説明

低排出性、改善された初期接着性、および改善された加水分解安定性を有する低リンラミネーション添加剤

【課題】低排出性、改善された初期接着性、および改善された加水分解安定性を有する低リンラミネーション添加剤を提供する。
【解決手段】本発明は、熱接着結合に適したポリウレタンシステムの製造に好適となる組成物であって、少なくとも1種類の有機リン化合物を単独で、あるいは架橋剤または鎖延長剤と組み合わせて含む添加剤混合物を0.1〜20質量%含むことを特徴とする組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低リンラミネーション添加剤、特に、基材のフレームラミネーションのためにポリウレタンシステム、特にポリウレタンフォームに使用される低リンラミネーション添加剤に関し、本発明のラミネーション添加剤を使用して得られたラミネートにも関する。これらの添加剤は、従来の添加剤と比較して最小限の排出性を示し、改善された初期接着性を示す。
【背景技術】
【0002】
可撓性ポリウレタンシステム、特にポリウレタンフォームが使用される多くの物品の製造においては、ポリウレタンシステムと、基材、たとえば木材、布地、金属、またはプラスチック材料との間に接着結合を形成することが必要となる。追加の接着剤を使用せずにフォームに布地を接合する、またはフォームを布地で覆う方法の1つは、熱接着結合方法である。ここで、通常は、熱の作用によって、ポリウレタンシステム(ポリウレタンフォーム)の表面を粘着性の塊に変化させ、次にこの上に基材がラミネートされる。この粘着性の塊は冷却すると固体になり、ポリウレタンシステムと基材との間に非常に耐久性の結合が形成される。
【0003】
ポリエーテル型のポリウレタンは冷却後に十分固化せず、一般に、たとえば布地に対する接着性、特に初期接着性が非常に低いため、この方法は、ポリエステル型のポリウレタンの場合だけに本来好適となっていた。
【0004】
米国特許第3,205,120号には、より安価なポリエーテルウレタンフォームを主成分とする熱処理されたポリウレタンフォームラミネートが初めて記載されている。従来のポリエーテルとは異なり、ポリオキシアルキレンポリオール類、リン含有酸のヒドロキシ脂肪族エステル類、およびヒドロキシル含有天然油類から選択される低分子ポリオールが、少ない比率で使用される。
【0005】
米国特許第3,497,416号には、ポリエーテルポリウレタンフォームを主成分とする独立気泡ポリウレタンフォームラミネートが記載されている。このフォームは、ジプロピレングリコールまたはジブチレングリコールと過剰の芳香族ポリイソシアネートの反応によって得られるポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールとの反応生成物を含有する。この文献中で、ポリエーテルポリオール類の高反応性に起因する多数のプロセス上の問題が明らかにされている。
【0006】
米国特許第3,131,105号には、引火性物質を含有するコーティングがポリウレタンフォームの表面に塗布され、次にこのコーティングに着火し、この表面に接合される材料層が、加圧下で可塑化したフォーム表面に取り付けられる、ラミネート構造の製造方法が記載されている。この方法は、両方のタイプのポリウレタンフォームに適している。フォームへの添加剤の添加は開示されていない。
【0007】
米国特許第3,142,650号および第3,142,651号には、ヒドロキシル含有亜リン酸エステル類、たとえば亜リン酸トリス(ポリプロピレングリコール)から出発するポリウレタンの製造が記載されている。ポリウレタンフォームを主成分とするフレームラミネートの製造は記載されていない。
【0008】
独国特許第4236767号には、粉末形態のエステルPURフォームをエーテルPURフォームに加えることによってフレームラミネート性を増加させることが提案されている。しかしこれは、ポリエステルポリオールの含有率の増加とともに加水分解不安定が増加するという欠点を有する。
【0009】
米国特許第4,135,042号には、ハロゲン化リン酸ポリエステル添加剤を含有するポリウレタンフォーム中での難燃剤としてのホスファイト類の使用が記載されている。この特許でも、ポリウレタンフォームを主成分とするフレームラミネートの製造は記載されていない。
【0010】
直鎖ジオール類を使用することで、ポリエーテルポリウレタン類の熱可塑性が増加し、それによってフォームの可逆的な溶融が生じると言われている(米国特許第5,900,087号)。しかし、単なる熱可塑性の結果として変形が生じるのに必要な温度よりもはるかに到達温度が高い場合にのみ、フォームと基材との間の結合が生じることが文献より知られている(K. F. Hager, M. B. Brodbeck; Journal of Cellular Plastics 1968)。
【0011】
フレームラミネーションを促進するための、天然油を主成分とするポリオール(NOP)類の添加が、国際公開第2009017973A1号に記載されている。NOP類もまた、ポリエステルポリオールをある比率で含有し、そのためフォームの加水分解安定性の低下が生じる。NOP類は天然産物であるため、加工性のゆらぎがある程度生じる。種々のポリオール類の非相溶性の結果として問題が生じることが多く、そのため乳化剤などの他の添加剤を加える必要がある。さらに、NOP類によって、フォームに特徴的な、望ましくない臭いが生じることが多い。
【0012】
欧州特許第0 189 644号には、ラミネート性を増加させることが可能な少なくとも1種類の有機リン添加剤を含有するフレームラミネート可能なポリウレタン組成物が記載されている。記載の有機リン化合物は、有機ホスファイト類、有機ホスホネート類、および有機ホスフェート類である。有機リン化合物の使用も同様に、加水分解に対する敏感性に繋がる。
【0013】
上述のすべての従来技術の方法において、多かれ少なかれラミネート性が改善されたポリエーテルフォームが得られている。しかし、ポリエステルフォームと比較すると、上述の添加剤では、対応する接着性、特に初期接着性を得ることができていない。さらに、添加剤が加えられる結果生じる排出物に関する改善は、上記文献では考慮されていなかった。リン化合物を主成分とする添加剤の場合には、加水分解安定性の低下を容認する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって本発明の目的の1つは、上述の添加剤の1つ以上の欠点が回避される代替の熱接着結合添加剤を提供することであった。特に、非常に加水分解安定性であり、排出物が少なく、ハロゲンを含有せず、熱接着結合中の発煙が少ない添加剤を提供すべきである。フォームと基材との間の結合は、わずか数分後に顕著となるべきであり、1時間から数時間の後にフォーム自体の結合と少なくとも同等、好ましくはより強くなるべきである。フォーム表面は、たとえば、自動車の座席などの家具の座り心地の良さに悪影響を与えないように、好ましくは硬化するべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
驚くべきことに、本発明の目的が、請求される組成物によって実現されることが分かった。
【0016】
したがって本発明は、熱接着結合に適したポリウレタンシステムを製造するのに好適な組成物であって、全組成物を基準にして1〜15質量%、好ましくは2.5〜10質量%、特に好ましくは4.5〜8.5質量%の請求項1に記載の添加剤混合物であって、少なくとも1種類の有機リン化合物を単独で、またはイソシアネート基との反応が可能な少なくとも2つの官能基(イソシアネート反応性基)を有する少なくとも1種類の化合物(X)とともに含む添加剤混合物を含むことを特徴とする組成物を提供する。
【0017】
本発明は、本発明による組成物を発泡させることによって得ることができるポリウレタンシステム、特にポリウレタンフォームをさらに提供する。
【0018】
同様に、本発明は、基材に熱接着結合した本発明によるポリウレタンシステムを含有するラミネート構造を提供し、そのような構造の製造方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1中に、実施例1〜15により、式(Ia)〜(Ic)の種々の純粋なリン化合物を異なる濃度で使用した場合の、1時間のラミネーション時間の後でポリウレタンフォームから基材を引き離すのに必要な力が示されている。本発明による添加剤(Ic)を使用する場合、5部で使用されたときに、熱接着結合を破壊するのに必要な力が最大となるのが容易に分かる。タイプ(Ia)および(Ib)の化合物と比較すると、式(Ic)の化合物を使用することで、はるかに少ない使用量において、はるかに強い接着力も得られる。60分のラミネーション時間後、非常に高い接着力を有するラミネートが、タイプ(Ic)の化合物をわずか3部使用した場合でさえも得られる。この場合、フォームを基材から引き離すために約9Nの力が必要となる。
【図2】図2は、5部の同一量を使用した場合、または架橋剤を使用して有機リン化合物の量を減少させた場合の式(Ia)〜(Ic)の種々の化合物の初期接着性を比較している。 特に式(Ib)および(Ic)の化合物の場合、使用される有機リン化合物の量を80質量%減少させても架橋剤(X)を加えることによって、特に5分後および10分後の初期接着性が大きく増加することが分かる。30分のラミネーション時間の後、(Ic)と、たとえばエトキシル化ビスフェノールAとの相乗的混合物(混合物g))を使用する場合には、エステルフォームの場合よりも良好な接着性が観察される。
【図3】図3中には、式(Ic)の化合物を含有する種々の組成物に関するポリウレタンフォームから基材を引き離すのに必要な力を再び示しており、ラミネーション時間に対してプロットしている。わずか1部の式(Ic)の化合物を使用した場合には、5部の化合物(Ic)を使用した場合、ならびに化合物(Ic)を少量のみ含む5部の相乗的混合物(f)または(g)を加える場合よりも、はるかに最終強度が低くなることが容易に分かる。5部の混合物を加える場合の接着性と比較すると、5部の化合物(Ic)を使用した場合に非常に類似した接着性結果が同時に得られる。約60分のラミネーション時間後、フォームの布地に対する接着性が非常に良好であるため、実施例11および37でフォームの引き裂けが生じ、実施例41で12Nの非常に大きい剥離力が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の組成物は、これを加えることによって、対応する添加剤(架橋剤)を使用せずに製造したフォームと比較して、加水分解安定性とフォームの初期接着性との両方が顕著に増加し、さらに、非常に安定な結合、特にフォーム自体の結合よりもポリウレタンシステムと基材との間の方が強い結合が、フォームと基材とを互いに比較的短時間押し付けた後に得られるという利点を有する。好ましくは、本発明による過半量の、イソシアネート基との反応が可能な少なくとも2つの官能基を有する化合物(X)を、有機リン化合物と添加剤混合物中で併用した結果として、加熱の際煙が発生する現象を軽減することができる。
【0021】
本発明の目的では、熱接着結合という用語は、フレームラミネーション、熱ラミネーション、または赤外線ラミネーション(infrared lamination)、超音波、またはその他の高周波の接着結合、ならびに融着の方法を含んでいる。
【0022】
本発明の組成物、ポリウレタンフォーム自体、およびラミネートを製造するためのそれらの使用を以下に例として説明するが、本発明がこれらの説明的実施形態に限定されるものではない。化合物の範囲、一般式、または種類が以下に示される場合、これらは、明記される化合物のそれぞれの範囲または群のみが含まれることが意図しているのではなく、個別の値(範囲)または化合物を除外することによって得ることができる化合物のすべての部分的範囲および部分群も含まれることを意図している。本明細書の説明中に文献が引用されている場合、それらの内容、特に参照される事実に関する内容のすべてが、本発明の開示内容に参照として援用される。以下にパーセント値が示される場合、特に明記しない限りこれらは質量パーセント値である。
【0023】
熱接着結合に適したポリウレタンシステムを製造するのに好適となる、または使用される本発明の組成物は、式(Ia)〜(Ic)
【化1】


(式中、m、n、およびpは、同一または異なるものであり、それぞれ1以上、好ましくは2〜30、好ましくは2.5〜10、より好ましくは2.5〜4であり、qは、1以上、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3、特に1であり、
、R’、R、R’、R、およびR’は、同一または異なるものであり、それぞれ−H、−アルキル、特にCHまたは−フェニル、好ましくは−Hまたは−CH、特に好ましくは−Hであり、基R、R、およびRは水素基であると好都合となる場合があり、基R’、R’、およびR’はメチル基または同様に水素基であると好都合となる場合がある)
【化2】


(式中、指数rは、同一または異なるものであり、好ましくは同一であり、それぞれ1以上、好ましくは2〜30、より好ましくは2.5〜10、特に好ましくは2.5〜4であり、
指数sは、同一または異なるものであり、好ましくは同一であり、それぞれ0または1以上、好ましくは2〜30、より好ましくは2.5〜10、特に好ましくは2.5〜4であり、
tは、1以上、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3、特に1であり、
、R’、R、およびR’は、同一または異なるものであり、それぞれ−H、−アルキル、特にCHまたは−フェニル、好ましくは−Hまたは−CH、特に好ましくは−Hであり、基RおよびRは水素基であると好都合となる場合があり、基R’およびR’はメチル基または同様に水素基であると好都合となる場合があり、
Rは、水素基、好ましくは1〜5個、より好ましくは1または2個の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル基、フェニル基、R’’、またはR’’’、好ましくはメチル基であり、
r+sは、4〜60、好ましくは5〜20、好ましくは5〜8である)
【化3】


(式中、r、s、t、R、R、R’、R’、R’’、およびR’’’は、式(Ib)に定義された通りであり、Rは、−(CH−OHであり、oは、1〜5、好ましくは1〜2、特に好ましくは1であり、r+sは、好ましくは4〜60、より好ましくは5〜20、特に好ましくは5〜8である)
の化合物から選択される少なくとも1種類の有機リン化合物(I)と、イソシアネート基との反応が可能な少なくとも2つの官能基を有し、400g/mol当量(質量)未満の少なくとも1種類の化合物(X)とを含む添加剤混合物、あるいは1種類以上の式(Ic)の化合物を含む添加剤混合物を、0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2.5〜8.5質量%および特に好ましくは4.5〜5.5質量%(全組成物を基準とする)含むことを特徴とする。本発明の組成物は、好ましくは、1種類以上の化合物(X)と1種類以上の有機リン化合物(I)との混合物である添加剤混合物を含有する。
【0024】
式(Ia)〜(Ic)の化合物中に存在する指数m、n、p、q、r、s、およびtで特徴付けられる構成ブロックは、分子内で同一(ホモポリエーテル)の場合もあるし、異なる場合もある。構成ブロックは、化合物中で同一、またはそれぞれの式の全化合物にわたる数平均として同一であると好都合である場合があり、好ましくはすべてがエチレンオキシド単位またはすべてがプロピレンオキシド単位であると好都合である場合がある。
【0025】
タイプ(Ia)の好ましい有機リン化合物は式(Ia1)
P(−(OCRH−CHR’)u−OH) (Ia1)
(式中、指数uは、同一または異なるものであり、好ましくは同一であり、それぞれ2〜30、好ましくは2.5〜10、より好ましくは2.5〜4であり、
およびR’は、同一または異なるものであり、それぞれ−H、−CH、−フェニル、好ましくは−Hまたは−CH、特に好ましくは−Hであり、特に、Rは好ましくは−Hであり、R’は好ましくは−HまたはCHである)
の化合物である。
【0026】
タイプ(Ib)の好ましい有機リン化合物は、tが1である、および/またはRがメチルである化合物である。タイプ(Ic)の好ましい有機リン化合物は、tが1である、および/またはRが−(CH−OHでoが1である化合物である。
【0027】
指数m、n、o、p、およびqで示される値は、それぞれの化合物の混合物が存在する場合には、平均値(数平均)である。
【0028】
式(I)の有機リン化合物は、たとえば、Houben-Weyl ”Methoden der organischen Chemie” volume XII/2, 4th edition, p. 21, 69, 143 ff., 336に記載されているように調製することができる。さらに別の好適な合成方法は、たとえば、J.P.H. Verheyden, J.G. Moffatt; J. Org. Chem. 35, 1970, p.2319に見ることができる。式(Ic)の化合物の場合、添加剤混合物中の有機リン化合物の比率は、好ましくは1〜100質量%、より好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%とすることができる。
【0029】
式(Ia)および(Ib)の化合物の場合、添加剤混合物中の有機リン化合物の比率は、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%とすることができる。
【0030】
有機リン成分はヒドロキシルを含有する有機ホスファイト、有機ホスホネート、または有機ホスフェートであってよく、一方化合物(X)(架橋剤または鎖延長剤)は、多官能性イソシアネート反応性化合物である。
【0031】
特に、有機リン化合物(I)と化合物(X)との好ましい組み合わせによって、驚くべきことに相乗効果が実現される。化合物(X)単独またはリン化合物(I)単独(式(Ic)の化合物は除く)を同一の量で使用しても、同等以上の初期接着性および対応する加水分解安定性を有するフォームを得ることはできない。この相乗効果は、式(Ic)の化合物が混合物中に存在する場合に特に明らかとなる。式(I)の化合物の一部を化合物(X)で置き換えることによって、性能を変化させることなく、さらには得られるフォームの性能を高めながら、加水分解安定性を増加させることができる。
【0032】
熱接着結合添加剤として使用される場合、本発明の組成物は、式(Ic)の化合物だけを含むことができるし、または同様に、好ましくは式(Ic)の化合物と1種類以上の化合物(X)との混合物を含むことができる。
【0033】
化合物(X)として、少なくとも2つ、好ましくは2つまたは3つのイソシアネート反応性基を含むすべての化合物を本発明の組成物中に使用することができる。反応性基は、好ましくはヒドロキシ基および/またはアミノ基であってよく、より好ましくは該当する第1級または第2級の基である。当量(=数平均分子量/官能価)は、400g/molを超えるべきではなく、好ましくは200g/mol、特に好ましくは150g/molである。このような化合物は、たとえば、2官能性、たとえばビスフェノールA、あるいはそれを主成分とするエチレンオキシドポリエーテルポリオール類またはプロピレンオキシドポリエーテルポリオール類であってよい。さらに、より高い官能性の架橋剤、たとえばグリセロール、あるいはグリセロールを主成分とするエチレンオキシドポリエーテルポリオール類またはプロピレンオキシドポリエーテルポリオール類などの3官能性架橋剤、あるいは(ジ)ペンタエリスリトール、ならびにそれを主成分とするおよびエチレンオキシドポリエーテルポリオール類またはプロピレンオキシドポリエーテルポリオール類を使用することもできる。一般に、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、エリスリトール、スクロース、ブタンジオール、フェニレンジアミンの異性体、ペンタエリスリトール、2,4,6−トリアミノトルエン、イソホロンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、エタノールアミン、ヒドラジン、ビスフェノールA、低分子量オキシアルキレン付加体、特に、多官能性アミン類、多官能性アルコール類、アミノアルコール類、およびアルコールアミン類のエチレンオキシド付加体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される架橋剤または鎖延長剤が、化合物(X)として使用される。好ましい添加剤混合物は、エチレンオキシド単位を含有する少なくとも1種類の化合物(X)を含む。
【0034】
化合物(X)として、添加剤混合物は好ましくは、平均(数平均)で好ましくは8〜15個、より好ましくは9〜12個のアルキレンオキシド単位、特にエチレンオキシド単位を有するグリセロールポリエーテル、および/または好ましくは平均(数平均)で5〜7個のエチレンオキシド単位、より好ましくは平均で6個のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ビスフェノールAを含む。好適なグリセロールポリエーテル類は、たとえば、商品名VORALUX(登録商標) HF-501(Dow Chemical)、ARCOL(登録商標) LG-168(Bayer)、またはVORANOL(登録商標) CP 4702(Dow Chemical)で購入することができる。エトキシル化ビスフェノールAは、たとえば、Sigma-Aldrichから入手することができる。
【0035】
本発明の組成物中に存在する添加剤混合物は、好ましくは1〜51質量部の式(I)の化合物、特に、(Ia)、(Ib)、および/または(Ic)の化合物、あるいはそれらの混合物と、49〜99質量部の化合物(X)とを含み、好ましくは10〜25質量部の式(Ia)〜(Ic)の化合物またはそれらの混合物と、75〜90質量部の化合物(X)とを含み、より好ましくは15〜25質量部の式(Ib)〜(Ic)の化合物またはそれらの混合物と、75〜85質量部の化合物(X)とを含む。
【0036】
本発明の組成物は、ポリウレタンシステム、特にポリウレタンフォームを製造するのに好適なすべての別の成分を含有することができる。特に、本発明の組成物は、添加剤混合物に加えて、好ましくは少なくとも1種類のイソシアネート成分および少なくとも1種類のポリオール成分を含有し、適切である場合には、1種類以上の発泡剤、適切である場合には1種類以上のウレタンおよび/またはイソシアヌレート触媒も含有する。
【0037】
ポリウレタンシステム、特にポリウレタンフォームを製造するための従来通りの配合物は、イソシアネート成分としての2つ以上のイソシアネート官能基を有する1種類以上の有機イソシアネートと、ポリオール成分としてのイソシアネートに対して反応性である2つ以上の基を有する1種類以上のポリオールと、場合によりイソシアネート−ポリオールおよび/またはイソシアネート−水および/またはイソシアネート三量化の反応のための触媒と、水と、場合により物理発泡剤と、場合により難燃剤と、適切である場合にはさらなる添加剤とを含有する。
【0038】
本発明の目的に適したイソシアネートは、好ましくはすべての多官能性有機イソシアネート類であり、たとえばジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)である。「ポリマーMDI」(「クルードMDI」)と呼ばれる、MDIと2〜4の平均官能価を有する高度に縮合した類似体との混合物、さらには、純粋形態または異性体混合物としてのTDIの種々の異性体が特に有用である。
【0039】
ポリオール成分としては、400g/molを超える、好ましくは500g/molを超える、特に好ましくは750g/molを超える当量(=数平均分子量/官能価)を有するポリオール類を使用することが好ましい。好ましいポリオール成分は、1000〜8000、好ましくは1500〜6000の数平均分子量を有する化合物である。
【0040】
好適なポリオールは、特に、イソシアネート基に対して反応性であるH原子を少なくとも2個、好ましくは2〜8個、より好ましくは3〜5個有するポリオールである。ポリエーテルポリオール類を使用することが好ましい。このようなポリオール類は、周知の方法、たとえば触媒としてのアルカリ金属水酸化物類またはアルカリ金属アルコキシド類の存在下、結合した形態の反応性水素原子を2〜3個含有する少なくとも1種類の出発分子が加えられるアルキレンオキシド類のアニオン重合によって、あるいはルイス酸、たとえば五塩化アンチモンまたはフッ化ホウ素エーテルの存在下でのアルキレンオキシド類のカチオン重合によって、あるいは複合金属シアン化物触媒反応によって調製することができる。好適なアルキレンオキシド類は、好ましくは、アルキレン基中に2〜4個の炭素原子を含有する。例としては、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,3−プロピレンオキシド、1,2−または2,3−ブチレンオキシドが挙げられる。エチレンオキシドおよび/または1,2−プロピレンオキシドを使用することが好ましい。アルキレンオキシド類は、個別に、連続的に種類を変えて、または混合物として使用することができる。出発分子として、たとえば、水または2価および/または3価のアルコール類、たとえばエチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパンなどを使用することができる。糖などの多官能性ポリオール類を出発物質として使用することもできる。好ましいポリエーテルポリオールは、好ましくは2〜8の官能価および/または好ましくは1000〜8000、より好ましくは1200〜3500の数平均分子量を有するポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンポリオール類である。さらに別のポリオール類は当業者に周知であり、たとえば、全体が参照として援用される欧州特許出願公開第A−0 380 993号または米国特許第3 346557号に見ることができる。
【0041】
成形フォームおよび高弾性可撓性フォームを製造する場合、第1級ヒドロキシル基を有する2官能性および/または3官能性のポリエーテルアルコール類、特に、鎖末端にエチレンオキシドブロックを有するポリエーテルアルコール類、またはエチレンオキシドのみを主成分とするポリエーテルアルコール類を使用することが好ましい。
【0042】
スラブ材可撓性フォームを製造する場合、第2級ヒドロキシル基を有する2官能性および/または3官能性のポリエーテルアルコール類、特に、プロピレンオキシドブロックあるいはランダムなプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのブロックを鎖末端に有するポリエーテルアルコール類、あるいはプロピレンオキシドブロックのみを主成分とするポリエーテルアルコール類を使用することが好ましい。
【0043】
好適なポリエステルポリオール類は、多塩基カルボン酸類(脂肪族、たとえばアジピン酸、あるいは芳香族、たとえばフタル酸またはテレフタル酸のいずれであってもよい)と多価アルコール類(通常はグリコール類)とのエステル類を主成分にする。
【0044】
組成の指数として表されるイソシアネートとポリオールとの好適な比率は、10〜1000の範囲内、好ましくは80〜350の範囲内であり、ここで100は、反応性イソシアネート基と反応性OH基とのモル比が1:1であることを示す。
【0045】
本発明の目的に適した触媒は、ゲル化反応(イソシアネート−ポリオール)、発泡反応(イソシアネート−水)、あるいはイソシアネートの二量化または三量化を触媒する物質である。典型例は、アミン類のトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、N−エチルモルホリン、トリス(ジメチルアミノプロピル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、およびビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ジブチルスズジラウレートまたはスズオクトエートなどのスズ化合物、ならびに酢酸カリウムなどのカリウム塩である。
【0046】
使用される好適な量は、触媒の種類に依存し、通常は0.05〜5pphp(=ポリオール100重量部当たりの重量部)の範囲内であり、カリウム塩の場合は0.1〜10pphpの範囲内である。
【0047】
本発明の目的に好適な含水率は、水に加えて物理発泡剤が使用されるかどうかに依存する。単に水で発泡させるフォームの場合、上記値は典型的には1〜20pphpであるが、他の発泡剤が追加で使用される場合は、使用される量は通常0.1〜5pphpまで減少する。より高密度のフォームを得るためには、水も他の発泡剤も使用しないことが好ましい。
【0048】
本発明の目的に好適な物理発泡剤は、気体、たとえば液化CO、および揮発性液体、たとえば4または5個の炭素原子を有する炭化水素、好ましくはシクロペンタン、イソペンタン、およびn−ペンタン、フッ素化炭化水素類、好ましくはHFC 245fa、HFC 134a、およびHFC 365mfc、クロロフルオロカーボン類、好ましくはHCFC 141b、ギ酸メチルおよびジメトキシメタンなどの酸素含有化合物、あるいは塩素化炭化水素類、好ましくはジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンである。さらに、ケトン類(たとえばアセトン)またはアルデヒド類(たとえばメチラール)も発泡剤として好適である。
【0049】
水、および適切な場合の物理発泡剤とは別に、イソシアネート類と反応して気体を発生する他の化学発泡剤、たとえばギ酸またはカーボネート類を使用することもできる。
【0050】
本発明の目的に好適な難燃剤は、好ましくは、ハロゲンを含有しない有機ホスフェート類、たとえばリン酸トリエチル(TEP)、ハロゲン化ホスフェート類、たとえばリン酸トリス(1−クロロ−2−プロピル)(TCPP)およびリン酸トリス(2−クロロエチル)(TCEP)、ならびに有機ホスホネート類、たとえばメタンホスホン酸ジメチル(DMMP)、プロパンホスホン酸ジメチル(DMPP)などの液体有機リン化合物、あるいはポリリン酸アンモニウム(APP)および赤リンなどの固体である。さらに、ハロゲン化化合物、たとえばハロゲン化ポリオール類、ならびに膨張性黒鉛およびメラミンなどの固体も難燃剤として好適である。
【0051】
本発明のポリウレタンシステムまたは本発明のポリウレタンフォームは、本発明による組成物を加工または発泡させることによって得ることができる。好ましい本発明によるポリウレタンシステムまたはフォームは、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.5〜2質量%の、有機リン化合物(I)、あるいは本発明のシステムまたはフォームに基づく反応に組み込まれる有機リン化合物(I)を含む。含有率は、使用されるリン化合物の分子量からリン含有率を求めることによる単純な方法で求めることができる。したがって、使用される上記量から計算することができる好ましいリン含有率を有するポリウレタンシステムまたはポリウレタンフォームも同様に本発明によって提供される。
【0052】
ポリウレタンシステム、特にポリウレタンフォームを形成するための組成物の加工は、当業者に周知のすべての方法、たとえば手動混合方法で、または好ましくは高圧発泡機を使用して行うことができる。ここで、たとえば成形フォーム、冷蔵庫、およびパネルを製造する場合にバッチ方法を使用することができ、たとえば断熱板、金属複合材要素、ブロック、または吹き付け方法の場合に連続方法を使用することができる。
【0053】
本発明のラミネート構造は、基材に熱接着結合されるポリウレタンシステム、特にポリウレタンフォームを含むか、またはそれらからなる。基材として、この構造は、たとえば、織布、不織布またはフェルト、綿、羊毛、絹、リネン、黄麻、サイザル、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、レーヨン、ポリウレタンスパンデックスなどの天然または合成の繊維、プラスチックフィルム、たとえばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンを使用して製造されたフィルム、金属、木材、あるいは複合材料を含有することができる。
【0054】
本発明のラミネート構造は、本発明によるポリウレタンシステム、特に本発明によるポリウレタンフォームを基材に熱接着結合することを特徴とする、ラミネート構造を製造するための本発明の方法によって得ることができる。
【0055】
本発明を図面により説明するが、これらの図面に本発明が限定されるものではない。図1〜3は、後述する実施例の結果を示している。
【0056】
以下に示す実施例を例として本発明を説明するが、全体の説明および特許請求の範囲によって範囲が記述される本発明が、これらの実施例に記載される実施形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0057】
ポリウレタンフォーム製造
ポリウレタンフォームを製造するために、以下の配合物を使用した:100重量部の、エチレンオキシド単位(EO)およびプロピレンオキシド単位(PO)を含むポリエーテルオール(ヒドロキシル価=47mgKOH/g、EOおよびPOの合計を基準にして11〜12重量%のEO)、3重量部の水、0.8重量部のTEGOSTAB(登録商標) B 8228(Th. Goldschmidt AGのブランド)(シリコーン安定剤)、0.15重量部の第3級アミン(TEGOAMIN(登録商標) B-75、Evonik Goldschmidt GmbHの製品)、種々の重量部のトルエンジイソシアネートT 80(インデックス105)、およびこれを種々の量のKOSMOS(登録商標) 29(Evonik Goldschmidt GmbH)(オクタン酸スズ)、および種々の量の適切なフレームラミネーション添加剤。
【0058】
発泡は200gのポリオールを使用して行い、配合物の他の成分は上記比率に合わせた。表1は、実施例フォーム1〜43の配合物の変動成分をまとめている。
【0059】
発泡させるために、ポリオール、水、アミン、スズ触媒、フレームラミネーション添加剤、およびシリコーン安定剤を撹拌しながら十分混合した。イソシアネートを加えた後、混合物を、撹拌機によって3000rpmで7秒間撹拌した。得られた混合物を、紙が敷かれた木箱(底面領域17cm×17cm)中に注いだ。これによってフォームが得られ、1日間保管した後、4.3cm(幅)×14cm(長さ)×1cm(高さ)の断片に切断した。
【0060】
【表1】

【0061】
(1)a)=トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト
b)=ジ(ポリオキシエチレン)メチルホネート
c)=ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルホスホネート
d)=1質量部のトリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト+4質量部のグリセロールポリエーテル
e)=1質量部のジ(ポリオキシエチレン)メチルホネート+4質量部のグリセロールポリエーテル
f)=1質量部のジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルホスホネート+4質量部のグリセロールポリエーテル
g)1質量部のジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルホスホネート+4質量部のエトキシル化ビスフェノールA
h)=グリセロールポリエーテル
i)=Sigma-AldrichのビスフェノールA(エトキシル化)
【0062】
使用した有機リン化合物の合成方法は、Houben-Weyl ”Methoden der organischen Chemie” volume XII/2, 4th edition, p. 21, 69, 143 ff., 336に包括的に記載されている。さらなる合成段階は、J.P.H. Verheyden, J.G. Moffatt; J. Org. Chem. 35, 1970, p. 2319に見ることができる。
【0063】
フレームラミネーションは、実験室内で手作業で以下のように行った:
フォーム試験片を耐火性キャリッジ上に載せ、このキャリッジは、ボタンを押すことで、圧縮空気によって7cm/sの速度で移動してバーナー火炎を通過した。このバーナーは、ブタンガス容器を使用して操作される市販のキャンプ用ガスバーナーであった。バーナーのノズルは下方に傾いており、フォームから6cmの距離にある。供給されるガスの量は、青い火炎が得られるように設定した。フォームが移動して火炎を通り過ぎた後、一定寸法に裁断された布地をフォーム上に載せた。こうしてラミネートしたフォームを、次に2つのタイルの間に配置し、スタンドを使用して一定の弱い圧力下で種々の時間x(ラミネーション時間:5分〜24時間)のあいだ置いた。
【0064】
DIN EN ISO 8067, 07/1995に準拠し、100mm/分の剥離速度を選択して、接着強度(剥離試験)を測定した。各フォームは4回ラミネートを行い、それぞれの場合で接着強度を測定した。したがって表2に報告される値は4回の測定の平均値である。
【0065】
結果を表2にまとめている。
【0066】
【表2】

【0067】
加水分解安定性の測定
試験方法ASTM D 1564−71に基づく方法によって加水分解安定性を測定した。ここで、条件5.1.2を使用した。加熱および乾燥のサイクルを各フォームで合計3回行い、3サイクル後の圧縮荷重たわみの減少を測定した。
【0068】
表3に加水分解安定性の測定結果をまとめている。
【0069】
【表3】

【0070】
添加剤混合物を使用することによって加水分解安定性が明らかに増加することが結果から明確に分かる。実施例19、25、31、および38は、圧縮荷重たわみが37〜42%のパーセント減少を示し、これらの実施例は添加剤を加えていない従来のポリエーテルポリウレタンフォームの圧縮荷重たわみの減少(36%)の範囲内となっていることを示している。他方、エステルフォームおよびフォーム1、6および11の両方における圧縮荷重たわみの減少は55%程度であり、したがって最適化された添加剤混合物を含有するフォームよりも約20%高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱接着結合に好適なポリウレタンシステムの製造に好適な組成物であって、式(Ia)〜(Ic)
【化1】


(式中、m、n、およびpは、同一または異なるものであり、それぞれ1以上であり、
qは、1以上であり、
、R’、R、R’、R、およびR’は、同一または異なるものであり、それぞれ−H、−アルキル、または−フェニルである)
【化2】


(式中、指数rは、同一または異なるものであり、それぞれ1以上であり、
指数sは、同一または異なるものであり、それぞれ0または1以上であり、
tは、1以上であり、
、R’、R、およびR’は、同一または異なるものであり、それぞれ−H、−アルキル、または−フェニルであり、
Rは、水素基、アルキル基、フェニル基、R’’、またはR’’’であり、
r+sは、4〜60である)および
【化3】


(式中、r、s、t、R、R、R’、R’、R’’、およびR’’’は、式(Ib)に定義された通りであり、Rは、−(CH−OHであり、oは、1〜5である)
の化合物から選択される少なくとも1種類の有機リン化合物(I)と、
イソシアネート基との反応が可能な少なくとも2つの官能基(イソシアネート反応性基)を有し、400g/mol当量(質量)未満の少なくとも1種類の化合物(X)とを含む添加剤混合物、あるいは式(Ic)の1種類以上の化合物からなる添加剤混合物を、全組成物を基準にして0.1〜20質量%含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記添加剤混合物が、1種類以上の化合物(X)と1種類以上の有機リン化合物(I)との混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記添加剤混合物が、エチレンオキシド単位を含有する化合物(X)を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記添加剤混合物が、グリセロールポリエーテルおよび/またはエトキシル化ビスフェノールAを化合物(X)として含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記添加剤混合物が、9〜12個のアルキレンオキシド単位を有するグリセロールポリエーテル、および/または5〜7個のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ビスフェノールAを化合物(X)として含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記添加剤混合物が、1〜25質量部の有機リン化合物(I)と、75〜99質量部の化合物(X)とを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記添加剤混合物のほかに、少なくとも1種類のイソシアネート成分および少なくとも1種類のポリオール成分、さらに、適切である場合には1種類以上の発泡剤および/または1種類以上のウレタンおよび/またはイソシアヌレート触媒も含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
ラミネート構造を製造するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を加工することによって得ることができる、ポリウレタンシステム。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を発泡させることによって得ることができる、ポリウレタンフォーム。
【請求項11】
基材に熱接着結合された、請求項9に記載のポリウレタンシステム、または請求項10に記載のポリウレタンフォームを含むラミネート構造。
【請求項12】
請求項9に記載のポリウレタンシステム、または請求項10に記載のポリウレタンフォームを基材に熱接着結合させることを特徴とする、請求項11に記載のラミネート構造の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−52215(P2011−52215A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−193318(P2010−193318)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】