説明

位置計測用ターゲットの取付装置および打設杭の位置計測方法

【課題】打設杭に対して付替えが容易であるとともに、計測精度を向上させることができる位置計測用ターゲットの取付装置および打設杭の位置計測方法を提供する。
【解決手段】複数の剛体プレート8を折りたたみ可能に連結した帯状のベース部7と、これら剛体プレート8の裏面に取付けられた磁石10と、打設杭19に巻き付くようにして、ベース部7を打設杭19の外周面に向かって押し付ける締め付けベルト12とを有し、ベース部7に位置計測用のレーザ反射板2が取付フレーム3を介してに取り付けられ、締め付けベルト12の打設杭19と当接するすべての部分にゴム材12aを設けた取付装置1を用いてレーザ反射板2を打設杭19に取付けて、レーザ反射板2からの光を位置計測装置によって受光して、打設杭19の上下位置を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置計測用ターゲットの取付装置および打設杭の位置計測方法に関し、さらに詳しくは、打設杭に対して付替えが容易であるとともに、計測精度を向上させることができる位置計測用ターゲットの取付装置および打設杭の位置計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
打設杭の上下位置を計測する際に、レーザ変位計を用いた方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の発明では、レーザ反射板が打設杭の外周面に対して、溶接やマグネット式に台座等を用いて取付られる。打設杭は、油圧ハンマーによって打設されるため、打設の際に衝撃や振動が生じる。したがって、単なるマグネット式の台座では、レーザ反射板をずれることなく取り付けることが難しく、レーザ反射板にずれが生じると計測精度に誤差が生じることになる。それ故、高い計測精度が要求される場合は、レーザ反射板を溶接によって打設杭に取り付ける必要がある。しかしながら、溶接でレーザ反射板を取り付けると、打設杭は打ち込みにより下方移動するので、別の位置に付け替えるには多大な作業時間が必要になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−264505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、打設杭に対して付替えが容易であるとともに、計測精度を向上させることができる位置計測用ターゲットの取付装置および打設杭の位置計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明の位置計測用ターゲットの取付装置は、位置計測用ターゲット部材を打設杭に取付ける位置計測用ターゲットの取付装置において、複数の剛体プレートを折りたたみ可能に連結した帯状のベース部と、これら剛体プレートの裏面に取付けられた磁石と、前記打設杭に巻き付くようにして、前記ベース部を打設杭の外周面に対して押し付ける締め付けベルトとを有し、前記締め付けベルトの打設杭と当接するすべての部分がゴム材であることを特徴とする。
【0006】
本発明の打設杭の位置計測方法は、請求項1〜5のいずれかに記載の位置計測用ターゲットの取付装置を用いて打設杭に取り付けたターゲットからの光を位置計測装置により受光し、この光に基づいて演算装置によって前記打設杭の上下位置を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、帯状のベース部を構成する剛体プレートの裏面に取り付けられた磁石の磁力と、締め付けベルトによる締め付け力とによって、位置計測用ターゲットが打設杭に取り付けられる。しかも、締め付けベルトの打設杭と当接するすべての部分がゴム材なので、このゴム材による摩擦力が得られ、加えて、ベース部は複数の剛体プレートを折りたたみ可能に連結した構造なので、様々な表面形状の打設杭に対しても磁石が有効な磁力を発揮する向きに設定されるので、位置計測用ターゲットを安定して強固に打設杭の外周面に固定できる。これに伴って、計測精度を向上させるには有利になる。また、打設杭に対して位置計測用ターゲットを別の位置に付替える作業も迅速に行なえる。
【0008】
さらに、締め付けベルトの裏面と打設杭の外周面に間にゴム材が介在するので、打設杭の外周面に傷が生じ難くなり、例えば、打設杭の外周面に防食塗料が塗布されている場合は、防食塗料の剥がれを防止するには有利になる。
【0009】
本発明の取付装置では、前記締め付けベルトを長手方向中途で分割し、この分割したベルト両端部のうち、一方のベルト端部側に設けた支点を中心にして回動するレバーを設け、このレバーに前記他方のベルト端部を取り付けた構成にすることもできる。この構成によれば、締め付けベルトの締め付けおよび締め付け解除がより簡単に行なえる。この際に、前記支点を一方のベルト端部側でベルト長手方向にスライド可能に設け、前記他方のベルト端部を前記レバーの長手方向にスライド可能に設けた構成にすることもできる。この構成によれば、外径(外周長)の異なる様々な打設杭に対して、締め付けベルトの締め付けおよび締め付け解除が簡単に行なえる。
【0010】
前記磁石の裏面に保護フィルムを設けた構成にすることもできる。この構成によれば、磁石によって打設杭の外周面を傷つけることを防止できる。
【0011】
前記磁石が弾性部材を介在させて剛体プレートの裏面に取付けられている構成にすることもできる。この構成によれば、磁石を打設杭の表面形状にさらに追従させ易くなり、様々な表面形状の打設杭に一段と安定して取付け易くなる。
【0012】
本発明の打設杭の位置計測方法では、例えば、前記位置計測装置により受光した光に基づいて、打設杭の経時上下位置データを取得し、この取得したデータにおいて、打ち込み毎に、最大変位量およびその打ち込みで生じる上下位置データの上下動が収束した時の上下変位量を算出し、複数回の打ち込みに対して、前記最大変位量および収束した時の上下変位量とにより、打設杭の貫入量およびリバウンド量を算出する。これにより、打設杭の支持力を把握することができる。
【0013】
前記位置計測装置が、JIS C 6802で規定するクラス2のレーザ変位計であり、前記ターゲットがレーザ反射板にすることもできる。この場合、安全性が高いレーザ光を使用するため、作業の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の位置計測用ターゲットの取付装置を例示する正面図である。
【図2】図1の取付装置のA−A断面図である。
【図3】図1の取付装置の側面図である。
【図4】図1の取付装置を用いて取り付けたレーザ反射板を打設杭に取り付けた状態を例示する平面図である。
【図5】図1の締め付けベルトを締め付ける工程を平面視で例示する説明図である。
【図6】図5の締め付けベルトの構造を一部拡大して平面視で例示する説明図である。
【図7】図1の取付装置によって取り付けたレーザ反射板を使用して打設杭の位置を計測している状態を例示する説明図である。
【図8】取付装置の別の実施形態を例示する正面図である。
【図9】図8の取付装置の側面図である。
【図10】図8の締め付けベルトを締め付ける工程を平面視で例示する説明図である。
【図11】図8の取付装置によって取り付けたLEDターゲットを使用して打設杭の位置を計測している状態を例示する説明図である。
【図12】打設杭の経時上下位置データを例示するグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の位置計測用ターゲットの取付装置および打設杭の位置計測方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図6に例示するように、本発明の位置計測用ターゲットの取付装置1(以下、取付装置1という)は、位置計測用ターゲットを打設杭19に取付けるものである。この実施形態では、位置計測用ターゲットがレーザ反射板2になっている。
【0017】
取付装置1は、複数の剛体プレート8を連結部9を介して折りたたみ可能に連結した帯状のベース部7と、これら剛体プレート8の裏面に取付けられた磁石10と、締め付けベルト12とを有している。
【0018】
ベース部7にはレーザ反射板2が間接的または直接的に取り付けられる。この実施形態では、取付フレーム3を介してレーザ反射板2がベース部7に対して、水平方向前方に突出して取り付けられている。
【0019】
それぞれの剛性プレート8は、図2に例示するように断面コ字状であり、その幅方向両端部の前方に突出した部分に挿入孔8aを有している。剛体プレート8としては、鋼板等の金属板や硬質樹脂板等を用いる。
【0020】
連結部9としては、蝶番などのヒンジ機構、ゴムなどの可撓性部材を用いることができる。連結部9を介して適宜の数の剛体プレート8が連結される。
【0021】
取付フレーム3は、ベース部7に対して溶接やボルト固定などによって一体化されていて、ベース部7から上方に延びている。取付フレーム3の上端部は、剛体プレート8と同様に断面コ字状であり、幅方向両端部の前方に突出した部分に挿入孔3aを有している。また、取付フレーム3の上端部の裏面は磁石10が取り付けられている。
【0022】
それぞれの磁石10の裏面には、磁力の強さに実質的に影響を及ぼさない保護フィルム10aが貼り付けられている。保護フィルム10aとしては、例えば、0.2mm以下の薄肉の各種樹脂フィルムを用いる。保護フィルム10aは任意に設けることができる。
【0023】
締め付けベルト12は、それぞれの剛性プレート8の挿通孔8aを挿通して、打設杭19に巻き付くようにして、ベース部7を打設杭19の外周面に向かって押し付ける。また、取付フレーム3の挿通孔3aにも、締め付けベルト12が挿通して打設杭19に巻き付くようになっている。
【0024】
締め付けベルト12としては、例えば、繊維製、樹脂製、金属製等のベルトを用いることができる。これら締め付けベルト12の打設杭19と当接するすべての部分がゴム材12aになっている。
【0025】
図5に例示するように、締め付けベルト12は長手方向中途で分割され、この分割されたベルト両端部のうち、一方のベルト端部12b側には支点13が設けられるとともに、この支点13を中心にして回動するレバー14が設けられている。このレバー14には他方のベルト端部12cが取り付けられている。他方のベルト端部12cにはスプリング等の弾性部材15が設けられている。
【0026】
締め付けベルト12を締め付ける場合は、支点13を中心にしてレバー14を一方のベルト端部12b側に向かって回動させる。締め付けを解除する場合は、レバー14を締め付ける場合を反対方向(他方のベルト端部12c側)に回動させる。
【0027】
締め付けベルト12の締め付け機構は、図5に示した構造に限らないが、この構造によれば、締め付けベルト12の締め付けおよび締め付け解除がより簡単に行なえる。
【0028】
この実施形態では、図6に例示するように支点13が一方のベルト端部12b側でベルト長手方向にスライド可能に設けられている。そして、他方のベルト端部12cはレバー14の長手方向にスライド可能に設けられている。これにより、外径(外周長)の異なる様々な打設杭19に対して、締め付けベルト12の締め付けおよび締め付け解除をより簡単に行なうことができる。
【0029】
尚、締め付けベルト12の本数や配置は適宜、決定することができる。取付フレーム3の上端部は必要に応じて設ければよい。即ち、取付フレーム3の上端部の裏面の磁石10や挿通孔3aを挿通する締め付けベルト12は任意に設けることができる。
【0030】
打設杭19の上下位置を計測する場合は、図7に例示するように、この取付装置1を用いてレーザ反射板2を打設杭19に取り付けて、水平方向に突出させた状態にする。そして、レーザ反射板2に対向させてレーザ変位計16を配置する。
【0031】
この状態で、作業船22に搭載されたクレーン21により吊下げられた杭打ち機20によって杭19を打設する。この際に、レーザ変位計16から投射されたレーザ光が打設杭19に取り付けたレーザ反射板2に反射し、この反射光をレーザ変位計16により受光して、この光に基づいて演算装置18によって打設杭19の上下位置を算出する。算出した結果はモニタ18aに表示される。演算装置18としては、パーソナルコンピュータ等を用いる。
【0032】
この取付装置1によれば、磁石10の磁力と、締め付けベルト12の締め付け力とによって、レーザ反射板2が打設杭19に取り付けられる。そのため、打設杭19に対してレーザ反射板2を別の位置に付替える作業が迅速に行なえる。
【0033】
また、締め付けベルト12の打設杭19と当接するすべての部分がゴム材12aなので、このゴム材12aによる摩擦力が得られる。これに加えて、ベース部7は複数の剛体プレート8を折りたたみ可能に連結した構造なので、様々な表面形状の打設杭19に対して有効な磁力を発揮するように磁石10の向きが設定できる。それ故、レーザ反射板2を安定して強固に打設杭19の外周面に固定することが可能になる。したがって、レーザ反射板2のずれが防止され、計測精度を向上させるには有利になる。
【0034】
締め付けベルト12は、締め付け時に、打設杭19の外周面を擦るので、打設杭19の外周面を傷つけ易い。ところが、本発明では、締め付けベルト12の裏面と打設杭19の外周面に間にはゴム材12aが介在するので、打設杭19の外周面には傷が生じ難くなる。例えば、打設杭19の外周面には防食塗料19aが塗布されている場合があるが、この場合には防食塗料19aの剥がれを防止するには有利になる。
【0035】
さらに、この実施形態では、磁石10の裏面に保護フィルム10aが設けられているので、磁石10によって打設杭19の外周面を傷つけることも防止できる。
【0036】
レーザ変位計16としては、種々の装置を使用することができる。例えば、JIS C 6802で規定するクラス2、クラス3の装置を用いることができるが、クラス2の装置を用いれば、安全性が高いレーザ光を使用するため、作業の安全性を高めることができる。
【0037】
図8〜図10に取付装置1の別の実施形態を例示する。
【0038】
この実施形態では、位置計測用ターゲットがLEDターゲット4になっている。
【0039】
この取付装置1は、先の実施形態と同様に、複数の剛体プレート8を折りたたみ可能に連結した帯状のベース部7を、上下に間隔をあけて2組有している。これら剛体プレート8の裏面には磁石10が取付けられている。また、それぞれの剛体プレート8の挿通孔8aには、締め付けベルト12が挿通している。
【0040】
ベース部7にはLEDターゲット4が、間接的または直接的に取り付けられる。この実施形態では、取付板5は上下のベース部7に対して溶接やボルト固定などによって一体化されて、上下のベース部7の間に配置されている。取付板5にLEDターゲット4が載置され、この取付板5を介してLEDターゲット4がベース部7に取り付けられている。LEDターゲット4から延びるターゲットケーブル6は、後述するPSDカメラ17に接続される。
【0041】
この実施形態では、磁石10とベース部7との間に弾性部材11が介在している。この弾性部材11は任意に設けることができる。弾性部材11としては、スプリングやゴム等を用いることができる。この構成では、それぞれの磁石10が打設杭19の表面形状に応じて弾性部材11によって押圧されるので、磁石10を打設杭19の表面形状にさらに追従させ易くなる。
【0042】
この実施形態では、ゴム製の締め付けベルト12が用いられている。そのため、先の実施形態のように、特別に、締め付けベルト12の裏面にゴム材12aを設ける必要がない。図10に例示するように、締め付けベルト12の締め付け機構は、先の実施形態と基本的に同じであるが、ゴム製のベルト12なので、図6に示した弾性部材15を不要にできる。締め付けベルト12の本数や配置は適宜、決定することができる。
【0043】
打設杭19の上下位置を計測する場合は、図11に例示するように、この取付装置1を用いてLEDターゲット4を打設杭19に取り付ける。そして、LEDターゲット4に対向させてPSDカメラ17を設置して、ピントおよび光量を合わせる。
【0044】
この状態で、作業船22に搭載されたクレーン21により吊下げられた杭打ち機20によって杭19を打設する。この際に、LEDターゲット4からの光をPSDカメラ17により受光して、この光に基づいて演算装置18によって打設杭19の上下位置を算出する。算出した結果はモニタ18aに表示される。
【0045】
この実施形態においても、先の実施形態と同様の効果を得ることができる。即ち、LEDターゲット4を安定して強固に打設杭19の外周面に固定できる。これに伴って、計測精度を向上させるには有利になる。また、打設杭19に対してLEDターゲット4を別の位置に付替える作業も迅速に行なえる。そして、打設杭19の外周面には傷が生じ難くなる。
【0046】
尚、本発明の取付装置1により取り付けるターゲットは、実施形態に例示したレーザ反射板2やLEDターゲット4に限定されるものではない。
【0047】
以下に、具体的な打設杭19の上下位置の計測方法を説明する。
【0048】
ターゲット(レーザ反射板2、LEDターゲット4)は、取付装置1を用いて打設杭19に取り付ける。そして、位置計測装置(レーザ変位計16、PSDカメラ17)により受光した光に基づいて、図12に例示するように、打設杭19の経時上下位置データを取得する。
【0049】
取得したデータにおいて、1回の打ち込み毎に、最大変位量およびその打ち込みで生じる上下位置データの上下動が収束した時の上下変位量を算出する。例えば、予め所定の上下振幅を設定しておき、経時上下位置データが、設定した上下振幅範囲内になった時点を上下位置データの上下動が収束した時点とする。
【0050】
1回目の打ち込みでは、上下位置データの上下動が収束した時の上下変位量(貫入量)はS1となる。最大変位量は最も下方に位置する点となる。そして、この最大変位量からS1を差し引くとリバウンド量K1になる。
【0051】
ここで、例えば、打設杭19の動的極限支持力Rduを算出する場合は、打設作業の最後の10回の打ち込みに対して、打ち込み毎の最大変位量および収束した時の上下変位量(貫入量)により、打設杭19の貫入量Sおよびリバウンド量Kを算出する。打ち込みによって打設杭19は徐々に下方移動するので、適宜、ターゲット2、4を別の位置に付け替える。1回の打ち込み(打撃)に要する時間は、0.01秒程度なので、データの取得頻度は例えば、3000回〜5000回/秒にする。
【0052】
具体的には、1回目〜10回目のそれぞれの打ち込みでの貫入量S1〜S10の合計値を10で割った平均値Sを貫入量として算出する。また、リバウンド量K1〜K10の合計値を10で割った平均値Kをリバウンド量として算出する。この算出した貫入量S(m)およびリバウンド量K(m)を下記(1)に代入してRduを求める。
Rdu(kN)=(ef・F・f)/(S+K/2)・・・(1)
ここで、efはハンマー効率、Fは衝撃エネルギー、fは補正係数である。
【0053】
また、下記(2)により許容支持力Rdaが求めることができる。
Rda(kN)=Rdu/3・・・(2)
【0054】
レーザ変位計16が船から延ばされたポールに支持されている場合は、取得した打設杭19の経時上下位置データに船の上下動のノイズが混在する。そのため、取得した経時上下位置データを、例えば、FFT処理等のデータ処理することにより、このノイズを除去して打設杭19の真の経時上下位置データを取得する。
【0055】
尚、打設杭19の位置計測方法として、本発明の取付装置1を用いて打設杭19に取り付けたターゲット2、4を使用する形態を示したが、この位置計測方法は取付装置1の仕様を問わずに適用することができる。即ち、溶接等によって打設杭19に固定したターゲット2、4を使用する場合にも、上述した位置計測方法を用いることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 取付装置
2 レーザ反射板(ターゲット)
3 取付フレーム
3a 挿通孔
4 LEDターゲット(ターゲット)
5 取付板
6 ターゲットケーブル
7 ベース部
8 剛体プレート
8a 挿通孔
9 連結部
10 磁石
10a 保護フィルム
11 弾性部材
12 締め付けベルト
12a ゴム材
12b 一方のベルト端部
12c 他方のベルト端部
13 支点
14 レバー
15 弾性部材
16 レーザ変位計(位置計測装置)
17 PSDカメラ(位置計測装置)
18 演算装置
18a モニタ
19 打設杭
19a 防食塗料
20 杭打ち機
21 クレーン
22 作業船

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置計測用ターゲットを打設杭に取付ける位置計測用ターゲットの取付装置において、複数の剛体プレートを折りたたみ可能に連結した帯状のベース部と、これら剛体プレートの裏面に取付けられた磁石と、前記打設杭に巻き付くようにして、前記ベース部を打設杭の外周面に向かって押し付ける締め付けベルトとを有し、前記ベース部に位置計測用ターゲットが間接的または直接的に取り付けられ、前記締め付けベルトの打設杭と当接するすべての部分がゴム材であることを特徴とする位置計測用ターゲットの取付装置。
【請求項2】
前記締め付けベルトを長手方向中途で分割し、この分割したベルト両端部のうち、一方のベルト端部側に設けた支点を中心にして回動するレバーを設け、このレバーに前記他方のベルト端部を取り付けた請求項1に記載の位置計測用ターゲットの取付装置。
【請求項3】
前記支点を一方のベルト端部側でベルト長手方向にスライド可能に設け、前記他方のベルト端部を前記レバーの長手方向にスライド可能に設けた請求項2に記載の位置計測用ターゲットの取付装置。
【請求項4】
前記磁石の裏面に保護フィルムを設けた請求項1〜3のいずれかに記載の位置計測用ターゲットの取付装置。
【請求項5】
前記磁石が弾性部材を介在させて剛体プレートの裏面に取付けられている請求項1〜4のいずれかに記載の位置計測用ターゲットの取付装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の位置計測用ターゲットの取付装置を用いて打設杭に取り付けたターゲットからの光を位置計測装置により受光し、この光に基づいて演算装置によって前記打設杭の上下位置を算出することを特徴とする打設杭の位置計測方法。
【請求項7】
前記位置計測装置により受光した光に基づいて、打設杭の経時上下位置データを取得し、この取得したデータにおいて、打ち込み毎に、最大変位量およびその打ち込みで生じる上下位置データの上下動が収束した時の上下変位量を算出し、複数回の打ち込みに対して、前記最大変位量および収束した時の上下変位量とにより、打設杭の貫入量およびリバウンド量を算出する請求項6に記載の打設杭の位置計測方法。
【請求項8】
前記位置計測装置が、JIS C 6802で規定するクラス2のレーザ変位計であり、前記ターゲットがレーザ反射板である請求項6または7に記載の打設杭の位置計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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