説明

低温熱分解処理装置の処理灰の排出装置

【課題】磁力線を利用した低温熱分解処理装置において、分解処理室下部の処理灰を容易に排出する装置を提供する。
【解決手段】分解処理室1下部の細孔付底板3に取り付けた遥動翼2を動かすことにより、処理灰を処理灰室6にある受け皿4に落とし、受け皿4を交換することにより、処理灰の排出を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁力線を利用して、有機物を処理する低温熱分解処理装置内の処理灰を、常時排出できるようにした排出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、磁力線を利用した低温熱分解処理装置において、処理灰の排出には、分解処理室下部に設けた排出用扉を使用して行っていた。ところが、この排出用扉を開けると扉部から大量の空気が流入し、処理灰の過燃焼が起こり、危険であると同時に、処理灰の利用価値が減少していた。そのため、扉の開放時間を少なくするために、作業時は短時間に大量の処理灰をかき出さなければならないこと、また、排出作業回数を減らすために排出間隔を長くする必要があった。その結果排出灰が固まる等の問題があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この問題を解決するためには、排出作業を短時間で終えることが必要であり、そのためには排出間隔を長くできないが、排出回数を多くすると、処理灰の劣化、過燃焼の問題が発生するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の排出装置において、請求項1の発明は、分解処理室の底板部に遥動翼を設け、その遥動翼を分解処理装置の外側から、リンクを介して遙動回転させることにより、処理灰が外気に触れることなく分解処理室底板に開けた細孔を通じて、常に下部処理灰室の受け皿に排出することができるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
分解処理の進行により、分解処理装置の分解処理室下部には300℃〜400℃の分解灰が堆積する。分解処理室底板に遥動するように取り付けられた複数枚の翼を、リンク節により数回遥動することにより、堆積した分解灰が攪拌分散され、分解処理室下部の底板にあけられた細孔を通じて下の受け皿にたまる。この受け皿にたまった灰は、排出時間、排出間隔を問題とすることなく、空の受け皿と短時間に交換することによって排出することが可能である。
【実施例】
【0006】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す正面図であり、分解処理室1の下部にたまった処理灰は、遥動翼2により攪拌分散され細孔付底板3を通じて受け皿4にたまる。遥動翼2はリンク部5により、処理灰室6の外側から操作レバー7により遥動させる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明は、分解処理室底板に取り付けた遥動翼により、処理灰を外気に触れることなく取り出すことができるので、処理灰の排出に伴う異常燃焼、短時間作業の必要性の問題を解消し有用な処理灰を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本装置の上面図である。
【図2】本装置の正面図である。
【符号の説明】
1 分解処理室
2 遥動翼
3 細孔付底板
4 受け皿
5 リンク部
6 処理灰室
7 操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁力線を利用した低温熱分解処理装置の分解処理室の細孔付底板に、遥動回転するように設けた遥動翼と、分解処理室の下部に設けた処理灰室の外壁部に取り付けられた操作レバーとを、処理灰室の外壁貫通習動部より空気の流入が無いように作られた多節リンク装置により連結した、低温熱分解処理装置の分解処理灰排出装置。
【請求項2】
磁力線を利用した低温熱分解処理装置の分解処理室の細孔付底板を通して落下した処理灰を、処理灰室にある受け皿で受け、空の受け皿と短時間で交換することにより、分解処理室に過剰な空気が流入する時間を短縮し、かつ排出を容易にした分解処理灰排出装置。

【図1】
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【図2】
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