の信頼性インジケータを決定するための手段とを
具備する前記データ処理システム。
【請求項42】
前記測定値を使用して計算された前記移動局についての位置が誤りでない確率を表すために前記第1の信頼性インジケータから信頼性レベルを決定するための手段をさらに具備する請求項41記載のデータ処理システム。
【請求項43】
前記位置は前記移動局で計算される請求項42記載のデータ処理システム。
【請求項44】
前記第1の測定値および前記第1の信頼性インジケータを前記移動局の位置決定のためのリモートサーバに送信するための手段をさらに具備する請求項41記載のデータ処理システム。
【請求項45】
前記第1の測定値のための前記信号から決定される1つまたはそれ以上の信号品質インジケータを前記移動局からリモートサーバに送信するための手段をさらに具備し、
前記第1の信頼性インジケータは前記1つまたはそれ以上の信号品質インジケータを使用して前記リモートサーバで決定される請求項41記載のデータ処理システム。
【請求項46】
前記移動局で受信された位置決定信号から第2の測定値を決定するための手段と、
前記第2の測定値のための位置決定信号から、前記第2の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す第2の信頼性インジケータを決定するための手段とを、
さらに具備する請求項41記載のデータ処理システム。
【請求項47】
前記第1および第2の測定値を使用して前記移動局についての位置ソリューションを計算するための手段と、
前記位置ソリューションの信頼性を決定するために前記第1および第2の信頼性インジケータを結合するための手段とを、
さらに具備する請求項46記載のデータ処理システム。
【請求項48】
前記第1および第2の信頼性インジケータを使用して位置決定から前記第1および第2の測定値の1つを除去するための手段をさらに具備する請求項46記載のデータ処理システム。
【請求項49】
前記第1の信頼性インジケータは下記の少なくとも1つから決定される請求項41記載のデータ処理システム:
a)相関ピークの大きさ;
b)相関ピーク幅;
c)信号強度;
d)信号対雑音比;
e)信号対干渉比;
f)前記第1の測定値の決定のために使用された相関ピークの1つまたはそれ以上の候補ピークとの関係;および
g)前記第1の測定値の決定のための信号の検出された信号との関係。
【請求項50】
前記第1の測定値は下記の1つを具備する請求項41記載のデータ処理システム:
a)信号の到着時刻;および
b)疑似レンジ。
【請求項51】
複数の測定値を使用して計算された位置の信頼性を決定するために、それぞれの測定値についての推測的な誤警報確率のレベルを表す複数の測定値誤警報インジケータを結合するための手段を具備する移動局についての位置決定のためのデータ処理システム。
【請求項52】
前記複数の測定値を使用して前記移動局についての前記位置を計算するための手段をさらに具備する請求項51記載のデータ処理システム。
【請求項53】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は2つよりも多いレベルのうちの1つの値である請求項51記載のデータ処理システム。
【請求項54】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は1レンジ以内の数である請求項53記載のデータ処理システム。
【請求項55】
1つまたはそれ以上の信号品質インジケータから前記複数の測定値誤警報インジケータの1つを決定するための手段をさらに具備し、
前記1つまたはそれ以上の信号品質インジケータは
a)相関ピークの大きさ、
b)相関ピーク型インジケータ、
c)信号強度。
d)信号対雑音比、および
e)信号対干渉比
の1つを具備する、
請求項51記載のデータ処理システム。
【請求項56】
前記複数の測定値は矛盾がある決定に応じて、それぞれ複数の測定値について個々に決定される複数の推測的な誤警報インジケータを使用して位置決定から複数の測定値の1つを除去するための手段を具備する移動局についての位置決定のためのデータ処理システム。
【請求項57】
前記複数の測定値の前記1つは前記複数の推測的な誤警報インジケータを比較することから決定される請求項56記載のデータ処理システム。
【請求項58】
前記複数の測定値からそれぞれ前記複数の測定値についての複数の矛盾インジケータを決定するための手段をさらに具備し、
前記複数の測定値の前記1つはそれぞれ前記複数の推測的な誤警報インジケータに従って前記複数の矛盾インジケータを重みづけすることから決定される請求項56記載のデータ処理システム。
【請求項59】
前記複数の測定値の間の矛盾レベルが1閾値よりも大きいかどうかを決定するための手段をさらに具備する請求項56記載のデータ処理システム。
【請求項60】
前記複数の推測的な誤警報インジケータはそれぞれ前記複数の測定値の決定のために使用された信号から決定される請求項56記載のデータ処理システム。
【請求項61】
位置決定信号を受信するための信号受信回路と、
前記信号受信回路に結合されたプロセッサとを具備し、
前記プロセッサは前記信号から前記移動局についての位置決定のための第1の測定値を決定し、前記第1の測定値についての信号から、前記第1の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す第1の信頼性インジケータを決定する位置決定システムの移動局。
【請求項62】
前記プロセッサは前記測定値を使用して計算された前記移動局についての位置が誤りでない確率を表すために前記第1の信頼性インジケータから信頼性レベルをさらに決定する請求項61記載の移動局。
【請求項63】
前記プロセッサに結合された通信セクションをさらに具備し、前記通信セクションは前記第1の測定値および前記第1の信頼性インジケータを前記移動局の位置決定のためのリモートサーバに送信する請求項61記載の移動局。
【請求項64】
前記プロセッサは第2の測定値および前記信号受信回路によって受信された位置決定信号から前記第2の測定値についての第2の信頼性インジケータをさらに決定し、
前記第2の信頼性インジケータは前記第2の測定値についての測定値誤警報確率のレベルを表す請求項61記載の移動局。
【請求項65】
前記プロセッサは、前記第1および第2の測定値を使用して前記移動局についての位置ソリューションをさらに計算し、前記位置ソリューションの信頼性を決定するために前記第1および第2の信頼性インジケータを結合する請求項64記載の移動局。
【請求項66】
前記プロセッサは、前記第1および第2の信頼性インジケータを使用して位置決定から前記第1および第2の測定値の1つをさらに除去する請求項64記載の移動局。
【請求項67】
前記第1の信頼性インジケータは下記の少なくとも1つから決定される請求項61記載の移動局:
a)相関ピークの大きさ;
b)相関ピーク幅;
c)信号強度;
d)信号対雑音比;
e)信号対干渉比;
f)前記第1の測定値の決定のために使用された相関ピークの1つまたはそれ以上の候補ピークとの関係;および
g)前記第1の測定値の決定のための信号の検出された信号との関係。
【請求項68】
前記第1の測定値は下記の1つを具備する請求項61記載の移動局:
a)信号の到着時刻;および
b)疑似レンジ。
【請求項69】
それぞれ複数の測定値についての推測的な誤警報確率のレベルを表す複数の測定値誤警報インジケータおよび複数の測定値を蓄積するためのメモリと、
前記メモリに連結されたプロセッサとを具備し、前記プロセッサは複数の測定値を使用して計算された位置の信頼性を決定するために複数の測定値誤警報インジケータを結合する移動局についての位置決定のためのデータ処理システム。
【請求項70】
前記プロセッサは前記複数の測定値を使用して前記移動局についての前記位置をさらに計算する請求項69記載のデータ処理システム。
【請求項71】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は2つよりも多いレベルのうちの1つの値である請求項69記載のデータ処理システム。
【請求項72】
前記複数の測定値誤警報インジケータの各々は1レンジ以内の数である請求項71記載のデータ処理システム。
【請求項73】
前記プロセッサは1つまたはそれ以上の信号品質インジケータから前記複数の測定値誤警報インジケータの1つをさらに決定し、
前記1つまたはそれ以上の信号品質インジケータは下記の1つを具備する請求項69記載のデータ処理システム:
a)相関ピークの大きさ;
b)相関ピーク型インジケータ;
c)信号強度;
d)信号対雑音比;および
e)信号対干渉比。
【請求項74】
複数の測定値およびそれぞれ複数の測定値について個々に決定される複数の推測的な誤警報インジケータを蓄積するためのメモリと、
前記メモリに連結されたプロセッサとを具備し、前記プロセッサは、前記複数の測定値は矛盾がある決定に応じて複数の推測的な誤警報インジケータを使用して位置決定から複数の測定値の1つを除去する移動局についての位置決定のためのデータ処理システム。
【請求項75】
前記複数の測定値の前記1つは前記複数の推測的な誤警報インジケータを比較することから決定される請求項74記載のデータ処理システム。
【請求項76】
前記プロセッサは前記複数の測定値からそれぞれ前記複数の測定値についての複数の矛盾インジケータをさらに決定し、
前記複数の測定値の前記1つはそれぞれ前記複数の推測的な誤警報インジケータに従って前記複数の矛盾インジケータを重みづけすることから決定される請求項74記載のデータ処理システム。
【請求項77】
前記プロセッサは前記複数の測定値の間の矛盾レベルが1閾値よりも大きいかどうかをさらに決定する請求項74記載のデータ処理システム。
【請求項78】
前記複数の推測的な誤警報インジケータはそれぞれ前記複数の測定値の決定のために使用された信号から決定される請求項74記載のデータ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−43499(P2011−43499A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−178857(P2010−178857)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【分割の表示】特願2006−503625(P2006−503625)の分割
【原出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】