説明

低含水率茶葉の含水率測定方法及びその装置並びにこれらを用いた製茶加工工程の制御方法

【課題】 低含水率茶葉の含水率を高精度で、且つ低コストで測定することのできる、新規な低含水率茶葉の含水率測定方法及びその装置並びに製茶加工工程の最終段階に位置する精揉工程及び乾燥工程周辺における合理的な制御方法を開発することを技術課題とした。
【解決手段】 マイクロ波の送信機17と受信機18との間にマイクロストリップ線路15から成る伝送路を形成し、このマイクロストリップ線路15上に被測定物を位置させて被処理物の含水率の測定を行う方法において、被測定物を含水率が30%以下の茶葉Aとし、マイクロストリップ線路15にマイクロ波を伝送させて移相量を測定し、このときの被測定物の温度を測定し、移相量と温度とを変数とした関係式Y=aX+bT+c(Yは計測水分、Xは移相量、Tは茶葉の温度、a、b、cは補正値)に基づいて含水率を導出することを特徴として成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製茶加工工程における茶葉の含水率測定手法に関するものであって、特に従来は実施が困難であった精揉工程での高精度な含水率測定を可能にした、低含水率茶葉の含水率測定方法及びその装置並びにこれらを用いた製茶加工工程の制御方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
製茶工場における加工工程は茶葉の乾燥を促す工程が多く占められているものであり、含水率約360%程度(水分ゼロの茶葉の重量を基準とする)の蒸し葉から、最終的に含水率約5%の荒茶を得るまでの揉乾工程が段階的に配置されている。具体的には、葉打ち工程、粗揉工程、揉捻工程、中揉み工程、中揉工程、精揉工程及び乾燥工程等が具えられるものであって、各工程において加工茶葉の含水率を把握することが、良質な製品を得る上で重要な要素となっている。そこでこのための水分計として赤外線水分計やマイクロ波水分計等が用いられ、加工途中の茶葉の含水率計測が行われることにより、各製茶機器の運転条件が制御されている。
【0003】
このような状況の下、本出願人は、加工途中の茶葉の含水率測定を合理的且つ正確に行うことのできるマイクロ波(マイクロストリップ線路)を用いた含水率の測定方法並びに装置を開発し、既に特許として権利化するとともに実用化し、製茶品質の向上に寄与している(特許文献1、2参照)。
ところで製茶加工工程の後半に位置する精揉工程においては、加工中の茶葉の含水率は10〜20%程度にまで低下しており、更に次段に位置する乾燥機で最終的な乾燥が行われることもあり、従来、測定器を用いての含水率測定は行われていなかった。
そこで本出願人は、上述のマイクロ波を用いた含水率の測定技術を応用し、精揉機に具えられる揉手装置にマイクロストリップ線路を取り付けることにより、精揉機による加工中の茶葉の含水率測定を試みている(特許文献3参照)。そしてこのような揉手装置を具える精揉機を、実用上問題のない製品とするためには、部材の新規設計等が必須となるため、本出願人は並行して既存の精揉機に適用することのできる、合理的な含水率の測定手法の研究を継続してきた。
【0004】
また、精揉工程の次段に位置する乾燥工程においては、乾燥機から排出された茶葉の含水率測定が行われ、この値に基づいて乾燥機のフィードバック制御が行われている。因みにこの測定にあっては、茶葉の含水率が10%以下となっているため、マイクロ波の減衰量から含水率を求める手法では減衰信号の変化量が少なすぎて測定精度が著しく低下してしまうこともあり、近赤外線による含水率測定が行われていた。
しかしながら近赤外線による測定は、茶葉の色や形状に影響を受けてしまうため充分な精度が得られているとはいえず、更には近赤外線水分計自体の値段が高価であるといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】特許第3963045号公報
【特許文献2】特許第4019264号公報
【特許文献3】特開2001−165872公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、低含水率茶葉の含水率を高精度で、且つ低コストで測定することのできる、新規な低含水率茶葉の含水率測定方法及びその装置並びに製茶加工工程の最終段階に位置する精揉工程及び乾燥工程周辺における合理的な制御方法を開発することを技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち請求項1記載の低含水率茶葉の含水率測定方法は、マイクロ波の送信機と受信機との間にマイクロストリップ線路から成る伝送路を形成し、このマイクロストリップ線路上に被測定物を位置させて被処理物の含水率の測定を行う方法において、前記被測定物を含水率が30%以下の茶葉とし、前記マイクロストリップ線路にマイクロ波を伝送させて移相量を測定し、更にこのときの被測定物の温度を測定し、これら移相量と温度とを変数とした関係式Y=aX+bT+c(Yは計測水分、Xは移相量、Tは茶葉の温度、a、b、cは補正値)に基づいて含水率を導出することを特徴として成るものである。
この発明によれば、反射の影響を受けない時間信号である移相量を計測するとともに、変数として移相量及び温度を用いることにより、低含水率茶葉の含水率を正確に導出することができる。またこの際に温度補正が行われるため、茶葉を一定の温度まで冷却することなく含水率を導出することができる。
【0008】
また請求2項記載の低含水率茶葉の含水率測定方法は、前記要件に加え、前記被測定物を、精揉機から排出された茶葉とすることを特徴として成るものである。
この発明によれば、精揉機に改変を加えることなく含水率を測定することが可能となるため、低コストでの含水率測定を実現することができる。
【0009】
また請求項3記載の低含水率茶葉の含水率測定装置は、マイクロ波の送信機と受信機との間にマイクロストリップ線路から成る伝送路を形成し、このマイクロストリップ線路上に被測定物を位置させて被処理物の含水率の測定を行う装置において、前記被測定物を含水率が30%以下の茶葉とし、前記マイクロストリップ線路にマイクロ波を伝送させて移相量を測定する機能と、このときの被測定物の温度を測定する機能と、これら移相量と温度とを変数とした関係式Y=aX+bT+c(Yは計測水分、Xは移相量、Tは茶葉の温度、a、b、cは補正値)に基づいて含水率を導出する機能とを具えたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、反射の影響を受けない時間信号である移相量を計測するとともに、変数として移相量及び温度を用いることにより、低含水率茶葉の含水率を正確に導出することができる。またこの際に温度補正が行われるため、茶葉を一定の温度まで冷却することなく含水率を導出することができる。
【0010】
更にまた請求項4記載の低含水率茶葉の含水率測定装置は、前記請求項3記載の要件に加え、前記被測定物を、精揉機から排出された茶葉とするものであり、精揉機から排出された茶葉を乾燥機に向けて搬送するための垂直バケットコンベアにおいて落下してくる茶葉をサンプリングする機構を具えたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、精揉機に改変を加えることなく含水率を測定することが可能となるため、低コストでの含水率測定を実現することができる。
【0011】
更にまた請求項5記載の製茶加工工程の制御方法は、前記請求項2記載の低含水率茶葉の含水率測定方法又は請求項4記載の低含水率茶葉の含水率測定装置によって、精揉機から排出された茶葉の含水率を導出し、この値に基づいて乾燥機をフィードフォワード制御することを特徴として成るものである。
この発明によれば、乾燥機の運転条件を、乾燥機に投入される茶葉が所望の含水率にまで低下するために好適な条件とすることができる。また乾燥機は従来のフィードバック制御ではなく、フィードフォワード制御が行われるため、乾燥機から排出される茶葉の含水率をよりいっそう所望の値に近づけることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低含水率茶葉の含水率を高精度で且つ低コストで測定することができ、また製茶加工工程の最終段階に位置する精揉工程及び乾燥工程周辺における工程の制御を合理的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の「低含水率茶葉の含水率測定方法及びその装置並びにこれらを用いた製茶加工工程の制御方法」の最良の形態の一つは以下の実施例に説明するとおりであり、初めに低含水率茶葉の含水率測定装置1(以下、単に含水率測定装置1と称する。)の構成について説明し、その後この装置を用いた「低含水率茶葉の含水率測定方法」について説明を行うとともに、これらを用いた「製茶加工工程の制御方法」について説明する。
なお以下の実施例に対して、本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
【実施例】
【0014】
図中、符号1で示すものが本発明の含水率測定装置であって、このものは含水率が30%以下の茶葉Aの含水率測定を可能としたものであり、後述するマイクロストリップ線路15上に茶葉Aを位置させるとともにマイクロ波を伝送させて移相量を測定する機能と、この移相量と茶葉Aの温度とを変数とした関係式に基づいて含水率を導出する機能とを具えて成るものである。
【0015】
具体的には図1に拡大して示すように、底板11と、この底板11の両側(図1中、正面とその背面)に立ち上がる対向した一対の側板12と、前記底板11に対向して設けられる押圧板13と、底板11と押圧板13との間に挟まれた排出板14とによって茶葉Aの収容空間10が形成されるものであり、前記底板11に形成されるマイクロストリップ線路15上に茶葉Aを位置させてその含水率の測定が行われるものである。
なお前記押圧板13及び排出板14はそれぞれシリンダ13a、14aによって前後に移動するように構成されている。また押圧板13には、熱電対などを適用した温度センサ13bが具えられる。
【0016】
ここで前記底板11に形成されるマイクロストリップ線路15について詳細に説明すると、このものは、構造的には対称形ストリップ線路の導体板の一つを取り除いたものであるが、電気的には平行二線を変形したものとして考えることのできるマイクロ波伝送路である。そしてその構造は、図3に示すように導体板15aの上方に帯状のストリップ導体15cが位置するものであって、このストリップ導体15cを保持するために、導体板15aと、ストリップ導体15cとの間に誘電体15bがスペーサとして挿入されている。
またマイクロストリップ線路15におけるストリップ導体15c側の面を、絶縁材から成る適宜の保護板16で被覆するものであり、この実施例では保護板16として、厚さ0.5mmのアクリル板を用いた。
【0017】
前記導体板15a及びストリップ導体15cの素材としては、銅、鉄等導電率の高い金属を用いることが好ましいが、ステンレススチール等の耐蝕性に優れた金属を用いることもできる。また前記誘電体15bとしてはシリコーン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等を含んだグラスファイバー、セラミック等が用いられる。
【0018】
またこの実施例においては、電磁波の内、特に2〜4GHz帯の一例として3GHzのマイクロ波を扱うため、この周波数に於けるマイクロストリップ線路15の特性インピーダンスが、送信機17及び受信機18とマッチングするように寸法等が適宜設計される。この実施例では、一例として誘電体15bとして比誘電率εr ≒4.7のガラス繊維入りエポキシを用い、ストリップ導体15cの幅を2〜5mm、ストリップ導体15cと導体板15aの間隔を1〜1.5mmとした。もちろんこれらの数値は誘電体15bの比誘電率εr の値、使用するマイクロ波の周波数等によって変化するものである。
また、使用する電磁波の周波数は、前記2〜4GHz帯のマイクロ波に限定されるものではなく、要は水分に吸収される周波数であれは適宜の高周波を選択することができる。
【0019】
またこの実施例におけるストリップ導体15cの形状は、図4(a)に示すように馬蹄形状に底板11のほぼ全域にわたって引き廻すようにした。
このようなストリップ導体12の引き廻しパターンについては、図4(b)に示すように底板11の二辺に沿ってほぼ全域にわたって引き廻すようにしたり、図4(c)に示すように数カ所で折り返すことにより底板11の全面を通るようにする等、種々の形態が採り得るものである。
そして前記ストリップ導体115cの両端には、適宜のコネクタを介在させてそれぞれ送信機17、受信機18が接続される。
【0020】
ここで本発明の含水率測定装置1の測定原理について説明しておく。
前記送信機17からマイクロストリップ線路15にマイクロ波が送出されると図3に示すように、ストリップ導体15cの下面から導体板11に向かって電界(図中の実線)が生じ、ストリップ導体15cを中心とした磁界(図中の破線)が生じる。また縁端効果によってストリップ導体15cの上面縁端から導体板11に向かって電界が生じる。そしてこのような状態でマイクロ波はマイクロストリップ線路15中を進行するものであり、やがて受信機18に到達することなる。
このとき、ストリップ導体15c上に茶葉Aが位置している場合には、水分によってマイクロ波の一部が吸収されるため、受信機18によって受信されるマイクロ波のレベルは、送信機17から出力されたレベルよりも低下することとなり、この減衰量をもとに茶葉Aの含水率を算出することができるものである(例えば背景技術で例示した特許文献1、3)。
【0021】
また受信機18によって受信されるマイクロ波は、茶葉Aに含まれる水分の量に応じて位相が変化するものであり、この移相量と前記減衰量との双方から茶葉Aの含水率を算出することもできる(例えば背景技術で例示した特許文献2に開示された手法による)。
ところがこのような手法では、60〜80%の高含水率の茶葉Aの含水率は高精度で測定することができるものの、30%以下の低水分の茶葉Aでは測定誤差が大きくなり、正しい値を算出することができなかった。
そこで本出願人は、前記マイクロストリップ線路15を用いて30%以下の低水分の茶葉Aの含水率を高精度で測定することのできる手法について案出することに成功したものであり、以下その手法について説明する。
【0022】
ここで前記移相量とは、前記送信機17から送出されたマイクロ波の位相と、受信機18によって受信されたマイクロ波の位相とのズレを電圧値として定量化したものであって、マイクロストリップ線路15上に位置する茶葉Aの含水率が高い程その値(ズレ)も大きくなるものである。なお移相量は図4(a)に示すように、送信機17から送出されたマイクロ波の位相と、受信機18によって受信されたマイクロ波の位相とを比較することができるように設けられた算出手段19によって求められるものである。
そしてこのような移相量をXとし、測定時の茶葉Aの温度をTとし、計測水分をYとすると、Y=aX+bT+cという検量線が求められる(a、b、cは補正値)。なお温度補正無しの場合はY=aX+bという検量線が求められる。
そして求められた検量線による、計測水分と実際の含水率との関係は、図5のグラフに示すとおりであり、温度補正有の方が、温度補正無よりも実際の含水率に近い値が求められることが確認された。
このように、反射の影響を受けない時間信号である移相量及び茶葉Aの温度を計測することにより、前記検量線に基づいて低含水率の茶葉Aの含水率を正確に導出することができる。特にこの際に温度補正が行われるため、茶葉Aを一定の温度まで冷却することなく含水率を導出することができる。
【0023】
そしてこの実施例において前記含水率測定装置1は、一例として図1に示すように、製茶工場における精揉機3と乾燥機5との間に配される垂直バケットコンベヤ4に対して具えられるものであり、垂直バケットコンベヤ4内を落下してくる茶葉Aをサンプリングするためのサンプリング装置2が併設される。
前記垂直バケットコンベヤ4は図2に示すように、下部に形成された受入口41に供給された茶葉Aを、バケットコンベヤ43によって上部に移送して排出口42から排出するように構成されたものである。そして前記排出口42の上方に取込口21が形成され、ここから受入口41の上方に至るシュート22が設けられるものであり、前記取込口21はシリンダ23a及び適宜のリンク機構によって回動するように構成された開閉板23によって開閉状態が選択されるものである。
また前記シュート22の途中(この実施例では垂直部分)に前記含水率測定装置1が配されるものであり、収容空間10の一部(開放部)がシュート22内の移送空間に突出するように設置される。
なおこのようなサンプリング装置2は、既存の垂直バケットコンベヤ4に僅かな改造を加えるだけで後付けすることができるため、低コストでの含水率測定を可能とするものである。
【0024】
本発明の含水率測定装置1並びにその周辺機器は一例として上述したように構成されるものであり、以下この装置を用いた本発明の「低含水率茶葉の含水率測定方法」について説明を行うとともに本発明の「製茶加工工程の制御方法」について説明する。
【0025】
〔茶葉の取り込み〕
まず図1に示すように、製茶加工ラインにおける精揉機3による処理が済んだ茶葉Aは、バイブレーションコンベヤ30上に排出されるとともに、垂直バケットコンベヤ4によって上昇コンベヤ40に投入され、ここから乾燥機5に供給されて乾燥処理が施される。そしてこのような茶葉Aの移送の際に、前記垂直バケットコンベヤ4において落下してくる茶葉Aの一部をサンプルとして抽出する。
具体的には図6(a)に示すように、排出板14を後退させ、押圧板13を上昇させることにより、収容空間10の前面(図5中右側)が開放された状態とする。
そしてこの状態で図2(b)に示すように、サンプリング装置2の開放板23を倒して取込口21を開放状態とすることにより、バケットコンベヤ43によって排出口42に向けて放たれた茶葉Aの一部がシュート22内に取り込まれる。
シュート22内に取り込まれた茶葉Aは、シュート22内を下降する途中で図6(b)に示すように含水率測定装置1における収容空間10に入り込むものであり、所定量が取り込まれた時点で開放板23を起こして取込口21を封鎖状態とする。
【0026】
〔マイクロ波による計測〕
次いで図6(c)に示すように押圧板13を下降させて茶葉Aをマイクロストリップ線路15に所定の圧力で押し付けるとともに、送信機17からマイクロ波を送出する。そして、この送出波の位相と、受信機18によって受信された受信波の位相とから、算出手段19によって移相量Xが算出され、更にこの移相量X及び温度センサ13bによって測定された茶葉Aの温度Tから求められた検量線に基づいて含水率が導出される。
因みに精揉機3から排出された茶葉Aの含水率は、10〜20%程度となっている。
【0027】
〔乾燥機の制御〕
そして求められた含水率の値に基づいて乾燥機5をフィードフォワード制御するものであり、通常、製茶工場で使用される乾燥機5にあっては温度と風量とを一定にし、処理時間を調節することにより乾燥度合いを調整するものが用いられるため、この処理時間を含水率の値に応じて調整することにより、茶葉Aを所望の乾燥状態とすることができる。
なお求められた含水率の値に基づいて精揉機3をフィードバック制御するようにしてもよい。
【0028】
〔茶葉の排出〕
次いで図6(d)に示すように、押圧板13を上昇させるとともに、押出板14を進行させて、マイクロストリップ線路15上の茶葉Aをシュート22に向けて押し出し、次の測定に備える。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の含水率測定装置及びこのものが設置される製茶加工ラインを示す側面図である。
【図2】垂直バケットコンベヤ及びサンプリング装置を一部透視して示す側面図及び正面図である。
【図3】マイクロストリップ線路の横断面図である。
【図4】ストリップ導体の種々の引き回し形態を示す平面図である。
【図5】検量線による計測水分と実際の含水率の関係を示すグラフである。
【図6】測定にあたっての押圧板及び押出板の動きを段階的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 含水率測定装置
10 収容空間
11 底板
12 側板
13 押圧板
13a シリンダ
13b 温度センサ
14 排出板
14a シリンダ
15 マイクロストリップ線路
15a 導体板
15b 誘電体
15c ストリップ導体
16 保護板
17 送信機
18 受信機
19 算出手段
2 サンプリング装置
21 取込口
22 シュート
23 開閉板
23a シリンダ
3 精揉機
30 バイブレーションコンベヤ
4 垂直バケットコンベヤ
40 上昇コンベヤ
41 受入口
42 排出口
43 バケットコンベヤ
5 乾燥機
A 茶葉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波の送信機と受信機との間にマイクロストリップ線路から成る伝送路を形成し、このマイクロストリップ線路上に被測定物を位置させて被処理物の含水率の測定を行う方法において、前記被測定物を含水率が30%以下の茶葉とし、前記マイクロストリップ線路にマイクロ波を伝送させて移相量を測定し、更にこのときの被測定物の温度を測定し、これら移相量と温度とを変数とした関係式Y=aX+bT+c(Yは計測水分、Xは移相量、Tは茶葉の温度、a、b、cは補正値)に基づいて含水率を導出することを特徴とする低含水率茶葉の含水率測定方法。
【請求項2】
前記被測定物を、精揉機から排出された茶葉とすることを特徴とする請求項1記載の低含水率茶葉の含水率測定方法。
【請求項3】
マイクロ波の送信機と受信機との間にマイクロストリップ線路から成る伝送路を形成し、このマイクロストリップ線路上に被測定物を位置させて被処理物の含水率の測定を行う装置において、前記被測定物を含水率が30%以下の茶葉とし、前記マイクロストリップ線路にマイクロ波を伝送させて移相量を測定する機能と、このときの被測定物の温度を測定する機能と、これら移相量と温度とを変数とした関係式Y=aX+bT+c(Yは計測水分、Xは移相量、Tは茶葉の温度、a、b、cは補正値)に基づいて含水率を導出する機能とを具えたことを特徴とする低含水率茶葉の含水率測定装置。
【請求項4】
前記被測定物を、精揉機から排出された茶葉とするものであり、精揉機から排出された茶葉を乾燥機に向けて搬送するための垂直バケットコンベアにおいて落下してくる茶葉をサンプリングする機構を具えたことを特徴とする請求項3記載の低含水率茶葉の含水率測定装置。
【請求項5】
前記請求項2記載の低含水率茶葉の含水率測定方法又は請求項4記載の低含水率茶葉の含水率測定装置によって、精揉機から排出された茶葉の含水率を導出し、この値に基づいて乾燥機をフィードフォワード制御することを特徴とする製茶加工工程の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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