説明

低下された最大被還元温度を有する、ジルコニウム、セリウムおよび別の希土類の酸化物を含有する組成物、これらの調製方法および触媒の分野におけるこれらの使用

本発明は、ジルコニウム、セリウムおよびセリウムとは異なる別の希土類の酸化物を含有し、50wt%を超えない酸化セリウム含有量ならびに1000℃における6時間の焼成後に500℃を超えない最大被還元温度および少なくとも45m/gの比表面積を有する組成物に関する。この組成物は、ジルコニウム、セリウムおよび別の希土類の化合物を含有する混合物を、塩基性化合物と、100ミリ秒を超えない滞留時間の間連続して反応させ、沈殿を加熱し、焼成前に界面活性剤と接触させるステップを含む方法に従って調製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い最大被還元温度を有するジルコニウム、セリウムおよび少なくとも1種のセリウム以外の希土類の酸化物を含有する組成物、これらの調製方法および触媒分野におけるこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多機能触媒と呼ばれる触媒が、内燃機関の排気ガス処理に使用されている(自動車の二次燃焼触媒作用)。多機能は、具体的には、排気ガス中に存在する一酸化炭素および炭化水素の酸化だけではなく、具体的には、さらにこれらの排気ガス中に存在する窒素酸化物の還元もまた可能な触媒を意味すると理解される(三元触媒)。酸化ジルコニウム、酸化セリウムおよび1種以上の他の希土類の酸化物を含有する生成物は、この触媒型の組成物に入る、今日特に重要でありまた有利な成分であると考えられる。効率のため、これらの成分は、高温、例えば少なくとも900℃に供された後でも、比表面積が大きくなければならない。
【0003】
触媒のこれらの成分に必要とされる別の性質は、被還元性である。本明細書の以降の記載に関して、被還元性は、還元性雰囲気においてそれ自体を還元し、酸化性雰囲気においてそれ自体を再酸化する触媒の能力であると理解される。この被還元性および、結果的に触媒有効性は、先に挙げた生成物を含有する触媒に関して現在非常に高い温度において、最も高い。従って、この温度は一般に、ほぼ550℃である。このように、この温度が低下した触媒、従って、低い温度範囲において十分に作用する触媒が必要性とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本技術分野の現在の状況から、これらの2つの特徴は、多くの場合調和が困難である、即ち、低温における高い被還元性は、一方で比較的小さい比表面積を有すると考えられる。
【0005】
本発明の目的は、大きい比表面積および低温における最大被還元性の組み合わせを有する、この型の組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため、本発明の組成物は、ジルコニウム、セリウムおよびセリウム以外の少なくとも1種の希土類の酸化物を含有し、酸化セリウムの含有量が多くとも50質量%であり、1000℃における6時間の焼成後に、高くとも500℃において最大の被還元温度および少なくとも45m/gの比表面積を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の他の特徴、詳細および有利性は、以下の説明を読むことおよび添付の図面を参照することでより完全となると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の組成物の調製方法を実践するために使用されるリアクターの略図である。
【図2】本発明において特許請求する組成物および比較生成物に関する、プログラムされた温度での還元による、被還元性の測定によって得られたプロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書の以降の記載に関して、比表面積は、「The Journal of the American Chemical Society,60,309(1938)」に記載のBRUNAUER−EMMETT−TELLER法から確立されたASTM規格D 3663−78に従って、窒素吸着により決定された、B.E.T比表面積を意味すると理解される。
【0010】
本明細書に関して、希土類は、イットリウムおよび57から71(57および71を含む)の原子番号を有する周期表の元素により構成されるグループの元素を意味すると理解される。
【0011】
さらに、所与の温度および期間の焼成は、特に明記しない限り、示された期間にわたる安定な温度下の、空気中における焼成に相当する。
【0012】
含有量は、特に明記しない限り、酸化物の質量で示す。酸化セリウム(cerium oxide)は、酸化セリウム(IV)(ceric oxide)の形態であり、他の希土類の酸化物は、Pr11の形態で表されるプラセオジムを除き、Lnの形態であり、Lnは希土類を意味する。
【0013】
本明細書の以降の記載において、特に明記しない限り、示された範囲の限界値は範囲に含まれる。
【0014】
本発明において特許請求する組成物は、それらの成分の性質によって、第1に特徴付けられる。
【0015】
本発明の組成物は、酸化ジルコニウムを含有し、さらに酸化セリウムおよびセリウムを以外の少なくとも1種の希土類の酸化物を含む、混合型酸化物の組成物である。本明細書の以降の記載に関して、簡潔にするために1種のみの希土類が述べられた場合、組成物が幾つかの希土類、特に2種の希土類を含む事例に本発明が適用されることが明確に理解されることを、理解するべきである。
【0016】
セリウム以外の希土類は、より具体的には、イットリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジムまたはガドリニウムの中から選択される。より具体的には、ジルコニウム、セリウム、プラセオジムおよびランタンの酸化物を含有する組成物、ジルコニウム、セリウム、ネオジムおよびランタンの酸化物を含有する組成物、ジルコニウム、セリウム、ランタンおよびガドリニウムの酸化物を含有する組成物ならびにジルコニウム、セリウム、ランタンおよびイットリウムの酸化物を含有する組成物が挙げられる。
【0017】
酸化セリウムの含有量は、多くとも50%、より詳細には多くとも40%である。少なくとも10%、より詳細には少なくとも15%および最も詳細には少なくとも20%が好ましい。従って、酸化セリウムの含有量は、10%から50%の間、詳細には10%から40%の間であってよい。
【0018】
他の希土類の酸化物の含有量、または他の全ての希土類は、概して多くとも30%、より詳細には多くも20%であり、少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、詳細には少なくとも10%である。他の希土類の酸化物の含有量は、詳細には5%から10%の間であってよい。
【0019】
本発明は、ジルコニウム、セリウムおよび少なくとも1種のセリウム以外の希土類の酸化物で基本的に構成される組成物にも関する。このことから、前記組成物が微量成分または不純物として、具体的にはハフニウムなどの他の元素を含み得るが、それらの比表面積および/またはそれらの被還元性に具体的に影響を与え得る他の元素は含まないことが理解される。
【0020】
本発明の組成物は、基本的特徴として、高くとも500℃の最大被還元温度を有するという事実を有する。この最大被還元温度は、より詳細には高くとも480℃、最も詳細には高くとも450℃であってよい。この温度は、概して少なくとも430℃であり、従って、430℃から500℃の間、詳細には450℃から480℃の間であってよい。
【0021】
本組成物の被還元性は、温度の関数として水素を捕捉するそれらの能力の測定により決定される。この測定により、水素捕捉が最も高い温度、言い換えると、セリウムIVのセリウムIIIへの還元もまた最も高い温度に相当する最大の被還元温度が決定される。上記に与えられた値は、特に明記しない限り、1000℃における6時間の焼成に供された組成物について測定される。
【0022】
上記の本発明の組成物はまた、1100℃において4時間の焼成後、高くとも500℃の最大被還元温度を有する。
【0023】
本発明の組成物はまた、特有の比表面積特徴を有する。実際に、本発明の組成物は低下された最大被還元温度を有するが、高温においてもなお、大きな比表面積をさらに提供する。
【0024】
従って、900℃における6時間の焼成後、本発明の組成物は、少なくとも60m/g、より詳細には少なくとも70m/gの比表面積を有し得る。これら同じ焼成条件下で、最大約90m/gの比表面積を得ることができる。
【0025】
さらに、1000℃における6時間の焼成後、本発明の組成物は少なくとも45m/g、より詳細には少なくとも50m/g、最も詳細には少なくとも55m/gの比表面積を有する。これら同じ焼成条件下で、最大約65m/gの値の比表面積を得ることができる。
【0026】
本発明の組成物のさらに有利な特徴は、本発明の組成物が、解凝集(deagglomerated)され得る粒子形態であってよいことである。従って、単純な超音波処理により、これらの粒子は、この処理後に中央径(d50)が、少なくとも30%、より詳細には50%変化することがあり、この変化は100(d50−d’50)/d50の比で表され、d50およびd’50は、それぞれ処理前および処理後の直径を指す。単なる例として、本発明の組成物は、このような処理後の中央径(d’50)が、大きくとも10μm、より詳細には大きくとも8μm、最も詳細には大きくとも6μmの粒子の形態である。
【0027】
本明細書の以降の本記載に示される粒径の値は、Coulterレーザー粒径分析器を使用して、水中に分散され、5分間の超音波処理(120W)に供された粒子の試料について測定される。より正確な測定条件を、明細書の終わりの実施例に示す。
【0028】
本発明の組成物は概して、酸化セリウムおよび他の希土類の純粋固溶体の形態である。セリウムおよび他の希土類は、酸化ジルコニウム中の固溶体に、全体的に存在することが理解される。これらの組成物のX線回折パターンは、これらの組成物内に、正方晶系に結晶化された酸化ジルコニウムの単層に対応する、明確に識別可能な単相の存在を具体的に示し、従って、セリウムおよび他の希土類が、酸化ジルコニウムの結晶ネットワーク内に組み込まれたことを意味し、従って、真の固溶体が得られたことを意味する。本発明の組成物が、高温、例えば少なくとも1000℃における6時間の焼成後でさえ、固溶体のこの特徴を有することに留意されたい。
【0029】
本発明の組成物の調製方法を、ここに記載するものとする。
【0030】
この方法は、以下のステップ:
(a)ジルコニウム、セリウムおよび他の希土類の化合物を含む液体混合物を形成するステップ、
(b)前記混合物を、連続法でリアクターにおいて塩基性化合物と反応させるステップであり、リアクター内の滞留時間が多くても100ミリ秒であり、リアクターから離れた際に沈殿が得られるステップ、
(c)前記沈殿を水性媒体中で加熱するステップであり、媒体は少なくとも5のpHに維持されるステップ、
(d)先のステップにおいて得られた沈殿に、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸およびこれらの塩ならびにカルボキシメチル化脂肪酸エトキシレート型の界面活性剤の中から選択される添加物を加えるステップ、
(e)得られた沈殿を焼成するステップ、
を含むことを特徴とする。
【0031】
本方法の第1のステップ(a)は、従って、組成物を構成する元素、即ち、ジルコニウム、セリウムおよび追加の希土類の化合物の、液体媒体中の混合物を調製することにある。
【0032】
混合物は、概して液体媒体、好ましくは水において作製される。
【0033】
化合物は、好ましくは可溶性化合物である。これは、具体的には、ジルコニウム塩、セリウム塩および希土類の塩であってよい。これらの化合物は、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、硝酸セリウムアンモニウムから選択することができる。
【0034】
例として、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニルおよびオキシ塩化ジルコニルが挙げられる。硝酸ジルコニルは、最も一般的に使用される。例えば、硝酸塩または硝酸セリウムアンモニウムなどのセリウムIV塩もまた、具体的に挙げられ、これらは本発明に特に適している。好ましくは、硝酸セリウムが使用される。少なくとも99.5%、より詳細には少なくとも99.9%の純度の塩の使用が有利である。硝酸セリウム(ceric nitrate)の水溶液は、例えば硝酸を酸化セリウム水和物と反応させることにより得ることができ、この酸化セリウム水和物は、例えば、セリウム(III)の塩、例えば硝酸セリウム(III)(cerous nitrate)の溶液を、過酸化水素の存在下でアンモニアの溶液と反応させることにより従来のように調製される。さらに好ましくは、文献FR−A−2 570 087に記載のように、硝酸セリウム溶液の電解酸化により得られる硝酸セリウム溶液を使用することもでき、これは本発明において有利な原料を構成する。
【0035】
セリウム塩およびジルコニル塩の水溶液は、塩基または酸を添加することによって調整できる特定の初期遊離酸度を有し得ることに留意するべきである。しかし、上述のような特定の遊離酸度を有する、セリウム塩およびジルコニウム塩の初期溶液の使用、またはさまざまな程度にあらかじめ中和された溶液の使用の両方が可能である。塩基性化合物を、先に挙げた混合物に添加し、この酸度を中和し、制限することができる。この塩基性化合物は、例えばアンモニア溶液またはアルカリ性水酸化物(ナトリウム、カリウムなど)であってよいが、アンモニア溶液が好ましい。
【0036】
最終的に出発混合物がセリウムIIIを含有する場合、この方法過程において酸化剤、例えば過酸化水素の使用が好ましいことに留意すべきである。この酸化剤は、ステップ(a)の間、ステップ(b)の間またはステップ(c)の開始時に反応媒体に加えることによって使用することができる。
【0037】
混合物は、例えば、最初に固体化合物をタンク内の水性基剤に加えることによって得ても、またはこれら化合物の溶液から直接得、その後前記溶液を任意の順番で混合しても、どちらでもよい。
【0038】
本方法の第2のステップ(b)において、塩基性化合物を前記混合物に加え、これらを反応させる。水酸化化合物が、塩基または塩基性化合物として使用できる。アルカリ性水酸化物またはアルカリ土類の水酸化物が挙げられる。第2級、第3級または第4級アミンもまた使用できる。しかし、アミンおよびアンモニアは、それらがアルカリ金属陽イオンまたはアルカリ土類金属陽イオンによる汚染の危険性が低減している場合に好ましいと考えられる。尿素もまた挙げられる。塩基性化合物は、より具体的には、溶液の形態で使用することができる。
【0039】
出発混合物と塩基性化合物との反応は、リアクターにおいて連続的である。従って、この反応は、試薬を連続して加え、さらに反応生成物を連続して取り出すことで生じる。
【0040】
この反応は、反応媒体のリアクター内の滞留時間が、多くても100ミリ秒、より詳細には多くても50ミリ秒、好ましくは多くても20ミリ秒であるような条件下で生じる。この滞留時間は、少なくとも5ミリ秒であってよく、例えば10から20ミリ秒の間であってよい。
【0041】
ステップ(b)は、化学量論的に過剰の塩基性化合物を使用し、最大の沈殿収率を確実にすることによって実施することが好ましい。
【0042】
反応は、激しく撹拌しながら、例えば反応媒体が乱流である条件下で実施されることが好ましい。
【0043】
反応は、全般的に室温において実施される。
【0044】
高速ミキサーを、リアクターとして使用できる。
【0045】
高速ミキサーは、具体的には、対称的T型またはY型ミキサー(またはチューブ)、非対称のT型またはY型ミキサー(またはチューブ)、タンジェンシャル−ジェットミキサー、Hartridge−Roughtonミキサー、ボルテックスミキサー、ローター・ステーター・ミキサーの中から選択することができる。
【0046】
対称的T型またはY型ミキサー(またはチューブ)は、一般的に、2つの対向する(T型)チューブまたは180°未満の角度を形成する2つのチューブ(Y型)から構成され、2つのチューブは同じ直径を有し、直径が先の2つのチューブの直径と同じまたはこれより大きな中央チューブに排出する。試薬用の2つの注入チューブは同じ直径および中央チューブに対して同じ角度を有し、対称的な軸によって特徴付けられる装置なので、「対称的」と呼ばれる。好ましくは、中央チューブは、対向するチューブの直径の約2倍ほどの直径を有し、同様に、中央チューブの流速は対向するチューブの流速の半分であることが好ましい。
【0047】
しかし、特に、加えられる両方の液体が同じ流速を有さない場合、非対称なT型またはY型ミキサー(またはチューブ)が、対称的T型またはY型のミキサー(またはチューブ)よりむしろ好ましい。非対称の装置において、一方の液体(一般的に流速の遅い液体)を、より小さいほうの直径を有する側面のチューブを使用して中央チューブに注入する。後者は、一般的に中央チューブと90°の角度を形成し(T型チューブ)、この角度は90°以外であってもよく(Y型チューブ)、他の流れと比較して、並流系(例えば45°の角度)または対向流系(例えば135°の角度)をもたらす。
【0048】
有利なことに、本発明において特許請求する方法において、タンジェンシャル−ジェットミキサー、例えばHartridge−Roughtonミキサーが使用される。
【0049】
図1は、この型のミキサーを示す略図である。このミキサー1は、試薬、即ち、ここではステップ(a)において形成された混合物および塩基性化合物が、別々に(しかし同時に)入る、少なくとも2つのタンジェンシャル流入口3および4、ならびに好ましくは、前記ミキサーの後で順に配列されるリアクター(タンク)に向かって、反応媒体が出ていく、軸方向の排出口5を有するチャンバー2を含む。2つのタンジェンシャル流入口は、チャンバー2の中心軸に対して対称的に対向して配置されることが好ましい。
【0050】
一般的に使用されるHartridge−Roughtonタンジェンシャル−ジェットミキサーのチャンバー2は、円形横断面を有し、好ましくは円筒形である。
【0051】
個々のタンジェンシャル流入チューブは、0.5から80mmの横断面を有する内部の高さ(a)を有する。
【0052】
この内部の高さ(a)は0.5から10mmの間、詳細には1から9mmの間、例えば2から7mmの間であってよい。しかし、特に工業的規模において、内部の高さは10から80mmの間、詳細には20から60mmの間、例えば30から50mmの間であることが好ましい。
【0053】
使用するHartridge−Roughtonタンジェンシャル−ジェットミキサーのチャンバー2の内径は、3aから6aの間、詳細には3aから5aの間、例えば4aに等しく構成されてよく、軸方向の排出チューブ5の内径は、1aから3aの間、詳細には1.5aから2.5aの間、例えば2aに等しく構成されてよい。
【0054】
ミキサーのチャンバー2の高さは、1aから3aの間、詳細には1.5aから2.5aの間、例えば2aに等しく構成されてよい。
【0055】
本方法のステップ(b)において実施される反応は、リアクターから取り出され、ステップ(c)に使用するために回収される沈殿の形成をもたらす。
【0056】
このステップ(c)は、水性媒体中での沈殿を加熱するステップである。
【0057】
この加熱は、塩基性化合物との反応後に得られた反応媒体について直接実施でき、または反応媒体から沈殿を分離し、場合により洗浄し、沈殿を水中に戻した後に得られた懸濁液について実施することができる。媒体を加熱する温度は、少なくとも100℃およびより詳細には少なくとも130℃である。この温度は100℃と200℃の間であってよい。加熱操作は、液体媒体を密閉されたチャンバー(オートクレーブ型の密閉リアクター)に加えることによって実施され得る。上記の温度条件下で、水性媒体において、密閉リアクター内の圧力は、上位値が1bar(10Pa)から165bar(1.65×10Pa)の間、好ましくは5bar(5×10Pa)から165bar(1.65×10Pa)の間で変化してもよいことを、例示として規定できる。加熱は100℃前後の温度において、開放リアクターにおいても実施できる。
【0058】
加熱は空気中、または不活性ガス雰囲気、好ましくは窒素雰囲気において実施される。
【0059】
加熱期間は、広範囲の制限内、例えば、1分から2時間の間で変化してよく、これらの値は単に目安として示している。
【0060】
加熱に供された媒体は、少なくとも5のpHを有する。好ましくはこのpHは塩基性、即ち7より上、より詳細には少なくとも8である。
【0061】
数回加熱することも可能である。従って、加熱ステップおよび場合により洗浄した後に得られた沈殿は再度水に懸濁し、その後得られた媒体を再度加熱することも可能である。この加熱は、最初の加熱に関して記載した条件と同じ条件下で実施される。
【0062】
本方法の次のステップは、2種の変形に従って実施され得る。
【0063】
第1の変形に従って、先のステップにより得られた反応媒体に、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸およびこれらの塩ならびにカルボキシメチル化脂肪族アルコールエトキシレート型の界面活性剤の中から選択される添加剤を加える。この添加剤に関しては、出願WO−98/45212の教示を参照し、この文献に記載された界面活性剤が使用できる。
【0064】
陰イオン性界面活性剤として、以下のものを挙げることができる:エトキシカルボキシレート、エトキシ化またはプロポキシ化脂肪酸、具体的には、ALKAMULS(登録商標)ブランドのもの、式R−C(O)N(CH)CHCOOを有するサルコシネート、RおよびR’がアルキル基またはアルキルアリール基である式RR’NH−CH−COOを有するベタイン、リン酸エステル、具体的にはRHODAFAC(登録商標)ブランドのもの、アルコール硫酸エステル、アルコールエーテル硫酸エステルおよびアルカノールアミドエトキシレート硫酸エステルなどの硫酸エステル、スルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホン酸塩またはアルキルナフタレンスルホン酸塩などのスルホン酸塩。
【0065】
非イオン性界面活性剤として、以下のものを挙げることができる:アセチレン系界面活性剤、エトキシ化またはプロポキシ化脂肪族アルコール、例えばRHODASURF(登録商標)またはANTAROX(登録商標)ブランドのもの、アルカノールアミド、アミンオキシド、エトキシレート化アルカノールアミド、長鎖エトキシレート化またはプロポキシ化アミン、例えば、RHODAMEEN(登録商標)ブランドのもの、エチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマー、ソルビタン誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロールエステルおよびこれらのエトキシ化誘導体、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシレート化油およびエトキシレート化またはプロポキシレート化アルキルフェノール、具体的にはIGEPAL(登録商標)ブランドのもの。IGEPAL(登録商標)、DOWANOL(登録商標)、RHODAMOX(登録商標)およびALKAMIDE(登録商標)のブランド名でWO−98/45212に挙げられた製品もまた、具体的に挙げることができる。
【0066】
カルボン酸に関して、具体的には、脂肪族モノカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸が使用でき、より具体的にはこのグループの飽和酸が使用できる。脂肪酸、より具体的には飽和脂肪酸もまた使用できる。具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、エチル−2−ヘキサン酸およびベヘン酸を挙げることができる。ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸を挙げることができる。
【0067】
カルボン酸の塩、具体的にはこれらのアンモニウム塩もまた使用できる。
【0068】
例として、より具体的には、ラウリル酸およびアンモニウムラウリル酸塩を挙げることができる。
【0069】
最後に、カルボキシメチル化脂肪族アルコールエトキシレートの中から選択された界面活性剤が使用できる。
【0070】
カルボキシメチル化脂肪族アルコールエトキシレート型の製品は、鎖の末端にCH−COOH基を含む、エトキシ化またはプロポキシ化脂肪族アルコールから構成される製品であると理解される。
【0071】
これらの製品は、式:
−O−(CR−CR−O)−CH−COOH
式中、Rは、概して多くとも22個の炭素原子長、好ましくは少なくとも12個の炭素原子長の、飽和または不飽和の炭素鎖を指し、R、R、RおよびRは同じであってもよく、水素を表してもよく、またはRがCH基を表し、R3、およびRが水素を表してもよく、nは50までのゼロ以外の全ての数、より詳細には5から15の間(5および15を含む)である。界面活性剤は、Rがそれぞれ飽和および不飽和であり得る上記の式を有する製品または−CH−CH−O−基および−C(CH)−CH−O−基の両方を含む製品の混合物から構成されていてよいことに留意すべきである。
【0072】
別の変形は、まずステップ(c)による沈殿の分離、その後この沈殿に界面活性剤添加剤を加えることにある。
【0073】
使用する界面活性剤の量は、酸化物として計算される組成物の重量に対する添加剤の重量パーセントとして表し、概して5%から100%の間、より詳細には15%から60%の間である。
【0074】
界面活性剤を加えた後、得られた混合物を、好ましくは、約1時間程度の間撹拌し続ける。その後、場合により、沈殿を任意の公知の手段により液体媒体から分離する。
【0075】
分離した沈殿を、場合により洗浄し、具体的にはアンモニア水で洗浄する。
【0076】
本発明において特許請求する方法の最終ステップにおいて、沈殿を回収し、その後焼成する。この焼成は、形成された生成物の結晶度を増加させるが、生成物の比表面積が焼成に使用する温度の増加に従って減少するという事実を考慮に入れ、本発明において特許請求する組成物のその後の計画された使用のために、温度の関数として、調整および/または選択することができる。このような焼成は、一般的に空気中で実施されるが、例えば、不活性ガスまたは調節された雰囲気(酸化または還元)下で実施される焼成も、明らかに除外されない。
【0077】
実際には、焼成温度は、一般的に300から900℃の間の値の範囲に制限される。
【0078】
焼成により得られた生成物は粉末形態であり、必要であれば、この粉末を構成する粒子に関する所望のサイズに応じて、解凝集または粉砕されてもよい。
【0079】
本発明の組成物は、場合により、さまざまなサイズの顆粒、ビーズ、円筒またはハニカム状に成形されてもよい。
【0080】
本発明のこれらの組成物は、触媒または触媒の担体として使用できる。従って、本発明は、本発明の組成物を含む触媒系にも関する。このような系に関して、これらの組成物は、触媒の分野において通常使用される任意の担体、即ち具体的には熱的に不活性な担体に適用できる。この担体は、アルミナ、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、スピネル、ゼオライト、ケイ酸塩、結晶性シリコンリン酸アルミニウム、結晶性リン酸アルミニウムの中から選択される。
【0081】
本組成物は、例えば、金属モノリスまたはセラミック型の基材上の、触媒特性を有し、これら組成物に基づくコーティング(ウォッシュコート)を含む触媒系にも使用できる。このコーティングは、上述の型などの担体もまた含むことができる。このコーティングは、組成物と担体とを、その後基材上に被覆させ得る懸濁液を形成するように、混合することによって得られる。
【0082】
これらの触媒系およびより具体的には本発明の組成物は、多数の応用を見出すことができる。従って、これらはさまざまな反応、例えば、脱水、ヒドロ硫化(hydrosulfuration)、水素化脱窒素、脱硫、ヒドロ脱硫化(hydrodesulfuration)、脱水素化ハロゲン化、改質、蒸気改質、クラッキング、水素化分解、水素化、脱水素化、異性化、不均化、オキシ塩素化、炭化水素または他の有機化合物の脱水素環化、還元および/または酸化反応、Claus反応、内燃機関の排気ガス処理、脱金属、メタン化、転化、低い排気量で走るディーゼル・エンジンまたはガソリン・エンジンなどの内燃機関から排出される煤煙の触媒酸化の各反応の触媒に、特に適しており、従って使用可能である。これらの触媒系および本発明の組成物は、最終的にNOx捕捉剤として使用される。
【0083】
これらを触媒に使用する場合に、本発明の組成物は、概して貴金属と組み合わせて使用され、従って、本発明の組成物が、これらの金属の担体として機能する。これらの金属の特性およびこれらの金属を担体組成物に組み込む技術は、当業者に周知である。例えば、金属は、白金、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムであってよく、具体的には、含浸法により組成物に組み込むことができる。
【0084】
上記使用法中、内燃機関の排気ガス処理(自動車の二次燃焼触媒作用)は、特に本発明の有利な適用を構成する。従って、本発明は、使用する触媒が上記の触媒系または本発明において特許請求された組成物および以前に記載された組成物であることを特徴とする、内燃機関の排気ガスを処理する方法にも関する。
【実施例】
【0085】
以下に実施例を示すものとする。
【0086】
これらの実施例において、被還元性は、以下の様式でプログラムされた温度において還元を実施することによって測定される。MI−100Altamiraを、シリカリアクターと、空気中で1000℃において6時間または空気中で1100℃において4時間のどちらかで、あらかじめ焼成されている、200mgの試料とを用いて使用する。ガスは、アルゴン中10体積%の水素であり、流速は30ml/分である。温度上昇は10℃/分の割合で、室温から900℃までである。シグナルは、熱伝導率検出器を70mAで用いて検出する。水素の捕捉は、室温におけるベースラインの水素シグナルから900℃におけるベースラインまでの表面積の消失から計算される。温度を、試料の中心に配置された熱電温度計を使用して測定し、得られた曲線から、上で定義された最大被還元温度を推定する。
【0087】
[実施例1]
この実施例は、50%のジルコニウム、40%のセリウム、5%のランタンおよび5%のイットリウムを含む組成物に関し、これらの割合は、酸化物ZrO、CeO、LaおよびYの質量パーセントで表す。
【0088】
硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸ランタンおよび硝酸イットリウムの必要量を、ビーカーに加え撹拌した。容量を、蒸留水を用いて1リットルにし、120g/lの硝酸塩溶液を得た。
【0089】
アンモニア溶液(12mol/l)を、別のビーカーに加えて撹拌し、容量を、蒸留水を用いて合計1リットルにし、沈殿させる陽イオンに対して20%過剰な化学量論のアンモニアを得た。
【0090】
あらかじめ調製した両方の溶液を、持続的撹拌を保持し、入口の高さ(a)が2mmである、図1の型のHartridge−Roughton高速ミキサーに連続して加えた。ミキサーから離れる際のpHは9.5であった。各試薬の流速は30l/時であり、滞留時間は12msであった。
【0091】
このようにして得られた沈殿の懸濁液を、撹拌ローターを備えたステンレススチールのオートクレーブに配置した。媒体の温度は撹拌しながら、1時間125℃にした。
【0092】
このようにして得られた懸濁液に、33グラムのラウリン酸を加えた。懸濁液を1時間撹拌し続けた。
【0093】
その後、懸濁液をBuchner漏斗でろ過し、次いで、ろ過された沈殿をアンモニア水で洗浄した。得られた生成物を、その後700℃にし、4時間保持した。
【0094】
[比較実施例2]
この実施例は、実施例1と同じ組成物に関する。
【0095】
同じ試薬から出発し、1リットルの、硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸ランタンおよび硝酸イットリウムの溶液を調製した。
【0096】
リアクターに、アンモニア溶液(12mol/l)を撹拌しながら加え、蒸留水を用いて合計1リットルにし、沈殿させる硝酸塩に対して20%過剰な化学量論のアンモニアを得た。
【0097】
硝酸塩の溶液を、持続的に撹拌されているリアクターに、1時間にわたって加えた。沈殿後、実施例1と同じ手順を続けた。
【0098】
[実施例3]
この実施例は、実施例1と同じ組成物に関し、同じ条件下で調製されたが、最初のアンモニア溶液が、沈殿させる陽イオンに対して5%過剰な化学量論のアンモニアを有するように調製されることのみが異なっていた。
【0099】
[実施例4]
この実施例は、72%のジルコニウム、21%のセリウム、2%のランタンおよび5%のネオジムを含む組成物に関し、これらの割合は、酸化物ZrO、CeO、LaおよびNdの質量パーセントで表す。
【0100】
硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸ランタンおよび硝酸ネオジムの必要量を、ビーカーに加え撹拌した。容量を、蒸留水を用いて1リットルにし、120g/lの硝酸塩溶液を得た。
【0101】
アンモニア溶液(12mol/l)を、別のビーカーに加え撹拌し、容量を、蒸留水を用いて合計1リットルにし、沈殿させる陽イオンに対して20%過剰な化学量論のアンモニアを得た。
【0102】
あらかじめ調製した両方の溶液を、持続的撹拌を保持し、入口の高さ(a)が2mmである、図1の型のHartridge−Roughton高速ミキサーに連続して加えた。ミキサーから離れる際のpHは9.5であった。各試薬の流速は50l/時であり、滞留時間は7msであった。
【0103】
このようにして得られた沈殿の懸濁液を、撹拌ローターを備えたステンレススチールのオートクレーブに配置した。媒体の温度は、撹拌しながら、1.5時間150℃にした。
【0104】
このようにして得られた懸濁液に、40グラムのラウリン酸を加えた。懸濁液を1時間撹拌し続けた。
【0105】
その後、懸濁液をBuchner漏斗でろ過し、次いで、ろ過された沈殿をアンモニア水で洗浄した。
【0106】
得られた生成物を、その後700℃にし、4時間保持した。
【0107】
[比較実施例5]
この実施例は、実施例4と同じ組成物に関する。
【0108】
同じ試薬から出発し、1リットルの、硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸ランタンおよび硝酸ネオジムの溶液を調製した。
【0109】
リアクターに、アンモニア溶液(12mol/l)を加えて撹拌し、蒸留水を用いて合計1リットルにし、沈殿させる硝酸塩に対して20%過剰な化学量論のアンモニアを得た。
【0110】
硝酸塩の溶液を、持続的に撹拌されているリアクターに、1時間にわたって加えた。
【0111】
沈殿後、実施例4と同じ手順を続けた。
【0112】
以下の表1は、実施例において得られた生成物の特性を示す。
【0113】
【表1】

【0114】
実施例1および5の生成物は、900℃または1000℃における6時間の焼成後に、固溶体の形態であることに留意するべきである。
【0115】
図2は、上記の被還元性の測定を使用して得られた曲線を示す。温度がx軸であり、測定されたシグナルの値がy軸である。最大被還元温度は、曲線の最大ピークの高さに対応する温度である。この図は、比較実施例2および実施例3の組成物に関して得られた曲線を示す。
【0116】
以下の表2は、実施例における生成物に関する粒径の特徴を示す。
【0117】
粒径は、以下の条件下で測定した。
【0118】
装置:Beckman Coulter Laser LS13−320 Particle−Size Analyzer(レーザー回折による粒径分析)
PIDS(偏光強度微分散乱)を用いたFraunhofer Optical Model
試料:質量0.5gの生成物を、超音波処理タンク(AEROSEC Delta 011C7)中で、80mlの容量の1g/lのヘキサメチルホスフェート(HMP)溶液に懸濁した。
【0119】
懸濁液を、タンクを120ワットにおいて5分間駆動させることによって解凝集させた。
【0120】
測定:超音波処理を行った懸濁液および超音波処理を行わなかった懸濁液により2種の測定を実施した。
【0121】
これらの測定に関して懸濁液の試料を超音波処理タンクから採取し、磁気撹拌を維持しながら、粒径分析器に配置した。
【0122】
測定は以下の条件下で実施した:オブスキュレーション<10% PIDS 50%。
【0123】
【表2】

【0124】
初期生成物は、実施例に記載の方法の終了時、即ち、700℃における焼成後に得られた生成物である。
【0125】
処理後の生成物は、初期生成物の超音波処理により得られた生成物である。
【0126】
比較実施例の生成物は、本発明において特許請求する実施例1の生成物とは対照的に、事実上解凝集させることができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジルコニウム、セリウムおよび少なくとも1種のセリウム以外の希土類の酸化物を含有し、多くとも50質量%の酸化セリウム含有量を有する組成物であって、1000℃における6時間の焼成後に高くとも500℃の最大被還元温度および少なくとも45m/gの比表面積を有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
1000℃における6時間の焼成後に、高くとも480℃の最大被還元温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1000℃における6時間の焼成後に、高くとも450℃の最大被還元温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
1000℃における6時間の焼成後に、少なくとも50m/g、より詳細には少なくとも55m/gの比表面積を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
10%から50%の間の酸化セリウム含有量を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
30%、より詳細には多くも20%の他の希土類の酸化物の含有量を有することを特徴とすることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
希土類が、イットリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジムおよびガドリニウムを含む群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
900℃における6時間の焼成後、少なくとも60m/g、より詳細には少なくとも70m/gの比表面積を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
超音波処理により解凝集され得、この処理後に、組成物を構成する粒子が、少なくとも30%、より詳細には少なくとも50%の中央径(d50)の変化を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
1100℃における4時間の焼成後、高くとも500℃の最大被還元温度を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
請求項1から10の一項に記載の組成物の調製方法であって、以下のステップ:
(a)ジルコニウム、セリウムおよび他の希土類の化合物を含む液体混合物を形成するステップ、
(b)前記混合物を、連続法でリアクターにおいて塩基性化合物と反応させるステップであり、リアクター内の滞留時間が多くても100ミリ秒であり、リアクターから離れた際に沈殿が得られるステップ、
(c)前記沈殿を水性媒体中で加熱するステップであり、媒体は少なくとも5のpHに維持されるステップ、
(d)先のステップにおいて得られた沈殿に、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸およびこれらの塩ならびにカルボキシメチル化脂肪酸エトキシレート型の界面活性剤の中から選択される添加物を加えるステップ、
(e)得られた沈殿を焼成するステップ、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
ジルコニウム、セリウムおよび他の希土類の化合物として、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、硝酸セリウムアンモニウムの中から選択される化合物が使用されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
沈殿が、ステップ(c)において、少なくとも100℃の温度において加熱されることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
リアクター内の滞留時間が、多くとも20ミリ秒であること特徴とする、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
請求項1から10の一項に記載の組成物を含むことを特徴とする触媒系。
【請求項16】
触媒として、請求項15に記載の触媒系または請求項1から10の一項に記載の組成物を使用することを特徴とする、内燃機関の排気ガス処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2013−516381(P2013−516381A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547519(P2012−547519)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050206
【国際公開番号】WO2011/083157
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(508183151)ロデイア・オペラシヨン (70)
【Fターム(参考)】