説明

低密度オープンセル有機発泡体、低密度オープンセル炭素発泡体およびこれらの調製方法

【課題】低密度オープンセル有機発泡体および低密度オープンセル炭素発泡体ならびにこれらの調製方法を提供すること。
【解決手段】有機ゲルを調製するための方法であって、該方法は以下の工程:(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および(b)該反応混合物を加熱して、該有機ゲルを形成する工程、を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、ゲル、発泡体およびエーロゲルの一般的な分野に関する。より詳細には、本発明は、低密度オープンセル(open cell)有機発泡体および低密度オープンセル炭素発泡体ならびにこれらの調製方法に関する。より詳細には、本発明は、従来の触媒濃度(例えば、約2000よりも大きいR/C値であって、これは、典型的に、約6.0よりも低い開始室温pHを生じる)よりも低い触媒濃度を使用して、ヒドロキシル化ベンゼン(例えば、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンおよびフロログルシノール)ならびにアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、フルフラール、グルタルアルデドおよびグリオキサール)から調製される有機ゲルから誘導される低密度オープンセル有機発泡体、ならびにこれらの調製方法に関する。これらの有機発泡体は、比較的大きい粒子および細孔サイズ、高い空隙率、ならびに大きい表面積によって特徴付けられる。本発明はまた、このような有機発泡体から誘導される低密度オープンセル炭素発泡体、ならびにこれらの調製方法に関する。これらの炭素発泡体はまた、比較的大きいセルサイズ、高い空隙率、大きい表面積、および高い静電容量によって特徴付けられる。本発明はまた、低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体、およびそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
本出願を通して、種々の刊行物、特許および発行された特許出願が、引用を同定することによって参照される;これらの文書についての十分な引用は、請求の範囲のすぐ前の本明細書の最後に見出され得る。本出願において参照される刊行物、特許および発行された特許明細書の開示は、本開示に参考としてここに援用され、本発明が属する分野の状況をより十分に記載する。
【0003】
ゲルは、液体に及ぶ連続的な3次元網目構造(framework)から生じる固体様の挙動を示す独特なクラスの物質である。この網目構造は多機能性連結を介して相互接続された分子からなる。これらの連結は、例えば、共有架橋、結晶化、イオン相互作用、水素結合、または鎖のもつれ合いから形成され得る。いくつかの場合において、連結形成は可逆性であり、そしてゲルは温度変化の際に液体様の挙動に復帰する。
【0004】
ゲルは種々の用途のために合成されてきた。例えば、ゲルはタンパク質混合物の電気泳動において、クロマトグラフィーパッキング材料として、およびコンタクトレンズ材料として使用されてきた。ゲルはまた、他の生成物を生成するために、中間体として使用されてきた。例えば、ゲルは高モジュール繊維、メンブレン、金属酸化物セラミックおよび低密度物質の製造において使用されてきた(これらはしばしば、発泡体、エーロゲルおよびキセロゲルと称される)。
【0005】
発泡体、エーロゲルおよびキセロゲルの命名法は、しばしば、任意で、わかりにくく、および一貫していない。これらの用語は、一般に、多孔性、低重量、相対的に低密度の物質に関する。
【0006】
一般的に、用語「発泡体」は、しばしば、物質(この物質とは、液体または固体であり得る)中の気泡の分散体として慣用的におよび単純に特徴付けられ得る低密度多孔性物質をいうために称される。発泡体は、種々の用途において広範な利用性を見出す。例えば、有機ポリマーから形成される発泡体は、断熱材、建設、濾過および関連産業における使用を見出す。
【0007】
発泡体はしばしば、閉鎖型セル発泡体またはオープンセル発泡体として慣用的に分類される。閉鎖型セル発泡体は、主に、そこに取り込まれた気体が容易には抜け出せ得ない密閉された細孔容量を有することにより特徴付けられる。閉鎖型セル発泡体の一般例はポリスチレンである。対照的に、オープンセル発泡体は、主に、密閉されていない、そしてしばしば、相互接続している、そしてそこから取り込まれた気体が抜け出し得、また、再び進入し得る、細孔容量を有することにより特徴付けられる。
【0008】
種々のクラスのオープンセル発泡体が、いくらか、任意に同定されてきた。用語「エーロゲル」は、相互接続したコロイド様の粒子または繊維状鎖から成る透明な、低密度の、大きい表面積の多孔性固体により特徴付けられる1つのクラスのオープンセル発泡体を同定するために、しばしば使用される。これらの物質は、約100nm未満の寸法を有する形態学的な構造(例えば、粒子サイズおよび間隔、孔サイズおよび間隔)によって特徴付けられる。結果として、これらの物質は視覚的に透明である。
【0009】
エーロゲルはまた、その多孔性の性質により特徴付けられる(例えば、細孔サイズ分布):典型的には、これらは、ミクロ孔、中間細孔およびマクロ孔を有する。ミクロ孔は、一般的に、約2nm未満の寸法を有する細孔を含む;これらは、しばしば、個々の粒子内または粒子間に孔である。一般に、中間細孔は約2〜約50nmの寸法を有する孔である;しばしば、これらは粒子または粒子の鎖の間の間隔に関連する。エーロゲルにおいて、一般に、マクロ孔は約50nm〜約100nmの寸法を有する孔である。エーロゲルの大きい表面積(例えば、300〜1000m/g)は多孔性ナノ構造のためである。
【0010】
用語「キセロゲル」は、多くの点でエーロゲルに類似する(例えば、低重量、多孔性、大きい表面積および透明)が、特に、エーロゲルよりも著しく高密度である、別のクラスのオープンセル発泡体を同定するために、しばしば、使用される。この方法において、しばしば、キセロゲルは緻密化したバージョンのエーロゲルとして記載される;すなわち、ここでこの物質は収縮して、粒子および粒子の鎖が互いにより近接するようになる。それゆえ、キセロゲルは、しばしば、粒子の圧密ならびに粒子および粒子の鎖の間の間隙の除去によるマクロおよび中間細孔の数の減少により特徴付けられる。キセロゲルについて観察される表面積(しばしば、500m/gほどの大きさである)は、主に、個々の粒子内および粒子間の多数のミクロ孔の結果である。
【0011】
別のクラスのオープンセル発泡体(しばしば、単に「発泡体」として称される)は、不透明であること、および低密度および比較的大きい表面積を有することにより特徴付けられる多孔性固体である。これらの物質は、一般に100nmより大きい寸法を有する、いくつかの形態学的な構造(例えば、粒子サイズおよび間隔、孔サイズおよび間隔)により特徴付けられる。結果として、これらの物質は視覚的に不透明である。
【0012】
重要なクラスの有機発泡体は、アルデヒドを用いる、置換(例えば、ヒドロキシル化、しばしば、ポリヒドロキシル化)芳香族化合物の重縮合により形成されるゲルから誘導され得る。他の化学的に結合したゲルのように、得られた有機ゲルの小さいセル/孔サイズ(典型的には約50nm未満)は、有機エーロゲルを生じるために、複雑で、集約的で、そして高価な乾燥方法を必要とする。簡単なエバポレーションによって溶媒が除去される場合、液−気界面での大きな毛細管力が、ゲルを収縮または亀裂を生じさせて、実質的に緻密化かつ所望でない生成物を生じる。
【0013】
この制限を克服するために、乾燥を行うための新規の方法が開発されてきた。細孔液体の超臨界抽出法(例えば、エバポレーションによる)を使用することによって、明らかにセル/細孔に及ぶ表面張力はなくなり、そして乾燥したエーロゲルは出発ゲルの元々の形態の大部分を保つ。例えば、Pekala,1989a(非特許文献1)を参照のこと。このようにして、水含有ゲルの細孔中の水はアセトンと交換されてアセトン含有ゲルを形成する;次いで、アセトン含有ゲル中のアセトンは液状二酸化炭素と交換され、これは次いで、超臨界条件下(例えば、CO臨界温度=31℃、臨界圧=7.4mPa)で除去されて乾燥有機エーロゲルを生成する。あるいは、特定の有機ゲルは、しばしば、例えば、溶媒交換によって乾燥され得る。例えば、Mayerら、1995a(特許文献1)を参照のこと。この方法において、水含有ゲルの細孔中の水はアセトンと交換されてアセトン含有ゲルを形成する;次いで、アセトン含有ゲル中のアセトンはシクロヘキサンと交換される;次いで、シクロヘキサン含有ゲルの孔中のシクロヘキサンは簡単なエバポレーションによって除去されて乾燥有機エーロゲルを生成する。
【0014】
重要なクラスの有機ゲル(これはエーロゲルおよびキセロゲルを生成することに努力の焦点があった)は、ヒドロキシル化ベンゼン−アルデヒドゲルである;すなわち、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒドおよびフルフラール)を用いる、フェノール、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノンおよびフロログルシノールのようなヒドロキシル化ベンゼン化合物の重縮合により得られるゲル。特に、一般例はレゾルシノール−ホルムアルデヒド(すなわち、RF)ゲルである。例えば、Pekala、1989a、1989b、1991および1992(非特許文献1、特許文献2〜4)を参照のこと。
【0015】
レゾルシノール(これは1,3−ジヒドロキシベンゼン(すなわち、C(OH))としてもまた、称される)は、フェノール(すなわち、COH)の典型的な反応のほとんどを、しかし、2−,4−,および6−環位での増強された電子密度のためにかなり速い速度で受ける。フェノールに類似するレゾルシノールは、アルカリ条件下でホルムアルデヒド(すなわち、CHO)と反応して付加型および縮重型生成物の混合物を形成することが公知である。原則的な反応は以下を含む:(1)レゾルシノールのヒドロキシメチル(−CHOH)誘導体の形成、および(2) 化合物と架橋したメチレン(−CH−)およびメチレンエーテル(−CHOCH−)を形成するための、ヒドロキシルメチル誘導体の縮合。
【0016】
レゾルシノール−ホルムアルデヒドポリマー(いわゆるRFポリマー)は、レゾルシノールモノマーがメチレンおよびメチレンエーテル架橋によって結合されて化学的に架橋したネットワークを形成する場合に形成され得る。
【0017】
簡単な例を以下に図示する。
【0018】
【化1】

レゾルシノール−ホルムアルデヒド反応(しばしば、RF反応として称される)は、通常、水溶液中で行われる。レゾルシノール(白色固体)は、通常、ホルムアルデヒド水溶液(37.6重量%の水性ホルムアルデヒドが広く市販されている)に溶解されて、そして適切な触媒(例えば、炭酸ナトリウム(NaCO))が、しばしば、希釈水溶液として添加される。いくつかの場合、酸触媒(例えば、トリフルオロ酢酸)が使用される。この溶液は穏やかに加温されてゲル化反応を開始し、そして化学的に架橋したRFゲルを形成する。ゲルが適切に処方される場合、しばしば、ゲルを乾燥させてRFエーロゲルを得ることが可能であるが、超臨界抽出、臨界未満のエバポレーションおよび溶媒交換法のような、複雑で、集約的で、そして高価な方法を使用することによってのみ可能である。
【0019】
炭素発泡体、およびより詳細には約100mg/cm未満の密度および約25ミクロン未満のセルサイズを有する炭素発泡体は、不活性雰囲気(例えば、Nまたはアルゴン)下での有機ポリマーエーロゲルの熱分解を含む、種々の方法を使用して調製されてきた。例えば、Kong、1991a、1991bおよび1993(特許文献5〜7)を参照のこと。主に、高い電気伝導度のために、炭素発泡体はエネルギー保存デバイス(例えば、コンデンサーおよびバッテリー)、燃料電池および静電容量脱イオンデバイスのような電極適用に広範な用途を見出されている。例えば、Pekalaら、1995a(特許文献8);Mayerら、1994、1995b、1995c、1996、1997(特許文献9〜13);Kashmitterら、1993,1996(非特許文献14〜15);およびBockら,1996(非特許文献2)を参照のこと。炭素発泡体はまた、濾過媒体、触媒支持体および構造的媒体を含む種々の他の適用において用途を見出されている。
【0020】
同様に、いったん得られた乾燥RFエーロゲルは、しばしば、不活性雰囲気(例えば、Nまたはアルゴン)下での熱分解によって炭素エーロゲルへと変換され得る。このような炭素エーロゲルは、電気的に伝導性であり、そして特に、エネルギー保存のための、または容量性脱イオンのため(例えば、Pekalaら、1995b(非特許文献3)を参照のこと)の2層コンデンサー中の電極として有用である。静電容量適用において有用である炭素エーロゲルは、典型的には相互接続した炭素粒子からなる多孔性炭素マトリクスを有し、そして粒子内および粒子間に見出される多数のミクロ細孔および中間細孔によって主に特徴付けられる。
【0021】
炭素エーロゲルはRF有機エーロゲル(熱分解を介して)から誘導されるので、RFエーロゲルの構造が炭素エーロゲルの特性に影響を与えることが予想される。原則的に、炭素エーロゲルの粒子サイズおよび細孔構造は、RFエーロゲルの微細構造を模倣する。
【0022】
RFエーロゲルの形態に影響を与える重要なパラメーターは、反応パラメーター「R/C」の値であり(これは以下により詳細に議論される)、この値は[レゾルシノールまたはその機能的等価物]のモル濃度を[触媒]のモル濃度で割ったものである。高い触媒濃度(例えば、R/C 約50)で、非常に小さいRF粒子(例えば、約9nm)が形成される一方、低い触媒濃度(例えば、R/C 約900)で、大きいRF粒子が(例えば、約65nm)が形成される。また、高い触媒濃度(例えば、R/C 約50)で、大きい表面積(例えば、約900m/g)が見出される一方、低い触媒濃度(例えば、R/C 約300)で、より小さい表面積(例えば、約390m/g)が見出される。高い触媒濃度で見出される大きい表面積は、多数の非常に小さい粒子の形成により説明され得る。より高い触媒濃度(例えば、R/C<300〜400)で、RFゲルは透明かつ均一であり、そして色が暗赤色であるが、可視光に対してなお透明である乾燥RFエーロゲルを生じる。より低い触媒濃度(例えば、R/C>300〜400)で、有機ゲルは、典型的には不透明であり、そして可視光に対して透明ではない乾燥有機エーロゲルを生じる(これは可視光を散乱する大きな粒子および細孔空間の形成に起因する)。これらは透明ではないので、後者の物質は約100nmより大きな粒子および/または細孔部位を有さねばならず、そして、しばしば結果として、もはやエーロゲルであるとみなされない。
【0023】
低触媒濃度(高R/C)で調製されたRFエーロゲルについて、炭素エーロゲルの表面積は、得られたRFエーロゲルの表面積よりも大きいことが観察されている(例えば、Pekalaら、1982(非特許文献4)を参照のこと)。この表面積における増加は粒子サイズにおける減少および熱分解の間に揮発性副産物が放出される場合のさらなる細孔の形成に起因することが示唆されている。この傾向は、高触媒濃度(低R/C)で調製されたRFエーロゲルについては逆転される。なぜならば、すでに粒子は非常に小さいので代わりに乾留の間に縮合(これは表面積の損失を導く)される傾向があるからである。
【0024】
中間細孔領域(2〜50nm)における粒子の表面のみが、炭素エーロゲルのエネルギー保存特性の増加を与える電気的二重層の形成の原因であることが示唆されている(例えば、Mayerら、1993(非特許文献5)を参照のこと)。この方法において、ほとんどまたは全く中間細孔を有さない物質(例えばキセロゲル)は非常に低い静電容量を有するが、一方で多数の数の中間細孔を有する物質は、しばしば、大きな静電容量を有する。約40%w/v以上の固体含量を有するRFエーロゲルから誘導(熱分解を介して)された炭素エーロゲルは、7nm以下の中間細孔分布を有する(Tranら、1996(非特許文献6))。RF誘導炭素エーロゲルの静電容量は500mg/cm以上の密度でピークに達することが観察されている。
【0025】
ヒドロキシル化ベンゼン(例えば、レゾルシノール)およびアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)からエーロゲルを形成するための公知の方法において、有用な生成物(例えば、乾燥エーロゲル)がゲルから得られ得るように、pHおよび固体含量のような反応パラメーターは、注意深く制御される。すなわち、反応パラメーターは、得られるゲルが首尾良く乾燥されて本来のゲルの形態の多くを保持するエーロゲルを形成し得るように、注意深く制御される。
【0026】
例えば、低触媒濃度(高R/C、開始室温pH6.0未満)を使用して形成されたRFゲルは、乾燥した場合に、大きい粒子および大きい細孔/セルサイズにより特徴付けられ、そして一般にエーロゲルであるとみなされていない不透明の物質を形成する物質を生じることが報告されている。従って、従来と異なった反応パラメーターを使用して形成されたRFゲルはRFエーロゲルおよびそれらの関連する炭素発泡体の形成において有用ではないと一般的に考えられている。これは主に、このようなゲルが所望でない形態を有するか、または乾燥した場合にその形態を保持し得ないと考えられるかのいずれかのためである。低密度オープンセル発泡体の分野における努力の多くが、透明なゲルから常に誘導されるエーロゲルおよびキセロゲルに向けられてきた。結果として、典型的に不透明なゲルを導く反応条件下で形成されたゲルの調製および/または乾燥にはほとんど興味が向けられておらず、そしてエーロゲルの特性の多くを有する発泡体を生じるこのような不透明なゲルにはほとんど期待が向けられなかった。
【0027】
従来的な方法において、反応混合物のpHの範囲(これは主に触媒の濃度によって決定される)は、注意深く制御されて反応混合物pH(これは6.5〜7.4の狭い範囲にある)を生じる。典型的に、反応パラメーター(R/C)(これはヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル数の、触媒のモル数に対する比であり、それゆえ反応混合物のpHを決定するのを助ける)は、約50〜約400であるように選択される。また、従来的な方法において、固体含量は注意深く制御される。典型的には、反応パラメーター(R、これは反応混合物中における、総容量に対するヒドロキシル化ベンゼン化合物およびアルデヒドの重量%である)は、約5%〜40% w/vになるように選択される。
【0028】
これらの従来的な方法および反応パラメーターを使用して、(たとえ、複雑で、集約的で、そして高価な方法を使用したとしても)首尾良く乾燥されて有機エーロゲル、および熱分解した場合には炭素エーロゲル(この両方は、透明(炭素エーロゲルを除く)、大きい表面積、超微細粒子サイズおよび多孔性のような典型的なエーロゲル特性を有する)を生じ得るゲルが得られる。しかし、これら従来のゲルは水細孔流体のような高表面張力溶媒の単純なエバポレート乾燥に耐えることができない。単純なエバポレート乾燥の際に、このゲルは収縮または亀裂がはいる。得られた生成物は本来のゲルの形態を保持しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第5,420,168号明細書
【特許文献2】米国特許第4,873,218号明細書
【特許文献3】米国特許第4,997,804号明細書
【特許文献4】米国特許第5,086,085号明細書
【特許文献5】米国特許第4,992,254号明細書
【特許文献6】米国特許第5,047,225号明細書
【特許文献7】米国特許第5,232,772号明細書
【特許文献8】国際公開第95/06002号パンフレット
【特許文献9】米国特許第5,358,802号明細書
【特許文献10】米国特許第5,402,306号明細書
【特許文献11】米国特許第5,393,619号明細書
【特許文献12】米国特許第5,508,341号明細書
【特許文献13】米国特許第5,626,977号明細書
【特許文献14】米国特許第5,260,855号明細書
【特許文献15】米国特許第5,529,971号明細書
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Pekala, 1989a,”Organic Aerogels from the Polycondensation of Resorcinol with Formaldehyde,”J. Materials Science, Vol. 24, pp. 3221−3227.
【非特許文献2】Bock et al., 1996,”Kohlenstoff−Aerogele−Nanoporose, Elektrisch Leitfahige Materialien,”GDCH Monographien, Bd. 3, pp. 471−480.
【非特許文献3】Pekala et al., 1995b,”Electrochemical Behavior of Carbon Aerogels Derived from Different Precursors,”Mat. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 393, pp. 413−419.
【非特許文献4】Pekala et al., 1982,”Resorcinol−Formaldehyde Aerogels and Their Carbonized Derivatives,”Polymer Preprints, Vol. 39, pp. 221−223.
【非特許文献5】Mayer et al., 1993,”The Aerocapacitor: An Electrochemical Double−Layer Energy−Storage Device,”J. Electrochem. Soc., 1993, Vol. 140, pp. 446−451.
【非特許文献6】Tran et al., 1996,”A Comparison of the Electrochemical Behavior of Carbon Aerogels and Activated Carbon Fiber Cloths,”Mat. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 431, pp. 461−465.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明者らは、とりわけ、従来のパラメーターの外側に動かすことによって、より詳細には、より低い触媒濃度(すなわち、約2000よりも大きいR/C値(これは約6.0よりも低い開始室温pHを生じる))へと動かすことによって、硬化した場合に強力な有機ゲルを生じる新規の有機ゲルが得られることを見出した。これらの新規な有機ゲルは、従来的な反応パラメーターを使用して生成されたゲルとは異なり、超臨界エバポレーション、臨界未満エバポレーションまたは溶媒交換法のような、複雑で、集約的で、そして高価な乾燥方法を必要とすること無く、細孔中に含有される溶媒水の単純な(および安上がりな)エバポレート乾燥に充分耐えることができるほど頑丈である(これはおそらく、大きなサイズのセルおよび細孔空間に起因する)。得られる独特の低密度オープンセル有機発泡体は、エーロゲルに関連した多くの有用な特性を有する。このようにして、新規の低密度オープンセル有機発泡体が得られ、これは比較的大きな粒子および細孔サイズ、高い空隙率ならびに大きい表面積によって特徴付けられる。これらの有機エーロゲルは熱分解されて新規の低密度オープンセル炭素発泡体を形成し得、これらはまた、比較的大きな粒子および細孔サイズ、高い空隙率、大きい表面積によっても特徴付けられ、そして高い静電容量によってさらに特徴付けられる。
【0032】
発明の簡単な説明
本発明はゲル、発泡体およびエーロゲルの一般的分野に関する。より詳細には、本発明は、低密度オープンセル有機発泡体および低密度オープンセル炭素発泡体ならびにそれらの調製方法に関する。より詳細には、本発明は、従来よりも低い触媒濃度(例えば、約2000よりも大きいR/C値、これは典型的に約6.0よりも低い開始室温pHを生じる)を使用して、ヒドロキシル化ベンゼン(例えば、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンおよびフロログルシノール)ならびにアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、フルフラール、グルタルアルデドおよびグリオキサール)から調製される有機ゲルから誘導される低密度オープンセル有機発泡体に関する。低密度オープンセル有機発泡体を調製する方法もまた、議論される。これらの有機発泡体は、比較的大きな粒子および細孔サイズ、高い空隙率ならびに大きい表面積によって特徴付けられる。本発明の重要な局面は、新規ではない溶媒除去工程(例えば、雰囲気エバポレート水分除去(atmospheric evaporative water removal))を包含する。
【0033】
本発明はまた、このような有機発泡体から誘導される低密度オープンセル炭素発泡体、ならびにこれらの低密度オープンセル炭素発泡体の調製方法に関する。炭素発泡体もまた、比較的大きいセルサイズ、高い空隙率、大きい表面積、および高い静電容量によって特徴付けられる。本発明はまた、低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体、およびそれらの複合体の生成方法に関する。
【0034】
明らかとなるように、本発明の1つの局面の好ましい特徴および特性が本発明の任意の他の局面に適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
発明の詳細な説明
A.有機ゲルの調製のための方法
本発明の有機ゲルは、触媒の存在下、所定の反応パラメーター(例えば、R/CおよびR)の値によって決定される特定の反応条件下で、1つまたはそれ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物と1つまたはそれ以上のアルデヒドとの重縮合によって、調製される。この方法において、有機ゲルが得られ、これは、相対的に大きい粒子および細孔のサイズによって特徴付けられ、そしてこれは、溶媒の水(solvent water)の単純な蒸発乾燥を切り抜けて残存し、低密度オープンセル(open cell)有機発泡体を得る。大きい粒子および細孔のサイズは、乾燥の間、毛細管力を最小にすることを補助し、これによって、単純な蒸発乾燥方法を使用することによって、特に水のような高表面張力溶媒から有機ゲルが乾燥され得ることが想定される。
【0036】
従って、1実施態様において、本発明は、以下の工程を含む、化学的に架橋した有機ゲルの調製のための方法に関する:
(a)1つまたはそれ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つまたはそれ以上のアルデヒド、1つまたはそれ以上の触媒、および水を含有する反応混合物を形成する工程;(ここで、上記の反応混合物において、上記ヒドロキシル化ベンゼン化合物対上記アルデヒドのモル比、すなわちR/Cは、約2000より大きい);および
(b)上記反応混合物を加熱し、上記有機ゲルを形成する工程。
【0037】
本明細書中で使用される、用語「ヒドロキシル化ベンゼン化合物」は、少なくとも1つのベンゼン環を含む化合物に関し、このベンゼン環は、少なくとも1つのヒドロキシル基(すなわち、−OH)を所有する。適切なヒドロキシル化ベンゼン化合物の例には、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンおよびフロログルシノールが挙げられる。
【0038】
【化2】

代表的には、ヒドロキシル化ベンゼン化合物は、固体として提供される。多くの例示されたヒドロキシル化ベンゼン化合物(フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンおよびフロログルシノールが挙げられる)は、高純度で広く市販される。また、多くのヒドロキシル化ベンゼン化合物は、少量のアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)と組み合わせて、部分的に縮合した形態で、すなわち、低分子量ポリマーとして、市販される。これらの物質はまた、有用であるヒドロキシル化ベンゼン化合物であり得る。
【0039】
用語「アルデヒド」は、本明細書中で従来の意味で使用され、そして、アルデヒド基(すなわち、−CHO)を含む有機化合物に関する。多くのアルデヒドは、式R−CHO(ここで、Rはアルデヒド置換基である)によって表され得る。適切なアルデヒドの例には、ホルムアルデヒド、グリオキサール、フルフラール、およびグルタルアルデヒドが挙げられる。
【0040】
代表的には、アルデヒドは、液体として、純粋なアルデヒドまたは水溶液のいずれかとして提供される。例えば、ホルムアルデヒドは、37.6重量%の水溶液として、広く市販される。
【0041】
用語「触媒」は、本明細書中で使用されるように、ヒドロキシル化ベンゼン化合物とアルデヒドとの間の反応のための触媒として作用する化合物に関する。1実施態様において、触媒は、塩基触媒(すなわち、Bronsted 塩基として作用し得る)である。適切な塩基触媒の例は、炭酸ナトリウム(すなわち、NaCO)および炭酸カリウム(すなわち、KCO)のような炭酸塩を含む。1実施態様において、触媒は、酸触媒(すなわち、Bronsted 酸として作用し得る)である。適切な酸触媒の例は、エージング研究において使用され得るように、トリフルオロ酢酸(すなわち、CFCOOH)である。
【0042】
代表的には、触媒は、固体として、または水溶液として、提供される。例えば、高純度炭酸ナトリウムは、広く市販される。適切な水溶液は、例えば、蒸留脱イオン水に適切な量の炭酸ナトリウムを溶解することによって調製され得、所望の濃度(例えば、0.1 M 炭酸ナトリウム)を有する溶液を得る。または、トリフルオロ酢酸は、広く市販される。
【0043】
反応パラメーターR/Cは、反応混合物におけるヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル数対触媒のモル数の比である(通常、有機ゲルの形成の前に測定される)。例えば、反応混合物が、1モルのレゾルシノールおよび0.5ミリモルの炭酸ナトリウムを使用して調製される場合、得られるR/C値は、1/0.0005または2000である。
【0044】
本発明の有機ゲル、およびそれらから得られる低密度オープンセル有機発泡体は、約2000より大きいR/C値(通常、2000〜約20000の範囲内にある)によって決定されるように、低触媒濃度を有する反応混合物から生成されることによって特徴付けられる。1実施態様において、R/C値は、2100より大きい(通常、2100〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2200より大きい(通常、2200〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2300より大きい(通常、2300〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2400より大きい(通常、2400〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2500より大きい(通常、2500〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2600より大きい(通常、2600〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2700より大きい(通常、2700〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2800より大きい(通常、2800〜約20000の範囲内にある)。1実施態様において、R/C値は、2900より大きい(通常、2900〜約20000の範囲内にある)。別の実施態様において、R/C値は、3000より大きい(通常、3000〜約20000の範囲内にある)。別の実施態様において、R/C値は、3500より大きい(通常、3500〜約20000の範囲内にある)。得られた反応混合物の初期室温におけるpHは、主に、触媒およびR/C値の性質によって決定される。塩基触媒において、R/Cの増加(例えば、塩基触媒濃度の減少)は、一般に、初期室温pHにおいて減少を引き起こす。
【0045】
別の反応パラメーター、すなわちRは、反応混合物の全容量に対する反応混合物中のヒドロキシル化ベンゼン化合物およびアルデヒドの%固体w/v(重量対容量比)である(通常、有機ゲルの形成の前に測定される)。次いで、例えば、レゾルシノール/ホルムアルデヒド/炭酸ナトリウム/水反応混合物が、12.35gのレゾルシノールおよび6.73gのホルムアルデヒド(例えば、17.91gの37.6%水性ホルムアルデヒドから提供されるように)を使用して調製され、そして、得られる反応混合物が、31.8mlの容量を有する場合、R値は、(12350+6730)/31.8×100または60%w/vである。
【0046】
1実施態様において、本発明の有機ゲルおよびそれらから得られる低密度オープンセル有機発泡体はまた、約20%より大きいR値(通常、20%〜約80%の範囲内にある)を有する反応混合物から生成されることによって特徴付けされる。別の実施態様において、R値は、25%より大きい(通常、25%〜約80%の範囲内にある)。別の実施態様において、R値は、30%より大きい(通常、30%〜約80%の範囲内にある)。別の実施態様において、R値は、40%より大きい(通常、40%〜約80%の範囲内にある)。別の実施態様において、R値は、45%より大きい(通常、45%〜約80%の範囲内にある)。別の実施態様において、R値は、50%より大きい(通常、50%〜約80%の範囲内にある)。別の実施態様において、R値は、60%より大きい(通常、60%〜約80%の範囲内にある)。別の実施態様において、R値は、70%より大きい(通常、70%〜約80%の範囲内にある)。
【0047】
代表的には、反応混合物は容器内にて調製される。あるいは、成分を混合した後、得られる反応混合物は、耐熱容器に移され得る。耐熱容器の例には、ポリプロピレンおよびガラスから形成される容器が挙げられる。反応混合物の成分は、例えば、攪拌および振盪のような従来の方法を用いて混合され得る。
【0048】
反応混合物を形成する場合において、室温(すなわち、25℃)で放置時間、放置することが必要に応じて許容され得る。代表的には、放置時間は、約0.1時間〜約5日間である。1実施態様において、放置時間は、約0.1時間〜約24時間である。1実施態様において、放置時間は、約0.1時間〜約2時間である。
【0049】
次いで、反応混合物は、ゲル化温度まで加熱されゲル化反応を開始し、そして、代表的には、ゲル化時間にわたってその温度で保持され、所望の有機ゲルを形成する。ゲル化温度は、ゲル化時間、反応混合物の組成、および反応混合物の量に依存して、変化し得る。ゲル化温度は、代表的には、約20〜約70℃である。1実施態様において、ゲル化温度は、約40〜約60℃である。1実施態様において、ゲル化温度は、約50℃である。ゲル化時間は、ゲル化温度、反応混合物の組成、および反応混合物の量に依存して、変化し得る。ゲル化時間は、代表的には、約0.1時間〜約5日間である。1実施態様において、ゲル化時間は、約0.1時間〜約24時間である。1実施態様において、ゲル化時間は、約0.1時間〜約3時間である。反応混合物は、例えば、従来の方法を用いて加熱され得る。代表的には、反応混合物は、耐熱容器内に密閉され、そして、サーモスタット制御オーブン内に配置される。または、連続フロー装置が使用され得る。代表的には、試薬または反応混合物の処理の間、あるいはゲル化反応の間、特別の環境は必要とされない。
【0050】
幾つかの実施態様において、得られる有機ゲルは、硬化時間にわたって、硬化温度にて、有機ゲルを加熱することによって、さらに硬化される。従って、1実施態様において、本発明は、以下の工程を含む硬化されたゲルを調製するための方法に関する:
(a)1つまたはそれ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つまたはそれ以上のアルデヒド、1つまたはそれ以上の触媒、および水を含有する反応混合物を形成する工程;(ここで、上記の反応混合物において、上記ヒドロキシル化ベンゼン化合物対上記アルデヒドのモル比、すなわちR/Cは、約2000より大きい);および
(b)上記反応混合物をゲル化温度にて、ゲル化時間にわたって加熱し、有機ゲルを形成する工程;および
(c)上記有機ゲルを硬化温度にて、硬化時間にて加熱し、上記の硬化された有機ゲルを形成する工程。
【0051】
硬化温度は、通常、使用されるゲル化温度より高い。硬化温度は、硬化時間、有機ゲルの組成および有機ゲルの量に依存して変化し得る。硬化温度は、代表的には、約50〜約95℃である。1実施態様において、硬化温度は、約60〜約90℃である。1実施態様において、硬化温度は、約85℃である。硬化時間は、硬化温度、有機ゲルの組成および有機ゲルの量に依存して変化し得る。硬化時間は、代表的には、約1時間〜約5日間である。1実施態様において、硬化時間は、約3〜約72時間である。1実施態様において、硬化時間は、約6〜約48時間である。有機ゲルは、例えば、従来の方法を用いて加熱され得る。または、連続フロー装置が使用され得る。代表的には、有機ゲルを含む耐熱容器は、サーモスタット制御オーブン内に配置される。再び、硬化の間、特別の環境は代表的には必要とされない。
【0052】
B.低密度オープンセル有機発泡体の調製のための方法
本発明の低密度オープンセル有機発泡体は、特定の調合の有機ゲルの乾燥によって、調製される。本明細書中において使用されるように、用語「乾燥」は、少なくとも一部の水の除去を意味する。すなわち、有機ゲルの乾燥は、有機ゲルからの少なくとも一部の水の除去を意味する。従って、1実施態様において、本発明は、以下の工程を包含する低密度オープンセル有機発泡体を調製するための方法に関する:
(a) 1つまたはそれ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つまたはそれ以上のアルデヒド、1つまたはそれ以上の触媒、および水を含有する反応混合物を形成する工程;(ここで、上記の反応混合物において、上記ヒドロキシル化ベンゼン化合物対上記アルデヒドのモル比、すなわちR/Cは、約2000より大きい);および
(b) 上記反応混合物を加熱して有機ゲルを形成する工程;および
(c) 上記有機ゲルから上記水の少なくとも一部を除去し、上記低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程。
【0053】
別の1実施態様において、本発明は、以下の工程を包含する低密度オープンセル有機発泡体を調製するための方法に関する:
(a)1つまたはそれ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つまたはそれ以上のアルデヒド、1つまたはそれ以上の触媒、および水を含有する反応混合物を形成する工程;(ここで、上記の反応混合物において、上記アルデヒドに対する上記ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比、すなわちR/Cは、約2000より大きい);および
(b)上記反応混合物をゲル化温度にて、ゲル化時間にわたって加熱し、有機ゲルを形成する工程;および
(c)上記有機ゲルを硬化温度にて、硬化時間にわたって加熱し、硬化した有機ゲルを形成する工程;および、
(d)上記硬化した有機ゲルから上記水の少なくとも一部を除去し、上記低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程。
【0054】
任意の従来の方法(例えば、超臨界蒸発、臨界未満蒸発および溶媒交換乾燥法を含む)は、細孔からの溶媒(代表的には、水)の除去に使用され得るが、本発明の方法は、水細孔流体(water pore fluid)の従来の空気乾燥のより安価でかつより単純な方法の使用を許容する。従って、1実施態様において、乾燥は、高表面張力流体(例えば、有機ゲル細孔内に見いだされ得るような水)の単純蒸発乾燥によって達成される。1実施態様において、上記水の少なくとも一部を除去する上記工程は、加熱工程を包含する。1実施態様において、上記水の少なくとも一部を除去する上記工程は、水蒸発工程を包含する。
【0055】
本発明の有機ゲルが単純な蒸発乾燥によって首尾よく乾燥され得ることは、有機ゲル、およびこうして得られる低密度オープンセル有機発泡体が特別であることを示す。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、ゲルが代表的な中間細孔寸法(高いR/C反応パラメーターを使用して得られる)より大きく、これらのより大きな寸法が単純蒸発乾燥を許容することが想定される。高いR/Cにおいて代表的な粒子より大きい粒子の形成が、粒子と粒子鎖との間だけではなく、粒子自身において、中間細孔の形成を許容することが可能である。高い固体含有量(高いR値)のさらなる組み合わせが、有機ゲルの強度を増大し得、そして単純な蒸発乾燥をさらに容易にし得ることがさらに想定される。得られる低密度オープンセル有機発泡体は、それらが誘導されたゲルの形態を大きく反映し、従って、また、代表的な中間細孔寸法より大きい寸法を有する。この方法において、有機発泡体から誘導される低密度オープンセル炭素発泡体(以下を参照のこと)はまた、代表的な中間細孔寸法より大きい。
【0056】
代表的には、有機ゲル、または代替的には硬化した有機ゲルは、オーブン内に配置され、そして湿潤空気雰囲気下において、乾燥温度にて、乾燥時間にわたって、乾燥される。乾燥温度は、乾燥時間、有機ゲル/硬化した有機ゲルの組成および有機ゲル/硬化した有機ゲルの量に依存して、変化し得る。乾燥温度は、代表的に、約20〜約150℃である。1実施態様において、乾燥温度は、約50〜約150℃である。1実施態様において、乾燥温度は、約60〜約100℃である。1実施態様において、乾燥温度は、約75℃である。代表的な乾燥圧は、約1millitorr(約0.1 Pa)〜約5atm(0.5 MPa)である。1実施態様において、乾燥圧は、約1millitorr(約0.1Pa)〜約5atm(約0.5MPa)である。1実施態様において、乾燥圧は、約0.5〜2.5atm(約50kPa〜約0.25MPa)である。乾燥時間は、乾燥温度、有機ゲル/硬化した有機ゲルの組成および有機ゲル/硬化した有機ゲルの量に依存して、変化し得る。乾燥時間は、代表的には、約1時間〜約10日間である。1実施態様において、乾燥時間は、約1〜約96時間である。1実施態様において、乾燥時間は、約6〜約48時間である。別の実施態様において、「非臨界乾燥条件」は、超臨界蒸発(例えば、CO)または臨界未満蒸発(例えば、アセトン/CO、アセトン/シクロヘキサン)において使用される条件ではないことが定義される。
【0057】
本発明の低密度オープンセル有機発泡体は、相対的に大きい粒子および細孔サイズ、高い空隙率、および高表面積によって、特徴付けられる。代表的には、本発明の低密度オープンセル有機発泡体は、約200〜約900mg/cmの密度を有する。1実施態様において、低密度オープンセル有機発泡体は、約300〜約900mg/cmの密度を有する。代表的には、本発明の低密度オープンセル有機発泡体は、約200〜約1000m/gの表面積を有する。
【0058】
本発明の低密度オープンセル有機発泡体はまた、約5nmより大きい(例えば、約5〜約50 nm)中間細孔サイズ分布によって特徴付けられる。1実施態様において、低密度オープンセル有機発泡体は、約7nmより大きい(例えば、約7〜約50 nm)中間細孔サイズ分布によって特徴付けられる。1実施態様において、低密度オープンセル有機発泡体は、約10nmより大きい(例えば、約10〜約50 nm)中間細孔サイズ分布によって特徴付けられる。1実施態様において、低密度オープンセル有機発泡体は、約10〜約25 nmの中間細孔サイズ分布によって特徴付けられる。
【0059】
本発明の低密度オープンセル有機発泡体は、代表的には、オレンジから深赤色まで色が変化し得、そして視覚的に不透明であり得る。約50w/v%およびそれより低い固体含有量Rで調製されるゲルにおいて、不透明ゲルは、反応混合物のゲル化によって得られる。これらの不透明ゲルの引き続く硬化および乾燥(前述した通り)は、本発明の低密度オープンセル発泡体を生じる。50w/v%より大きい固体含有量Rで調製されるゲルにおいて、7日間までの延長された放置時間(代表的には、室温にて)は、不透明な反応混合物を形成するために必要とされ得る。不透明ゲルは、前述のように、ゲル化が起こるまで放置時間を継続すること、または、ゲル化が起こるまで不透明反応混合物を加熱することのいずれかによって、この不透明反応混合物から形成される。これらの不透明ゲルの引き続く硬化および乾燥(前述した通り)は、本発明の低密度オープンセル有機発泡体を生じる。これらの低密度オープンセル有機ゲルの強度ならびにより大きな粒子および細孔サイズは、水細孔流体の単純な蒸発乾燥を容易にする。
【0060】
あるいは、50w/v%より大きい固体含有量Rで調製されるこれらのゲルにおいて、透明なゲルは、反応混合物が不透明になるポイントより前に、透明な反応混合物を加熱することによって得られる。それらの透明ゲルの引き続く硬化および乾燥(前述の通り)は、透明な低密度オープンセル有機発泡体を生じる。粒子および細孔のサイズは約100nmを越えないが、これらの低密度オープンセル有機ゲルのゲル強度、ならびに幾分大きい粒子および細孔のサイズ(高いR/C値に起因する)が、水細孔流体の単純な蒸発乾燥を可能にすることが想定される。
【0061】
結論として、1実施態様において、低密度オープンセル有機発泡体は不透明である。1実施態様において、低密度オープンセル有機発泡体は透明である。入射可視光の実質的な部分が、発泡体を介して伝達され、そして容易に検出され得る(例えば、半透明のおよび半透明の有機発泡体においてのように)場合、本発明の低密度オープンセル有機発泡体は、透明であると考慮される。上で議論されるように、低密度オープンセル有機発泡体の透明度または不透明度は、発泡体の形態的構造の寸法(例えば、粒子のサイズおよび間隔、細孔のサイズおよび間隔)から生じる。
【0062】
C. 低密度オープンセル炭素発泡体の調製方法
本発明はまた、低密度オープンセル炭素発泡体に関係し、これは非反応性または不活性雰囲気下、上記で記載されるような低密度オープンセル有機発泡体の熱分解により調製される。従って、1つの実施態様において、本発明は以下の工程を含む低密度オープンセル炭素発泡体の調製方法に関する:
(a) 1種以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1種以上のアルデヒド、1種以上の触媒、および水を含む反応混合物を形成する工程;ここで上述の反応混合物中の、上述のヒドロキシル化ベンゼン化合物対上述のアルデヒドのモル比、R/Cは、約2000より大きい;および
(b) 上述の反応混合物を加熱して有機ゲルを形成する工程;
(c) 上述の有機ゲルから上述の水の少なくとも1部を除去して、低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程;および
(d) 上述の低密度オープンセル有機発泡体を高温で熱分解して、上述の低密度オープンセル炭素発泡体を形成する工程。
【0063】
別の1つの実施態様において、本発明は以下の工程を含む低密度オープンセル炭素発泡体の調製方法に関する:
(a) 1種以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1種以上のアルデヒド、1種以上の触媒、および水を含む反応混合物を形成する工程;ここで上述の反応混合物中の、上述のヒドロキシル化ベンゼン化合物対上述のアルデヒドのモル比、R/Cは、約2000より大きい;および
(b) 上述の反応混合物をゲル化する温度でゲル化する時間の間加熱して、有機ゲルを形成する工程;
(c) 上述の有機ゲルを硬化(curing)する温度で硬化(curing)する時間の間加熱して、硬化した有機ゲルを形成する工程;
(d) 上述の硬化した有機ゲルから上述の水の少なくとも1部を除去して、低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程;および
(e) 上述の低密度オープンセル有機発泡体を熱分解する温度で熱分解して、上述の低密度オープンセル炭素発泡体を形成する工程。
【0064】
低密度オープンセル炭素発泡体を形成するための低密度オープンセル有機発泡体の熱分解は、従来の手段を使用して行われ得る。代表的には、低密度オープンセル有機発泡体はサーモスタットを付けられたオーブンに置かれ、そして適合した雰囲気下熱分解する時間の間熱分解する温度に加熱される。代表的には、オーブンの温度は熱分解する温度まで段階的に傾斜が付けられ、そして熱分解する時間の間そこに保持される。熱分解する温度は、熱分解する時間、低密度オープンセル有機発泡体の組成、および低密度オープンセル有機発泡体の量に従って変化し得る。熱分解する温度は代表的に、約600〜3000℃である。1つの実施態様において、熱分解する温度は約800〜約1150℃である。1つの実施態様において、熱分解する温度は約1050℃である。熱分解する時間は、熱分解する温度、低密度オープンセル有機発泡体の組成、および低密度オープンセル有機発泡体の量に従って変化し得る。熱分解する時間は代表的に、約1〜約6時間である。1つの実施態様において、熱分解する時間は約2〜約5時間である。1つの実施態様において、熱分解する時間は約4時間である。
【0065】
本明細書中で使用されるように、用語「適合した雰囲気」は、低密度オープンセル炭素発泡体を形成するための、低密度オープンセル有機発泡体の高温での熱分解を可能にする任意の雰囲気に関する。通常、適合した雰囲気は非酸化的である。適合した雰囲気は、比較的不活性であり、例えば乾燥窒素であり得る(高純度超乾燥窒素をしばしば必要としないこと、および標準グレードの乾燥窒素で通常十分であることが注記される)。あるいは、適合した雰囲気は還元的雰囲気、例えば水素であり得る。オープンセル有機発泡体の熱分解と同時に、またはそれに続いて、付加または置換ガスまたは蒸気が、オープンセル炭素発泡体を誘導するかまたは「活性化」するために導入され得る。そのような材料の例は、蒸気、空気、および二酸化炭素を含む。熱分解に続いて、オープンセル発泡体は、例えば硝酸のような酸化酸を使用して化学的成分により誘導または「活性化」され得る。
【0066】
本発明の低密度オープンセル炭素発泡体は、相対的に大きい粒子および細孔サイズ、高い空隙率、高表面積、および高静電容量により特徴づけられる。代表的には、本発明の低密度オープンセル炭素発泡体は、約200〜約1200 mg/cmの密度を有する。1つの実施態様において、低密度オープンセル炭素発泡体は約300〜約900 mg/cmの密度を有する。代表的には、本発明の低密度オープンセル炭素発泡体は、約200〜約800 m/gの表面積を有する。代表的には、本発明の低密度オープンセル炭素発泡体は、約10〜約80 F/gの静電容量を有する。
【0067】
本発明の低密度オープンセル炭素発泡体はまた、約5nmよりも大きい中間細孔サイズ分布により特徴づけられる(すなわち、約5〜約50nm)。1つの実施態様において、低密度オープンセル炭素発泡体は、約7nmよりも大きい中間細孔サイズ分布により特徴づけられる(すなわち、約7〜約50nm)。1つの実施態様において、低密度オープンセル炭素発泡体は、約10nmよりも大きい中間細孔サイズ分布により特徴づけられる(すなわち、約10〜約50nm)。1つの実施態様において、低密度オープンセル炭素発泡体は、約10〜約25nmの中間細孔サイズ分布により特徴づけられる。
【0068】
どのような特定の理論に結びつけられることも望まないが、本発明の低密度オープンセル炭素発泡体について観測される実質的な静電容量は、代表的な中間細孔サイズ分布をより大きく反映し、そして改変された中間細孔サイズ分布はエネルギー貯蔵特性のもとである電気的二重層の形成を向上することが、仮定される。再び、より大きい代表的粒子の形成(高R/Cにおいて)が粒子自身内での中間細孔の形成を可能にし得、従って中間細孔分布を増加することが仮定される。
【0069】
D. 低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体の調製方法
本発明はまた、低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体に関し、これらは低密度オープンセル有機発泡体複合体の高温熱分解により調製され、これは上記で記載されるように適した基質および有機ゲルから調製される。従って、1つの実施態様において、本発明は以下の工程を含む低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体の調製方法に関する:
(a) 1種以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1種以上のアルデヒド、1種以上の触媒、および水を含む反応混合物を形成する工程;ここで上述の反応混合物中の、上述のヒドロキシル化ベンゼン化合物対上述のアルデヒドのモル比、R/Cは、約2000より大きい;および
(b) 多孔性炭素基質または多孔性有機基質を上述の反応混合物に含浸して、含浸炭素または多孔性有機基質を形成する工程;
(c) 上述の含浸多孔性基質を、ゲル化する温度でゲル化する時間の間加熱して、有機ゲル/多孔性基質複合体を形成する工程;
(d) 上述の有機ゲル/多孔性基質複合体を、硬化する温度で硬化する時間の間加熱して、硬化した有機ゲル/多孔性基質複合体を形成する工程;
(e) 上述の硬化した有機ゲル/多孔性基質複合体から少なくとも1部の上述の水を除去して、低密度オープンセル有機発泡体/多孔性基質複合体を形成する工程;および
(f) 上述の低密度オープンセル有機発泡体/多孔性基質複合体を、熱分解する温度で熱分解して、上述の低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体を形成する工程。
【0070】
本明細書中で使用されるように、用語「多孔性炭素基質」および「多孔性有機基質」は、それぞれ炭素および有機材料を含む多孔性材料に関し、そしてそれらは、含浸されるか、浸漬されるか、濡らされるか、またはそれ以外で反応混合物と合わせられ得る。炭素および有機基質は、任意の形状または構成にあるものであり得、例えば、ブロック、シート、スレッドまたはフィラメント、あるいは管からなる群より選択される形態を含み、例えば、紙、メンブレン、フェルト、網状発泡体、および織物からなる、またはそれらを含む群からなる群より選択される形態を含み、それらはさらに、金属繊維、金属粉末などのような他の成分を含み得る。1つの実施態様において、炭素基質は、Technimat(登録商標)6100−050(これはLydall Technical Papers、Rochester、NYから市販されている)のような炭素繊維紙である。本発明のゲル、乾燥発泡体、および熱分解生成物は、選択された基質の形態をとり得る。
【0071】
生成する低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体は、特にエネルギー貯蔵のためのまたは容量性脱イオン化のための二重層コンデンサーにおける電極として有用である(例えば、Pekalaら、1995bを参照のこと)。
【実施例】
【0072】
E. 実施例
いくつかの本発明の実施態様が以下の実施例において記載される。これらは例示のために提供され、そして制限のためではない。
【0073】
材料
レゾルシノール(純度98%)は、Aldrich Chemical Companyから入手し、そして受け取ったままに使用した。ホルムアルデヒドは、J. T. Baker Chemical Companyから、水性溶液(37.6%、メタノール安定化)として入手した。炭酸水素ナトリウムは、Mallinckrodt, Inc.から入手し、そして0.1Mの水性溶液を調製した。水は使用前に脱イオン化した。
【0074】
特徴付けの方法
密度. 密度は、測定された多孔性固体の重量および幾何学的に測定された体積から計算された。
【0075】
表面積および細孔分布. 表面積および細孔サイズ分布は、 BET多点Nガス吸着法(Micromeritics(登録商標) ASAP 2000)を使用して得た。有機サンプルは測定の前に24時間室温で脱気され、一方炭素サンプルは測定前に約12時間200℃で脱気された。表面積は、代表的にm/gの単位で報告される。細孔サイズ分布は、代表的に脱着ブランチから測定され、そして代表的にナノメートルの単位で報告される。中間細孔サイズ分布は中間細孔、すなわち、約2〜約50nmの寸法を持つ細孔の分布を反映する。
【0076】
静電容量測定. 静電容量研究は、64−チャンネルMaccor(登録商標)バッテリー試験器を使用して行われた。実験は、円形(4.5cm−直径)Teflon(登録商標)セルを使用して行われた。2本の同一の1.5cm−直径の炭素複合電極を2ピースのWhatman(登録商標)ファイバーガラスフィルター紙(934−AH)により分離した。ニッケル箔を集電体として使用し、そして電解質は5MのKOHであった。アセンブリ全体を2枚のTeflon(登録商標)板の間に挟み、そして0.6cm−直径のTeflon(登録商標)ねじで一緒に留めた。電解質の充填は、ほぼ1時間での3回の連続した排気(2psi;約14kPa)および加圧(24.5psi;170kPa)段階によりなし遂げられた。組立および試験は周囲条件下で行われた。静電容量は、1Vの操作電圧に対して一定の電流で完全に充電されたセルの放電容量(C=Q/V)から測定した。2本の炭素電極の乾燥重量の合計を、静電容量密度の計算に使用した。
【0077】
実施例1
モノリシック空気乾燥レゾルシノール−ホルムアルデヒド低密度オープンセル有機発泡体R 40%w/v、R/C 2000
12.35gのレゾルシノール(0.112mol)、17.91gの37%水性ホルムアルデヒド(6.63g、0.220mol)、および20.32gの脱イオン水を、レゾルシノールが溶解するまで一緒に撹拌した。次いで、0.56gの0.1M炭酸ナトリウム溶液(比重を1g/cmと仮定して、約0.056mmolのNaCO)を、撹拌しながら加えた(開始pH=5.6)。最終的な容積は47.0mLであると測定された。得られる溶液を、ポリプロピレン容器中に注ぎ、そしてしっかりと密閉した。容器を、ゲル化のために直接50℃のオーブン中に置いた。反応混合物は、50℃で1〜2時間のうちにゲル化し、そして不透明になった。50℃で12時間後、次いで温度を85℃に上げ、そして72時間保持してゲルを硬化した。室温まで冷却した後、ゲルを加湿大気中6時間85℃でエバポレートすることにより乾燥し、続いて周囲大気下12時間50℃で乾燥した。得られる低密度オープンセル発泡体の密度は、0.43g/cmであると測定された。
【0078】
実施例2
モノリシック空気乾燥レゾルシノール−ホルムアルデヒド低密度オープンセル有機発泡体R 50%w/v、R/C 2000
12.35gのレゾルシノール(0.112mol)、17.91gの37%水性ホルムアルデヒド(6.63g、0.220mol)、および10.76gの脱イオン水を、レゾルシノールが溶解するまで一緒に撹拌した。次いで、0.56gの0.1M炭酸ナトリウム溶液(比重を1g/cmと仮定して、約0.056mmolのNaCO)を、撹拌しながら加えた(開始pH=5.6)。最終的な容積は38.0mLであると測定された。得られる溶液を、2個のポリプロピレン容器中に等しく注ぎ、そしてしっかりと密閉した(ゲルAおよびB)。次いで、ゲルAを室温に12時間放置し、次いで50℃のオーブン中に12時間置いてゲル化した。ゲルBは直接50℃のオーブン中に12時間置いてゲル化した。両方の場合において、RFゲルは50℃でゲル化しながら不透明になった。次いで温度を85度に上げ、そして24時間維持してゲルを硬化した。室温まで冷却した後、両方のゲルを空気中室温で数日間ゆっくりとエバポレートすることにより乾燥した。乾燥ゲルAの密度は0.65g/cmであると測定され、そして乾燥ゲルBの密度は0.64g/cmであると測定された。ゲルAのBET表面積は584m/gであると測定された。平均中間細孔直径は13nmであると測定された。
【0079】
実施例3
空気乾燥レゾルシノール−ホルムアルデヒド低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体−R 50%w/v、R/C 2000
24.7gのレゾルシノール(0.224mol)、35.82gの37%水性ホルムアルデヒド(13.25g、0.441mol)、および22.64gの脱イオン水を、レゾルシノールが溶解するまで一緒に撹拌した。次いで、1.12gの0.1M炭酸ナトリウム溶液(比重を1g/cmと仮定して、約0.112mmolのNaCO)を、撹拌しながら加えた。最終的な容積は75.9mLであると測定された。溶液を50℃で30分間加温した。次いで、軽量炭素繊維紙(Technimat(登録商標) 6100−050;Lydall Technical Papers、Rochester、NY)をこの溶液に含浸した。含浸した紙を2枚のガラス板の間に置き、プラスチックのうわ包装で密閉し、そして室温で15時間放置してゲル化した。次いで、RF含浸紙を85℃のオーブン中に24時間にわたり置いて硬化した。冷却後、次いでプラスチックのうわ包装およびガラス板を取り外した。RF複合体を、加湿水平フローオーブン中に置き、そして約75℃で12時間乾燥した。RF複合体は、斑入りの明るい茶色の外観と滑らかで光沢のある表面を持つ、薄い不透明なシートであった(約10mil、約0.25mmの厚さ)。それは、約0.6mg/cmの密度および408m/gの表面積を有した。
【0080】
不活性雰囲気(N)下1050℃でのRF複合体の熱分解は、RF複合体に匹敵する寸法を持つ黒色の炭化シートを生じた。この材料は、0.413mg/cmの密度および497m/gの表面積を有した。この材料は、17nmの中間細孔についての細孔サイズ分布を有した。この材料が水性塩基(5MのKOH)のスーパーコンデンサー(supercapacitor)中電極として使用された場合、約17.8 F/gの比静電容量が測定された。
【0081】
実施例4
空気乾燥レゾルシノール−ホルムアルデヒド低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体−R 60%w/v、R/C 2000
24.7gのレゾルシノール(0.224mol)、38.0gの34.8%水性ホルムアルデヒド(13.22g、0.440mol)、および7.86gの脱イオン水を、レゾルシノールが溶解するまで一緒に撹拌した。次いで、1.12gの0.1M炭酸ナトリウム溶液(比重を1g/cmと仮定して、約0.112mmolのNaCO)を、撹拌しながら加えた。最終的な容積は63.2mLであると測定された。次いで、軽量炭素繊維紙(Technimat(登録商標) 6100−050;Lydall Technical Papers、Rochester、NY)をこの溶液に含浸した。含浸した紙を2枚のガラス板の間に置き、プラスチックのうわ包装で密閉し、そして50℃のオーブン中に2日間置いてゲル化した。次いで、RF含浸紙を85℃のオーブン中に18時間にわたり置いて硬化した。冷却後、次いでプラスチックのうわ包装およびガラス板を取り外した。RF複合体を、加湿水平フローオーブン中に置き、そして約75℃で12時間乾燥した。RF複合体は、非常に暗い赤茶色の外観と平坦な表面の仕上がりを持つ、薄いシートであった(約10mil、約0.25mmの厚さ)。それは、約0.8mg/cmの密度および506m/gの表面積を有した。
【0082】
不活性雰囲気(N)下1050℃でのRF複合体の熱分解は、RF複合体に匹敵する寸法を持つ黒色の炭化シートを生じた。この材料は、約0.471mg/cmの密度および408m/gの表面積を有した。この材料は、5nmの中間細孔についての細孔サイズ分布を有した。この材料が水性塩基(5MのKOH)のスーパーコンデンサー(super capacitor)中電極として使用された場合、約19.1 F/gの比静電容量が測定された。
【0083】
実施例3および4で得られた低密度オープンセル炭素発泡体についてのデータを以下の表1に要約する。観測された静電容量(約15〜20F/g)は、従来のRFゲルの超臨界または溶媒交換乾燥により得られる従来のRFエーロゲルから誘導される従来の炭素エーロゲルについて観測される値に匹敵する。観測された密度(約400〜500mg/cm)は、従来の炭素エーロゲルに匹敵する密度を示する。本発明の低密度オープンセル炭素発泡体についての中間細孔サイズ分布(約5〜20nm)は、従来の炭素エーロゲルについて観測された値(高固体含有(例えば、50%w/v以上)エーロゲルから調製されて、≦5nm)よりも著しく高い(例えば、Tranら、1996を参照のこと)。
【0084】
本発明の低密度オープンセル炭素発泡体は、従来の炭素エーロゲルと比較して、より大きい細孔へ移行した中間細孔サイズ分布を持つ。このより大きな細孔サイズへの移行は、電気化学的二重層を確立するために重要であり得る。移行はまた、有機電解質システム(これはより良い静電容量特性を有する)を使用する場合に、従来の炭素エーロゲルに勝る重要な利点を提供する。有機電解質システムは代表的に、比較的大きい電解質カチオンおよび/またはアニオンを有し、これは従来の炭素エーロゲルのより小さな細孔中にはまり得ず、それらの最終的な性能を減少させる。本発明の低密度オープンセル炭素発泡体におけるように、細孔サイズを増加させることは、より多くの電気化学的二重層を形成させ、従って有機電解質システムの性能を改善する。
【0085】
【表1】

F. 参考
以下に参考として上げられる出版物、特許、および公開特許の明細書の開示は、本発明が関係する分野の状態をより完全に記載するために、本明細書により本開示中に参考として援用される。
【0086】
【表2−1】

【0087】
【表2−2】

【0088】
【表2−3】

【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の1つの好ましい実施形態においては、以下の方法等が提供される。
【0090】
1.有機ゲルを調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)該反応混合物を加熱して、該有機ゲルを形成する工程、
を含む、方法。
2.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目1に記載の方法。
3.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目1に記載の方法。
4.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目1から3のいずれか1項に記載の方法。
5.項目1から4のいずれか1項に記載の方法により形成される有機ゲル。
6.硬化した有機ゲルを調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)ゲル化時間の間ゲル化温度で該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;および
(c)硬化時間の間硬化温度で該有機ゲルを加熱して、該硬化した有機ゲルを形成する工程、
を含む、方法。
7.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目6に記載の方法。
8.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目6に記載の方法。
9.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目6から8のいずれか1項に記載の方法。
10.項目6から9のいずれか1項に記載の方法により形成される硬化された有機ゲル。
11.低密度オープンセル有機発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;および
(c)該有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、該低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
12.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目11に記載の方法。
13.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目11に記載の方法。
14.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目11から13のいずれか1項に記載の方法。
15.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目11から14のいずれか1項に記載の方法。
16.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目11から15のいずれか1項に記載の方法。
17.項目11から16のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル有機発泡体。
18.200から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
19.300から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
20.約10から約50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17から19のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
21.約10から約25nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17から20のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
22.前記発泡体がオレンジから深い赤に着色される、項目17から21のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
23.低密度オープンセル有機発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)ゲル化時間の間ゲル化温度で該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;
(c)硬化時間の間硬化温度で該有機ゲルを加熱して、硬化した有機ゲルを形成する工程;および
(d)該硬化した有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、該低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
24.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目23に記載の方法。
25.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目23に記載の方法。
26.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目23から25のいずれか1項に記載の方法。
27.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目23から26のいずれか1項に記載の方法。
28.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目23から27のいずれか1項に記載の方法。
29.項目23から28のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル有機発泡体。
30.200から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
31.300から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
32.約10から約50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29から31のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
33.約10から約25nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29から32のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
34.前記発泡体がオレンジから深い赤に着色される、項目29から33のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
35.低密度オープンセル炭素発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;
(c)該有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程;および
(d)高温で該低密度オープンセル有機発泡体を熱分解して、該低密度オープンセル炭素発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
36.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目35に記載の方法。
37.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目35に記載の方法。
38.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目35から37のいずれか1項に記載の方法。
39.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目35から38のいずれか1項に記載の方法。
40.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程包含する、項目35から39のいずれか1項に記載の方法。
41.項目35から40のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル炭素発泡体。
42.200から1200mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目41に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
43.300から900mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目41に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
44.10から20nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目41から43のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
45.低密度オープンセル炭素発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)ゲル化時間の間ゲル化温度で該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;
(c)硬化時間の間硬化温度で該有機ゲルを加熱して、硬化した有機ゲルを形成する工程;
(d)該硬化した有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程;および
(e)熱分解温度で該低密度オープンセル有機発泡体を熱分解して、該低密度オープンセル炭素発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
46.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目45に記載の方法。
47.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目45に記載の方法。
48.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目45から47のいずれか1項に記載の方法。
49.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目45から48のいずれか1項に記載の方法。
50.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目45から49のいずれか1項に記載の方法。
51.項目45から50のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル炭素発泡体。
52.200から1200mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目51に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
53.300から900mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目51に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
54.10から20nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目51から53のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
55.低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)多孔性炭素基質または多孔性有機基質を該反応混合物とともに含浸して、含浸した多孔性基質を形成する工程;
(c)ゲル化時間の間ゲル化温度まで該含浸した多孔性基質を加熱して、有機ゲル/多孔性基質複合体を形成する工程;
(d)硬化時間の間硬化温度まで該有機ゲル/多孔性基質複合体を加熱して、該硬化した有機ゲル/多孔性基質複合体を形成する工程;
(e)該硬化した有機ゲル/多孔性基質複合体から(form)少なくとも該水の1部分を除去して、低密度オープンセル有機発泡体/多孔性基質複合体を形成する工程;および
(f)熱分解温度で該低密度オープンセル有機発泡体/多孔性基質複合体を熱分解して、該低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体を形成する工程、
を含む、方法。
56.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目55に記載の方法。
57.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目55に記載の方法。
58.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目55から57のいずれか1項に記載の方法。
59.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目55から58のいずれか1項に記載の方法。
60.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目55から59のいずれか1項に記載の方法。
61.前記基質が、ブロック、シート、スレッド、フィラメント、チューブ、紙、メンブレン、フェルト、網状発泡体および織物からなる群から選択される形状を有する、項目55から60のいずれか1項に記載の方法。
62.項目55から61のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体。
63.200から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布により特徴付けられる低密度オープンセル有機発泡体。
64.300から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布により特徴付けられる低密度オープンセル有機発泡体。
65.前記発泡体が有機ゲルからの少なくとも水の部分的エバポレート除去により形成され、該有機ゲルが1つ以上の触媒および水の存在下での1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物および1つ以上のアルデヒドの反応により形成される、項目63または項目64に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
66.前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールであり、そして前記アルデヒドがホルムアルデヒドである、項目63から65のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
67.約10から約50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目63から66のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
68.約10から約25nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目63から67のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
69.前記発泡体がオレンジから深い赤に着色される、項目63から68のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
70.200から1200mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量により特徴付けられる低密度オープンセル炭素発泡体。
71.300から900mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量により特徴付けられる低密度オープンセル炭素発泡体。
72.前記低密度オープンセル炭素発泡体が低密度オープンセル有機発泡体の熱分解により形成され、該低密度オープンセル有機発泡体が有機ゲルの少なくとも水の一部のエバポレート除去により形成され、該有機ゲルが1つ以上の触媒および水の存在下での1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物および1つ以上のアルデヒドの反応により形成される、項目70または項目71に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
73.前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールであり、そして前記アルデヒドがホルムアルデヒドである、項目70から72のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
74.10から20nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目70から73のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
【0091】
本発明の別の好ましい実施形態においては、以下の方法等が提供される。
【0092】
1.有機ゲルを調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)該反応混合物を加熱して、該有機ゲルを形成する工程、
を含む、方法。
2.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目1に記載の方法。
3.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目1に記載の方法。
4.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目1から3のいずれか1項に記載の方法。
5.項目1から4のいずれか1項に記載の方法により形成される有機ゲル。
6.硬化した有機ゲルを調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)ゲル化時間の間ゲル化温度で該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;および
(c)硬化時間の間硬化温度で該有機ゲルを加熱して、該硬化した有機ゲルを形成する工程、
を含む、方法。
7.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目6に記載の方法。
8.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目6に記載の方法。
9.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目6から8のいずれか1項に記載の方法。
10.項目6から9のいずれか1項に記載の方法により形成される硬化された有機ゲル。
11.低密度オープンセル有機発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;および
(c)該有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、該低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
12.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目11に記載の方法。
13.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目11に記載の方法。
14.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目11から13のいずれか1項に記載の方法。
15.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目11から14のいずれか1項に記載の方法。
16.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目11から15のいずれか1項に記載の方法。
17.項目11から16のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル有機発泡体。
18.200から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
19.300から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
20.約10から約50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17から19のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
21.約10から約25nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目17から20のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
22.前記発泡体がオレンジから深い赤に着色される、項目17から21のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
23.低密度オープンセル有機発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)ゲル化時間の間ゲル化温度で該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;
(c)硬化時間の間硬化温度で該有機ゲルを加熱して、硬化した有機ゲルを形成する工程;および
(d)該硬化した有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、該低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
24.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目23に記載の方法。
25.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目23に記載の方法。
26.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目23から25のいずれか1項に記載の方法。
27.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目23から26のいずれか1項に記載の方法。
28.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目23から27のいずれか1項に記載の方法。
29.項目23から28のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル有機発泡体。
30.200から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
31.300から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
32.約10から約50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29から31のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
33.約10から約25nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目29から32のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
34.前記発泡体がオレンジから深い赤に着色される、項目29から33のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
35.低密度オープンセル炭素発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;
(c)該有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程;および
(d)高温で該低密度オープンセル有機発泡体を熱分解して、該低密度オープンセル炭素発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
36.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目35に記載の方法。
37.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目35に記載の方法。
38.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目35から37のいずれか1項に記載の方法。
39.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目35から38のいずれか1項に記載の方法。
40.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程包含する、項目35から39のいずれか1項に記載の方法。
41.項目35から40のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル炭素発泡体。
42.200から1200mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目41に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
43.300から900mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目41に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
44.10から20nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目41から43のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
45.低密度オープンセル炭素発泡体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)ゲル化時間の間ゲル化温度で該反応混合物を加熱して、有機ゲルを形成する工程;
(c)硬化時間の間硬化温度で該有機ゲルを加熱して、硬化した有機ゲルを形成する工程;
(d)該硬化した有機ゲルから少なくとも該水の1部分を除去して、低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程;および
(e)熱分解温度で該低密度オープンセル有機発泡体を熱分解して、該低密度オープンセル炭素発泡体を形成する工程、
を含む、方法。
46.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目45に記載の方法。
47.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目45に記載の方法。
48.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目45から47のいずれか1項に記載の方法。
49.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目45から48のいずれか1項に記載の方法。
50.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目45から49のいずれか1項に記載の方法。
51.項目45から50のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル炭素発泡体。
52.200から1200mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目51に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
53.300から900mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量によりさらに特徴付けられる、項目51に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
54.10から20nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目51から53のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
55.低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体を調製するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該触媒に対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)多孔性炭素基質または多孔性有機基質を該反応混合物とともに含浸して、含浸した多孔性基質を形成する工程;
(c)ゲル化時間の間ゲル化温度まで該含浸した多孔性基質を加熱して、有機ゲル/多孔性基質複合体を形成する工程;
(d)硬化時間の間硬化温度まで該有機ゲル/多孔性基質複合体を加熱して、該硬化した有機ゲル/多孔性基質複合体を形成する工程;
(e)該硬化した有機ゲル/多孔性基質複合体から(form)少なくとも該水の1部分を除去して、低密度オープンセル有機発泡体/多孔性基質複合体を形成する工程;および
(f)熱分解温度で該低密度オープンセル有機発泡体/多孔性基質複合体を熱分解して、該低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体を形成する工程、
を含む、方法。
56.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目55に記載の方法。
57.前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、項目55に記載の方法。
58.前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、項目55から57のいずれか1項に記載の方法。
59.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が加熱する工程を包含する、項目55から58のいずれか1項に記載の方法。
60.前記少なくとも前記水の1部分を除去する工程が水をエバポレーションする工程を包含する、項目55から59のいずれか1項に記載の方法。
61.前記基質が、ブロック、シート、スレッド、フィラメント、チューブ、紙、メンブレン、フェルト、網状発泡体および織物からなる群から選択される形状を有する、項目55から60のいずれか1項に記載の方法。
62.項目55から61のいずれか1項に記載の方法により形成される低密度オープンセル炭素発泡体/炭素基質複合体。
63.200から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布により特徴付けられる低密度オープンセル有機発泡体。
64.300から900mg/cmの密度、200から1000m/gの表面積および5から50nmの中間細孔サイズ分布により特徴付けられる低密度オープンセル有機発泡体。
65.前記発泡体が有機ゲルからの少なくとも水の部分的エバポレート除去により形成され、該有機ゲルが1つ以上の触媒および水の存在下での1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物および1つ以上のアルデヒドの反応により形成される、項目63または項目64に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
66.前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールであり、そして前記アルデヒドがホルムアルデヒドである、項目63から65のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
67.約10から約50nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目63から66のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
68.約10から約25nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目63から67のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
69.前記発泡体がオレンジから深い赤に着色される、項目63から68のいずれか1項に記載の低密度オープンセル有機発泡体。
70.200から1200mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量により特徴付けられる低密度オープンセル炭素発泡体。
71.300から900mg/cmの密度、200から800m/gの表面積、5から50nmの中間細孔サイズ分布および10から80F/gの静電容量により特徴付けられる低密度オープンセル炭素発泡体。
72.前記低密度オープンセル炭素発泡体が低密度オープンセル有機発泡体の熱分解により形成され、該低密度オープンセル有機発泡体が有機ゲルの少なくとも水の一部のエバポレート除去により形成され、該有機ゲルが1つ以上の触媒および水の存在下での1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物および1つ以上のアルデヒドの反応により形成される、項目70または項目71に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
73.前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールであり、そして前記アルデヒドがホルムアルデヒドである、項目70から72のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。
74.10から20nmの中間細孔サイズ分布によりさらに特徴付けられる、項目70から73のいずれか1項に記載の低密度オープンセル炭素発泡体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、該方法は以下の工程: (a)1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物、1つ以上のアルデヒド、1つ以上の触媒および水を含有する反応混合物を形成する工程;ここで該反応混合物中の該アルデヒドに対する該ヒドロキシル化ベンゼン化合物のモル比(R/C)が約2000より大きい;および
(b)該反応混合物を加熱して、該有機ゲルを形成する工程、
を含む、方法。
【請求項2】
前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、20%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、30%から80%w/v(容量に対する重量)の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のヒドロキシル化ベンゼン化合物がレゾルシノールを包含し、そして前記1つ以上のアルデヒドがホルムアルデヒドを包含する、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記形成する工程において、前記反応混合物の全容量に対する該反応混合物中の前記ヒドロキシル化ベンゼン化合物および前記アルデヒドの重量(R)が、50%以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
(c)乾燥時間の間乾燥温度でかつ乾燥圧力で前記有機ゲルを空気乾燥して、低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程
をさらに包含する、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記乾燥温度が50から150℃である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥温度が60から150℃である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記乾燥圧力が約0.5から2.5atmである、請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記乾燥時間が6〜48時間である、請求項6から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
低密度オープンセル有機発泡体を形成する工程を包含する請求項1から10のいずれか1項に記載の方法であって、該低密度オープンセル有機発泡体が、300から900mg/cmの密度および200から1000m/gの表面積を有する、方法。
【請求項12】
前記低密度オープンセル有機発泡体が、5から50nmの中間細孔サイズ分布を有する、請求項6から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記低密度オープンセル有機発泡体が、7から50nmの中間細孔サイズ分布を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記低密度オープンセル有機発泡体が、10から50nmの中間細孔サイズ分布を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記低密度オープンセル有機発泡体が、10から25nmの中間細孔サイズ分布を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記有機ゲルが、100nmを越えない粒子および細孔のサイズを有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
(d)前記低密度オープンセル有機発泡体を熱分解温度で熱分解して、前記低密度オープンセル炭素発泡体を形成する工程
をさらに包含する、請求項6から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記炭素発泡体が、5から20nmの中間細孔サイズ分布を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載の方法により得ることができる生成物。

【公開番号】特開2009−84584(P2009−84584A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17370(P2009−17370)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【分割の表示】特願平11−507405の分割
【原出願日】平成10年7月2日(1998.7.2)
【出願人】(509004479)オシラス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】