説明

低ガラス転移温度を有する重合有機相を含む輝度向上フィルム

有機相および少なくとも10wt%無機ナノ粒子の反応生成物を含む、(例えば輝度向上)重合構造体を有する輝度向上フィルムおよび方向変換フィルムなどの微細構造化物品。有機相の反応生成物は、35℃未満のガラス転移温度を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
米国特許第5,175,030号明細書および同5,183,597号明細書などに記載の特定の微細複製化光学製品は、通例、「輝度向上フィルム」として称される。輝度向上フィルムは、多くの電子製品中において、エレクトロルミネッセンスパネル、ラップトップコンピュータディスプレイ、ワードプロセッサ、デスクトップモニタ、テレビ、ビデオカメラに用いられるものを含む液晶ディスプレイ(LCD)、ならびに自動車用および航空用ディスプレイなどのバックライト式フラットパネルディスプレイの輝度を向上させるために利用される。
【0002】
輝度向上フィルムは、望ましくは、得られる輝度利得(すなわち「ゲイン」)に関連する、輝度向上フィルムの屈折率を含む特定の光学および物理特性を示す。向上した輝度は、より少ない電力を用いてディスプレイを照明することにより、より効率的に電子製品を作動させることを許容することができ、これにより、消費電力が低減され、そのコンポーネントにかかる熱負荷がより低くなり、および製品の耐用年数が延びる。
【0003】
例えば、米国特許第5,908,874号明細書;同5,932,626号明細書;同6,107,364号明細書;同6,280,063号明細書;同6,355,754号明細書;ならびに欧州特許第1 014113号明細書および国際公開第03/076528号パンフレットに記載のとおり、輝度向上フィルムは、硬化され、または重合される高屈折率モノマーから調製されてきた。
【0004】
輝度向上フィルムの製作に好適である種々の重合性組成物が公知であるが、産業界は、代替組成物に利点を見出そうとしている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
有機相および少なくとも10wt%無機ナノ粒子の反応生成物を含む(例えば輝度向上)重合構造体を含み、ここで、有機相が、少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を含む少なくとも1種のオリゴマーまたはモノマーおよび少なくとも1種の単官能性(メタ)アクリルモノマーを含み、ここで、硬化有機相が35℃未満のガラス転移温度を有する、輝度向上フィルムおよび方向変換フィルム(turning film)などの微細構造化物品が記載されている。
【0006】
他の実施形態において、発光面を有する照明デバイスと、前記発光面に対して実質的に平行に配置された上記微細構造化物品(例えば輝度向上および/または方向変換フィルム)とを含む、照射デバイスが記載されている。
【0007】
本発明は、添付の図面と関連して、本発明の種々の実施形態の以下の詳細な説明の考察において、より完全に理解され得る。
【0008】
本発明は種々の改良および代替形態への改変が可能であるところ、その具体例が図面に例示のために示されており、および詳細が説明される。しかしながら、本発明を記載の特定の実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。むしろ、本発明の思想および範囲内に包含されるすべての改良、均等物、および代替物を含むことを意図する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
輝度向上フィルムは、一般に、照明デバイスの軸上輝度(本願明細書において、「輝度」として称される)を向上させる。輝度向上フィルムは、透光性、微細構造化フィルムであることができる。微細構造化トポグラフィは、反射および屈折を介して光を再指向させるためにフィルムを用いることができるような、フィルム表面上の複数のプリズムであることができる。ラップトップコンピュータ、時計等において見出されるものなどの光学ディスプレイにおいて用いられる場合、微細構造化光学フィルムは、ディスプレイから漏れる光を、光学ディスプレイを通る法線軸から所望の角度で配置された一対の面内に制限することにより、光学ディスプレイの輝度を増加させることができる。その結果、許容可能な範囲外にディスプレイから出射しようとする光はディスプレイ中に反射して戻されて、その一部分が「再利用」されることができ、および微細構造化フィルムに、ディスプレイから脱することが許容される角度で戻される。ディスプレイに所望のレベルの輝度を提供するに必要な消費電力を低減させることができるため、再利用は有用である。
【0010】
再帰反射フィルムは、一般に、シーティングのその主面に直角な軸周りでの回転配向にかかわらず、入射光の顕著な割合を比較的高い照射角で反射可能である。キューブコーナー再帰反射フィルムは、典型的には、実質的に平面のベース表面およびベース表面と逆側の、複数のキューブコーナーエレメントを含む構造化表面を有するボディ部分を含むことができる。各キューブコーナーエレメントは、典型的には単一の基準点、または頂点で交差する、3つの相互に実質的に直角な光学面を含むことができる。キューブコーナーエレメントのベースは、キューブコーナーエレメントに光が透過するアパーチャとして機能する。使用においては、米国特許第5,898,523号明細書に記載のとおり、シーティングのベース表面への入射光は、シーティングのベース表面で屈折され、シーティングに配置されたキューブコーナーエレメントのそれぞれのベースを透過し、3つの直角なキューブコーナー光学面の各々から反射され、および光源に向かって再指向される。
【0011】
以下の定義した用語について、異なる定義が特許請求の範囲または本明細書中の他の箇所においてなされていないかぎりにおいては、これらの定義が適用されるべきである。
【0012】
用語「ポリマー」は、ポリマー、コポリマー(例えば、2つ以上の異なるモノマーを用いて形成されるポリマー)、オリゴマーおよびこれらの組み合わせ、ならびに、例えば、共押出しまたはエステル交換を含む反応によって相溶性のブレンド中において形成されることができるポリマー、オリゴマー、またはコポリマーを包含すると理解されるであろう。他に記載のない限り、ブロックおよびランダムコポリマーの両方が包含される。
【0013】
用語「屈折率」は、本願明細書において、自由空間における電磁放射線の速度対その材料中における放射線の速度の比として理解される、材料の絶対屈折率として定義される。この屈折率は、公知の方法を用いて計測することができ、および一般に、可視光領域においてアッベ屈折率計を用いて計測される。
【0014】
用語「コロイド状」は、本願明細書において、直径約100nm未満の粒子(一次粒子または結合された一次粒子)を意味すると定義される。
【0015】
用語「結合された粒子」は、本願明細書において用いられるところ、凝集されたおよび/または凝塊された2つ以上の一次粒子のグルーピングを指す。
【0016】
用語「凝集」は、本願明細書において用いられるところ、化学的に互いに結合され得る、一次粒子間の強固な結合の記述である。凝集のより小さい粒子への断裂の実現は困難である。
【0017】
用語「凝集」は、本願明細書において用いられるところ、電荷または極性によって一緒に保持され得およびより小さい構成要素に分解されることができる、一次粒子の弱い結合の記述である。
【0018】
用語「一次粒径」は、本願明細書において、結合されていない単一の粒子のサイズとして定義される。
【0019】
用語「ゾル」は、本願明細書において、コロイド状粒子の液相中の分散体または懸濁体として定義される。
【0020】
用語「表面変性コロイド状ナノ粒子」はナノ粒子であって、ナノ粒子が安定分散体を提供するよう各々が変性された表面を備えるものを称する。
【0021】
用語「安定分散体」は、本願明細書において、約24時間などの一定の時間、周囲条件下(例えば室温(約20〜22℃)、大気圧、および極度な電磁力が存在しない)で静置された後も、コロイド状ナノ粒子が凝塊しない分散体として定義される。
【0022】
用語「ゲイン」は、本願明細書において、ディスプレイの輝度の、輝度向上フィルムによる向上の尺度として定義され、およびこれは、光学材料の特性であり、および輝度向上フィルムの幾何学的形状の特性でもある。典型的には、視角は、ゲインが高くなるにつれて減少する。向上したゲインは、バックライト式ディスプレイの輝度の効果的な向上を提供するため、高いゲインが輝度向上フィルムについて望ましい。
【0023】
用語「微細構造体」は、本願明細書において、米国特許第4,576,850号明細書において定義され、および説明されているとおり用いられる。従って、これは、微細構造体を有する物品の予め定められた所望の利用目的または機能を記述する、または特徴づける表面の構成を意味する。前記物品の表面における突起およびインデントなどの非連続性は、プロファイルにおいて、中心線より上の表面プロファイルによって包含される面積の和が、この線より下の面積の和と等しくなるよう、微細構造体を通って描かれる平均中心線からそれることとなり、前記線は、事実上物品の公称表面(微細構造体を備える)と平行である。前記偏差の高さは、表面の代表的な特徴な長さ、例えば、1〜30cmを介して、典型的には、光学または電子顕微鏡で計測されて約+/−0.005〜+/−750ミクロンであろう。前記平均中心線は、紋様、凹状、凸状、非球面状またはこれらの組み合わせであることができる。前記偏差が低度、例えば、+/−0.005〜+/−0.1または、好ましくは、〜+/−0.05ミクロンであり、および前記偏差が稀でありまたは発現最小である、すなわち、表面がいずれの顕著な非連続性を有さず、微細構造体−具備表面が事実上「平ら」または「滑らか」な表面である物品は、例えば、精密光学エレメントまたは眼用レンズなどの精密な光学界面を有するエレメントとして有用である。前記偏差が低度でありおよび頻繁に発現する物品は、反射防止微細構造体を有するものを含む。前記偏差が高度、例えば、+/−0.1〜+/−750ミクロンであり、およびこれが同一のまたは異なる、およびランダムまたは秩序だった様式で離間または隣接する複数の実用的な非連続性を含む微細構造体に起因すると考えられる物品は、再帰反射キューブコーナーシーティング、リニアフレネルレンズ、ビデオディスクおよびライトマネジメントフィルムなどの物品である。微細構造体−具備表面は、前記低度および高度の実用的な非連続性の両方を含有することが可能である。微細構造体−具備表面は、その量またはタイプが、予め定められた所望の前記物品の利用に著しく干渉しないまたは悪影響を及ぼさない限り、異質なまたは非実用的な非連続性を含有し得る。硬化時の収縮性がこのような異質な非連続性の干渉をもたらさない特定のオリゴマー系組成物であって、例えば、2〜6%でのみ収縮する組成物を選択することが必要または所望であり得る。
【0024】
端点による数値範囲の引用は、その範囲に包含されるすべての数字を含む(例えば1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0025】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるところ、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明確に表す場合以外は、複数形の対象を含む。従って、例えば、「化合物(a compound)」を含有する組成物への言及は、2つ以上の化合物の混合物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるところ、用語「または」は、内容が明確に表す場合以外は、一般に、「および/または」を含む意味で用いられる。
【0026】
他に示されていない限りにおいて、明細書および特許請求の範囲において用いられる、成分の量を表す、特性の計測値およびその他を表すすべての数字は、すべての場合に、用語「約」によって変更されるとして理解されるべきである。
【0027】
ここに、微細構造化物品が記載されている。微細構造化層の微細構造体は、少なくとも1種の(メタ)アクリレートオリゴマーおよび少なくとも1種の(メタ)アクリルモノマーを主構成要素として有する有機相を含む重合性組成物の反応生成物から形成される。重合性組成物は、任意により、さらに無機ナノ粒子を含み得る。重合性組成物は、好ましくは、実質的に溶剤フリー放射線硬化性であり、任意により無機充填された、有機複合体である。有機相は、典型的には、いくつかの最終用途については少なくとも1.50の屈折率、および他の最終用途については少なくとも1.56の屈折率を有する。可視光スペクトルにおける高透過率はまた典型的には好ましい。重合性組成物の有機相は、約50℃未満の融点を有することができる。有機相は、室温で液体であることが好ましい。
【0028】
有機相は、比較的低ガラス転移温度(Tg)を有する硬化材料へ重合可能であることが好ましい。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(DSC)、変形DSC、または動的機械分析(DMA)などの技術分野において公知である方法によって計測することができる。本願明細書において用いられるところ、Tgは、JIS K7244〜1に明記されている周波数1HzDMAによって計測した(ISO 6721〜1:1994年、プラスチック−動的機械特性の測定、パート1:一般的なプリンシパルと同等)。供給業者によって報告されたTgおよび伸度値は、典型的には、利用される試験法に応じてある程度異なることが認められる。重合性組成物は、従来のフリーラジカル重合方法などの公知の方法によって重合されることができる。硬化有機相(すなわち無機ナノ粒子を含まない)のTgは、典型的には、35℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、15℃未満、10℃未満、5℃未満または0℃未満である。硬化有機相のTgは、典型的には、少なくとも約−60℃である。重合性有機相は、重合されて「軟質」の樹脂を形成することができる。用語「軟質樹脂」とは、ASTM D−882〜91の手順で評価されたときに、得られるポリマーが少なくとも50%の破断伸びを示すことができることを意味する。軟質樹脂ポリマーはまた、ASTM D−882〜91の手順で評価されたときに、100kpsi(6.89×108パスカル)未満の引張り弾性率を示すことができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子を含む重合性組成物は、45℃を超えるガラス転移温度を有する硬化材料に重合される。ナノ粒子を含む重合性組成物は、有機相単独より硬い樹脂であることができる。用語「硬質樹脂」とは、ASTM D−882〜91の手順で評価されたときに、得られる重合組成物が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、または5パーセント未満の破断伸びを示すことができることを意味する。硬質重合樹脂はまた、ASTM D−882〜91の手順で評価されたときに、100kpsi(6.89×108パスカル)を超える引張り弾性率を示すことができる。
【0030】
重合性組成物は、少なくとも二官能性である少なくとも1種の(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーと、少なくとも1種の(メタ)アクリレート単官能性モノマー希釈剤とを組み合わせたブレンド含む。少なくとも1つの成分のホモポリマーは、前述のとおり、重合有機相が35℃未満のTgを有するために、35℃未満のTgを有する。いくつかの実施形態において、二官能性モノマーまたはオリゴマーは35℃未満のTgを有する一方、希釈剤のホモポリマーのTgは35℃を超えていてもよい。他の実施形態において、(メタ)アクリレート単官能性モノマー希釈剤は35℃未満のTgを有する一方、二官能性モノマーまたはオリゴマーのホモポリマーのTgは35℃を超えている。さらに他の実施形態において、有機相は、各々35℃未満のTgを有する二官能性モノマーまたはオリゴマーおよび単官能性希釈剤の両方を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、(メタ)アクリルモノマーおよび(メタ)アクリレートオリゴマーは、それぞれ、約−80℃〜約0℃ガラス転移温度(Tg)を有し、これは、それらのホモポリマーはこのようなガラス転移温度を有することを意味する。約−80℃〜約0℃のガラス転移温度を有し、および微細構造化層の形成に好適である(メタ)アクリルモノマーの例としては、例えばポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリル酸エステル等が挙げられる。約−80℃〜約0℃のガラス転移温度を有し、および微細構造化層の形成に好適な(メタ)アクリルオリゴマーとしては、例えばウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
【0032】
種々のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、コグニス(Cognis)から商品名「フォトマー(PHOTOMER)6000シリーズ」で市販されている。一つの例証的なウレタンアクリレート(32℃のTgおよび40%の伸度を有するとコグニス(Cognis)によって報告されている)が、コグニスコーポレーション(Cognis Corporation)から、商品名「フォトマー(PHOTOMER)6210」で市販されている。他の例証的なウレタンアクリレート(−33℃のTgおよび238%の伸度を有するとサルトマー(Sartomer)によって報告されている)が、ペンシルバニア州エクストンのサルトマー(Sartomer Co.,Exton,PA)から、商品名「CN966J75」で市販されている。他の(例えば脂肪族)ウレタンジアクリレートが、コグニス(Cognis)から、商品名「フォトマー(PHOTOMER)6010」(60℃で5,900mPa.sの粘度、45%の伸度および−7℃のTgを有すると報告されている);「フォトマー(PHOTOMER)6217」および「フォトマー(PHOTOMER)6230」(共に、コグニス(Cognis)によって、60℃で3,500mPa.sの粘度、それぞれ27%および69%の伸度、およびそれぞれ35℃および2℃のTgを有すると報告されている);「フォトマー(PHOTOMER)6891」(コグニス(Cognis)によって、60℃で8,000mPa.sの粘度、60%の伸度および28℃のTgを有すると報告されている);および「フォトマー(PHOTOMER)6893〜20R」(60℃の2,500mPa.sの粘度、42%の伸度、および41℃のTgを有すると報告されている)で市販されている。他のウレタンジアクリレートは、サルトマー(Sartomer)ならびにUCBから市販されている。
【0033】
ビスフェノール−Aエトキシル化ジアクリレートモノマーは、サルトマー(Sartomer)から、商品名「SR602」(20℃で610cpsの粘度および2℃のTgを有すると報告されている)で市販されている。
【0034】
コグニス(Cognis)によって−20℃のTgおよび10%の伸度を有すると報告されている四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーは、商品名「フォトマー(PHOTOMER)5430」で市販されている。
【0035】
UCBケミカルズ(UCB Chemicals)によってそれぞれ8℃、−16℃、および11℃のTgを有すると報告されているエポキシアクリレートは、UCBケミカルズ(UCB Chemicals)から、それぞれ、商品名「エベクリル(EBECRYL)3201」、「エベクリル(EBECRYL)3211」、および「エベクリル(EBECRYL)3213」で市販されている。
【0036】
UCBケミカルズ(UCB Chemicals)によって−9℃のTgを有すると報告されているアクリルアクリレートは、UCBケミカルズ(UCB Chemicals)から、商品名「1701−TP20」で市販されている。
【0037】
(メタ)アクリルモノマーは、好ましくは、(メタ)アクリレートなどのモノ−エチレン不飽和モノマー、または単量体N−置換あるいはN,N−二置換(メタ)アクリルアミド、特にアクリルアミドである。これらとしては、N−アルキルアクリルアミドおよびN,N−ジアルキルアクリルアミドが挙げられ、特にC1~4アルキル基を含有するものが挙げられる。例は、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタムである。
【0038】
好ましい単官能性(メタ)アクリルモノマーは、1.50を超える(例えば1.55を超える)屈折率を有することができる。このようなモノマーは、ハロゲン化物または非ハロゲン化物(例えば非臭素化)であることができる。好適なモノマーは、典型的には、450g/mole以下の数平均分子量を有する。
【0039】
好適な単官能性(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばフェノキシエチル(メタ)アクリレート;フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート;フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、4−(1−メチル−1−フェネチル)フェノキシエチル(メタ)アクリレート;フェニルチオエチルアクリレート;2−ナフチルチオエチルアクリレート;1−ナフチルチオエチルアクリレート;2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート;2,4−ジブロモフェノキシエチルアクリレート;2−ブロモフェノキシエチルアクリレート;1−ナフチルオキシエチルアクリレート;2−ナフチルオキシエチルアクリレート;フェノキシ2−メチルエチルアクリレート;フェノキシエトキシエチルアクリレート;3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート;2−フェニルフェノキシエチルアクリレート;4−フェニルフェノキシエチルアクリレート;2,4−ジブロモ−6−セック−ブチルフェニルアクリレート;2,4−ジブロモ−6−イソプロピルフェニルアクリレート;ベンジルアクリレート;フェニルアクリレート;2,4,6−トリブロモフェニルアクリレートが挙げられる。ペンタブロモベンジルアクリレートおよびペンタブロモフェニルアクリレートなどの他の高屈折率モノマーもまた用いることができる。
【0040】
フェノキシエチルアクリレートは、2つ以上の供給業者から市販されており、サルトマー(Sartomer)から、商品名「SR339」で;エターナルケミカル(Eternal Chemical Co.Ltd.)から、商品名「エテルマー(Etermer)210」で;および東亜合成株式会社から、商品名「TO−1166」で市販されている。ベンジルアクリレートは、マサチューセッツ州ワードヒルのアルファイーザー(AlfaAeser Corp,Ward Hill,MA)から市販されている。一つの例証的な高指数任意選択のモノマーは、第一工業製薬(日本国京都)から、商品名「BR−31」で市販されている、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートである。
【0041】
上述のアクリルモノマーおよび(例えばウレタン)(メタ)アクリレートオリゴマーは、種々の組み合わせで用い得る。(例えばウレタン)(メタ)アクリレートオリゴマーの有機相中の量は広い範囲であることができ、有機相の約10〜約90wt%、および典型的には約20〜約80wt%の範囲であることが好ましい。
【0042】
本発明の重合性組成物は、任意により、少なくとも1種の架橋剤を含むことができる。架橋剤は、少なくとも2つのおよび好ましくは少なくとも3つの(メタ)アクリレート官能基を含む。好適な架橋剤としては、例えばヘキサンジオールアクリレート(HDDA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートトリ(メタ)アクリレート、およびジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。架橋剤のいずれか一つまたは組み合わせが用いられ得る。
【0043】
架橋剤は、重合性組成物中に、少なくとも約2wt%の量で存在し得る。典型的には、架橋剤の量は、約25wt%以下である。架橋剤は、約5wt%および約15wt%の範囲のいずれかの量で存在し得る。
【0044】
好ましい架橋剤としては、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物が挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートは、ペンシルバニア州エクストンのサルトマーカンパニー(Sartomer Company,Exton,PA)から、商品名それぞれ「SR444」および「SR399LV」で;日本国大阪の大阪有機化学工業株式会社から、商品名「ビスコート(Viscoat)300番」で;日本国東京の東亜合成株式会社から、商品名「アロニクス(Aronix)M−305」;および台湾国高雄のエターナルケミカル(Eternal Chemical Co.,Ltd.,Kaohsiung,Taiwan)から、商品名「エテルマー(Etermer)235」で市販されている。トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(ジ−TMPTA)は、サルトマーカンパニー(Sartomer Company)から、商品名「SR351」および「SR355」で市販されている。TMPTAはまた、東亜合成株式会社から商品名「アロニクス(Aronix)M−309」で入手可能である。さらに、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートおよびエトキシル化ペンタエリスリトールトリアクリレートは、サルトマー(Sartommer)から、それぞれ、商品名「SR454」および「SR494」で市販されている。
【0045】
UV硬化性重合性組成物は、少なくとも1種の光開始剤を含む。単一の光開始剤またはそれらのブレンドを、本発明の輝度向上フィルム中に用い得る。普通、光開始剤は、少なくとも部分的に可溶であり(例えば樹脂の処理温度で)および重合後においても実質的に無色である。光開始剤は、有色(例えば黄色)であり得るが、ただし、光開始剤は、UV光源への露出後は実質的に無色である。
【0046】
好適な光開始剤としては、モノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシドが挙げられる。市販されているモノまたはビスアシルホスフィンオキシド光開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF(ノースカロライナ州シャルロット(Charlotte,NC))から、商品名「ルシリン(Lucirin)TPO」で市販されている);エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート(これもBASFから、商品名「ルシリン(Lucirin)TPO−L」で市販されている);およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から、商品名「イルガキュア(Irgacure)819」で市販されている)が挙げられる。他の好適な光開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から、商品名「ダロキュア(Darocur)1173」で市販されている)ならびに、他の光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から、商品名「ダロキュア(Darocur)4265」、「イルガキュア(Irgacure)651」、「イルガキュア(Irgacure)1800」、「イルガキュア(Irgacure)369」、「イルガキュア(Irgacure)1700」、および「イルガキュア(Irgacure)907」で市販されている)が挙げられる。
【0047】
光開始剤は、約0.1〜約10重量パーセントの濃度で用いることができる。より好ましくは、光開始剤は、約0.5〜約5wt%濃度で用いられる。5wt%を超える場合は、一般に、輝度向上フィルムの黄色への変色を生じさせる傾向にある点で不利である。他の複数の光開始剤および一つの光開始剤もまた、技術分野における当業者によって判断され得るとおり、好適に用いられ得る。
【0048】
フッ素系界面活性剤およびシリコーンベースの界面活性剤などの界面活性剤が、表面張力を低減し、濡れ性を向上し、より滑らかなコーティングを許容し、およびコーティングのより少ない欠陥を許容する等のために、任意により、重合性組成物中に含まれることができる。
【0049】
種々の粘度(ブルックフィールド(Brookfield)粘度計を用いることにより計測される;いわゆる「B粘度」)のUV−硬化性重合性組成物を用いることができる。しかしながら、粘度は、好ましくは、室温(約22℃)で約10〜約35,000cpsの範囲であり、およびさらに好ましくは、約50〜約10,000cpsの範囲である。
【0050】
いくつかの実施形態において、輝度向上フィルムおよび重合性組成物は、好ましくは表面変性された、複数の(例えばコロイド状)無機ナノ粒子を含む。無機ナノ粒子の包含により耐久性を向上させることができる。好ましくは、重合微細構造化表面は、2005年7月14日公開の米国特許出願公開第2005/0151119−A1号明細書および2004年9月10日出願の米国特許出願第10/938006号明細書に記載の試験法に準拠して測定した、1.0〜1.15、または1.0〜1.12、または1.0〜1.10、または1.0〜1.05の範囲内の引掻コントラスト比値を有する。丸められたプリズム頂点の場合には、引掻コントラスト比値は、1.0〜1.65、または1.0〜1.4、または1.0〜1.10の範囲であることができる。
【0051】
(例えば表面変性コロイド状)ナノ粒子は、1nmを超え、および100nm未満の一次粒径を有する酸化粒子であることができる。全体を通して用いるところ、粒径とは平均粒径を指す。これらのサイズ計測値は、透過電子顕微鏡法(TEM)に基づいていることができる。ナノ粒子としては、例えば、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン、シリカ、ジルコニア、チタニア、これらの混合物、またはこれらの混合酸化物などの金属酸化物を挙げることができる。表面変性コロイド状ナノ粒子は、実質的に完全に凝集していることができる。表面変性されたナノ粒子は、好ましくは非結合である。
【0052】
シリカナノ粒子は、5〜100nmまたは10〜30の粒径を有することができる。シリカナノ粒子は、重合性組成物の10〜60wt%、または10〜40wt%の量で輝度向上フィルム中に存在することができる。本発明の材料に用いられるシリカは、イリノイ州ネイパービルのナルコケミカル社(Nalco Chemical Co.,Naperville,IL)から、製品1040、1042、1050、1060、2327および2329などの、商品名「ナルココロイダルシリカ(Nalco Collodial Silicas)」で市販されている。好適なヒュームドシリカとしては、例えば、独国ハナウのデグッサ(DeGussa AG(Hanau,Germany)から、商品名、「エアロシル(Aerosil)シリーズOX−50」、ならびに製品番号−130、−150、および−200で市販されている製品が挙げられる。ヒュームドシリカはまた、イリノイ州タスコーラのキャボット社(Cabot Corp.,Tuscola,IL)から、商品名CAB−O−SPERSE2095」、「CAB−O−SPERSE A105」、および「CAB−O−SIL M5」で市販されている。
【0053】
ジルコニアナノ粒子は、5〜50nm、または5〜25nmの粒径を有することができる。ジルコニアナノ粒子は、重合性組成物の10〜70wt%、または30〜60wt%の量で輝度向上フィルム中に存在することができる。本発明の組成物および物品中に用いられるジルコニアは、ナルコケミカル社(Nalco Chemical Co.)から、商品名「ナルコ(Nalco)OOSSOO8」で入手可能である。
【0054】
ジルコニア粒子は、2004年12月30日出願の米国特許出願第11/027426号明細書に記載のとおり、熱水テクノロジーを用いて調製されることができる。より具体的には、ジルコニウム塩を含有する第1の原材料が第1の熱水処理に処されてジルコニウム含有中間体および副生物が形成される。第2の原材料が、第1の熱水処理中に形成された副生物の少なくとも一部を除去することにより調製される。第2の原材料が、次いで第2の熱水処理に処されて、ジルコニア粒子を含有するジルコニアゾルが形成される。第1の原材料は、ジルコニウム塩を含有する水性前駆体溶液を形成することによって調製される。ジルコニウム塩のアニオンが、ジルコニアゾル調製用のプロセスにおける続くステップ中において除去することができるよう、通常は選択される。さらに、アニオンは、不蝕性とし、熱水反応器などの処理機器のために選択された材料のタイプにおいて、より高い柔軟性を許容するため、多くの場合に選択される。
【0055】
チタニア、酸化アンチモン、アルミナ、酸化錫、および/または混合金属酸化物ナノ粒子は、5〜50nm、または5〜15nm、または10nmの粒径または結合された粒径を有することができる。チタニア、酸化アンチモン、アルミナ、酸化錫、および/または混合金属酸化物ナノ粒子は、10〜70wt%、または30〜60wt%の量で輝度向上フィルム中に存在することができる。本発明の材料において用いられる混合金属酸化物は、日本国川崎の触媒化成工業株式会社から、商品名「オプトレイク(Optolake)3」で市販されている。
【0056】
ナノ粒径粒子の表面処理は、ポリマー樹脂中の安定分散体を提供することができる。好ましくは、表面処理は、ナノ粒子が重合性樹脂中に良好に分散されることとなるよう粒子を安定化させ、および実質的に均質な組成物をもたらす。しかも、ナノ粒子は、安定化粒子が硬化中に重合性樹脂と共重合することができまたは反応することができるよう、表面処理剤で、その表面の少なくとも一部分にわたって変性されることができる。
【0057】
ナノ粒子は、好ましくは表面処理剤で処理される。普通、表面処理剤は、粒子表面に連結する(共有結合的に、イオン結合的にまたは強固な物理吸着を介して)第1の端部および粒子の樹脂との親和性を付与する、および/または硬化中に樹脂と反応する第2の端部を有する。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シランおよびチタン酸塩が挙げられる。好ましいタイプの処理剤が、金属酸化物表面の化学的性質によって部分的に判定される。シランがシリカについて好ましく、および他が珪質充填材について好ましい。シランおよびカルボン酸が、ジルコニアなどの金属酸化物について好ましい。表面変性は、混合に引き続いてモノマーと共に、または混合後の一方で行われることができる。シランの場合には、樹脂中に組み込む前にシランを粒子またはナノ粒子表面と反応させることが好ましい。表面変性剤の必要な量は、粒径、粒子タイプ、変性剤の分子量、および変性剤タイプなどの数々の要因に依存する。普通、およそ変性剤の単一層が粒子の表面に連結されることが好ましい。要求される連結手順または反応条件もまた、用いられる表面変性剤に依存する。シランについては、高い温度で、酸性下または塩基性下に、およそ1〜24時間表面処理することが好ましい。カルボン酸などの表面処理剤は、高い温度または長時間を必要としない。
【0058】
表面処理剤の代表的な実施形態としては、例えば、イソオクチルトリメトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG3TES)、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TES)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、およびこれらの混合物などの化合物が挙げられる。さらに、ウエストバージニア州クロンプトンサウスチャールストンのOSIスペシャリティーズ(OSI Specialties,Crompton South Charleston,WV)から、商品名「シルクエスト(Silquest)A1230」で市販されている商標登録されたシラン表面変性剤が、特に好適であることが見出されている。
【0059】
コロイド状分散体中の粒子の表面変性は、多様な方法で達成されることができる。プロセスは、無機分散体と表面変性剤との混合物を含む。任意により、この時点で、例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミドおよび1−メチル−2−ピロリジノンなどの共溶剤を添加することができる。共溶剤は、表面変性剤ならびに表面変性粒子の溶解度を高めることができる。無機ゾルおよび表面変性剤を含む混合物は、続いて、室温または高い温度で、混合しながらまたは混合せずに反応される。一つの方法において、混合物は、約摂氏85度で約24時間反応されることができ、表面変性ゾルがもたらされる。金属酸化物が表面変性される他の方法において、金属酸化物の表面処理は、酸性分子の粒子表面への吸着を含むことができることが好ましい。重金属酸化物の表面変性は好ましくは室温で行われる。
【0060】
ZrO2のシランでの表面変性は、酸性条件または塩基性条件下で達成されることができる。一つの場合において、シランは、酸性条件下で好適な時間の間加熱される。この時間では、分散体は水性アンモニア(または他の塩基)と組み合わされる。この方法は、酸対イオンのZrO2表面からの除去を許容し、ならびにシランとの反応を許容する。一つの方法において、粒子は分散体から沈殿されて、液相から分離される。
【0061】
表面変性剤の組み合わせは有用であることができ、ここで、少なくとも1種の剤が硬化性樹脂と共重合性である官能基を有する。例えば、重合基は、開環重合に処される、エチレン不飽和または環状官能基であることができる。エチレン不飽和重合基は、例えば、アクリレートまたはメタクリレート、またはビニル基であることができる。開環重合に処される環状官能基は、一般に、酸素、硫黄または窒素、および好ましくはエポキシドなどの酸素含有3員環などのヘテロ原子を含有する。
【0062】
表面変性粒子は、次いで、硬化性樹脂に、種々の方法で組み込まれることができる。好ましい態様においては、溶剤交換手法が用いられ、これにより、樹脂が表面変性ゾルに付加され、蒸発による水および共溶剤(用いられた場合)の除去が続き、従って、重合性樹脂中に分散された粒子が得られる。蒸発ステップは、例えば、蒸留、回転蒸発またはオーブン乾燥で達成されることができる。
【0063】
他の態様においては、表面変性粒子は、水不混和性の溶剤中に抽出されることができ、所望の場合には、溶剤交換が続く。
【0064】
代わりに、表面変性ナノ粒子を重合性樹脂に組み込むための他の方法は、変性粒子の粉末への乾燥、これに続く、その中に粒子が分散された樹脂材料の添加を含む。この方法における乾燥ステップは、例えば、オーブン乾燥または噴霧乾燥などのシステムについて好適である従来の手段によって達成されることができる。
【0065】
本願明細書において記載の重合性組成物はまた、技術分野において公知のとおり、1つまたは複数の他の有用な添加剤を含有することができ、特に限定されないが、界面活性剤、顔料、充填材、重合抑制剤、酸化防止剤、帯電防止剤、および他の可能な成分が挙げられる。
【0066】
好適な重合方法としては、技術分野において公知であるとおり、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合、およびバルク重合が挙げられる。好適な方法は、ラジカル開始剤の存在下での加熱、ならびに、光開始剤の存在下での紫外または可視光などの電磁放射線での照射を含む。抑制剤が、重合性組成物の合成において、合成、輸送および保管中の樹脂の早期重合を抑止するために頻繁に用いられる。好適な抑制剤としては、50〜1000ppmのレベルでのハイドロキノン、4−メトキシフェノール、およびヒンダードアミン窒素酸化物抑制剤が挙げられる。抑制剤の他の種類および/または量が、当業者に公知であるとおり、用いられ得る。
【0067】
放射線(例えばUV)硬化性組成物は、少なくとも1種の光開始剤を含む。単一の光開始剤またはそのブレンドが本発明の輝度向上フィルムにおいて用いられ得る。普通、光開始剤は、少なくとも部分的に可溶であり(例えば樹脂の処理温度で)および重合後においても実質的に無色である。光開始剤は、有色(例えば黄色)であり得るが、ただし、光開始剤は、UV光源への露出後は実質的に無色である。
【0068】
好適な光開始剤としては、モノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシドが挙げられる。市販されているモノまたはビスアシルホスフィンオキシド光開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF(ノースカロライナ州シャルロット(Charlotte,NC))から、商品名「ルシリン(Lucirin)TPO」で市販されている);エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート(これもBASFから、商品名「ルシリン(Lucirin)TPO−L」で市販されている);およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から、商品名「イルガキュア(Irgacure)819」で市販されている)が挙げられる。他の好適な光開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から、商品名「ダロキュア(Darocur)1173」で市販されている)ならびに、他の光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から、商品名「ダロキュア(Darocur)4265」、「イルガキュア(Irgacure)651」、「イルガキュア(Irgacure)1800」、「イルガキュア(Irgacure)369」、「イルガキュア(Irgacure)1700」、および「イルガキュア(Irgacure)907」で市販されている)が挙げられる。
【0069】
光開始剤は、約0.1〜約10重量パーセントの濃度で用いることができる。より好ましくは、光開始剤は、約0.5〜約5wt%濃度で用いられる。5wt%を超える場合は、一般に、輝度向上フィルムの黄色への変色を生じさせる傾向にある点で不利である。他の複数の光開始剤および一つの光開始剤もまた、技術分野における当業者によって判断され得るとおり、好適に用いられ得る。
【0070】
フッ素系界面活性剤およびシリコーンベースの界面活性剤などの界面活性剤が、表面張力を低減し、濡れ性を向上し、より滑らかなコーティングを許容し、およびコーティングのより少ない欠陥を許容する等のために、任意により、重合性組成物中に含まれることができる。
【0071】
光学層は、直接的にベース層に接触することができ、または光学的にベース層に対して位置あわせされることができ、および光学層が光の流れを指向しまたは集光することを許容するサイズ、形状および厚さであることができる。光学層は、図に記載しおよび示されたものなどの多数の有用なパターンのいずれかを有することができる、構造化または微細構造化表面を有することができる。微細構造化表面は、フィルムの長さまたは幅に沿って延びる複数の平行な長手方向の稜であることができる。これらの稜は、複数のプリズム頂点から形成されることができる。これらの頂点は、鋭角、丸められたまたは平坦化されたまたは平頭であることができる。例えば、稜は、4〜7マイクロメートルの範囲の半径に丸められていることができる。
【0072】
これらとしては、規則的なまたは不規則なプリズム状パターンが挙げられ、環状プリズム状パターン、キューブコーナーパターンまたはいずれかの他のレンズ状微細構造体であることができる。有用な微細構造体は、輝度向上フィルムとしての使用のための全反射フィルムとして作用することができる規則的なプリズム状パターンである。他の有用な微細構造体は、反射フィルムとして用いられるための再帰反射性フィルムまたはエレメントとして作用することができるコーナーキューブプリズム状パターンである。他の有用な微細構造体は、光学ディスプレイにおいて用いられるための光学エレメントとして作用することができるプリズム状パターンである。他の有用な微細構造体は、光学ディスプレイにおいて用いられるための、光方向変換フィルムまたはエレメントとして作用することができるプリズム状パターンである。
【0073】
ベース層は、光学製品において用いられるために好適な性質および組成のものであることができ、すなわち光の流れを制御するために設計された製品である。材料が十分に光学的に清透であると共に、光学製品に組み入れられるために、または特定の光学製品中に用いられるために構造的に十分に強い限りにおいて、殆どいずれの材料もベース材料として用いられることができる。ベース材料は、光学製品の性能が時間の経過と共に劣化されないよう、温度および老化に対して十分に耐性を有するよう選択されることができる。
【0074】
いずれかの光学製品用のベース材料の特定の化学組成および厚さは、構成される特定の光学製品の要求に依存することができる。すなわち、とりわけ、強度、透明性、耐熱性、表面エネルギー、光学層に対する粘着性に対する要求を平衡化する。
【0075】
有用なベース材料としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、コポリマーまたはナフタレンジカルボン酸ベースのブレンド、ポリシクロ−オレフィン、ポリイミド、およびガラスが挙げられる。任意により、ベース材料は、混合物またはこれらの材料の組み合わせを含有することができる。実施形態において、ベースは多層であり得、または、連続相中に懸濁、または分散された分散相を含有し得る。
【0076】
例えば輝度向上フィルムなどの微細構造体具備製品などのいくつかの光学製品について、好ましいベース材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリカーボネートが挙げられる。有用なPETフィルムの例としては、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,Del)のデュポンフィルム(DuPont Films)から入手可能である、光グレードポリエチレンテレフタレートおよびメリネックス(MELINEX)(登録商標)PETが挙げられる。
【0077】
いくつかのベース材料は、光学的に活性であることができ、および偏光材料として作用することができる。本願明細書においてフィルムまたは基材としても称されるベースの多数が、光学製品技術分野において偏光材料として有用であることが公知である。フィルムを通した光の偏光は、例えば、透過光を選択的に吸収するダイクロイック偏光子のフィルム材料中への組み込みによって達成されることができる。光偏光はまた、配向雲母チップなどの無機材料の包含によって、または連続フィルム内に分散された光変調液晶の小滴などの、連続フィルム内に分散された非連続相によって実現されることができる。代替として、フィルムは、異なる材料の極微小層から調製されることができる。フィルム内の偏光材料は、例えば、フィルムの伸張、電界または磁界の適用、およびコーティング技術などの方法を用いることにより偏光配向に配向されることができる。
【0078】
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号明細書および同5,783,120号明細書に記載のものが挙げられる。これらの偏光子フィルムの、輝度向上フィルムとの組み合わせでの使用が、米国特許第6,111,696号明細書に記載されている。
【0079】
ベースとして用いることができる偏光フィルムの第2の例は、米国特許第5,882,774号明細書に記載のフィルムである。市販されているフィルムは、商品名DBEF(デュアル輝度向上フィルム)で3Mから販売されている多層フィルムである。このような多層偏光光学フィルムの輝度向上フィルム中での使用が、米国特許第5,828,488号明細書に記載されている。
【0080】
ベース材料のこのリストは排他的ではなく、および当業者によって理解されるであろうとおり、他の偏光および非偏光フィルムもまた、本発明の光学製品用のベースとして有用であることができる。これらのベース材料は、例えば偏光フィルムを含む他の多数の他のフィルムと組み合わせて多層構造を形成することができる。追加のベース材料の短いリストは、とりわけ、米国特許第5,612,820号明細書および同5,486,949号明細書に記載のフィルムを含むことができる。特定のベースの厚さはまた、上述の光学製品の要求に依存することができる。
【0081】
微細構造体具備物品は、全反射フィルムを形成するに十分な一連の交互のチップと溝とを有するものを含む、多様な形態に構成されることができる。このようなフィルムの例は、対称なチップと溝との規則的な反復パターンを有する輝度向上フィルムであり、一方、他の例はチップと溝とが非対称であるパターンを有する。輝度向上フィルムとして有用である微細構造体具備物品の例は、米国特許第5,175,030号明細書および同5,183,597号明細書によって記載されている。
【0082】
これらの特許によれば、微細構造体具備物品は、(a)重合性組成物を調製するステップ;(b)重合性組成物を、マスターネガ微細構造化成形面上に、マスターのキャビティーを充填するのにぎりぎりで十分となる量で置くステップ;(c)少なくともその一方が可撓性である、予め形成されたベースおよびマスターの間において、重合性組成物のビードを移動させることによりキャビティーを充填するステップ;および(d)組成物を硬化するステップを含む方法によって調製されることができる。マスターは、ニッケル、ニッケル−メッキ銅または黄銅などの金属製であることができ、または重合条件下で安定であると共に、好ましくは重合材料のマスターからのきれいな除去を可能にする表面エネルギーを有する熱可塑性材料であることができる。ベースフィルムの1つまたは複数の表面は、任意により活性化されていることができ、またはそうでなければ、光学層のベースへの接着を促進するよう処理されていることができる。
【0083】
本願明細書において記載の微細構造体トポグラフィの生成に用いられる特定の方法は、米国特許第5,691,846号明細書に記載の成形プロセスに類似していることができる。本発明による微細構造体物品は、連続プロセスから、例えば、5、10、100、1000メートル以上などのいずれの所望の長さで形成されることができる。
【0084】
輝度向上フィルムの構造体としては、例えば、米国特許第5,771,328号明細書、米国特許第5,917,664号明細書、米国特許第5,919,551号明細書、米国特許第6,280,063号明細書、および米国特許第6,356,391号明細書などの広く多様な微細構造化フィルムを挙げることができる。
【0085】
図1において全体が10で示されているバックライト式液晶ディスプレイは、拡散体12および液晶ディスプレイパネル14の間に位置されることができる本発明の輝度向上フィルム11を含む。バックライト式液晶ディスプレイはまた、蛍光ランプなどの光源16、液晶ディスプレイパネル14に向かう反射のための光を伝達するためのライトガイド18、およびさらに液晶ディスプレイパネルに向かう光を反射するための白色反射材20を含むことができる。輝度向上フィルム11は、ライトガイド18から放射される光をコリメートし、これにより液晶ディスプレイパネル14の輝度を高める。高められた輝度は、液晶ディスプレイパネルによるより鮮明なイメージの形成を可能とさせ、および選択された輝度を形成するための光源16の電力を低減させることを許容する。バックライト式液晶ディスプレイにおける輝度向上フィルム11は、コンピュータディスプレイ(ラップトップディスプレイおよびコンピュータモニタ)、テレビ、ビデオレコーダ、モバイル通信デバイス、可搬式デバイス(すなわち携帯電話、PDA)、自動車用および航空用機器ディスプレイ等などの、符号21によって示される機器において有用である。
【0086】
輝度向上フィルム11は、図2に示されるとおり、プリズム22、24、26、および28によって表されるプリズムアレイを含む。例えば、プリズム22などの各プリズムは、第1のファセット30および第2のファセット32を有する。プリズム22、24、26、および28は、プリズムがその上に形成された第1の表面36および実質的に平坦または平面であると共に第1の表面の逆側の第2の表面38を有するボディ部分34上に形成されることができる。
【0087】
標準の直角プリズムの直線的アレイは、光学性能および作製容易性の両方を提供することができる。直角プリズムとは頂角θがおよそ90°であることを意味するが、およそ70°〜120°またはおよそ80°〜100°の範囲であることもできる。プリズムファセットは同一である必要はなく、およびプリズムは、相互に関して傾斜していてもよい。さらに、フィルムの厚さ40およびプリズムの高さ42の間の関係は重要ではないが、より薄いフィルムを良く規定されたプリズムファセットと共に用いることが望ましい。ファセットが表面38と形成することができる角度は、ファセットがプロジェクトされる場合には、45°であることができる。しかしながら、この角度は、ファセットのピッチまたは頂点の角度θに応じて変化することとなる。
【0088】
図3〜9は、光学エレメントについての構成の代表的な実施形態を図示する。これらの図面は縮尺どおりではなく、および特に、構造化表面のサイズは例示的目的のために大幅に誇張されていることに、注意すべきである。光学エレメントの構成は、以下に記載の実施形態の組み合わせまたは2つ以上を含むことができる。
【0089】
図3を参照すると、代表的な光学エレメントまたは光指向性フィルムの一実施形態の一部分の断面が図示されている。フィルム130は、第1の表面132およびこれと逆側の、複数の実質的に直線的に延びるプリズムエレメント136を含む構造化表面134を含む。各プリズムエレメント136は、それらの頂縁部が交差して頂部またはプリズムエレメント136の頂点142を規定する、第1の側面138および第2の側面138’を有する。隣接するプリズムエレメント136の側面138、138’の底縁部は、交差して直線的に延びる溝144をプリズムエレメントの間に形成する。図3に図示される実施形態において、プリズム頂点142によって定義される上反角はおよそ90度と計測されるが、しかしながら、このおよび他の実施形態における上反角の正確な計測値は、所望の光学パラメータに応じて変化し得ることは、理解されるであろう。
【0090】
フィルム130の構造化表面134は、共通の基準面から異なる距離で離間する頂部を有するプリズムエレメントの複数の交互のゾーンを有するとして説明され得る。共通の基準面は、任意に選択され得る。共通の基準面の一つの簡便な例は、第1の表面132を含む面であり、他のものは、破線139で示される、構造化表面の最も低い溝の底によって画定される面である。図3に図示される実施形態において、最低のプリズムエレメントは、破線139から幅がおよそ50ミクロンおよび高さがおよそ25ミクロンと計測され、一方、より高いプリズムエレメントは、幅がおよそ50ミクロンおよび高さがおよそ26ミクロンと計測される。より高いプリズムエレメントを含むゾーンの幅は、約1ミクロンおよび300ミクロンの間で計測されることができる。最低のプリズムエレメントを含むゾーンの幅は重要ではなく、および200ミクロンおよび4000ミクロンの間で計測されることができる。いずれかの所与の実施形態において、より低いプリズムエレメントのゾーンは、少なくとも、より高いプリズムエレメントのゾーンと同等に広いことができる。図3において示される物品は、単なる例示であり、および本発明の範囲を限定することを意味するものではないことは、当業者により理解されるであろう。例えば、プリズムエレメントの高さまたは幅は、実施可能な限界内において変更し得る(約1ミクロン〜約200ミクロンの範囲において精密なプリズムの機械加工が実施可能である)。さらに、上反角は変更されてもよく、またはプリズム軸は、所望の光学効果を実現するために傾斜されていてもよい。
【0091】
第1のゾーンの幅は、約200〜300ミクロン未満であることができる。通常の視認条件下では、ヒトの眼は、幅約200〜300ミクロン未満の範囲で生じる、光の強度における小さな変化の解像には困難を有する。従って、第1のゾーンの幅が約200〜300ミクロン未満に減少される場合、このゾーン内に生じ得るいずれの光学カップリングも、通常の視認条件下では、ヒトの眼には検知不可能である。
【0092】
可変高さ構造化表面はまた、1つまたは複数のプリズムエレメントの、そのリニア領域に沿った高さを変化させて、共通の基準面上方の異なる高さに位置された頂部を有するプリズムエレメントの部分を含む、交互ゾーンを形成することにより、実装され得る。
【0093】
図4は、フィルム150が単一のより高いプリズムエレメント156を含むゾーンによって分離された比較的低いプリズムエレメント154のゾーンを有する構造化表面152を含むこと以外は図3に類似する、光学エレメントの他の実施形態を示す。図3に示された実施形態同様、より高いプリズムエレメントはフィルムの第2のシートの構造化表面152に対する物理的近接性を制限し、これにより、視覚的なにじみ状態の可能性を低減する。ヒトの眼は光指向性フィルムにおけるファセット高さの変化に敏感であること、およびより高いプリズムエレメントの比較的広いゾーンがフィルムの表面上の可視的な線として現れるであろうことが確認されてきた。これは原材料的にはフィルムの光学性能に影響しないが、線は、一定の商用事情においては望ましくない可能性がある。より高いプリズムエレメントのゾーンの幅を減少させることに対応して、ヒトの眼の、より高いプリズムエレメントにより生じさせられたフィルムにおける線を検知する能力を低減させる。
【0094】
図5は、プリズムエレメントはおよそ同一のサイズであるが、反復的な階段ステップまたは傾斜パターンに配置されている、光学エレメントの他の実施形態の代表例である。図5に示されるフィルム160は、第1の表面162および複数の実質的に直線的なプリズムエレメント166を含む逆側の構造化表面164を含む。各プリズムエレメントは、それらの上端でプリズム頂部170を規定して交差する、対向する側方フェイス168、168’を有する。対向する側方フェイス168、168’によって画定される上反角は、およそ90度と計測される。この実施形態において、最も高いプリズムが第1のゾーンとみなされ得、および隣接するプリズムが第2のゾーンとみなされ得る。再び、第1のゾーンは約200〜300ミクロン未満で計測されることができる。
【0095】
図6は、光学エレメントのさらなる実施形態を図示する。図6に開示されたフィルム180は、第1の表面182および逆側の構造化表面184を含む。このフィルムは、比較的低いプリズムエレメントを含む第2のゾーンが異なる高さのプリズムエレメントを含有することが特徴であり得る。図6に示された構造化表面は、プリズムエレメントの高さの変化によって生じさせられたフィルムの表面上の線のヒトの眼に対する視認性を、実質的に低減させるという追加の利点を有する。
【0096】
図7は、ソフトなカットオフを提供するための光学エレメントの他の実施形態を示す。図7は、一般に240として称される、本発明による輝度向上フィルムを示す。輝度向上フィルム240は、基材242および構造化表面材料244を含む。基材242は、一般にポリエステル材料であることができ、および構造化表面材料244は、紫外線硬化アクリル系または本願明細書において考察された他の高分子材料であることができる。基材242の外表面は好ましくは平坦であるが、構造体を有していることもできる。さらに、他の代替的な基材を用いることができる。
【0097】
構造化表面材料244は、その上に形成された、プリズム246、248、および250などの複数のプリズムを有する。プリズム246、248、および250は、それぞれ、頂部252、254、および256を有する。すべての頂部252、254、および256は、好ましくは90度の頂部またはプリズム角度を有するが、60度〜120度の範囲内の角度を含む。プリズム246および248の間は、谷258である。プリズム248および250の間は谷260である。谷258は、プリズム246と結合された谷を有するとみなし得、および70度の谷角度を有し、および谷260は、プリズム248と結合された谷とみなされ得、および110度の谷角度を有するが、他の値を用いることができる。効果的に、輝度向上フィルム240は、いくらかの光を反射しおよび再利用すると共に、従来技術輝度向上フィルムのように(ただし交互方向に多角化されたプリズムで)残りを屈折させることにより、外見上のバックライトの軸輝度を高める。プリズムの多角化の効果は、出力光コーンのサイズを大きくすることである。
【0098】
図8は、丸められたプリズム頂点を有する光学エレメントの他の実施形態を示す。輝度向上物品330は、その両方がベース層332と一体的に形成された、一対の逆側の表面334、336を有する可撓性、ベース層332を特徴とする。表面334は、一連の突状光拡散エレメント338を特徴とする。これらのエレメントは、層332と同一の材料で形成された、表面における「バンプ」の形態であり得る。表面336は、ベース層332と一体的に形成された、平滑化されたまたは丸められた頂部340を有する直線的なプリズムのアレイを特徴とする。これらの頂部は、弦幅が断面ピッチ幅の約20〜40%に等しく、および湾曲部の半径が断面ピッチ幅の約20〜50%に等しい、弦幅342、断面ピッチ幅344、湾曲部の半径346、および歯底角348によって特徴付けられる。歯底角は、約70〜110度、または約85〜95度の範囲であり、約90度の歯底角が好ましい。プリズムのアレイ内への配置は、所望の光学性能を最大化させるために選択される。
【0099】
丸められたプリズム頂点輝度向上物品は、通常はゲインの低減を被る。しかしながら、高屈折率表面変性コロイド状ナノ粒子の追加は、損失ゲインを丸められたプリズム頂点輝度向上物品からオフセットすることができる。
【0100】
図9は、平坦または平面プリズム頂点を有する光学エレメントの他の実施形態を示す。輝度向上物品430は、その両方がベース層432と一体的に形成された、一対の逆側表面434、436を有する可撓性、ベース層432を特徴とする。表面434は、一連の突状光拡散エレメント438を特徴とする。これらのエレメントは、表面において、層432と同一の材料で形成された、「平坦バンプ」の形態であり得る。表面436は、ベース層432と一体的に形成された、平坦化されたまたは平面頂部440を有する直線的なプリズムのアレイを特徴とする。これらの頂部は、平坦化幅が断面ピッチ幅の約0〜30%と等しいことができる、平坦化幅442および断面ピッチ幅444によって特徴付けられる。
【0101】
光導波路から光をサンプリングする他の方法は、減衰全反射法(TIR)の使用によるものである。減衰TIR法の一タイプにおいて、光導波路は、くさび形状を有し、および光導波路の厚い縁部に入射する光線は、光導波路の上面および底面に相対的な限界角度を実現するまで全反射される。これらのサブ限界角度光線が、次いでサンプリングされて、またはより簡潔には光導波路から視射角で出力面に屈折する。ディスプレイデバイスの照射に有用であるために、これらの光線は、次いで、ディスプレイデバイスの視認、または出力軸と実質的に平行に方向変換されなければならない。この方向変換は、通常は、方向変換レンズまたは方向変換フィルムを用いて達成される。
【0102】
図10〜12は、方向変換フィルムを含む照射デバイスを図示する。方向変換フィルムは、本願明細書において開示される本発明の材料を含むことができる。方向変換レンズまたは方向変換フィルムは、典型的には入力面上に形成されたプリズム構造体を含み、および入力面は、光導波路に隣接して配置されている。光導波路を視射角で出射する光線は、通常は出力面に対して30度未満であり、プリズム構造体に当たる。光線は、方向変換レンズまたはフィルムによって所望の方向、例えば、ディスプレイの視認軸と実質的に平行に指向されるよう、プリズム構造体の第1の表面によって屈折され、およびプリズム構造体の第2の表面によって反射される。
【0103】
図10を参照すると、照射システム510は、光学的に結合された光源512;光源反射材514;出力面518を有する光導波路516、裏面520、入力面521および端面522;裏面520に隣接する反射材524;入力面528および出力面530を有する第1の光再指向エレメント526;第2の光再指向エレメント532;および反射性偏光子534を含む。光導波路516は、くさびまたはその変形であり得る。周知であるとおり、光導波路の目的は、光源512からの光の、光源512よりはるかに大きい領域にわたる、およびより特定的には、実質的に出力面518によって形成される全領域にわたる均一な分布を提供することである。光導波路516は、さらに好ましくは、これらのタスクをコンパクトで薄いパッケージ中において達成する。
【0104】
光源512は、光導波路516の入力面521にエッジ結合されたCCFLであり得、およびランプ反射材514は、ランプキャビティを形成する光源512の周囲を囲む反射性フィルムであり得る。反射材524は光導波路516の後方にあると共に有効な後方反射材であり得、例えば、均等拡散あるいは鏡面フィルムまたは組み合わせであり得る。
【0105】
エッジ結合された光は入力面521から、TIRで拘束された端面522に向かって伝播する。光は、TIRの減衰によって光導波路516からサンプリングされる。光導波路516内に拘束された光線は、頂部および底部壁と相対的に、くさび角度により、各TIR反発で、その入射角を増加させる。従って、光は最終的には、TIRによってそれ以上内包されていないため、出力面518および裏面520の各々から外へ屈折される。裏面520の外へ屈折した光は、反射材524によって、鏡面反射または拡散的に反射されて、光導波路516に向かって、多くがこれを通って戻される。第1の光再指向エレメント526は、出力面518から出射する光線を好ましい視認方向に実質的に平行な方向に沿って再指向させるために配置される。好ましい視認方向は、出力面518に対して垂直であり得るが、典型的には、出力面518に対していくらかの角度になるであろう。
【0106】
図11に示すとおり、第1の光再指向エレメント526は、出力面530が実質的に平面であり、および入力面528がプリズム538、540および542のアレイ536で形成されている透光性光学フィルムである。第2の光再指向エレメント532はまた、透光性フィルムであり得、例えば、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,Minn)から入手可能である3M輝度向上フィルム(Brightness Enhancement Film)製品(BEFIIIとして販売されている)などの輝度向上フィルムであり得る。反射性偏光子534は、無機、ポリマー、コレステリック液晶反射性偏光子またはフィルムであり得る。好適なフィルムは、3M拡散反射性偏光子(Diffuse Reflective Polarizer)フィルム製品(DRPFとして販売されている)、または鏡反射性偏光子(Specular Reflective Polarizer)フィルム製品(DBEFとして販売されている)であり、その両方が3Mカンパニー(3M Company)から入手可能である。
【0107】
アレイ536内において、各プリズム538、540および542は、それぞれの隣接するプリズムに比して異なる辺角で形成され得る。すなわち、プリズム540は、プリズム538(角度AおよびB)、およびプリズム542(角度EおよびF)とは異なる辺角(角度CおよびD)で形成され得る。示されているとおり、プリズム538は、プリズム角度、すなわち、角度AおよびBの和に等しい挟角を有する。同様に、プリズム540は、角度CおよびDの和に等しいプリズム角度を有し、一方、プリズム542は、角度EおよびFの和に等しいプリズム角度を有する。アレイ536は異なるプリズム角度に基づく3つの異なるプリズム構造体を含むことが示されているが、事実上いかなる数の異なるプリズムが用いられてもよいことは理解されるべきである。
【0108】
プリズム538、540および542はまた、共通のプリズム角度であるが、異なるプリズム配向で形成されてもよい。プリズム軸「l」が図11において、プリズム538について図示されている。プリズム軸lは、プリズム538について示されているとおり、出力面530に対して垂直に配置され得、またはプリズム540および542についてそれぞれ仮想軸「l+」および「l-」によって図示されるとおり、出力面に対して光源に向かってまたは光源から離れる角度で配置され得る。
【0109】
プリズム538、540および542は、図11に示されるとおり、規則的な反復パターンまたはプリズムのクラスター543でアレイ536内に配置され得、アレイ536は、似ているプリズムを似ているプリズムに隣接して有すると示されていないが、このような構成もまた用いられ得る。しかも、アレイ536内において、プリズム538、540および542は、プリズム構成538などの第1のプリズム構成から、プリズム構成540などの第2のプリズム構成等に連続的に変化し得る。例えば、プリズム構成は、第1のプリズム構成から第2のプリズム構成に勾配式に変化し得る。代わりに、プリズムは、図11に示される構成と同様に、段階式に変化し得る。各クラスター543内において、プリズムは、空間的リップル周波数より小さく選択されるプリズムピッチを有する。同様に、クラスターは、規則的なクラスターピッチを有し得る。プリズムアレイは、図11に示されるとおり対称的であることができ、またはプリズムアレイは、非対称的であることができる。
【0110】
図11に示されるアレイ536は、対称的構成を有するプリズムを有するが、図12に示される、光再指向エレメント526’に形成されたアレイ536’などのプリズムアレイが用いられ得る。次いで図12を参照すると、アレイ536’において、プリズム538’は、例えば、角度B’と不等である角度A’を有する。プリズム540’および542’についても同様に、角度C’は、角度A’と不等であり、および角度D’、および角度E’は、角度A’、角度C’または角度F’のいずれとも不等である。アレイ536’は、予め定められた角度の単一のダイアモンド切削ツールを用いると共に、異なるプリズム角度および対称のプリズムを形成する各切削についてこのツールを傾けて有利に形成され得る。しかしながら、単一の切削ツールの使用では、プリズム角度は同一、すなわち、A+B=C+D=E+Fとなるであろうことは、理解されるであろう。
【0111】
光導波路516からの出力プロファイルの変更を達成するために必要とされるだけのプリズムサイズが用いられ得るが、わずか2つの異なるプリズム構成が用いられ得、およびアレイ536内にクラスターに配置され得ることが予期される。プリズム辺角偏差の一つの目的は、可変量の光強度を、第1の光再指向エレメント526に拡散し、および加えることである。プリズム538、540および542の異なる構成が、光導波路516からサンプリングされた光における非均一性を最小化する、光導波路の入力アパーチャの実質的に均一なサンプリングの提供に役立つ。最終的な結果は、特に光導波路516の入口端521付近のリップル効果の効果的な最小化である。
【0112】
本発明は、本願明細書に記載の特定の例を制限するものと考察すべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲において適切に規定されている本発明の態様のすべてをカバーすると理解するべきである。種々の改良、均等なプロセス、ならびに本発明を適用することができる数多くの構造体は、この明細書レビューにおいて本発明が向けられる当業者にとって容易に明らかになるであろう。
【0113】
実施例中に示されるすべての比率は、他に規定されていない限りにおいて重量パーセントである。
【実施例】
【0114】
本発明を、以下の実施例を参照して具体的に説明する。なお、当業者は、本発明がこれらの実施例に限定されないことは容易に理解することができる。
【0115】
微細構造化物品の製造
代表的な微細構造化物品は、格子状パターンのリブを有するPDPバックプレートの製造に好適な可撓性成形型である。9つの可撓性成形型を、以下に記載のとおりの異なる有機相組成物で製造した。
【0116】
先ず、各PDPバックプレートの格子状リブパターンに対応する格子状リブパターンを有する矩形のマスター成形型が用意される。マスター成形型のサイズは、長さ125mm×幅250mmである。マスター成形型のリブ交差点の各々は、各々二等辺台形断面形状を有する縦方向リブおよび横方向リブを有する。これらの縦方向および横方向リブは、実質的に平行に配置される一方、それらの間に予め定められた間隙をもって相互に交差する。各リブは、210μmの高さ(縦方向および横方向リブの両方について)、60μmの頂部幅、120μmの底部幅、300μmの縦方向リブのピッチ(隣接する縦方向リブの中心間距離)および510μmの横方向リブのピッチを有する。
【0117】
成形型の微細構造化層を形成するために、以下に列挙した、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルモノマーおよび光重合開始剤が、表1に表示された異なる量(wt%)でブレンドされて、UV−硬化性組成物1〜9が得られる。
【0118】
ウレタンアクリレートオリゴマーA:
脂肪族二官能性ウレタンアクリレートオリゴマー(分子量:4,000、ダイセル−UBC(Daicel−UBC Co.)の製品)、Tg:15℃
ウレタンアクリレートオリゴマーB:
脂肪族二官能性ウレタンアクリレートオリゴマー(分子量:13,000、ダイセル−UBC(Daicel−UBC Co.)の製品)、Tg:−55℃
アクリルモノマーC:
イソボルニルアクリレート単官能性モノマー(分子量:208)、Tg:94℃
アクリルモノマーD:
フェノキシエチルアクリレート単官能性モノマー(分子量:193)、Tg:10℃
アクリルモノマーE:
ブトキシエチルアクリレート(分子量:172)、Tg:−50℃
アクリルモノマーF:
エチルカルビトールアクリレート(分子量:188)、Tg:−67℃
アクリルモノマーG:
2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート(分子量:272)、Tg:−65℃
アクリルモノマーH:
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールアクリレート(分子量:268)、Tg:108℃
光重合開始剤:
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ(Chiba Specialty Chemicals Co.)の製品、製品名「ダロキュア(Darocure)1173」)
【0119】
さらに、成形型の支持体として用いるために、長さ400mm、幅300mmおよび厚さ188μm(テイジン(Teijin Co.)の製品、商品名「HPE18」、Tg:約80℃)のサイズを有するPETフィルムが調製される。
【0120】
次に、そのように準備されたマスター成形型の上流端に、各UV−硬化性組成物が線形態で適用される。上述のPETフィルムは、次いで、マスター成形型の表面を被覆するような方法で積層される。縦方向PETフィルムは、マスター成形型の縦方向リブと平行であり、およびPETフィルムおよびマスター成形型の間に挟まれたUV−硬化性組成物の厚さは、約250μmに設定される。積層体ロールの使用によってPETフィルムが十分に押圧されるとき、UV−硬化性組成物は、マスター成形型の凹部に完全に満たされており、および気泡の閉じ込めは観察されない。
【0121】
蛍光ランプ(ミツビシデンキオスラム(Mitsubishi Denki−Oslam Co.)の製品)からの、300〜400nm(ピーク波長:352nm)の波長を有する紫外光線が、この状態下で、PETフィルムを介してUV−硬化性組成物に60秒間照射される。紫外光線の照射量は、200〜300mJ/cm2である。UV−硬化性組成物が硬化されて、微細構造化層が得られる。続いて、PETフィルムおよび微細構造化層が、マスター成形型から剥離されて、マスター成形型のリブの形状およびサイズに対応する形状およびサイズを有する多数の溝部を備えた可撓性成形型が得られる。
【0122】
試験法
可撓性成形型の製造プロセスに用いられたUV−硬化性組成物1〜9の各々について以下の計測がなされた。
(1)ゴム状下での弾性モジュラス(Pa)、
(2)硬化樹脂のガラス転移温度(Tg、℃)、および
(3)未硬化樹脂の粘度(cps、22℃での)。
【0123】
表1に結果が表示されている。
【0124】
(1)ゴム状での弾性モジュラス
各UV−硬化性組成物が上記と同一の方法での紫外光線の照射で硬化されると共に、矩形の硬化樹脂フィルム(長さ22.7mm、幅10mmおよび厚さ200μm)が調製される。このテスト片の弾性モジュラスが、動的粘弾性計(モデル「RSAII」、レオメトリックス(Rheometrics Co.)の製品)を用いることにより計測される。
【0125】
(2)硬化樹脂のガラス転移温度
各UV−硬化性組成物が上記と同一の方法での紫外光線の照射で硬化されると共に、矩形の硬化樹脂フィルム(長さ22.7mm、幅10mmおよび厚さ200μm)が調製される。このテスト片のガラス転移温度(Tg)が、JIS K7244〜1に明記されている試験法に準拠して計測される。テスト片が、動的粘弾性計(モデル「RSAII」、レオメトリックス(Rheometrics Co.)の製品)に取り付けられ、および動的機械特性が1Hzの変形周波数、0.04%の最大変形量および5℃/minの昇温速度で計測される。ガラス転移温度がこのようにして得られた値から算出される。
【0126】
(3)粘度
ブルックフィールド(Brookfield)粘度は、Bタイプ粘度計を用いて室温で(22℃)計測される。
【0127】
評価テスト
上述の可撓性成形型の製造プロセスにおいて、マスター成形型から剥離されたときに、成形型が剥離変形(剥離に起因するPETフィルムの変形)を生じるかを評価した。さらに、剥離変形の存在/不在および各UV−硬化性組成物のガラス転移温度(Tg)の間の関係が検証される。
【0128】
UV−硬化性組成物を硬化させることにより微細構造化層が形成された後、PETフィルムおよびPETフィルムと一体化された微細構造化層が、マスター成形型の縦方向リブに平行な、および成形型表面に平行な引張り方向に、約100mm/秒の引張速度での180°剥離に処され、および次いで、成形型がマスター成形型から剥離される。次いで、マスター成形型から剥離された直後に、PETフィルムの縦方向方向が成形型について配向されると共に垂直壁面で接触される。PETフィルムの壁面との接触が維持される一方で、PETフィルムの上端側(一部分)が接着され、および接着テープの使用により壁面に固定される。PETフィルムの中心部分のそりが非固定時に計測され、およびそり量が30mm以上であるとき、PETフィルムが「剥離変形を有する」として評価される。そり量が30mm未満であるとき、PETフィルムは「剥離変形なし」として評価される。このようにして得られた評価結果が以下の表1に示されている。
【0129】
【表1】

【0130】
記載の重合性組成物は、米国特許第5,175,030号明細書および同5,183,597号明細書または2004年11月18日に公開された、共譲渡された米国特許出願公開第2004/0229059号明細書、および2005年3月17日に公開された米国特許出願公開第2005/0059766−A1号明細書に記載のものと類似の微細構造化輝度向上フィルムに調製されることができる。
【0131】
記載の重合性組成物(すなわち有機相)は、前述の種類および量の無機(例えば表面変性コロイド状)ナノ粒子と組み合わせることができる。これらの組成物、特に低粘度(コーティング温度で例えば3000cps未満およびより好ましくはコーティング温度で1500cps未満、ただし、コーティング温度は120°F〜180°Fの範囲)を有するものはまた、微細構造化輝度向上フィルムに調製されることができる。
【0132】
微細−プリズム状構造体は、隣接する頂点間の平均距離が約50マイクロメートルであるプリズムの面の傾斜によって規定される、90°頂角を有することができる。プリズム頂点または複数の頂点は、7ミクロン半径の丸みを有することができる。
【0133】
輝度向上フィルムを、比較的低Tg有機相を、以下に記載のとおりの表面変性無機粒子と組み合わせて含む重合性組成物から調製した。
【0134】
薬品説明および供給業者
フェノールチアノーゼ−ウィスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ(Aldrich,Milwaukee,WI)
BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4メチルフェノール)−アルドリッチ(Aldrich)
3−(トリメトキシリル)プロピルメタクリレート−アルドリッチ(Aldrich)
1−メトキシ−2−プロパノール−アルドリッチ(Aldrich)
トリメトキシ(2,4,4−トリメチルペンチル)シラン−ミシガン州エイドリアンのウェイカーシリコーンズ(Waker Silicones,Adrian,MI)
コロイダルシリカ、イリノイ州ベッドフォードパークのナルコ(Nalco,Bedford Park,IL)から、商品名「ナルコ(Nalco)2327」で市販されている
フェノキシエチルアクリレート、ペンシルバニア州エクストンのサルトマー(Sartomer Co.,Exton,PA)から、商品名「SR339」(サルトマー(Sartomer)によって、5℃のTgを有すると報告されている)で市販されている
イソボルニルアクリレート、ペンシルバニア州エクストンのサルトマー(Sartomer Co.,Exton,PA)から、商品名「SR506」(サルトマー(Sartomer)によって、88℃のTgを有すると報告されている)で市販されている
ウレタンアクリレート、(コグニス(Cognis)によって、32℃のTgおよび40%の伸度を有すると報告されている)コグニスコーポレーション(Cognis Corporation)から、商品名「フォトマー(PHOTOMER)6210」で市販されている
ウレタンアクリレート、(サルトマー(Sartomer)によって、−33℃のTgおよび238%の伸度を有すると報告されている)ペンシルバニア州エクストンのサルトマー(Sartomer Co.,Exton,PA)から、商品名「33CN966J75」で市販されている
【0135】
表面変性無機粒子の調製
ナルコ(Nalco)2327(40.2%固形分で400.25g)を1qtジャーに充填した。1−メトキシ−2−プロパノール(450g)、トリメトキシ(2,4,4−トリメチルペンチル)シラン(4.83g)および3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(19.78g)を、攪拌しながらナルコ(Nalco)2327に添加した。およそ500ppmフェノールチアノーゼ/BHTを、3−(トリメトキシリル)プロピルメタクリレートベースで添加した。ジャーをシールし、および80℃に15時間加熱して、表面変性シリカ(21.7%固形分)を得た。
【0136】
樹脂実施例10シリカ粒子/フォトマー(PHOTOMER)6210/フェノキシエチルアクリレート
250mlRBフラスコに、上に調製したシリカ分散体(99g)、1−メトキシ−2−プロパノール(34g)、フェノールチアノーゼ(0.02g)およびBHT(0.02g)を充填した。重量をロータリー蒸発で51gに減量した。1−メトキシ−2−プロパノール(42g)を充填すると共に、重量をロータリー蒸発で53.5gに減量した。フォトマー(PHOTOMER)6210(12.51g)およびフェノキシエチルアクリレート(19.27g)を添加し、および混合して均質な溶液を得た。溶剤をロータリー蒸発で除去した。この一部分(44.9g)を光開始剤(0.25gTPO−L)と混合した。
【0137】
樹脂実施例11シリカ粒子/CN966/イソボルニルアクリレート
500mlのRBフラスコに、上で調製したシリカ分散体(100g)、1−メトキシ−2−プロパノール(100g)、フェノールチアノーゼ(0.02g)およびBHT(0.02g)を充填した。重量をロータリー蒸発で89.37gに減量した。CN966J75(21.6g)およびイソボルニルアクリレート(10.85g)を添加し、および混合して均質な溶液を得た。溶剤をロータリー蒸発で除去した。この一部分(40g)を光開始剤(0.25gTPO−L)と混合した。
【0138】
実施例10および11の樹脂を、プリズム状微細構造化輝度向上光学フィルムに、以下のとおり調製した。
【0139】
ビクイチ(Vikuiti)BEFII(ミネソタ州セントポールの3M(3M Co.,St.Paul,MN)から市販されている)に見出されるプリズム幾何学的形状パターンと類似の、50ミクロンの公称ピッチ間を有する直線的な列の90度プリズムから構成される8インチ×11インチの金属マスターをホットプレート上に置き、および140°Fに加熱した。重合性樹脂の4mLビード(表に規定のとおり)を、使い捨てピペットを用いてマスターツールに適用した。次いで、デュポンテイジンフィルムズ(Dupont Teijn Films)から、メリネックス(MELINEX)623として入手可能な500ゲージPETを、樹脂のビードおよびマスターツール上に置いた。リニアプリズムがフィルムの高ゲイン軸に対しておよそ直角(90°+/−20°)を向くように、PETフィルムを向けた。マスターツール、樹脂およびPETを、次いで、樹脂がマスターツールを完全に充填される一方で、内包された空気を排除するに十分な力で、160°Fで加熱されたニップロールを通過させた。充填されたマスターツールを、次いで、メリーランド州ガイザースバーグのフュージョンUVシステムズ(Fusion UV Systems,Inc.Gaithersburg,MD)から入手可能なP150電源装置を用いて「D−バルブ」からの紫外線に、50fpmのライン速度で2パスで露出させた。PETフィルムを、次いで、手動でマスターツールから除去した。PETフィルム上に形成されたプリズム状コーティングは、およそ25ミクロンのコーティング厚さをもたらした。
【0140】
得られたフィルムのゲインを以下のとおり評価した。
【0141】
ゲイン試験法
フィルムの光学性能を、MS−75レンズを備えたスペクトラスキャン(SpectraScan)(登録商標)PR−650スペクトラカロリメター(SpectraColorimeter)(カルフォルニア州チャッツウォースのフォトリサーチ(Photo Research,Inc,Chatsworth,CA)から入手可能)を用いて計測した。フィルムを、拡散透過型中空ライトボックスの上に置いた。ライトボックスの拡散透過および反射は、ランバート系(Lambertian)であると表記することができる。ライトボックスは、約6mmの厚さの拡散性PTFEプレート製の、およそ12.5cm×12.5cm×11.5cm(L×W×H)と計測される6面中空立方体であった。ボックスの一つのフェイスをサンプル表面として選択する。中空ライトボックスは、サンプル表面(例えば約83%、400〜700nm波長範囲にわたる平均、以下に記載の計測方法)で計測される約0.83の拡散反射率を有していた。ゲインテスト中、ボックスは、ボックスの底の約1cmの円形孔内を通して照射される(サンプル表面の逆、光が内側からサンプル表面に向けられる)。この照射は、マサチューセッツ州マルボロおよびニューヨーク州オーバーンのショットフォステック(Schott−Fostec LLC,Marlborough MAおよびAuburn,NY)製の、約1cm直径のファイバー束延長を備えた光を指向させるために用いられる光ファイバー束(フォステック(Fostec)DCR−IIに取り付けられた安定化広帯域白熱光源を用いて提供される。標準的な直線的な吸収性偏光子(メレスグリオット(Melles Griot)03FPG007などの)が、サンプルボックスおよびカメラの間に載置されている。カメラは、ライトボックスのサンプル表面に、約34cmの距離でフォーカスされており、および吸収性偏光子がカメラレンズから約2.5cmに置かれている。置かれた偏光子で、およびサンプルフィルム無しで計測された、照射されたライトボックスの輝度は>150cd/m2であった。サンプル輝度は、サンプルフィルムがボックスサンプル表面に対して平行に置かれて、サンプルフィルムが全体でボックスと接触しているとき、PR−650により、ボックスサンプル表面の面に対する法線入射で計測される。このサンプル輝度を、ライトボックス単独で同一の方法で計測された輝度と比較することにより、相対ゲインが算出される。迷光源を排除するために、全計測を黒色筐体中において実施した。プリズム状フィルムについて報告された相対ゲイン値は、一般に、吸収性偏光子のパス軸と平行に位置あわせされた吸収性偏光しに最近いフィルムのプリズム溝で得られた。
【0142】
ライトボックスの拡散反射率を15.25cm(6インチ)直径のスペクトラロン(Spectralon)−被覆積分球、安定化広帯域ハロゲン光源、およびラブスフェア(Labsphere)(ニューハンプシャー州サットン(Sutton,NH))によりすべて供給された光源用電源を用いて計測した。積分球は、3つの開放ポート、入力光(2.5cm直径の)用の一つのポート、検出器ポート(2.5cm直径の)として第2の軸に沿って90度で一つ、およびサンプルポート(5cm直径の)として第3の軸に沿って90度で三つ目(すなわち最初の2つの軸に対して直角)を有していた。PR−650分光色彩計(上のものと同一)を約38cmの距離で、検出器ポートにフォーカスした。積分球の反射効率を、ラブスフェア(Labsphere)製の約99%拡散反射率(SRT−99〜050)を有する較正反射率標準を用いて算出した。ラブスフェア(Labsphere)によって標準を較正されており、およびNIST標準(SRS−99〜020−REFL−51)まで追跡可能である。積分球の反射効率を以下のとおり算出した。
球体輝度比=1/(1−Rスフェア(Rsphere)×R標準(Rstandard))
【0143】
この場合の球体輝度比は、サンプルポートを被覆する基準サンプルありで検出器ポートで計測された輝度を、サンプルポートを被覆するサンプル無しで検出器ポートで計測された輝度で除した比である。この輝度比、および較正標準(R標準(Rstandard))の反射率が既知であることにより、積分球の反射効率、Rスフェア(Rsphere)を算出することができる。次いで、この値を類似の式中に再度用いて、サンプルの反射率、この場合PTFEライトボックスが計測される。
球体輝度比=1/(1−Rスフェア(Rsphere)×Rサンプル(Rsample))
【0144】
ここで、球体輝度比は、サンプルポートにサンプルを有する検出器での輝度を、サンプル無しで計測された輝度で除した比である。Rスフェア(Rsphere)は上記式から既知であるため、Rサンプル(Rsample)を算出することができる。これらの反射率を4nm波長間隔で算出し、および400〜700nm波長範囲にわたる平均値として報告した。
【0145】
実施例10および11の樹脂から調製されたプリズム状微細構造化光学フィルムの各々が同一のフィルムの第2の片に積層された、アセンブリを調製した。底部フィルムのプリズムが上部フィルムのプリズムと直交するよう、底部フィルムのプリズム状微細構造化表面を上部フィルムのベース層基材に接触させた。この交差シートアセンブリのゲインをまた計測した。
【0146】
計測した単一シートおよび交差シートゲイン値は、以下のように報告した。
【0147】
重合樹脂組成物 実施例10
単一シート 交差シート
1.495 1.955
【0148】
重合樹脂組成物 実施例11
単一シート 交差シート
1.492 1.992
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】バックライト式液晶ディスプレイにおける本発明の例示的微細構造化物品の概略図である。
【図2】微細構造化表面を備える例示的重合構造体の斜視図である。
【図3】異なる高さのプリズムエレメントを有する例示的微細構造化物品の断面図である。
【図4】異なる高さのプリズムエレメントを有する例示的微細構造化物品の断面図である。
【図5】例示的微細構造化物品の断面図である。
【図6】プリズムエレメントは異なる高さであると共に、異なる面にベースを有する、例示的微細構造化物品の断面図である。
【図7】例示的微細構造化物品の断面図である。
【図8】例示的微細構造化物品の断面図である。
【図9】例示的微細構造化物品の断面図である。
【図10】方向変換フィルムを含む照射デバイスの概略図である。
【図11】方向変換フィルムの断面図である。
【図12】他の方向変換フィルムの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機相および少なくとも10wt%無機ナノ粒子の反応生成物を含む輝度向上重合構造体を含む輝度向上フィルムであって、前記有機相が少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を含む少なくとも1種のオリゴマーまたはモノマー、少なくとも1種の単官能性(メタ)アクリルモノマーを含み、および
前記有機相の反応生成物が35℃未満のガラス転移温度を有する、輝度向上フィルム。
【請求項2】
前記重合構造体が第1の表面に沿って延びる複数の稜を有する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項3】
前記無機粒子の量が約60wt%未満である、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項4】
前記無機ナノ粒子が前記有機相と重合可能である、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項5】
前記無機ナノ粒子がシリカ、ジルコニア、およびこれらの混合物を含む、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項6】
前記無機ナノ粒子が、チタニア、酸化アンチモン、アルミナ、酸化錫、これらの混合金属酸化物、またはこれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項7】
前記一次粒子のサイズが、5〜75nmの範囲にある、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項8】
前記一次粒子のサイズが、10〜30nmの範囲にある、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項9】
前記一次粒子のサイズが、5〜20nmの範囲にある、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項10】
前記組成物が光開始剤を含む、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項11】
前記オリゴマーが、−80℃〜0℃の範囲のガラス転移温度を有するホモポリマーを有するウレタンアクリレートオリゴマーである、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項12】
前記(メタ)アクリルモノマーが、−80℃〜0℃の範囲のガラス転移温度を有するホモポリマーを有する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項13】
前記重合性組成物が、10wt%〜90wt%のウレタンアクリレートオリゴマーを含む、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項14】
前記重合性組成物の粘度が、室温で10cps〜35,000cpsの範囲にある、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項15】
前記重合構造体に光学的に結合されたベース層をさらに含む、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
【請求項16】
前記ベース層が偏光層である、請求項15に記載の輝度向上フィルム。
【請求項17】
(a)発光面を有する照明デバイスと、
(b)前記発光面に対して実質的に平行に配置された請求項1に記載の輝度向上フィルムと
を含む、デバイス。
【請求項18】
前記照明デバイスが、バックライト式ディスプレイデバイスまたは液晶ディスプレイデバイスである、請求項17に記載の前記デバイス。
【請求項19】
前記デバイスが、可搬式デバイス、コンピュータディスプレイおよびテレビ受信機から選択される、請求項17に記載の前記デバイス。
【請求項20】
有機相および少なくとも10wt%無機ナノ粒子の反応生成物を含む重合構造体を含む光方向変換フィルムであって、前記有機相が、
少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を含む少なくとも1種のオリゴマーまたはモノマー、少なくとも1種の単官能性(メタ)アクリルモノマーを含み、および
前記有機相の反応生成物が35℃未満のガラス転移温度を有する、光方向変換フィルム。
【請求項21】
(a)発光面を有する光導波路を有する光源と、
(b)前記光導波路に対して実質的に平行に配置された請求項20に記載の光方向変換フィルムであって、第1の表面および第2の表面および前記第1の表面上に形成されたプリズムアレイを有し、前記光導波路の発光面から出射する光線が前記プリズムアレイに当たり、前記光線が前記第2の表面を介しておよび実質的に所望の角度方向に沿って前記方向変換フィルムから出射するように前記光線が前記プリズムアレイによって反射および屈折されるように前記発光面に対して配置された前記第1の表面と一体で配置された光方向変換フィルムと、
を含む照射デバイスであって、
前記プリズムアレイが、第1のプリズム構成を各々が有する第1の複数のプリズムと、前記第1のプリズム構成とは異なる第2のプリズム構成を各々が有する第2の複数のプリズムとを含み、前記第1のプリズム構成および前記第2のプリズム構成は、前記第2の表面から出射する前記光線を、前記光導波路に入射した前記光線の実質的に均一なサンプリングに対応させるようになっている、照射デバイス。
【請求項22】
有機相および少なくとも10wt%無機ナノ粒子の反応生成物を含み、前記有機相が、少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を含む少なくとも1種のオリゴマーまたはモノマー、少なくとも1種の単官能性(メタ)アクリルモノマーを含み、および前記有機相の反応生成物が35℃未満のガラス転移温度を有する、微細構造化物品。
【請求項23】
前記物品が、プラズマディスプレイパネルまたは再帰反射シートのためのバリアリブの形成に好適な可撓性成形型である、請求項22に記載の微細構造化物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−530346(P2008−530346A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556257(P2007−556257)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/005280
【国際公開番号】WO2006/088930
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】