説明

低いコアフコシル化を有する抗体及び抗体誘導体を調製するための方法並びに組成物

本発明は、低いコアフコシル化を有する抗体及び抗体誘導体を調製するための方法並びに組成物を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
低いコアフコシル化を有する修飾抗体又は抗体誘導体を製造する方法であって、
糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合N-グリコシド結合糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する宿主細胞を有効量のフコース類似体を含む培地中で適切な成長条件下で培養する段階、及び
前記抗体又は抗体誘導体を細胞から分離する段階を含み、
前記フコース類似体が以下の式(I)又は(II)の一つ
【化1】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物からなる群から選択され、
式(I)又は(II)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1〜R4のそれぞれは、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O)Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3、-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3、-O-tri-C1〜C3アルキルシリル及び-OC1〜C10アルキルからなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R5は、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択され、
前記抗体又は抗体誘導体が前記フコース類似体の不存在下で培養した宿主細胞からの抗体又は抗体誘導体と比較して低いコアフコシル化を有する、上記方法。
【請求項2】
前記宿主細胞が組換え宿主細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記宿主細胞がハイブリドーマである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記宿主細胞が供給バッチ培養において成長される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記宿主細胞が連続供給培養において成長される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記培地が少なくとも100リットルの容積を有する、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記培地が少なくとも500リットルの容積を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記培地にその有効濃度を維持するようにフコース類似体を添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記培地が少なくとも二つのフコース類似体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記培地が動物タンパク質不含有培地である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記フコース類似体の20%未満が前記抗体又は抗体誘導体の複合N-グリコシド結合糖鎖に組み込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記フコース類似体の5%未満が前記抗体又は抗体誘導体の複合N-グリコシド結合糖鎖に組み込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記抗体又は抗体誘導体を培地から分離する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体又は抗体誘導体をプロテインAカラムを用いて精製する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記抗体又は抗体誘導体を陽イオン若しくは陰イオン交換カラム又は疎水性相互作用カラム上で精製する段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記抗体が完全な抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記抗体がIgG1である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体が単鎖抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体が重鎖及び軽鎖可変領域並びにFc領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体誘導体が抗体Fc領域及び非免疫グロブリンタンパク質のリガンド結合ドメインを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記フコース類似体が以下の式(I)又は(II)の一つ
【化2】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物を有し、
式(I)又は(II)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1〜R4のそれぞれは、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール) 、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O) Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3及び-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3からなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R5は、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
R1〜R4のそれぞれが-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール) 、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3及び-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3からなる群から独立に選択され、R5が-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
R1〜R4のそれぞれが-OH及び-OC(O)C1〜C10アルキルからなる群から独立に選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
R1〜R4のそれぞれが-OH及び-OAcからなる群から独立に選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
R5が-C≡CH及び-C≡CCH3からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
R5が-C(O)OCH3である、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
R5が-CN及び-CH2CNからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
R5が-CH2CNである、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
R5が-CH2Xであり、XがBr、Cl又はIである、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
R5が-CH2Xであり、XがBr又はIである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
R5が-CH2X(XはBrである)である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
R5が-メトキシランである、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
R5が-CH(OAc)CH3である、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
R5が-C≡CHであり、R1〜R4が-OAcである、請求項22に記載の方法。
【請求項36】
有効量のフコース類似体を含む、低いコアフコシル化を有する抗体又は抗体誘導体の産生のための哺乳類細胞培地であって、
前記フコース類似体が以下の式(I)又は(II)の一つ
【化3】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物からなる群から選択され、式(I)又は(II)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1〜R4のそれぞれは、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O)Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3、-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3、-O-tri-C1〜C3シリル及び-OC1〜C10アルキルからなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R5は、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択される、上記哺乳類細胞培地。
【請求項37】
R5が-C≡CHであり、R1〜R4が-OAcである、請求項36に記載の培地。
【請求項38】
添加動物タンパク質を含まない、請求項36に記載の培地。
【請求項39】
血清を含まない、請求項36に記載の培地。
【請求項40】
添加フコースを含まない、請求項36に記載の培地。
【請求項41】
粉末である、請求項36に記載の培地。
【請求項42】
液体である、請求項36に記載の培地。
【請求項43】
R1〜R4のそれぞれが-OH及び-OC(O)C1〜C10アルキルからなる群から独立に選択される、請求項36に記載の培地。
【請求項44】
R1〜R4のそれぞれが-OH及び-OAcからなる群から独立に選択される、請求項36に記載の培地。
【請求項45】
R5が-C≡CH及び-C≡CCH3からなる群から選択される、請求項36に記載の培地。
【請求項46】
R5が-C(O)OCH3である、請求項36に記載の培地。
【請求項47】
R5が-CN及び-CH2CNからなる群から選択される、請求項36に記載の培地。
【請求項48】
R5が-CH2CNである、請求項36に記載の培地。
【請求項49】
R5が-CH2Xであり、XがBr、Cl又はIである、請求項36に記載の培地。
【請求項50】
R5が-CH2Xであり、XがBr又はIである、請求項49に記載の培地。
【請求項51】
R5が-CH2Xであり、XがBrである、請求項50に記載の培地。
【請求項52】
R5が-メトキシランである、請求項36に記載の培地。
【請求項53】
R5が-CH(OAc)CH3である、請求項36に記載の培地。
【請求項54】
R5が-C≡CHであり、R1〜R4が-OAcである、請求項36に記載の培地。
【請求項55】
以下の式(I)又は(II)の一つを有するフコース類似体
【化4】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物[ここで、
式(I)又は(II)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1〜R4のそれぞれは、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレンアリール、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O)Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3及び-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3からなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R5は、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及び-メトキシランからなる群から選択され、
ただし、R1〜R4のいずれかが-OH又は-OAcである場合、R5は-C≡CHでない]。
【請求項56】
R1〜R4のそれぞれが-OH及び-OC(O)C1〜C10アルキルからなる群から独立に選択される、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項57】
R1〜R4のそれぞれが-OH及び-OAcからなる群から独立に選択される、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項58】
R5が-C≡CH及び-C≡CCH3からなる群から選択される、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項59】
R5が-C(O)OCH3である、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項60】
R5が-CN及び-CH2CNからなる群から選択される、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項61】
R5が-CH2CNである、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項62】
R5が-CH2Xであり、XがBr、Cl又はIである、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項63】
R5が-CH2Xであり、XがBr又はIである、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項64】
R5が-CH2Xであり、XがBrである、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項65】
R5がメトキシランである、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項66】
R5が-CH(OAc)CH3である、請求項55に記載のフコース類似体。
【請求項67】
低いコアフコシル化を有する修飾抗体又は抗体誘導体を製造する方法であって、
糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合N-グリコシド結合糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する宿主細胞を有効量のフコース類似体を含む培地中で適切な成長条件下で培養する段階、及び
前記抗体又は抗体誘導体を細胞から分離する段階を含み、
前記フコース類似体が以下の式(III)又は(IV)の一つ
【化5】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物からなる群から選択され、式(III)又は(IV)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1〜R4のそれぞれは、フルオロ、クロロ、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O)Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3、-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3、-O-tri-C1〜C3アルキルシリル及び-OC1〜C10アルキルからなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R2a及びR3aのそれぞれは、H、F及びClからなる群から独立に選択され、
R5は、-CH3、-CHF2、-CH=C=CH2、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択され、
R5が-CH=C=CH2又は-CHF2以外である場合、R1、R2、R3、R2a及びR3aの少なくとも一つは、フルオロ又はクロロであり、
前記抗体又は抗体誘導体が前記フコース類似体の不存在下で培養した宿主細胞からの抗体又は抗体誘導体と比較して低いコアフコシル化を有する、上記方法。
【請求項68】
R1がFである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
R2がFである、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
R3がFである、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
R2及びR2aがそれぞれFである、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
R1及びR2がそれぞれFである、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
以下の式(III)又は(IV)からなる群から選択される式を有する化合物
【化6】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物[ここで、
式(III)又は(IV)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1〜R4のそれぞれは、フルオロ、クロロ、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O)Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3、-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3、-O-tri-C1〜C3アルキルシリル及び-OC1〜C10アルキルからなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R2a及びR3aのそれぞれは、H、F及びClからなる群から独立に選択され、
R5は、-CH3、-CHF2、-CH=C=CH2、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択され、
R5が-CH=C=CH2又は-CHF2以外である場合、R1、R2、R3、R2a及びR3aの少なくとも一つは、フルオロ又はクロロである]。
【請求項74】
R1がFである、請求項73に記載の化合物。
【請求項75】
R2がFである、請求項73に記載の化合物。
【請求項76】
R3がFである、請求項73に記載の化合物。
【請求項77】
R1がFであり、R2がFである、請求項73に記載の化合物。
【請求項78】
R2及びR2aがそれぞれFである、請求項73に記載の化合物。
【請求項79】
R1、R3及びR4が-OH及び-OAcからなる群からそれぞれ独立に選択され、R2がFであり、R5が-CH3である、請求項73に記載の化合物。
【請求項80】
R1、R3及びR4が-OH及び-OAcからなる群からそれぞれ独立に選択され、R2がFであり、R2a及びR3aがそれぞれHであり、R5が-CH3である、請求項73に記載の化合物。
【請求項81】
有効量のフコース類似体を含む、低いコアフコシル化を有する抗体又は抗体誘導体の産生のための哺乳類細胞培地であって、
前記フコース類似体が以下の式(III)又は(IV)の一つ
【化7】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物からなる群から選択され、式(III)又は(IV)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1〜R4のそれぞれは、フルオロ、クロロ、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O)Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3、-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3、-O-tri-C1〜C3アルキルシリル及び-OC1〜C10アルキルからなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R2a及びR3aのそれぞれは、H、F及びClからなる群から独立に選択され、
R5は、-CH3、-CHF2、-CH=C=CH2、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-C(O)OCH3、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択され、
R5が-CH=C=CH2又は-CHF2以外である場合、R1、R2、R3、R2a及びR3aの少なくとも一つは、フルオロ又はクロロである、上記哺乳類細胞培地。
【請求項82】
(i)添加動物タンパク質を含まず、
(ii)血清を含まず、
(iii)添加フコースを含まず、
(iv)粉末又は液体である、
請求項81に記載の培地。
【請求項83】
R1、R2、R3、R2a及びR3aの少なくとも一つがフルオロ又はクロロである、請求項81に記載の培地。
【請求項84】
R1、R2、R3、R2a及びR3aの二つがフルオロ又はクロロである、請求項81に記載の培地。
【請求項85】
低いコアフコシル化を有する修飾抗体又は抗体誘導体を製造する方法であって、
糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合N-グリコシド結合糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する宿主細胞を有効量のフコース類似体を含む培地中で適切な成長条件下で培養する段階、及び
前記抗体又は抗体誘導体を細胞から分離する段階を含み、
前記フコース類似体が以下の式(V)又は(VI)の一つ
【化8】

或いはその生物学的に許容される塩又は溶媒和物からなる群から選択され、式(V)又は(VI)のそれぞれは、アルファ若しくはベータアノマー又は対応するアルドース形であってよく、
R1、R2、R2a、R3、R3a及びR4のそれぞれは、-OH、-OC(O)H、-OC(O)C1〜C10アルキル、-OC(O)C2〜C10アルケニル、-OC(O)C2〜C10アルキニル、-OC(O)アリール、-OC(O)複素環、-OC(O)C1〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキレン(アリール)、-OC(O)C2〜C10アルキニル(アリール)、-OC(O)C1〜C10アルキレン複素環、-OC(O)C2〜C10アルケニレン(複素環)、-OC(O)C2〜C10アルキニル複素環、-OCH2OC(O)アルキル、-OCH2OC(O)Oアルキル、-OCH2OC(O)アリール、-OCH2OC(O)Oアリール、-OC(O)CH2O(CH2CH2O)nCH3、-OC(O)CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3、-O-tri-C1〜C3アルキルシリル、-OC1〜C10アルキル及び小電子求引基からなる群から独立に選択され、各nは、0〜5から独立に選択される整数であり、
R5は、-CH3、-CH2X、非置換又はハロゲンで置換された-CH(X')-C1〜C4アルキル、非置換又はハロゲンで置換された-CH(X')-C2〜C4アルケン、非置換又はハロゲンで置換された-CH(X')-C2〜C4アルキン、-CH=C(R10)(R11)、-C(CH3)=C(R12)(R13)、-C(R14)=C=C(R15)(R16)、非置換又はメチル若しくはハロゲンで置換された-C3炭素環、非置換又はメチル若しくはハロゲンで置換された-CH(X')-C3炭素環、非置換又はメチル若しくはハロゲンで置換されたC3複素環、非置換又はメチル若しくはハロゲンで置換された-CH(X')-C3複素環、-CH2N3、-CH2CH2N3及びベンジルオキシメチルからなる群から選択されるメンバーか、或いはR5は、小電子求引基であり、
R10は、水素或いは非置換又はハロゲンで置換されたC1〜C3アルキルであり、
R11は、非置換又はハロゲンで置換されたC1〜C3アルキルであり、
R12は、水素、ハロゲン或いは非置換又はハロゲンで置換されたC1〜C3アルキルであり、
R13は、水素或いは非置換又はハロゲンで置換されたC1〜C3アルキルであり、
R14は、水素又はメチルであり、
R15及びR16は、水素、メチル及びハロゲンから独立に選択され、
Xは、ハロゲンであり、
X'は、ハロゲン又は水素であり、
さらに、R1、R2、R2a、R3及びR3aのそれぞれが場合によって水素であり、R1、R2、R2a、R3及びR3aのうち隣接炭素原子上の二つが場合によって結合して、前記隣接炭素原子間の二重結合を形成しており、
ただし、(i)R2及びR2aが両方とも水素である、(ii)R3及びR3aが両方とも水素である、(iii)R1が水素である、(iv)二重結合が前記隣接炭素原子間に存在する、又は(v)R5がベンジルオキシメチルである場合を除き、R1、R2、R2a、R3、R3a、R4及びR5の少なくとも一つは、小電子求引基であり、或いはR5は、ハロゲン、不飽和部位、炭素環、複素環又はアジドを含み、
前記抗体又は抗体誘導体が前記フコース類似体の不存在下で培養した宿主細胞からの抗体又は抗体誘導体と比較して低いコアフコシル化を有する、上記方法。
【請求項86】
R2及びR2aがそれぞれ水素である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
R5が-CH3、-CH2CH3、-CH2C≡CH、-CH=CHCH3、-シクロプロピル、-オキシラン、メチルで置換された-オキシラン、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2I、-CH=C=CH2、-CH2N3及び-CH2CH2N3からなる群から選択される、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記小電子求引基がフルオロ、クロロ、ブロモ、-CHF2、-CH=C=CH2、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)及びメトキシランからなる群から選択される、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
R1、R2、R2a、R3、R3a及びR4の少なくとも二つが小電子求引基である、請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記フコース類似体が表1、2及び3の化合物から選択される、請求項85に記載の方法。
【請求項91】
有効量のフコース類似体を含み、前記フコース類似体が請求項85の次の式(V)又は(VI)の一つからなる群から選択され、前記有効量が低いコアフコシル化を有する抗体又は抗体誘導体を産生するのに十分な量である、低いコアフコシル化を有する抗体又は抗体誘導体の産生のための哺乳類細胞培地。
【請求項92】
前記小電子求引基がフルオロ、クロロ、ブロモ、-CHF2、-CH=C=CH2、-C≡CH、-C≡CCH3、-CH2C≡CH、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル、-CH(OAc)CH3、-CN、-CH2CN、-CH2X(XはBr、Cl又はIである)、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホンアミド、-SO2-C1〜C4アルキル、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸、ホスフィン酸エステル及びメトキシランからなる群から選択される、請求項91に記載の哺乳類細胞培地。
【請求項93】
R1、R2、R2a、R3、R3a、R4及びR5の少なくとも二つが独立に選択される小電子求引基である、請求項91に記載の哺乳類細胞培地。
【請求項94】
前記フコース類似体が表1、2及び3の化合物から選択される、請求項91に記載の哺乳類細胞培地。
【請求項95】
化合物6、7、9、10、22、24、26、54、56〜58、61〜62、65及び66並びに2-フルオロ-2-デオキシフコース以外の、上記の請求項に記載の式I、II、III、IV、V又はVIのいずれかを有する化合物。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−519567(P2011−519567A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507698(P2011−507698)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/042610
【国際公開番号】WO2009/135181
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(503188759)シアトル ジェネティクス,インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】