説明

低分子量セルロース混合エステルを含む再仕上げコーティング組成物

a)少なくとも1種の再仕上げコーティング樹脂;b)少なくとも1種の溶媒;c)少なくとも1種の顔料;d)任意に少なくとも1種の架橋剤;e)重量平均分子量(Mw)10,000超を有する少なくとも1種のセルロース混合エステル;およびf)少なくとも1種の低分子量セルロース混合エステル;を含む再仕上げコーティング組成物を提供する。加えて、該再仕上げコーティング組成物を基材上にコーティングする方法もまた提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、セルロース化学の分野に属し、そしてより特別には、低粘度バインダー樹脂およびレオロジー調整剤としてコーティングおよびインク組成物において有用な低分子量セルロース混合エステルに属する。より特別には、本発明は、再仕上げコーティング組成物における低分子量セルロース混合エステルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
自動車再仕上げコーティング組成物は、従来、低固形分の溶媒系の技術を基にしてきた。これは高分子量の樹脂の使用および溶媒の速い蒸発を可能にする。これらの両者は雰囲気条件下での迅速な乾燥を可能にすることによって、自動車修理工場での、汚れが拾い上げられることおよび垂れに関係する問題を最小化できる。しかし、全世界での環境立法は、塗料産業に、従来のコーティング配合物と同様の性能特性を有しより環境に良くより「エコフレンドリー」な製品に向かって移行する試みをもたらしてきた。総固形分量の増大または特定の有機溶媒の水での置き換えは、コーティング製造元がコーティング配合物中の揮発性有機化合物(VOC)を制限できる2つの代替である。
【0003】
高固形分コーティングは、低減された量の溶媒に起因してフィルム収縮度を制限してきたが、水系の系は、標準的な有機溶媒と比べて比較的遅い蒸発速度を有する。よって、自動車再仕上げコーティング市場に向けた挑戦の1つは、従来の溶媒系の低固形分コーティング系で見られるのと同等のアルミニウムフレーク制御を実現する、より新しい技術(高固形分および水系の両者)を作ることである。
【0004】
水系の再仕上げコーティングは、低減された揮発性有機分(VOC)放出を与えるのであるが、この技術を典型的な衝突修理施設で採用することに関して幾つかの挑戦が存在する。これらは、スプレーブースでの気流の変更から、特に水系コーティングを適用するためのスプレー設備の性能改善までに亘る場合がある。水系塗料をスプレーするために修理工場が備えることが必要な追加の対策は増大したレベルの資本投資になる。従って、溶媒系コーティングの継続使用を可能にする(より高レベルの非揮発性分であるが)性能添加剤は、VOC放出を助けるのみでなく、(水系再仕上げコーティングへの)転換コストの回避もし、そして、コーティング組成物中の増大した総固形分に起因するより高いスループットに寄与する。
【0005】
本発明は、再仕上げコーティング組成物における低分子量セルロース混合エステルの使用を提供する。これは塗料の不揮発分量を60%(従来の低固形分溶媒系再仕上げコーティングと比べたときに)上げることができ、更に従来の系と同等の性能を与える。
【0006】
北米での自動車再仕上げコーティングビジネスは、溶媒放出がより低い配合物へ移行するという圧力の下にある。多くの州が、自動車再仕上げ用途について、より低いVOCのコーティングの使用を命じる動きを開始している。従って、コーティング組成物の最終性能特性を妥協することなく、より低いVOC放出を伴う再仕上げコーティング技術を開発するという、満たされていない要求が存在する。低分子量セルロース混合エステルを再仕上げコーティング配合物中に組入れることは、スプレー適用粘度への何らの顕著な影響の原因ともならずに、塗料中の固形分レベルを、(同様の量の従来のセルロースエステル,例えばCAB 381−20セルロースエステル(Eastman Chemical Company製)を有するコーティングと比べたときに)60%という多さで増大させることが見出された。低分子量セルロース混合エステルは、EastmanからDevelopmental Performance Additive(DPA) 2386として得ることができる。再仕上げコーティング組成物中の増大したレベルの固形分は、より低い溶媒放出をもたらすことができ、よってVOCレベルの低減、更に、優れた外観特性を与えることによって修理施設の全体的な生産性の改善をもたらすことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要約
本発明の一態様においては、a)少なくとも1種の再仕上げコーティング樹脂;b)少なくとも1種の溶媒;c)少なくとも1種の顔料;d)任意に少なくとも1種の架橋剤;e)重量平均分子量(Mw)10,000超を有する少なくとも1種のセルロース混合エステル;およびf)少なくとも1種の低分子量セルロース混合エステルであって:
(1)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約0.80〜約1.40、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約1.20〜約2.34;
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3.5;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
(2)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約1.40〜約2.45、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.20〜約0.80、
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
(3)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約1.40〜約2.45、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.20〜約0.80、
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3.5;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
ならびにこれらの低分子量セルロース混合エステルの混合物からなる群から選択される低分子量セルロース混合エステル;
を含む、再仕上げコーティング組成物を提供する。
【0008】
本発明の別の態様において、基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること(ここで該再仕上げコーティング組成物層は該再仕上げコーティング組成物を含む);およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含む方法を提供する。
【0009】
本発明の別の態様において、基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物に適用すること、を含み;該再仕上げコーティング組成物層を、該プライマー層が湿潤しているときに適用し;該再仕上げコーティング組成物層が該再仕上げコーティング組成物を含む、方法を提供する。
【0010】
本発明の別の態様において、基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含み;該クリアコート層を、該再仕上げコーティング組成物層が湿潤しているときに適用し;そして該再仕上げコーティング組成物層が該再仕上げコーティング組成物を含む、方法を提供する。
【0011】
本発明の別に態様において、基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含み;該再仕上げコーティング組成物を、該プライマー層が湿潤しているときに適用し;該クリアコート層を、該再仕上げコーティング組成物が湿潤しているときに適用し;そして該再仕上げコーティング組成物層が該再仕上げコーティング組成物を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、以下の発明の詳細な説明、およびこれに含まれる例を参照することによってより容易に理解できる。
【0013】
主題の本発明の組成物および方法を開示および説明する前に、本発明は、特記がない限り、具体的な合成方法または特定の配合物に限定されず、そしてそのようなものとして開示から変更できることを理解すべきである。用いる述語は特定の態様を説明する目的のみであり、本発明の範囲の限定を意図しないこともまた理解すべきである。
【0014】
単数形"a," "an,"および"the"は、他の明示の特記がない限り複数の対象を包含する。
【0015】
任意の、または任意に、は、後続して説明される事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味する。説明は、事象または状況が生じる場合およびそれが生じない場合を包含する。
【0016】
範囲は、本明細書において約1つの特定値から、および/または約1つの別の特定値まで、と表現できる。このような範囲を表現する場合、別の態様が、1つの特定値から、および/または他の特定値まで、であることを理解すべきである。
【0017】
本件全体を通じ、特許または公開公報が引用される場合、これらの文献の開示はその全部を参照により本件に組入れることが意図されるが、これらが、本発明のが属する分野の状態をより完全に説明するような本明細書の記載と矛盾しないことを条件とする。
【0018】
本開示全体を通じて用いる、CABはセルロースアセテートブチレートを意味し;CAPはセルロースアセテートプロピオネートを意味し;そしてHS−CABは、本発明に係る、本発明の高固形分セルロースアセテートブチレートであって、高い最大置換度、低い重合度、低い固有粘度(IV)、および低い分子量を有するものを意味する。
【0019】
本開示の全体を通じて用いる用語、セルロース混合エステルは、重量平均分子量10,000超を有する従来のセルロース混合エステルを規定するのに用いる。
【0020】
本開示の全体を通じて用いる用語、高固形分セルロース混合エステルは、高い最大置換度、低い重合度、低い固有粘度(IV)、および低い分子量を有するセルロースエステルを意味する。
【0021】
本開示の全体を通じて用いる用語、再仕上げコーティングは、物品をその元の製造(特に自動車産業において)の後にコートするために用いるコーティングを意味する。
【0022】
本開示の全体を通じて用いる用語、高固形分コーティングは、従来のコーティングよりも配合物中のより高い固形分パーセントを有するコーティング組成物を意味し、これは典型的には、コーティング組成物の質量基準で60%またはこれを超える固形分を有するコーティング配合物を意味する。
【0023】
本発明の一態様においては、a)少なくとも1種の再仕上げコーティング樹脂;b)少なくとも1種の溶媒;c)少なくとも1種の顔料;d)任意に少なくとも1種の架橋剤;e)重量平均分子量(Mw)10,000超を有する少なくとも1種のセルロース混合エステル;およびf)少なくとも1種の低分子量セルロース混合エステルであって:
(1)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約0.80〜約1.40、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約1.20〜約2.34;
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3.5;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
(2)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約1.40〜約2.45、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.20〜約0.80、
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
(3)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約1.40〜約2.45、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.20〜約0.80、
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3.5;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
ならびにこれらの低分子量セルロース混合エステルの混合物からなる群から選択される低分子量セルロース混合エステル;
を含む、再仕上げコーティング組成物を提供する。
【0024】
本発明の再仕上げコーティング組成物は、例において示すような再仕上げコーティング用途において優れた外観特性を与える。
【0025】
再仕上げコーティング樹脂は、再仕上げコーティング組成物を製造するために使用できる、コーティング組成物の質量基準で少なくとも60質量%の固形分量を有する、当該分野で公知の任意の樹脂であることができる。本発明の別の態様において、再仕上げコーティング樹脂は、固形分量約60質量%〜約90質量%、または約60質量%〜約80質量%、または約70質量%〜約80質量%、を有する。
【0026】
本発明の一態様において、再仕上げコーティング樹脂は、ポリエステル、ポリオール、ポリエステル−アミド、アルキッド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアミド、アクリル類、ビニルポリマー、ポリイソシアネート、メラミン、フェノール類、尿素樹脂、ウレタン樹脂、およびポリアミドからなる群から選択できる。本発明の一態様において、ポリオールとしては、これらに限定するものではないが、ポリエステルポリオールおよびアクリルポリオールが挙げられる。
【0027】
再仕上げコーティング樹脂の量は、再仕上げコーティング組成物の質量基準で約5質量%〜約90質量%の範囲であることができる。他の範囲は、再仕上げコーティング組成物の質量基準で約20質量%〜約50質量%である。
【0028】
溶媒、顔料、および架橋剤は本開示において後述する。
【0029】
再仕上げコーティング組成物において用いるセルロース混合エステルは、GPCで測定される重量平均分子量10,000超の従来のセルロース混合エステルである。市販のセルロース混合エステルの例は、CAB−171−15,CAB−381−0.1,CAB−381−0.5,CAB−381−20,CAB−551−0.01,およびCAB−551−0.2;であり、これらは全てEastman Chemical Company,Kingsport,Tennesseeから得ることができる。本発明の別の態様において、セルロース混合エステルは、数平均分子量16,000超を有する。本発明の別の態様において、セルロース混合エステルは、重合度(DP)50超を有する。本発明の更に別の態様において、セルロース混合エステルは、インヘレント粘度0.28dL/g超を有する。
【0030】
低分子量セルロース混合エステル(高固形分セルロース混合エステルともいう)は、米国特許第7,585,905号(本明細書の記載と矛盾しない限りにおいて参照により本明細書に組入れる)に記載されている。一態様において、低分子量セルロース混合エステルは、無水グリコール単位当たりの総置換度3.08〜約3.50を有し、そして以下の置換:無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下;無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約0.80〜約1.40、および無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約1.20〜約2.34を有する。この態様に従い、低分子量セルロース混合エステルは、フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および多分散性約1.2〜約3.5;を示す。種々の態様において、低分子量セルロース混合エステルは、ブチリル、またはプロピオニル、または該2種の混合物を含むことができる。
【0031】
種々の代替の側面において、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度は、約0.05〜約0.70であることができ;フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度は約0.05〜約0.12dL/gであることができ;または数平均分子量(Mn)は約1,500〜約5,000であることができる。特定の態様において、多分散性は1.2〜2.5であることができ;インヘレント粘度は0.07〜0.11dL/gであることができ;または数平均分子量(Mn)約1,000〜約4,000であることができる。特定の他の態様において、インヘレント粘度は、約0.07〜約0.11dL/gであることができ;または数平均分子量(Mn)は約1,000〜4,000であることができる。
【0032】
更なる態様において、再仕上げコーティング組成物において用いる低分子量セルロース混合エステルは、無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、そして以下の置換:無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下;無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約1.40〜約2.45、および無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度0.20〜約0.80を有する。本態様に従い、低分子量セルロース混合エステルは、フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および多分散性約1.2〜約3.5;を示す。種々の態様において、低分子量セルロース混合エステルは、ブチリル、またはプロピオニル、または該2種の混合物を含むことができる。
【0033】
種々の代替の態様において、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度は、約0.05〜約0.70であることができ;フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度は約0.05〜約0.12dL/gであることができ;または数平均分子量(Mn)は約1,500〜約5,000であることができる。特定の態様において、多分散性が1.2〜2.5;インヘレント粘度が0.07〜0.11dL/g;または数平均分子量(Mn)が約1,000〜約4,000;であることができる。特定の他の態様において、インヘレント粘度が約0.07〜約0.11dL/g;および数平均分子量(Mn)が約1,000〜約4,000であることができる。
【0034】
更に別の態様において、低分子量セルロース混合エステルは、無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、そして以下の置換:無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下;無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約2.11〜約2.91、および無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度0.10〜約0.50を有する。本態様に従い、低分子量セルロース混合エステルは、フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および多分散性約1.2〜約3.5;を示すことができる。種々の態様において、低分子量セルロース混合エステルは、ブチリル、またはプロピオニル、または該2種の混合物を含むことができる。
【0035】
種々の代替の態様において、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度が約0.05〜約0.70であることができ;フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度が約0.05〜約0.12dL/gであることができ;または数平均分子量(Mn)が約1,500〜約5,000であることができる。特定の態様において、多分散性が1.2〜2.5;インヘレント粘度が0.07〜0.11dL/g;および数平均分子量(Mn)が約1,000〜約4,000;であることができる。特定の他の態様において、インヘレント粘度が約0.07〜約0.11dL/g;および数平均分子量(Mn)が約1,000〜4,000;であることができる。
【0036】
低分子量セルロース混合エステルは、フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度が約0.05〜約0.15dL/g、または約0.07〜約0.11dL/g(以下で更に規定する通り)、および無水グルコース単位当たりの最大置換度が約3.08〜約3.50、および無水グルコース単位当たりの有機エステル(例えば1〜12炭素原子を有するもの、好ましくはC2〜C4アルキルエステル、そしてより好ましくは飽和C2〜C4アルキルエステル)の置換度が約2.38〜約3.50、であることができる。
【0037】
これらの低分子量セルロース混合エステルは、広範囲の溶媒および溶媒ブレンド中に溶解可能であり、米国特許第7,585,903号(これは先に参照により組入れている)に含まれる例において示される通りであり、これらを特別なコーティング配合物に対して特に好適にする。低分子量セルロース混合エステルは、アルキルセルロースエステル,例えばメチルセルロース、またはヒドロキシアルキルセルロースエステル,例えばメチルヒドロキシプロピルセルロースエステルであることができる。しかし、幾つかの態様において、低分子量セルロース混合エステルは、他に変性されていないエステルであり、すなわち、セルロースは、エーテル官能基またはカルボキシル官能基(酸化化学で得られるもの)ではなく、有機エステル官能基の付加のみによって変性されている。所定の特定の新規な低分子量セルロース混合エステルが好ましく、そして本発明の追加の態様として更に提供する。
【0038】
更に別の態様において、低分子量セルロース混合エステルは、最大置換度約3.08〜約3.50、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.01〜約0.70;無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約0.8〜約3.50、無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.05〜約2.00、を有し、そしてフェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/gを有する。種々の代替の態様において、インヘレント粘度が約0.07〜約0.11dL/g、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度が0.10〜0.70;無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度が1.10〜3.25、または無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度が0.05〜0.90であることができる。本態様に従った種々の低分子量セルロース混合エステルは、広範囲の溶媒および溶媒ブレンドにおける溶解性を示す。
【0039】
別の態様において、低分子量セルロース混合エステルは、最大置換度約3.08〜約3.50、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.01〜約0.70、無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約0.8〜約3.50、無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.05〜約2.00を有し、そしてフェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/gを有する。種々の代替の態様において、インヘレント粘度が約0.07〜約0.11dL/g、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度が約0、無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度が2.60〜3.40、または無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度が0.10〜0.90であることができる。これらの態様に係る種々の低分子量セルロース混合エステルは、広範囲の溶媒および溶媒ブレンドにおける溶解性を示す。
【0040】
本発明の別の態様において、低分子量セルロース混合エステルはセルロースアセテートブチレートであり、これは最大置換度約3.08〜約3.50、および無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.01〜約0.70、および無水グルコース単位当たりのブチリルの置換度約0.80〜約3.44、および無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.05〜約2.00を有し、そしてフェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度0.05〜0.15dL/gを有する。種々の代替の態様において、インヘレント粘度が0.07〜0.11dL/g、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度が0.10〜0.70、ブチリルが1.10〜3.25、またはアセチルが0.10〜0.90であることができる。本態様に従った種々の低分子量セルロースアセテートブチレートは、広範囲の溶媒および溶媒ブレンドにおける溶解度を示す。
【0041】
更なる態様として、低分子量セルロース混合エステルはセルロースアセテートプロピオネートであり、これは無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.01〜約0.70、および無水グルコース単位当たりのプロピオニルの置換度約0.80〜約3.44、および無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.05〜約2.00を有し、そしてフェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/gを有する。種々の代替の態様において、インヘレント粘度が0.07〜0.11dL/g、無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度が0.01〜0.70、無水グルコース単位当たりのプロピオニルの置換度が1.10〜3.25、または無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度が0.10〜0.90であることができる。本態様に係る種々の低分子量セルロースアセテートプロピオネートは、広範囲の溶媒および溶媒ブレンドにおける溶解性を示す。
【0042】
セルロースの種々のグレードおよび起源が入手可能であり、そして本発明に係る低分子量セルロース混合エステルを製造するのに有用であり、そしてコットンリンター、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、コーン繊維および他の農業起源、ならびにバクテリアセルロース等からとりわけ選択できる。本発明において用いる低分子量セルロース混合エステルを製造するために用いるセルロース源は、好適な特性を有する製品を得るために重要である。一般的に、溶解グレードセルロースを、本発明の低分子量セルロース混合エステルを製造するための出発物質として用いる。一態様において、溶解グレードセルロースは、α−セルロース量94%超を有する。当業者はまた、異なる起源からのセルロースを用いることは、セルロースの反応性における任意の相違を考えるために反応条件(例えば温度、触媒量、時間)の変更を必要とする場合があることを理解する。
【0043】
特定の態様において、セルロース源は記載の通りの天然セルロースであることができ、そしてセルロース源は変性セルロース(例えばセルロースエーテル、例えばアルキルセルロース)ではないものである。同様に、特定の態様において、セルロース出発物質は、カルボキシアルキルセルロース(例えばカルボキシメチルセルロース)ではなく、または酸官能基を有する任意のセルロース誘導体ではない。これらのセルロース誘導体は、記載した通りの天然由来のセルロースよりも高価であり、そして多くの場合、コーティング配合物(特に相当量の有機溶媒を含有するもの)における使用に対して、より好適でない低分子量セルロース混合エステルをもたらす。これによっても、本発明の再仕上げコーティング組成物において用いる所定の低分子量セルロース混合エステルが酸価約5以下、または約1以下を有する。
【0044】
再仕上げ組成物において使用する低分子量セルロース混合エステルは多段階プロセスによって調製できる。このプロセスにおいて、セルロースは水活性化、次いでアルカン酸(例えば酢酸)での溶媒置換を介した水置換、次いで高級アルカン酸(プロピオン酸または酪酸)での処理をして、適切なアルカン酸で湿潤したセルロース活性化物を得る。次に、セルロース活性化物を所望の無水物で強酸触媒(例えば硫酸)の存在下で処理して、本質的に完全に置換された、従来のセルロースエステルよりも低分子量のセルロースエステルを得る。水およびアルカン酸からなる溶液を無水「ドープ」溶液にゆっくり添加して、組合された硫黄をセルロース骨格から除去できるようにする。最終添加は、水和点を介した遅い転移を可能にして、反応媒体中での低水濃度および高温(過剰の無水物と反応する水による発熱の結果)の時間を与える。これは組合された硫黄のセルロース骨格からの加水分解のために重要である。次いでこの生成物を、硫酸を用いて加水分解して、部分置換セルロースエステルを得る。加水分解は、有機溶媒中でゲル不含有溶液を得るために、そしてコーティング用途における他の樹脂とのより良好な親和性を得るために重要である。加水分解中に露出する水酸基もまた、多くのコーティング用途において重要な架橋部位である。
【0045】
次に、エステル化または加水分解の反応が、ストイキオメトリー量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルカノエート(例えば、酢酸マグネシウム)(水およびアルカン酸(例えば酢酸)中に溶解したもの)の添加によって完了した後に、硫酸を中和する。強酸触媒の中和は、最終生成物の最適な熱安定性および加水分解安定性のために重要である。
【0046】
最後に、完全に置換されているか、または部分加水分解されているかのいずれかの形のセルロースエステルを、最終的な中和された「ドープ」を等体積の酢酸で希釈し、次いで希釈された「ドープ」を、その約20〜30倍の質量である体積の水中に沈殿させることによって、単離して、脱イオン水で容易に洗浄され、残存する有機酸および無機塩を効率的に除去できる粒子を得る。多くの場合において、かなり粘着性の沈殿物が初期に形成される。沈殿物は、沈殿液体を新しい水に交換して沈殿物を置いておくことによって硬くすることができる。硬くされた沈殿物は、次いで容易に洗浄および粉砕(必要に応じて)できる。
【0047】
セルロースエステルの組成物の鍵となる記述子は、種々のエステル基の置換レベル(すなわち、置換度または質量%を一般的に用い、そして本件の他の部分で詳細に議論する)、水酸基のレベル、およびポリマー骨格のサイズであり、これらはIV、粘度およびGPCデータから推測できる。本発明において用いる低分子量セルロース混合エステルの得られる組成物に影響する鍵となる因子は:無水酢酸レベル、酢酸レベル、無水酪(またはプロピオン)酸レベル、酪(またはプロピオン)酸レベル、水レベル、セルロースレベル、触媒種、触媒レベル、時間、および温度である。当業者は、エステル化の間に、より高い触媒量、より高温、および/またはより長い反応時間を用いて、従来のセルロースエステルよりも低い分子量を有する高固形分セルロース混合エステルを生成することを理解するであろう。
【0048】
よって、本発明の再仕上げコーティング組成物において用いる低分子量セルロース混合エステルは多段階プロセスによって調製できる。プロセスにおいて、セルロースは水活性化、次いでアルカン酸(例えば酢酸)での溶媒置換を介した水置換、次いでより高級のアルカン酸(例えばプロピオン酸または酪酸)での溶媒置換をして、適切なアルカン酸(例えばプロピオン酸または酪酸)で湿潤したセルロース活性化物を得る。ここで、出発セルロースが94〜99%のアルファ量、好ましくは約95〜98%のアルファセルロース量を有することが重要であることができる。高アルファ量は、これから調製される最終生成物の品質のために重要であることができる。低アルファセルロース量のパルプが有機溶媒中の悪い溶解性、ひいては悪い配合物を招来することを我々は見出した。
【0049】
次に、活性化されたセルロースを所望の無水物と強酸触媒(例えば硫酸)の存在下で反応させて、完全に置換された、従来のエステルよりも低分子量のセルロースエステルを得る。水およびアルカン酸またはアルカン酸の混合物を含有する溶液を無水「ドープ」溶液にゆっくり添加して、組合された硫黄をセルロース骨格から除去できるようにする。最終添加は、水和点を介した遅い転移を可能にして、反応媒体中での低水濃度および高温(過剰の無水物と反応する水による発熱の結果)の時間を与える。これは組合された硫黄のセルロース骨格からの加水分解のために重要である。次いでこの生成物を、硫酸を用いて加水分解して、部分置換セルロースエステルを得る。加水分解は、有機溶媒中でゲル不含有溶液を得るために、そしてコーティング用途における他の樹脂とのより良好な親和性を得るために重要である。
【0050】
次に、エステル化または加水分解の反応が、ストイキオメトリー量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルカノエート(例えば、酢酸マグネシウム)(水およびアルカン酸(例えば酢酸)中に溶解したもの)の添加によって完了した後に、硫酸を中和する。強酸触媒の中和は、最終生成物の最適な熱安定性および加水分解安定性のために重要である。
【0051】
最後に、完全に置換されているか、または部分加水分解されているかのいずれかの形のセルロースエステルを、最終的な中和された「ドープ」を等体積の酢酸で希釈し、次いで希釈された「ドープ」を、その約20〜30倍の質量である体積の水中に沈殿させることによって、単離して、脱イオン水で容易に洗浄されて残存する有機酸および無機塩を効率的に除去できる粒子を得る。多くの場合において、かなり粘着性の沈殿物が初期に形成される。沈殿物は、沈殿液体を新しい水に交換して沈殿物をおいておくことによって硬くすることができる。硬くされた沈殿物は、次いで容易に洗浄および粉砕(必要に応じて)できる。
【0052】
本開示を踏まえ、当業者は、エステル化の間に、記載する通りのプロセスパラメータ、より高い触媒量、より高温、および/またはより長い反応時間を用いて、従来のセルロースエステルよりも低い分子量を有する高固形分セルロース混合エステルを生成することを容易に理解するであろう。米国特許第7,585,905号(これは先に参照により組入れられている)に含まれる例において更に検証する通りである。
【0053】
本発明において用いる低分子量セルロース混合エステルは、GPCで測定される重量平均分子量Mw、約1,500〜約10,000、または約2,000〜約8,500;GPCで測定される数平均分子量Mn、約1,500〜約6,000;およびMw/Mnで定義される多分散性、約1.2〜約7、または約1.2〜約3.5、または約1.2〜約2.5を有する。
【0054】
本発明に係る高固形分セルロース混合エステル(本明細書においてHS−CABと記載することもある)は、広範囲の共樹脂との親和性を示す。親和性は2種以上の樹脂を互いに混合したときに、再仕上げコーティング組成物として有用である安定な均一混合物を形成する能力として定義する。例えば、約38質量%のブチリルを有するHS−CAB(本明細書でHS−CAB−38と記載することもある)は、EastmanのAcrylamac 2328,Akzo NobelのMicrogel,EastmanのDuramac 2314,BayerのDesmodur 3300,RhodiaのXIDT,およびBayerのDesmodur ILとの親和性を、市販のより高いブチリル量のサンプル(例えばCAB−551−0.01(約55質量%のブチリルを含有するセルロースアセテートブチレート、Eastman Chemical Companyから入手可能))と同等またはこれよりも良好に示す。幾つかの場合において、約38質量%のブチリル、または約55質量%のブチリルを有する高固形分セルロース混合エステルは、1:1 エステル対樹脂の量で、多くの従来の分子量のセルロースエステルと親和性でないアクリル樹脂と親和性である。親和性におけるこのような劇的な変化により、より高ブチリルのCABを親和性の目的で他に必要とするような用途において、配合者が中ブチリルエステル(約38質量%)を用いることが可能になる。
【0055】
高ブチリルエステルに代えて中ブチリルエステルを使用できることの利点は、ブチリルレベルおよびアセチルレベルの他の全ての特性、すなわちヒドロキシル値および分子量が一定に維持される場合、中ブチリルCABがその高ブチリル対応物よりも高いTgを有することである。高ブチリルエステルに対しての、中ブチリルエステルを使用することの別の利点は、中ブチリルの市販のエステルが、しばしば、特定の溶媒および溶媒ブレンドにおいて、これらの高ブチリル対応物よりも溶解性でないことである。この同じ傾向は、中ブチリルHS−CABを、同等の分子量およびヒドロキシル量の高ブチリルHS−CABと比較した場合に一般的に観察される。理論に拘束されるものではないが、中ブチリルおよび高ブチリルのエステルの間で観察される溶解性の差は、トップコートを再仕上げコーティング組成物に適用する場合に特定の低分子量セルロース混合エステルで見られている改善された再溶解耐性の原因の一部であると我々は確信する。改善された親和性と改善された(しかしまた区別される)溶解性との組合せは、コーティング配合科学者にとって有益な利点であると我々は確信する。
【0056】
よって、より高いブチリル量を有する従来のセルロースエステルは、より低いブチリルレベルを有するその対応物よりもより溶解性でより低いTgを有する傾向がある。増大した溶解性の1つの結果は、得られるコーティングの再溶解耐性が負に影響されることである。従来の高ブチリルセルロースエステル(例えばセルロースアセテートブチレート、CAB−551−0.01、Eastman Chemical Companyより製造)の鍵となる利点の1つは、中ブチリルエステル(例えばセルロースアセテートブチレート、CAB−381−0.1、Eastman Chemical Companyにより製造)と比較したときの、多くの共樹脂とのその増大した親和性である。驚くべきことに、中ブチリル、低分子量セルロース混合エステル(HS−CAB−38)が、従来の分子量の高ブチリルセルロースエステル(例えばCAB−551−0.01、Eastman Chemical Companyにより製造)よりも、共樹脂との良好な親和性を有する一方、同様の溶解性を示すことを我々は見出した。結果として、コーティング配合物は、従来のCABの添加によって与えられる粘度の増大に耐えることができない再仕上げコーティング配合物において低分子量セルロース混合エステルを使用できる一方、より高いブチリル量を有する従来のセルロース混合エステルに典型的な再溶解耐性を与えることができる。
【0057】
言及したように、低分子量セルロース混合エステルは、同様に、予測よりも良好な再溶解耐性を特定の系において示す。これは驚くべきことである。高固形分セルロース混合エステルは、従来のセルロース混合エステルよりも低い分子量を有するからである。代わりに、分子量の低下とともに再溶解耐性の低下が見られることが予測されよう。結果として、コーティング配合者は、本発明のエステルを、従来のCABのみの添加によって与えられる粘度の増大に耐えることができない再仕上げ配合物において使用できる一方、必要な再溶解耐性を与えることができる。低分子量セルロース混合エステルを従来のセルロース混合エステルとの組合せで用いることは、追加の溶媒を必要とすることなく再仕上げコーティング組成物におけるより高い固形分を可能にし、そして同様の、そうでなければ改善された外観特性を与える。
【0058】
従来、従来のセルロース混合エステルは、最大置換度(DS)3.0を有すると考えられる。DS3.0は、誘導体化できるセルロース中に3.0の反応性ヒドロキシル基が存在することを示す。天然セルロースは重合度700〜2,000の大きい多糖であり、よって最大DSが3.0であるという前提はほぼ正しい。しかし、重合度が低くなるに従って、多糖骨格の末端基は比較的より重要になる。本発明の再仕上げコーティング組成物において用いる高固形分セルロース混合エステルにおいて、最大DSのこの変化は、特定溶媒中での溶解性および特定コーティング樹脂との親和性が変化することによって、高固形分セルロース混合エステルの性能に影響する。
【0059】
表1は、種々の重合度(DP)でのDSMaxを与える。数学的には、重合度401が、最大DS3.00を有するために必要である。表が示すように、DPの低下とともに生じるDSMaxの増大は遅く、そして殆どの部分では、最大DS3.00が許容可能と仮定する。しかし、DPが十分に低い(例えばDPが21)と、異なる最大DSを全ての計算に対して用いることが適切になる。
【0060】
【表1】

【0061】
本発明の再仕上げコーティング組成物において用いる低分子量セルロース混合エステルは、高い最大置換度と低い重合度とを有し、予期しないことに、大幅に高い重合度を有する従来のセルロースエステルと同様のレオロジー性能を示す。このような低い重合度を有するHS−CABがこのようなレオロジー性能を有することは全く驚くべきことである。
【0062】
低分子量セルロース混合エステルは、これらがレオロジー調整剤および/またはバインダー成分として用いられる再仕上げコーティング組成物中に容易に配合でき、改善されたアルミニウムフレーク配向および改善された硬度を与える。これらは無色透明、高光沢の保護コーティングを種々の(特に金属および木材の)基材に対して与えることができる。
【0063】
低分子量セルロース混合エステルは、殆どの分類の典型的なコーティング溶媒(ケトン、エステル、アルコール、グリコールエーテル、およびグリコールエーテルエステルが挙げられる)中で可溶性である一方、水または芳香族炭化水素での希釈に耐える。
【0064】
典型的な溶媒(この中で低分子量セルロース混合エステルが溶解性を示す)の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルプロピルケトン、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチル3−エトキシプロピオネート、エタノール、メタノールイソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、イソブチルアセテートジエチレングリコールエチルエーテル、Eastman PM アセテート(プロピレングリコールメチルアセテート)、Eastman EB アセテート(エチレングリコールブチルアセテート)、Eastman PM Solvent(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、Eastman DM Solvent(ジエチレングリコールメチルエーテル)、Eastman PB Solvent(プロピレングリコールモノブチルエーテル)、Eastman DE Solvent(ジエチレングリコールエチルエーテル)、Eastman PP Solvent(プロピレングリコールモノプロピルエーテル)、Eastman EP Solvent(エチレングリコールモノプロピルエーテル)、Eastman EB Solvent(エチレングリコールモノブチルエーテル)、Eastman 95% Tecsol C(エタノールおよびメタノール,MIBKおよび酢酸エチル、変性剤として、5%水を有する)、N−メチルピロリドン、Eastman EEP Solvent(エチル3−エトキシプロピオネート)、ならびに他の揮発性不活性溶媒であって典型的にコーティング組成物において用いるもの、が挙げられる。例えば、低分子量セルロース混合エステルの有機溶液は、エステル1部当たり1〜1000部の溶媒を添加することによって調製でき;エステル1部当たり1.5〜9部の溶媒が好ましい。
【0065】
再仕上げコーティング組成物において用いる低分子量セルロースエステルは有効な流動添加剤である。再仕上げコーティング組成物に低分子量セルロースエステルを添加することは、一般的には、硬化/乾燥時のフィルムにおける表面欠陥の排除(すなわち、ピンホールおよびオレンジピールの排除)をもたらす。高DSMax、低DPのセルロースエステルが従来のセルロースエステルに対して有する注目すべき利点は、本発明のエステルが、高固形分コーティング配合物に添加したときの溶液および/またはスプレーの粘度に対して与える影響が最小限であることである。固形分パーセントを増大させることができ、よって配合物のVOCを低減できる。従来のセルロースエステルは、これらの同じ用途において流動添加剤として使用できるが、固形分の低減が、一般的には従来のセルロースエステルの添加に付随するはずである。すなわち、溶媒レベルを増大させて望ましい粘度を維持するようにしなければならない。本発明においては、50質量%以下の従来のセルロース混合エステルを、低分子量セルロース混合エステルとともに用いて、再仕上げコーティング組成物の同様または改善された外観特性を得る一方で、より多くの溶媒を用いないことによってVOCレベルを低減して高固形分コーティングをなお維持する。
【0066】
本発明の一態様において、再仕上げコーティング組成物において用いる低分子量セルロース混合エステルは、29質量%のブチリル(Bu)量および1.5%のヒドロキシ量を有する。
【0067】
再仕上げコーティング組成物中に含有される低分子量セルロース混合エステルの量は、再仕上げコーティング樹脂固形分の質量基準で約0.5質量%〜約50質量%であることができる。他の範囲は、約5質量%〜約40質量%、および約10質量%〜約25質量%である。
【0068】
レオロジー調整剤を再仕上げコーティング組成物中で用いることができる。レオロジー調整剤は、コーティング組成物の流動およびレベリングを変化させることができる当該分野で公知の任意のものであることができる。レオロジー調整剤としては、流動添加剤,例えばワックスが挙げられる。レオロジー調整剤の量は、フィルム形成性ポリマー固形分の質量基準で約0.1質量%〜約3質量%の範囲であることができる。
【0069】
溶媒は、コーティング組成物を製造するための当該分野で公知の任意のものであることができる。溶媒は本開示において先に説明している。本発明の一態様において、溶媒は、エステル、エステルアルコール、ケトン、脂肪族および芳香族の炭化水素、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、およびアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒である。粉末形状の場合、再仕上げコーティング組成物は粉末コーティング組成物として使用できる。溶媒の量は約1質量%〜約99質量%の範囲であることができる。
【0070】
コーティング組成物のこの態様において用いる顔料は、再仕上げ組成物において用いる当該分野で公知の任意のものであることができる。顔料は本開示において後述する。本発明の一態様において、アルミニウムフレークを顔料として用いる。
【0071】
本発明の一態様において、マイクロゲルを再仕上げコーティング組成物中に含ませることができる。再仕上げコーティング組成物のこの態様において用いるマイクロゲルは、当該分野で公知である任意のものである。マイクロゲルは、アルコールを含有するか、またはアルコール不含有であるかのいずれかであることができる非水性分散体である。再仕上げ組成物中に含有されるマイクロゲルの量は、フィルム形成性ポリマー固形分の質量基準で約10質量%〜約40質量%の範囲であることができる。マイクロゲルの商業的な例としては、Microgel 10−1300(Akzo Nobelにより製造)およびR−1623−M3(Corocにより製造)が挙げられる。
【0072】
任意に、再仕上げコーティング組成物はまた、少なくとも1種の架橋剤を含有できる。本発明の一態様において、架橋剤は、イソシアネート、メラミン、およびエポキシからなる群から選択される少なくとも1種を含む。このようなメラミンは、好ましくは、複数の−N(CH2OR)2官能基(式中、RはC1〜C4アルキル、好ましくはメチル)を有する化合物である。一般的に、メラミン架橋剤は、下記式:
【0073】
【化1】

【0074】
(式中、Rは独立にC1〜C4アルキルである)
の化合物から選択できる。
【0075】
ここで、好ましい架橋剤としては、ヘキサメトキシメチルアミン、テトラメトキシメチルベンゾ−グアナミン、テトラメトキシメチルウレア、混合ブトキシ/メトキシ置換メラミン等が挙げられる。最も好ましいメラミン架橋剤はヘキサメトキシメチルアミンである。
【0076】
典型的なイソシアネート架橋剤および樹脂としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、およびトルエンジイソシアネートが挙げられる。
【0077】
架橋剤の量は、用いる再仕上げコーティング樹脂に応じて変えることができる。架橋剤の量は、低分子量セルロース混合エステルおよび再仕上げコーティング樹脂の総質量基準で約5質量%〜約40質量%、または約10質量%〜約30質量%の範囲であることができる。
【0078】
任意の基材物質は、本発明に係る再仕上げコーティング組成物でコートできる。これらとしては、表面,例えばこれらに限定するものではないが、ガラス、セラミック、紙、木材およびプラスチックが挙げられる。本発明の再仕上げコーティング組成物は、金属基材に対して、そして具体的には再仕上げ用途における使用に対して、例えばアルミニウムまたはスチールに対して、特に適合する。基材の種々のブレンド物もまたコートでき、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、アクリルシート、更に他の固体基材がある。再仕上げコーティング組成物は、従来のスプレー装置(例えばエア噴霧ガンまたは静電ベルアプリケーター)を用いて適用できる。
【0079】
低いブチリル量と結び付いた比較的高いTg(110℃)は、VOCレベルに対する悪影響の原因となることなく、低分子量セルロース混合エステルが従来のセルロースアセテートブチレートと極めて類似する性能の利点を与えることを可能にする。高固形分再仕上げコーティング組成物中に低分子量、高固形分のセルロース混合エステルを従来のセルロース混合エステルとともに添加剤レベル(再仕上げコーティング樹脂固形分基準で10質量%以下)で導入することは、同様およびしばしば改善された、再仕上げコーティング組成物の全体外観をもたらした。これらの本発明の再仕上げコーティング組成物は、同様または改善された外観を得て、更にVOC放出を低減するための、コーティング物品におけるその製造後の使用に特に好適である。
【0080】
溶媒は、コーティング組成物を製造するための当該分野で公知の任意のものであることができる。溶媒は本開示において先に説明している。本発明の一態様において、溶媒は、エステル、エステルアルコール、ケトン、脂肪族および芳香族の炭化水素、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、およびアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の選択される有機溶媒である。粉末形状の場合、コーティング組成物は粉末コーティング組成物として使用できる。
【0081】
追加の添加剤を、先に説明した組成物において使用できることが理解され、以下:流動添加剤、レベリング添加剤、湿潤剤および分散剤、消泡剤、接着促進剤、スリップ助剤、皮張り防止剤、UV安定剤、殺生物剤、防カビ剤、殺菌剤、顔料等が挙げられる。
【0082】
溶媒は、有機溶媒または溶媒混合物であることができる。
【0083】
本発明の別の態様において、再仕上げコーティング組成物を製造する方法を提供する。該方法は、少なくとも1種の再仕上げコーティング樹脂、少なくとも1種の溶媒、少なくとも1種の顔料、任意に少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の重量平均分子量10,000超のセルロース混合エステル、および少なくとも1種の高固形分セルロース混合エステルを接触させて再仕上げコーティング組成物を生成することを含む。成分は任意の順序で接触させて再仕上げコーティング組成物を生成できる。
【0084】
本発明の別の態様において、基材をコーティングする方法を提供する。該方法は、少なくとも1種の再仕上げコーティング樹脂、少なくとも1種の溶媒、少なくとも1種の顔料、任意に少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の重量平均分子量10,000超のセルロース混合エステル、および少なくとも1種の高固形分セルロース混合エステルを接触させて、再仕上げコーティング組成物を生成すること;ならびに再仕上げコーティング組成物を基材に適用すること;を含む。
【0085】
本発明の一態様において、基材をコーティングする方法を提供する。該方法は、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物に適用すること、を含み;該再仕上げコーティング組成物層を、該プライマー層が湿潤しているときに適用し;該再仕上げコーティング組成物層が該再仕上げコーティング組成物を含む。
【0086】
本発明の別の態様において、基材をコーティングする方法を提供する。該方法は、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含み;該クリアコート層を、該再仕上げコーティング組成物層が湿潤しているときに適用し;そして該再仕上げコーティング組成物層が該再仕上げコーティング組成物を含む。
【0087】
本発明の別の態様において、基材をコーティングする方法を提供する。該方法は、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含み;該再仕上げコーティング組成物を、該プライマー層が湿潤しているときに適用し;該クリアコート層を、該再仕上げコーティング組成物が湿潤しているときに適用し;そして該再仕上げコーティング組成物層が該再仕上げコーティング組成物を含む。
【0088】
本開示で用いる用語「湿潤」は、液体状態にあること、例えば乾燥していないことを意味する。用語「湿潤」は、コーティングが指触粘着性である場合を包含する。本発明の一態様において、プライマー層は2つ以上のコートで適用できる。本発明の別の態様において、再仕上げコーティング組成物層は2つ以上のコートで適用できる。本発明の別の態様において、クリアコート層は2つ以上のコートで適用できる。本発明の別の態様において、プライマー、再仕上げ、またはクリアコートの複数コート間の時間は約1分間である。
【0089】
本発明の一態様において、プライマー層と再仕上げ層との適用の間の時間は最小2分間である。本発明の別の態様において、プライマー層と再仕上げ層との適用の間の時間は4分間以上である。
【0090】
本発明の一態様において、再仕上げ組成物とクリアコートとの適用の間の時間は最小2分間である。本発明の別の態様において、再仕上げ層とクリアコート層との適用の間の時間は4分間以上である。
【0091】
本発明の再仕上げ組成物中に含有される低分子量高固形分セルロース混合エステルは、プライマーが再仕上げコーティング組成物と混合されること、および再仕上げコーティング組成物がクリアコートと混合されることを防止する助けとなる。
【0092】
別の態様において、コートされた基材は硬化ゾーンに送られる。硬化ゾーンは少なくとも1つのオーブンを収容できる。本発明の一態様において、クリアコート層の適用と硬化ゾーンへの転送との間の時間は最小で約5分間である。別の態様において、時間量は約7〜約10分間である。オーブン温度は約150°F〜約200°Fの範囲で最小で5分間であることができ、これに10分間硬化を約285°Fで続けることができる。
【0093】
本発明の別の態様において、基材をコーティングする方法を提供し、該方法は:a)プライマーを基材に適用してプライマー処理された基材を生成すること;b)該プライマーが湿潤している間に再仕上げ組成物を該プライマー処理された基材に適用して、再仕上げされた基材を生成すること;およびc)該再仕上げ組成物が湿潤している間、そして任意に該プライマーが湿潤している間に、該再仕上げされた基材にクリアコート組成物を適用して、コートされた基材を生成すること;を含む。
【0094】
本発明の更なる側面として、上記再仕上げコーティング組成物は更に1種以上のコーティング添加剤で構成される。このような添加剤は、一般的には、組成物の総質量基準で約0.1〜15質量%の範囲で存在する。このようなコーティング添加剤の例としては、レベリング制御剤、レオロジー制御剤、および流動制御剤,例えばシリコーン、フッ化炭素またはセルロース物質;艶消し剤;顔料湿潤剤および顔料分散剤;界面活性剤;紫外(UV)吸収剤;UV光安定剤;着色顔料;消泡剤および泡止め剤;沈降防止剤、垂れ防止剤および体質剤;皮張り防止剤;色むら防止剤および色浮き防止剤;殺菌剤および防カビ剤;腐食防止剤;増粘剤;または融合剤;が挙げられる。
【0095】
追加のコーティング添加剤の具体例は、Raw Materials Index,(National Paint&Coatings Association,1500 Rhode Island Avenue,N.W.,Washington,D.C.20005により公表)に見出すことができる。
【0096】
艶消し剤の例としては、合成シリカ(Davison Chemical Division of W.R.Grace&Companyから商標名SYLOIDTMで入手可能);ポリプロピレン(Hercules Inc.から商標名HERCOFLATTMで入手可能);合成シリケート(J.M Huber Corporationから商標名ZEOLEXTMで入手可能);およびポリエチレンが挙げられる。
【0097】
分散剤および界面活性剤の例としては、ナトリウムビス(トリデシル)スルホサクシネート、ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムスルホサクシネート、ナトリウムジヘキシルスルホサクシネート、ナトリウムジシクロヘキシルスルホサクシネート、ジアミルナトリウムスルホサクシネート、ナトリウムジイソブチルスルホサクシネート、ジナトリウムイソデシルスルホサクシネート、スルホコハク酸のジナトリウムエトキシ化アルコール半エステル、ジナトリウムアルキルアミドポリエトキシスルホサクシネート、テトラナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホサクシナメート、ジナトリウムN−オクタスルホサクシナメート、硫酸化エトキシ化ノニルフェノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0098】
粘度制御剤、懸濁制御剤、および流動制御剤の例としては、ポリアミノアミドホスフェート、ポリアミンアミドの高分子量カルボン酸塩、および不飽和脂肪酸のアルキルアミン塩(全てBYK Chemie U.S.A.から商標名ANTI TERRATMで入手可能)が挙げられる。更なる例としては、ポリシロキサンコポリマー、ポリアクリレート溶液、セルロースエステル、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアミドワックス、ポリオレフィンワックス、カルボキシメチルセルロース、アンモニウムポリアクリレート、ナトリウムポリアクリレート、およびポリエチレンオキサイドが挙げられる。
【0099】
幾つかの専売泡止め剤が市販で入手可能であり、例えば、商標名BRUBREAK(Buckman Laboratories Inc.のもの),商標名BYKTM(BYK Chemie,U.S.A.のもの),商標名FOAMASTERTMおよびNOPCOTM(Henkel Corp./Coating Chemicalsのもの),商標名DREWPLUSTM(Ashland Chemical CompanyのDrew Industrial Divisionのもの),商標名TRYSOLTMおよびTROYKYDTM(Troy Chemical Corporationのもの),ならびに商標名SAGTM(Union Carbide Corporationのもの)が挙げられる。
【0100】
殺菌剤、防カビ剤、および殺生物剤の例としては、4,4−ジメチルオキサゾリジン、3,4,4−トリメチルオキサゾリジン、改質バリウムメタボレート、カリウムN−ヒドロキシ−メチル−N−メチルジチオカルバメート、2−(チオシアノ−メチルチオ)ベンゾチアゾール、カリウムジメチルジチオカルバメート、アダマンタン、N−(トリクロロメチルチオ)フタルイミド、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、オルトフェニルフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、デヒドロ酢酸、ナフテン酸銅、銅オクトエート、有機ヒ素、トリブチルスズオキサイド、ナフテン酸亜鉛、および銅−8−キノリネートが挙げられる。
【0101】
U.V.吸収剤およびU.V.光安定剤の例としては、置換ベンゾフェノン、置換ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン、およびヒンダードベンゾエート,American Cyanamide Companyから商標名Cyasorb UVで入手可能,およびCiba Geigyから商標名TINUVINで入手可能,およびジエチル−3−アセチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−ホスホネート、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、およびレゾルシノールモノベンゾエートが挙げられる。
【0102】
本開示において、以下の用語は所与の意味を有する:
例および本件全体で用いるMEKはメチルエチルケトンを意味し;MPKはメチルプロピルケトンを意味し;MAKはメチルアミルケトンを意味し;PMアセテートまたはEastmanPMアセテートはプロピレングリコールメチルアセテートを意味し;EBアセテートまたはEastmanEBアセテートはエチレングリコールブチルアセテートを意味し;PMまたはEastmanPMはプロピレングリコールモノメチルエーテルを意味し;DMまたはEastmanDMはジエチレングリコールメチルエーテルを意味し;PBまたはEastmanPBはプロピレングリコールモノブチルエーテルを意味し;DEまたはEastmanDEはジエチレングリコールエチルエーテルを意味し;PPまたはEastmanPPはプロピレングリコールモノプロピルエーテルを意味し;EP溶媒またはEastmanEP溶媒はエチレングリコールモノプロピルエーテルを意味し;EB溶媒またはEastmanEB溶媒はエチレングリコールモノブチルエーテルを意味し;Tecsol C,95%はメタノールを有するエタノールを意味し;MIBKおよび酢酸エチルは5%水を有する変性剤を意味し;NMPはn−メチルピロリドンを意味し;そしてEEP溶媒またはEastmanEEP溶媒はエチル−3−エトキシプロピオネートを意味する。
【0103】
任意の基材物質を、本発明に係る再仕上げコーティング組成物でコートできる。これらとしては、表面,例えば、これらに限定するものではないが、ガラス、セラミック、紙、木材およびプラスチックが挙げられる。本発明の再仕上げコーティング組成物は、金属基材、および特に再仕上げコーティング用途において用いるためのものに特に適合する。再仕上げコーティング組成物は、従来のスプレー装置,例えばエア噴霧ガンまたは静電ベルアプリケーターを用いて適用できる。
【0104】

適用方法:
6種の再仕上げコーティング組成物を配合、調製、および希釈して、iso−粘度を約16秒 フォードカップ4とした。再仕上げサンプルを、地元自動車修理店(Pro Body Shop;Kingsport,TN.)の熟練した塗装者によりスプレー適用した。6つの再仕上げサンプルの各々について、4つのe−コートされたパネルをコートした;(1)アルミニウムSTG Full Curved Panel(部品No.100111−RCP)(供給元 StarTech Services)、更に(3)CRS E−コート 4インチx12インチx0.032インチのフラットパネル(部品No.APR37470)(供給元 ACT Laboratories)。適用作業を開始する前に、全ての基材パネルを、2000グリットサンドペーパーを用いて手でやすりがけし、イソプロパノールで清拭し、スプレーブース内側に移した。再仕上げコーティング組成物の適用における欠点を最小化するために、DuPontタッククロスを用いた全パネルの最終的な拭き取りを修理担当者が適用直前に行った。Sata RP−2000(1.3mm 流体ノズル)ガンを用いて再仕上げコーティング組成物を3コート(コートの間に5分間のフラッシュを伴って)にて適用した。全6種の再仕上げコーティング組成物を続けて72°Fにてスプレー適用した。再仕上げコーティング組成物の適用が完了したならば、トップコートの適用前に30分間のフラッシュ時間を経過させた。各々の再仕上げコーティング組成物サンプルについて(1)フラットパネルを除いて全てのパネルは、修理店で日常的に使用される市販の再仕上げクリアコート(Spies− Hecker 8035)でトップコートした。Sata RP−3000(1.3mm流体ノズル)ガンを用いてクリアコートを1.5コート(コートの間に1分間のフラッシュを伴って)で適用した。クリアコートの適用が完了した時点で、スプレーブース温度を155°Fに上げ、その温度で30分間保持した。30分間のベーク時間に続き、ブースを72°Fまで冷やした。次いで全パネルをスプレーブースから取り出し、脇に置いて、外観データを全パネルについて収集する前に1晩置いた。ドライフィルム厚み、ウェーブスキャン、およびX−riteデータをフラットパネルのみから収集した。カーブしたパネルはディスプレイ目的のみのために適用した。
【0105】
データ収集方法
ウェーブスキャン測定手順:
この検討では、BYK−ガードナーウェーブスキャンデュアル装置を用いて、レーザー光源を用いて、パネルの高光沢表面の光学プロファイルを測定した。追加の赤外高エネルギーLED(これはウェーブスキャンデュアル装置の別の部品である)は、同じ表面スペクトル(0.1〜30mm)を測定した。ウェーブスキャンの然るべき装置によって収集したくすみ測定は、構造<0.1mmに起因する表面の像形成品質の情報を与えた。ASTM D5767−95(2004)“Standard Test Methods for Instrumental Measurement of Distinctness−of−Image Gloss of Coating Surfaces,” ASTM Internationalは標準(これにより参考データを収集した)としての役割を果たした。各実験パネルで3つの読み取りを行った。Wa、Wb、Wc、Wd、We、像の明瞭さ(DOI)、くすみ(Du)、長波(LW)、および短波(SW)についての平均を報告した。
【0106】
X−rite測定手順:
X−rite Model MA68II ポータブルマルチアングルスペクトロメーターを用いて、フロップインデックス値、更に、L*データを、15°、45°、75°および110°の角度で収集した。装置は、与えられた較正標準で、サンプル評価前に較正した。フロップインデックスは、視野角の範囲に亘って回転させたときの金属色の反射率の変化の指標である。フロップインデックスが0であることは、固体色を示し、一方、極めて高いフロップの金属または真珠光沢の再仕上げ/クリアコート色は、フロップインデックス15〜17を有する場合がある。
【0107】
【数1】

【0108】
各データ点の3つの読み取りの平均を報告した。
【0109】
ドライフィルム厚み(DFT)測定手順:
Positector 6000 FN1 コーティング厚みゲージ(s/n 6747)(Paul N.Gardner Co.から入手)を用いて、適用した再仕上げコーティング組成物およびクリアコートの両者のドライフィルム厚みを評価した。装置は、コートされていないE−コートパネル上で値0milにて較正および標準化した。3つの読み取りの平均を、各パネル上の再仕上げコーティング組成物およびクリアコートについて報告した。
【0110】
例において用いた市販物質
Setal 1603 ポリエステル樹脂(Nuplex Resins製)。
Paraloid B−66 アクリル樹脂(Rohm and Haas製)。
DPAセルロース混合エステル(Eastman Chemical Company製)。
Ceratix 8461 ワックス(BYK Additives and Instruments製)。
BYK−306 流動添加剤(BYK Additives and Instruments製)。
Cymel 327 メラミン樹脂(Cytex製)。
CAB381−20およびCAB381−2(Eastman Chemical Company製)。
Eckart 3540 アルミニウムフレーク(Eckart製)。
【0111】
【表2】

【0112】
発明データ
【0113】
【表3】

【0114】
このデータから、再仕上げコーティング組成物の固形分が増大した一方、外観データは比較的一定に維持され、または改善されたことが示される;これにより溶媒の低減が可能になり、これは再仕上げコーティング組成物のVOC分を低減する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種の再仕上げコーティング樹脂;b)少なくとも1種の溶媒;c)少なくとも1種の顔料;d)任意に少なくとも1種の架橋剤;e)重量平均分子量(Mw)10,000超を有する少なくとも1種のセルロース混合エステル;およびf)少なくとも1種の低分子量セルロース混合エステルであって:
(1)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約0.80〜約1.40、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約1.20〜約2.34;
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3.5;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
(2)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約1.40〜約2.45、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.20〜約0.80、
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;
多分散性約1.2〜約3;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
(3)無水グルコース単位当たりの総置換度約3.08〜約3.50を有し、以下の置換:
無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度約0.70以下、
無水グルコース単位当たりのC3〜C4エステルの置換度約1.40〜約2.45、および
無水グルコース単位当たりのアセチルの置換度約0.20〜約0.80、
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときのインヘレント粘度約0.05〜約0.15dL/g;
数平均分子量(Mn)約1,000〜約5,600;
重量平均分子量(Mw)約1,500〜約10,000;および
多分散性約1.2〜約3.5;
を有する低分子量セルロース混合エステル;
ならびにこれらの低分子量セルロース混合エステルの混合物からなる群から選択される低分子量セルロース混合エステル;
を含む、再仕上げコーティング組成物。
【請求項2】
該低分子量セルロース混合エステルのC3〜C4エステルが、ブチリルを含み、そして該低分子量セルロース混合エステルが、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒中の10質量%混合物として明澄溶液を形成する、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項3】
該低分子量セルロース混合エステル中のC3〜C4エステルが、プロピオニルを含む、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項4】
該低分子量セルロース混合エステルにおける無水グルコース単位当たりのヒドロキシルの置換度が、約0.05〜約0.70である、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項5】
フェノール/テトラクロロエタンの60/40(wt/wt)溶液中25℃にて測定したときの該低分子量セルロース混合エステルのインヘレント粘度が約0.05〜約0.12dL/gである、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項6】
該低分子量セルロース混合エステルの数平均分子量(Mn)が、約1,500〜約5,000である、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項7】
該低分子量セルロース混合エステルの多分散性が1.2〜2.5である、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項8】
該低分子量セルロース混合エステル中のC3〜C4エステルが、ブチリルを含み、そして該低分子量セルロース混合エステルが、質量基準で90/10のn−酢酸ブチル/キシレン混合物中の50質量%溶液として粘度6,000センチポイズ以下を示す、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項9】
該低分子量セルロース混合エステルのC3〜C4エステルが、ブチリルを含み、そして該低分子量セルロース混合エステルが、C−11ケトン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メタノール、トルエン、および質量基準で90/10のイソプロピルアルコール/水ブレンド物からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒中の10質量%混合物として明澄溶液を形成する、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項10】
該再仕上げコーティング樹脂が、ポリエステル、ポリエステル−アミド、アルキッド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアミン、アクリル類、ビニルポリマー、ポリイソシアネート、メラミン、フェノール類、尿素樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド、および他のセルロースエステルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項11】
該セルロース混合エステルおよび該低分子量セルロース混合エステルの総量が、再仕上げコーティング組成物の質量基準で約1質量%〜約20質量%の範囲である、請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項12】
該セルロース混合エステルの、該低分子量セルロース混合エステルに対する量が、再仕上げコーティング組成物の質量基準での質量比で50以下:50である、請求項11に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項13】
該セルロース混合エステルの、該低分子量セルロース混合エステルに対する量が、5:95;10:90;15:85;20:80;25:75;30:70;35:65;40:60;または45:55の比である、請求項12に記載の再仕上げコーティング組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物でコートされている、成形または形成された物品。
【請求項15】
基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含む、方法。
【請求項16】
基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物に適用すること、を含み;該再仕上げコーティング組成物層を、該プライマー層が湿潤しているときに適用し;該再仕上げコーティング組成物層が請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物を含む、方法。
【請求項17】
基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含み;該クリアコート層を、該再仕上げコーティング組成物層が湿潤しているときに適用し;そして該再仕上げコーティング組成物層が請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物を含む、方法。
【請求項18】
基材をコーティングする方法であって、a)少なくとも1つのプライマー層を該基材に適用すること、b)少なくとも1つの再仕上げコーティング組成物層を該プライマー層に適用すること、およびc)少なくとも1つのクリアコート層を該再仕上げコーティング組成物層に適用すること、を含み;該再仕上げコーティング組成物を、該プライマー層が湿潤しているときに適用し;該クリアコート層を、該再仕上げコーティング組成物層が湿潤しているときに適用し;そして該再仕上げコーティング組成物層が請求項1に記載の再仕上げコーティング組成物を含む、方法。

【公表番号】特表2012−521481(P2012−521481A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501995(P2012−501995)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/000839
【国際公開番号】WO2010/110859
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】